JP2008512792A - 連続工業プロセスの運転における異常事象検出のための装置および方法 - Google Patents

連続工業プロセスの運転における異常事象検出のための装置および方法 Download PDF

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Abstract

精製所および化学プラント内に配備される現代のデジタルプロセス制御システムによって、何千ものプロセスおよび装置計測値が収集される。数年間にわたるこれらのデータは、解析と報告のために、データベース内に履歴化される。これらのデータベースは、正常な運転中に発生するデータパターンについてマイニングされることが可能であり、それらのパターンは、プロセスの挙動が異常な場合を判定するために使用される。これらの正常な運転パターンは、モデルの組によって表される。これらのモデルは、正常な運転中に真であるべき既知の関係を表す単純な工学式と、主成分分析の変種に基づく多変量統計モデルとを含む。装置およびプロセスの問題は、分単位で収集されたデータを、それらのモデルからの正常な運転の予測と比較することによって検出されることが可能である。プロセス運転データ内の予測されるパターンと、実際のデータパターンとの間の偏差は、プロセス運転の正常性を判定するために、ファジーペトリネットによって解釈される。これは、次に、問題の根本的原因をオペレータが局所化して診断するのを補助するために使用される。
【選択図】図1

Description

本発明は、その最も広義の態様においては、プロセスおよび装置の問題が、深刻な出来事に拡大するのを防止することに関する。本発明はこれを、最初に、プロセスまたは装置の発達しつつある問題の早期警告を、警報システムが始動される前にオペレータに提供することによって、そして次に、問題の根本的原因を局所化して診断するための主要な情報を、オペレータに提供することによって達成する。
石油化学工業においては、異常運転は、重大な経済的影響(生産の損失、装置の損傷)を有する可能性があり、環境放出を発生させる可能性があり、また、更に深刻な場合は、人命にかかわる可能性がある。産業コンソーシアムは、異常事象は生産能力の3〜8%の損害をもたらすと推定した(米国の石油化学工業の場合、これは100億ドルを上回る)。
異常状況は、一般に、現場装置(計測設備、制御バルブ、およびポンプなど)の障害、または、プラント運転の正常な運転状態からの逸脱を発生させる何らかの形態のプロセス外乱によりもたらされる。特に、プロセス制御システムの一部である、主要計測設備およびその他の装置の、検出されない障害は、制御システムがプロセスを望ましくない危険な状態に追いやることを発生させる可能性がある。これらの障害の早期検出により、制御システムがその障害をより深刻な出来事に拡大させる前に、運転チームが介入することが可能になる。
現在商業的に実践されているのは、プロセス警報を介して、プロセスの問題をコンソールオペレータに通知するということである。これらのプロセス警報は、主要なプロセス計測値(温度、圧力、流量、液位、および組成)についての安全運転範囲を設定することによって定義される。計測値の安全運転範囲が破られた場合に、オペレータに警報が提供される。現在の商業的実践においては、これらの警報範囲の設定は、プロセスの問題に対応するための十分な時間をオペレータに提供することと、大量の警報でオペレータを圧倒することとの間で、微妙なバランスを取ることにより行われている。重要度の低い警報を減らすために、主要なプロセス計測値の安全運転範囲は、しばしば広く設定される。このような広い安全運転範囲による否定的な結果は、異常条件があまりにも進みすぎて、オペレータには、修正動作を行って異常事象を緩和するための十分な時間が残されないということである。
過去10年間に、複雑な工業プロセスを監視するための、多変量統計モデル(主成分モデル(PCA)、および部分最小二乗法(PLS))の適用が、鋳鋼(特許文献7)、パルプ製紙(特許文献3)、および半導体製造(特許文献1)をはじめとする、いくつかの業界において行われ始めた。一般的な手法は、最初に、特定のプロセス問題を識別し、次に、そのプロセス問題を捕捉するために特に設計されたPCAモデルを構築することである。このモデルは、運転の統計的指標を生成するためにオンラインで実行される。モデルから計算された主要な統計的限界(二乗予測誤差和(sum of square prediction error)、ホテリングT(Hotelling T square)の超過に基づいて、プロセスオペレータに通知が提供される。オペレータには、次に、統計的指標への最大の寄与(contoributor)である、元の入力の、優先順位を付けられたリストが知らされる。
米国特許第5,859,964号明細書 米国特許第5,949,678号明細書 米国特許第6,522,978号明細書 米国特許第6,368,975号明細書 米国特許第6,466,877号明細書 米国特許第6,521,080号明細書 米国特許第6,564,119号明細書 米国特許第6,636,842号明細書 Cardoso,J.ら著「Fuzzy Petri Nets:An Overview」(13th Word Congress of IFAC、Vol.1:Identification II、Discrete Event Systems、San Francisco、CA、USA、1996年6月30日〜7月5日、443〜448ページ) Jackson,E.著「A User’s Guide to Principal Component Analysis」(John Wiley & Sons、1991) Kourti,T.著「Process Analysis and Abnormal Situation Detection:From Theory to Practice」(IEEE Control Systems Magazine、2002年10月、10〜25ページ) Ku,W.著「Disturbance Detection and Isolation for Statistical Process Control in Chemical Processes」(PhD論文、Lehigh University、1994年8月17日) Martens,H.およびNaes,T.著「Multivariate Calibration」(John Wiley & Sons、1989) Piovoso,M.J.ら著「Process Data Chemometrics」(IEEE Trans on Instrumentation and Measurement、Vol.41、No.2、1992年4月、262〜268ページ)
各業界についての、プロセス運転および関連するプロセスデータの特性により、多変量統計モデルの開発と、それに続く、オンラインシステムにおけるそれらのモデルの使用との方法には、修正が必要とされる。これらの修正を行わない場合は、オンラインプロセス監視へのモデルの適用の有用性を制限する、いくつかの技術的問題が存在する可能性がある。これらの技術的問題により、統計的指標は、重大なタイプIおよびタイプIIエラー(フォールスポジティブ、および異常事象のとらえそこね)を有するようになる可能性がある。
さまざまな大きさの事象および外乱が、プロセス運転に常に影響を及ぼしている。ほとんどの場合、これらの事象および外乱は、プロセス制御システムによって対処される。しかし、プロセス制御システムがプロセス事象に適切に対処できない場合、オペレータは、プロセス運転に、予定外の介入を行う必要がある。この状況は、異常運転と定義され、原因は、異常事象と定義される。
工業プロセス、特に、連続プロセス内の、異常運転を検出するために、そして、根本的原因の位置をオペレータが分離するのを補助するために使用される、モデルの組を、作成してオンライン配備するための、方法とシステムとが開発された。好ましい実施形態では、本発明は、化学または精製プロセスに適用され、より具体的には、石油化学プロセスに適用される。好ましい実施形態では、モデルは、主成分分析(PCA)を使用する。これらのモデルの組は、既知の工学的関係を表す単純なモデルと、履歴データベース内に存在する正常なデータパターンを表す主成分分析(PCA)モデルとの両方から構成される。これらの多くのモデル計算からの結果は、プロセスが異常運転に入りつつあるかどうかをプロセスオペレータが容易に監視することを可能にする、少数の要約時間トレンド内に集約される。
図1は、オンラインシステム内の情報が、さまざまな変換、モデル計算、ファジーペトリネット、および統合を通して流れ、プロセス領域の正常性/異常性を示す要約トレンドに到達する方法を示す。このシステムの核心は、プロセス運転の正常性を監視するために使用されるさまざまなモデルである。
本発明で記述されるPCAモデルは、連続精製および化学プロセスを大まかに監視すること、および、装置およびプロセスの発達しつつある問題を迅速に検出することを目的とする。意図は、特定のコンソールオペレータ職の責任範囲下にある、すべてのプロセス装置およびプロセス運転の、包括的な監視を提供することである。これは、数百〜数千のプロセス計測値を有する、多数の主要な精製または化学プロセス運転ユニット(例えば、蒸留塔、リアクタ、コンプレッサ、熱交換装置など)を含んでもよい。監視は、長期の性能劣化とは対照的に、分〜時間の時間スケールで発達する問題を検出するように設計される。プロセスおよび装置の問題は、前もって指定される必要はない。これは、特定の重要なプロセス問題を検出するように、そして、プロセス運転のはるかに小さな部分を対象として含むように構成される、文献に引用されたPCAモデルの使用とは対照的である。
この目的を達成するために、PCAモデルの開発および配備のための方法には、連続精製および化学プロセスへのそれらのモデルの適用のために必要とされる、以下のような、多数の新規な拡張が含まれる。
・PCAモデルの装置範囲を確立するための基準と、計測器入力を選択、分析、および変換するための基準および方法
・主成分モデル(PCA)の変種に基づいた多変量統計モデルの開発
・関連する統計的指標を再構成する、単純な工学的関係に基づいたモデルの開発
・例外計算および連続的オンラインモデル更新を提供するための、オンラインデータの前処理
・モデル指標を正常または異常として解釈するための、ファジーペトリネットの使用
・複数のモデル出力を、プロセス領域の異常性/正常性を表す単一の連続的要約指標に集約するための、ファジーペトリネットの使用
・操作およびメンテナンス作業を反映する、モデルおよびファジーペトリネットとのオペレータ対話の設計
これらの拡張は、PCAおよび単純なエンジニアリングモデルを効果的に使用できるように、連続精製および化学プラントの運転特性と、対応するデータ特性とを処理するために必要である。これらの拡張は、タイプIおよびタイプIIエラーの多くを防止するという利点と、異常事象のより迅速な指示という利点とを提供する。
この項では、PCAの一般的な背景は説明しない。これについては、非特許文献2などの標準的な参考書を参照されたい。
古典的なPCA技術では、以下の統計的仮定を行うが、これらはすべて、正常な連続精製および化学プラントプロセスの運転によってある程度違反される。
1.プロセスは定常的である−その平均および分散は、時間が経過しても一定である。
2.変数間の相互相関は、正常なプロセス運転の範囲にわたって、線形である。
3.プロセスノイズランダム変数は、互いに独立している。
4.プロセス変数の共分散行列は、縮退しない(つまり、半正値である)。
5.データは「適切に」スケーリングされる(標準的な統計学的手法では、ユニットバリアンス(unit variance)にスケーリングされる)。
6.(補償されない)プロセス動特性は存在しない(このための標準的な部分的補償は、モデル内に遅れ変数を含めることである)。
7.すべての変数は、ある程度の相互相関を有する。
8.データは、多変量正規分布を有する。
