JP2008516949A - 選択的エストロゲン受容体βアゴニストとしての置換ベンゾピラン - Google Patents

選択的エストロゲン受容体βアゴニストとしての置換ベンゾピラン Download PDF

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Abstract

本発明は、新規なベンゾピランER−βアゴニスト化合物、その医薬組成物、及び、夜尿症、閉塞性尿路疾患、前立腺肥大症、肥満、認知症、高血圧、失禁、大腸ガン、前立腺ガン、不妊、うつ病、白血病、炎症性大腸炎、及び関節炎等の、ER−βを介した疾患の治療へのこれらの化合物の使用に関する。
式(I)
Figure 2008516949

(式中、Gは、−O−、−S(O)−、−CF−、−C(O)−、−CRH−、又は−CR(OH)−であり;Rは、ハロ、(C−C)アルキル、又はR−(CH−であり;Rは、フッ素、ヒドロキシル、シアノ、トリフルオロメチル、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)アルコキシ、(C−C)アルキルカルボニルオキシ、又はベンジルであり;Rは、トリフルオロメチル、又は(C−C)アルキルであり;Rは、シアノ、ヒドロキシル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルコキシ、又は(C−C)アルコキシルカルボニルであり;nは、0、1、又は2であり;mは、0、1、又は2である)、及びその薬理学的に許容できる塩。

Description

本発明は、新規なベンゾピランER−βアゴニスト化合物、その医薬組成物、及び、前立腺肥大症、肥満、認知症、高血圧、失禁、大腸ガン、前立腺ガン、不妊、うつ病、白血病、炎症性大腸炎、及び関節炎等の、ER−βが媒介する疾患の治療へのこれらの化合物の使用に関する。
エストロゲンは、男性及び女性の双方の、生殖系、中枢神経系、骨格系、及び心臓血管系の発達及び恒常性に対して重要な役割を果たしている。近年、新たなエストロゲン受容体(ER)であるER−βが、ラット前立腺のcDNAライブラリーからクローニングされ、マウス及びヒトの前立腺に存在している。したがって、以前から知られているERは現在ではER−αと呼ばれている。ER−αとER−βは、高いアミノ酸相同性を有しており、17−βエストラジオール(E2)に対し同様の結合親和性を示し、ヘテロ又はホモ二量化して情報伝達複合体を形成する(例えば、非特許文献1及び2参照)。ER−α及びER−βは共にE2活性を示すが、これらの両者の間には組織中の分布及び機能において差があることがよく知られているため、サブタイプ選択的なリガンドは、種々の疾患に対する標的として魅力的である。興味深いことに、3−β,17−β−アンドロスタンジオール、及び5−α−アンドロスタンが、ER−βに対する内在性リガンドであることが提唱されている(例えば、非特許文献3参照)。3−β,17−β−アンドロスタンジオールは、5−α−位が還元された、活性な男性副性器中の細胞内アンドロゲンであるジヒドロテストステロン(DHT)の主要な代謝産物である。ER−β活性は、グルタチオンS−トランスフェラーゼ及びキノン還元酵素の発現量の増大によっても促進される。これらの2種類の酵素は、化学予防的解毒作用を有することが示された(非特許文献4及び5)。
近年のER−βの同定、及びER−αとER−βの有する生物学的な役割の相違に対する認識から、ER選択的なモジュレータも同様に重要な臨床上の用途を有すると思われる。ER−βは、前立腺、膀胱、卵巣、睾丸、肺、小腸、血管内皮、及び脳の種々の部位等の多くの組織において強く発現しているので、ER−βを選択的にモジュレートする化合物は、肥満、認知症、高血圧、失禁、大腸ガン、前立腺ガン、不妊、うつ病、白血病、炎症性大腸炎、及び関節炎等の、多くの病的症状の治療に有用であることが示唆された(例えば、非特許文献6及び7参照)。選択的な化合物は、ER−αを含む組織に対して最小限の効果しか有さず、したがって、副作用プロフィールを示すと思われる。したがって、ER−βアゴニストは、ER−αアンタゴニスト又はアゴニストと比べて異なる治療プロフィールを示し、ER−βによる情報伝達に依存する組織に特異的に利益をもたらす。
前立腺は、精液や血液中に存在する成分を産生している。それらの成分の幾つかは、調節ペプチドである。前立腺は、間質細胞及び上皮細胞を含み、後者のグループは、円柱分泌細胞及び基底非分泌細胞からなる。これらの基底細胞の増殖は、間質細胞の場合と同様、普通の前立腺疾患の1つである良性前立腺過形成(BPH)を引き起こす。BPHは、尿道閉塞に至る前立腺の結節性の肥大を特徴とする進行性の疾患である。その結果、排尿頻度の増大、夜間頻尿、尿量の減少、及び排尿開始の困難等の症状が現れる。BPHの結果として、膀胱平滑筋の肥厚、非代償性膀胱、及び尿路感染の罹患率の増大が挙げられる。BPHの進行は、高齢の男性の集団にとっては不可避の現象であると考えられている。BPHは、70歳以上の男性の約70%に見られる。近年、BPHの薬物治療には、症状の緩和のためには、αアドレナリン拮抗薬が、また、過形成組織量の減少のためにはステロイド5αレダクターゼ阻害剤が用いられている。これらのアプローチによる治療的な利点は限られているため、新しい治療法が望まれている。
Kuiper GG, et al., Endocrinol. 138: 863−70 (1997) Kuiper GG et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 93: 5925−30 (1996) Weihua Z. et al. PNAS 98: 6330−5 (2001) Chang WY et al., Prostate 40: 115−24 (1999) Montano MM et al., J. Biol. Chem. 273: 25443−9 (1998) J. Gustafsson, TIPS, 24 (9), p 479−485 (2003) Endocrinology, 144, p. 4241−4249 (2003)
第1の態様において、本発明は、式Iの化合物及びその薬理学的に許容できる塩を提供する。
Figure 2008516949
式I
(式中、Gは、−O−、−S(O)−、−CF−、−C(O)−、−CRH−、又は−CR(OH)−であり;
Rは、ハロ、(C−C)アルキル、又はR−(CH−であり;
は、フッ素、ヒドロキシル、シアノ、トリフルオロメチル、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)アルコキシ、(C−C)アルキルカルボニルオキシ、又はベンジルであり;
は、トリフルオロメチル、又は(C−C)アルキルであり;
は、シアノ、ヒドロキシル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルコキシ、又は(C−C)アルコキシルカルボニルであり;
nは、0、1、又は2であり;
mは、0、1、又は2である)
式Iの化合物の具体的な態様において、
Gは、−CF−、又は−C(O)−であり;
Rは、ハロ、メチル、エチル、又はR−(CH−であり;
は、シアノ、ヒドロキシル、ビニル、メトキシ、又はエトキシであり;
mは、0又は1である。
式Iの化合物の具体的な態様において、
Gは、−CF−であり;
Rは、ハロ、メチル、エチル、又はR−(CH−であり;
は、シアノ、ヒドロキシル、ビニル、メトキシ、又はエトキシであり;
mは、0又は1である。
式Iの化合物の別の具体的な態様において、
Gは、−CF−、又は−C(O)−であり;
Rは、ハロ、メチル、又はR−(CH−であり;
は、シアノ、ヒドロキシル、ビニル、又はメトキシであり;
mは、0又は1である。
式Iの化合物の別の具体的な態様において、Gは、−CF−、又は−C(O)−であり、Rは、ハロ、ヒドロキシル、シアノ、メチル、メトキシメチル、シアノメチル、ヒドロキシメチル、又はビニルである。
式Iの化合物の別の具体的な態様において、Gは、−CF−であり、Rは、メチル又はメトキシメチルである。
別の態様において、式Iの化合物は、
Figure 2008516949
並びに、それらのすべてのラセミ体混合物及び特定の鏡像異性体からなる群より選ばれる。
第2の態様において、本発明は、式Iの化合物又はその薬理学的に許容できる塩を、薬理学的に許容できる担体、希釈剤、又は賦形剤とともに含有する医薬組成物を提供する。
第3の態様において、本発明は、患者における夜間頻尿症、閉塞性尿路疾患、肥満、痴呆、高血圧、失調症、大腸癌、前立腺癌、不妊症、低下、白血病、炎症性腸疾患、関節炎または前立腺肥大症を治療する方法であって、前記患者に、有効量の式Iの化合物又はその薬理学的に許容できる塩を投与することを含む方法を提供する。
具体的な態様において、治療される症状は、前立腺肥大症である。
別の具体的な態様において、治療される症状は、前立腺癌である。
第4の態様において、本発明は、患者における夜間頻尿症、尿路疾患、肥満、痴呆、高血圧、失調症、大腸癌、前立腺癌、不妊症、低下、白血病、炎症性腸疾患、関節炎または前立腺肥大症を治療する方法であって、前記患者に、式Iの化合物又はその薬理学的に許容できる塩を、薬理学的に許容できる担体、希釈剤、又は賦形剤とともに含有する医薬組成物を投与することを含む方法を提供する。
具体的な態様において、治療される症状は、前立腺肥大症である。
別の具体的な態様において、治療される症状は、前立腺癌である。
第5の態様において、本発明は、式Iの化合物又はその薬理学的に許容できる塩の、夜間頻尿症、尿路疾患、肥満、痴呆、高血圧、失調症、大腸癌、前立腺癌、不妊症、低下、白血病、炎症性腸疾患、関節炎または前立腺肥大症の治療用医薬品の製造における使用を提供する。
具体的な態様において、治療される症状は、前立腺肥大症である。
別の具体的な態様において、治療される症状は、前立腺癌である。
第6の態様において、本発明は、ER−β受容体の機能を低下する方法であって、前記受容体を、式Iの化合物又はその薬理学的に許容できる塩と接触させることを含む方法を提供する。
第7の態様において、本発明は、患者におけるER−β受容体の機能を低下する方法であって、前記患者に、有効量の式Iの化合物又はその薬理学的に許容できる塩を投与することを含む方法を提供する。
第8の態様において、本発明は、ER−β受容体を介した疾患を治療する方法であって、有効量の式Iの化合物又はその薬理学的に許容できる塩を投与することを含む方法を提供する。
具体的な態様において、疾患は、夜間頻尿症、閉塞性尿路疾患、肥満、痴呆、高血圧、失調症、大腸癌、前立腺癌、不妊症、低下、白血病、炎症性腸疾患、関節炎または前立腺肥大症である。
具体的な態様において、治療される症状は、前立腺肥大症である。
別の具体的な態様において、治療される症状は、前立腺癌である。
本明細書で使用されるように、
a)用語「C−Cアルキル」は、1〜4個の炭素原子を含む分岐又は直鎖のアルキルラジカル、特に限定されないが、例えば、メチル(Me)、エチル(Et)、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、secブチル(s−Bu)、又はtert−ブチル(t−Bu)を指す。
