JP2008501706A5 - - Google Patents

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狼瘡の治療方法
(発明の分野)
本発明は、特定の用量投与計画およびプロトコールを用いた被検体の狼瘡の治療方法、並びにその使用のための指示書を有するキットに関する。
(発明の背景)
狼瘡
自己免疫性疾患、例えば全身性エリテマトーデス(SLE)、重症筋無力症(MG)および特発性血小板減少性紫斑病(ITP)は、依然としてとりわけ重大な臨床的疾患である。その名の通り、自己免疫性疾患は、身体自身の免疫系による破壊をもたらす。病理学的メカニズムが自己免疫性疾患の個々の種類で異なるが、ある一般的なメカニズムに、自己核又は細胞性抗原に対して患者の血清中に存在する特定の抗体(本明細書において、自己反応性抗体又は自己抗体と称される)の結合が関与する。
狼瘡は、結合組織を攻撃する抗体を伴っている自己免疫性疾患である。この疾患は、1,000,000人近くのアメリカ人、主に20〜40歳の女性に起こると算定される。狼瘡の主な型は全身性のもの(全身性エリテマトーデス;SLE)である。SLEは、抗核抗体の産生、循環免疫複合体および補体系の活性化と関係している。SLEは、20〜60歳の女性の700人におよそ1人に発病する。SLEは何れかの臓器系に作用し、重症組織損傷を引き起こしうる。異なる特性の数多くの自己抗体がSLEに存在する。SLE患者は、抗DNA、抗Roおよび抗血小板特異性を有し、疾患の臨床徴候、例えば糸球体腎炎、関節炎、漿膜炎、新生児の完全な心臓ブロックおよび血液学的な異常を惹起しうる自己抗体を産生することが多い。これらの自己抗体は、おそらく中枢神経系障害にも関連がある。Arbuckle等は、SLEの臨床発症前の自己抗体の発達を記述する (Arbuckle 等 N. Engl. J. Med. 349(16): 1526-1533 (2003))。
皮膚および関節から肺、心臓および腎臓(初めに懸念される腎疾患を有する)を含む臓器へと障害が進行するので、無治療の狼瘡は致命的となりうる。狼瘡は主に、ほとんどないしは全く疾患徴候がない期間を挟んで再燃する。
尿中のタンパク尿の量で測定される腎臓損傷は、SLEの病原性と関係する損傷の最も急性のもののうちの1つであって、死亡率および疾患の羅病率の少なくとも50%を占める。
二本鎖で天然のDNAと免疫反応する抗体の存在は、SLEの診断用マーカーとして用いられる。
現在のところ、SLEと診断された患者のための治癒的な治療が実際にはない。実用的な見地から、医師は一般に多くの強力な免疫抑制剤、例として、高用量副腎皮質ステロイド、例えばプレドニゾン、又はアザチオプリンないしはシクロホスファミドを使用する。これらは再燃の期間に投与されるが、また、常習的に再燃する人々のために持続的に与えられることもある。症状を緩和して生存を延ばす効果的な治療によってさえ、これらの薬剤の多くは、治療される患者に潜在的に有害な副作用がある。さらに、これらの免疫抑制剤は、まさに自己反応性抗DNA抗体でないすべての抗体を産生するヒトの能力を妨げる。また、免疫抑制剤により他の潜在的病原体に対する身体の防御を弱めるので、患者を感染および他の潜在的に致命的な疾患(例えば癌)に極めてかかりやすくなる。場合によっては、継続した低レベルの疾患徴候に合わせた現在の治療様式の副作用によって、重大な機能障害および早死を引き起こしうる。最近の治療的投薬計画には、シクロホスファミド、メトトレキセート、抗マラリア剤、ホルモン治療(例えば、DHEA)、抗ホルモン療法(例えば、抗プロラクチン薬剤ブロモクリプチン)が含まれる。
また、抗体を伴うSLEの治療方法も記述する。Diamond 等(米国特許第4,690,905号)の方法は、抗DNA抗体に対するモノクローナル抗体(抗イディオタイプ抗体としてその文献中で称されるモノクローナル抗体)を生成することと、次いでこれらの抗イディオタイプ抗体を用いて患者のシステムから病原性抗DNA抗体を取り除くことから成る。しかしながら、治療のために大量の血液を除去することは、危険で複雑な方法でありうる。米国特許第6,726,909号は、患者に投与される抗体組成物が精製した抗DNA抗イディオタイプ抗体を含み、投与に注射ないしは他の投与様式が必要であることを開示する。
また、高用量静脈内免疫グロブリン(IVIG)注入は、特定の自己免疫性疾患を治療する際に用いられている。現在まで、IVIGを用いたSLEの治療により、ループス腎炎の解消(Akashi 等, J. Rheumatology 17:375-379 (1990))と、2、3例に存在するタンパク尿症および腎臓損傷の悪化(Jordan 等, Clin. Immunol. Immunopathol. 53: S164-169 (1989)))の両方を含む複合的な結果が得られていた。
CD20およびそれを用いた治療
リンパ球は、造血過程の間に骨髄において生産される多種ある白血球のうちの1つである。リンパ球の2つの主な分類は、Bリンパ球(B細胞)とTリンパ球(T細胞)である。ここで特に対象とするリンパ球はB細胞である。
B細胞は骨髄内で成熟して、その細胞表面上に抗原結合抗体を発現する骨髄を放出する。天然のB細胞がその膜結合性抗体に特異的な抗原と初めて遭遇すると、細胞は速やかに分離し、その子孫はメモリーB細胞と「プラズマ細胞」と呼ばれるエフェクター細胞に分化する。メモリーB細胞は長い寿命を持ち、本来の親細胞と同じ特異性を有する膜結合性抗体を発現し続ける。プラズマ細胞は、膜結合性抗体を発現する代わりに、分泌型抗体を産生する。分泌された抗体は、体液性免疫の主要なエフェクター分子である。
CD20抗原(ヒトBリンパ球制限分化抗原、Bp35とも呼ばれる)はプレB及び成熟Bリンパ球上に位置するおよそ35kDの分子量の疎水性膜貫通型タンパク質である(Valentineら, J. Biol. Chem. 264(19):11282-11287 (1989);及びEinfeldら, EMBO J. 7(3):711-717(1988))。該抗原はまたB細胞非ホジキンリンパ腫(NHL)の90%以上に発現されるが(Anderson等, Blood 63(6):1424-1433 (1984))、造血幹細胞、プロB細胞、正常なプラズマ細胞又は他の正常な組織上には見出されない(Tedder等, J. Immunol. 135(2):973-979 (1985))。CD20は分化及び細胞周期の開始の活性化過程における初期段階を調節し(上掲のTedderら)、おそらくはカルシウムイオンチャネルとして機能する(Tedder等, J. Cell. Biochem. 14D:195 (1990))。
B細胞リンパ腫ではCD20が発現される、この抗原はこのようなリンパ腫の「標的とする(ターゲティング)」ための候補となりうる。基本的に標的とするとは以下のことを言う:B細胞のCD20表面上抗原特異的な抗体を患者に投与する。これらの抗CD20抗体は、正常及び悪性の何れのB細胞(表面上)のCD20抗原にも特異的に結合する;CD20表面上抗原に結合する抗体は、腫瘍性B細胞を破壊及び減少に至らしめることができる。さらに、腫瘍を破壊する可能性を有する化学薬品または放射性標識は抗CD20抗体に結合させて、作用剤が腫瘍性B細胞特異的に「運ばれる」ようにすることができる。方法にかかわりなく、主たる目的は、腫瘍を破壊することである;特定の方法は、使用する特定の抗CD20抗体により測定することができ、ゆえに、CD20抗原を標的とする有用な方法はかなり異なる。
リツキシマブ(rituximab)(リツキサン(RITUXAN)(登録商標))抗体は、一般的にCD20抗原に対する遺伝子的操作を施したキメラマウス/ヒトモノクローナル抗体である。リツキシマブは1998年4月7日に発行の米国特許第5736137号(Anderson等)において「C2B8」と呼ばれている抗体である。リツキシマブは、再発性または低抵抗性の(refractory low-grade)または濾胞性の(follicular)、CD20陽性、B細胞非ホジキンリンパ腫患者の治療のためのものである。インビトロの作用機序の研究は、リツキサン(登録商標)がヒト補体に結合し補体依存性細胞障害性(CDC)を通してリンパB細胞系を溶解することを実証している(Reff等, Blood 83(2):435-445 (1994))。加えて、その抗体は抗体依存細胞性細胞障害性(ADCC)のアッセイにおいて有意な活性を有している。更に近年、リツキシマブは、他の抗CD19抗体や抗CD20抗体にはない、トリチウム化したチミジン取り込みアッセイにおける抗増殖性効果を持つこと及び直接的にアポトーシスを誘導することが示唆されている(Maloney等 Blood 88(10):637a (1996))。また、リツキシマブ及び化学療法及び毒素間の相乗効果は、実験的に観察された。特に、リツキシマブは、ドキソルビシン、CDDP、VP-16、ジフテリア毒素及びリシンの細胞障害性効果に対するヒトB細胞リンパ腫細胞系の薬物抵抗性の感度を高める(Demidem等 Cancer Chemotherapy & Radiopharmaceuticals 12(3):177-186 (1997))。インビボ前臨床研究では、リツキサン(登録商標)が、おそらく補足及び細胞媒介過程において、カニクイザルの末梢血、リンパ節及び骨髄からのB細胞を減少させることを示した (Reff 等 Blood 83(2):435-445 (1994))。
リツキシマブは、4回の用量につき375mg/m週ごとの用量で、再発したか抵抗性の低グレードないしは濾胞性CD20B細胞NHLである患者の治療のために、1997年11月に米国で承認された。2001年4月に、食品・医薬品局(FDA)は、軽度のNHLの治療のための付加的な権利を承認した:再治療(週4回の用量)および付加的な用量投薬計画(週8回の用量)。単一療法としてないしは免疫抑制剤又は化学療法剤と併用してリツキシマブに曝露される患者は300,000人以上いる。また、患者は、維持療法として最高2年間リツキシマブで治療されている(Hainsworth 等 J Clin Oncol 21:1746-51 (2003);Hainsworth 等 J Clin Oncol 20:4261-7 (2002))。
また、リツキシマブは様々な非悪性腫瘍性自己免疫疾患において研究されており、そこでB細胞と自己抗体は疾患病理学上の役割があるようである。Edwards 等, Biochem Soc. Trans. 30:824-828 (2002)。リツキシマブは、例えば、関節リウマチ(RA) (Leandro 等, Ann. Rheum. Dis. 61:883-888 (2002);Edwards 等, Arthritis Rheum., 46 (Suppl. 9): S46 (2002);Stahl 等, Ann. Rheum. Dis., 62 (Suppl. 1): OP004 (2003);Emery 等, Arthritis Rheum. 48(9): S439 (2003))、ループス(Eisenberg, Arthritis. Res. Ther. 5:157-159 (2003);Leandro 等 Arthritis Rheum. 46: 2673-2677 (2002);Gorman 等, Lupus, 13: 312-316 (2004))、免疫性血小板減少性紫斑病(D’Arena 等, Leuk. Lymphoma 44:561-562 (2003);Stasi 等, Blood, 98: 952-957 (2001);Saleh 等, Semin. Oncol., 27 (Supp 12):99-103 (2000);Zaia 等, Haematolgica, 87: 189-195 (2002);Ratanatharathorn 等, Ann. Int. Med., 133: 275-279 (2000))、 赤芽球ろう (Auner 等, Br. J. Haematol., 116: 725-728 (2002));自己免疫性貧血(Zaja 等, Haematologica 87:189-195 (2002) (Haematologica 87:336 (2002)に誤植あり)、寒冷凝集素症 (Layios 等, Leukemia, 15: 187-8 (2001);Berentsen 等, Blood, 103: 2925-2928 (2004);Berentsen 等, Br. J. Haematol., 115: 79-83 (2001);Bauduer, Br. J. Haematol., 112: 1083-1090 (2001);Damiani 等, Br. J. Haematol., 114: 229-234 (2001))、重症インスリン耐性のタイプB症候群(Coll 等, N. Engl. J. Med., 350: 310-311 (2004)、混合クリオグロブリン血症(DeVita 等, Arthritis Rheum. 46 Suppl. 9:S206/S469 (2002))、重症筋無力症(Zaja 等, Neurology, 55: 1062-63 (2000);Wylam 等, J. Pediatr., 143: 674-677 (2003))、ウェゲナー肉芽腫症(Specks 等, Arthritis & Rheumatism 44: 2836-2840 (2001))、難治性尋常性天疱瘡(Dupuy 等, Arch Dermatol., 140:91-96 (2004))、皮膚筋炎(Levine, Arthritis Rheum., 46 (Suppl. 9):S1299 (2002))、シェーグレン症候群(Somer 等, Arthritis & Rheumatism, 49: 394-398 (2003))、急性タイプII混合クリオグロブリン血症(Zaja 等, Blood, 101: 3827-3834 (2003))、尋常性天疱瘡(Dupay 等, Arch. Dermatol., 140: 91-95 (2004))、自己免疫性ニューロパチー(Pestronk 等, J. Neurol. Neurosurg. Psychiatry 74:485-489 (2003))、腫瘍随伴性眼球クローヌス-筋クローヌス症候群(Pranzatelli 等 Neurology 60(Suppl. 1) PO5.128:A395 (2003))、及び再発性多発性硬化症(RRMS)の徴候及び症状を潜在的に軽減することが報告されている。Cross 等 (abstract) 「Preliminary Results from a Phase II Trial of Rituximab in MS」 Eighth Annual Meeting of the Americas Committees for Research and Treatment in Multiple Sclerosis, 20-21 (2003)。
第II相研究(WA16291)を関節リウマチ(RA)患者で行い、リツキシマブの安全性及び有効性に関する48週フォローアップデータを得ている。Emery 等 Arthritis Rheum 48(9): S439 (2003);Szczepanski 等 Arthritis Rheum 48(9): S121 (2003)。合計161人の患者は、4つの治療アームについて均等にランダム化した:メトトレキセート、リツキシマブ単独、リツキシマブとメトトレキセート、及びリツキシマブとシクロホスファミド(CTX)。リツキシマブの治療投薬計画は、第1日目と第15日目に1gを静脈内に投与された。ほとんどのRA患者はリツキシマブを注入すると、十分な耐性となり、初めの注入の間でさえ少なくとも一の有害症状を経験するものは36%に上る(これに対してプラシーボ投与患者は30%)。概して、大多数の有害症状は、重症度が軽度から中程度のものであると考えられ、すべての治療群全体で等しかった。48週間の4アーム全体の中に合計19の重度の有害症状があった。それはリツキシマブ/CTX群においてわずかに頻度が多かった。感染の発病は、すべての群全体で等しかった。このRA患者集団の深刻な感染の平均率は年間100患者につき4.66であった。それは地域に密着した疫学研究で報告されたRA患者の入院を必要とする感染率より低い(年間100患者につき9.57)。Doran 等, Arthritis Rheum. 46:2287-2293 (2002)。
少数の自己免疫神経障害(Pestronk等, 上掲)、眼球クローヌス-筋クローヌス症候群(Pranzatelli 等, 上掲)及びRRMS (Cross 等, 上掲))を含む神経病患者におけるリツキシマブの報告された安全特性は、腫瘍学又はRAにおいて報告されたものと同じであった。RRMS患者においてインターフェロンβ(IFN-β)又は酢酸グラチラマー(glatiramer acetate)と組み合わせたリツキシマブの現行の研究者主導試験(investigator-sponsored trial, IST)(Cross 等, 上掲)では、10人の治療された患者のうちの1人はリツキシマブの第一注入の後に中程度の熱と悪寒を経験し、一晩観察のために病院に入院したが、その他の9人の患者は有害症状を報告することなく4の注入投薬計画を終えた。
CD20抗体及びCD20結合分子に関する特許及び特許文献には、米国特許第 5,776,456号、同第5,736,137号、同第5,843,439号、同第6,399,061号及び同第6,682,734号、並びに米国公開特許2002/0197255、米国公開特許2003/0021781、米国公開特許2003/0082172、米国公開特許2003/0095963、米国公開特許2003/0147885 (Anderson 等);米国特許第 6,455,043号、米国公開特許2003/0026804及び国際公報2000/09160 (Grillo-Lopez, A.);国際公報2000/27428 (Grillo-Lopez及びWhite);国際公報2000/27433 および米国特許第2004/0213784 (Grillo-Lopez及びLeonard);国際公報2000/44788 (Braslawsky 等);国際公報2001/10462 (Rastetter, W.);国際公報01/10461 (Rastetter及びWhite);国際公報2001/10460 (White及びGrillo-Lopez);米国公開特許2001/0018041、米国公開特許2003/0180292、国際公報2001/34194 (Hanna及びHariharan);米国公開特許2002/0006404及び国際公報2002/04021 (Hanna及びHariharan);米国公開特許2002/0012665及び国際公報2001/74388 (Hanna, N.);米国公開特許2002/0058029 (Hanna, N.);米国公開特許2003/0103971 (Hariharan及びHanna);米国公開特許2002/0009444及び国際公報2001/80884 (Grillo-Lopez, A.);国際公報2001/97858 (White, C.);米国公開特許2002/0128488及び国際公報2002/34790 (Reff, M.);国際公報2002/060955 (Braslawsky 等);国際公報2002/096948 (Braslawsky 等);国際公報2002/079255 (Reff及びDavies);米国特許第 6,171,586号及び国際公報1998/56418 (Lam 等);国際公報1998/58964 (Raju, S.);国際公報1999/22764 (Raju, S.);国際公報1999/51642、米国特許第 6,194,551号、米国特許第 6,242,195号、米国特許第 6,528,624号及び米国特許第 6,538,124 号(Idusogie 等);国際公報2000/42072 (Presta, L.);国際公報2000/67796 (Curd 等);国際公報2001/03734 (Grillo-Lopez 等);米国公開特許2002/0004587及び国際公報2001/77342 (Miller及びPresta);米国公開特許2002/0197256 (Grewal, I.);米国公開特許2003/0157108 (Presta, L.);国際公報04/056312 (Lowman 等);米国公開特許2004/0202658および国際公報2004/091657 (Benyunes, K.);国際公報2005/000351 (Chan, A.);米国公開特許2005/0032130A1 (Beresini 等);米国公開特許2005/0053602A1 (Brunetta, P.);米国特許第 6,565,827号、同第6,090,365号、同第6,287,537号、同第6,015,542号、同第5,843,398号、及び同第5,595,721号、(Kaminski 等);米国特許第 5,500,362号、同第5,677,180号、同第5,721,108号、同第6,120,767号、及び同第6,652,852号 (Robinson 等);米国特許第6,410,391号 (Raubitschek 等);米国特許第 6,224,866号及び国際公報00/20864 (Barbera-Guillem, E.);国際公報2001/13945 (Barbera-Guillem, E.);国際公報2000/67795 (Goldenberg);米国公開特許2003/0133930及び国際公報2000/74718 (Goldenberg及びHansen);米国公開特許2003/0219433及び国際公報2003/68821 (Hansen 等);国際公報2004/058298 (Goldenberg及びHansen);国際公報2000/76542 (Golay 等);国際公報2001/72333 (Wolin及びRosenblatt);米国特許第 6,368,596 号(Ghetie 等);米国特許第 6,306,393号及び米国公開特許2002/0041847 (Goldenberg, D.);米国公開特許2003/0026801 (Weiner及びHartmann);国際公報2002/102312 (Engleman, E.);米国公開特許2003/0068664 (Albitar 等);国際公報2003/002607 (Leung, S.);国際公報2003/049694、米国公開特許2002/0009427、及び米国公開特許2003/0185796 (Wolin 等);国際公報2003/061694 (Sing及びSiegall);米国公開特許2003/0219818 (Bohen 等);米国公開特許2003/0219433及び国際公報2003/068821 (Hansen 等);米国公開特許2003/0219818 (Bohen 等);米国公開特許2002/0136719 (Shenoy 等);国際公報2004/032828 (Wahl 等);及び国際公報2002/56910 (Hayden-Ledbetter)が含まれる。また、米国特許第 5,849,898号及び欧州特許第330,191号 (Seed 等);欧州特許第332,865号A2 (Meyer及びWeiss);米国特許第 4,861,579号 (Meyer 等); 米国公開特許2001/0056066 (Bugelski 等);国際公報1995/03770 (Bhat 等);米国公開特許2003/0219433 A1 (Hansen 等);国際公報2004/035607 (Teeling 等);米国公開特許2004/0093621 (Shitara 等);国際公報2004/103404 (Watkins 等);国際公報2005/000901(Tedder 等);米国公開特許2005/0025764 (Watkins 等);国際公報2005/016969 および2005/0069545 A1 (Carr 等);国際公報2005/014618 (Chang 等);米国公開特許2005/0079174 (Barbera-GuillemおよびNelson);および米国公開特許2005/0106108 (LeungおよびHansen)が含まれる。これらのあるものはとりわけ狼瘡の治療を包含する。
