JP2008311731A - マイクロ波信号の増幅回路 - Google Patents

マイクロ波信号の増幅回路 Download PDF

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Abstract

【課題】グランド電位の近くにゲートバイアス電圧を設定することができ、FET増幅素子を飽和領域近くで動作させた場合でも、ゲートバイアス電圧の変化を抑え、その出力電圧の低下を抑制することができるマイクロ波信号の増幅回路を提案する。
【解決手段】ゲート端子にゲートバイアス電圧を供給するように接続されたバイアス回路が、正電圧の供給を受ける第1電圧端子と前記ゲート端子との間に接続された正側電流増幅トランジスタと、負電圧の供給を受ける第2電圧端子と前記ゲート端子との間に接続された負側電流増幅トランジスタと、前記正側増幅トランジスタおよび前記負側電流増幅トランジスタに対する共通バイアス回路と、前記ゲートバイアス電圧に対応するゲートバイアス設定電圧を前記共通バイアス回路に供給するバイアス設定回路を含む。
【選択図】図1

Description

この発明は、マイクロ波信号を増幅するマイクロ波信号の増幅回路に関するものである。
一般に、マイクロ波信号の電力増幅回路は、FET増幅素子を使用し、マイクロ波信号を増幅するように構成されるが、FET増幅素子のゲート端子には、バイアス回路で生成した負のバイアス電圧を印加する。FET増幅素子は、ゲート端子に入力されるマイクロ波信号の電力に応じてゲート電流が流れる特性を持っており、マイクロ波信号の電力が小さいときには、ゲート電流は無視できるほどに小さいが、マイクロ波信号の電力が大きくなるのに伴ってゲート電流は、無視できない値に増大する。
この種のマイクロ波信号の電力増幅回路が、下記の特許文献1に開示されている。この特許文献1の図2には、抵抗分圧回路で生成したゲートバイアス設定電圧を直接FET増幅素子のゲート端子に供給する従来回路が開示され、また、その図2には、抵抗分圧回路で生成したゲートバイアス設定電圧を、電圧比較回路と電流増幅素子を経由して、FET増幅素子のゲート端子に供給するようにした改良回路が開示されている。
特開平9−46141号公報
ところで、最近のマイクロ波信号の電力増幅回路では、高出力化と高利得化に伴ない、FET増幅素子のチャネル幅が大きくなり、そのゲート電流が増大する傾向にある。とくに、高利得化に対応してFET増幅素子の伝達特性は、デプレッション型からエンハンスメント型となり、ゲートバイアス電圧が0ボルト、すなわちグランド電位の近くに設定される傾向がある。
このような傾向の中で、特許文献1の図2に開示された従来回路では、FET増幅素子に入力されるマイクロ波信号の電力が増大すると、そのゲート端子に流れるゲート電流が無視できない値となり、このゲート電流がバイアス回路の抵抗分圧回路に流れ、FET増幅素子の出力電圧を低下させる方向にゲートバイアス電圧を変化させるので、FET増幅素子の入出力特性の飽和領域に近付くのに伴って、FET増幅素子の出力電圧が低下する。このため、例えFET増幅素子が高出力化されていても、バイアス回路の影響で、本来のFET増幅素子の性能が得られない不都合がある。また、特許文献1の図1に開示された改良回路では、ゲートバイアス電圧をグランド電位の近くに設定することが困難であり、FET増幅素子を適切なゲートバイアス電圧で使用することができない不都合がある。