従って、入力の選択、分析、および変換において、そして、それに続くPCAモデルの構築において、違反の程度を評価して補償するためのさまざまな調整が行われる。
これらのPCAモデルがオンライン配備されたら、モデル計算は、既知の操作およびメンテナンス作業の効果を除去し、故障したかまたは「不正な動作をしている」入力を無効にし、プロセスを通した事象の伝播をオペレータが観察して承認することを可能にし、そしてプロセスが正常に戻ったら計算を自動的に復旧するための、特別な例外処理を行う必要がある。
PCAモデルの使用は、正常な運転中に真でなければならない既知の工学的関係に基づいた、単純な冗長性検査によって補われる。これらは、物理的に冗長な計測値を検査するような単純なものであってもよく、または、物質収支および工学的収支を検査するような複雑なものであってもよい。
冗長性検査の最も単純な形態は、例えば次のような、単純な2×2検査である。
・温度1=温度2
・流量1=バルブ特性曲線1(バルブ1の位置)
・プロセスユニット1内への物質流量=プロセスユニット1からの物質流量
これらは、図2のバルブ流量プロットのように、単純なx−yプロットとしてオペレータに示される。このプロット上の灰色領域によって示されている、正常運転の領域を、各プロットは有する。この領域の外側での運転は、異常として報知される。
単一の多次元モデルを介して、複数冗長性も検査されてもよい。多次元冗長性の例は、次のとおりである。
・圧力1=圧力2=...=圧力n
・プロセスユニット1内への物質流量=プロセスユニット1からの物質流量=...=プロセスユニット2内への物質流量
多次元検査は、「PCAライクな」モデルを使用して表される。図3においては、3つの独立した冗長な測度X1、X2、およびX3が存在する。X3が1だけ変化すると、X1はa13だけ変化し、X2はa23だけ変化する。この関係の組は、単一の主成分方向Pを有するPCAモデルとして表される。このタイプのモデルは、広範なPCAモデルに類似した方法で、オペレータに提示される。2次元冗長性検査の場合と同様に、灰色領域は正常運転の領域を示す。Pの主成分ローディングは、最大変動の方向からPを決定するという従来の方法によってではなく、工学式から直接計算される。
プロセス運転の特性には、正常なプロセス運転範囲にわたって、および、正常な現場装置の変化およびメンテナンス作業にわたってこれらの関係を正確に維持するための、例外運転が必要とされる。
例外運転の例は、次のとおりである。
・流量計の周囲のバイパスバルブの開通
・上流/下流圧力変化の補償
・現場計測値の再較正
・運転モードに基づいたプロセスフローの方向変更
プロセスオペレータに、そのオペレータの制御下にあるプロセス運転の正常性の連続的な要約指示を提供するために、PCAモデルと、エンジニアリング冗長性検査とは、ファジーペトリネットを使用して結合される(図4)。
プロセスオペレータが取り扱うプロセス装置の構成および階層に対応するように、複数の統計的指標が、各PCAモデルから作成される。従来の二乗予測誤差和(sum of Squared Prediction Error(SPE))指標の感度は、PCAモデルによって対象とされる完全なプロセス領域の指定された部分からの入力についての、SPE指標への寄与(contribution)のみを含む、サブセット指標を作成することによって改良される。PCAモデルからのそれぞれの統計的指標は、ファジーペトリネット内に供給されて、正常運転(値0)から異常運転(値1)までの範囲を連続的に示す、0〜1のスケールに変換される。
それぞれの冗長性検査は、更に、ファジーネットを使用した連続的な正常−異常指標に変換される。モデルからの偏差、および運転範囲外への偏差という、異常性を示すためにこれらのモデルで使用される2つの異なる指標がある(図3)。これらの偏差は、PCAモデルの、誤差平方和(sum of the square of the error)指標およびホテリングT(Hotelling T square)指標と同等である。2よりも大きな次元についての検査では、どの入力が問題を有しているかを識別することが可能である。図3では、X3−X2関係はまだ正常の範囲内にあるので、問題は入力X1にある。それぞれの偏差の測度は、ファジーペトリネットによって、正常運転(値0)から異常運転(値1)までの範囲を連続的に示す、0〜1のスケールに変換される。
オペレータの権限下にある各プロセス領域について、該当する正常−異常指標の組は、単一の正常−異常指標に集約される。これは、ファジーペトリロジックを使用して、異常運転の最悪の指標を選択することにより行われる。このようにして、オペレータは、プロセス領域内のすべての検査の高レベルの要約を有する。この項では、ファジーペトリネットの一般的な背景は説明しない。これについては、非特許文献1を参照されたい。
異常事象アプリケーションを開発するための全体的プロセスを、図5に示す。基本的な開発方策は反復型であり、開発者は、大まかなモデルを使用して開始し、続いて、正常運転および異常運転の両方の間の、実際のプロセス運転を、そのモデルがどれだけよく表しているかを観察することに基づいて、そのモデルの機能を改良する。モデルは、次に、これらの観察に基づいて、再構成され、再トレーニングされる。
異常事象検出のためのPCAモデルの開発
I.概念PCAモデルの設計
全体的な設計目標は、次のとおりである。
・コンソールオペレータの操作権限下にあるすべてのプロセスユニットについての、プロセス運転の連続的ステータス(正常対異常)を、コンソールオペレータに提供する。
・コンソールオペレータの操作権限内で急速に発達しつつある(分〜時間)異常事象の早期検出を、コンソールオペレータに提供する。
・異常事象の根本的原因を診断するために必要とされる、主要なプロセス情報のみを、コンソールオペレータに提供する。
実際の根本的原因の診断は、本発明の範囲外である。コンソールオペレータは、自分のプロセスの知識および訓練に基づいてプロセスの問題を診断することが期待される。
広いプロセス視野を有することは、異常運転監視の全般的成功のために重要である。オペレータは、システムについて学び、自分の技能を維持するためには、定期的にシステムを使用する必要がある。特定の異常事象はまれにしか発生しないため、プロセスの小部分の異常運転監視はオペレータによってまれにしか使用されず、そのため、システムがついに異常事象を検出した場合に、オペレータはシステムを無視することになる可能性がある。この広い視野は、重大な経済的利益に関わる特定のプロセスの問題の検出に基づいてモデルを設計するという、公開されたモデリング目標(非特許文献3参照)とは対照的である。
1人のコンソールオペレータの操作権限下にあるプロセスユニット内には、何千ものプロセス計測値が存在する。連続精製および化学プロセスは、データ間の相互相関を中断させる、長時間動特性(significant time dynamics)をこれらの計測値間に示す。これは、プロセス装置を、相互相関が維持されることが可能な別個のPCAモデルに分割することを要求する。
概念モデルの設計は、4つの主要な決定から構成される。
・プロセス装置を、対応するPCAモデルを有する装置グループに細分する。
・プロセス運転期間を、異なるPCAモデルを必要とするプロセス運転モードに細分する。
・装置グループ内のいずれの計測値が、各PCAモデルへの入力として指定されるべきかを識別する。
・装置グループ内のいずれの計測値が、既知の事象またはその他の例外運転を抑止するための、フラグとして働くべきかを識別する。
A.プロセスユニットの有効範囲
最初の決定は、単一のPCAモデルによって扱われる装置のグループを作成することである。含まれる特定のプロセスユニットは、プロセスの統合/相互作用の理解を必要とする。多変数制限コントローラの設計と同様に、PCAモデルの境界は、すべての重要なプロセス相互作用と、プロセスの変化および外乱の、主要な上流および下流指標とを取り囲まなければならない。
以下の規則が、これらの装置グループの決定のために使用される。
装置グループは、すべての主要な物質およびエネルギーの集積と、同じ装置グループ内での即時再循環とを含めることによって定義される(主要機能セクションまたは運転セクションとも呼ばれる)。プロセスが多変数制限コントローラを使用する場合、コントローラモデルは、プロセスユニット間の相互作用点を明示的に識別する。それ以外の場合、相互作用は、プロセスのエンジニアリング解析を通して識別される必要がある。
プロセスグループは、プロセス装置グループ間に最小の相互作用が存在する点において分割されるべきである。最も明白な分割点が現れるのは、唯一の相互作用が、次の下流ユニットへの、原料を含む単一の管を通り抜ける場合である。この場合、原料の温度、圧力、流量、および組成は、下流の装置グループへの一次作用であり、すぐ下流のユニットの圧力は、上流の装置グループへの一次作用である。これらの一次作用の計測値は、上流および下流の両方の装置グループのPCAモデルに含まれなければならない。
上流と下流の装置グループ間でのプロセス制御アプリケーションの作用を含める。プロセス制御アプリケーションは、上流と下流の装置グループの間に、追加の作用の経路を提供する。フィードフォワードおよびフィードバックの両方の経路が存在してもよい。そのような経路が存在する場合、これらの経路を伝動する計測値は、両方の装置グループに含まれる必要がある。プロセス制御アプリケーションの解析は、プロセスユニット間の主要な相互作用を示す。
長時間動特性(significant time dynamics)が存在する場所(例えば、貯蔵タンク、長いパイプラインなど)で、装置グループを分割する。PCAモデルは、主として、急速なプロセスの変化(例えば、分〜時間の期間にわたって発生するもの)を取り扱う。プロセスに効果を生ずるために数時間、数日、または数週間さえも要する作用は、PCAモデルには適していない。これらの作用が正常なデータパターンのために重要な場合、これらの効果の計測値は、それらの効果時間が他のプロセス計測値と同期されるようにするために、動的に補償される必要がある(動的補償についての説明を参照)。
B.プロセス運転モード
プロセス運転モードは、プロセスの挙動が大幅に異なる特定の期間として定義される。これらの例としては、異なる等級の製品の製造(例えば、ポリマー製造)、大幅なプロセス遷移(例えば、始動、停止、原料の交換)、非常に異なる原料の処理(例えば、オレフィン製造における、エタンではなくナフサの分解)、または処理装置の異なる構成(プロセスユニットの異なる組を実行)がある。
これらの有意な運転モードが存在する場合、それぞれの主要な運転モードについて、別個のPCAモデルが開発されなければならない可能性がある。必要とされるモデルは少なければ少ないほど良い。開発者は、特定のPCAモデルが類似した運転モードを対象として含むことが可能であることを仮定すべきである。この仮定は、各運転モードからの新しいデータを、モデルを通して実行して、正しく振る舞うかどうかを確認することによって試験されなければならない。
C.過去のプロセスの問題
異常事象検出システムの開発への組織的関心が存在するためには、重大な経済的影響を有する過去のプロセスの問題が存在しなければならない。ただし、これらの重大な問題は、それらの問題に取り組むための最良の方法を識別するために、解析されなければならない。特に、開発者は、異常事象検出アプリケーションを構築しようとする前に、以下の調査を行うべきである。
1.問題は恒久的に修正されることが可能か。問題が存在するのは、多くの場合、問題を調査して恒久的に解決するための十分な時間を、現場要員が有していなかったためである。いったん組織の注意がその問題に集中されたら、多くの場合、恒久的な解決策が見いだされる。これが最良の方法である。
2.問題は直接計測されることが可能か。問題を検出するための、より信頼性の高い方法は、プロセス内の問題を直接計測することが可能なセンサを設置することである。これは、更に、プロセス制御アプリケーションを通して問題を防止するために使用されてもよい。これは2番目に良い方法である。