リツキシマブを用いた治療に関する文献には、Perotta及びAbuel, 「Response of chronic relapsing ITP of 10 years duration to rituximab」 Abstract # 3360 Blood 10(1)(part 1-2): p. 88B (1998);Perotta 等, 「Rituxan in the treatment of chronic idiopathic thrombocytopaenic purpura (ITP)」, Blood, 94: 49 (abstract) (1999);Matthews, R., 「Medical Heretics」 New Scientist (7 April, 2001);Leandro 等, 「Clinical outcome in 22 patients with rheumatoid arthritis treated with B lymphocyte depletion」 Ann Rheum Dis, 上掲;Leandro 等, 「Lymphocyte depletion in rheumatoid arthritis: early evidence for safety, efficacy and dose response」 Arthritis and Rheumatism 44(9): S370 (2001);Leandro 等, 「An open study of B lymphocyte depletion in systemic lupus erythematosus」, Arthritis and Rheumatism, 46:2673-2677 (2002)、この中では2週間の期間に各患者はリツキシマブ500mgの2回投与、シクロフォスファミド750mgの2回投与、及び高用量経口副腎皮質ステロイドを受け、この治療患者のうち2人はそれぞれ7か月目と8か月目に再発し、異なるプロトコールで再治療されている;「Successful long-term treatment of systemic lupus erythematosus with rituximab maintenance therapy」 Weide 等, Lupus, 12: 779-782 (2003)、この中ではある患者はリツキシマブ(375mg/m2×4回、1週間間隔で繰り返す)で治療を受け、更に5〜6か月ごとにリツキシマブを適用し、次いで維持療法として3か月ごとに375mg/m2のリツキシマブ投与をした、他方、難治性SLE患者はリツキシマブで成功裏に治療され、維持療法を3か月ごとに受けている、両患者はリツキシマブ療法によく応答している;Edwards及びCambridge, 「Sustained improvement in rheumatoid arthritis following a protocol designed to deplete B lymphocytes」 Rheumatology 40:205-211 (2001);Cambridge 等, 「B lymphocyte depletion in patients with rheumatoid arthritis: serial studies of immunological parameters」 Arthritis Rheum., 46 (Suppl. 9): S1350 (2002);Edwards 等, 「B-lymphocyte depletion therapy in rheumatoid arthritis and other autoimmune disorders」 Biochem Soc. 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抗CD20抗体を用いた狼瘡の治療に関しては、例として、 「B lymphocyte depletion in the treatment of systemic lupus (SLE): Phase I/II trial of rituximab (Rituxan (R)) in SLE」 Anolik 等, Arthritis And Rheumatism, 46/9: S289-S289 (September 2002);「A phase I trial of rituximab (anti-CD20) for treatment of systemic lupus erythematosus」 Albert 等, Arthritis And Rheumatism, 48 (12): 3659-3659 (December 2003);「B cell depletion in autoimmune disease」 Gorman 等 Arthritis Research and Therapy, 5/SUPPL. 4: S17-S21 (2003);「B-cell repopulation occurs mainly from naive B cells in patients with rheumatoid arthritis and systemic lupus erythematosus treated with rituximab」 Leandro 等Arthritis And Rheumatism 48(9): S464-S464 (September 2003);「Rituximab: expanding role in therapy for lymphomas and autoimmune diseases」 Rastetter 等 Annual review of medicine 55, p477-503 (2004);「B-cell biology」 Weinstein 等 Rheumatic Disease Clinics of North America 30/1 (159-174) (2004);「Treatment of refractory autoimmune diseases with ablative immunotherapy」 Cohen and Nagler, Autoimmunity Reviews, 3 (2), p21-9 (Feb 2004);「A Phase I trial of B-cell depletion with anti-CD20 monoclonal antibody (rituximab) in the treatment of systemic lupus erythematosus」 Eisenberg 等, Arthritis Res Ther 5/3, page: S9-S10 (2003);「Recent Advances in the Pathogenesis of Lupus Nephritis: Autoantibodies and B Cells」 Su and Madaio, Seminars in Nephrology, 23/6: 564-568 (2003);「Management of refractory systemic rheumatic diseases」 Houssiau Acta Clinica Belgica, 58/5: 314-317 (2003);「Novel therapies in pediatric rheumatic diseases」 Chira and Sandborg Current Opinion in Pediatrics 15/6: 579-585 (2003);「B lymphocytes contribute to autoimmune disease pathogenesis: Current trends and clinical implications」 Tuscano 等 Autoimmunity Reviews 2/2: 101-108 (2003);「The annual European Congress of Rheumatology: Recent advances in the treatment of rheumatic diseases」 Hellmich and Gross, Expert Opinion on Investigational Drug, 12/10: 1713-1719 (2003);「Antibodies as therapeutic agents: Vive la renaissance!」 Stockwin and Holmes, Expert Opinion on Biological Therapy 3/7: 1133-1152 (2003);「Successful treatment with anti-CD20 monoclonal antibody (rituximab) of life-threatening refractory systemic lupus erythematosus with renal and central nervous system involvement」 Saito 等 Lupus, 12/10: 798-800 (2003);「Rituximab therapy for multisystem autoimmune diseases in pediatric patients」 Binstadt 等 Journal Of Pediatrics, 143/5: 598-604 (November 2003);「Cytokines in systemic lupus erythematosus」 Rahman Arthritis Res Ther, 5/4 (160-164) (2003);「Rituximab in lupus」 Eisenberg Arthritis Res Ther, 5/4、上掲;「Antibody therapy for rheumatoid arthritis」 Taylor Current Opinion in Pharmacology 3/3:323-328 (2003);「Molecular differences in anticytokine therapies」 Calabrese, Clinical and Experimental Rheumatology 21/2: 241-248 (2003);「Lupus pregnancy」 Lockshin and Sammaritano, Autoimmunity, 36/1: 33-40 (2003);「BAFF: B cell survival factor and emerging therapeutic target for autoimmune disorders」 Kalled 等 Expert Opinion on Therapeutic Targets 7/1: 115-123 (2003) 「Upcoming biologic agents for the treatment of rheumatic diseases」 Shanahan 等 Current Opinion In Rheumatology, 15 (3): 226-236 (May 2003);「B cells as a therapeutic target in autoimmune disease」 Goronzy and Weyand Arthritis Research & Therapy, 5(3): 131-135 (2003);「Remission of refractory lupus nephritis with a protocol including rituximab」 Fra 等 Lupus, 12 (10): 783-7 (2003);「B cell depletion therapy in systemic lupus erythematosus」 Anolik 等 Current rheumatology reports, 5, (5), p350-356 (Oct 2003);「A prospective, open label trial of B-cell depletion with rituximab in refractory systemic lupus erythematosus」 Smith and Jayne, Journal of the American Society of Nephrology, Volume: 14 , Number: Abstracts Issue , Page: 380A , November 2003 , Conference: Meeting of the American Society of Nephrology Renal Week , San Diego, CA, USA , November 12-17 2003; 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Rheumat., 52 (2): 501-513 (2005) および、2005年3月4日のthe 6th European Lupus MeetingにてD. Isenbergにより提示された、7患者の再治療についてのスライド38を含む 「B Cell Deletion in SLE」も参照のこと。
狼瘡に悩む人、例えばループス腎炎の臨床症状を示すSLE患者およびループス腎炎患者は、最終的に腎不全に至る組織障害を緩和させ、症状によって必要となる慢性的な血液透析および/または腎移植を緩和させるような費用効率がよく安全な治療を必要としている。
(発明の概要)
本発明は、SLEおよびループス腎炎などの狼瘡を有する被検体の安全で有効な治療投薬計画を提供するCD20抗体の用量選択を少なくとも一部に包含する。したがって、本発明は特許請求の通りである。第一の態様では、本発明は、被検体の狼瘡の治療方法であって、有効量のCD20抗体を被検体に投与しておよそ0.5から4グラムの初回抗体曝露の後、およそ0.5から4グラムの第二抗体曝露を供給することを含み、該第二の曝露が初回曝露からおよそ16から54週まで供給されるものでなく、それぞれの抗体曝露が単回抗体用量としてないしは2又は3の複数回抗体用量として被検体に供給されるものである方法に関する。
この第一の態様のある実施態様では、第二の薬剤初回曝露および/またはそれ以降の曝露とともに投与されるものであり、ここで、CD20抗体が第一の薬剤である。好適な実施態様では、第二の薬剤が、化学療法剤、免疫抑制剤、抗マラリア剤、細胞障害性剤、インテグリンアンタゴニスト、サイトカインアンタゴニスト、又はホルモンである。より好適な実施態様では、第二の薬剤が、免疫抑制剤、抗マラリア剤又は化学療法剤である。他の好適な実施態様では、免疫抑制剤、抗マラリア剤又は化学療法剤が初回曝露とともに投与される。他の実施態様では、第二の曝露および/またはその後の曝露および/または初回曝露とともに、および好ましくはすべての曝露とともに投与される。更なる好適な実施態様では、副腎皮質ステロイド、ヒドロキシクロロキン、クロロキン、キナクリン、メトトレキセート、シクロホスファミド、アザチオプリン、ミコフェノール酸モフェチル又は6‐メルカプトプリンが投与される。他の態様では、免疫抑制剤、抗マラリア剤又は化学療法剤が、第二の曝露とともに投与されない、ないしは初回曝露とともに用いられるより低い用量で投与される。この方法では、被検体はCD20抗体によって以前に治療されたことがないことが好ましい。
他の実施態様では、CD20抗体以外の薬剤が狼瘡治療のために前記被検体に投与されない。
他の好適な実施態様では、前記被検体が、浸潤性CD20細胞、抗核抗体(ANA)、抗二本鎖DNA(dsDNA)抗体、抗Sm抗体、抗核リボヌクレオタンパク質抗体、抗リン脂質抗体、抗リボソームP抗体、抗Ro/SS-A抗体、抗Ro抗体又は抗La抗体、あるいはこれら細胞ないしは抗体の2以上の組合せの濃度が亢進している。
さらに、本発明は、
(a) CD20抗体を包含する容器;および
(b) 被検体の狼瘡を治療するための指示を有するパッケージ挿入物を含んでなる製造品であって、該指示が、およそ0.5から4グラムの初回抗体曝露の後におよそ0.5から4グラムの第二抗体曝露を供給するために有効な抗体の被検体への投与量を示すものであり、該第二曝露は初回曝露からおよそ16から54週までに供給されず、それぞれの抗体曝露が単回抗体用量としてないしは2又は3の複数回抗体用量として被検体に供給されるものである、製造品を提供する。
本明細書中の発明は、狼瘡患者を治療するための必要量を超えるCD20抗体を減少ないしは最小限にする用量および投薬計画に関する。また、本明細書中の発明は、被検体の通常の標準治療である免疫抑制剤、抗マラリア剤又は化学療法剤の同時投与、事前投与または事後投与の必要性を低減、最小限化ないしは排除して、できるだけそれら標準治療の副作用を回避し、並びに費用の低減と時間的利便性などの利便性を増大することが好ましい。しかしながら、本発明はこのような併用治療の使用も考慮に入れる。
(好ましい実施態様の詳細な説明)
I.定義
本明細書中の「狼瘡」とは、結合組織を攻撃する抗体を伴う自己免疫性疾患または疾病である。狼瘡の主な種類は、全身性のもの、全身性エリテマトーデス(SLE)、例えば皮膚性SLEおよび亜急性皮膚性SLE、並びに狼瘡の他の種類(腎炎、腎外、脳炎、小児性、非腎性、円板状、および脱毛症を含む)である。
「B細胞」は骨髄内で成熟するリンパ球であり、ナイーブB細胞、メモリーB細胞、又はエフェクターB細胞(プラズマ細胞)などがある。本明細書中のB細胞は正常又は非悪性のB細胞でもよい。
ここで「B細胞表面上マーカー」又は「B細胞表面上抗原」とは、B細胞の表面上に発現する抗原であり、それに結合するアンタゴニストの標的となることができる。例示的B細胞表面上マーカーには、CD10、CD19、CD20、CD21、CD22、CD23、CD24、CD37、CD40、CD53、CD72、CD73、CD74、CDw75、CDw76、CD77、CDw78、CD79a、CD79b、CD80、CD81、CD82、CD83、CDw84、CD85及びCD86白血球表面上マーカーが含まれる。(詳しくは、The Leukocyte Antigen Facts Book, 2nd Edition. 1997, 編集. Barclay 等 Academic Press, Harcourt Brace & Co., New Yorkを参照)。他のB細胞表面上マーカーには、RP105、FcRH2、B細胞CR2、CCR6、P2X5、HLA-DOB、CXCR5、FCER2、BR3、Btig、NAG14、SLGC16270、FcRH1、IRTA2、ATWD578、FcRH3、IRTA1、FcRH6、BCMA、及び239287などがある。特に対象とするB細胞表面上マーカーは、哺乳動物の他の非B細胞組織と比較してB細胞上に優先的に発現しており、B細胞前駆細胞及び成熟B細胞の両方の細胞上に発現していてもよい。本明細書中で好適なB細胞表面上マーカーはCD20およびCD22である。
「CD20」抗原又は「CD20」は、末梢血又はリンパ系器官に由来するB細胞の90%以上の表面にみられるおよそ35kDaの非グルコシル化リンタンパク質である。CD20は正常B細胞だけでなく悪性のB細胞上にも存在し、幹細胞には発現しない。CD20を意味する文献中での他の名称には、「Bリンパ球限定抗原(B-lymphocyte-restricted antigen)」及び「Bp35」などがある。CD20抗原は、例としてClark等 PNAS (USA) 82:1766 (1985)に記載されている。
BL-CAM又はLyb8としても知られる「CD22」抗原又は「CD22」は、およそ130kD(還元型)から140kD(非還元型)の分子量を有するタイプ1完全膜糖タンパク質である。それはBリンパ球の細胞質及び細胞膜に発現される。CD22抗原は、B細胞リンパ球分化の初めにCD19抗原とおよそ同じ段階で現れる。他のB細胞マーカーと異なり、CD22膜発現は成熟B細胞(CD22+)とプラズマ細胞(CD22−)の間の後期分化段階に限定される。CD22抗原は、例えば、Wilson 等 J. Exp. Med. 173: 137 (1991)及びWilson 等 J. Immunol. 150:5013 (1993)において記述されている。
本明細書中の「抗体アンタゴニスト」とは、B細胞上のB細胞表面マーカーに結合することによって哺乳動物のB細胞を破壊又は枯渇させる、及び/又は一以上のB細胞機能を妨げる、例えば、B細胞に誘導される体液性反応を低減又は阻害する抗体である。好ましくは、抗体アンタゴニストは、それによって治療する哺乳動物のB細胞を枯渇する(すなわち、循環中のB細胞レベルを下げる)ことができる。そのような枯渇は、抗体依存性細胞媒介性細胞障害(ADCC)及び/又は補体依存性細胞障害(CDC)、B細胞増殖の阻害及び/又はB細胞死の誘導(例えば、アポトーシスを介する)等の多様な機能を介して達成されるであろう。
ここで「抗体」なる用語は、広い意味で用いられ、特にモノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、少なくとも2つの完全な抗体から形成した多特異性抗体(例えば、二重特異性抗体)、及び所望の生物学的活性を有する限りにおける抗体断片の範囲にわたる。
「抗体断片」は、完全な抗体の一部、好ましくはその抗原結合領域を含む。抗体断片の例には、Fab、Fab’、F(ab’)及びFv断片;ダイアボディ;線形抗体;一本鎖抗体分子;及び抗体断片から形成された多特異性抗体が含まれる。
本明細書中の目的では、「完全な抗体」とは重鎖と軽鎖の可変ドメイン並びにFc領域を含有してなるものである。
「B細胞表面マーカーに結合する抗体」とは、B細胞表面マーカーに結合することによって哺乳動物のB細胞を破壊又は枯渇させる、及び/又は一以上のB細胞機能を妨げる、例えば、B細胞に誘導される体液性反応を低減又は阻害する分子である。好ましくは、抗体は、それによって治療する哺乳動物のB細胞を枯渇する(すなわち、循環中のB細胞レベルを下げる)ことができる。そのような枯渇は、ADCC及び/又はCDC、B細胞増殖の阻害及び/又はB細胞死の誘導(例えば、アポトーシスを介する)等の多様な機能を介して達成されるであろう。好ましくは、B細胞表面マーカーはCD20であり、B細胞表面マーカーに結合する抗体はCD20に結合する抗体、または「CD20抗体」である。
CD20抗体の例には以下のものが含まれる:現在では「リツキシマブ」(「リツキサン(登録商標)」)と呼称される「C2B8」(米国特許第5,736,137号);「Y2B8」又は「Ibritumomab Tiuxetan」ゼバリン(登録商標)と命名されるイットリウム-[90]-標識2B8マウス抗体、IDEC Pharmaceuticals, Inc.から市販(米国特許第5,736,137号;1993年6月22日に受託番号HB11388としてATCCに寄託された2B8);場合によっては「131I-B1」またはCorixaから市販の「ヨードI131 Tositumomab」抗体(BEXXARTM)を生成するために131Iで標識した「Tositumomab」とも呼称されるマウスIgG2a「B1」(米国特許第5,595,721号も参照のこと);マウスモノクローナル抗体「1F5」(Press等 Blood 69(2):584-591 (1987)及びそれらの変異体、例として「フレームワークパッチ」又はヒト化1F5(国際公報03/002607, Leung, S;ATCC寄託番号HB-96450);マウス2H7及びキメラ2H7抗体(米国特許第5,677,180号);ヒト化2H7;huMax-CD20TM抗体(Genmab, Denmark);国際公報2004/035607(Teeling 等)に記載のヒトモノクローナル抗体;AME-133TM抗体(Applied Molecular Evolution);キメラ又はヒト化A20抗体(それぞれcA20、hA20)などのA20抗体又はその変異形(米国公開番号2003/0219433、免疫医学);及びInternational Leukocyte Typing Workshopより入手のモノクローナル抗体L27、G28-2、93-1B3、B-C1又はNU-B2(Valentine等, Leukocyte Typing III (McMichael, 編集, 440頁, Oxford University Press (1987))。
ここで言う「リツキシマブ」又は「リツキサン(登録商標)」なる用語は、CD20抗原に対する一般的に遺伝学的に操作したキメラのマウス/ヒトモノクローナル抗体を指し、米国特許第5,736,137号では「C2B8」と命名されるものであり、CD20を結合する能力を保持する該抗体の断片を含みうる。
単に本願明細書中の目的のために、特別に明記しなければ、「ヒト化2H7」は、ヒト化CD20抗体又はその抗原結合断片を意味し、該抗体がインビボで霊長類のB細胞を枯渇させる効果を有し、該抗体はそのH鎖可変領域(V)に抗ヒトCD20抗体由来の配列番号:12(図1B)に記載の少なくとも1のCDRH3配列と実質的なヒト重鎖サブグループIII(VIII)のヒトコンセンサスフレームワーク(FR)残基を有するものである。好ましい実施態様では、更に、この抗体は配列番号:10のH鎖CDRH1配列及び配列番号:11のCDRH2配列を含んでなるもの、より好ましくは更に、配列番号:4のL鎖CDRL1配列、配列番号:5のL鎖CDRL2配列、配列番号:6のL鎖CDRL3配列及び実質的にヒト軽鎖κサブグループI(VκI)のヒトコンセンサスフレームワーク(FR)残基を含有してなるものであり、この抗体のV領域はヒトIgG鎖定常領域に結合されていてもよく、該領域は、例えばIgG1又はIgG3であってもよい。好ましい実施態様では、このような抗体は配列番号:8のV配列(図1Bのv16)を含有するもの、場合によってはまた、配列番号:2のV配列(図1Aのv16)を含有するものであり、それはH鎖内にD56A及びN100Aのアミノ酸置換とL鎖内にS92Aのアミノ酸置換を含有してもよい(v.96)。好ましくは、抗体は、図2及び図3のそれぞれに示す配列番号:13及び配列番号:14の軽鎖及び重鎖のアミノ酸配列を有する完全な抗体である。他の好ましい実施態様は、抗体が、図2及び図4のそれぞれに示す配列番号:13及び配列番号:15の軽鎖及び重鎖のアミノ酸配列を有する2H7.v31である。本願明細書中の抗体は、ADCC及び/又はCDC活性が改良される、少なくとも1のアミノ酸置換をFc領域内に含有するものであり、S298A/E333A/K334Aのアミノ酸置換を有するものであり、より好ましくは、配列番号:15(図4に示す)の重鎖アミノ酸配列を有する2H7.v31でもよい。これらの抗体の何れかは更に、CDC活性を低減するようにFc領域内に少なくとも1のアミノ酸置換を含有し、例えば少なくとも置換K322Aを少なくとも含む。米国特許第6,528,624号B1(Idusogie 等)を参照のこと。
好適なヒト化2H7は可変軽鎖配列:
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCRASSSVSYMHWYQQKPGKAPKPLIYAPSNLASGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQQWSFNPPTFGQGTKVEIKR (配列番号:2);
と、可変重鎖配列:
EVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGYTFTSYNMHWVRQAPGKGLEWVGAIYPGNGDTSYNQKFKGRFTISVDKSKNTLYLQMNSLRAEDTAVYYCARVVYYSNSYWYFDVWGQGTLVTVSS (配列番号:8)
を含有する完全な抗体ないしは抗体断片である。
ヒト化2H7抗体が完全な抗体である場合、軽鎖アミノ酸配列:
