JP2008309998A - ティルトレンズ系及び撮像装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】通常の使用状態のみならずティルトしたときでも、AFとAEが使えるようにして、ティルトアオリ撮影の操作を容易に行うことができる、収差変動の極めて少ないティルトレンズ系及び該ティルトレンズ系を備えた撮像装置を提供することを課題とする。
【解決手段】フォーカシング時に可動なフォーカスレンズ群210と絞りS中心とが共有する主光軸a1に対して、光軸a2を傾けることができ負の屈折力を有したティルトレンズ群290をフォーカスレンズ群と絞りより像側に配置し、以下の条件式(1)及び(2)を満足するティルトレンズ系2A。
(1)1.3<βt<1.7
(2)0<P<H1
但し、
βt:光軸を傾けないときのティルトレンズ群の横倍率
P:ティルトレンズ群の最も物体側の面から光軸を傾ける際の傾動中心までの距離
H1:ティルトレンズ群の最も物体側の面から第1主点までの距離
とする。
【選択図】図2

Description

本発明は新規なティルトレンズ系及び撮像装置に関する。詳しくは、ビデオカメラ、デジタルカメラ及び一眼レフ式のデジタルカメラ又はフィルムカメラにおいて、オートフォーカス機能と露出測定機能を損なうことなく、撮像面と平行に配置された被写体だけでなく、撮像面に対して傾いて配置された被写体にもピントを合わせられる、所謂ティルトアオリ機能を持ったティルトレンズ系及び該ティルトレンズ系を備えた撮像装置に関する。
一般的な撮像装置では、レンズの光軸は撮像素子又はフィルムからなる撮像面に対して中央で直交するように配置されている。そのため、例えば、高い建物を仰角で撮影すると、遠近感のために建物の上の方が窄まって写る。また、撮像面に対して傾いて配置された被写体面全体にピントを合わせることが出来ず、絞りを小絞りにして被写界深度を深くして、あたかもピントが合っているかのように撮影することになる。このような撮影上の不都合を解消する目的で、レンズの光軸と撮像面との位置関係を平行移動させたり、傾けて配置したりすることをアオリと呼んでいる。
仰角撮影などの遠近感を補正するには、被写体とレンズの主平面と撮像面とがそれぞれ平行になるように配置して保持し、撮影範囲を決める、所謂フレーミングは、光軸が撮像面に当たる位置をずらすことで行う。このアオリ操作はずらす方向により、シフト、ライズ、フォールなどと呼ばれるが、この明細書ではずらす方向によらずすべてシフトと呼ぶことにする。
次に撮像面に対して傾いている平面にピントを合わせるために、レンズの主平面と撮像面との平行を崩すアオリを、傾ける向きでスウィングとかティルトなどと呼ばれるが、この明細書では傾ける方向によらずすべてティルトと呼ぶことにする。
前記したアオリを行える撮像装置としては、レンズボードと撮像面とを蛇腹でつないで、相互の位置関係を自由に操作できるビューカメラや組立て暗箱と呼ばれるカメラが知られている。しかし、この種のカメラは、フォーカシングスクリーンに映った倒立像を観察しながらアオリ操作やフォーカシングを行わなければならず、極めて使いづらく、特殊なカメラとなっている。
一般的に普及している一眼レフカメラの交換レンズとして、シフトとティルトの機能が使えるようにしたものがあり、これはビューカメラに比べて遥かにアオリ操作は使いやすくなっている。しかしながら、これらのレンズでアオリを行うと、通常の画面寸法の像高より外側まで使うことがあるため、レンズ設計には通常の交換レンズ並みの画質で、より広いイメージサークルまでカバーすることが求められる。一例として特許文献1に示されたものがある。
ところで近年、撮像装置のほとんどはフィルムから撮像素子を用いたデジタルカメラに移行し、また、フィルムで撮影した場合でも、スキャナでデジタル情報に変換して様々な媒体に出力されるのが普通になってきた。このデジタル画像情報をプリントや印刷原稿やコンピュータ画像などとして出力する際、レタッチソフトと呼ばれる画像編集処理ソフトで加工されることが多い。レタッチソフトの機能としては、色合い、明るさ、コントラスト、シャープネスなどの調整や、トリミングや画像合成等を行うことができ、それら多彩な機能の一つとして遠近感補正の機能を備えたものが多い。これは撮影の際は通常のカメラで、例えば、建物を仰角撮影して上窄まりに写し、これをデジタル信号処理で建物の上部ほど幅が広がるように台形状に画像を変形してから矩形にトリミングすることにより、あたかもシフトアオリで撮影したかのような効果を得るものである。画像を台形状に変形させるため、引き伸ばされた画面上部は、解像度が低下すると考えられるが、一眼レフ式のデジタルカメラや、フィルムからスキャナで高画素ピッチで読み出されたデータでは、元々十分な解像度を持っているため、多少の解像度低下があったとしても、問題にしなくて良い。このように近年普及したレタッチソフトを活用すれば、もはや撮影時に使いづらいシフトアオリを用いる必要がなくなってきた。
また、ティルトアオリの効果の一つとして、無限遠の風景を撮影する際、意図的に画面の一部にピントを合わせて、それ以外の部分をぼかし、現実の風景を、あたかもジオラマを近距離から撮影したような効果に見せる撮影法がある。しかし、これもまたレタッチソフトにより、全体にピントが合っている画像から、一部を残して意図的にぼかす処理を施して、ティルトアオリでぼかしたかのような画像を作り出すことが出来る。
従って、レタッチソフトでは不可能で、アオリレンズでなければ得られない効果としては、被写体平面とレンズの主平面と撮像面とが一つの稜線で交わるように配置したとき、傾いた被写体平面にピントが合う、所謂シャインプルフの法則を満足させる場合に限られてきた。
ティルトアオリを可能にした従来技術として、特許文献2及び3に記載されたものが知られている。
特開2000−292689号公報 特開平4−243212号公報 特開平4−243207号公報
一般的に使われる撮像装置では、AF(オートフォーカス)とAE(自動露出)の機能が働くのは常識的になっている。そこで改めて上記のアオリ機能付き交換レンズを見ると、あるものはAFではなくマニュアルフォーカスであり、別のあるものは完全自動絞りが働くので、アオリ機能を使わないときはAEが正確に働くが、アオリを行うと射出瞳の中心が画面中心からずれたり、射出瞳がティルトと共に倒れたりして、射出瞳とフォーカシングスクリーン上のフレネルレンズと測光素子との位置関係が崩れて、AEが正しく働かない場合がある。上記したマニュアルフォーカスのものでは完全自動絞りを機械的な連動機構としているため、絞り羽根がアオリにより光軸からずれたり、光軸と共に倒れたりしたときに、機械的に連動させることが極めて困難になると思われ、使用者が手動で絞り込み操作を行うプリセット式絞りが採用され、アオリを行わないときでも開放絞り以外ではAEが誤動作してしまう。
このように、アオリ機能付き交換レンズは、他のレンズでは不可能な撮影効果を得られる反面、通常の撮影をする場合でもAFが使えず、また、使いづらいプリセット絞りの操作を強いられるといった欠点を抱えている。また、ティルトアオリを行うには、マニュアルフォーカスでピントを合わせ、その後被写体の傾きに合わせてティルトするとピントがはずれ、再びマニュアルフォーカスでピントを合わせてティルト操作を行う、といった煩雑な操作を繰り返して最良のフォーカスとティルト角に調整しなければならず、極めて使いづらい。
