JP2008507544A - マイコバクテリア感染検出用濃縮抗体、使用方法、及びそれを使用する診断検査 - Google Patents

マイコバクテリア感染検出用濃縮抗体、使用方法、及びそれを使用する診断検査 Download PDF

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Abstract

開示の技術は、マイコバクテリア由来の表層多糖抗原に高度に特異的な濃縮抗体群を提供する。関連の実施形態では、抗体は、抗原活性を示す抗原を維持する環境で産生されることにより濃縮される。これらの抗体は、被験者由来の試料中のマイコバクテリア感染の存在を検出するために、免疫反応環境で使用することができる。
【選択図】 図8

Description

本発明は、微生物に起因する疾患及び状態を検出するための診断検査、より詳しくは、結核を検出するための診断検査及び方法に関する。
背景
ここ数十年間に、結核は、肺外症例の割合が増大するにつれ、肺を中心に発症する感染症から多面的な病変へと変貌した。今日まで、迅速で実地に即したスクリーニングアッセイが欠如していることが効果的な結核予防プログラムを妨げている。高所得国では、マイコバクテリア培養が依然として標準的な診断法であるが、これは時間がかかり、また、比較的高価である。理論的には、3つの喀痰塗抹標本に基づく喀痰鏡検によれば、培養陽性症例を67%まで同定することができる。HIV陽性か陰性か(serostatus)がAFB診断に及ぼす影響を全く報告していない研究者もいるが、HIV重感染では、喀痰中のヒト型結核菌(Mycobacterium tuberculosis)の証明が困難であることが既に報告されている。HIV陽性結核患者における肺外結核の割合が高くなると、AFB陰性結核症例の割合が更に増大する。このことによって、結核の診断が益々困難になり、診断用検査ツールの改良が急務であることが明白になる。
現在の結核診断法は十分なものではない。特に喀痰に検出可能な細菌が存在しない場合、又は喀痰試料を取得することができない場合は、肺結核の喀痰検査は必ずしも有効ではない。更に、この診断検査では、診断の確認に鏡検及び/又は細菌培養が必要であるが、これらはいずれも、現場の診断に特に適しているというわけではない。また、結核性髄膜炎の診断に脳脊髄液を使用する場合も、通常、診断の確認に鏡検及び/又は細菌培養及び/又はELISA検査が必要であるので、特に現場では問題がある。
結核の血液検査も知られているが、実績が乏しく、また、複雑で信頼性が低い。尿検査は簡単で、より信頼性が高いが、現在の方法では、診断検査の実施前に尿の処理が必要である(そのような処理は通常、尿の濃縮を含む)。
新たに開発された方法としては、多数のマイコバクテリア抗原に対する抗体検査が挙げられるが、ルーチンの診断に必要な特異性を実現しているものは現時点では存在しない。また、HIV陽性症例で感度が低いことも大きな制約である。別のアプローチとして、ESAT−6等のヒト型結核菌特異的抗原に対する免疫反応の測定が挙げられるが、これまでのところ、潜在結核感染と結核疾患との区別は不可能である。
結核は多様な形態で存在する極めて複雑な病変であるが、常に空気感染からスタートする。肺結核は、微生物が侵入した時点で直ちに発症し、肺外結核は、患者の体内に更に侵入した結果として生じるものである。肺外結核の最も一般的な例は、結核性髄膜炎及び骨結核である。この病変の複雑性は、この現代医学の世紀に試行される数多くの様々なアプローチを左右する。更に、HIV随伴性肺結核の臨床所見及びX線所見は、免疫不全によって大幅に変化する。これらの要因によって、HIV/結核患者の結核の症状を早期に認識することが極めて困難になると共に、このような患者の親類及び介護者への結核感染の危険性も高くなる。
マイコバクテリアは、例えば、上気道採取物(喀痰、気管支洗浄物、気管支肺胞洗浄物、気管支生検試料等);尿、糞便、血液、脳脊髄液(CSF)、組織生検試料、及び事実上あらゆる組織又は器官の深部穿刺吸引物を含む、様々な臨床検査試料から回収可能である。細菌培養は、今なお、結核診断で最も標準的な方法であるが、確定診断を行うのに6〜8週間も要する場合がある。マイコバクテリア感染の迅速な(細菌培養よりも速い)診断のために用いられる主要な技術として、次の3つが挙げられる。
・喀痰塗抹標本の直接鏡検
・PCRベースのアッセイ
・免疫診断法
(喀痰塗抹標本の直接鏡検)
一世紀以上前に、ロベルトコッホ(Robert Koch)は、臨床検査試料から結核の病原体を染色、培養することによって、それを同定した。今日の結核の診断法は、通常、コッホが用いた技術と実質的に異ならない染色培養技術を用いて確立されたものである。喀痰の直接鏡検は、今日の開発途上国における標準的な結核診断法であり、また、新たな検査法の性能を評価する際の基準である。この方法は肺結核に適用されるが、小児、又は初期段階の肺結核患者に対してはあまり有効でない。
(PCRベースのアッセイ)
7つの研究所におけるPCR検査の性能比較試験において、3%〜20%の範囲の高レベルの偽陽性PCR結果が示された(ある研究所では77%という極端な数値を示した)。このような比較的見劣りする性能は、この方法の各工程のモニタリングが不十分であったことによるものであり、アッセイの全段階で注意深く品質管理を行う必要があることを強く示している。
(免疫診断法)
結核皮膚検査:この検査は、恐らく、結核の最も古典的な免疫検査である。少量のPPDツベルクリンと呼ばれる物質を、小型針を用いて前腕の皮膚の最上層の真下に接種する。この検査では、物質投与後48〜72時間に判定する。一般に、10mm以上の腫脹が陽性であると考えられている。多数の開発途上国が、結核予防のためにBCG接種を行っている。BCG接種後、PPD皮膚検査は通常陽性になる。皮膚検査の結果は、PPD抗原の質、免疫系の反応性によって、また、恐らくは個体の人種によっても異なる。また、この検査は、感染の段階及び部位に関する絶対的な指標を提供するものではない。
ヒト型結核菌の血清学的検査:この方法は、マイコバクテリア抗原に対する抗体免疫反応の検出に基づくものであり、研究及び臨床の場で最も広く用いられている方法の1つである。血清学的検査は全て、精製抗原を使用すれば、ほぼ同じ感度及び特異性を有する。検査の感度は、最良の検査を行えば、塗布標本陽性では80%、塗布標本陰性では60〜70%である。報告された特異性は一般に高く、95〜100%の範囲である。
現行の技術は、いくつかの点で性能が制限されている。
最も広く受け入れられ、迅速に実施可能な鏡検検査は、完了までに数時間を要すると共に、熟練の技術者及び臨床検査室環境が必要である。検査結果の分析は、感染症分野における現在の標準である迅速POC検査と比較してはるかに難しい。患者1人当たりの分析1回の実質費用は、米国の病院では100〜150ドルの範囲である。この検査の臨床上の特異性は極めて良好であるが、感度の改良が期待される。
皮膚検査は、感度は十分であるが、長時間を要し、病理過程の段階に関する情報が得られず、また、感染個体と予防接種を受けた個体とが十分に区別されない。
血清学的検査は、通常、感度が十分でない。検査結果は、結核抗原に対する個体の免疫反応の差異に応じて異なる。これらの検査は、ヒト型結核菌に感染したHIV患者では殆ど機能しない。この要因が、アフリカ及び多くのアジア諸国における適用可能性を大幅に制限している。米国では、この患者集団が結核感染患者の大部分を構成している。
PCR検査は先進国で広く使用されているが、複雑で、費用が高く、また、開発途上国におけるスクリーニング検査として受け入れられる程度には感度がよくない。
感染症の迅速診断として好ましい方法は、患者試料中の細菌抗原の検出に基づくものであり、特定の病原体に起因する活動性感染過程の決定的な証拠を提供するものである。マイコバクテリア感染の検出に直接抗原検査を使用するというコンセプトは、いくつかの刊行物に記載されている。
例えば、1982年には、ヒト型結核菌の最初の直接抗原アッセイの開発が報告されている(ウシ型結核菌(M.bovis)(BCGワクチン)の全細胞に特異的なウサギ抗体を用いる、活動性肺結核患者の喀痰中のヒト型結核菌抗原検出のためのラジオイムノアッセイ)。オートクレーブにかけ、超音波処理した喀痰が試料として用いられた。このアッセイでは、活動性肺結核患者から得た喀痰39試料のうち38試料で抗原が検出された。
その後の研究では、結核性髄膜炎患者の脳脊髄液中のマイコバクテリア抗原を検出するELISA系の開発が報告されている。これもやはり、ウシ型結核菌の全細胞に特異的な抗体を用いる。いずれの系も、驚くほど高い特異性を示した。検出を担う主要抗原はLAMであったが、マイコバクテリウム・カンサシ(M.kansasii)が5%の交差反応性を示し、マイコバクテリウム・イントラセルラー(M.intracellulare)、マイコバクテリウム・アビウム(M.avium)、マイコバクテリウム・フォルツイツム(M.fortuitum)及びマイコバクテリウム・ヴァッカエ(M.vaccae)の交差反応がわずか2%であったことが報告されている。他には、結核性髄膜炎の患者12人のうち、9人のCSF中のマイコバクテリア抗原がELISAによって検出された(81.25%の感度に相当)ことが報告されている。この検査の特異性は95%であった。
