JP2008309911A - 表示装置、表示装置の駆動方法および電子機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】1Hの期間を閾値補正、移動度補正および信号書き込みの各動作に有効に利用できるようにする。
【解決手段】閾値電圧Vthが大きいと移動度μが小さく、閾値電圧Vthが小さいと移動度μが大きいというトランジスタの特性に着目し、駆動トランジスタのゲート電位Vgをオフセット電圧Vofsに固定するのではなく、駆動トランジスタのゲート電極をフローティング状態にし、保持容量によるブートストラップ動作を利用して閾値補正動作と移動度補正動作を並行して実行するようにする。
【選択図】図10
【解決手段】閾値電圧Vthが大きいと移動度μが小さく、閾値電圧Vthが小さいと移動度μが大きいというトランジスタの特性に着目し、駆動トランジスタのゲート電位Vgをオフセット電圧Vofsに固定するのではなく、駆動トランジスタのゲート電極をフローティング状態にし、保持容量によるブートストラップ動作を利用して閾値補正動作と移動度補正動作を並行して実行するようにする。
【選択図】図10
Description
本発明は、表示装置、表示装置の駆動方法および電子機器に関し、特に電気光学素子を含む画素が行列状(マトリクス状)に配置されてなる平面型(フラットパネル型)の表示装置、当該表示装置の駆動方法および当該表示装置を有する電子機器に関する。
近年、画像表示を行う表示装置の分野では、発光素子を含む画素(画素回路)が行列状に配置されてなる平面型の表示装置が急速に普及している。平面型の表示装置としては、画素の発光素子として、デバイスに流れる電流値に応じて発光輝度が変化するいわゆる電流駆動型の電気光学素子、例えば有機薄膜に電界をかけると発光する現象を利用した有機EL(Electro Luminescence)素子を用いた有機EL表示装置が開発され、商品化が進められている。
有機EL表示装置は次のような特長を持っている。すなわち、有機EL素子が10V以下の印加電圧で駆動できるために低消費電力であり、また自発光素子であることから、液晶セルを含む画素ごとに当該液晶セルにて光源(バックライト)からの光強度を制御することによって画像を表示する液晶表示装置に比べて、画像の視認性が高く、しかも液晶表示装置には必須なバックライト等の照明部材を必要としないために軽量化および薄型化が容易である。さらに、有機EL素子の応答速度が数μsec程度と非常に高速であるために動画表示時の残像が発生しない。
有機EL表示装置では、液晶表示装置と同様、その駆動方式として単純(パッシブ)マトリクス方式とアクティブマトリクス方式を採ることができる。ただし、単純マトリクス方式の表示装置は、構造が簡単であるものの、電気光学素子の発光期間が走査線(即ち、画素数)の増加によって減少するために、大型でかつ高精細な表示装置の実現が難しいなどの問題がある。
そのため、近年、電気光学素子に流れる電流を、当該電気光学素子と同じ画素回路内に設けた能動素子、例えば絶縁ゲート型電界効果トランジスタ(一般には、TFT(Thin Film Transistor;薄膜トランジスタ))によって制御するアクティブマトリクス方式の表示装置の開発が盛んに行われている。アクティブマトリクス方式の表示装置は、電気光学素子が1フレーム(フィールド)の期間に亘って発光を持続するために、大型でかつ高精細な表示装置の実現が容易である。
ところで、一般的に、有機EL素子のI−V特性(電流−電圧特性)は、時間が経過すると劣化(いわゆる、経時劣化)することが知られている。有機EL素子を電流駆動するトランジスタ(以下、「駆動トランジスタ」と記述する)としてNチャネル型のTFTを用いた画素回路では、駆動トランジスタのソース側に有機EL素子が接続されることになるために、有機EL素子のI−V特性が経時劣化すると、駆動トランジスタのゲート−ソース間電圧Vgsが変化し、その結果、有機EL素子の発光輝度も変化する。
このことについてより具体的に説明する。駆動トランジスタのソース電位は、当該駆動トランジスタと有機EL素子の動作点で決まる。そして、有機EL素子のI−V特性が劣化すると、駆動トランジスタと有機EL素子の動作点が変動してしまうために、駆動トランジスタのゲートに同じ電圧を印加したとしても駆動トランジスタのソース電位が変化する。これにより、駆動トランジスタのソース−ゲート間電圧Vgsが変化するために、当該駆動トランジスタに流れる電流値が変化する。その結果、有機EL素子に流れる電流値も変化するために、有機EL素子の発光輝度が変化することになる。
また、ポリシリコンTFTを用いた画素回路では、有機EL素子のI−V特性の経時劣化に加えて、駆動トランジスタの閾値電圧Vthや、駆動トランジスタのチャネルを構成する半導体薄膜の移動度(以下、「駆動トランジスタの移動度」と記述する)μが経時的に変化したり、製造プロセスのばらつきによって閾値電圧Vthや移動度μが画素ごとに異なったりする(個々のトランジスタ特性にばらつきがある)。
駆動トランジスタの閾値電圧Vthや移動度μが画素ごとに異なると、画素ごとに駆動トランジスタに流れる電流値にばらつきが生じるために、駆動トランジスタのゲートに画素間で同じ電圧を印加しても、有機EL素子の発光輝度に画素間でばらつきが生じ、その結果、画面の一様性(ユニフォーミティ)が損なわれる。
そこで、有機EL素子のI−V特性が経時劣化したり、駆動トランジスタの閾値電圧Vthや移動度μが経時変化したりしても、それらの影響を受けることなく、有機EL素子の発光輝度を一定に保つようにするために、有機EL素子の特性変動に対する補償機能、さらには駆動トランジスタの閾値電圧Vthの変動に対する補正(以下、「閾値補正」と記述する)や、駆動トランジスタの移動度μの変動に対する補正(以下、「移動度補正」と記述する)の各補正機能を画素回路の各々に持たせる構成を採っている(例えば、特許文献1参照)。
このように、画素回路の各々に、有機EL素子の特性変動に対する補償機能および駆動トランジスタの閾値電圧Vthや移動度μの変動に対する補正機能を持たせることで、有機EL素子のI−V特性が経時劣化したり、駆動トランジスタの閾値電圧Vthや移動度μが経時変化したりしたとしても、それらの影響を受けることなく、有機EL素子の発光輝度を一定に保つことができる。
上述したように、閾値補正および移動度補正の各補正機能を画素回路の各々に持たせる構成を採る有機EL表示装置では、駆動トランジスタのゲート電位Vgおよびソース電位Vsをそれぞれ所定の電位に固定した後駆動トランジスタのソース電位Vsを十分に上昇させ、当該駆動トランジスタのゲート−ソース間電圧Vgsをその閾値電圧Vthに固定する閾値補正(閾値検出)と、輝度情報に応じた映像信号の信号電圧Vsigを画素内に書き込む信号書き込みと、移動度μの画素ごとのばらつきを補正する移動度補正の3つの動作を画素行ごとに周期的に行うことになる(各動作の詳細については後述する)。
これら3つの動作を画素行ごとに1H(Hは水平走査期間)の期間内で実行することになるが、特に表示装置の高精細化が進むにつれて1Hの期間が短くなると、閾値補正期間として閾値電圧Vthを確実に検出するのに十分な時間を割り当てるのが難しくなるという問題がある。
閾値補正期間として十分な時間を確保できなければ、閾値補正動作を確実に実行できないことになる。その結果、駆動トランジスタの閾値電圧Vthの画素ごとのばらつきに起因して、駆動トランジスタに流れる画素ごとの電流値のばらつきを十分に抑えることができなくなるため、先述したように、駆動トランジスタのゲートに同じ電圧を印加しても、有機EL素子の発光輝度に画素間でばらつきが生じることによって画面のユニフォーミティが損なわれることになる。