この発明は、このような不都合を改善し、グランド電位の近くにゲートバイアス電圧を設定することができ、併せてFET増幅素子を飽和領域近くで動作させた場合でも、ゲートバイアス電圧の変化を抑え、その出力電圧の低下を抑制することができるマイクロ波信号の増幅回路を提案するものである。
この発明によるマイクロ波信号の増幅回路は、ソース端子がグランド電位に接続され、ゲート端子に供給されるマイクロ波信号を増幅するFET増幅素子と、前記ゲート端子にゲートバイアス電圧を供給するように接続されたバイアス回路とを備えたマイクロ波信号
の増幅回路であって、前記バイアス回路は、正電圧の供給を受ける第1電圧端子と前記ゲート端子との間に接続された正側電流増幅トランジスタと、負電圧の供給を受ける第2電圧端子と前記ゲート端子との間に接続された負側電流増幅トランジスタと、前記正側増幅トランジスタおよび前記負側電流増幅トランジスタに対する共通バイアス回路と、FET増幅素子のゲートバイアス電圧に対応するゲートバイアス設定電圧を前記共通バイアス回路に供給するバイアス設定回路を含み、前記バイアス回路は、前記正側電流増幅トランジスタと前記負側電流増幅トランジスタとの間の出力端子から、前記ゲートバイアス設定電圧に基づいて前記ゲートバイアス電圧を供給し、前記共通バイアス回路は、前記FET増幅素子と前記出力端子との間にゲート電流が流れても、前記ゲートバイアス電圧の変化を抑制することを特徴とする。
この発明によるマイクロ波信号の増幅回路では、バイアス回路が、正電圧の供給を受ける第1電圧端子とFET増幅素子のゲート端子との間に接続された正側電流増幅トランジスタと、負電圧の供給を受ける第2電圧端子と前記ゲート端子との間に接続された負側電流増幅トランジスタと、前記正側増幅トランジスタおよび前記負側電流増幅トランジスタに対する共通バイアス回路と、前記ゲートバイアス電圧に対応するゲートバイアス設定電圧を前記共通バイアス回路に供給するバイアス設定回路を含み、前記バイアス回路は、前記正側電流増幅トランジスタと前記負側電流増幅トランジスタとの間の出力端子から、前記ゲートバイアス設定電圧に基づいて前記ゲートバイアス電圧を供給し、前記共通バイアス回路は、前記FET増幅素子と前記出力端子との間にゲート電流が流れても、前記ゲートバイアス電圧の変化を抑制するように構成されるので、グランド電位の近くにゲートバイアス電圧を設定することができ、FET増幅素子を飽和領域近くで動作させた場合でも、ゲートバイアス電圧の変化を抑え、その出力電圧の低下を抑制することができる。
以下この発明のいくつかの実施の形態について、図面を参照して説明する。
実施の形態1.
図1は、この発明によるマイクロ波信号の増幅回路を示す電気回路図である。この実施の形態1のマイクロ波信号の増幅回路は、高出力、高利得でマイクロ波信号S1を増幅する電力増幅回路である。
実施の形態1のマイクロ波信号の電力増幅回路は、FET増幅素子1と、バイアス回路10を備えている。FET増幅素子1は、例えばエンハンスメント型のGaAsFETであり、ゲート端子Gと、ソース端子Sと、ドレイン端子Dを有する。ゲート端子Gには、マイクロ波信号S1が直流阻止コンデンサ2を介して入力される。ソース端子Sは、直接グランドに接続され、グランド電位V0に接続される。このグランド電位V0は、具体的には0(V)の電位とされる。ゲート端子Gとソース端子Sとの間には、動作安定用コンデンサ3が接続される。ドレイン端子Dは、電源端子4に直接接続され、正極性の電源電圧Vddの供給を受ける。この電源電圧Vddは、正極性の数十ボルトの電圧とされ、例えば+30(V)とされる。ドレイン端子Dは、直流阻止コンデンサ5を介して、マイクロ波信号S1を増幅した出力信号S2を出力する。
