JP2008509428A - 照明装置ならびに観察装置 - Google Patents

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Abstract

観察する物体、特に観察する眼を照明する少なくとも1つの照明光束(12)を発生させる少なくとも1つの光源を有する、それぞれ1つの観察光束をもつ1、2またはそれ以上の観察光路を有する観察装置用の照明装置において、少なくとも2つの照明部分光束(13)を設けており、かつ各照明部分光束(13)が対応する照明光束と同軸に伸長する照明装置であって、照明部分光束(13)が2またはそれ以上の大きさを変化できる照明スポットを観察する物体の基底上に形成するように該照明部分光束が形成される照明装置である。

Description

本発明は、第一に請求項1、7及び9の上位概念による観察装置用の照明装置に関する。さらに、本発明は、請求項27、28及び29の上位概念による観察装置ならびに請求項34及び35の上位概念による特別の使用に関する。
観察装置は、例えば手術用顕微鏡としてよい。特に、観察装置は、例えば眼外科すなわち白内障外科における特殊用途に使用される眼科手術用顕微鏡として形成することができる。
白内障外科において、例えば白内障によって濁った、水晶体が人工レンズに置換される。
眼の水晶体は、薄い包被いわゆる水晶体嚢の中にある。水晶体を切除するために水晶体嚢の中へ薄い切り込みを入れて水晶体への通路が作られ、かつ水晶体がマイクロサージェリー機器を用いて初めに小さい個別部分に分割され、次に吸引装置によって除去される。
この過程は、顕微鏡観察下に、例えば実体顕微鏡の観察下に、前記のような手術のために特に形成された照明装置の使用下に実施される。この照明装置は全術野の照明に必要な周辺照明及び白内障手術にとり決定的に重要な、本来の水晶体の瞳領域に制限された術野のための赤色背景照明である。この赤色背景照明は、透明の眼媒質を介して最終的に良好な血液供給によって赤く現れる網膜に当たる照明光の部分から生じ、前記網膜から反射散乱し、次にもちろん手術用顕微鏡を介して外科医からも赤く現れる背景照明として観察できる。この白内障外科において全く特徴的な赤色背景照明は、当業界において一般に用語「赤色反射」のもとに知られている。
白内障手術に重要な細部の最適な識別のために、術者に対して可能な限り均一な赤色背景照明が必要な前提条件であることが証明されている。つまり、照明装置に対する第1の要件は可能な限り良好な赤色反射の均一性を全患者瞳にわたって保証することである。
微小な部分に細分された水晶体のレンズ残部の完全な除去及び透明の膜、例えば水晶体嚢の良好な識別のために、別の要件すなわち位相物体の良好なコントラスト化は、可能な限り全患者瞳にわたって満たさなければならない。
過去において、前記のような赤色背景照明の発生との関連性の中ですでに種々の解決策が知られてきた。
米国特許第4,779,968号明細書に手術用顕微鏡用の同軸照明が記載されている。この解決策によって、補助モジュールとして既存の手術用顕微鏡に後から組み込むことができる照明モジュールを設けている。この補助モジュールは、好ましくは物体側で観察装置の主対物レンズの下に取り付けられる。顕微鏡軸上の照明カップリングは、スプリッタプレートまたはスプリッタキューブのいずれかを用いて行われる。
独国特許公開第4028605C2号明細書に、零度照明、同軸照明及び斜方照明の組合せを可能にする手術用顕微鏡用の照明装置が記載されている。そのために照明装置は、それぞれ可変式絞りを含む移動可能の部分ミラーならびに固定型6度ミラーを使用し、それによって各照明装置の照明角度と光割合とを変化させることができる。この公知の解決策の弱点は、同軸照明が軸近傍の斜方照明である同軸照明によるコントラスト増大にある。
独国特許出願公開第19638263A1号明細書に、前面の眼の部分を観察するために患者の眼を照明する際に避けられない角膜反射が抑制されるべきである眼科観察装置が開示されている。これは、それ以外公知の照明の発光野絞りの近傍で黒点の形態の光吸収体の取付によって行われる。
米国特許第6,011,647号明細書に、術中に周辺照明と最適な「赤色反射」照明との間で切り換えることができる眼科手術用顕微鏡用の切換式照明システムが記載されている。該照明装置は、光源、収光器、発光野絞り、偏光ミラー、視野レンズ及び主対物レンズからなる。この最適化された「赤色反射」照明において、次に周辺照明の場合のように発光野絞りではなく、物体面として眼瞳の中への光源の螺旋が結像される。
欧州特許出願公開第1109046A1号明細書に、2つの互いに独立して移動可能の反射素子を有し、該反射素子によって顕微鏡対物レンズの光軸と入射光の角度も、種々の光線の強度も互いに独立して変化できる手術用顕微鏡用の照明装置が開示されている。
眼の手術のために、及びこの場合特に白内障手術においては、均一な明るい「赤色反射」及び位相物体の良好なコントラスト化が患者の眼の瞳の全領域にわたって要求される。
従来使用されてきた手術用顕微鏡は、多かれ少なかれ眼瞳の大きい領域に対する前記の要件を満たしている。良好な均一な「赤色反射」の主要件と位相物体の良好なコントラスト化との間で常に妥協点を見出す必要がある。
大抵、観察のために小さい角度で照明される。しかしながら、これは結果的に「赤色反射」が患者瞳全体に均一に明るく現れないことをもたらしている。従来、照明角度は2及び4度の間が好適であることが実証されている。この角度で、良好なコントラスト化と患者瞳の照明との間で良好な妥協点が得られる。しかし「赤色反射」は、この配列で敏感に術中の患者の眼の転動に応答する。
同軸照明による実験は、良好な均一な「赤色反射」をもたらすが、位相物体のコントラスト化が粗悪になり、そのため実務ではこれまでまだ実証されていない。この場合、照明ミラー(またはプリズム)が実体顕微鏡の両方の光路の間に置かれるように照明光学系が配置された。つまり、これは正確に観察と同一の方向から行われる精密な0°照明ではない。
独国特許出願公開第4417273A1号明細書に、最終的に照明光束が少なくとも2つの照明部分光束に分割され、照明光束の各照明部分光束が観察光束と同軸に伸長する手術用顕微鏡用の照明装置が記載されている。それによって「赤色反射」が改善されることになっている。
