JP2008507955A - チトクロムp450−2c19をコードする遺伝子における突然変異を検出する方法 - Google Patents

チトクロムp450−2c19をコードする遺伝子における突然変異を検出する方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、チトクロムP450-2C19をコードする遺伝子の中に位置する二つまたはそれ以上の突然変異を、同時に同定するための方法を記載する。多重検出は、多重にタグ付加された対立遺伝子特異的プライマー伸長(ASPE)、およびそうした伸長プライマーのプローブへの、好ましくはアドレス可能なアンチタグ支持体へのハイブリダイゼーションを用いて達成される。

Description

発明の分野
本発明は、チトクロムP450-2C19をコードする遺伝子の中に位置する突然変異の検出のための方法およびキットに関する。
先行技術の説明
P450-2C19は、様々な臨床的に重要な薬物の代謝に関与する代謝酵素である。P450-2C19よって代謝されられる薬物は、抗鬱薬、抗不安薬、抗マラリア薬、およびプロトンポンプ阻害剤を含む。P450の他のメンバーと同様に、個体は、2C19酵素活性のレベルに基づいて、高代謝群または低代謝群として分類することができる。
P450-2C19に対するこの低代謝群表現型は、常染色体劣性形質として遺伝する。インビボまたはインビトロの酵素活性アッセイを用いて低代謝群として同定された個体は、二つの欠損対立遺伝子を有する。ヘテロ接合体であると推測される個体は中間レベルの酵素活性を有すると考えられるが、これは、利用可能な方法を表現型的に使用する場合、酵素活性における広い個体間幅のために解決可能ではない。
P450-2C19の低代謝群は、アジア人人口の13〜23%、および白人人口の2〜5%を構成する(Desta et al., 2002(非特許文献1))。アフリカ人またはアフリカ系アメリカ人集団において広範囲にわたって研究された、低代謝群の出現率はより少なかったが、おおよそ4%であると考えられる。低代謝群の出現率は、ポリネシアまたはミクロネシアのいくつかの島において38〜79%の高さであり得る(Kaneko et al. 1999(非特許文献2))。
遺伝子
CYP2C19遺伝子は、CYP2C8、CYP2C9、およびCYP2C18、ならびにより離れて関連するCYPファミリーのメンバーを含む多くのCYP遺伝子のクラスター中の染色体10q23上に位置する。遺伝子は、約50 Kbpの領域にわたる9つのエキソンからなる。
CYP2C19をコードしている遺伝子における最も一般的な変異体のうちの7つは表1に列挙される。
(表1)P450-2C19をコードする遺伝子における一般的な突然変異
Figure 2008507955
P450-2C19対立遺伝子は、1つまたは複数のヌクレオチド変異体からなる。各場合において、ハプロタイプは、その対立遺伝子に特有の、および観察された表現型の原因となる、一つの変異体により表され得る。
多重対立遺伝子特異的プライマー伸長、および突然変異の固体支持体検出
多重対立遺伝子プライマー伸長、および伸長されたプライマーの固体支持体へのハイブリダイゼーションは、先行技術の中に一般的に記述されている。ASPE技術は、米国特許第4,851,331号(特許文献1)に概説されている。本技術は、ゲノム中の特異的な多型部位の有無を同定するよう設計される。
突然変異検出のため支持体とのハイブリダイゼーションと連動した多重ASPEを、以下のように概説することができる:
(1)多重化PCRを利用して、多型遺伝子座を含むDNAの領域を増幅する工程。
(2)DNAの増幅領域が対立遺伝子特異的伸長のための標的配列として働く、プライマーの対立遺伝子特異的伸長。標的配列と完全マッチを形成する3'末端ヌクレオチドを有する伸長プライマーを伸長して、伸長産物を形成する。改変ヌクレオチドは伸長産物に組み入れらて、このようなヌクレオチドは検出目的で伸長産物を効率的に標識する。あるいは、伸長プライマーは、標的配列とミスマッチを形成する3'末端ヌクレオチドを代わりに含み得る。この場合、プライマー伸長は起こらない。
(3)マイクロアレイなどの固体支持体上の、伸長産物の5'端に相補的であるプローブに、伸長産物をハイブリダイズする工程。
上記の方法論において用いられる伸長プライマーは、その5'端に特有の配列タグを有する。例えば、配列タグは伸長産物が固体支持体上で捕獲されることを可能にし得る。
上記技術のバリエーションは、例えば米国特許第6,287,778号(特許文献2)およびPCT出願(WO 00/47766)(特許文献3)に記載されている。
P450-2C19をコードする遺伝子における変異体の検出のための、費用効率がよく、迅速で、かつ正確な方法を提供することが、本発明の目的である。
米国特許第4,851,331号 米国特許第6,287,778号 PCT出願(WO 00/47766) Desta et al., 2002 Kaneko et al. 1999
発明の概要
ひとつの態様において、本発明は、表1に認められる突然変異の群より選択される試料中の変異体の有無を検出する方法であって、以下の工程を含む方法を提供する:
SEQ ID NO:2 およびSEQ ID NO:3、SEQ ID NO:4および SEQ ID NO:5、SEQ ID NO:6およびSEQ ID NO:7、SEQ ID NO:8 およびSEQ ID NO:9、ならびにSEQ ID NO:10およびSEQ ID NO:11からなるPCRプライマー対の群より選択される、少なくとも二つのPCRプライマー対を用いて、上述の突然変異を含み得るDNAの領域を増幅する工程。