そこで、本発明は、限られた1H期間を閾値補正、移動度補正および信号書き込みの各動作に有効に利用できるようにした表示装置、当該表示装置の駆動方法および当該表示装置を有する電子機器を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明では、電気光学素子と、映像信号を書き込む書き込みトランジスタと、前記書き込みトランジスタによって書き込まれた前記映像信号を保持する保持容量と、前記保持容量に保持された前記映像信号に基づいて前記電気光学素子を駆動する駆動トランジスタとを含む画素が行列状に配置されてなる表示装置において、前記画素アレイ部の画素行ごとに配線され、前記駆動トランジスタに電流を供給する電源供給線に第1電位を供給するとともに、前記信号線に基準信号が供給されている一定期間において前記第1電位よりも低い第2電位を前記電源供給線に供給し、次いで、前記画素アレイ部の各画素を行単位で走査して前記一定期間内に前記書き込みトランジスタを導通状態にするとともに、当該一定期間が経過する前に前記書き込みトランジスタを非導通状態にし、しかる後、前記信号供給手段から前記信号線に前記映像信号が供給されているときに再度前記書き込みトランジスタを導通状態にすることを特徴としている。
上記構成の表示装置および当該表示装置を有する電子機器において、駆動トランジスタのゲート電位およびソース電位を所定電位に初期化した後、当該ゲート電位を引き続いて所定電位に固定するのではなく、駆動トランジスタのゲート電極をフローティング状態にし、保持容量によるブートストラップ動作を利用して閾値補正および移動度補正の各動作を実行することで、閾値補正(閾値検出)+移動度補正に要する時間を短縮できる。これにより、高精細化に伴って1Hの期間が短くなったとしても、当該1H期間内に閾値補正期間として閾値電圧を確実に検出するのに十分な時間を割り当てることができる。
特に、閾値電圧Vthが大きいと移動度μが小さく、閾値電圧Vthが小さいと移動度μが大きいというトランジスタの特性に着目し、閾値補正動作と移動度補正動作を並行して実行することにより、短縮化された移動度補正期間の分だけ閾値補正期間を長く設定できるため、限られた1H期間において閾値補正期間として十分な時間を確保し易くなる。
本発明によれば、閾値補正動作と移動度補正動作を並行して実行することにより、限られた1H期間を閾値補正、移動度補正および信号書き込みの各動作に有効に利用できるため、駆動トランジスタの閾値電圧Vthや移動度μの画素ごとのばらつきを確実に補正し、良好な画質の表示画像を得ることができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るアクティブマトリクス型表示装置の構成の概略を示すシステム構成図である。
ここでは、一例として、デバイスに流れる電流値に応じて発光輝度が変化する電流駆動型の電気光学素子、例えば有機EL素子を画素(画素回路)の発光素子として用いたアクティブマトリクス型有機EL表示装置の場合を例に挙げて説明するものとする。
図1に示すように、本実施形態に係る有機EL表示装置10は、画素(PXLC)20が行列状(マトリクス状)に2次元配置されてなる画素アレイ部30と、当該画素アレイ部30の周辺に配置され、各画素20を駆動する駆動部とを有する構成となっている。画素20を駆動する駆動部としては、例えば、書き込み走査回路40、電源供給走査回路50および水平駆動回路60が設けられている。
画素アレイ部30には、m行n列の画素配列に対して、画素行ごとに走査線31−1〜31−mと電源供給線32−1〜32−mとが配線され、画素列ごとに信号線33−1〜33−nが配線されている。
画素アレイ部30は、通常、ガラス基板などの透明絶縁基板上に形成され、平面型(フラット型)のパネル構造となっている。画素アレイ部30の各画素20は、アモルファスシリコンTFT(Thin Film Transistor;薄膜トランジスタ)または低温ポリシリコンTFTを用いて形成することができる。低温ポリシリコンTFTを用いる場合には、走査回路40、電源供給走査回路50および水平駆動回路60についても、画素アレイ部30を形成する表示パネル(基板)70上に実装することができる。
書き込み走査回路40は、クロックパルスckに同期してスタートパルスspを順にシフト(転送)するシフトレジスタ等によって構成され、画素アレイ部30の各画素20への映像信号の書き込みに際して、走査線31−1〜31−mに順次走査信号WS1〜WSmを供給して画素20を行単位で順番に走査(線順次走査)する。
電源供給走査回路50は、クロックパルスckに同期してスタートパルスspを順にシフトするシフトレジスタ等によって構成され、書き込み走査回路40による線順次走査に同期して、第1電位Vccpと当該第1電位Vccpよりも低い第2電位Viniで切り替わる電源供給線電位DS1〜DSmを電源供給線32−1〜32−mに供給することにより、後述する駆動トランジスタ22(図2参照)の導通(オン)/非導通(オフ)の制御を行なう。
水平駆動回路60は、信号供給源(図示せず)から供給される輝度情報に応じた映像信号の信号電圧(以下、単に「信号電圧」と記述する場合もある)Vsigと基準信号であるオフセット電圧Vofsのいずれか一方を適宜選択して信号線33−1〜33−nに供給し、画素アレイ部30の各画素20に対して例えば行単位で書き込む。すなわち、水平駆動回路60は信号供給手段であり、映像信号の信号電圧Vsigを行(ライン)単位で書き込む線順次書き込みの駆動形態を採っている。
ここで、オフセット電圧Vofsは、映像信号の信号電圧Vsigの基準となる基準電圧(例えば、黒レベルに相当)である。また、第2電位Viniは、オフセット電圧Vofsよりも低い電位、例えば、駆動トランジスタ22の閾値電圧をVthとするときVofs−Vthよりも低い電位、好ましくはVofs−Vthよりも十分に低い電位に設定される。
(画素回路)
図2は、画素(画素回路)20の具体的な構成例を示す回路図である。
図2は、画素(画素回路)20の具体的な構成例を示す回路図である。
図2に示すように、画素20は、デバイスに流れる電流値に応じて発光輝度が変化する電流駆動型の電気光学素子、例えば有機EL素子21を発光素子として有し、当該有機EL素子21に加えて、駆動トランジスタ22、書き込みトランジスタ23および保持容量24を有する画素構成、即ち2つのトランジスタ(Tr)と1つの容量素子(C)からなる2Trの画素構成となっている。
かかる構成の画素20においては、駆動トランジスタ22および書き込みトランジスタ23としてNチャネル型のTFTを用いている。ただし、ここでの駆動トランジスタ22および書き込みトランジスタ23の導電型の組み合わせは一例に過ぎず、これらの組み合わせに限られるものではない。
有機EL素子21は、全ての画素20に対して共通に配線された共通電源供給線34にカソード電極が接続されている。駆動トランジスタ22は、ソース電極が有機EL素子21のアノード電極に接続され、ドレイン電極が電源供給線32(32−1〜32−m)に接続されている。
書き込みトランジスタ23は、ゲート電極が走査線31(31−1〜31−m)に接続され、一方の電極(ソース電極/ドレイン電極)が信号線33(33−1〜33−n)に接続され、他方の電極(ドレイン電極/ソース電極)が駆動トランジスタ22のゲート電極に接続されている。
保持容量24は、一端が駆動トランジスタ22のゲート電極に接続され、他端が駆動トランジスタ22のソース電極(有機EL素子21のアノード電極)に接続されている。なお、有機EL素子21の容量不足分を補うために、必要に応じて、有機EL素子21に対して並列に補助容量25が接続される。すなわち、補助容量25は必須の構成要素ではなく、有機EL素子21の容量が十分である場合は省略可能である。
2Trの画素構成の画素20において、書き込みトランジスタ23は、書き込み走査回路40から走査線31を通してゲート電極に印加される走査信号WSに応答して導通状態となることにより、信号線33を通して水平駆動回路60から供給される輝度情報に応じた映像信号の信号電圧Vsigまたはオフセット電圧Vofsをサンプリングして画素20内に書き込む。