b)用語「C−Cアルケニル」は、2〜4個の炭素原子を含み、少なくとも1つの炭素間二重結合を有する分岐又は直鎖の炭化水素鎖を指す。C−Cアルケニル基の例には、特に限定されないが、エテニル(ビニル)、プロペン−1−イル、プロペン−2−イル(イソプレニル)、プロペン−3−イル(アリル)、2−メチル−プロペン−3−イル、2−ブテン−4−イル、2−メチル−プロペン−1−イル、及び1−ブテン−1−イルが含まれる。
c)用語「C−Cアルキニル」は、2〜4個の炭素原子を含み、少なくとも1つの炭素間三重結合を有する直鎖又は分岐の炭化水素鎖を指す。C−Cアルキニル基の例には、特に限定されないが、エチニル、プロピン−1−イル、プロピン−2−イル(イソプリニル)、プロピン−3−イル、2−メチル−プロピン−3−イル、2−ブチン−4−イル、2−メチル−プロピン−1−イル、及び1−ブチン−1−イルが含まれる。
d)用語「ハロゲン化物」は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、又はヨード原子を指す。
e)記号
Figure 2008516949
は、立体化学が指定されない結合を指す。
f)記号
Figure 2008516949
は、このページの平面から前方に突き出る結合を指す。
g)記号
Figure 2008516949
は、このページの平面から後方に突き出る結合を指す。
h)調製及び実施例で使用されるように、以下の用語は次に示す意味を有する。「ng」は、ナノグラムを指し;「μg」は、マイクログラムを指し;「mg」は、ミリグラムを指し;「g」は、グラムを指し;「kg」は、キログラムを指し;「nmole」は、ナノモルを指し;「mmol」は、ミリモルを指し;「mol」は、モルを指し;「μL」は、マイクロリットルを指し;「mL」は、ミリリットルを指し;「L」は、リットルを指し;「R」は、解離因子を指し;「℃」は、摂氏温度を指し;「bp」は、沸点を指し;「mmHg」は、水銀ミリメートルでの圧力を指し;「mp」は、融点を指し;「dec」は、分解を指し;「[α] 」は、20℃におけるナトリウムのD系の特定の旋回度を指し;「c」は、g/mLでの濃度を指し;「nM」は、ナノモルを指し;「μM」は、マイクロモルを指し;「mM」は、ミリモルを指し;「M」は、モルを指し;「K」は、阻害定数を指し;「K」は、解離定数を指し;「psi」は、1平方インチ当たりのポンドを指し;「rpm」は、1分当たりの回転数を指し;「HPLC」は、高速液体クロマトグラフィーを指し;「HRMS」は、高分解能質量分析計を指し;「THF」は、テトラヒドロフランを指し;「ブライン」は、塩化ナトリウムの飽和水溶液を指し;「L.O.D.」は、乾燥による損失を指し;「μCi」は、マイクロキュリーを指し;「i.p.」は、腹腔内を指し;「i.v.」は、静脈内を指し;「DPM」は、1分当たりの崩壊数を指す。
i)用語「鏡像体過剰率」又は「ee」は、ある鏡像異性体E1が、2つの鏡像異性体E1及びE2の混合物において超過している割合を指す。即ち、{(E1−E2)/(E1+E2)}×100=eeである。
j)用語「患者」は、特定のエストロゲン受容体−βを介した疾病に罹患した哺乳動物のような温血動物を指す。モルモット、イヌ、ネコ、ネズミ、マウス、ウマ、牛、ヒツジ、及びヒトが、この用語の意味の範囲に属する動物の例であることは理解される。
k)式(I)の化合物の用語「有効量」及び「治療的有効量」は、肥満、痴呆、高血圧、失調症、大腸癌、前立腺癌、不妊症、低下、白血病、炎症性腸疾患のような、エストロゲン受容体−βが関連する疾病及び疾患を制御するのに有効な量を指す。
l)用語「疾病の制御」は、本明細書で記載される疾病及び疾患を遅延、妨害、阻止、又は停止させるすべての処理を指すことが意図され、必ずしもすべての疾病及び疾患、症状を除去することを意味しないが、肥満、痴呆、高血圧、失調症、大腸癌、前立腺癌、不妊症、低下、白血病、炎症性腸疾患、関節炎または前立腺肥大症のような、エストロゲン受容体−βが関連する疾病及び疾患を予防的に治療することは含まれる。
m)用語「その薬理学的に許容できる塩」は、酸付加塩又は塩基付加塩のいずれかを指す。
n)用語「薬理学的に許容できる酸付加塩」は、式(I)で示される延期化合物の非毒性の有機又は無機のあらゆる酸付加塩に適用されることが意図される。適切な塩を形成する無機塩の例には、塩化水素、硫化水素、及びリン酸、並びにナトリウム一水素正リン酸塩、及び硫酸水素カリウムのような酸金属塩が含まれる。適切な塩を形成する有機酸の例には、モノ−、ジ−、トリカルボン酸が含まれる。このような酸の例には、例えば、酢酸、グリコール酸、乳酸、ピルビン酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、フマル酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、安息香酸、ヒドロキシ安息香酸、フェニル酢酸、桂皮酸、サリチル酸、2−フェノキシ安息香酸、p−トルエンスルホン酸、並びに、ベンゼンスルホン酸、メタンスルホン酸、及び2−ヒドロキシエタンスルホン酸のようなスルホン酸が含まれる。このような塩は、水和又は実質的に無水の形のいずれで存在してもよい。一般に、これら化合物の酸付加塩は、水及び種々の親水性有機溶剤に溶解し、それらの遊離の塩基形に比べ、高い沸点を示す。
o)用語「薬理学的に許容できる酸付加塩」は、式(I)で示される延期化合物の非毒性の有機又は無機のあらゆる塩基付加塩に適用されることが意図される。適切な塩を形成する塩基の例には、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、又はバリウムの水酸化物のようなアルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物、アンモニア、並びに、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、及びピコリンのような脂肪族、脂環式、又は芳香族の有機アミンが含まれる。モノ−又はジ−塩基塩のいずれも前述した化合物とともに形成されてよい。
式Iの化合物は、1以上の不斉中心を有してよい。これらキラル中心の結果として、本発明の化合物は、ラセミ体、別れた鏡像異性体、ジアステレオマー、ジアステレオマー混合物として生じる。すべての不斉中心、別れた鏡像異性体、別れた異性体、及びそれらの混合物は、本発明の範囲内である。
ある光学異性体をその鏡像異性体より優先的に調製するため、多数のルートが入手できる。例えば、鏡像異性体の混合物を調製し、次に2つの鏡像異性体を分離してよい。ラセミ混合物の分離に広く使用される方法は、キラル高圧液体クロマトグラフィーの使用である。鏡像異性体混合物の分割に関する更なる詳細は、J. Jacques, et al., Enantiomers, Racemates, and Resolutions, (1991)において発見できる。
反応スキーム
式Iの化合物、及びその中間体は、以下のスキーム1〜6に示す反応により調製することができる。全ての置換基は、特記しない場合には、上に定義したとおりである。試薬及び出発物質は、当業者によって容易に入手できるものである。
スキーム1
Figure 2008516949
Rubenstein,L.J.,Chem.Soc,Abstracts 1925,127,1998−2004に記載の方法と同様の方法によって調製された臭化物1は、(カルベトキシメチレン)トリフェニルホスホランと反応して、α,β−不飽和エステル2を生成する。α,β−不飽和エステル2を、三臭化ホウ素(BBr)と、ジクロロエタン中で加熱しながら反応させると、クマリン3が生成する。クマリン3のフェノール性ヒドロキシル基は、臭化ベンジルの存在下で炭酸カリウム(KCO)を用いて、3aを生成し、ベンジルエーテルとして保護することができる。3aのベンジル保護基は、3aを三臭化ホウ素で処理し、未保護のクマリン3に戻し、次いでクロロメチルメチルエーテル(MOMCl)の存在下で炭酸カリウムと反応させ、3bを生成することによりメトキシメチルエーテルと交換することができる。ベンジル基で保護されたクマリン3aを、酢酸パラジウム[Pd(OAc)]、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(pddf)、炭酸水素ナトリウム(NaHCO)、及びメタノール(MeOH)の存在下で一酸化炭素と反応させると、8−カルボキシクマリン4が生成する。
スキーム2
Figure 2008516949
スキーム2において、シクロペンタノイド5は、Trostのトリメチレンメタン化合物;2−(アセトキシメチル)アリル−トリエチルシラン、酢酸パラジウム[Pd(OAc)]、及びトリイソプロピルホスファイト[P(OiPr)]を用いて、6−ベンジルオキシ−8−カルボキシクマリン4への[3+2]環化付加によって生成される(Trost,B.M.Angew.Chem.Int.Ed.Engl.1986,25,1−20)。その後、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド(LiHMDS)等の当業者に公知である適当な塩基で5を脱保護し、次いで、エノラートを、THF等の適当な溶媒中でN−(5−クロロ−2−ピリジル)トリフリミドでトラップすることにより、5のエノールトリフラートを生成する。エノールトリフラートを、根岸反応の条件;THF等の適当な溶媒中で、塩化亜鉛(ZnCl)、及びパラジウム−テトラキストリフェニルホスフィン[Pd(PPh](Negishi,E.Acc.Chem.Res.1982,15,340−348)を用いてリチオ化されたp−ベンジルオキシブロモベンゼンとカップリングさせるとフラベン6が得られる。フラベン6のエノールを、トリフルオロ酢酸(TFA)の存在下でトリエチルシラン(EtSiH)により還元すると、フラバン7が得られる。フラバン7のカルボキシル基を水素化アルミニウムリチウムで還元して得られるベンジルアルコールを水素化ナトリウム及びヨウ化メチルと反応させるとメチルエーテル8が得られる。8のexoメチレン基を、四酸化オスミウム(OsO)及びN−メチルモルホリン−N−オキシド(NMO)を用いてジヒドロキシル化し、次いで、過ヨウ素酸ナトリウム(NaIO)等の適当な酸化剤を用いて、ジオールの酸化的分解をワンポットで行うと、シクロペンタノン9が得られる。
スキーム3
Figure 2008516949
スキーム3において、シクロペンタノン9のベンジル基を、パラジウム担持炭素(Pd/C)の存在下で水素(H)を用いて水素化することにより除去され、実施例1及び2の化合物が得られる。
スキーム4
Figure 2008516949
スキーム4では、ブロモ置換ベンゾピラン14が、スキーム2で記述したルートと実質的に同様の手順で、メトキシメチルエーテル保護クマリン3bから調製される。ベンゾピラン14は、DASTで処理され、ジフルオロアナログ15が形成される。
スキーム5
Figure 2008516949