上記の従来の技術から出発して本発明の基礎におく課題は、所望の最適化を引き続き遂行するために冒頭に述べた形式の照明装置ならびに観察装置を発展することである。特に、「赤色反射」の均一性及び/または水晶体嚢内のレンズ残部もしくは膜の良好なコントラスト化に関する実質的な要件の好適な問題解決策を実現可能である照明装置ならびに観察装置が提供されるべきである。
この課題は、本発明により、独立請求項1、7及び9に記載の特徴を有する照明装置、独立請求項27、28及び29に記載の特徴を有する観察装置ならびに独立請求項34及び35に記載の特別の使用によって解決される。本発明のその他の長所、特徴、詳細、態様及び効果は、従属請求項、明細書ならびに図面から明らかである。本発明に係る照明装置との関連性で記載された特徴及び詳細は、この場合もちろん本発明に係る観察装置との関連性及びその逆の関連性においても適用される。それに対応して特別の使用にも当てはまる。
本発明の第1の態様に従って、観察する物体、特に観察する眼を照明する少なくとも1つの照明光束を発生させる少なくとも1つの光源を有する、それぞれ1つの観察光束をもつ1、2またはそれ以上の、特に実体、観察光路を有する観察装置用の照明装置が提供され、少なくとも2つの照明部分光束を設けており、かつ各照明部分光束が対応する照明光束と同軸に伸長する。該照明装置は、本発明により、照明部分光束が観察する物体、例えば眼の基底上に2またはそれ以上の大きさを変化できる照明スポットを形成するように、該照明部分光束が形成された/されることを特徴とする。
従って、本発明の本質的内容は、第一に照明装置の新規の構想にある。該照明装置の新規の構想は、特に該照明装置が少なくとも2つの、1またはそれ以上の光源から生じる光束を発生し、その際に該光束の光軸が観察光束の光軸と同軸に伸長することにある。
例えば、第一にただ1つの照明光束を発生するただ1つの光源を設けることができる。この照明光束は、それに続き好適な手段、例えばビームスプリッタ等によって所望の数の照明部分光束に分割される。しかしまた、例えば照明装置が2またはそれ以上の光源を有し、次いで各光源が照明部分光束を発生することも考慮することができる。
それによって、真性の同軸照明が調達される。ここで「同軸」とは、一般的に軸近傍の照明のことである。これは厳密に零度での照明も、非常に小さい角度での軸近傍の斜方照明も併含している。これは「本質的に同軸」と表すこともできる。その例は本明細書の以下の経過の中でより詳しく説明する。
少なくとも2つの同軸の照明部分光束からなる新規照明コンセプトは、本発明により2またはそれ以上の大きさを変化できる照明スポットを観察する物体例えば眼の基底上に発生する。
本発明は、照明スポットの一定の大きさまたは形状に限定されていない。好ましくは、該照明スポットは円形またはほぼ円形の形状を有することができる。しかしながら、別の形状、例えば楕円形、多角形、環状形の照明スポット等も考えられる。
基底上の(二次)光源の正確な回折制限された結像によって、均一な「赤色反射」に加えて位相物体の良好なコントラスト化も得られる。
照明スポットの直径は、好適に、観察する物体の基底上で0.5及び1.5mmの間の範囲で変化させることができる。もちろん、照明スポットはより大きいまたはより小さい直径を有することもできる。照明スポット/群の直径は、好適に、観察する物体の基底上で1.5mm、好ましくは1.0mm、さらに好ましくは0.5mmを超えないように該直径を形成することができる。
照明スポット直径の変化は、この場合照明部分光束の変化によって限定されている。
照明光束は、好適に、観察する物体の基底上の照明スポットの大きさが、基底上の観察光束断面積の1倍、好ましくは0.7倍、さらに好ましくは0.5倍、特に好ましくは0.3倍を超えないように形成された/されることができる。
照明スポット直径の変化は様々な方法で実施することができる。これは、好適に絞り、例えば異なる直径を有する不連続な絞りまたは可変直径を有する可変絞り(虹彩絞り)を援用して行われる。しかしながら、そのために好適なディスプレイ、例えばLCDディスプレイを使用することも考えられる。同様に好適なズームシステムを介して変化を実現することも可能である。最後に挙げた変形例は、照明スポットの直径が縮小されるとき、照明スポット内の光強度を増大する別の長所を有する。
検査する物体の基底上の照明スポットの変化によって「赤色反射」の強度(輝度)及び均一性に干渉することができる。照明スポットの直径をより大きく選択することによって「赤色反射」がさらに均一かつ明るくなる。照明スポットの直径をより小さく選択することによって、「赤色反射」のコントラスト化がさらに良好になる。照明スポットの好適な直径は、ここで必要に応じてかつ適用事例に応じて自由に調節可能である。
本発明による照明装置によって、均一な「赤色反射」を提供する精密な同軸照明が実現され、さらに観察する物体、例えば患者の眼の転動に対しても鈍感になる。それによって、転動する眼の場合に必要となり得る「赤色反射」を最適化する照明の追従も省くことができ、それによって照明装置もしくは対応する観察装置の構造が簡単になる。
しかしながら、本発明により観察装置用の照明装置を設けているが、本発明は観察装置の特定のタイプに限定されていない。例えば、但し排他的ではなく、観察装置は手術用顕微鏡としてよい。手術用顕微鏡の分野で可能な使用目的の幾つかの非排他的な例は、本発明に係る観察装置との関連性においてより詳しく説明する。
本発明に係る照明装置は、特に好適に手術用顕微鏡用の、特に複式0°照明システムとして眼外科での適用に導入することができる。
好ましい一実施形態に従って、各照明部分光束は、観察する物体が各観察光束を基準に観察も行われる(0°観察)方向と同一の方向から照明された/されるように案内されている。観察装置が(実体)手術用顕微鏡である場合、各照明部分光束は、(実体)手術用顕微鏡の左側及び右側の観察光路に対して観察する物体、例えば眼、が観察も行われる方向と同一の方向から照明されるように案内される。それによって、各観察光路に対して精密な0°照明が生じる。
もう1つの好ましい実施形態に従って、各照明部分光束は、観察する物体が各観察光束を基準に2度未満/2度、好ましくは1度未満/1度の角度で斜方から照明された/されるように案内されている(軸近傍の斜方照明)。それによって、検査する物体は観察のために小さい角度で照明される。