この書き込まれた信号電圧Vsigまたはオフセット電圧Vofsは、駆動トランジスタ22のゲート電極に印加されるとともに保持容量24に保持される。駆動トランジスタ22は、電源供給線32(32−1〜32−m)の電位DSが第1電位Vccpにあるときに、電源供給線32から電流の供給を受けて、保持容量24に保持された信号電圧Vsigの電圧値に応じた電流値の駆動電流を有機EL素子21に供給し、当該有機EL素子21を電流駆動することによって発光させる。
(画素構造)
図3は、画素20の断面構造の一例を示す断面図である。図3に示すように、画素20は、駆動トランジスタ22、書き込みトランジスタ23等の画素回路が形成されたガラス基板201上に絶縁膜202、絶縁平坦化膜203およびウインド絶縁膜204が順に形成され、当該ウインド絶縁膜204の凹部204Aに有機EL素子21が設けられた構成となっている。
図3は、画素20の断面構造の一例を示す断面図である。図3に示すように、画素20は、駆動トランジスタ22、書き込みトランジスタ23等の画素回路が形成されたガラス基板201上に絶縁膜202、絶縁平坦化膜203およびウインド絶縁膜204が順に形成され、当該ウインド絶縁膜204の凹部204Aに有機EL素子21が設けられた構成となっている。
有機EL素子21は、上記ウインド絶縁膜204の凹部204Aの底部に形成された金属等からなるアノード電極205と、当該アノード電極205上に形成された有機層(電子輸送層、発光層、ホール輸送層/ホール注入層)206と、当該有機層206上に全画素共通に形成された透明導電膜等からなるカソード電極207とから構成されている。
この有機EL素子21において、有機層206は、アノード電極205上にホール輸送層/ホール注入層2061、発光層2062、電子輸送層2063および電子注入層(図示せず)が順次堆積されることによって形成される。そして、図2の駆動トランジスタ22による電流駆動の下に、駆動トランジスタ22からアノード電極205を通して有機層206に電流が流れることで、当該有機層206内の発光層2062において電子と正孔が再結合する際に発光するようになっている。
図3に示すように、画素回路が形成されたガラス基板201上に、絶縁膜202、絶縁平坦化膜203およびウインド絶縁膜204を介して有機EL素子21が画素単位で形成された後は、パッシベーション膜208を介して封止基板209が接着剤210によって接合され、当該封止基板209によって有機EL素子21が封止されることにより、表示パネル70が形成される。
(有機EL表示装置の基本的な回路動作)
次に、2Trの画素構成の画素20が行列状に2次元配置されてなる有機EL表示装置10の基本的な回路動作について、図4のタイミング波形図を基に図5および図6の動作説明図を用いて説明する。
次に、2Trの画素構成の画素20が行列状に2次元配置されてなる有機EL表示装置10の基本的な回路動作について、図4のタイミング波形図を基に図5および図6の動作説明図を用いて説明する。
なお、図5および図6の動作説明図では、図面の簡略化のために、書き込みトランジスタ23をスイッチのシンボルで図示している。また、有機EL素子21は寄生容量を持っており、当該寄生容量と補助容量25を合成容量Csubとして図示している。
図4のタイミングチャートでは、時間軸を共通にして、1H(Hは水平走査時間)における走査線31(31−1〜31−m)の電位(走査信号)WSの変化、電源供給線32(32−1〜32−m)の電位DSの変化、駆動トランジスタ22のゲート電位Vgおよびソース電位Vsの変化を表している。また、走査線31の電位(走査信号)WSの波形を一点鎖線で示し、電源供給線32の電位DSを点線で示すことで、両者を識別できるようにしている。
<発光期間>
図4のタイミング波形図において、時刻t1以前は有機EL素子21が発光状態にある(発光期間)。この発光期間では、電源供給線32の電位DSが高電位Vccp(第1電位)にあり、また、書き込みトランジスタ23が非導通状態にある。このとき、駆動トランジスタ22は飽和領域で動作するように設定されているために、図5(A)に示すように、電源供給線32から駆動トランジスタ22を通して当該駆動トランジスタ22のゲート−ソース間電圧Vgsに応じた駆動電流(ドレイン−ソース間電流)Idsが有機EL素子21に供給される。よって、有機EL素子21が駆動電流Idsの電流値に応じた輝度で発光する。
図4のタイミング波形図において、時刻t1以前は有機EL素子21が発光状態にある(発光期間)。この発光期間では、電源供給線32の電位DSが高電位Vccp(第1電位)にあり、また、書き込みトランジスタ23が非導通状態にある。このとき、駆動トランジスタ22は飽和領域で動作するように設定されているために、図5(A)に示すように、電源供給線32から駆動トランジスタ22を通して当該駆動トランジスタ22のゲート−ソース間電圧Vgsに応じた駆動電流(ドレイン−ソース間電流)Idsが有機EL素子21に供給される。よって、有機EL素子21が駆動電流Idsの電流値に応じた輝度で発光する。
<閾値補正準備期間>
そして、時刻t1になると、線順次走査の新しいフィールドに入り、図5(B)に示すように、電源供給線32の電位DSが第1電位(以下、「高電位」と記述する)Vccpから、信号線33のオフセット電圧Vofs−Vthよりも十分に低い第2電位(以下、「低電位」と記述する)Viniに切り替わる。
そして、時刻t1になると、線順次走査の新しいフィールドに入り、図5(B)に示すように、電源供給線32の電位DSが第1電位(以下、「高電位」と記述する)Vccpから、信号線33のオフセット電圧Vofs−Vthよりも十分に低い第2電位(以下、「低電位」と記述する)Viniに切り替わる。
ここで、有機EL素子21の閾値電圧をVel、共通電源供給線34の電位をVcathとするとき、低電位ViniをVini<Vel+Vcathとすると、駆動トランジスタ22のソース電位Vsが低電位Viniにほぼ等しくなるために、有機EL素子21は逆バイアス状態となって消光する。
次に、時刻t2で走査線31の電位WSが低電位側から高電位側に遷移することで、図5(C)に示すように、書き込みトランジスタ23が導通状態となる。このとき、水平駆動回路60から信号線33に対してオフセット電圧Vofsが供給されているために、駆動トランジスタ22のゲート電位Vgがオフセット電圧Vofsになる。また、駆動トランジスタ22のソース電位Vsは、オフセット電圧Vofsよりも十分に低い電位Viniにある。
このとき、駆動トランジスタ22のゲート−ソース間電圧VgsはVofs−Viniとなる。ここで、Vofs−Viniが駆動トランジスタ22の閾値電圧Vthよりも大きくないと、後述する閾値補正動作を行うことができないために、Vofs−Vini>Vthなる電位関係に設定する必要がある。
このように、駆動トランジスタ22のゲート電位Vgをオフセット電圧Vofsに、ソース電位Vsを低電位Viniにそれぞれ固定して(確定させて)初期化する動作が閾値補正準備の動作である。
<閾値補正期間>
次に、時刻t3で、図5(D)に示すように、電源供給線32の電位DSが低電位Viniから高電位Vccpに切り替わると、駆動トランジスタ22のソース電位Vsが上昇を開始する。やがて、駆動トランジスタ22のゲート−ソース間電圧Vgsが当該駆動トランジスタ22の閾値電圧Vthに収束し、当該閾値電圧Vthに相当する電圧が保持容量24に保持される。
次に、時刻t3で、図5(D)に示すように、電源供給線32の電位DSが低電位Viniから高電位Vccpに切り替わると、駆動トランジスタ22のソース電位Vsが上昇を開始する。やがて、駆動トランジスタ22のゲート−ソース間電圧Vgsが当該駆動トランジスタ22の閾値電圧Vthに収束し、当該閾値電圧Vthに相当する電圧が保持容量24に保持される。