SEQ ID NO:12〜SEQ ID NO:25からなる群より選択されるタグ付き対立遺伝子特異的伸長プライマーを、増幅DNAの相補的領域にハイブリダイズする工程であって、各タグ付き対立遺伝子特異的プライマーは、増幅DNAの領域に相補的な3'部分、上述の変異体部位のひとつの1つの対立遺伝子(野生型または突然変異型)に相補的な3'末端ヌクレオチド、およびプローブ(アンチタグ)配列に相補的な5'部分を有する、工程。
プライマーの3'末端ヌクレオチドが標的配列中の対応するヌクレオチドに相補的である場合に、タグ付きASPEプライマーを伸長させ、これによりプライマーの標識伸長産物が合成される工程;プライマーの末端ヌクレオチドが標的配列中の対応するヌクレオチドに相補的でない場合には、伸長産物は合成されない。
伸長産物をプローブにハイブリダイズする工程、および標識された伸長産物の検出。標識された伸長産物の検出は、ASPEプライマーの3'末端ヌクレオチドに相補的な対立遺伝子の存在を示している。標識された伸長産物が存在しない場合、ASPEプライマーの3'端に相補的な対立遺伝子が試料中に存在しないと判定される。
もう一つ態様において、本発明は、表1に認められるP450-2C19をコードする遺伝子の少なくとも二つの変異体の有無の検出に使用するためのキットを提供する。本キットはSEQ ID NO:10〜SEQ ID NO:19からなる群より選択される少なくとも二つのタグ付き対立遺伝子特異的伸長プライマー、ならびにSEQ ID NO:2 およびSEQ ID NO:3、SEQ ID NO:4および SEQ ID NO:5、SEQ ID NO:6およびSEQ ID NO:7、ならびにSEQ ID NO:8 およびSEQ ID NO:9、ならびにSEQ ID NO:10およびSEQ ID NO:11からなる群より選択される、二つのPCRプライマー対を含む。
好ましい態様の説明
本出願において用いられる次の用語は、以下に定義された意味を有すると理解される。
本出願において用いられる「オリゴヌクレオチド」および「ポリヌクレオチド」という用語は、長さが1ヌクレオチドより大きいDNA配列を指す。そのような配列は一本鎖か、または二本鎖のいずれかの形態で存在し得る。本明細書に記載されたオリゴヌクレオチドの例には、PCRプライマー、ASPEプライマー、およびアンチタグが含まれる。
「対立遺伝子」という用語は、ヌクレオチド配列の異なる種類を指すために本明細書で用いられる。
本明細書で用いられる「対立遺伝子特異的プライマー伸長(ASPE)」という表現は、対応するDNA配列にハイブリダイズするプライマーであって、かつそうしたプライマーの3'末端ヌクレオチドの成功したハイブリダイゼーションに応じて伸長されるプライマーを利用した突然変異検出法を指す。DNAの増幅領域は、ASPEプライマーのための標的配列として働く。標的配列と完全マッチを形成する3'末端ヌクレオチドを有する伸長プライマーは伸長されて、伸長産物を形成する。改変ヌクレオチドは伸長産物の中に取り込まれ得、このようなヌクレオチドは検出目的で伸長産物を効率的に標識する。または、伸長プライマーは、標的配列とミスマッチを形成する3'末端ヌクレオチドを代わりに含み得る。この場合には、伸長のために用いられるポリメラーゼが偶発的にエキソヌクレアーゼ活性を有することがなければ、プライマー伸長は起こらない。
「遺伝子型」という用語は、生物の遺伝子構成を指す。より具体的には、この用語は個体に存在する対立遺伝子の同一性を指す。個体またはDNA試料の「遺伝子型解析」とは、公知の多型部位において個体が所有する二つの対立遺伝子の、ヌクレオチド塩基の観点から見た性質を同定することを指す。
本明細書で用いられる「多型」という用語は、遺伝子またはその一部の複数の形態の共在を指す。
本明細書で用いられる「PCR」という用語は、ポリメラーゼ連鎖反応を指す。PCRは、熱安定性ポリメラーゼ、ならびに増幅される配列の一端の(+)鎖に相補的な一つのプライマー、および増幅される配列のもう一つの端の(-)鎖に相補的なもう一つのプライマーというプライマー対を用いて、DNA塩基配列を増幅する方法である。新しく合成されたDNA鎖は、続いて同じプライマー配列のための鋳型として働くことができ、熱変成、プライマーアニーリング、および鎖伸長の連続的な繰り返しにより、所望の配列の迅速かつ非常に特異的な増幅がもたらされる。PCRは、DNA試料中の規定配列の存在を検出するために用いることができる。
本明細書で用いられる「プライマー」という用語は、DNA試料中の相補配列にハイブリダイズすることが可能な、短い一本鎖オリゴヌクレオチドを指す。プライマーは、鋳型依存的DNA合成のための開始点として働く。DNAポリメラーゼによって、デオキシリボヌクレオチドをプライマーに接合することができる。「プライマー対」または「プライマーセット」は、増幅されるDNA配列の5'端の相補体とハイブリダイズする5'上流プライマーと、増幅されるDNA配列の3'端とハイブリダイズする3'下流プライマーとを含むプライマーのセットを指す。本明細書で用いられる「PCRプライマー」という用語は、PCR反応のために用いられるプライマーを指す。本明細書で用いられる「ASPEプライマー」という用語は、ASPE反応のために用いられるプライマーを指す。