特許文献2及び3に記載されたものにあっては、レンズ系の一部をティルトさせてアオリ効果を得るレンズ系において、ティルト前に光軸上にあった像が、ティルトを行っても中心から移動しないための近軸光学的な考察が示されており、部分レンズ群をティルトさせたときの課題は中心像の移動だとしている。しかし、部分レンズ群をティルトさせたときの最大の課題は、共軸光学系から極端な偏芯光学系まで連続的に変化させたときに、収差補正のバランスが崩れることにより起こる性能劣化であることは明白であり、収差補正のバランスが変わっても、全体として常に結像性能を維持するという課題に対して、解決手段も数値実施例も何ら示されていない。従って、実用に供するティルトレンズ系を提供する目的を達成できていなかった。
本発明は、上述のようにレタッチソフトで代用できるシフトアオリ機能を取り入れず、AFとAEに関連する構成要素を常に主光軸上に配置させながら、一部のレンズ群のみをティルトさせることにより、シャインプルフの法則を満足させる撮影を可能にすると共に、通常の使用状態のみならずティルトしたときでも、AFとAEが使えるようにして、ティルトアオリ撮影の操作を容易に行うことができる、収差変動の極めて少ないティルトレンズ系及び該ティルトレンズ系を備えた撮像装置を提供することを課題とする。
本発明の一実施形態によるティルトレンズ系は、フォーカシング時に可動なフォーカスレンズ群と絞り中心とが共有する主光軸に対して、光軸を傾けることができ負の屈折力を有したティルトレンズ群をフォーカスレンズ群と絞りより像側に配置し、以下の条件式(1)及び(2)を満足する。
(1)1.3<βt<1.7
(2)0<P<H1
但し、
βt:光軸を傾けないときのティルトレンズ群の横倍率
P:ティルトレンズ群の最も物体側の面から光軸を傾ける際の傾動中心までの距離
H1:ティルトレンズ群の最も物体側の面から第1主点までの距離
とする。
本発明の一実施形態による撮像装置は、前記本発明にかかるティルトレンズ系と、該ティルトレンズ系によって形成された被写体像を電気的信号に変換する撮像素子を備える。
本発明にあっては、一部のレンズ群のみをティルトさせることにより、シャインプルフの法則を満足させる撮影が可能であると共に、通常の使用状態のみならずティルトしたときでも、AFとAEを使うことができ、ティルトアオリ撮影の操作を容易に行うことができる。
以下に、本発明ティルトレンズ系及び撮像装置を実施するための最良の形態について説明する。
先ず、本発明ティルトレンズ系について説明する。
本発明ティルトレンズ系は、フォーカシング時に可動なフォーカスレンズ群と絞り中心とが共有する主光軸に対して、光軸を傾けることができ負の屈折力を有したティルトレンズ群をフォーカスレンズ群と絞りより像側に配置し、以下の条件式(1)及び(2)を満足する。
(1)1.3<βt<1.7
(2)0<P<H1
但し、
βt:光軸を傾けないときのティルトレンズ群の横倍率
P:ティルトレンズ群の最も物体側の面から光軸を傾ける際の傾動中心までの距離
H1:ティルトレンズ群の最も物体側の面から第1主点までの距離
とする。
従って、本発明にあっては、一部のレンズ群のみをティルトさせることにより、シャインプルフの法則を満足させる撮影が可能であると共に、通常の使用状態のみならずティルトしたときでも、AFとAEを使うことができ、ティルトアオリ撮影の操作を容易に行うことができる。
図1は本発明ティルトレンズ系を用いる撮像装置の基本的な近軸屈折力配置と効果を説明する図である。
撮像装置1はティルトレンズ系2と撮像面3を有してなり、ティルトレンズ系2はフォーカスレンズ群と絞りSを含むマスターレンズ系200と、その像側に配置された負の屈折力を有するティルトレンズ群290とからなる。ティルトを行わない通常使用状態では、マスターレンズ系200の主光軸a1とティルトレンズ群290の光軸a2とは一致して共軸光学系をなし、主光軸a1は撮像素子又はフィルムからなる撮像面3に対してそのほぼ中心で直交している。このときのティルトレンズ群290を破線で示す。主光軸a1に直交する近距離にある被写体平面NOの、マスターレンズ系200による像平面が破線で示したNFであり、ティルトレンズ群290がなければこの位置NFに実像を結ぶ。マスターレンズ系200と像平面NFとの間に配置されたティルトレンズ群290は、この平面NFを入力として、その拡大された出力像を撮像面3上に結像させる。
次に、ティルトレンズ群290の光軸a2をθ1だけ傾けたときの効果について説明する。ティルトレンズ群の主平面と撮像面3とが交線is1で交わるように傾けると、出力としての撮像面3と共役な入力平面は、シャインプルフの法則により交線is1で一致するように傾き、撮像面3とθ2の角をなす平面TFとなる。次に、マスターレンズ系200の結像関係について考えると、出力としての像面がθ2だけ傾いて平面TFとなったため、マスターレンズ系200の主平面と像平面TFとは交線is2で交わる。シャインプルフの法則により、このときの入力である被写体平面は交線is2を共通とする、θ3だけ傾いた平面TOでなければならない。従って、図1でティルトレンズ群290を紙面上で反時計方向にθ1だけ傾けると、ピントが合う被写体平面は時計方向にθ3だけ傾いた平面TOとなる効果を得る。
次に、本発明の主な目的であるティルト時にもAFやAEが正常に働く原理について説明する。従来の一眼レフ用アオリレンズがAFではなくマニュアルフォーカスであった主な理由は、光学的にはアオリ時にAFセンサに入射する被写体情報の対称性が崩れて、所謂位相差検出方式のAFでは誤動作を招くためである。AFセンサに入射する被写体情報の対称性が崩れる主な要因は、シフトアオリによる射出瞳の平行偏芯や、厚肉系である撮影レンズをティルトすることによる開口効率の非対称性と考えられる。また、AEの誤動作についても同様のことが言えて、開放Fナンバーや開口効率で決まる撮影レンズから射出される光線束は、撮像面と等価な位置にあるフォーカシングスクリーンによる拡散と、同じ位置にあるフレネルレンズによる光線束の折り曲げ効果を経て、接眼レンズ付近に配置されている測光素子に到達するが、シフトやティルトのアオリ操作により、特にフレネルレンズに入射するレンズからの光線束の傾きが変わってしまうと、像面照度が変わらないにもかかわらず、測光素子に到達する明るさが変化してしまうので、AEが誤動作してしまうと考えられる。本発明ではまずAFとAEの誤動作の最大の原因になるシフトアオリを採用せず、レタッチソフトの加工機能に任せ、次いで、レンズから射出する光線束の非対称性の原因となるフォーカスレンズ群と絞りを、常に主光軸上に置き、開口効率の要因となる固定絞りも主光軸上からずれない配置としたことで、ティルトアオリを行ってもAFセンサと測光素子に到達する光線束の対称性がほとんど崩れず、誤動作を招きにくい効果を得る。
また、一眼レフカメラのボディとの機械的な連動機構を構成する上での難易度を考えると、AFに関しては、ボディ内モータでフォーカスレンズ群を駆動させる機構を持った一眼レフカメラのシステムでも、近年はフォーカスレンズ群をレンズ内モータで駆動させるものが増えており、ボディ内モータを使用せずに、レンズ内モータを電気的な連動機構で駆動させる機構にすれば、比較的容易にAF駆動を実現させることは出来る。しかし、絞りの駆動に関しては、レンズ内モータの電気的連動システムを採用しているものは少なく、ボディ側とレンズ側のレバー同士を機械的に連動させて、瞬間自動絞りを実現しているものが多い。この場合、撮影レンズ全体をティルトさせるアオリレンズでは、レンズ側の絞り装置に直結した絞り連動レバーごと倒れてしまい、機械的に正しく動きを伝えることが極めて困難となる。そのため、従来のティルトアオリ機能付き交換レンズでは、使用者が手動で絞込み及び開放操作を行うプリセット絞り方式を採用しているものと考えられる。本発明ではフォーカスレンズ群も絞りも常に主光軸上にあるため、従来技術の絞り連動機構を採用することが出来、ティルトレンズ群290のティルト機構と絞り連動機構を両立させることだけが解決可能な課題として残るのみである。