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCRASSSVSYMHWYQQKPGKAPKPLIYAPSNLASGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQQWSFNPPTFGQGTKVEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC (配列番号:13);
と、重鎖アミノ酸配列:
EVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGYTFTSYNMHWVRQAPGKGLEWVGAIYPGNGDTSYNQKFKGRFTISVDKSKNTLYLQMNSLRAEDTAVYYCARVVYYSNSYWYFDVWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK (配列番号:14)
又は、重鎖アミノ酸配列:
EVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGYTFTSYNMHWVRQAPGKGLEWVGAIYPGNGDTSYNQKFKGRFTISVDKSKNTLYLQMNSLRAEDTAVYYCARVVYYSNSYWYFDVWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNATYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIAATISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK (配列番号:15)
を含有するのが好ましい。
本発明の好適な実施態様では、2H7バージョン16に基づく変異形のV領域は、以下の表に示すアミノ酸置換の位置以外はv16のアミノ酸配列であるだろう。特に明記しない限りは、2H7変異形はv16のL鎖と同じである。
Figure 2008501706
「抗体依存性細胞媒介性細胞障害」または「ADCC」は、Fcレセプター(FcR)を発現する非特異的細胞障害性細胞(例えば、ナチュラルキラー(NK)細胞、好中球、及びマクロファージ)が標的細胞上の結合した抗体を認識し、続いて標的細胞を溶解する細胞媒介性反応を指す。ADCCを媒介する一次細胞であるNK細胞は、FcγRIIIのみを発現する一方、単球はFcγRI、FcγRII及びFcγRIIIを発現する。造血性細胞でのFcRの発現は、Ravetch及びKinet, Annu.Rev.Immunol., 9:457-92(1991)の464頁の表3に要約されている。対象分子のADCC活性を評価するためには、米国特許第5500362号又は第5821337号に記載されているようなインビトロADCCアッセイが実施されうる。そのようなアッセイのための有用なエフェクター細胞は、末梢血単核細胞(PBMC)及びナチュラルキラー(NK)細胞を含む。あるいは、又は付加的に、対象分子のADCC活性は、例えばClynes等 .PNAS(USA), 95:652-656(1998)に開示されたような動物モデルにおいて、インビボで評価されてもよい。
「ヒトエフェクター細胞」とは、1つ又は複数のFcRsを発現し、エフェクター機能を実行する白血球のことである。好ましくは、その細胞が少なくともFcγRIIIを発現し、ADCCエフェクター機能を実行する。ADCCを媒介するヒト白血球の例として、末梢血単核細胞(PBMC)、ナチュラルキラー(NK)細胞、単球、細胞障害性T細胞及び好中球が含まれるが、PBMCとNK細胞が好適である。
「Fcレセプター」および「FcR」は、抗体のFc領域に結合するレセプターを表す。好適なFcRは、天然配列ヒトFcRである。さらに好適なFcRは、IgG抗体(γレセプター)に結合し、FcγRI、FcγRII及びFcγRIIIサブクラスのレセプターを含むものであり、これらのレセプターの対立遺伝子変異体及び選択的スプライシング型を含む。FcγRIIレセプターは、FcγRIIA(「活性化レセプター」)及びFcγRIIB(「阻害レセプター」)を含み、それらは、主としてその細胞質ドメインにおいて異なる類似のアミノ酸配列を有する。活性化レセプターFcγRIIAは、その細胞質ドメインに、免疫レセプターチロシン−ベース活性化モチーフ(ITAM)を有する。阻害レセプターFcγRIIBは、その細胞質ドメインに、免疫レセプターチロシン−ベース阻害モチーフ(ITIM)を有する(Daeron, Annu. Rev. Immunol., 15:203-234(1997)参照)。FcRはRavetch及びKinet, Annu. Rev. Immunol 9:457-92 (1991);Capelら, Immunomethods 4:25-34 (1994);及びde Haasら, J. Lab. Clin. Med. 126:330-41 (1995)において概説されている。将来同定されるものも含め、他のFcRもここにおける「FcR」なる用語によって包含される。この用語は胎児への母性IgGの移動の原因である新生児レセプター、FcRnもまた含む(Guyerら, J. Immumol. 117:587 (1976)及びKimら, J. Immunol. 24:249 (1994))。
「補体依存性細胞障害」もしくは「CDC」は、補体の存在下で標的を溶解することを意味する。補体活性化経路は補体系(Clq)の第1補体が、同族抗原と結合した分子(例えば、抗体)に結合することにより開始される。補体の活性化を評価するために、CDCアッセイを、例えばGazzano-Santoro等, J. Immunol. Methods 202:163 (1996)に記載されているように実施することができる。
「成長阻害」抗体は、抗体が結合する抗原を発現している細胞の増殖を阻害又は低減するものである。例えば、アンタゴニストはインビトロ及び/又はインビボでのB細胞の増殖を阻害又は低減しうる。
「アポトーシスを誘導する」抗体とは、標準的なアポトーシスアッセイにより測定できるようなB細胞などのプログラム細胞死、例えば、アネキシンVの結合、DNA断片化、細胞収縮、小胞体の肥大、細胞断片化、及び/又は膜小嚢の形成(アポトーシス体と呼称)を誘導するものである。
「天然抗体」は、通常、2つの同一の軽(L)鎖及び2つの同一の重(H)鎖からなる、約150,000ダルトンのヘテロ四量体糖タンパク質である。各軽鎖は一つの共有ジスルフィド結合により重鎖に結合しており、ジスルフィド結合の数は、異なった免疫グロブリンアイソタイプの重鎖の中で変化する。また各重鎖と軽鎖は、規則的に離間した鎖間ジスルフィド結合を有している。各重鎖は、多くの定常ドメインが続く可変ドメイン(V)を一端に有する。各軽鎖は、一端に可変ドメイン(V)を、他端に定常ドメインを有する;軽鎖の定常ドメインは重鎖の第一定常ドメインと整列し、軽鎖の可変ドメインは重鎖の可変ドメインと整列している。特定のアミノ酸残基が、軽鎖及び重鎖可変ドメイン間の界面を形成すると考えられている。
「可変」という用語は、可変ドメインのある部位が、抗体の中で配列が広範囲に異なっており、その特定の抗原に対する各特定の抗体の結合性及び特異性に使用されているという事実を意味する。しかしながら、可変性は抗体の可変ドメインにわたって一様には分布していない。軽鎖及び重鎖の可変ドメインの両方の高頻度可変領域と呼ばれる3つのセグメントに濃縮される。可変ドメインのより高度に保持された部分はフレームワーク領域(FR)と呼ばれる。天然の重鎖及び軽鎖の可変ドメインは、βシート構造を結合し、ある場合にはその一部を形成するループ結合を形成する、3つの高頻度可変領域により連結されたβシート配置を主にとる4つのFRをそれぞれ含んでいる。各鎖の高頻度可変領域は、FRによって近接して結合され、他の鎖の高頻度可変領域と共に、抗体の抗原結合部位の形成に寄与している(Kabatら, Sequence of Proteins ofImmunological Interest, 5th Ed. Public Health Service, National Institutes of Health, BEthesda, MD. (1991))。定常ドメインは、抗体の抗原への結合に直接関連しているものではないが、種々のエフェクター機能、例えばADCCへの抗体の関与を示す。
抗体のパパイン消化は、「Fab」断片と呼ばれる2つの同一の抗体結合断片を生成し、その各々は単一の抗原結合部位を持ち、残りは容易に結晶化する能力を反映して「Fc」断片と命名される。ペプシン処理はF(ab')断片を生じ、それは2つの抗原結合部位を持ち、抗原を交差結合することができる。
「Fv」は、完全な抗原認識及び抗原結合部位を含む最小抗体断片である。この領域は、堅固な非共有結合をなした一つの重鎖及び一つの軽鎖可変ドメインの二量体からなる。この配置において、各可変ドメインの3つの高頻度可変領域は相互に作用してV-V二量体表面に抗原結合部位を形成する。集合的に、6つの高頻度可変領域が抗体に抗原結合特異性を付与する。しかし、単一の可変ドメイン(又は抗原に対して特異的な3つの高頻度可変領域のみを含むFvの半分)でさえ、全結合部位よりも親和性が低くなるが、抗原を認識して結合する能力を有している。
またFab断片は、軽鎖の定常ドメインと重鎖の第一定常領域(CH1)を有する。Fab'断片は、抗体ヒンジ領域からの一又は複数のシステインを含む重鎖CH1領域のカルボキシ末端に数個の残基が付加している点でFab断片とは異なる。Fab'-SHは、定常ドメインのシステイン残基が少なくとも一つの遊離チオール基を担持しているFab'に対するここでの命名である。F(ab')抗体断片は、間にヒンジシステインを有するFab'断片の対として生産された。また、抗体断片の他の化学結合も知られている。
任意の脊椎動物種からの抗体(イムノグロブリン)の「軽鎖」には、その定常ドメインのアミノ酸配列に基づいて、カッパ(κ)及びラムダ(λ)と呼ばれる2つの明確に区別される型の一つが割り当てられる。
抗体の重鎖の定常ドメインのアミノ酸配列に基づいて、抗体は異なるクラスが割り当てられる。完全な抗体には5つの主なクラスがある:IgA、IgD、IgE、IgG及びIgM、更にそれらは、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA、及びIgA2等のサブクラス(イソ型)に分かれる。抗体の異なるクラスに対応する重鎖定常ドメインはそれぞれα、δ、ε、γ、及びμと呼ばれる。イムノグロブリンの異なるクラスのサブユニット構造及び三次元立体配位はよく知られている。
「一本鎖Fv」又は「scFv」抗体断片は、抗体のV及びVドメインを含み、これらのドメインは単一のポリペプチド鎖に存在する。好ましくは、FvポリペプチドはV及びVドメイン間にポリペプチドリンカーを更に含み、それはscFvが抗原結合に望まれる構造を形成するのを可能にする。scFvの概説については、The Pharmacology of Monoclonal Antibodies, vol. 113, Rosenburg及びMoore編, Springer-Verlag, New York, pp. 269-315 (1994)のPluckthunを参照のこと。
「ダイアボディ」なる用語は、二つの抗原結合部位を持つ小さい抗体断片を指し、その断片は同一のポリペプチド鎖(V−V)内で軽鎖可変ドメイン(V)に重鎖可変ドメイン(V)が結合してなる。非常に短いために同一鎖上で二つのドメインの対形成が可能であるリンカーを使用して、ドメインを他の鎖の相補ドメインと強制的に対形成させ、二つの抗原結合部位を創製する。ダイアボディーは、例えば、EP404,097;WO93/11161;及びHollingerら, Proc.Natl.Acad.Sci. USA 90:6444-6448 (1993)に更に詳細に記載されている。
ここで使用される「モノクローナル抗体」という用語は、実質的に均一な抗体の集団から得られる抗体を意味する。すなわち、集団を構成する個々の抗体は、一般的に少量存在しうる変異形などのモノクローナル抗体の産生中に生じうる突然変異形を除いて同一のもの及び/又は同じエピトープに結合するものである。異なる決定基(エピトープ)に対する異なる抗体を典型的には含むポリクローナル抗体調製物とは異なり、各モノクローナル抗体は抗原の単一の決定基に対するものである。その特異性に加えて、モノクローナル抗体は他のイムノグロブリンの混入がないという利点がある。「モノクローナル」との修飾語句は、実質的に均一な抗体の集団から得たものとしての抗体の性質を表すものであり、抗体が何か特定の方法による生成を必要として構築したものであることを意味するものではない。例えば、本発明において使用されるモノクローナル抗体は、最初にKohler等, Nature, 256:495 (1975)に記載されたハイブリドーマ法によって作ることができ、あるいは組換えDNA法によって作ることができる(例えば米国特許第4816567号を参照のこと)。また「モノクローナル抗体」は、例えば、Clackson等, Nature, 352:624-628 (1991)およびMarks等, J. Mol. biol. 222: 581-597 (1991)に記載された技術を用いてファージ抗体ライブラリーから作成することもできる。
ここで言うモノクローナル抗体は、特に「キメラ」抗体(免疫グロブリン)を含み、それは特定の種由来または特定の抗体クラスもしくはサブクラスに属する抗体が持つ配列に一致するまたは類似する重鎖および/または軽鎖の一部を含むものであり、残りの鎖は、所望の生物学的活性を表す限り、抗体断片のように他の種由来または他の抗体クラスもしくはサブクラスに属する抗体が持つ配列に一致するまたは類似するものである(米国特許第4,816,567号;およびMorrisonら, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 81:6851-6855 (1984))。ここで対象とするキメラ抗体には、非ヒト霊長類(例えば、ヒヒ、アカゲザル又はカニクイザルなどの旧世界サル)由来の可変ドメイン抗原結合配列とヒト定常領域配列を含む「霊長類化」抗体を含む(米国特許第5,693,780号)。
非ヒト(例えばマウス)の抗体の「ヒト化」型は、非ヒトイムノグロブリン(免疫グロブリン)に由来する最小配列を含むキメラ抗体である。大部分において、ヒト化抗体は、レシピエントの高頻度可変領域の残基が、マウス、ラット、ウサギ又は所望の特異性、親和性及び能力を有する非ヒト霊長類のような非ヒト種(ドナー抗体)からの高頻度可変領域の残基によって置換されたヒト免疫グロブリン(レシピエント抗体)である。例として、ヒト免疫グロブリンのフレームワーク領域(FR)残基は、対応する非ヒト残基によって置換される。更に、ヒト化抗体は、レシピエント抗体にも、もしくはドナー抗体にも見出されない残基を含んでいてもよい。これらの修飾は抗体の特性を更に洗練するために行われる。一般に、ヒト化抗体は、全てあるいは実質的に全ての高頻度可変ループが非ヒト免疫グロブリンのものに対応し、ヒト免疫グロブリン配列の高頻度可変ループが上記のFR置換を除くFRのすべて又は実質的にすべてである少なくとも一又は一般的には2つの可変ドメインの実質的に全てを含むであろう。また、ヒト化抗体は、場合によっては免疫グロブリン定常領域の一部、一般的にはヒト免疫グロブリンのものの少なくとも一部も含む。更なる詳細については、Jones等, Nature 321:522-525 (1986);Riechmann等, Nature 332:323-329 (1988);及びPresta, Curr. Op. Struct. Biol. 2:593-596 (1992)を参照のこと。
ここで使用されるところの「高頻度可変領域」なる用語は、抗原結合に寄与する抗体のアミノ酸残基を意味する。高頻度可変領域は一般には「相補性決定領域」又は「CDR」からのアミノ酸残基(例えば、軽鎖可変ドメインの残基24−34(L1)、50−56(L2)及び89−97(L3)、及び重鎖可変ドメインの31−35(H1)、50−65(H2)及び95−102(H3);Kabat等, Sequences of Proteins of Immunological Interest,5版, Public Health Service, National Institutes of Health, Bethesda, MD.(1991))及び/又は「高頻度可変ループ」からの残基(例えば、軽鎖可変ドメインの残基26−32(L1)、50−52(L2)及び91−96(L3)及び重鎖可変ドメインの残基26−32(H1)、53−55(H2)及び96−101(H3);Chothia及びLesk J.Mol.Biol. 196:901-917 (1987))を含む。「フレームワーク」又は「FR」残基はここで定義するように高頻度可変領域残基以外の可変ドメイン残基である。
「完全な抗体」とは、異種性分子、例えば細胞障害性分子又は放射性標識などとコンジュゲートしていない抗体である(本明細書中で定義される)。
「単離された」抗体は、その自然環境の成分から同定され分離され及び/又は回収されたものを意味する。その自然環境の汚染成分は、抗体の診断又は治療への使用を妨害しうる物質であり、酵素、ホルモン、及び他のタンパク質様又は非タンパク質様溶質が含まれる。好ましい実施態様においては、抗体は、(1)ローリー(Lowry)法により定量して、抗体が95重量%より多くなるまで、最も好ましくは99重量%より多くなるまで、(2)スピニングカップシークエネーターを使用することにより、N末端あるいは内部アミノ酸配列の少なくとも15の残基を得るのに充分な程度まで、あるいは、(3)クーマシーブルーあるいは好ましくは銀染色を用いた非還元あるいは還元条件下でのSDS-PAGEによる均一性が得られるように充分な程度まで精製される。抗体の自然環境の少なくとも一つの成分が存在しないため、単離された抗体には、組換え細胞内のインサイツの抗体が含まれる。しかしながら、通常は、単離された抗体は少なくとも1つの精製工程により調製される。
本明細書中の「被検体」とはヒト患者である。通常、このような被検体は狼瘡治療に望ましい。本明細書中では、このような好適な被検体は、一又は複数の徴候、症状ないしは狼瘡の指標を経験しているか経験したことがあるもの、または、例えば新規に診断されるか、既に新規の発疹を伴って診断されているか、ないしは新規の発疹を伴って慢性的なステロイド依存性であるかにかかわらず、狼瘡と診断されたもの、または、狼瘡を進行させるリスクにあるものである。狼瘡の治療に好適なものは、場合によっては浸潤性CD20細胞のレベル亢進についてスクリーニングされたものか、あるいは以下に記載のような、自己抗体産生が質的あるいは好適には量的に評価される自己抗体を検出するためのアッセイを用いてスクリーニングされるものとして同定されてもよい。SLEと関係しているこのような自己抗体の例は、抗核Ab(ANA)、抗二本鎖DNA(dsDNA)Ab、抗Sm Ab、抗核リボヌクレオタンパク質Ab、抗リン脂質Ab、抗リボソームP Ab、抗Ro/SS-A Ab、抗Ro Abおよび抗La Abである。
腎炎ループス悪化は、1)1か月以内にScrの30%<の増大、または2)ネフローゼ症候群の再発又は出現、又は3)1gm/24時間<の基準タンパク尿症を有する尿タンパク質の3倍増加あるいは実施例1に記載のように定義される。ループス腎炎のために、治療適格性は、以下の実施例1に記載したような腎臓判定基準に定義される腎臓炎によるものでもよい。
SLEの診断は、現在の米国リウマチ学会(ACR)判定基準にに従ってもよい。実施例2の記載のように、活動中の疾患は、あるBritish Isles Lupus Activity Group (BILAG)の「A」判定基準又は2つのBILAG「B」判定基準によって定められてもよい。Tan 等 「The Revised Criteria for the Classification of SLE」 Arth Rheum 25 (1982)を翻案したSLE診断に用いるいくつかの徴候、症状又は他の指標は、頬全体にわたる発疹、ジスコイド発疹又は赤くて盛り上がった斑などの頬部発疹、光感受性、例えば日光に対する反応、結果として生じる皮膚発疹の発達又は増加、経口潰瘍、例えば鼻又は口の潰瘍(通常痛くない)、関節炎、例えば2以上の末梢性関節を伴う非浸食性関節炎(関節のまわりの骨が破壊されない関節炎)、漿膜炎、胸膜炎又は心外膜炎、腎臓疾患、例えば尿中の過剰なタンパク質(0.5gm/日以上又は試験棒で3+)および/または細胞性キャスト(尿および/または白色細胞および/または尿細管細胞由来の異常な成分)、神経病上の徴候、症状又は他の指標、発作(痙攣)、および/またはこのような効果を引き起こすことが知られている薬剤又は代謝性障害がない場合に起こる精神異常、および、血液学的な徴候、症状又は他の指標、例えば溶血性貧血又は白血球減少症(1立方ミリメートルにつき4000細胞以下の血算)または、リンパ球減少症(1立方ミリメートルにつき1500未満のリンパ球)または、血小板減少(1立方ミリメートルにつき100000未満の血小板)であってもよい。白血球減少症およびリンパ球減少症は、2以上が起きたときに発見されなければならない。血小板減少は、それを誘発することが知られている薬剤がない場合に検出されなければならない。本発明は、狼瘡のこれらの徴候、症状又は他の指標に限るものではない。
本明細書中の被検体の「治療(処置)」は、治療的処置と予防的または防止的な方法の両方を意味する。治療の必要なものには、既に狼瘡であるもの、並びに予防すべき狼瘡があるものが含まれる。ゆえに、被検体は狼瘡を有すると診断されていても、狼瘡の素因があるないしは狼瘡にかかりやすくてもよい。
狼瘡の「症状」は、任意の病理的な現象又は構造、機能ないしは感覚の正常からの離脱であり、被検体によって体感され、疾患を示す。
「有効量」なる表現は、狼瘡を予防するか、改善するかまたは、治療するために効果的である抗体の量を指す。
「抗体曝露」とは、およそ1日からおよそ5週間の期間にわたって投与される一又は複数回用量の本明細書中の抗体への接触または曝露を意味する。用量は、この曝露期間にわたって一回または決まった時間ないしは変則的な時間、例えば週1回服用を4週間、またはおよそ13〜17日の期間あけて2回服用で、投与されてもよい。初めおよびその後の抗体曝露は、本明細書中で詳述されるようにそれぞれ時間を隔てたものである。
ここで補助治療として用いる「免疫抑制剤」なる用語は、本明細書中で治療される哺乳動物の免疫系を抑制する又は遮断するように働く物質を表す。これは、サイトカイン産生を抑制する、自己抗原の発現を下方制御または抑制する、あるいはMHC抗原を遮断する物質を含む。そのような薬剤の例として、2-アミノ-6-アリル-5-代替ピリミジン(米国特許第4,665,077号参照);非ステロイド性抗炎症剤(NSAIDs);ガンシクロビル、タクロリムス、糖質コルチコイド、例としてコルチゾール又はアルドステロン、抗炎症剤、例としてシクロオキシゲナーゼインヒビター、5-リポキシゲナーゼインヒビター又はロイコトリエンレセプターアンタゴニスト;プリンアンタゴニスト、例えばアザチオプリン又はミコフェノール酸モフェチル(MMF);アルキル化剤、例えばシクロホスファミド;ブロモクリプチン;ダナゾール;ダプソン;グルタルアルデヒド (米国特許第4,120,649号に記載のように、MHC抗原を遮断する);MHC抗原及びMHCフラグメントに対する抗イデオタイプ抗体;シクロスポリンA;副腎皮質ステロイド又は糖質副腎皮質ステロイド又は糖質コルチコイド類似体などのステロイド、例としてプレドニゾン、メチルプレドニゾロン、及びデキサメタゾン;ジヒドロ葉酸レダクターゼインヒビター、例としてメトトレキサート(経口又は皮下);ヒドロキシクロロキン;スルファサラジン;レフルノミド;サイトカイン又はサイトカインレセプター抗体、例として抗インターフェロン-γ、-β、又は-α抗体、抗腫瘍壊死因子α抗体(インフリキシマブ又はアダリムマブ)、抗TNFαイムノアドヘシン(エタネルセプト)、抗腫瘍壊死因子β抗体、抗インターロイキン2抗体、及び抗IL-2レセプター抗体;抗CD11a及び抗CD18抗体を含む抗LFA-1抗体;抗-L3T4抗体;異種性抗リンパ球グロブリン;pan-T抗体、好ましくは、抗-CD3又は抗CD4/CD4a抗体;LFA-3結合ドメインを含む可溶性ペプチド(1990年7月26日公開の国際公報90/08187);ストレプトキナーゼ;TGF−β;ストレプトドルナーゼ(streptodornase);宿主由来のRNA又はDNA;FK506;RS-61443;デオキシスペルグアニン(deoxyspergualin);ラパマイシン;T細胞レセプター (Cohen等, 米国特許第5,114,721号);T細胞レセプターフラグメント(Offner 等, Science 251:430-432 (1991);国際公報90/11294;Ianeway, Nature, 341: 482 (1989);及び国際公報 91/01133);及びT10B9などのT細胞レセプター抗体 (欧州特許第340,109号)を含む。
ここで使用する「細胞障害性剤」なる用語は、細胞の機能阻害又は阻止、及び/又は細胞破壊をもたらす物質を表す。この用語は、放射性同位体(例として、At211、I131、I125、Y90、Re186、Re188、Sm153、Bi212、P32及びLuの放射性同位体)、化学療法剤、及び細菌、真菌、植物、又は動物起源の酵素活性毒素又は小分子毒素などの毒素、またはそれらの断片を含むことを意図する。