結核診断用検査の開発の従来の試みは殆ど全て、この疾病の肺型の検出に焦点が当てられていた。肺外型は、診断が難しいことが周知であり、肺型と比べて罹患率が低いことから、関心が比較的低かった。1950年代及び1960年代まで、肺外結核症例は、全結核症例の約10%を占めるにすぎなかった。しかし、HIV/AIDSの発症が大流行して、状況は完全に変わった。これらの2つの疾病は、ついには、新たな複雑な公衆衛生問題へと変化した。今日、少なくとも60%の未治療HIV患者が、その生涯において活動性結核を発症し、70%もの結核患者が、サハラ以南のアフリカ及びアジアでHIVに感染している。HIVと結核との複合は、結核の疫学だけでなく、その疾病自体の経過も変化させた。ここ数十年間に、結核は、肺外症例の割合が増大するにつれ、肺を中心に発症する感染症から多面的な病変へと変貌した。現在、肺外結核症例が結核の全症例の30%まで占めると推定されているが、この数は、肺外型結核の迅速なスクリーニング及び診断ツールが存在しないことから過小評価の可能性さえある。更に、HIV患者の肺結核であっても、非定型的な症状を示す場合が多い。例えば、このような患者は、一般に喀痰を生じない。これらの要因によって、HIV/結核患者の結核の症状を早期に認識することが極めて困難になると共に、このような患者の親類及び介護者への結核感染の危険性も高くなる。肺外型結核の検査を含む、ヒト型結核菌感染による広範囲の病変が検出可能で、使用が容易なスクリーニング検査が至急求められている。このような必要性については長く議論されてきたが、目的の実現への進歩はなかった。今日、それは、公衆衛生医療における急務となっている。
別の肺細菌感染の症例では、現在一般に行われているスクリーニング方法は、患者尿中に分泌される多糖抗原の検出をベースとするものである。細菌多糖はヒトには稀な単糖から構成され、そのため、ヒト酵素による切断に耐性を有する。これにより、細菌多糖は、多糖特異的イムノアッセイによる検出に好適な免疫化学的にインタクトな形態で尿中に分泌される。尿中に分泌された細菌多糖は極めて低濃度であるので、それをスクリーニング法として使用するためには、極めて高感度のイムノアッセイが必要となる。
スウェーデン及びノルウェーの共同研究グループは、患者尿中のLAM抗原を検出するLAM特異的ELISA系の開発を試みた。この系では、SvensonのPCT出願WO97/34149に記載されているように、リポアラビノマンナンに基づく、尿中の結核検出のための抗原捕捉を用いている。リポアラビノマンナンは、ヒト結核の発症に関与する生物であるヒト型結核菌の表層に存在する多糖である。開示の診断法は、AFB陽性患者の81.3%及びAFB陰性患者の57.4%の患者尿中のLAMの存在を検出し、マイコバクテリア感染の診断における、マイコバクテリアLAM抗原の検出の有用性を明らかにした。他方、上記系は、開示の方法のスクリーニングにおける有用性は明らかにしていない。上記方法は、LAM抗原に特異的なアフィニティー精製ウサギポリクローナル抗体を使用していたにも関わらず、未処理の非濃縮尿試料で使用するのに十分な感度を欠いていた。上記診断法では、患者の尿を濃縮し、ELISA検査による分析用に調製するために、生化学検査室で約24〜48時間高度な操作を行うことが求められる。全体的に、Svensonのアッセイの感度は、開示の方法を実地で使用するには不十分である。このイムノアッセイは、複雑で、時間がかかることから、マイコバクテリア感染を検出するスクリーニング検査として実際に使用することはできない。疾患状態の検出に用いる診断検査においてスピード、使い易さ及び高感度の全てが極めて重要である臨床の場では使用しにくいためである。
発明の概要
本発明の第1の実施形態では、緩和な酸化法(例えば、低濃度のNaIOによる処理)を用いてリポアラビノマンナン(LAM)を酸化することにより作製した、ヒト型結核菌由来LAMの抗原活性を示すアイソフォームが提供される。別の実施形態では、対象患者由来の尿、喀痰、血液、組織又は他の試料中の多糖(例えばLAM)の検出で使用するための、非活性化マイコバクテリアに対する、より詳しくは、表層多糖(例えばLAM)に対する高度に特異的で高純度の抗体が作製される。これは、緩和な酸化法によって作製した、抗原活性を示すLAMのアイソフォームを用いて行われる。別の実施形態では、対象患者の結核を診断するために、抗原活性を示す形態のLAMに対して産生された高度に特異的で高純度の抗体が使用される。
別の特定の実施形態では、マイコバクテリア由来の表層多糖抗原に対して高度に特異的な濃縮抗体群が提供される。この実施形態では、濃縮抗体群は、抗原活性を示す抗原を維持する環境で産生されることによって濃縮されてもよい。それに代えて、又はそれに加えて、抗体は、比較的不活性な抗原を認識する抗体を排除することによって濃縮される。一部の実施形態では、マイコバクテリアはヒト型結核菌であってもよい。同様に、表層多糖はリポアラビノマンナン(LAM)であってもよい。
別の実施形態では、マイコバクテリアの抗原に高度に特異的な濃縮抗体を製造する方法が提供される。この実施形態において、上記方法は、マイコバクテリア由来の抗原に対する抗体を産生、単離する工程と、単離抗体から、比較的不活性な抗原に特異的な抗体群を分離して、単離濃縮抗体を得る工程と、を含む。
別の実施形態では、マイコバクテリアの抗原に高度に特異的な濃縮抗体を製造する方法が提供される。この実施形態では、上記方法は、抗原活性を保持する条件下でマイコバクテリア由来の抗原を単離する工程と、単離抗原に対する抗体を、その抗原活性を保持させながら産生する工程と、を含む。
更に別の実施形態では、マイコバクテリアの抗原に高度に特異的な濃縮抗体を製造する方法が提供される。この実施形態では、上記方法は、マイコバクテリア由来の単離抗原で作製した第1のアフィニティーマトリックスに、単離抗原に特異的な抗体が第1のアフィニティーマトリックスに保持されるように、マイコバクテリアを接種した哺乳動物に由来の血清をアプライする工程と、単離抗原に特異的な抗体を第1のアフィニティーマトリックスから単離する工程と、マイコバクテリア由来の修飾抗原で作製した第2のアフィニティーマトリックスに、修飾抗原に特異的な抗体が第2のアフィニティーマトリックスに保持されるように、単離抗体をアプライする工程(ここで、修飾抗原は、薬剤で処理されて、単離抗原と比較して非活性化されたものである。)と、第2のアフィニティーマトリックスからの溶出物を回収することにより単離抗原に特異的な濃縮抗体を単離して、マイコバクテリア抗原に対する特異性及び感受性が非濃縮抗体より高い濃縮抗体を得る工程と、を含む。
更なる関連の実施形態では、マイコバクテリアはヒト型結核菌であってもよく、また、表層多糖はリポアラビノマンナン(LAM)であってもよい。
別の実施形態では、マイコバクテリア由来の抗原を修飾する薬剤は過ヨウ素酸ナトリウムである。別の関連の実施形態では、表層多糖は、フロイントアジュバントから単離されたものであってもよい。
更に別の実施形態は、被験者由来の試料中のマイコバクテリア感染を検出する方法が提供される。この実施形態では、上記方法は、免疫反応環境を提供する工程(ここで、免疫反応環境は、上述の濃縮抗体から作り出されたものである。)と、免疫反応環境下で試料を反応させて、マイコバクテリア感染を検出する工程と、を含む。
場合により、マイコバクテリア感染は、ヒト型結核菌によるものであっても、ヨーネ病であってもよい。同様に、表層多糖はリポアラビノマンナン(LAM)であってもよい。更なる関連の実施形態では、免疫反応環境はELISAを含み、また、ストリップテストとして行われてもよい。関連の実施形態では、マイコバクテリア感染は、肺結核菌感染であっても肺外結核菌感染であってもよく、また、試料は、喀痰、血液、尿、組織又は他の適切な試料のいずれであってもよい。関連の特定の実施形態では、試料は、未処理の濃縮されていない尿であってもよい。
別の実施形態では、試料中のマイコバクテリア感染を検出するためのキットであって、免疫反応環境を提供するアッセイを含むキット(ここで、免疫反応環境は、上述の濃縮抗体を含む。)が提供される。関連の実施形態では、免疫反応環境はELISAを含み、また、ストリップテストとして行われてもよい。更なる関連の実施形態では、マイコバクテリア感染はヒト型結核菌によるものであってもよく、抗体はリポアラビノマンナン(LAM)であってもよい。
本発明の以上の特徴は、添付の図面を参照しながら、以下の詳細な説明を参照することにより、更に容易に理解されよう。
実施形態の詳細な説明
定義:
文脈上異なる意味に解するべきでない限り、以下の用語は以下に示す意味を有するものとする。
本明細書で使用する「免疫反応環境」とは、イムノアッセイ、免疫反応、免疫化学、及び、所望の結果を達成するために免疫反応を含み、又はそれに関与し、又はそれに依存する全てのプロセス、アッセイ、方法又は系を支持する環境を意味する。免疫反応環境の例としては、Swansonらの米国特許第5073484号;Guireらの米国特許第5654162号及び同第6020147号に詳述されているものが挙げられる。これらには、液体中の分析対象物を定量的に測定する方法及び装置が開示されているが、そこでは、特定の実施形態において、分析対象物及び反応物が、特異的リガンド(抗原)−抗体(抗リガンド)結合ペアの異なる部分に相当する免疫化学反応が用いられている。これらの特許は、本明細書及び添付の特許請求の範囲でいう「ストリップテスト」として実施された技術に関連する。
「フロイントアジュバント」は米国Sigma社製のものである。
本発明者らは、体液(尿を含むが、これに限定されない。)中のマイコバクテリア抗原(特にヒト型結核菌抗原、例えば、表層多糖リポアラビノマンナン(LAM)、及び近縁種)の存在を検出する高感度な方法を開発した。従来は、この種の検査は感度不足で、未処理の尿試料に対して、又は肺外結核感染の検出のために実施することができなかった。特に、本発明者らは、マイコバクテリア由来の抗原に対して産生された濃縮抗体であって、抗原活性を示す抗原を維持する環境で産生されることにより濃縮された濃縮抗体を開発した。この第1のクラスの濃縮抗体を製造する方法を「直接法」と呼び、これについては以下で更に詳しく説明する。
本発明者らはまた、比較的不活性な抗原を認識する抗体を排除することによって濃縮された抗体を開発した。このクラスの抗体の製造方法は、「直接法」に従って濃縮抗体を得ることによって開始するが、その後、比較的不活性な抗原を認識する抗体を排除することによって行う。本発明者らは、この第2のクラスの濃縮抗体の製造方法を「強化法」と呼び、これについても以下で更に詳しく説明する。