上記AFとAEの誤動作について、一眼レフ式デジタルカメラ及びフィルムカメラを前提に述べたが、コンパクトデジタルカメラのような撮像素子そのものがAF及びAEのセンサを兼ねている撮像装置では、さらに光学的、機械的な制約が少なくなり、誤動作を回避するための課題も少なくなる。
本発明ティルトレンズ系の構成で最も特徴的なものは、ティルト時に極端な偏芯光学系となることで、共軸光学系のままティルトする従来のアオリレンズ系に比べて、ティルト時の収差補正の維持が大きな課題となる。従来のアオリレンズ系であっても通常使用状態に比べてティルト時には通常のイメージサークルの外側まで使用することになるため、撮像面のサイズより大きなイメージサークルまで十分に収差補正を行う必要があり、ティルト時に全く画質劣化が起きないわけではない。図1に示す本発明ティルトレンズ系2の構成の場合、ティルト時にもマスターレンズ系200が被写体を見込む画角はほとんど変わらないため、無理にイメージサークルを広げる必要がない分、マスターレンズ系200は良好な収差補正と前玉径の小型化が可能となる。
前記条件式(1)は図1で説明したティルト効果を効果的に発揮させるためのもので、下限値を下回るとティルト角θ1を大きくしても十分な被写体の傾きθ3が得られず、θ3を大きくしようとするとティルトレンズ群290の各面を通る光線の経路が共軸光学系状態と全く異なり、収差補正のバランスを保つことが困難となる。上限値を上回ると小さなティルト角θ1で大きな被写体傾角θ3を得ることが出来るが、全系のFナンバーを明るくすることが困難となる。すなわち、本発明ティルトレンズ系は収差が良好に補正されたマスターレンズ系にリアコンバージョンレンズを付加したような屈折力配置となっているため、マスターレンズ系200固有のFナンバーをリアコンバージョンレンズのようなティルトレンズ群290が暗くして、全系のFナンバーが決まっている。実用的な商品性を持つためには全系のFナンバーが、例えば、F4程度であることが好ましい。仮に、βt=1.4であれば、マスターレンズ系の固有FナンバーはF2.8となり、F2.8のマクロレンズに倍率1.4倍のリアコンバージョンレンズを合体させることから設計を進められる。しかし、βt=1.7とすると、マスターレンズ系はF2.35が必要になり、極めて明るい光線束がティルトレンズ系に入射することになる。ところが、リアコンバージョンレンズでも一般的に倍率が高いほど収差補正が困難になることが知られており、さらにティルト時の収差補正のバランスまで成り立たせようとすると解がなくなってしまう。
前記条件式(2)はティルトレンズ系2を一眼レフカメラの交換レンズとして使用するときに、ティルトレンズ群290を任意の方位角方向に十分なティルト角で傾ける機械的構造と、ティルト時の収差補正のバランスに関するものである。ティルトレンズ群の回転中心をどの位置にするかは、特許文献2と3では中心像が移動しない条件で決めるべきだと示唆されているが、本発明ではティルト時の収差変動と、ティルト機構を交換レンズに組み込むための空間の確保の条件から決めるべきだと考える。上限値を上回ると回転中心と交換レンズのフランジ面とが接近したり重なったりして、任意の方位角に傾ける機構を構成することが困難となる。下限値を下回ると、像高のプラス側とマイナス側でメリジオナルとサジタルの非点隔差が発生しやすくなってしまう。
本発明の一実施形態によるティルトレンズ系にあっては、前記ティルトレンズ群は、物体側より順に、正レンズ群、負レンズ群、負レンズ群、正レンズ群が配置されて構成され、以下の条件式(3)及び(4)を満足することが望ましい。
(3)1.25<│ft1/ft2│<1.9
(4)0.3<│ft3/ft4│<0.85
但し、
fti:ティルトレンズ群の物体側から第i番目のレンズ群の焦点距離
とする。
この実施の形態を具体化した例として、例えば、図2に示す構成が考えられ、ティルトレンズ群290は、物体側より順に、正レンズ群250、負レンズ群260、負レンズ群270、正レンズ群280の屈折力配置になっている。
このような構成とすることにより、ティルトレンズ群290がマスターレンズの物体側に付加するテレコンバージョンレンズのような構成となり、ティルトレンズ群290単独で収差補正を十分に行うことができる。なお、ティルトレンズ群290を図2に示すように構成したとき、前記条件式(2)の下限値を下回ると、負レンズ群270、正レンズ群280から回転中心が遠ざかって、像面特性に深く関わるこの2つのレンズ群270、280を大きく振り回すことになり、像高のプラス側とマイナス側でメリジオナルとサジタルの非点隔差が発生しやすくなってしまう。
条件式(3)はティルト時の画面中心部のコマ収差に関するもので、正レンズ群250の最も像側の面と負レンズ群260の物体側の面とは、共軸光学系のとき球面収差を打ち消しあって補正しているが、図2のようにティルトレンズ群290を紙面で反時計方向に回転させると、画面中心へ向かう光線束の内の上光線側が上記2面を通るときに正レンズ250側で下向きに光線が強く曲げられ、負レンズ260側でそれを打ち消すように上向きに強く曲げられる。条件式(3)の下限値を下回ると下向きのコマ収差が大きくなり、上限値を上回ると上向きのコマ収差が著しくなって、どちらも補正は困難になる。
条件式(4)はティルト時の傾いた被写体に対する像面特性に関するもので、条件式(4)で規定した範囲を外れると、図2のようにティルトレンズ群290を紙面で反時計方向に傾けたときのマイナス側の像高においてメリジオナルとサジタルの非点隔差が顕著になり、補正が困難になってしまう。
本発明の一実施形態によるティルトレンズ系にあっては、前記ティルトレンズ群の最も物体側の正レンズ群が、物体側より順に、像側に強い凹面を向けた負レンズと、物体側に強い凸面を向けた正レンズとが配設されてなり、前記2つのレンズの向かい合った面の曲率が極めて近いか、又は前記2つのレンズが接合されており、以下の条件式(5)を満足することが望ましい。
(5)(nt11−nt12)>0.17
但し、
nt11:前記正レンズ群中の負レンズの屈折率
nt12:前記正レンズ群中の正レンズの屈折率
とする。
これによって、ティルト時にも良好な像面特性を実現することができる。
条件式(5)はペッツバール和を適正な値にして像面の補正を容易にすると共に、マスターレンズ系200とティルトレンズ群290とのペッツバール和の負担のバランスに関するものである。全系のペッツバール和だけを適度な値にするだけなら、マスターレンズ系200でプラス側に大きく、ティルトレンズ群290でマイナス側に大きくなっていても、共軸光学系のときは問題ない。しかし、ティルトレンズ群290が大きなマイナス側のペッツバール和を持ったまま傾けたとすると、ティルトレンズ群290固有の像面補正の特性が悪くなり、ティルト時の非点隔差を招いてしまう。従って、リアコンバージョンレンズのように独立したレンズ系ではなくても、リアコンバージョンレンズと同様に、ティルトレンズ群290の最も物体側の正レンズ群を、物体側より順に、像側に強い凹面を向けた負レンズと、物体側に強い凸面を向けた正レンズとで構成し、これら2つのレンズの屈折率の差を大きくとって、ペッツバール和を適正な値にする必要がある。
