JP2003520014A - 精製された抗原特異的抗体を用いる、肺炎連鎖球菌の迅速な検出のための方法および材料 - Google Patents
精製された抗原特異的抗体を用いる、肺炎連鎖球菌の迅速な検出のための方法および材料Info
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Abstract
Description
れた感染症の臨床徴候を示している患者の尿または脳脊髄液などの体液中の肺炎
連鎖球菌を検出するための、約15分以内で行うことが可能な特異的および高感度
の免疫クロマトグラフィー(「ICT」)アッセイ法に関する。
他の下気道感染症、さらには感染性中耳炎および副鼻腔炎を含む上気道感染症、
ならびに菌血症および髄膜炎を含む播種性侵襲性感染症の主な原因菌の一つであ
る。診断および治療が適切に行われないと、肺炎連鎖球菌の肺炎性感染は、心膜
炎、膿胸、電撃性紫斑病、心内膜炎、または少なくとも1種類の関節炎のいずれ
かを招くことがあり、いずれの場合も肺炎連鎖球菌が原因菌である。このような
肺炎性感染はしばしば菌血症または髄膜炎の引き金ともなる。それにもかかわら
ず今日まで、肺炎連鎖球菌に起因する肺炎の診断および治療はある程度経験的に
行われていることが多い。
がかかり、手間がかかり、しかも結果の判読に機器の助けを必要とすること、ま
たは(2)感度および/もしくは特異性に乏しいことのいずれかによる。感度お
よび/または特異性の不足に伴う問題のために、例えば医師は、肺炎型呼吸器感
染症の患者に対して、感染症を十分に治癒させると考えられる肺炎連鎖球菌に特
異性のある安価な抗生物質を処方する代わりに、高価な広域抗生物質を無難と考
えて処方しやすい傾向にある。当然ながら、このように広域抗生物質が数多く処
方されることは、現在マスコミによく取り上げられている、多くの種類の感染性
細菌が以前は非常に有効だった抗生物質に対して耐性を獲得しつつあることに起
因する医療危機の主な原因である。この危機、ならびに経験的に診断および治療
が行われた患者の少なくとも一部に有害な結果が生じる可能性があることは、ヒ
ト体液中の肺炎連鎖球菌を検出するための確実かつ迅速なアッセイ法が必要とさ
れている理由の一部である。
1年あたり、1〜5例/1000人の頻度で発生していると推定されている。肺炎連鎖
球菌による肺炎に感染した患者の年齢および健常状態(関連のない因子に基づく
)によって異なるが、本疾患の死亡率は感染した患者の4〜30%の範囲である。
方法には、疾患にかかった疑いのある患者の喀痰のグラム染色および培養を行い
、続いて生化学的な同定法を用いることが含まれる。この手順は開始から終了ま
でに1〜4日程度を要する。これは、(1)患者の唾液中に存在する他の細菌がし
ばしば喀痰培養で異常増殖する、および(2)肺炎連鎖球菌に起因する疾患の徴
候が個体にみられない場合にもヒト上気道にはこの細菌が存在することが多いと
いう理由から、診断用ツールとして十分でないことが明らかになっている。例え
ば、米国の小児の約30%は肺炎連鎖球菌の慢性保菌者と推定されている。成人も
疾病状態とはならずに肺炎連鎖球菌が定着することがある。この細菌の保有率は
小児および成人のいずれも人混みの多い環境や冬季に増加する。
粒子凝集、および対向免疫電気泳動法が開発されており、これらは迅速であるが
、信頼のおける感度および特異性を示すことは示されていない。これはおそらく
、肺炎連鎖球菌には約83種の血清型があり、そのそれぞれが免疫原性および他の
点で異なるためと考えられる。これらの検査のために開発されて用いられている
市販の多価抗血清は、83種類の肺炎連鎖球菌血清型抗原のすべてに対する抗体を
含んでいるが、それにもかかわらず、免疫原性の低い抗原血清型は検出できない
可能性がある。また、この多価抗血清には他の連鎖球菌、およびインフルエンザ
菌(Haemophilus influenzae)などの他の一部の感染性細菌との交差反応性も示
されている。このため、これらの検査を喀痰試料に用いた場合には、偽陰性およ
び擬陽性反応の両方がランダムに起こるおそれがある。
している肺炎連鎖球菌C多糖抗原の検出に基づく、いくつかの酵素免疫アッセイ
法(「EIA」)が開発されている。例えば、パーキンソン(Parkinson, A.J.)、
ラビーゴ(Rabiego, ME.)、セプベダ(Sepulveda, C.)、デービッドソン(Dav
idson, M.)およびジョンソン(Johnson, C.)、30 J. Clin. Microbiol. 318〜
322(1992)を参照されたい。このC多糖抗原はテイコ酸に由来するホスホコリン
含有多糖である。これらのEIAアッセイ法は、喀痰試料に対して行われることが
最も多いにもかかわらず、許容される特異性および感度を有する。しかし、この
ようなアッセイはそれぞれ、実施に試料採取から2〜3時間を要するほか、通常は
主として臨床検査室で利用可能な装置を用いる必要がある。さらに、これらのア
ッセイは、熟練者により、またはその厳重な監督下で行われる必要がある。
菌による肺炎の診断を行うには不十分であることが多く、それは単に、口内の他
の細菌および/または上気道常在性の肺炎連鎖球菌が試料に混入するおそれがあ
るという理由のみにとどまらない。喀痰はしばしば採取が困難であり、さらに患
者に薬物療法をいったん開始すると、喀痰中の肺炎連鎖球菌の生菌数は急速に減
少する。特に、肺炎連鎖球菌の細胞壁を攻撃する抗生物質療法を用いた場合には
、喀痰中のC多糖抗原の存在を検出することは急速に困難になると思われる。肺
炎連鎖球菌によって感染性中耳炎、髄膜炎および前記の種々の他の感染性疾病状
態が引き起こされる場合には、喀痰試料は診断の助けとはならない。
、喀痰試料に付随する混入の問題は解消される。血清試料が肺炎連鎖球菌を含む
ことが明らかになれば、それが原因となって起こる種々の感染症を容易に診断す
ることができる。この場合の欠点は、肺炎連鎖球菌に感染した肺炎患者全体のう
ち菌血症となるのは約20%に過ぎないということである。このため、肺炎連鎖球
菌による肺炎を診断するために血液試料のみに依拠すれば、偽陰性の結果が得ら
れる可能性がある。
なものであることが明らかになっているが、その理由は、それらを非侵襲的に採
取しうること;口内細菌叢による汚染が考えられないこと;および、患者に治療
を開始した後ですら、濃度レベルがたとえ持続的に低下しても尿中に細菌が存在
しつづけるため、処方された治療法の有効性を評価するために患者の尿試料を毎
日モニタリングすることによって有用な情報が得られることにある。ただし、疾
患の症状を呈しない肺炎連鎖球菌の保菌者は、尿中に肺炎連鎖球菌抗原が存在す
るほど十分には病原体を有していないことがしばしばあることには注意が必要で
ある。
菌による髄膜炎の診断に成功したことが記載されている。このEIAでは、C多糖抗
原を検出するために免疫グロブリンA抗ホスホリルコリンモノクローナル抗体が
用いられた。スツエルツ(Stuertz, K)、メルクス(Merx, I)、アイフェルト
(Eiffert, H.)、シュムツハルト(Schmutzhard, E.)、マデール(Mader, M.
