JP2008523019A - 新規なタキサンを含む細胞毒性薬 - Google Patents

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Abstract

本発明は、新規な細胞毒性薬およびこれらの治療的使用に関する。より具体的には、本発明は、タキサンを含む新規な細胞毒性薬およびこれらの治療的使用に関する。これらの新規な細胞毒性薬は、タキサンを細胞結合物質と化学的に連結させることにより、標的化された方法で、タキサンを特定の細胞集団へ送達することの結果としての治療的使用を有する。

Description

本発明は、新規な細胞毒性薬およびこの治療的使用に関する。より具体的には、本発明は、タキサンを含む新規な細胞毒性薬およびこの治療的使用に関する。これらの新規な細胞毒性薬は、タキサンを細胞結合物質と化学的に連結させることにより、タキサンを特定の細胞集団へ標的化した方法で送達することの結果としての治療的使用を有する。
モノクローナル抗体−薬物複合体(conjugate)を用いる腫瘍細胞の特異的な標的化を試みた多くの報告が出されている(Sela et al,in Immunoconjugates 189−216(C.Vogel,ed.1987);Ghose et al,in Targeted Drugs 1−22(E.Goldberg,ed.1983);Diener et al,in Antibody mediated delivery systems 1−23(J.Rodwell,ed.1988);Pietersz et al,in Antibody mediated delivery systems 25−53(J.Rodwell,ed.1988);Bumol et al,in Antibody mediated delivery systems 55−79(J.Rodwell,ed.1988)。本明細書に引用される全ての参照文献および特許は、参照により本明細書に組み込まれる。
メトトレキサート、ダウノルビシン、ドキソルビシン、ビンクリスチン、ビンブラスチン、メルファラン、マイトマイシンCおよびクロラムブシルなどの細胞毒性薬が、種々のネズミモノクローナル抗体と複合体化(conjugated)されている。一部の例では、薬物分子が、血清アルブミン(Garnett et al,46 Cancer Res.2407−2412(1986);Ohkawa et al 23 Cancer Immunol.Immunother.81−86(1986);Endo et al,47 Cancer Res.1076−1080(1980))、デキストラン(Hurwitz et al,2 Appl.Biochem.25−35(1980);Manabi et al,34 Biochem.Pharmacol.289−291(1985);Dillman et al,46 Cancer Res.4886−4891(1986);Shoval et al.,85 Proc.Natl.Acad.Sci.8276−8280(1988))またはポリグルタミン酸(Tsukada et al,73 J.Natl.Canc.Inst.721−729(1984);Kato et al 27 J.Med.Chem.1602−1607(1984);Tsukada et al,52 Br.J.Cancer 111−116(1985))などの中間担体分子を介して抗体分子に連結された。
このような免疫複合体の調製のために多様な連結技術が用いられており、また、切断可能なリンカーおよび切断できないリンカーの双方が研究されている。しかし、ほとんどの場合、薬物の細胞毒性の完全な能力は、標的部位において薬物分子が修飾されていない形態で複合体から放出されうる時にしか観察できなかった。
抗体−薬物複合体の調製に用いられている切断可能なリンカーのひとつは、シス−アコニット酸に基づく酸に不安定なリンカーであり、これは受容体を介したエンドサイト−シスの際に遭遇するエンドソームやリソソームなどの異なる細胞内コンパートメントの酸性環境を利用したものである。ShenおよびRyserは、この方法を、ダウノルビシンと高分子担体の複合体の調製に導入した(102 Biochem.Biophys.Res.Commun.1048−1054(1981))。YangおよびReisfeldは、同様の技術を用いてダウノルビシンを抗黒色腫抗体と複合体化させた(80 J.Natl.Canc.Inst.1154−1159(1988))。Dillmanらも、ダウノルビシンと抗T細胞抗体の複合体を調製するために、酸に不安定なリンカーを同じ方法で用いた(48 Cancer Res.6097−6102(1988))。
Trouetらにより検討された別のアプローチは、ペプチドスペーサーアームを介するダウノルビシンの抗体への連結に関するものであった(79 Proc.Natl.Acad.Sci 626−629(1982))。これは、リソソームのペプチダーゼの作用によりこのような複合体から遊離薬物が放出されうるという前提の下に行われた。
しかし、インビトロでの細胞毒性試験において、抗体−薬物複合体が遊離非複合体化薬物と同等の細胞毒性の可能性を得ることはほとんど無いことが明らかになった。このことから、薬物分子が抗体から放出されるメカニズムが非常に非効率的であることが示唆された。免疫毒素の分野においては、モノクローナル抗体と触媒活性タンパク質毒素との間のジスルフィド橋を介して形成された複合体は、他のリンカーを含む複合体よりも細胞毒性が強かったことが示されている。Lambert et al,260 J.Biol.Chem.12035−12041(1985);Lambert et al,in Immunotoxins 175−209(A.Frankel,ed.1988);Ghetie et al,48 Cancer Res.2610−2617(1988)参照。この原因は、抗体分子と毒素の間のジスルフィド結合の効率的な切断に寄与しているグルタチオンの細胞内濃度が高いことにある。それにもかかわらず、薬物と高分子の間の複合体調製のためのジスルフィド橋の使用を報告した例はごくわずかである。Shenら(260 J.Biol.Chem.10905−10908(1985))は、メトトレキサートのメルカプトエチルアミド誘導体への変換と、これに続くジスルフィド結合を介するポリ−D−リジンとのコンジュゲーションについて記載している。別の報告には、三硫化物を含有する毒性のある薬物カリケアマイシンと抗体の複合体の調製が記載されている(Hinman et al.,53 Cancer Res.3336−3342(1993))。
ジスルフィド結合した抗体−薬物複合体がないことのひとつの理由は、ジスルフィド橋を介して薬物と抗体を連結させるために容易に用いることのできる硫黄原子含有部分を有する細胞毒性薬が入手困難であることである。その上、既存薬物の細胞毒性の可能性を減弱させることなくこれらを化学修飾することは困難である。
既存の抗体−薬物複合体のもうひとつの重大な欠点は、標的抗原数が限られているために十分な濃度の薬物を標的部位に送達できないこと、およびメトトレキサート、ダウノルビシンおよびビンクリスチンのような制癌剤の細胞毒性が比較的穏やかなことである。有効な細胞毒性を達成するためには、多数の薬物分子の抗体との直接的な連結または高分子担体分子を介した連結が必要となる。しかし、このように高度に修飾された抗体は、標的抗原に対する結合障害および血流からの速いインビボクリアランスを示すことが多い。
上述の問題にもかかわらず、細胞結合部分、およびメイタンシノイドとして知られている細胞毒性薬群を含む有用な細胞毒性薬が報告されている(米国特許第5,208,020号、同第5,416,064号、およびR.V.J.Chari,31 Advanced Drug delivery Reviews 89−104(1998))。同様に、細胞結合成分ならびに強力な抗腫瘍抗生物質CC−1065の類似体および誘導体を含む有用な細胞毒性薬も報告されている(米国特許第5,475,092号および同第5,585,499号)。
細胞毒性天然物であるパクリタキセル(タキソール)および半合成誘導体であるドセタキセル(タキソテール)は、癌の治療に広く使用されている。これらの化合物はタキサンと呼ばれる化合物のファミリーに属する。タキサンは、チュブリンの脱重合を阻害し、結果として微小管集合率の増加および細胞死をもたらす紡錘体毒である。ドセタキセルおよびパクリタキセルは癌の治療に有用な薬剤であるが、異常細胞に対するこれらの非特異的毒性のために、抗腫瘍活性は制限されている。
さらに、パクリタキセルおよびドセタキセルのような化合物自身は、細胞結合物質の複合体に使用されるために十分に強力ではない。近年、ドセタキセルまたはパクリタキセルのいずれよりも効力の強い小数の新規なドセタキセル類似体が記載されている(Ojima et al.,39,J.Med.Chem.3889−3896(1996))。しかし、これらの化合物は、切断可能な結合を介して細胞結合物質との連結を可能にする、適した官能基を有していない。
従って、タキサンの細胞毒性を損なうことなく副作用の軽減された、タキサンを用いる疾病を治療する方法が非常に必要とされている。
米国特許第6,436,931号、同第6,372,738号および同第6,340,701号には、ジスルフィド橋によりモノクローナル抗体に連結されたタキサンが記載されている。これらのタキサンは、使用するほど十分に強力ではないと思われる。
第1の実施形態に開示されるように、本発明の一目的は、毒性が高いにもかかわらず、多くの疾患の治療に効果的に用いることのできるタキサンを提供することである。
本発明の別の目的は、新規なタキサンを提供することである。
これらの目的およびその他の目的は、細胞結合物質と連結された1以上のタキサンを含む細胞毒性薬を提供することにより達成された。
第2の実施形態において、本発明は、
(A)細胞結合物質と結合した有効量の1以上のタキサン、および
(B)医薬的に許容される担体、希釈液または賦形剤
を含む、治療用組成物を提供する。
第3の実施形態において、本発明は、標的細胞または標的細胞を含有する組織を、細胞結合物質と連結された1以上のタキサンを含む細胞毒性薬の細胞毒性量と接触させる段階を含む、選択された細胞集団を死滅させる方法を提供する。
本発明は、高い細胞毒性を保持し、および細胞結合物質と効果的に結合することのできる新規なタキサンの合成に基づいている。ジスルフィド結合などの切断可能な結合を用いて、細胞毒性の高い薬物を抗体に連結すると、十分に活性のある薬物の細胞内部への放出を確実にすること、およびこのような複合体が抗原特異的な方法で細胞毒性であることが既に示されている(米国特許第6,340,701号;同第6,372,738号;同第6,436,931号)。しかし、この技術は、既存の薬物をこれらの細胞毒性の可能性を減弱させることなく修飾することが極めて困難であることを明らかにする。開示の発明は、開示される化学的部分を含むタキサンを修飾することにより、この問題を克服する。結果として、開示される新規なタキサンは、公知のタキサンの細胞毒性の能力を保ち、さらに場合によっては増強さえする可能性がある。細胞結合物質−タキサン複合体は、欲されない細胞のみに対して標的とする方法で適用されるタキサンの完全な細胞毒性作用を可能にし、したがって、標的とされない正常細胞への損傷に起因する副作用を回避することを可能にする。従って、本発明は、腫瘍細胞(特に固形腫瘍細胞)などの、死滅または溶解させるべき疾患細胞または異常細胞の排除に有用な薬剤を提供する。
本発明に従う細胞毒性薬は、連結基を介して細胞結合物質と結合している1以上のタキサンを含む。連結基は、従来の方法によってタキサンと共有結合している化学的部分の一部である。好ましい実施形態では、この化学的部分はエステル結合を介してタキサンと共有結合することができる。
本発明で有用なタキサンは、下に示す式(I)
Figure 2008523019
[ZはHまたは式IIの基であり、
は、リンカーまたは場合により置換されているアリールもしくは複素環式基、1から10個の炭素原子を有するアルキル、2から10個の炭素原子を有するアルケニルもしくはアルキニル、3から10個の炭素原子を有するシクロアルキルもしくはシクロアルケニル、−ORまたはカルバマート(このカルバマートは、上記1から10個の炭素原子を有するアルキル、2から10個の炭素原子を有するアルケニルもしくはアルキニル、3から10個の炭素原子を有するシクロアルキルもしくはシクロアルケニルまたは場合により置換されているアリールもしくはヘテロシクリル基のいずれかから形成されている。)であり、好ましくは、Rは、−ORまたは場合により置換されているアリールまたは複素環式基であり、
は、1から10個の炭素原子を有するアルキル基、2から10個の炭素原子を有するアルケニルもしくはアルキニル、3から10個の炭素原子を有するシクロアルキルもしくはシクロアルケニル、場合により置換されているアリールもしくは複素環式基であり、好ましくは、Rはアルキル基であり、より好ましくはターシャリブチル基などの置換アルキル基であり、
は、リンカーまたは場合により置換されているアリールもしくは複素環式基、1から10個の炭素原子を有するアルキル、2から10個の炭素原子を有するアルケニルもしくはアルキニル、3から10個の炭素原子を有するシクロアルキルもしくはシクロアルケニルであり、
は、リンカー、H、ヒドロキシ基、アルコキシ、アルケニルオキシ、場合により置換されているアルカノイルオキシ、アロイルオキシ、アルケノイルオキシ、アルキノイルオキシ、シクロアルカノイルオキシ、アルコキシアセチル、アルキルチオアセチル、アルキルオキシカルボニルオキシ、シクロアルキルオキシ、シクロアルケニルオキシ、カルバモイルオキシ、アルキルカルバモイルオキシもしくはジアルキルカルバモイルオキシ、複素環式もしくはアリールエーテル、エステルもしくはカルバマート、または、1から10個の炭素原子を有する、直鎖、分枝鎖もしくは環状のアルキルもしくはアルケニルエステルもしくはエーテルもしくは式−OCOXのカルバマート(Xは、窒素を含有する複素環(例えば非置換もしくは置換ピペリジノ、モルホリノ、ピペラジノ、N−メチルピペラジノ、または式−OCONR10のカルバマート(ここで、RおよびR10は、同一であるかまたは異なる、H、1から10個の原子を有する直鎖、分枝鎖、もしくは環状のアルキルまたは1から10個の炭素原子を有する非置換もしくは置換アリールである))である。)であり、好ましくは、Rは、リンカーまたはアルカノイルオキシ基であり、
またはRは、Hであり、
は、Hであり、
またはRとRは結合(環状エーテル)を形成し、
は、場合により置換されているアリールまたは複素環式基である。]
を有する。
本発明を、3つの主要な実施形態でより完全に説明する。
実施形態1:
は、リンカーであり、
Zは、Hまたは式IIの基であり、
は、場合により置換されているアリールもしくは複素環式基、1から10個の炭素原子を有するアルキル、2から10個の炭素原子を有するアルケニルもしくはアルキニル、3から10個の炭素原子を有するシクロアルキルもしくはシクロアルケニル、−ORまたはカルバマート(このカルバマートは、上記1から10個の炭素原子を有するアルキル、2から10個の炭素原子を有するアルケニルもしくはアルキニル、3から10個の炭素原子を有するシクロアルキルもしくはシクロアルケニルまたは場合により置換されているアリールもしくはヘテロシクリル基のいずれかから形成されている。)であり、
は、1から10個の炭素原子を有するアルキル、2から10個の炭素原子を有するアルケニルもしくはアルキニル、3から10個の炭素原子を有するシクロアルキルもしくはシクロアルケニル、場合により置換されているアリールもしくは複素環式基であり、
好ましくは、Rは、t−ブトキシ、クロチル、ジメチルアクリリル、イソブテニル、ヘキセニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、フリル、ピロリル(pyrollyl)、チエニル、チアゾリル、イミダゾリル、ピリジル、モルホリノ、ピペリジノ、ピペラジノ、オキサゾリル、インドリル、ベンゾフラニルまたはベンゾチエニルであり、
より好ましくは、Rは、t−ブトキシ、イソブテニル、クロチル、ジメチルアクリリル、チエニル、チアゾリルまたはフリルであり、
は、場合により置換されているアリールもしくは複素環式基、1から10個の炭素原子を有するアルキル、2から10個の炭素原子を有するアルケニルもしくはアルキニル、3から10個の炭素原子を有するシクロアルキルもしくはシクロアルケニルであり、
好ましくは、Rは、クロチル、ジメチルアクリリル、プロペニル、イソブテニル、ヘキセニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、フリル、ピロリル、チエニル、チアゾリル、ピリジル、オキサゾリル、インドリル、ベンゾフラニルまたはベンゾチエニルであり、
より好ましくは、Rは、イソ−ブテニル、クロチル、ジメチルアクリリル、チエニル、チアゾリル、ピリジル、tert−ブチル、またはフリルであり、
は、連結基である。
適した連結基は当技術分野で周知であり、これには、ジスルフィド基、チオエーテル基、酸に不安定な基、光に不安定な基、ペプチダーゼに不安定な基およびエステラーゼに不安定な基が挙げられる。好ましいものは、ジスルフィド基およびチオエーテル基である。