本発明の一実施形態によるティルトレンズ系にあっては、前記ティルトレンズ群の物体側から2番目の負レンズ群が、物体側より順に、像側に強い凸面を向けた正レンズと、物体側に強い凹面を向けた負レンズとが配列されてなり、前記2つのレンズの向かい合った面の曲率が極めて近いか、又は前記2つのレンズが接合されており、以下の条件式(6)を満足することが望ましい。
(6)(nt21−nt22)<−0.1
但し、
nt21:前記負レンズ群中の正レンズの屈折率
nt22:前記負レンズ群中の負レンズの屈折率
とする。
これによって、ティルト時に画面中心で生じるコマ収差を抑制し、良好な収差補正を維持したままティルト角を拡大することができる。
ティルト時に画面中心で生じるコマ収差を抑制するためには、ティルトレンズ群の物体側から2番目の負レンズ群の最も物体側の面を曲率の弱い凸面とする必要があり、そのためには、条件式(6)を満足して、正レンズの像側面と負レンズの物体側面(2つのレンズを接合する場合には接合面)とに負の屈折力を分担させる必要がある。
本発明の一実施形態によるティルトレンズ系にあっては、前記ティルトレンズ群の最も物体側の正レンズ群が、物体側より順に、像側に強い凹面を向けた負レンズと、両凸レンズと、物体側に凹面を向けた負レンズとが配列されてなり、前記3つのレンズの互いに向かい合った面の曲率が極めて近いか、又は前記3つのレンズが接合されており、以下の条件式(5)及び(7)を満足することが望ましい。
(5)(nt11−nt12)>0.17
(7)(nt12−nt13)<−0.07
但し、
nt11:前記正レンズ群中の物体側負レンズの屈折率
nt12:前記正レンズ群中の両凸レンズの屈折率
nt13:前記正レンズ群中の像側負レンズの屈折率
とする。
これによって、ティルト時に画面中心部で生じるコマ収差を、さらに、良好に補正して、ティルト時でも、前記コマ収差を共軸光学系の時の球面収差並みに良好に補正することができる。
条件式(7)を満足することで、ティルトレンズ群の最も物体側の正レンズ群の両凸レンズの像側面と像側負レンズの物体側面(正レンズ群が3枚接合レンズの場合は、像側接合面)とに負の屈折力を持たせ、該正レンズ群を射出する面で発生する下向きのコマ収差を、その手前の面(両凸レンズの像側面と像側負レンズの物体側面(正レンズ群が3枚接合レンズの場合は、像側接合面))で上向きのコマ収差を発生させて打ち消すことで前記効果を生じさせることができる。
本発明の一実施形態によるティルトレンズ系にあっては、前記ティルトレンズ群の最も物体側の正レンズ群が、物体側より順に、像側に強い凹面を向けた負レンズと、両凸レンズと、物体側に凹面を向けた負レンズとが配列されてなり、前記3つのレンズの互いに向かい合った面の曲率が極めて近いか、又は前記3つのレンズが接合されており、以下の条件式(5)及び(8)を満足することが望ましい。
(5)(nt11−nt12)>0.17
(8)(nt12−nt13)>0.02
但し、
nt11:前記正レンズ群中の物体側負レンズの屈折率
nt12:前記正レンズ群中の両凸レンズの屈折率
nt13:前記正レンズ群中の像側負レンズの屈折率
とする。
これによって、ティルト時に画面中心部で生じるコマ収差を、さらに、良好に補正して、ティルト時でも、前記コマ収差を共軸光学系の時の球面収差並みに良好に補正することができる。
条件式(8)を満足することで、ティルトレンズ群の最も物体側の正レンズ群の両凸レンズの像側面と像側負レンズの物体側面(正レンズ群が3枚接合レンズの場合は、像側接合面)とに正の屈折力を持たせ、正の屈折力を、その後の射出面とに分散することで、前記効果を生じさせることができる。
本発明の一実施形態によるティルトレンズ系にあっては、前記フォーカスレンズ群と前記ティルトレンズ群との間に、フォーカシング時に撮像面に対して固定である固定レンズ群を配置することが望ましい。
フォーカスレンズ群とティルトレンズ群との間に常に固定なレンズ群を配置して、フォーカシングによる光線経路の変化を応用して、諸収差の変動を抑えることができる。すなわち、フォーカシングによる収差の距離変動を解決することができる。なお、前記固定レンズ群は拡大倍率でも縮小倍率でも、近距離収差補正の働きを有する。
本発明の一実施形態によるティルトレンズ系にあっては、前記固定レンズ群は、物体側より順に位置した、正レンズと負レンズとの接合レンズからなり、以下の条件式(9)を満足することが望ましい。
(9)0.5<βf<1.2
但し、
βf:前記固定レンズ群の横倍率
とする。
条件式(9)の下限値を下回るとフォーカスレンズ群から発生する諸収差は小さくなって、全系の収差補正にも有利であるが、全長とフォーカシング時の繰出し量が大きくなりすぎて、使いにくくなる。上限値を上回ると小型化には有利となるが、フォーカスレンズ群固有の諸収差を、固定レンズ群で拡大し、さらに、ティルトレンズ群で拡大するため、所望の結像性能を達成することができなくなる。
本発明の一実施形態によるティルトレンズ系にあっては、前記フォーカスレンズ群は、物体側より順に、像側に強い凹面を向けた負レンズと、両凸レンズと、絞りと、物体側に凹面を向けた負レンズと、両凸レンズと、像側に強い凸面を向けた正レンズが配列されてなり、以下の条件式(10)を満足することが望ましい。
(10)1.25<h2/h1<1.6
但し、
h1:光軸に平行に入射する近軸光線高
h2:h1に対して第2レンズを射出するときの近軸光線高
とする。
これにより、像側にティルトレンズ群を配置できるだけの長いバックフォーカスの確保と、固定レンズ群との相対的な効果で収差の距離変動の抑制とを両立させることができる。
この実施形態は、フォーカスレンズ群のより具体的な構成を決定するものである。マクロレンズにはガウスタイプ又はその変形タイプが採用されることが多いが、本発明ティルトレンズ系では、像側に枚数の多いティルトレンズ群を配置するために、フォーカスレンズ群はレトロフォーカスタイプにしてバックフォーカスを伸ばす必要がある。ティルトレンズ群に多くの枚数を用い、さらに、固定レンズ群に2枚のレンズを配置するので、フォーカスレンズ群は出来るだけ枚数の少ない簡略化したレトロフォーカスレンズを用いて、光の吸収や反射を抑えることが重要である。
条件式(10)の下限値を下回るとフォーカスレンズ群としての十分なバックフォーカスを確保できなくなり、ティルトレンズ群を配置することが困難となる。また、上限値を上回るとペッツバール和がマイナス側に大きくなりやすく、像面湾曲の補正が困難になる。
次に、本発明ティルトレンズ系を具体化した具体的実施の形態について説明する。
図2は本発明ティルトレンズ系の第1の実施の形態2Aのレンズ構成を示すものである。ティルトレンズ系2Aは、物体側より順に、マスターレンズ系200と、負の屈折力を有し光軸a2をマスターレンズ系200の光軸(主光軸)a1に対して傾けることができるティルトレンズ群290が配列されて成る。ティルトレンズ群290は、その光軸a2を傾けていないときは、その光軸a2がマスターレンズ系200の光軸a1と一致した共軸光学系を構成する。マスターレンズ系200は、物体側より順に、フォーカスレンズ群210と、固定レンズ群220とが配列されて成る。
前記フォーカスレンズ群210は、物体側より順に、像側に強い凹面を向けた負メニスカスレンズ211、両凸レンズ212、絞りS、物体側に凹面を向けた両凹レンズ213と両凸レンズ214との接合負レンズ、像側に強い凸面を向けた両凸レンズ215が配列されて成る。前記固定レンズ群220は、物体側より順に位置した、両凸レンズ221と両凹レンズ222との接合正レンズから成る。