)およびナウ(Nau, R.)、36 J. Clin. Microbiol. 2346〜2348を参照されたい
。得られた結果は、脳脊髄液中の肺炎連鎖球菌に対する2種の抗体、すなわちマ
イクロタイタープレートに結合させた肺炎連鎖球菌C多糖抗原に対するウマ抗体
、および液相中の多糖莢膜抗原に対するウサギプール抗血清を用いるEIAで得ら
れた、ヨルケン(Yolken, R.H.)、デービス(Davis, D.)、ウィンケルスタイ
ン(Winkelstein, J.)、ラッセル(Russell, H.)およびシッペル(Sippel, J.
E.)、20 J. Clin. Microbiol. 802〜805(1984)によって報告されたものと比
べて勝るとも劣らないものであった。
を、約10%未満の蛋白質含有量を有する単離および精製したC多糖抗原によって
アフィニティー精製する。
と、ニトロセルロース基質上に固定化されたもう1つのアフィニティー精製され
たC多糖抗体とのサンドイッチが形成されると呈色反応を生じる物質と結合させ
る。
解釈するための計測器は必要ない。これは検査技術の訓練を全く積んでいない人
も容易に首尾よく行うことができる。
が、本検査は血清および喀痰を含む、肺炎連鎖球菌を含む他の体液試料でも行う
ことができる。肺炎連鎖球菌による髄膜炎の診断は、患者の脳脊髄液を被験試料
として用いて容易に行うことができる。
の時間およびはるかに多大な作業を必要とするEIA検査と少なくとも同等な特異
性および感度を有する、肺炎連鎖球菌に関する検査の恩典を初めて提供するもの
である。本検査は容易に行うことができ、特別な訓練、装置および計測器を必要
とせず、肺炎連鎖球菌による肺炎の迅速診断を可能とする。これは診察室で容易
に行うことができ、このため、患者に肺炎連鎖球菌に特異性のある治療処方を直
ちに行うことが可能となる。当然ながら、これは臨床検査室でも行うことができ
るが、さらに老人施設、患者の自宅、または肺炎連鎖球菌による肺炎もしくは他
の病的状態が流行していると疑われる任意の環境でも用いることができる。
時に行うことが重要であり、これは、これらのいずれかが他の感染性因子ではな
く肺炎連鎖球菌に起因することが確認された時点で適切な治療法を直ちに開始す
ることができるためである。小児は耳管の長さが短く、直径が細いので特に中耳
炎にかかりやすいため、肺炎連鎖球菌が存在すれば、より重篤なまたは生命にか
かわる疾病状態が発現する前にそれを早期発見することができる。ノリス(Norr
is)ら、J. Pediatrics、821〜827(1966)およびホンゲング(Hongeng)ら、13
0 J. Pediatrics、No. 5(May 1997)による論文では、鎌状赤血球症の小児は肺
炎連鎖球菌感染症に極めてかかりやすく、中でもこの階層では肺炎連鎖球菌によ
る敗血症が最も頻度の高い侵襲性感染であり、いったん感染した者は再発および
その後の死亡のリスクが極めて高いことを示している。明らかに、これらの患者
の尿を検査するために本発明のICT検査を常用することは、これらの論文のうち2
番目のものが推奨しているペニシリン予防を絶えず行うという必要性を軽減する
上で有用であると思われる。
ることは、体調がかなり優れないと報告し、関係のある感染症の明らかな臨床徴
候を呈していない患者にこの検査を行うことが賢明であると考えられることを示
唆する。尿ICT検査の結果が陽性となるのに十分な程度の量の肺炎連鎖球菌が存
在することが確認されたこのような患者はすべて、より重篤な感染症を発症する
と予想される候補者であり、それが重篤化する前に適切な治療を施すことによっ
て疾患の発症を妨げうることが本発明によって新たに提示される。
当技術分野で開示されている任意の既知の使い捨て式ICT装置で行われるように
設計および構成することができる。好ましくはそれは、そのすべてがスミスクラ
イン・ダイアグノスティクス社(Smith-Kline Diagnostics, Inc.)に譲渡され
、ヒト呼吸器系疾患の診断を含む広範な分野の使用に関してビナックス社(Bina
x, Inc.)(これには本出願の譲渡の権利が与えられている)に独占的にライセ
ンスされている、同時係属出願であるハワード・チャンドラー(Howard Chandle
r)の米国特許出願第07/706,639号、またはその一部継続出願の一つに開示され
た種類のICT装置を用いて実施されるように設計され、実施される。
特異的多価抗体を適切に含浸させる。標識化した抗原特異的抗体を装置のもう一
つの領域に適用する。肺炎連鎖球菌を含む疑いのある被験試料は、まず標識化さ
れた抗原特異的抗体と接触させて、続いて標識化されていない結合型の抗原特異
的抗体を含む装置の領域へと試料とともに流され、そこで試料中に肺炎連鎖球菌
が存在する場合には、接触によってすでに形成されている標識抗体:C多糖抗原
結合物が固定されアフィニティー精製された非標識抗体と結合し、その結果、可
視的な呈色反応が生じる。標識は、標識抗体:抗原複合体と結合型非標識抗体と
の反応によって可視的な呈色を生じるような当技術分野で周知の任意の物質であ
ってもよい。このような標識には、種々の微細金属と、種々の有機分子と、別の
呈色分子との酵素結合物などの種々の分子の結合物とが含まれる。本発明におけ
る好ましい標識は金コロイド粒子である。
の部位のそれぞれに存在する抗体の濃度が、被験試料が標識抗体と接触した際に
、被験試料中の抗原を標識抗体によって確実に捕捉するのに十分な程度であるこ
と、ならびに標識抗体:抗原結合物が試料捕捉ライン(sample capture line)
で結合型抗体によって容易に捕捉および保持されるということである。本発明に
関連して行った実験作業により、肺炎連鎖球菌のC多糖抗原に対する活性抗体は
、抗原:抗体反応が起こる検査装置の各部位に7.7ナノグラム/mm2表面積から3
85ナノグラム/mm2表面積の範囲の濃度で存在する必要があることが示された。
反応させようとする部位に存在する抗体の濃度が7.7ナノグラム/mm2未満であ
れば、偽陰性の結果が得られる可能性が高くなる。
、知られている。本発明には以下に述べるものが好ましいが、それ以外のものを
代わりに用いてもよい。しかし、本発明のアフィニティー精製抗体は、シェーグ
レン(Sjogren)およびホーム(Holme)、102 J. Immunol. Methods 93〜100(1
987)によって記載された「アフィニティー精製抗体調製物」とは明確に区別さ
れるべきことに注意が必要である。これらの著者は、温水フェノールによって精
製した、17%の蛋白質を含む肺炎連鎖球菌のC多糖抗原を入手し、それをイオン
交換ゲルDEAE-セファロースCL6Bに吸着させた。48時間インキュベートした後に
この調製物はpH7.2というほぼ中性のカラムに充填された。この抗原のゲルとの
結合率は約60%とされている。抗体はこれらのカラムに入れ、30分間インキュベ
ートした後にカラムを0.5M NaCl(PBS中)により溶出させた。イオン交換カラム
から、抗原の漏出がしばしば起こることが知られている。この系では、ゲルから
溶出した生成物は、本発明の精製された抗原の調製物ではなく、インサイチュー
で形成された抗体と抗原との免疫複合体であると仮定することが妥当である。本
発明では、10%未満の蛋白質を有する精製された抗原は、BSA-ヒドラジン結合物
などのスペーサー分子と共有結合し、この結果生じた標識抗原:結合リガンドを
、次に、実施例4のホルミルスフェリローズ(Formyl Spherilose)などのクロマ
トグラフィーゲルと共有結合させ、その後にカラムに用いることに特に留意する
必要がある。抗体を添加し、強酸性の緩衝液を用いて、カラムに固定された抗原
から溶出させる。
ican Type Culture Collection)からアクセッション番号ATCC 39938として入手
しうる、莢膜をもたない肺炎連鎖球菌株である肺炎連鎖球菌R6株を、動物に注射
する前に細胞を加熱殺菌した上でウサギに注射することによって首尾よく産生さ