連結基がチオールまたはジスルフィドを含有する基である場合、チオールまたはジスルフィド基を有する側鎖は、直鎖または分枝鎖の芳香族または複素環式であり得る。当業者であれば容易に適した側鎖を識別することができる。
チオールまたはジスルフィドを含有する置換基の具体的な例としては、−O(CR1314(CR1516(OCHCHSZ’、−OCO(CR1314(CR1516(OCHCHSZ’、−O(CR1314(CR17=CR18)(CR1516(OCHCHSZ’、−OCO−(CR1314(CR17=CR18)(CR1516(OCHCHSZ’、−OCONR12(CR1314(CR1516(OCHCHSZ’、−OCO−フェニル−X’SZ’、−OCO−フリル−X’SZ’、−OCO−オキサゾリル−X’SZ’、−OCO−チアゾリル−X’SZ’、−OCO−チエニル−X’SZ’、−OCO−イミダゾリル−X’SZ’、−OCO−モルホリノ−X’SZ’、−OCO−ピペラジノ−X’SZ’、−OCO−ピペリジノ−X’SZ’、および−OCO−N−メチルピペラジノ−X’SZ’、または−OCO−N−メチルピペラジノ−X’SZ’(式中:
Z’は、H、チオール保護基またはSR’であり、
X’は直接連結または1から10個の炭素原子を有する直鎖アルキルまたは分枝鎖アルキルまたは2から20のエチレンオキシの繰り返し単位を含むポリエチレングリコールスペーサーであり、
R’およびR12は、同一または異なる、1から10個の炭素原子を有する直鎖アルキル、分枝鎖アルキルまたは環状アルキルであり、または単純または置換アリールまたは複素環式であり、さらにR12はHであってよく、
13、R14、R15およびR16は、同一または異なる、Hまたは1から4個の炭素原子を有する直鎖もしくは分枝鎖アルキルであり、
17およびR18は、Hまたはアルキルであり、
nは1から10の整数であり、
mは1から10の整数であり、さらに0であってもよく、
yは1から20の整数であり、さらに0であってもよい。)が挙げられ、
またはRは、Hであり、Rは、Hであり、
またはRとRは、結合(環状エーテル)を形成し、
は、場合により置換されているアリールまたは複素環式基である、
好ましくは、Rは、3−メトキシフェニル、3−クロロフェニル、2,5−ジメトキシフェニル、フリル、ピロリル、チエニル、チアゾリル、イミダゾリル、ピリジル、インドリル、オキサゾリル、ベンゾフラニルまたはベンゾテニルである。
実施形態2:
は、リンカーであり、
Zは、Hまたは式IIの基であり、
は、連結基である。
適した連結基は当技術分野で周知であり、これにはジスルフィド基、チオエーテル基、酸に不安定な基、光に不安定な基、ペプチダーゼに不安定な基およびエステラーゼに不安定な基が挙げられる。好ましいものは、ジスルフィド基およびチオエーテル基である。
連結基がチオールまたはジスルフィドを含有する基である場合、チオールまたはジスルフィド基を有する側鎖は、直鎖または分枝鎖の芳香族または複素環式であり得る。当業者であれば容易に適した側鎖を識別することができる。
チオールまたはジスルフィドを含有する置換基の具体的な例としては、−(CR1314(CR1516(OCHSZ’、−O(CR1314(CR1516(OCHCHSZ’、−(CR1314(CR17=CR18)(CR1516(OCHCHSZ’、−O−(CR1314(CR17=CR18)(CR1516(OCHCHSZ’、−NR12(CR1314(CR1516(OCHCHSZ’、フェニル−X’SZ’、フリル−XSZ’、オキサゾリル−X’SZ’、チアゾリル−X’SZ’、チエニル−X’SZ’、イミダゾリル−X’SZ’、モルホリノ−X’SZ’、−ピペラジノ−X’SZ’、ピペリジノ−XSZ’、−フリル−X’SZ’、−チエニル−X’SZ’、−チアゾリル−X’SZ’および−N−メチルピペラジノ−X’SZ’、−モルホリノ−X’SZ’、−ピペラジノ−X’SZ’、−ピペリジノ−X’SZ’、または−N−メチルピペラジノ−X’SZ’(式中:
Z’は、H、チオール保護基またはSR’であり、
X’は直接連結または1から10個の炭素原子を有する直鎖アルキルまたは分枝鎖アルキルまたは2から20のエチレンオキシの繰り返し単位を含むポリエチレングリコールスペーサーであり、
R’およびR12は、同一または異なる、1から10個の炭素原子を有する直鎖アルキル、分枝鎖アルキルまたは環状アルキルであり、または単純または置換アリールまたは複素環式であり、さらにR12はHであってよく、
13、R14、R15およびR16は、同一または異なる、Hまたは1から4個の炭素原子を有する直鎖もしくは分枝鎖アルキルであり、
17およびR18は、Hまたはアルキルであり、
nは1から10の整数であり、
mは1から10の整数であり、さらに0であってもよく、
yは1から20の整数であり、さらに0であってもよい。)が挙げられる。
は、場合により置換されているアリールまたは複素環式基、1から10個の炭素原子を有するアルキル、2から10個の炭素原子を有するアルケニルもしくはアルキニル、3から10個の炭素原子を有するシクロアルキルもしくはシクロアルケニルであり、
好ましくは、Rは、クロチル、ジメチルアクリリル、プロペニル、イソブテニル、ヘキセニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、フリル、ピロリル、チエニル、チアゾリル、イミダゾリル、ピリジル、オキサゾリル、インドリル、ベンゾフラニルまたはベンゾチエニルであり、
より好ましくは、Rは、イソ−ブテニル、クロチル、ジメチルアクリリル、チエニル、チアゾリル、ピリジル、tert−ブチルまたはフリルであり、
は、H、ヒドロキシ基、アルコキシ、アルケニルオキシ、場合により置換されているアルカノイルオキシ、アロイルオキシ、アルケノイルオキシ、アルキノイルオキシ、シクロアルカノイルオキシ、アルコキシアセチル、アルキルチオアセチル、アルキルオキシカルボニルオキシ、シクロアルキルオキシ、シクロアルケニルオキシ、カルバモイルオキシ、アルキルカルバモイルオキシもしくはジアルキルカルバモイルオキシ、複素環式もしくはアリールエーテル、エステルもしくはカルバマート、または、1から10個の炭素原子を有する、直鎖、分枝鎖もしくは環状のアルキルもしくはアルケニルエステルもしくはエーテルまたは式−OCOXのカルバマート(Xは、窒素を含有する複素環(例えば非置換もしくは置換ピペリジノ、モルホリノ、ピペラジノ、N−メチルピペラジノ、または式−OCONR10のカルバマート(ここで、RおよびR10は、同一であるかまたは異なる、H、1から10個の原子を有する直鎖、分枝鎖もしくは環状のアルキルまたは5から10個の炭素原子を有する単純もしくは置換アリールである。))である。)であり、
またはRは、Hであり、
は、Hであり、
またはRとRは、結合(環状エーテル)を形成し、
は、場合により置換されているアリールまたは複素環式基であり、
好ましくは、Rは、3−メトキシフェニル、3−クロロフェニル、2,5−ジメトキシフェニル、フリル、ピロリル、チエニル、チアゾリル、オキサゾリル、イミダゾリル、ピリジル、インドリル、ベンゾフラニルまたはベンゾチエニルである。
実施形態3:
は、リンカーであり、
Zは、式IIの基であり、
は、場合により置換されているアリールもしくは複素環式基、1から10個の炭素原子を有するアルキル、2から10個の炭素原子を有するアルケニルもしくはアルキニル、3から10個の炭素原子を有するシクロアルキルもしくはシクロアルケニル、−ORまたはカルバマート(このカルバマートは、上記1から10個の炭素原子を有するアルキル、2から10個の炭素原子を有するアルケニルもしくはアルキニル、3から10個の炭素原子を有するシクロアルキルもしくはシクロアルケニルまたは場合により置換されているアリールもしくはヘテロシクリル基のいずれかから形成されている。)であり、
は、1から10個の炭素原子を有するアルキル基、2から10個の炭素原子を有するアルケニルもしくはアルキニル、3から10個の炭素原子を有するシクロアルキルもしくはシクロアルケニル、場合により置換されているアリールもしくは複素環式基であり、
好ましくは、Rは、t−ブトキシ、クロチル、ジメチルアクリリル、イソブテニル、ヘキセニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、フリル、ピロリル、チエニル、チアゾリル、イミダゾリル、ピリジル、モルホリノ、ピペリジノ、ピペラジノ、オキサゾリル、インドリル、ベンゾフラニルまたはベンゾチエニルであり、
より好ましくは、Rは、t−ブトキシ、イソブテニル、クロチル、ジメチルアクリリル、チエニル、チアゾリルまたはフリルであり、
は、連結基である。
適した連結基は当技術分野で周知であり、これにはジスルフィド基、チオエーテル基、酸に不安定な基、光に不安定な基、ペプチダーゼに不安定な基およびエステラーゼに不安定な基が挙げられる。好ましいものは、ジスルフィド基およびチオエーテル基である。
連結基がチオールまたはジスルフィドを含有する基である場合、チオールまたはジスルフィド基を有する側鎖は、直鎖または分枝鎖の芳香族または複素環式であり得る。当業者であれば容易に適した側鎖を識別することができる。
チオールまたはジスルフィドを含有する置換基の具体的な例としては、−(CR1314(CR1516(OCHSZ’、−(CR1314(CR17=CR18)(CR1516(OCHCHSZ’、フェニル−X’SZ’、フリル−X’SZ’、オキサゾリル−X’SZ’、チアゾリル−X’SZ’、チエニル−X’SZ’、イミダゾリル−X’SZ’(式中:
Z’は、H、チオール保護基またはSR’であり、
X’は直接連結または1から10個の炭素原子を有する直鎖アルキルまたは分枝鎖アルキルまたは2から20のエチレンオキシの繰り返し単位を含むポリエチレングリコールスペーサーであり、
R’は、1から10個の炭素原子を有する直鎖アルキル、分枝鎖アルキルもしくは環状アルキルであり、または単純もしくは置換アリールもしくは複素環式であり、
13、R14、R15およびR16は、同一もしくは異なる、Hまたは1から4個の炭素原子を有する直鎖もしくは分枝鎖アルキルであり、
17およびR18は、Hまたはアルキルであり、
nは1から10の整数であり、
mは1から10の整数であり、さらに0であってもよく、
yは1から20の整数であり、さらに0であってもよい。)が挙げられる。
は、H、ヒドロキシ基、アルコキシ、アルケニルオキシ、場合により置換されているアルカノイルオキシ、アロイルオキシ、アルケノイルオキシ、アルキノイルオキシ、シクロアルカノイルオキシ、アルコキシアセチル、アルキルチオアセチル、アルキルオキシカルボニルオキシ、シクロアルキルオキシ、シクロアルケニルオキシ、カルバモイルオキシ、アルキルカルバモイルオキシもしくはジアルキルカルバモイルオキシ、複素環式もしくはアリールエーテル、エステルもしくはカルバマート、または、1から10個の炭素原子を有する、直鎖、分枝鎖もしくは環状のアルキルもしくはアルケニルエステルもしくはエーテルまたは式−OCOXのカルバマート(Xは、窒素を含有する複素環(例えば非置換もしくは置換ピペリジノ、モルホリノ、ピペラジノ、N−メチルピペラジノまたは式−OCONR10のカルバマート(ここで、RおよびR10は、同一であるかまたは異なる、H、1から10個の原子を有する直鎖、分枝鎖もしくは環状のアルキル、または5から10個の炭素原子を有する単純もしくは置換アリールである。))である。)であり、
またはRは、Hであり、
は、Hであり、
またはRとRは、結合(環状エーテル)を形成し、
は、場合により置換されているアリールまたは複素環式基であり、
好ましくは、Rは、3−メトキシフェニル、3−クロロフェニル、2,5−ジメトキシフェニル、フリル、ピロリル、チエニル、チアゾリル、イミダゾリル、ピリジル、オキサゾリル、インドリル、ベンゾフラニルまたはベンゾチエニルである。
以下の本発明の化合物が合成された。
Figure 2008523019
Figure 2008523019
2’−(トリイソプロピルシリルオキシ)−3’−ジフェニル−3’−(イソブテニル)−2−デベンゾイル−2−(2,5−ジメトキシベンゾイル)−ドセタキセル。10−アセトキシ−2’−(トリイソプロピルシリルオキシ)−3’−ジフェニル−3’−(イソブテニル)−2−デベンゾイル−2−(2,5−ジメトキシベンゾイル)−ドセタキセル(1.30g、1.25mmol)のエタノール(25mL)溶液に、ヒドラジン一水和物(10.5mL)を撹拌しながら添加した。15分後、反応物を酢酸エチル(50mL)で希釈し、有機層を塩化アンモニウム(50mL)、水(50mL)、およびブライン(50mL)で抽出した。次に、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空濃縮した。残渣を、溶出剤としてヘキサン中40%酢酸エチルを用いるシリカゲルカラムで精製した。所望の生成物を含有する画分をプールして濃縮し、1.1gの2’−(トリイソプロピルシリルオキシ)−3’−ジフェニル−3’−(イソブテニル)−2−デベンゾイル−2−(2,5−ジメトキシベンゾイル)−ドセタキセルを白色固体として得た。
H NMR(CDCl)δ1.08(s,24H)、1.23(s,3H)、1.36(s,9H)、1.67(s,3H)、1.70(s,3H)、1.76(s,3H)、1.82(m,1H)、1.88(s,3H)、2.16(s,3H)、2.31(m,1H)、2.50(m,2H)、3.17(br s,1H)、3.79(s,3H)、3.85(d,J=6.4Hz,1H)、3.95(s,1H)、4.18(m,2H)、4.29(d,J=8.4Hz,1H)、4.37(d,J=2Hz,1H)、4.41(d,J=8.4Hz,1H)、4.74(t,J=9Hz,1H)、4.90(t,J=9.8Hz,2H)、5.17(d,J=1.6Hz,1H)、5.32(d,J=9.2Hz,1H)、5.65(d,J=6.8Hz,1H)、6.10(t,J=8.8Hz,1H)、6.93(d,J=9.2Hz,1H)、7.05(dd,J=9.2,3.0Hz,1H)、7.28(d,J=3.0Hz,1H)。 C5279NO16SiNaのm/z LC/MS:計算値:1024.5;実測値:1024.3。
Figure 2008523019
7−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)−2’−(トリイソプロピルシリルオキシ)−3’−ジフェニル−3’−(イソブテニル)−2−デベンゾイル−2−(2,5−ジメトキシベンゾイル)−ドセタキセル。2’−(トリイソプロピルシリルオキシ)−3’−ジフェニル−3’−(イソブテニル)−2−デベンゾイル−2−(2,5−ジメトキシベンゾイル)−ドセタキセル(1.1g、1.1mmol)の塩化メチレン(7mL)およびピリジン(0.44mL、5.5mmol)溶液をドライアイス−アセトン浴で−30℃まで冷却した。塩化メチレン(0.3mL)に溶かしたトリフルオロメタンスルホン酸無水物(0.37mL、2.2mmol)を含む溶液を滴下した。得られた溶液を撹拌しながら徐々に室温まで暖めた。1時間後、反応物を酢酸エチル(25mL)で希釈し、有機層を塩化アンモニウム(25mL)、水(25mL)、およびブライン(25mL)で抽出した。次に、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空濃縮した。残渣を、溶出剤としてヘキサン中20%酢酸エチルを用いるシリカゲルカラムで精製した。所望の生成物を含有する画分をプールして濃縮し、565mgの7−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)−2’−(トリイソプロピルシリルオキシ)−3’−ジフェニル−3’−(イソブテニル)−2−デベンゾイル−2−(2,5−ジメトキシベンゾイル)−ドセタキセルを固体として得た。
H NMR(CDCl)δ1.10(m,24H)、1.26(s,3H)、1.38(s,9H)、1.68(s,3H)、1.72(s,3H)、1.92(s,3H)、1.95(s,3H)、2.20(s,3H)、2.28(m,1H)、2.31(m,1H)、2.50(m,1H)、2.80(m,1H)、3.80(s,3H)、3.95(d,J=6.4Hz,1H)、3.98(s,3H)、4.36(d,J=8.0Hz,1H)、4.38(d,J=2.4Hz,1H)、4.44(d,J=8.0Hz,1H)、4.76(t,J=9.2Hz,1H)、4.88(m,2H)、5.33(m,2H)、5.38(dd,J=6.8,10.4Hz,1H)、5.68(d,J=6.4Hz,1H)、6.13(t,J=8.8Hz,1H)、6.95(d,J=9.2Hz,1H)、7.07(dd,J=3.2,9.2Hz,1H)、7.26(d,J=3.2Hz,1H)。C5378NO18SSiNaのm/z LC/MS:計算値:1156.4;実測値:1156.1。
Figure 2008523019
