JP2000261882A - エコー残差連動型音声ダイナミックレンジ圧縮装置 - Google Patents

エコー残差連動型音声ダイナミックレンジ圧縮装置

Info

Publication number
JP2000261882A
JP2000261882A JP5736199A JP5736199A JP2000261882A JP 2000261882 A JP2000261882 A JP 2000261882A JP 5736199 A JP5736199 A JP 5736199A JP 5736199 A JP5736199 A JP 5736199A JP 2000261882 A JP2000261882 A JP 2000261882A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
signal
filter
input
echo
level
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP5736199A
Other languages
English (en)
Inventor
Tsutomu Hoshino
勉 星野
Toshiro Oga
寿郎 大賀
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujitsu Ltd filed Critical Fujitsu Ltd
Priority to JP5736199A priority Critical patent/JP2000261882A/ja
Publication of JP2000261882A publication Critical patent/JP2000261882A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Circuit For Audible Band Transducer (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は通話者の声がマイクロホンを経由し
て送話信号となるとき、もしくは受話信号を受けるとき
に、通話者の声のレベル変動をなくし、ダイナミックレ
ンジを狭めて一定レベルにし、しかも、AEC4の係数
推定が未だ完了していない場合であっても、上記のレベ
ル一定機能が働いても一切の不具合がでないようにする
ことを目的とする。 【解決手段】 エコーキャンセラのフィルタ係数推定動
作時、該エコーキャンセラ内の適応フィルタに参照信号
を入力する際、入力信号のレベルの増減量に対して、出
力信号のレベルの増減量が減少するように動作するフィ
ルタを設け、入力した受話信号を該フィルタを通過させ
た後、該参照信号として該適応フィルタに送出するよう
に構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、拡声電話機、会議
端末等のハンドセットを用いず、スピーカとマイクロホ
ンを使用した通話系を内蔵する機器の内部に設けた、エ
コーキャンセラ(以下、ECと省略する) 等の係数推定
の補助方法に関するものである。
【0002】ECの係数推定は通話が開始されてから、
もしくはエコー経路変動が起こった場合、精度よく早急
に完了させる必要がある。勿論、通話中においてもEC
の係数は精度よく的確に保たれる必要がある。
【0003】この為、係数推定時にはなるべく参照信号
の音声パワーが強く、いわゆる信号対雑音比(この場合
の信号は参照信号である音声とし、雑音は周囲暗騒音な
どを意味する)が高い必要がある。
【0004】また、音声のパワーを強くすることは、直
接的に通話の品質を向上させることにもつながる。
【0005】
【従来の技術】通話者の声は音圧で約20dB程度の個
人差がある。さらに、マイクロホンと通話者の口までの
距離に依存する送話音圧変動もある。
【0006】この為、通話者の声が小さい場合やマイク
ロホンと通話者の口までの距離が離れている場合には、
上述の信号対雑音比が低いので、音響エコーキャンセラ
(以下、AECと省略する)が係数推定をするのに非常
に時間がかかる。
【0007】また、通話相手にとっては送話者の音声の
レベルが低いので聞き取りずらくなる。
【0008】この不具合を解消させる為、例えば、通話
者の声が小さい場合に合わせて、マイクロホン出力信号
を増幅する増幅器の増幅率を設定しても、上述のように
個人差により通話者の声が20dB増加した場合、もし
くは、マイクロホンと通話者の口までの距離がごく接近