れる。適切な期間の後に、所望のの抗体を含む血清を入手するために動物の採血
を行い、続いてそれを精製する。本発明の範囲を逸脱することなく、肺炎連鎖球
菌C多糖抗原に対する他の抗体を、本明細書で具体的に述べる抗体の代わりに使
用することもできる。
がある。本明細書に参照される好ましい抗体は、ELISA法を用いて、下記のそれ
ぞれに対する交差反応性に関して検査した:シトロバクター・フレウンディ(Ci
trobacter freundii)、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)、エンテロ
バクター・クロカーエ(Enterobacter cloacae)、エンテロバクター・フェカー
リス(Enterobacter faecalis)、B群連鎖球菌III型(Streptococcus、group B
、Type III)、大腸菌、髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)、サルモネラ・ク
バナ(Salmonella cubana)、サルモネラ・パラチフィA(Salmonella paratyphi
A)、肺炎桿菌(Klebsiella pneumoniae)、B群連鎖球菌II型(Streptococcus
、Group B、type II)、表皮ブドウ球菌(Staphylococcus epidermidis)、腸炎
菌(Salmonella enteritidis)、A群連鎖球菌(Streptococcus、Group A)、霊
菌(Serratia marcescens)、カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)、
インフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)、モラクセラ・カタラーリス(Mo
raxella catarrhalis)、コリネバクテリア・クチェリ(Corynebacterium kutsc
heri)、シュードモナス・プチダ(Pseudomonas putida)、尋常変形菌(Proteu
s vulgaris)、エンテロコッカス・アビウム(Enterococcus avium)、アシネト
バクター・バウマンニ(Acinetobacter baumannii)、クレブシエラ・オキシト
カ(Klebsiella oxytoca)、アシネトバクター・ルオフリ(Acinetobacter lwof
fli)、緑膿菌(Pseudomonas aeroginosa)、スタフィロコッカス・サフロフィ
ティカス(Staphylococcus saphrophyticus)、エンテロコッカス・デュランス
(Enterococcus durans)、ウシコリネバクテリウム(Corynebacterium bovis)
、プロテウス・ミラビリス(Proteus mirabilis)、シュードモナス・ステュツ
ェリ(Pseudomonas stutzeri)、シュードモナス・セパチア(Pseudomonas cepa
cia)、チフス菌(Salmonella typhi)、F群連鎖球菌(Streptococcus、Group F
)、B群連鎖球菌1a型(Streptococcus、Group B、type 1a)、カンジダ・ステラ
トイデス(Candida stellatoides)、ストレプトコッカス・パラサングイス(St
reptococcus parasanguis)、G群連鎖球菌(Streptococcus、Group G)、C群連
鎖球菌(Streptococcus、Group C)、ストレプトコッカス・ミュータンス(Stre
ptococcus mutans)、モルガネラ・モルガニイ(Morganella morganii)、スタ
フィロコッカス・ヘモリティカス(Staphylococcus haemolyticus)、B型インフ
ルエンザ菌(Haemophilus influenzae type B)、ステノトロホモナス・マルト
フィリア(Stenotrophomonas maltophilia)、D型インフルエンザ菌(Haemophil
us influenzae type D)、ガードネレラ・バギナリス(Gardnerella vaginalis
)、ストレプトコッカス・ミティス(Streptococcus mitis)、パラインフルエ
ンザ菌(Haemophilus parainfluenzae)、ストレプトコッカス・サングイス(St
reptococcus sanguis)および分類不能インフルエンザ菌(H. influenzae nonty
peable)。
黄色ブドウ球菌のみであった。第一のS.ミティス(S. mitis)は心内膜炎の原因
因子であり、本症の患者の症状は明らかであるため、医師は肺炎連鎖球菌の肺感
染によるものと臨床的に容易に区別することができる。S.ミティス(S. mitis)
は肺炎連鎖球菌と同一のC多糖抗原を含んでおり、この2つはいずれも心内膜炎
を引き起こすが、肺炎連鎖球菌がこれを引き起こすのは、通常、原発性肺炎が適
切に治療されず、続いて菌血症および/または心内膜炎もしくは別の病的二次感
染症を発症するような患者の場合である。これに対して、S.ミティスは肺炎の原
因因子ではなく、S.ミティスに起因する心内膜炎は通常、他の感染症とは無関係
に発症する。このため、S.ミティスによる原発性心内膜炎が疑われる症例を、必
要な場合には、本発明のアッセイ法を用いて確認することができる。しかし、S.
ミティスは肺炎連鎖球菌に比べて尿中に存在する可能性が低いため、このような
場合には血清のアッセイによって確定的な情報が得られる可能性が高いと思われ
る。
ての抗体と結合する非特異的蛋白質であるプロテインAを分泌する。存在が疑わ
れるこれらの黄色ブドウ球菌の有無は、当技術分野で周知の他の簡単な検査を行
うことによって容易に確認または否定することができる(実施例9に示す通り、
プロテインAが存在しない黄色ブドウ球菌の菌株は本発明の抗体と交差反応性を
示さない)。インフルエンザ菌とはわずかな交差反応性が認められたが、これは
尿試料中の肺炎連鎖球菌の検出に問題となる程度ではないと考えられる。
得るために用いる抗原の予備的分離および精製を含む、抗体のアフィニティー精
製の好ましい様式を例示したものである。
肺炎連鎖球菌用培地中で増殖させた。培地の1リットル当たりの組成は以下の通
りである: カゼイン膵液消化物 17.0g. グルコース 10.0g. NaCl 5.0g. 大豆粉のパパイン消化物 3.0g. 酵母抽出物 3.0g. K2HPO4 2.5g. HEPES 20mM この培地のはじめのpHは26℃で7.2±0.2であった。これに15psiおよび121℃で15
分間オートクレーブ処理を行い、取り出して冷ました。
地に接種し、増殖させた。プレートからの増殖物を播種用培地の少量のアリコー
ト中に採取し、上記の組成の肺炎連鎖球菌用補足培地1,700mlをそれぞれ含む3つ
のフラスコにこの播種用培地を接種して、37℃の5%CO2雰囲気下で換気は行わ
ずに攪拌しながらさらに増殖させた。培地のpHが5.5以下に低下した時点(対数
期後期)でフラスコをインキュベーターから取り出し、0.1%アジ化ナトリウム
で細胞を死滅させ、自己溶菌を防ぐためにpHを7.0以上に調整した。続いてフラ
スコを4℃に一晩保った。翌日に各フラスコから採取した懸濁液を8,000rpmで60
分間遠心処理した。続いてペレットを集めて13,000rpmで30分間遠心処理した。
ペレットの湿重量を記録して-20℃で保存した。
ジ化ナトリウムを加えたpH 7.2のリン酸緩衝生理食塩水(「PBS」)中に緩衝液1
.2mlに対して湿潤細胞1gの割合で懸濁化し、室温に2日間おいた。
衝生理食塩水中)に添加し、pH 12.34(pH計による測定)となったものを約30℃
で45分間インキュベートした。続いて2N HClで懸濁液のpHを2.75(pH計による測