7−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)−2’−(トリイソプロピルシリルオキシ)−3’−ジフェニル−3’−(イソブテニル)−10−オキソ−2−デベンゾイル−2−(2,5−ジメトキシベンゾイル)−ドセタキセル。7−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)−2’−(トリイソプロピルシリルオキシ)−3’−ジフェニル−3’−(イソブテニル)−2−デベンゾイル−2−(2,5−ジメトキシベンゾイル)−ドセタキセル(565mg、0.5mmol)の塩化メチレン(20mL)中の攪拌溶液に、4−メチルモルホリンN−オキシド(NMO)(117mg、1.00mmol)を添加し、続いて過ルテニウム酸テトラプロピルアンモニウム(TPAP)(10mg、0.03mmol)を添加した。得られた混合物を室温にてモニターしながら撹拌した。8時間後、反応物をセライトを通して濾過し、セライトのパッドを塩化メチレンですすいだ。合わせた上清を真空下で濃縮し、得られた残渣を、ヘキサン中25%酢酸エチルを用いてシリカゲルカラムで精製した。生成物を含有する画分をプールして濃縮し、325mgの7−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)−2’−(トリイソプロピルシリルオキシ)−3’−ジフェニル−3’−(イソブテニル)−10−オキソ−2−デベンゾイル−2−(2,5−ジメトキシベンゾイル)−ドセタキセルを固体として得た。
H NMR(CDCl)δ1.10(m,21H)、1.20(s,3H)、1.30(s,3H)、1.38(s,9H)、1.68(s,3H)、1.72(s,3H)、1.92(s,3H)、1.94(s,3H)、2.18(s,3H)、2.23(m,1H)、2.35(m,1H)、2.63(m,1H)、2.83(m,1H)、3.71(m,2H)、3.81(s,3H)、4.00(s,3H)、4.34(d,J=8.4Hz,1H)、4.39(d,J=2.0Hz,1H)、4.45(d,J=8.4Hz,1H)、4.78(t,J=9.2Hz,1H)、4.87(m,2H)、5.19(dd,J=8.0,10.0Hz,1H)、5.34(d,J=8.8Hz,1H)、5.79(d,J=6.0Hz,1H)、6.09(t,J=8.8Hz,1H)、6.98(d,J=9.2Hz,1H)、7.09(dd,J=3.2 9.2Hz,1H)、7.25(d,J=3.2Hz,1H)。C5376NO18SSiNaのm/z LC/MS:計算値:1154.4;実測値:1154.4。
Figure 2008523019
7α,9α−エポキシ‐2−’(トリイソプロピルシリルオキシ)−3’−ジフェニル−3’−(イソブテニル)−2−デベンゾイル−2−(2,5−ジメトキシベンゾイル)−ドセタキセル。7−(トリフルオロメタン−スルホニルオキシ)−2’−(トリイソプロピルシリルオキシ)−3’−ジフェニル−3’−(イソブテニル)−10−オキソ−2−デベンゾイル−2−(2,5−ジメトキシベンゾイル)−ドセタキセル(323mg、0.286mmol)をエタノール(3.5mL)と十分に撹拌した混合物に、水素化ホウ素ナトリウム(58mg、1.5mmol)を添加した。10分後、反応物を酢酸エチル(15mL)で希釈し、ブライン(15mL)で2回抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空濃縮した。残渣を、展開溶媒としてヘキサン中50%酢酸エチルを用いるシリカゲル分取薄層クロマトグラフィーにより精製し、所望の生成物7α,9α−エポキシ−2’−(トリイソプロピルシリルオキシ)−3’−ジフェニル−3’−(イソブテニル)−2−デベンゾイル−2−(2,5−ジメトキシベンゾイル)−ドセタキセル(171mg)と、副生成物7α,10α−エポキシ−2’−(トリイソプロピルシリルオキシ)−3’−ジフェニル−3’−(イソブテニル)−2−デベンゾイル−2−(2,5−ジメトキシベンゾイル)−ドセタキセル(78mg)を得た。
7α,9α−エポキシ−2’−(トリイソプロピルシリルオキシ)−3’−ジフェニル−3’−(イソブテニル)−2−デベンゾイル−2−(2,5−ジメトキシベンゾイル)−ドセタキセル:
H NMR(CDCl)δ1.09(m,24H)、1.24(s,3H)、1.38(s,9H)、1.68(s,3H)、1.71(s,3H)、1.78(s,3H)、1.97(s,3H)、2.10(s,3H)、2.23−2.33(m,2H)、2.34−2.45(m,2H)、2.50(d,J=3.2Hz,1H)、3.80(s,3H)、3.98(s,3H)、4.02(d,J=6.0Hz,1H)、4.25(d,J=7.2Hz,1H)、4.34(d,J=7.2Hz,1H)、4.45(d,J=2.4Hz,1H)、4.73−4.83(m,4H)、4.98(m,2H)、5.35(d,J=8.8Hz,1H)、5.67(d,J=6.4Hz,1H)、5.97(t,J=8.8Hz,1H)、6.96(d,J=9.2Hz,1H)、7.06(dd,J=3.2 9.2Hz,1H)、7.29(d,J=3.2Hz,1H)。C5279NO15SiNaのm/z LC/MS:計算値:1008.5;実測値:1008.4。
7α,10α−エポキシ−2’−(トリイソプロピルシリルオキシ)−3’−ジフェニル−3’−(イソブテニル)−2−デベンゾイル−2−(2,5−ジメトキシベンゾイル)−ドセタキセル:
H NMR(CDCl)δ1.10(m,21H)、1.19(s,3H)、1.34(s,3H)、1.39(s,9H)、1.66(s,3H)、1.70(s,3H)、1.84(s,3H)、1.88(s,3H)、2.07(s,3H)、2.21(m,1H)、2.29(m,1H)、2.38(m,2H)、3.66(d,J=7.6Hz,1H)、3.81(s,3H)、3.96(s,3H)、4.39−4.47(m,4H)、4.74(t,J=8.4Hz,1H)、4.82(br s,1H)、4.90(m,1H)、5.08(d,J=4.4Hz,1H)、5.35(d,J=8.8Hz,1H)、5.42(d,J=6.0Hz,1H)、6.12(t,J=8.8Hz,1H)、6.95(d,J=8.8Hz,1H)、7.07(dd,J=3.2,8.8Hz,1H)、7.32(d,J=3.2Hz,1H)。C5277NO15SiNaのm/z LC/MSの計算値:1006.5;実測値:1006.4。
Figure 2008523019
7α,10α−エポキシ−3’−ジフェニル−3’−(イソブテニル)−2−デベンゾイル−2−(2,5−ジメトキシベンゾイル)−ドセタキセル。アセトニトリル:ピリジンの1:1混合物(2mL)に溶かした7α,10α−エポキシ−2’−(トリイソプロピルシリルオキシ)−3’−ジフェニル−3’−(イソブテニル)−2−デベンゾイル−2−(2,5−ジメトキシベンゾイル)−ドセタキセル(20mg、0.02mmol)を含む溶液を、氷浴で0℃まで冷却した。これに、フッ化水素−ピリジン(0.2mL)を添加し、溶液を徐々に室温まで暖めた。16時間後、反応物を酢酸エチル(15mL)で希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム溶液(15mL)で反応を停止させた。有機層をブライン(20mL)で1回洗浄し、次に無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空濃縮した。粗残渣を、展開溶媒としてヘキサン中70%酢酸エチルを用いるシリカゲル分取薄層クロマトグラフィーにより精製した。所望の生成物を含むバンドをかきとり、フィルター上で酢酸エチルですすいだ。有機層を合し、真空濃縮して、12mgの7α,10α−エポキシ−3’−ジフェニル−3’−(イソブテニル)−2−デベンゾイル−2−(2,5−ジメトキシベンゾイル)−ドセタキセルを、白色固体として得た。
H NMR(CDCl)δ1.19(s,3H)、1.32(s,3H)、1.41(s,9H)、1.73(s,6H)、1.85(s,3H)、1.89(s,3H)、2.03(s,3H)、2.28−2.42(m,4H)、3.69(dd,J=2.0,7.2Hz,1H)、3.81(s,3H)、3.89(s,3H)、4.25(dd,J=2.4,4.4,1H)、4.34(d,J=6.0Hz,1H)、4.36(d,J=6.0Hz,1H)、4.53(d,J=7.6Hz,1H)、4.82(m,2H)、5.00(d,J=9.2Hz,1H)、5.08(m,1H)、5.25(d,J=8.8Hz,1H)、5.35(d,J=6.0Hz,1H)、6.17(t,J=7.6Hz,1H)、6.94(d,J=9.2Hz,1H)、7.06(dd,J=3.2,9.2Hz,1H)、7.28(d,J=3.2Hz,1H)。C4357NO15Naのm/z LC/MS:計算値:850.4;実測値:850.3。
Figure 2008523019
7α,9α−エポキシ−2’−3’−ジフェニル−3’−(イソブテニル)−2−デベンゾイル−2−(2,5−ジメトキシベンゾイル)−ドセタキセル。アセトニトリル:ピリジンの1:1混合物(2mL)に溶かした7α,9α−エポキシ−2’−(トリイソプロピルシリルオキシ)−3’−ジフェニル−3’−(イソブテニル)−2−デベンゾイル−2−(2,5−ジメトキシベンゾイル)−ドセタキセル(25mg、0.025mmol)を含む溶液を、氷浴で0℃まで冷却した。これに、フッ化水素−ピリジン(0.25mL)を添加し、溶液を徐々に室温まで暖めた。16時間後、反応物を酢酸エチル(15mL)で希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム溶液(15mL)で反応を停止させた。有機層をブライン(20mL)で1回洗浄し、次に無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空濃縮した。粗残渣を、展開溶媒としてヘキサン中70%酢酸エチルを用いるシリカゲル分取薄層クロマトグラフィーにより精製した。所望の生成物を含むバンドをかきとり、フィルター上で酢酸エチルですすいだ。有機層を合し、真空濃縮して、12mgの7α,9α−エポキシ−3’−ジフェニル−3’−(イソブテニル)−2−デベンゾイル−2−(2,5−ジメトキシベンゾイル)−ドセタキセルを、白色固体として得た。
H NMR(CDCl)δ1.12(s,3H)、1.23(s,3H)、1.41(s,9H)、1.73(s,6H)、1.80(s,3H)、2.01(s,3H)、2.07(s,3H)、2.15−2.21(m,1H)、2.23−2.28(m,1H)、2.36−2.44(m,1H)、2.43−2.49(m,1H)、2.52(d,J=6.8Hz,1H)、3.75(br s,1H)、3.80(s,3H)、3.93(s,3H)、4.05(d,J=6.4Hz,1H)、4.26(d,J=2.4,4.8Hz,1H)、4.30(d,J=7.6Hz,1H)、4.32(d,J=7.6Hz,1H)、4.76−4.83(m,4H)、4.91(t,J=2.0Hz,1H)、4.98(d,J=9.6Hz,1H)、5.26(d,J=8.4Hz,1H)、5.65(d,J=6.4Hz,1H)、6.01(t,J=8.8Hz,1H)、6.95(d,J=9.2Hz,1H)、7.06(dd,J=3.2 9.2Hz,1H)、7.28(d,J=3.2Hz,1H)。C4359NO15Naのm/z LC/MS:計算値:852.4;実測値:852.3。
Figure 2008523019
7α,9α−エポキシ−2’−(トリイソプロピルシリルオキシ)−3’−ジフェニル−3’−(イソブテニル)−2−デベンゾイル−2−(2,5−ジメトキシベンゾイル)−10−アセトキシ−ドセタキセル。7α,9α−エポキシ−2’−(トリイソプロピルシリルオキシ)−3’−ジフェニル−3’−(イソブテニル)−2−デベンゾイル−2−(2,5−ジメトキシベンゾイル)−ドセタキセル(85mg、0.086mmol)を窒素下でピリジン(1mL)に溶かした溶液に、ジメチルアミノピリジン(DMAP)(16mg、0.13mmol)および無水酢酸(0.025mL、0.26mmol)を添加した。反応物を室温にて攪拌し、4時間後に酢酸エチル(20mL)で希釈し、ブライン(25mL)で1回洗浄した。有機層を分離し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空濃縮した。残渣を、展開溶媒としてヘキサン中50%酢酸エチルを用いるシリカゲル分取薄層クロマトグラフィーにより精製した。所望の生成物を含有するバンドをかきとり、フィルター上で酢酸エチルですすいだ。有機層を合して真空下で濃縮し、75mgの7α,9α−エポキシ−2’−(トリイソプロピルシリルオキシ)−3’−ジフェニル−3’−(イソブテニル)−2−デベンゾイル−2−(2,5−ジメトキシベンゾイル)−10−アセトキシ−ドセタキセルを白色固体として得た。
H NMR(CDCl)δ1.10(m,21H)、1.22(s,6H)、1.38(s,9H)、1.67(s,3H)、1.70(s,3H)、1.73(s,3H)、1.94(s,3H)、2.07(s,3H)、2.10(s,3H)、2.31(m,3H)、2.48(m,1H)、3.78(s,3H)、3.97(s,3H)、3.98(d,J=6.0Hz,1H)、4.24(d,J=7.2Hz,1H)、4.32(d,J=7.2Hz,1H)、4.45(d,J=2.0Hz,1H)、4.77(m,2H)、4.82(d,J=6.0Hz,1H)、4.91(s,1H)、4.93(d,J=9.2Hz,1H)、5.36(d,J=8.4Hz,1H)、5.68(d,J=9.2Hz,1H)、5.70(d,J=6.0Hz,1H)、5.89(t,J=8.8Hz,1H)、6.94(d,J=9.2Hz,1H)、7.05(dd,J=3.2 9.2Hz,1H)、7.29(d,J=3.2Hz,1H)。C5481NO16SiNaのm/z LC/MS:計算値:1050.5;実測値:1050.5。
Figure 2008523019
7α,9α−エポキシ−3’−ジフェニル−3’−(イソブテニル)−2−デベンゾイル−2−(2,5−ジメトキシベンゾイル)−10−アセトキシ−ドセタキセル。アセトニトリル:ピリジンの1:1混合物(3mL)に溶かした7α,9α−エポキシ−2’−(トリイソプロピルシリルオキシ)−3’−ジフェニル−3’−(イソブテニル)−2−デベンゾイル−2−(2,5−ジメトキシベンゾイル)−10−アセトキシ−ドセタキセル(75mg、0.073mmol)を含む溶液を、氷浴で0℃まで冷却した。これに、フッ化水素−ピリジン(0.5mL)を添加し、溶液を徐々に室温まで暖めた。16時間後、反応物を酢酸エチル(25mL)で希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム溶液(25mL)で反応を停止させた。有機層をブライン(30mL)で1回洗浄し、次に無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空濃縮した。粗残渣を、展開溶媒としてヘキサン中70%酢酸エチルを用いるシリカゲル分取薄層クロマトグラフィーにより精製した。所望の生成物を含むバンドをかきとり、フィルター上で酢酸エチルですすいだ。有機層を合し、真空濃縮して、52mgの7α,9α−エポキシ−3’−ジフェニル−3’−(イソブテニル)−2−デベンゾイル−2−(2,5−ジメトキシベンゾイル)−10−アセトキシ−ドセタキセルを得た。
H NMR(CDCl)δ1.26(s,3H)、1.28(s,3H)、1.41(s,9H)、1.74(s,6H)、1.76(s,3H)、1.99(s,3H)、2.09(s,3H)、2.11(s,3H)、2.18(m,1H)、2.27(m,1H)、2.36(m,1H)、2.49(m,1H)、3.81(s,3H)、3.91(s,1H)、3.94(s,3H)、4.02(d,J=6.0Hz,1H)、4.28(m,2H)、4.33(d,J=7.2Hz,1H)、4.80(m,2H)、4.86(d,J=6.4Hz,1H)、4.91(s,1H)、5.00(d,J=9.2Hz,1H)、5.29(d,J=8.4Hz,1H)、5.67(d,J=6.4Hz,1H)、5.71(d,J=6.4Hz,1H)、6.01(t,J=8.8Hz,1H)、6.96(d,J=9.2Hz,1H)、7.07(dd,J=3.2 9.2Hz,1H)、7.28(d,J=3.2Hz,1H)。C4561NO16Naのm/z LC/MS:計算値:894.4;実測値:894.5。
Figure 2008523019
7α,9α−エポキシ−2’−(トリイソプロピルシリルオキシ)−3’−ジフェニル−3’−(イソブテニル)−2−デベンゾイル−2−(2,5−ジメトキシベンゾイル)−10−メトキシカルボニルオキシ−ドセタキセル。7α,9α−エポキシ−2’−(トリイソプロピルシリルオキシ)−3’−ジフェニル−3’−(イソブテニル)−2−デベンゾイル−2−(2,5−ジメトキシベンゾイル)−ドセタキセル(28mg、0.029mmol)を窒素下で無水テトラヒドロフラン(0.65mL)に溶かした溶液を、ドライアイス−アセトン浴で−40℃まで冷却した。この溶液に1.0MのLiHMDS(0.04mL,0.039mmol)を添加し、15分間撹拌した。これにクロロギ酸メチル(0.003mL、0.036mmol)を添加し、反応物を−40℃にてモニターした。1時間後、反応物を酢酸エチル(15mL)で希釈し、水(15mL)で抽出し、続いて有機層をブライン(15mL)で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空濃縮した。残渣を、展開溶媒として塩化メチレン中5%メタノールを用いるシリカゲル分取薄層クロマトグラフィーにより精製した。所望の生成物を含むバンドをかきとり、フィルター上で酢酸エチルですすいだ。有機層を合し、真空濃縮して、9mgの7α,9α−エポキシ−2’−(トリイソプロピルシリルオキシ)−3’−ジフェニル−3’−(イソブテニル)−2−デベンゾイル−2−(2,5−ジメトキシベンゾイル)−10−メトキシカルボニルオキシ−ドセタキセルを、白色固体として得た。