本明細書で用いられる「タグ」という用語は、ASPEプライマーに連結しているオリゴヌクレオチド配列を指す。配列は、通常特有かつヒトゲノムに非相補的であるが、プローブ配列に実質的に相補的である。プローブ配列は、例えば、固体支持体に付着していてもよい。タグは、ASPEプライマーをプローブに結合させるために働く。
本明細書で用いられる「タグ付きASPEプライマー」という用語は、タグに連結しているASPEプライマーを指す。
本明細書で用いられる「アンチタグ」または「プローブ」という用語は、ASPEプライマーのタグ配列に相補的な、かつハイブリダイズ可能な配列を有するオリゴヌクレオチド配列を指す。「アンチタグ」は、支持体に連結していてもよい。
本明細書で用いられる「野生型」または「wt」という用語は、遺伝子の正常な、または突然変異していない、または機能的な形態を指す。
本明細書で用いられる「ホモ接合野生型」という用語は、遺伝子の正常かつ機能的な形態として特徴付けられるような同じ対立遺伝子の二つのコピーを有する個体を指す。
本明細書で用いられる「ヘテロ接合」または「HET」という用語は、同じ遺伝子の二つの異なる対立遺伝子を有する個体を指す。
本明細書で用いられる「ホモ変異体」という用語は、遺伝子の突然変異型として特徴付けられるような同じ対立遺伝子の二つのコピーを有する個体を指す。
本明細書で用いられる「突然変異型」という用語は、遺伝子の突然変異した、または潜在的に非機能的な形態を指す。
本発明は、薬物有害反応を受けやすい個体の遺伝子型を解析するための、迅速で、非常に特異的で、費用効率のよい方法の必要性に応じて開発された。より具体的には、本発明は、P450-2C19遺伝子中の突然変異に起因する薬物代謝異常を有し得る個体を同定するための方法を提供する。
本発明は、CYP2C19をコードする遺伝子の中に位置する複数の突然変異を検出する新規の多重法を提供する。具体的には、表1に認められる変異体からなる群より選択される突然変異の有無の検出のために、本方法論を用いることができる。好ましい態様において、本発明は表1に認められる全ての変異体の有無を検出する方法を提供する。
表1に認められる一つまたは複数の変異体の陽性検出は、酵素活性障害の素因を有する個体であることを示し得る。
本発明は、高レベルの特異性によってさらに特徴付けられる。そのような特異性は、生じるいかなる結果もゲノム標的の真の表示であり、単に反応中に存在する試薬間に生じる非特異的相互作用の結果でないということを保証するために必要である。ほとんどが非相補的な、反応混合物中に存在する多数の配列が、反応条件によっては非特異的に相互作用し得る場合、多重化されたDNAに基づく試験にとって、これは特に重要である。後述するASPEプライマーおよびPCRプライマー配列は、それらの最小の交差反応性によって選択された。
本発明はまた、CYP2C19をコードする遺伝子における突然変異の検出に対する既存の方法論と比較した場合の、その高度な正確さによって特徴付けられた。
本発明の方法論は、検出を促進するため、タグ付きかつ標識された伸長産物のプローブへのハイブリダイゼーションと多重ASPE技術との組み合わせを利用する。そのような方法論は、ハイスループットの臨床遺伝子型解析用途に適している。
ひとつの態様において、本発明は、表1に認められる突然変異の群より選択される試料中の変異体の有無を検出する方法であって、以下の工程を含む方法を提供する:
上述の変異体を含み得るDNAの領域を増幅する工程。
少なくとも二つのタグ付き対立遺伝子特異的伸長プライマーを増幅DNAの相補的領域にハイブリダイズする工程であって、各タグ付き対立遺伝子特異的プライマーが、増幅DNAの領域に相補的な3'部分、上述の突然変異部位のひとつの1つの対立遺伝子(野生型または突然変異型)に相補的な3'末端ヌクレオチド、およびプローブ配列に相補的な5'部分を有する、工程。
プライマーの3'末端ヌクレオチドが標的配列中の対応するヌクレオチドに相補的である場合に、タグ付きASPEプライマーを伸長させ、これによりプライマーの標識伸長産物が合成される工程;プライマーの末端ヌクレオチドが標的配列中の対応するヌクレオチドに相補的でない場合には、伸長産物は合成されない。
伸長産物をプローブにハイブリダイズする工程、および標識された伸長産物の検出。標識された伸長産物の検出は、ASPEプライマーの3'末端ヌクレオチドに相補的な対立遺伝子の存在を示している。標識された伸長産物が存在しない場合、ASPEプライマーの3'端に相補的な対立遺伝子が試料中に存在しないと判定される。
上述の方法の一般的概要を図1に提示する。当技術分野において公知の方法を用いて、DNA試料は最初に調製される 10。チトクロムP450-2D6をコードする遺伝子中の変異体部位を含むDNAの領域を増幅するために、多重PCR増幅20を実施する。その後、多重ASPE反応30を実施する。例としてのみ、33は遺伝子の野生型および突然変異型対立遺伝子を説明している。工程36において、ASPEプライマーをDNAの増幅領域にハイブリダイズさせる。ASPEプライマーの3'末端ヌクレオチドが標的配列中の対応するヌクレオチドに相補的である場合、以下に詳述するように標識伸長産物が形成される 39。標識伸長産物の存在を、例えばxMAP検出50を用いて検出し得る、アドレス可能な汎用的ソーティングアレイ40上で、ASPEをソーティングし得る。
DNA試料調製
以下の方法において使用するための核酸(最も好ましくはゲノムDNA)を提供するため、当技術分野において公知の様々な方法を用いて患者試料を抽出することができる。好ましい態様において、DNA試料は全血から抽出される。