スキーム5において、ブロモ置換基を有するベンゾピラン14を水及びTHF中塩化水素で処理すると、実施例5の化合物が得られる。ジフルオロアナログ15について同様の処理を行うと、実施例6の化合物が得られる。ジフルオロベンゾピラン15を、ヨウ化銅(I)(CuI)、及びPd(PPhの存在下で、プロピオニトリル等の適当な溶媒中でシアン化ナトリウムと反応させると、シアノ置換基を有するベンゾピラン16が得られ、これを水及びTHF中塩化水素で脱保護すると、実施例7の化合物が得られる。ジフルオロブロモベンゾピラン15を、ビニルボロン酸ジブチルエステル、炭酸ナトリウム(NaCO)、及びPd(PPhと反応させると、ビニル置換基を有するベンゾピラン17が得られ、これを水及びTHF中塩化水素で脱保護すると、実施例8の化合物が得られる。ジフルオロブロモベンゾピラン15を、ブチルリチウム(BuLi)、次いでホウ酸トリイソプロピル[B(OiPr)]と反応させ、その後過酸化水素(H)で酸化すると、ヒドロキシ置換基を有するベンゾピラン18が得られ、これをDowex(登録商標)酸性樹脂で脱保護すると、実施例9の化合物が得られる。ジフルオロブロモベンゾピラン15を、ブチルリチウム、次いでジメチルホルムアミド(DMF)と反応させ、その後水素化ホウ素ナトリウム(NaBH)で還元すると、ベンジルアルコール19が得られる。ベンジルアルコール19を、アセトンシアノヒドリンを用いて、適当な光延反応の条件下(Mitsunobu,O.Synthesis 1981,1−28)でシアン化物と反応させ、その後水及びTHF中塩化水素で脱保護すると、実施例10の化合物が得られる。
スキーム6
Figure 2008516949
スキーム6において、19のアルコールを水素化ナトリウム、次いでヨウ化メチルと反応させることができ、この反応によりメチルエーテル20が得られる。20を水及びTHF中塩化水素で脱保護すると、実施例4の化合物が得られる。20のメチルエーテルは、パラジウム担持炭素(Pd/C)の存在下水素(H)を用いた還元条件下でも除去することができ、メチル置換基を有する化合物21が得られる。21を水及びTHF中塩化水素で脱保護すると、実施例3の化合物が得られる。19を水及びTHF中塩化水素で脱保護すると、実施例11の化合物が得られる。
調製1
(E)−3−(3−ブロモ−2−ヒドロキシ−5−メトキシ−フェニル)−アクリル酸 エチルエステル (2)
Figure 2008516949
臭化物1を、Rubenstein,L.J.Chem.Soc,Abstracts1925,127,1998−2004に記載の方法と同様の方法により調製する。臭化物1(100g、432.81mmol)を2Lのトルエン中に溶解する。(カルベトキシメチレン)−トリフェニルホスホラン(158.32g、454.45mmol)を加え、N置換し、室温で1時間撹拌する。減圧下で揮発物を除去し、EtOを加え、沈殿が生成するまで濃縮後、ろ過し、EtOで洗浄後、ろ液を減圧下で濃縮すると、227gの黒色油状物が得られる。フラッシュクロマトグラフィー(2kgのシリカゲル、10%EtOAc/ヘキサンで最初の分画を除去し、15%EtOAc/ヘキサンで生成物を溶出する)で精製し、111g(85%)の調製物1を得る。NMR (CDCl) δ 7.89 (d, J = 16.1 Hz, 1H), 7.07 (d, J = 2.9 Hz, 1H), 6.98 (d, J = 2.9 Hz, 1H), 6.54 (d, J = 16.1 Hz, 1H), 5.6 (s, 1H), 4.27 (q, J = 7.2 Hz, 2H), 3.77 (s, 3H), 1.35 (t, J = 7.2 Hz, 3H).
調製2
8−ブロモ−6−ヒドロキシ−クロメン−2−オン (3)
Figure 2008516949
冷却器を取り付け、5M NaOHトラップと接続した12L3つ口フラスコに、調製物1(111g、368.60mmol)及びジクロロエタン(6L)を入れる。BBr(387.87g、146.36mL、1.55mol)を滴下漏斗から加える。60℃に加熱し、終夜撹拌する。0℃に冷却し、溶液が均一になるまでMeOHを注意深く加える。室温まで加温し、減圧下濃縮する。CHClを加えると、黒色の溶液及び暗褐色の固体が得られる。固体をろ取し、ろ液を減圧下濃縮すると、ろ液から32.1gの暗褐色の固体、及びろ過により除去することができる53.2gの暗紫色の固体が得られる。ろ液から最初に得られる固体は、出発物質が加水分解した酸である。最初にろ取する2番目の固体が目的生成物である。32gの固体を再度反応させる。粗生成物をひとまとめにし、EtOAcを加え、ろ過後洗浄し、減圧乾燥すると、55.6gの紫色の固体が得られる。ろ液を濃縮し、EtO中で粉砕後、ろ過し乾燥すると、さらに11.3gの暗褐色固体が得られる。2度の回収分からの調製物2の全収率は66.9g(75%)である。NMR (DMSO−d) δ 10.2 (bds, 1H), 7.95 (d, J = 9.3 Hz, 1H), 7.26 (d, J = 2.6 Hz, 1H), 7.04 (d, J = 3.1 Hz, 1H), 6.47 (d, J = 9.7 Hz, 1H); LRMS (ES−) 238.9 (M−1).
調製3
6−ベンジルオキシ−8−ブロモ−クロメン−2−オン (3a)
Figure 2008516949
調製物2(66.5g、275.89mmol)を1.5Lの乾燥DMFに溶解する。細か粉末(325メッシュ)にしたKCO(91.56g、662.13mmol)、次いで臭化ベンジル(56.63g、331.07mmol)を加える。室温で終夜素早く撹拌する。2LのEtOAcを加え、HO(1×2L)、10%LiCl(3回。合計4L)、及び飽和食塩水で洗浄する。NaSO上で乾燥し、ろ過後減圧下濃縮すると褐色の固体が得られる。固体を加熱したEtOAc(2L)中に溶解し、不溶性の褐色固体をろ取後、ヘキサン(約500mL)を加え、一晩かけてゆっくりと冷却する。生成した褐色固体をろ取する。この操作により、50.3gの暗褐色固体が得られる。2度目の沈殿がろ液から突然析出する。これにより8.1gの褐色固体が得られる。ろ液を約500mLに濃縮し、シリカゲル充填材(1kg、溶離液1:1EtOAc/ヘキサン)の上に注ぐと、さらに14.9gのより暗褐色の固体が得られる。合計で73.3g(80%)の調製物3が得られる。NMR (DMSO−d) δ 7.96 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 7.58 (d, J = 2.6 Hz, 1H), 7.45−7.32 (m, 6H), 6.53 (d, J = 9.7 Hz, 1H), 5.15 (s, 2H).
調製4
6−ベンジルオキシ−2−オキソ−2H−クロメン−8−カルボン酸メチルエステル (4)
Figure 2008516949
耐圧フラスコに調製物3(33g、99.65mmol)、Pd(OAc)(2.24g、9.96mmol)、dppf(6.63g、11.96mmol)、及びNaHCO(10.5g、119.58mmol)を入れる。N置換し、MeOH(525mL)、次いでDMSO(350mL)を加え、再度N置換した後に、30psiでCO置換する。80℃に加熱し、圧力を30psiに保つ。24時間撹拌すると、化合物はゆっくりと溶液に溶解する。冷却後終夜撹拌する。結晶が生成する。結晶をろ取し、EtOAcで洗浄後、ろ液をひとまとめにしてMeOHの大部分を除去し、EtOAcで希釈後、水、及び飽和食塩水で3回洗浄後、NaSO上で乾燥し、ろ過後濃縮して、結晶とひとまとめにする。暗褐色固体をシリカゲル充填材(1kg、1:1EtOAc/ヘキサンで溶離)に通すと、橙色固体が得られる。CHCl/ヘキサンから(数度にわたり)再結晶すると、23.1g(75%)の調製物4が得られる。NMR (DMSO−d) δ 8.01 (d, J = 9.7 Hz, 1H), 7.6 (m, 2H), 7.46 (m, 2H), 7.4 − 7.35 (m, 2H), 7.34 (m, 1H), 6.55 (d, J = 9.7 Hz, 1H), 5.18 (s, 2H), 3.88 (s, 3H); LRMS (ES+) 311.04 (M+1).
調製5
8−ブロモ−6−メトキシメトキシ−2−オキソ−2H−クロメン (3b)
Figure 2008516949
BBr(0.75mL、8mmol)を、20mLのジクロロメタンに溶解した調製物3(662mg、2.0mmol)に0℃で加える。15分間撹拌する。8mLのメタノールを加えた後濃縮する。6gのシリカゲルに吸着させ、フラッシュクロマトグラフィー(40g、10〜50%A/B、A=10%MeOHを含むEtOAc、B=ヘキサン)で精製すると、476mgの8−ブロモ−6−ヒドロキシ−クロメン−2−オン(3)が得られる。8−ブロモ−6−ヒドロキシ−クロメン−2−オン(476mg、1.97mmol)及びKCO(660mg、4.77mmol)を10mLのDMFに溶解した溶液にクロロメチルメチルエーテル(0.18mL)を加える。溶液を終夜撹拌し、さらに0.09mLのクロロメチルメチルエーテルを加え、2時間撹拌後EtOAcで希釈し、水、水:飽和食塩水の1:1混合物、飽和食塩水で洗浄後、乾燥し(NaSO)、ろ過後濃縮すると、524mg(1.84mmol、93%)の調製物5が得られる。H NMR (400 MHz, CDCl) δ7.63 (d, 1H, J = 9.2 Hz), 7.50 (d, 1H, J = 2.6 Hz), 7.12 (d, 1H, J = 2.6 Hz), 6.46 (d, 1H, J = 9.7 Hz), 5.20 (s, 2H), 3.50 (s, 3H).
調製6
8−ベンジルオキシ−2−メチレン−4−オキソ−1,2,3,3a,4,9b−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]クロメン−6−カルボン酸メチルエステル (5)
Figure 2008516949
調製物4(198mg、0.64mmol)及びPd(OAc)(17mg、0.076mmol)を4mLのTHFに溶解した溶液に、2−(アセトキシメチル)アリル−トリメチルシラン(0.163mL、0.122mmol)、次いでトリイソプロピルホスファイト(0.12mL、0.49mmol)を加える。60℃で終夜撹拌後、溶液を室温まで冷却し、減圧下で濃縮後、EtOAcで希釈する。溶液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、及び飽和食塩水で洗浄する。NaSO上で乾燥後、ろ過、濃縮すると油状物が得られる。この物質をシリカゲルクロマトグラフィー(10g、10〜30%EtOAc/ヘキサン、流速35mL/分で30分間)で精製すると、80mg(0.208mmol、63%)の調製物6と、30mgの回収された出発物質(0.091mmol、27%)が得られる。H NMR (400 MHz, CDCl) δ7.48−7.36 (m, 6H), 7.01 (d, 1H, J = 3.1 Hz), 5.10 (s, 2H), 5.01 (m, 2H), 3.97 (s, 3H), 3.43 (dt, 1H, J = 7.5, 3.1 Hz), 3.21−3.10 (m, 2H), 2.86−2.74 (m, 2H), 2.43 (m, 1H).