「化学療法剤」は、癌の治療に有用な化学的化合物である。化学療法剤の例には、チオテパ及びシクロスホスファミド(CYTOXAN(登録商標))のようなアルキル化剤;ブスルファン、インプロスルファン及びピポスルファンのようなスルホン酸アルキル類;ベンゾドーパ(benzodopa)、カルボコン、メツレドーパ(meturedopa)、及びウレドーパ(uredopa)のようなアジリジン類;アルトレートアミン(altretamine)、トリエチレンメラミン、トリエチレンホスホラミド、トリエチレンチオホスホラミド(triethylenethiophosphaoramide)及びトリメチローロメラミン(trimethylolomelamine)を含むエチレンイミン類及びメチラメラミン類;アセトゲニン(acetogenins)(特にブラタシン(bullatacin)及びブラタシノン(bullatacinone));カンプトセシン(合成類似体トポテカン(topotecan)を含む);ブリオスタチン;カリスタチン(callystatin);CC-1065(そのアドゼレシン(adozelesin)、カルゼレシン(carzelesin)及びバイゼレシン(bizelesin)合成類似体を含む);クリプトフィシン(cryptophycin)(特にクリプトフィシン1及びクリプトフィシン8);ドラスタチン(dolastatin);デュオカルマイシン(duocarmycin )(合成類似体、KW-2189及びCBI-TM1を含む); エレトロビン(eleutherobin);パンクラチスタチン(pancratistatin);サルコディクチン(sarcodictyin);スポンジスタチン(spongistatin);クロランブシル、クロルナファジン(chlornaphazine)、チョロホスファミド(cholophosphamide)、エストラムスチン、イホスファミド、メクロレタミン、メクロレタミンオキシドヒドロクロリド、メルファラン、ノベンビチン(novembichin)、フェネステリン(phenesterine)、プレドニムスチン(prednimustine)、トロフォスファミド(trofosfamide)、ウラシルマスタード等のナイトロジェンマスタード;ニトロスレアス(nitrosureas)、例えばカルムスチン(carmustine)、クロロゾトシン(chlorozotocin)、フォテムスチン(fotemustine)、ロムスチン(lomustine)、ニムスチン、ラニムスチン;エネジイン(enediyne) 抗生物質等の抗生物質(例えば、カリケアマイシン(calicheamicin)、特にカリケアマイシンガンマ1I及びカリケアマイシンオメガI1、例えば、Agnew Chem Intl. Ed. Engl., 33:183-186(1994)を参照のこと;ダイネミシンA(dynemicinA)を含むダイネミシン(dynemicin);クロドロネート(clodronate)などのビスホスホネート(bisphosphonates);エスペラマイシン(esperamicin); 同様にネオカルチノスタチン発光団及び関連色素蛋白エネジイン(enediyne) 抗生物質発光団)、アクラシノマイシン(aclacinomysins)、アクチノマイシン、オースラマイシン(authramycin)、アザセリン、ブレオマイシン(bleomycins)、カクチノマイシン(cactinomycin)、カラビシン(carabicin)、カルミノマイシン(carminomycin)、カルジノフィリン(carzinophilin)、クロモマイシン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、デトルビシン(detorubicin)、6-ジアゾ-5-オキソ-L-ノルロイシン、ADRIAMYCIN(登録商標)ドキソルビシン (モルフォリノ−ドキソルビシン、シアノモルフォリノ-ドキソルビシン、2-ピロリノ-ドキソルビシン及びデオキシドキソルビシンを含む)、エピルビシン、エソルビシン(esorubicin)、イダルビシン、マセロマイシン(marcellomycin)、マイトマイシンCなどのマイトマイシン(mitomycins)、マイコフェノール酸(mycophenolic acid)、ノガラマイシン(nogalamycin)、オリボマイシン(olivomycins)、ペプロマイシン、ポトフィロマイシン(potfiromycin)、ピューロマイシン、クエラマイシン(quelamycin)、ロドルビシン(rodorubicin)、ストレプトニグリン、ストレプトゾシン、ツベルシジン(tubercidin)、ウベニメクス、ジノスタチン(zinostatin)、ゾルビシン(zorubicin);メトトレキセート及び5-フルオロウラシル(5-FU)のような抗-代謝産物;デノプテリン(denopterin)、メトトレキセート、プテロプテリン(pteropterin)、トリメトレキセート(trimetrexate)のような葉酸類似体;フルダラビン(fludarabine)、6-メルカプトプリン、チアミプリン、チオグアニンのようなプリン類似体;アンシタビン、アザシチジン(azacitidine)、6-アザウリジン(azauridine)、カルモフール、シタラビン、ジデオキシウリジン、ドキシフルリジン、エノシタビン(enocitabine)、フロキシウリジン(floxuridine)のようなピリミジン類似体;カルステロン(calusterone)、プロピオン酸ドロモスタノロン、エピチオスタノール、メピチオスタン、テストラクトン(testolactone)のようなアンドロゲン類;アミノグルテチミド、ミトタン、トリロスタンのような抗副腎剤;フロリン酸(frolinic acid)のような葉酸リプレニッシャー(replenisher);アセグラトン;アルドホスファミドグリコシド;アミノレブリン酸;エニルウラシル(eniluracil);アムサクリン(amsacrine);ベストラブシル(bestrabucil);ビサントレン(bisantrene);エダトラキセート(edatraxate);デフォファミン(defofamine);デメコルシン(demecolcine);ジアジコン(diaziquone);エルフォルニチン(elfornithine);酢酸エリプチニウム(elliptinium acetate);エポチロン(epothilone);エトグルシド(etoglucid);硝酸ガリウム;ヒドロキシ尿素;レンチナン;ロニダミン(lonidamine);メイタンシン(maytansine)及びアンサマイトシン(ansamitocin)のようなメイタンシノイド(maytansinoid);ミトグアゾン(mitoguazone);ミトキサントロン;モピダモール(mopidamol);ニトラクリン(nitracrine);ペントスタチン;フェナメット(phenamet);ピラルビシン;ポドフィリン酸(podophyllinic acid);2-エチルヒドラジド;プロカルバジン;PSK(登録商標)多糖類複合体(JHS Natural Products, Eugene, OR);ラゾキサン(razoxane);リゾキシン(rhizoxin);シゾフィラン;スピロゲルマニウム(spirogermanium);テニュアゾン酸(tenuazonic acid);トリアジコン(triaziquone);2,2',2''-トリクロロトリエチルアミン;トリコテセン(trichothecenes)(特に、T-2トキシン、ベラキュリンA(verracurin A)、ロリデンA(roridin A)及びアングイデン(anguidine));ウレタン;ビンデシン;ダカルバジン;マンノムスチン(mannomustine);ミトブロニトール;ミトラクトール(mitolactol);ピポブロマン(pipobroman);ガシトシン(gacytosine);アラビノシド(「Ara-C」);シクロホスファミド;チオテパ;タキソイド、例えばタキソール(登録商標)パクリタキセル、(Bristol-Myers Squibb Oncology, Princeton, NJ)、ABRAXANETM クレモフォール(Cremophor)を含まない、アルブミン設計のナノ粒子形状のパクリタキセル(American Pharmaceutical Partners, Schaumberg, Illinois)及びタキソテア(登録商標)ドキセタキセル、(Rhone-Poulenc Rorer, Antony, France);クロランブシル;GEMZAR(登録商標)ゲンシタビン(gemcitabine);6-チオグアニン;メルカプトプリン;メトトレキセート;シスプラチン及びカルボプラチンのようなプラチナ類似体;ビンブラスチン;プラチナ;エトポシド(VP-16);ミトキサントン;ビンクリスチン;NAVELBINE(登録商標)ビノレルビン;ナベルビン(Navelbine);ノバントロン(novantrone);テニポシド;エダトレキセート;ダウノマイシン;アミノプテリン;キセローダ(xeloda);イバンドロナート(ibandronate);CPT-11;トポイソメラーゼインヒビターRFS2000;ジフルオロメチロールニチン(DMFO);レチノイン酸などのレチノイド類;カペシタビン(capecitabine);並びに上述したものの製薬的に許容可能な塩類、酸類又は誘導体が含まれる。
また、この定義には、腫瘍に対するホルモン作用を調節又は阻害するように働く抗ホルモン剤、抗エストロゲン及び選択的エストロゲンレセプターモジュレーター(SERM)など、例えばタモキシフェン(NOLVADEX(登録商標)タモキシフェンを含む)、ラロキシフェン(raloxifene)、ドロロキシフェン、4-ヒドロキシタモキシフェン、トリオキシフェン(trioxifene)、ケオキシフェン(keoxifene)、LY117018、オナプリストーン(onapristone)、及びFARESTON トレミフェン(Fareston);アロマターゼ酵素を阻害するアロマターゼ阻害物質、それらは副腎でのエストロゲン産生を調節するものであり、例えば4(5)-イミダゾール類、アミノグルテチミド、MEGASE(登録商標)メゲストロールアセテート、AROMASIN(登録商標)エキセメスタン、ホルメスタイン(formestanie)、ファドロゾール、RIVISOR(登録商標)ゾロゾール(vorozole)、FEMARA(登録商標)レトロゾールおよびARIMIDEX(登録商標)アナストロゾール;;及び抗アンドロゲン、例えばフルタミド(flutamide)、ニルタミド(nilutamide)、ビカルタミド、ロイプロリド、及びゴセレリン;並びにトロキサシタビン(troxacitabine)(1,3-ジオキソランヌクレオシドシトシン類似体);アンチセンスオリゴヌクレオチド、特に不粘着性細胞増殖に関係するシグナル伝達経路の遺伝子の発現を抑制するもの、例えばPKC-alpha、ラルフおよびH-Ras;遺伝子治療ワクチンなどのワクチン、例えばALLOVECTIN(登録商標)ワクチン、LEUVECTIN(登録商標)ワクチン及びVAXID(登録商標)ワクチン);PROLEUKIN(登録商標)rIL-2;LURTOTECAN(登録商標)トポイソメラーゼ1インヒビター;ABARELIX(登録商標)rmRH並びに上記のものの製薬的に許容可能な塩類、酸類又は誘導体が含まれる。
「サイトカイン」なる用語は、一つの細胞集団から放出されるタンパク質であって、他の細胞に対して細胞間メディエータとして作用するものの包括的な用語である。このようなサイトカインの例としては、リンフォカイン、モノカイン、IL-1、IL-1α、IL-2、IL-3、 IL-4、IL-5、IL-6、IL-7、 IL-8、IL-9、IL-11、IL-12、IL-15等のインターロイキン(IL);腫瘍壊死因子、例えばTNF-α又はTNF-β、及びLIF及びキットリガンド(KL)を含む他のポリペプチド因子が含まれる。ここで使用される場合、サイトカインなる用語は天然源由来あるいは組換え細胞培養物由来のタンパク質及び天然配列サイトカインの生物学的に活性な等価物、例えば合成して産生された小分子構成要素及び製薬的に受容可能な誘導体及びその塩類を含む。
「ホルモン」なる用語は通常管を有する腺性器官によって分泌されるポリペプチドホルモンを表す。そのようなホルモンには、例えば、成長ホルモン、例えばヒト成長ホルモン、N-メチオニルヒト成長ホルモン、及びウシ成長ホルモン;副甲状腺ホルモン;チロキシン;インスリン;プロインスリン;リラクシン;プロリラクシン;卵胞刺激ホルモン(FSH)、副甲状腺刺激ホルモン(TSH)、及び黄体形成ホルモン(LH)のような糖タンパク質ホルモン;プロラクチン、胎盤ラクトゲン、マウス性腺刺激ホルモン関連ペプチド;インヒビン;アクチビン;ミュラー阻害物質;及びトロンボポエチンなどがある。本明細書中で用いられる、ホルモンなる用語には、天然源由来あるいは組換え細胞培養物由来のタンパク質及び天然配列ホルモンの生物学的に活性な等価物、例えば合成して産生された小分子構成要素及び製薬的に受容可能な誘導体及びその塩類が含まれる。
「成長因子」なる用語は成長を促進するタンパク質を表し、例えば、肝成長因子;線維芽細胞成長因子;血管内皮成長因子;神経成長因子、例えばNGF-β;血小板由来増殖因子;トランスフォーミング成長因子(TGF)、例えばTGF-α及びTGF-β;インスリン様増殖因子-I及び-II;エリトロポエチン(EPO);骨誘導因子;インターフェロン、例えばインターフェロン-α、-β、及び-γ;及び、コロニー刺激因子(CSF)、例えばマクロファージ-CSF(M-CSF)、顆粒球-マクロファージ-CSF(GM-CSF)及び顆粒球-CSF(G-CSF)などがある。本明細書中で用いられる、成長因子なる用語には、天然源由来あるいは組換え細胞培養物由来のタンパク質及び天然配列成長因子の生物学的に活性な等価物、例えば合成して産生された小分子構成要素及び製薬的に受容可能な誘導体及びその塩類を含む。
「インテグリン」なる用語は、細胞の細胞外基質への結合と応答の両方をさせるレセプタータンパク質であり、創傷治癒、細胞分化、腫瘍細胞のホーミング及びアポトーシスなどの様々な細胞性機能に関与するものを表す。これらは細胞-細胞外基質及び細胞間相互作用に関与する細胞接着レセプターの大きなファミリーの一部である。機能的なインテグリンは、α及びβと称する2つの膜貫通性グリコプロテインサブユニットから成り、非共有的に結合している。βサブユニットのように、αサブユニットはすべて互いにいくらかの相同性がある。レセプターは常に1のα鎖及び1のβ鎖を含有する。例えば、α6β1、α3β1、α7β1、LFA-1などがある。本明細書中で用いられる、インテグリンなる用語には、天然源由来あるいは組換え細胞培養物由来のタンパク質及び天然配列インテグリンの生物学的に活性な等価物、例えば合成して産生された小分子構成要素及び製薬的に受容可能な誘導体及びその塩類を含む。
本明細書中では、「腫瘍壊死因子α(TNFα)」とは、Pennica 等, Nature, 312:721 (1984)又はAggarwal 等, JBC, 260:2345 (1985)に記載のアミノ酸配列を含有するヒトTNFα分子を意味する。
本明細書中の「TNFαインヒビター」は、一般的にはTNFαへの結合とその活性を中和することを介してTNFαの生物学的活性をある程度阻害する薬剤である。本明細書中で考慮されるTNFインヒビターの具体例は、エタネルセプト(ENBREL(登録商標))、インフリキシマブ(REMICADE(登録商標))及びアダリムマブ(HUMIRATM)である。
「疾患変更性抗リウマチ剤」又は「DMARD」の例には、ヒドロキシクロロキノン、スルファサラジン、メトトレキセート、レフルノミド、エタネルセプト、インフリキシマブ(加えて、経口及び皮下メトトレキセート(methrotrexate))、アザチオプリン、D-ペニシラミン、ゴールド塩類(経口)、ゴールド塩類(筋肉内)、ミノサイクリン、シクロスポリン、ブドウ球菌プロテインA免疫吸着、これらの塩類および誘導体を含むものなどがある。
「非ステロイド系抗炎症薬」又は「NSAID」の例として、アセチルサリチル酸、イブプロフェン、ナプロキセン、インドメタシン、スリンダク、トルメチン、これらの塩類および誘導体がある。
本明細書中の「インテグリンアンタゴニスト又は抗体」の例として、LFA-1抗体、例としてGenentechから市販のエファリズマブ(RAPTIVA(登録商標))、または、α4インテグリン抗体、例としてBiogenから入手可能なナタリズマブ(ANTEGREN(登録商標))、または、ジアザサイクリックフェニルアラニン誘導体(国際公報2003/89410)、フェニルアラニン誘導体(国際公報2003/70709、国際公報2002/28830、国際公報2002/16329および国際公報2003/53926)、フェニルプロピオン酸誘導体(国際公報2003/10135)、エナミン誘導体(国際公報2001/79173)、プロパン酸誘導体(国際公報2000/37444)、アルカノン酸誘導体(国際公報2000/32575)、置換型フェニール誘導体(米国特許第6,677,339号および同第6,348,463号)、芳香族アミン誘導体(米国特許第6,369,229号)、ADAMディスインテグリンドメインポリペプチド(米国公開公報2002/0042368)、αvβ3インテグリンに対する抗体(欧州特許第633945号)、アザ架橋された二環式アミノ酸誘導体(国際公報2002/02556)などが含まれる。
「副腎皮質ステロイド」は、天然に生じる副腎皮質ステロイドの効果を模倣するかあるいは増大するステロイドの一般的な化学構造を有するいくつかの合成又は天然に生じる物質の何か一つを指す。合成副腎皮質ステロイドの例として、プレドニゾン、プレドニソロン(メチルプレドニゾロンを含む)、デキサメサゾントリアムシノロン、およびベタメサゾンが含まれる。
「パッケージ挿入物」は、効能、用途、服用量、投与、配合禁忌、パッケージされている製品と併用される他の治療薬、及び/又はその治療薬などの用途に関する警告についての情報を含む、治療薬の商業的包装を慣習的に含めた指示書を指す。
初回の曝露から」または任意の先の曝露から特定の時間まで投与されない又は供給されない曝露とは、一より多い用量が曝露に投与される場合、第二またはそれ以降の曝露の時間が投与された先の曝露のいずれかの服用時間から測定されることを意味する。例えば、初回曝露で2回用量が投与される場合、第二の曝露は、先の曝露の期間内に投与される第一または第二の服用の時から計算して少なくともおよそ16〜54週までに投与されない。同様に、3回用量が投与される場合、第二の曝露は、先の曝露の期間内の第一、第二ないしは第三の服用の時から計算してもよい。好ましくは、「初回の曝露から」とは第一の服用の時から計算する。
薬剤」とは狼瘡またはその症状または副作用を治療するために活性な薬剤である。
II.治療
本発明は、治療に好適な被検体の狼瘡の治療方法であって、有効量のB細胞表面マーカーに結合する抗体(好ましくはCD20抗体)を被検体に投与して、およそ0.5から4グラム(好ましくはおよそ1.5から3.5グラム、より好ましくはおよそ1.5から2.5グラム)の初回抗体曝露の後、およそ0.5から4グラム(好ましくはおよそ1.5から3.5グラム、より好ましくはおよそ1.5から2.5グラム)の第二抗体曝露を供給することを含み、該第二の曝露が初回曝露からおよそ16から54週(好ましくはおよそ20から30週、より好ましくはおよそ46から54週)までに供給されず、それぞれの抗体曝露が単回抗体用量としてないしは2又は3の複数回抗体用量として被検体に供給されるものである方法を提供する。この発明では、第二の抗体曝露は、被検体が初回抗体曝露のにCD20抗体により治療される時であり、初回と第二の曝露の間にCD20抗体処置や曝露がないものである。
本方法は、有効量のCD20抗体を被検体に投与しておよそ0.5から4グラム(好ましくはおよそ1.5から3.5グラム、より好ましくはおよそ1.5から2.5グラム)の第三抗体曝露を供給することを含むのが好ましく、該第三の曝露が初回曝露からおよそ46から60週(好ましくはおよそ46から55週、より好ましくはおよそ46から52週)まで供給されない。好ましくは、初回曝露から少なくともおよそ70から75週までに更なる抗体曝露が供給されない、さらにより好ましくは初回曝露からおよそ74から80週までに更なる抗体曝露が供給されない
本明細書中の任意の一又は複数の抗体曝露は、単回抗体用量としてないしは2又は3の複数回抗体用量として被検体に供給されてもよい(すなわち第一および第二の服用、または第一、第二および第三の服用)。それぞれの抗体曝露のために行われる特定回数の用量(1、2または3のいずれであっても)は、例えば治療される狼瘡の種類、用いる抗体の種類、以下に挙げるような第二の薬剤としてどのタイプを用いるか、並びに投与方法と頻度に依存する。複数回投与が行われる場合、第二用量または第三用量は、前回の服用から好ましくはおよそ1〜20日、より好ましくはおよそ6〜16日、最も好ましくはおよそ14〜16日に投与される。複数回用量は、全期間で、好ましくはおよそ1日〜4週、より好ましくはおよそ1日〜20日(例えば6〜18日の期間以内)に投与される。ある態様では、複数回用量は、およそ週ごとに、第二用量が初回用量からおよそ1週間に投与され、任意の第三用量が第二用量からおよそ1週間に投与される。それぞれの複数回抗体用量は好ましくはおよそ0.5から1.5グラム、より好ましくはおよそ0.75から1.3グラムである。
一実施態様では、被検体は少なくともおよそ3回、例えばおよそ3から60回、より好ましくはおよそ3から40回、最も好ましくはおよそ3から20回、抗体曝露を受ける。好ましくは、その曝露はそれぞれおよそ24週間の間隔で投与される。一実施態様では、それぞれの抗体曝露は単回抗体用量として供給される。変更した実施態様では、それぞれの抗体曝露は、複数回抗体用量として供給される。しかしながら、すべての抗体曝露が単回用量あるいは複数回用量として供給される必要はない。
抗体は、完全な抗体であってもよく、放射性化合物などの細胞障害性剤などの他の分子とコンジュゲートしていてもよい。本明細書中で好適な抗体は、ヒト化2H7(例えば、配列番号:2および8に記載の可変ドメイン配列を含有してなる)またはHUMAX-CD20TM抗体(Genmab)、より好ましくはリツキシマブまたはヒト化2H7である。
一実施態様では、被検体は、狼瘡を治療するために免疫抑制剤などの薬剤によって以前に治療されたことがない、および/またはB細胞表面マーカーに対する抗体で以前に治療されたことがない(例えばCD20抗体で以前に治療されことがない)。他の実施態様では、被検体は、狼瘡を治療するために薬剤によって以前に治療されたことがない、および/またはそのような抗体で以前に治療されたことがない。他の実施態様では、CD20抗体は狼瘡を治療するために被検体に投与される唯一の薬剤である。他の実施態様では、CD20抗体は、狼瘡を治療するために用いた薬剤の一つである。更なる実施態様では、被検体は関節リウマチを有さない。より更なる実施態様では、被検体は多発性硬化症を有さない。更なる他の実施態様では、被検体は狼瘡以外の自己免疫性疾患を有さない。この一番最後の言及では、本明細書中の「自己免疫性疾患」は、個体自身の組織ないしは器官ないしは同時分離したものから生じるかないしはそれらに対する疾患又は疾病、またはそれらの症状、または結果として生じる状態である。一実施態様では、正常体組織および抗原に反応する抗体のB細胞による産生によって増悪するまたはそれらの産生によって生じる症状を意味する。他の実施態様では、自己免疫性疾患は、自己抗原(例えば核抗原)のエピトープに特異的な自己抗体の分泌を伴うものである。
抗体は任意の好適な方法、例えば非経口的、局所的、皮下、腹腔内、肺内、鼻腔内、及び/又は、病巣内投与などによって投与される。非経口的注入には、筋肉内、静脈内、動脈内、腹腔内又は皮下の投与などがある。また、くも膜下腔内投与も考慮される(例えば米国公開公報2002/0009444を参照、CD20抗体のくも膜下腔デリバリーに関するもの)。加えて、抗体は、例えば低減した抗体用量のパルス注入によって好適に投与されうる。好ましくは静脈内または皮下的に、より好ましくは静脈内注入によって投与される。それぞれの曝露は同じまたは異なる投与方法を用いて供給されてもよい。一実施態様では、それぞれの曝露は静脈内投与による。他の実施態様では、それぞれの曝露は皮下投与による。更なる他の実施態様では、曝露は静脈内投与および皮下投与の両方による。
一実施態様では、CD20抗体はパルスやボーラスでなくゆっくりとした静脈内注入で投与する。例えば、メチルプレドニゾロン(例えば、およそ80〜120mg静脈内投与、より好ましくはおよそ100mg静脈内投与)を任意のCD20抗体の注入のおよそ30分前に投与する。例えば、CD20抗体は専用ラインを介して注入される。
CD20抗体への複数回の曝露の初回用量では、または唯の一用量を伴う曝露の場合の単回用量には、およそ50mg/時間の速度で注入が開始されることが好ましい。例えば50mg/時間の速度から最高およそ400mg/時間までおよそ30分ずつ上げていってもよい。しかしながら、被検体が注入関連の反応を感じている場合には、注入速度を、現行速度の半分、例えば100mg/時間から50mg/時間までに、低減するのが好ましい。このような用量のCD20抗体の注入(例えばおよそ1000mgの総用量)は、およそ255分(4時間15分)で完了するのが好ましい。被検体は、注入の開始前およそ30分から60分に、アセトアミノフェン/パラセタモール(例えばおよそ1g)およびジフェンヒドラミンHCl(例えばおよそ50mg又は同種の薬剤の当量用量)の予防治療を経口で受けることが好ましい。
CD20抗体を複数回注入(用量)して総曝露を成す場合、この注入実施態様の第二またはそれ以降のCD20抗体注入は、初回注入より速い速度で、例えばおよそ100mg/時間で開始されるのが好ましい。この速度は、例えばおよそ100mg/時間の速度から最高およそ400mg/時間までおよそ30分ずつ上げていってもよい。被検体が注入関連の反応を感じている場合には、注入速度を、現行速度の半分、例えば100mg/時間から50mg/時間までに、低減するのが好ましい。このような第二またはその後の用量のCD20抗体の注入(例えばおよそ1000mgの総用量)は、およそ195分(3時間15分)で完了するのが好ましい。
B細胞表面マーカーを結合する抗体(例えばCD20抗体)、例として、細胞障害性剤、化学療法剤、抗マラリア剤、免疫抑制剤、サイトカイン、サイトカインアンタゴニスト又は抗体、成長因子、ホルモン、インテグリン、インテグリンアンタゴニスト又は抗体を有する第二薬剤を投与してもよい。