した場合に、入力信号が過大となり入力信号の劣化、歪
などが発生する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】そこで、従来は平均的
な通話者の音声レベルでマイクロホンや増幅器等のレベ
ル設定をせざるを得なかった。
【0010】上述の通話者の声が小さい場合、もしく
は、マイクロホンと通話者の口までの距離が極端に離れ
た場合、 AECが係数設定をするのに非常に時間が
かかったり、または、 通話相手にとっては、音声が
小さく聞き取りずらくなるという欠点を生じていた。
【0011】本発明では、通話者の声がマイクロホンを
経由して送話信号となるとき、もしくは受話信号を受け
るときに、通話者の声のレベル変動をなくし、ダイナミ
ックレンジを狭めた(圧縮した)一定レベルにし、しか
も、AEC4の係数推定が未だ完了していない場合であ
っても、上記のレベル一定機能が働いても、一切の不具
合がでないようにすることを目的とする。
【0012】つまり、近端側の受話スピーカ出力→近端
側の送話マイクロホン入力→遠端側の受話スピーカ出力
→遠端側の送話マイクロホン入力の伝達系によって作ら
れる一巡ループの合計利得が1を越えない範囲内で、こ
の非線形フィルタを使用するようにした。
【0013】
【課題を解決するための手段】図1は本発明の原理説明
図(ディジタル処理の場合)、図2は本発明の原理説明
図(アナログ処理の場合)、図3は非線型フィルタを実
現させた1チップDSPのブロック図、図4は図3の入
出力特性図の一例、図5は全アナログ素子で構成した非
線型フィルタの一例である。
【0014】また、図6は図5の入出力特性の一例、図
7は本発明の原理説明図(パワー比によりエコー消去量
を検出する方法)、図8は本発明の原理説明図(相互相
関の絶対値によりエコー消去量を検出する方法)、図9
は図8のフローチャートに対応したデータテーブルの一
例である。
【0015】なお、図中の1は受話音声を電気音響に変
換するスピーカ、2は送話音声を音響電気変換するマイ
クロホン、3はアナログ信号をデイジタル信号に(また
は、デイジタル信号をアナログ信号に)変換するコーデ
ック、4はスピーカ1からマイクロホン2への回り込み
成分を消去するAEC(音響エコーキャンセラ)、5は
例えば、受話信号(入力信号)レベルの増減量に対し、
その出力信号レベルの増減量が、入力信号のそれよりも
縮小するように働く非線型フィルタ、6は、検出点9に
おいてサンプルした参照信号と、検出点10においてサ
ンプルした制御誤差信号を用いて、AEC4のエコー消
去量を検知するエコー消去量検出部である。
【0016】また、受話信号の入力部7と送話信号の出
力部8は、対向側の同機種と接続する場合の接続部とな
る。
【0017】ここで、第1の本発明は、エコーキャンセ
ラのフィルタ係数推定動作時、該エコーキャンセラ内の
適応フィルタに参照信号を入力する際、入力信号のレベ
ルの増減量に対して、出力信号のレベルの増減量が減少
するように動作するフィルタを設け、入力した受話信号
を該フィルタを通過させた後、該参照信号として該適応
フィルタに送出する構成にした。
【0018】第2の本発明は、上記フィルタが、入力信
号のレベルの増減量に対して、出力信号のレベルの増減
量を減少させる際の減少量を、上記エコーキャンセラの
係数推定精度の状態に対応して変化するようにした。
【0019】第3の本発明は、上記エコーキャンセラの
係数推定精度の状態を、上記適応フィルタに入力する参
照信号と、該エコーキャンセラから出力される制御誤差
信号の一定時間の電力比、または、該参照信号と制御誤
差信号との相互相関係数を求めて、判断するようにし
た。
【0020】第4の本発明は、上記フィルタを、さら
に、送話信号出力のレベルの増減量に対し、出力信号の
レベルの増減量を減少させる様に併用するようにした。
【0021】次に、図1〜図9を用いて本発明の原理を
説明する。図1に示す様に、エコー消去量検出部6はA
EC4のエコー消去量を常に監視し、AEC4でのフィ
ルタ係数の推定精度が向上するにつれて、即ち、エコー
消去量が大きくなるにつれて、図1の装置は非線型フィ
ルタ5によりダイナミックレンジを圧縮する動作に移行
していく。
【0022】以下に詳細説明する。
【0023】例えば、拡声通話系について、図1の系を
別に用意して、2台を対向接続した場合、下記のような
ループ「近端の受話スピーカ出力→近端の送話マイクロ
ホン入力→遠端の受話スピーカ出力→遠端の送話マイク
ロホン入力」を作る接続系となる。
【0024】この時、自系を近端、対向する相手の系を