3.異常運転への接近を計測する、推論計測を開発することは可能か。推論計測は、通常、PCA異常事象モデルに非常に近い親戚である、部分最小二乗法(PLS)モデルを使用して開発される。推論計測を開発するための、その他の一般的な代替としては、ニューラルネットおよび線形回帰モデルがある。問題条件への接近を確実に計測するために使用されることが可能なデータが存在するならば(例えば、デルタ圧力を使用したタワーフラッディング)、そのデータは、条件が存在する場合に検出するためだけでなく、制御アプリケーションがその条件の発生を防止するための基礎としても使用されてもよい。これは3番目に良い方法である。
問題条件の直接計測と、それらの条件の推論計測との両方は、異常検出モデルの全体的ネットワークの中に容易に統合されることが可能である。
II.入力データおよび運転範囲の選択
装置グループ内には、何千ものプロセス計測値が存在する。予備設計では以下を行う。
・これらのユニット上の、すべてのカスケード二次コントローラ計測値、および特に、最終二次出力(現場の制御バルブへの信号)を選択する。
・プロセスを監視するためにコンソールオペレータによって使用される、主要な計測値を選択する(例えば、コンソールオペレータの操作図面上に現れるもの)。
・プロセスの性能を計測するためにコンタクト技術者によって使用される、任意の計測値を選択する。
・原料レート、原料温度、または原料品質の、任意の上流計測値を選択する。
・プロセス運転領域に影響を及ぼす、下流条件の計測値(特に圧力)を選択する。
・重要な計測値についての、追加の冗長計測値を選択する。
・非線形変換の計算のために必要とされる可能性がある計測値を選択する。
・外乱の、任意の外部計測値(例えば、周囲温度)を選択する。
・プロセスの専門家がプロセス条件の重要な尺度であると見なす、その他の任意の計測値を選択する。
このリストから、以下の特性を有する計測値のみを含める。
・計測値は、不安定な、または異常な性能の履歴を有していない。
・計測値は、十分なS/N比を有している。
・計測値は、データセット内の他の計測値と相互相関している。
・計測値は、正常運転中の時間のうち、10%を超える時間飽和してはいない。
・計測値は、めったに変化しない固定された設定点に合わせて厳重に制御されてはいない(制御階層の最終一次ではない)。
・計測値は、「不正な値」での運転、またはトランスミッタ限界に反した飽和を、長期にわたって続けたものではない。
・計測値は、非常に非線形であることが知られている値の範囲を横切らない。
・計測値は、生の計測値からの冗長計算ではない。
・現場の制御バルブへの信号は、10%を超える時間飽和してはいない。
A.モデル入力選択のための評価
PCA異常検出モデルへの潜在的入力に優先順位を付けるための、S/N比、および相互相関という、2つの統計的基準が存在する。
1)S/Nの試験
S/N比は、入力信号内の情報量の尺度である。
S/N比は、以下のように計算される。
1.近似ダイナミック時定数(プロセスのものに等しい)を用いた指数フィルタを使用して、生の信号がフィルタリングされる。連続精製および化学プロセスの場合、この時定数は、通常、30分〜2時間の範囲内である。他のローパスフィルタが同様に使用されてもよい。指数フィルタについての式は次のとおりである。
= Pn−1+(1−P) 指数フィルタの式 式1
P=Exp(−T/T) フィルタ定数の計算 式2
ここで、
現在フィルタリングされる値
n−1 以前にフィルタリングされた値
現在の生の値
P 指数フィルタ定数
計測値のサンプル時間
フィルタ時定数
2.残留信号は、フィルタリングされた信号を、生の信号から減算することにより作成される。
=X−Y 式3
3.S/N比は、フィルタリングされた信号の標準偏差を、残留信号の標準偏差で除算した比率である。
S/N=σ/σ 式4
すべての入力が、4などの、所定の最小値よりも大きなS/Nを示すようにすることが好ましい。この最小値よりも小さなS/Nを有する入力は、それらがモデル内に含められるべきかどうかを判定するために、個別の検査が必要である。
S/Nの計算に使用されるデータセットは、長期の定常状態運転をすべて除外しなければならず、その理由は、長期の定常状態運転によりノイズ含有量の見積もりが過大になるためである。
2)相互相関の試験
相互相関は、入力データセット内の情報冗長度の尺度である。任意の2つの信号間の相互相関は、次のように計算される。
1.iおよびkの各入力ペア間の共分散Sikを計算する。
Figure 2008512792
2.各入力ペアについての相関係数を、共分散から計算する。
CCik=Sik/(Sii kk1/2 式6
入力がモデルに含められるべきでないことを警告する、2つの状況が存在する。第1の状況は、特定の入力と、入力データセットの残りとの間に、有意な相関がない場合に発生する。各入力について、データセット内に、0.4などの有意な相関係数を有する少なくとも1つの他の入力が存在していなければならない。
第2の状況は、同じ入力情報が、しばしば何らかの計算を通して(誤って)二度含められ、異なる識別子を有する場合に発生する。1に近い(例えば、0.95を超える)相関係数を示す任意の入力ペアは、両方の入力がモデルに含められるべきかどうかを判定するために、個別の検査が必要である。入力が、物理的には独立しているが、論理的には冗長な場合(即ち、2つの独立した熱電対が、同じプロセス温度を独立に計測している場合)、それらの両方の入力がモデル内に含められるべきである。
2つの入力がお互いの変換である場合(即ち、温度と、圧力補償された温度)、優先されるのは、オペレータが精通している計測値を含めることであるが、ただし、これらの計測値のうちの1つと、データセットの残りとの間に、大幅に向上した相互相関がある場合は、より高い相互相関を有する計測値を含めるべきである。
3)飽和した変数の識別および取り扱い
精製および化学プロセスは、しばしば、ハードおよびソフトの制限に反して実行され、結果として、モデル入力の飽和した値および「不正な値」がもたらされる。一般的な制限は、計測器トランスミッタの上下限範囲、アナライザの範囲、最大と最小の制御バルブ位置、およびプロセス制御アプリケーションの出力限界である。入力は、飽和に関していくつかのカテゴリに分けることが可能であり、それらのカテゴリでは、モデル構築およびそれらのモデルのオンライン使用の両方のために、入力を前処理する際に特別な処理が必要とされる。
不正な値(Bad Values)
標準的なアナログ計測器(例えば、4〜20ミリアンペアの電子トランスミッタ)の場合、不正な値は、2つの異なる理由で発生する可能性がある。
・実際のプロセス条件が、現場のトランスミッタの範囲外である。
・現場との接続が切断されている。
これらの条件のうちのいずれかが発生した場合、プロセス制御システムは、個々の計測値ごとに、その計測値が不正な値であることを示すためにその計測値に特別なコードを割り当てるように、または、最後の有効な計測値を維持するように構成されていてもよい。これらの値は、次に、プロセス制御システム上で実行される任意の計算全体を通して伝播する。「最後の有効な値」の選択肢に構成されている場合は、これにより、検出して除外することが困難な、間違った計算がもたらされる可能性がある。通常、「不正な値」コードがシステムを通して伝播された場合、その不正な計測値に依存するすべての計算にも、不正であるという印が付けられる。
プロセス制御システム上に構成される選択肢にかかわらず、不正な値を含む期間は、トレーニングまたは試験データセットに含められるべきではない。開発者は、いずれの選択肢がプロセス制御システム内に構成されているかを識別し、次に、不正な値であるサンプルを除外するためのデータフィルタを構成する必要がある。オンライン実装の場合は、いずれの選択肢がプロセス制御システム上で選択されているかにかかわらず、不正な値に欠測値としての印が付けられるように、入力は前処理されなければならない。
長期間にわたって常に不正な値である入力は、モデルから除外されるべきである。
制限付き変数(Constrained Variables)
制限付き変数は、(「不正な値」の項で説明した、値がデフォルトでトランスミッタ範囲の最大または最小限界になる場合とは対照的に)計測値が何らかの限界にあり、この計測値が実際のプロセス条件に一致するものである。このプロセス状況は、いくつかの理由で発生する可能性がある。
・プロセスの部分は、特別なオーバーライド条件の場合を除き、通常、非アクティブである(例えば、フレアシステムへの圧力除去フロー)。これらのオーバーライド条件がアクティブである期間は、データフィルタを設定することによって、トレーニングおよび確認データセットから除外されるべきである。オンライン実装の場合、これらのオーバーライド事象は、選択されたモデル統計の自動抑止のためのトリガ事象である。
・プロセス制御システムは、例えばプロセス仕様限界などの、プロセス運転限界に反してプロセスを駆動するように設計されている。これらの制限は、たまに飽和するものと、常に飽和しているものという、2つのカテゴリに通常は分けられる。常に飽和している入力は、モデルから除外されるべきである。たまにしか(例えば、10%未満の時間しか)飽和しない入力は、モデルに含められてもよいが、それらの入力は、飽和していない期間に基づいてスケーリングされるべきである。
B.プロセス制御アプリケーションからの入力
プロセス制御アプリケーションは、プロセスデータの相関構造に対して、特に次のような非常に重大な効果を有する。
・制御変数(controlled variables)の変動が大幅に低減され、それにより、制御変数内の動きは、プロセスに重大なプロセス外乱が加えられた場合、またはオペレータが主要な設定点を変更することによって運転点を意図的に移動した場合の短い期間を除き、主としてノイズとなる。
・制御変数の正常な変動は、制御システムによって、操作変数(manipulated variables)に伝えられる(最終的には、信号は現場の制御バルブに送られる)。
精製所および化学プロセスの正常な運転は、古典的な制御カスケード(図6に示す)、および最近の多変数制限コントローラ(MVCC)(図7に示す)という、2つの異なるタイプの制御構造によって通常は制御される。
1)カスケード構造からのモデル入力の選択
図6は、精製および化学プロセスのための非常に一般的な制御構造である、典型的な「カスケード」プロセス制御アプリケーションを示す。そのようなアプリケーションからの、多くの潜在的モデル入力が存在するが、モデルのための候補になるのは、生のプロセス計測値(この図では「PV」)と、現場のバルブへの最終的な出力とのみである。
カスケード制御構造の最終一次のPVは、非常に重要な計測値ではあるが、モデルに含めるには不十分な候補である。制御構造の目的は、この計測値を設定点に維持することなので、この計測値は、通常、非常に制限された動きを有する。設定点が変更された場合は、最終一次のPVに動きがある可能性があるが、これは通常、たまにしか起こらない。一次設定点のたまの動きからのデータパターンは、通常、モデルがデータパターンを特徴付けるための十分な力を、トレーニングデータセット内に有さない。
最終一次の設定点の変化の結果としてもたらされるデータパターンの特徴付けにおけるこの困難のため、オペレータがこの設定点を移動させた場合、モデルの二乗予測誤差和(sum of Squared Prediction Error(SPE))指標の大幅な増加が発生する可能性がある。従って、最終一次の設定点の任意の変更は、「既知事象抑止」のための候補トリガである。オペレータが最終一次の設定点を変更した場合、「既知事象抑止」ロジックは自動的にその効果をSPE計算から除去する。
開発者が最終一次のPVをモデル内に含める場合、オペレータが設定点を変更して、プロセスが新しい設定点の値の近くに移動するまで(例えば、新しい設定点変更の95%以内に、従って、設定点変更が10から11への場合は、PVが10.95に到達するまで)の間の、短い期間に基づいて、この計測値はスケーリングされるべきである。
