JP2008522800A - コーティング強化剤を使用して基材を被覆するための方法および被覆された部分を接着するための方法 - Google Patents

コーティング強化剤を使用して基材を被覆するための方法および被覆された部分を接着するための方法 Download PDF

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Abstract

コーティングシステムによって基材をコーティングする方法が記載されている。この方法においてコーティングシステムは少なくとも2つのコーティング層を有し、これらコーティング層は連続して基材に塗布される。このとき塗布されている前記コーティング層の表面に、前記少なくとも2つのコーティング層のうちの少なくとも1つを塗布した後にコ−ティング強化剤が塗布される。本発明の方法によりコーティングシステムによる基材の簡単なコーティングが可能となり、それによってコーティングシステムは少なくとも領域として機械的な耐荷力が向上し、そのために例えば機械的な安定性が向上した接着箇所を製造することができる。さらに、このようなコーティングシステムによってコーティングされた基材、このようなコーティングシステムに接着を行う方法、接着結合部、接着のための混合物の使用、及び後硬化された領域を備えた多層のコーティング層が提案される。

Description

本発明は、請求項1のプレアンブルの特徴に係る基材を被覆するための方法と、請求項12に係るそれに対応して被覆された基材と、請求項13のプレアンブルの特徴に係る2つの部分を固着するための方法と、請求項25のプレアンブルの特徴に係る2つの部分間の接続と、請求項27のプレアンブルの特徴に係る架橋性の有機化合物から成る混合物の使用と、請求項34のプレアンブルの特徴に係る多層コーティング層と、に関する。本発明は、たとえば、シャーシやシャーシ部品等の構成部品をコーティングする際およびこの種の構成部品を接着する際に、自動車産業において産業的に使用することができる。本発明を、簡単にするために、上記の例に基づいて以下に簡単に説明する。
新規のモジュール形式の車両の構造コンセプトには、予め形成された構造部品またはモジュールを組み合わせることが含まれることが多くなってきている。その際、コスト面の理由から、個々のモジュールを可能な限り使用可能な状態でコーティングした上で提供することを目指すべきである。こうすることによって、予め被覆された、たとえばプレコーティングまたは完全にコーティングされた基材から成る構成部品またはモジュールのための組み立て技術として接着が重要な意味を担う。その際、特に、完全にプレコーティングされたシートメタルをモジュール式構造方法で処理することが関心の的となっている。
コーティングの際に、様々なコーティング層を有する種々のコーティングシステムが登場する。自動車の構造においては、上記のモジュール式構造方法では特に、以下のコーティングシステムが重要である:
1.金属基材、例えばシートメタルの場合:
−基材/溶接可能な防腐食層/電気泳動被覆/機能層/基礎コーティング/透明コーティング
−基材/溶接可能な防腐食層/電気泳動被覆/機能層/基礎コーティング
−基材/溶接可能な防腐食層/電気泳動被覆/充填剤機能を有する基礎コーティング/透明コーティング
−基材/溶接可能な防腐食層/基礎コーティング/透明コーティング
−基材/防腐食層/接着剤/コーティングフォイル(基礎コーティングおよび透明コーティングを有するキャリヤフォイル)
ここで、「電気泳動被覆(KTLコーティング)」は、陰極浸漬コーティングによって施された被覆を指す。透明コーティングとは、通常、熱硬化性のシステムであるが、UV硬化性のシステムも可能である。コーティングシステムの最上のコーティング層を形成していないコーティング層は、本発明の範囲では「中間コーティング層」と呼ぶ。最上のコーティング層は「表面コーティング層」と呼ぶ。
2.プラスチック基材:
−基材/主層/基礎コーティング/透明コーティング
−基材/基礎コーティング/透明コーティング
−基材/主層/コーティングフォイル(基礎コーティングおよび透明コーティングを有するキャリヤフォイル)
モジュール式の構造部品を接着する際に問題となるのは、特に、従来型のコーティングシステムのコーティング層の強度が部分的に不十分であるということである。こうして、従来型のコーティングシステムに対して機械的な負荷がかかっている場合には、基材表面が部分的に裂けてしまう。多層構造のコーティングシステムの場合には、望ましくない負荷がかかるとコーティング層内部にも亀裂が入る。可能な解決手段は、接着すべき領域の完成したコーティング層を追加の作業工程で除去して、接着を機材に直接施し、これによって機械的に比較的耐荷力が増した接着箇所を得るようにすることである。代替的な解決手段では、コーティングプロセス中に、マスク技法を用いてコーティング塗布を最初からストップさせて、接着領域においてコーティングされていない箇所を生成し、その箇所を直接にかつ高機械的安定性で基材上に接着することができるようすることである。この後置の方法の欠点は、とりわけ、コストが高いということである。さらに、除去プロセスの際には、電気泳動被覆を機能可能な状態で得ることが難しい(防腐食)。
上記のような背景のもと、本発明の課題は、コーティングシステムによって被覆された基材を簡単に得ることができるようにする被覆するための方法を提案することである。この基材は、少なくとも部分的に機械的耐荷力が改善されているので、この領域においてたとえば機械的安定性が改善されている接着箇所を簡単に作成することができるようになる。
本発明のさらなる課題は、機械的に安定したコーティングシステムによって被覆された基材を提供することである。
本発明のさらなる課題は、機械的に安定した接着箇所を(コーティング配合に介入することなく)提供することであり、この目的のために適した簡単で安価な方法を示すことである。
これらの課題は、請求項に規定されている主題によって解決される。好適な実施例は、従属項より明らかになる。
したがって、本発明の第1の主題は、基材をコーティングシステムでコーティングするための方法であって、コーティングシステムは連続して基材に塗布される少なくとも2つのコーティング層を有する方法、である。本発明によると、塗布されたコーティング層の表面上の少なくとも2つのコーティング層のうちの1つを塗布した後に、コーティングシステムのコーティング層の少なくとも1つを強化するための手段(つまりコーティング強化剤)を塗布する。
説明を簡単にするために、「基材」という概念は、本発明の範囲では、従来の意味での基材を意味するわけではなく、防腐食層および/または電気泳動塗布層がその上に施されている従来の基材も意味するものとする。
「コーティング層を強化するための手段(つまりコーティング強化剤)」とは、本発明の範囲では、塗布されたコーティング層の機械的安定性を後からさらなる化学的硬化を行って増加させる手段である。強化またはさらなる化学的硬化は、コーティング強化剤が架橋剤の一種として作用し、コーティング内に拡散または浸透した後で部分的にまたは完全に硬化したコーティング結合剤の高分子を共有結合および/または非共有結合的に三次元で互いに結合または架橋すること、によって行われることができる。強化またはさらなる化学的硬化は、コーティング強化剤が、コーティング内に拡散または浸透した後で、部分的にまたは完全に硬化したコーティング結合剤の既に成立している高分子網状構造の相互浸透網状構造(「浸透網状構造とも呼ぶ」)を形成すること、によっても行われることができる。コーティング強化剤が架橋剤の形態で作用することが好適である。「コーティング強化剤」とは、本発明の範囲では、コーティング硬化剤のことでもある。コーティング強化剤は、好適には反応性の化合物または2つ以上の反応性の化合物である。コーティング硬化剤は、一成分からなるものであってもよいし、複数の成分を含んでいてもよい。これについては後で詳述する。
本発明に係る方法によって、基材をコーティングシステムによって簡単に被覆することが可能になる。この基材は、少なくとも部分的に(コーティング強化剤が塗布された領域において)改善された機械的安定性を有しており、その際、様々なコーティング層に対して行われたコーティングの組成をコストを伴うかたちで変化または適合させる必要はない。このような簡単に作成されたコーティングシステムは、接着箇所が施されている領域に特に適している。このような接着箇所での接着部は、改善された耐クラッシュ性または改善された耐クラッシュ特性を有している。本発明によって作成され硬化されたコーティングシステムは、通常、接着部に関してさらなる準備を必要としないが、これとは無関係に、需要に応じてたとえば最上層の領域において下塗りを施すことができる。接着部のために、たとえばコーティング層を除去する必要はなく、本発明に従って作成されたコーティング層の上に直接接着を行うことができる。施された接着箇所の領域において、コーティングの際に、高価なマスク技法によってコーティングの塗布が妨げられることはない。その理由は、本発明に係る方法によって、これまでの通常のものと比較して、接着された結合部の安定性がはるかに高くなることが達成されるからである。
本発明に係る方法は、少なくとも1つの架橋性の化合物であって、コーティング層の少なくとも1つに浸透するとともに、浸入または浸透したコーティング層を強化するように作用する、架橋性の化合物、を有するコーティング強化剤を使用することによって変更することができる。複数の架橋性の化合物を使用する際には、それら化合物の拡散係数を互いに調節して合わせなくてはならないので、コーティング強化剤が1種類の架橋性の化合物を含むとともに一成分系であることが好適である。この場合、使用される架橋性の化合物が、電気泳動塗布層までのすべてのコーティング層に進入し、その際に少なくとも1つのコーティング層(特に機械的安定性が低いコーティング層)に浸透すること、または、架橋性の化合物がすべてのコーティング層に浸透することが好ましい。これによって、コーティングシステムの機械的安定性がさらに改善され得る。
ここで、化合物の拡散係数は、アインシュタインの相対性理論等と組み合わせた第2のフィックの法則にしたがって、化合物の高分子の幾何学的形状と、よって、大まかな近似値においてその分子量とに依存する、ということを指摘しておく。本発明にとってこのことは、拡散係数が大きくて分子量が小さい架橋性の化合物が好適である、ということを意味している。その理由は、このような架橋性の化合物は、架橋しそれによって移動性を失う前に、好適に迅速かつ広範にその上に塗布されたコーティング層内に拡散することができるからである。適している架橋性の化合物の分子量は、好適には500g/モル以下の範囲にある。
部分的に乾燥した状態のコーティング層にコーティング強化剤を塗布する場合には、分子量の大きな分子も好適であり得る。その理由は、この場合には、拡散が、コーティング層がまだ流動性を有している状態、少なくともまだ架橋していない状態で行われ得るので、これによって、コーティング強化剤の浸透が軽減および加速されるからである。コーティング強化剤がコーティング層またはコーティングシステムに容易に浸入すればするほど、本発明に係る方法が必要とする時間に関する利点がより増す。
ここで、使用されるコーティング強化剤の少なくとも1つの架橋性の化合物が、重合反応可能な有機化合物であると好適である。ここで、重合反応とは、重合、重付加または重縮合であり得る。この種の化合物の使用には、この化合物が大きな構造上の多様性を有しており、たとえばその官能基または反応基のバリエーションによってさらに特殊な使用条件に簡単に適合されることができる、という利点がある。
この関連で言うと、化合物が架橋剤の形態で作用するかまたは作用すべき場合には、少なくとも2つの架橋性の基を有する架橋性の化合物が適している。または、架橋性の化合物が相互浸透網状構造を形成するかまたは形成すべき場合、すなわち、自身で架橋する場合、少なくとも1つの架橋性の基を有する架橋性の化合物、たとえば(メタ)アクリレート、シアノアクリレート、アルコキシシランまたは多官能価のイソシアネート(コーティング結合剤中に反応可能な二重結合が存在していない場合)が適している。ここで、架橋性の基が架橋性の化合物が一成分系としてそれ自体でコーティング層内部に網状構造を形成し、かつ/または、反応が終了しきっていない、コーティングの存在する反応基(たとえばOH−、NH−基、C=C−二重結合、エポキシ基)に結合してコーティング層を後架橋することができるように選択される。
好適な架橋性の基の例は、エチレン不飽和基、たとえばアクリレート基、メタクリレート基、シアノアクリレート基、イソシアネート基またはカルボジイミド基、さらにはブロックトイソシアネート基、ヒドラジド基、メチロール基、エポキシ基、またはアルコキシシリル基、および、類似の付加反応を行う基またはこれらの基の組み合わせである。
ここで、架橋性の化合物は、上記の架橋性の基のうち2つ以上を分子の形態で含んでおり、その際、複数の同種のおよび/または異なる架橋性の基を分子の形態で有し得る。
本文献中の「一官能価」とは、各官能基のうち1つのみを有する化合物のことである。これに対し、「多官能価」とは、各官能基のうち2つ以上を有する化合物のことである。したがって、たとえば、テトラヒドロフルフリル−2−(メタ)アクリレートは、一官能価(メタ)アクリレートと呼ばれる。一方、ジプロピレングリコール−ジアクリレートおよびトリメチルプロパン−トリアクリレートは、たとえば多官能価アクリレートと呼ばれる。
特に適した架橋性の有機化合物は、以下のグループI)ないしVIII)から選択される:
I)一般式(1)による有機官能アルコキシシランまたはそれらのオリゴマ−