調製7
8−ベンジルオキシ−4−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−2−メチレン−1,2,3,9b−テトラヒドロ−シクロペンタ[c]クロメン−6−カルボン酸メチルエステル (6)
Figure 2008516949
p−ベンジルオキシブロモベンゼン(2.17g、8.25mmol)を82mLのTHFに溶解した溶液に、−78℃でt−BuLi(9.7mLの1.7Mペンタン溶液、8.25mmol)、次いですぐにZnCl(8.25mLの1Mエーテル溶液、8.25mmol)を加えた。溶液を0℃に昇温し、後述する方法により調製されるエノールトリフラートが準備できるまで放置する。
調製物6(2.0g、5.49mmol)を55mLのTHFに溶解した溶液を−78℃に冷却する。LiHMDS(6.6mLの1Mヘキサン溶液、6.6mmol)を加える。45分間撹拌する。カニューレを通してN−(5−クロロ−2−ピリジル)トリフリミド(2.5g、6.6mmol)を5mLのTHFに溶解した溶液を加える。0℃に昇温し、2時間撹拌する。溶液をEtOAcで希釈後、1M HClで2度、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄し、NaSO上で乾燥後、ろ過、濃縮する。上述のエノールトリフラート及びPd(PPh(634mg、0.55mmol)に、カニューレを通して上述のアリール亜鉛の溶液を加える。溶液を60℃で1時間加熱する。溶液をEtOAcで希釈後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄し、NaSO上で乾燥後、ろ過、濃縮する。シリカゲルクロマトグラフィー(バイオタージ社40Lカラム、30〜80%CHCl/ヘキサン、流速50mL/分で60分間)で精製すると、1.13g(2.13mmol、39%)の調製物7が得られる。H NMR (400 MHz, CDCl) δ7.76−7.72 (m, 2H), 7.50−7.35 (m, 11H), 7.09−7.06 (m, 2H), 6.97 (dd, 1H, J = 1.3, 3.1 Hz), 5.15 (s, 2H), 5.10 (s, 2H), 5.11−5.02 (m, 2H), 4.00 (s, 3H), 3.95 (m, 1H), 3.54 (m, 1H), 3.40 (m, 1H), 3.12 (m, 1H), 2.50 (m, 1H).
調製8
8−ベンジルオキシ−4−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−2−メチレン−1,2,3,3a,4,9b−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]クロメン−6−カルボン酸メチルエステル (7)
Figure 2008516949
カニューレを通して、調製物7(1.10g、2.07mmol)を10mLのCHClに溶解した溶液を、TFA(780mg、6.84mmol)及びEtSiH(3.3mL、20.7mmol)を20mLのCHClに溶解した溶液に0℃で加える。5分間撹拌後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液でクエンチする。有機溶液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で2度洗浄し、NaSO上で乾燥後、ろ過、濃縮する。シリカゲルクロマトグラフィー(バイオタージ社40Lカラム、50〜100%CHCl/ヘキサン、流速50mL/分で60分間)で精製すると、800mg(1.50mmol、73%)の調製物8が得られる。H NMR (400 MHz, CDCl) 7.52−7.34 (m, 13H), 7.08−7.03 (m, 2H), 7.01 (d, 1H, J = 3.1 Hz), 5.21 (d, 1H, J = 1.8 Hz), 5.13 (s, 2H), 5.07 (s, 2H), 4.79−4.75 (m, 2H), 3.93 (s, 3H), 3.62 (d, 1H, J = 7.5 Hz), 2.98−2.84 (m, 2H), 2.60 (d, 1H, J = 16.3 Hz), 2.37 (m, 1H), 2.12 (d, 1H, J = 17.1 Hz).
調製9
8−ベンジルオキシ−4−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−6−メトキシメチル−2−メチレン−1,2,3,3a,4,9b−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]クロメン (8)
Figure 2008516949
LAH(7.15mLの1M THF溶液、7.15mmol)を、調製物8(763mg、1.43mmol)を8mLのTHFに溶解した溶液に0℃で加える。溶液を2時間撹拌後、10mLの飽和塩化アンモニウム水溶液及び5mLの1M NaOH水溶液でクエンチする。EtOAcで希釈し、30分間撹拌する。分液し、水層をEtOAcで2回抽出する。有機溶液をひとまとめにし、飽和食塩水で洗浄し、NaSO上で乾燥後、ろ過、濃縮すると、719mgのアルコールが得られる。アルコール(698mg、1.38mmol)を14mLのTHFに溶解した溶液に、0℃で水素化ナトリウム(60%油中分散物を110mg、2.75mmol)を加える。溶液を30分間撹拌後、ヨウ化メチル(0.17mL、2.73mmol)を加える。冷却浴を取り除き、2時間撹拌する。0℃に冷却し、飽和塩化アンモニウム水溶液でクエンチし、EtOAcで希釈後、1/2飽和食塩水、飽和食塩水で洗浄し、NaSO上で乾燥後、ろ過、濃縮する。シリカゲルクロマトグラフィー(40g、10〜25%EtOAc/ヘキサン、流速35mL/分で45分間)で精製すると、611mg(1.18mmol、85%)の調製物9が得られる。H NMR (400 MHz, CDCl) δ7.51−7.33 (m, 12H), 7.07−7.03 (m, 2H), 6.97 (d, 1H, J = 3.1 Hz), 6.76 (d, 1H, J = 3.1 Hz), 5.15 (d, 1H, J = 1.8 Hz), 5.13 (s, 2H), 5.07 (s, 2H), 4.80−4.72 (m, 2H), 4.60 (s, 2H), 3.60 (t, 1H, J = 7.5 Hz), 3.47 (s, 3H), 2.93 (m, 1H), 2.77 (m, 1H), 2.64 (d, 1H, J = 16.3 Hz), 2.39 (m, 1H), 2.09 (dd, 1H, J = 7.9, 15.8 Hz).
調製10
8−ベンジルオキシ−4−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−6−メトキシメチル−1,3a,4,9b−テトラヒドロ−3H−シクロペンタ[c]クロメン−2−オン (9)
Figure 2008516949
四酸化オスミウム(0.73mLの2.5重量% t−BuOH溶液、0.058mmol)を、調製物9(598mg、1.15mmol)、N−メチルモルホリン(0.13mL、1.18mmol)、及びN−メチルモルホリン−N−オキシド(270mg、2.30mmol)を10mLのTHF及び5mLの水に溶解した溶液に加える。終夜撹拌後、5mLのTHF、5mLの水、及び過ヨウ素酸ナトリウム(1.2g、5.61mmol)を加える。4時間撹拌する。飽和NaSO水溶液及び飽和NaHCO水溶液の1:1混合溶液でクエンチする。その後30分間撹拌する。水層をEtOAcで2回抽出する。ひとまとめにした有機溶液を、飽和NaSO水溶液及び飽和NaHCO水溶液の1:1混合溶液、飽和食塩水で洗浄し、NaSO上で乾燥後、ろ過、濃縮する。シリカゲルクロマトグラフィー(40g、10〜30%A/B、A=EtOAc、B=10%CHClを含むヘキサン)で精製すると、508mg(0.976mmol、85%)の調製物10が得られる。H NMR (400 MHz, CDCl) 7.50−7.34 (m, 12H), 7.06−7.03 (m, 2H), 7.02 (d, 1H, J = 2.6 Hz), 6.71 (d, 1H, J = 2.6 Hz), 5.17 (d, 1H, J = 1.8 Hz), 5.13 (s, 2H), 5.06 (s, 2H), 4.60 (s, 2H), 3.91 (t, 1H, J = 7.9 Hz), 3.47 (s, 3H), 2.99 (m, 1H), 2.81 (dd, 1H, J = 8.4, 18.5 Hz), 2.63 (d, 1H, J = 18.5 Hz), 2.32 (dd, 1H, J = 12.3, 18.5 Hz), 2.04 (dd, 1H, J = 7.9, 18.9 Hz).
調製12
6−ブロモ−8−メトキシメトキシ−2−メチレン−2,3,3a,9b−テトラヒドロ−1H−シクロペンタ[c]クロメン−4−オン (11)
Figure 2008516949
調製12は、調製6と同様の手順で、調製5から調製される。H NMR (400 MHz, CDCl) δ7.19 (d, 1H, J = 3.0 Hz), 6.82 (d, 1H, J = 3.0 Hz), 5.11 (d, 1H, J = 7.0 Hz), 5.09 (d, 1H, J = 6.6 Hz), 4.96−4.94 (m, 2H), 3.45 (s, 3H), 3.37 (dt, 1H, J = 9.7, 7.0 Hz), 3.14−3.02 (m, 2H), 2.81−2.68 (m, 2H), 2.36 (m, 1H).
調製13
6−ブロモ−8−メトキシメトキシ−4−(4−メトキシメトキシ−フェニル)−2−メチレン−1,2,3,9b−テトラヒドロ−シクロペンタ[c]クロメン (12)
Figure 2008516949
調製13は、調製7と同様の手順で、調製12から調製される。H NMR (400 MHz, CDCl) δ7.64−7.60 (m, 2H), 7.15 (dd, 1H, J = 2.6, 0.9 Hz), 7.08−7.04 (m, 2H), 6.74 (dd, 1H, J = 2.6, 0.9 Hz), 5.19 (s, 2H), 5.11 (d, 1H, J = 10.0 Hz), 5.09 (d, 1H, J = 10.0 Hz), 5.02 (bs, 1H), 4.95 (bs, 1H), 3.91 (t, 1H, J = 10.1 Hz), 3.47 (s, 3H), 3.46 (s, 3H), 3.46 (m, 1H), 3.32 (m, 1H), 3.07 (dd, 1H, J = 6.6, 13.6 Hz), 2.44 (m, 1H).
調製14
6−ブロモ−8−メトキシメトキシ−4−(4−メトキシメトキシ−フェニル)−2−メチレン−1,2,3,3a,4,9b−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]クロメン (13)
Figure 2008516949
調製14は、調製8と同様の手順で、調製13から調製される。H NMR (400 MHz, CDCl) δ7.43−7.39 (m, 2H), 7.11 (dd, 1H, J = 2.6, 0.9 Hz), 7.06−7.03 (m, 2H), 6.80 (dd, 1H, J = 2.6, 0.9 Hz), 5.17 (s, 2H), 5.14 (d, 1H, J = 1.8 Hz), 5.08 (d, 1H, J = 10.5 Hz), 5.06 (d, 1H, J = 10.5 Hz), 4.75 (bs, 1H), 4.74 (bs, 1H), 3.56 (t, 1H, J = 7.5 Hz), 3.47 (s, 3H), 3.46 (s, 3H), 2.90 (m, 1H), 2.76 (m, 1H), 2.58 (d, 1H, J = 16.3 Hz), 2.28 (m, 1H), 2.06 (dd, 1H, J = 8.4, 16.7 Hz).