更に、最終一次のPVと非常に強い相関関係にある(例えば、0.95よりも大きな相関係数の)計測値も存在していてもよい(例えば、最終一次のPVとして使用される温度計測値の近くに配置された冗長熱電対)。これらの冗長計測値は、最終一次のPVのために選択されたのと同一の方法で取り扱われるべきである。
カスケード構造は、各二次についての設定点限界を有してもよく、また、現場の制御バルブへの信号についての出力限界を有してもよい。これらの潜在的な制限付き運転のステータスを検査して、設定点に関連付けられた計測値が、制限された方法で運転されているかどうか、または、現場のバルブへの信号が制限されているかどうかを確認することが重要である。これらの制限された運転の間の期間は、使用されるべきではない。
2)多変数制限コントローラ(MVCC)からのモデル入力の選択/計算
図7は、精製および化学プロセスのための非常に一般的な制御構造である、典型的なMVCCプロセス制御アプリケーションを示す。MVCCは、動的数学モデルを使用して、操作変数(manipulated variables(MV))(通常は、バルブ位置、または調節制御ループの設定点)の変化が、制御変数(control variables(CV))(プロセス状態を計測する、従属する温度、圧力、組成、および流量)を変化させるかを予測する。MVCCは、プロセス運転を、運転限界に反して推し進めようとする。これらの限界は、MV限界またはCV限界のいずれであってもよく、外部オプティマイザによって決定される。プロセスが反して運転する限界の数は、コントローラが操作することを許可されているMVの数から、制御される物質収支の数を引いた値に等しい。従って、MVCCが12のMVと、30のCVと、2つのレベルとを有する場合、プロセスは10の限界に反して運転される。MVCCは、更に、プロセスに対する計測された負荷外乱の効果を予測し、それらの負荷外乱を補償する(フィードフォワード変数(FF)として知られている)。
生のMVまたはCVが、PCAモデル内に含めるためのふさわしい候補であるかどうかは、MVCCによって、MVまたはCVがその運転限界に反して維持された時間のパーセンテージに依存する。「制限付き変数」の項で説明したように、10%を超える時間、制限されている生の変数は、PCAモデルに含めるには不十分な候補である。通常制限されない変数(normally unconstrained variables)は、「制限付き変数」の項の説明に従って取り扱われるべきである。
制限されないMVが調節制御ループへの設定点である場合、その設定点は含められるべきではなく、代わりに、調節制御ループの計測値が含められるべきである。その調節制御ループからの、現場のバルブへの信号も含められるべきである。
制限されないMVが現場のバルブ位置への信号である場合、その信号はモデルに含められるべきである。
C.冗長な計測値
プロセス制御システムデータベースは、PCAモデル内への候補入力間で、かなりの冗長性を有してもよい。1つのタイプの冗長性は「物理的冗長性」であり、この場合は、プロセス装置内で相互に物理的にきわめて接近して配置された、複数のセンサ(熱電対など)が存在する。もう一方のタイプの冗長性は「計算上の冗長性」であり、この場合は、生のセンサが数学的に組み合わされて新しい変数となる(例えば、圧力補償された温度や、流量計測値から計算された質量の流れ)。
一般に、生の計測値と、その計測値から計算される入力との両方をモデル内に含めるべきではない。一般的に優先されるのは、プロセスオペレータが最も精通しているバージョンの計測値を含めることである。この規則の例外は、モデルのデータの相関構造を向上するために、生の入力が数学的に変換される必要がある場合である。その場合は、生の計測値ではなく、変換された変数がモデル内に含められるべきである。
物理的冗長性は、モデル内の相互検証情報を提供するために非常に重要である。一般に、物理的に冗長な生の計測値は、モデルに含められるべきである。物理的に冗長な計測値が多数存在する場合、それらの計測値は、主成分の選択を圧倒するのを防止するために、特別にスケーリングされなければならない(変数スケーリングの項を参照)。一般的なプロセスの例は、リアクタの暴走を見つけるために多数の熱電対がリアクタ内に配置される場合に見いだされる。
非常に大規模なデータベースをマイニングする際に、開発者は、すべての候補入力間で相互相関計算を行うことによって、冗長な計測値を識別してもよい。非常に高い(例えば、0.95を超える)相互相関を有する計測値ペアは、各ペアを物理的な冗長または計算上の冗長のいずれかに分類するために、個別に検査されるべきである。
III.履歴データの収集
すべてのモードの正常なプロセス運転を含むことが知られている、良質のトレーニングデータセットを作成するためには、開発においてかなりの努力が必要とされる。このデータセットは、次の特徴を有していなければならない。
正常な運転範囲全体にわたっている。運転範囲の小さな部分にわたるデータセットは、ほとんどがノイズから構成される。定常状態で運転中のデータの範囲に比較した、データの範囲は、データセット内の情報の質の優れた指標である。
すべての正常な運転モードを含む(季節によるモードの変動を含む)。各運転モードは、異なる相関構造を有する場合がある。運転モードを特徴付けるパターンがモデルによって捕捉されていない限り、それらのモデル化されていない運転モードは、異常な運転として現れる。
正常な運転データのみを含む。強力な異常運転データがトレーニングデータに含まれている場合、モデルは、それらの異常運転を正常な運転として誤ってモデル化する。従って、そのモデルは、後で異常運転と比較された場合、異常性運転を検出しない可能性がある。
履歴は、オンラインシステムで使用されるデータにできるだけ類似していなければならない。オンラインシステムは、異常事象を検出するための十分に高速な頻度でスポット値を提供する。連続精製および化学運転では、このサンプリング頻度は1分程度である。データヒストリアンの限界内で、トレーニングデータは、1分のスポット値とできるだけ同等でなければならない。
データ収集の方策は、長い運転履歴(通常は、9ヶ月〜18ヶ月の範囲内)から開始し、次に、明白な、または文書化された異常事象を有する期間の除去を試みるということである。そのような長い期間を使用することによって、次のような利点が得られる。
・比較的小さな異常事象は、モデルパラメータに大きく作用するための十分な強さを有してトレーニングデータセット内に現れない。
・ほとんどの運転モードが発生して、データ内に現れているはずである。
A.履歴データ収集の問題
1)データ圧縮
多くの履歴データベースは、データのために必要な記憶容量を最小にするために、データ圧縮を使用する。残念なことに、この実施は、データの相関構造を乱す可能性がある。プロジェクトの最初に、データベースのデータ圧縮をオフにして、データのスポット値が履歴化されるようにすべきである。可能な限り、最終モデルは、圧縮されていないデータを使用して構築されるべきである。平均された値は、それらの値しか利用できない場合を除き使用すべきではないが、それらの値しか利用できない場合は、利用可能な最も短期間のデータ平均を使用すべきである。
2)データ履歴の長さ
正常なプロセスパターンをモデルが正しく表すためには、トレーニングデータセットは、すべての正常な運転モード、正常な運転の変化、およびプロセスが遭遇する変化と正常な小さな外乱との、例を有している必要がある。これは、長い期間にわたるプロセス運転(例えば、9〜18ヶ月)からのデータを使用することによって達成される。特に、季節による運転間の違い(春、夏、秋、および冬)は、精製所および化学プロセスでは非常に重大な場合がある。
場合によっては、これらの長期間にわたるデータがまだ得られていないことがある(例えば、プロセス装置の変更またはその他の大幅な再構成の後)。これらの場合、モデルは、短い初期セットのトレーニングデータ(例えば、6週間)から開始し、その後、モデルが安定化されるまで(例えば、新しいデータの追加に伴ってモデル係数が変化しなくなるまで)、更なるデータが収集されてトレーニングデータセットが拡張され、モデルは毎月更新される。
3)補助的履歴データ
この期間についてのさまざまな運転ジャーナルも収集されるべきである。これは、運転期間を、異常として示すため、または、トレーニングデータセットから除外される必要がある何らかの特別なモードでの運転として示すために使用される。特に、重要な履歴的異常事象が、モデルのためのテストケースとしての役割を果たすように、これらの記録から選択されてもよい。
4)特定の計測値履歴の欠如
設定点およびコントローラ出力は、プラントプロセスのデータヒストリアン内で履歴化されないことが多い。これらの値の履歴化は、プロジェクトの最初に直ちに開始されるべきである。
5)運転モード
現在のプロセス運転をもはや正しく表していない古いデータは、トレーニングデータセットから除去されるべきである。大幅なプロセスの変更の後は、トレーニングデータおよびPCAモデルを最初から再構築しなければならない場合がある。特定のタイプの運転がもはや行われていない場合、その運転からのすべてのデータは、トレーニングデータセットから除去されるべきである。
プロセスがいつ異なる運転モードで実行されたかを識別するために、運転ログが使用されるべきである。これらの異なるモードは、別個のモデルを必要とする場合がある。モデルが複数の運転モードを扱うことが意図されている場合、各運転モデルからのトレーニングデータセット内のサンプルの数は、ほぼ等しくなければならない。
6)サンプリングレート
開発者は、数ヶ月のプロセスデータを、現場のプロセスヒストリアンを使用して、好ましくは1分のスポット値を取得しながら、収集しなければならない。これが入手可能でない場合は、最小量の平均化を使用した、最高の分解能のデータが使用されるべきである。
7)まれにしかサンプリングされない計測値
品質計測値(アナライザおよび実験室サンプル)は、他のプロセス計測値よりもはるかに低いサンプリング頻度(数十分〜1日ごとの範囲)を有する。これらの計測値をモデル内に含めるには、これらの品質計測値の連続推定が構築される必要がある。図8は、連続品質推定のオンライン計算を示す。この同じモデル構造が、作成されて、履歴データに適用されるべきである。この品質推定は、次に、PCAモデル内への入力となる。
8)モデルによりトリガされるデータ注釈
非常に明白な異常性を除き、履歴データの品質は判定が困難である。異常な運転データを含めると、モデルを偏向させる可能性がある。大量の履歴データを使用するという方策は、トレーニングデータセット内の、異常運転によって発生するモデルの偏向を、ある程度までは補償する。プロジェクトの開始に先立つ履歴データから構築されたモデルは、その品質に関して、疑いがあると見なされなければならない。初期トレーニングデータセットは、プロジェクトの存続期間中に発生する、プロセス条件の高品質の注釈を含むデータセットに置き換えられるべきである。
モデル開発方策は、最初の「大まかな」モデル(疑わしいトレーニングデータセットの結果)で開始し、次に、そのモデルを使用して、高品質トレーニングデータセットの収集をトリガするというものである。そのモデルがプロセスの監視に使用されるに従って、正常運転、特別な運転、および異常運転についての注釈とデータとが収集される。モデルが異常運転を警告した場合、または異常事象がモデルによって取り逃がされた場合、事象の原因および期間が注釈される。このようにして、プロセス運転を監視するモデルの機能に対するフィードバックが、トレーニングデータ内に組み込まれてもよい。このデータは、次に、モデルを改良するために使用され、そのモデルは、次に、より高品質なトレーニングデータを継続して収集するために使用される。このプロセスは、モデルが満足のいくものになるまで繰り返される。