例えば、抗体は、化学療法剤、インターフェロンクラス薬剤、例としてIFNβ-1a(REBIF(登録商標)およびAVONEX(登録商標))又はIFNβ-1b(BETASERON(登録商標))、オリゴペプチド、例としてグラチラマーアセテート(COPAXONE(登録商標))、細胞障害性剤(例えばミトキサントロン(NOVANTRONE(登録商標))、メトトレキセート、シクロホスファミド、クロランブシルおよびアザチオプリン)、静脈免疫グロブリン(γグロブリン)、リンパ球枯渇療法(例えばミトキサントロン、シクロホスファミド、CAMPATHTM抗体、抗CD4、クラドリビン、全身照射法、骨髄移植)、副腎皮質ステロイド(例えば、全身コルチコステロイド治療を含む関節注射を介する、例えばメチルプレドニゾロン、プレドニゾン、例として低用量プレドニゾン、デキサメサゾン又はグルコルチコイド)、非リンパ球枯渇性免疫抑制療法(例えばMMF又はシクロスポリン)、「スタチン」クラスのコレステロール低下剤(セリバスタチン(BAYCOLTM)、フルバスタチン(LESCOLTM)、アトルバスタチン(LIPITORTM)、ロバスタチン(MEVACORTM)、プラバスタチン(PRAVACHOLTM)、そして、シンバスタチン(ZOCORTM)を含む)、エストラジオール、テストステロン(場合によって高用量で;Stuve 等 Neurology 8:290-301 (2002))、例えば、ホルモン補充療法(抗マラリア剤、例としてヒドロキシクロロキン、クロロキン又はキナクリンなど)、狼瘡の二次性又は関連する症状(例えば、痙性、失調症、疼痛、疲労)の治療、TNFインヒビター、DMARD、NSAID、抗インテグリン抗体又はアンタゴニスト、血漿分離交換法、レボチロキシン、サイクロスポリンA、ソマタスタチン(somatastatin)類似体、サイトカイン、抗サイトカインアンタゴニスト又は抗体、抗代謝産物、免疫抑制剤、リハビリ手術、放射性ヨード、甲状腺除去、他のB細胞表面アンタゴニスト/抗体などと組み合わせてもよい。
CD20抗体が第一薬剤の場合、第二薬剤のより具体的な例として、化学療法剤、細胞障害性剤、抗インテグリン、抗マラリア剤、例としてヒドロキシクロロキン、クロロキン又はキナクリン、γグロブリン、抗CD4、クラドリビン、副腎皮質ステロイド、MMF、シクロスポリン、スタチンクラスのコレステロール低下剤、エストラジオール、テストステロン、ホルモン補充薬剤、TNFインヒビター、DMARD、NSAID、レボチロキシン、サイクロスポリンA、ソマタスタチン類似体、サイトカインアンタゴニスト又はサイトカインレセプターアンタゴニスト、抗代謝産物、免疫抑制剤、および/または他のB細胞表面マーカー抗体、例としてリツキシマブとヒト化2H7の組合せなどがある。化学療法剤、免疫抑制剤、細胞障害性剤、インテグリンアンタゴニスト、抗マラリア剤、サイトカインアンタゴニスト又はホルモン、又はこれらの薬剤の一つ以上の組合せがさらにより好ましい。
これらの第二薬剤は、通常、先に用いたのと同じ用量および同じ投与ルートで用いられるか又は、これまで使用した用量のおよそ1から99%で用いられる。このような第二薬剤が多少なりとも用いられる場合、CD20抗体が存在しない場合にはより少量で、特にその後の用量では抗体の初回用量を超える量で用いて、これによって引き起こされる副作用を取り除くかまたは低減する。
第二薬剤が有効量抗体曝露とともに投与される場合、任意の曝露とともに、例えば1の曝露だけとともに、または、複数の曝露とともに投与されてもよい。一実施態様では、第二薬剤初回曝露とともに投与される。他の実施態様では、第二薬剤初回曝露と第二曝露とともに投与される。より更なる実施態様では、第二薬剤はすべての曝露とともに投与される。
併用投与には、異なる製剤又は単一の製薬製剤を用いての共投与(同時投与)、および何れかの順番での連続的な投与が含まれ、両方(または全て)の活性薬剤が同時にそれらの生物活性を発揮する期間があることが好ましい。好ましい実施態様では、初回の曝露の後、特に薬剤が副腎皮質ステロイドである場合に、このような薬剤の量を減少するか除去して、プレドニゾンおよびシクロホスファミドなどの副作用を有する薬剤への被検体の曝露を減らす。他の実施態様では、第二薬剤の量は減少されないかまたは取り除かれない。
好ましい実施態様では、免疫抑制剤、抗マラリア剤又は化学療法剤、より好ましくは、副腎皮質ステロイド、メトトレキセート、シクロホスファミド、ヒドロキシクロロキン、クロロキン、キナクリン、アザチオプリン、ミコフェノール酸モフェチル又は6‐メルカプトプリンが、初回曝露とともに投与される。他の態様では、免疫抑制剤、抗マラリア剤又は化学療法剤は、続く曝露とともに投与されないか、または初回曝露とともに用いるより低い用量で投与される。しかしながら、場合によってはこれらの薬剤は、初回曝露と同じまたは類似の量で、すべての曝露を含む複数の曝露とともに投与される。
狼瘡がループス腎炎である場合、好ましくはおよそ2〜3グラム、より好ましくはおよそ2グラムのCD20抗体を初回の曝露として投与される。他の好適な実施態様では、3グラムが投与される場合、およそ1グラムのCD20抗体が初回の曝露としておよそ3週間、毎週投与される。他の好適な実施態様では、2グラムが投与される場合、初回の曝露としておよそ1グラムのCD20抗体がおよそ2週間で投与された後、さらにおよそ1グラムの抗体が投与される。他の態様では、第二曝露は、初回曝露からおよそ6か月であって、およそ2グラムの量で投与される。さらに他の態様では、第二曝露は、初回曝露からおよそ6か月であって、およそ1グラムの抗体をおよそ2週間で投与された後、さらにおよそ1グラムの抗体が投与される。
ループス腎炎のためには、メチルプレドニゾロンおよび/またはプレドニゾンなどの副腎皮質ステロイドは、CD20抗体の前および/またはそれと同時に被検体に投与されるのが好ましい。好ましくは、被検体に、第一抗体曝露の際には、2日間、隔日およそ1000mgでIVメチルプレドニゾロンが投与される。第一抗体曝露では、この治療の後に、およそ4週間、およそ0.75mg/kg/日の初回用量で経口プレドニゾンが投与され、およそ第16週までにおよそ10〜15mg/日に漸減されるのが好ましい。好ましくは、およそ100mgのIVメチルプレドニゾロンは、初回用量からCD20抗体の続く用量の注入の前のおよそ30〜60分に投与される。また、第二曝露では初回曝露によって用いられるより低い量のプレドニゾンが投与されるか、または第二曝露とともにプレドニゾンが投与されないか、または、第三またはそれ以降の曝露でなく初回曝露とともに用いられるより低い量のプレドニゾンが第二曝露によって投与されるのが好ましい。加えてまたはあるいは、MMFが、MMFと特に好適な副腎皮質ステロイドとの同時投与による初回抗体曝露とともに投与されるのが好ましい。好ましくは、MMFは、分割用量(3回/日)でおよそ1500mg/日のCD20抗体と共にまず最初に投与され、被検体は、耐容するようにおよそ第4週までに、分割用量(3回/日)でおよそ3g/日の標的用量までに滴定される。用量の減少が必要な場合、減少はおよそ250〜500mgの漸減を行う。他の態様では、シクロホスファミドは、初回の抗体曝露で副腎皮質ステロイドの有無にかかわらず被検体に投与されてもよい。シクロホスファミドが投与される場合、それは第二曝露とともに投与されないかまたは初回曝露とともに用いられるより低い量で第二曝露とともに投与されるのが好ましい。また、シクロホスファミドは第三又はその後の曝露とともに投与されるのが好ましい。
狼瘡が全身性ループスである場合、好ましくはおよそ2グラムのCD20抗体を初回曝露として投与される。また、初回曝露として、およそ1グラムのCD20抗体がおよそ2週間で投与された後、さらにおよそ1グラムの抗体が投与されるのが好ましい。好ましくは、第二曝露は、初回曝露からおよそ6か月であって、およそ2グラムの量で投与される。他の好適な実施態様では、第二曝露は、初回曝露からおよそ6か月であって、およそ1グラムの抗体をおよそ2週間で投与された後、さらにおよそ1グラムの抗体が投与される。
SLEのためには、初回曝露の前におよび/またはそれと同時に、例えばおよそ0.4〜1mg/kg/日の量で初回曝露の1週間前にプレドニゾンが投与されるのが好ましい。より好ましくは、被検体は、BILAGスコアと事前に調べたプレドニゾン用量に基づいて、7日間にわたって0.5mg/kg/日、0.75mg/kg/日または1.0mg/kg/日の初回経口プレドニゾン投薬計画を受ける。初回CD20抗体投与からおよそ第16日目に、被検体はおよそ10週間にわたってプレドニゾンの漸減を行って、およそ10mg/日以下のプレドニゾン用量にする。被検体は、耐容されるように副腎皮質ステロイドの漸減を続けて、およそ5mg/日以下かそれと同じ標的用量にする。第二曝露では初回曝露とともに用いられるより低い量のプレドニゾンが投与されるか、または第二曝露とともにプレドニゾンが投与されないか、または、初回曝露とともに用いられるより低い量のプレドニゾンが第二曝露とともに投与され、第三またはそれ以降の曝露では投与されないのがさらにより好ましい。他の好適な態様では、プレドニゾンに加えて、抗マラリア剤、例えば、ヒドロキシクロロキン、クロロキン又はキナクリン、又はメトトレキセート、ミコフェノール酸モフェチル、アザチオプリン又は6-メルカプトプリンが投与される。初回曝露または第二曝露またはその後の曝露などの一以上の曝露の間に、あるいは、すべての曝露の間に投与されてもよい。このような実施態様では、抗マラリア剤、メトトレキセート、ミコフェノール酸モフェチル、アザチオプリン又は6-メルカプトプリンは、場合によっては初回曝露の間に、あるいは場合によって初回曝露とともに用いられるより低い量で第二曝露とともに投与される。
このような抗体の産生、修飾および製剤化方法については以下の通りである。
III.抗体の製造
本発明の方法及び製造品は、B細胞表面上のマーカーに結合する抗体、特にCD20に結合する抗体を使用又は取り込む。したがって、該抗体の製造方法をここに記載する。
抗体の製造又はスクリーニングのために用いるCD20抗原は、例としてB細胞表面マーカー又はその所望のエピトープを含むCD20ないしは一部の可溶性形態であってもよい。あるいは又は更に、CD20をその細胞表面上に発現する細胞を抗体の製造又はスクリーニングに用いることができる。抗体の製造に有用なCD20の他の形態は当業者に明らかである。
以下は、本発明に従って用いた抗体の製造の例示的技術として記載する。
(i) ポリクローナル抗体
ポリクローナル抗体は、好ましくは、関連する抗原とアジュバントを複数回皮下(sc)又は腹腔内(ip)注射することにより動物に産生される。免疫化される種において免疫原性であるタンパク質、例えばキーホールリンペットヘモシアニン、血清アルブミン、ウシサイログロブリン、又は大豆トリプシンインヒビターに関連抗原を、二官能性又は誘導体形成剤、例えばマレイミドベンゾイルスルホスクシンイミドエステル(システイン残基による抱合)、N-ヒドロキシスクシンイミド(リジン残基による)、グルタルアルデヒド、無水コハク酸、SOCl、又はRとRが異なったアルキル基であるRN=C=NRにより抱合させることが有用である。
動物を、例えばタンパク質又はコンジュゲート100μg又は5μg(それぞれウサギ又はマウスの場合)を完全フロイントアジュバント3容量と併せ、この溶液を複数部位に皮内注射することによって、抗原、免疫原性コンジュゲート、又は誘導体に対して免疫化する。1ヶ月後、該動物を、完全フロイントアジュバントに入れた初回量の1/5ないし1/10のペプチド又はコンジュゲートを用いて複数部位に皮下注射することにより、追加免疫する。7ないし14日後に動物を採血し、抗体価について血清を検定する。動物は、力価がプラトーに達するまで追加免疫する。好ましくは、動物は、同じ抗原のコンジュゲートであるが、異なったタンパク質にコンジュゲートさせた、及び/又は異なった架橋剤によってコンジュゲートさせたコンジュゲートで追加免疫する。コンジュゲートはまたタンパク融合として組換え細胞培養中で調製することもできる。また、ミョウバンのような凝集化剤が、免疫反応の増強のために好適に使用される。
(ii) モノクローナル抗体
モノクローナル抗体は実質的に同種の抗体の集団から得られる抗体を意味する、すなわち、集団を構成する個々の抗体が、一般にわずかながら存在する突然変異体などのモノクローナル抗体の産生中に生じうる突然変異体を除いて同一及び/又は同じエピトープに結合するものである。よって、「モノクローナル」との修飾詞は、別個又はポリクローナルの抗体の混合物ではなく、抗体の特性を示すものである。
例えば、モノクローナル抗体は、Kohlerら, Nature, 256:495 (1975)により最初に記載されたハイブリドーマ法を用いて作製でき、又は組換えDNA法(米国特許第4,816,567号)によって作製することができる。
ハイブリドーマ法においては、マウス又はその他の適当な宿主動物、例えばハムスターを上記したようにして免疫し、免疫化に用いられるタンパク質と特異的に結合する抗体を生産するか又は生産することのできるリンパ球を導き出す。別法として、リンパ球をインビトロで免疫することもできる。次に、リンパ球を、ポリエチレングリコールのような適当な融剤を用いて骨髄腫細胞と融合させ、ハイブリドーマ細胞を形成する(Goding, Monoclonal Antibodies: Principles and Practice,59-103頁(Academic Press, 1986))。
このようにして調製されたハイブリドーマ細胞を、融合していない親の骨髄腫細胞の増殖または生存を阻害する一又は複数の物質を好ましくは含む適当な培地に蒔き、増殖させる。例えば、親の骨髄腫細胞が酵素ヒポキサンチングアニジンホスホリボシルトランスフェラーゼ(HGPRT又はHPRT)を欠失するならば、ハイブリドーマのための培地は、典型的には、HGPRT欠失細胞の増殖を妨げる物質であるヒポキサンチン、アミノプテリン及びチミジンを含有するであろう(HAT培地)。
好ましい骨髄腫細胞は、効率的に融合し、選択された抗体産生細胞による抗体の安定な高レベルの生産を支援し、HAT培地のような培地に対して感受性である細胞である。これらの中でも、好ましい骨髄腫株化細胞は、マウス骨髄腫系、例えば、ソーク・インスティテュート・セル・ディストリビューション・センター、San Diego, California USAから入手し得るMOPC-21及びMPC-11マウス腫瘍、及びアメリカ培養細胞系統保存機関、Rockville, Maryland USAから入手し得るSP-2又はX63-Ag8-653細胞から誘導されたものである。ヒト骨髄腫及びマウス−ヒトヘテロ骨髄腫株化細胞もまたヒトモノクローナル抗体の産生のために開示されている(Kozbor, J.Immunol., 133:3001 (1984);Brodeurら, Monoclonal Antibody Production Techniques and Applications,51-63頁(Marcel Dekker, Inc., New York, 1987))。
ハイブリドーマ細胞が生育している培地を、抗原に対するモノクローナル抗体の産生についてアッセイする。好ましくは、ハイブリドーマ細胞により産生されるモノクローナル抗体の結合特異性は、免疫沈降又はインビトロ結合検定、例えばラジオイムノアッセイ(RIA)又は酵素結合免疫吸着検定(ELISA)によって測定する。
モノクローナル抗体の結合親和性は、例えばMunsonほか, Anal. Biochem., 107:220 (1980)のスキャッチャード分析法によって測定することができる。
所望の特異性、親和性、及び/又は活性の抗体を産生するハイブリドーマ細胞が確定された後、該クローンを限界希釈法によりサブクローニングし、標準的な方法により増殖させることができる(Goding, Monoclonal Antibodies: Principles and Practice, 59-103頁(Academic Press, 1986))。この目的に対して好適な培地には、例えば、D-MEM又はRPMI-1640培地が包含される。加えて、該ハイブリドーマ細胞は、動物において腹水腫瘍としてインビボで増殖させることができる。
サブクローンにより分泌されたモノクローナル抗体は、例えばプロテインA-SEPHAROSETM架橋型アガロース、ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィー、ゲル電気泳動、透析、又はアフィニティークロマトグラフィーのような常套的な免疫グロブリン精製法により、培地、腹水、又は血清から好適に分離される。
モノクローナル抗体をコードしているDNAは、常法を用いて(例えば、マウスの重鎖及び軽鎖をコードしている遺伝子に特異的に結合できるオリゴヌクレオチドプローブを用いることにより)即座に単離され配列決定される。ハイブリドーマ細胞は、このようなDNAの好ましい供給源となる。ひとたび単離されたならば、DNAを発現ベクター中に入れ、ついでこれを、そうしないと免疫グロブリンタンパク質を産生しない大腸菌細胞、サルCOS細胞、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、又は骨髄腫細胞のような宿主細胞中にトランスフェクトし、組換え宿主細胞中でモノクローナル抗体の合成を達成することができる。抗体をコードするDNAの細菌中での組換え発現に関する概説論文には、Skerraら, Curr. Opinion in Immunol., 5:256-262(1993)及びPlueckthum, Immunol. Revs., 130:151-188(1992)がある。
更なる実施態様では、抗体又は抗体断片は、McCaffertyら, Nature, 348:552-554 (1990)に記載された技術を使用して産生される抗体ファージライブラリから単離することができる。Clacksonら, Nature, 352:624-628 (1991)及び Marksら, J.Mol.Biol., 222:581-597 (1991)は、ファージライブラリを使用したマウス及びヒト抗体の単離を記述している。続く刊行物は、鎖混合による高親和性(nM範囲)のヒト抗体の生産(Marksら, Bio/Technology, 10:779-783(1992))、並びに非常に大きなファージライブラリを構築するための方策としてコンビナトリアル感染とインビボ組換え(Waterhouseら, Nuc.Acids.Res., 21:2265-2266(1993))を記述している。従って、これらの技術はモノクローナル抗体の分離に対する伝統的なモノクローナル抗体ハイブリドーマ法に対する実行可能な別法である。
DNAはまた、例えば、ヒト重鎖及び軽鎖定常ドメインのコード化配列を、相同的マウス配列に代えて置換することにより(米国特許第4,816,567号;Morrisonら, Proc.Nat.Acad.Sci.,USA,81:6851(1984))、又は免疫グロブリンコード配列に非免疫グロブリンポリペプチドのコード配列の全部又は一部を共有結合させることで修飾できる。
典型的には、このような非免疫グロブリンポリペプチドは、抗体の定常ドメインに置換され、又は抗体の1つの抗原結合部位の可変ドメインに置換されて、抗原に対する特異性を有する1つの抗原結合部位と異なる抗原に対する特異性を有するもう一つの抗原結合部位とを含むキメラ二価抗体を作り出す。
(iii) ヒト化抗体
非ヒト抗体をヒト化する方法は従来からよく知られている。好ましくは、ヒト化抗体には非ヒト由来の一又は複数のアミノ酸残基が導入されている。これら非ヒトアミノ酸残基は、しばしば、典型的には「移入」可変ドメインから得られる「移入」残基と呼ばれる。ヒト化は、本質的にはヒト抗体の該当する高頻度可変領域配列を置換することによりウィンターと共同研究者の方法(Jonesほか, Nature, 321:522-525 (1986)、Riechmannほか, Nature, 332:323-327 (1988)、Verhoeyenほか, Science, 239:1534-1536(1988))を使用して実施することができる。よって、このような「ヒト化」抗体は、完全なヒト可変ドメインより実質的に少ない分が非ヒト種由来の該当する配列で置換されたキメラ抗体(米国特許第4,816,567号)である。実際には、ヒト化抗体は、典型的にはいくつかの高頻度可変領域残基及び場合によってはいくらかのFR残基が齧歯類抗体の類似部位からの残基によって置換されているヒト抗体である。
抗原性を低減するには、ヒト化抗体を生成する際に使用するヒトの軽重両方の可変ドメインの選択が非常に重要である。「ベストフィット法」では、齧歯動物抗体の可変ドメインの配列を既知のヒト可変ドメイン配列のライブラリ全体に対してスクリーニングする。次に齧歯動物のものと最も近いヒト配列をヒト化抗体のヒトフレームワーク領域(FR)として受け入れる(Simsほか, J. Immunol., 151:2296 (1993);Chothiaら, J. Mol. Biol., 196:901(1987))。他の方法では、軽又は重鎖可変領域の特定のサブグループのヒト抗体全てのコンセンサス配列から誘導される特定のフレームワーク領域を使用する。同じフレームワークをいくつかの異なるヒト化抗体に使用できる(Carterほか, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 89:4285 (1992);Prestaほか, J. Immunol., 151:2623(1993))。
更に、抗体を、抗原に対する高親和性や他の好ましい生物学的性質を保持してヒト化することが重要である。この目標を達成するべく、好ましい方法では、親及びヒト化配列の三次元モデルを使用して、親配列及び様々な概念的ヒト化産物の分析工程を経てヒト化抗体を調製する。三次元免疫グロブリンモデルは一般的に入手可能であり、当業者にはよく知られている。選択された候補免疫グロブリン配列の推測三次元立体配座構造を図解し、表示するコンピュータプログラムは購入可能である。これら表示を見ることで、候補免疫グロブリン配列の機能における残基のありそうな役割の分析、すなわち候補免疫グログリンの抗原との結合能力に影響を及ぼす残基の分析が可能になる。このようにして、例えば標的抗原に対する親和性が高まるといった、望ましい抗体特性が達成されるように、FR残基をレシピエント及び移入配列から選択し、組み合わせることができる。一般的に、高頻度可変領域残基は、直接的かつ最も実質的に抗原結合性に影響を及ぼしている。
(iv)ヒト抗体
ヒト化のための別法により、ヒト抗体を生産することができる。例えば、内因性の免疫グロブリン産生がなくともヒト抗体の全レパートリーを免疫化することで産生することのできるトランスジェニック動物(例えば、マウス)を作ることが今は可能である。例えば、キメラ及び生殖系列突然変異体マウスにおける抗体重鎖結合領域(J)遺伝子の同型接合除去が内因性抗体産生の完全な阻害をもたらすことが記載されている。このような生殖系列突然変異体マウスにおけるヒト生殖系列免疫グロブリン遺伝子列の転移は、抗原投与時にヒト抗体の産生をもたらす。Jakobovitsら, Proc.Natl.Acad.Sci.USA, 90:2551 (1993);Jakobovitsら, Nature 362:255-258 (1993);Bruggermanら, Year in Immuno., 7:33 (1993);米国特許第5,591,669号、同5,589,369号及び同5,545,807号を参照されたい。
あるいは、ファージディスプレイ技術(McCaffertyら, Nature 348:552-553(1990))を、非免疫化ドナーからの免疫グロブリン可変(V)ドメイン遺伝子レパートリーから、インビトロでヒト抗体及び抗体断片を産出させるために使用することができる。この技術によれば、抗体Vドメイン遺伝子は、繊維状バクテリオファージ、例えばM13の大きい又は小さいコートタンパク質遺伝子のいずれかにおいてイン-フレームをクローンする。繊維状粒子がファージゲノムの一本鎖のDNAコピーを含むので、抗体の機能特性に基づいた選択により、これらの特性を示す抗体をコードする遺伝子の選択がなされる。よって、ファージはB細胞の特性のいくつかを模倣している。ファージディスプレイは多様な形式で行うことができる;例えばJohnson, Kevin S. 及びChiswell, David J., Current Opinion in Structural Biology 3:564-571(1993)を参照のこと。V-遺伝子セグメントのいくつかの供給源がファージディスプレイのために使用可能である。Clacksonら, Nature, 352:624-628(1991)は、免疫化されたマウス脾臓から得られたV遺伝子の小ランダム組合せライブラリーからの抗オキサゾロン抗体の異なった配列を単離した。非免疫化ヒトドナーからのV遺伝子のレパートリーを構成可能で、抗原(自己抗原を含む)とは異なる配列の抗体を、Marksら, J. Mol. Biol. 222:581-597(1991)、又はGriffithら, EMBO J. 12:725-734(1993)に記載の技術に本質的に従って単離することができる。また、米国特許第5,565,332号及び同5,573,905号を参照のこと。
またヒト抗体は、活性化B細胞によりインビトロで生産してもよい(例えば米国特許第5,567,610号及び同5,229,275号を参照)。
(v) 抗体断片
抗体断片を生産するために様々な技術が開発されている。伝統的には、これらの断片は、完全な抗体のタンパク分解性消化を介して誘導されていた(例えば、Morimotoら, Journal of Biochemical and Biophysical Methods 24:107-117 (1992)及びBrennanら, Science, 229:81(1985)を参照されたい)。しかし、これらの断片は現在は組換え宿主細胞により直接生産することができる。例えば、抗体断片は上述において検討した抗体ファージライブラリーから分離することができる。別法として、Fab'-SH断片は大腸菌から直接回収することができ、化学的に結合してF(ab')断片を形成することができる(Carterら, Bio/Technology 10:163-167(1992))。他のアプローチ法では、F(ab')断片を組換え宿主細胞培養から直接分離することができる。抗体断片の生産のための他の方法は当業者には明らかであろう。他の実施態様では、選択抗体は単鎖Fv断片(scFV)である。国際公開93/16185;米国特許第5,571,894号;及び米国特許第5,587,458号を参照のこと。また、抗体断片は、例えば米国特許第5,641,870号に記載されているような「直鎖状抗体」であってもよい。このような直線状の断片は単特異的又は二重特異的であってもよい。