増幅
最初の工程において、変異体部位を含むCYP2C19をコードする遺伝子由来のDNAの少なくとも二つの領域が増幅される。
本発明の好ましい態様において、CYP2C19をコードする遺伝子中の変異体部位を含む領域のPCR増幅は、以下からなるプライマー対の群より選択されるPCRプライマーの少なくとも二つの対を用いて開始する:SEQ ID NO:2およびSEQ ID NO:3、SEQ ID NO:4およびSEQ ID NO:5、SEQ ID NO:6およびSEQ ID NO:7、SEQ ID NO:8およびSEQ ID NO:9、 ならびにSEQ ID NO:10およびSEQ ID NO:11。
プライマーの各対と表1に記載された突然変異部位との関係を表2に提示する。
(表2)CYP2C19突然変異を含む領域を増幅するために用いられたプライマー対
Figure 2008507955
当業者は、標的多型領域ならびに欠失および重複領域を増幅するために、別のPCRプライマーを用い得ることを認識すると考えられるが、しかしながら、好ましい態様においては、反応混合物における他の配列とそれらの最小限の非特異的相互作用のため、表2に記載されたプライマーが選択される。
ASPE
本発明の方法のASPE工程は、SEQ ID NO:12〜SEQ ID NO:25からなるASPEプライマーの群より選択されるタグ付きASPEプライマーを用いて実施される。
本発明のASPEプライマーセットは、そのような対立遺伝子特異的プライマーを利用する、診断試験の高い特異性および正確性を確実にするよう最適化されている。
表3は、本発明の好ましい態様において用いられるASPEプライマーの一覧を提示している。末尾の「wt」は、特異的変異体部位においてCYP2C19をコードする遺伝子の野生型を検出するために用いられるASPEプライマーを示している。末尾の「mut」は、特異的変異体部位においてCYP2C19をコードする遺伝子の突然変異型を検出するために用いられるASPEプライマーを示している。SEQ ID NO:12〜SEQ ID NO:25のそれぞれの塩基1から24は、特異的プローブ配列に相補的であるASPEプライマーの5'部分である。表2に記載された特異的配列が好ましいが、本発明の別の態様においては、表3の配列の異なる5'部分(SEQ ID NO:12〜25の塩基1から24)と表2の配列の異なる3'端ハイブリダイズ部分(SEQ ID NO:12〜25の塩基25以上)とを組み合わせることが可能である。
本発明のASPEプライマーを表3に列挙する。
(表3)P450-2C19のASPEプライマー配列
Figure 2008507955
伸長プライマーの3'端ハイブリダイズ部分は、増幅された物質にハイブリダイズされる。ASPEプライマーの3'末端ヌクレオチドが多型部位に相補的である場合、プライマー伸長は改変ヌクレオチドを用いて実行される。ASPEプライマーの3'末端ヌクレオチドが多型領域に相補的でない場合、プライマー伸長は起こらない。
ひとつの態様において、伸長産物の標識は、蛍光(ストレプトアビジン-フィコエリスリン)または化学発光(ストレプトアビジン-西洋ワサビペルオキシダーゼ)反応を用いて同定され得る、ビオチン化ヌクレオチドの伸長産物への取り込みを介して達成される。しかしながら、他の標識技術が利用され得ることを、当業者は認識すると考えられる。検出のために有用な標識の例には、放射標識、蛍光標識(例えば、フルオレセインおよびローダミン)、核磁気共鳴活性標識、陽電子放射断層撮影(PET)スキャナーにより検出可能な陽電子放射アイソトープ、およびルシフェリンなどの化学発光体、およびペルオキシダーゼまたはフォスファターゼなどの酵素マーカーが含まれるが、それらに限定されない。
上記の方法論において用いられる各ASPEプライマーは、その5'端に特有の配列タグを有する。配列タグにより、例えば、検出を促進するための固体支持体上での捕捉を通じて、伸長産物を高い特異度で検出することが可能となる。
検出
本発明の対立遺伝子特異的プライマーのタグ付き5'部分はプローブ配列に相補的である。対立遺伝子特異的プライマーを、対応するプローブ配列にハイブリダイズすると、伸長産物の存在を検出できる。
好ましい態様において、本発明の方法論において用いられるプローブは、例えば「汎用的な」ビーズに基づくマイクロアレイなどの固体支持体に連結している。
本発明に用いられ得る支持体の例には、ビーズに基づくマイクロアレイおよび2Dガラスマイクロアレイが含まれるが、それらに限定されない。マイクロアレイの調製、使用、および解析は、当業者にとって周知である。(例えば、Brennan, T. M. et al. (1995) 米国特許第5,474,796号;Schena, et al. (1996) Proc. Natl. Acad. Sci. 93:10614-10619;Baldeschweiler et al. (1995), PCT出願WO95/251116;Shalon, D. et al. (1995) PCT出願WO95/35505;Heller, R. A. et al. (1997) Proc. Natl. Acad. Sci. 94:2150-2155;およびHeller, M. J. et al. (1997) 米国特許第5,605,662号を参照されたい。)検出は、例えば特定の突然変異の有無を同定するための化学発光または蛍光技術を用いたアレイにより達成することができる。