Y−R−Si(Rn)−OR (3−n) (1)

式(1)において
n=0または1;
Y=CH=CH,NH,NHR,NHC(O)OR,N=C=O,SH,SR,OR,OC(O)R,OC(O)CH=CH,OC(O)C(CH)=CHおよび2,3−エポキシプロポキシを有するグル−プから選択された基;
=場合によって少なくとも1つのエ−テル酸素を含む、1から5個の炭素原子を有するアルキル基、好ましくはメチル、エチル、イソプロピルまたはメトキシエチル;
=1から8個の炭素原子を有するアルキル基、好ましくはメチルまたはエチル;
=線状の、または枝分かれした、場合によって環状の1から12個の炭素原子を有するアルキル基で、場合によって芳香族成分を含み、また場合によって1つまたは複数のヘテロ原子、特に窒素原子を含むもの;
=置換されない、または置換された、場合によって少なくとも1つのヘテロ原子を含む1から20個の炭素原子を有する炭化水素基。
式(1)による好適なアルコキシシランまたはそれらのオリゴマ−は、ビニルトリメトキシシランなどのビニルシラン;
3−アミノプロピル−トリメトキシシラン、3−アミノプロピル−ジメトキシメチルシラン、3−アミノ−2−メチルプロピル−トリメトキシシラン、4−アミノブチル−トリメトキシシラン、4−アミノ−3,3−ジメチルブチル−トリメトキシシラン、4−アミノ−3,3−ジメチルブチル−ジメトキシメチルシラン、アミノメチル−トリメトキシシラン、アミノメチル−ジメトキシメチルシラン、N−メチル−3−アミノプロピル−トリメトキシシラン、N−ブチル−3−アミノプロピル−トリメトキシシラン、N−ブチル−3−アミノプロピル−ジメトキシメチルシラン、N−シクロヘキシル−3−アミノプロピル−トリメトキシシラン、N−シクロヘキシル−3−アミノプロピル−ジメトキシメチルシラン、N−フェニル−3−アミノプロピル−トリメトキシシラン、N−シクロヘキシル−アミノメチル−トリメトキシシラン、N−シクロヘキシル−アミノメチル−ジメトキシメチルシラン、N−シクロヘキシラミノメチル−トリエトキシシラン、N−フェニル−アミノメチル−トリメトキシシラン、N−フェニル−アミノメチル−ジメトキシメチルシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルジメトキシメチルシランなどのアミノシランまたはビス−(3−(トリメトキシシリル)−プロピル)アミン;
N−(3−(トリメトキシシリル−プロピル)−O−メチルカルバメ−ト、N−(ジメトキシメチル−シリルメチル)−O−メチルカルバメ−トまたはN−(トリメトキシ−シリルメチル)−O−メチルカルバメ−トなどのカルバマ−トシラン;
3−イソシアナトプロピル−トリメトキシシラン、イソシアナトプロピル−ジメトキシメチルシラン、イソシアナトメチル−トリメトキシシランまたはイソシアナトメチル−ジメトキシメチルシランなどのイソシアナトシラン;
トリス[3−(トリメトキシシリル)プロピル)−イソシアヌレ−トのようなイソシアナトシランを表すイソシアヌレ−トシランのトリマ−;
3−メルカプトプロピル−トリメトキシシランまたは3−メルカプトプロピル−ジメトキシメチルシランなどのメルカプトシラン;
3−オクタノイルチオ−1−プロピルトリメトキシシランなどのチオカルボキシラトシラン;
3−アクリロキシプロピル−トリメトキシシランなどのアクリルシラン;
3−メタクリロキシプロピル−トリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピル−ジメトキシメチルシラン、メタクリロキシメチル−トリメトキシシラン、メタクリロキシメチル−トリエトキシシラン、メタクリロキシメチル−ジエトキシメチルシラン、メタクリロキシメチル−トリエトキシシランまたはメタクリロキシプロピル−ジメトキシメチルシランなどのメタクリルシラン;
3−グリシジロキシプロピル−トリメトキシシランまたは3−グリシジロキシプロピル−ジメトキシメチルシランなどのエポキシシラン;および
珪素に関してメトキシ基の代わりにエトキシ基、イソプロポキシ基またはメトキシエトキシ基を有する前記のアルコキシシランの類似物質である。
特に好適なアルコキシシランは3−イソシアナトプロピル−トリメトキシシラン、3−イソシアナトプロピル−トリエトキシシラン、3−メルカプトプロピル−トリメトキシシラン、3−メルカプトプロピル−トリエトキシシラン、3−オクタノイルチオ−1−プロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピル−トリメトキシシラン、3−アミノプロピル−トリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシランおよびトリス[3−(トリメトキシシリル)プロピル)−イソシアヌレ−トである。
前記のアルコキシシランは通常、低い粘性と、好適に高い拡散係数を有する。
=−CH−(メチレン)であるα−アルコキシシランは、例えば−OR、−NHRまたはSHなどの電子を押し出す基Yと組み合わされると、これに対応するR=プロピレンまたはアルキル置換されたプロピレンであるβ−アルコキシシランに比べて高い反応性を示す。水分によって引き起こされる架橋反応はα−アルコキシシラン(Wacker社)において特に迅速に経過する。
アルキルシランまたはメタクリルシランは例えばコモノマ−として、コ−ティングシステムの(メタ)アクリレ−トによって共重合化することができ、アルコキシ基の加水分解の後、凝縮によって付加的に後架橋することができる。
アミノシランまたはメルカプトシランは例えばまだ硬化しきっていないコ−ティング層のコ−ティング成分のまだ反応しきっていないイソシアネ−ト基によって置換されるか、もしくはイソシアネ−トを含む低分子のコ−ティング強化添加剤の変性に用いることができる。これによってイソシアネ−ト基を介する架橋の可能性のほかに、水分のある状態でアルコキシシラン基を用いても後架橋を行うためのさらなる可能性があることになる。
イソシアナトシランは例えば水分がある状態で、まだ反応が完結していない当該イソシアナトシランのイソシアネ−ト基および/またはアルコキシ基を介して独自に網状構造を形成することができる。コ−ティングに第一アミノ基または第二アミノ基またはヒドロキシル基がある状態で、これらはコ−ティング結合剤のさらなる共有結合架橋のために用いられる。
II)一官能価または多官能価(メタ)アクリレート。
好適な一官能価(メタ)アクリレートはテトラヒドロフルフリル−2−(メタ)アクリレート(THF−(Meth)アクリレートおよびイソボルニル(メタ)アクリレートである。
好適な多官能価(メタ)アクリレートは、ジプロピレングリコール−ジアクリレート、トリプロピレングリコール−ジアクリレート、トリシクロデカンジメタノール−ジアクリレート、エトキシ化されたビスフェノール−A−ジアクリレート、エトキシ化されたビスフェノール−A−ジメタクリレート、トリメチロールプロパン−トリメタクリレート、トリメチルプロパン−トリアクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)−イソシアヌレート−トリアクリレート、エトキシ化されたトリメチロールプロパン−トリアクリレート、ジ−トリメチロールプロパン−テトラアクリレート、ペンタエリトリトール−トリアクリレートまたは−テトラアクリレート、ジペンタエリトリトール−テトラアクリレート、ジペンタエリトリトール−ペンタアクリレートである。
一官能価(メタ)アクリレートと多官能価(メタ)アクリレートの混合物および異なる多官能価(メタ)アクリレートの混合物、特にジ(メタ)アクリレート(ジプロピレングリコール−ジアクリレート、トリプロピレングリコール−ジアクリレートおよびトリシクローデカンジメタノール−ジアクリレート)とトリ(メタ)アクリレートとの混合物も特に好適である。特に好適なのは連続的に行われるコーティング工程の温度(130から155℃の範囲)において空気中の酸素がある状態で熱硬化するような混合物である。このような混合物は特に中間コーティング層の上に塗布されるとき、極めて小さな蒸発率を有すると同時に、高度な機械的安定性を生じさせる。ジ(メタ)アクリレートとトリ(メタ)アクリレートの混合物を用いる有利点は特に、混合を行わない(メタ)アクリレートをを用いた場合に比べてより高い機械的安定性が得られることである。特に好適なのはジプロピレングリコール−ジアクリレート/トリメチロール−プロパン−トリメタクリレート、トリシクロデカンジメタノール−ジアクリレート/トリメチロールプロパン−トリアクリレート、トリシクロデカンジメタノール−ジアクリレートおよびエトキシ化された(3)トリメチロールプロパン−トリアクリレートの混合物である。
III)多官能価イソシアネート(ポリイソシアネート)、例えば1,6−ヘキサンジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ジシクロヘキシルメチルジイソシアネート(H12−MDI)またはこれらのポリイソシアネートのオリゴマー、およびこれらのまたはさらなるポリイソシアネートのブロックされた形式、例えばメチルエチルケトキシム、ジエチルマロネート、3,5−ジメチルピラゾールまたはカプロラクタムでブロックされたポリイソシアネート、または自己架橋性のブロックトポリイソシアネート。