図8には、強化法の一実施形態の実施の際に必要な工程を示す概略図である。強化法は直接法を基礎とするので、第1のアフィニティーカラムの後にストップすれば、図8はまた直接法を示すことになる。
以下、いずれか1つ又は両方のクラスの濃縮抗体を用いて、様々な試料(未処理の(即ち、濃縮されていない)尿試料を含むが、これに限定されない。)中の結核の肺感染及び肺外感染をどのように検出するかを示す。(他に試料源となりうるものとしては、喀痰、脳脊髄液、血液、組織、洗浄物が挙げられる。)実施例では、濃縮抗体は、その抗原活性を保持する環境でリポアラビノマンナン(LAM)のエピトープに対して産生される。
血清、尿、喀痰等の種々の体液を用いて表層多糖(LAM)を検出する従来の方法を調査したが、問題があることが明らかとなった。血清では、免疫複合体の形成によってLAMの検出が妨げられるようである。肺外感染では、マイコバクテリア抗原を含有する喀痰が得られないことが多いので、喀痰中のLAMの検出は、肺結核患者の試料でのみ可能である。尿を使用する従来の研究は多くの試料処理及び操作を要し、そのため、そのような方法は現場では制限される。いずれも、肺外マイコバクテリア感染(例えば、HIV陽性の被験者で増加しているもの感染)の診断には有効ではなかった。
本発明の実施形態は、被験者由来の広範囲の試料タイプにおけるマイコバクテリア抗原検出に使用可能な濃縮抗体を提供することにより、従来技術の問題を解決する。これらの試料タイプとしては、とりわけ、血清、血液、喀痰、洗浄物、組織、及び未処理の非濃縮尿が挙げられる。
リポアラビノマンナン(LAM)は、マイコバクテリウム属に特異的な17500mol wtのリポ多糖である。リポアラビノマンナンは、マンノース残基及びアラビノース残基からなる複合多糖抗原であり、高度に分枝した複雑な構造を形成している。マイコバクテリアの多糖抗原に関する構造研究が40年以上行われているにも関わらず、当業者からは未だ、構造の断片又は構造モチーフ及び複合モデルについてしか報告されていない。LAM構造の最新の複合モデルを図1に示す。
LAMは、マイコバクテリアの外細胞壁の一部として、代謝的に活性な細菌細胞又は変性した細菌細胞から放出される。活動性結核感染では、LAMが循環中に漏出し、腎臓を通過し、それ故、尿(マイコバクテリア量のレベルが反映されている。)中で検出することができると考えられる。LAMは、ヒトの分解性グリコシダーゼが存在しないグリコシド結合を有する糖鎖抗原であるので、抗原は尿中にインタクトな形態で生じる。
マイコバクテリアのLAM抗原は、次の3つの主要な構造ドメインからなる。可変鎖長を有する可変数の脂肪酸を含有するマンノシル−ホスファチジル−ミオ−イノシトール(MIP)アンカー;マンノース残基数が可変のマンナンコア多糖;及び、マンナンコアに結合している分枝状アラビナン多糖鎖。これまでの多くの努力にも関わらず、マンナンコア上のアラビナン鎖結合部位は未だ知られていない。アラビナン多糖鎖は、長さが不定のモノ−、(α1−2)−ジ−、及び(α1−2)−トリ−マンノシル単位からなるマンノースオリゴ糖でキャップされている(キャッピングモチーフ)。キャッピングの程度は菌株によって異なり、また、場合によっては増殖条件にも依存する。
マイコバクテリアLAMが極めて高度な構造上の複雑性及び可変性を有することにより、抗原エピトープのスペクトルは極めて複雑なものとなっている。選択された診断用抗原が複雑であるため、主たるイムノアッセイ試薬としてはアフィニティー精製ポリクローナル抗体を使用せざるを得ない。ポリクローナル抗体の使用によってのみ、臨床試料中に存在するLAMが有する可能性のある抗原特異性のスペクトル全体をカバーすることができる。サンドイッチイムノアッセイをできるだけ高いアッセイ感度で行うために、最大限の濃度の抗原特異的抗体が、捕捉ゾーン中で、また、標識抗体として用いられる。抗原特異的なアフィニティー精製は、そのような抗体を生じることが知られている。
抗原ベースのアフィニティーカラムを作製するために、本発明者らは、抗原単離、及び固相支持体へのカップリングを行う方法を開発した。LAM抗原の単離方法は、一部のマイナーな変更があるが、文献に記載され、当技術分野で周知の別の細菌多糖の単離方法に基づくものである。以下で説明する。
文献に記載の従来のLAMベースの直接抗原イムノアッセイは、LAMセファロースカラムを用いる抗原特異的なアフィニティークロマトグラフィーによって精製されたポリクローナル抗体を用いる。アフィニティーマトリックスの合成に関する従来のアプローチは、LAM多糖の部分的なNaIO酸化を行い、その後、NH−セファロースへのカップリングを行うことに基づくものである。驚くべきことに、図2から明らかなように、本発明者らの実験により、LAM多糖のNaIO酸化の抗原活性が示された。
NH−固相支持体への酸化多糖のカップリング効率が酸化の程度に比例することから、本発明者らは、50mMのNaIOで酸化したLAM抗原を、官能基化BSAスペーサー分子を介してセファロース支持体にカップリングさせた。このレベルの酸化では、後述のように、LAM多糖は依然としていくらかの抗原活性を保持するが、高いカップリング効率を示す。このようなアフィニティーマトリックスに免疫血清をアプライすると、ウサギ抗体画分が高収率で単離された。そのような抗体をプレートELISAイムノアッセイフォーマットにおいて捕捉抗体として試験したところ、いくらかの機能的活性が示されたが、非濃縮尿試料を用いるスクリーニング用途に必要な高感度イムノアッセイで使用するのに十分なレベルではなかった。これらのデータにより、従来の文献(LAM特異的アフィニティー精製抗体を使用している。)で得られた結果を説明することができるが、試料中に存在するLAMを検出するには、依然として尿試料の濃縮が必要であった。
意外なことに、図3から明らかなように、LAMのカップリング化学を、臭化シアン(CNBr)による多糖の活性化に基づく緩和な非破壊的方法に変更することによって、はるかに品質が高いLAM特異的抗体が精製された。
次いで、驚くべきことに、インタクトなLAMを保持するカラムで精製した抗体(CNBr活性化法)を、深く強いNaIO還元(以下参照)の後に、LAM抗原を保持するカラムに通過させることによって、LAM特異的直接抗原イムノアッセイで極めて高い活性を示す、比較的小さな画分の抗体が得られた(アプライ量の約7〜10%)。図3は、そのような抗体の捕捉抗体としての性能を示す。そのような抗体を西洋わさびペルオキシダーゼ(HRP)で標識し、標識抗体として用いると、試験した、又は公知の他のどの抗体よりも高い活性を示した。そのような抗体をベースとしたELISA系は、極めて感度が高く、非濃縮尿試料の検査において有用であることが判明した。これにより、現場における、又は、肺結核及び肺外結核の両症例における迅速スクリーニングに適したパフォーマンス特性を有するスクリーニングLAM特異的イムノアッセイを得ることができる(これは、従来誰も達成することができなかった偉業である)。即ち、従来LAMは結核患者の凍結尿中に存在するものと報告されてきたが、そのような報告に係るアッセイは多くの試料調製を要し、このため、実地に即したものではない。
〔プロトコール〕
このセクションでは、上述の定義の「直接法」及び「強化法」を実施するのに好適なプロトコールを説明する。この説明自体は、直接法か強化法かによって厳密に区分されるものではないが、文脈に応じて、いずれかの、又は両方の方法における使用に適したカラムの作製方法が特に説明されている。図8は、直接法及び強化法の概略図である。
(フロイントアジュバントからのヒト型結核菌の乾燥細胞の単離)
まず、使用前に、細胞をフロイントアジュバントと共に室温で最低1週間置く。アジュバントバイアルからキャップを取り除き、バイアルの底にある細胞を分散させることなく、多量の鉱油を取り出す。少量の鉱油は、細胞沈殿物が入るのを避ける予防措置としてバイアル中に残してもよい。鉱油を廃棄し、次いで、6.0Lのエタノール及び6.0Lのジエチルエーテルを混合し、各バイアルへ5mLのエタノール:ジエチルエーテル混合物を加える。
次に、バイアルを閉め、ボルテックスにかけ、懸濁液を1Lのエルレンマイヤーフラスコにすばやく移す。この工程中、細胞がバイアル中に再び沈殿しないようにする。1Lのエルレンマイヤーフラスコを1Lラインまで満たし、細胞を1〜1.5時間置く。次に、エルレンマイヤーフラスコから綺麗な1Lビーカーに溶媒を静かにデカントする。沈殿した細胞を分散させることなく、溶媒と共に移動させる。ビーカーへデカントした溶媒が透明な場合は、それを廃棄する。細胞がかなりの量で溶媒と共にデカントされた場合は、エルレンマイヤーフラスコにデカントした溶媒を戻し、静置工程を繰り返す。エタノール:ジエチルエーテル混合物の20〜30mlアリコートを用いて、細胞をガラスの焼結フィルターに移す。
500mLのエタノール−ジエチルエーテル混合物で細胞を洗浄し、次いで、200mlのジエチルエーテルで洗浄する。次に、100mmHg+/−10の真空(低真空)を用いてフィルターの細胞を風乾する。時々混ぜ合わせて細胞集団を均質化し、次いで、多孔質材料(例えばキムワイプ)でフィルターを覆い、乾燥するまでフード中に静置する(約15時間、即ち一晩)。
全重量を計量して記録し、細胞の乾燥重量を算出する。次いで、ゴム内張りキャップで固く密閉し、15〜30℃で保存する。
(粗LAM抗原のフェノール抽出)
250mLのパイレックス培地ボトルにヒト型結核菌の乾燥細胞を入れ、細胞に、加温した脱イオン水を加える。ボルテックスにかけ、懸濁液が均質になるまで超音波水浴中で懸濁液に超音波処理する(〜20秒パルス)。