FET増幅素子1は、ゲート端子Gにバイアス回路10からゲートバイアス電圧Vgを受けて、マイクロ波信号S1を増幅する。ゲートバイアス電圧Vgは、0(V)に近い負電圧とされ、FET増幅素子1は、B級またはC級の増幅動作を行なう。バイアス回路10は、FET増幅素子1のゲート端子Gに、ゲートバイアス電圧Vgを供給する。負極性のゲートバイアス電圧Vgは、0(V)と−1.0(V)の間の電圧とされ、例えば−0.5(V)とされる。
バイアス回路10は、正側電流増幅トランジスタ21と、負側電流増幅トランジスタ22と、第1抵抗23と、第2抵抗24と、共通バイアス回路30と、ゲートバイアス設定回路40を含む。正側電流増幅トランジスタ21と、負側電流増幅トランジスタ22と、第1抵抗23と、第2抵抗24は、正電圧Vccの供給を受ける第1電圧端子11と、負電圧Veeの供給を受ける第2電圧端子12との間に、直列に接続される。正電圧Vccは、例えば+5.0(V)とされ、負電圧Veeは、例えば−5.0(V)とされる。
正側電流増幅トランジスタ21は、第1主端子P1と、第2主端子P2と、制御端子C1を有する。負側電流増幅トランジスタ22は、第1主端子N1と、第2主端子N2と、制御端子C2を有する。実施の形態1では、正側電流増幅トランジスタ21は、NPN型のバイポーラトランジスタであり、第1主端子P1はコレクタ、第2主端子P2はエミッタ、制御端子C1はベースである。また、負側電流増幅トランジスタ22は、PNP型のバイポーラトランジスタであり、第1主端子N1はエミッタ、第2主端子N2はコレクタ、制御端子C2はベースである。
正側電流増幅トランジスタ21の第1主端子P1は、第1電圧端子11に直接接続され、その第2主端子P2は第1抵抗23に接続される。負側電流増幅トランジスタ22の第1主端子N1は、第2抵抗24に接続され、その第2主端子N2は、第2電圧端子12に直接接続される。第1、第2抵抗23、24の中間接続点M1は、バイアス回路10の出力端子を構成し、交流阻止コイル6を介してFET増幅素子1のゲート端子Gに接続される。正側電流増幅トランジスタ21は、第1電圧端子11とFET増幅素子1のゲート端子Gとの間に、第1抵抗23、交流阻止コイル6を介して接続され、また、負側電流増幅トランジスタ22は、第2電圧端子12とゲート端子Gとの間に、第2抵抗24と交流阻止コイル6を介して接続される。
共通バイアス回路30は、正側電流増幅トランジスタ21と負側電流増幅トランジスタ22に対する共通のバイアス回路であり、第1電圧端子11と第2電圧端子12の間に接続される。共通バイアス回路30は、第3抵抗31、第4抵抗32、ダイオード33、ダイオード34、第5抵抗35、および第6抵抗36を有し、これらは第1電圧端子11と第2電圧端子12との間に、直列に接続される。第3抵抗31と第4抵抗32の中間接続点M2は、正側電流増幅トランジスタ21の制御端子C1に直接接続される。その結果、第3抵抗31は、正側電流増幅トランジスタ21の第1主端子P1とその制御端子C1との間に接続される。第5抵抗35と第6抵抗36の中間接続点M3は、負側電流増幅トランジスタ22の制御端子C2に直接接続される。その結果、第6抵抗36は、負側電流増幅トランジスタ22の第2主端子N2とその制御端子C2との間に接続される。
ダイオード33のアノードは、第4抵抗32を介して中間接続点M2に接続され、ダイオード34のカソードは、第5抵抗35を介して中間接続点M3に接続される。ダイオード33のカソードとダイオード34のアノードは、中間接続点M4で互いに接続される。この中間接続点M4は、第4抵抗32と第5抵抗35の中間接続点を構成する。