ブロックトイソシアネートは特に、水分がある状態で適用可能であり、コーティング結合剤の置換されない官能基(例えばNHまたはOH)に拘束され得ないため、コーティングの強化を生じさせるという利点を有する。自己架橋性のブロックされたイソシアネートのさらなる利点は、反応相手がほぼ同じ分子内に形成され、それによって原理的に拡散深さ全体にわたって「最適な分子比率」を保持できることである。さらに、純粋な湿分硬化を行う1K−システムに比べて最終硬化が大幅に加速されている。
好適な自己架橋性ブロックトイソシアネートの例は、Bayhydrol(登録商標)VPLS2153,VPLS2313/1,VPLS2378であり、これらは分散系として販売されている。内部のOH基のモル比が、自由になっていくイソシアネート基のモル比よりも高いので、このような場合には機械的な安定性をさらに高めるために、OH基を有さないさらなるブロックトイソシアネート(例えば容易に乳化可能なタイプであるBayhydrol(登録商標)BL5140)によって混合を行うことが有意義であり得る。目指すべきは等分子量あるいはイソシアネートがわずかに超過した1K−システムとしての、最適化された自己架橋性ブロックトイソシアネートである。
IV)シアンアクリレート、例えばシアノエチルアクリレートなど、またはそれらからなる混合物。
これらの化合物級の利点は、これらが低い分子量と粘性のために非常にすぐれた拡散特性を有し、一成分のシステムとして使用可能なことである。シアンアクリレートは完全硬化されたコーティングシステムに対して使用することが特に好適である。
V)多官能価のヒドラジド、例えばカルボジヒドラジドまたはアジピン酸ジヒドラジド。
これらの化合物級は多数の利点を有する。すなわちこれらの化合物は一成分のシステムとして用いることができ、水に溶け、保護基なしに用いることができる(この点は特にまだ部分的な乾燥状態にある水性のコーティング層に塗布するときに有利である)。さらに室温において水分を除去した後、躊躇することなく非常に多くのコーティングに存在しているカルボニル官能基と、架橋されたシステムをなすように反応する。このような反応は好適に完全硬化されたコーティングシステムの後架橋のためにも使用可能である。
VI)多官能価のカルボジイミド、例えばポリ−(1,3,5−トリイソプロピル−フェニレン−2,4−カルボジイミド)。
これらの化合物は好適にアミノ基および/またはカルボキシレート基を有するコーティング結合剤の架橋性の化合物として用いることができる。これらの化合物の有利点は例えば、これらが水で希釈することができ、室温で用いることができ、揮発性の分解生成物(VOC)を放出しないことである。
VII)多官能価のエポキシド、例えば多価の脂肪族アルコールおよび脂環式アルコールのビス−(2,3−エポキシシクロペンチル)エーテル、ポリグリシジルエーテル、例えば1,4−ブタンジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールおよび2,2−ビス−(4−ヒドロキシシクロヘキシル)−プロパン;
多価のフェノールのポリグリシジルエーテル、例えばレゾルシノール、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−メタン(ビスフェノール−F)、2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−プロパン(ビスフェノール−A)、2,2−ビス−(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)−プロパン、1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)−エタンおよび酸性の条件で得られるような、ホルムアルデヒドを有するフェノールの縮合生成物、例えばフェノルノボラックおよびクレゾールノボラック;
多価のカルボン酸のポリグリシジルエステル、例えばフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロフタル酸およびヘキサヒドロフタル酸;
アミン、アミドおよび複素環式の窒素塩基のN−グリシジル−誘導体、例えばN,N−ジグリシジルアニリン、N,N−ジグリシジルトルイジン、N,N,O−トリグリシジル−4−アミノフェノール、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−ビス−(4−アミノフェニール)−メタン、トリグリシジルシアヌレートまたはトリグリシジルイソシアヌレート。
好適にはヘキサンジオール−ジグリシジルエーテル、ポリ−プロピレングリコール−ジグリシジルエーテルおよびポリエチレングリコール−ジグリシジルエーテルである。
エポキシドは原則的に非常に高い機械的安定性が達成できるという利点がある。通常は2つの成分が必要である(例えばエポキシド+アミンまたはエポキシド+カルボン酸)。コーティング強化剤として用いるためには硬化剤成分が不足していることが推奨され、それによってさらにコーティングシステム(NH基、COOH基)に対する共有結合が実現される。特に硬化温度が100から140℃のエポキシドシステムは中間層を塗布するのに好適である。
VIII)多官能価の高反応性の部分的にアルキル化されたメラミンホルムアルデヒド樹脂で、硬化温度が110から150℃のもの。低度にエーテル化された水溶性のタイプが好適であり(例えばLuwipal 073、BASF社製、部分的にメチル化され、ブタノール中80%の溶液のもの)、これらは1K−システムにおいて硬化可能であり、部分的に乾燥されるとともに水分を含むコーティング中間層の上に塗布可能である。
前記のOH−官能性多官能価アクリレートを有するメラミン樹脂(例えばジペンタエリトリトール−ペンタアクリレート、自由なOH基)と、反応性希釈剤としてのジオール(例えば1,3−プロパンジオール)との混合(例えば10部のLuwipal 073、2から5部のジペンタエリトリトール−ペンタアクリレート、2.5部の1,3−プロパンジオール)が特に好適である。このとき特に好適なのは、メラミン樹脂もアクリレートも互いに独立して独自に網状構造を形成できることである。(この点は拡散率が異なる場合に重要であり、全ての成分の硬化を確実にする。)また成分同士で追加の架橋が行われることによって単一の成分による場合よりも高い機械的安定性が得られる。コーティング結合剤のOH−基および/またはアミノ基も同様に結合させることができる。
コーティング強化剤はこのほかさらなる成分を含有することができる。すなわち例えば
コーティング強化剤が少なくとも1つの架橋性の化合物のほかにキャリヤを含むのは好適であり、コーティング強化剤が2つまたはそれ以上の架橋性の化合物を含み、キャリヤが好適に揮発性の溶剤または揮発性の溶剤からなる混合物であれば好ましい。このようなキャリヤによって架橋性の化合物の拡散率は高められ、それによってこれらの化合物は架橋を行う前にコーティングシステムにより深く浸入する。揮発性の溶剤とは、標準圧力のもとで沸点が250℃より小さい溶剤をいう。
好適なキャリヤは例えば沸点が50から180℃の有機溶剤である。例えばエチルアセテート、酢酸ブチル、乳酸エチル、プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコール−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ブチルグリコールなどである。プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコール−n−プロピルエーテル、乳酸エチル、ブチルグリコール(沸点は120から171℃の範囲で選択可能)は無制限に水と混合可能であるという有利点を有する。この点は特に部分的に乾燥され、かつ水分をベースとするコーティング層の上に用いるために好適である。水もまた、例えば自己架橋性のイソシアネート分散体を用いる場合に好適なキャリヤになり得る。
コーティング強化剤は加えてさらなる有機成分を含有することができる。それらのうちいくつかはキャリヤとして作用することができ、またあるものは完全に硬化されたコーティングシステムを膨潤させ、それによってコーティング強化剤が内部へ拡散または浸入するのを容易にする。好適な溶剤とは、例えばケトン(アセトン、メチルエチルケトンなど)、カルボン酸エステル(エチルアセテート、酢酸ブチル、乳酸エチルなど)、芳香族化合物(トルオール、キシロールなど)、グリコール(ブチルグリコールなど)およびエーテル(テトラヒドロフラン、ジプロピレングリコールジメチルエーテルなど)である。前記の溶剤でエステルをベースとするものが好ましい。
溶剤の選択は、蒸発時間と拡散時間が一致するように行うのが目的に適っている。いくつかの場合では、溶剤、例えばプロパンジオールまたはブタンジオールをブロックトポリイソシアネートと組み合わせるなどして、反応成分として用いることも有意義であり得る。
