JP2008309766A - アルキルスルフィニル基またはアルキルスルホニル基を有するクロマトグラフィー担体及びその製造方法 - Google Patents

アルキルスルフィニル基またはアルキルスルホニル基を有するクロマトグラフィー担体及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】出来るだけ簡便な操作で極性等の性質が類似している化合物同士を分離することが可能な技術を提供する。またその結果、分離された化合物を容易に妨害なく測定することを可能とする分析前処理技術を提供する。
【解決手段】シリカゲル表面にアルキルチオ基を有する官能基を結合させ、次いで該アルキルチオ基をアルキルスルホニル基に酸化することにより、表面修飾シリカゲルからなるクロマトグラフィー担体を得る。該クロマトグラフィー担体充填した芳香族有機化合物分離用カラムを用いて、芳香族有機化合物を分離する。
【選択図】なし

Description

本発明は、新規表面修飾シリカゲルからなるクロマトグラフィー担体に関し、より詳しくは、アルキルスルホニル基またはアルキルスルフィニル基を有する新規表面修飾シリカゲルからなるクロマトグラフィー担体に関する。また、本発明は有機化合物、その中でも芳香族化合物の分離用に適したアルキルスルホニル基、またはアルキルスルフィニル基およびアミン塩を有するクロマトグラフィー担体に関する。さらに、本発明はそれらのクロマトグラフィー担体の製造方法に関する。
従来から各種の有機化合物が研究・開発され、その特性を利用して様々な分野で使用されているが、一方で問題点も指摘されてきた。例えば、ポリ塩化ビフェニル(以下、PCBという)は無色透明で化学的に安定であり、しかも耐熱性、電気絶縁性、耐薬品性、非水溶性など数多くの優れた性質を持っていたため、変圧器やコンデンサ等の電気機器用絶縁油、感圧紙、塗料、印刷インキの溶剤等に広く使用されていた。ところが、PCBは生体に対する毒性が高く、発ガン性があり、皮膚障害、内臓障害、ホルモン異常を引き起こすなどの問題点がある。
現在、日本ではPCBの製造及び使用が原則禁止されているが、PCBは安定性が高いということからも理解されるように、過去において使用されたPCBは現在でも分解されずに残っており、現在でも社会問題の一つとなっている。
PCBは置換塩素の数とその置換される位置によって多数の同族体・異性体が存在し、理論的には、209種の同族体が存在することになる。
PCBの分析法として、例えば廃棄物中のPCB公定分析法である厚生省告示192(平成4年)のように極性溶媒を用いて絶縁油中に混入したPCBを抽出処理し、ガスクロマトグラフィーで分析する方法が知られている。この分析方法は分析に要する時間と手間がかかる上に、PCBの抽出処理操作において同族体によってはPCBを完全に抽出できない。
PCBのそのほかの分析法としてJISK 0093に規定されている工場排水中のポリ塩素化ビフェニルの試験方法がある。この方法はシリカゲルなどの順相系充填剤を使用したカラムクロマトグラフィーにより試料を精製し、ガスクロマトグラフィーにより測定する方法である。しかし、この方法では絶縁油から微量のPCBを分離するには満足出来る方法とはいえない。
また、アミノプロピルシラン、シアノプロピルシラン、2、3−ジヒドロキシプロキシプロピルシランから選ばれる1種または2種以上の充填剤を利用してカラムクロマトグラフ操作を行うことにより、絶縁油試料中のPCBとPCB分析の妨害成分とを分離して、PCBを効率良く分析する方法が知られている(特許文献1)。この方法は上記のものよりは操作性、処理時間の点で有利であるが、それでもPCBと絶縁油を完全に分離するには長大なカラムを用い、比較的多量の有機溶媒を消費するという問題が残される。
一方、高速液体クロマトグラフィーは、分析したい試料に応じて移動相液体と固定相の組合せをいろいろと変え、効率的に試料を分析できるので、種々の物質の分離、精製に利用されている。例えば、各種製品に使用される各種有機化合物、医薬品や食品などに含まれる数多くの有機化合物を分離する際に多用されている。それらの有機物の中でも、とくに芳香族化合物は多数の異性体が知られており、それら異性体を分離するときに高速液体クロマトグラフィーが利用されている。
高速液体クロマトグラフィーで用いる固定相あるいは担体としてシリカゲルが汎用されている。その中でも、シリカゲル表面のシラノール基〔−Si(OH)、(n=1、2、3)〕の反応性を利用して、オクタデシル基等の疎水性の官能基、あるいは前述したアミノ基などの親水性の官能基を結合した表面修飾シリカゲルが知られている。
この表面修飾シリカゲルを利用した高速液体クロマトグラフィーでは、主に疎水性または親水性相互作用によって、目的化合物を保持し、その相互作用の違いによって分離するのであり、各種化合物の分離特性の有効性から前記表面修飾シリカゲルは多用されているところである。しかしながら、前記表面修飾シリカゲルは極性の類似している化合物同士を分離する点では十分であるとはいえないのであって、新しい技術の開発・提供が求められている。