汎用アレイは、関心対象の標的を間接的に検出するソーティングツールとして機能し、セットとして等温で交差ハイブリダイズが最小限となるよう設計されている。本発明で用いられ得るマイクロアレイの例には、Luminex's(登録商標)ビーズに基づくマイクロアレイシステム、およびMetrigenix's(商標)フロースルーチップ技術が含まれるが、それらに限定されるべきない。
ひとつの態様において、例えば、Luminex's 100xMAP(商標)蛍光に基づく固体支持体マイクロアレイシステムが利用される。上記のASPEプライマー/伸長産物のタグ領域に相補的なアンチタグ配列は、内部を蛍光色素で色分けされたミクロスフェアの表面に連結される。ミクロスフェアの各セットがそれ自身に特徴的なスペクトルアドレスを有する、アンチタグミクロスフェアのアレイが産生される。タグ付きの、伸長された、ビオチン化されたASPEプライマーの混合物は、アンチタグ付きミクロスフェアのアレイと組み合わせられ、ストリンジェントな条件下でのハイブリダイズが可能となる。
反応混合物中で、ASPEプライマーの末端ヌクレオチドが標的配列中の対応するヌクレオチドに相補的である場合、合成される標識伸長産物を検出するために蛍光レポーター分子(例えば、ストレプトアビジン-フィコエリスリン)が用いられる。
ミクロスフェア、伸長産物などを含む反応混合物を、微小流体を用いてミクロスフェアを一列に整列する、例えばLuminex's 100xMAP(商標)などの読み取り装置の中に注入する。ミクロスフェアの内部、およびアンチタグ配列にハイブリダイズした伸長産物の形態で表面に付着している両方の色を照射するために、レーザーを用いる。Luminex 100xMAP(商標)は、受信したシグナルを解釈し、野生型および/または突然変異型対立遺伝子の存在を同定する。表1に示された任意の一つまたは複数の突然変異の突然変異型対立遺伝子の存在は、薬物有害反応を受けやすい素因を示し得る。本発明の特異的伸長産物およびアンチタグ付きミクロスフェアと関連するデータを解析するように設計されたソフトウェアが提供され得る。
もうひとつの態様においては、当技術分野において公知のように、Metrigenixフロースルー三次元微小チャネルバイオチップ(Cheek, B. J., Steel AB. , Torres, M.P., Yu, Y., and Yang H. Anal. Chem. 2001 , 73, 5777-5783)が遺伝子型解析のために利用される。本態様において、微小チャネルの各セットは異なる汎用アンチタグ集団を表す。上記のASPEプライマー/伸長産物のタグ領域に対応するアンチタグ配列は、セルを含む複数の微小チャネルの内側表面に付着している。複数のセルによりチップが作られる。ビオチン化伸長産物を含む反応混合物は、ストレプトアビジン-西洋ワサビペルオキシダーゼなどの化学発光レポーター基質の存在下で、セルの中を流れる。個体の遺伝子型を同定するため、ORCA-ER CCD(Hamamatsu Photonics K. K., Hamamatsu City, Japan)などの当技術分野において公知の技術、および画像ソフトウェアを用いて、マイクロアレイチップを画像化することができる。
キット
さらなる態様において、本発明はCYP2C19をコードする遺伝子中の突然変異の多重検出のためのキットを提供する。
関心対象の突然変異の検出のために用いられ得るキットには、以下を含む次の構成要素が含まれ得る:関心対象の突然変異部位を含む領域を増幅するためのPCRプライマーミックス(任意でdNTPを含む)、標識伸長産物の作製のためのASPEプライマーミックス(任意でdNTPを含む)、およびASPEプライマーのタグ付き領域に相補的なアンチタグを有するマイクロアレイビーズなどの固体支持体。さらに、当業者は、例えば緩衝液およびポリメラーゼなどを含むキット中に含まれ得る他の構成要素を認識すると考えられる。
本発明のキットは、検出される全ての突然変異のためのPCRプライマー対、ASPEプライマー、およびタグ付き支持体を含み得るか、または個別の最終使用者の必要性に最適となるようにカスタマイズしてもよい。例えば、最終使用者がCYP2C19遺伝子中の突然変異の4個のみの有無を決定したい場合、所望の突然変異の検出に必要なPCRプライマー対、ASPEプライマー、および支持体のみを含むようにキットをカスタマイズすることができる。従って、製品の最終使用者が、彼らの特定の要求に適合するキットを設計できる。さらに、末端使用者は、例えば、検出のため汎用的なビーズに基づくマイクロアレイを用いる場合、実施する試験をソフトウェアレベルで調節することもできる。例えば、所望の突然変異に対するビーズのみを読み取るようなソフトウェアか、または所望の突然変異データからの結果のみを報告するソフトウェアを、キットと共に提供することができる。アッセイを別のプラットフォーム上で実行する場合、ソフトウェアによりデータ報告の類似の調節を得ることができる。
表1に認められる特異的突然変異に関して本方法を記載してきたが、さらなる突然変異を検出するために用いられるPCRプライマーおよびASPEプライマーを上記の方法およびキットの中に含むことができることを、当業者は認識すると考えられる。
実施例1:CYP2C19をコードする遺伝子における突然変異のASPE/マイクロアレイ検出
1) オリゴヌクレオチド