患者の眼の基底上での照明及び小さい照明スポットに対して正確に回折限定されたビームガイドによって、同時に良好なコントラスト化で好適な「赤色反射」が得られる。さらに、この照明装置は全く問題なく術中の患者の眼の転動に応答する。
本発明の特に好ましい一実施形態は、観察する物体、特に観察する眼を照明する少なくとも1つの照明光束を発生させる少なくとも1つの光源を備えた、それぞれ1つの観察光束をもつ1、2またはそれ以上の観察光路を有する観察装置用の照明装置を設けており、各観察光束もしくは観察部分光束が対応する観察光束と同軸にまたは少なくとも本質的に同軸に伸長し、観察する物体の基底上の照明スポット/群の大きさが基底上の観察光束の断面積の1倍、好ましくは0.7倍、さらに好ましくは0.5倍、特に好ましくは0.3倍を超えない。好ましい発展形態において、さらに基底上の照明スポット/群の直径が1.5mm、好ましくは1.0mm、さらに好ましくは0.5mmを超えないことを考慮することができる。
もう1つの態様に従って、観察する物体、特に観察する眼を照明する少なくとも1つの照明光束を発生させる少なくとも1つの光源を有する、それぞれ1つの観察光束をもつ、1、2またはそれ以上の実体観察光路を有する観察装置用の照明装置が提供される。照明装置は、本発明により、照明光束が回折制限して結像され、かつ照明光束が観察する物体の基底上に1またはそれ以上の大きさを変化できる照明スポットを形成することを特徴とする。
最も簡単な場合において、前記態様に従って、ただ1つの照明スポットを発生するただ1つの照明光束を考慮している。しかしながら、2またはそれ以上の照明光束による実施形態も可能であり、その場合それぞれ1つの照明光束がそれぞれ1つの照明スポットを発生する。最後に挙げた場合において、照明光束は、全体的に見て、それぞれ照明部分光束である。
照明装置の本発明に係る実施形態に関しては、同様に第1の発明態様への上記説明が引用され、かつそれによって参照されたい。
観察する物体の基底上の照明スポット/群の大きさは、好適に、基底上の観察光束の断面積の1倍、好ましくは0.7倍、さらに好ましくは0.5倍、特に好ましくは0.3倍を超えないことを考慮することができる。
もう1つの態様に従って、観察する物体、特に観察する眼を照明する少なくとも1つの照明光束を発生させる少なくとも1つの光源を有する、それぞれ1つの観察光束をもつ、1、2またはそれ以上の観察光路を有する観察装置用の照明装置が提供される。本発明により、観察する物体の基底上の照明スポット/群の大きさが基底上の観察光束の断面積の1倍、好ましくは0.7倍、さらに好ましくは0.5倍、特に好ましくは0.3倍を超えないことを考慮することができる。
少なくとも1つの照明光束は、好適な対応する観察光束と同軸に伸長することができる。
別の実施形態において、基底上の観察光束の断面積の中心から照明スポットの中心の距離は、好適に、基底上の観察光束の断面積の半径の0.8倍、好ましくは0.5倍、さらに好ましくは0.2倍、特に好ましくは0.05倍になることを考慮している。
本発明による照明装置によって、特に照明スポットの好適な大きさは、患者の非正視及び観察装置、例えば手術用顕微鏡の拡大に合わせることを達成できる。これは、例えば基底上の観察光束の断面積に対する照明スポットの大きさの相対的表示によって達成される。好適な赤色反射の本質的な特徴、すなわち良好なコントラスト用の小さいスポットの大きさならびに基底上の照明スポットの位置が実現される。
本発明の好ましい実施形態は、観察する物体、特に観察する眼を照明する少なくとも1つの照明光束を発生させる少なくとも1つの光源を有する、それぞれ1つの観察光束をもつ、1、2またはそれ以上の観察光路を有する観察装置用の照明装置を考慮しており、観察する物体の基底上の照明スポット/群の大きさが基底上の観察光束の断面積の1倍、好ましくは0.7倍、さらに好ましくは0.5倍、特に好ましくは0.3倍を超えず、かつ基底上の観察光束の断面積の中心から照明スポットの中心の距離が基底上の観察光束の断面積の半径の0.8倍、好ましくは0.5倍、さらに好ましくは0.2倍、特に好ましくは0.05倍になる。
好ましくは、少なくとも1つの照明スポットの直径は観察する物体の基底上で0.5及び1.5mmの間の範囲で変化させることができる。観察する物体の基底上の照明スポット/群の直径は、好適に1.5mm、好ましくは1.0mm、さらに好ましくは0.5mmを超えないように該直径を形成することができる。
好ましくは、本発明に係る照明装置は少なくとも1つの対物レンズ素子を有することができる。対物レンズ素子は、この場合同様に観察装置の対物レンズ素子として、特に該観察装置の主対物レンズとして形成することができる。しかしながら、これは強制的に必要ではない。
さらに、照明装置において、少なくとも1つの光源と少なくとも1つの対物レンズ素子との間に配置された様々な光学素子を設けることができる。
好ましい実施形態において、それぞれ1つの観察光束及び照明部分光束もしくは照明光束の重ね合わせ用の手段を設けている。この手段は、様々な方法で形成し、かつ様々な場所に配置することができる。以下、そのために幾つかの非排他的な例を説明する。
例えば、観察光束及び照明部分光束もしくは照明光束の重ね合わせが対物レンズ素子の上方で行われるように、重ね合わせ用の手段が配置されることを考慮することができる。観察光束及び照明部分光束もしくは照明光束の重ね合わせは、例えば平行の光路内で主対物レンズを介して行うことができる。
例えば、観察光束及び照明部分光束もしくは照明光束の重ね合わせが対物レンズ素子の下方で行われるように、重ね合わせ用の手段を配置することも考慮することができる。それによって、照明部分光束もしくは照明光束及び観察光束を主対物レンズの下方で重ね合わせる可能性もある。この場合、照明部分光束が主対物レンズの焦点距離に応じて傾斜される場合が有利である。