定)に調整した後に、懸濁液を3,500rpmで25分間遠心処理した。上清を分離し、
1N NaOHでpHを7.0〜7.1に調整した。この本質的に中和された上清を分子量カッ
トオフ値12,000〜14,000の透析チューブ(Spectra/Porから入手)に入れ、水に
対して4℃で2日間透析した。透析上清を真空ロータリー蒸発装置で25〜40倍に濃
縮した。
し、混合物を37℃に3.5〜4時間放置した後、室温で翌日まで放置した。
ー(Spectra/Por)社製の分子量カットオフ値12,000〜14,000の透析チューブに
入れ、水に対して4℃で透析した。透析上清を12等分してそれぞれを30mlガラス
管に入れ、当容積の90%フェノールと混合した。管を密封し、水面の高さがチュ
ーブ内の混合物の高さをわずかに上回るようにして温水浴中で68〜72℃で3分間
インキュベートした。肉眼で懸濁液がほぼ均一となるように、各チューブ内の懸
濁液をパスツール型ガラスピペットで時折攪拌した。このインキュベーションの
後に、懸濁液を室温で30分間放置し、続いて15℃、5,000rpmで40分間遠心処理し
た。
積を個々のチューブに関して慎重に測定した上で、等容積の水を代わりに加えた
。懸濁液を68〜72℃でインキュベートした後に再び15℃、5,000rpmで40分間遠心
処理し、さらにこれをもう1回繰り返した。
、中間相(水-フェノール混合物)および上相(水)はチューブ内に残した。そ
の間に、抽出したフェノール相を併せたものに対して約10:1の容積比の冷エタ
ノールを含むフラスコを氷浴中に置いた。このフラスコにフェノール相をよく攪
拌しながらゆっくりと滴下した。フェノール相の添加後も攪拌を10〜15分間続け
、その後に、C多糖抗原のペレット化を促すために混合物を4℃の冷蔵室に入れ、
一晩放置した。翌日に混合物を4℃、12,000rpmで20分間遠心処理した。この結果
得られたC多糖抗原のペレットを湿潤細胞1g当たり約0.4mlの水にて懸濁化し、ス
ペクトラ/ポー(Spectra/Por)社製の上記の分子量カットオフ値12,000〜14,0
00の透析チューブを用いて蒸留水に対して4℃で透析した。この結果得られたC多
糖抗原の水溶液を凍結乾燥して秤量した。その蛋白質濃度はローリー法によって
評価し、その組成はウエスタンイムノブロットアッセイ法によるSDS-PAGE(12%
ゲル)で確認し、そのC多糖抗原活性はELISAによって確認した。
菌R6株の湿潤細胞1g当たり1.2〜1.4%であり、その蛋白質含有量は約5〜約8%の
間であることが明らかになった。
%未満の調製物よりも本発明が首尾よく実施される可能性が低くなると考えられ
ることに注意が必要である。
肺炎連鎖球菌R6株C多糖抗原をクロマトグラフィーカラムにカップリングさせる
ために、BSA-ヒドラジン結合物を選択した。このカップリング機能を実現するた
めに、類似の機能を有する他の既知の材料を選択して結合させてもよい。
ジンを水に溶かして0.5M溶液を作製した。乾燥NaOHでpHを5.2に調整し、シグマ
ケミカル社(Sigma Chemical Co.)製の乾燥ウシ血清アルブミン(「BSA」)を
添加してBSAの最終濃度を25mg/mlとした。BSAを完全に溶解した後、N-(ジメチ
ルアミノプロピル)-N1-エチルカルボジイミド塩酸塩(Fluka Chemical Co.製)
を最終濃度が2.5mg/mlとなるように添加した。この反応混合物を連続攪拌しな
がら室温で一晩インキュベートした。その翌日に水に対して4℃で十分に透析し
た。結合物の濃度はベックマン(Beckman)DU 640分光光度計を用いて280nmで測
定した(BSA濃度として) 。
以下の通りである: 抗原の乾燥調製物1.1mg/mlを蒸留水に溶解した。希塩酸を用いて溶液のpHを5
.0〜6.0に調整した。BSA:ヒドラジン結合物の濃度23mg/mlの水溶液を希塩酸で
処理し、そのpHを4.0〜5.0の範囲にし、この溶液を約1:6.65の容積比(重量比
で約3:1)となるように抗原溶液にゆっくりと添加した。3分間攪拌した後、約1
00〜200mclの蒸留水に溶解したN-(ジメチルアミノプロピル)-N1-エチルカルボ
ジイミド塩酸塩(Fluka Chemical Co.製)を、C多糖抗原に対して重量比約1〜1.
92となるように、N-エチルカルボジイミド塩酸塩中の反応混合物に添加した。
の後、室温で1時間、続いて4℃で一晩インキュベーションを行った。
の基質としてはイスコ社(Isco, Inc.)製のホルミルスフェリローズ(Formyl S
pherilose)を選択した。C多糖抗原のリガンドとこの基質とのカップリングは、
既知の手順、例えばスフェリローズの使用(Spherilose applications)、ISCO
社使用説明書(ISCO Applications Bulletin)78、28〜35ページに記載された通
りに行った。他の既知の基質およびカップリング手順で代用してもよい。
倍強度のリン酸緩衝生理食塩水、およびpH 7.2の標準強度のPBSを順次、それぞ
れの溶液をゲル容積の5〜10倍の容積で用いて洗浄した。
れによって抗原特異的抗体を得るために以下の通りに用いた: 肺炎連鎖球菌R6株(ATCC番号39938)の加熱殺菌細胞全体に対するウサギ抗血
清を乾燥NaClを混合して最終濃度を0.5Mとした。この混合物を8,500rpmで20分間
遠心処理し、上清を原綿で濾過した。この濾液をアフィニティーカラムにかけた
。非結合成分はpH 7.2の3倍強度のリン酸緩衝生理食塩水およびpH 7.2の標準強
度のリン酸緩衝生理食塩水を用いてカラムから洗い流した。pH 2.5の0.2Mグリシ
ン-HCl緩衝液を用いてカラムから抗体を溶出させた。ベックマン(Beckman)分
光光度計を用いて280nmで溶出液を観測し、抗体を含む画分を氷水浴に入れたフ
ラスコにプールした。プールした画分をpH 9.0の0.5M NaH2PO4水溶液で中和し
た。
したPM-10フィルターを用いて、抗体の濃度が0.8〜1.5mg/mlとなるまで濃縮し
た。
ニティー精製抗体が18〜20mg回収されたことが明らかになった。
これらのアフィニティー精製抗体を用いた。
式の厚紙ハウジングを含む検査装置を、図1に示すように調製した。本装置は、
試料を染み込ませた綿棒を右側から収容するための成形済みのプラスチック製綿
棒用ウェルが内部に配置された陥凹部を有する(図中に1と記したもの)。続い
て図1Aに示したオーバーラベルを装置の右側全体に被せる。このオーバーラベル
には2つの穴が備わっており、下方のもの(図1AにBと表記)の中には液体が染み
込んだ綿棒を挿入し、上方のもの(図1AにBと表記)は綿棒を穴Bに挿入した後に
それに向かって押し進めるためのものである。穴Aおよび穴Bを備えたオーバーラ
ベルならびに綿棒の位置は、アッセイ中に綿棒が正しい位置に保たれ、吸収され
た液体の綿棒からの圧出が促されるようにうまく連携する。
凹部(図1に2と表記)に挿入し、その底部に塗布された接着剤によって固定する
。図1Bに示すオーバーラベルは左側の最上部に配置される。これには、測定の実
行のため、装置を閉じた時に右側の穴Aと嵌合する1つの穴(図1BにDと表記)が
備わっている。
る。パウチの密封および保管の前に、装置の右半分の外縁にゆるく接着テープを
付ける。
と上記の抗原特異的ウサギ抗肺炎連鎖球菌C多糖抗原抗体との結合物を染み込ま
せた吸着剤の結合物パッドを含む。結合物パッドはアールストローム1281(Ahls
trom 1281)(図示していない)のブリッジパッドにより、上記の通りに調製し
た抗原特異的ウサギ抗肺炎連鎖球菌C多糖抗原抗体のストリップを包埋すること
により、結合物と反応させる試料のための捕捉ラインが設置されたニトロセルロ
ースパッドと連結される。ニトロセルロースパッドには、パッドにヤギ抗ウサギ
免疫グロブリン(IgG)の縞を入れることにより、下流対照ラインも設置されて
いる。ニトロセルロースパッドに続いて、ストリップの末端には液体溜めとして