H NMR(CDCl)δ1.10(m,21H)、1.22(s,3H)、1.24(s,3H)、1.39(s,9H)、1.68(s,3H)、1.71(s,3H)、1.75(s,3H)、1.96(s,3H)、2.08(s,3H)、2.30(m,3H)、2.50(m,1H)、3.78(s,3H)、3.80(s,3H)、3.98(d,J=6.0Hz,1H)、3.99(s,3H)、4.25(d,J=7.2Hz,1H)、4.34(d,J=7.2Hz,1H)、4.46(d,J=2.0Hz,1H)、4.78(m,2H)、4.91(m,3H)、5.37(d,J=8.4Hz,1H)、5.57(d,J=6.4Hz,1H)、5.70(d,J=6.0Hz,1H)、5.93(t,J=8.8Hz,1H)、6.95(d,J=9.2Hz,1H)、7.06(dd,J=3.2 9.2Hz,1H)、7.30(d,J=3.2Hz,1H)。C4581NO17SiNaのm/z LC/MS:計算値:1066.5;実測値:1066.3。
Figure 2008523019
7α,9α−エポキシ−3’−ジフェニル−3’−(イソブテニル)−2−デベンゾイル−2−(2,5−ジメトキシベンゾイル)−10−メトキシカルボニルオキシ−ドセタキセル。アセトニトリル:ピリジンの1:1混合物(1.2mL)に溶かした7α,9α−エポキシ−2’−(トリイソプロピルシリルオキシ)−3’−ジフェニル−3’−(イソブテニル)−2−デベンゾイル−2−(2,5−ジメトキシベンゾイル−10−メトキシカルボニルオキシ−ドセタキセル(9mg、0.008mmol)を含む溶液を、氷浴で0℃まで冷却した。これに、フッ化水素−ピリジン(0.15mL)を添加し、溶液を徐々に室温まで暖めた。16時間後、反応物を酢酸エチル(15mL)で希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム溶液(15mL)で反応を停止させた。有機層をブライン(15mL)で1回洗浄し、次に無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空濃縮した。粗残渣を、展開溶媒としてヘキサン中60%酢酸エチルを用いるシリカゲル分取薄層クロマトグラフィーにより精製した。所望の生成物を含むバンドをかきとり、フィルター上で酢酸エチルですすいだ。有機層を合し、真空濃縮して、4mgの7α,9α−エポキシ−3’−ジフェニル−3’−(イソブテニル)−2−デベンゾイル−2−(2,5−ジメトキシベンゾイル)−10−メトキシカルボニルオキシ−ドセタキセルを得た。
H NMR(CDCl)δ1.25(s,3H)、1.27(s,3H)、1.40(s,9H)、1.73(s,6H)、1.76(s,3H)、1.99(s,3H)、2.07(s,3H)、2.18(m,1H)、2.25(m,1H)、2.34(m,1H)、2.48(m,1H)、3.78(s,3H)、3.80(s,3H)、3.83(s,1H)、3.93(s,3H)、4.01(d,J=6.0Hz,1H)、4.28(m,2H)、4.31(d,J=7.6Hz,1H)、4.80(m,2H)、4.90(s,1H)、4.94(d,J=7.6Hz,1H)、4.97(d,J=9.6Hz,1H)、5.27(d,J=7.6Hz,1H)、5.55(d,J=6.0Hz,1H)、5.70(d,J=6.0Hz,1H)、6.03(t,J=8.8Hz,1H)、6.95(d,J=9.2Hz,1H)、7.06(dd,J=3.2 9.2Hz,1H)、7.28(d,J=3.2Hz,1H)。C4561NO17Naのm/z LC/MS:計算値:910.4;実測値:910.4。
Figure 2008523019
7α,9α−エポキシ−2’−(トリイソプロピルシリルオキシ)−3’−ジフェニル−3’−(イソブテニル)−2−デベンゾイル−2−(2,5−ジメトキシベンゾイル)−10−ジメチアミノカルボニルオキシ−ドセタキセル。7α,9α−エポキシ−2’−(トリイソプロピルシリルオキシ)−3’−ジフェニル−3’−(イソブテニル)−2−デベンゾイル−2−(2,5−ジメトキシベンゾイル)−ドセタキセル(28mg、0.029mmol)を窒素下で無水テトラヒドロフラン(0.65mL)に溶かした溶液を、ドライアイス−アセトン浴で−40℃まで冷却した。この溶液に1.0MのLiHMDS(0.04mL,0.039mmol)を添加し、15分間撹拌した。これに塩化ジメチルカルバミル(0.003mg、0.031mmol)を添加し、反応物を−40℃にてモニターした。1時間後、反応物を酢酸エチル(15mL)で希釈し、水(15mL)で抽出し、続いて有機層をブライン(15mL)で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空濃縮した。残渣を、展開溶媒として塩化メチレン中5%メタノールを用いるシリカゲル分取薄層クロマトグラフィーにより精製した。所望の生成物を含むバンドをかきとり、フィルター上で酢酸エチルですすいだ。有機層を合し、真空濃縮して、20mgの7α,9α−エポキシ−2’−(トリイソプロピルシリルオキシ)−3’−ジフェニル−3’−(イソブテニル)−2−デベンゾイル−2−(2,5−ジメトキシベンゾイル)−10−ジメチアミノ−カルボニルオキシ−ドセタキセルを白色固体として得た。
H NMR(CDCl)δ1.10(m,21H)、1.23(s,6H)、1.39(s,9H)、1.68(s,3H)、1.71(s,3H)、1.73(s,3H)、1.98(s,3H)、2.09(s,3H)、2.31(m,3H)、2.49(m,1H)、2.93m(s,6H)、3.80(s,3H)、3.98(s,3H)、3.96(d,J=6.0Hz,1H)、4.25(d,J=7.2Hz,1H)、4.33(d,J=7.2Hz,1H)、4.46(d,J=2.0Hz,1H)、4.77(m,2H)、4.88(d,J=6.4Hz,1H)、4.92(m,2H)、5.36(d,J=8.4Hz,1H)、5.68(d,J=6.0Hz,1H)、5.71(d,J=6.4Hz,1H)、5.93(t,J=8.8Hz,1H)、6.95(d,J=9.2Hz,1H)、7.05(dd,J=3.2 9.2Hz,1H)、7.30(d,J=3.2Hz,1H)。C558416SiNaのm/z LC/MS:計算値:1079.6;実測値:1079.5。
Figure 2008523019
7α,9α−エポキシ−3’−ジフェニル−3’−(イソブテニル)−2−デベンゾイル−2−(2,5−ジメトキシベンゾイル)−10−ジメチアミノカルボニルオキシ−ドセタキセル。アセトニトリル:ピリジンの1:1混合物(1.2mL)に溶かした7α,9α−エポキシ−2’−(トリイソプロピルシリルオキシ)−3’−ジフェニル−3’−(イソブテニル)−2−デベンゾイル−2−(2,5−ジメトキシベンゾイル)−10−ジメチアミノカルボニルオキシ−ドセタキセル(20mg、0.016mmol)を含む溶液を、氷浴で0℃まで冷却した。これに、フッ化水素−ピリジン(0.25mL)を添加し、溶液を徐々に室温まで暖めた。16時間後、反応物を酢酸エチル(15mL)で希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム溶液(15mL)で反応を停止させた。有機層をブライン(15mL)で1回洗浄し、次に無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空濃縮した。粗残渣を、展開溶媒としてヘキサン中70%酢酸エチルを用いるシリカゲル分取薄層クロマトグラフィーにより精製した。所望の生成物を含むバンドをかきとり、フィルター上で酢酸エチルですすいだ。有機層を合し、真空濃縮して、12mgの7α,9α−エポキシ−3’−ジフェニル−3’−(イソブテニル)−2−デベンゾイル−2−(2,5−ジメトキシベンゾイル)−10−ジメチアミノ−カルボニルオキシ−ドセタキセルを得た。
H NMR(CDCl)δ1.24(s,3H)、1.26(s,3H)、1.40(s,9H)、1.73(s,6H)、1.74(s,3H)、2.00(s,3H)、2.07(s,3H)、2.17(m,1H)、2.25(m,1H)、2.36(m,1H)、2.48(m,1H)、2.93(s,3H)、2.94(s,3H)、3.79(s,3H)、3.86(s,1H)、3.92(s,3H)、4.02(d,J=6.0Hz,1H)、4.28(m,2H)、4.31(d,J=7.6Hz,1H)、4.80(m,2H)、4.89(d,J=6.0Hz,1H)、4.90(s,1H)、4.97(d,J=9.6Hz,1H)、5.28(d,J=8.4Hz,1H)、5.67(d,J=6.0Hz,1H)、5.70(d,J=6.0Hz,1H)、6.02(t,J=8.4Hz,1H)、6.94(d,J=9.2Hz,1H)、7.05(dd,J=3.2 9.2Hz,1H)、7.29(d,J=3.2Hz,1H)。C466416Naのm/z LC/MS:計算値:923.4;実測値:923.4。
Figure 2008523019
10−アセトキシ−7−(トリエチルシリル)−2’−(トリイソプロピルシリルオキシ)−3’−ジフェニル−3’−(2−フリル)−2−デベンゾイル−2−(2,5−ジメトキシベンゾイル)−ドセタキセル。(3R,4S)−1−tert−ブトキシカルボニル)−3−トリイソプロピルシリルオキシ−4−(2−フリル)−アゼチジン−2−オン(1.27g、3.11mmol)および7−(トリエチルシリル)−2−デベンゾイル−2−(2,5−ジメトキシベンゾイル)−バッカチンIII(1.9g、2.5mmol)の混合物を、無水THF(20mL)に溶かした。混合物を−40℃まで冷却し、1.0MのLiHMDS(3.5mL,3.5mmol)を滴下した。反応物を−40から−20℃の間の温度で1時間攪拌し、その後反応が完了した。飽和塩化アンモニウム水溶液で反応を停止させ、酢酸エチル(100mL×2)で抽出した。合わせた有機層を水(30mL×1)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、真空濃縮した。粗残渣を、溶出剤としてヘキサン中30%酢酸エチルを用いるシリカゲルカラムで精製し、10−アセトキシ−7−(トリエチルシリル)−2’−(トリイソプロピルシリルオキシ)−3’−ジフェニル−3’−(2−フリル)−2−デベンゾイル−2−(2,5−ジメトキシベンゾイル)−ドセタキセルを白色固体として得た(2.88g、98%)。H NMR(CDCl)δ0.53(m,6H)、0.89(m,30H)、1.18(s,6H)、1.36(s,9H)、1.69(s,3H)、1.85(m,1H)、1.96(s,3H)、2.11(s,3H)、2.25(s,3H)、2.35(m,2H)、2.46(m,1H)、3.33(s,1H)、3.71(s,3H)、3.72(d,J=6.8Hz,1H)、3.87(s,3H)、4.22(d,J=8.0Hz,1H)、4.40(m,2H)、4.84(d,J=8.0,1H),4.89(d,J=1.2Hz,1H)、5.24(m,2H)、5.61(d,J=6.8Hz,1H)、6.12(t,J=8.4Hz,1H)、6.18(d,J=3.2Hz,1H)、6.27(dd,J=3.2,2.0Hz,1H)、6.41(s,1H)、6.88(d,J=9.2Hz,1H)、6.97(dd,J=9.2,3.2Hz,1H)、7.20(d,J=3.2Hz,1H)、7.28(br s,1H)。C6091NO18SiNaのm/z LC/MS:計算値:1192.6;実測値:1192.3。
Figure 2008523019
10−アセトキシ−2’−(トリイソプロピルシリルオキシ)−3’−ジフェニル−3’−(2−フリル)−2−デベンゾイル−2−(2,5−ジメトキシベンゾイル)−ドセタキセル。10−アセトキシ−7−(トリエチルシリル)−2’−(トリイソプロピルシリルオキシ)−3’−ジフェニル−3’−(2−フリル)−2−デベンゾイル−2−(2,5−ジメトキシベンゾイル)−ドセタキセル(670mg、0.57mmol)をエタノール(2.5mL)に溶かした。5%塩酸のエタノール溶液(5.0mL)を滴下した。反応物を室温にて5時間撹拌し、その後反応が完了した。反応物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で急冷し、生成物を酢酸エチル(75mL×2)で抽出した。合わせた酢酸エチル層を水(25mL×1)およびブライン(25mL×1)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、真空濃縮した。粗生成物である10−アセトキシ−2’−(トリイソプロピルシリルオキシ)−3’−ジフェニル−3’−(2−フリル)−2−デベンゾイル−2−(2,5−ジメトキシベンゾイル)−ドセタキセルを精製せずに用いた。H NMR(CDCl)δ0.92(m,21H)、1.12(s,3H)、1.25(s,3H)、1.39(s,9H)、1.70(s,3H)、1.85(m,4H)、2.19(s,3H)、2.27(s,3H)、2.37(m,2H)、2.51(m,1H)、3.33(s,1H)、3.74(m,4H)、3.89(s,3H)、4.26(d,J=8.4,1H)、4.38(m,2H)、4.90(m,2H)、5.24(m,2H)、5.62(d,J=6.8Hz,1H)、6.19(m,2H)、6.30(m,2H)、6.88(d,J=9.2,1H)、7.00(dd,J=9.2,3.2Hz,1H)、7.21(d,J=3.2Hz,1H)、7.30(br s,1H)。C5477NO18SiNaのm/z LC/MS:計算値:1078.5;実測値:1078.3。
Figure 2008523019
2’−(トリイソプロピルシリルオキシ)−3’−ジフェニル−3’−(2−フリル)−2−デベンゾイル−2−(2,5−ジメトキシベンゾイル)−ドセタキセル。10−アセトキシ−2’−(トリイソプロピルシリルオキシ)−3’−ジフェニル−3’−(2−フリル)−2−デベンゾイル−2−(2,5−ジメトキシベンゾイル)−ドセタキセル(605mg、0.573mmol)をエタノール(12.0mL)に溶かした。ヒドラジン一水和物(5.0mL)を5分間かけて滴下し、その後反応が完了した。反応物を酢酸エチルで希釈し、飽和塩化アンモニウム水溶液で反応を停止させた。生成物を酢酸エチル(75mL×2)で抽出し、水(25mL×1)およびブライン(25mL×1)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空濃縮した。粗残渣を、溶出剤としてヘキサン中40%酢酸エチルを用いるシリカゲルカラムで精製し、2’−(トリイソプロピルシリルオキシ)−3’−ジフェニル−3’−(2−フリル)−2−デベンゾイル−2−(2,5−ジメトキシベンゾイル)−ドセタキセルを白色固体として得た(507.6mg、87%、2段階)。H NMR(CDCl)δ0.95(m,21H)、1.11(s,3H)、1.24(s,3H)、1.40(s,9H)、1.79(s,3H)、1.86(m,1H)、1.91(s,3H)、2.29(s,3H)、2.36(m,2H)、2.57(m,1H)、3.29(br s,1H)、3.76(s,3H)、3.88(d,J=6.8Hz,1H)、3.92(s,3H)、4.19(m,2H)、4.43(d,J=8.4Hz,1H)、4.45(d,J=8.4Hz,1H)、4.91(m,2H)、5.24(m,3H)、5.65(d,J=6.8Hz,1H)、6.21(m,2H)、6.31(dd,J=3.2,1.6,1H)、6.90(d,J=9.2Hz,1H)、7.02(dd,J=9.2,3.2Hz,1H)、7.23(d,J=3.2Hz,1H)、7.30(br s,1H)。C5275NO17SiNaのm/z LC/MS:計算値:1036.5;実測値:1036.3。
Figure 2008523019