ここでは、便宜上、閾値電圧Vthを検出して当該閾値電圧Vthに相当する電圧を保持容量24に保持する期間を閾値補正期間と呼んでいる。なお、この閾値補正期間において、電流が専ら保持容量24側に流れ、有機EL素子21側には流れないようにするために、有機EL素子21がカットオフ状態となるように共通電源供給線34の電位Vcathを設定しておくこととする。
次に、時刻t4で走査線31の電位WSが低電位側に遷移することで、図6(A)に示すように、書き込みトランジスタ23が非導通状態となる。このとき、駆動トランジスタ22のゲート電極がフローティング状態になるが、ゲート−ソース間電圧Vgsが駆動トランジスタ22の閾値電圧Vthに等しいために、当該駆動トランジスタ22はカットオフ状態にある。したがって、駆動トランジスタ22にドレイン−ソース間電流Idsは流れない。
<書き込み期間/移動度補正期間>
次に、時刻t5で、図6(B)に示すように、信号線33の電位がオフセット電圧Vofsから映像信号の信号電圧Vsigに切り替わる。続いて、時刻t6で、走査線31の電位WSが高電位側に遷移することで、図6(C)に示すように、書き込みトランジスタ23が導通状態になって映像信号の信号電圧Vsigをサンプリングして画素20内に書き込む。
次に、時刻t5で、図6(B)に示すように、信号線33の電位がオフセット電圧Vofsから映像信号の信号電圧Vsigに切り替わる。続いて、時刻t6で、走査線31の電位WSが高電位側に遷移することで、図6(C)に示すように、書き込みトランジスタ23が導通状態になって映像信号の信号電圧Vsigをサンプリングして画素20内に書き込む。
この書き込みトランジスタ23による信号電圧Vsigの書き込みにより、駆動トランジスタ22のゲート電位Vgが信号電圧Vsigとなる。そして、映像信号の信号電圧Vsigによる駆動トランジスタ22の駆動の際に、当該駆動トランジスタ22の閾値電圧Vthが保持容量24に保持された閾値電圧Vthに相当する電圧と相殺されることによって閾値補正が行われる。閾値補正の原理の詳細については後述する。
このとき、有機EL素子21は始めカットオフ状態(ハイインピーダンス状態)にあるために、映像信号の信号電圧Vsigに応じて電源供給線32から駆動トランジスタ22に流れる電流(ドレイン−ソース間電流Ids)は有機EL素子21に並列に接続された合成容量Csubに流れ込み、よって当該合成容量Csubの充電が開始される。
この合成容量Csubの充電により、駆動トランジスタ22のソース電位Vsが時間の経過と共に上昇していく。このとき既に、駆動トランジスタ22の閾値電圧Vthの画素ごとのばらつきは補正されており、駆動トランジスタ22のドレイン−ソース間電流Idsは当該駆動トランジスタ22の移動度μに依存したものとなる。
やがて、駆動トランジスタ22のソース電位VsがVofs−Vth+ΔVの電位まで上昇すると、駆動トランジスタ22のゲート‐ソース間電圧VgsはVsig−Vofs+Vth−ΔVとなる。すなわち、ソース電位Vsの上昇分ΔVは、保持容量24に保持された電圧(Vsig−Vofs+Vth)から差し引かれるように、換言すれば、保持容量24の充電電荷を放電するように作用し、負帰還がかけられたことになる。したがって、ソース電位Vsの上昇分ΔVは負帰還の帰還量となる。
このように、駆動トランジスタ22に流れるドレイン−ソース間電流Idsを当該駆動トランジスタ22のゲート入力に、即ちゲート‐ソース間電圧Vgsに負帰還することにより、駆動トランジスタ22のドレイン−ソース間電流Idsの移動度μに対する依存性を打ち消す、即ち移動度μの画素ごとのばらつきを補正する移動度補正が行われる。
より具体的には、映像信号の信号電圧Vsigが高いほどドレイン−ソース間電流Idsが大きくなるために、負帰還の帰還量(補正量)ΔVの絶対値も大きくなる。したがって、発光輝度レベルに応じた移動度補正が行われる。
また、映像信号の信号電圧Vsigを一定とした場合、駆動トランジスタ22の移動度μが大きいほど負帰還の帰還量ΔVの絶対値も大きくなるために、画素ごとの移動度μのばらつきを取り除くことができる。移動度補正の原理の詳細については後述する。
<発光期間>
次に、時刻t7で走査線31の電位WSが低電位側に遷移することで、図6(D)に示すように、書き込みトランジスタ23が非導通状態となる。これにより、駆動トランジスタ22のゲート電極は信号線33から切り離されてフローティング状態になる。
次に、時刻t7で走査線31の電位WSが低電位側に遷移することで、図6(D)に示すように、書き込みトランジスタ23が非導通状態となる。これにより、駆動トランジスタ22のゲート電極は信号線33から切り離されてフローティング状態になる。
ここで、駆動トランジスタ22のゲート電極がフローティング状態にあるときは、駆動トランジスタ22のゲート−ソース間に保持容量24が接続されていることにより、駆動トランジスタ22のソース電位Vsが変動すると、当該ソース電位Vsの変動に連動して(追従して)駆動トランジスタ22のゲート電位Vgも変動する。これが保持容量24によるブートストラップ動作である。
駆動トランジスタ22のゲート電極がフローティング状態になり、それと同時に、駆動トランジスタ22のドレイン−ソース間電流Idsが有機EL素子21に流れ始めることにより、有機EL素子21のアノード電位は、駆動トランジスタ22のドレイン−ソース間電流Idsに応じて上昇する。
有機EL素子21のアノード電位の上昇は、即ち駆動トランジスタ22のソース電位Vsの上昇に他ならない。駆動トランジスタ22のソース電位Vsが上昇すると、保持容量24のブートストラップ動作により、駆動トランジスタ22のゲート電位Vgも連動して上昇する。
このとき、ブートストラップゲインが100%(理想値)であると仮定した場合、ゲート電位Vgの上昇量はソース電位Vsの上昇量に等しくなる。故に、発光期間中駆動トランジスタ22のゲート‐ソース間電圧VgsはVsig−Vofs+Vth−ΔVで一定に保持される。そして、時刻t8で信号線33の電位が映像信号の信号電圧Vsigからオフセット電圧Vofsに切り替わる。
(閾値補正の原理)
ここで、駆動トランジスタ22の閾値補正の原理について説明する。駆動トランジスタ22は、飽和領域で動作するように設計されているために定電流源として動作する。これにより、有機EL素子21には駆動トランジスタ22から、次式(1)で与えられる一定のドレイン−ソース間電流(駆動電流)Idsが供給される。
Ids=(1/2)・μ(W/L)Cox(Vgs−Vth)2 ……(1)
ここで、Wは駆動トランジスタ22のチャネル幅、Lはチャネル長、Coxは単位面積当たりのゲート容量である。
ここで、駆動トランジスタ22の閾値補正の原理について説明する。駆動トランジスタ22は、飽和領域で動作するように設計されているために定電流源として動作する。これにより、有機EL素子21には駆動トランジスタ22から、次式(1)で与えられる一定のドレイン−ソース間電流(駆動電流)Idsが供給される。
Ids=(1/2)・μ(W/L)Cox(Vgs−Vth)2 ……(1)
ここで、Wは駆動トランジスタ22のチャネル幅、Lはチャネル長、Coxは単位面積当たりのゲート容量である。
図7に、駆動トランジスタ22のドレイン−ソース間電流Ids対ゲート−ソース間電圧Vgsの特性を示す。
この特性図に示すように、駆動トランジスタ22の閾値電圧Vthの画素ごとのばらつきに対する補正を行わないと、閾値電圧VthがVth1のとき、ゲート−ソース間電圧Vgsに対応するドレイン−ソース間電流IdsがIds1になる。
これに対して、閾値電圧VthがVth2(Vth2>Vth1)のとき、同じゲート−ソース間電圧Vgsに対応するドレイン−ソース間電流IdsがIds2(Ids2<Ids)になる。すなわち、駆動トランジスタ22の閾値電圧Vthが変動すると、ゲート−ソース間電圧Vgsが一定であってもドレイン−ソース間電流Idsが変動する。
一方、上記構成の画素(画素回路)20では、先述したように、発光時の駆動トランジスタ22のゲート−ソース間電圧VgsがVsig−Vofs+Vth−ΔVであるために、これを式(1)に代入すると、ドレイン−ソース間電流Idsは、