調製15
6−ブロモ−8−メトキシメトキシ−4−(4−メトキシメトキシ−フェニル)−1,3a,4,9b−テトラヒドロ−3H−シクロペンタ[c]クロメン−2−オン (14)
Figure 2008516949
調製15は、調製10と同様の手順で、調製14から調製される。H NMR (400 MHz, CDCl) δ7.41−7.37 (m, 2H), 7.16 (dd, 1H, J = 3.1, 0.9 Hz), 7.08−7.04 (m, 2H), 6.78 (dd, 1H, J = 3.1, 0.9 Hz), 5.18 (s, 1H), 5.17 (s, 2H), 5.07 (d, 1H, J = 10.1 Hz), 5.06 (d, 1H, J = 10.1 Hz), 3.87 (t, 1H, J = 7.0 Hz), 3.47 (s, 3H), 3.45 (s, 3H), 3.00 (m, 1H), 2.79 (ddd, 1H, J = 1.3, 8.4, 18.5 Hz), 2.58 (d, 1H, J = 18.5 Hz), 2.21 (dd, 1H, J = 11.0, 18.0 Hz), 2.01 (dd, 1H, J = 7.9, 18.5 Hz).
調製16
6−ブロモ−2,2−ジフルオロ−8−メトキシメトキシ−4−(4−メトキシメトキシ−フェニル)−1,2,3,3a,4,9b−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]クロメン (15)
Figure 2008516949
調製物15(465mg、1.0mmol)を3mLの(ジエチルアミノ)硫黄(IV)トリフルオリド及び3mLのジクロロエタンに溶解した溶液を、16×150mmの細菌培養管に入れ、40℃で終夜撹拌する。溶液を、塩化メチレン:飽和炭酸水素ナトリウム水溶液の1:1混合物に撹拌しながら加え、クエンチする。分液し、有機溶液を、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄し、NaSO上で乾燥後、ろ過、濃縮する。得られた物質を、4gのシリカゲルに吸着し、シリカゲルクロマトグラフィー(40g、0〜20%A/B、A=EtOAc、B=10%CHClを含むヘキサン)で精製すると、420mg(0.86mmol、86%)の調製物16が得られる。H NMR (400 MHz, CDCl) δ7.43−7.39 (m, 2H), 7.17 (dd, 1H, J = 2.6, 0.9 Hz), 7.10−7.16 (m, 2H), 6.77 (dd, 1H, J = 2.6, 0.9 Hz), 5.19 (s, 2H), 5.11 (d, 1H, J = 9.7 Hz), 5.09 (d, 1H, J = 9.2 Hz), 5.06 (bs, 1H), 3.68 (dt, 1H, J = 3.0, 8.8 Hz), 2.95 (ddt, 1H, J = 2.6, 15.4, 7.9 Hz), 2.75 (m, 1H), 2.30 (dq, 1H, J = 3.1, 15.4 Hz), 2.10 (m, 1H), 1.89 (m, 1H).
調製17
2,2−ジフルオロ−8−メトキシメトキシ−4−(4−メトキシメトキシ−フェニル)−1,2,3,3a,4,9b−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]クロメン−6−カルボニトリル (16)
Figure 2008516949
調製物16(24mg、0.05mmol)、ヨウ化銅(I)(7mg、0.037mmol)、シアン化銅(36mg、0.73mmol)、及びPd(PPh(21mg、0.018mmol)を入れた4mLのバイアルに、0.5mLのプロピオニトリルを加える。溶液を窒素で5分間バブリングした後、密封して、撹拌しながら終夜90℃に加熱する。溶液をEtOAcで希釈し、水、飽和食塩水で洗浄し、NaSO上で乾燥後、ろ過、濃縮する。得られた物質を、500mgのシリカゲルに吸着し、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(4g、0〜20%A/B、A=EtOAc、B=10%CHClを含むヘキサン)で精製すると、17mg(0.034mmol、79%)の調製物17が得られる。H NMR (400 MHz, CDCl) δ7.37−7.33 (m, 2H), 7.14 (dd, 1H, J = 0.9, 3.1 Hz), 7.07−7.03 (m, 2H), 7.02 (dd, 1H, J = 0.9, 3.1 Hz), 5.17 (s, 2H), 5.11 (bs, 1H), 5.10 (d, 1H, J = 8.4 Hz), 5.08 (d, 1H, J = 8.4 Hz), 3.65 (t, 1H, J = 7.0 Hz), 2.95 (ddt, 1H, J = 2.2, 7.5, 14.9 Hz), 2.73 (m, 1H), 2.30 (m, 1H), 2.06 (m, 1H), 1.91 (m, 1H).
調製18
2,2−ジフルオロ−8−メトキシメトキシ−4−(4−メトキシメトキシ−フェニル)−6−ビニル−1,2,3,3a,4,9b−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]クロメン (17)
Figure 2008516949
0.45mLのトルエン、0.1mLの無水エタノール、及びビニルボロン酸ジブチルエステル(0.030mL、0.136mmol)を、調製物16(30mg、0.062mmol)及びPd(PPh(7mg、0.0061mmol)を入れた4mLバイアルに加える。溶液を窒素で5分間バブリングした後、密封して、撹拌しながら終夜80℃に加熱する。溶液をEtOAcで希釈し、飽和食塩水で洗浄する。水層をEtOAcで抽出する。ひとまとめにした有機溶液を飽和食塩水で洗浄し、NaSO上で乾燥後、ろ過、濃縮する。得られた物質を、500mgのシリカゲルに吸着し、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(4g、0〜20%A/B、A=EtOAc、B=10%CHClを含むヘキサン)で精製すると、12mg(0.028mmol、45%)の調製物18が得られる。H NMR (400 MHz, CDCl) δ7.38−7.33 (m, 2H), 7.14−7.05 (m, 4H), 6.74 (d, 1H, J = 2.6 Hz), 5.77 (dd, 1H, J = 1.3, 18.1 Hz), 5.28 (dd, 1H, J = 1.3, 12.3 Hz), 5.20 (s, 2H), 5.15 (d, 1H, J = 10.1 Hz), 5.13 (d, 1H, J = 9.7 Hz), 5.02 (bs, 1H), 3.67 (dt, 1H, J = 3.1, 11.0 Hz), 3.50 (s, 1H), 2.89 (m, 1H), 2.74 (m, 1H), 2.30 (m, 1H), 2.17 (m, 1H), 1.86 (m, 1H).
調製19
2,2−ジフルオロ−8−メトキシメトキシ−4−(4−メトキシメトキシ−フェニル)−1,2,3,3a,4,9b−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]クロメン−6−オール (18)
Figure 2008516949
調製物16(49mg、0.10mmol)を1mLのTHFに溶解した溶液に、−78℃でメチルリチウム(0.032mLの1.6M EtO溶液、0.05mmol)、次いでn−ブチルリチウム(0.126mLの1.6M ヘキサン溶液、0.20mmol)を加える。溶液を10分間撹拌後、ホウ酸トリイソプロピル(0.070mL、0.30mmol)を加える。溶液を15分間撹拌後、0.1mLの酢酸、次いで0.1mLの過酸化水素を加える。溶液を終夜撹拌する。溶液をEtOAcで希釈し、飽和食塩水、1:1飽和食塩水:飽和亜硫酸ナトリウム水溶液、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄し、NaSO上で乾燥後、ろ過、濃縮する。得られた物質を、1.0gのシリカゲルに吸着し、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(10g、0〜20%A/B、A=EtOAc、B=10%CHClを含むヘキサン)で精製すると、38mg(0.090mmol、90%)の調製物19が得られる。H NMR (400 MHz, CDCl) δ7.33−7.29 (m, 2H), 7.10−7.06 (m, 2H), 6.58 (d, 1H, J = 2.6 Hz), 6.35 (d, 1H, J = 2.6 Hz), 5.68 (s, 1H), 5.20 (s, 2H), 5.11 (d, 1H, J = 12.8 Hz), 5.09 (d, 1H, J = 12.8 Hz), 5.04 (bs, 1H), 3.64 (dt, 1H, J = 2.6, 10.0 Hz), 3.50 (s, 3H), 3.48 (s, 3H), 2.84 (ddt, 1H, J = 2.2, 12.3, 7.5 Hz), 2.73 (m, 1H), 2.35 (m, 1H), 2.19 (m, 1H), 1.90 (dt, 1H, J = 7.5 14.5 Hz).
調製20
[2,2−ジフルオロ−8−メトキシメトキシ−4−(4−メトキシメトキシ−フェニル)−1,2,3,3a,4,9b−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]クロメン−6−イル]−メタノール (19)
Figure 2008516949
調製物16(97mg、0.20mmol)を2mLのTHFに溶解した溶液に、−78℃でメチルリチウム(0.062mLの1.6M EtO溶液、0.10mmol)、次いでn−ブチルリチウム(0.25mLの1.6M ヘキサン溶液、0.40mmol)を加える。溶液を15分間撹拌後、DMF(0.077mL、1.0mmol)を加える。溶液を30分間撹拌後、飽和塩化アンモニウム水溶液で反応をクエンチする。溶液を室温まで昇温させ、分液後、水層をEtOAcで抽出する。ひとまとめにした有機溶液を、1/2飽和食塩水、飽和食塩水で洗浄し、NaSO上で乾燥後、ろ過、濃縮する。この物質を1mLのTHF及び1mLのメタノールに溶解する。水素化ホウ素ナトリウム(35mg、0.93mmol)を加える。溶液を30分間撹拌後、飽和塩化アンモニウム水溶液で反応をクエンチする。溶液をEtOAcで希釈し、飽和食塩水で洗浄し、NaSO上で乾燥後、ろ過、濃縮する。得られた物質を、シリカゲルに吸着し、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(10g、0〜30%A/B、A=EtOAc、B=10%CHClを含むヘキサン)で精製すると、68mg(0.16mmol、87%)の調製物20が得られる。H NMR (400 MHz, CDCl) δ7.32−7.27 (m, 2H), 7.03−7.07 (m, 2H), 6.91 (d, 1H, J = 2.6 Hz), 6.72 (d, 1H, J = 2.6 Hz), 5.17 (s, 2H), 5.11 (d, 1H, J = 10.5 Hz), 5.09 (d, 1H, J = 10.1 Hz), 5.03 (bs, 1H), 4.73 (dd, 1H, J = 6.6, 13.2 Hz), 4.68 (dd, 1H, J = 6.6, 13.2 Hz), 3.66 (dt, 1H, J = 3.5, 8.8 Hz), 3.47 (s, 3H), 3.46 (s, 3H), 2.86 (ddt, 1H, J = 2.2, 10.1, 7.5 Hz), 2.72 (m, 1H), 2.31 (m, 1H), 2.18 (t, 1H, J = 6.6 Hz), 2.13 (m, 1H), 1.86 (dt, 1H, J = 7.5, 14.5 Hz).