細胞をフェノール抽出し、次いでエタノール沈殿させ、沈殿した細胞を一晩(〜16時間)冷蔵庫(2〜8℃)に置き、沈殿物を沈降させる。沈殿物を混濁しないように十分に注意して、約100mLの上清が沈殿物を覆う状態になるまで上清を静かに除去する。静かに振盪混合し、次いで、テフロン製遠心分離管に残っている懸濁液を移し、20分間12,000rpmで遠心分離する。ペレットを混濁させずに、全ての遠心分離管からできるだけ多くの上清を取り除き、各遠心分離管に脱イオン水5mlを加え、ボルテックスにかけ、超音波処理を行い、水中にペレットを溶解させる。全ての画分を溶解したペレットと合わせ、500mLのフラスコに入れる(注:フラスコ容量/容積の1/10を超えないようにする)。最小容量までロータリーエバポレーターで蒸発させるが、試料をカラメル化しないようにする。水約50mLでフィルムを再溶解し、試料が乾燥するまで3回乾燥及び再溶解を繰り返す。水50mLに再溶解させ、凍結乾燥する。
(セファデックスG−25クロマトグラフィーによるLAM抗原の精製)
0.25%の酢酸溶液15mLに800mgの粗LAM Agを溶解させる。ボルテックスにかけ、超音波浴中で超音波処理し、完全に溶解させる。5000rpmで5分間、微小遠心で遠心分離する。20mLのガラス製バイアルに上清を回収し、別々のクロマトグラフィーを実施するために上清を3つの均等部に分け、次いで、先に回収したLAM Ag上清の1/3をクロマトカラムに静かに加える。100mLの容量をカラムから流出させた後、画分の回収を始める。クロマトグラフィーの開始から350mLの移動相が通過するまで、画分の回収を続ける。全ての画分を覆い、2〜8℃で保存する。250mLのエバポレーションフラスコでロータリーエバポレーションを行う(容量は25mLを超えない)。最小容量まで蒸発させるが、試料をカラメル化しないようにする。水20mLに蒸発させた物質を希釈し、超音波処理し、完全に溶解するまでボルテックスにかけ、次いで、凍結乾燥する(約8時間)。スパーテルで乾燥させた物質を秤量用ガラスバイアルに掻き集め、秤量する。
以上の工程を図6に概略的に示す。
(CNBr活性化によるLAM抗原のBSAスペーサーへのカップリング)
まず、0.5M重炭酸ナトリウムと1M炭酸カリウム溶液を調製する。次いで、脱イオン水1.5mL中に30.0gの精製LAM Agを溶解する。パルス超音波処理(10〜20秒パルス)を用いて、ボルテックスにかけ、LAM Agを完全に溶解させる。
脱イオン水15mL中にBSA−ヒドラジンリガンド300mgを溶解する。パルス超音波処理を行い(10〜20秒パルス)、ボルテックスにかけて完全に溶解させ、次いでマイクロチューブに入れ、10,000rpmで10分間、微小遠心で遠心分離する。パスツールピペットを用いて、各チューブから透明な上清を注意深く回収、プールし、20mLのバイアルへ移す。形成されうる全てのペレットを混濁しないようにする。0.5M重炭酸ナトリウム1.0mLを上記バイアルに加え、振盪させて十分に混合する。冷却した1M炭酸カリウム150μLをLAM溶液に加え、短時間ボルテックスにかけて十分に混合する。得られた溶液を氷/水浴中に置く。
すぐに使用する、アセトニトリルに溶解した5mg/mLのCNBrを調製し、この臭化シアン溶液180μLをLAM溶液に加える。ボルテックスにかけて混合し、約15分間氷上に置く。パスツールピペットで(上述の)BSAヒドラジンリガンド溶液に上記溶液を加える。よく混合し、しっかり密閉したバイアル中、2〜8℃で一晩(16〜24時間)インキュベートする。
(NaIO活性化によるLAM抗原のBSAスペーサーへのカップリング)
3〜4mLバイアル中の脱イオン水1.25mLにLAM抗原を溶解させる。超音波処理し、ボルテックスにかけて完全に溶解させる。0.1M過ヨウ素酸ナトリウム溶液を調製する(NaOAc緩衝液中、pH4.0)。0.1M NaIO溶液1.25mLを1.25mLのLAM溶液に加える。ボルテックスにかけて混合する。バイアルをアルミニウムホイルで覆い、振盪パレットに置き、室温で1時間+/−5分間混合する。
25〜40mLのガラス製血清バイアル中の脱イオン水12.5mLにBSA−ヒドラジンリガンド250mgを溶解させる。超音波処理を用いて、ボルテックスにかけて完全に溶解させ、次いで、10,000rpmで約10分間遠心分離を行う。パスツールピペットを用いて各チューブから上清を回収し、25〜40mLのガラスバイアルへプールする。ペレットを混濁しないようにする。バイアルに0.1Mリン酸ナトリウム(pH6.8)を12.5mL加え、短時間ボルテックスにかけてよく混合する。
カップリング法:
BSAヒドラジン溶液に酸化LAM溶液を加え、ボルテックスにかける。シアノ水素化ホウ素ナトリウムを100mg加え、密閉する。最終溶液10μLをサンプリングし、90μLの1×PBS緩衝液(QC溶液)で希釈し、更なる分析用に保存する(LAM濃度は約0.75mg/mLになる)。
NaIOによるセファロースの活性化:
沈降ゲル80mlに対応するセファロース4B−CLの懸濁液のアリコートを測定し、焼結ガラスフィルター上に移す。500mLの水で洗浄し、ゲル表面の粒状構造が見えるようになるまで、低真空(約300mmHg)で流出させる。ゲル層に空気の隙間が形成されないようにする。0.1M酢酸ナトリウム緩衝液(pH4.0溶液)を調製し、これを用いて、0.1M NaOAcに溶解した30mM NaIO溶液を調製する。
ゲルに30mM NaIOを250mL加え、完全に混合する。アルミホイルでボトルを覆い、室温で1.5時間±10分間、中間スピードの振盪パレットに45度の角度で置く。焼結ガラスフィルターに移し、低真空(約300mmHg)で水1Lを用いて洗浄する。活性化ゲルは、使用の最大4時間以内に調製しなければならない。
(BSA−LAMリガンドの活性化セファロースへのカップリング(第1のアフィニティーカラム及び第2のアフィニティーカラムの合成用))
マトリックスの作製:
1×PBS(リン酸緩衝生理食塩水)に溶解した0.1%のアジ化ナトリウム溶液を調製する。60mlの沈降ゲル(又は別の好適なマトリックス)に対応する活性化セファロースの懸濁液を測定し、焼結ガラスフィルター上に移す。ゲルを充填し、粒状構造が見えるようになるまで、低真空(300mmHg)でゲルを流出させるが、ゲル表面に割れ目が形成されないようにする。
BSA−LAMリガンド溶液:
250mL培地ボトル中、約17〜20mLのBSA−LAMリガンド溶液をリン酸ナトリウム緩衝液(pH6.8)で90mLに希釈する。結晶性シアノ水素化ホウ素ナトリウム90mgをこの溶液に加える。供給品のプラスチックキャップを用いて、しっかりとボトルを閉める。短時間ボルテックスにかけて十分に混合する。この溶液は乳白色に見えるかもしれないが、沈殿物はないはずである。シアノ水素化ホウ素ナトリウムによって形成された微小の気泡は見えるかもしれない。
カップリング工程:
上で調製したLAM溶液に、流出させた活性化セファロースゲルを加える。しっかりと閉め、緩やかにボルテックスにかけ、懸濁液を完全に混合する。37℃+/−2℃で約4時間インキュベートし、1時間毎に反応混合物を(逆さにして)混合する。1.5Mトリス緩衝液4.5mLを加え、再度キャップをしっかりと閉める。37℃+/−2℃で約16時間(一晩)インキュベーションを続ける。
焼結ガラスフィルター上に反応混合物を移し、低真空(300mmHg)を用いて、綺麗な100〜200mLのブンゼンフラスコに液相を回収する。脱イオン水400mlでフィルター上のLAM−セファロースゲルを洗浄し、600mLの1×PBSで洗浄を続ける。
カラムの充填及び保存:
250mLビーカー中で、調製したゲルに1×PBSを100mL加える。手動で攪拌してスラリーにする。1×PBSを用いて、標準の手順に従ってカラムへ充填する。1×PBS及び0.1%アジ化ナトリウムでカラムを平衡化する。
(LAMリガンドの活性化セファロースへの一般的なカップリング(アフィニティーカラムI及びIIの作製用))
沈降ゲル100mlに対応する活性化セファロースの懸濁液を測定し、焼結ガラスフィルター上に移す。ゲルが充填され、粒状構造が見えるようになるまで、低真空(300mmHg)でゲルを流出させるが、ゲル表面上に割れ目が形成されないようにする。後で使用するために流出ゲルを保存する。
BSA−LAMリガンド溶液:
250mLパイレックス培地ボトル中で、BSA−LAMリガンドの約27.5mLの溶液を、リン酸ナトリウム緩衝液(pH6.8)を用いて100mLに希釈する。この溶液に結晶性シアノ水素化ホウ素ナトリウムを100mg加える。供給品のプラスチックキャップを用いてボトルをしっかりと閉める。短時間ボルテックスにかけることにより十分混合する。この溶液は乳白色のように見えるかもしれないが、沈殿物はないはずである。シアノ水素化ホウ素ナトリウムによって形成された微小の気泡は見えるかもしれない。
カップリング工程:
上で調製したLAM溶液に、流出した活性化セファロースゲルを加える。供給品のプラスチックキャップでしっかりと閉める。緩やかにボルテックスにかけること(中間スピード)により、懸濁液を完全に混合し、37℃±2℃で約4時間インキュベートし、1時間毎に反応混合物を(逆さにして)混合する。1.5Mトリス緩衝液7.5mLを加え、しっかりと閉める。37℃±2℃で約16時間(一晩)インキュベーションを続ける。
焼結ガラスフィルター上に反応混合物を移し、低真空(300mmHg)を用いて、綺麗な100〜200mLのブンゼンフラスコに液相を回収する。脱イオン水800mlでフィルター上のLAM−セファロースゲルを洗浄する。約1.2Lの1×PBSで洗浄を続ける。
カラムの充填及び保存:
250mLビーカー中で、上述のゲルに1×PBSを約160mL加える。(スパーテル/ガラスロッドを用いて)手動で攪拌してスラリーにする。1×PBSを用いて、標準の手順に従ってカラムへ充填する。1×PBS及び0.1%アジ化ナトリウムでカラムを平衡化する。
精製LAMの使用、並びにアフィニティーカラムI及びIIの作製を含む以上の工程を、図7に概略的に示す。
(アフィニティークロマトグラフィーIによる抗体の単離(「直接法」))