Ids=(1/2)・μ(W/L)Cox(Vsig−Vofs−ΔV)2
……(2)
で表される。
Ids=(1/2)・μ(W/L)Cox(Vsig−Vofs−ΔV)2
……(2)
で表される。
すなわち、駆動トランジスタ22の閾値電圧Vthの項がキャンセルされており、駆動トランジスタ22から有機EL素子21に供給されるドレイン−ソース間電流Idsは、駆動トランジスタ22の閾値電圧Vthに依存しない。その結果、駆動トランジスタ22の製造プロセスのばらつきや経時変化により、駆動トランジスタ22の閾値電圧Vthが画素ごとに変動しても、ドレイン−ソース間電流Idsが変動しないために、有機EL素子21の発光輝度を一定に保つことができる。
(移動度補正の原理)
次に、駆動トランジスタ22の移動度補正の原理について説明する。図8に、駆動トランジスタ22の移動度μが相対的に大きい画素Aと、駆動トランジスタ22の移動度μが相対的に小さい画素Bとを比較した状態で特性カーブを示す。駆動トランジスタ22をポリシリコン薄膜トランジスタなどで構成した場合、画素Aや画素Bのように、画素間で移動度μがばらつくことは避けられない。
次に、駆動トランジスタ22の移動度補正の原理について説明する。図8に、駆動トランジスタ22の移動度μが相対的に大きい画素Aと、駆動トランジスタ22の移動度μが相対的に小さい画素Bとを比較した状態で特性カーブを示す。駆動トランジスタ22をポリシリコン薄膜トランジスタなどで構成した場合、画素Aや画素Bのように、画素間で移動度μがばらつくことは避けられない。
画素Aと画素Bで移動度μにばらつきがある状態で、例えば両画素A,Bに同レベルの映像信号の信号電圧Vsigを書き込んだ場合に、何ら移動度μの補正を行わないと、移動度μの大きい画素Aに流れるドレイン−ソース間電流Ids1′と移動度μの小さい画素Bに流れるドレイン−ソース間電流Ids2′との間には大きな差が生じてしまう。このように、移動度μの画素ごとのばらつきに起因してドレイン−ソース間電流Idsに画素間で大きな差が生じると、画面のユニフォーミティが損なわれることになる。
ここで、先述した式(1)のトランジスタ特性式から明らかなように、移動度μが大きいとドレイン−ソース間電流Idsが大きくなる。したがって、負帰還における帰還量ΔVは移動度μが大きくなるほど大きくなる。図8に示すように、移動度μの大きな画素Aの帰還量ΔV1は、移動度の小さな画素Vの帰還量ΔV2に比べて大きい。
そこで、移動度補正動作によって駆動トランジスタ22のドレイン−ソース間電流Idsを映像信号の信号電圧Vsig側に負帰還させることにより、移動度μが大きいほど負帰還が大きくかかることになるために、移動度μの画素ごとのばらつきを抑制することができる。
具体的には、移動度μの大きな画素Aで帰還量ΔV1の補正をかけると、ドレイン−ソース間電流IdsはIds1′からIds1まで大きく下降する。一方、移動度μの小さな画素Bの帰還量ΔV2は小さいために、ドレイン−ソース間電流IdsはIds2′からIds2までの下降となり、それ程大きく下降しない。結果的に、画素Aのドレイン−ソース間電流Ids1と画素Bのドレイン−ソース間電流Ids2とはほぼ等しくなるために、移動度μの画素ごとのばらつきが補正される。
以上をまとめると、移動度μの異なる画素Aと画素Bがあった場合、移動度μの大きい画素Aの帰還量ΔV1は移動度μの小さい画素Bの帰還量ΔV2に比べて大きくなる。つまり、移動度μが大きい画素ほど帰還量ΔVが大きく、ドレイン−ソース間電流Idsの減少量が大きくなる。
したがって、駆動トランジスタ22のドレイン−ソース間電流Idsを映像信号の信号電圧Vsig側に負帰還させることにより、移動度μの異なる画素のドレイン−ソース間電流Idsの電流値が均一化される。その結果、移動度μの画素ごとのばらつきを補正することができる。
ここで、図2に示した画素(画素回路)20において、閾値補正、移動度補正の有無による映像信号の信号電位(サンプリング電位)Vsigと駆動トランジスタ22のドレイン・ソース間電流Idsとの関係について図9を用いて説明する。
図9において、(A)は閾値補正および移動度補正を共に行わない場合、(B)は移動度補正を行わず、閾値補正のみを行った場合、(C)は閾値補正および移動度補正を共に行った場合をそれぞれ示している。図9(A)に示すように、閾値補正および移動度補正を共に行わない場合には、閾値電圧Vthおよび移動度μの画素A,Bごとのばらつきに起因してドレイン・ソース間電流Idsに画素A,B間で大きな差が生じることになる。
これに対して、閾値補正のみを行った場合は、図9(B)に示すように、当該閾値補正によってドレイン−ソース間電流Idsのばらつきをある程度低減できるものの、移動度μの画素A,Bごとのばらつきに起因する画素A,B間でのドレイン−ソース間電流Idsの差は残る。
そして、閾値補正および移動度補正を共に行うことにより、図9(C)に示すように、閾値電圧Vthおよび移動度μの画素A,Bごとのばらつきに起因する画素A,B間でのドレイン−ソース間電流Idsの差をほぼ無くすことができるために、どの階調においても有機EL素子21の輝度ばらつきは発生せず、良好な画質の表示画像を得ることができる。
また、図2に示した画素20は、閾値補正および移動度補正の各補正機能に加えて、先述したブートストラップ機能を備えていることで、次のような作用効果を得ることができる。
すなわち、有機EL素子21のI−V特性が経時変化し、これに伴って駆動トランジスタ22のソース電位Vsが変化したとしても、保持容量24によるブートストラップ動作により、駆動トランジスタ22のゲート−ソース間電位Vgsが一定に維持されるため、有機EL素子21に流れる電流は変化しない。したがって、有機EL素子21の発光輝度も一定に保たれるために、有機EL素子21のI−V特性が経時変化しても、それに伴う輝度劣化のない画像表示を実現できる。
上述した一連の動作説明から明らかなように、2Tr/1Cの画素構成の画素20を有する有機EL表示装置10の基本的な回路動作では、閾値補正動作によって駆動トランジスタ22の閾値電圧Vthを保持容量24に保持させた後、移動度補正の動作を映像信号の信号電圧Vsigの書き込み動作と並行して行うようにしている。
このように、移動度補正の動作を信号書き込みの動作と並行して行うことにより、これらの各動作を1Hの期間内で実行するとしたとき、特許文献1記載の従来技術などのように、閾値補正、信号書き込みおよび移動度補正の各動作を別々に行う場合に比べて、信号書き込み+移動度補正の期間を短縮化できるため、閾値補正期間として十分な時間を確保し易くなる。
ところで、表示装置の高精細化が進み、画素数が増加するにつれて1Hの期間が短くなる。一例として、垂直方向の画素数が400画素の場合、NTSCテレビジョン方式ではフィールド周期が16.683[ms]であることから1Hは40[μs]程度になる。そのため、限られた1H期間内に閾値補正期間として閾値電圧Vthを確実に検出するのに十分な時間を割り当てるにはさらなる工夫が必要になる。
特に、先述した基本的な回路動作の場合には、駆動トランジスタ22のゲート電位Vgをオフセット電圧Vofsに固定した状態において、駆動トランジスタ22のゲート−ソース間電圧Vgsが閾値電圧Vthに収束したら、当該閾値電圧Vthを保持容量24に保持するようにしており、駆動トランジスタ22のゲート−ソース間電圧Vgsが閾値電圧Vthに収束するまでに時間を要する。
(本実施形態の特徴部分)
そこで、本実施形態に係る有機EL表示装置10では、閾値電圧Vthが大きいと移動度μが小さく、閾値電圧Vthが小さいと移動度μが大きいというトランジスタの特性に着目し、駆動トランジスタ22のゲート電位Vgおよびソース電位Vsを所定電位(オフセット電圧Vofsと低電圧Vini)に初期化した後、当該ゲート電位Vgを引き続きオフセット電圧Vofsに固定するのではなく、初期化後に駆動トランジスタ22のゲート電極をフローティング状態にし、保持容量24によるブートストラップ動作を利用して閾値補正動作と移動度補正動作を並行して実行するようにすることを特徴としている。