(vi) 二重特異性抗体
二重特異性抗体は、少なくとも2つの異なるエピトープに対して結合特異性を有する抗体である。例示的な二重特異性抗体は、CD20抗原の2つの異なるエピトープに結合しうる。他のこのような抗体ではCD20が結合し、更に他方のB細胞表面上のマーカーが結合しうる。あるいは、抗CD20結合アームは、B細胞に細胞防御メカニズムを集中させるように、FcγRI(CD64)、FcγRII(CD32)及びFcγRIII(CD16)等のIgG(FcγR)に対するFcレセプター、又はT細胞レセプター分子(例えばCD2又はCD3)等の白血球上のトリガー分子に結合するアームと結合しうる。また、二重特異性抗体はB細胞に細胞障害剤を局在化するためにも使用されうる。これらの抗体はCD20結合アーム及び細胞障害剤(例えば、サポリン(saporin)、抗インターフェロン-α、ビンカアルカロイド、リシンA鎖、メトトレキセート又は放射性同位体ハプテン)と結合するアームを有する。二重特異性抗体は全長抗体又は抗体断片(例えばF(ab')二重特異性抗体)として調製することができる。
二重特異性抗体を作成する方法は当該分野において既知である。全長二重特異性抗体の伝統的な産生は二つの免疫グロブリン重鎖-軽鎖対の同時発現に基づき、ここで二つの鎖は異なる特異性を持っている(Millsteinら, Nature, 305:537-539(1983))。免疫グロブリン重鎖及び軽鎖が無作為に取り揃えられているため、これらのハイブリドーマ(四部雑種)は10個の異なる抗体分子の可能性ある混合物を産生し、そのうちただ一つが正しい二重特異性構造を有する。通常、アフィニティークロマトグラフィー工程により行われる正しい分子の精製は、かなり煩わしく、生成物収率は低い。同様の方法が国際公報93/8829及びTrauneckerら、EMBO J. 10:3655-3659(1991)に開示されている。
異なったアプローチ法では、所望の結合特異性を有する抗体可変ドメイン(抗原−抗体結合部位)を免疫グロブリン定常ドメイン配列と融合させる。該融合は好ましくは、少なくともヒンジの一部、CH2及びCH3領域を含む免疫グロブリン重鎖定常ドメインとの融合である。軽鎖の結合に必要な部位を含む第一の重鎖定常領域(CH1)を、融合の少なくとも一つに存在させることが望ましい。免疫グロブリン重鎖の融合、望まれるならば免疫グロブリン軽鎖をコードしているDNAを、別個の発現ベクター中に挿入し、適当な宿主生物に同時形質移入する。これにより、コンストラクトに使用される三つのポリペプチド鎖の等しくない比率が最適な収率をもたらす態様において、三つのポリペプチド断片の相互の割合の調節に大きな融通性が与えられる。しかし、少なくとも二つのポリペプチド鎖の等しい比率での発現が高収率をもたらすとき、又はその比率が特に重要性を持たないときは、2または3個全てのポリペプチド鎖のためのコード化配列を一つの発現ベクターに挿入することが可能である。
このアプローチ法の好適な実施態様では、二重特異性抗体は、第一の結合特異性を有する一方のアームのハイブリッド免疫グロブリン重鎖と他方のアームのハイブリッド免疫グロブリン重鎖-軽鎖対(第二の結合特異性を提供する)とからなる。二重特異性分子の半分にしか免疫グロブリン軽鎖がないと容易な分離法が提供されるため、この非対称的構造は、所望の二重特異性化合物を不要な免疫グロブリン鎖の組み合わせから分離することを容易にすることが分かった。このアプローチ法は、国際公報94/04690に開示されている。二重特異性抗体を産生する更なる詳細については、例えばSureshら, Methods in Enzymology, 121:210 (1986)を参照されたい。
米国特許第5,731,168号に記載された他のアプローチ法によれば、一対の抗体分子間の界面を操作して組換え細胞培養から回収されるヘテロダイマーのパーセントを最大にすることができる。好適な界面は抗体定常ドメインのC3ドメインの少なくとも一部を含む。この方法では、第1抗体分子の界面からの一又は複数の小さいアミノ酸側鎖がより大きな側鎖(例えばチロシン又はトリプトファン)と置き換えられる。大きな側鎖と同じ又は類似のサイズの相補的「キャビティ」を、大きなアミノ酸側鎖を小さいもの(例えばアラニン又はスレオニン)と置き換えることにより第2の抗体分子の界面に作り出す。これにより、ホモダイマーのような不要の他の最終産物に対してヘテロダイマーの収量を増大させるメカニズムが提供される。
二特異性抗体とは架橋抗体や「ヘテロ抱合抗体」を含む。例えば、ヘテロ抱合体の一方の抗体がアビジンと結合し、他方はビオチンと結合していても良い。このような抗体は、例えば、免疫系細胞を不要な細胞に対してターゲティングさせること(米国特許第4,676,980号)及びHIV感染の治療(国際公報91/00360、国際公報92/200373及び欧州特許第03089号)等の用途が提案されている。ヘテロ抱合抗体は適当な架橋方法によって生成できる。当技術分野においては、適切な架橋剤は周知であり、それらは複数の架橋法と共に例えば米国特許第4,676,980号などに記されている。
抗体断片から二重特異性抗体を産生する技術もまた文献に記載されている。例えば、化学結合を使用して二重特異性抗体を調製することができる。Brennanら, Science, 229:81 (1985) は完全な抗体をタンパク分解性に切断してF(ab')断片を産生する手順を記述している。これらの断片は、ジチオール錯体形成剤亜砒酸ナトリウムの存在下で還元して近接ジチオールを安定化させ、分子間ジスルヒド形成を防止する。産生されたFab'断片はついでチオニトロベンゾアート(TNB)誘導体に転換される。Fab'-TNB誘導体の一つをついでメルカプトエチルアミンでの還元によりFab'-チオールに再転換し、他のFab'-TNB誘導体の等モル量と混合して二重特異性抗体を形成する。作られた二重特異性抗体は酵素の選択的固定化用の薬剤として使用することができる。
組換え細胞培養から直接的に二重特異性抗体断片を作成し分離する様々な方法もまた記述されている。例えば、二重特異性抗体はロイシンジッパーを使用して生産された。Kostelnyら, J.Immunol., 148(5):1547-1553 (1992)。Fos及びJunタンパク質からのロイシンジッパーペプチドを遺伝子融合により二つの異なった抗体のFab'部分に結合させられた。抗体ホモダイマーはヒンジ領域で還元されてモノマーを形成し、ついで再酸化させて抗体ヘテロダイマーを形成する。この方法はまた抗体ホモダイマーの生産に対して使用することができる。Hollingerら, Proc.Natl.Acad.Sci. USA, 90:6444-6448 (1993)により記述された「ダイアボディ」技術は二重特異性抗体断片を作成する別のメカニズムを提供した。断片は、同一鎖上の2つのドメイン間の対形成を可能にするのに十分に短いリンカーにより軽鎖可変ドメイン(V)に重鎖可変ドメイン(V)を結合してなる。従って、一つの断片のV及びVドメインは他の断片の相補的V及びVドメインと強制的に対形成させられ、2つの抗原結合部位を形成する。単鎖Fv(sFv)ダイマーを使用する他の二重特異性抗体断片製造方策もまた報告されている。Gruberら, J.Immunol., 152:5368 (1994)を参照されたい。
二価より多い抗体も考えられる。例えば、三重特異性抗体を調製することができる。Tuttら J.Immunol. 147:60(1991)。
IV.抗体のコンジュゲート(結合)と他の修飾
本明細書中の方法に用いる又は製造品に内包される抗体は場合によって細胞障害性剤と結合させる。例えば国際公報2004/032828に記載のように、(CD20)抗体は薬剤とコンジュゲートさせてもよい。
そのような抗体-細胞障害性剤コンジュゲートの生成に有用な化学療法剤は前述している。
また、抗体と一つ以上の小分子毒素のコンジュゲート、例えばカリケアミシン(calicheamicin)、マイタンシン(maytansine)(米国特許第5,208,020号)、トリコテン(trichothene)及びCC1065もここにおいて考慮される。本発明の一実施態様では、抗体は、一つ以上のマイタンシン(maytansine)分子(例えば、抗体分子当たり約1から約10のマイタンシン分子)と共役している。マイタンシンは、例えばMay-SH3へ還元されるMay-SS-Meへ変換され、修飾抗体(Chariら,Cancer Research 52:127-131(1992))と反応してマイタンシノイド(maytansinoids)−抗体コンジュゲートを生じる。
あるいは、抗体は、一つ以上のカリケアマイシン(calicheamicin)分子を包含する。抗生物質のカリケアマイシンファミリーは、サブピコモル濃度で、二重鎖DNAの割れ目を作ることができる。使用されるであろうカリケアマイシンの構造類似体は、限定されるものではないが、γ 、α 、α 、N−アセチルγ 、PSAG及びθ (Hinmanら, Cancer Research 53:3336-3342(1993)及びLodeら,Cancer Research 58:2925-2928(1998))を含む。
使用可能な酵素活性毒及びその断片には、ジフテリアA鎖、ジフテリア毒素の非結合性活性断片、外毒素A鎖(シュードモナス・アエルギノーサ(Pseudomonas aeruginosa))、リシンA鎖、アブリンA鎖、モデシン(modeccin)A鎖、アルファ-サルシン(sarcin)、アレウライツ・フォルディイ(Aleurites fordii)プロテイン、ジアンシン(dianthin)プロテイン、フィトラッカ・アメリカーナ(Phytolaca americana)プロテイン(PAPI、PAPII及びPAP-S)、モモルディカ・キャランティア(momordica charantia)インヒビター、クルシン(curcin)、クロチン、サパオナリア(sapaonaria)オフィシナリスインヒビター、ゲロニン(gelonin)、マイトゲリン(mitogellin)、レストリクトシン(restrictocin)、フェノマイシン、エノマイシン及びトリコセセンス(tricothecenes)が含まれる。例えば、1993年10月28日に公開の国際公開93/21232を参照のこと。
本発明は、更に、抗体と核酸分解性活性(例えば、リボムクレアーゼ又はDNAエンドヌクレアーゼ、例えばデオキシリボヌクレアーゼ;DNA分解酵素)を有する化合物との抗体コンジュゲートについて考慮する。
種々の放射性核種が放射性コンジュゲート抗体の生成に利用できる。具体例にはAt211、I131、I125、Y90、Re186、Sm153、Bi212、P32及びLuの放射線各種が含まれる。
抗体と細胞障害剤のコンジュゲートは、種々の二官能性タンパク質カップリング剤、例えばN-スクシンイミジル-3-(2-ピリジルジチオール)プロピオナート(SPDP)、スクシインミジル1-4-(N-マレイミドメチル)シクロヘキサン-1-カルボキシレート、イミノチオラン(IT)、イミドエステル類の二官能性誘導体(例えばジメチルアジピミダートHCl)、活性エステル類(例えば、スベリン酸ジスクシンイミジル)、アルデヒド類(例えば、グルタルアルデヒド)、ビス-アジド化合物(例えば、ビス(p-アジドベンゾイル)ヘキサンジアミン)、ビス-ジアゾニウム誘導体(例えば、ビス-(p-ジアゾニウムベンゾイル)-エチレンジアミン)、ジイソシアネート(例えば、トリエン-2,6-ジイソシアネート)、及び二活性フッ素化合物(例えば、1,5-ジフルオロ-2,4-ジニトロベンゼン)を使用して作製される。例えば、リシン免疫毒素は、Vitetta等, Science 238:1098(1987)に記載されているようにして調製することができる。炭素-14標識1-イソチオシアナトベンジル-3-メチルジエチレン-トリアミン五酢酸(MX-DTPA)が抗体に放射性ヌクレオチドをコンジュゲートするためのキレート剤の例である。国際公開94/11026を参照されたい。リンカーは、細胞内で細胞毒性薬剤を放出を容易にする「切断可能なリンカー」でもよい。例えば、酸性の易動性リンカー、ペプチダーゼ感受性リンカー、ジメチルリンカー又はジスルフィド含有リンカー(Chari 等 Cancer Research 52: 127-131 (1992))を用いてもよい。
あるいは、抗体及び細胞障害性剤を含んでなる融合タンパク質を、例えば組み換え技術又はペプチド合成で製造してもよい。
他の実施態様では、腫瘍の事前ターゲティングに利用するために、「レセプター」(例えばストレプトアビジン)に抗体がコンジュゲートされ得、ここで、抗体-レセプターコンジュゲートを患者に投与し、続いて清澄化(clearing)剤を使用し、循環から未結合コンジュゲートを除去し、細胞障害剤(例えば放射性ヌクレオチド)にコンジュゲートする「リガンド」(例えばアビジン)を投与する。
また、本発明の抗体を、プロドラッグ(例えばペプチジル化学療法剤、国際公報81/01145を参照)を活性な抗癌剤に転化させるプロドラッグ活性化酵素にコンジュゲートさせてもよい。例えば国際公報88/07378及び米国特許第4,975,278号を参照されたい。
そのようなコンジュゲートの酵素成分には、より活性な細胞毒形態に転化するように、プロドラッグに作用し得る任意の酵素が含まれる。
限定するものではないが、この発明の方法に有用な酵素には、ホスファート含有プロドラッグを遊離の薬剤に転化するのに有用なアルカリ性ホスファターゼ;スルファート含有プロドラッグを遊離の薬剤に転化するのに有用なアリールスルファターゼ;非毒性5-フルオロシトシンを抗癌剤5-フルオロウラシルに転化するのに有用なシトシンデアミナーゼ;プロテアーゼ、例えばセラチアプロテアーゼ、サーモリシン、サブチリシン、カルボキシペプチダーゼ及びカテプシン(例えば、カテプシンB及びL)で、ペプチド含有プロドラッグを遊離の薬剤に転化するのに有用なもの;D-アミノ酸置換基を含有するプロドラッグの転化に有用なD-アラニルカルボキシペプチダーゼ;炭水化物切断酵素、例えばグリコシル化プロドラッグを遊離の薬剤に転化するのに有用なノイラミニダーゼ及びβガラクトシダーゼ;βラクタムで誘導体化された薬剤を遊離の薬剤に転化させるのに有用なβラクタマーゼ;及びペニシリンアミダーゼ、例えばそれぞれフェノキシアセチル又はフェニルアセチル基で、それらのアミン性窒素において誘導体化された薬剤を遊離の薬剤に転化するのに有用なペニシリンVアミダーゼ又はペニシリンGアミダーゼが含まれる。あるいは、「アブザイム」としてもまた公知の酵素活性を有する抗体を、遊離の活性薬剤に本発明のプロドラッグを転化させるために使用することもできる(例えば、Massey, Nature 328:457-458(1987)を参照)。抗体-アブザイムコンジュゲートは、ここで記載されているようにして、腫瘍細胞個体群にアブザイムを送達するために調製することができる。
この発明の酵素は、当該分野においてよく知られている技術、例えば上で検討したヘテロ二官能性架橋試薬を使用することにより、抗体に共有的に結合させることができる。あるいは、本発明の抗体の少なくとも結合領域を本発明の酵素の少なくとも機能的に活性な部位に結合せしめてなる融合タンパク質を、当該技術においてよく知られている組換えDNA技術を使用して作成することができる(例えばNeubergerら, Nature 312:604-608(1984)参照。
抗体の他の修飾がここで検討される。例えば、抗体は、様々な非タンパク質性(nonproteinaceous)のポリマー、例えば、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレングリコール、ポリオキシアルキレン類、又はポリエチレングリコールとポリプロピレングリコールのコポリマーの1つに結合させてもよい。一以上のPEG分子と結合しているFab'等の抗体断片は本発明の実施態様に特に好ましい。
また、ここで開示する抗体はリポソームとして製剤化してもよい。抗体を含むリポソームは、Epstein等, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 82:3688 (1985);Hwang等, Proc. Natl Acad. Sci. USA, 77:4030 (1980);U.S. Pat. Nos. 4,485,045及び4,544,545;及び1997年10月23日に公開の国際公報97/38731等に記載されているような当分野において公知の方法によって調製する。循環時間が長いリポソームは、米国特許第5,013,556号に開示されている。
特に有用なリポソームは、フォスファチジルコリン、コレステロール及びPEG-誘導体ホスファチジルエタノールアミン(PEG-PE)を含む脂質組成物を用いた逆相蒸発法によって生成することができる。所望の直径を有するリポソームを回収するために、リポソームを規定のサイズの孔のフィルターに通す。本発明の抗体のFab’断片を、ジスルフィド相互反応を介してMartin等 J. Biol. Chem. 257: 286-288 (1982)に記載のようにリポソームと抱合させることができる。場合によっては、化学療法剤をリポソーム内に内包させる。Gabizon等 J. National Cancer Inst.81(19)1484 (1989)を参照。
ここで記載のタンパク質又はペプチド抗体のアミノ酸配列の修飾を考察する。例えば、抗体の結合親和性及び/又は他の生物学的特性が改善されることが望ましい。抗体のアミノ酸配列変異体は、適当なヌクレオチド変化を抗体核酸に導入することにより、又はペプチド合成により調製される。そのような修飾は、例えば、抗体のアミノ酸配列内の残基の欠失、及び/又は挿入及び/又は置換を含む。欠失、挿入、及び置換の任意の組み合わせは、最終構造物に達するまでなされるが、その最終構造物は所望の特徴を有する。また、アミノ酸変化は、グリコシル化部位の数又は位置の変化など、抗体の翻訳後過程を変更しうる。
突然変異のための好ましい位置にある抗体の残基又は領域の同定のために有用な方法は、Cunningham及びWells , Science 244: 1081-1085 (1989)に記載されているように「アラニンスキャンニング突然変異誘発」と呼ばれる。ここで、標的残基の残基又は基が同定され(例えば、arg, asp, his, lys,及びglu等の荷電残基)、中性又は負荷電アミノ酸(最も好ましくはアラニン又はポリペプチドアニリン)に置換され、アミノ酸と抗原との相互作用に影響を及ぼす。次いで置換に対する機能的感受性を示すこれらのアミノ酸の位置は、置換部位において又はそれに対して更に又は他の置換を導入することにより精密にされる。即ち、アミノ酸配列変異を導入する部位は予め決定されるが、変異自体の性質は予め決める必要はない。例えば、与えられた部位における性能を分析するために、alaスキャンニング又はランダム突然変異誘発を標的コドン又は領域で実施し、発現された抗体変異体を所望の活性についてスクリーニングする。
アミノ酸配列挿入は、1残基から100以上の残基を含むポリペプチドの長さの範囲のアミノ-及び/又はカルボキシル末端融合物、並びに一又は複数のアミノ酸残基の配列内挿入物を含む。末端挿入物の例は、N-末端メチオニル残基を持つ抗体又は細胞障害ポリペプチドに融合した抗体を含む。抗体分子の他の挿入変異体は、抗体の血清半減期を向上させる酵素又はポリペプチドの抗体のN-又はC-末端への融合物を含む。
他の型の変異体はアミノ酸置換変異体である。これらの変異体は、抗体分子において少なくとも一つのアミノ酸残基に異なる残基が挿入されている。抗体の置換突然変異について最も関心ある部位は高度可変領域を含むが、FR交互変化も考慮される。保存的置換は、「好ましい置換」と題して表1に示す。これらの置換が生物学的活性の変化をもたらす場合、表1に「例示的置換」と名前を付けた又はアミノ酸の分類を参照して以下に更に記載するような、より実質的な変化を導入して、生成物をスクリーニングしてよい。
表1
Figure 2008501706
抗体の生物学的性質における実質的な修飾は、(a)置換領域のポリペプチド骨格の構造、例えばシート又は螺旋配置、(b)標的部位の分子の電荷又は疎水性、又は(c)側鎖の嵩を維持するそれらの効果において実質的に異なる置換を選択することにより達成される。アミノ酸はその側鎖の性質の類似性に応じて分類される( Biochemistry, 第2版., pp. 73-75, Worth Publishers, New York (1975)中のA. L. Lehninger):
(1)非極性:Ala (A), Val (V), Leu (L), Ile (I), Pro (P), Phe (F), Trp (W), Met (M)
(2)荷電のない極性:Gly (G), Ser (S), Thr (T), Cys (C), Tyr (Y), Asn (N), Gln (Q)
(3)酸性:Asp (D), Glu (E)
(4)塩基性:Lys (K), Arg (R), His(H)
あるいは、天然に生じる残基は共通の側鎖性質に基づいてグループに分類してもよい。
(1)疎水性:ノルロイシン、met、ala、val、leu、ile;
(2)中性の親水性:cys、ser、thr、asn、gln;
(3)酸性:asp、glu;
(4)塩基性:his、lys、arg;
(5)鎖配向に影響する残基:gly、pro;
(6)芳香族:trp、tyr、phe。
非保存的置換は、これらの分類の一つのメンバーを他の分類に交換することを必要とするであろう。
抗体の適切な配置の維持に関与しない任意のシステイン残基は、一般にセリンで置換し、分子の酸化的安定性を向上させて異常な架橋を防止する。逆に、抗体にシステイン結合を付加して、その安定性を向上させてもよい(特にここでの抗体は抗体断片、例としてFv断片である)。
特に好ましい型の置換変異体は、親抗体の一又は複数の高頻度可変領域残基の置換を含む。一般的に、さらなる発展のために選択され、得られた変異体は、それらが作製された親抗体と比較して向上した生物学的特性を有している。そのような置換変異体を作製する簡便な方法は、ファージディスプレイを使用する親和性突然変異である。簡潔に言えば、幾つかの高頻度可変領域部位(例えば6−7部位)を突然変異させて各部位における全ての可能なアミノ酸置換を生成させる。このように生成された多価抗体は、繊維状ファージ粒子から、各粒子内に充填されたM13の遺伝子III産物への融合物としてディスプレイされる。ファージディスプレイ変異体は、ついで、ここに開示されるようなそれらの生物学的活性(例えば、結合親和性)についてスクリーニングされる。修飾のための候補となる高頻度可変領域部位を同定するために、アラニンスキャンニング突然変異誘発を実施し、抗原結合に有意に寄与する高頻度可変領域残基を同定することができる。別法として、又はそれに加えて、抗原-抗体複合体の結晶構造を分析して抗体と抗原の接点を特定するのが有利である場合もある。このような接触残基及び隣接残基は、ここに述べた技術に従う置換の候補である。そのような変異体が生成されると、変異体のパネルにここに記載するようなスクリーニングを施し、一又は複数の関連アッセイにおいて優れた特性を持つ抗体を更なる開発のために選択する。
抗体のアミノ酸変異の他の型は、抗体の元のグリコシル化パターンを変更する。このような変更とは、抗体に見い出される一又は複数の糖鎖部分の欠失、及び/又は抗体に存在しない一又は複数のグリコシル化部位の付加等を含む。
ポリペプチドのグリコシル化は、典型的には、N結合又はO結合の何れかである。N結合とは、アスパラギン残基の側鎖への炭水化物部分の結合を意味する。アスパラギン-X-セリン及びアスパラギン-X-スレオニン(ここでXはプロリンを除く任意のアミノ酸)のトリペプチド配列は、アスパラギン側鎖への糖鎖部分の酵素的結合のための認識配列である。従って、ポリペプチド中にこれらのトリペプチド配列の何れかが存在すると、潜在的なグリコシル化部位が作出される。O結合グリコシル化は、ヒドロキシアミノ酸、最も一般的にはセリン又はスレオニンに、糖類N-アセチルガラクトサミン、ガラクトース、又はキシロースの一つが結合することを意味するが、5-ヒドロキシプロリン又は5-ヒドロキシリジンもまた用いられる。
抗体へのグリコシル化部位の付加は、アミノ酸配列を、それが一又は複数の上述したトリペプチド配列(N結合グリコシル化部位のもの)を含むように変化させることによって簡便に達成される。該変化は、元の抗体の配列への一又は複数のセリン又はスレオニン残基の付加、又はこれによる置換によってもなされる(O-結合グリコシル化部位の場合)。
抗体がFc領域を含有する場合、それに接着する炭水化物を変更してもよい。例えば、抗体のFc領域に接着するフコースを欠損する成熟炭水化物構造の抗体は、米国特許公開出願番号2003/0157108 (Presta, L.)に記載される。米国公開特許2004/0093621 (Kyowa Hakko Kogyo Co., Ltd.)も参照のこと。抗体のFc領域に接着した炭水化物内のN-アセチルグルコサミン(GlcNAc)を二分する抗体は、国際公報03/011878, Jean-Mairet 等、及び米国特許第6,602,684号, Umana 等に参照されている。抗体のFc領域に接着するオリゴサッカライド内の少なくとも一のガラクトース残基を有する抗体は、国際公報97/30087, Patel 等に報告される。また、抗体のFc領域に接着する変更された炭水化物を有する抗体については、国際公報98/58964 (Raju, S.)及び国際公報99/22764 (Raju, S.)も参照のこと。