7−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)−2’−(トリイソプロピルシリルオキシ)−3’−ジフェニル−3’−(2−フリル)−2−デベンゾイル−2−(2,5−ジメトキシベンゾイル)−ドセタキセル。2’−(トリイソプロピルシリルオキシ)−3’−ジフェニル−3’−(2−フリル)−2−デベンゾイル−2−(2,5−ジメトキシベンゾイル)−ドセタキセル(1.7g、1.68mmol)を塩化メチレン(10.0mL)に溶かし、−30℃まで冷却した。ピリジン(0.68mL、8.4mmol)を添加し、続いて塩化メチレン(0.5mL)中トリフルオロメタンスルホン酸無水物(0.57mL、3.4mmol)を添加すると、反応物は黄色に変わった。反応物を1時間かけてゆっくりと0℃まで暖め、その時点で反応は完了した。生成物を酢酸エチル(150mL×1)で抽出し、水(50mL×1)およびブライン(50mL×1)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、真空濃縮した。粗残渣を、溶出剤としてヘキサン中25%酢酸エチルを用いるシリカゲルカラムで精製し、7−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)−2’−(トリイソプロピルシリルオキシ)−3’−ジフェニル−3’−(2−フリル)−2−デベンゾイル−2−(2,5−ジメトキシベンゾイル−ドセタキセルを白色固体として得た(1.44g、75%)。H NMR(CDCl)δ0.94(m,21H)、1.09(s,3H)、1.22(s,3H)、1.39(s,9H)、1.92(m,6H)、2.30(m,5H)、2.40(m,1H)、2.79(m,1H)、3.44(s,1H)、3.74(s,3H)、3.91(s,3H)、3.95(d,J=6.4Hz,1H)、4.01(d,J=1.6Hz,1H)、4.30(d,J=8.4Hz,1H)、4.42(d,J=8.4Hz,1H)、4.89(m,2H)、5.24(m,2H)、5.36(m,2H)、5.64(d,J=6.4Hz,1H)、6.21(m,2H)、6.30(dd,J=3.2,1.6Hz,1H)、6.90(d,J=9.2Hz,1H)、7.02(dd,J=9.2,3.2Hz,1H)、7.19(d,J=3.2Hz,1H)、7.30(br s,1H)。C5374NO19SSiNaのm/z LC/MS:計算値:1168.4;実測値:1168.4。
Figure 2008523019
7−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)−2’−(トリイソプロピルシリルオキシ)−3’−ジフェニル−3’−(2−フリル)−10−オキソ−2−デベンゾイル−2−(2,5−ジメトキシベンゾイル)−ドセタキセル。7−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)−2’−(トリイソプロピルシリルオキシ)−3’−ジフェニル−3’−(2−フリル)−2−デベンゾイル−2−(2,5−ジメトキシベンゾイル)−ドセタキセル(1.44g、1.26mmol)の塩化メチレン(30mL)中の撹拌溶液に、4−メチルモルホリンN−オキシド(NMO)(590mg、5mmol)を添加し、続いて過ルテニウム酸テトラプロピルアンモニウム(TPAP)(62mg、0.18mmol)を添加した。得られた混合物を室温にてモニターしながら撹拌した。8時間後、反応物をセライトで濾過し、セライトのパッドを塩化メチレンですすいだ。合わせた上清を真空下で濃縮し、得られた残渣を、ヘキサン中10%酢酸エチルを用いてシリカゲルカラムで精製した。生成物を含有する画分をプールして濃縮し、619mgの7−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)−2’−(トリイソプロピルシリルオキシ)−3’−ジフェニル−3’−(2−フリル)−10−オキソ−2−デベンゾイル−2−(2,5−ジメトキシベンゾイル)−ドセタキセルを固体として得た。H NMR(CDCl)δ0.91(m,21H)、1.15(s,3H)、1.25(s,3H)、1.37(s,9H)、1.89(s,6H)、2.14(m,1H)、2.27(s,3H)、2.32(m,1H)、2.51(m,1H)、2.79(m,1H)、3.67(d,J=6.4Hz,1H)、3.73(s,3H)、3.85(s,1H)、3.91(s,3H)、4.38(d,J=8.4Hz,1H)、4.40(d,J=8.4Hz,1H)、4.81(d,J=8.8z,1H)、4.89(d,J=1.2Hz,1H)、5.17(m,1H)、5.24(m,2H)、5.72(d,J=6.0Hz,1H)、6.14(t,J=8.8Hz,1H)、6.20(d,J=3.2Hz,1H)、6.28(d,J=3.2,1.6Hz,1H)、6.90(d,J=9.2Hz,1H)、7.01(dd,J=9.2,3.2Hz,1H)、7.15(d,J=3.2Hz,1H)、7.29(br s,1H)。C5372NO19SSiNaのm/z LC/MS:計算値:1166.4;実測値:1166.1。
Figure 2008523019
7α,9α−エポキシ−2’−(トリイソプロピルシリルオキシ)−3’−ジフェニル−3’−(2−フリル)−2−デベンゾイル−2−(2,5−ジメトキシベンゾイル)−ドセタキセルおよび7α,10α−エポキシ−2’−(トリイソプロピルシリルオキシ)−3’−ジフェニル−3’−(2−フリル)−2−デベンゾイル−2−(2,5−ジメトキシベンゾイル)−ドセタキセル。
水素化ホウ素ナトリウム(102mg、2.7mmol)を、エタノール(7.0mL)に溶かした7−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)−2’−(トリイソプロピルシリルオキシ)−3’−ジフェニル−3’−(2−フリル)−10−オキソ−2−デベンゾイル−2−(2,5−ジメトキシベンゾイル)−ドセタキセル(618mg、0.54mmol)に、添加した。5分後、反応を完了させ、酢酸エチルで希釈した。生成物を酢酸エチル(100mL×1)で抽出し、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し(50mL×1)、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空濃縮した。粗残渣を、溶出剤としてヘキサン中50%酢酸エチルを用いるシリカゲルカラムで精製し、7α,9α−エポキシ−2’−(トリイソプロピルシリルオキシ)−3’−ジフェニル−3’−(2−フリル)−2−デベンゾイル−2−(2,5−ジメトキシベンゾイル)−ドセタキセル(258mg、48%)および7α,10α−エポキシ−2’−(トリイソプロピルシリルオキシ)−3’−ジフェニル−3’−(2−フリル)−2−デベンゾイル−2−(2,5−ジメトキシベンゾイル)−ドセタキセル(231mg、43%)を得た。
7α,9α−エポキシ−2’−(トリイソプロピルシリルオキシ)−3’−ジフェニル−3’−(2−フリル)−2−デベンゾイル−2−(2,5−ジメトキシベンゾイル)−ドセタキセル。H NMR(CDCl)δ0.92(m,21H)、1.08(s,3H)、1.23(s,3H)、1.41(s,9H)、1.77(s,3H)、1.99(s,3H)、2.15(s,3H)、2.33(m,4H)、2.56(d,J=6.8Hz,1H)、3.55(s,1H)、3.76(s,3H)、3.93(s,3H)、4.01(d,J=6.0Hz,1,H)、4.25(d,J=7.2Hz,1H)、4.32(d,J=7.2Hz,1H)、4.77(m,3H)、4.92(br s,1H)、4.95(br s,1H)、5.27(m,2H)、5.64(d,J=6.4Hz,1H)、6.06(t,J=8.8Hz,1H)、6.20(d,J=2.8Hz,1H)、6.29(dd,J=3.2,2.0Hz,1H)、6.90(d,J=9.2Hz,1H)、7.00(dd,J=9.2,3.2Hz,1H)、7.23(d,J=3.2Hz,1H)、7.31(s,1H)。C5275NO16SiNaのm/z LC/MS:計算値:1020.5;実測値:1020.4。
7α,10α−エポキシ−2’−(トリイソプロピルシリルオキシ)−3’−ジフェニル−3’−(2−フリル)−2−デベンゾイル−2−(2,5−ジメトキシベンゾイル)−ドセタキセル。H NMR(CDCl)δ0.95(m,21H)、1.15(s,3H)、1.31(s,3H)、1.39(s,9H)、1.83(m,6H)、2.11(s,3H)、2.20−2.36(m,4H)、3.62(m,2H)、3.75(s,3H)、3.89(s,3H)、4.40(m,3H)、4.78(br s,1H)、4.92(br s,1H)、5.06(d,J=4.0Hz,1H)、5.25(m,2H)、5.36(d,J=6.0Hz,1H)、6.18(m,2H)、6.27(dd,J=2.8,1.6Hz,1H)、6.88(d,J=9.2Hz,1H)、6.99(dd,J=9.2,3.2Hz,1H)、7.22(d,J=3.2Hz,1H)、7.29(br s,1H)。C5273NO16SiNaのm/z LC/MS:計算値:1018.5;実測値:1018.4。
Figure 2008523019
7α,10α−エポキシ−3’−ジフェニル−3’−(2−フリル)−2−デベンゾイル−2−(2,5−ジメトキシベンゾイル)−ドセタキセル。7α,10α−エポキシ−2’−(トリイソプロピルシリルオキシ)−3’−ジフェニル−3’−(イソブテニル)−2−デベンゾイル−2−(2,5−ジメトキシベンゾイル)−ドセタキセル(49.1mg、0.049mmol)をピリジン−アセトニトリル(1/1、2.0mL)に溶かし、0℃にまで冷却した。HF/ピリジン(70:30、0.5mL)を添加し、反応物をゆっくりと一晩かけて室温まで暖めた。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で反応を停止させ、酢酸エチルで希釈した。酢酸エチル層をさらなる飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(15mL×2)で洗浄し、合わせた水層を次に酢酸エチル(40mL×2)で洗浄した。合わせた酢酸エチル層を水(15mL×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空濃縮した。粗残渣を、溶出剤としてヘキサン中50%酢酸エチルを用いるシリカゲルで精製し、7α,10α−エポキシ−3’−ジフェニル−3’−(2−フリル)−2−デベンゾイル−2−(2,5−ジメトキシベンゾイル)−ドセタキセル(33.5mg、81%)を得た。H NMR(CDCl)δ1.16(s,3H)、1.30(s,3H)、1.40(s,9H)、1.79(s,3H)、1.87(s,3H)、2.03(s,3H)、2.06(m,1H)、2.34(m,3H)、3.58(s,1H)、3.66(dd,J=7.2,2.8Hz,1H)、3.78(s,3H)、3.88(s,3H)、3.93(d,J=4.0Hz,1H)、4.34(m,2H)、4.49(d,J=7.6Hz,1H)、4.67(d,J=2.0Hz,1H)、4.81(br s,1H)、5.04(d,J=2.0Hz,1H)、5.34(m,3H)、6.18(br s,1H)、6.26(d,J=3.2Hz,1H)、6.31(dd,J=3.2,2.0Hz,1H)、6.92(d,J=9.2Hz,1H)、7.03(dd,J=9.2,3.2Hz,1H)、7.24(d,J=3.2z,1H)、7.34(d,J=1.2Hz,1H)。C4353NO16Naのm/z LC/MS:計算値:862.3;実測値:862.3。
Figure 2008523019
7α,9α−エポキシ−3’−ジフェニル−3’−(2−フリル)−2−デベンゾイル−2−(2,5−ジメトキシベンゾイル)−ドセタキセル。7α,9α−エポキシ−2’−(トリイソプロピルシリルオキシ)−3’−ジフェニル−3’−(2−フリル)−2−デベンゾイル−2−(2,5−ジメトキシベンゾイル)−ドセタキセルを、ピリジン−アセトニトリル(1/1、1.5mL)に溶かし、0℃にまで冷却した。HF/ピリジン(70:30、0.2mL)を添加し、反応物をゆっくりと一晩かけて室温まで暖めた。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で反応を停止させ、酢酸エチルで希釈した。酢酸エチル層をさらなる飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(10mL×2)で洗浄し、合わせた水層を酢酸エチル(20mL×2)で洗浄した。合わせた酢酸エチル層を次に水(10mL×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空濃縮した。粗残渣を、溶出剤としてヘキサン中75%酢酸エチルを用いるシリカゲルで精製し、7α,9α−エポキシ−3’−ジフェニル−3’−(2−フリル)−2−デベンゾイル−2−(2,5−ジメトキシベンゾイル)−ドセタキセルを白色固体として得た(10.26mg、70%)。H NMR(CDCl)δ1.09(s,3H)、1.23(s,3H)、1.40(s,9H)、1.77(s,3H)、1.95(s,3H)、2.07(s,3H)、2.21(m,2H)、2.37(m,2H)、2.50(d,J=6.0Hz,1H)、3.51(s,1H)、3.71(d,J=4.0Hz,1H)、3.77(s,3H)、3.91(s,3H)、4.02(d,J=6.4Hz,1H)、4.26(d,J=7.2Hz,1H)、4.29(d,J=7.2Hz,1H)、4.68(d,J=2.8Hz,1H)、4.78(m,3H)、4.88(br s,1H)、5.32(m,2H)、5.63(d,J=6.4Hz,1H)、6.01(t,J=8.8Hz,1H)、6.27(d,J=3.2Hz,1H)、6.31(dd,J=3.2,2.0Hz,1H)、6.92(d,J=9.2Hz,1H)、7.20(dd,J=9.2,3.2Hz,1H)、7.24(d,J=3.2Hz,1H)、7.34(d,J=0.8Hz,1H)。C4355NO16Naのm/z LC/MS:計算値:864.5;実測値:864.3。
Figure 2008523019
7α,9α−エポキシ−2’−(トリイソプロピルシリルオキシ)−3’−ジフェニル−3’−(2−フリル)−2−デベンゾイル−2−(2,5−ジメトキシベンゾイル)−10−アセトキシ−ドセタキセル。無水酢酸(8.1μL、0.858mmol)およびDMAP(5mg、0.043mmol)を、7α,9α−エポキシ−2’−(トリイソプロピルシリルオキシ)−3’−ジフェニル−3’−(2−フリル)−2−デベンゾイル−2−(2,5−ジメトキシベンゾイル)−ドセタキセル(28.5mg、0.0286mmol)のピリジン(0.5mL)溶液に添加した。室温にて3時間撹拌した後、反応が完了した。生成物を酢酸エチル(30mL×1)で抽出し、水(15mL×1)およびブライン(15mL×1)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させて真空濃縮した。粗残渣を、溶出剤としてヘキサン中50%酢酸エチルを用いるシリカゲルで精製し、7α,9α−エポキシ−2’−(トリイソプロピルシリルオキシ)−3’−ジフェニル−3’−(2−フリル)−2−デベンゾイル−2−(2,5−ジメトキシベンゾイル)−10−アセトキシ−ドセタキセルを白色固体として得た(25mg、85%)。H NMR(CDCl)δ0.95(m,21H)、1.26(m,6H)、1.44(s,9H)、1.76(s,3H)、1.99(s,3H)、2.13(s,3H)、2.18(s,3H)、2.40(m,4H)、3.66(s,1H)、3.80(s,3H)、3.97(s,3H)、4.02(d,J=6.4Hz,1H)、4.27(d,J=7.2Hz,1H)、4.35(d,J=7.2Hz,1H)、4.82(dd,J=8.4,6.0Hz,1H)、4.86(d,J=6.0Hz,1H)、4.95(br s,1H)、5.01(s,1H)、5.31(s,2H)、5.72(m,2H)、6.01(t,J=8.8Hz,1H)、6.24(d,J=3.2,1H)、6.32(dd,J=3.2,1.6Hz,1H)、6.94(d,J=9.2Hz,1H)、7.05(dd,J=9.2,3.2Hz,1H)、7.27(d,J=3.2,1H)、7.34(d,J=0.8Hz,1H)。C5477NO17SiNaのm/z LC/MS:計算値:1062.5;実測値:1062.5。
Figure 2008523019