以下のストック溶液を調製する。
0.1Mグリシン緩衝液1リットル。これを1M HClでpH2.5に調整する。
3×PBS溶液1リットル(脱イオン水で10×PBSストック溶液を希釈)。pHをチェックし、必要に応じて、1M HCl又は1M NaOHで7.2〜7.4に再調整する。
1×PBS及び0.1%のアジ化ナトリウム溶液 200mL。
0.5Mリン酸水素二ナトリウム(NaHPO)溶液100mL。
血清調製:
凍結血清を、完全に溶解するまで冷蔵庫内でゆっくりと解凍する(約16時間/一晩)。血清容量を測定し、血清100mL毎に塩化ナトリウム2.9gを秤量し、血清に加える。完全に溶解するまで穏やかに振盪する。最終濃度は0.5M NaClである。
20分間、〜8000gで遠心分離にかける(4〜8℃)。パスツールピペットを用いて全ての遠心分離管から上清を取り除く。ペレットは混濁しないようにする。上清を、綿充填漏斗を通して濾過し、濾液を回収する。回収した濾液はわずかに乳白色であるが、いかなる粒状物質も含有されていないはずである。冷蔵庫内に濾過血清を置く。
血清アプライ:
1×PBSで平衡化することにより、血清使用のためのカラムI(カラム材料に結合した非変性LAM)を作製する。流速を2.0mL/分に調整し、基準線が少なくとも1時間安定を維持するまで、1×PBSを加え続ける。必要に応じて、記録計及び検出器を0に調整する。基準線が安定したならば、0.5〜0.6mL/分に流速を調整し、次いで、0.5〜0.6ml/分の流速でLAMアフィニティーカラムIに、上で調製した血清をアプライする。排出容量溶離液を回収する(これはカラム容量の約30%になる)。260〜280nmのUV検出により画分をモニターし、シグナルの上昇が生じた場合、500〜1000mL血清のうちの、カラムを通過した血清の回収を開始する。カラムに全容量の血清を加えた後、すぐにカラムの送流を止め、3×PBS緩衝液を加え、次いで、液体流出を再開する。シグナルが基準線の約50%に下がるまで、3×PBSでカラムを洗浄し続ける。この時点で血清の回収を止め、全ての回収画分を保存する。流速を2.0mL/分に変え、基準線が約10〜15%になるまで、3×PBSでのカラム洗浄を続ける。流出液を廃棄する。3×PBS緩衝液を1×PBS緩衝液に置換し、2.0mL/分の流速で約2〜2.5カラム容量で洗浄する。流出液を廃棄する。
抗体溶離工程:
流速を1.0mL/分に調整する。1×PBSを、上で調製した冷却0.1M Gly−HCl緩衝液に置換し、吸着抗体の溶離を開始する。シグナルが速やかに上昇し、フルスケールの約10〜15%が得られたら、氷水浴(0℃)中に置いた15mlコニカルチューブに溶離液カラムを回収し始める。5mlの画分を回収する。
シグナルが速やかに下がり始めるまで、Gly−HCl緩衝液で抗体の回収を継続する。シグナルが、回収開始のシグナルレベルまで下がった場合(フルスケールの10〜15%)、画分の回収を止める。各5mL画分に、0.1mlずつ0.5M NaHPOを0.5mL加えることにより、回収した抗体溶液を中和する。加えた全容量は、中和前の画分容量の10%に等しいはずである。
NaHPO緩衝液の添加中に溶液を穏やかに混合し、中和した画分をプールする。0.1M Gly−HCl緩衝液のみを含むブランクに対する280nmの抗体ODを測定し、抗体濃度を算出する。回収した抗体を最低3日間2〜8℃に置くと、破砕及び廃棄可能になる。
カラムケア:
中性(pH7)になるまで1×PBSでカラムを平衡化する。使用しない間は、1×PBS及び0.1%アジ化ナトリウム溶液でカラムを平衡化し、その後、使用時まで4〜8℃でカラムを保管する。
透析:
作製した抗体を10,000Gで最低5分間遠心分離にかける。上清を12〜14mol.wt.カットオフの透析チューブに移し、Ab溶液対全容積の比が>1:20であるようにして、最低4回緩衝液を変えて2〜3日間1×PBSに対して透析する。透析から抗体を取り出す。ガラスメスシリンダーを用いて、抗体溶液の容量を測定する。何らかの更なる(沈殿物形態の)破砕物/剥離物が存在する場合、抗体溶液を最低5分間10,000Gで更に遠心分離にかける。1×PBS緩衝液で分光光度計をブランキングした後、280nmで抗体のODを測定する。濃度をmg/mLで算出し、保存のために4〜8℃に置く。
(アフィニティークロマトグラフィーIIによる抗体の単離(「強化法」))
高特異性抗体の精製:
基準線が少なくとも15分間安定して維持されるまで、上で作製したLAMアフィニティーカラム2(NaIOを用いてカラム材料にカップリングされ、強度の酸化によって修飾されたLAM)に、1×PBSを2.0mL/分の流速で加える。必要に応じて、記録計及び検出器を0に調整する。次の30分間、基準線をモニターし続け、安定したら、抗体をカラムに加える。流速を0.5〜0.6mL/分に調整し、Econoポンプ又は類似の器具を用いて、Abの〜100〜150mgに対応する容量の、上で作製した抗体をLAMアフィニティーカラム2に加える。280nmにおける排出容量溶離液を回収する(これはカラム体積の約30%になる)。綺麗な血清ボトルで上記基準線より約10〜15%上までシグナルが上昇したら、抗体を回収し始める。全抗体容量を加えたら、即座に液体送流を止め、1×PBS緩衝液を加え、0.5〜0.6mL/分で液体送流を再開する。280nmでカラムを通過して流出する物質の回収を続ける。シグナルが回収開始時の10〜15%上(基準線の30〜50%上)になったら、溶液の回収を止める。
280nmで高特異性抗体のODを測定した後、抗体濃度を算出する。直ちに、一時貯蔵のため抗体溶液を4〜8℃に置く。
カラム洗浄:
2.0〜2.5mL/分の流速の1×PBSでカラムの洗浄を続ける。最低3カラム容量の1×PBSを通す。上で調製した冷却0.1M Gly−HCl緩衝液で、カラム上に吸着されている物質を溶出する。溶出した物質をガラスバイアル中に回収する。モニター/シグナルが基準線の〜10〜15%になったら、回収を止める。上で調製した0.5Mリン酸ナトリウムの全容量の10%を0.5mLずつ加えることにより、回収した抗体溶液を中和する。280nmで抗体のODを測定し、抗体濃度を算出する。直ちに、回収した抗体溶液を4〜8℃に置き、上記工程で回収した抗体の分析が完了するまで保存する。上記抗体の濃度が0.3mg/mL未満である場合は、濃縮する。
2.0〜2.5mL/分の流速の最低3カラム容量の1×PBSでカラムを洗浄する。再度カラムを1カラム容量の1×PBS及び0.1%アジ化ナトリウムで洗浄し、次に使用するまで4〜8℃で保管する。
直接法及び強化法を用いてアフィニティーカラムI及びIIから濃縮抗体を単離する以上の工程を、図8に概略的に示す。
(ELISAプレートコーティング法)
Moduline300システムのセットアップ:
Abコーティングは、コーティング溶液M815の調製終了から最大8時間以内に終わらなければならない。抗体コーティング溶液は、コーティング工程中、氷(0℃)上で保存されなければならない。
工程1:
予め空のプレートを計量、検査し、全ての破損プレートは廃棄する。Moduline300システムを用いて、各ストリッププレートの各ウェルへMTB−LAM特異的Abコーティング溶液100μlを分注する。コーティング工程中、充填が十分に均一であるかどうかについて、各プレートの96ウェル全てを目視によりチェックする。未使用のAb溶液は残し、プレートのロット全体が処理され、使用に供されるまで、2〜8℃で保存する。10枚の各プレートのスタック中に、分注したAb入りのプレートを積み重ね、カバーとして使用する空のプレートで最上部をカバーする。積み重ねカバーした1〜18枚の各プレートを標識化する。積み重ねたプレートを2〜8℃で冷蔵し、一晩(14〜18時間)インキュベートする。
工程2:
Moduline300システムをセットアップし、洗浄サイクルを3回、直後にブロック溶液312μLの分注サイクルを行う。ブロック溶液は、調製終了から最大24時間以内に使用しなければならない。プレートを冷蔵庫から取り出し、Moduline上にプレートが置かれている場合、カバーしているプレートを取り除き、横に置く。タイマーを6時間に設定する。連番を付したトレー上に、コンベヤーから来るブロックしたプレートをセットし、室温(20〜28℃)で5〜6時間ブロックする。
トレー上のプレートを乾燥チャンバーに置き、24〜72時間、20〜23℃、相対湿度20〜22%でインキュベートする。乾燥チャンバーから乾燥プレートを取り出す。
(HRPへのコンジュゲーション用のMTB−Abの作製)
MTB−Ab溶液調製は、コンジュゲーションの少なくとも7日前に行うべきである。
透析:
2〜8℃で、最低4回変えながら最低48時間、1×PBSに対して必要量のMTB−LAM−Ab溶液を透析する。MWCOが12〜14,000の透析チューブを用いる。12,000rpmで10分間、Ab溶液を透析遠心分離した後、15mlの目盛り付き遠心管へ上清を注意深く吸引する。
280nmで透析後のAb溶液の光学濃度を測定し、透析後のAb濃度を算出する。透析後のAb溶液がOD280nm>2.8である場合、1×PBSでAb溶液を1:7に希釈する。
濃縮:
Amicon Ultrafree−15遠心濾過装置を1×PBSで予備洗浄する。装置に1×PBS溶液約15mLを入れ、約5分間、3500rpmで遠心分離する。全ての溶液を装置一式から廃棄する。3500rpmで約5分間×3回、ベンチトップ遠心分離機(バケットローター)で遠心分離することにより、Ultrafree−15遠心濾過装置で、透析後の上述のAb溶液を4.5〜5.5mg/mlまで濃縮する。Amicon装置のフィルターユニットから得た濃縮Ab溶液を、15mLチューブに注意深く吸引する。回収を最大化するために、遠心分離直後に濃縮試料を取り出し、Ab吸引前にピペットで濃縮物容量を数回再懸濁して適切な混合を確実に行う。