調製21
2,2−ジフルオロ−8−メトキシメトキシ−4−(4−メトキシメトキシ−フェニル)−6−メトキシメチル−1,2,3,3a,4,9b−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]クロメン (20)
Figure 2008516949
調製物20(411mg、0.94mmol)を10mLのTHFに溶解した溶液に、0℃で水素化ナトリウム(60%油中分散物を75mg、1.88mmol)を加える。溶液を15分間撹拌後、ヨウ化メチル(0.12mL、1.92mmol)を加える。溶液をゆっくり室温まで昇温させ、終夜撹拌する。さらに、水素化ナトリウム(60%油中分散物を75mg、1.88mmol及びヨウ化メチル(0.12mL、1.92mmol)を加え、4時間撹拌する。飽和塩化アンモニウム水溶液でクエンチし、EtOAcで希釈後、分液し、水層をEtOAcで抽出後、ひとまとめにした有機溶液を飽和食塩水で洗浄し、NaSO上で乾燥後、ろ過、濃縮する。シリカゲルクロマトグラフィー(バイオタージ社40Sカラム、混合比10:90:0〜10:65:25のCHCl:ヘキサン:EtOAc、流速50mL/分で60分間)で精製すると、384mg(0.85mmol、91%)の調製物21が得られる。H NMR (400 MHz, CDCl) δ7.34−7.29 (m, 2H), 7.07−7.03 (m, 2H), 6.97 (dd, 1H, J = 3.1 Hz), 6.71 (dd, 1H, J = 3.1 Hz), 5.17 (s, 2H), 5.12 (d, 1H, J = 6.6 Hz), 5.09 (d, 1H, J = 6.6 Hz), 4.99 (bs, 1H), 4.54 (d, 1H, J = 12.7 Hz), 4.50 (d, 1H, J = 12.7 Hz), 3.65 (dt, 1H, J = 3.1, 9.7 Hz), 3.48 (s, 3H), 3.46 (s, 3H), 3.42 (s, 3H), 2.86 (ddt, 1H, J = 2.6, 12.3, 7.9 Hz), 2.70 (m, 1H), 2.29 (m, 1H), 2.10 (m, 1H), 1.82 (dt, 1H, J = 7.9, 14.9 Hz).
調製22
2,2−ジフルオロ−8−メトキシメトキシ−4−(4−メトキシメトキシ−フェニル)−6−メチル−1,2,3,3a,4,9b−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]クロメン (20)
Figure 2008516949
調製物21(192mg、0.43mmol)を2mLのTHFに溶解した溶液に、2mLのiPrOH中に懸濁させた70mgの10% Pd/Cを加える。溶液を60psiで水素置換する。溶液を2時間撹拌する。溶液をろ過後濃縮する。シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(40g、0〜30%A/B、A=EtOAc、B=10%CHClを含むヘキサン)で精製すると、128mg(0.30mmol、71%)の調製物22が得られる。H NMR (400 MHz, CDCl) 7.39−7.34 (m, 2H), 7.09−7.05 (m, 2H), 6.75 (d, 1H, J = 3.1 Hz), 6.63 (d, 1H, J = 2.6 Hz), 5.20 (s, 2H), 5.12 (d, 1H, J = 6.6 Hz), 5.09 (d, 1H, J = 6.6 Hz), 5.00 (bs, 1H), 3.66 (dt, 1H, J = 3.5, 9.7 Hz), 3.50 (s, 3H), 3.49 (s, 3H), 2.89 (ddt, 1H, J = 2.6, 12.7, 7.9 Hz), 2.73 (m, 1H), 2.31 (m, 1H), 2.26 (s, 3H), 2.13 (m, 1H), 1.84 (dt, 1H, J = 7.0, 14.5 Hz).
実施例1
8−ヒドロキシ−4−(4−ヒドロキシ−フェニル)−6−メチル−1,3a,4,9b−テトラヒドロ−3H−シクロペンタ[c]クロメン−2−オン
Figure 2008516949
調製物10(57mg、0.11mmol)を1mLのTHFに溶解した溶液に、1mLのiPrOH中に懸濁させた20mgの10% Pd/Cを加える。室温で、溶液を水素で置換する。溶液を1時間撹拌する。溶液をろ過後濃縮する。この物質を500mgのシリカゲルに吸着させ、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(4g、30〜60%A/B、A=10%MeOHを含むEtOAc、B=ヘキサン)で精製すると、実施例1の化合物が得られる。HRMS calc. for C1919: 311.1283; found: 311.1263 (M+H).
実施例2
8−ヒドロキシ−4−(4−ヒドロキシ−フェニル)−6−メトキシメチル−1,3a,4,9b−テトラヒドロ−3H−シクロペンタ[c]クロメン−2−オン
Figure 2008516949
調製物10(26mg、0.05mmol)を0.5mLのTHFに溶解した溶液に、0.5mLのiPrOH中に懸濁させた6mgの10% Pd/Cを加える。室温で、溶液を水素で置換する。溶液を4時間撹拌する。反応を注意深くTLCで追跡し、還元が進みすぎるのを避ける。溶液をろ過後濃縮する。この物質を500mgのシリカゲルに吸着させ、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(4g、30〜60%A/B、A=10%MeOHを含むEtOAc、B=ヘキサン)で精製すると、実施例2の化合物が得られる。HRMS calc. for C2020Na: 363.1209; found: 363.1245 (M+Na).
実施例3
2,2−ジフルオロ−4−(4−ヒドロキシ−フェニル)−6−メチル−1,2,3,3a,4,9b−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]クロメン−8−オール
Figure 2008516949
実施例3は、実施例5と同様の手順で、調製22から調製する。2つの鏡像異性体は、キラル分取HPLC(Chiralpak AD、iPrOH/ヘプタン)で分離した。
鏡像異性体A: H NMR (400 MHz, MeOD): 7.24−7.28 (m, 2H), 6.76−6.80 (m, 2H), 6.46 (d, 1H, J = 2.6 Hz), 6.38 (d, 1H, J = 2.6 Hz), 4.90 (bs, 1H), 3.60 (t, 1H, J = 7.5 Hz), 2.88 (m, 1H), 2.66 (m, 1H), 2.22 (m, 1H), 2.17 (s, 3H), 2.02 (m, 1H), 1.72 (m, 1H). HPLC (Chiralpak AD, 60/40 ヘプタン/i−PrOH; 1mL/min; t = 4.0 min). LRMS: 331.2 (M−H).
鏡像異性体B: H NMR (400 MHz, MeOD): δ 7.24−7.28 (m, 2H), 6.76−6.80 (m, 2H), 6.46 (d, 1H, J = 3.1 Hz), 6.38 (d, 1H, J = 3.1 Hz), 4.90 (bs, 1H), 3.60 (t, 1H, J = 6.2 Hz), 2.88 (ddt, 1H, J = 2.2, 11.8, 7.5 Hz), 2.66 (m, 1H), 2.22 (m, 1H), 2.17 (s, 3H), 2.02 (m, 1H), 1.72 (m, 1H). HPLC (Chiralpak AD, 60/40 ヘプタン/i−PrOH; 1mL/min; t = 5.1 min). LRMS: 331.2 (M−H).
実施例4
2,2−ジフルオロ−4−(4−ヒドロキシ−フェニル)−6−メトキシメチル−1,2,3,3a,4,9b−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]クロメン−8−オール
Figure 2008516949
実施例4は、実施例5と同様の手順で、調製21から調製する。2つの鏡像異性体は、キラル分取HPLC(Chiralpak AD、iPrOH/ヘプタン)で分離した。
鏡像異性体A: H NMR (400 MHz, MeOD): 7.23−7.27 (m, 2H), 6.76−6.80 (m, 2H), 6.66 (d, 1H, J = 2.6 Hz), 6.52 (d, 1H, J = 3.1 Hz), 4.94 (bs, 1H), 4.50 (d, 1H, J = 11.9 Hz), 4.45 (d, 1H, J = 12.3 Hz), 3.62 (t, 1H, J = 8.4 Hz), 3.37 (s, 3H), 2.89 (m, 1H), 2.68 (m, 1H), 2.24 (m, 1H), 2.05 (m, 1H), 1.73 (m, 1H). HPLC (Chiralpak AD, 60/40 ヘプタン/i−PrOH; 1mL/min; t = 3.8 min). LRMS: 361.12 (M−H).
鏡像異性体B: H NMR (400 MHz, MeOD): 7.23−7.27 (m, 2H), 6.76−6.80 (m, 2H), 6.66 (d, 1H, J = 2.2 Hz), 6.52 (d, 1H, J = 2.6 Hz), 4.94 (bs, 1H), 4.50 (d, 1H, J = 12.3 Hz), 4.45 (d, 1H, J = 11.9 Hz), 3.62 (t, 1H, J = 8.8 Hz), 3.37 (s, 3H), 2.89 (m, 1H), 2.68 (m, 1H), 2.24 (m, 1H), 2.05 (m, 1H), 1.73 (m, 1H). HPLC (Chiralpak AD, 60/40 ヘプタン/i−PrOH; 1mL/min; t = 5.5 min). LRMS: 361.13 (M−H).
実施例5
8−ヒドロキシ−4−(4−ヒドロキシ−フェニル)−6−メトキシメチル−1,3a,4,9b−テトラヒドロ−3H−シクロペンタ[c]クロメン−2−オン
Figure 2008516949
調製物15(25mg、0.054mmol)を0.5mLのTHFに溶解した溶液に、0.25mLの5M HCl水溶液を加える。溶液を終夜撹拌する。EtOAcで希釈し、溶解度を増大させるために少量のMeOHを加え、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄する。水層を、5%MeOHを含むEtOAcで抽出する。ひとまとめにした有機溶液をNaSO上で乾燥後、ろ過、濃縮する。この物質を500mgのシリカゲルに吸着させ、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(4g、30〜60%A/B、A=10%MeOHを含むEtOAc、B=ヘキサン)で精製すると、実施例5の化合物が得られる。HRMS calc. for C1814BrO: 375.0055; found: 375.0032 (M−H).
実施例6
6−ブロモ−2,2−ジフルオロ−4−(4−ヒドロキシ−フェニル)−1,2,3,3a,4,9b−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]クロメン−8−オール
Figure 2008516949
実施例6は、実施例5と同様の手順で、調製16から調製する。HRMS calc. for C1814BrF: 395.0095; found: 395.0107 (M−H).
実施例7
2,2−ジフルオロ−8−ヒドロキシ−4−(4−ヒドロキシ−フェニル)−1,2,3,3a,4,9b−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]クロメン−6−カルボニトリル
Figure 2008516949
実施例7は、実施例5と同様の手順で、調製17から調製する。HRMS calc. for C1914NO: 342.0942; found: 342.0946 (M−H).
実施例8
2,2−ジフルオロ−4−(4−ヒドロキシ−フェニル)−6−ビニル−1,2,3,3a,4,9b−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]クロメン−8−オール
Figure 2008516949
実施例8は、実施例5と同様の手順で、調製18から調製する。HRMS calc. for C2019: 345.1302; found: 345.1325 (M+1)
実施例9
2,2−ジフルオロ−4−(4−ヒドロキシ−フェニル)−1,2,3,3a,4,9b−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]クロメン−6,8−ジオール
Figure 2008516949
調製物19を2mLのメタノールに溶解した溶液に、500mgのDowex(登録商標)50WX−200酸性イオン交換樹脂を加える。溶液をゆっくり終夜撹拌する。溶液をろ過後、樹脂をメタノールで洗浄する。ひとまとめにしたろ液を濃縮後、得られる物質をシリカゲルに吸着させる。シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(4g、15〜70%A/B、A=10%MeOHを含むEtOAc、B=ヘキサン)で精製すると、実施例9の化合物が得られる。HRMS calc. for C1817: 335.1095; found: 335.1114 (M+H).