ゲートバイアス設定回路40は、ゲートバイアス電圧Vgに対応するゲートバイアス設定電圧Vggを発生し、このゲートバイアス電圧Vggを中間接続点M4に供給する。このゲートバイアス設定回路30は、実施の形態1では、第2電圧端子12と、第3電圧端子13との間に接続される。第3電圧端子13は、グランドに接続され、グランド電位V0に接続される。ゲートバイアス回路40は、可変抵抗41と固定抵抗42を含み、これらは第2、第3電圧端子12、13の間に直列に接続される。可変抵抗41と固定抵抗42の中間接続点M5は、共通バイアス回路30の中間接続点M4に接続される。中間接続点M5には、ゲートバイアス設定電圧Vggが発生し、これが中間接続点M4に供給される。ゲートバイアス設定電圧Vggは、実施の形態1では、ゲートバイアス電圧Vgに対応して、0(V)に近い負の電圧とされる。このゲートバイアス設定電圧Vggは、可変抵抗41を調整することにより、ゲートバイアス電圧Vgを変化させる場合に調整される。
次に動作を説明する。まず、マイクロ波信号S1が入力されていない初期状態について説明する。この初期状態では、ゲートバイアス設定回路40が、ゲートバイアス設定電圧Vggを発生し、このゲートバイアス設定電圧Vggが、共通バイアス回路30の中間接続点M4に供給される。共通バイアス回路30では、第3抵抗31と第4抵抗32とダイオード33の直列回路に、正電圧Vccとゲートバイアス設定電圧Vggとの差電圧(Vcc−Vgg)に基づいて電流が流れ、またダイオード34と第5抵抗35と第6抵抗36との直列回路に、ゲートバイアス設定電圧Vggと負電圧Veeとの差電圧(Vgg−Vee)に基づいて電流が流れる。正側電流増幅トランジスタ21は、中間接続点M2の電位に基づきエミッタフォロワー動作を行ない、第1、第2主端子P1、P2にアイドル電流Idを流し、このアイドル電流Idを第1抵抗23に供給する。負側電流増幅トランジスタ22は、中間接続点M3の電位に基づきエミッタフォロワー動作を行ない、第1、第2主端子N1、N2にアイドル電流Idを流し、このアイドル電流Idを第2抵抗24に供給する。初期状態では、FET増幅素子1にゲート電流が流れないので、正側電流増幅トランジスタ21および負側電流増幅トランジスタ22に流れるアイドル電流Idは、互いに等しい。
バイアス回路10は、中間接続点M1にゲート電圧Vgを発生する。このゲート電圧Vgは、次の式(1)で表わされる。
Vg=Vgg−Voff (1)
式(1)において、Voffは、共通バイアス回路30と、正側電流増幅トランジスタ21と、負側電流増幅トランジスタ22と、第1、第2抵抗23、24による差分電圧である。正側電流増幅トランジスタ21および負側電流増幅トランジスタ22がエミッタフォロワーとして機能するので、正側電流増幅トランジスタ21の側では、第4抵抗32とダイオード33の電圧、および第1抵抗23と正側電流増幅トランジスタ21の制御端子C1(ベース)、第2主端子P2(エミッタ)間電圧が発生し、また負側電流増幅トランジスタ22の側では、ダイオード34と第5抵抗35の電圧および第2抵抗24と負側電流増幅トランジスタ22の第1主端子(エミッタ)N1と制御端子C2(ベース)間電圧が発生し、これらの電圧により、差分電圧Voffが発生する。