10000rpmで約15分間、濃縮Ab溶液を遠心分離にかけ、15mLチューブへAb上清を吸引する。1×PBS中で1:20に希釈したAb溶液のOD280を測定し、Abの濃度を算出する。
Ab溶液0.1mlをELISA分析用にサンプリングする。2〜8℃で保存する。
(MTB−LAM−Ab−HRPコンジュゲート作製)
コンジュゲーション工程用の全てのガラスバイアル及び攪拌棒、並びにコンジュゲート保存用ガラスバイアルをHSO溶液で洗浄し、水道水及び脱イオンHOで完全にすすぐ。
クロマトグラフィー用セファデックスG−25カラムの作製:
セファデックスG−25(ファイン)を充填した、約V=50mlのカラム(1.5×30cm)を入手する。上述のようにカラムを充填する。1mMナトリウムでカラムを平衡化するため、次のクロマトグラフィー条件を設定する。
・緩衝酢酸溶液、pH4.4
・280nmのUVモニター波長
・モニター感度:0.2OD
・チャート記録計スピード:2mm/分
・カラム洗浄のポンプ流速:60ml/時間
約100〜150mlの1mM酢酸ナトリウム(pH4.4)でカラムを洗浄し、0の位置にUVモニター基準線を調節する。所定のベースラインが約30分間安定していることを確かめる。コンジュゲーションに必要なMTB−LAM−Ab溶液の量を算出し、約10分間、12,000rpmでAbを遠心分離する。綺麗なガラスバイアルにAb上清を注意深く吸引する。1×PBSで1:20希釈したAb溶液のOD280nmを測定し、未希釈Ab溶液の濃度を算出する。使用時までAb溶液を2〜8℃で保管する。
NaIOによるHRP(西洋わさびペルオキシダーゼ)の酸化:
V型ガラスバイアルにHRP8mgを秤量する。脱イオンHOを2.0ml加える。HRPが全て溶解するまで、この溶液を2〜3分間穏やかに攪拌する。溶解していないHRP粒子がガラスバイアル壁に残っていないことを確認する。
使用する新しい0.1M NaIO(pH4.4)溶液を最長5分以内に調製し、光から保護する。攪拌しながら、上で調製したHRP溶液に0.1M NaIOを0.4ml加える。アルミニウムホイルでバイアルを覆い、混合物を光から保護する。混合物を20分間室温で攪拌しながらインキュベートする。反応混合物にエチレングリコールを4滴加え、約2分攪拌する。
酸化HRPのクロマトグラフィー及び濃縮:
工程5.4.7の終了直後に、セファデックスG−25(ファイン)カラムのゲル濾過によって酸化HRPを精製する。試料溶離のポンプ流速を約50ml/時間に設定する。上で調製した酸化HRPの全容量を乾燥ゲル床上に注意深く加えるが、この場合、ゲル床を乱さないように注意する。乾燥ゲルを超えないようにする。全ての酸化HRP(有色溶液)を1本の15mlチューブに回収する。クロマトグラフィーチャート上の第1のピーク、OD280nm>0.05。クロマトグラフィー終了後、セファデックスG−25カラムを空にし、ゲルを廃棄し、クロマトグラフィー後のHRP溶液の容量を記録する。
酸化HRPの濃縮:
1mM酢酸ナトリウム(pH4.4)及び約15mLの1mM酢酸ナトリウム(pH4.4)でUltrafree−15遠心濾過装置を予備洗浄し、ベンチトップ遠心分離機(バケットローター)を用いて、3500rpmで約5分間、フィルターユニットを遠心分離する。次いで、フィルターユニットからの全ての溶液を廃棄する。クロマトグラフィー後直ちに、Ultrafree−15遠心分離機フィルターユニット(Biomax−10K膜)を用いて、3500rpm、約5分間の遠心分離で約2±0.2mlまで(上で得た)酸化HRP溶液を濃縮する。濃縮HRP溶液を装置のフィルターユニットから綺麗なガラスバイアルへ注意深く吸引し、容量を測定、記録し、2〜8℃で保存する。
MTB−LAM−AbへのHRPのコンジュゲーション:
HRPへのコンジュゲーションに必要なMTB−LAM−Ab溶液の量を算出する。三角形の攪拌棒を備えたV字型ガラスバイアルに、バイアル壁にAb溶液の液滴を残すことなく、(上で得た)MTB−LAM−Abを入れる。MTB−LAM−Ab溶液に、(上で得た)酸化HRP溶液の1/2容量を加え、アルミニウムホイルでバイアルを覆って反応混合物を光から保護し、室温で30分間ガラスバイアル中の反応混合物を攪拌する。泡立たないようにする。
pH9.5まで1M 炭酸塩−HClを加え、2時間室温で攪拌する。遮光し、泡立たないようにする。
使用直前に4mg/mlの水素化ホウ素ナトリウム(NaBH)を調製し、アルミニウムホイルで遮光する。上で調製したMTB−LAM−Ab溶液に必要とされる計算量のNaBHを直ちに加え、2〜8℃で約2時間、反応混合物をインキュベートする。2〜8℃で最低48時間、8〜16時間の間隔で最低4回緩衝液を換えて1×PBSに対して反応混合物を透析する。透析には、12〜14kDaのカットオフ透析用チューブを用いる。
コンジュゲートの保存及び分析:
透析後、コンジュゲート溶液を4000rpmで約4分間遠心分離する。注意深く上清を取り出し、綺麗な6mlのガラスバイアルにコンジュゲート溶液を入れる。磁気攪拌棒を入れた50mlガラス瓶へGardianペルオキシダーゼコンジュゲート安定剤/希釈剤18mlを測り分ける。MTB−Ab−HRPコンジュゲート2mlを加え、約10分間混合物を攪拌する。2〜8℃で保存し、遮光する。
MTBコンジュゲート作製の以上の工程を図9に概略的に示す。
(結果)
以下に、濃縮抗体製造のための「直接法」を用いて未処理の非濃縮尿中のLAMを検出する直接抗原ELISAの評価から得られたデータを提示する(上述した「強化法」を用いて製造した濃縮抗体を使用することにより、より優れたデータが得られるものと思われる)。これらのデータを得た研究は、限局性結核及びハンセン病プログラム、及びMbeyaメディカルリサーチプロジェクト(Mbeya Medical Research Project:MMRP)との共同で、タンザニアの南西高地に位置するMbeya地域で行った。Mbeya領域では、毎年約3,500件の新規結核症例が診断されており、国のDOTS計画に従って治療が行われている。全ての治療は、Mbeya Referral Hospitalの中心施設で開始されている。結核治癒率は、2002年は72.3%であった。この研究の目的は、医療における市販LAM捕捉ELISAの性能を評価し、それらの結果を結核診断用の最も標準的な検査、即ち喀痰鏡検、結核培養、胸部X線撮影及び臨床検査と比較することである。
〔材料及び方法〕
(LAM−ELISAの説明)
MTB−ELISA直接抗原サンドイッチイムノアッセイ(MTB−ELISA、Chemogen,So.Portland,ME、米国)は、第三者によって開発されたアッセイに類似のLAM−ELISAである。免疫血清は、ヒト型結核菌H37Rvを非活性化した全細胞で免疫した白色ニュージーランドウサギから回収した。ポリクローナルLAM特異的抗体は、リガンドとして固定化LAMを用いて、アフィニティークロマトグラフィーによって単離した。検査キットは、乾燥剤が入ったプラスチックパウチ中に詰めて密閉したLAM特異的抗体事前被覆96ウェルELISAプレート;LAM特異的HRP結合LAM特異ポリクローナル抗体を入れたバイアル;TMBの一成分である発色性基質を入れたバイアル;陰性対照溶液を入れたバイアル;並びに、尿試料のLAM0.5ng/ml、1.5ng/ml及び4.5ng/mlに対応するキャリブレータを入れた3本のバイアルからなる。450nmで得られた光学濃度が陰性対照のシグナルよりも少なくとも0.1上であった場合、尿試料は、ELISAで陽性であると考えられた(>2SD)。
0.1mlの患者尿試料をELISAプレート上の2ヶ所に置き、1時間インキュベートし、0.05%Tween−20/PBS(PBST)溶液で洗浄する。LAM特異的HRPコンジュゲート0.1mlを加える。1時間インキュベーションした後、PBST溶液でプレートを洗浄し、TMB基質0.1mlを加える。10分間インキュベーションした後、1M HSOを0.1ml加えて基質反応を停止し、450nmで発色を読み取る。
別の実施形態では、抗原活性を有することが決定されているリポアラビノマンナン(LAM)の特定のアイソフォームは、上述したプロトコールに類似のプロトコールを用いた、活動性結核についてスクリーニングする患者尿中のマイコバクテリアリポアラビノマンナン検出で使用する、高特異性、高純度のポリクローナル抗体を製造するために用いられる。LAMの抗原活性を示すアイソフォームは、LAMの選択的酸化を用いて同定されたが、この場合、2種類のアイソフォームが容易に同定され、識別可能であった(データは示さず)。1つのアイソフォームは、高濃度の過ヨウ素酸ナトリウムでLAMの血清学的活性が破壊されるような、高濃度の過ヨウ素酸ナトリウム(NaIO)に対する高感度部分を有していた。別のアイソフォームは、高濃度の過ヨウ素酸ナトリウムに曝された場合であっても、血清学的活性を保持していた。緩和な酸化剤又は低濃度のNaIOのいずれかを用いて2種類のLAM酸化法を比較したところ、LAMの抗原活性は保持されていた。しかし、高濃度のNaIOによる酸化の場合は、LAMの抗原活性が低下した。
従って、対象患者の結核診断で尿試料中のLAMを検出する際に使用するための高特異性、高純度のポリクローナル抗体の作製で使用する高抗原性LAMを得るには、CNBrで活性化したLAM、緩和な酸化剤又は低濃度のNaIOで酸化したLAMのみを使用する。
これらの結果は、マイコバクテリアLAMの酸化に高濃度のNaIOのみを使用し、その結果、抗体の生産に用いるLAMの抗原活性が破壊される、Svensonらに記載の検査法(例えば国際公開第97/34149号パンフレットを参照されたい)と比べると全く予測されないものである。また、検出対象のLAMのアイソフォームが複数であったことは知られておらず、抗原活性を有するLAMに対する高度に特異的な抗体を作製することは、これまでに開示の技術では不可能であった。というのは、抗原活性を有する別々のアイソフォームが存在すること、或いは、そのような活性が、標準的な酸化法(即ち、高濃度のNaIOによる処理)の実施の際に失われることが、これらの研究以前は誰にも知られていなかったからである。