実施例10
[2,2−ジフルオロ−8−ヒドロキシ−4−(4−ヒドロキシ−フェニル)−1,2,3,3a,4,9b−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]クロメン−6−イル]−アセトニトリル
Figure 2008516949
調製物20(58mg、0.132mmol)、及びトリフェニルホスフィン(175mg、0.67mmol)、及びアセトンシアノヒドリン(0.125mL、1.37mmol)を1mLのTHFに溶解した溶液に、0℃で、アゾジカルボン酸ジイソプロピル(0.13mL、0.66mmol)をシリンジから滴下する。溶液を一晩かけてゆっくり室温に昇温させる。溶液を濃縮し、得られる物質をシリカゲルに吸着させ、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(10g、0〜30%A/B、A=EtOAc、B=10%CHClを含むヘキサン)で精製する。得られる物質を2mLのTHFに溶解し、1mLの5M HCl水溶液を加える。溶液を終夜撹拌する。EtOAcで希釈し、溶解度を増大させるために少量のMeOHを加え、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄し、NaSO上で乾燥後、ろ過、濃縮する。この物質をシリカゲルに吸着させ、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(4g、10〜60%A/B、A=10%MeOHを含むEtOAc、B=ヘキサン)で精製すると、実施例10の化合物が得られる。HRMS calc. for C2017NNaO: 380.1074; found: 380.1060 (M+Na).
実施例11
2,2−ジフルオロ−4−(4−ヒドロキシ−フェニル)−6−ヒドロキシメチル−1,2,3,3a,4,9b−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]クロメン−8−オール
Figure 2008516949
試験手順
ER結合アッセイ
50mM N−[2−ヒドロキシエチル]ピペラジン−N’−[2−エタンスルホン酸(Hepes)pH7.5、1.5mM EDTA、150mM NaCl、10%グリセロール、1mg/mLオボアルブミン、5mM DTT、0.025μCi/ウェルの3H−エストラジオール(NEN社、#NET517 118Ci/mmol、1mCi/mLにて)及び10ng/ウェルのER−α又はER−β受容体(PanVera社)を含む緩衝溶液中で、競合ER結合アッセイを行う。10種類の異なる濃度で競合化合物を加える。1μMのE2(17−βエストラジオール、Sigma社、セントルイス、ミズーリ州)の存在下、非特異的結合を決定する。結合反応物(140μL)を室温にて4時間インキュベートし、次いで、各反応物に70μLの冷デキストラン炭末(DCC)緩衝液を加える(DCC緩衝液は、アッセイ緩衝液50mL当たり、0.75gの活性炭[Sigma社]及び0.25gのデキストラン[Pharmacia社]を加えることによって調製する)。インキュベーションプレートをオービタル・シェーカーで4℃にて8分間混合し、次いで、3,000rpmで4℃にて10分間遠心分離する。混合物の120μLの画分を別の96ウェルの白色平底プレート(Costar社)に移し、175μLのWallac Optiphase Hisafe3シンチレーション液を各ウェルに加える。プレートに封をし、次いで、オービタル・シェーカーで激しく振とうする。2.5時間のインキュベーション後、Wallacマイクロベータ・カウンターでカウントする。10μMにおけるIC50及び阻害率(パーセント)を計算する。ER−α及びER−β受容体に対する飽和結合によって、H−エストラジオールのKを決定する。Cheng−Prusoffの式を用いて、化合物のIC50値をK値に変換し、飽和結合アッセイによって、K値を決定する。
好ましい化合物は、20nM以下のKで、ER−β受容体に結合する。より好ましい化合物は、1nM以下のKで、ER−β受容体に結合する。ER−α受容体に比べてER−β受容体に対して選択的である化合物は、ER−α受容体に対するKよりも低いKでER−β受容体に結合する。
上に述べたアッセイで決定されるように、実施例1〜11の化合物は、ER−αサブタイプに対して約4〜>1000nMの、ER−βサブタイプに対しては約0.3〜120nMの結合親和性(K)を有する。さらに、注目すべきことに、実施例4の化合物のエナンチオマーAは、91という選択性比(ER−αK/ER−βK)を示す。それに対して、国際公開第03/044006号パンフレットの実施例1における選択性比は8である。
ER受容体アッセイ
本発明の化合物のアゴニスト活性は、Harris, H. A.; Katzenellenbogen, J. A.; Katzenellenbogen, B. S. Endocrinology, 143, p. 4172−4177 (2002)に記載されたアッセイからも決定できる。
LNCaPヒトPCa異種移植アッセイ
ER−βアゴニストの評価は、正常な性的成熟を示す(5〜6週齢)Hsd:無胸腺ヌード−nu(無胸腺ヌード)雄性マウスの体内で成長させる、アンドロゲン感受性LNCaPヒト前立腺ガン(PCa)異種移植片の成長における影響について行われる。正常な精巣を有する雄性マウスの気管前領域に、2.0×10個の腫瘍細胞を皮下経路によって左右相称に注入した。ポジティブコントロールグループとして役に立つように、陰嚢経路を介してマウスを去勢する。腫瘍注入の翌日から、1日1回皮下又は胃管栄養投与により、0.2mL容中、種々の投与レベルで、異種移植マウスに試験化合物を投与する。試験化合物は、平均グループ平均体重に基づいて、毎週、再製剤する。これらの実験のためのビヒクルは、0.25%Tween(登録商標)80を含む1%カルボキシメチルセルロース(CMC)である。体重及び腫瘍の測定値を週1回の頻度で記録し、電子キャリパー測定器から、JMP(登録商標)(SAS社;カリー、ノースカロライナ州)表計算ソフトに直接入力する。立方ミリメートル単位での腫瘍の体積は、次の式:L×W×H×0.5236を用いてJMPで計算する。個々のマウスについての腫瘍及び体重応答を週1回の頻度で記録する。LNCaP腫瘍体積が対数期増殖に入るとき、3〜4日毎に病変を測定する。対数腫瘍値のリニアモデリングを用いて成長速度を決定し、リニア外挿モデル(SAS;カリー、ノースカロライナ州)を用いて治療失敗(腫瘍体積=1300〜1500mm)までの時間を決定する。ヒト動物における使用を考慮するために、腫瘍体積が1200〜1400mmに至るときに、動物を屠殺する。剖検時に、最終腫瘍測定及び体重を記録し、心臓穿刺を介して全血を得、氷上で凝固させる。適当に標識した0.5mLエッペンドルフマイクロチューブに血清を移し、サンプルを−80℃にてバイオマーカー分析のために保管する。
良性前立腺過形成(BPH)アッセイ
マウスのBPHアッセイは、基本的に、以前報告された(Eur.J.Endocrinol.2004 Apr;150(4):591−603)ラットのBPH試験の修正法として行われる。30週齢CD−1雄性マウスを1頭ずつケージに入れ、1週間飼育し、ビヒクル又は様々な1日量の化合物を、1%カルボキシメチルセルロース(CMC)及び0.25%Tween(登録商標)80を含有するPBS、pH6.8の製剤として経口投与する。試験終了後、動物をCOにより屠殺し、心臓穿刺により血液を採取する。次いで、動物の剖検を行い、腹側前立腺、精嚢、及び/又は睾丸を無傷のまま採取し、各処理群間の臓器の湿重量の変化を測定する。ビヒクル対照群と比べた場合の、腹側前立腺重量の有意な減少を、Dunnet検定により確認する。これらの動物由来の血漿を用いてホルモンの変化を測定し、ビヒクル対照群と比較する。前立腺組織をRNAlater(商品名)溶液中で瞬間凍結し、RNeasyキット(Qiagen社)を用いて全RNAを得る。SPG−2に対する特異的Taqmanプライマー、又はクラスタリン、18SリボソームRNA(Applied Biosystems社、フォスターシティ、カリフォルニア州、カタログ番号4310893E)、及び平滑筋ミオシン重鎖(ラットのGenbank配列NM_013607から誘導)を、リアルタイムPCRを用いたこれらの前立腺組織におけるバイオマーカーの変化を定量するために用いる。
PCRプライマー:
マウスSGP−2 gi 192149 −61F CGCAGACCGGACTCCAGAT
マウスSGP−2 gi 192149 −121R CCACGCACAGCAGGAGAAT
マウスSGP−2 TaqManプローブ:
マウスSGP−2 gi 192149 −81T CCAAGGAGGCCACGCCATGAA
本発明において例示された化合物は、この検査におけるビヒクル対照群に比べ、腹側前立腺重量を有意に減少させるが、好ましい化合物は、10mg/kg/日以下の用量で前立腺重量を有意に減少させる。
治療への使用方法及び用量
本明細書において記載されている種々の疾患及び身体状態は、当業者には周知であり、認識されている。治療有効量の式Iの化合物を用いて、関連する疾患又は身体状態に罹患している患者を治療することによって、あるいは、それらの疾患又は身体状態に罹患している患者を予防的に処置することによって、当業者がそれらの疾患及び身体状態に影響を及ぼしうることも認識されている。
治療有効量は、従来技術を用いて、同様な状況下で得られた結果を観察することにより、当業者である担当診断医によって容易に決定することができる。治療有効量、用量の決定において、担当診断医によって考慮される多くの因子としては、哺乳類の種;大きさ、年齢及び全身の健康状態;関連する特定の疾患;疾患の程度又は関与又は重篤さ;個々の患者の応答;投与される特定の化合物;投与様式;投与される調製物のバイオアベイラビリティ特性;及び他の関連する事情等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
式Iの化合物の治療有効量は、体重1kg及び1日あたり約0.001mg(mg/kg/日)〜約100mg/kg/日で変動すると思われる。好ましい量は、当業者が決定することができる。
上述した疾患及び身体状態に罹患している患者の治療を達成するために、化合物を治療有効量において体内に吸収され利用可能にする、経口、吸入及び非経口経路等のいずれかの形態あるいは様式で、式Iの化合物を投与することができる。例えば、式Iの化合物を、経口、エアロゾル又は乾燥粉末の吸入、皮下、筋肉内、静脈内、経皮、鼻腔内、直腸、局所等で投与することができる。一般に、喘息等の呼吸器疾患の治療には、経口又は吸入投与が好ましい。製薬業者であれば、選択された化合物の特定の性質、治療の対象となる疾患又は身体状態、疾患又は身体状態の段階及び他の関連する事情に応じて、適切な投与形態及び様式を容易に選択することができる。(Remington’s Pharmaceutical Sciences、第18版、Mack Publishing Co.(1990))。