IV.データおよびプロセスの解析
A.初期の大まかなデータ解析
運転ログを使用してプロセスの主要性能指標を検査することによって、履歴データは、既知の異常運転を有する期間と、識別された異常運転を有さない期間とに分けられる。識別された異常運転を有さないデータが、トレーニングデータセットになる。
次に、各計測値が、トレーニングデータセットのための候補であるかどうかを確認するために、その履歴にわたって検査される必要がある。除外されるべき計測値は、次のとおりである。
・「不正な値」としての長い期間を多数有する計測値
・トランスミッタの上限または下限に固定された長い期間を多数有する計測値
・変動性をほとんど示さない計測値(設定点に合わせて厳重に制御される計測値を除く)
・運転範囲に比較して非常に大きな変動性を継続的に示す計測値
・データセット内の他のいかなる計測値との相互相関も、ほとんどまたはまったく示さない計測値
・不十分なS/N比を有する計測値
計測値が一時的に「不正な値」を示している、またはトランスミッタの上限または下限に一時的に固定されている期間も、データの検査中に除外されるべきである。
これらの除外が行われたら、最初の大まかなPCAモデルが構築されるべきである。これは非常に大まかなモデルとなるため、保持される主成分(PC)の正確な数は重要ではない。これは、一般に、モデル内に含まれる計測値の数の5%程度となる。PCの数は、最終的にはプロセスの自由度の数に一致すべきであるが、この自由度はプロセス外乱のさまざまな源をすべて含むため、この数は通常は知られていない。含める主成分の数を決定するための、いくつかの標準的な方法が存在する。更に、この段階において、変数スケーリングのための統計的手法を使用して、すべての変数をユニットバリアンス(unit variance)にスケーリングすべきである。
X’=(X−Xavg)/σ 式7
トレーニングデータセットが、次に、この予備モデルを通して実行され、データがモデルに一致しない期間が識別されるべきである。異常事象がこの時に発生していたかどうかを確認するために、これらの期間が検査されるべきである。異常事象が発生していたと判断される場合は、これらの期間も、既知の異常事象が発生していた時であるとして印を付けられるべきである。これらの期間はトレーニングデータセットから除外され、修正されたデータを使用してモデルが再構築されるべきである。
B.アウトライアーおよび異常運転期間の除去
明白な異常事象の除去は、以下を通して実行される。
文書化された事象の除去。現場における異常事象履歴の完全な記録を有することは非常にまれである。しかし、重大な運転の問題は、オペレータログ、オペレータ変更ジャーナル、警報ジャーナル、および計測器メンテナンス記録などの運転記録内に文書化されるべきである。これらは、異常事象履歴の部分的な記録を提供するのみである。
主要性能指標(KPI)が異常である期間の除去。原料レート、製品レート、製品品質などの計測値は、一般的な主要性能指標である。各プロセス運転は、ユニットに固有の追加のKPIを有してもよい。この限定された計測値の組を入念に検査することによって、通常は、異常運転の期間が明白に示される。図9は、KPIのヒストグラムを示す。このKPIについての運転目標は、それを最大にすることなので、このKPIが低い運転期間は異常運転の可能性がある。最適な運転は仕様限界に反し、また、正常な原料レートの変動に左右されにくいため、プロセス品質は、多くの場合、解析が最も容易なKPIである。
C.ノイズの補償
ノイズとは、本明細書では、プロセスに関する有用な情報を含まない、計測値信号の高周波成分を意味する。ノイズは、オリフィス板を横切る二相の流れや、レベル内の乱流などの、特定のプロセス条件によって発生する可能性がある。ノイズは、電気的インダクタンスによって発生する場合がある。ただし、おそらくプロセス外乱によって引き起こされる大きなプロセス変動性は、有用な情報であり、フィルタリングによって除外されるべきではない。
精製および化学プロセスの計測値内に発生する、2つの主要なノイズのタイプとしては、計測値スパイク、および指数相関のある連続的ノイズがある。計測値スパイクでは、信号は、少数のサンプルにわたって、不当に大きな量だけジャンプしてから、以前の値に近い値に戻る。ノイズスパイクは、ユニオンフィルタなどの、従来のスパイク除去フィルタを使用して除去される。
信号内のノイズの量は、S/N比として知られている尺度によって定量化されることが可能である(図10参照)。これは、プロセス変動による信号変動の量の、高周波ノイズによる信号変動の量に対する、比率として定義される。4未満の値は、信号がかなりのノイズを含み、従ってモデルの有効性を損なう可能性があることを示す、一般的な値である。
開発者は、かなりのノイズを含む信号に遭遇した場合、3つの選択肢のうちの1つを選択する必要がある。それらの選択肢は、好ましい順に、次のとおりである。
・ノイズの源を除去することによって信号を調整する(最良の対応策)
・フィルタリング技術を介してノイズを除去/最小化する
・モデルから信号を除外する
一般に、2〜4のS/N比を有する信号については、指数相関のある連続的ノイズが、指数フィルタなどの従来のローパスフィルタを使用して除去されることが可能である。指数フィルタの式は次のとおりである。
=Pn−1+(1−P) 指数フィルタの式 式8
P=Exp(−T/T) フィルタ定数の計算 式9
は、現在フィルタリングされる値
n−1は、以前にフィルタリングされた値
は、現在の生の値
Pは、指数フィルタ定数
は、計測値のサンプル時間
は、フィルタ時定数
非常に不十分なS/N比(例えば、2未満)を有する信号は、モデル内に直接含まれるフィルタリング技術によっては十分に改善されない可能性がある。その入力が重要であると見なされる場合、スケーリングファクタのサイズを大幅に増加することによって(一般には、2〜10の範囲内のファクタ)、モデルの感度を低下させるように、変数のスケーリングが設定されるべきである。
D.変換された変数
変換された変数は、2つの異なる理由によってモデル内に含められるべきである。
第1に、特定の装置およびプロセス化学のエンジニアリング解析に基づいて、プロセス内の既知の非線形性が変換されて、モデル内に含められるべきである。PCAの仮定の1つは、モデル内の変数は線形的に相関があるということであり、プロセスまたは装置の大きな非線形性は、この相関構造を破壊し、モデルからの逸脱として現れる。これは、モデルの使用可能範囲に影響を及ぼす。
よく知られている非線形変換の例は、次のとおりである。
・蒸留塔内の還流対原料比
・高純度蒸留における組成記録
・圧力補償された温度計測値
・側留の収率
・流量対バルブ位置(図2)
・指数的温度変化に対する反応速度
第2に、過去に発生したプロセスの問題からのデータも、これらの問題がプロセス計測値内にどのように現れるかを理解するために、検査されるべきである。例えば、タワーデルタ圧力と原料レートとの間の関係は比較的線形であるが、フラッディング点に到達すると、デルタ圧力は指数的に増加する。タワーフラッディングは、この線形的相関関係の中断によって捕捉されるため、デルタ圧力と原料レートとの両方が含められるべきである。別の例として、触媒流量の問題は、多くの場合、移送ライン内のデルタ圧力において見られることが可能である。従って、絶対圧力計測値をモデル内に含める代わりに、デルタ圧力が計算されて含められるべきである。
E.動的変換
図11は、2つの計測の現在値間の相関関係を、プロセス動特性がどのようにして壊すことが可能かを示す。遷移時間の間、1つの値は常に変化しており、もう一方は変化しておらず、従って、遷移の間、現在値間に相関関係は存在しない。しかし、これらの2つの計測値は、主変数を動的伝達関数を使用して変換することによって、時間同期した状態に戻されることが可能である。通常は、データを時間同期させるには、むだ時間動的モデルの一次(式9のラプラス変換フォーマットに示す)で十分である。
Figure 2008512792
Y−生のデータ
Y’−時間同期されたデータ
T−時定数
Θ−むだ時間
S−ラプラス変換パラメータ
この技術は、モデル内で使用される変数間にかなりの動的分離が存在する場合にのみ必要とされる。通常は、変数の1〜2%のみがこの処置を必要とする。これは、オペレータによってしばしば大幅に変更される、設定点などの独立変数について、およびモデル化されている主プロセスユニットよりもかなり上流の計測値について成り立つ。
F.平均運転点の除去
連続精製および化学プロセスは、1つの運転点から別の運転点に、常に移動されている。これらは、オペレータまたは最適化プログラムが主要設定点に変更を加えることによる、意図的なものであってもよく、あるいは、熱交換機のファウリングや、触媒の失活などの、低速なプロセスの変化によるものであってもよい。従って、生のデータは静止していない。静止したデータセットを作成するには、これらの運転点の変化が除去される必要がある。除去しない場合、これらの変化は誤って異常事象として現れる。
プロセス計測値は、偏差変数(移動している平均運転点からの偏差)に変換される。平均運転点を除去するためのこの変換は、異常事象検出のためのPCAモデルを作成する場合に必要とされる。これは、計測値の指数フィルタリングされた値(指数フィルタの式については、式8および式9を参照)を、計測値の生の値から減算し、この差をモデル内で使用することによって行われる。
X’=X−Xfiltered 式10
X’−運転点の変化を除去するために変換された計測値
X−最初の生の計測値
filtered−指数フィルタリングされた生の計測値
指数フィルタの時定数は、プロセスの主要な時定数とほぼ同じサイズでなければならない。多くの場合、40分程度の時定数が適切である。この変換の結果は、PCAモデルへの入力が、移動している平均運転点からの、プロセスの最近の変化の計測値になるということである。
この変換を正確に実行するためには、オンラインシステムに一致するサンプリング頻度(多くの場合、1分ごと、またはより高速な頻度)でデータが収集されるべきである。この結果として、1年間の運転データを対象として含むために、各計測値について、525,6000のサンプルが収集される。この変換が計算されたら、より扱いやすい数のサンプル(通常は、30,000〜50,000サンプルの範囲)となるように、データセットが再サンプリングされる。
V.モデルの作成
特定の計測値が選択され、トレーニングデータセットが構築されたら、標準的なツールを使用してモデルを迅速に構築することができる。
A.モデル入力のスケーリング
PCAモデルの性能は、入力のスケーリングに依存する。従来のスケーリングの手法は、各入力を、トレーニングデータセット内でのその入力の標準偏差σによって除算することである。
’=X/σ 式11
多数のほぼ同じ計測値(固定触媒反応器床(fixed catalyst reactor beds)の複数の温度計測値など)を含む入力セットについては、この手法は、ほぼ同じ計測値の数の平方根によって、計測値を更に除算するように修正される。
冗長データグループについては、次のようになる。
’=X/(σ sqrt(N)) 式12
ここで、N=冗長データグループ内の入力の数
これらの従来の手法は、連続精製および化学プロセスからの計測値には不適切な場合がある。プロセスは、通常、指定された運転点において適切に制御されるため、データ分布は、定常状態運転からのデータと、「乱された」、運転点が変化する運転からのデータとの組み合わせである。これらのデータは、圧倒的多数の定常状態運転データからの、過度に小さな標準偏差を有する。結果としてもたらされるPCAモデルは、プロセス計測値内の小〜中程度の偏差に過度に敏感なものとなる。
連続精製および化学プロセスの場合、スケーリングは、連続的な定常状態運転の間に発生する変動の程度に基づくのではなく、正常なプロセス外乱の間、または運転点の変化の間に発生する変動の程度に基づくべきである。通常制限されない変数(normally unconstrained variables)については、スケーリングファクタを決定するための2つの異なる方法が存在する。