の役割を果たす吸着剤パッドがある。これらのパッドはすべて接着性ストリップ
によって裏打ちされた上で装置内に配置される。
る。このパッドをアッセイ用に調製するために、上記の通りに調製したアフィニ
ティー精製後のウサギ抗肺炎連鎖球菌C多糖抗体に直径50nmの金粒子を結合させ
る。この結合は、ポラック(Polak, J.M.)およびファンノーデン(Van Norden,
S.)(編)、「免疫化学:最近の方法および応用(Immunochemistry:Modern M
ethodsおよびApplication)」(Wright、Bristol、England、1986)においてデ
メイ(DeMay)によって記載された方法などの既知の方法を用いて行われる。こ
の金結合粒子を、1.0%BSA、0.1%Triton X-100、2.0%Tween 20、6.0%ショ糖
および0.02%アジ化ナトリウムを含む、pH 8.0の5mM四ホウ酸ナトリウム水溶液
からなる乾燥剤と混合する。水分がすべて除去される程度にパッドを加熱し、検
査ストリップを組み立てるまで低湿度環境で保管する。これらのパッドおよびそ
の処理は、パッドが乾燥結合物を保持し、後に試料によって湿潤した場合にのみ
それを遊離するように特に選択されたものである。
その第1の部分にアフィニティー精製されたウサギ抗肺炎連鎖球菌C多糖抗体の縞
を包埋することによって処理する。これらの抗体は捕捉ラインとして作用する。
組み立てられた検査装置で第1の部分の下流に位置するパッドの第2の部分には、
パッドの表面に同一の担体溶液中のヤギ抗ウサギIgGの縞を入れることによって
対照ラインを設置する。続いて、蛋白質の縞の永続的な吸着を促すためにニトロ
セルロースパッドを18〜25℃で乾燥させる。
れているセルロース材料によるものである。このパッドには特別な処理は必要な
い。
る。実際に、ダクロン繊維から作られた相応の数の綿棒、および試薬Aを滴下す
るために適合化された上端が備えられた「試薬A」の瓶とともに、数多くの装置
が包装されている。「試薬A」は、pH 6.5の0.05Mクエン酸ナトリウム-リン酸ナ
トリウム緩衝液中にある2.0%Tween 20、0.05%アジ化ナトリウム、および0.5%
ドデシル硫酸ナトリウムの溶液である。各キットには陽性対照および陰性対照も
含まれる。
試料に浸す。尿、血液、リンパ液などの液体生物試料中および液体環境試料中に
存在する溶解していない固体、半固体およびコロイド用のフィルターとして作用
させるための綿棒の使用は、1998年3月19日に出願され、ビナックス社(Binax,
Inc.)に譲渡されている、ノーマン・ムーア(Norman Moore)およびビンセント
・シー(Vincent Sy)による同時係属出願中の米国特許出願第09/044,677号の
主題である。綿棒を装置の底部にある穴(図1Aの穴B)に挿入し、綿棒の先端が
上部の穴(図1Aの穴A)から見えるように上向きにゆっくりと押す。試薬Aのバイ
アルを穴Bの上に垂直に置き、試薬Aを3滴ゆっくりと添加する。 続いて直ちに接
着剤ライナーを装置の右縁からはがし、装置を閉じてしっかりと密閉することに
より、綿棒を綿棒用ウェル内の金結合物パッドに対して押しつける。15分間後に
は装置のウィンドウから結果を読み取ることができる。陰性試料、すなわち、同
定可能な肺炎連鎖球菌C多糖抗原を含まない試料では、ウィンドウの上半分に対
照ラインのみが認められるはずである。標的抗原を含む陽性試料の場合は2本の
ラインが認められると考えられ、このうち下方のものが患者(または試料)ライ
ンである。弱い試料ラインだけでも試料中に標的抗原が存在することを示す。15
分後にウィンドウ内に全くラインが出現しない場合、または試料ラインのみがウ
ィンドウの下方に出現した場合には検査は無効であり、再度行う必要がある。
ター(Centers for Disease Control)から入手した患者146例の尿試料に対して
、実施例5の通りに調製した装置を試験した。肺炎連鎖球菌感染の有無に関する
患者の診断は、血液培養、グラム染色、喀痰培養、自己溶解素PCRおよびニュー
モリジン(Pneumolysin)PCRを含むさまざまな異なる指標に基づいて行われたが
、尿アッセイ法の結果は得られていないため、本発明者らの検査施設において、
これらの試料のそれぞれを肺炎連鎖球菌C多糖抗原の有無に関して本明細書に述
べるICTおよびELISAを用いて試験した。
国疾病管理センター分類が肺炎連鎖球菌感染に関して陽性または陰性のいずれに
診断されたかを知らせなかった。ICTおよびELISAの結果は少なくとも約134の症
例では感度および特異性の両面で同等であった。しかし、一部の症例ではELISA
およびICT検査はいずれも疾病管理センターから提供された患者の診断とは完全
には対応しなかった。肺炎連鎖球菌感染の診断のための基盤として培養評価は十
分でないことが当技術分野で認識されていること、および患者に行われた治療、
または尿試料が採取された時間と治療を開始した時間との関係に関する情報がな
いことが、すべての結果に関する完全に意味のある比較を妨げる要因である。
明のこの15分間のICT検査が、肺炎連鎖球菌による感染症を迅速に診断し、それ
に続いて患者に最も有効な治療を早期に行えるようにするという大きな利点が裏
づけられた。
CT手順を用い、特徴づけられた一連の検体を用いて、3つの施設で臨床試験を行
った。これらには、入院患者および外来患者から採取した273件の尿検体が含ま
れる。273例の患者のうち35例は血液培養結果が陽性であり、238例は血液培養結
果が陰性であった(培養の方法はしばしば施設によって大きく異なることに注意
が必要である)。血液培養の結果が陽性であった患者の尿試料は、血液採取およ
び抗生物質の投与開始から24時間以内に採取されたものと考えられる。血液培養
検査が陰性であった患者の238件の尿試料のうち、28件は菌血症患者から、4件は
膿胸の患者から、53件は肺炎の患者から、153件は尿路感染症の患者から採取さ
れたものであった。
通りに調製した装置および実施例6に記載したICT手順を用いる本発明の検査によ
ってアッセイした。これらの個人からの血液試料は培養検査の結果では陰性であ
った。
のうち、30件では本発明の検査で陽性の結果が得られ、5件の結果は陰性であっ
た。血液培養検査が陰性であった患者全例、および陰性と推定される100例から
の338件の尿試料のうち、本発明のICT検査で陽性であったのは21件であり、317
件は陰性であった。ICT検査の感度は86%、特異性は94%、精度は93%と算出さ
れた。
血液培養が陰性であった患者については、他の検査によって尿路感染症の5例が
大腸菌感染を有し、2例がエンテロバクター・クロカーエ(Enterobacter cloaca
e)感染を有し、3例がラクトバシラス(lactobacillus)感染を有し、1例はプロ
ビデンシア・スチュアーチ(Providencia Stuartii)に感染し、1例は黄色ブド
ウ球菌に感染し、1例は連鎖球菌(非A非B型)に感染し、1例は連鎖球菌(非D型
)にも感染していたことが確認されたことに注意する必要がある。また、肺炎患
者のうち2例は結核菌に感染し、1例はマイコバクテリウム・カンサシイ(Mycoba
cterium kansasii)に感染していた。菌血症患者1例はプロテウス・ミラビリス
(Proteus mirabilis)にも感染していた。感染が判明していない患者4例の尿試
料が本発明のICT検査では陽性であった。
炎連鎖球菌肺炎であることが疑われた、入院および外来患者から採取した215件
の尿試料を評価するために、7つの病院で検査を行った。そのうち6つは米国、1
つはスペインの病院である。これらの検査では、実施例5に従って調製した装置
を実施例6の手順で用い、その結果を、同一患者から採取した血液検体に対して
行った血液培養の結果と比較した。参加施設の培養法の均一性は確認していない
。