コーティング強化剤の種類に応じて、特に架橋性の基の選択に応じて、コーティング強化剤の架橋または硬化は、熱的に紫外線または電子線によって、あるいは水分(HO)によって開始することができる。好適な態様は室温における水分による硬化(例:シアンアクリレート、シラン、イソシアネート)である。何故ならこの場合、コーティングシステムは非常にわずかな熱的負荷しか受けず、方法上のコストも非常にわずかなためである。コーティング中間層の上に塗布するとき、以下に述べる方法の工程において熱による硬化もしくは架橋が可能である限りは、熱硬化は好適な態様である。
いくつかのシステムにおいて硬化を開始もしくは促進させるために開始剤もしくは触媒が考慮される。例えば(メタ)アクリレートにおいては、100℃より低い温度での熱重合または室温でのUV重合のために、開始剤が必要となり得る。このとき熱硬化のための開始剤は酸素が存在する状態でできる限り良好な硬化を支援するように選択されている。これらの開始剤としてアゾベースの開始剤、例えば2,2’−アゾビス−(2−メチル−プロピオニトリル)(AIBN),ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチラート、またペルオキシドベースの開始剤、例えばジベンゾイルペルオキシドなどが挙げられる。さらなる例はイソシアネートからのウレタン形成の触媒作用であり、例えばジブチルスズジラウラートまたは錫を有さないカルボン酸金属塩を、触媒として用いる。
架橋性の重反応として例えばアルコキシシランまたはヒドラジドの重縮合が行われる場合、PH調整剤がコーティング強化剤のさらなる成分になり得る。
使用されるコーティング強化剤のさらなる成分になり得るのは溶解促進剤である。これは使用される架橋性の化合物の、使用される部分的に乾燥されたコーティング(水ベース)における溶解挙動を好適に制御するか、もしくは迅速な混合を促進するものである。
本発明に係る方法の好適で特に容易な実施の形態において、コーティングシステムは1つまたは複数の中間コーティング層と、表面コーティング層とを有し、強化されたコーティングシステムの表面コーティング層の上にコーティング強化剤を塗布する。
本発明に係る方法の別の好適な実施の形態において、コーティングシステムは1つまたは複数の中間コーティング層と、表面コーティング層とを有し、中間コーティング層は硬化した、部分的に硬化したまたは硬化していない状態であり、表面コーティング層は部分的に硬化している。このとき部分的に硬化している表面コーティング層の上にコーティング強化剤を塗布する。これによる有利点は、部分的に硬化したまたは硬化していないコーティング層において、コーティングがまだ完全に反応していない反応基を有しており、これらの反応基によってコーティング強化剤の架橋性の化合物が、化学的に反応できることである。さらなる有利点は、架橋性の化合物が部分的に硬化しているコーティング層内に拡散することが助長されるか、場合によって促進されることである。コーティングシステムとコーティング強化剤の最終硬化は共通の加工工程において好適に行われる。
本発明に係る方法のさらに別の好適な実施の形態において、コーティングシステムは1つまたは複数の中間コーティング層と、表面コーティング層とを有し、中間コーティング層のうちの1つまたは複数の上にコーティング強化剤を塗布する。このとき単一または複数の中間コーティング層は(コーティング強化剤を塗布するとき)多くとも部分的に硬化している。これによる有利点は、塗布されたコーティング強化剤の拡散経路およびそれとともに浸入時間が短縮できることである。
このような実施の形態の1つの態様において、コーティング強化剤を表面コーティング層に付加的に塗布する。このとき表面コーティング層は同様に、多くとも部分的に硬化している。これによる有利点は、浸入時間がさらに短縮できることである。
本発明に係る方法のさらなる好適な実施の形態において、コーティングシステムは1つまたは複数の中間コーティング層と、表面コーティング層とを有し、中間コーティング層のうちの1つまたは複数の上にコーティング強化剤を塗布する。このとき単一または複数の中間コーティング層は(コーティング強化剤を塗布するとき)硬化していない。これによる有利点は、浸入が液相で行われるために、遥かに早いことである。
このような実施の形態の1つの態様において、コーティング強化剤を表面コーティング層に付加的に塗布する。このとき表面コーティング層は同様に、硬化していない。これによる有利点は、コーティング強化剤の架橋性の化合物のコーティングシステム全体における迅速な配分が支援されることである。
本発明に係る方法において好適にコーティング強化剤を使用し、このコーティング強化剤は少なくとも1つの架橋性の化合物を含み、該架橋性の化合物は少なくとも表面コーティング層に浸透し、そのほかに全ての中間コーティング層に浸入し、特に全ての中間コーティング層に浸透する。これによってコーティングシステムの機械的安定性がさらに向上する。
本発明の第二の対象は前記の方法によって得られるコーティングシステムによってコーティングされた基材である。
本発明に係るコーティングされた基材は、少なくとも領域として(コーティング強化剤を塗布した領域において)機械的安定性が向上させられたコーティングシステムを有する。従ってこのような基材は特に、直接にすなわち予備加工なしに接着されることに適しており、このとき接着箇所は従来技術と比べて改善された耐荷力を有している。接着するためにコーティング層を剥がす必要はなく、本発明に係る基材のコーティングの上に直接に接着を行うことができる。所定の接着箇所の領域においても、コーティングの際にコストのかかるマスク技術によって塗料の塗布が妨げられることはない。その理由は本発明に係るコーティングされた基材において、従来通常の場合に比べて著しく高い接着箇所の安定性が得られることであり、それはこのような接着箇所の衝突時の挙動および衝突耐性に関しても好適な影響を及ぼす。これによって安定性に対する要求が高度化した表面コーティングの上に新種の接着の適用を行うことが可能となる。
本発明の第三の対象は2つの部材を安定的に結合するための方法に関する。これらの部材の少なくとも第一の部材は結合面領域にコーティング層を担持し、当該方法は以下のような主な工程を有している。
a)少なくとも1つの第一の部材のコーティングされた結合面領域にコーティング強化剤を塗布する工程。
b)コーティング強化剤が少なくとも部分的にコーティング層内に浸入または拡散する工程。
c)コーティング強化剤の架橋性の化合物同士の架橋および/またはコーティング内の架橋性の化合物との架橋によって、コーティング強化剤が硬化し、それによりコーティング強化剤によって処理された領域におけるコーティングが後硬化する工程。
d)第一の部材を第二の部材に接着し、そのとき第一の部材のコーティングされた結合面および/または第二の部材の結合面に接着剤が塗布される工程。
本発明に係る方法は知られている方法に比べて、方法上の技術が非常に容易であるという有利点を有している。このため仕上がったコーティングに対して接着のための後処理を行うことができ、しかもコーティング処方に干渉しないで済む。この点はコーティングが複数のコーティング工程から製造される場合は、特に有利である。この方法によってコーティング層の各層の接着すべき領域に関して、コーティング処方またはコーティング処理を局所的に適合させなければならないという事態が回避される。
本発明に係る方法は多層コーティングシステムにおいて剪断強さの著しい向上を示すものである。
本発明は、互いに接着によって結合すべき2つの部材に関する。このとき2つの部材のうち少なくとも1つはコーティング層を担持している。このとき結合領域における2つのコーティング層を、コーティング強化剤によって処理もしくは調質することは好適である。
コーティング層を担持している第一の部材が自動車のための車体の部材を形成している場合、結合すべき第二の部材は通常、結合面がコーティングされていない取り付け部材であるが、例えばモジュール型の部材の場合のように、結合すべき第二の部材がコーティングされた部材であってもよい。
コーティング層とは通常、規定に応じた使用のために完結するコーティングを意味するが、場合によって部材を結合させた後にさらなるオーバーコーティングを行ってもよい。それによって本発明に係る方法の有利点が狭小化されることはない。
本発明に係る方法は第一の工程a)において、少なくとも1つの第一の部材のコーティングされた領域にコーティング強化剤を塗布する。このときコーティング強化剤を塗布する方法はコーティング強化剤のコンシステンシーに応じて調整される。コーティング強化剤は典型的に当該領域に塗布または噴霧される液体である。さらなる好適な態様において
液体のコーティング強化剤は多孔質のキャリヤに含まれており、このキャリヤがコーティングと結合されるとともにコーティング強化剤を局所的に画定した状態で表面に転移させる。これによって液体のコーティング強化剤が流れることが防止される。本発明のさらなる形成においてコーティング強化剤はまたゲル形状を有し得るが、これはコーティング強化剤を表面に転移させるために塗布される。