最後に挙げた場合において、好ましくは、対物レンズ素子をいわゆるバリオスコープ光学系として形成されることを考慮することができる。バリオスコープ光学系は、一般にある1つの間隔で分離した少なくとも2つの光学素子を備える光学系であり、この間隔の変化によって対物レンズと物体面との間の自由な作業間隔を変化させることができる。このようなバリオスコープ光学系自体はすでに従来の技術から公知である。対物レンズ素子の下方の光束の重ね合わせによる前記の場合において、バリオスコープ光学系を使用する際に照明部分光束が自由な作業間隔に従って追従される場合に有利である。
すでに上述したように、本発明は「重ね合わせ手段」の特別の実施形態のタイプに限定されていない。例えば、重ね合わせ用の手段は、プリズム及び/またはビームスプリッタプレート及び/またはミラー、例えば部分透過ミラー及び/または穿孔型ミラーの形態の少なくとも1種の光学素子を有することができる。もちろん、該手段は別様に形成することもでき、その結果、本発明は上記例に限定されていない。
別の実施形態において、観察光束周りに配置した少なくとも1つの環状の照明部分光束を発生させる手段を設けることを考慮することができる。
好ましくは、少なくとも1つの照明光束及び/または少なくとも1つの照明部分光束の光束断面を変化させる少なくとも1つの装置を設けることができる。この場合、本発明は装置の特定の実施形態に限定されていない。この装置は、例えば絞り、特に虹彩絞りまたは不連続絞りとして、LCDディスプレイ(Liquid Crystal Display)として、DMD(Digital Mirror Device)として、LCOS(Liquid Crystal On Silicon)として、FLCOS(Ferroelectric Liquid Crystal On Silicon)等々として形成することができる。照明装置、例えば照明ビーム内の対応する装置の組込によって、観察する物体の表面、例えば患者の眼の基底上の光斑を変化させることも可能である。小さい光斑は良好なコントラストを提供する。白内障手術の場合、特に濃い白内障で「赤色反射」が暗すぎて現れ得るケースが発生する可能性がある。その場合、光斑と共に輝度を拡大することが有利である。網膜上の放射線の強度はそれによって拡大されない。コントラストに及ぼす負の影響は、非常に濃い白内障で光斑が難なく分散されるので予期されていない。
本発明に係る照明装置のもう1つの長所は、患者の眼の角膜前面上で、照明部分光束がこの箇所で近似的に覆われるので、1つの角膜反射のみが見えることにある。
有利な一実施形態において、2またはそれ以上の光源を設け、かつ各光源によって照明部分光束が発生されることを考慮することができる。それによって、独立の光源を使用することができ、各光源は専用の照明部分光束を発生する。
もう1つの有利な実施形態において、ただ1つの光源を設け、かつ該光源の照明光束を2またはそれ以上の照明部分光束に分割する手段を設けることを考慮することができる。これは、プリズム、部分透過ミラー等々の形態の好適なビームスプリッタとしてよい。
本発明は、特定の光源の使用に限定されていない。以下、そのための幾つかの有利な非排他的な例を挙げる。例えば、少なくとも1つの光源をランプとして、特にハロゲンランプまたはキセノンランプとして、レーザーとして、非熱的放射体として、光導体として、特に光ファイバ導体束として、少なくとも1つのLED(発光ダイオード)として、少なくとも1つのOLED(有機発光ダイオード)等々として形成することができる。もちろん種々の光源の組合せも可能である。
好ましくは、光源は1つまたは複数の個別的または領域ごとに切換可能の最小光源(群)の配列から形成されている。この場合、照明装置はそれによって作られた発光野形状を基準に簡単に変化させることができるように形成されている。この場合、最小光源は、特に電子的に、外部から、好ましくは制御装置によって駆動される。もう1つの特徴は、最小光源が可変の照明形状を調節できるようにするため、少なくとも領域ごとに駆動可能であることを考慮している。これは、特に環状の照明部分光束が発生する際に有利である。ここで、本発明は領域の特定の大きさ及び/または形状に限定されていない。最も簡単な場合、ただ1つの点を前記のような方法で駆動可能にすることができる。特に、光源が個々の最小光源からなるマトリックスから形成されている場合、1つまたは複数の最小光源を個別的にまたは群で駆動可能にすることができ、最後に挙げた場合、個々の最小光源は1つの領域にまとめることができる。この点に関しても、本発明は具体的な実施形態に限定されていない。
好ましくは、光源は1つまたは複数の発光ダイオード(群)(LED)、特に有機発光ダイオード(群)(OLED)の配列から形成することができる。有機発光ダイオードは、元々マイクロディスプレイとして開発されてきた。バックライトを必要とするLEDと異なり、OLED自体はランベルト放射体として発光する(平面エミッタ)。
OLEDは、構造化された照明源として良好な光効率と、暗い中間空間のない小さい構造を提供する。所望の照明形状に従って、個々の最小光源を接続することができ、かつ他方をオフの状態のままにすることができる。LEDに比べ、OLEDの場合は、充填係数はより高くなり、これはより高いパッケージ密度が実現可能であることを意味する。LEDまたはOLEDからなるディスプレイの使用は、プログラミング可能の、かつ例えば自動化可能の様々な照明モードの切換を可能にし、例えば位相コントラストリング、フィルタ、減衰器等々の機械的構成要素を動かす必要がない。特に好適であるのは、例えばそのスペクトルが有機分子の混合によって決定される白色のOLEDである。
要約すれば、上記のような照明装置は一連の長所を有する。同軸の照明によって、特に「真の」0°照明によって、非常に均一かつ明るい「赤色反射」を発生することができる。「赤色反射」は、観察する物体、例えば患者の眼の閉じ方に非常に鈍感に反応する。すなわち、角度に対する追従は省くことができる。光束断面、例えば(二重)虹彩絞りを変化させる装置の集積を介して「赤色反射」の輝度及び位相構造のコントラストを処置状況に適合しかつ最適化することができる。虹彩絞り直径の縮小によってコントラストを改善できるが、輝度も低下する。