7α,9α−エポキシ−3’−ジフェニル−3’−(2−フリル)−2−デベンゾイル−2−(2,5−ジメトキシベンゾイル)−10−アセトキシ−ドセタキセル。7α,9α−エポキシ−2’−(トリイソプロピルシリルオキシ)−3’−ジフェニル−3’−(2−フリル)−2−デベンゾイル−2−(2,5−ジメトキシベンゾイル)−10−アセトキシ−ドセタキセル(25mg、0.025mmol)をピリジン−アセトニトリル(1/1、1.5mL)に溶かし、0℃にまで冷却した。HF/ピリジン(70:30、0.25mL)を添加し、反応物をゆっくりと一晩かけて室温まで暖めた。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で反応を停止させ、酢酸エチルで希釈した。酢酸エチル層をさらなる飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(10mL×2)で洗浄した。合わせた水層を酢酸エチル(25mL×2)で洗浄した。次に、合わせた酢酸エチル層を水(10mL×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空濃縮した。粗残渣を、溶出剤としてヘキサン中80%酢酸エチルを用いるシリカゲルで精製し、最終生成物である7α,9α−エポキシ−3’−ジフェニル−3’−(2−フリル)−2−デベンゾイル−2−(2,5−ジメトキシベンゾイル)−10−アセトキシ−ドセタキセル(17.2mg、78%)を得た。H NMR(CDCl)δ1.24(s,6H)、1.41(s,9H)、1,74(s,3H)、1.94(s,3H)、2.10(s,6H)、2.27(m,2H)、2.33(m,1H)、2.46(m,1H)、3.62(s,1H)、3.79(s,4H)、3.93(s,3H)、4.01(d,J=6.0Hz,1H)、4.26(d,J=7.2Hz,1H)、4.30(d,J=7.2Hz,1H)、4.72(d,J=3.6Hz,1H)、4.80(dd,J=5.6,8.8Hz,1H)、4.85(d,J=6.0Hz,1H)、4.89(br s,1H)、5.34(m,2H)、5.65(d,J=6.0Hz,1H)、5.70(d,J=6.0Hz,1H)、6.02(t,J=8.8Hz,1H)、6.29(d,J=3.2Hz,1H)、6.33(m,1H)、6.94(d,J=9.2Hz,1H)、7.05(dd,J=9.2,3.2Hz,1H)、7.26(d,J=3.2Hz,1H)、7.36(d,J=1.2Hz,1H)。C4557NO17Naのm/z LC/MS:計算値:906.4;実測値:906.4。
Figure 2008523019
以下に示す中間体は、既に記載されている。
2’−(トリイソプロピルシリルオキシ)−3’−ジフェニル−3’−(イソブテニル)−2−デベンゾイル−2−(2,5−ジメトキシベンゾイル)−ドセタキセル。
7−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)−2’−(トリイソプロピルシリルオキシ)−3’−ジフェニル−3’−(イソブテニル)−2−デベンゾイル−2−(2,5−ジメトキシベンゾイル)−ドセタキセル。
7−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)−2’−(トリイソプロピルシリルオキシ)−3’−ジフェニル−3’−(イソブテニル)−10−オキソ−2−デベンゾイル−2−(2,5−ジメトキシベンゾイル)−ドセタキセル。
7α,9α−エポキシ−2’−(トリイソプロピルシリルオキシ)−3’−ジフェニル−3’−(イソブテニル)−2−デベンゾイル−2−(2,5−ジメトキシベンゾイル)−ドセタキセル。
Figure 2008523019
7α,9α−エポキシ−2’−(トリイソプロピルシリルオキシ)−3’−ジフェニル−3’−(イソブテニル)−2−デベンゾイル−2−(2,5−ジメトキシベンゾイル)−10−(4−メチルジチオブタノイル)−ドセタキセル。7α,9α−エポキシ−2’−(トリイソプロピルシリルオキシ)−3’−ジフェニル−3’−(イソブテニル)−2−デベンゾイル−2−(2,5−ジメトキシベンゾイル)−ドセタキセル(28mg、0.029mmol)を窒素下で塩化メチレン(1.5mL)に溶かした溶液に、DMAP(3.5mg、0.028mmol)および4−メチルジチオブタン酸(50mg、0.28mmol)を添加した。この混合物にジイソプロピルカルボジイミド(0.045mL,0.28mmol)を添加し、得られた混合物を室温にて一晩撹拌した。次に塩化アンモニウム(15mL)で反応を停止させ、塩化メチレン(20mL)で抽出した。次に、有機層をブライン(15mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空濃縮した。残渣を、展開溶媒としてヘキサン中40%酢酸エチルを用いるシリカゲル分取薄層クロマトグラフィーで精製した。所望の生成物を含むバンドをかきとり、フィルター上で酢酸エチルですすいだ。有機層を合し、真空濃縮して、23mgの7α,9α−エポキシ−2’−(トリイソプロピルシリルオキシ)−3’−ジフェニル−3’−(イソブテニル)−2−デベンゾイル−2−(2,5−ジメトキシベンゾイル)−10−(4−メチルジチオブタノイル)−ドセタキセルを白色固体として得た。
H NMR(CDCl)δ1.10(m,21H)、1.21(s,3H)、1.23(s,3H)、1.39(s,9H)、1.68(s,3H)、1.71(s,3H)、1.74(s,3H)、1.95(s,3H)、2.06(dt,J=2.0,7.2Hz,2H)、2.08(s,3H)、2.31(m,3H)、2.40(s,3H)、2.49(m,3H)、2.74(dt,J=2.0,7.2Hz,2H)、3.80(s,3H)、3.98(s,4H)、4.25(d,J=7.2Hz,1H)、4.33(d,J=7.2Hz,1H)、4.46(d,J=2.0Hz,1H)、4.77(m,2H)、4.84(d,J=6.4Hz,1H)、4.92(s,1H)、4.92(d,J=7.2Hz,1H)、5.36(d,J=8.4Hz,1H)、5.71(重複 d,J=6.4Hz,2H)、5.90(t,J=8.8Hz,1H)、6.95(d,J=9.2Hz,1H)、7.06(dd,J=3.2,9.2Hz,1H)、7.30(d,J=3.2Hz,1H)。C5787NO16SiNaのm/z LC/MS:計算値:1156.5;実測値:1156.2。
Figure 2008523019
7α,9α−エポキシ−3’−ジフェニル−3’−(イソブテニル)−2−デベンゾイル−2−(2,5−ジメトキシベンゾイル)−10−(4−メチルジチオブタノイル)−ドセタキセル。アセトニトリル:ピリジンの1:1混合物(1.6mL)に溶かした7α,9α−エポキシ−2’−(トリイソプロピルシリルオキシ)−3’−ジフェニル−3’−(イソブテニル)−2−デベンゾイル−2−(2,5−ジメトキシベンゾイル)−10−(4−メチルジチオブタノイル)−ドセタキセル(23mg、0.02mmol)を含む溶液を、氷浴中で0℃まで冷却した。これに、フッ化水素−ピリジン(0.25mL)を添加し、溶液を徐々に室温まで暖めた。16時間後、反応物を酢酸エチル(15mL)で希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム(15mL)で反応を停止させた。有機層をブライン(15mL)で1回洗浄し、次に無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空濃縮した。粗残渣を、展開溶媒としてヘキサン中65%酢酸エチルを用いるシリカゲル分取薄層クロマトグラフィーで精製した。所望の生成物を含むバンドをかきとり、フィルター上で酢酸エチルですすいだ。有機層を合し、真空濃縮して、16mgの7α,9α−エポキシ−3’−ジフェニル−3’−(イソブテニル)−2−デベンゾイル−2−(2,5−ジメトキシベンゾイル)−10−(4−メチルジチオブタノイル)−ドセタキセルを得た。
H NMR(CDCl)δ1.25(s,3H)、1.29(s,3H)、1.40(s,9H)、1.73(s,6H)、1.74(s,3H)、1.97(s,3H)、2.04(m,2H)、2.07(s,3H)、2.17(m,1H)、2.25(m,1H)、2.33(m,1H)、2.39(s,3H)、2.51(m,1H)、2.73(t,J=7.2Hz,1H)、3.79(s,3H)、3.83(s,1H)、3.93(s,3H)、4.00(d,J=6.0Hz,1H)、4.26(m,2H)、4.31(d,J=7.6Hz,1H)、4.78(m,2H)、4.84(d,J=6.0Hz,1H)、4.90(s,1H)、4.96(d,J=9.2Hz,1H)、5.27(d,J=8.4Hz,1H)、5.68(d,J=6.4Hz,1H)、5.70(d,J=6.0Hz,1H)、6.00(t,J=8.4Hz,1H)、6.94(d,J=9.2Hz,1H)、7.05(dd,J=3.2,9.2Hz,1H)、7.28(d,J=3.2Hz,1H)。C4867NO16Naのm/z LC/MS:計算値:1000.4;実測値:1000.2。
Figure 2008523019
以下に示す中間体は、既に記載されている。
2’−(トリイソプロピルシリルオキシ)−3’−ジフェニル−3’−(2−フリル)−2−デベンゾイル−2−(2,5−ジメトキシベンゾイル)−ドセタキセル。
7−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)−2’−(トリイソプロピルシリルオキシ)−3’−ジフェニル−3’−(2−フリル)−2−デベンゾイル−2−(2,5−ジメトキシベンゾイル)−ドセタキセル。
7−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)−2’−(トリイソプロピルシリルオキシ)−3’−ジフェニル−3’−(2−フリル)−10−オキソ−2−デベンゾイル−2−(2,5−ジメトキシベンゾイル)−ドセタキセル。
7α,9α−エポキシ−2’−(トリイソプロピルシリルオキシ)−3’−ジフェニル−3’−(2−フリル)−2−デベンゾイル−2−(2,5−ジメトキシベンゾイル)−ドセタキセル。
Figure 2008523019
7α,9α−エポキシ−2’−(トリイソプロピルシリルオキシ)−3’−ジフェニル−3’−(2−フリル)−2−デベンゾイル−2−(2,5−ジメトキシベンゾイル)−10−(4−メチルジチオブタノイル)−ドセタキセル。DMAP(4.6mg、0.0374mmol)、4−メチルジチオブタン酸(62mg、0.374mmol)およびDIC(58.5μL、0.0374mmol)を、7α,9α−エポキシ−2’−(トリイソプロピルシリルオキシ)−3’−ジフェニル−3’−(2−フリル)−2−デベンゾイル−2−(2,5−ジメトキシベンゾイル)−ドセタキセル(37.3mg、0.0374mmol)の塩化メチレン(0.5mL)溶液に添加した。反応物を室温にて一晩撹拌し、反応完了後、飽和塩化アンモニウム水溶液で反応を停止させた。生成物を酢酸エチル(25mL×2)で抽出し、水(15mL×1)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、真空濃縮した。粗残渣を、溶出剤としてヘキサン中50%酢酸エチルを用いてシリカゲルで精製し、7α,9α−エポキシ−2’−(トリイソプロピルシリルオキシ)−3’−ジフェニル−3’−(2−フリル)−2−デベンゾイル−2−(2,5−ジメトキシベンゾイル)−10−(4−メチルジチオブタノイル)−ドセタキセル(48.2mg、100+%)を得た。H NMR(CDCl)δ0.92(m,21H)、1.24(m,6H)、1.41(s,9H)、1.73(s,3H)、1.95(s,3H)、2.05(m,2H)、2.15(s,3H)、2.32(m,3H)、2.38(s,3H)、2.44−2.56(m,3H)、2.72(m,2H)、3.65(s,1H)、3.77(s,3H)、3.94(s,3H)、3.98(m,1H)、4.26(m,2H)、4.77(dd,J=8.4,6.0Hz,1H)、4.83(d,J=6.4Hz,1H)、4.92(br s,1H)、4.97(s,1H)、5.28(s,2H)、5.68(m,2H)、5.98(t,J=8.8Hz,1H)、6.20(d,J=3.2Hz,1H)、6.29(dd,J=3.2,2.0Hz,1H)、6.90(d,J=9.2Hz,1H)、7.01(dd,J=9.2,3.2Hz,1H)、7.24(d,J=3.2Hz,1H)、7.31(d,J=1.2,1H)。C5783NO17SiNaのm/z LC/MS:計算値:1168.5;実測値:1168.4。
Figure 2008523019
7α,9α−エポキシ−3’−ジフェニル−3’−(2−フリル)−2−デベンゾイル−2−(2,5−ジメトキシベンゾイル)−10−(4−メチルジチオブタノイル)−ドセタキセル。7α,9α−エポキシ−2’−(トリイソプロピルシリルオキシ)−3’−ジフェニル−3’−(2−フリル)−2−デベンゾイル−2−(2,5−ジメトキシベンゾイル)−10−(4−メチルジチオブタノイル)−ドセタキセル(42.8mg、0.0374mmol)をピリジン−アセトニトリル(1/1、3.0mL)に溶かし、0℃にまで冷却した。HF/ピリジン(70:30、0.5mL)を添加し、反応物をゆっくりと一晩かけて室温まで暖めた。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で反応を停止させ、酢酸エチルで希釈した。酢酸エチル層をさらなる飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(15mL×2)で洗浄し、合わせた水層を次に酢酸エチル(40mL×2)で洗浄した。合わせた酢酸エチル層を水(15mL×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空濃縮した。粗残渣を、溶出剤としてヘキサン中50%酢酸エチルを用いるシリカゲルで精製し、7α,9α−エポキシ−3’−ジフェニル−3’−(2−フリル)−2−デベンゾイル−2−(2,5−ジメトキシベンゾイル)−10−(4−メチルジチオブタノイル)−ドセタキセル(22.9mg、62%,2段階)を得た。H NMR(CDCl)δ1.24(m,6H)、1.41(s,9H)、1.74(s,3H)、1.93(s,3H)、2.04(m,2H)、2.09(s,3H)、2.24(m,2H)、2.33(m,1H)、2.37(s,3H)、2.42−2.56(m,3H)、2.72(t,J=6.8Hz,2H)、3.62(s,1H)、3.75(d,J=8.4Hz,1H)、3.78(s,3H)、3.93(s,3H)、3.99(d,J=6.0Hz,1H)、4.26(d,J=7.2Hz,1H)、4.30(d,J=7.2Hz,1H)、4.70(d,J=3.6Hz,1H)、4.77(dd,J=8.8,5.6Hz,1H)、4.83(d,J=6.0Hz,1H)、4.88(br s,1H)、5.33(br s,2H)、5.67(m,2H)、6.01(t,J=8.8Hz,1H)、6.28(d,J=3.2,1H)、6.32(dd,J=3.2,2.0Hz,1H)、6.92(d,J=9.2Hz,1H)、7.03(dd,J=9.2,3.2Hz,1H)、7.25(d,J=3.2,1H)、7.35(m,1H)。C4863NO17Naのm/z LC/MS:計算値:1012.3;実測値:1012.3。
本発明の化合物の活性は、Riou,Naudin and Lavelle in Biochemical and Biophysical Research Communications;Vol.187,No1,1992,p164−170に記載される手順に従って測定した。
Figure 2008523019
Figure 2008523019
本発明のタキサンと細胞結合物質の複合体は、現在公知の、または今後開発される任意の技術を用いて形成することができる。多数の複合体化の方法が、米国特許第5,416,064号および同第5,475,092号に教示されている。タキサンエステルは、修飾して遊離アミノ基を得ることができ、次に酸に不安定なリンカーまたは光に不安定なリンカーを介して抗体または他の細胞結合物質に連結させることができる。タキサンエステルは、ペプチドと縮合させ、その後細胞結合物質と連結させてペプチダーゼに不安定なリンカーを生成することができる。タキサンエステルの水酸基をコハク酸化し、細胞結合物質に連結させて、遊離薬物を遊離させるために細胞内エステラーゼにより切断され得る複合体を形成することができる。最も好ましくは、上記タキサンエーテル、エステルまたはカルバマートを処理して遊離または保護チオール基を生じさせ、次にジスルフィドまたはチオールを含有するタキサンを、ジスルフィド結合を介して細胞結合物質に連結させる。
本発明の代表的な複合体は、抗体−タキサン、抗体フラグメント−タキサン、上皮成長因子(EGF)−タキサン、メラニン細胞刺激ホルモン(MSH)−タキサン、甲状腺刺激ホルモン(TSH)−タキサン、エストロゲン−タキサン、エストロゲン類似体−タキサン、アンドロゲン−タキサン、アンドロゲン類似体−タキサンおよび葉酸−タキサンである。
抗体、抗体フラグメント、タンパク質またはペプチドホルモン、タンパク質またはペプチド増殖因子および他のタンパク質のタキサン複合体は、公知の方法と同様の方法で作製される。例えば、ペプチドおよび抗体は、N−スクシンイミジル3−(2−ピリジルジチオ)プロピオン酸、N−スクシンイミジル4−(2−ピリジルジチオ)ペンタン酸(SPP)、4−スクシンイミジル−オキシカルボニル−α−メチル−α−(2−ピリジルジチオ)−トルエン(SMPT)、N−スクシンイミジル−3−(2−ピリジルジチオ)酪酸(SDPB)、N−スルホスクシンイミジル−3−(2−(5−ニトロ−ピリジルジチオ)酪酸(SSNPB)、2−イミノチオランまたはS−アセチル無水コハク酸などの架橋試薬を用いて公知の方法により修飾することができる。Carlsson et al,173 Biochem.J.723−737(1978);Blattler et al,24 Biochem.1517−1524(1985);Lambert et al,22 Biochem.3913−3920(1983);Klotz et al,96 Arch.Biochem.Biophys.605(1962);およびLiu et al,18 Biochem.690(1979),Blakey and Thorpe,1 Antibody,Immunoconjugates & Radiopharmaceuticals,1−16(1988),Worrell et al 1 Anti−Cancer Drug Design 179−184(1986)参照。このようにして誘導された遊離または保護チオール含有細胞結合物質を、次にジスルフィドまたはチオール含有タキサンと反応させて複合体を作成する。この複合体はHPLCまたはゲル濾過により精製することができる。