が陰性との評価であった。血液培養の結果が陽性であった患者31例の尿試料に対
して本発明のICT検査を行ったところ、28例は陽性であり、3例は陰性であった。
血液培養の結果が陰性と評価された患者184例のうち45例の尿試料は本発明のICT
検査では陽性であり、139例の尿試料は陰性であった。この試験では、本発明の
検査の感度は90%、特異性は76%、精度は78%であった。
養検査に伴う公知の問題、および肺炎連鎖球菌肺炎に感染した患者の約80%では
血液標本が肺炎連鎖球菌を含んでいないという周知の可能性を踏まえた上で考慮
する必要がある。本発明のアッセイの経験をさらに重ねることにより、比較の目
的に血液培養検査を用いたために、実施例7および8ではその特異性、感度および
精度が低い値となったことが納得されるように示されると考えられる。
生物の試験を106〜109CFU/mLの濃度で行った。試験を行ったそれぞれの微生物
は適切な寒天上で増殖させ、5 %CO2下にて37℃で一晩インキュベートした後に
プレートを純度に関して検討し、十分に分離されている各微生物のコロニーを試
験のために選択した。
のはS.ミティス、A.T.C.C.#49456のみであった。上記のように、S.ミティスは
本発明の検査で検出されるように設計されるC多糖細胞壁抗原を含むことが知ら
れているため、これは予想されたことであった。
ネトバクター・アニトラタス(Acinetobacter anitratus)(ATOC#49139)、ア
シネトバクター・バウマンニ(Acinetobacter baumanii)(ATCC#1906-T)、ア
シネトバクター・カルコアセチカス(Acinetobacter calcoaceticus)(ATCC番
号49466)、アシネトバクター・ヘモリティカス(Acinetobacter haemolyticus
)(A.T.C.C.#19002)、アデノウイルス2および3(米国疾病管理センターから
入手したプールされた純粋培養物)、アルカリゲネス・フェカーリス(Alcalige
nes faecalis)(A.T.C.C.#6633)、百日咳菌(Bordetella pertussis)(A.T.
C.C.#3467)、ブランハメラ・カタラーリス(Branhamella catarrhalis)(A.T
.C.C.#25238-T)、ブラストミセス・デルマティティディス(Blastomyces derm
atitidis)(米国疾病管理センターから入手した純粋培養物、菌株番号は不明)
、カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)(A.T.C.C.#e10231、14053お
よび60193、それぞれを別に検討)、カンジダ・ステラトイデス(Candida stell
atoides)(A.T.C.C.#11006)、シトロバクター・フレウンディ(Citrobacter
freundii)(A.T.C.C.#375GT)、コクシディオデス・イミティス(Coccidiodes
immitis)(米国疾病管理センターから入手した純粋培養物、菌株番号は不明)
、コリネバクテリウム・クチェリ(Corynehacterium kutscheri)(A.T.C.C.#1
5677-T)、コリネバクテリウム・マトリコティ(Corynebacteriun matruchotii
)(A.T.C.C.#14266-T)、コリネバクテリウム・シュードディフェリティカム
(Corynebacterium pseudodipheriticum)(A.T.C.C.#10700-T)、エンテロバ
クター・クロカーエ(Enterobacter cloacae)(A.T.C.C. #13047-T、23355、3
5030および49141、それぞれ別に検討)、エンテロコッカス・アヴィウム(Enter
ococcus avium)(A.T.C.C.第49462号)、エンテロコッカス・デュランス(Ente
rococcus durans)(A.T.C.C.#49135)、エンテロコッカス・フェカーリス(En
terococcus faecalis)(A.T.C.C.#19433-T、29212、49477、49478、49149およ
び51299、それぞれを別に検討)、大腸菌(A.T.C.C.#23513、8739、23514、259
22、35218、1173GT、35421および15669ならびに1つの無番号試料、それぞれを別
に検討)、エシェリキア・ヘルマンニイ(Escherichia hermannii)(A.T.C.C.
#33650-Tおよび4648GT、それぞれ別に検討)、フラボバクテリウム・インドロ
ゲネス(Flavobacterium indologenes)(A.T.C.C.#49471)、フラボバクテリ
ウム・メニンゴセプティカム(Flavobacterium meningosepticum)(A.T.C.C.#
49470)、ガードネルラ・バギナリス(Gardnerella vaginalis)(A.T.C.C.#14
018-T)、インフルエンザ菌a(Haemophilus influenzae、a)(A.T.C.C.#9006
)、インフルエンザ菌b(Haemophilus influenzae、b)(A.T.C.C.#9795および
33533、それぞれ別に検討)、インフルエンザ菌c(Haemophilus influenzae、c
)(A.T.C.C.#9007)、インフルエンザ菌d(Haemophilus influenzae、d)(A.
T.C.C.#9008)、インフルエンザ菌e(Haemophilus influenzae、e)(A.T.C.C.
#8142)、インフルエンザ菌f(Haemophilus influenzae、f)(A.T.C.C.#9833
)、インフルエンザ菌NT(Haemophilus influenzae、NT)(A.T.C.C.#49144、4
9247および49766、それぞれ別に検討)、パラインフルエンザ菌(Haemophilus p
arainfluenzae)(A.T.C.C.#3339Z-T、疾病管理センターから純培養物として入
手)、ヒストプラスマ・カプスラーツム(Histoplasma capulatum)(疾病管理
センター由来の2つの別の純培養物、菌株不明、それぞれ別に検討)、クレブシ
エラ・オキシトカ(Klebsiella oxytoca)(A.T.C.C.#43086および49131、それ
ぞれ別に検討)、クレブシエラ・ニューモニエ(Klebsiella pneumoniae)(A.T
.C.C.#13882、13883-Tおよび49472、それぞれ別に検討)、ラクトバシラス-ア
シドフィルス(Lactobacillus acidophilus)(A.T.C.C.#4356)、カセイ菌(L
actobacillus casei)(A.T.C.C.#393)、ラクトバシラス・ガッセリ(Lactoba
cillus gasseri)(A.T.C.C.#33323)、ラクトバシラス・イエンセンニ(Lacto
bacillus jensenii)(A.T.C.C.#25258)、レジオネラ・ニューモフィーラ(Le
gionella pneumophila)(A.T.C.C.#33152)、リステリア・モノサイトゲネス
(Listeria monocytogenes)(A.T.C.C.#7644)、ミクロコッカス・ルテウス(
Micrococcus luteus)(A.T.C.C.#9341および49732、それぞれを別に検討)、
モラクセラ・オスレンシス(Moraxella osloensis)(A.T.C.C.#15276)、モル
ガン菌(Morganella morganii)(A.T.C.C.#25830-T)、マイコプラズマ・ゲニ
タリウム(Mycoplasma genitalium)(A.T.C.C.#33530、疾病管理センターから
純培養物として入手)、マイコプラスマ・ホミニス(Mycoplasma hominis)(A.