前記ティルトレンズ群290は、物体側より順に、像側に強い凹面を向けた負メニスカスレンズ251と物体側に強い凸面を向けた両凸レンズ252との接合正レンズから成る正レンズ群250、両凹レンズから成る負レンズ群260、両凹レンズから成る負レンズ群270、両凸レンズから成る正レンズ群280が配列されて成る。
表1に、前記第1の実施の形態1Aに具体的数値を適用した数値実施例1の共軸光学系時、すなわち、ティルトレンズ群290の光軸a2の主光軸a1に対する傾斜角θ1=0のときにおける、各光学要素のデータ、すなわち、曲率半径r、面間隔d、屈折率nd、アッベ数νdを示す。なお、面番号iは、物体側から第i番目の面であることを示し、面間隔dは、第i番目の面と第i+1番目の面との間の軸上面間隔を示し、屈折率nd及びアッベ数νdはそれぞれd線(λ(波長)=587.6nm(ナノメータ))に対するものを示す。
Figure 2008309998
表2に、数値実施例1の、焦点距離、Fナンバー、画角(2ω)、最大像高、横倍率、物体から第1面までの間隔、可変間隔(d10=フォーカスレンズ群210と固定レンズ群220との間の間隔)を示す。
Figure 2008309998
表3に、数値実施例1における、θ1が13度のときの最適な物体傾斜角θ3とd10を示す。
Figure 2008309998
数値実施例1のθ1=0のときの各倍率における球面収差、像面湾曲、歪曲収差を図3(横倍率=0)、図4(横倍率=−0.1)、図5(横倍率=−0.5)に示す。またd10=3.453のときの、θ1=0とθ1=13度かつθ3=39度におけるメリジオナル、サジタル各々の横収差曲線を図6(θ1=0)と図7(θ1=13度かつθ3=39度)に示す。
なお、前記各収差図において、球面収差曲線と横収差曲線における実線はd線、破線はg線(λ=435.8nm)、一点鎖線はC線(λ=656.3nm)に対する値を示し、非点収差曲線における実線はサジタル、破線はメリジオナルの像面を示す。
図8は本発明ティルトレンズ系の第2の実施の形態2Bのレンズ構成を示すものである。ティルトレンズ系2Bは、物体側より順に、マスターレンズ系200と、負の屈折力を有し光軸a2をマスターレンズ系200の光軸(主光軸)a1に対して傾けることができるティルトレンズ群290が配列されて成る。ティルトレンズ群290は、その光軸a2を傾けていないときは、その光軸a2がマスターレンズ系200の光軸a1と一致した共軸光学系を構成する。マスターレンズ系200は、物体側より順に、フォーカスレンズ群210と、固定レンズ群220とが配列されて成る。
前記フォーカスレンズ群210は、物体側より順に、像側に強い凹面を向けた負メニスカスレンズ211、両凸レンズ212、絞りS、物体側に凹面を向けた両凹レンズ213と両凸レンズ214との接合負レンズ、像側に強い凸面を向けた両凸レンズ215が配列されて成る。前記固定レンズ群220は、物体側より順に位置した、両凸レンズ221と両凹レンズ222との接合負レンズから成る。
前記ティルトレンズ群290は、物体側より順に、像側に強い凹面を向けた負メニスカスレンズ251と物体側に強い凸面を向けた両凸レンズ252との接合正レンズから成る正レンズ群250、像側に強い凸面を向けた両凸レンズ261と物体側に強い凹面を向けた両凹レンズ262との接合負レンズから成る負レンズ群260、両凹レンズから成る負レンズ群270、物体側に強い凸面を向けた正メニスカスレンズから成る正レンズ群280が配列されて成る。
表4に、前記第2の実施の形態1Bに具体的数値を適用した数値実施例2の共軸光学系時、すなわち、ティルトレンズ群290の光軸a2の主光軸a1に対する傾斜角θ1=0のときにおける、各光学要素のデータ、すなわち、曲率半径r、面間隔d、屈折率nd、アッベ数νdを示す。なお、面番号iは、物体側から第i番目の面であることを示し、面間隔dは、第i番目の面と第i+1番目の面との間の軸上面間隔を示し、屈折率nd及びアッベ数νdはそれぞれd線に対するものを示す。
Figure 2008309998
表5に、数値実施例2の、焦点距離、Fナンバー、画角(2ω)、最大像高、横倍率、物体から第1面までの間隔、可変間隔(d10=フォーカスレンズ群210と固定レンズ群220との間の間隔)を示す。
Figure 2008309998
表6に、数値実施例2における、θ1が15度のときの最適な物体傾斜角θ3とd10を示す。
Figure 2008309998
数値実施例2のθ1=0のときの各倍率における球面収差、像面湾曲、歪曲収差を図9(横倍率=0)、図10(横倍率=−0.1)、図11(横倍率=−0.5)に示す。またd10=7.448のときの、θ1=0とθ1=15度かつθ3=49度におけるメリジオナル、サジタル各々の横収差曲線を図12(θ1=0)と図13(θ1=15度かつθ3=49度)に示す。
なお、前記各収差図において、球面収差曲線と横収差曲線における実線はd線、破線はg線、一点鎖線はC線に対する値を示し、非点収差曲線における実線はサジタル、破線はメリジオナルの像面を示す。
前記数値実施例1では図7に示すとおり、θ1=13度で良好な収差補正を実現できたが、図7のメリジオナル横収差、Y=0で矢印で示した収差曲線に、下向きのコマ収差の発生が見られる。このコマ収差はθ1をさらに大きく傾けたとき、急激に増大して、マクロレンズとしては使えない性能になってしまうため、被写体傾角をさらに大きくすることができないという課題が残っている。このコマ収差の原因は、この収差に対応する光線が16面(正レンズ群250の像側面)で下向きに、次いで17面(負レンズ群260の物体側面)で上向きに強く曲げられ、θ1が大きくなるに従って16面の影響が強く残ってしまうためと考えられる。この数値実施例2では、図2の正レンズ252を2枚に分割して図8の正レンズ252と正レンズ261とした。そして正レンズ261を図2の負レンズ群260側に接合して、上記コマ収差が発生する2面、すなわち正レンズ群250の最も像側の面の曲率を弱くし、また負レンズ群260の最も物体側の面を凹面から曲率の弱い凸面として、上記コマ収差に相当する光線の、上記2面における偏角を小さくして、数値実施例1よりも大きなティルト角θ1まで収差劣化が少なくなるように改善した。負レンズ群260の最も物体側の面を曲率の弱い凸面とするためには、条件式(6)を満足して負レンズ群260中の接合面に負の屈折力を分担させる必要がある。
図14は本発明ティルトレンズ系の第3の実施の形態2Cのレンズ構成を示すものである。ティルトレンズ系2Cは、物体側より順に、マスターレンズ系200と、負の屈折力を有し光軸a2をマスターレンズ系200の光軸(主光軸)a1に対して傾けることができるティルトレンズ群290が配列されて成る。ティルトレンズ群290は、その光軸a2を傾けていないときは、その光軸a2がマスターレンズ系200の光軸a1と一致した共軸光学系を構成する。マスターレンズ系200は、物体側より順に、フォーカスレンズ群210と、固定レンズ群220とが配列されて成る。
前記フォーカスレンズ群210は、物体側より順に、像側に強い凹面を向けた負メニスカスレンズ211、両凸レンズ212、絞りS、物体側に凹面を向けた両凹レンズ213と両凸レンズ214との接合負レンズ、像側に強い凸面を向けた両凸レンズ215が配列されて成る。前記固定レンズ群220は、物体側より順に位置した、両凸レンズ221と両凹レンズ222との接合負レンズから成る。