第1の方法は、プロセスが定常状態では実行されていなかったが、重大な異常事象にも遭遇していなかった期間を識別することである。限られた数の計測値が、定常状態運転の主要な指標としての役割を果たす。これらは、一般に、プロセスの主要性能指標であり、通常は、プロセス原料レート、製品生産レート、および製品品質を含む。これらの主要な尺度は、運転を、正常な定常状態運転、正常な乱された運転、および異常運転の期間に分割するために使用される。正常な乱された運転の期間からの標準偏差は、ほとんどの計測値のための良好なスケーリングファクタを提供する。
乱された運転に基づいてスケーリングを明示的に計算するための、代替の手法は、トレーニングデータセット全体を以下のように使用することである。スケーリングファクタは、平均から3標準偏差の外側のデータ分布を見ることによって近似されることが可能である。例えば、データの99.7%は、平均の3標準偏差以内になければならず、データの99.99%は、平均の4標準偏差以内になければならない。平均から99.7%と99.99%との間のデータ値の範囲は、データセット内の「乱された」データの標準偏差のための近似としての役割を果たすことが可能である。図12を参照されたい。
最後に、計測値がしばしば制限される場合(飽和した変数についての説明を参照)、変数が制限されていない期間のみが、スケーリングファクタとして使用される標準偏差の計算のために使用されるべきである。
B.主成分の数の選択
PCAは、実際のプロセス変数を、主成分(PC)と呼ばれる独立変数の組に変換する。主成分は、元の変数の一次結合である(式13)。
PC=Ai,1 +Ai,2 +Ai,3 +... 式13
プロセスは、プロセスに作用する特定の独立した効果を現す、いくつかの自由度を有する。これらの異なる独立した効果は、プロセスデータ内に、プロセス変動として現れる。プロセス変動は、原料レートの変化などの意図的な変化によるものであってもよく、あるいは、周囲温度の変動などの意図的でない外乱によるものであってもよい。
各主成分は、プロセスに対するこれらの異なる独立した作用により発生する、プロセス変動の一部をモデル化する。主成分は、データセット内の変動を減少させる方向で抽出され、後続の各主成分は、ますます少ないプロセス変動をモデル化する。重要な主成分は、重要なプロセス変動の源を表す。例えば、第1の主成分は、通常、原料レートの変化の効果を現し、その理由は、原料レートの変化は、通常、最も大きなプロセス変化の源であるためである。ある時点において、開発者は、主成分によってモデル化されるプロセス変動が、プロセス変動の独立した源をもはや表さない場合を決定しなければならない。
正しい数の主成分を選択するための技術手法は、主成分への主要な寄与(contributor)である変数のグループがもはや技術的意味をなさない場合に、停止することである。PCによってモデル化されるプロセス変動の主な原因は、元の変数の係数Ai,n(ローディングと呼ばれる)を見ることによって識別される。比較的大きな値である、それらの係数が、特定のPCへの主要な寄与(contributor)である。プロセスをよく理解している人は、PCへの主要な寄与(contributor)である変数のグループを見て、そのPCに名前(例えば、原料レートの効果)を割り当てることができるはずである。より多くのPCがデータから抽出されるにつれて、係数のサイズはより等しくなる。この時点において、特定のPCによってモデル化されている変動は、主にノイズである。
PCが単にノイズをモデル化している場合を判定するための従来の統計的方法は、それぞれの新しいPCを使用してモデル化されているプロセス変動が、一定になる場合を識別することである。これは、それぞれの引き続くPCによってモデル化される変動の量をプロットする、PRESS統計量によって計測される(図13)。残念なことに、この試験は、精製および化学プロセスについて開発されるPCAモデルにとっては、しばしば不明瞭である。
VI.モデルの試験およびチューニング
プロセスデータは、ガウス分布(つまり正規分布)を有さない。従って、残留エラーの3標準偏差において異常事象を検出するためのトリガを設定するという、標準的な統計的方法は使用されるべきではない。その代わりに、トリガ点は、モデルの使用体験に基づいて経験的に設定される必要がある。
最初に、現場の技術者に受け入れ可能なペース(通常は、毎日5〜6回)で異常事象が報知されるように、トリガレベルが設定されるべきである。これは、トレーニングデータセットのSPE統計量(これは、Q統計量またはDMOD統計量とも呼ばれる)を調べることによって決定されてもよい。このレベルは、実際の異常事象をとらえそこねることがないように、しかし誤警報が現場の技術者を圧倒することのないように設定される。
A.モデルの強化
初期モデルが作成されたら、新しいトレーニングデータセットを作成することによってそのモデルは強化される必要がある。これは、そのモデルを使用してプロセスを監視することによって行われる。潜在的異常状況をモデルが示したら、技術者は、プロセス状況を調査して分類するべきである。技術者は、3つの異なる状況(何らかの特別なプロセス運転が発生しているか、実際の異常状況が発生しているか、またはプロセスは正常であって、それは誤った指示であるか)を見いだす。
新しいトレーニングデータセットは、特別な運転および正常な運転からのデータにより構成される。初期モデルを作成するために行われたのと同じ解析が、そのデータに対して実行されて、モデルが再計算される必要がある。この新しいモデルでも、トリガレベルはやはり経験的に設定されるが、今回はより適切に注釈が付けられたデータが使用される。このトリガ点は、本当の異常事象が発生した場合の指示のみを提供するようにチューニングされてもよい。
異常事象検出のための単純なエンジニアリングモデル
プロセス装置の物理、化学、および機械設計、ならびに複数の類似した計測値の挿入は、連続精製および化学プロセスからのデータ内に、かなりの量の冗長性を作り出す。この冗長性は、同一の計測値が存在する場合は、物理的冗長性と呼ばれ、プロセス条件の、独立しているが同等の評価を実行するために、物理的、化学的、または機械的関係が使用される場合は、計算上の冗長性と呼ばれる。このクラスのモデルは、エンジニアリング冗長性モデルと呼ばれる。
I.2次元エンジニアリング冗長性モデル
これは最も単純な形態のモデルであり、次の一般的な形態を有している。
F(y)=G(x)+filtered bias+operator bias+error 式14
raw bias=F(y)−{G(x)+filtered bias+operator bias}=error 式15
filtered bias=filtered biasi−1+Nraw biasi−1 式16
N−収束係数(例えば、0.0001)
正常な運転範囲:xmin<x<xmax
正常なモデル偏差:−(max_error)<error<(max_error)
「operator bias」項は、モデルの移行を必要とする何らかの現場事象(例えば、バイパス流の開通)があったことをオペレータが判定した場合に、更新される。オペレータのコマンド上で、「operator bias」項は、式14が正確に満足されるように(error=0)更新される。
「filtered bias」項は、エンジニアリング冗長性モデルにバイアスをかける、恒久的な計測されないプロセスの変化を計上するために、継続的に更新される。収束係数「N」は、通常は数日の時間スケールの、ユーザが指定した期間の後に、すべての恒久的変化をなくすように設定される。
「正常な運転範囲」および「正常なモデル偏差」は、エンジニアリング冗長性モデルの履歴データから決定される。ほとんどの場合、max_error値は単一値であるが、これは、x軸の位置に依存する値のベクトルであってもよい。
物質収支、エネルギー収支、推定されるアナライザの示度対実際のアナライザの示度、コンプレッサ曲線などの、任意の2次元の式が、この方法で表されてもよい。図14は、2次元エネルギー収支を示す。
一例として、流量対バルブ位置モデルについて、更に詳しく説明する。
A.流量対バルブ位置モデル
特に有用なエンジニアリング冗長性モデルは、流量対バルブ位置モデルである。このモデルは、図2に図式的に示されている。このモデルの特定の形態は、次のとおりである。
Figure 2008512792
ここで、
Flow:計測された、制御バルブを通過する流量
Delta_Pressure=計測された最近接の上流圧力−計測された最近接の下流圧力
Delta_Pressurereference:正常運転中の平均Delta_Pressure
a:履歴データにフィッティングされたモデルパラメータ
Cv:履歴データから経験的に決定されたバルブ特性曲線
VP:制御バルブへの信号(実際の制御バルブ位置ではない)
このモデルの目的は、次のとおりである。
・固着しつつある/固着した制御バルブの検出
・不変の/失敗した流量計測値の検出
・制御システムが流量を制御することができない、制御バルブ運転の検出
この流量対バルブ式の特定の配置は、この形態による式のx−yプロットがオペレータによって最も容易に理解されるものであるという、ヒューマンファクタの理由により選択された。これらのモデルのいずれについても、オペレータによって容易に理解される可能性が最も高い方法で配置されるということが重要である。
B.流量対バルブ位置モデルの開発
連続精製および化学プロセスでは長期の定常状態運転が発生するため、制御バルブの運転全域にわたる十分なデータを取得するには、長い履歴記録(1〜2年)が必要とされる可能性がある。図15は、長期の恒常的運転に伴う、一般的な一続きの期間の流量、バルブ位置、およびデルタ圧力データを示す。最初の工程は、図示されているように、運転内で、何らかの大きな変動がある短い期間を抜き出すことである。これは、次に、履歴内のさまざまな期間から取得された正常な運転期間と混合されるべきである。
Upstream_Pressure(しばしば、ポンプ吐出)またはDownstrem_Pressureのいずれかは、しばしば入手できない。それらの場合、欠けている計測値は、モデルの、固定されたモデルパラメータとなる。両方の圧力が欠けている場合、圧力の効果をモデル内に含めることは不可能である。
バルブ特性曲線は、線形バルブ曲線、2次バルブ曲線、または区分線形関数のいずれかにフィッティングされてもよい。区分線形関数は、最も柔軟であり、任意の形態のバルブ特性曲線に適合する。
計測値がバルブの両端で直接取得される場合、「a」の理論値は1/2である。計測がそこに配置されることはまれである。「a」は、圧力計測の実際の位置付けを計上するための、経験的に決定されるパラメータとなる。
多くの場合、Delta_Pressureの変動を有する期間は非常に少ない。正常な運転期間中の、Delta_Pressure内のノイズは、モデルフィッティングプログラムを混乱させる可能性がある。これを克服するために、モデルは2つのフェーズで開発される。最初に、Delta_Pressureの変動の期間のみを含む、小さなデータセットが、モデルのフィッティングのために使用される。次に、圧力依存パラメータ(「a」、およびおそらく、欠けている上流または下流圧力)が、決定された値において固定され、より大きなデータセットを使用してモデルが再開発される。
C.流量対バルブ異常性指標のファジーネット処理
任意の2次元エンジニアリング冗長性モデルと同様に、「正常な運転範囲」および「正常なモデル偏差」という、異常性の2つの尺度が存在する。「正常なモデル偏差」は、error/max_errorという、正規化された指標に基づく。これは、タイプ4ファジー弁別器内に供給される(図16)。開発者は、正規化された指標を使用することにより、標準的な方法で、正常(値0)から異常(値1)への遷移を選択することが可能である。