全てのオリゴヌクレオチドは、Integrated DNA Technologies(Coralville, IA)によって合成された。PCRプライマーは無修飾であり、標準的な脱塩手順により精製した。カルボキシル化ミクロスフェアと連結するために、汎用アンチタグ(プローブ)を3'-C7アミノ修飾した。全てのアンチタグを逆相HPLC精製した。対立遺伝子特異的配列に対して5'側の24merの汎用タグ配列からなるキメラASPEプライマーもまた無修飾であったが、ポリアクリルアミドゲル電気泳動により精製した。再構成の後、供給業者により提供された吸光係数を用いて、正確なオリゴヌクレオチド濃度を分光測定で決定した。再構成されたオリゴヌクレオチドを200 nmから800 nmの間でスキャンし、260 nmにおいて吸光度を測定してオリゴヌクレオチド濃度を計算した。
2) 試薬
Platinum Taq、Platinum Tsp、個々のdNTP、およびビオチン-dCTPは、Invitrogen Corporation(Carlsbad, CA)から購入した。シュリンプアルカリフォスファターゼおよびエキソヌクレアーゼIは、USB Corporation(Cleveland, OH)から購入した。カルボキシル化蛍光ミクロスフェアは、Luminex Corporation(Austin, TX)により提供された。EDCクロスリンカー(1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドハイドロクロリド)は、Pierce(Rockford, IL)から購入した。MES(2-(N-モルフォリノ)エタンスルホン酸)、10% SDS、NaCl、Tris、Triton X-100、Tween-20、およびTE緩衝液を含むOmniPur試薬は、EM Science(Darmstadt, Germany)から購入した。ストレプトアビジン-接合フィコエリスリンは、Molecular Probes Inc.(Eugene, OR)から入手した。
3) 遺伝子型解析
a) 多重PCR(5重):
最終容積25uL中でゲノムDNA 25 ngを用いて多重PCRを実行した。「無標的」PCRネガティブ対照を各アッセイの実行に含んだ。反応は、20 mmol/LのTris-HCl、pH8.4、50 mmol/LのKCl、2.5 mmol/LのMgCl2、それぞれ200 umol/LのdNTP、5ユニットのPlatinum Taq 、および150 nmol/Lのプライマーからなった。MJ Research PTC-200サーモサイクラー(Waterdown MA)中で、95℃で5分間に続いて、95℃で30秒間、58℃で30秒間、および72℃で30秒間を30サイクルというサイクルパラメータ設定を用いて、試料のサイクルを行った。その後、試料を72℃で5分間保持し、使用まで4℃で保管した。
b) 対立遺伝子特異的プライマー伸長:
ASPE反応に先立って、プライマー伸長反応の間にビオチン-dCTPを効率的に取り込むことができるように、各PCR反応物をシュリンプアルカリフォスファターゼ(SAP)で処理し、いかなる残存ヌクレオチド(特にdCTP)も不活性化した。また、タグ付きASPEプライマーおよび伸長反応自体へのいかなる干渉も回避するために、各PCR反応物をエキソヌクレアーゼI(EXO)で処理し、残存PCRプライマーを分解した。各PCR反応物 25 uLに対して、SAP 2.0 uL(2.0ユニット)およびEXO 0.5 uL(5ユニット)を直接加え、試料をボルテックスし、短時間遠心分離した。その後、試料を37℃で30分間インキュベートし、続いて酵素を不活性化するため99℃で15分間インキュベートした。その後、試料を直接ASPE反応に加えた。
処理されたPCR産物の5 uLを用いて、最終容量20 uLで多重ASPEを実行した。各反応物は、20 mmol/LのTris-HCl pH8.4、50 mmol/LのKCl、1.25 mmol/LのMgCl2、5 umol/Lのビオチン-dCTP、それぞれ5 umol/LのdATP、dGTP、およびdTTP、1.5ユニットのPlatinum Tsp、および25 nmol/LのASPEプライマープールからなった。ASPE反応物を96℃で2分間インキュベートし、その後94℃で30秒間、52℃で30秒間、および74℃で60秒間の40サイクルに供した。その後、反応物を使用まで4℃で保持した。
c) ビーズの連結:
Luminex's 1工程カルボジイミド連結手順の後、アミノ修飾アンチタグ配列をカルボキシル化ミクロスフェアに連結した。簡潔に述べると、最終容量50 uL の0.1 mol/L MES, pH4.5中で、5×106個のミクロスフェアを1 nmol NH2-オリゴに結合させた。使用直前に10 mg/mL EDC作業溶液を調製し、2.5 uLをビーズ混合物に添加し30分間インキュベートした。新たに調製されたEDCの第二の2.5 uL分割量を添加し、その後さらに30分間インキュベートした。0.02%(v/v)Tween-20および0.1%(w/v)SDS中で洗浄後、アンチタグ連結ビーズをTE緩衝液(10 mmol/LのTris, pH8.0、1 mmol/LのEDTA)100uL中に再懸濁した。ビーズ濃度を、Beckman Coulter Z2 粒子計算およびサイズ解析装置(Coulter Corp, Miami FL)を用いて決定した。
d) 汎用アレイハイブリダイゼーション:
10アンチタグを有するビーズ集団のそれぞれ約2500ビーズを用いて、各ハイブリダイゼーション反応を実行した。ビーズをハイブリダイゼーション緩衝液(0.22 mol/LのNaCl、0.11 mol/LのTris, pH 8.0、および0.088%(v/v)Triton X-100)に混合し、混合物の45 uLをMJ Research 96-ウェルプレート(Reno, NV)の各ウェルに添加した。その後、各ASPE反応物の5 uL分割量を各ウェルに直接添加した。その後、MJ Research PTC-100中で試料を96℃で2分間熱し、次に37℃で1時間インキュベートした。このインキュベーションの後、試料を1.2 umのDurapore膜(Millipore Corp, Bedford, MA)を通して濾過し、洗浄緩衝液(0.2 mol/LのNaCl、0.1 mol/LのTris, pH8.0、および0.08%(v/v)Triton X-100)を用いて1回洗浄した。その後、ビーズをレポーター溶液(洗浄緩衝液中に1 ug/mL ストレプトアビジン接合フィコエリスリン)150 uL中に再懸濁し、室温で15分間インキュベートした。反応物をLuminex xMAPで読み取った。ビーズ集団および100 uL試料容量当たり100事象を測定するように取得パラメータを設定した。ゲート設定を、試料を流す前に確立し、研究経過中の全期間を通じて維持した。
図2から図4は、本発明の方法を用いて、異なる個体由来の試料について得られた結果の例を表している。図2は、P450-2C19*2ヘテロ接合体遺伝子型を有する個体の遺伝子型解析を表している。図3は、2C19*8ヘテロ接合体遺伝子型を有する個体の遺伝子型解析を表している。図4は、2C19*2/*3化合物ヘテロ接合体遺伝子型を有する個体の遺伝子型解析を表している。野生型および突然変異型対立遺伝子についてのデータは、対立遺伝子の割合として表される(すなわち、特定の位置における、全ての変異体に対する正味のシグナル当たりの、特定の変異体に対する正味のシグナル)。
出版物、特許、および特許出願は全て、本明細書において、それぞれの個々の出版物、特許、または特許出願が具体的かつ個々にその全体が参照により組み入れられることが示されるのと同じ程度に、その全体が参照により本明細書に組み入れられる。
ある具体的な態様に関連して本発明を記載してきたが、その様々な改変は、本明細書に添付された特許請求項の範囲の中で概説したような、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、当業者にとって明らかであると考えられる。
発明の好ましい態様のこれらおよび他の特徴は、以下の添付図面を参照とする、次の詳細な説明においてより明らかになると考えられる。
本発明の方法の一つの局面の反応スキームを表している。 P450-2C19*2ヘテロ接合遺伝子型を有する個体の遺伝子型解析を表している。 2C19*8ヘテロ接合遺伝子型を有する個体の遺伝子型解析を表している。 2C19*2/*3化合物ヘテロ接合遺伝子型を有する個体の遺伝子型解析を表している。

Claims (15)

  1. チトクロームP450-2C19をコードしている遺伝子中の多型部位において、CYP2C19*2、CYP2C19*3、CYP2C19*4、CYP2C19*5、CYP2C19*6、CYP2C19*7、およびCYP2C19*8からなる群より選択されるヌクレオチド変異体の有無を検出するための方法であって、以下の工程を含む方法:
    (a)前記変異体を含むDNAの領域を増幅して、増幅DNA産物を形成する工程;
    (b)少なくとも二つのタグ付き対立遺伝子特異的伸長プライマーを、増幅DNA産物中の相補的標的配列にハイブリダイズする工程であって、各タグ付き対立遺伝子特異的伸長プライマーが、増幅DNAにハイブリダイズすることが可能な3'端ハイブリダイズ部分を有し、かつ少なくとも二つのタグ付き対立遺伝子特異的伸長プライマーの3'端ハイブリダイズ部分がSEQ ID NO:12〜SEQ ID NO:25の塩基25以上からなる群より選択される配列、および対応するプローブ配列に相補的な5'端タグ部分を含み、3'端ハイブリダイズ部分の末端ヌクレオチドが、疑わしい変異体ヌクレオチドまたはその部位の対応する野生型ヌクレオチドのいずれかに相補的である工程;
    (c)3'端ハイブリダイズ部分の末端ヌクレオチドが増幅DNA産物中の多型部位の一つの対立遺伝子に完全マッチしている場合、標識ヌクレオチドを用いて少なくとも二つのタグ付き対立遺伝子特異的伸長プライマーを伸長させる工程;
    (d)少なくとも二つのタグ付き対立遺伝子特異的伸長プライマーを、対応するプローブ配列にハイブリダイズし、標識された伸長産物の存在を検出する工程。
  2. 少なくとも二つのタグ付き対立遺伝子特異的プライマーの5'端タグ部分が、SEQ ID NO:12〜SEQ ID NO:25の塩基1〜24からなる群より選択される配列を含む、請求項2記載の方法。
  3. プローブ配列が固体支持体に連結している、請求項1記載の方法。
  4. 固体支持体が、ビーズ、スペクトル的にコード化されたビーズ、およびチップに基づくマイクロアレイからなる群より選択される、請求項3記載の方法。
  5. 増幅する工程が、以下からなる対の群より選択されるPCRプライマーの少なくとも二つの対を含むPCR増幅プライマーセットを用いて、PCRにより実施される、請求項1記載の方法:
    SEQ ID NO:2およびSEQ ID NO:3、SEQ ID NO:4およびSEQ ID NO:5、SEQ ID NO:6およびSEQ ID NO:7、SEQ ID NO:8およびSEQ ID NO:9、ならびにSEQ ID NO:10およびSEQ ID NO:11。