これに続く工程b)において、コーティング強化剤に、調質すなわち後硬化する領域に対して作用を及ぼす時間が与えられる。このときコーティング強化剤は少なくとも部分的にコーティング層に浸入する。これは特に低分子の架橋性の成分のコーティング層内への拡散工程として生じるものである。このときコーティング強化剤は典型的に、低分子の架橋性の化合物のほかにさらに補助剤および溶剤を有している。コーティング強化剤の組成に応じて、同一または異なる成分比で含まれる異なる成分がコーティングに浸入する。これによって、表面に塗布されるコーティング強化剤の組成がコーティングに浸入するコーティング強化剤の組成と異なることも当然可能である。これは例えば次の工程が行われる前に全てまたは部分的にコーティングから発生し得る軽揮発性の溶剤もしくは多成分からなるコーティング強化剤混合物においては個々の成分について当てはまる。従って一成分からなるシステムを用いるのが好ましい。
次の工程c)はコーティングの後硬化に関する。この工程で、結合すべき領域において浸入もしくは内部に拡散させられたコーティング強化剤が硬化される。これはコーティング強化剤の化合物同士の架橋および/またはコーティング内の架橋性の化合物との架橋によって行われる。
架橋性の化合物の選択は好適に、一成分からなるシステムとしてコーティング層内部に網状構造を形成および/またはコーティングの存在している反応性基に結合可能で、それによってコーティング層が後架橋するように行われる。
好適な架橋性の化合物の例はすでに前記されており、特に詳細に記載されたグループI)からVII)に記載の化合物である。これらは通常、多官能価かつ低分子の基礎分子であって、一分子内に同種の反応性基もしくは、官能性アルコキシシランの場合のように異なる架橋性の基を有するものである。
ここで好適に以下のような状況を利用することができる。すなわち通常はコーティングに含まれる低分子化合物の架橋性の基同士の重合および/または重付加および/または重縮合反応によって実現されるコーティングの架橋、つまり硬化の際に、相応の架橋性の基の一部が置換されず、それによって反応性を有する状態を保つことである。さらにコーティングの成分は通常の場合、さらなる架橋性の基を有し、これらのさらなる架橋性の基にコーティング強化剤の架橋性の化合物が結合され得る。典型的な例は不飽和エチレン基、イソシアネート基、アミン基またはヒドロキシル基、エポキシド基などである。
コーティング層を完全に硬化させず、それによって反応性基をコーティング強化剤のために保留し、またコーティング層内への拡散を促進することは好適であり得る。その場合、コーティングとコーティング強化剤の最終硬化は共通の加工工程において行われる。
硬化が完了したコーティング構造体にコーティング強化剤を塗布する際、コーティング強化剤と接着剤を共通の加工工程において硬化させることは好適であり得る。
c)に続く加工工程d)は、2つの部材の接着による結合を行うものである。このとき接着剤は知られている方法で接着すべき領域に塗布される。従って接着剤を第一の部材のコーティングされた結合面および/または第二の部材の結合面に塗布することが可能である。2つの部材は接着され、接着剤が硬化する。接着剤の種類によって一成分からなるシステムの場合、硬化は通常、熱または湿分によって行われる。二成分からなるシステムの場合、湿分硬化でないシステムにおいても室温で硬化が行われ得る。
本発明の好適な応用は多層コーティングにおいて見られる。ここでコーティング層は複数の層から構成され、これらの層は典型的にその物理的特性および科学的性質に関して異なっている。
コーティング強化剤は好適に硬化の前および/または後にさらなる架橋性の基を有し、これらのさらなる架橋性の基は、接着剤の相応の架橋性の基に架橋するのに好適である。
好適な方法の態様においてコーティング強化剤の硬化は少なくとも部分的に接着剤の硬化とともに行われる。すなわち、工程c)は部分的にまたは完全に工程d)と一致する。このとき特に好適にコーティング強化剤の硬化と並行して接着剤との架橋が行われる。好適に工程d)の後に、コーティング強化剤の概ね全ての架橋性の基は反応が終了している。これはコーティング強化剤、コーティングおよび/または接着剤のさらなる成分との反応によって実現できる。
コーティング強化剤の種類に応じて、特に架橋性の基の選択に応じて、コーティング強化剤の架橋または硬化は熱的に紫外線または電子線によって、あるいは水分によって開始することができる。いくつかのシステムにおいて開始のための触媒が有意義であり得る。(メタ)アクリレートにおいては、100℃より低い温度での熱重合または室温でのUV重合のために開始剤が必要となり得る。好適な態様は湿分硬化である。その理由は湿分硬化の場合、コーティングシステムは非常にわずかな熱的負荷しか受けず、方法上のコストも非常にわずかなためである。コーティングの硬化と接着が同時に行われる場合は熱硬化が好ましい。UV硬化はここでは特殊な例に限定される。その理由は通常、コーティングの後硬化は比較的深い、著しくUV非浸透性の層において行われなければならないからである。
コーティング層の硬化もしくは後硬化のために、コーティング層には最小量のコーティング強化剤が必要である。しかしながらこの量はコーティング層自体が保持された状態にあるという限定を有する。処理されていないコーティング層または調質されていないコーティング層と、後硬化されたコーティング層とは、これらの層の間の移行部が脆くなって破断したり、視覚的に認識可能な、特に色を帯びた変化が生じるほどに互いに異なっていてはならない。コーティング層の膨潤が持続するのは接着剤を塗布した領域に限定されるべきである。
工程c)において、すなわち架橋の前に、調質すべき領域においてコーティング層は好適に架橋性の化合物を、コーティング層の基本重量の5から45重量%、特に好適に10から35重量%受容するのが好ましい。
コーティング強化剤は溶剤を有さなくても溶剤を含んでいてもよい。
溶剤を含んだコーティング強化剤が用いられるとき溶剤の選択は、それらがコーティングを膨潤させるのに好適であるように行われる。これによってコーティング強化剤の架橋性の化合物の浸入または内部への拡散が容易になる。好適に溶剤は接着の前に概ね完全に除去される。好適な溶剤はすでに記載されている通りである。
本発明の加工は、工程c)において、コーティング層がコーティング強化剤の溶剤を、コーティング層の基本重量の3から10重量%受容しているように行われる。この溶剤はコーティングを膨潤させ、それによってコーティング強化剤のさらなる成分の浸入または内部への拡散を容易にする。このときコーティング強化剤によって処理されたコーティングに対して蒸発分離を行うことは好適である。これによってコーティングの硬化が行われる前に溶剤を再びコーティングから排出させることができる。工程d)が行われる前に、処理されたコーティング層が溶剤の形跡のみを留めているのが特に好ましい。
多層コーティングにおいて本発明の方法は好適に、工程c)において少なくとも最上層がコーティング強化剤の硬化性の成分によって浸透されているように行われる。この点は好適な作用持続時間、コーティング強化剤の量または組成を介して実現できる。
多層コーティングにおいて最上層の下方に設けられているコーティングのさらなる層は、コーティング強化剤の架橋性の化合物を、これらのさらなる層の基本重量の少なくとも3重量%受容するのが、特に好適である。硬化剤が中間層領域に浸入して硬化することによってコーティング層同士の接着強度が著しく向上する。この点は好適に、層間の剪断強さが増大していることに表れている。層間の剪断強さがこのように増大することは現行の多層コーティングにおいて重要な意義を有する。その理由は、本発明に係る後硬化がなければ通常、層同士の間もしくは個々の層内部での接着強度が、該当する接着結合の弱点であるためである。
コーティング強化剤がコーティングされた基材(シートメタル基材の場合はKTLコーティング)に至るまで浸透でき、それによってこれらの場所でもコーティング層の接着強度を増大させることも有利である。工程c)においてコーティング強化剤は、第一の部材の表面において検証可能である程度に、コーティング層全体に好適に浸透する。このとき通常の分光学的方法、例えばラマン分光学および/またはATR−IRなどが応用可能である。この場合特に実践的なのは、断面を検査するための特殊なIR分光技術(浸透光線法における深さプロファイル)および引張接着試験または剪断応力試験による破断面分析(ATR技術)である。
本発明の第四の対象は2つの部材の間の結合部に関する。このときこれらの部材の少なくとも第一の部材は本発明に係る方法によって得られるようなコーティング層を担持している。当該結合部は概ね接着剤と、後硬化されたコーティング層と結合された部材の2つの対向する表面によって形成されている。
本発明の結合部は、コーティング強化剤の重合化もしくは架橋された化合物を少なくとも8重量%含んでいる。特に好ましくは本発明の結合部は、コーティング強化剤を8から33重量%含んでいる。
本発明の特に好適な形成において結合部は自動車の車体と、自動車の車体への取り付け部材との間に設けられている。
本発明の第五の対象はコーティング強化剤として、以下に記載のグループI),II),III),IV),V),VI),VII),VIII)から成る基から選択された少なくとも1つの架橋性の有機化合物を含む組成物の使用に関する。
I)一般式(1)による有機官能アルコキシシラン