本発明のもう1つの態様に従って、観察する物体、特に観察する眼を照明する少なくとも1つの照明光束を発生させる少なくとも1つの光源を有する、それぞれ1つの観察光束と照明装置とを備えた、1、2またはそれ以上の実体観察光路を備えた観察装置、特に手術用顕微鏡が提供される。照明装置は、実体観察に適応して、少なくとも2つの照明部分光束を有し、各照明部分光束は実体観察光束と同軸に伸長する。本発明により、照明部分光束が2またはそれ以上の大きさを変化できる照明スポットを観察する物体の基底上に形成するように該照明部分光束を形成したことを考慮している。
さらにもう1つの本発明の態様に従って、観察する物体、例えば眼を照明する少なくとも1つの照明光束を発生させる少なくとも1つの光源を有する、それぞれ1つの観察光束と照明装置とを備えた1、2またはそれ以上の実体観察光路を備えた観察装置、特に手術用顕微鏡が提供される。この観察装置は、本発明により、照明光束が回折制限されて結像され、かつ照明光束が1またはそれ以上の大きさを変化できる照明スポットを観察する物体の基底上に形成することを特徴とする。
さらに本発明のもう1つの態様に従って、観察する物体、例えば眼を照明する少なくとも1つの照明光束を発生させる少なくとも1つの光源を有する、それぞれ1つの観察光束と照明装置とを備えた、1、2またはそれ以上の実体観察光路を備えた観察装置、特に手術用顕微鏡が提供される。この観察装置は、本発明により、観察光束が少なくとも1つの照明スポットを観察する物体の基底上に形成し、かつ基底上の照明スポット/群の大きさは基底上の観察光束の断面積の1倍、好ましくは0.7倍、さらに好ましくは0.5倍、特に好ましくは0.3倍を超えないことを特徴とする。
少なくとも1つの照明スポットの直径は、好適に、観察する眼の基底上で0.5及び1.5mmの間の範囲で変化させることができる。好ましくは、照明スポット/群の直径は観察する物体の基底上で1.5mm、好ましくは1.0mm、さらに好ましくは0.5mmを超えないように該直径を形成することができる。
照明装置は、好適に上述の本発明に係る方法で形成されており、対応する説明に関係するため、それを参照されたい。
観察装置は、例えば照明装置の対物レンズ素子と同一である主対物レンズ素子を有することができる。さらに、それぞれ1つの観察光束及び照明部分光束もしくは照明光束の重ね合わせ用の手段を設けることができる。該重ね合わせ用の手段は、観察光束及び照明部分光束もしくは照明光束の重ね合わせが主対物レンズ素子の上方で行われるように配置することができる。
別の実施形態において、観察装置が照明装置の対物レンズ素子と同一である主対物レンズ素子を有し、それぞれ1つの観察光束及び照明部分光束もしくは照明光束の重ね合わせ用の手段を設けており、かつ観察光束及び照明部分光束もしくは照明光束の重ね合わせが主対物レンズ素子の下方で行われるように重ね合わせ用の手段を配置したことを考慮することができる。
好ましくは、最後に挙げた場合については主対物レンズ素子をいわゆるバリオスコープ光学系として形成することを考慮できる。バリオスコープ光学系の実施形態及び機能方式に関しては上述の本発明に係る照明装置との関連性の中で対応する説明を参照されたい。
好ましくは、観察装置は実体観察装置として、特に実体顕微鏡として形成することができる。手術用顕微鏡の光学系は、基本的に鏡筒、顕微鏡基体等のような複数の構成要素からなる。さらに、多数の手術用顕微鏡において、例えば補助観察者用の同時観察者鏡筒、記録用のビデオカメラ等のような様々な補助モジュールを除外することも可能である。
顕微鏡基体の内部に、さらに複数の、例えば照明装置、拡大装置、主対物レンズ等々の構造群を組み込むことができる。主対物レンズの特性量は、手術野と手術用顕微鏡の作業距離を規定し、かつ顕微鏡の全拡大倍率に影響を及ぼす該主対物レンズの焦点距離である。
好ましくは、少なくとも1つの観察光路内に1つの拡大システムを設けることができる。これは、例えば様々な倍率を調節できる変倍器とすることができる。多数の適用事例において、変倍は段階式で全く充分である。しかしながら、拡大システムとして、調節自在の拡大システムを利用して無段階の倍率(ズームシステム)を可能にする該拡大システムを使用することも可能である。
この場合有利には、すでに上述した観察装置の装置瞳が拡大システム内に定在させることを考慮することができる。
さらに、少なくとも1つの観察光路内に鏡筒素子及び接眼レンズ素子を設けてもよい。接眼レンズ素子の役割は、一般に鏡筒内に発生する中間像の後拡大ならびに可能であればこのような顕微鏡の利用者の場合によって生じる非正視の補正である。
有利には、さらに検査する物体の物体面が主対物レンズの前部焦点に形成されることを考慮している。それによって、検査する物体が主対物レンズによって無限大に結像されることが達成される。
好ましくは、観察装置を実体観察装置として、特に実体顕微鏡として形成することができる。この場合は、観察装置が2つの平行に伸びる観察光路を使用する。
観察装置は、好ましい実施形態に従って、本質的に3つの光学的部分構成要素すなわち主対物レンズ(アフォーカル)ズームシステムならびに鏡筒及び接眼レンズからなる双眼鏡から構成されるテレスコープ方式による実体顕微鏡としてよい。
観察装置の個々の部分構成要素の間で、観察光束が好ましくは平行に伸び、その結果、個々の部分構成要素はモジュール式に交換可能かつ組合せ可能である。
好ましい方法で、本発明に係る上記の照明装置は手術用顕微鏡に、特に眼科観察装置に、好ましくは白内障摘出用に形成した手術用顕微鏡に使用することができる。同様に、上記のような本発明に係る観察装置は、好適に眼科観察装置として、好ましくは白内障摘出用に形成した手術用顕微鏡として使用できる。
本発明に従って、特に白内障外科における最適化された照明システムに対する原理的な基本要件、すなわち赤色反射の均一性に対する同軸照明、赤色反射の良好なコントラスト化について明確に定義された照明スポットの非点収差の回折制限された結像が規定されている。
同軸照明光束の発生のために、例えばプリズムシステムが提案されている。基底上の照明スポットの大きさは、プリズムシステムにおける開口絞りの好適な適合により標定して調節することができる。
さらに、本発明に係る照明システムは、最適化された赤色反射照明と、実質的な適用に対して不可欠な実体観察における最大視野の完全な照明に対する周辺照明との間の簡単な切換を可能にする。
本発明は、以下、実施例を利用して添付図面を引用しより詳しく説明する。