  6. チトクロームP450-2C19をコードしている遺伝子中の多型部位において、CYP2C19*2、CYP2C19*3、CYP2C19*4、CYP2C19*5、CYP2C19*6、CYP2C19*7、およびCYP2C19*8からなる群より選択されるヌクレオチド変異体の有無を検出するための方法であって、以下の工程を含む方法:
    (a)前記変異体を含むDNAの領域を増幅して、増幅DNA産物を形成する工程;
    (b)SEQ ID NO:12〜SEQ ID NO:25からなる群より選択される少なくとも二つのタグ付き対立遺伝子特異的伸長プライマーを、増幅DNA産物中の相補的標的配列にハイブリダイズする工程であって、各タグ付き対立遺伝子特異的伸長プライマーが、増幅DNAにハイブリダイズすることが可能な3'端ハイブリダイズ部分および対応するプローブ配列に相補的な5'端タグ部分を有し、3'端ハイブリダイズ部分の末端ヌクレオチドが、疑わしい変異体ヌクレオチドまたはその部位の対応する野生型ヌクレオチドのいずれかに相補的である工程;
    (c)3'端ハイブリダイズ部分の末端ヌクレオチドが増幅DNA産物中の多型部位の一つの対立遺伝子に完全マッチしている場合、標識ヌクレオチドを用いて少なくとも二つのタグ付き対立遺伝子特異的伸長プライマーを伸長させる工程;
    (d)少なくとも二つのタグ付き対立遺伝子特異的伸長プライマーを対応するプローブ配列にハイブリダイズし、標識された伸長産物の存在を検出する工程。
  7. プローブ配列が固体支持体に連結している、請求項6記載の方法。
  8. 固体支持体が、ビーズ、スペクトル的にコード化されたビーズ、およびチップに基づくマイクロアレイからなる群より選択される、請求項7記載の方法。
  9. 増幅する工程が、以下からなる対の群より選択されるPCRプライマーの少なくとも二つの対を含むPCR増幅プライマーセットを用いて、PCRにより実施される、請求項6記載の方法:
    SEQ ID NO:2およびSEQ ID NO:3、SEQ ID NO:4およびSEQ ID NO:5、SEQ ID NO:6およびSEQ ID NO:7、SEQ ID NO:8およびSEQ ID NO:9、ならびにSEQ ID NO:10およびSEQ ID NO:11。
  10. チトクロムP450-2C19をコードする遺伝子中の多型部位において、CYP2C19*2、CYP2C19*3、CYP2C19*4、CYP2C19*5、CYP2C19*6、CYP2C19*7、およびCYP2C19*8からなる群より選択されるヌクレオチド変異体の有無を検出するためのキットであって、少なくとも二つのタグ付き対立遺伝子特異的伸長プライマーのセット含み、各タグ付き対立遺伝子特異的伸長プライマーは、疑わしい変異体ヌクレオチドまたは多型部位の一つの対応する野生型ヌクレオチドのいずれかに相補的な3'末端ヌクレオチドを含む3'端ハイブリダイズ部分、および対応するプローブ配列に相補的な5'端タグ付き部分を有し、かつ少なくとも二つのタグ付き対立遺伝子特異的伸長プライマーはSEQ ID NO:12〜SEQ ID NO:25からなる群より選択される、キット。
  11. 多型部位を含むDNAの領域を増幅するための、以下からなる対の群より選択されるPCRプライマーの少なくとも二つの対を含むPCR増幅プライマーセットをさらに含む、請求項10記載のキット:
    SEQ ID NO:2およびSEQ ID NO:3、SEQ ID NO:4およびSEQ ID NO:5、SEQ ID NO:6およびSEQ ID NO:7、SEQ ID NO:8およびSEQ ID NO:9、ならびにSEQ ID NO:10およびSEQ ID NO:11。
  12. プローブのセットをさらに含む、請求項10記載のキット。
  13. プローブのセットが支持体に連結している、請求項12記載のキット。
  14. チトクロムP450-2C19をコードする遺伝子中の少なくとも二つの多型部位において、CYP2C19*2、CYP2C19*3、CYP2C19*4、CYP2C19*5、CYP2C19*6、CYP2C19*7、およびCYP2C19*8からなる群より選択される変異体ヌクレオチドの有無の検出に使用するためのキットであって、少なくとも二つの多型部位を含むDNAの領域を増幅するための、以下からなる対の群より選択されるPCRプライマーの少なくとも二つの対を含むPCR増幅プライマーセットを含む、キット:SEQ ID NO:2およびSEQ ID NO:3、SEQ ID NO:4およびSEQ ID NO:5、SEQ ID NO:6およびSEQ ID NO:7、SEQ ID NO:8およびSEQ ID NO:9、ならびにSEQ ID NO:10およびSEQ ID NO:11。
  15. 少なくとも二つのタグ付き対立遺伝子特異的伸長プライマーのセットをさらに含むキットであって、各タグ付き対立遺伝子特異的伸長プライマーは、増幅DNAにハイブリダイズすることが可能な3'端ハイブリダイズ部分、対応するプローブ配列に相補的な5'端タグ部分を有し、3'端ハイブリダイズ部分の末端ヌクレオチドは、疑わしい変異体ヌクレオチドまたは多型部位の対応する野生型ヌクレオチドのいずれかに相補的である、請求項14記載のキット。
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