タキサン分子を送達することのできる、モノクローナル抗体−タキサン複合体または細胞結合物質−タキサン複合体は、上記のようにジスルフィド結合を介して結合しているものが好ましい。このような細胞結合複合体は、モノクローナル抗体をスクシンイミジルピリジルジチオプロピオン酸(SPDP)を用いて修飾することによる(Carlsson et al,173 Biochem.J.723−737(1978))などの公知の方法により調製される。得られたチオピリジル基は、次に、チオール含有タキサンで処理することにより置換され、ジスルフィド結合複合体が作成される。または、アリールジチオ−タキサンである場合は、細胞結合複合体の形成は、タキサンのアリール−チオールが、あらかじめ抗体分子に導入されたスルフヒドリル基により直接置換されることにより生じる。ジスルフィド橋を介して連結された1から10個のタキサン薬物を含有する複合体は、いずれの方法を用いても容易に調製される。
より具体的には、0.05Mリン酸カリウムバッファー(2mM EDTAを含有、pH7.5)中、2.5mg/mlの濃度のジチオニトロピリジルで修飾された抗体溶液を、チオール含有タキサン(1.3モル当量/ジチオピリジル基)で処理する。修飾された抗体からのチオ−ニトロピリジンの放出は325nmにて分光測定によりモニターされ、約16時間で完了する。Sephadex G−25またはSephacryl S300カラムを通すゲル濾過により、抗体−タキサン複合体を精製し、未反応の薬物および他の低分子量の物質を除去する。抗体1分子あたりの結合したタキサン部分の数は、230nmおよび275nmでの吸光度の比を測定することにより判定できる。この方法により、抗体1分子につき平均1から10個のタキサン分子がジスルフィド結合を介して連結され得る。
抗原発現細胞への結合親和性に及ぼす複合体化の効果は、Liu et al.,93 Proc.Natl.Acad.Sci 8618−8623(1996)により既に記載された方法を用いて測定できる。NamalwaおよびHL−60などの非接着細胞系統に対するタキサンおよびこの抗体複合体の細胞毒性は、Goldmacher et al,135 J.Immunol.3648−3651(1985)に記載されるように、細胞増殖曲線の後方外挿により測定することができる。COLO 205およびA−375などの接着細胞系統に対するこれらの化合物の細胞毒性は、Goldmacher et al,102 J Cell Biol.1312−1319(1986)に記載されているように、クローン形成法により測定することができる。
(実施例)
複合体化のためのIGT−15−075−SHの合成
Figure 2008523019
7α,9α−エポキシ−3’−ジフェニル−3’−(2−フリル)−2−デベンゾイル−2−(2,5−ジメトキシベンゾイル)−10−(N−2,2−ジメチル−2−スルフヒドリル−エチルカルバモイル)−ドセタキセル(IGT−15−075−SH)。小バイアル中で、7α,9α−エポキシ−3’−ジフェニル−3’−(2−フリル)−2−デベンゾイル−2−(2,5−ジメトキシベンゾイル)−10−(N−2,2−ジメチル−2−メチルジチオ−エチルカルバモイル)−ドセタキセル(36mg、0.0353mmol)を、メタノール(1.0mL)および酢酸エチル(0.73mL)の混合物に溶かした。別のバイアル中でDTT(55mg、0.343mmol)を50mM KPバッファーpH7.5(0.73mL)に溶かし、これを次にタキソイド溶液に添加した。反応の完了が確認されるまで、反応物を高速液体クロマトグラフィーによりモニターした(約19時間)。50mM KPバッファーpH6.5(6mL)で反応を停止させ、酢酸エチル(3×20mL)で抽出した。合わせた有機層を水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した。残渣を、ジオールカラムを用いる高速液体クロマトグラフィーにより精製して所望の生成物を得(27mg、79%)、これを直ちに一定分量に分け、コンジュゲーションでの使用のために保存した。C486417SNaのm/z LC/MS:計算値:995.4;実測値:995.5。
タキソイドとモノクローナル抗体との複合体化。ヒト結腸腫瘍細胞および他の固形腫瘍の表面に選択的に発現されたCanAg抗原と結合するHuC242抗体を、タキソイドの複合体化のために選択した。
第1段階で、抗体を、修飾剤であるN−スルホスクシンイミジル5−ニトロ−2−ピリジルジチオブタン酸(SSNPB)と反応させて、ニトロピリジルジチオ基を導入した。0.05Mリン酸カリウム、0.05M塩化ナトリウムおよび2mMエチレンジアミン四酢酸(EDTA)を含有する水性バッファー中、8mg/mLの濃度でhuC242抗体(525mg、0.0036mmol)を含むpH6.5の溶液(65.6mL)を、8倍モル過剰量のSSNPB(0.0288mmol、13.62mg)のジメチルアセトアミド(DMA)(3.28mL)溶液で処理した。反応混合物を室温にて90分間攪拌し、次にあらかじめ0.05Mリン酸カリウム、0.05M塩化ナトリウムおよび2mMのEDTAを含むpH7.5の水性バッファー(65.6mL)で平衡化したSephadex G25ゲル濾過カラム(50mm×35.5mm、カラム容量=700mL)に負荷した。修飾された抗体含有画分を回収してプールし、502.4mg(95.7%)の生成物を得た。修飾された抗体の少量のアリコートをジチオトレイトールで処理してニトロ−ピリジルジスルフィドを切断させ、放出されたニトロ−ピリジン−2−チオンを分光測定によってアッセイした(ニトロ−ピリジン−2−チオンはε325nm=10,964M−1cm−1およびε280nm=3,344M−1cm−1、抗体はε280nm=217,560M−1cm−1)。抗体1分子あたり平均4.53個のニトロ−ピリジルジスルフィド分子が連結された。
修飾された抗体(502.0mg、0.0034mmol)をpH7.5の上記のバッファーで2.5mg/mLとなるよう希釈し、次にタキソイドIGT−15−075(0.020mmol、19.5mg)のDMA溶液で、バッファー中のDMA終濃度が20%となるように処理した。複合体化混合物を室温にて16時間攪拌した。反応混合物を、あらかじめpH6.5でリン酸緩衝生理食塩水(PBS)バッファーで平衡化したSephacryl S300ゲル濾過カラム(50mm×42cm、カラム容量=825mL)に通過させて精製した。単量体抗体−タキソイド複合体を含む画分をプールしてPBSバッファーに対して透析した。最終複合体(251mg)を以下の吸光係数を用いて分光測定によってアッセイした:(タキソイドはε323nm=4,299M−1cm−1,ε280nm=565M−1cm−1、抗体はε280nm=217,560M−1cm−1)。複合体は、平均4.16個のタキソイドを含有していた。
結合分析。huC242抗体およびこのタキソイド複合体の、抗原を発現しているHT−29ヒト結腸腫瘍細胞に対する相対的な結合親和性を、蛍光を基にした分析法を用いて測定した。開始濃度1 a 10−7Mの、抗体−タキソイド複合体および複合体を形成していない抗体を96ウェル丸底プレートに添加し、各濃度が2重測定となるように、3倍連続希釈を用いて力価測定した。種々の濃度の抗体または複合体を含む各ウェルならびに対照ウェルに、HT−29細胞を1ウェルあたり50,000細胞添加した。氷上でプレートを3時間インキュベートした。インキュベーション期間の後、プレート中の細胞を洗浄し、huC242などのヒト化IgGに結合する蛍光標識2次抗体を添加し、氷上でプレートを1時間インキュベートした。インキュベーション期間の後、プレートを再び洗浄し、細胞を1%ホルムアルデヒド/PBS溶液で固定した。プレートの各ウェルの蛍光を、Becton Dickinson FACSCalibur蛍光分析計を用いて読み取った。データは、最高濃度の抗体または複合体で得られた最大蛍光パーセントとしてプロットした(図1)。
これらの結果は、タキソイドの抗体への複合体化は標的細胞への結合親和性を変化させないことを示した。
huC242−タキソイド複合体のインビトロでの有効性および特異性。遊離タキソイドまたはhuC242−タキソイド複合体のサンプルを、96ウェル平底組織培養プレートに添加し、1×10−12Mから3×10−7Mの範囲の連続希釈を用い滴定した。各細胞系統の各薬物濃度に対してサンプルを3重測定する方法で、ヒト結腸腫瘍細胞であるCOLO 205、またはヒト黒色腫細胞であるA−375をウェルに添加した。プレートを、5%CO雰囲気下、37℃にて4日間インキュベートした。
インキュベーション期間の終了時に、20μlのテトラゾリウム試薬WST−8(2−(2−メトキシ−ニトロフェニル)−3−(4−ニトロフェニル)−5−(2,4−ジスルホフェニル)−2−テトラゾリウム、単ナトリウム塩])を各ウェルに添加し、プレートをインキュベーターに2時間戻した。次に、プレートの各ウェルにおける吸光度をMolecular Devicesプレートリーダーを用いて450nmにて測定した。タキソイドまたは複合体の各濃度での細胞の生存率を、図2a、bにプロットする。
これらの結果は、抗体への複合体化はタキソイドに高い標的特異性を与えることを示す。このように、huC242−タキソイドが標的ヒト結腸癌COLO 205細胞を死滅させる作用は非常に強力なものであり、このIC50値は8×10−11Mである。対照的に、抗原陰性細胞の感受性は約150分の1と低く、IC50値は1.2×10−8Mであり、これは細胞毒性効果の抗原特異性を証明している(図2x)。その一方で、遊離タキソイドは両方の細胞系統に対して同等の効力を示す(IC50=約1×10−10M(図2b))。
huC242抗体およびこのタキソイド複合体huC242−IGT−15−075の相対結合親和性についての試験結果を示す。 huC242−タキソイドIGT−15−075の抗原陽性COLO 205細胞および抗原陰性A−375細胞に対するインビトロでの有効性についての試験結果を示す。 遊離タキソイドIGT−15−075のCOLO205およびA−375細胞に対するインビトロでの有効性についての試験結果を示す。

Claims (30)

  1. 次式(I)
    Figure 2008523019
    〔式中、ZはHまたは式IIの基であり、
    は、リンカーまたは場合により置換されているアリールもしくは複素環式基、1から10個の炭素原子を有するアルキル、2から10個の炭素原子を有するアルケニルもしくはアルキニル、3から10個の炭素原子を有するシクロアルキルもしくはシクロアルケニル、−ORまたはカルバマート(このカルバマートは、前記1から10個の炭素原子を有するアルキル、2から10個の炭素原子を有するアルケニルもしくはアルキニル、3から10個の炭素原子を有するシクロアルキルもしくはシクロアルケニルまたは場合により置換されているアリールもしくはヘテロシクリル基のいずれかから形成されている。)であり、
    は、1から10個の炭素原子を有するアルキル基、2から10個の炭素原子を有するアルケニルもしくはアルキニル、3から10個の炭素原子を有するシクロアルキルもしくはシクロアルケニル、場合により置換されているアリールもしくは複素環式基であり、
    は、リンカーまたは場合により置換されているアリールもしくは複素環式基、1から10個の炭素原子を有するアルキル、2から10個の炭素原子を有するアルケニルもしくはアルキニル、3から10個の炭素原子を有するシクロアルキルもしくはシクロアルケニルであり、
    は、リンカー、H、ヒドロキシ基、アルコキシ、アルケニルオキシ、場合により置換されているアルカノイルオキシ、アロイルオキシ、アルケノイルオキシ、アルキノイルオキシ、シクロアルカノイルオキシ、アルコキシアセチル、アルキルチオアセチル、アルキルオキシカルボニルオキシ、シクロアルキルオキシ、シクロアルケニルオキシ、カルバモイルオキシ、アルキルカルバモイルオキシもしくはジアルキルカルバモイルオキシ、複素環式もしくはアリールエーテル、エステルもしくはカルバマート、または、1から10個の炭素原子を有する、直鎖、分枝鎖もしくは環状のアルキルもしくはアルケニルエステルもしくはエーテルもしくは式−OCOXのカルバマート(Xは、窒素を含有する複素環(例えば非置換もしくは置換ピペリジノ、モルホリノ、ピペラジノ、N−メチルピペラジノまたは式−OCONR10のカルバマート(ここで、RおよびR10は、同一であるかまたは異なる、H、1から10個の原子を有する直鎖、分枝鎖もしくは環状のアルキルまたは1から10個の炭素原子を有する単純もしくは置換アリールである。))である。)であり、
    またはRは、Hであり、
    は、Hであり、
    またはRとRとは結合(環状エーテル)を形成し
    は、場合により置換されているアリールまたは複素環式基である。〕
    を有するタキサン。
  2. が−ORまたは場合により置換されているアリールまたは複素環式基である、式(I)の化合物。
  3. がアルキル基、より好ましくは置換アルキル基(ターシャリブチル基など)である、式(I)の化合物。
  4. がリンカーまたはアルカノイルオキシ基である、式(I)の化合物。
  5. が、次の置換基、t−ブトキシ、クロチル、ジメチルアクリリル、イソブテニル、ヘキセニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、フリル、ピロリル(pyrollyl)、チエニル、チアゾリル、イミダゾリル、ピリジル、オキサゾリル、インドリル、ベンゾフラニルまたはベンゾチエニルの中から選択される、請求項1に記載の化合物。
  6. が、t−ブトキシ、イソブテニル、クロチル、ジメチルアクリリル、チエニル、チアゾリルまたはフリルである、請求項5に記載の化合物。
  7. が、次の置換基、クロチル、ジメチルアクリリル、プロペニル、イソブテニル、ヘキセニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、フリル、ピロリル、チエニル、チアゾリル、イミダゾリル、ピリジル、モルホリノ、ピペリジノ、ピペラジノ、オキサゾリル、インドリル、ベンゾフラニルまたはベンゾチエニルの中から選択される、請求項1に記載の化合物。
  8. が、イソ−ブテニル、クロチル、ジメチルアクリリル、チエニル、チアゾリル、ピリジル、tert−ブチルまたはフリルである、請求項7に記載の化合物。
  9. 連結基が、ジスルフィド基、チオエーテル基、酸に不安定な基、光に不安定な基、ペプチダーゼに不安定な基およびエステラーゼに不安定な基を含んでいる、請求項1に記載の化合物。
  10. 連結基が、ジスルフィド基およびチオエーテル基を含んでいる、請求項9に記載の化合物。
  11. 連結基が、チオールまたはジスルフィドを含有している基であり、チオールまたはジスルフィド基を有する側鎖は直鎖または分枝鎖の芳香族または複素環式であり得る、請求項10に記載の化合物。
  12. における連結基が、次の置換基、−(CR1314(CR1516(OCHSZ’、−O(CR1314(CR1516(OCHCHSZ’、−(CR1314(CR17=CR18)(CR1516(OCHCHSZ’、−O−(CR1314(CR17=CR18)(CR1516(OCHCHSZ’、−NR12(CR1314(CR1516(OCHCHSZ’、フェニル−X’SZ’、フリル−XSZ’、オキサゾリル−X’SZ’、チアゾリル−X’SZ’、チエニル−X’SZ’、イミダゾリル−X’SZ’、モルホリノ−X’SZ’、−ピペラジノ−X’SZ’、ピペリジノ−XSZ’、−フリル−X’SZ’、−チエニル−X’SZ’、−チアゾリル−X’SZ’および−N−メチルピペラジノ−X’SZ’、−モルホリノ−X’SZ’、−ピペラジノ−X’SZ’、−ピペリジノ−X’SZ’または−N−メチルピペラジノ−X’SZ’(式中:
    −Z’は、H、チオール保護基またはSR’であり、
    −X’は、直接連結または1から10個の炭素原子を有する直鎖アルキルもしくは分枝鎖アルキルまたは2から20のエチレンオキシの繰り返し単位を含むポリエチレングリコールスペーサーであり;
    R’およびR12は、同一または異なる、1から10個の炭素原子を有する直鎖アルキル、分枝鎖アルキルまたは環状アルキルであり、または単純または置換アリールまたは複素環式であり、さらにR12はHであってよく、
    13、R14、R15およびR16は、同一または異なる、Hまたは1から4個の炭素原子を有する直鎖もしくは分枝鎖アルキルであり、
    17およびR18は、Hまたはアルキルであり、