T.C.C.#27545、疾病管理センターから純培養物として入手)、マイコプラスマ
・ニューモニエ(Mycoplasma pneumoniae)(FH2型、疾病管理センターから純培
養物として入手)、ナイセリア・シネレア(Neisseria cinerea)(A.T.C.C.#1
4685)、淋菌(Neisseria gonorrheae)(A.T.C.C.#8660、19424-Tおよび27631
、それぞれを別に検討)、ナイセリア・ラクタミカ(Neisseria lactamica)(A
.T.C.C.#23970-T)、髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)(A.T.C.C.#13077-
T)、ナイセリア・サブフラバ(Neisseria subflava)(A.T.C.C.#49275)、ノ
カルジア・ファルシニア(Nocardia farcinia)(疾病管理センターから純培養
物として入手)、パラコシディオデス・ブラシリエンシス(Paracoccidiodes br
asiliensis)(菌株番号不明、疾病管理センターから純培養物として入手)、パ
ラインフルエンザ1型(Parainfluenzae Type 1)(C39株、疾病管理センターか
ら純培養物として入手)、パラインフルエンザ2型(Parainfluenzae Type 2)(
HA 47885株、疾病管理センターから純培養物として入手)、プロテウス・ミラビ
リス(Proteus mirabilis)(A.T.C.C.#7002および12453、それぞれ別に検討)
、尋常変形菌(Proteus vulgaris)(A.T.C.C.#13315-Tおよび49132、それぞれ
を別に検討)、プロビデンシア・スチュアーティ(Providencia stuartii)(A.
T.C.C.#49809)、緑膿菌(A.T.C.C.#15442および27853、それぞれ別に検討)
、シュードモナス・セパシア(Pseudomonas cepacia)(A.T.C.C.#25416-T)、
シュードモナス・ピケティイ(Pseudomonas pickettii)(A.T.C.C.#49129)、
シュードモナス・プチダ(Pseudomonas putida)(A.T.C.C.#49128)、シュー
ドモナス・プトレファシエンス(Pseudomonas putrefaciens)(A.T.C.C.#4913
8)、シュードモナス・ステュツェリ(Pseudomonas stutzeri)(A.T.C.C.#175
88-T)、プールされた呼吸合包体ウイルス(A2株およびA.T.C.C.#18573のプー
ルされた試料、それぞれ疾病管理センターから純培養物として入手した)、ライ
ノウイルス(A.T.C.C.#088および077、それぞれ疾病管理センターから純培養物
として入手し、それぞれ別に検討)、サルモネラ・キュバナ(Salmonella cuban
a)(A.T.C.C.#12007)、サルモネラ・エンテリティディス(Salmonella enter
itidis)(A.T.C.C.#13076-T)、サルモネラパラチフィA(Salmonella paratyp
hi A)(A.T.C.C.#9150)、サルモネラ・チフィ(Salmonella typhi)(A.T.C.
C.#6539)、霊菌(A.T.C.C.#13880-T)、スフィンゴバクテリウム・マルチボ
ルム(Sphingobacterium multivorum)(A.T.C.C.#35656)、黄色ブドウ球菌(
Staphylococcus aureus)(A.T.C.C.#12598、6538P、25923、29213、43300およ
び49476、それぞれ別に検討)、表皮ブドウ球菌(Staphylococcus epidermidis
)(A.T.C.C.#12228、14990-T、49134および49461、それぞれ別に検討)、溶血
性連鎖状球菌(Staphylococcus haemolyticus)(A.T.C.C.#29970-T)、スタフ
ィロコッカス・サプロフィティカス(Staphylococcus saprophyticus)(A.T.C.
C.#15305-Tおよび49907、それぞれ別に検討)、スタフィロコッカス・キシロー
シス(Staphylococcus xylosis)(A.T.C.C.#49148)、ステノトロホモナス・
マルトフィリア(Stenotrophomonas maltophilia)(A.T.C.C.#13637-T)、扁
桃炎連鎖状球菌(Streptococcus anginosus)(A.T.C.C.#9895)、ウシ連鎖球
菌(Streptococcus bovis)(A.T.C.C.#49133)、A群連鎖球菌(A.T.C.C.#135
7および19615、それぞれ別に検討)、B群連鎖球菌(A.T.C.C.#13813-T、12386
、12400、12401、27591、12973、12403および31475、それぞれ別に検討)、C群
連鎖球菌(A.T.C.C.#12388)、F群連鎖球菌(A.T.C.C.#12392)、G群連鎖球菌
(A.T.C.C.#12394)、ストレプトコッカス・ミュータンス(Streptococcus mut
ans)(Shockman株)、ストレプトコッカス・パラサングイス(Streptococcus p
arasanguis)(A.T.C.C.#15909)、ストレプトコッカス・サングイス(Strepto
coccus sanguis)(A.T.C.C.#10556-T)、膣トリコモナス(Trichomonas vagin
alis)(A.T.C.C. #085および520、それぞれ米国疾病管理センターから純培養
物として入手し、それぞれ別に検討)。
行中である。予備的な短い結果では、実施例6に述べた通りに調製した装置およ
び実施例7に述べた手順を用いて、副鼻腔炎と診断された3例の小児中の2例の尿
から肺炎連鎖球菌が検出されたことが示されている。検査した小児の尿が陰性で
あった副鼻腔炎の症例には異なる原因因子がかかわっていたと考えられる。
、本発明の装置および方法を用いて肺炎連鎖球菌が検出され、この個体に迅速か
つ有効な治療を行うことが可能であった。
に抗菌療法を受けており、他の例は受けていなかった。この各例から脳脊髄液を
採取し、培養検査を行った。検査結果は陰性であり、血液培養の結果も同様であ
った。
て調製した装置を実施例6に記載した手順で用いた。各例とも、尿試料の検査結
果は肺炎連鎖球菌C多糖細胞壁抗原に対して陽性であった。
脳脊髄液の代わりに尿試料をルーチンに用いうることを強く示唆される。被験媒
体として尿を脳脊髄液の代わりに用いうる可能性がさらなる臨床経験によって裏
づけられれば、患者にとっての大きな恩典となり、医師にとっても同様であると
考えられる。脳脊髄液を採取するために行う必要がある脊椎穿刺は、患者の痛み
を伴うほか、ある程度危険でもある。医師にとって脊椎穿刺は時間がかかる上、
集中して細かい注意を払う必要もある。
材料および成分、ならびに時には他の個々の手順を、本明細書で具体的に推奨し
たものの代わりに容易に用いうることを理解すると考えられる。特許および特許
でないものの両方を含む極めて多くの文献で、本明細書に記載および推奨される
好ましいICT装置を代用しうると考えられる信頼性の高い、1回だけ用いる使い捨
て式のイムノアッセイ検査装置が考察されている。本発明は、特許請求の範囲に
よって制限されるものを除き、置換可能なアッセイ装置、材料、成分または工程
段階の点で制限されるものではない。
べる肺炎連鎖球菌アッセイ法を行うために適合化された、典型的なICT装置の構
造を示している。
Claims (30)