Y−R−Si(Rn)−OR (3−n) (1)

式(1)において
n=0または1;
Y=CH=CH,NH,NHR,NHC(O)OR,N=C=O,SH,SR,OR,OC(O)R,OC(O)CH=CH,OC(O)C(CH)=CHおよび2,3−エポキシプロポキシを有するグル−プから選択された基;
=場合によって少なくとも1つのエ−テル酸素を含む、1から5個の炭素原子を有するアルキル基、好ましくはメチル、エチル、イソプロピルまたはメトキシエチル;
=1から8個の炭素原子を有するアルキル基、好ましくはメチルまたはエチル;
=線状の、または枝分かれした、場合によって環状の1から12個の炭素原子を有するアルキル基で、場合によって芳香族成分を含み、また場合によって1つまたは複数のヘテロ原子、特に窒素原子を含むもの;
=置換されない、または置換された、場合によって少なくとも1つのヘテロ原子を含む1から20個の炭素原子を有する炭化水素基。
II)一官能価または多官能価(メタ)アクリレート

III)多官能価イソシアネート、多官能価ブロックトイソシアネート

IV)シアンアクリレート

V)多官能価ヒドラジド

VI)多官能価カルボジイミド

VII)多官能価エポキシド
VIII)部分的にアルキル化されたメラミンホルムアルデヒド樹脂。特に好ましくは、OH−官能性多官能価アクリレートと反応性希釈剤としてのジオールとの混合。例えば10部のLuwipal 073、2から5部のジペンタエリトリトール−ペンタアクリレート、2.5部の1,3−プロパンジオール。
このようなコーティング強化剤は少なくとも1つの架橋性の化合物を含んでいる。場合によって当該コーティング強化剤はさらに少なくとも1つの溶剤および/または少なくとも1つの重合開始剤および/または少なくとも1つの触媒を含んでいる。このようなコーティング強化剤に含まれている個々の化合物の分子量は500g/Molを下回る範囲であることが好ましい。これは特に硬化したコーティング層の上に塗布する場合に当てはまる。部分的に硬化した、または硬化していないコーティング層の上に塗布する場合、コーティング強化剤は分子量が500g/Molを上回る化合物を含むこともあり得る。
コーティング強化剤は低分子の架橋性化合物を90から100重量%の範囲で含有するのが好ましい。
使用されるコーティング強化剤はこのとき好適にすでに説明したグループI)からIII)から選択された架橋性有機化合物を有している。
本発明の第六の対象は後硬化されたコーティング層領域を有する複数の層からなるコーティング構造体に関する。
このような後硬化されたコーティング層もしくは当該コーティング層の後硬化された領域は、以下に記載された方法の工程を介して、これらの基になる多層コーティングから作られる。
a)後硬化すべき領域にコーティング強化剤を塗布する。
b)コーティング層のこれらの領域にコーティング強化剤が浸入または内部拡散する。
c)コーティング強化剤の架橋性の化合物同士の架橋および/またはコーティング内の架橋性の化合物との架橋によって、コーティング強化剤が硬化する。
後硬化された、すなわちコーティング強化剤によって処理されたコーティング層の後硬化された領域は剪断応力(DIN EN 1465に準じて定義されたもの。実施例5から7を参照のこと。)が好適に少なくとも20%増大する。典型的な例ではそれぞれ後硬化されないコーティング層に対して、このような剪断応力が20から100%、特に20から50%増大する。当該試験は完成されたコーティング構造体について行われる。
同様に後硬化された、すなわちコーティング強化剤によって処理されたコーティング層の後硬化された領域は破断強さ(DIN EN 4624に準じて定義されたもの。実施例1から4を参照のこと。)が、それぞれ後硬化されないコーティング層に対して、好適に20から60%、特に好適に20から40%増大する。
本発明に係る方法は、ウェット=オン=ウェット塗布法によって塗布された多層コーティングシステムにおいて、特にコーティング強化剤が塗布される前にこれらの層が完全に硬化もしくは乾燥されていない場合に、特に良好な結果をもたらす。
さらなる形成は部分的に空気を排出させた状態で水分含有量(溶剤含有量)が10重量%より大きいウェット層の上に塗布するものである。これによって拡散率をさらに増大させることができる。
多くの場合、特に自動車の製造において、コーティング層は接着箇所に直接隣接する部分において残りのコーティング層と目だって異なっていないこと、もしくは目に見えるコーティング層全体が一貫した外観を呈することが望ましい。コーティング強化剤の作用は通常、2つの部材の厳密に画定された結合領域のみに限定されるものではない。その理由はコーティング強化剤がある程度は平面にも広がるためである。従って、硬化の後に視覚的な外観または表面テキスチャー形成に変化を生じさせないコーティング強化剤が好適である。すなわち、特に例えば黄ばみまたは色あせなどの色の変化、または凹凸またはクラックの形成などの表面変化を生じさせないという意味である。
以下の実施例は、電気泳動塗装されたシートメタル上に設けられた3つの層を有するコーティングシステムに関する。ここで、コーティングシステムは、全体の厚さが約8μm(そのうち表面コーティングは約40μm)である。記載の実施例のコーティング層は、すべて水性であり、カラーシステムは「シルバー」である。このコーティングシステムの場合、硬化(完全硬化)は、透明コーティングを塗布した後、強制通風炉において155℃で30分間で行われた。
コーティング強化剤の塗布バリエーションは、塗布箇所および(方法が進行経過した時点での)含水量にしたがって、実施例中以下のように分類される:
1.)では、完全に硬化した表面コーティング;
2.)実施例2.)ないし4.)では、部分的に乾燥したコーティング層(残留水量≦10重量パーセント)。未だ硬化していないかまたは部分的にのみ硬化している。
3.)実施例5.)ないし7.)では、部分的に乾燥したコーティング層(残留水量>10重量パーセント)。未だ硬化していない。
機械的強さ、特に中間層の強さの検査は、コーティング全構造体での引張接着試験または剪断引張試験によって行われた。破断試験はそれぞれ、老化していない状態または部分的にのみ老化している状態(カタプラズマテスト(Cataplasma−Test))の、本発明にしたがって被覆された試料に基づいて(すなわち、コーティング強化剤が本発明に基づいて塗布された試料に基づいて)行われる。基準(Referenz, reference)としてそれぞれ、コーティング強化剤で処理されずに従来どおりのやり方で被覆された比較試料(Vergleichsproben, comparison example)が用いられる。本発明に係る試料の場合および比較試料の場合の破断試験の結果を互いに比較し、以下にパーセンテージ表記で記載した。
A) 引張接着試験
引張接着試験は、DIN EN ISO 4624に基づいて行われた。ここで、コーティングされたシートメタルを本発明に係る試料として使用した。直径2cmのスタンプを、それぞれシートメタルのコーティングされた上面およびシートメタルの下面に接着した。テスト接着材料:シアノアクリレート(CA 2256、DELO社から入手可能);接着厚:約200μm;最短硬化時間:室温で1日;引張速度:10mm/分。
B)剪断引張試験
剪断引張試験をDIN EN 1465に準拠して行った。試料の幅 45mm;接着厚 5mm;重複長さ 12mm;張設長さ 110mm;引張速度 10mm/分。テスト接着材料は、室温で硬化する市販の高強度2Kエポキサイドであった。
C)老化−カタプラズマ
老化特性を、上述の剪断引張試験におけるカタプラズマ層(Cataplasma−Lagerung)に基づいて分析した。カタプラズマ条件:70℃および相対湿度95パーセントで7日間、続いて−25℃で16時間。測定は、標準動作環境(23℃、相対湿度50パーセント)に1日かけて環境適合(Anklimatisieren)させた後で行われた。