さて、マイクロ波信号S1が入力され、FET増幅素子1にゲート電流Igが流れる場合の動作について説明する。FET増幅素子1のソース端子Sからゲート端子Gへ向かって流れるゲート電流をIsgとし、そのゲート端子Gからソース端子Sに向かって流れるゲート電流をIgsとし、ゲート電流Igsを正極性とすれば、バイアス回路10とゲート端子Gとの間に流れる全ゲート電流Igは、次の式(2)で表わされる。
Ig=Igs−Isg (2)
ここで、実施の形態1では、FET増幅素子1のゲート端子Gに負電位のゲートバイアス電圧Vgを印加し、B級またはC級の増幅動作を行なうようにしているので、マイクロ波信号S1の入力レベルの増大に伴なって、ゲート電流Igsが増大する。なお、ゲート電流Isgは、ほぼ一定値である。
マイクロ波信号S1の入力レベルが小さいときには、ゲート電流Igsはほぼ0であり、Igs≒0である。このときには、ゲート電流Isgが流れ、このゲート電流Isgは、ゲート端子Gから交流阻止コイル6を介して、バイアス回路10の中間接続点M1に流れ込む。この状態において、第5抵抗35と第6抵抗36の中間接続点M3の電位は、ゲートバイアス設定電圧Vggが一定であるため一定値に保持されるので、負側電流増幅トランジスタ22の主端子N1、N2に流れる電流Inは、次の式(3)の通りとなる。なお、Idnは、この状態において負側電流増幅トランジスタ22を流れるアイドル電流成分であり、アイドル電流Idよりも、ゲート電流Isgだけ小さい値となる。
In=Id=Isg+Idn (3)
ゲート電流Isgが流れる状態において、共通バイアス回路30は、ゲートバイアス設定電圧Vggが一定であるため、第3抵抗31と第4抵抗32との中間接続点M2の電位を一定値に保持する。したがって、この状態でも、正側電流増幅トランジスタ21の主端子P1、P2には、アイドル電流Idに等しい電流Ipが流れ、結果として、第1抵抗23と第2抵抗24の中間接続点M1から出力されるゲートバイアス電圧Vgは、変化することなく、(1)式で表わされた値を保持する。
マイクロ波信号S1の入力レベルが増大すると、それに伴なってゲート電流Igsが増大し、Igs=Isgとなったときに、ゲート電流Ig=0となる。さらに、マイクロ波信号S1の入力レベルが増大すると、ゲート電流Igsがゲート電流Isgに比べて大きくなり、ゲート電流Igsが支配的となる。このゲート電流Igsは、バイアス回路10の出力端子、すなわち中間接続点M1から交流阻止コイル6を介して、ゲート端子Gへ流れ出す。このゲート電流Igsは、正側電流増幅トランジスタ21からFET増幅素子1のゲート端子Gへ流れる。この状態において、正側電流増幅トランジスタ21の主端子P1、P2を流れる電流Ipは、次の式(4)で表わされる。なお、Idpは、この状態において正側電流増幅トランジスタ21を流れるアイドル電流成分であり、アイドル電流Idよりも、ゲート電流Igsだけ小さい値となる。
Ip=Id=Igs+Idp (4)
ゲート電流Igsが流れる状態において、共通バイアス回路30は、ゲートバイアス設定電圧Vggが一定であるため、第3抵抗31と第4抵抗32との中間接続点M2の電位を一定値に保持する。したがって、この状態でも、負側電流増幅トランジスタ21の主端子N1、N2には、式(3)で表わされるアイドル電流Idに等しい電流Inが流れ、結果として、第1抵抗23と第2抵抗24の中間接続点M1から出力されるゲートバイアス電圧Vgは、変化することなく、(1)式で表わされた値を保持する。
さらにマイクロ波信号S1の入力レベルが増大し、ゲート電流Igsがアイドル電流Idより大きくなると、正側電流増幅トランジスタ21を流れる電流Ipとゲート電流Igsが等しくなるので、負側電流増幅トランジスタ22には電流が流れず、負側電流増幅トランジスタ22はカットオフ状態となる。この状態では、正側電流増幅トランジスタ21を流れる電流Ipによって、ゲートバイアス電圧Vgが、一定値に保持される。