そこで、本実施形態に係る有機EL表示装置10では、閾値電圧Vthが大きいと移動度μが小さく、閾値電圧Vthが小さいと移動度μが大きいというトランジスタの特性に着目し、駆動トランジスタ22のゲート電位Vgおよびソース電位Vsを所定電位(オフセット電圧Vofsと低電圧Vini)に初期化した後、当該ゲート電位Vgを引き続きオフセット電圧Vofsに固定するのではなく、初期化後に駆動トランジスタ22のゲート電極をフローティング状態にし、保持容量24によるブートストラップ動作を利用して閾値補正動作と移動度補正動作を並行して実行するようにすることを特徴としている。
図1に示す本実施形態に係る有機EL表示装置10において、閾値補正動作と移動度補正動作を並行して実行するために、書き込み走査回路40は、電源供給線32(32−1〜32−m)の電位DS(DS1〜DSm)が高電位Vccpから低電位Viniに切り替わった後にアクティブ(高電位)状態になり、電位DSが低電位Viniから高電位Vccpに切り替わる前に非アクティブ(低電位)状態になる走査信号(走査線電位)WSを書き込みトランジスタ23のゲート電極に与えるようにする。
書き込みトランジスタ23は、走査信号WSに応答して電源供給線32の電位DSが低電位Viniの期間中に非導通状態になることにより、駆動トランジスタ22のゲート電極を信号線33(33−1〜33−n)から電気的に切り離して、駆動トランジスタ22のゲート電極をフローティング状態にする。
なお、信号線33から書き込みトランジスタ23を介して駆動トランジスタ22のゲート電極に選択的に与えられるオフセット電圧Vofsについては、好ましくは、共通電源供給線34の電位、即ち有機EL素子21のカソード電位Vcathよりも低い電圧に設定すると良い。因みに、先述した基本的な回路動作の場合は、Vofs=Vcath(=0V)なる電位関係に設定されている。
(本実施形態に係る有機EL表示装置の回路動作)
続いて、閾値補正動作と移動度補正動作を並行して実行するための具体的な回路動作について、図10のタイミング波形図を用いて説明する。なお、移動度補正の原理については、先述した基本的な回路動作の場合の原理と基本的に同じである。
続いて、閾値補正動作と移動度補正動作を並行して実行するための具体的な回路動作について、図10のタイミング波形図を用いて説明する。なお、移動度補正の原理については、先述した基本的な回路動作の場合の原理と基本的に同じである。
<発光期間>
図10のタイミング波形図において、時刻t11以前は有機EL素子21が発光状態にある。この発光期間では、電源供給線32の電位DSが高電位Vccp(第1電位)にあり、また、書き込みトランジスタ23が非導通状態にある。このとき、駆動トランジスタ22は飽和領域で動作するように設定されているために、電源供給線32から駆動トランジスタ22を通して当該駆動トランジスタ22のゲート−ソース間電圧Vgsに応じた駆動電流が有機EL素子21に供給され、当該有機EL素子21が発光する。
図10のタイミング波形図において、時刻t11以前は有機EL素子21が発光状態にある。この発光期間では、電源供給線32の電位DSが高電位Vccp(第1電位)にあり、また、書き込みトランジスタ23が非導通状態にある。このとき、駆動トランジスタ22は飽和領域で動作するように設定されているために、電源供給線32から駆動トランジスタ22を通して当該駆動トランジスタ22のゲート−ソース間電圧Vgsに応じた駆動電流が有機EL素子21に供給され、当該有機EL素子21が発光する。
そして、時刻t11になると、線順次走査の新しいフィールドに入り、電源供給線32の電位DSが高電位Vccpから低電位Viniに切り替わる。これにより、有機EL素子21は逆バイアス状態となって消光する。
<オフセット電圧Vofsの書き込み期間>
次に、時刻t12で走査線31の電位WSが低電位側から高電位側に遷移することで、書き込みトランジスタ23が導通状態となる。このとき、水平駆動回路60から信号線33に対してオフセット電圧Vofsが供給されているために、当該オフセット電圧Vofsが書き込みトランジスタ23によってサンプリングされて書き込まれる。
次に、時刻t12で走査線31の電位WSが低電位側から高電位側に遷移することで、書き込みトランジスタ23が導通状態となる。このとき、水平駆動回路60から信号線33に対してオフセット電圧Vofsが供給されているために、当該オフセット電圧Vofsが書き込みトランジスタ23によってサンプリングされて書き込まれる。
この書き込みトランジスタ23によるオフセット電圧Vofsの書き込みにより、駆動トランジスタ22のゲート電位Vgがオフセット電圧Vofsになる。なお、オフセット電圧Vofsは、好ましくは、有機EL素子21のカソード電位Vcathよりも低い電圧に設定される。
また、駆動トランジスタ22のソース電位Vsは、オフセット電圧Vofsよりも十分に低い低電位Viniにある。これにより、駆動トランジスタ22のゲート電位Vgがオフセット電圧Vofsに、ソース電位Vsが低電位Viniにそれぞれ初期化される。この初期化により、駆動トランジスタ22のゲート−ソース間電圧VgsはVofs−Viniとなる。
そして、時刻t13で走査線31の電位WSが高電位側から低電位側に遷移することにより、書き込みトランジスタ23が非導通状態となり、オフセット電圧Vofsの書き込み期間が終了する。書き込みトランジスタ23が非導通状態になることで、駆動トランジスタ22のゲート電極が信号線33から電気的に切り離されるため、当該ゲート電極がフローティング状態になる。
<閾値補正+移動度補正の補正期間>
次に、時刻t14で、電源供給線32の電位DSが低電位Viniから高電位Vccpに切り替わると、電源供給線32から駆動トランジスタ22に電流が供給され、当該電流によって駆動トランジスタ22のソースノードが充電されるため、駆動トランジスタ22のソース電位Vsが上昇を開始する。
次に、時刻t14で、電源供給線32の電位DSが低電位Viniから高電位Vccpに切り替わると、電源供給線32から駆動トランジスタ22に電流が供給され、当該電流によって駆動トランジスタ22のソースノードが充電されるため、駆動トランジスタ22のソース電位Vsが上昇を開始する。
このとき、書き込みトランジスタ23が非導通状態により、駆動トランジスタ22のゲート電極が信号線33から電気的に切り離されてフローティング状態にあるため、保持容量24によるブートストラップ動作により、駆動トランジスタ22のソース電位Vsの上昇に連動してゲート電位Vgも上昇する。
ここで、移動度μが大きく、閾値電圧Vthが小さい画素では、駆動トランジスタ22のソース電位Vs(図中、二点鎖線で示す)およびゲート電位Vg(図中、破線で示す)が大きく上昇する。また、移動度μが小さく、閾値電圧Vthが大きい画素では、駆動トランジスタ22のソース電位Vs(図中、点線で示す)およびゲート電位Vg(図中、一点鎖線で示す)が小さく上昇する。
すなわち、保持容量24によるブートストラップ動作においては、移動度μが大きく、閾値電圧Vthが小さい画素と、移動度μが小さく、閾値電圧Vthが大きい画素との間に、駆動トランジスタ22のソース電位Vsの上昇量およびゲート電位Vgの上昇量に差が生じる。その後、時刻t15で、信号線33の電位がオフセット電圧Vofsから映像信号の信号電圧Vsigに切り替わる。
<信号書き込み期間>
次に、時刻t16で、走査線31の電位WSが高電位側に遷移することで、書き込みトランジスタ23が導通状態になって映像信号の信号電圧Vsigをサンプリングして画素20内に書き込む。この書き込みトランジスタ23による信号電圧Vsigのサンプリングにより、どの画素の駆動トランジスタ22のゲート電極にも信号電圧Vsigが書き込まれる。