(臨床現場の説明)
8週間以内に、結核の疑いがある242名の患者がタンザニアのMbeyaにある5ヶ所の医療センターの外来に集まった。検査の標準プロトコールには、臨床的診断、胸部X線撮影、ESR、白血球x数及びHIV検査、1、2及び3日目の喀痰の3×AFB染色(Ziehl Neelson)、Loewenstein Jenssen培地における2痰培養、並びに尿及び血清のLAM−ELISAが含まれていた。
患者は全員、結核の臨床症状を有していた(咳>4週間、寝汗、減量、食欲不振)。これらのうち137名は、検査室確認の肺結核(PTB)に罹患しており、9名は、X線診断によりPTB(胸水又は肺門リンパ節腫脹)が高度に疑われ、8名は、ミリタリー結核(military TB)の臨床的徴候及びX線診断による徴候を示した。同意する患者については、彼らのHIV状態を検査し、70%がHIV陽性として確認された。データは内々に取り扱った。この研究は、タンザニア共和国の地方施設内治験審査委員会及び国家倫理委員会により承認済みであった。
全ての検査法は、Mbeya Medical Research Projectの検査施設で行った。
(喀痰試料の鏡検及び培養)
Ziehl Neelson染色及び鏡検は、経験を積んだ、十分に熟練した実験技術者によって行われた。浄化喀痰試料は、2連で、Loewenstein Jenssen培地で培養した。培養は、8週間、増殖について毎週試験した。
(尿検体)
各患者から尿30mlを、各患者のデータ形態のコード番号で標識した殺菌済みプラスチック容器に採取した。新しく未処理の尿100μlを2連のELISAプレートのウェルに加えた。また、二連の各プレートに、陰性対照、低陽性対照、中間陽性対照及び高陽性対照も加えた。24時間以内に標本を処理し、次いで、ドイツで更なる試験を行うために−20℃で保管した。
(タンザニア及び米国の対照集団)
Mbeya Referral Hospitalの23名のスタッフメンバーから得た尿試料、Chemogen,Inc.の20名のスタッフメンバーから得た尿試料、及びニューヨークの2つの病院の患者200人から得た尿試料をLAM ELISAで試験した。彼らは全て、臨床検査で健康であることが明らかであり、いかなる呼吸器感染症の徴候も有していなかった。
〔結果〕
(ELISA系の前臨床評価)
図4Aは、尿中の異なる濃度のLAMを用いた用量応答曲線を示す。最適のカットオフ値は、陰性対照のODを0.1OD超える光学濃度(OD)を生じるLAM濃度として、この曲線に従って決定されるが、これは、陰性対照試料のシグナルより2以上の標準偏差分超えた値に相当する。このカットオフ値より上の光学濃度を有する全ての試料をELISA陽性と見なした。カットオフ値は、新しい未処理の尿中のLAM約0.25ng/mlと等しかった。
MTB−ELISAを、尿路感染及び細菌性肺炎に典型的な種々のグラム陽性及びグラム陰性細菌の他の種属との交差反応性について評価した。試験した種のいずれにおいても、最も高い試験濃度でさえ、評価したLAM−ELISA系でいかなる反応性も示さなかった(図4B)。LAM−ELISA系における様々なマイコバクテリア種の全細胞に関する分析では、マイコバクテリア(M.)の試験した全ての種と交差反応性を示す(図4C)が、ヒト型結核菌H37Rv及びウシ型結核菌が最も感度よく検出される。両種は免疫化学的見地から極めて近いが、ウシ型結核菌は、稀にヒトにおいてマイコバクテリア感染を発症する。
(研究参加者データ)
表1に従って、242名の結核が疑われる人を3つの大きなカテゴリーに分類した:(1)確認済みの鏡検診断及び/又は培養診断を有する肺結核患者、(2)典型的な臨床的徴候及びX線写真の徴候を有する患者、及び、(3)入手可能な診断ツール(X線撮影、喀痰鏡検及び培養)が全て陰性だったために結核患者とは考えられないが、結核の臨床症状を有する患者。
第1の集団には、検査確認された肺結核に罹患している137名の患者が含まれていた。132名がLoewenstein Jenssen培養により確認され、5名が陰性培養であったが、AFB染色では陽性であった。132名の培養陽性症例から、62.12%がAFB陽性であった。
第2の集団には、X線写真所見及び臨床所見に基づいてDOTS治療プログラムに入れられた追加の17名の患者が含まれている(表1)。第3の集団の88名の患者は喀痰陰性であり、且つ肺結核に特異的なX線診断による徴候が見受けられなかったので、DOTSプログラムには入らなかった。
参加者の平均年齢は34才であった。女性対男性の比率は41:59であった。HIVに関して試験を受けることに合意した223名の患者のうち、全HIV有症率は1069.1%であった(表2参照)。HIV有症率は、結核が確認された患者の間では73.2%であり、結核が確認されていな患者の間では60.8%であった。
(ELISAの臨床評価)
確認された肺結核に罹患している137名の患者(培養又はAFBで陽性)のうち、111名は、所定のカットオフ値(陰性対照+0.1の光学濃度(OD))に対してLAM−ELISA陽性であった(感度81.02%)。塗抹標本及び培養で陽性の集団(82)に関する平均ODインクリメント(=絶対平均OD−陰性対照のOD)は、0.604であった。塗抹標本陰性及び培養陽性の症例(50)に関しては、平均ODインクリメントは0.293であり、塗抹標本陽性であるが培養陰性の症例(5)では0.249であった。
培養及びAFBでは陰性であったが、結核に関する典型的なX線診断による徴候及び臨床的徴候があった第2の集団の17名の患者のうち13名(76.47%)は、0.183の平均ODインクリメントであり、LAM−ELISA検査結果が陽性であった。これらの13名(76.47%)はHIV陽性であった。
肺結核を示唆する臨床的徴候のある、特定の結核病院を訪れた残りの88名の患者は、培養及びAFBは陰性であり、結核特有のX線写真の所見もなかった。これらのうち、13名(14.77%)はLAM−ELISA検査で陽性であった(平均ODインクリメント0.184)。
各プレートに含まれていた低陽性、中間陽性及び高陽性の対照の既知濃度に基づいて、ELISAのOD値に基づく各尿試料のおよそのLAM濃度を検出することができた。LAM濃度が各結核細菌の量に相関するか否かをAFB陽性患者で評価した。鏡検で低密度の結核細菌が認められた患者(AFB+)では、尿中の平均LAM抗原濃度が0.93ng/mlであったが、中間密度の抗酸菌が認められた患者(AFB++)は、尿中の平均抗原濃度が1.74ng/mlであり、AFB+++患者では2.02ng/mlであった(図5)。最後の値は、AFB+++患者の尿中の実際のLAM濃度よりも低い。というのは、タンザニアの研究所で使用したELISAリーダーが約4ng/mlに相当する2以上のシグナルを解読することができなかったためである。
HIV陽性か陰性か(serostatus)は、確認された肺結核患者のLAM−ELISAの感度に影響を及ぼさなかった。周知のHIV serostatus及び結核培養及び/又はAFB染色が陽性の124名の患者のうち、89名のHIV感染者のうち73名(82.0%)は、35名の非感染個体のうちの26個体(74.3%)と比較した場合、LAM−ELISAで陽性であった。同様に、AFBの感度は、HIV serostatusの影響を受けなかった。HIV感染個体及び陰性個体における感度は、それぞれ61.2%及び58.8%であった。
このアッセイの特異性は、健康なタンザニア及び米国のボランティアの尿を用いて評価した。タンザニア人の健康な病院スタッフメンバー23名の尿を分析した。検査したいずれの試料もLAM−ELISAにおいて陽性ではなかった(平均OD比−0.047、特異性100%)。米国の健康なボランティア220名の尿試料を回収し、分析した。4名以外の全ての試料は、光学濃度がカットオフ値0.1未満であった(特異性98.18%)。
〔考察〕
結核診断のための古典的なツール(痰培養及び塗抹標本鏡検)には、明らかに不利な点がある。両方法は、周知の肺結核の症例のみを検出する。これによって、器官症状に関わらず、活動性結核の症例を全て検出する可能性が著しく損なわれる。このため、特に手段の乏しい場で古典的ツールを補うことが可能な複数の新たな方法が過去に評価されてきた。このような新たなアッセイで設定された基準は、a)鏡検より高感度、b)比較可能な特異性、c)限定された追加的作業負荷、d)喀痰陰性結核の診断の可能性、及びe)HIV重感染によって損なわれない感度、である。
この第1の評価では、LAM−ELISAの感度(培養陽性の81%)は、AFB染色(69%)よりも優れていた。新鮮尿を濃縮することにより感度を更に改善することができるが、これは、実験技術者に更なる負担を生じる。X線診断により確認されたミリタリー結核の症例に対するLAM−ELISAの検出率(87.5%)、並びに、肺結核の典型的なX線診断上の症状を有する喀痰陰性の症例に対するLAM−ELISAの検出率(67%)は有望であったが、症例数は、最終結論を出すのに十分に多くはなかった。健康な個体に対しては、ELISAの特異性は高かった(米国で98.18%及びタンザニアで100%)。培養で陽性の結核症例におけるHIV重感染は、LAM−ELISAの感度に影響を及ぼさなかった。
LAM−ELISAの以前に公表された結果と比較した場合、この新規の検査は、以前の検査に比べて低い濃度(0.2ng/ml)でLAMを検出する。新規検査の感度は、処理した凍結尿を用いる以前の検査では感度が81.3%であったのに対して、濃縮されていない新鮮尿に対しては82.9%(AFB+の場合)であった。以前の研究では特異性が86.9%であったのに対して、この検査の特異性は98.36%であった。