- 【請求項1】 以下の段階を含む、肺炎連鎖球菌からの約10%以下の蛋白質
を含む細胞壁C多糖抗原を入手するための方法: (a)所望のサイズの試料を得るために必要な時間にわたって細菌を培養する段
階、およびそこから湿潤細胞ペレットの形態にある細菌細胞を回収する段階; (b)湿潤細胞ペレットをアルカリ溶液中に懸濁化する段階、および混合する段
階; (c)強酸を用いてpHを酸性pHに調整する段階、および遠心処理する段階; (d)段階(d)により上清を分離する段階、およびpHをほぼ中性に調整する段階
; (e)残存蛋白質を破壊するために、この生成物を広域プロテアーゼ酵素調製物
によって消化する段階; (f)弱アルカリ水溶液を用いてpHをアルカリ側に調整する段階; (g)弱アルカリ溶液で平衡化したサイズ排除カラムにより、本質的に蛋白質を
含まない糖質または多糖抗原を分離除去する段階;ならびに (h)最初のピークに溶出した物質をプールする段階、およびpHをほぼ中性に調
整する段階。 - 【請求項2】 請求項1記載の方法によって得られる、約10%以下の蛋白質
を含む細胞壁C多糖抗原。 - 【請求項3】 段階(b)のアルカリ溶液が湿潤細胞ペレット1g当たり約20m
lの0.1M水酸化ナトリウム水溶液を含む、請求項1記載の方法。 - 【請求項4】 段階(c)においてpHが約3.0に調整される、請求項1記載の
方法。 - 【請求項5】 段階(f)においてpHが約10〜約11の間に調整される、請求
項1記載の方法。 - 【請求項6】 段階(h)の後に凍結乾燥段階が行われる、請求項1記載の方
法。 - 【請求項7】 以下の段階を含む、肺炎連鎖球菌に対する粗抗体を精製する
ための方法: (a)肺炎連鎖球菌から約10%以下の蛋白質を含む細胞壁C多糖抗原を分離する段
階; (b)該抗原を2つの末端を有するスペーサー分子の一端と結合させ、該抗原とス
ペーサー分子との結合物を形成する段階; (c)結合物を活性化されたクロマトグラフィーカラムとカップリングする段階
; (d)該粗抗体を段階(c)の該カラムによるアフィニティークロマトグラフィー
にかけて、精製された抗原特異的抗体を入手する段階; (e)該カラムから精製された抗原特異的抗体を溶出させる段階。 - 【請求項8】 請求項7記載の方法によって得られる、肺炎連鎖球菌の細胞
壁C多糖に対する精製された抗原特異的抗体。 - 【請求項9】 約10%以下の蛋白質を含む肺炎連鎖球菌における精製された
C多糖細胞壁抗原がスペーサー分子によってカップリングされた、肺炎連鎖球菌
に対する粗抗体のアフィニティー精製のためのクロマトグラフィーカラム。 - 【請求項10】 以下の段階を含む、液体中の肺炎連鎖球菌またはその細胞
壁C多糖抗原の存在をアッセイする方法: (a)肺炎連鎖球菌の培養物から、約10%以下の蛋白質を含む該細胞壁C多糖抗原
を抽出する段階、 (b)該抗原をスペーサー分子とカップリングさせて結合物を形成させる段階、 (c)段階(b)による結合物をクロマトグラフィーアフィニティーカラムとカッ
プリングする段階、 (d)段階(c)のクロマトグラフィーアフィニティーカラムを用いて肺炎連鎖球
菌に対する粗抗体を精製し、精製された抗原特異的抗体を産生する段階、および (e)段階(d)の精製抗体を用いて、液体中の肺炎連鎖球菌またはそのC多糖細
胞壁抗原の有無を検出する段階。 - 【請求項11】 段階(b)のスペーサー分子が蛋白質分子である、請求項1
0記載の方法。 - 【請求項12】 段階(b)のスペーサー分子がヒドラジンとウシ血清アル
ブミンとの結合物である、請求項10記載の方法。 - 【請求項13】 段階(e)の液体が哺乳動物由来の天然の液体である、請
求項10記載の方法。 - 【請求項14】 液体がヒト尿である、請求項13記載の方法。
- 【請求項15】 液体が、肺炎型疾患の臨床徴候を呈している患者から採取
される、請求項13記載の方法。 - 【請求項16】 段階(e)がイムノアッセイ法である、請求項15記載の方
法。 - 【請求項17】 段階(e)が免疫クロマトグラフィー(「ICT」)アッセイ
法である、請求項15記載の方法。 - 【請求項18】 段階(d)による精製された抗原特異的抗体の一部が、該
抗体が対応する抗原と反応した時に可視呈色を示すことが周知の標識物質と結合
している、請求項17記載の方法。 - 【請求項19】 標識物質が微細化された金である、請求項18記載の方法。
- 【請求項20】 以下の段階を含む、肺炎連鎖球菌または該細菌のC多糖細
胞壁抗原の検出のためのICTアッセイ法: (a)該細菌またはその抗原を含むことが疑われる液体試料を、吸収性材料のス
トリップを含むICT装置と接触させる段階であって、該ストリップが、 (i)(1)抗体がその対応する抗原性結合パートナーと反応すると可視的色調
変化を示す標識物質、および (2)肺炎連鎖球菌のC多糖細胞壁抗原に対する精製された抗原特異的抗
体であって、約10%以下蛋白質を含む肺炎連鎖球菌の精製されたC多糖細胞壁抗
原を結合するクロマトグラフィーアフィニティーカラムを通すことによって精製
された該抗体 の結合物が包埋された第1の区域と、 (ii)色調変化を観察するためのウィンドウが備えられた区域である、非結合
(unconjugated)形態にある同一の精製された抗原特異的抗体が結合した第2の
区域とを有する段階; (b)該試料を該検査ストリップに沿って該第1の区域へと水平方向に流れるよう
にする段階; (c)該試料を、抗原特異的抗体と標識との該結合物とともに、該検査ストリッ
プに沿って該第2の区域へと水平方向に流れるようにする段階;ならびに (d)段階(a)の開始からほぼ15分以内に該ウィンドウを通して呈色ラインが該
第2の区域に出現したか否かを観察し、それによって肺炎連鎖球菌またはその細
胞壁C多糖抗原が試料中に存在することを示す段階。 - 【請求項21】 肺炎連鎖球菌またはそのC多糖細胞壁抗原を含むことが疑
われる液体が、哺乳動物由来の天然の液体である、請求項20記載の方法。 - 【請求項22】 哺乳動物由来の天然の液体がヒト尿である、請求項21記載
の方法。 - 【請求項23】 哺乳動物由来の天然の液体が血液または血清である、請求
項21記載の方法。 - 【請求項24】 哺乳動物由来の天然の液体が脳脊髄液である、請求項21記
載の方法。 - 【請求項25】 抗体が対応する抗原性結合パートナーと反応する場合に可
視的色調変化を示す標識物質が微細金属である、請求項22記載の方法。 - 【請求項26】 標識物質が微細化された金である、請求項25記載の方法。
- 【請求項27】 標識物質が微細化された金であり、かつ液体がヒト血液ま
たは血清である、請求項20記載の方法。 - 【請求項28】 標識物質が微細化された金であり、かつ液体がヒト脳脊髄
液である、請求項20記載の方法。 - 【請求項29】 標識物質が微細化された金であり、かつ液体がヒト尿であ
る、請求項20記載の方法。 - 【請求項30】 (i)(1)抗体がその対応する抗原性結合パートナーと反
応する場合に可視的色調変化を示す標識物質、および(2)肺炎連鎖球菌のC多糖
細胞壁抗原に対する精製された抗原特異的抗体であって、約10%以下の蛋白質を
含む肺炎連鎖球菌の精製されたC多糖細胞壁抗原を結合させたクロマトグラフィ
ーアフィニティーカラムを通すことによって精製された該抗体の結合物が包埋さ
れた第1の区域と、 (ii)色調変化を観察するためのウィンドウが備えられた区域である、非結合形
態にある同一の精製された抗原特異的抗体が結合した第2の区域 とを有する吸収性材料のストリップを含む、肺炎連鎖球菌またはそのC多糖細胞
壁抗原の検出のためのICT装置。
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