次に、時刻t16で、走査線31の電位WSが高電位側に遷移することで、書き込みトランジスタ23が導通状態になって映像信号の信号電圧Vsigをサンプリングして画素20内に書き込む。この書き込みトランジスタ23による信号電圧Vsigのサンプリングにより、どの画素の駆動トランジスタ22のゲート電極にも信号電圧Vsigが書き込まれる。
ただし、移動度μが大きく、閾値電圧Vthが小さい画素と、移動度μが小さく、閾値電圧Vthが大きい画素との間で、信号電圧Vsigを書き込んだ際のゲート電位Vgに対する信号電圧Vsigの振幅の違いから、駆動トランジスタ22のソース電位Vsについては差が生じる。
すなわち、移動度μが大きく、閾値電圧Vthが小さい画素では、信号電圧Vsigを書き込んだ際のゲート電位Vgに対する信号電圧Vsigの振幅が小さいためソース電位Vsの上昇が小さくなる。また、移動度μが小さく、閾値電圧Vthが大きい画素では、信号電圧Vsigを書き込んだ際のゲート電位Vgに対する信号電圧Vsigの振幅が大きいためソース電位Vsの上昇が大きくなる。
このことから、移動度μが大きく、閾値電圧Vthが小さい画素と移動度μが小さく、閾値電圧Vthが大きい画素のソース電位Vsの差が小さくなるように、時刻t14から時刻t16までの期間を設定することで、映像信号の信号電圧Vsigを書き込む際に、駆動トランジスタ22の閾値電圧Vthの画素ごとのばらつきを補正しつつ、駆動トランジスタ22の移動度μの画素ごとのばらつきを補正することができる。
すなわち、時刻t14から時刻t16までの期間が閾値補正+移動度補正の補正期間となり、この補正期間において、閾値補正および移動度補正の各動作が並行して実行されることになる。
<発光期間>
次に、時刻t17で走査線31の電位WSが低電位側に遷移することで、書き込みトランジスタ23が非導通状態となり、有機EL素子21の発光期間に入る。また、書き込みトランジスタ23が非導通状態になることにより、駆動トランジスタ22のゲート電極は信号線33から切り離されてフローティング状態になる。
次に、時刻t17で走査線31の電位WSが低電位側に遷移することで、書き込みトランジスタ23が非導通状態となり、有機EL素子21の発光期間に入る。また、書き込みトランジスタ23が非導通状態になることにより、駆動トランジスタ22のゲート電極は信号線33から切り離されてフローティング状態になる。
このフローティング状態においては、保持容量24のブートストラップ動作により、発光期間中駆動トランジスタ22のゲート‐ソース間電圧Vgsが一定に保持される。そして、時刻t18で信号線33の電位が映像信号の信号電圧Vsigからオフセット電圧Vofsに切り替わる。
上述したように、駆動トランジスタ22のゲート電位Vgおよびソース電位Vsをオフセット電圧Vofsと低電圧Viniにそれぞれ初期化した後、当該ゲート電位Vgを引き続きオフセット電圧Vofsに固定するのではなく、初期化後に駆動トランジスタ22のゲート電極をフローティング状態にし、保持容量24によるブートストラップ動作を利用して閾値補正および移動度補正の各動作を実行することにより、移動度補正に要する時間を短縮できる。
また、閾値補正(閾値検出)+移動度補正に要する時間を短縮できることにより、表示装置の高精細化が進むにつれて画素数が増え、それに伴って1Hの期間が短くなったとしても、当該1H期間内に閾値補正期間として閾値電圧Vthを確実に検出するのに十分な時間を割り当てることができる。
特に、閾値電圧Vthが大きいと移動度μが小さく、閾値電圧Vthが小さいと移動度μが大きいというトランジスタの特性に着目し、閾値補正動作と移動度補正動作を並行して実行するようにしたことで、移動度補正のための期間を別に確保する必要がなく、移動度補正期間の分だけ閾値補正期間を長く設定できるため、限られた1H期間において閾値補正期間として十分な時間を確保し易くなる。
このようにして、閾値補正動作と移動度補正動作を並行して実行することにより、限られた1H期間を閾値補正、移動度補正および信号書き込みの各動作に有効に利用できるため、駆動トランジスタ22の閾値電圧Vthや移動度μの画素ごとのばらつきを確実に補正し、良好な画質の表示画像を得ることができる。
また、オフセット電圧Vofsを有機EL素子21のカソード電位Vcathよりも低い電圧に設定することにより、閾値補正+移動度補正の補正期間において、駆動トランジスタ22のゲート電位Vgがカソード電位Vcathよりも低いオフセット電圧Vofsから上昇を開始することになり、信号電圧Vsigを書き込んだ際のゲート電位Vgに対する信号電圧Vsigの振幅を大きく確保できるため、信号電圧Vsigのダイナミックレンジを有効に活用できる。
[変形例]
上記実施形態では、画素回路20の電気光学素子として、有機EL素子を用いた有機EL表示装置に適用した場合を例に挙げて説明したが、本発明はこの適用例に限られるものではなく、デバイスに流れる電流値に応じて発光輝度が変化する電流駆動型の電気光学素子(発光素子)を用いた表示装置全般に対して適用可能である。
上記実施形態では、画素回路20の電気光学素子として、有機EL素子を用いた有機EL表示装置に適用した場合を例に挙げて説明したが、本発明はこの適用例に限られるものではなく、デバイスに流れる電流値に応じて発光輝度が変化する電流駆動型の電気光学素子(発光素子)を用いた表示装置全般に対して適用可能である。
[適用例]
以上説明した本発明による表示装置は、一例として、図11〜図15に示す様々な電子機器、例えば、デジタルカメラ、ノート型パーソナルコンピュータ、携帯電話等の携帯端末装置、ビデオカメラなど、電子機器に入力された映像信号、若しくは、電子機器内で生成した映像信号を、画像若しくは映像として表示するあらゆる分野の電子機器の表示装置に適用することが可能である。
以上説明した本発明による表示装置は、一例として、図11〜図15に示す様々な電子機器、例えば、デジタルカメラ、ノート型パーソナルコンピュータ、携帯電話等の携帯端末装置、ビデオカメラなど、電子機器に入力された映像信号、若しくは、電子機器内で生成した映像信号を、画像若しくは映像として表示するあらゆる分野の電子機器の表示装置に適用することが可能である。
このように、あらゆる分野の電子機器の表示装置として本発明による表示装置を用いることにより、先述した実施形態の説明から明らかなように、本発明による表示装置は、駆動トランジスタの閾値電圧Vthや移動度μの画素ごとのばらつきを確実に補正できるために、各種の電子機器において、良質な画像表示を行うことができる利点がある。
なお、本発明による表示装置は、封止された構成のモジュール形状のものをも含む。例えば、画素アレイ部30に透明なガラス等の対向部に貼り付けられて形成された表示モジュールが該当する。この透明な対向部には、カラーフィルタ、保護膜等、更には、上記した遮光膜が設けられてもよい。尚、表示モジュールには、外部から画素アレイ部への信号等を入出力するための回路部やFPC(フレキシブルプリントサーキット)等が設けられていてもよい。
以下に、本発明が適用される電子機器の具体例について説明する。
図11は、本発明が適用されるテレビの外観を示す斜視図である。本適用例に係るテレビは、フロントパネル102やフィルターガラス103等から構成される映像表示画面部101を含み、その映像表示画面部101として本発明による表示装置を用いることにより作成される。
図12は、本発明が適用されるデジタルカメラの外観を示す斜視図であり、(A)は表側から見た斜視図、(B)は裏側から見た斜視図である。本適用例に係るデジタルカメラは、フラッシュ用の発光部111、表示部112、メニュースイッチ113、シャッターボタン114等を含み、その表示部112として本発明による表示装置を用いることにより作製される。
図13は、本発明が適用されるノート型パーソナルコンピュータの外観を示す斜視図である。本適用例に係るノート型パーソナルコンピュータは、本体121に、文字等を入力するとき操作されるキーボード122、画像を表示する表示部123等を含み、その表示部123として本発明による表示装置を用いることにより作製される。