遠端と定義する。
【0025】さて、この一巡ループのゲインが、通過周
波数帯域全てにわたり、1以下であれば本接続系は安定
である。
【0026】しかし、AEC4の動作開始時、すなわ
ち、通話の開始時はAEC4のフィルタ係数が定まって
いないので、上記一巡ループのゲインにゲイン余裕がな
く、一巡ループのゲインが1以上になり系が不安定にな
る可能性がある。
【0027】そのため、本発明によってループ内を通過
している信号のダイナミックレンジを狭めることは、こ
の不安定化を促進させる可能性があり、避ける必要があ
る。
【0028】ここで云う「ダイナミックレンジを狭め
る」ということは、特に受話音声等の入力が小さい場合
にも関わらず、受話音声等の入力レベルを増幅すること
を意味する。
【0029】しかし、AEC4でのフィルタ係数の推定
精度が向上するにつれて、そのフィルタ係数でAEC4
が動作した時のエコー消去量R dB に相当する分は、上
記一巡ループ内にR dB の減衰器が挿入されたことと等
価になり、一巡ループの系は安定に向かう。
【0030】このような安定状態になれば、受話音声等
の入力がごく小さい場合でも、エコー消去量による減衰
量R dB に相当する分だけ、受話音声等の入力を大きく
増幅することができる。
【0031】但し、この場合、現実的には減衰量R dB
に対してやや安全を見込んだ減衰量ΔR dB を含めて考
え、(R−ΔR)dBと等価なレベル分だけ、非線型フィ
ルタ5によりレベルを増幅させることになる。
【0032】また、音声信号は周波数成分がほぼ同じで
あれば、振幅変化を除去しても、その振幅変化除去後に
再生した音声の明瞭度は実用上、振幅変化を除去する前
のそれと比較しても殆ど差は生じない。
【0033】同様に本ダイナミックレンジを圧縮する動
作も、実用上、音声の明瞭度を何ら劣化させることはな
い。
【0034】このように非線型フィルタ5に入力される
受話入力信号のレベルが小さい場合、非線型フィルタ5
で大幅に増幅され、スピーカ1から増幅された高レベル
の信号が得られる。
【0035】ここで、上記の非線型フィルタ5について
は、例えば、日本プレシジョンサーキッツから市販され
ているICのSM5852ASが、全ディジタル処理で
非線型フィルタ5を実現させたDSPである。
【0036】図3にDSPのブロック図を、図4に非線
型フィルタの入出力特性を示してある。
【0037】なお、図3中の端子番号14(MOD
1)、及び15(MOD2)へのディジタル入力で圧縮
具合をOFF,MIN,MID,MAXの4段階に制御
することができる。
【0038】本ICは図4に示すように、90dBの入
力信号ダイナミックレンジを、最大75dBの出力信号
ダイナミックレンジとして圧縮処理する。
【0039】主に、本ICへの入力信号レベルが−10
dB以下の弱い場合に最大約10dB増幅させる。
【0040】このDSPで実現した非線型フィルタ5を
図1中の受話信号の入力側に設けて動作させる場合、A
EC4への参照信号入力を検出する検出点9と受話信号
入力部7との間に接続する。
【0041】更に、非線型フィルタ5の他の構成例とし
て、全アナログ素子で2段の増幅器により実現させたも
ので、図5に示した回路を紹介する。
【0042】本回路は増幅後の出力を整流した後の制御
電圧Vcで、初段の電界効果トランジスタ増幅回路のバ
イアス電圧を制御する。
【0043】図6に示した動作特性を見ると、入力Vin
p-pが1〜500mVの範囲では入力が500倍(54
dB)変化しても、出力は僅か1.4Vから4.8Vへ
と、3.4倍(10.6dB)しか変化しておらず、有
効にダイナミックレンジ圧縮がなされていることが判
る。
【0044】この全アナログ素子で実現した非線型フィ
ルタ5を、図2のブロック図の中に設けて動作させる場
合、AEC4からの制御誤差信号18を、新たに設けた
コーデック3でアナログ信号に変換した後に取り込むこ
とが必要となる。
【0045】従来から、通常の通話者の音声のレベル設
定時に利得調整を行い、近端側の受話スピーカ出力→近
端側の送話マイクロホン入力→遠端側の受話スピーカ出
力→遠端側の送話マイクロホン入力の伝達系によって作
られる一巡ループの合計利得が1を越えないよう、これ
らの汎用非線型フィルタ5の入出力特性を既に一定値に
固定して使用する限りでは、通常のAECを搭載した機
器に見られるような通話初期の間のみに見られるやや激
しい残響感以外、特に使用にあたり不具合は見られな
い。
【0046】しかし、AECの係数推定は通話が開始さ
れて直ぐの時点では完了しておらず、この時点から非線