前記ティルトレンズ群290は、物体側より順に、像側に強い凹面を向けた負メニスカスレンズ251と両凸レンズ252と物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズ253との3枚接合正レンズから成る正レンズ群250、像側に強い凸面を向けた両凸レンズ261と物体側に強い凹面を向けた両凹レンズ262との接合負レンズから成る負レンズ群260、両凹レンズから成る負レンズ群270、物体側に強い凸面を向けた正メニスカスレンズから成る正レンズ群280が配列されて成る。
表7に、前記第3の実施の形態1Cに具体的数値を適用した数値実施例3の共軸光学系時、すなわち、ティルトレンズ群290の光軸a2の主光軸a1に対する傾斜角θ1=0のときにおける、各光学要素のデータ、すなわち、曲率半径r、面間隔d、屈折率nd、アッベ数νdを示す。なお、面番号iは、物体側から第i番目の面であることを示し、面間隔dは、第i番目の面と第i+1番目の面との間の軸上面間隔を示し、屈折率nd及びアッベ数νdはそれぞれd線に対するものを示す。
Figure 2008309998
表8に、数値実施例3の、焦点距離、Fナンバー、画角(2ω)、最大像高、横倍率、物体から第1面までの間隔、可変間隔(d10=フォーカスレンズ群210と固定レンズ群220との間の間隔)を示す。
Figure 2008309998
表9に、数値実施例3における、θ1が15度のときの最適な物体傾斜角θ3とd10を示す。
Figure 2008309998
数値実施例3のθ1=0のときの各倍率における球面収差、像面湾曲、歪曲収差を図15(横倍率=0)、図16(横倍率=−0.1)、図17(横倍率=−0.5)に示す。またd10=7.512のときの、θ1=0とθ1=15度かつθ3=49度におけるメリジオナル、サジタル各々の横収差曲線を図18(θ1=0)と図19(θ1=15度かつθ3=49度)に示す。
なお、前記各収差図において、球面収差曲線と横収差曲線における実線はd線、破線はg線、一点鎖線はC線に対する値を示し、非点収差曲線における実線はサジタル、破線はメリジオナルの像面を示す。
図20は本発明ティルトレンズ系の第4の実施の形態2Dのレンズ構成を示すものである。ティルトレンズ系2Dは、物体側より順に、マスターレンズ系200と、負の屈折力を有し光軸a2をマスターレンズ系200の光軸(主光軸)a1に対して傾けることができるティルトレンズ群290が配列されて成る。ティルトレンズ群290は、その光軸a2を傾けていないときは、その光軸a2がマスターレンズ系200の光軸a1と一致した共軸光学系を構成する。マスターレンズ系200は、物体側より順に、フォーカスレンズ群210と、固定レンズ群220とが配列されて成る。
前記フォーカスレンズ群210は、物体側より順に、像側に強い凹面を向けた負メニスカスレンズ211、両凸レンズ212、絞りS、物体側に凹面を向けた両凹レンズ213と両凸レンズ214との接合負レンズ、像側に強い凸面を向けた両凸レンズ215が配列されて成る。前記固定レンズ群220は、物体側より順に位置した、両凸レンズ221と両凹レンズ222との接合負レンズから成る。
前記ティルトレンズ群290は、物体側より順に、像側に強い凹面を向けた負メニスカスレンズ251と両凸レンズ252と物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズ253との3枚接合正レンズから成る正レンズ群250、像側に強い凸面を向けた両凸レンズ261と物体側に強い凹面を向けた両凹レンズ262との接合負レンズから成る負レンズ群260、両凹レンズから成る負レンズ群270、物体側に強い凸面を向けた正メニスカスレンズから成る正レンズ群280が配列されて成る。
表10に、前記第4の実施の形態1Dに具体的数値を適用した数値実施例4の共軸光学系時、すなわち、ティルトレンズ群290の光軸a2の主光軸a1に対する傾斜角θ1=0のときにおける、各光学要素のデータ、すなわち、曲率半径r、面間隔d、屈折率nd、アッベ数νdを示す。なお、面番号iは、物体側から第i番目の面であることを示し、面間隔dは、第i番目の面と第i+1番目の面との間の軸上面間隔を示し、屈折率nd及びアッベ数νdはそれぞれd線に対するものを示す。
Figure 2008309998
表11に、数値実施例4の、焦点距離、Fナンバー、画角(2ω)、最大像高、横倍率、物体から第1面までの間隔、可変間隔(d10=フォーカスレンズ群210と固定レンズ群220との間の間隔)を示す。
Figure 2008309998
表12に、数値実施例4における、θ1が15度のときの最適な物体傾斜角θ3とd10を示す。
Figure 2008309998
数値実施例4のθ1=0のときの各倍率における球面収差、像面湾曲、歪曲収差を図21(横倍率=0)、図22(横倍率=−0.1)、図23(横倍率=−0.5)に示す。またd10=7.510のときの、θ1=0とθ1=15度かつθ3=48度におけるメリジオナル、サジタル各々の横収差曲線を図24(θ1=0)と図25(θ1=15度かつθ3=48度)に示す。
なお、前記各収差図において、球面収差曲線と横収差曲線における実線はd線、破線はg線、一点鎖線はC線に対する値を示し、非点収差曲線における実線はサジタル、破線はメリジオナルの像面を示す。
次に、前記数値実施例3及び数値実施例4の特徴について説明する。数値実施例1から数値実施例2への改善効果は前記の通り図7と図13の比較において明白であるが、図12と図13を比較すると、Y=0において図13の矢印部分のコマ収差がティルトによって発生し、ティルトしない場合と同じ画質を期待することはできない。しかし、ティルトマクロレンズ系の用途を考えると、小物の商品撮影や草花の接写などで精密描写が要求されることが多いと考えられるため、ティルト時にもさらなる収差補正が必要になると言える。
数値実施例3と数値実施例4は、似たような構成であるが、全く逆の手段で上記コマ収差を補正したものである。どちらもティルトレンズ群290の正レンズ群250を3枚接合レンズとしている。まず数値実施例3について説明すると、条件式(7)を満足させることにより正レンズ群250の2番目の接合面に負の屈折力を与える。正レンズ群250を射出する面で発生する下向きのコマ収差を、その手前の接合面で逆に上向きのコマ収差を発生させて打ち消すことで改善効果を得たものである。次に数値実施例4であるが、条件式(8)を満足させることで数値実施例3とは逆に正レンズ群250の2番目の接合面に正の屈折力を持たせ、正の屈折力を当該接合面と、その後の射出面とに分散させることで収差の発生を抑えたものである。
前記各数値実施例1〜4の前記各条件式(1)〜(10)対応値を表13に示す。
Figure 2008309998
従来、ティルトアオリレンズはAFが不可能で、AEも正しく働かないことがあり、アオリ操作が煩雑で使いにいという問題があった。
本発明ティルトレンズ系によって、AFとAEが通常使用時にもティルトアオリ時にも正しく働くための原理が示され、通常のレンズとして何の不利益も無く使える上、通常のレンズでは不可能な被写界深度をコントロールすることが容易に行え、また通常のレンズ系に5枚程度のレンズと簡単なアオリ機構を付加して設計するだけで、安価なアオリ機能を搭載することが出来、安くて使いやすいアオリレンズを提供することができる。