「正常な運転範囲」指標は、バルブ位置の正常な領域からの距離である。これは通常、バルブ位置の変化によってバルブを通過する流量にほとんどまたはまったく変化がもたされない、バルブの運転領域を表す。再び、開発者は、タイプ4ファジー弁別器を使用することによって、正常な運転範囲の上端および下端と、正常運転から異常運転への遷移との両方を対象として含むことができる。
D.複数の流量/バルブモデルのグループ化
オペレータによって支持される、流量/バルブモデルをグループ化する一般的な方法は、これらのモデルのすべてを単一のファジーネットワーク内に入れ、それにより、トレンド指標が、すべての重要な流量制御器が動作していることをオペレータに通知するようにすることである。その場合、ファジーネットワーク内へのモデル指標(図4)は、流量/バルブモデルのそれぞれについての、「正常な運転範囲」および「正常なモデル偏差」指標を含む。トレンドは、最悪のモデル指標からの弁別器結果を含む。
一般的な装置タイプが一緒にグループ化される場合、このグループを調べるための、オペレータにより支持される別の方法は、流量/バルブのパレート図を介した方法である(図17)。この図において、最も異常な10のバルブが、左の最も異常なバルブから、右の最も異常でないバルブまで、動的に並べられる。各パレートバーは、更に、正常範囲内の、モデル異常性指標の変動の程度を示す、参照ボックスを有する。図17のチャートは、「バルブ10」は正常ボックスのかなり外側になっているが、その他はすべて正常に振る舞っていることを示している。オペレータは、次に、「バルブ10」の、図2に類似したプロットを調査して、流量制御ループの問題を診断する。
II.多次元エンジニアリング冗長性モデル
次元の数が2よりも大きくなると、高次元エンジニアリング冗長性検査を処理するために、単一の「PCAライクな」モデルが開発される。多次元冗長性の例を次に示す。
・圧力1=圧力2=...=圧力n
・プロセスユニット1内への物質流量=プロセスユニット1からの物質流量=...=プロセスユニット2内への物質流量
計測値較正誤差のため、これらの式は、それぞれ補償する係数を必要とする。従って、最初に開発されなければならないモデルセットは、次のとおりである。
(y)=a(x)+filtered bias1,i+operator bias+error1,i
(y)=a(x)+filtered bias2,i+operator bias+error2,i
(y)=a(x)+filtered biasn,i+operator bias+errorn,i 式18
これらのモデルは、2次元エンジニアリング冗長性モデルが開発されたのと同じ方法で開発される。
この多次元検査の組は、次に、「PCAライクな」モデルに変換される。この変換は、プロセスに対する独立した効果のモデルとしてのPCAモデル内の主成分の解釈に依拠し、ここで、主成分係数(ローディング)は、この独立した効果による計測値内の比例する変化を表す。図3では、3つの独立した冗長な計測値X1、X2、およびX3が存在する。X3が1だけ変化すると、X1はaだけ変化し、X2はaだけ変化する。この関係の組は、スケーリングされていない工学単位による係数を使用した、単一の主成分モデルPとして表される。
P=aX1+aX2+aX3 式19
ここで、a=1である。
この工学単位バージョンのモデルは、次のように、標準的なPCAモデルフォーマットに変換されてもよい。
標準的な統計上の概念との類似性を引き出すと、各次元Xについての変換係数は、正常な運転範囲に基づいていてもよい。例えば、正常な運転範囲を定義するために平均の周囲の3σを使用することにより、スケーリングされた変数は次のように定義される。
scale=X正常な運転範囲/6σ 式20
(正常な運転データの99.7%は、平均の3σ以内になければならない)
mid=X運転範囲の中点 式21
(「平均」を、正常な運転範囲の中点として明示的に定義)
X’=(X−Xmid)/Xscale 式22
(平均およびσが決定された後の標準的なPCAスケーリング)
そして、XについてのP’ローディングは、次のとおりである。
Figure 2008512792
(ローディングベクトルが正規化されているという要件)
これは、Pを次のように変換する。
P’=b X1+b X2+・・・+b XN 式24
P’「標準偏差」=b+b+・・・+b 式25
この変換を使用して、多次元エンジニアリング冗長性モデルは、次に、計算と、例外処理と、オペレータ表示および対話とのために、標準的なPCA構造を用いて処理されてもよい。
異常事象検出のための、PCAモデルおよび単純なエンジニアリングモデルの配備
I.オペレータおよび既知事象抑止
抑止ロジックは、以下のために必要とされる。
・計測可能な異常事象からの誤った指示をなくすための方法を提供する。
・オペレータがすでに調査した異常指標をクリアするための方法を提供する。
・メンテナンスのためにモデルまたは計測値を一時的に無効にするための方法を提供する。
・不正な動作をしているモデルを、それらがチューニングしなおされることが可能になるまで無効にするための方法を提供する
・不正な動作をしている計測器を恒久的に無効にするための方法を提供する
外部の計測可能な事象によって自動的にトリガされる抑止と、オペレータによって起動される抑止との、2つのタイプの抑止が存在する。これらの2つのタイプの抑止の背後にあるロジックを、図18および図19に示す。これらの図は、ファジー化されたモデル指標に対して発生する抑止を示すが、抑止は、特定の計測値に対して、特定のモデル指標に対して、モデル全体に対して、またはプロセス領域内のモデルの組み合わせに対して発生してもよい。
オペレータにより起動される抑止については、抑止の終了時を決定する、2つのタイマが存在する。1つのタイマは、抑止された情報が正常な状態に戻り、その状態に留まっていることを確認する。このタイマの一般的な値は、15〜30分である。2つ目のタイマは、抑止された情報が正常な状態に戻ったかどうかにかかわらず、異常事象検査を再開させる。このタイマの一般的な値は、オペレータの勤務時間の長さ(8〜12時間)に等しいか、または半永久的な抑止のための非常に長い時間のいずれかである。
事象ベースの抑止のためには、計測可能なトリガが必要とされる。これは、オペレータ設定点の変化、突然の計測値の変化、またはデジタル信号であってもよい。この信号は、図20に示すタイミング信号に変換される。このタイミング信号は、次の式を使用して、トリガ信号から作成される。
=Pn−1+(1−P) 指数フィルタの式 式26
P=Exp(−T/T) フィルタ定数の計算 式27
=X−Y タイミング信号の計算 式28
ここで、
トリガ信号の、現在フィルタリングされる値
n−1 トリガ信号の、以前にフィルタリングされた値
トリガ信号の現在値
図20に示すタイミング信号
P 指数フィルタ定数
計測値のサンプル時間
フィルタ時定数
タイミング信号がしきい値(図20では0.05として示されている)を上回っている間は、事象は抑止されたままになる。開発者は、フィルタ時定数Tを変更することによって、抑止の長さを設定する。単純なタイマがこの関数の代わりに使用されてもよいが、このタイミング信号は、さまざまなサイズのトリガ信号の原因となり、大きな変化に対しては長い抑止を、より小さな変化に対してはより短い抑止を作り出す。
図21は、PCAモデル内の事前定義された入力の組を無効にしている、事象抑止およびオペレータ抑止を示す。自動的に抑止される入力の組は、オンラインモデルの性能から決定される。PCAモデルが、オペレータが確認したくない指標を提供する場合、この指標は、誤差平方和(Sum of Error Square)指標への少数の個別の寄与(contribution)にさかのぼって調べられてもよい。これらの個別の寄与(contribution)を抑止するために、この指標の計算は次のように修正される。
Figure 2008512792
−入力iについての寄与(contribution)の重み(通常は1に等しい)
−入力iからの、誤差平方和(sum of error squared)への寄与(contribution)
トリガ事象が発生した場合、抑止される各入力について、寄与(contribution)の重みが0に設定される。これらの入力が再開される場合、寄与(contribution)の重みは徐々に値1に戻される。
II.PCAモデルの分解
PCAモデルは広いプロセス装置範囲を使用して構築されるが、モデル指標は、オペレータのプロセス視野に、より一致するような、そして異常事象への指標の感度を向上できるような、グループに分けられてもよい。
式29を再び参照すると、いくつかの誤差平方和(Sum of Error Square)のグループを作成することが可能である。
Figure 2008512792
通常、これらのグループは、装置のより小さなサブユニット(例えば、塔のリボイラー部分)に基づくものであるか、または、装置の機能に関連したサブグループ(例えば、製品品質)である。
それぞれの寄与(contributor)eは、プロセスノイズに基づく誤差平方和(sum of error square)を常に増加させるため、ノイズによる指標のサイズは、指標に寄与する入力の数とともに直線的に増加する。誤差平方和(sum of error square)の計算への寄与(contributor)がより少数になるにつれて、指標のS/N比は向上し、指標は異常事象に対してより敏感になる。
同様の方法で、各主成分は、装置グループに一致するように細分されてもよく、また、各サブグループについて、ホテリングT(Hotelling T)指標に類似した指標が作成されてもよい。
Figure 2008512792
これらの指標のしきい値は、モデルを介して試験データを実行し、試験データ上でのそれらモデルの性能に基づいてしきい値の感度を設定することにより計算される。
これらの新しい指標は、通常のPCAモデルが扱われるのと同じ方法で、オペレータによって解釈される。元の入力に基づくパレート図は、誤差平方和(sum of error square)指標への最大の寄与(contributor)について、およびT計算内の最大のPへの最大の寄与(contributor)について示される。
III.重複しているPCAモデル
モデルに影響を及ぼしているすべての相互作用がモデル内に含まれるように、入力は複数のPCAモデル内に現れる。これらの入力が誤差平方和(sum of error square)指標への主要な寄与(contributor)である場合、これはオペレータへの複数の指示を発生させる可能性がある。
この問題を回避するために、複数のPCAモデル内に現れるいかなる入力にも、それらのPCAモデルのうちの1つが、その入力の主要モデルとして割り当てられる。主要PCAモデルについては、式29内の寄与(contribution)の重みは1のままになるのに対して、非主要PCAモデルについては0に設定される。
IV.オペレータ対話およびインタフェースの設計
オペレータインタフェースの主な目標は、次のとおりである。
・オペレータの権限下にある主要なプロセス領域の、正常性の連続的な指標を提供する
・基礎をなすモデル情報への(1回または2回のマウスクリックでの)迅速なナビゲーションを提供する。
・モデルを有効にするための制御をオペレータに提供する。
図22は、これらの設計目標が、オペレータによって使用される主要インタフェース内に表される方法を示す。
ファジーペトリネットからの最終出力は、図4に示されているような、正常性トレンドである。このトレンドは、ファジー弁別関数によって定義された、異常性の最も高い可能性を示すモデル指標を表す。要約の中に示されるトレンドの数は、自由に変更でき、オペレータとの話し合いの中で決定される。このトレンド上には、オペレータによる対処が必要な場合の報知に役立つ、オペレータのための2本の基準線があり、黄色い線は、通常、値0.6に設定され、赤い線は、通常、値0.9に設定される。これらの線は、オペレータによる対処がいつ期待されるかについての指針を、オペレータに提供する。トレンドが黄色い線を横切ると、図4の緑の三角形が黄色に変わり、トレンドが赤い線を横切ると、緑の三角形が赤に変わる。三角形は、最も異常な指標を提供しているモデルに関連付けられた表示に、オペレータを案内する機能も有する。