型フィルタ5により大幅なダイナミックレンジ圧縮を行
う場合には、上述の一巡ループの合計利得が容易に1を
越える可能性があり好ましくはない。
【0047】そこで、このような場合にはAEC4の係
数推定具合を検出しながら、非線型フィルタ5により上
述の通りに入力信号の圧縮をしても、許容できる範囲内
(即ち、1を越えない範囲内)で圧縮の状態を設定して
行く。
【0048】ここで、AEC4の係数推定具合を検出す
るには、検出点9におけるAEC4への参照(適応フィ
ルタ入力)信号(以下、信号9と云う)と、検出点10
におけるAEC4からの制御誤差信号(以下、信号10
と云う)からエコー消去量検出部6において判断する。
【0049】この比較法として以下の1)、または2)
のいずれかの方法で判断する。1)単純にそれぞれの信
号9、及び信号10の長時間実効値を求めることでパワ
ー比を計算する。
【0050】そして、計算したパワー比を、AEC4の
係数推定が開始される時のパワー比と比較して、エコー
消去量Rを判断する(図7参照)。2)それぞれの信号
9、及び信号10の相互相関係数を求め、その大きさを
比較する。
【0051】この相互相関係数の絶対値の総和の値を、
AEC4の係数推定が開始される時のその値と比べて、
エコー消去量を判断する(図8参照)。
【0052】以下、1)の判断方法について説明する。
【0053】1)の場合、誤って検出点10で検出した
信号を、スピーカ1から放射され、マイクロホン2に入
った信号であると誤認しないようにする為、AEC4へ
の参照(適応フィルタ入力)信号17のレベルがある程
度、大きい場合に求めた、それぞれの信号9及び信号1
0の同一時刻のサンプル値系列の一定区間(例えばNサ
ンプル分)の平均を求める(ディジタル処理を行う場
合)。
【0054】その後、それらの平均値の比を求め、図7
に示すフローを実行してエコー消去量を類推する。
【0055】一方、図2に示したようなアナログ処理の
場合は検出点10及び検出点9で時定数の長いフィルタ
19、20を通過させた後、エコー消去量検出部6で該
フィルタ19、20の2つの出力を並列コンパレータ2
1で何倍の差があるかを判別し、その「何倍の差がある
か」の結果によって制御情報15をエコー消去量と判断
し、非線型フィルタ5の特性を可変情報として用いる。
【0056】なお、アナログ処理の場合も図7に示すフ
ローを実行するが、ディジタル処理の場合と異なり、パ
ワーを求める必要は無い。
【0057】ここで、図7のフロー図の概略説明を行
う。
【0058】先ず、信号9のxc (t),及び信号10のx
s (t) と云う、2つの波形のレベルが同一となるように
あらかじめレベルダイヤを設定した後、これらのサンプ
ル値系列をxcnとxsnとし、サンプル値系列の一定区間
(例えば、Nサンプル分)のパワーPc , パワーPs
求める。
【0059】そして、パワーPc がパワーPs より、例
えば20dB以上強いか否かを判定し、判定結果が否で
あればスタート状態に戻る(図7−〜参照) 。
【0060】しかし、パワーPc がパワーPs よりも2
0dB以上強ければ、図7−に示す式を用いてエコー
消去量Rを類推する。
【0061】例えば、類推したエコー消去量Rが5dB
を越えない時、非線型フィルタの特性を“OFF”状態
にし、スタート状態に戻る( 図7−,1 参照)。
【0062】しかし、類推したエコー消去量Rが、10
dB以上減衰していれば、非線型フィルタの特性を“M
IN”に、15dB以上減衰していれば、非線型フィル
タの特性を“MID”に、20dB以上減衰していれ
ば、非線型フィルタの特性を“MAX”に、それぞれ設
定する(図7−〜参照)。
【0063】なお、エコー消去量Rがそれぞれのステッ
プで示された規定減衰量を満足しなければスタート状態
に戻る(図7−2 4 参照)。
【0064】また、上記の図4に示す入出力特性から、
非線型フィルタの特性が“MAX”または“MID”の
場合は“MIN”の特性の場合より、全体的にそれぞれ
10dB(MAXの場合)または5dB(MIDの場
合)上昇させても安定動作が可能である。
【0065】次に、2)の判断方法について説明する。
2)の場合、検出点9でのAEC4への参照(適応フィ
ルタ入力)信号17が、例えば有色性(周期性)のある
音声のような信号であっても、AEC4の適応が完了す
るとAEC4の制御誤差信号の出力(検出点10で検
出)は白色化(周波数特性が平坦化)することを検出法
として利用する。
【0066】通話の開始時はAEC4の適応フィルタ係
数の推定が全くなされていないので、このAEC4の制