本発明の化合物は、単独で、あるいは医薬的に許容しうる担体又は賦形剤と組み合わせた医薬組成物の形態で投与することができ、その割合及び性質は、選択された化合物の溶解度及び化学的性質、選ばれた投与経路及び標準的医薬実務によって決定される。本発明の化合物は、それ自体有効であるが、安定性、結晶化の便宜、溶解度の増大等のために、酸付加塩又は塩基付加塩等の医薬的に許容しうる塩の形態で製剤及び投与してもよい。
式Iで示される化合物の医薬組成物は、製薬業界で周知の方法で製造される。担体又は賦形剤は、有効成分のためのビヒクル又は媒体として作用することができる固体、半固体又は液体材料であってよい。適当な担体又は賦形剤は、当業界で周知である。医薬組成物は、経口、吸入、非経口又は局所使用のために適合させることができ、錠剤、カプセル剤、エアロゾル、吸入剤、座剤、液剤、懸濁液剤などの剤形で患者に投与することができる。
本発明の化合物は、例えば、不活性希釈剤又は可食性の担体と共に経口投与することができる。本発明の化合物は、ゼラチンカプセルに封入してもよく、錠剤としてもよい。経口治療投与のために、化合物を賦形剤に組み入れてもよく、錠剤、トローチ剤、カプセル剤、エリキシル剤、懸濁製剤、シロップ剤、カシェ剤、チューインガム等の形態で用いることもできる。これらの製剤は、通常、有効成分として少なくとも4%の本発明の化合物を含んでいるが、特定の形態に応じて変化してよく、単位重量の4%〜約70%が都合がよい。組成物中に存在する化合物の量は、適当な用量が得られるような量である。当業者は、本発明に係る好ましい組成物及び製剤を決定することができる。
錠剤、丸剤、カプセル剤、トローチ剤等は、以下に示す1又は複数のアジュバントを含んでいてもよい:微結晶セルロース、トラガカントゴム又はゼラチン等の結合剤;デンプン又はラクトース等の賦形剤、アルギン酸、プリモゲル(Primogel)、コーンスターチ等の崩壊剤;ステアリン酸マグネシウム又はステロテックス(Sterotex)等の滑沢剤;コロイダルシリカ等の流動促進剤;及びスクロース若しくはサッカリン等の甘味剤又はペパーミント、サリチル酸メチル又はオレンジ香味料等の香味剤。単位投与剤形がカプセル剤である場合、上記のタイプの材料に加えて、ポリエチレングリコール又は脂肪油等の液体担体を含んでもよい。他の単位投与剤形は、コーティング剤等の投与単位の物理的形体を変更する他の種々の材料を含んでもよい。したがって、錠剤又は丸剤は、糖類、セラック又は他の腸溶性コーティング剤でコーティングすることができる。シロップ剤は、本発明の化合物に加えて、甘味料及び保存剤としてのスクロース、色素及び着色剤及び香味剤を含んでいてもよい。これらの種々の組成物を製造するのに用いた材料は、医薬的に純粋であり、使用した量において非毒性であるべきである。
非経口投与による治療のために、本発明の化合物は、溶液又は懸濁液として製剤されてもよい。これらの製剤は、少なくとも0.1%の本発明の化合物を含む必要があるが、それらの重量の0.1〜約50%の範囲で変化してもよい。このような組成物中に存在する式Iの化合物の量は、適当な用量が得られるような量である。当業者は、好ましい組成物及び製剤を決定することができる。
本発明の化合物は、エアロゾル又は乾燥粉末等の吸入によって投与してもよい。デリバリーは、液化ガス又は圧縮ガスによって、あるいは本発明の化合物又はその製剤を分注する適当なポンプシステムによって行ってもよい。吸入によって式Iの化合物を投与するための製剤は、単相、二相又は三相系でデリバリーすることができる。式Iの化合物のエアロゾルによる投与に、種々の系が有効である。乾燥粉末製剤は、適当な粒子径に式Iの化合物をペレット化又は粉末化するか、あるいはペレット化又は粉末化された式Iの化合物をラクトース等の適当な担体材料と混合することによって調製する。吸入によるデリバリーは、必要なコンテナ、アクティベーター、バルブ、サブコンテナ等を含む。吸入による投与のための好ましいエアロゾル及び乾燥粉末製剤は、当業者が決定することができる。
本発明の化合物は、局所投与することもでき、その場合、担体は、溶液、軟膏又はゲル基剤を適当に含む。たとえば、基剤は、以下に示す1又は複数の物質を含んでいてもよい:ワセリン、ラノリン、ポリエチレングリコール、蜜蝋、鉱物油、水、及びアルコール等の希釈剤、並びに乳化剤及び安定剤。局所製剤は、約0.1〜約10%w/v(単位体積あたりの重量)濃度の、式Iの化合物又はその薬理学的に許容できる塩を含むことができる。
溶液又は懸濁液は、以下に示す1又は複数のアジュバントを含んでいてもよい:注射用水、生理食塩水、不揮発性油、ポリエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール又は他の合成溶媒等の滅菌希釈剤;ベンジルアルコール又はメチルパラベン等の抗菌剤;アスコルビン酸又は亜硫酸水素ナトリウム等の抗酸化剤;エチレンジアミン四酢酸等のキレート剤;酢酸塩、クエン酸塩又はリン酸塩等の緩衝剤及び塩化ナトリウム又はデキストロースなどの張性の調節剤。非経口製剤は、ガラス又はプラスチック製の、アンプル、使い捨て注射器又は複数回投与バイアルに封入することができる。

Claims (29)

  1. 式Iの化合物及びその薬理学的に許容できる塩。
    Figure 2008516949
    式I
    (式中、Gは、−O−、−S(O)−、−CF−、−C(O)−、−CRH−、又は−CR(OH)−であり;
    Rは、ハロ、(C−C)アルキル、又はR−(CH−であり;
    は、フッ素、ヒドロキシル、シアノ、トリフルオロメチル、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)アルコキシ、(C−C)アルキルカルボニルオキシ、又はベンジルであり;
    は、トリフルオロメチル、又は(C−C)アルキルであり;
    は、シアノ、ヒドロキシル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルコキシ、又は(C−C)アルコキシルカルボニルであり;
    nは、0、1、又は2であり;
    mは、0、1、又は2である)
  2. Gは、−CF−、又は−C(O)−であり;
    Rは、ハロ、メチル、エチル、又はR−(CH−であり;
    は、シアノ、ヒドロキシル、ビニル、メトキシ、又はエトキシであり;
    mは、0又は1である請求項1記載の化合物及びその薬理学的に許容できる塩。
  3. Gは、−CF−であり;
    Rは、ハロ、メチル、エチル、又はR−(CH−であり;
    は、シアノ、ヒドロキシル、ビニル、メトキシ、又はエトキシであり;
    mは、0又は1である請求項1又は2記載の化合物及びその薬理学的に許容できる塩。
  4. Gは、−CF−、又は−C(O)−であり、
    Rは、ハロ、ヒドロキシル、シアノ、メチル、メトキシメチル、シアノメチル、ヒドロキシメチル、又はビニルである請求項1から3いずれか記載の化合物及びその薬理学的に許容できる塩。
  5. Gは、−CF−であり、
    Rは、メチル又はメトキシメチルである請求項1から4いずれか記載の化合物及びその薬理学的に許容できる塩。
  6. Figure 2008516949
    からなる群より選ばれる請求項1から5いずれか記載の化合物、並びに、その鏡像異性体及び薬理学的に許容できる塩。
  7. 請求項1から6いずれか記載の化合物又はその薬理学的に許容できる塩を、薬理学的に許容できる担体、希釈剤、又は賦形剤とともに含有する医薬組成物。
  8. 患者における夜間頻尿症、閉塞性尿路疾患、肥満、痴呆、高血圧、失調症、大腸癌、前立腺癌、不妊症、低下、白血病、炎症性腸疾患、関節炎または前立腺肥大症を治療する方法であって、前記患者に、有効量の請求項1から6いずれか記載の化合物又はその薬理学的に許容できる塩を投与することを含む方法。
  9. 患者における前立腺肥大症を治療する方法であって、前記患者に、有効量の請求項1から6いずれか記載の化合物又はその薬理学的に許容できる塩を投与することを含む方法。
  10. 患者における前立腺癌を治療する方法であって、前記患者に、有効量の請求項1から6いずれか記載の化合物又はその薬理学的に許容できる塩を投与することを含む方法。
  11. 前記患者はヒトである請求項8から10いずれか記載の方法。
  12. 請求項1から6いずれか記載の化合物又はその薬理学的に許容できる塩の、夜間頻尿症、尿路疾患、肥満、痴呆、高血圧、失調症、大腸癌、前立腺癌、不妊症、低下、白血病、炎症性腸疾患、関節炎または前立腺肥大症の治療用医薬品の製造における使用。
  13. 請求項1から6いずれか記載の化合物又はその薬理学的に許容できる塩の、前立腺肥大症の治療用医薬品の製造における使用。
  14. 請求項1から6いずれか記載の化合物又はその薬理学的に許容できる塩の、前立腺癌の治療用医薬品の製造における使用。
  15. ER−β受容体を介した疾患を有する患者を治療する方法であって、前記患者に、有効量の請求項1から6いずれか記載の化合物を投与することを含む方法。
  16. 前記疾患は前立腺癌である請求項15記載の方法。
  17. 前記疾患は前立腺肥大症である請求項15記載の方法。
  18. 前記患者はヒトである請求項15から17いずれか記載の方法。
  19. 請求項1から6いずれか記載の化合物の、ER−β受容体を介した疾患の治療用医薬品の製造における使用。
  20. 前記疾患は前立腺癌である請求項19記載の使用。
  21. 前記ER−β受容体を介した疾患は、前立腺肥大症である請求項19記載の使用。
  22. ER−β受容体の機能を低下する方法であって、前記受容体を、請求項1から6いずれか記載の化合物又はその薬理学的に許容できる塩と接触させることを含む方法。
  23. 患者におけるER−β受容体の機能を低下する方法であって、前記患者に、有効量の請求項1から6いずれか記載の化合物又はその薬理学的に許容できる塩を投与することを含む方法。
  24. 患者におけるER−β受容体を介した疾患を治療する方法であって、前記患者に、有効量の請求項1から6いずれか記載の化合物又はその薬理学的に許容できる塩を投与することを含む方法。
  25. 前記疾患は、夜間頻尿症、閉塞性尿路疾患、肥満、痴呆、高血圧、失調症、大腸癌、前立腺癌、不妊症、低下、白血病、炎症性腸疾患、関節炎、または前立腺肥大症である請求項24記載の方法。
  26. 前記疾患は前立腺肥大症である請求項24又は25記載の方法。
  27. 前記疾患は前立腺癌である請求項24又は25記載の方法。
  28. 前記患者はヒトである請求項22から27いずれか記載の方法。
  29. Gは、−CF−であり;
    Rは、ハロ、メチル、エチル、又はR−(CH−であり;
    は、シアノ、ヒドロキシル、ビニル、メトキシ、又はエトキシであり;
    mは、0又は1である請求項1記載の化合物又はその薬理学的に許容できる塩。
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