1.) 3つのコーティング層を有する完全硬化したコーティングシステムへのコーティング強化剤(シアノアクリレート)の塗布:
低粘性のエチルシアノアクリレート(タイプ2201、DELO社から入手可能;23℃の場合粘性15mPas)を、溶媒による希釈なしの上澄み液(100mg/cm)中で概ね湿気のない状態で、完全硬化したコーティングシステムを有する基材上に付与する。シアノアクリレートを、室温で1日間概ね湿気のない状態で拡散させて、その後、まだ液体状の上澄み液を除去する。その後、試料を常温で7日間大気中で硬化させるために放置する。
この場合、本発明に係る試料では、破断強さσは、比較試料と比べて20パーセント増加したことが分かった(引張接着試験)。
2.) 3つのコーティング層を有するコーティングシステムの部分的に乾燥した(残留水量<10重量パーセント)表面コーティング層へのコーティング強化剤(ブロックトイソシアネート)の塗布:
部分的に乾燥した表面コーティング上に、約160重量パーセント(コーティングシステムの全重量に対する固体の重量)のブロックトポリイソシアネート(Desmodur BL 3370 MPA、バイエル社から入手可能)を、酢酸ブチル(ポリイソシアネート対酢酸ブチル=1対2)で希釈して噴霧した。その後、室温で3日間放置し、60℃で15分間蒸発分離を行い(室温で放置、その際にたとえば溶媒が少量蒸発した)、その後、表面コーティングとともに155℃で30分間で完全硬化させた。
a) 破断試験による接着強さの決定:
破断強さσは、本発明に係る試料の場合、比較試料と比べて40パーセント増加した(引張接着試験、試料は老化していない)。
b) マイクロ−ATR法を用いた破断面分析:
表面コーティング層の下にある第2のコーティング層中にコーティング強化剤を検出することができた。
3.) 3つのコーティング層を有するコーティングシステムの部分的に乾燥し部分的に硬化した第2のコーティング層(残留水量<10重量パーセント)へのコーティング強化剤(テトラアクリレート)の塗布:
部分的に硬化した基礎コーティング層上に、約7重量パーセントのペンタエリスリトール−テトラアクリレート 1:1を、酢酸ブチル(コーティングシステムの全重量に対する固体の重量)で希釈した状態で、テトラアクリレートに対して1重量パーセントの開始剤(2,2−アゾビス(2−メチルブチロニトリル))を噴霧し、室温で2日間放置し、その後表面コーティング層(透明コーティング)を施した後で60℃で15分間蒸発分離を行い、155℃で30分間で完全硬化させた。
a) 破断試験による接着強さの決定:
本発明に係る試料の場合、破断強さは、比較試料と比べて約40パーセント増加した(引張接着試験、試料は老化していない)。
4.) 3つのコーティング層を有するコーティングシステムの部分的に乾燥し部分的に硬化した第2のコーティング層(残留水量<10重量パーセント)へのコーティング強化剤(イソシアネートシラン)の塗布:
部分的に硬化した基礎コーティング層上に、3−イソシアネートプロピル−トリメトキシシランを、エチルラクテートで希釈して(シラン対エチルラクテート=1対3、乾燥フィルムとして計算して約10μm)噴霧した。室温で60分間放置した後、表面コーティング層(透明コーティング)を施し、60℃で15分間蒸発分離を行い、155℃で30分間で完全硬化させた。
破断試験(引張接着試験、老化していない試料)の結果、27パーセントの増加が認められた。
5.) 3つのコーティング層を有するコーティングシステムの部分的に乾燥した状態(残留水量>10重量パーセント)の中間層(コーティング層1またはコーティング層2)へのコーティング強化剤(二官能価および三官能価のアクリレートから成るアクリレート混合物)の塗布:
a) コーティング層1へのアクリレート混合物の塗布:
部分的に乾燥した機能層上に、アクリレート混合物(純粋なアクリレート混合物に対して1重量パーセントのアゾ開始剤(タイプ601、Wako社製)を含むジプロピレングリコールジアクリレート対トリメチロールプロパントリメタクリレート=4対1、乾燥フィルムとして計算するとアクリレート量が約15μm)をエチルラクテートと1対1混合にして噴霧した。その後、さらなるコーティング構成(中間乾燥、基礎コーティング、透明コーティング)を完全に行った。
b) コーティング層2上へのアクリレート混合物の塗布:
アクリレート混合物および試料条件は、上記a)に記載したとおりである。その後、連続プロセスでさらなるコーティング構成(中間乾燥、透明コーティング)を完全に行った。
c) コーティング層3(表面コーティング)へのアクリレート混合物の塗布:
アクリレート混合物および試料条件は、上記a)記載したとおりである。その後、60℃で15分間透明コーティングを蒸発分離を行い、155℃で30分間で完全硬化させた。
老化していない試料および老化した試料で行った剪断引張試験によると、a)ないしc)の場合には、約100パーセント強さが増加した。
6.) 3つのコーティング層を有するコーティングシステムの部分的に乾燥した状態(残留水量>10重量パーセント)の中間層(コーティング層2またはコーティング層3)へのコーティング強化剤(二官能価および三官能価のアクリレートから成るアクリレート混合物)の塗布:
a) コーティング層2へのアクリレート混合物の塗布:
部分的に乾燥した(室温で2分間蒸発分離)基礎コーティング上に、アクリレート混合物(純粋なアクリレート混合物に対して1重量パーセントのアゾ開始剤(タイプ601、Wako社製)を含むトリシクロデカンジメタノール−ジアクリレート対トリメチルプロパントリアクリレート=4対1、乾燥フィルムとして計算したアクリレート量が約15μm)を、エチルラクテートと1対1で混合して噴霧した。その後、ただちにさらなるコーティング構成(中間乾燥、基礎コーティング、透明コーティング)を完全に行った。
b) コーティング層3へのアクリレート混合物の塗布:
部分的に乾燥した(室温で2分間蒸発分離)透明コーティング上に、6a)に記載したアクリレート混合物を塗布した。アクリレート量は、乾燥フィルムとして計算して約25μmである。その後、60℃で15分間蒸発分離を行い、155℃で30分間で完全硬化させた。
老化していない試料および老化した試料で行った剪断試験によると、a)の場合は約15パーセント強さが増加し、b)の場合は約20パーセント強さが増加した。
7) 3つの層を有するコーティングシステムの部分的に乾燥したコーティング層2(残留水量>10重量パーセント)へのコーティング強化剤(ブロックトイソシアネート)の塗布:
a) 部分的に乾燥した基礎コーティング上に、ブロックトイソシアネート(Desmodur BL 3370 MPA、乾燥フィルムに対して量は約10μm)をエチルラクテート(イソシアネート対エチルラクテート=1対2)と混合した状態で噴霧し、室温で10分間放置して、拡散させた。その後、さらなるコーティング構成(中間乾燥、透明コーティング)を完全に行って、155℃で30分間で完全硬化させた。
老化していない試料の引張接着試験によると、強さが50パーセント増加した。
b) a)と同様に、基礎コーティングに対して2分間蒸発分離を行った後で、コーティング強化剤をエチルラクテートと1対1混合で塗布。乾燥フィルムに対して量は約5μm、拡散時間は15分間。
老化していない試料または老化した試料で行った剪断引張試験によると、強さが30パーセントまたは26パーセント増加した。
実施例は、本発明に係るコーティングシステムの機械的耐荷力または機械的安定性を簡単に改良することができるということを示している。さらに、コーティング強化剤を中間層に塗布することによって、特に部分的に乾燥したコーティング層を塗布する場合には、拡散時間を減少させることができる、ということが明らかである。