図14は、本発明が適用されるビデオカメラの外観を示す斜視図である。本適用例に係るビデオカメラは、本体部131、前方を向いた側面に被写体撮影用のレンズ132、撮影時のスタート/ストップスイッチ133、表示部134等を含み、その表示部134として本発明による表示装置を用いることにより作製される。
図15は、本発明が適用される携帯端末装置、例えば携帯電話機の外観を示す図であり、(A)は開いた状態での正面図、(B)はその側面図、(C)は閉じた状態での正面図、(D)は左側面図、(E)は右側面図、(F)は上面図、(G)は下面図である。本適用例に係る携帯電話機は、上側筐体141、下側筐体142、連結部(ここでは、ヒンジ部)143、ディスプレイ144、サブディスプレイ145、ピクチャーライト146、カメラ147等を含み、そのディスプレイ144やサブディスプレイ145として本発明による表示装置を用いることにより作製される。
10…有機EL表示装置、20…画素(画素回路)、21…有機EL素子、22…駆動トランジスタ、23…書き込みトランジスタ、24…保持容量、25…補助容量、30…画素アレイ部、31(31−1〜31−m)…走査線、32(32−1〜32−m)…電源供給線、33(33−1〜33−n)…信号線、34…共通電源供給線、40…書き込み走査回路、50…電源供給走査回路、60…水平駆動回路、70…表示パネル
Claims (6)
- 電気光学素子と、映像信号を書き込む書き込みトランジスタと、前記書き込みトランジスタによって書き込まれた前記映像信号を保持する保持容量と、前記保持容量に保持された前記映像信号に基づいて前記電気光学素子を駆動する駆動トランジスタとを含む画素が行列状に配置された画素アレイ部と、
前記画素アレイ部の画素列ごとに配線された信号線に対して、前記映像信号と基準信号とを選択的に供給する信号供給手段と、
前記画素アレイ部の画素行ごとに配線され、前記駆動トランジスタに電流を供給する電源供給線に第1電位を供給するとともに、前記信号供給手段から前記信号線に前記基準信号が供給されている一定期間において前記第1電位よりも低い第2電位を前記電源供給線に供給する第1走査手段と、
前記画素アレイ部の各画素を行単位で走査して前記一定期間内に前記書き込みトランジスタを導通状態にするとともに、当該一定期間が経過する前に前記書き込みトランジスタを非導通状態にし、前記信号供給手段から前記信号線に前記映像信号が供給されているときに再度前記書き込みトランジスタを導通状態にする第2走査手段と
を備えたことを特徴とする表示装置。 - 前記一定期間が経過した時点から前記書き込みトランジスタが再度導通状態になるまでの期間において、前記駆動トランジスタのゲート電極をフローティング状態にして前記駆動トランジスタの閾値電圧の画素ごとのばらつきを補正する閾値補正と、前記駆動トランジスタの移動度の画素ごとのばらつきを補正する移動度補正の各動作を並行して実行する
ことを特徴とする請求項1記載の表示装置。 - 前記基準信号は、前記電気光学素子のカソード電位よりも低い電圧に設定されている
ことを特徴とする請求項1記載の表示装置。 - 電気光学素子と、映像信号を書き込む書き込みトランジスタと、前記書き込みトランジスタによって書き込まれた前記映像信号を保持する保持容量と、前記保持容量に保持された前記映像信号に基づいて前記電気光学素子を駆動する駆動トランジスタとを含む画素が行列状に配置されてなる画素アレイ部と、
前記画素アレイ部の画素列ごとに配線された信号線に対して、前記映像信号と基準信号とを選択的に供給する信号供給手段とを備えた表示装置の駆動方法であって、
前記画素アレイ部の画素行ごとに配線され、前記駆動トランジスタに電流を供給する電源供給線に第1電位を供給するとともに、前記信号供給手段から前記信号線に前記基準信号が供給されている一定期間において前記第1電位よりも低い第2電位を前記電源供給線に供給し、
次いで、前記画素アレイ部の各画素を行単位で走査して前記一定期間内に前記書き込みトランジスタを導通状態にするとともに、当該一定期間が経過する前に前記書き込みトランジスタを非導通状態にし、
しかる後、前記信号供給手段から前記信号線に前記映像信号が供給されているときに再度前記書き込みトランジスタを導通状態にする
ことを特徴とする表示装置の駆動方法。 - 前記一定期間が経過した時点から前記書き込みトランジスタが再度導通状態になるまでの期間において、前記駆動トランジスタのゲート電極をフローティング状態にして前記駆動トランジスタの閾値電圧の画素ごとのばらつきを補正する閾値補正と、前記駆動トランジスタの移動度の画素ごとのばらつきを補正する移動度補正の各動作を並行して実行する
ことを特徴とする請求項4記載の表示装置の駆動方法。 - 電気光学素子と、映像信号を書き込む書き込みトランジスタと、前記書き込みトランジスタによって書き込まれた前記映像信号を保持する保持容量と、前記保持容量に保持された前記映像信号に基づいて前記電気光学素子を駆動する駆動トランジスタとを含む画素が行列状に配置された画素アレイ部と、
前記画素アレイ部の画素列ごとに配線された信号線に対して、前記映像信号と基準信号とを選択的に供給する信号供給手段と、
前記画素アレイ部の画素行ごとに配線され、前記駆動トランジスタに電流を供給する電源供給線に第1電位を供給するとともに、前記信号供給手段から前記信号線に前記基準信号が供給されている一定期間において前記第1電位よりも低い第2電位を前記電源供給線に供給する第1走査手段と、
前記画素アレイ部の各画素を行単位で走査して前記一定期間内に前記書き込みトランジスタを導通状態にするとともに、当該一定期間が経過する前に前記書き込みトランジスタを非導通状態にし、前記信号供給手段から前記信号線に前記映像信号が供給されているときに再度前記書き込みトランジスタを導通状態にする第2走査手段と
を備えた表示装置を有することを特徴とする電子機器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007155893A JP2008309911A (ja) | 2007-06-13 | 2007-06-13 | 表示装置、表示装置の駆動方法および電子機器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007155893A JP2008309911A (ja) | 2007-06-13 | 2007-06-13 | 表示装置、表示装置の駆動方法および電子機器 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008309911A true JP2008309911A (ja) | 2008-12-25 |
Family
ID=40237585
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007155893A Pending JP2008309911A (ja) | 2007-06-13 | 2007-06-13 | 表示装置、表示装置の駆動方法および電子機器 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2008309911A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014026256A (ja) * | 2012-07-25 | 2014-02-06 | Samsung Display Co Ltd | 表示機器の映像補償装置および方法 |
-
2007
- 2007-06-13 JP JP2007155893A patent/JP2008309911A/ja active Pending
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