このように、実施の形態1では、FET増幅素子1のソース端子Sからゲート端子Gを介して負側電流増幅トランジスタ22へゲート電流Isgが流れるときにも、また、正側電流増幅トランジスタ21を介してFET増幅素子1のゲート端子Gからソース端子Sへゲート電流Igsが流れるときにも、共通バイアス回路30が、正側増幅トランジスタ21と負側電流増幅トランジスタ22を流れる電流をアイドル電流Idと同じ値に保持するように作用するので、ゲートバイアス電圧Vgの変化を抑制することができる。したがって、グランド電位の近くにゲートバイアス電圧Vgを設定し、FET増幅素子1を飽和領域近くで動作させた場合でも、ゲートバイアス電圧Vgの変化を抑え、その出力電圧の低下を抑制することができる。
また、実施の形態1では、特許文献1の図1に示されたような電圧比較回路を使用しないので、電圧比較回路の応答速度に影響させることなく、ゲート電流の変化に即応してゲ
ートバイアス電圧Vgの変化を抑制することができる。
また、特許文献1の図1の改良回路では、0電位のグランド端子からゲート電流Igsを供給するが、実施の形態1では、正側電流増幅トランジスタ21を正電圧Vccの供給を受ける第1電圧端子11に接続し、正電圧Vccからゲート電流Igsを供給するように構成しているので、特許文献1の図1の改良回路に比較して、より大量にゲート電流を供給することができる。このため、FET増幅素子1のゲート端子Gとソース端子Sとの間に、大容量の動作安定用コンデンサ3、例えば0.01〜1.0(μF)、具体的には、0.1(μF)の動作安定要コンデンサ3を接続しても、この動作安定用コンデンサ3を急速に充放電することができ、したがって、ゲート端子Gにパルス状のマイクロ波信号S1を供給する場合にも、充分に対応できる効果がある。
実施の形態2.
実施の形態1では、ゲートバイアス設定回路40を、第2電圧端子12と第3電圧端子13との間に接続し、第3電圧端子13をグランド電位V0に接続したが、実施の形態2では、第3電圧端子13を第2電圧端子12と同じ正電圧Vccに接続する。この実施の形態2では、ゲートバイアス電圧Vgは、0(V)に近い正電圧に設定され、FET増幅素子1を、AB級またはA級で動作される。その他は、実施の形態1と同じに構成される。ゲートバイアス電圧Vgは、実施の形態2では、+1.0(V)と0(V)との間に電圧、例えば+0.5(V)に設定される。
実施の形態2でも、実施の形態1と同様な効果が得られるが、加えて、FET増幅素子1の熱暴走を防止できる効果も得られる。実施の形態2において、FET増幅素子1をAB級またはA級で増幅動作させるために、ゲートバイアス電圧Vgを正電圧とする場合、マイクロ波信号S1が無入力の状態でもFET増幅素子1にドレイン電流Idが流れるようにゲートバイアス電圧Vgが設定される。FET増幅素子1は、ドレイン電流Idによる発熱で、熱的な平衡状態にあるが、周囲温度の上昇によりFET増幅素子1の温度が上昇すると、ゲート電流Isgが増大し、ゲートバイアス電圧Vgをさらに0(V)に近づけ、その結果、ドレイン電流Idがさらに増大し、FET増幅素子1の温度がさらに上昇する熱暴走の危険がある。しかし、実施の形態2では、負側電流増幅トランジスタ22が、ゲート電流Isgを第2電圧端子12へ流すことにより、ゲートバイアス電圧Vgを一定に維持するので、FET増幅素子1の熱暴走を防止することができる。
実施の形態3.