Claims (37)

  1. 基材をコ−ティングシステムでコーティングするための方法であって、前記コ−ティングシステムは少なくとも2つのコーティング層を有し、該コーティング層は連続して前記基材に塗布される方法において、
    塗布されている前記コーティング層の表面に、前記少なくとも2つのコーティング層の少なくとも1つを塗布した後に、前記コ−ティングシステムの前記コーティング層の少なくとも1つを強化するための手段(コ−ティング強化剤)を塗布することを特徴とする方法。
  2. 請求項1に記載の方法において、
    少なくとも1つの架橋性の化合物であって、コーティング層の少なくとも1つに浸透する、好適にはすべてのコーティング層に浸入し、その際、少なくとも1つのコーティング層に浸透する、特に好適にはすべてのコーティング層に浸透するとともに、浸入または浸透したコーティング層を強化するように作用する、架橋性の化合物、を有するコーティング強化剤を使用することを特徴とする、方法。
  3. 請求項2に記載の方法において、
    コーティング強化剤の少なくとも1つの架橋性の化合物が、重合反応可能な有機化合物であることを特徴とする、方法。
  4. 少なくとも1つの架橋性の化合物のほかにキャリヤを含むコーティング強化剤を用い、特に前記コーティング強化剤が2つまたはそれ以上の架橋性の化合物を含むとき、前記キャリヤが好適に揮発性の溶剤または揮発性の溶剤からなる混合物であることを特徴とする請求項2または3に記載の方法。
  5. 前記コーティングシステムは1つまたは複数の中間コーティング層と、表面コーティング層とを有し、硬化されたコーティングシステムの表面コーティング層の上に前記コーティング強化剤を塗布することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 前記コーティングシステムは1つまたは複数の中間コーティング層と、表面コーティング層とを有し、前記中間コーティング層は硬化した、部分的に硬化した、または硬化していない状態であり、前記表面コーティング層は部分的に硬化しており、前記部分的に硬化している表面コーティング層の上に前記コーティング強化剤を塗布することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の方法。
  7. 前記コーティングシステムは1つまたは複数の中間コーティング層と、表面コーティング層とを有し、前記中間コーティング層のうちの1つまたは複数の上に前記コーティング強化剤を塗布し、単一または複数の前記中間コーティング層は前記コーティング強化剤を塗布するとき、多くとも部分的に硬化していることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の方法。
  8. 前記コーティング強化剤を前記表面コーティング層に付加的に塗布し、該表面コーティング層は同様に、多くとも部分的に硬化していることを特徴とする請求項7に記載の方法。
  9. 前記コーティングシステムは1つまたは複数の中間コーティング層と、表面コーティング層とを有し、前記中間コーティング層のうちの1つまたは複数の上に前記コーティング強化剤を塗布し、単一または複数の前記中間コーティング層は前記コーティング強化剤を塗布するとき、硬化していないことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の方法。
  10. 前記コーティング強化剤を前記表面コーティング層に付加的に塗布し、該表面コーティング層は同様に硬化していないことを特徴とする請求項9に記載の方法。
  11. コーティング強化剤を使用し、前記コーティング強化剤は少なくとも1つの架橋性の化合物を含み、該架橋性の化合物は少なくとも前記表面コーティング層に浸透し、そのほかに全ての中間コーティング層に浸入し、好ましくは全ての中間コーティング層に浸透することを特徴とする請求項5から10のいずれか1項に記載の方法。
  12. 請求項1から11のいずれか1項に記載の方法によって得られる、コーティングシステムによってコーティングされた基材。
  13. 2つの部材を安定的に結合するための方法であり、前記部材のうち少なくとも1つの第一の部材は結合面領域にコーティング層を担持し、
    a)少なくとも1つの第一の部材の前記結合面のコーティングされた前記領域にコーティング強化剤を塗布する工程であって、このときコーティングは初期硬化または最終硬化されている工程と、
    b)前記コーティング強化剤が少なくとも部分的に前記コーティング層内に浸入または拡散する工程と、
    c)前記コーティング強化剤の架橋性の化合物同士の架橋および/またはコーティング内の架橋性の化合物との架橋によって、前記コーティング強化剤が硬化し、それにより前記コーティング強化剤によって処理された領域におけるコーティングが後硬化する工程と、
    d)前記第一の部材を第二の部材に接着し、前記第一の部材のコーティングされた結合面および/または前記第二の部材の結合面に接着剤が塗布される工程と、
    を有する方法。
  14. 前記コーティング層は複数の層から構成されていることを特徴とする請求項13に記載の方法。
  15. 前記コーティング強化剤は硬化の前および/または後にさらなる架橋性の基を有し、該さらなる架橋性の基は、前記接着剤の相応の架橋性の基に架橋するのに好適であることを特徴とする請求項13または14のいずれか1項に記載の方法。
  16. 前記コーティング強化剤の硬化は部分的にまたは完全に、前記工程d)における接着の際に行われることを特徴とする請求項13から15のいずれか1項に記載の方法。
  17. 前記接着の後に、前記コーティング強化剤の概ね全ての架橋性の基は、前記コーティング強化剤、前記コーティングおよび/または前記接着剤の前記架橋性の基との反応が終了していることを特徴とする請求項16に記載の方法。
  18. 前記コーティング強化剤の硬化は熱によって、水分によって、紫外線または電子線によって開始されることを特徴とする請求項13から17のいずれか1項に記載の方法。
  19. コーティング強化剤および接着剤の硬化は熱によって開始されることを特徴とする請求項18に記載の方法。
  20. 前記コーティング層は工程c)において前記コーティング強化剤の架橋性の化合物を、前記コーティング層の基本重量の5から45重量%、好ましくは10から35重量%受容することを特徴とする請求項13から19のいずれか1項に記載の方法。
  21. 前記コーティング強化剤は少なくとも1つの溶剤を含み、該溶剤は前記コーティングを膨潤させるのに好適であり、好ましくはケトン、エステルおよび芳香族化合物を有するグループから選択され、特に好ましくは酢酸ブチル、乳酸エチルまたはキシロールであることを特徴とする請求項13から20のいずれか1項に記載の方法。
  22. 前記コーティング層は前記工程c)において、前記コーティング強化剤の溶剤を、前記コーティング層の基本重量の3から10重量%受容することを特徴とする請求項21に記載の方法。
  23. 前記コーティング強化剤は多層コーティングにおいて、工程c)において少なくとも最上層を浸透することを特徴とする請求項14に記載の方法。
  24. 前記コーティングの前記最上層の下方に設けられている層は、前記コーティング強化剤の架橋性の化合物を、前記層の基本重量の少なくとも3重量%受容することを特徴とする請求項23に記載の方法。
  25. 請求項13から25のいずれか1項によって得られる、2つの部材の間の結合部であって、少なくとも1つの第一の部材がコーティング層を担持している結合部。
  26. 前記結合部は自動車の車体の部材と、自動車の車体に取り付けるための部材との間に設けられていることを特徴とする請求項25に記載の2つの部材の間の結合部。
  27. コーティング強化剤として、以下に記載のグループI),II),III),IV),V),VI),VII),VIII)から成る基から選択された少なくとも1つの架橋性の有機化合物を含む組成物の使用:

    I)一般式(1)による有機官能アルコキシシラン

    Y−R−Si(Rn)−OR (3−n) (1)

    式(1)において
    n=0または1;
    Y=CH=CH,NH,NHR,NHC(O)OR,N=C=O,SH,SR,OR,OC(O)R,OC(O)CH=CH,OC(O)C(CH)=CHおよび2,3−エポキシプロポキシを有するグル−プから選択された基;
    =場合によって少なくとも1つのエ−テル酸素を含む、1から5個の炭素原子を有するアルキル基、好ましくはメチル、エチル、イソプロピルまたはメトキシエチル;
    =1から8個の炭素原子を有するアルキル基、好ましくはメチルまたはエチル;
    =線状の、または枝分かれした、場合によって環状の1から12個の炭素原子を有するアルキル基で、場合によって芳香族成分を含み、また場合によって1つまたは複数のヘテロ原子、特に窒素原子を含むもの;
    =置換されない、または置換された、場合によって少なくとも1つのヘテロ原子を含む1から20個の炭素原子を有する炭化水素基。

    II)一官能価または多官能価(メタ)アクリレート

    III)多官能価イソシアネート、多官能価ブロックトイソシアネート

    IV)シアンアクリレート

    V)多官能価ヒドラジド

    VI)多官能価カルボジイミド

    VII)多官能価エポキシド

    VIII)部分的にアルキル化されたメラミンホルムアルデヒド樹脂、好ましくは軽度にエーテル化された水溶性のタイプ、特に好ましくは、OH−官能性多官能価アクリレートを有する部分的にアルキル化されたメラミン樹脂と反応性希釈剤としてのジオールとの混合。
  28. 請求項27に記載の使用において、
    前記アルコキシシランは3−イソシアナトプロピル−トリメトキシシラン、3−イソシアナトプロピル−トリエトキシシラン、3−メルカプトプロピル−トリメトキシシラン、3−メルカプトプロピル−トリエトキシシラン、3−オクタノイルチオ−1−プロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピル−トリメトキシシラン、3−アミノプロピル−トリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシランおよびトリス[3−(トリメトキシシリル)プロピル)−イソシアヌレ−トであることを特徴とする使用。
  29. 請求項27または28に記載の使用において、
    前記(メタ)アクリレートは一官能価(メタ)アクリレートであり、好ましくは(THF−(メタ)アクリレートおよび/またはイソボルニル(メタ)アクリレートであることを特徴とする使用。
  30. 請求項27または28に記載の使用において、
    前記(メタ)アクリレートは多官能価(メタ)アクリレートであり、好ましくはジプロピレングリコール−ジアクリレート、トリプロピレングリコール−ジアクリレート、トリシクロデカンジメタノール−ジアクリレート、エトキシ化されたビスフェノール−A−ジアクリレート、エトキシ化されたビスフェノール−A−ジメタクリレート、トリメチロールプロパン−トリメタクリレート、トリメチルプロパン−トリアクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)−イソシアヌレート−トリアクリレート、エトキシ化されたトリメチロールプロパン−トリアクリレート、ジ−トリメチロールプロパン−テトラアクリレートおよび/またはペンタエリトリトール−トリアクリレートまたはペンタエリトリトール−テトラアクリレート、ジペンタエリトリトール−テトラアクリレート、ジペンタエリトリトール−ペンタアクリレートであることを特徴とする使用。
  31. 請求項27から30のいずれか1項に記載の使用において、
    前記多官能価イソシアネートは、ブロックされた多官能価イソシアネートであり、好ましくはメチルエチルケトキシム、ジエチルマロネート、3,5−ジメチルピラゾールまたはカプロラクタムでブロックされたポリイソシアネートおよび/または自己架橋性のブロックトポリイソシアネートであることを特徴とする使用。
  32. 請求項27から31のいずれか1項に記載の使用において、
    前記シアンアクリレートはシアノエチルアクリレートであることを特徴とする使用。
  33. 請求項27から32のいずれか1項に記載の使用において、
    前記多官能価ヒドラジドはカルボジヒドラジドおよび/またはアジピン酸ジヒドラジドであることを特徴とする使用。
  34. 後硬化されたコーティング層領域を備えた多層のコーティング層構造体であって、
    a)後硬化すべき領域にコーティング強化剤を塗布する工程と、
    b)コーティング層のこれらの領域にコーティング強化剤が浸入または内部拡散する工程と、
    c)コーティング強化剤の架橋性の化合物同士の架橋および/またはコーティング内の架橋性の化合物との架橋によって、コーティング強化剤が硬化する工程とからなる
    方法工程によって得られる多層のコーティング層構造体。
  35. 前記後硬化されたコーティング層の後硬化された領域は剪断応力が、それぞれ後硬化されないコーティング層に対して、20から100%、好ましくは20から50%増大することを特徴とする請求項34に記載の多層のコーティング層構造体。
  36. 前記後硬化されたコーティング層の後硬化された領域は破断強さが、それぞれ後硬化されないコーティング層に対して、20から60%、好ましくは20から40%増大することを特徴とする請求項34に記載の多層のコーティング層構造体。
  37. 前記後硬化された領域は、後硬化されない前記コーティング層と同じ視覚的外観を呈することを特徴とする請求項34から36のいずれか1項に記載の多層のコーティング層構造体。
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