なお、前記した各実施の形態や数値実施例は本発明を達成するための一例であり、一眼レフ式撮像装置に適用する場合は、上記マスターレンズ系200には比較的にバックフォーカスが長く、Fナンバーが明るいレンズ系が適当で、従来技術で知られている多くの撮影レンズ系を基に容易に設計することが可能である。さらに複数のレンズ群を可動にしてマスターレンズ系200をズームレンズとしても良い。また、ティルトレンズ群290には、一眼レフ用のリアコンバージョンレンズを参考にしてティルト時の収差劣化を抑制するように設計すれば、多くのバリエーションを創出することが容易であると考えられる。さらにまた、ティルトレンズ群以外のレンズ群を光軸と直角方向に可動にして手ブレ補正を行っても良い。
次に、本発明撮像装置について説明する。
本発明撮像装置は、ティルトレンズ系と、該ティルトレンズ系によって形成された光学像を電気的信号に変換する撮像素子とを備え、前記ティルトレンズ系は、フォーカシング時に可動なフォーカスレンズ群と絞り中心とが共有する主光軸に対して、光軸を傾けることができ負の屈折力を有したティルトレンズ群をフォーカスレンズ群と絞りより像側に配置し、以下の条件式(1)及び(2)を満足する。
(1)1.3<βt<1.7
(2)0<P<H1
但し、
βt:光軸を傾けないときのティルトレンズ群の横倍率
P:ティルトレンズ群の最も物体側の面から光軸を傾ける際の傾動中心までの距離
H1:ティルトレンズ群の最も物体側の面から第1主点までの距離
とする。
従って、本発明にあっては、一部のレンズ群のみをティルトさせることにより、シャインプルフの法則を満足させる撮影が可能であると共に、通常の使用状態のみならずティルトしたときでも、AFとAEを使うことができ、ティルトアオリ撮影の操作を容易に行うことができる。
次に、本発明撮像装置を具体化した実施の形態の一例を示す。この実施の形態は、本発明撮像装置をデジタルスチルカメラに適用したものであり、図26に該デジタルスチルカメラの構成例をブロック図で示す。
デジタルスチルカメラ100は、撮像機能を担うレンズブロック10と、撮像された画像信号のアナログ−デジタル変換等の信号処理を行うカメラ信号処理部20と、画像信号の記録再生処理を行う画像処理部30と、撮像された画像等を表示するLCD(Liquid Crystal Display)40と、メモリカード51への書き込み/読み出しを行うR/W(リーダ/ライタ)50と、装置全体を制御するCPU(Central Processing Unit)60と、ユーザによる操作入力のための入力部70と、レンズブロック10内のレンズの駆動を制御するレンズ駆動制御部80を具備する。
レンズブロック10は、本発明が適用されるティルトレンズ系2を含む光学系や、CCD(Charge Coupled Device)、CMOS(Complementary Metal−Oxide Semiconductor)等の撮像素子12等により構成される。カメラ信号処理部20は、撮像素子12からの出力信号に対するデジタル信号への変換や、ノイズ除去、画質補正、輝度・色差信号への変換等の信号処理を行う。画像処理部30は、所定の画像データフォーマットに基づく画像信号の圧縮符号化・伸張復号化処理や、解像度等のデータ仕様の変換処理等を行う。なお、ティルトレンズ系2としては前記した本発明ティルトレンズ系2A乃至2D及びその数値実施例1乃至4を使用することができ、また、前記した実施の形態や数値実施例以外の態様により実施された本発明ティルトレンズ系を使用することもできる。
メモリカード51は、着脱可能な半導体メモリからなる。リーダ/ライタ50は、画像処理部30によって符号化された画像データをメモリカード51に書き込み、またメモリカード51に記録された画像データを読み出す。CPU60は、デジタルスチルカメラ内の各回路ブロックを制御する制御処理部であり、入力部70からの指示入力信号等に基づいて各回路ブロックを制御する。
入力部70は、例えば、シャッタ操作を行うためのシャッタレリーズボタンや、動作モードを選択するためのモード選択スイッチ等により構成され、ユーザによる操作に応じた指示入力信号をCPU60に対して出力する。レンズ駆動制御部80は、CPU60からの制御信号に基づいて、ティルトレンズ系2内のレンズを駆動する図示しないモータ等を制御する。
以下に、このデジタルスチルカメラ100の動作を簡単に説明する。
撮影の待機状態では、CPU60による制御の下で、レンズブロック10において撮像された画像信号が、カメラ信号処理部20を介してLCD40に出力され、カメラスルー画像として表示される。また、入力部70からのティルトアオリのための指示入力信号が入力されると、CPU60がレンズ駆動制御部80に制御信号を出力し、レンズ駆動制御部80の制御に基づいて、ティルトレンズ系2内のティルトレンズ群(図2等の290)がティルト(傾動)制御される。
そして、入力部70からの指示入力信号によりレンズブロック10の図示しないシャッタが切られると、撮像された画像信号がカメラ信号処理部20から画像処理部30に出力されて圧縮符号化処理され、所定のデータフォーマットのデジタルデータに変換される。変換されたデータはリーダ/ライタ50に出力され、メモリカード51に書き込まれる。
なお、フォーカシングは、例えば、シャッタレリーズボタンが半押しされた場合、あるいは記録のために全押しされた場合等に、CPU60からの制御信号に基づいてレンズ駆動制御部80がティルトレンズ系2内のフォーカスレンズ群を移動させることにより行われる。
また、メモリカード51に記録された画像データを再生する場合は、入力部70による操作に応じて、リーダ/ライタ50によりメモリカード51から所定の画像データが読み出され、画像処理部30で伸張復号化処理された後、再生画像信号がLCD40に出力される。これにより再生画像が表示される。
なお、上記した実施の形態では、本発明撮像装置をデジタルスチルカメラに適用した場合について説明したが、例えば、ビデオカメラといった他の撮像装置等に適用することも可能である。
また、前記実施の形態や数値実施例において示した各部の形状及び数値は、何れも本発明を実施するための具体化のほんの一例を示したものにすぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されることがあってはならないものである。
本発明ティルトレンズ系を使用した撮像装置の動作原理を説明する図である。 本発明ティルトレンズ系の第1の実施の形態のレンズ構成を示す図である。 図4乃至図7と共に第1の実施の形態に具体的数値を適用した数値実施例1の各種収差を示す図であり、本図は共軸光学系時の横倍率0における球面収差、非点収差及び歪曲収差を示す図である。 共軸光学系時の横倍率−0.1における球面収差、非点収差及び歪曲収差を示す図である。 共軸光学系時の横倍率−0.5における球面収差、非点収差及び歪曲収差を示す図である。 共軸光学系時の有限距離における横収差を示す図である。 図6と同じレンズ位置で、ティルトレンズ群と物体面を傾けたときの横収差を示す図である。 本発明ティルトレンズ系の第2の実施の形態のレンズ構成を示す図である。 図10乃至図13と共に第2の実施の形態に具体的数値を適用した数値実施例2の各種収差を示す図であり、本図は共軸光学系時の横倍率0における球面収差、非点収差及び歪曲収差を示す図である。 共軸光学系時の横倍率−0.1における球面収差、非点収差及び歪曲収差を示す図である。 共軸光学系時の横倍率−0.5における球面収差、非点収差及び歪曲収差を示す図である。 共軸光学系時の有限距離における横収差を示す図である。 図12と同じレンズ位置で、ティルトレンズ群と物体面を傾けたときの横収差を示す図である。 本発明ティルトレンズ系の第3の実施の形態のレンズ構成を示す図である。 図16乃至図19と共に第3の実施の形態に具体的数値を適用した数値実施例3の各種収差を示す図であり、本図は共軸光学系時の横倍率0における球面収差、非点収差及び歪曲収差を示す図である。 