本明細書中の好適なグリコシル化変異形はFc領域を含有し、Fc領域に接着される炭水化物構造はフコースを欠いている。このような変異形は改善されたADCC機能を有する。場合によって、Fc領域は、更にADCCを改善する一つ以上のアミノ酸置換、例えばFc領域の位置298、333および/または334の置換(Eu残基番号付け)を更に含む。「脱フコース化」または「フコース欠失」抗体に関する文献の例には以下のものを含む:米国公開番号2003/0157108;国際公報2000/61739;国際公報2001/29246;米国公開番号2003/0115614;米国公開番号2002/0164328;米国公開番号2004/0093621;米国公開番号2004/0132140;米国公開番号2004/0110704;米国公開番号2004/0110282;米国公開番号2004/0109865;国際公報2003/085119;国際公報2003/084570;国際公報2005/035586;国際公報2005/035778;Okazaki 等 J. Mol. Biol. 336:1239-1249 (2004);およびYamane-Ohnuki 等 Biotech. Bioeng.87: 614 (2004)。脱フコース化抗体を産生する細胞株の例として、タンパク質フコース化欠失Lec13 CHO細胞 (Ripka 等 Arch. Biochem. Biophys. 249:533-545 (1986);米国公開番号2003/0157108, Presta, L;および国際公報2004/056312, Adams 等, 特に実施例11)、およびノックアウト細胞株、例としてα-1,6-フコシルトランスフェラーゼ遺伝子、FUT8,-ノックアウトCHO細胞 (Yamane-Ohnuki 等 Biotech. Bioeng. 87: 614 (2004))などがある。
抗体のアミノ酸配列変異体をコードする核酸分子は、この分野で知られた種々の方法によって調製される。これらの方法は、限定するものではないが、天然源からの単離(天然に生じるアミノ酸配列変異体の場合)又は初期に調製された抗体の変異体又は非変異体のオリゴヌクレオチド媒介(又は部位特異的)突然変異誘発、PCR突然変異誘発、及びカセット突然変異誘発による調製を含む。
エフェクター機能に関して、例えば抗体のADCC及び/又はCDCを向上させるために、本発明の抗体を修飾することが望ましい。このことは、抗体のFc領域に一又は複数のアミノ酸修飾を導入することで達成される。あるいはまたは加えて、Fc領域にシステイン残基を導入することによってこの領域での鎖間のジスルフィド結合形成が起こりうる。故に、生成されたホモ二量体抗体は内部移行能を向上および/または補体媒介性細胞障害およびADCCを増強する。Caron等, J. Exp Med. 176:1191-1195 (1992) およびShopes, B. J. Immunol. 148:2918-2922 (1992)を参照。抗腫瘍活性が亢進されたホモ二量体抗体もまた、Wolff ら Cancer Research 53:2560-2565 (1993)に記載されているような異種性二機能性交差結合を用いて調製されうる。または、抗体を二重のFc領域を持つように操作して、それによって補体媒介性溶解およびADCC能を亢進した。StevensonらAnti-Cancer Drug Design 3:219-230 (1989)を参照。
国際公報00/42072 (Presta, L.)は、抗体がそのFc領域内にアミノ酸置換を含有する場合のヒトエフェクター細胞の存在下で改善されたADCC機能を有する抗体を述べる。好ましくは、改善されたADCCを有する抗体はFc領域内の位置298、333及び/又は334に置換を有する。好ましくは、変更されたFc領域は、それらの位置のうちの1、2又は3つに置換を含有する又はそれらからなるヒトIgG1Fc領域である。
変更したC1q結合及び/又はCDCを有する抗体については、国際公報99/51642、米国特許第6,194,551号B1、米国特許第6,242,195号B1、米国特許第6,528,624号B1及び米国特許第6,538,124号 (Idusogie 等)に記載される。抗体は、そのFc領域のアミノ酸位置270、322、326、327、329、313、333及び/又は334の一以上にアミノ酸置換を含有する。
抗体の血清半減期を延長するために、例として米国特許第5739277号に記載されているように抗体(特に抗体断片)内にサルベージレセプター結合エピトープを組み込む方法がある。ここで用いる、「サルベージレセプター結合エピトープ」は、IgG分子のインビボ血清半減期延長に関与するIgG分子(例えば、IgG、IgG、IgG又はIgG)のFc領域のエピトープを表す。また、Fc領域内に置換を有し、血清半減期が延長された抗体は国際公報00/42072(Presta, L.)に記載される。
3つ以上(好ましくは4つ)の機能的抗原結合部位を有する遺伝的に操作した抗体もまた考慮される(米国公開番号2002/0004587 A1, Miller 等)。
V.治療的剤形
本発明に関連して使用される抗体の治療的剤形は、所望の純度を有する抗体を選択的に薬剤的許容可能な担体、賦形剤、安定剤と混合して凍結乾燥の剤形または液状溶液の形態の貯蔵に適するものである(Remington's Pharmaceutical Sciences 16th edition, Osol, A. Ed. (1980))。許容可能な担体、賦形剤、又は安定化剤は、用いられる用量及び濃度で受容者に非毒性であり、リン酸、クエン酸、及び他の有機酸などのバッファー;アスコルビン酸及びメチオニンを含む酸化防止剤;防腐剤(オクタデシルジメチルベンジルアンモニウムクロライド;ヘキサメトニウムクロライド;ベンズアルコニウムクロライド;ベンズエトニウムクロライド;フェノール;ブチル又はベンジルアルコール;メチル又はプロピルパラベン等のアルキルパラベン;カテコール;レゾルシノール;シクロヘキサノール;3-ペンタノール;及びm-クレゾールなど);低分子量(約10残基未満)ポリペプチド;血清アルブミン、ゼラチン、又は免疫グロブリン等のタンパク質;ポリビニルピロリドン等の親水性ポリマー;グリシン、グルタミン、アスパラギン、ヒスチジン、アルギニン、又はリシン等のアミノ酸;グルコース、マンノース、又はデキストリンを含む単糖類、二糖類、及び他の炭水化物EDTA等のキレート剤、スクロース、マンニトール、トレハロース又はソルビトールなどの糖;ナトリウムなどの塩形成対イオン;金属錯体(例えば、Zn-タンパク質錯体)又はTWEENTM、PLURONICSTM、またはPEG等の非イオン性界面活性剤を含む。
例示的抗CD20抗体の剤形は国際公報98/56418に記載されており、出典明記により特別に本明細書中に組み込まれる。この公報は、2−8℃で2年間の最小限の貯蔵期間を持つように、リツキシマブ40mg/mL、25mM酢酸塩、150mMトレハロース、0.9%ベンジルアルコール、及び0.02%POLYSORBATETM20乳化剤, pH5.0を含む液状複数回用量の剤形である。目的の他の抗CD20剤形は、リツキシマブ10mg/mL、塩化ナトリウム9.0mg/mL、クエン酸ナトリウム二水和物7.35mg/mL、POLYSORBATETM80乳化剤 0.7mg/mL、および注入用の滅菌水を含むpH6.5のものである。
凍結乾燥剤形は米国特許第6267958(Andya 等)に記載されるように、皮下的投与に適する。そのような凍結乾燥剤形は適当な希釈剤で高いタンパク質濃度に再編成されるかもしれない、また再編成された剤形はここで治療される哺乳動物に皮下注射されうる。
また、抗体又はアンタゴニストの結晶形態も考慮される。例えば米国公開番号2002/0136719A1(Shenoy 等)も参照のこと。
また、本明細書中の製剤は、治療される特定の症状の必要に応じて、一以上の活性な化合物(第二薬剤)、好ましくは互いに悪影響を及ぼさない補完的な活性を有するものを含有してもよい。例えば、それは、細胞障害性剤(例えばミトキサントロン(NOVANTRONE(登録商標))、メトトレキセート、シクロホスファミド、クロランブシルおよびアザチオプリン)、化学療法剤、免疫抑制剤、サイトカイン、サイトカインアンタゴニスト又は抗体、成長因子、ホルモン(例えばテストステロンまたはホルモン置換療法)、インテグリン、インテグリンアンタゴニスト又は抗体(例えば、LFA-1抗体、例としてGenentechから市販のエファリズマブ/RAPTIVA(登録商標)、または、α4インテグリン抗体、例としてBiogenから入手可能なナタリズマブ/ANTEGREN(登録商標)、または上記に記載の他のもの)、インターフェロンクラス薬剤、例としてIFNβ-1a(REBIF(登録商標)およびAVONEX(登録商標))又はIFNβ-1b(BETASERON(登録商標))、オリゴペプチド、例としてグラチラマーアセテート(COPAXONE(登録商標))、静脈免疫グロブリン(γグロブリン)、リンパ球枯渇療法(例えばミトキサントロン、シクロホスファミド、CAMPATHTM抗体、抗CD4またはクラドリビン)、非リンパ球枯渇性免疫抑制療法(例えばMMF又はシクロスポリン)、「スタチン」クラスのコレステロール低下剤、エストラジオール、狼瘡の二次性又は関連する症状(例えば、痙性、失調症、疼痛、疲労)を治療する薬剤、TNFインヒビター、DMARD、NSAID、副腎皮質ステロイド(例えばメチルプレドニゾロン、プレドニゾン、デキサメサゾンまたはグルコルチコイド)、レボチロキシン、サイクロスポリンA、ソマタスタチン(somatastatin)類似体、抗代謝産物、他のB細胞表面アンタゴニスト/抗体などを製剤中にさらに供給するのが望ましい。そのような他の薬剤(本明細書中で第二薬剤と称する、第一薬剤はCD20抗体である)の種類と有効量は、例えば製剤中に存在する抗体の量、治療する狼瘡のタイプ、および被検体の臨床的パラメータに依存する。
また、活性成分は、例としてコアセルべーション技術または界面重合化により調製したマイクロカプセル、例として、個々のコロイド状のドラッグデリバリーシステム(例として、リポソーム、アルブミンマイクロスフェア、マイクロエマルジョン、ナノ粒子およびナノカプセル)またはマクロエマルジョン中の、ヒドロキシメチルセルロースまたはゼラチンマイクロカプセルおよびポリ(メチルメタサイクリン)マイクロカプセル中に包まれているかもしれない。このような技術は、例えばRemington's Pharmaceutical Sciences 16th edition, Osol, A. Ed. (1980)に開示されている。
持続性徐放剤が調製される。持続性徐放剤の好適な例は、抗体を含む固形疎水性ポリマーの準透過性基質を含むものであり、基質は、造形品、例としてフィルム、またはマイクロカプセルの形である。持続性徐放基質の例として、ポリエステル、ヒドロゲル(例えば、ポリ(2ヒドロキシエチル-メタクリレート)、またはポリ(ビニルアルコール))、ポリ乳酸(米国特許第3773919号), L-グルタミン酸およびエチルLグルタミン酸の共重合体、非分解性のエチレンビニール酢酸塩、分解性の乳酸グリコール酸共重合体、例としてLUPRON DEPOTTM(乳酸-グリコール酸共重合体およびロイプロリド酢酸塩で構成された注入可能ミクロスフェア)、およびポリD-(-)-3ヒドロキシブチリン酸を含む。インビボ投与に用いる剤形は無菌でなければならない。これは滅菌濾過膜を通す濾過によって容易く達成できる。
VI.製造品
本発明の他の実施態様では、前述した狼瘡の治療に有用な物質を含有する製造品が提供される。好ましくは、製造品は、(a) B細胞表面マーカーに結合する抗体(例えばCD20抗体)を含有する組成物と製薬的に受容可能な担体または希釈剤を内包する容器;および(b) 被検体の狼瘡を治療するための指示を有するパッケージ挿入物を含んでなる製造品であって、該指示が、およそ0.5から4グラムの初回抗体曝露の後におよそ0.5から4グラムの第二抗体曝露を供給するために有効な抗体の被検体への投与量を示すものであり、該第二曝露は初回曝露からおよそ16から54週までに供給されず、それぞれの抗体曝露が単回抗体用量としてないしは2又は3の複数回抗体用量として被検体に供給されるものである製造品である。
パッケージ挿入物は容器上にあるないしは容器に付属するものである。適切な容器には、例えばボトル、ガラス瓶、シリンジ等が含まれる。容器はガラス又はプラスチックのような様々な材料で形成されうる。容器は狼瘡の治療に有効な組成物を収容しており、滅菌した出入口を有している(例えば、容器は皮下注射針により貫通可能なストッパーを具備する静脈溶液用のバック又はガラス瓶であってよい)。組成物中の少なくとも1つの活性剤は抗体である。ラベル又はパッケージ挿入物には、供給される抗体と任意の他の薬剤の用量と間隔に関する特定のガイダンスと共に、組成物が治療に好適な被検体の狼瘡を治療するために使用されることが示されている。更に、製造品は、製薬的に許容可能な希釈用バッファー、例えば、注入のための静菌性水(BWFI)、リン酸緩衝生理食塩水、リンガー液及びデキストロース溶液を収容する第2の容器を具備してもよい。さらに製造品は、第二の薬剤を内包する第二または第三の容器を具備してもよく、この場合にCD20抗体は第一の薬剤であり、製造品は第二の薬剤を用いた被検体の治療についてのパッケージ挿入物上の指示書を具備する。第二の薬剤の例としては、化学療法剤、免疫抑制剤、抗マラリア剤、細胞障害性剤、インテグリンアンタゴニスト、サイトカインアンタゴニスト又はホルモンなどがある。好適な第二の薬剤は、化学療法剤、抗マラリア剤または免疫抑制剤であり、より好ましくはヒドロキシクロロキン、クロロキン、キナクリン、シクロホスファミド、プレドニゾン、ミコフェノール酸モフェチル、メトトレキセート、アザチオプリン又は6‐メルカプトプリンである。より具体的に、狼瘡がSLEの場合、そのような第二の薬剤はプレドニゾンなどの副腎皮質ステロイド(場合によっては6‐メルカプトプリンの有無にかかわらずアザチオプリン、MMF、キナクリン、クロロキン、ヒドロキシクロロキン、メトトレキセートと共に)であることが好ましく、狼瘡がループス腎炎である場合、第二の薬剤はプレドニゾンなどの副腎皮質ステロイド、並びにMMFまたはシクロフォスファミドであることが好ましい。さらに、製造品は、他のバッファー、希釈剤、フィルター、針及びシリンジを含む、市販及び使用者の観点から望ましい他の材料を更に含んでいてもよい。
更に、以下の限定的でない実施例により本発明を詳述する。本明細書中のすべての引例に開示されていることは出典明記によりここに組み込まれる。
実施例1 ISN/RPS2003クラスIIIまたはIVループス腎炎を有する被検体におけるリツキシマブの有効性と安全性の研究
この研究では、ISN/RPS2003クラスIIIまたはIVループス腎炎を有する被検体において、ミコフェノール酸モフェチル(MMF)+副腎皮質ステロイド単独と比較してMMFと副腎皮質ステロイドに加えたリツキシマブ(MABTHERA(登録商標)/RITUXAN(登録商標))の有効性と安全性の優位性を評価する。リツキシマブ(1000mg×2)をIVと経口副腎皮質ステロイドによって第1および第15日目2回の初回用量で静脈内投与し、その後6か月目に1g×2を投与する。この例示的投薬計画(MMF+副腎皮質ステロイドにリツキシマブ添加)をプラセボ(MMF+副腎皮質ステロイドにプラセボ添加)と比較する。このリツキシマブベースの投薬計画は現在の標準的な治療を検討するものであり、CYTOXAN(登録商標)シクロフォスファミド(CYC)とその公知の毒性への患者の曝露を排除し、正味の臨床的利点を向上させたことを示す。患者を、52週の研究期間を通じて、腎および腎外両方の疾患活動性、疾患の再燃、および安全性の項目についてモニターする。試験の第一有効性エンドポイントは52週とするいずれが後に生じるかにかかわらず、リツキシマブの最終投与またはB細胞回復後12か月までは安全性経過観察を必要とする
第一の目標は、完全な腎性応答または部分的な腎性応答の何れかを示す患者の割合を測定することである。
完全な腎性応答は以下のように定められる:
1.基準のクレアチニンが正常範囲より低い場合、正常クレアチニンまたは基準クレアチニンへの正常化(±0.2mg/dL)
2.不活性尿沈渣(<10赤血球細胞(RBC)/強拡大視野(HPF)と赤血球キャストの不在により示される)。
3.クレアチニンに対する尿タンパク比<0.5。
部分的な腎性応答は以下のように定められる:
1.安定性(スクリーニング値からの±10%)又は向上された推定糸球体濾過率(GFR)(Modification in Diet in Renal Disease(MDRD)方程式によって算出)。
2.基準から尿沈渣を悪化させないこと。
3.基準のクレアチニンに対する尿タンパク比が≦3.5である場合、<1.0のクレアチニンに対する尿タンパク比にタンパク尿の減少が観察される、または、基準のクレアチニンに対する尿タンパク比が>3.5である場合、3.5のクレアチニンに対する尿タンパク比より50%≦低いタンパク尿の減少が観察される。
同意が得られた患者の適性を測定するために14日間までの期間、スクリーニングをする。スクリーニングの後、MMFの治療を受けていない患者に分割用量(3回/日)で1500mg/日のMMF治療を開始する。すべての患者は、耐容性が得られるように、第4週まで、分割用量(3回/日)で3g/日の標的用量にまで滴定する。用量を減少する必要があれば、250〜500mgの減量を許容する。無作為に、MMF継続または開始何れかの後の患者にメチルプレドニゾロン1000mg、1日1回静脈内投与、2日間を開始し、次いで3日目に0.75mg/kg/日の経口プレドニゾンを開始し、第16週までに10〜15mg/日にまで漸減する。患者に、第1、15と第168、182日目にリツキシマブかプラセボの何れかを、第15、168および182日目の注入の30〜60分前にメチルプレドニゾロン100mg注と共に静脈内投与した。腎機能の悪化を体感した患者は治験担当医師の判断で中止して治療する。これらの患者は治療失敗と勘定し、安全性経過観察でじっくりと観察する
以下の基準の3つすべてに適合した場合、患者は治験に適する。それらは以下の通りである:
・糸球体の50%>に硬化を示すスクリーニングの12か月以内に行った腎生検によって、ISN/RPSクラスIIIまたはIVループス腎炎と診断された。
・クレアチニンに対する尿タンパク比>1.0のタンパク尿かつ、ISN/RPS2003クラスIIIまたはIVループス腎炎を示すスクリーニングの3か月以内の腎生検ないしは、>10RBC/HPFの活性尿沈渣または赤血球細胞キャストの存在によって示された活動疾患を有する。
・スクリーニング前の12週間、推定GFR(MDRD方程式によって算出)≧30ml/分を有する。
基準、リツキシマブ/プラセボの各々のクールの終わり、その治験を通して4週毎のB細胞数(CD19)を評価する。すべてのB細胞計数は委託指定中央研究所で行った。78週の終わりに、プラセボリツキシマブ又は活性なリツキシマブを投与されたがB細胞回復を示した患者を、治験終了とする。リツキシマブを投与されたが、B細胞回復を示さなかった患者は、B細胞が回復するまで続けた(低さにかかわらず基準又は正常の下限によって定められる)。
第52週後の患者はリツキシマブ注入に適する。第52週後のリツキシマブ服用患者のすべてについて、どちらが遅いかにかかわらず、リツキシマブ最終服用またはB細胞回復の何れかの後の12か月間観察する
前記のプロトコールで患者にリツキシマブまたはヒト化2H7を投与すると、ループス腎炎の一以上の徴候、症状または指標が対照と比較して寛解することが予測され期待され。また、さらに2g用量のCD20抗体を、一度に全部か1グラム量ずつおよそ14〜16日に分けるかしCD20抗体による初回治療後12か月と18か月の間に再び投与すると、初回治療の応答が効果的に持続するか、プレドニゾンおよび/または他の免疫抑制剤の有無にかかわらず、患者が再燃する場合にさらに完全/部分的な応答が誘導されることが予測される。したがって、CD20抗体はおよそ2週間以内に最初に投与され、およそ6か月にさらに治療し、初回治療からおよそ1年から1年半(服用した時点から計算する)にさらに可能な治療を施すと成功すると思われる。この再治療プロトコールは増殖性ループス腎炎の治療に成功裏に用いられると思われる。
実施例2 中程度から重度の全身性エリテマトーデス患者におけるリツキシマブの有効性と安全性を評価するための研究
この研究は、第II相/第III相治験に登録の活動中糸球体腎炎のない活動中SLEを有する患者において、プラセボと比較してプレドニゾンと1の付加的な免疫抑制剤(MMF、メトトレキセート(MTX)、アザチオプリン(AZA)又は6‐メルカプトプリン(6-MP))に添加したリツキシマブ(MABTHERA(登録商標)/RITUXAN(登録商標))の有効性および安全性を評価する。患者は、1の新規なBILAG A判定基準又は2の新規なBILAG B判定基準に定められる重度の狼瘡再燃(Lupus Flare)を表すことことが認められており、そのBILAGスコアと事前に研究されたプレドニゾン用量に基づいて、7日間にわたって0.5mg/kg/日、0.75mg/kg/日、又は1.0mg/kg/日の初回経口プレドニゾン投薬計画を受けている。次いで、患者に、リツキシマブ又はプラセボを無作為に投与し、第16日目にプレドニゾンを開始し、10週間にわたって漸減して<10mg/日のプレドニゾン用量にする。患者は耐用性があるように副腎皮質ステロイドの漸減を続け、≦5mg/日の標的用量にまで減ら。患者は、52週間の治験の間、疾患活動性、付加的な免疫抑制剤の使用、疾患の再燃、プレドニゾンの使用、および安全性項目についてモニターする。治験の一次有効性エンドポイントは52週とする。安全性経過観察は、いずれが後に生じるかにかかわらず、リツキシマブの最終服用又はB細胞回復の後12か月まで行
この研究の第一目的は、BILAG評価によって評価されるように中等度から重度の全身性エリテマトーデス(SLE)を有する患者において、完全寛解major clinical response、MCR)又は部分寛解partial clinical response、PCR)を達成して、維持する際の、プラセボと比較したときのリツキシマブの有効性を評価することである。臨床効果は、以下の互いに相容れない3種類に分類される:
・MCRを達成した患者。
・MCRは達成しないが、PCRを達成した患者。
・MCRまたはPCRの何れも達成しない患者(すなわち臨床効果なし(NCR))。
MCR、PCRおよびNCRは以下のように定められる:
・MCR:BILAG Cスコアを達成するかまたは24週で良好となり、再燃することな(BILAG AまたはBスコアを有する一以上の新規ドメイン)の効果を52週まで維持する患者。
・PCR:BILAG Cスコアを達成するかまたは24週で良好となり、再燃することな(BILAG Bスコアを有する一以上の新規ドメイン)の効果を連続した16週間維持するか、あるいは24週でBILAG Bスコアを有する一ドメインの最大値に達し、再燃することな(BILAG Bスコアまたは新規のBILAG Aスコアを有する一以上の新規ドメイン)の効果を52週まで維持する患者。
・NCR:第1日から24週までに重度の再燃(BILAG Aスコアを有する1の新規ドメイン又はBILAG Bスコアを有する2の新規ドメイン)を体験するすべての患者あるいは、上記のMCRまたはPCRの定義に当てはまらない任意の患者。
この研究の第二の目的または有効性結果計測(リツキシマブをプラセボと比較)は、以下を評価するためのものである。
・52週にわたってBILAG評価法でスコア化した曲線−基準線による時間に対する領域(AUCMB)によって測定される、SLE疾患全体を減退させるリツキシマブ能。
・例えば52週にMCR(PCRを除く)を達成する患者の割合とPCR(MCRを含む)を達成する患者の割合によって測定される、MCR(PCRを除く)またはPCR(MCRを含む)を誘導するリツキシマブ能。
・リツキシマブの安全性および耐容性。
・例えばBILAG Cスコアを達成するか、24週にすべてのドメインが良好となる患者の割合によって測定される、BILAG Cスコアを達成するかあるいは24週で良好となるリツキシマブ治療患者能。
・52週にわたって中程度ないしは重度の再燃までの時間を延長するリツキシマブ能。
・第52週の基準からのSLE増補ヘルスサーベイ身体機能スコア狼瘡に特異的な付加的因子を有するSF-36インデックス)によって測定される、生活の質を改善するリツキシマブ能。
・例えば第24週から第52週まで<10mg/日のプレドニゾンによってMCRを達成する患者の割合によって測定される、リツキシマブを投与された患者における副腎皮質ステロイド減量。
・SLE患者におけるリツキシマブの薬物動態学。
同意が得られた患者の適性を測定するために最後の7日間までの期間、スクリーニングをした。患者は、バックグラウンドの免疫抑制効果の下で活動中の糸球体腎炎所見がない、ACR判定基準および1の新規なBILAG分類「A」または2の新規なBILAG分類「B」判定基準によって測定される活性な狼瘡を有するものである。スクリーニングでは、初回のBILAGスコアおよび事前にスクリーニングした副腎皮質ステロイド用量に基づいて、患者をまず、7日間0.5mg/kg/日、0.75mg/kg/日又は1.0mg/kg/日の経口プレドニゾンで治療する。好適な患者を2:1の比に無作為に分けて、52週間の治療と観察の間、リツキシマブ1000mg静注×2回(第1、15日目)+プレドニゾン漸減、またはリツキシマブプラセボ静注等量+プレドニゾン漸減を投与する。最初のリツキシマブ/プラセボ注入を第1日目に、第二の注入を第15日目に行った。治験中の第16日目に計画的にプレドニゾンの漸減を行い、10週間にわたって少しずつプレドニゾンを減らして10mg/日p.o.とし、耐容性があるように第52週までに<5mg/日まで漸減を続け。治験実施者は適切なリツキシマブ投与方法を習得している。治験実施者の判断で特に最初の注入時に観察のために患者を入院させた。十分な管理の下でリツキシマブを投与し、迅速に十分回復させ。すべての患者に第24週と第26週にリツキシマブとプラセボの何れかを再服用させた。さらに、それぞれの治験医薬(リツキシマブまたはプラセボ)注入の30〜60分前に患者に100mgのソルメドロールをIV投与した。