モデルが、PCAモデルである場合、または装置グループの部分(例えば、すべての制御バルブ)である場合、緑の三角形を選択すると、パレート図が作成される。PCAモデルの場合、モデル指標への12の最も大きな寄与(contributor)のうち、最も異常なもの(左)から最も異常でないもの(右)までが、これにより示される。通常は、主要な異常事象指標は、最初の2〜3の計測値内にある。パレート図は、計測値がどれだけ異常であれば、異常性の指示であると見なされるかについての基準をオペレータに提供するための、赤いボックスを各バーの周囲に含む。
PCAモデルの場合、オペレータには、棒グラフパレートの順序に一致する、トレンドパレートが提供される。トレンドパレートでは、各プロットは、実際の計測値(水色)と、すべてが正常であるとしたら計測値はどのようであるかについての、PCAモデルからの推定(黄褐色)との、2つのトレンドを有する。
バルブ/流量モデルの場合、パレートの下の詳細は、2次元の流量対バルブ位置モデルプロットである。このプロットから、オペレータは、オペレータバイアスをモデルに適用してもよい。
装置グループが存在しない場合、緑の三角形を選択すると、オペレータは、要約トレンドの下の最悪2次元モデルに直ちに案内される。
オペレータ抑止は、パレート図レベルにおいて、各バーの下のオン/オフボタンを選択することによって行われる。
Figure 2008512792
オンラインシステム内の情報が、さまざまな変換、モデル計算、ファジーペトリネット、および統合を通して流れ、プロセス領域の正常性/異常性を示す要約トレンドに到達する方法を示す。 単純なx−yプロットとしての、オペレータへのバルブ流量プロットを示す。 PCAモデルとして表された3次元冗長性を示す。 ファジーネットワークのセットアップの概略図を示す。 異常事象アプリケーションの開発のための全体的プロセスの概略図を示す。 プロセス制御カスケードの構造の概略図を示す。 多変数制限コントローラ(MVCC)の構造の概略図を示す。 現在品質のオンライン推論推定の概略図を示す。 履歴データのKPI解析を示す。 S/N比の図を示す。 2つの計測の現在値間の相関関係を、プロセス動特性がどのようにして壊すことが可能かを示す。 プロセスデータの確率分布を示す。 press統計量の図解を示す。 2次元エネルギー収支モデルを示す。 長期の恒常的運転に伴う、一般的な一続きの期間の流量、バルブ位置、およびデルタ圧力データを示す。 タイプ4ファジー弁別器を示す。 流量対バルブのパレート図を示す。 オペレータ抑止ロジックの概略図を示す。 事象抑止ロジックの概略図を示す。 事象抑止の継続期間の設定を示す。 PCAモデル内の事前定義された入力の組を無効にしている、事象抑止およびオペレータ抑止を示す。 設計目標が、オペレータによって使用される主要インタフェース内に表される方法を示す。

Claims (51)

  1. 工業プロセス内の異常事象を検出するためのシステムであって、前記プロセス内の異常運転を検出するための一組のモデルを含み、
    前記プロセスは、複数の装置グループおよび複数のプロセス運転モードに分割されており、前記モデルへの入力値としてのプロセス計測値を有することを特徴とするシステム。
  2. 前記複数の装置グループおよび複数のプロセス運転モードは、主成分分析モデルによって記述されることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
  3. 前記複数の装置グループは、同じグループ内での、すべての主要な物質およびエネルギー相互作用を含むことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
  4. 前記複数の装置グループは、同じグループ内での即時再循環を含むことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
  5. 前記複数の装置グループは、それらグループ間の相互作用が最小であることを特徴とする請求項2に記載のシステム。
  6. 前記複数の装置グループは、上流および下流の装置グループ間での、フィードフォワード経路およびフィードバック経路を含むことを特徴とする請求項5に記載のシステム。
  7. 前記複数の運転モードは、プロセスの挙動が非常に異なる複数の特定の期間であることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
  8. 前記システムへの入力値は、前記プロセスのシステムの性能および/または物理的状態を計測する計測値であることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
  9. 前記入力値は、前記システムの前記物理的状態を決定することを特徴とする請求項8に記載のシステム。
  10. 前記システムへの前記入力値は、温度、および/または圧力、および/または流量を含むことを特徴とする請求項9に記載のシステム。
  11. 前記入力計測値は、所定の値を超えるS/N比を有することを特徴とする請求項8に記載のシステム。
  12. モデルの出力は、ファジーペトリネットを使用して集約されることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
  13. 前記S/N比は4よりも大きいことを特徴とする請求項9に記載のシステム。
  14. 前記入力計測値は、相互相関試験を満足することを特徴とする請求項8に記載のシステム。
  15. 前記主成分分析モデルへの前記入力値は、スケーリングされることを特徴とする請求項2に記載のシステム。
  16. オペレータインタフェースを更に含むことを特徴とする請求項10に記載のシステム。
  17. 前記オペレータインタフェースは、パレート図を含むことを特徴とする請求項15に記載のシステム。
  18. 前記オペレータインタフェースは、最も異常な指標を提供する前記モデルの指標を含むことを特徴とする請求項15に記載のシステム。
  19. 前記オペレータインタフェースは、主要なプロセス領域の正常性の連続的な指標を含むことを特徴とする請求項15に記載のシステム。
  20. 前記ファジーネットは、異常性の最大の可能性を示す、正常性トレンドを含むことを特徴とする請求項15に記載のシステム。
  21. エンジニアリングモデルを更に含むことを特徴とする請求項2に記載のシステム。
  22. 推論計測値を更に含むことを特徴とする請求項2に記載のシステム。
  23. 前記エンジニアリングモデルは、既知の工学的関係に基づいた冗長性検査であることを特徴とする請求項19に記載のシステム。
  24. 前記冗長性検査は、2×2検査であることを特徴とする請求項21に記載のシステム。
  25. 前記冗長性検査は、複数冗長性検査であることを特徴とする請求項21に記載のシステム。
  26. 前記モデルの組は、プロセス運転に基づいて再構成されていることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
  27. 前記ファジーペトリネットからの前記出力は、正常性トレンドであることを特徴とする請求項10に記載のシステム。
  28. 前記工業プロセスは、化学プロセスであることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
  29. 前記工業プロセスは、石油化学プロセスであることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
  30. 前記工業プロセスは、精製プロセスであることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
  31. 工業プロセスのための異常事象検出器を開発する方法であって、
    a)前記プロセスを、複数の装置グループおよび/または複数の運転モードに分割する工程;
    b)前記装置および/または複数の運転モードについて、入力変数とそれらの運転範囲とを決定する工程;
    c)前記入力変数についての履歴データを決定する工程;
    d)異常運転を有さない履歴データトレーニングセットを決定する工程;および
    e)前記履歴データトレーニングセットを使用して、前記複数の装置グループおよび/または複数の運転モードのそれぞれについて1つのモデルの組を作成する工程
    を含むことを特徴とする方法。
  32. 既知の工学的関係に基づいてエンジニアリングモデルを作成する工程;および
    前記複数の装置グループおよび/または複数の運転モードについての前記モデルの組と組み合わせる工程
    を更に含むことを特徴とする請求項31に記載の方法。
  33. 前記モデルは、新しい履歴データトレーニングセットを使用して再較正されることを特徴とする請求項31に記載の方法。
  34. 前記モデルの組は、主成分分析モデルであることを特徴とする請求項31に記載の方法。
  35. 前記モデルからの出力を、ファジーペトリネットを使用して集約する工程を更に含むことを特徴とする請求項34に記載の方法。
  36. 前記モデルの組からの出力を、正常性トレンドとして表示する工程を更に含むことを特徴とする請求項31に記載の方法。
  37. 前記モデルの組からの出力を、正常または異常として解釈するために、ファジーペトリネットを使用する工程を更に含むことを特徴とする請求項31に記載の方法。
  38. モデル出力を、正常性および異常性の単一の連続的な要約に集約するために、ファジーペトリネットを使用する工程を更に含むことを特徴とする請求項31に記載の方法。
  39. 前記主成分分析モデルを、既知の工学的関係を使用して補う工程を更に含むことを特徴とする請求項34に記載の方法。
  40. 前記既知の工学的関係は、2×2冗長性検査であることを特徴とする請求項39に記載の方法。
  41. 前記既知の工学的関係は、多次元冗長性検査であることを特徴とする請求項39に記載の方法。
  42. 前記主成分分析モデルの組を、既知の工学的関係と組み合わせるために、ファジーペトリネットを使用する工程を更に含むことを特徴とする請求項39に記載の方法。
  43. 前記工業プロセスは、化学プロセスであることを特徴とする請求項31に記載の方法。
  44. 前記工業プロセスは、石油化学プロセスであることを特徴とする請求項31に記載の方法。
  45. 前記工業プロセスは、精製プロセスであることを特徴とする請求項31に記載の方法。
  46. 工業プロセスの異常事象を判定する方法であって、モデルの組からの出力が所定の値を超過しているかどうかを判定する工程を含み、
    前記モデルの組は、複数の装置グループおよび/または複数の運転モードおよび/または複数のエンジニアリングモデルに対応するモデルを含むことを特徴とする方法。
  47. 前記モデルの組からの出力は、前記プロセスの正常性の連続的な要約指標を提供するために、ファジーペトリネットを使用して集約されることを特徴とする請求項46に記載の方法。
  48. 装置グループ、運転モードまたはエンジニアリングモデルのためのパレート図を作成する工程を更に含むことを特徴とする請求項47に記載の方法。
  49. 前記工業プロセスは、化学プロセスであることを特徴とする請求項46に記載の方法。
  50. 前記工業プロセスは、石油化学プロセスであることを特徴とする請求項46に記載の方法。
  51. 前記工業プロセスは、精製プロセスであることを特徴とする請求項46に記載の方法。
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