共軸光学系時の横倍率−0.1における球面収差、非点収差及び歪曲収差を示す図である。 共軸光学系時の横倍率−0.5における球面収差、非点収差及び歪曲収差を示す図である。 共軸光学系時の有限距離における横収差を示す図である。 図19と同じレンズ位置で、ティルトレンズ群と物体面を傾けたときの横収差を示す図である。 本発明ティルトレンズ系の第4の実施の形態のレンズ構成を示す図である。 図22乃至図25と共に第4の実施の形態に具体的数値を適用した数値実施例4の各種収差を示す図であり、本図は共軸光学系時の横倍率0における球面収差、非点収差及び歪曲収差を示す図である。 共軸光学系時の横倍率−0.1における球面収差、非点収差及び歪曲収差を示す図である。 共軸光学系時の横倍率−0.5における球面収差、非点収差及び歪曲収差を示す図である。 共軸光学系時の有限距離における横収差を示す図である。 図24と同じレンズ位置で、ティルトレンズ群と物体面を傾けたときの横収差を示す図である。 本発明撮像装置をデジタルスチルカメラに適用した実施の形態の回路ブロック図である。
符号の説明
1…撮像装置、2…ティルトレンズ系、200…マスターレンズ系、290…ティルトレンズ群、2A…ティルトレンズ系、200…マスターレンズ系、210…フォーカスレンズ群、S…絞り、220…固定レンズ群、290…ティルトレンズ群、250…正レンズ群、260…負レンズ群、270…負レンズ群、280…正レンズ群、a1…主光軸、a2…ティルトレンズ群の光軸、100…撮像装置、2…ティルトレンズ系、12…撮像素子

Claims (10)

  1. フォーカシング時に可動なフォーカスレンズ群と絞り中心とが共有する主光軸に対して、光軸を傾けることができ負の屈折力を有したティルトレンズ群をフォーカスレンズ群と絞りより像側に配置し、
    以下の条件式(1)及び(2)を満足することを特徴とするティルトレンズ系。
    (1)1.3<βt<1.7
    (2)0<P<H1
    但し、
    βt:光軸を傾けないときのティルトレンズ群の横倍率
    P:ティルトレンズ群の最も物体側の面から光軸を傾ける際の傾動中心までの距離
    H1:ティルトレンズ群の最も物体側の面から第1主点までの距離
    とする。
  2. 前記ティルトレンズ群は、物体側より順に、正レンズ群、負レンズ群、負レンズ群、正レンズ群が配置されて構成され、以下の条件式(3)及び(4)を満足することを特徴とする請求項1に記載のティルトレンズ系。
    (3)1.25<│ft1/ft2│<1.9
    (4)0.3<│ft3/ft4│<0.85
    但し、
    fti:ティルトレンズ群の物体側から第i番目のレンズ群の焦点距離
    とする。
  3. 前記ティルトレンズ群の最も物体側の正レンズ群が、物体側より順に、像側に強い凹面を向けた負レンズと、物体側に強い凸面を向けた正レンズとが配設されてなり、前記2つのレンズの向かい合った面の曲率が極めて近いか、又は前記2つのレンズが接合されており、以下の条件式(5)を満足することを特徴とする請求項1に記載のティルトレンズ系。
    (5)(nt11−nt12)>0.17
    但し、
    nt11:前記正レンズ群中の負レンズの屈折率
    nt12:前記正レンズ群中の正レンズの屈折率
    とする。
  4. 前記ティルトレンズ群の物体側から2番目の負レンズ群が、物体側より順に、像側に強い凸面を向けた正レンズと、物体側に強い凹面を向けた負レンズとが配列されてなり、前記2つのレンズの向かい合った面の曲率が極めて近いか、又は前記2つのレンズが接合されており、以下の条件式(6)を満足することを特徴とする請求項1に記載のティルトレンズ系。
    (6)(nt21−nt22)<−0.1
    但し、
    nt21:前記負レンズ群中の正レンズの屈折率
    nt22:前記負レンズ群中の負レンズの屈折率
    とする。
  5. 前記ティルトレンズ群の最も物体側の正レンズ群が、物体側より順に、像側に強い凹面を向けた負レンズと、両凸レンズと、物体側に凹面を向けた負レンズとが配列されてなり、前記3つのレンズの互いに向かい合った面の曲率が極めて近いか、又は前記3つのレンズが接合されており、以下の条件式(5)及び(7)を満足することを特徴とする請求項1に記載のティルトレンズ系。
    (5)(nt11−nt12)>0.17
    (7)(nt12−nt13)<−0.07
    但し、
    nt11:前記正レンズ群中の物体側負レンズの屈折率
    nt12:前記正レンズ群中の両凸レンズの屈折率
    nt13:前記正レンズ群中の像側負レンズの屈折率
    とする。
  6. 前記ティルトレンズ群の最も物体側の正レンズ群が、物体側より順に、像側に強い凹面を向けた負レンズと、両凸レンズと、物体側に凹面を向けた負レンズとが配列されてなり、前記3つのレンズの互いに向かい合った面の曲率が極めて近いか、又は前記3つのレンズが接合されており、以下の条件式(5)及び(8)を満足することを特徴とする請求項1に記載のティルトレンズ系。
    (5)(nt11−nt12)>0.17
    (8)(nt12−nt13)>0.02
    但し、
    nt11:前記正レンズ群中の物体側負レンズの屈折率
    nt12:前記正レンズ群中の両凸レンズの屈折率
    nt13:前記正レンズ群中の像側負レンズの屈折率
    とする。
  7. 前記フォーカスレンズ群と前記ティルトレンズ群との間に、フォーカシング時に撮像面に対して固定である固定レンズ群を配置した
    ことを特徴とする請求項1に記載のティルトレンズ系。
  8. 前記固定レンズ群は、物体側より順に位置した、正レンズと負レンズとの接合レンズからなり、以下の条件式(9)を満足することを特徴とする請求項7に記載のティルトレンズ系。
    (9)0.5<βf<1.2
    但し、
    βf:前記固定レンズ群の横倍率
    とする。
  9. 前記フォーカスレンズ群は、物体側より順に、像側に強い凹面を向けた負レンズと、両凸レンズと、絞りと、物体側に凹面を向けた負レンズと、両凸レンズと、像側に強い凸面を向けた正レンズとが配列されてなり、以下の条件式(10)を満足することを特徴とする請求項1に記載のティルトレンズ系。
    (10)1.25<h2/h1<1.6
    但し、
    h1:光軸に平行に入射する近軸光線高
    h2:h1に対して第2レンズを射出するときの近軸光線高
    とする。
  10. ティルトレンズ系と、該ティルトレンズ系によって形成された光学像を電気的信号に変換する撮像素子とを備えた撮像装置であって、
    前記ティルトレンズ系は、フォーカシング時に可動なフォーカスレンズ群と絞り中心とが共有する主光軸に対して、光軸を傾けることができ負の屈折力を有したティルトレンズ群をフォーカスレンズ群と絞りより像側に配置し、
    以下の条件式(1)及び(2)を満足することを特徴とする撮像装置。
    (1)1.3<βt<1.7
    (2)0<P<H1
    但し、
    βt:光軸を傾けないときのティルトレンズ群の横倍率
    P:ティルトレンズ群の最も物体側の面から光軸を傾ける際の傾動中心までの距離
    H1:ティルトレンズ群の最も物体側の面から第1主点までの距離
    とする。
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