御誤差信号18(検出点10で検出)は、AEC4への
参照(適応フィルタ入力)信号(検出点9で検出)に、
スピーカ1〜マイクロホン2までの音響伝達系が畳込ま
れた後の信号と見做すことができ、2)の相互相関を一
定区間で求めると、スピーカ1〜マイクロホン2までの
音響伝達の到達時間と同一時間軸分ずれた周期波形のよ
うな相互相関係数が観測できる。
【0067】しかし、AEC4の係数推定が行われ、係
数が精度良く推定されてくると、AEC4の制御誤差信
号18(検出点10で検出)は白色化してくるので、検
出点9と検出点10のそれぞれで検出した信号の相互相
関係数は非常に低いものとなってくる。
【0068】従って、エコー消去量検出部6で、1フレ
ームの相互相関係数について、フレーム内の絶対値の総
和を求めれば、その値が大きい場合はAEC4の制御誤
差信号が充分に白色化していないと見做せ、エコー消去
量は充分でなく、逆に、上記絶対値の総和が小さければ
AEC4の制御誤差信号が小さく、エコーエコー消去量
は充分であることが判明する。
【0069】この相互相関係数の絶対値の総和の値で、
非線型フィルタ5の特性を可変する。 この場合の相互
相関係数の絶対値の総和の値と、実際のエコー消去量と
の関係は事前にテーブル化して保存しておく(図9参
照)。
【0070】以下、図8に示すフロー図を用いて、相互
相関係数の絶対値により、エコー消去量を検出する方法
について概略説明する。
【0071】先ず、図1中の検出点9におけるAEC4
への参照信号を信号9、検出点10における制御誤差信
号を信号10と云う。
【0072】また、AECが動作していない時、信号9
のxc (t) と信号10のxs (t) が同一レベルであるこ
とを前提とし、信号9と信号10のサンプル値系列をx
cnとxsnとすれば、xcnとxsn系列の一定区間(Nサン
プル分)の標準偏差σc , σs を求め、σc がσs
(例えば)20dB以上強いか、否かを判定する(図8
−〜参照)。
【0073】そして、σc よりσs が20dB以上強い
場合、xcnとxsnについて相互相関係数Υxc xs(m)を求
め、その結果から絶対値rを求めてエコー消去量を類推
する。
【0074】エコー消去量が充分であることが判れば、
上記のように、この相互相関係数の絶対値の総和の値
で、非線型フィルタ5の特性を可変する。しかし、エコ
ー消去量が不充分であればスタート状態に戻る(図8−
〜,1 4 参照)。
【0075】なお、図8の〜のa〜dに対応する値
は、例えば、図9に示す様に予めテーブルに格納されて
おり、データとして取り出せるようになっている。
【0076】
【発明の実施の形態】図10は本発明の実施例の構成図
(非線型フィルタを受話側に挿入した場合)、図11は
本発明の別の実施例の構成図(非線型フィルタを送話側
に挿入した場合)図12は本発明の更に別の実施例の構
成図(非線型フィルタを受話側と送話側に挿入した場
合)である。
【0077】以下、図10〜図12の動作を説明する。
【0078】本発明の実施例の場合 図10において、エコー消去量検出部6でAEC4のエ
コー消去量を常に監視し、AEC4でのフィルタ係数の
推定が完了するにつれて(エコー消去量が大きくなるに
つれて)、非線型フィルタ5の特性を可能な範囲でダイ
ナミックレンジが最も圧縮する動作に移行して行く。
【0079】エコー消去量検出部6は、検出点9の検出
信号と検出点10の検出信号とを同時フレームでNサン
プル分を1フレームとして取り出し、相互相関係数の算
出後、相互相関係数の絶対値の二乗を計算してエコー消
去量の検出とする。
【0080】エコー消去量検出部6からの制御情報15
が、データバス14のD0 ,D1 及びバッファ13を経
由して、副DSP12のMOD1とMOD2とに対して
送られる。
【0081】このデータバス14のD0 ,D1 のコード
を4種類、主DSP11側から操作してやることで、図
4に示した副DSP12のSM5852AS内の図示し
ない非線型フィルタの圧縮特性を、MIN、MID、M
AX、OFFの4種類を選択して付与させることができ
る。
【0082】エコー消去量検出部6での検出情報から、
AEC4の係数推定の進行具合によりエコー残差が少な
くなるにつれて、副DSP12のSM5852AS内の
図示しない非線型フィルタ5の圧縮特性をOFF→MI
N→MID→MAXと制御して行く。
【0083】図示しない非線型フィルタ5に入力される
受話入力信号のレベルが小さい場合、非線型フィルタ5
で大幅に増幅され、スピーカ1から増幅された高レベル
の信号が得られる。