図1に、観察装置に使用した照明装置の部分を示している。観察装置は、眼外科における使用、例えば白内障手術を実施するための実体手術用顕微鏡である。該照明装置を利用して、非常に均一な明るい「赤色反射」は、照明光束12が複数の照明部分光束13に分割されることによって達成される。これは、そのために好適なミラー/プリズム配列を提供できる照明光束の分割用の手段11によって行われる。照明部分光束13は、この場合、手術用顕微鏡の左側及び右側の観察光路を基準に観察する物体、本例の場合では患者の眼が、観察も行われる方向と同一の方向から照明されるように案内されている(0°照明)。
図の左側部分から読み取れるように、図示した例において観察光路は主観察者(HB)に対しても共同観察者(MB)に対しても設けられている。照明光路の分割用の手段11は、例えば観察装置の主対物レンズとしてもよい、例えば対物レンズ素子10の領域に配置することができる。
患者の眼(直径約0.5から1.5mm)の基底上の照明及び小さい照明スポット用の正確に回折制限されたビームガイドによって、この配列により同時に良好なコントラスト化で好適な「赤色反射」が得られる。さらに、この照明配列は全く問題なく術中の患者の眼の転動に応答する。
観察光束及び照明部分光束13の重ね合わせは、例えば平行の光路内で対物レンズ素子10(主対物レンズ)を介して、有利には部分透過ミラーまたはプリズムである手段11によって行うことができる。
さらに、照明装置内に虹彩絞りの形態で光束断面を変化させる装置14を設けている。それによって、照明ビーム12で患者の眼の基底上の光斑を変化させることができる。
本例において、照明光束12はただ1つの光源(図示せず)によって発生され、手段11を介して複数の照明部分光束13に分割される。しかしながら、複数の互いに独立した光源を使用することも考えられ、その際各光源はそれぞれ少なくとも1つの照明部分光束13を発生する。
赤色反射照明用の光学システムの構造は図2に概略を記載する。ある1つの光源から見たとき、図示した照明装置20に次のような光学構成要素が使用されている。すなわち、光導体21、収光器22、平凸レンズ23、発光野絞り24、開口絞り(孔絞り)25、光学構成要素26、例えばキット部材及びメニスカスからなる部分構成要素、例えばスプリッタミラーの形態の偏光素子27ならびに、例えば主対物レンズ素子の形態の対物レンズ素子28である。照明されるものは基底30を有する眼29である。
光導体21のファイバ端から、収光器22及び平凸レンズ23によって実中間像が作られる。この中間像の場所に、例えば孔絞りの形態の開口絞り25を取り付けることができる。この実中間像は、主対物レンズ28と、メニスカスレンズを備えたキット部材からなる部分構成要素26とからなる2部分からなる部分光学系の前部焦点面にある。この部分光学系は、次にもう1つのバーチャルな中間像を無限大に形成し、その結果、眼29から見て光導体21のファイバ端は遠点にある。その結果、ここで正視の眼の場合光導体21のファイバ端は照明スポットとして基底30に結像される。
光導体21のファイバ端の有効発光面は、例えば4.8mmにすることができる。開口絞り25内の中間像の直径は、この場合5.8mmになる。基底30上の照明スポットの大きさについては、前記例において直径1.5mmが得られる。
良好に定義された位置の孔絞りを利用して、中間像面(開口絞り)に赤色反射の良好な均一性に必要な実体観察軸と同軸の光束を実体観察軸の実体基部の間隔で発生することができる。孔絞りは、位置つまり光軸に対する横方向変位量と、大きさつまり孔絞りの直径とを基準にして、ファイバ端の実中間像と同じ結像尺度、すなわち5.8対1.5=3.9対1で縮小して基底上に結像される。孔絞りの直径の大きさは、次に基底上の照明スポットの大きさと、それによって決定的な方法で赤色反射の良好なコントラスト化とを決定する。
ファイバ端(開口絞り)の平凸レンズ23と実中間像との間に、発光野絞り24がある。発光野絞り24が照明された視野の制限に利用される。
発光野絞り24はキット部材及びメニスカスレンズからなる部分構成要素26の前部焦点にある。つまり、発光野絞り24は部分構成要素26によってまずバーチャルに無限大へ、そして最終的に主対物レンズ28によって主対物レンズの前部焦点面にある物体面上に結像される。
発光野絞り24の直径は、例えば2.5mmになる。これは、10mmの物体面内で照明された視野をもたらす。それによって、発光野結像の結像尺度は1対4になる。
表1に赤色反射照明の光学システムデータを掲載する。

Figure 2008509428
周辺照明用の光学システムの構造は図3に概略を記載している。
本質的な思想は、周辺照明が付加的な光学構成要素なしに簡単な切換過程によって赤色反射照明から導くことができることにある。
つまり、周辺照明に必要な光学構成要素は、発光野絞りの大きさまで図2記載の赤色反射照明の光学構成要素と同一である。すなわち、光導体21、収光器22、発光野絞り24、例えばキット部材及びメニスカスからなる部分構成要素の形態の光学構成要素26、例えばスプリッタミラーの形態の偏光素子27ならびに、例えば主対物レンズ素子の形態の対物レンズ素子28である。
赤色反射照明から周辺照明への切換時に、平凸レンズ及び孔絞り(図2参照)が旋出される。さらに、小さい発光野絞りは大きい発光野絞り24に置換される。
ここで収光器22によって発光野絞り24が完全に照明される。発光野絞り24は赤色反射照明の場合と同様にそのままキット部材及びメニスカスレンズからなる部分光学系26の前部焦点面に置かれる。つまり、発光野絞り24はバーチャルに無限大に結像され、その結果、発光野絞り24の像は赤色反射照明の場合と同様に主対物レンズ28による結像によって再び主対物レンズ28の前部焦点面と、それによって観察の物体面とにある。
発光野絞り24の直径は、例えば14mmになる。それによって、最大視野31の照明は、約62mmの物体面で達成することができる。赤色反射照明に対する結像尺度の倍率は、発光野結像の記録によって説明できる。
ここに提案した赤色反射照明の光学構造は、瞳結像及び発光野結像の光路内への独立の介入を可能にする。例えば、光量は好適に発光野の大きさに適合し、かつ基底上の照明スポットの大きさは開口絞り内で標定した介入によって適合することができる。
周辺照明の場合、光学的問題は好適に照明された発光野絞りの結像に低減される。