すべての患者には、治験を通して、治験実施者によって治療されない限り変更なく、スクリーニング時に行っていた基準の免疫抑制的薬剤(例えば、MMF、AZA/6-MP、MTX)を継続し、その抗マラリア薬剤(必要がある場合)、並びにその基準の非副腎皮質ステロイドSLE薬剤を継続するように指示した。NSAIDは軽度の症状の疾患を治療しうる。必要に応じて、医療モニタリングに先行して免疫抑制剤の漸減を検討した。必要がある場合には、治験の間に用いられると思われる抗マラリ剤と用量範囲を以下の表に挙げる。
Figure 2008501706
治験実施者が臨床的に適当であると判断した場合、プロトコール定義の中程度〜重度のSLE再燃があった(治療失敗)患者に、付加的な経口副腎皮質ホルモン治療を行。これらの患者は、疾患の重症度に応じて、プレドニゾン(0.5〜1.0mg/kg)で再治療する。胃腸関連により一時的に経口副腎皮質ホルモンが排除される場合には、等量用量のIV副腎皮質ステロイドを与え。副腎皮質ステロイドに反応しない再燃がある患者は、2週間の副腎皮質ステロイドの増量治療後にBILAG A又はB症状の改善のない患者である。患者および治験実施者が必要とする場合には、内容を開示した延長治験(open label extension trial)で救援治療に登録するのが好ましい。新規な免疫抑制剤又は他の任意の新規なSLE薬物治療を始めた患者は、治験の安全性経過観察期間に入っており、第二治験医薬投薬計画の(6か月)付随的な薬剤治療を開始する場合には更なる治験医薬は投与しない。
患者は12ヵ月間毎月評価した。基準時、リツキシマブ/プラセボ注入の各々のクールの終わり、および治療/観察期間の全体にわたって4週ごとに連続して、B細胞計数を行った。すべてのB細胞計数は中央研究所によって行われ、医師はB細胞計数をみていない。78週の終わりに、リツキシマブプラセボ又はリツキシマブを服用して、どちらが低いかにかかわらず基準値又は正常値の下限へのB細胞回復に定められるように、B細胞回復を示す患者は、治験が完了したものとした。リツキシマブを服用したが、78週にB細胞回復を示さなかった患者は、B細胞が回復するまで観察した。
前記のプロトコールで患者にリツキシマブまたはヒト化2H7を投与すると、SLEの一以上の徴候、症状または指標が対照と比較して寛解することが予測され期待され。また、さらに2g用量のCD20抗体を、一度に全部か1グラム量ずつおよそ14〜16日にわたって分量するかしCD20抗体による初回治療後12か月と18か月の間に再び投与すると、初回治療の応答が効果的に持続するか、プレドニゾンおよび/または他の免疫抑制剤の有無にかかわらず、患者が再燃する場合にさらに完全/部分的な応答が誘導されることが予測される。したがって、CD20抗体はおよそ2週間以内に最初に投与され、およそ6か月にさらに治療し、初回治療からおよそ1年から1年半(服用した時点から計算する)にさらに可能な治療を施すと成功すると思われる。この再治療プロトコールはSLEの治療に成功裏に用いられると思われる。
実施例3 ヒト化2H7変異体
以下のCDR配列の1、2、3、4、5又は6を含有するヒト化2H7抗体が本明細書の目的に有用である:
XがM又はLであるCDRL1配列RASSSVSYXH(配列番号18)、例として配列番号4(図1A)、
配列番号5(図1A)のCDRL2配列、
XがS又はAであるCDRL3配列QQWXFNPPT(配列番号19)、例として配列番号6(図1A)、
配列番号10のCDRH1配列(図1B)、
XがD又はAであるCDRH2配列AIYPGNGXTSYNQKFKG(配列番号20)、例として配列番号11(図1B)、及び
位置6のXがN、A、Y、W又はDであり、位置7のXがS又はRである、CDRH3配列VVYYSXXYWYFDV(配列番号21)、例として配列番号12(図1B)。
上記のCDR配列は一般的に、ヒト可変軽鎖及び可変重鎖のフレームワーク配列、例えばヒト軽鎖κサブグループI(VκI)の実質的なヒトコンセンサスFR残基、及びヒト重鎖サブグループIII(VIII)の実質的なヒトコンセンサスFR残基内に存在する。また、国際公報2004/056312(Lowman 等)も参照のこと。
可変重鎖領域はヒトIgG鎖定常領域に結合されてもよく、該領域は例えば天然配列及び非天然配列の定常領域を含むIgG1又はIgG3でもよい。
好適な実施態様では、このような抗体は、配列番号8の可変重鎖ドメイン配列(v16、図1Bに示す)を含有し、場合によっては配列番号2の可変軽鎖ドメイン配列(v16、図1Aに示す)を含有し、場合によっては、可変重鎖ドメイン内の位置56、100及び/又は100aに一又は複数のアミノ酸置換、例えばD56A、N100A又はN100Y、及び/又はS100aRと、可変軽鎖ドメイン内の位置32及び/又は92に一又は複数のアミノ酸置換、例えばM32L及び/又はS92Aを含有する。好ましくは、抗体は配列番号13又は16の軽鎖アミノ酸配列と、配列番号14、15、17または22の重鎖アミノ酸配列を含有する完全な抗体であり、この配列番号22は以下に示す。
好適なヒト化2H7抗体はオクレリズマブ(ocrelizumab)(Genentech)である。
本明細書中の抗体はさらに、ADCC活性を改善するFc領域内の少なくとも一のアミノ酸置換を含有する、例えば重鎖残基のEu番号付けでいうと、位置298、333及び334にアミノ酸置換、好ましくはS298A、E333A及びK334Aを有するものである。また、米国特許第6,737,056号, L. Prestaを参照のこと。
これら抗体の何れかは、FcRn結合又は血清半減期を改善するようなFc領域内での少なくとも一の置換、例えば重鎖位置434での置換、N434Wなどを含有してもよい。また、米国特許第6737056号, L. Prestaを参照のこと。
これら抗体の何れかはさらに、CDC活性を亢進するFc領域内での少なくとも一のアミノ酸置換、例えば位置326での少なくとも一置換、好ましくはK326A又はK326Wを含有してもよい。また、米国特許第6528624号(Idusogie 等)を参照のこと。
いくつかの好適なヒト化2H7変異体は、配列番号2の可変軽鎖ドメインと配列番号8の可変重鎖ドメインを含有するものであり、例として、(存在する場合には)Fc領域内に置換を有するか否かにかかわらず、配列番号8内に変異N100A;又はD56A及びN100A;又はD56A、N100Y、及びS100aRを含有する可変重鎖ドメインと、配列番号2内に変異M32L;又はS92A;又はM32L及びS92Aを含有する可変軽鎖ドメインを有するものなどがある。
2H7.v16の可変重鎖ドメイン内のM34は抗体安定性の潜在的源として同定され、新たな置換の候補となりうる
本発明のいくつかの多様な好適な実施態様をまとめると、2H7.v16をベースとした突然変異体の可変領域は、以下の表2に挙げる位置のアミノ酸置換以外はv16のアミノ酸配列を含有する。特に明記しない限り、2H7変異体はv16と同じ軽鎖を有する。
表2 例示的ヒト化2H7抗体突然変異体
Figure 2008501706
ある好適なヒト化2H7は、以下の2H7.v16可変軽鎖ドメイン配列:
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCRASSSVSYMHWYQQKPGKAPKPLIYAPSNLASGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQQWSFNPPTFGQGTKVEIKR (配列番号2);
及び以下の2H7.v16可変重鎖ドメイン配列:
EVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGYTFTSYNMHWVRQAPGKGLEWVGAIYPGNGDTSYNQKFKGRFTISVDKSKNTLYLQMNSLRAEDTAVYYCARVVYYSNSYWYFDVWGQGTLVTVSS (配列番号8)、
を有する。
ヒト化2H7.v16抗体が完全な抗体である場合、以下の軽鎖アミノ酸配列:
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCRASSSVSYMHWYQQKPGKAPKPLIYAPSNLASGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQQWSFNPPTFGQGTKVEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC (配列番号13);
及び配列番号14又は以下の重鎖アミノ酸配列:
EVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGYTFTSYNMHWVRQAPGKGLEWVGAIYPGNGDTSYNQKFKGRFTISVDKSKNTLYLQMNSLRAEDTAVYYCARVVYYSNSYWYFDVWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPG (配列番号15)、
を有してもよい。
他の好適なヒト化2H7抗体は、以下の2H7.v511可変軽鎖ドメイン配列:
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCRASSSVSYLHWYQQKPGKAPKPLIYAPSNLASGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQQWAFNPPTFGQGTKVEIKR (配列番号23)
及び、以下の2H7.v511可変重鎖ドメイン配列:
EVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGYTFTSYNMHWVRQAPGKGLEWVGAIYPGNGATSYNQKFKGRFTISVDKSKNTLYLQMNSLRAEDTAVYYCARVVYYSYRYWYFDVWGQGTLVTVSS (配列番号24)、
を有する。
ヒト化2H7.v16ヒト化2H7.v511の成熟軽鎖および重鎖それぞれを配列比較する図5および図6を参照のこと。
ヒト化2H7.v31抗体が完全抗体である場合、以下の軽鎖アミノ酸配列:
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCRASSSVSYLHWYQQKPGKAPKPLIYAPSNLASGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQQWAFNPPTFGQGTKVEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC (配列番号13)
及び、配列番号15又は以下の重鎖アミノ酸配列:
EVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGYTFTSYNMHWVRQAPGKGLEWVGAIYPGNGATSYNQKFKGRFTISVDKSKNTLYLQMNSLRAEDTAVYYCARVVYYSYRYWYFDVWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNATYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNAALPAPIAATISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPG (配列番号22)
を有してもよい。
本明細書中で好適な実施態様では、抗体は配列番号2および8に記載の可変ドメイン配列を含有するヒト化2H7である。本明細書中で好適な他の実施態様では、抗体は配列番号23および24に記載の可変ドメイン配列を含有するヒト化2H7である。
マウス2H7の軽鎖可変ドメイン(V)(配列番号1)、ヒト化2H7.v16変異形の軽鎖可変ドメイン(配列番号2)、及びヒトκ軽鎖サブグループIの軽鎖可変ドメイン(配列番号3)のアミノ酸配列を比較した配列アラインメント。2H7及びhu2H7.v16のVのCDRは以下の通りである:CDR1(配列番号4)、CDR2(配列番号5)、及びCDR3(配列番号6)。それぞれの鎖のCDR1、CDR2、CDR3は示すように大括弧で囲っており、フレームワーク領域、FR1-FR4に隣接している。2H7はマウス2H7抗体を示す。2配列間にあるアスタリスクは2配列間で異なる箇所を示す。 Kabat 等, Sequences of Immunological Interest. 5th Ed. Public Health Service, National Institutes of Health, Bethesda, Md. (1991)に従って残基番号を示し、a、b、c、d、及びeで挿入を示す。 マウス2H7の重鎖可変ドメイン(V)(配列番号7)、ヒト化2H7.v16変異形の重鎖可変ドメイン(配列番号8)、及び重鎖サブグループIIIのヒトコンセンサス配列の重鎖可変ドメイン(配列番号9)のアミノ酸配列を比較した配列アラインメント。2H7及びhu2H7.v16のVのCDRは以下の通りである:CDR1(配列番号10)、CDR2(配列番号11)、及びCDR3(配列番号12)。それぞれの鎖のCDR1、CDR2、CDR3は示すように大括弧で囲っており、フレームワーク領域、FR1-FR4に隣接している。2H7はマウス2H7抗体を示す。2配列間にあるアスタリスクは2配列間で異なる箇所を示す。 Kabat 等, Sequences of Immunological Interest. 5th Ed. Public Health Service, National Institutes of Health, Bethesda, Md. (1991)に従って残基番号を示し、a、b、c、d、及びeで挿入を示す。 成熟2H7.v16L鎖のアミノ酸配列(配列番号13)を示す。 成熟2H7.v16H鎖のアミノ酸配列(配列番号14)を示す。 成熟2H7.v31H鎖のアミノ酸配列(配列番号15)を示す。2H7.v31のL鎖は2H7.v16と同じである。 Kabatの可変ドメイン残基番号付け及びEu定常ドメイン残基番号付けを用いて、成熟2H7.v16及び2H7.v511の軽鎖(それぞれ配列番号13及び16)のアラインメントを示す。 Kabatの可変ドメイン残基番号付け及びEu定常ドメイン残基番号付けを用いて、成熟2H7.v16及び2H7.v511の重鎖(それぞれ配列番号14及び17)のアラインメントを示す。

Claims (71)

  1. 有効量のCD20抗体を含有してなる被検体の狼瘡を治療するための医薬であって、よそ0.5から4グラムの初回抗体曝露の後、およそ0.5から4グラムの第二抗体曝露供給され、該第二の曝露が初回曝露からおよそ16から54週まで供給されず、それぞれの抗体曝露が単回抗体用量としてないしは2又は3の複数回抗体用量として被検体に供給されることによって用いられる医薬
  2. 前記第二の曝露が初回曝露からおよそ20から30週まで供給されない、請求項1に記載の医薬
  3. 前記第二の曝露が初回曝露からおよそ46から54週まで供給されない、請求項1又は2に記載の医薬
  4. 前記初回および第二の抗体曝露がそれぞれおよそ1.5から3.5グラムの量で供給される、請求項1ないし3の何れか一に記載の医薬
  5. 前記初回および第二の抗体曝露がそれぞれおよそ1.5から2.5グラムの量で供給される、請求項1ないし4の何れか一に記載の医薬
  6. さらに、よそ0.5から4グラムの第三抗体曝露供給され、該第三の曝露が初回曝露からおよそ46から60週まで供給されず、該第三の抗体曝露が単回抗体用量としてないしは2又は3の複数回抗体用量として被検体に供給されることによって用いられる、請求項1ないし5の何れか一に記載の医薬
  7. 前記第三の抗体曝露がおよそ1.5から3.5グラムの量で供給される、請求項6に記載の医薬
  8. 前記第三の抗体曝露がおよそ1.5から2.5グラムの量で供給される、請求項6又は7に記載の医薬
  9. 前記第三の曝露が初回曝露からおよそ46から55週まで供給されない、請求項6ないし8の何れか一に記載の医薬
  10. 初回曝露から少なくともおよそ70から75週までに更なる抗体曝露が供給されない、請求項6ないし9の何れか一に記載の医薬
  11. 初回曝露からおよそ74から80週までに更なる抗体曝露が供給されない、請求項10に記載の医薬
  12. 一又は複数の抗体曝露が単回抗体用量として被検体に供給される、請求項1ないし11の何れか一に記載の医薬
  13. それぞれの抗体曝露が単回抗体用量として被検体に供給される、請求項12に記載の医薬
  14. 一又は複数の抗体曝露が複数回抗体用量として被検体に供給される、請求項1ないし11の何れか一に記載の医薬
  15. それぞれの抗体曝露が複数回抗体用量として供給される、請求項14に記載の医薬
  16. 前記複数回用量が第一および第二の用量となる、請求項14又は15に記載の医薬
  17. 前記複数回用量が第一、第二および第三の用量となる、請求項14又は15に記載の医薬
  18. 前記第二又は第三の用量が、前回の用量が投与されてからおよそ1から20日に投与される、請求項15ないし17の何れか一に記載の医薬
  19. 前記第二又は第三の用量が、前回の用量が投与されてからおよそ6から16日に投与される、請求項15ないし18の何れか一に記載の医薬
  20. 前記第二又は第三の用量が、前回の用量が投与されてからおよそ14から16日に投与される、請求項15ないし19の何れか一に記載の医薬
  21. 前記複数回用量がおよそ1日から4週間の全期間の間に投与される、請求項15ないし20の何れか一に記載の医薬
  22. 前記複数回用量がおよそ1日から25日の全期間の間に投与される、請求項21に記載の医薬
  23. 前記複数回用量がおよそ1週間ごとに投与される、つまり、第二用量が第一用量からおよそ1週間に投与され、任意の第三用量が第二用量からおよそ1週間に投与されるものである、請求項15ないし22の何れか一に記載の医薬
  24. それぞれの複数回抗体用量がおよそ0.5から1.5グラムである、請求項15ないし23の何れか一に記載の医薬
  25. それぞれの複数回抗体用量がおよそ0.75から1.3グラムである、請求項15ないし24の何れか一に記載の医薬
  26. 4から20の抗体曝露が前記被検体に投与される、請求項1ないし25の何れか一に記載の医薬
  27. 第二の薬剤が抗体曝露とともに有効量で投与され、前記CD20抗体が第一の薬剤である、請求項1ないし26の何れか一に記載の医薬
  28. 前記第二の薬剤初回曝露とともに投与される、請求項27に記載の医薬
  29. 前記第二の薬剤初回および第二の曝露とともに投与される、請求項27又は28に記載の医薬
  30. 前記第二の薬剤がすべての曝露とともに投与される、請求項27ないし29の何れか一に記載の医薬
  31. 前記第二の薬剤が、化学療法剤、免疫抑制剤、抗マラリア剤、細胞障害性剤、インテグリンアンタゴニスト、サイトカインアンタゴニスト、又はホルモンである、請求項27ないし30の何れか一に記載の医薬
  32. 前記第二の薬剤が、免疫抑制剤、抗マラリア剤又は化学療法剤である、請求項27ないし31の何れか一に記載の医薬
  33. 前記免疫抑制剤、抗マラリア剤又は化学療法剤が初回曝露とともに投与される、請求項32に記載の医薬
  34. 副腎皮質ステロイド、メトトレキセート、シクロホスファミド、ヒドロキシクロロキン、クロロキン、キナクリン、アザチオプリン、ミコフェノール酸モフェチル又は6‐メルカプトプリンが投与される、請求項33に記載の医薬
  35. 前記免疫抑制剤、抗マラリア薬薬剤又は化学療法剤が、第二の曝露とともに投与されない、ないしは初回曝露とともに用いられるより低い用量で投与される、請求項32ないし34の何れか一に記載の医薬
  36. 前記狼瘡がループス腎炎である、請求項1ないし35の何れか一に記載の医薬
  37. およそ2グラムの前記CD20抗体が初回曝露として投与される、請求項36に記載の医薬
  38. およそ1グラムの前記CD20抗体の投与後およそ2週間に、初回曝露として抗体さらにおよそ1グラム投与される、請求項36又は37に記載の医薬
  39. 前記第二の曝露が初回曝露からおよそ6か月であって、およそ2グラムの量で投与される、請求項36ないし38の何れか一に記載の医薬
  40. 前記第二の曝露が初回曝露からおよそ6か月であって、およそ1グラムの抗体として投与された後およそ2週間にさらにおよそ1グラムの抗体が投与される、請求項36ないし39の何れか一に記載の医薬
  41. 副腎皮質ステロイドが投与される、請求項36ないし40の何れか一に記載の医薬
  42. 前記副腎皮質ステロイドがメチルプレドニゾロン又はプレドニソン又はその両方である、請求項41に記載の医薬
  43. ミコフェノール酸モフェチルが投与される、請求項36ないし42の何れか一に記載の医薬
  44. 前記CD20抗体への第三の曝露が、初回曝露からおよそ1年から18か月に行われる、請求項36ないし43の何れか一に記載の医薬
  45. 前記狼瘡が全身性エリテマトーデスである、請求項1ないし35の何れか一に記載の医薬
  46. およそ2グラムの前記CD20抗体が初回曝露として投与される、請求項45に記載の医薬
  47. およそ1グラムの前記CD20抗体の投与後およそ2週間に、初回曝露として抗体がさらにおよそ1グラム投与される、請求項45又は46に記載の医薬
  48. 前記第二の曝露が初回曝露からおよそ6か月であって、およそ2グラムの量で投与される、請求項45ないし47の何れか一に記載の医薬
  49. 前記第二の曝露が初回曝露からおよそ6か月であって、およそ1グラムの抗体として投与されてからおよそ2週間にさらにおよそ1グラムの抗体が投与される、請求項45ないし48の何れか一に記載の医薬
  50. プレドニゾンが初回曝露の前あるいは初回曝露とともに投与される、請求項45ないし49の何れか一に記載の医薬
  51. プレドニゾンが初回曝露とともに用いられるよりも低い用量で第二の曝露とともに投与されるか、プレドニゾンが第二の曝露とともに投与されないか、あるいは該プレドニゾンが、初回曝露とともに用いられるよりも低い量で第二の曝露とともに投与されるが第三ないしはそれ以降の曝露では投与されないものである、請求項50に記載の医薬
  52. さらに、ヒドロキシクロロキン、クロロキン、キナクリン、メトトレキセート、ミコフェノール酸モフェチル、アザチオプリン又は6‐メルカプトプリンが投与される、請求項50又は51に記載の医薬
  53. 前記CD20抗体への第三の曝露が初回曝露からおよそ1年から18か月に行われる、請求項45ないし52の何れか一に記載の医薬
  54. 前記被検体がCD20抗体によって以前に治療されたことがない、請求項1ないし53の何れか一に記載の医薬
  55. 前記抗体が完全な抗体である、請求項1ないし54の何れか一に記載の医薬
  56. 前記抗体が他の分子とコンジュゲートされたものである、請求項1ないし54の何れか一に記載の医薬
  57. 前記他の分子が細胞障害性剤である、請求項56に記載の医薬
  58. 前記抗体が静脈内に投与される、請求項1ないし57の何れか一に記載の医薬
  59. 前記抗体が各々の抗体曝露のために静脈内に投与される、請求項58に記載の医薬
  60. 前記抗体が皮下に投与される、請求項1ないし57の何れか一に記載の医薬
  61. 前記抗体が各々の抗体曝露のために皮下に投与される、請求項60に記載の医薬
  62. 前記CD20抗体以外の薬剤が狼瘡治療のために前記被検体に投与されない、請求項1ないし26、36ないし40、44ないし49および53ないし61の何れか一に記載の医薬
  63. 前記抗体がリツキシマブである、請求項1ないし62の何れか一に記載の医薬
  64. 前記抗体が、配列番号2および8に示す可変ドメイン配列を含有するヒト化2H7である、請求項1ないし62の何れか一に記載の医薬
  65. 前記抗体が、配列番号23および24に示す可変ドメイン配列を含有するヒト化2H7である、請求項1ないし62の何れか一に記載の医薬
  66. 前記被検体が、浸潤性CD20細胞、抗核抗体(ANA)、抗二本鎖DNA(dsDNA)抗体、抗Sm抗体、抗核リボヌクレオタンパク質抗体、抗リン脂質抗体、抗リボソームP抗体、抗Ro/SS-A抗体、抗Ro抗体又は抗La抗体、あるいはこれら細胞ないしは抗体の2以上の組合せの濃度が増加している、請求項1ないし65の何れか一に記載の医薬
  67. (a) CD20抗体を包含する容器;および
    (b) 被検体の狼瘡を治療するための指示を有するパッケージ挿入物を含んでなる製造品であって、該指示が、およそ0.5から4グラムの初回抗体曝露の後におよそ0.5から4グラムの第二抗体曝露を供給するために有効である被検体へ投与される抗体の量を示すものであり、該第二曝露が初回曝露からおよそ16から54週後までに供給され、それぞれの抗体曝露が単回抗体用量としてないしは2又は3の複数回抗体用量として被検体に供給されるものである、製造品。
  68. さらに第二の薬剤を包含する容器を含んでなり、前記CD20抗体が第一の薬剤であり、第二の薬剤により被検体を治療することについての指示をパッケージ挿入物にんでなる、請求項67に記載の製造品。
  69. 前記第二の薬剤が化学療法剤、免疫抑制剤、抗マラリア剤、細胞障害性剤、インテグリンアンタゴニスト、サイトカインアンタゴニスト又はホルモンである、請求項68に記載の製造品。
  70. 前記第二の薬剤が化学療法剤、抗マラリア剤又は免疫抑制剤である、請求項68又は69に記載の製造品。
  71. 前記第二の薬剤がメチルプレドニゾロン、プレドニゾン、ミコフェノール酸モフェチル、メトトレキセート、ヒドロキシクロロキン、クロロキン、キナクリン、アザチオプリン又は6‐メルカプトプリンである、請求項68ないし70の何れか一に記載の製造品。
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