このクロスセクショナル結核検査における不利な点は、結核が疑われる特定の割合の患者が結核の状態の点で紛らわしいということであった(第2及び第3の集団)。この問題を確認するために、本発明者らは、分析のための3つの大きなカテゴリーを作った:第1の集団:検査室で確認した結核、第2の集団:臨床的に、及びX線診断で診断された結核、第3の集団:検査室又はX線診断の証拠がない結核。本発明者らは、カテゴリー1の関係者が真の結核症例であると確信しているが、カテゴリー2及び3に、誤って分類された一部の患者が含まれている可能性を排除することはできない。そこで、本発明者らは感度及び特異性の算出からそれらの患者を除外した。結核の診断は、患者の長期的な追跡が必要とされることが多い。特に、異常なX線診断上の特徴を有する喀痰陰性患者は、患者の結核状態を再調査するために数種類の追跡診察を必要とした。長期的研究では、臨床的、診断的再評価及び結核治療結果により、第2及び第3の集団を結核患者及び非結核患者に分類するための重要な追加情報が得られた。
最も興味を引いたのは、ヒト型結核菌の細菌の量と、尿で検出されるLAMの量と、の間に定量的相関関係があるかどうかという疑問である。クロスセクショナル研究フォーマットにおいてこの質問に取り組む唯一の方法は、AFB喀痰染色スコアを尿中のLAM濃度と相関させることであった。図5から明らかなように、尿中の抗原濃度と喀痰中の結核細菌密度との間には明らかな正相関があった。このような相関関係により、LAMアッセイにはいくつかの更なる用途が与えられる。治療終了後の治療目的達成のモニタリング及び再発の早期確認は、当面の実務上の重要課題である。肺外結核及びAFB陰性結核を検出する能力と組み合わせると、LAMアッセイは、結核の肺外型、及び非典型的な臨床症状を伴う肺型の有症率が増加している環境における強力なツールとなる。LAM−ELISAは、臨床症状がある患者の診断に用いられるだけでなく、HIV陽性患者及び他のハイリスクの集団のスクリーニングにも用いることができる。活動性結核の早期症例検出及び効果的治療は、結核との戦いに勝つための2本柱である。この戦いにおけるLAMアッセイの役割を更に調査するため、本発明者らは現在、いくつかの有望な多施設共同研究を計画している。
要約すると、LAM−ELISAは、先進国及び開発途上国のいずれにおいても、検査室のルーチン的診断法に容易に取り入れることができる。これは、使いやすく、着実なアッセイである。ELISAの終了までには2時間半しかかからず、多数の試料を同時に分析することができる。抗原リポアラビノマンナンは安定しているので、光学濃度の有意な低下を起こすことなく、3日間尿を冷蔵庫で保存することができる。この未処理尿中のLAMを検出する新規開発のMTB−ELISAは、開発途上国の現場条件下でも用いられるスクリーニング検査法となる可能性を有する。
Figure 2008507544
Figure 2008507544
マイコバクテリアのManLAM、PILAM及びAraLamの構造モデルを示す図(図1)の一部である。 マイコバクテリアのManLAM、PILAM及びAraLamの構造モデルを示す図(図1)の一部である。 LAM実験における血清学的活性の比較を示す図である。 捕捉ELISAにおけるLAM特異的Ab作製物の性能を示す図である。 尿中の異なる濃度のLAMに関するLAM ELISAの感度を示す図である。カットオフ値は陰性対照+0.1の光学濃度であり、最小検出限界は0.25ng/mlであった。 ELISAにおけるLAM特異的抗体の非マイコバクテリア抗原への結合を、次の細菌種について除外した。 肺炎桿菌(Klebsiella pneumoniae)、B群連鎖球菌(Streptococcus agalactiae)、肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae)14/12F、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)25923/43300、プロテウス・ブルガリス(Proteus vulgaris)、大腸菌(E.coli)8739、髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)A/B/13102、インフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)A/B/D。 種々のマイコバクテリア株に関するLAM ELISAの感度を示す図である。ウシ型結核菌及びヒト型結核菌のLAMが最も感度よく検出される。 AFB陽性患者のマイコバクテリアの微視的な密度と、LAM ELISAによって測定された未処理尿中の抗原濃度と、の相関関係を示す図である。AFB+(光学顕微鏡法 1000×倍率:100フィールド当たり4〜90個の抗酸菌)28例。AFB++(1〜9個/フィールド)23例。AFB+++(〜10個/フィールド)20例。ボックスプロットは、10、25、50、75、90パーセンタイル、及び平均抗原濃度を示す。 本発明の特定の実施形態による抗原精製プロセスの概略図である。 本発明の特定の実施形態によるアフィニティーカラム作製の概略図である。 本発明の特定の実施形態による抗体精製プロセスの概略図である。 本発明の特定の実施形態によるコンジュゲート作製の概略図である。

Claims (27)

  1. マイコバクテリア由来の表層多糖抗原に高度に特異的な濃縮抗体群。
  2. 抗体が、抗原活性を示す抗原を維持する環境で産生されることによって濃縮されたものである、請求項1に記載の濃縮抗体群。
  3. 抗体が、比較的不活性な抗原を認識する抗体を排除することによって濃縮されたものである、請求項1に記載の濃縮抗体群。
  4. 抗体が、比較的不活性な抗原を認識する抗体を排除することによって濃縮されたものである、請求項2に記載の濃縮抗体群。
  5. マイコバクテリアがヒト型結核菌である、請求項1に記載の濃縮抗体群。
  6. 表層多糖がリポアラビノマンナン(LAM)である、請求項5に記載の濃縮抗体群。
  7. マイコバクテリアの抗原に高度に特異的な濃縮抗体を製造する方法であって、
    マイコバクテリア由来の抗原に対する抗体を産生、単離する工程と、
    単離抗体から、比較的不活性な抗原に特異的な抗体群を分離して、単離濃縮抗体を得る工程と、
    を含む方法。
  8. マイコバクテリアの抗原に特異的な濃縮抗体を製造する方法であって、
    抗原活性を保持する条件下でマイコバクテリア由来の抗原を単離する工程と、
    単離抗原に対する抗体を、その抗原活性を保持させながら産生する工程と、
    を含む方法。
  9. マイコバクテリアの抗原に高度に特異的な濃縮抗体を製造する方法であって、
    マイコバクテリア由来の単離抗原で作製した第1のアフィニティーマトリックスに、単離抗原に特異的な抗体が第1のアフィニティーマトリックスに保持されるように、マイコバクテリアを接種した哺乳動物に由来の血清をアプライする工程と、
    単離抗原に特異的な抗体を第1のアフィニティーマトリックスから単離する工程と、
    マイコバクテリア由来の修飾抗原で作製した第2のアフィニティーマトリックスに、修飾抗原に特異的な抗体が第2のアフィニティーマトリックスに保持されるように、単離抗体をアプライする工程と、
    第2のアフィニティーマトリックスからの溶出物を回収することにより単離抗原に特異的な濃縮抗体を単離して、マイコバクテリア抗原に対する特異性及び感受性が非濃縮抗体より高い濃縮抗体を得る工程と、
    を含み、
    前記修飾抗原が、薬剤で処理されて、単離抗原と比較して非活性化されたものである方法。
  10. マイコバクテリアがヒト型結核菌である、請求項7〜9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 表層多糖がリポアラビノマンナン(LAM)である、請求項10に記載の方法。
  12. 前記薬剤が過ヨウ素酸ナトリウムである、請求項9に記載の方法。
  13. 表層多糖が、フロイントアジュバントから単離されたものである、請求項7〜9のいずれか一項に記載の方法。
  14. 被験者由来の試料中のマイコバクテリア感染を検出する方法であって、
    請求項1〜4のいずれか一項に記載の濃縮抗体から作り出された免疫反応環境を提供する工程と、
    免疫反応環境下で試料を反応させて、マイコバクテリア感染を検出する工程と、
    を含む方法。
  15. マイコバクテリア感染が、ヒト型結核菌によるものである、請求項14に記載の方法。
  16. 表層多糖がリポアラビノマンナン(LAM)である、請求項15に記載の方法。
  17. 免疫反応環境がELISAを含む、請求項14に記載の方法。
  18. マイコバクテリア感染がヨーネ病である、請求項14に記載の方法。
  19. マイコバクテリア感染が肺結核菌感染である、請求項14に記載の方法。
  20. マイコバクテリア感染が肺外結核菌感染である、請求項14に記載の方法。
  21. 前記試料が、喀痰、血液、尿、組織又は他の適切な試料のいずれかである、請求項14に記載の方法。
  22. 前記試料が未処理の非濃縮尿である、請求項14に記載の方法。
  23. 試料中のマイコバクテリア感染を検出するためのキットであって、
    免疫反応環境を提供するアッセイを含み、
    免疫反応環境が、請求項1〜4のいずれか一項に記載の濃縮抗体を含むキット。
  24. 免疫反応環境がELISAを含む、請求項23に記載のキット。
  25. マイコバクテリア感染が、ヒト型結核菌によるものである、請求項23に記載のキット。
  26. 抗体がリポアラビノマンナン(LAM)である、請求項25に記載のキット。
  27. 免疫反応環境がストリップテストとして行われる、請求項23に記載のキット。
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