瞳結像のために、該光学構造によって強制的に主対物レンズの前面の近傍でファイバ端の実中間像が生じる。通常、現在使用されている眼科用の照明の場合もこの実中間像が物体空間内に、しかも主対物レンズの下方約50mmにある。
周辺照明用の光学システムデータは表2に掲載する。

Figure 2008509428
適用者に、同時に赤色反射照明及び周辺照明を提供することも完全に有意義とすることができる。これは、例えば平凸レンズ23が収光器22と絞り24、25との間に透明の支持体上にキット化されるか、あるいは、例えば対応する透明の支持縁部を有する合成樹脂射出成形部品(PMMA)として形成することによって行うことができる。平凸レンズ23を通過する光線は、赤色反射照明を発生し、支持体または支持縁部を通る光線は周辺照明を発生する。
同時に赤色反射照明及び周辺照明を発生させるために、さらに開口絞り25(孔絞り)を特別の方法で形成することも有利である。その一例は図4に示している。
図4に従って、開口絞り25は、好適に赤色反射照明の開口25a、例えば高い透過性と、取り囲む領域25bが周辺照明のために低減された(理想的な場合は調節可能の)透過性とを有するように形成することができる。
これは、例えば透過性または反射性のLCDディスプレイ25cもしくはDMDディスプレイを介して実現できる。
同時に好適な「赤色反射」と良好なコントラスト化において0°照明を発生させる可能な配列の模式図である。 赤色反射照明用の光学システムの構造の模式図である。 周辺照明用の光学システムの構造の模式図である。 図2記載の照明装置に使用したような、好適な開口絞りの構造の模式図である。
符号の説明
10 対物レンズ素子
11 照明ビームの分割用の手段
12 照明光束
13 照明部分光束
14 光束断面を変化させる装置
20 照明装置
21 光導体
22 収光器
23 平凸レンズ
24 発光野絞り
25 開口絞り
25a 開口
25b 取り囲む領域
25c ディスプレイ
26 光学構成要素
27 偏光素子
28 対物レンズ素子
29 眼
30 基底
31 視野

Claims (35)

  1. 観察する物体、特に観察する眼を照明する少なくとも1つの照明光束(12)を発生させる少なくとも1つの光源を有する、それぞれ1つの観察光束をもつ1、2またはそれ以上の観察光路を有する観察装置用の照明装置において、少なくとも2つの照明部分光束(13)を設けており、かつ各照明部分光束(13)が対応する照明光束と同軸に伸長する照明装置であって、照明部分光束(13)が2またはそれ以上の大きさを変化できる照明スポットを観察する物体の基底上に形成するように該照明部分光束が形成された/されることを特徴とする照明装置。
  2. 観察する物体の基底上の照明スポットの大きさが、基底上の観察光束の断面積の1倍、好ましくは0.7倍、さらに好ましくは0.5倍、特に好ましくは0.3倍を超えないように照明光束(13)が形成された/されることを特徴とする、請求項1に記載の照明装置。
  3. 観察する物体が各観察光束を基準に観察も行われる(0°観察)方向と同一の方向から照明された/されるように各照明部分光束(13)が案内されていることを特徴とする、請求項1または2に記載の照明装置。
  4. 観察する物体が各観察光束を基準に2度未満/2度、好ましくは1度未満/1度の角度で斜方から照明された/される(軸近傍の斜方照明)ように各照明部分光束(13)が案内されていることを特徴とする、請求項1または2に記載の照明装置。
  5. 観察する物体の基底上の照明スポットの直径が0.5及び1.5mmの間の範囲で変化できることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の照明装置。
  6. 観察する物体の基底上の照明スポットの直径が1.5mm、好ましくは1.0mm、特に好ましくは0.5mmを超えないように該直径が形成されていることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の照明装置。
  7. 観察する物体、特に観察する眼を照明する少なくとも1つの照明光束(12)を発生させる少なくとも1つの光源を有する、それぞれ1つの観察光束をもつ1、2またはそれ以上の観察光路を有する観察装置用の照明装置であって、照明光束(12)が回折制限して結像され、かつ照明光束(12)が観察する物体の基底上に1またはそれ以上の大きさを変化できる照明スポットを形成することを特徴とする照明装置。
  8. 観察する物体の基底上の照明スポット/群の大きさが基底上の観察光束の断面積の1倍、好ましくは0.7倍、さらに好ましくは0.5倍、特に好ましくは0.3倍を超えないことを特徴とする、請求項7に記載の照明装置。
  9. 観察する物体、特に観察する眼を照明する少なくとも1つの照明光束(12)を発生させる少なくとも1つの光源を有する、それぞれ1つの観察光束をもつ1、2またはそれ以上の観察光路を有する観察装置用の照明装置であって、観察する物体の基底上の照明スポット/群の大きさが基底上の観察光束の断面積の1倍、好ましくは0.7倍、さらに好ましくは0.5倍、特に好ましくは0.3倍を超えないことを特徴とする照明装置。
  10. 少なくとも1つの照明光束(12)が対応する観察光束と同軸に伸長することを特徴とする、請求項7から9のいずれか一項に記載の照明装置。
  11. 基底上の観察光束の断面積の中心から照明スポットの中心の距離が、基底上の観察光束の断面積の半径の0.8倍、好ましくは0.5倍、さらに好ましくは0.2倍、特に好ましくは0.05倍になることを特徴とする、請求項1から10のいずれか一項に記載の照明装置。
  12. 観察する物体の基底上の少なくとも1つの照明スポットの直径が0.5及び1.5mmの間の範囲で変化できることを特徴とする、請求項7から11のいずれか一項に記載の照明装置。
  13. 少なくとも1つの照明スポットの直径が観察する物体の基底上で1.5mm、好ましくは1.0mm、特に好ましくは0.5mmを超えないように該直径が形成されていることを特徴とする、請求項7から12のいずれか一項に記載の照明装置。
  14. 照明装置が対物レンズ素子(10)を有することを特徴とする、請求項1から13のいずれか一項に記載の照明装置。