    nは1から10の整数であり、
    mは1から10の整数であり、さらに0であってもよく、
    yは1から20の整数であり、さらに0であってもよい。)
    から選択される、請求項11に記載の化合物。
  13. における連結基が、次の置換基、−O(CR1314(CR1516(OCHCHSZ’、−OCO(CR1314(CR1516(OCHCHSZ’、−O(CR1314(CR17=CR18)(CR1516(OCHCHSZ’、−OCO(CR1314(CR17=CR18)(CR1516(OCHCHSZ’、−OCONR12(CR1314(CR1516(OCHCHSZ’、−OCO−フェニル−X’SZ’、−OCO−フリル−X’SZ’、−OCO−オキサゾリル−X’SZ’、−OCO−チアゾリル−X’SZ’、−OCO−チエニル−X’SZ’、−OCO−イミダゾリル−X’SZ’、−OCO−モルホリノ−X’SZ’、−OCO−ピペラジノ−X’SZ’、−OCO−ピペリジノ−XSZ’、および−OCO−N−メチルピペラジノ−X’SZ、または−OCO−N−メチルピペラジノ−X’SZ’(式中:
    Z’は、H、チオール保護基またはSR’であり、
    X’は、直接連結または1から10個の炭素原子を有する直鎖アルキルもしくは分枝鎖アルキルまたは2から20のエチレンオキシの繰り返し単位を含むポリエチレングリコールスペーサーであり;
    R’およびR12は、同一または異なる、1から10個の炭素原子を有する直鎖アルキル、分枝鎖アルキルまたは環状アルキルであり、または単純または置換アリールまたは複素環式であり、さらにR12はHであってよく、
    13、R14、R15およびR16は、同一または異なる、Hまたは1から4個の炭素原子を有する直鎖もしくは分枝鎖アルキルであり、
    17およびR18は、Hまたはアルキルであり、
    nは1から10の整数であり、
    mは1から10の整数であり、さらに0であってもよく、
    yは1から20の整数であり、さらに0であってもよい。)
    から選択される、請求項11に記載の化合物。
  14. における連結基が、次の置換基、−(CR1314(CR1516(OCHCHSZ’、−(CR1314(CR17=CR18)(CR1516(OCHCHSZ’、フェニル−X’SZ’、フリル−X’SZ’、オキサゾリル−X’SZ’、チアゾリル−X’SZ’、チエニル−X’SZ’、イミダゾリル−X’SZ’(式中:
    Z’は、H、チオール保護基またはSR’であり、
    X’は、直接連結または1から10個の炭素原子を有する直鎖アルキルもしくは分枝鎖アルキルまたは2から20のエチレンオキシの繰り返し単位を含むポリエチレングリコールスペーサーであり;
    R’は、1から10個の炭素原子を有する直鎖アルキル、分枝鎖アルキルまたは環状アルキルであり、または単純または置換アリールまたは複素環式であり、
    13、R14、R15およびR16は、同一または異なる、Hまたは1から4個の炭素原子を有する直鎖もしくは分枝鎖アルキルであり、
    17およびR18は、Hまたはアルキルであり、
    nは1から10の整数であり、
    mは1から10の整数であり、さらに0であってもよく、
    yは1から20の整数であり、さらに0であってもよい。)
    から選択される、請求項11に記載の化合物。
  15. が、3−メトキシフェニル、3−クロロフェニル、2,5−ジメトキシフェニル、フリル、ピロリル、チエニル、チアゾリル、イミダゾリル、ピリジル、オキサゾリル、インドリル、ベンゾフラニルまたはベンゾチエニルである、請求項1に記載の化合物。
  16. が、Hであり、RおよびRが結合を形成する、請求項1に記載の化合物。
  17. 式(I)の化合物において、
    が、リンカーであり、
    Zが、Hまたは式IIの基であり、
    が、場合により置換されているアリールもしくは複素環式基、1から10個の炭素原子を有するアルキル、2から10個の炭素原子を有するアルケニルもしくはアルキニル、3から10個の炭素原子を有するシクロアルキルもしくはシクロアルケニル、−ORまたはカルバマート(このカルバマートは、前記1から10個の炭素原子を有するアルキル、2から10個の炭素原子を有するアルケニルもしくはアルキニル、3から10個の炭素原子を有するシクロアルキルもしくはシクロアルケニルまたは場合により置換されているアリールもしくはヘテロシクリル基のいずれかから形成されている。)であり、
    が、1から10個の炭素原子を有するアルキル基、2から10個の炭素原子を有するアルケニルもしくはアルキニル、3から10個の炭素原子を有するシクロアルキルもしくはシクロアルケニル、場合により置換されているアリールもしくは複素環式基であり、
    が、場合により置換されているアリールもしくは複素環式基、1から10個の炭素原子を有するアルキル、2から10個の炭素原子を有するアルケニルもしくはアルキニル、3から10個の炭素原子を有するシクロアルキルもしくはシクロアルケニルであり、
    が、連結基であり、
    またはRが、Hであり、
    が、Hであり、
    またはRとRとが、結合(環状エーテル)を形成し、
    が、場合により置換されているアリールまたは複素環式基である
    請求項1に記載の化合物。
  18. Zが、式IIの基であり、
    が、連結基であり、
    が、場合により置換されているアリールもしくは複素環式基、1から10個の炭素原子を有するアルキル、2から10個の炭素原子を有するアルケニルもしくはアルキニル、3から10個の炭素原子を有するシクロアルキルもしくはシクロアルケニルであり、
    が、H、ヒドロキシ基、アルコキシ、アルケニルオキシ、場合により置換されているアルカノイルオキシ、アロイルオキシ、アルケノイルオキシ、アルキノイルオキシ、シクロアルカノイルオキシ、アルコキシアセチル、アルキルチオアセチル、アルキルオキシカルボニルオキシ、シクロアルキルオキシ、シクロアルケニルオキシ、カルバモイルオキシ、アルキルカルバモイルオキシもしくはジアルキルカルバモイルオキシ、複素環式もしくはアリールエーテル、エステルもしくはカルバマート、または、1から10個の炭素原子を有する、直鎖、分枝鎖もしくは環状のアルキルもしくはアルケニルエステルもしくはエーテルもしくは式−OCOXのカルバマート(Xは、窒素を含有する複素環(例えば非置換もしくは置換ピペリジノ、モルホリノ、ピペラジノ、N−メチルピペラジノ、または式−OCONR10のカルバマート(ここで、RおよびR10は、同一であるかまたは異なる、H、1から10個の原子を有する直鎖、分枝鎖、もしくは環状のアルキルまたは5から10個の炭素原子を有する単純もしくは置換アリールである。))である。)であり、
    またはRが、Hであり、
    が、Hであり、
    またはRとRが、結合(環状エーテル)を形成し、
    が場合により置換されているアリールまたは複素環式基である
    請求項1に記載の化合物。
  19. が、リンカーであり、
    Zが、式IIの基であり、
    が、場合により置換されているアリールもしくは複素環式基、1から10個の炭素原子を有するアルキル、2から10個の炭素原子を有するアルケニルもしくはアルキニル、3から10個の炭素原子を有するシクロアルキルもしくはシクロアルケニル、−OR、またはカルバマート(このカルバマートは、前記1から10個の炭素原子を有するアルキル、2から10個の炭素原子を有するアルケニルもしくはアルキニル、3から10個の炭素原子を有するシクロアルキルもしくはシクロアルケニルまたは場合により置換されているアリールもしくはヘテロシクリル基のいずれかから形成されている。)であり、
    が、1から10個の炭素原子を有するアルキル基、2から10個の炭素原子を有するアルケニルもしくはアルキニル、3から10個の炭素原子を有するシクロアルキルもしくはシクロアルケニル、場合により置換されているアリールもしくは複素環式基であり、
    が、連結基であり、
    が、H、ヒドロキシ基、アルコキシ、アルケニルオキシ、場合により置換されているアルカノイルオキシ、アロイルオキシ、アルケノイルオキシ、アルキノイルオキシ、シクロアルカノイルオキシ、アルコキシアセチル、アルキルチオアセチル、アルキルオキシカルボニルオキシ、シクロアルキルオキシ、シクロアルケニルオキシ、カルバモイルオキシ、アルキルカルバモイルオキシもしくはジアルキルカルバモイルオキシ、複素環式もしくはアリールエーテル、エステルもしくはカルバマート、または、1から10個の炭素原子を有する、直鎖、分枝鎖もしくは環状のアルキルもしくはアルケニルエステルもしくはエーテルもしくは式−OCOXのカルバマート(Xは、窒素を含有する複素環(例えば非置換もしくは置換ピペリジノ、モルホリノ、ピペラジノ、N−メチルピペラジノまたは式−OCONR10のカルバマート(ここで、RおよびR10は、同一であるかまたは異なる、H、1から10個の原子を有する直鎖、分枝鎖もしくは環状のアルキルまたは5から10個の炭素原子を有する単純もしくは置換アリールである。))である。)であり、
    またはRが、Hであり、
    が、Hであり、
    またはRとRが、結合(環状エーテル)を形成し
    が、場合により置換されているアリールまたは複素環式基である
    請求項1に記載の化合物。
  20. 連結基によって細胞結合物質と共有結合している1つまたはそれ以上のタキサンを含み、
    前記タキサンのうちの少なくとも1つは、式(III)
    Figure 2008523019
    〔式中、
    は、リンカーであり、
    は、1から10個の炭素原子を有するアルキル基、2から10個の炭素原子を有するアルケニルもしくはアルキニル、3から10個の炭素原子を有するシクロアルキルもしくはシクロアルケニル、場合により置換されているアリールもしくは複素環式基であり、
    は、場合により置換されているアリールもしくは複素環式基、1から10個の炭素原子を有するアルキル、2から10個の炭素原子を有するアルケニルもしくはアルキニル、3から10個の炭素原子を有するシクロアルキルもしくはシクロアルケニルであり、
    は、H、ヒドロキシ基、アルコキシ、アルケニルオキシ、場合により置換されているアルカノイルオキシ、アロイルオキシ、アルケノイルオキシ、アルキノイルオキシ、シクロアルカノイルオキシ、アルコキシアセチル、アルキルチオアセチル、アルキルオキシカルボニルオキシ、シクロアルキルオキシ、シクロアルケニルオキシ、カルバモイルオキシ、アルキルカルバモイルオキシもしくはジアルキルカルバモイルオキシ、複素環式もしくはアリールエーテル、エステルもしくはカルバマート、または、1から10個の炭素原子を有する、直鎖、分枝鎖もしくは環状のアルキルもしくはアルケニルエステルもしくはエーテルもしくは式−OCOXのカルバマート(Xは、窒素を含有する複素環(例えば非置換もしくは置換ピペリジノ、モルホリノ、ピペラジノ、N−メチルピペラジノまたは式−OCONR10のカルバマート(ここで、RおよびR10は、同一であるかまたは異なる、H、1から10個の原子を有する直鎖、分枝鎖もしくは環状のアルキルまたは1から10個の炭素原子を有する単純もしくは置換アリールである。))である。)であり、
    またはRは、Hであり、
    は、Hであり、
    またはRとRは結合(環状エーテル)を形成し、
    は、場合により置換されているアリールまたは複素環式基である。〕
    によって表される化合物である、細胞毒性薬。
  21. 連結基によって細胞結合物質と共有結合している1以上のタキサンを含み、
    前記タキサンのうちの少なくとも1つは、式(III)
    Figure 2008523019
    〔式中、
    は、場合により置換されているアリールもしくは複素環式基、1から10個の炭素原子を有するアルキル、2から10個の炭素原子を有するアルケニルもしくはアルキニル、3から10個の炭素原子を有するシクロアルキルもしくはシクロアルケニル、−ORまたはカルバマート(このカルバマートは、前記1から10個の炭素原子を有するアルキル、2から10個の炭素原子を有するアルケニルもしくはアルキニル、3から10個の炭素原子を有するシクロアルキルもしくはシクロアルケニルまたは場合により置換されているアリールもしくはヘテロシクリル基のいずれかから形成されている。)であり、
    は、1から10個の炭素原子を有するアルキル基、2から10個の炭素原子を有するアルケニルもしくはアルキニル、3から10個の炭素原子を有するシクロアルキルもしくはシクロアルケニル、場合により置換されているアリールもしくは複素環式基であり、
    は、リンカーであり
    は、H、ヒドロキシ基、アルコキシ、アルケニルオキシ、場合により置換されているアルカノイルオキシ、アロイルオキシ、アルケノイルオキシ、アルキノイルオキシ、シクロアルカノイルオキシ、アルコキシアセチル、アルキルチオアセチル、アルキルオキシカルボニルオキシ、シクロアルキルオキシ、シクロアルケニルオキシ、カルバモイルオキシ、アルキルカルバモイルオキシもしくはジアルキルカルバモイルオキシ、複素環式もしくはアリールエーテル、エステルもしくはカルバマート、または、1から10個の炭素原子を有する、直鎖、分枝鎖もしくは環状のアルキルもしくはアルケニルエステルもしくはエーテルもしくは式−OCOXのカルバマート(Xは、窒素を含有する複素環(例えば非置換もしくは置換ピペリジノ、モルホリノ、ピペラジノ、N−メチルピペラジノまたは式−OCONR10のカルバマート(ここで、RおよびR10は、同一であるかまたは異なる、H、1から10個の原子を有する直鎖、分枝鎖、もしくは環状のアルキル、または1から10個の炭素原子を有する単純もしくは置換アリールである。))である。)であり、
    またはRは、Hであり、
    は、Hであり、
    またはRとRは結合(環状エーテル)を形成し、
    は、場合により置換されているアリールまたは複素環式基である。〕
    によって表される化合物である、細胞毒性薬。
  22. 連結基によって細胞結合物質と共有結合している1以上のタキサンを含み、
    前記タキサンのうちの少なくとも1つは、式(III)
    Figure 2008523019
    〔式中、
    は、場合により置換されているアリールもしくは複素環式基、1から10個の炭素原子を有するアルキル、2から10個の炭素原子を有するアルケニルもしくはアルキニル、3から10個の炭素原子を有するシクロアルキルもしくはシクロアルケニル、−ORまたはカルバマート(このカルバマートは、前記1から10個の炭素原子を有するアルキル、2から10個の炭素原子を有するアルケニルもしくはアルキニル、3から10個の炭素原子を有するシクロアルキルもしくはシクロアルケニル、もしくは場合により置換されているアリールまたはヘテロシクリル基のいずれかから形成されている。)であり、
    は、1から10個の炭素原子を有するアルキル基、2から10個の炭素原子を有するアルケニルもしくはアルキニル、3から10個の炭素原子を有するシクロアルキルもしくはシクロアルケニル、場合により置換されているアリールもしくは複素環式基であり、
    は、場合により置換されているアリールもしくは複素環式基、1から10個の炭素原子を有するアルキル、2から10個の炭素原子を有するアルケニルもしくはアルキニル、3から10個の炭素原子を有するシクロアルキルもしくはシクロアルケニルであり、
    は、リンカーであり、
    またはRは、Hであり、
    は、Hであり、
    またはRとRは結合(環状エーテル)を形成し
    は、場合により置換されているアリールまたは複素環式基である。〕
    によって表される化合物である、細胞毒性薬。
  23. (A)請求項19、20、または21のいずれか一項に記載の細胞毒性薬の治療上有効な量、および
    (B)医薬的に許容される担体
    を含む、治療用組成物。
  24. 細胞結合物質が、抗体、抗体フラグメント、インターフェロン、リンホカイン、ホルモン、ビタミン、増殖因子、コロニー刺激因子およびトランスフェリンからなる群から選択される、請求項19、20または21のいずれか一項に記載の細胞毒性薬。
  25. 細胞結合物質が抗体である、請求項19、20または21のいずれか一項に記載の細胞毒性薬。
  26. 細胞結合物質がモノクローナル抗体である、請求項19、20または21のいずれか一項に記載の細胞毒性薬。
  27. 細胞結合物質が抗原特異的抗体フラグメントである、請求項19、20または21のいずれか一項に記載の細胞毒性薬。
  28. 抗体フラグメントがsFV、Fab、Fab’またはF(ab’)である、請求項19、20または21のいずれか一項に記載の細胞毒性薬。
  29. 細胞結合物質が増殖因子またはコロニー刺激因子である、請求項19、20または21のいずれか一項に記載の細胞毒性薬。
  30. 標的細胞または標的細胞を含有する組織を、請求項20、21または22のいずれか一項に記載の細胞毒性薬の有効量と接触させる段階を含む、選択された細胞集団を死滅させる方法。
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