実施の形態1、2では、正側電流増幅トランジスタ21および負側電流増幅トランジスタ22をバイポーラトランジスタを用いて構成したが、この実施の形態3では、正側電流増幅トランジスタ21および負側電流増幅トランジスタ22が、ともにソースフォロワー接続された電界効果トランジスタを用いて構成する。その他は、実施の形態1または2と同じに構成され、実施の形態1、2と同じ効果を得ることができる。
実施の形態3において、正側電流増幅トランジスタ21として用いられる電界効果トランジスタでは、ドレインが第1主端子P1を、ソースが第2主端子P2を、ゲートが制御端子C1をそれぞれ構成し、また、負側電流増幅トランジスタ22として用いられる電界効果トランジスタでは、ソースが第1主端子N1を、ドレインが第2主端子N2を、ゲートが制御端子C2をそれぞれ構成する。
図1は、この発明によるマイクロ波信号の増幅回路の実施の形態1を示す電気回路図である。
符号の説明
1:FET増幅素子、10:バイアス回路、11:第1電圧端子、
12:第2電圧端子、
13:第3電圧端子、21:正側電流増幅トランジスタ、
22:負側電流増幅トランジスタ、23:第1抵抗、24:第2抵抗、
30:共通バイアス回路、31:第3抵抗、32:第4抵抗、35:第5抵抗、
36:第6抵抗、M1:出力端子、M2、M3:中間接続点、
40:バイアス設定回路。

Claims (5)

  1. ソース端子がグランド電位に接続され、ゲート端子に供給されるマイクロ波信号を増幅するFET増幅素子と、前記ゲート端子にゲートバイアス電圧を供給するように接続されたバイアス回路とを備えたマイクロ波信号の増幅回路であって、
    前記バイアス回路は、正電圧の供給を受ける第1電圧端子と前記ゲート端子との間に接続された正側電流増幅トランジスタと、負電圧の供給を受ける第2電圧端子と前記ゲート端子との間に接続された負側電流増幅トランジスタと、前記正側増幅トランジスタおよび前記負側電流増幅トランジスタに対する共通バイアス回路と、前記ゲートバイアス電圧に対応するゲートバイアス設定電圧を前記共通バイアス回路に供給するバイアス設定回路を含み、
    前記バイアス回路は、前記正側電流増幅トランジスタと前記負側電流増幅トランジスタとの間の出力端子から、前記ゲートバイアス設定電圧に基づいて前記ゲートバイアス電圧を供給し、前記共通バイアス回路は、前記FET増幅素子と前記出力端子との間にゲート電流が流れても、前記ゲートバイアス電圧の変化を抑制することを特徴とするマイクロ波信号の増幅回路。
  2. 請求項1記載のマイクロ波信号の増幅回路であって、前記正側電流増幅トランジスタおよび負側電流増幅トランジスタが、それぞれ第1主端子と、第2主端子と、制御端子を有し、前記正側電流増幅トランジスタの第2主端子と前記負側電流増幅トランジスタの第1主端子との間に、第1、第2抵抗が直列に接続され、この第1、第2抵抗の中間接続点が前記出力端子を構成し、前記FET増幅素子のゲート端子に接続されたことを特徴とするマイクロ波信号の増幅回路。
  3. 請求項2記載のマイクロ波信号の増幅回路であって、前記共通バイアス回路が、前記正電圧端子と前記負電圧端子との間に直列に接続された第3、第4、第5、第6抵抗を含み、前記第3、第4抵抗の中間接続点が前記正側電流増幅トランジスタの制御端子に、前記第5、第6抵抗の中間接続点が前記負側電流増幅トランジスタの制御端子にそれぞれ接続され、前記第3、第4抵抗の中間接続点に、前記バイアス設定回路から前記ゲートバイアス設定電圧が供給されることを特徴とするマイクロ波信号の増幅回路。
  4. 請求項1記載のマイクロ波信号の増幅回路であって、前記バイアス設定回路が、前記第2電圧端子と第3電圧端子との間に接続され、前記第3電圧端子には前記グランド電位が供給されることを特徴とするマイクロ波信号の増幅回路。
  5. 請求項1記載のマイクロ波信号の増幅回路であって、前記バイアス設定回路が、前記第1電圧端子と前記第2電圧端子との間に接続されたことを特徴とするマイクロ波信号の増幅回路。
JP2007155192A 2007-06-12 2007-06-12 マイクロ波信号の増幅回路 Active JP4799485B2 (ja)

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