【0084】ここでは、副DSP12としてSM585
2ASをそのまま使用することを示したが、例えば、副
DSP12として市販の汎用DSPを用い、ソフトウエ
アを作成し、任意の圧縮特性を持つ非線型フィルタ5を
作ってもよい。
【0085】また、副DSP12を特に設けず、現状の
主DSP11の演算能力に余裕があれば、主DSP11
内のソフトウエアで非線型フィルタ5を作ってもよい。
【0086】また、無論、非線型フィルタ5の特性を可
変すべく制御を行う必要はなく、固定のまま動作させて
もよい。
【0087】本発明の別の実施例の場合 図10は受話側への適用についての例だが、受話側でな
く、送話側音声のダイナミックレンジ圧縮をするよう
に、例えば、図10に示した受話側への適用を、そのま
ま送話側へ適用する場合も図11のように考えれば簡単
に実現できる。
【0088】即ち、図11に示すように、副DSP12
で送話信号出力8を受けるようにし、エコー消去量検出
部6への入力となる各検出信号9及び10はそのまま接
続しておく。
【0089】但し、この場合は対向側の通話系に搭載さ
れているAECによって送話側検出信号10に対して、
受話検出信号9がどの程度、減衰しているかをエコー消
去量検出部6で検出するものである。
【0090】この場合、送話側検出信号10が受話信号
入力に対して充分大きい時に上述の「課題を解決するた
めの手段」で述べたエコー消去量検出部6の演算を行う
ものとする。
【0091】エコー消去量検出部6での検出後の制御情
報15による制御は上記の実施例と同じである。無論、
SM5852AS12内の図示しない非線型フィルタ5
の特性を可変制御する必要は無く、固定のままでよい。
【0092】本発明の更に別の実施例の場合 図12のように副DSP12を2つ用意し、それぞれの
副DSPの内部に図示しない非線型フィルタ5を、受話
側と送話側の両方に同時に設けてもよい。
【0093】これにより、両方とも独立動作させること
ができる。
【0094】この場合のエコー消去量検出部6、制御情
報15、バッファ13、データバス14は全て一つだけ
用意し、時分割使用することで、2つの副DSP12で
実現した非線型フィルタ5の特性変化を行うこともでき
る。
【0095】但し、2つ用意した副DSP12のそれぞ
れの非線型フィルタ5のダイナミックレンジ圧縮の程度
は、上述のとおり非線型フィルタ5を一つだけ用意した
場合と比べ、少ないものとなる。
【0096】また、制御誤差信号の検出点10で、入力
する参照信号の検出点9よりも強いレベルが観測されて
いる時に送話信号出力8を入力とする副DSP12に制
御情報15を送る。
【0097】しかし、参照信号入力検出点9の方が、制
御誤差信号検出点10よりも強いレベルが観測されてい
る時は受話信号入力7を入力とする副DSP12に制御
情報15を送る。
【0098】それは、近端側の受話スピーカ出力→近端
側の送話マイクロホン入力→遠端側の受話スピーカ出力
→遠端側の送話マイクロホン入力の一連の伝達系によっ
て作られる一巡ループの合計利得を1以下にしなければ
ならないと云う限界からくるものであり、二つ用意した
非線型フィルタ5のダイナミックレンジ圧縮の程度は、
二つ合わせて、一つだけ用意した場合のそれと同等にせ
ざるを得ないということを意味する。
【0099】無論、非線型フィルタ5の特性を可変制御
する必要は無く、固定のまま動作させてもよい。
【0100】
【発明の効果】本発明は、拡声電話機、会議端末等のス
ピーカとマイクロホンを使用した通話系に内蔵されるエ
コーキャンセラの係数推定促進方法に関するものであ
る。
【0101】エコーキャンセラ等の係数推定は通話が開
始されてから、もしくは通話中でも精度よく行われ早急
に収束する必要がある。
【0102】本発明により、通話者の個人差や、マイク
ロホンと話者までの距離に依存する送話音圧変動が吸収
でき、参照信号の音声のパワーが常に強くできる為、エ
コーキャンセラ等の係数推定が通話が開始されてから素
早く、精度よくできるだけでなく、遠端側の使用者に取
っても了解度が上がり通話品質を向上することができ
る。
【0103】更に、エコー消去誤差を常に検出する為、
近端側の受話スピーカ出力→近端側の送話マイクロホン
入力→遠端側の受話スピーカ出力→遠端側の送話マイク
ロホン入力、までの一連の伝達系によって作られる一巡
ループの合計利得が1を越えないような範囲内で、非線
型フィルタの圧縮特性を最大に設定させながら平均音声
パワーを増加させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理説明図(ディジタル処理の場合)