  15. 対物レンズ素子(10)が同様に観察装置の対物レンズ素子として、特に該観察装置の主対物レンズとして形成されていることを特徴とする、請求項14に記載の照明装置。
  16. それぞれ1つの観察光束及び照明部分光束(13)もしくは照明光束(12)の重ね合わせ用の手段を設けていることを特徴とする、請求項1から15のいずれか一項に記載の照明装置。
  17. 観察光束及び照明部分光束(13)もしくは照明光束(12)の重ね合わせが対物レンズ素子の上方で行われるように、重ね合わせ用の手段が配置されていることを特徴とする、請求項14または15のいずれか一項に関連する限りにおける、請求項16に記載の照明装置。
  18. 観察光束及び照明部分光束(13)もしくは照明光束(12)の重ね合わせが対物レンズ素子の下方で行われるように、重ね合わせ用の手段が配置されていることを特徴とする、請求項14または15のいずれか一項に関連する限りにおける、請求項16に記載の照明装置。
  19. 対物レンズ素子がバリオスコープ光学系として形成されていることを特徴とする、請求項18に記載の照明装置。
  20. 重ね合わせ用の手段が、プリズム及び/またはビームスプリッタプレート及び/または部分透過ミラー及び/または穿孔型ミラーの形態の少なくとも1つの光学素子を有することを特徴とする、請求項16から19のいずれか一項に記載の照明装置。
  21. 観察光束周りに配置した少なくとも1つの環状の照明部分光束を発生させる手段を設けたことを特徴とする、請求項1から20のいずれか一項に記載の照明装置。
  22. 少なくとも1つの照明光束(12)及び/または少なくとも1つの照明部分光束(13)の光束断面を変化させる少なくとも1つの装置(14)を設けたことを特徴とする、請求項1から21のいずれか一項に記載の照明装置。
  23. 装置(14)が絞り、特に虹彩絞りまたは不連続絞りとして、LCDディスプレイとして、DMDとして、LCOSとして、またはFLCOSとして形成されていることを特徴とする、請求項22に記載の照明装置。
  24. 2またはそれ以上の光源を設けており、かつ各光源によって照明部分光束(13)が発生されることを特徴とする、請求項1から23のいずれか一項に記載の照明装置。
  25. ただ1つの光源を設けており、かつ前記光源の照明光束(12)を2またはそれ以上の照明部分光束(13)に分割する手段(11)を設けていることを特徴とする、請求項1から23のいずれか一項に記載の照明装置。
  26. 少なくとも1つの光源がランプとして、特にハロゲンランプまたはキセノンランプとして、レーザーとして、非熱的放射体として、光導体として、特に光ファイバ導体束として、少なくとも1つのLEDとして、または少なくとも1つのOLEDとして形成されていることを特徴とする、請求項1から25のいずれか一項に記載の照明装置。
  27. 観察する物体、特に観察する眼を照明する少なくとも1つの照明光束(12)を発生させる少なくとも1つの光源を有する、それぞれ1つの観察光束と照明装置とを備えた、1、2またはそれ以上の実体観察光路を備えた観察装置、特に手術用顕微鏡において、少なくとも2つの照明部分光束(13)を設けており、かつ各照明部分光束(13)が実体観察光束と同軸に伸長する観察装置であって、照明部分光束(13)が2またはそれ以上の大きさを変化できる照明スポットを観察する物体の基底上に形成するように該照明部分光束が形成された/されることを特徴とする観察装置。
  28. 観察する物体、例えば眼を照明する少なくとも1つの照明光束(12)を発生させる少なくとも1つの光源を有する、それぞれ1つの観察光束と照明装置とを備えた、1、2またはそれ以上の実体観察光路を備えた観察装置、特に手術用顕微鏡であって、照明光束(12)が回折制限されて結像されており、かつ照明光束(12)が1またはそれ以上の大きさを変化できる照明スポットを観察する物体の基底上に形成することを特徴とする観察装置。
  29. 観察する物体、例えば眼を照明する少なくとも1つの照明光束(12)を発生させる少なくとも1つの光源を有する、それぞれ1つの観察光束と照明装置とを備えた、1、2またはそれ以上の実体観察光路を備えた観察装置、特に手術用顕微鏡であって、照明光束(12)が少なくとも1つの照明スポットを観察する物体の基底上に形成し、かつ基底上の照明スポット/群の大きさが基底上の観察光束の断面積の1倍、好ましくは0.7倍、さらに好ましくは0.5倍、特に好ましくは0.3倍を超えないことを特徴とする観察装置。
  30. 照明装置が請求項1から26のいずれか一項によって形成されていることを特徴とする、請求項27から29のいずれか一項に記載の観察装置。
  31. 観察装置が照明装置の対物レンズ素子(10)と同一である主対物レンズ素子を有し、それぞれ1つの観察光束及び照明部分光束(13)もしくは照明光束(12)の重ね合わせ用の手段を設けており、かつ観察光束及び照明部分光束(13)もしくは照明光束(12)の重ね合わせが主対物レンズ素子の上方で行われるように、重ね合わせ用の手段が配置されていることを特徴とする、請求項27から30のいずれか一項に記載の観察装置。
  32. 観察装置が照明装置の対物レンズ素子(10)と同一である主対物レンズ素子を有し、それぞれ1つの観察光束及び照明部分光束(13)もしくは照明光束(12)の重ね合わせ用の手段を設けており、かつ観察光束及び照明部分光束(13)もしくは照明光束(12)の重ね合わせが主対物レンズ素子の下方で行われるように、重ね合わせ用の手段が配置されていることを特徴とする、請求項27から30のいずれか一項に記載の観察装置。
  33. 主対物レンズ素子がバリオスコープ光学系として形成されていることを特徴とする、請求項32に記載の観察装置。
  34. 手術用顕微鏡、特に眼科観察装置、好ましくは白内障摘出用に形成された手術用顕微鏡における請求項1から26のいずれか一項に記載の照明装置の使用。
  35. 手術用顕微鏡として、特に眼科観察装置として、好ましくは白内障摘出用に形成された手術用顕微鏡としての請求項27から33のいずれか一項に記載の観察装置の使用。
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