である。
【図2】本発明の原理説明図(アナログ処理の場合)で
ある。
【図3】非線型フィルタを実現させた1チップDSPの
ブロック図である。
【図4】図3の入出力特性図の一例である。
【図5】全アナログ素子で構成した非線型フィルタの一
例である。
【図6】図5の入出力特性の一例である。
【図7】本発明の原理説明図(パワー比によりエコー消
去量を検出する方法)である。
【図8】本発明の原理説明図(相互相関の絶対値により
エコー消去量を検出する方法)である。
【図9】図8のフローチャートに対応したデータテーブ
ルの一例である。
【図10】本発明の実施例の構成図(非線型フィルタを
受話側に挿入した場合)である。
【図11】本発明の別の実施例の構成図(非線型フィル
タを送話側に挿入した場合)である。
【図12】本発明の更に別の実施例の構成図(非線型フ
ィルタを受話側と送話側に挿入した場合)である。
【符号の説明】 1 スピーカ 2 マイクロホン 3 コーデック 4 音響エコーキャンセラ(AEC) 5 非線型フィルタ 6 エコー消去量検出部 7 受話信号入力部 8 送話信号出力部 9 参照信号入力検出点 10 制御誤差信号検出点 11 主DSP 12 副DSP 13 バッファ 14 データバス 15 制御情報 16 適応フィルタ 17 適応フィルタへ入力する参照信号 18 適応フィルタからの制御誤差信号 19、20 時定数の長いフィルタ 21 並列コンパレータ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エコーキャンセラのフィルタ係数推定動
    作時、該エコーキャンセラ内の適応フィルタに参照信号
    を入力する際、 入力信号のレベルの増減量に対して、出力信号のレベル
    の増減量が減少するように動作するフィルタを設け、 入力した受話信号を該フィルタを通過させた後、該参照
    信号として該適応フィルタに送出する構成にしたことを
    特徴とするエコー残差連動型音声ダイナミックレンジ圧
    縮装置。
  2. 【請求項2】 上記フィルタが、 入力信号のレベルの増減量に対して、出力信号のレベル
    の増減量を減少させる際の減少量を、 上記エコーキャンセラの係数推定精度の状態に対応して
    変化するようにしたことを特徴とする請求項1記載のエ
    コー残差連動型音声ダイナミックレンジ圧縮装置。
  3. 【請求項3】 上記エコーキャンセラの係数推定精度の
    状態を、 上記適応フィルタに入力する参照信号と、該エコーキャ
    ンセラから出力される制御誤差信号の一定時間の電力
    比、または、該参照信号と制御誤差信号との相互相関係
    数を求めて判断するようにしたことを特徴とする請求項
    2記載のエコー残差連動型音声ダイナミックレンジ圧縮
    装置。
  4. 【請求項4】 上記フィルタを、 さらに、送話信号出力のレベルの増減量に対し、出力信
    号のレベルの増減量を減少させる様に併用する構成にし
    たことを特徴とする請求項1〜請求項3記載のエコー残
    差連動型音声ダイナミックレンジ圧縮装置。
JP5736199A 1999-03-04 1999-03-04 エコー残差連動型音声ダイナミックレンジ圧縮装置 Withdrawn JP2000261882A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5736199A JP2000261882A (ja) 1999-03-04 1999-03-04 エコー残差連動型音声ダイナミックレンジ圧縮装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5736199A JP2000261882A (ja) 1999-03-04 1999-03-04 エコー残差連動型音声ダイナミックレンジ圧縮装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000261882A true JP2000261882A (ja) 2000-09-22

Family

ID=13053451

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5736199A Withdrawn JP2000261882A (ja) 1999-03-04 1999-03-04 エコー残差連動型音声ダイナミックレンジ圧縮装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000261882A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004086814A1 (ja) * 2003-03-25 2004-10-07 Nap Enterprise Co., Ltd. エコー防止回路
JP2008523746A (ja) * 2004-12-16 2008-07-03 ヴェーデクス・アクティーセルスカプ フィードバックモデル利得を推定する補聴器

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004086814A1 (ja) * 2003-03-25 2004-10-07 Nap Enterprise Co., Ltd. エコー防止回路
JP2008523746A (ja) * 2004-12-16 2008-07-03 ヴェーデクス・アクティーセルスカプ フィードバックモデル利得を推定する補聴器
JP4658137B2 (ja) * 2004-12-16 2011-03-23 ヴェーデクス・アクティーセルスカプ フィードバックモデル利得を推定する補聴器

Similar Documents

Publication Publication Date Title
RU2142675C1 (ru) Способ и система усиления речевого сигнала в сети связи
US6622030B1 (en) Echo suppression using adaptive gain based on residual echo energy
US6147979A (en) System and method for echo cancellation in a communication system
US5646990A (en) Efficient speakerphone anti-howling system
US7856097B2 (en) Echo canceling apparatus, telephone set using the same, and echo canceling method
CN106713570B (zh) 一种回声消除方法和装置
CN1202628C (zh) 话音通信中的掩蔽噪声调制和干涉噪声的方法
US5390244A (en) Method and apparatus for periodic signal detection
US7881927B1 (en) Adaptive sidetone and adaptive voice activity detect (VAD) threshold for speech processing
US20070019803A1 (en) Loudspeaker-microphone system with echo cancellation system and method for echo cancellation
CN105577961A (zh) 增益控制器的自动调谐
US6385176B1 (en) Communication system based on echo canceler tap profile
HUT63279A (en) Echo-wiper and non-linear processor for said echo-wiper
KR19990076962A (ko) 음성 증폭 장치 및 방법
KR20010032999A (ko) 보코더에 의해 제어되는 자동 이득 제어를 갖는 오디오 코덱
JP5086769B2 (ja) 拡声通話装置
CN101179296A (zh) 回音消除器和话音处理装置
JPS59193660A (ja) 会議電話装置
CN112492112B (zh) 一种基于对讲系统的回音消除方法和装置
US20020181698A1 (en) Sound communication device and echo processor
JP3507020B2 (ja) 反響抑圧方法、反響抑圧装置及び反響抑圧プログラム記憶媒体
JP3753996B2 (ja) 反響抑圧装置、反響抑圧方法及びプログラム
JPH10257159A (ja) 拡声通話機
US20090067615A1 (en) Echo cancellation using gain control
JPS6343451A (ja) 拡声通話回路

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20060509