なお、上記とは異なる高速液体クロマトグラフィー用担体として、窒素原子を少なくとも1つ以上有する複素環を含む縮合環の数が3以上である含窒素多環芳香族官能基を結合した表面修飾シリカゲルが知られている(特許文献2)。この技術は、多孔性担体フラーレン類や金属内包フラーレン類については分離性能に優れているといえるものの、他の有機化合物の分離に利用するには、満足することができるとはいえない。また、カルボン酸及び/又はカルボン酸誘導体を導入した表面修飾シリカゲルが知られている(特許文献3)。この技術では、シリカゲルの耐アルカリ性は改善されたものの、有機化合物の分離性能の点では更なる改善が求められる。
さらに、スルホキシド基を有する有機基をイミン結合やアミド結合を介して支持体に固定したシリカゲルからなるクロマトグラフィー担体も知られている(特許文献4)。この担体はPCBと鉱物油との分離能が従来の担体よりも優れているが、PCBの同族体の分離能は満足できるとはいえず、PCBと鉱物油との分離能を含めてさらに分離能が優れたクロマトグラフィー用担体の開発が望まれている。
特開2003−114222号公報 特開2004−271459号公報 特開2005−154197号公報 国際公開2006/123587号パンフレット
そこで、本発明の課題は上記従来技術の問題点を解決することにある。すなわち、出来るだけ簡便な操作で分析することができ、しかも、極性等の性質が類似している化合物同士を分離することが可能な新規技術を提供することにある。本発明は特に脂肪族化合物と芳香族化合物を分離することが可能な新規技術を提供することにあり、そのなかでも、特に十塩素化ビフェニル等の極性が低く、鉱物油主成分の脂肪族炭化水素とあまり差がない芳香属化合物と、脂肪属化合物を分離することが可能な新規技術を提供することにある。また、絶縁油中のPCBをほぼ完全に回収し、分析することを可能にする新規技術を提供することにある。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、アルキルスルホニル基、またはアルキルスルフィニル基と共にアミン塩酸塩又はアンモニウム塩を有する官能基が結合している表面修飾シリカゲルを用いると、意外にも極性が類似する化合物を分離することができるという知見を得た。さらに研究を重ねたところ、前記表面修飾シリカゲルは、鉱物油主成分の脂肪族炭化水素と極性の点であまり差がない十塩素化ビフェニル等の芳香属化合物と、前記脂肪属化合物を分離することが可能となるとの知見を得た。それらの知見に基づいて研究を重ね、ついに本発明に到達した。
すなわち、本発明は以下の(1)〜(9)に示すとおりのものである。
(1) シリカゲル表面に下記一般式(1)で表される官能基が結合している表面修飾シリカゲルからなることを特徴とするクロマトグラフィー担体。
Figure 2008309766
式中、Qは−NR−、または下記(基1)を示し、Qは−SO−または−SO−を示し、Rは−CH−、−CHCH−、または−CHCHCH−を示し、Rは−NR−、−CO−、−NH−CO−、下記(基1)、または−CO−NH−を示し、Rは−CH、−CHCHまたは−CHCHCHを示し、Rは水素原子または炭素数が1〜4のアルキル基を示し、RおよびRは同一あるいは互いに異なってもよく、水素原子または炭素数が1〜4のアルキル基を示し、Xは塩素原子または臭素原子を示し、xは0−18であり、yは0−6であり、zは1−18である。ただし、Qが−SO−のときQは(基1)、Rは−NR−、−CO−、−NH−CO−、下記(基1)、または−CO−NH−、yは1〜6である。
Figure 2008309766
(2) シリカゲル表面に下記一般式(2)で表されるアルキルチオ基を有する官能基を結合させ、次いで該アルキルチオ基をアルキルスルホニル基に酸化させることを特徴とする下記一般式(3)で表される官能基が結合している表面修飾シリカゲルからなるクロマトグラフィー担体を製造する方法。
Figure 2008309766
式中、Qは−NR−を示し、R21は−NR−、−CO−、−NH−CO−、または−CO−NH−を示し、R、R、R、x、y、zは上記と同じである。
(3) シリカゲル表面に下記一般式(4)で表されるアミノ基又は4級アンモニウム塩とアルキルチオ基を有する官能基を結合させ、次いで該アルキルチオ基をアルキルスルホニル基に酸化させた後に第2〜3級アミノ基を第2〜3級アミン塩とすることを特徴とする下記一般式(5)で表される官能基が結合している表面修飾シリカゲルからなるクロマトグラフィー担体を製造する方法。
Figure 2008309766
Figure 2008309766
式中、Qは−NR−または上記(基1)を示し、Qは上記(基1)を示し、Rは、−CO−、−NH−CO−、下記(基1)、または−CO−NH−を示し、R、R21、R、R、x、y、zは上記と同じである。
(4) シリカゲル表面に下記一般式(4)で表されるアミノ基又は4級アンモニウム塩とアルキルチオ基を有する官能基を結合させ、次いで該アルキルチオ基をアルキルスルフィニル基に酸化させた後に第2〜3級アミノ基を第2〜3級アミン塩とすることを特徴とする下記一般式(6)で表される官能基が結合している表面修飾シリカゲルからなるクロマトグラフィー担体を製造する方法。
Figure 2008309766
Figure 2008309766
式中、Qは上記(基1)を示し、Q、R、R、R41、R、R、R、x、y、zは上記と同じである。
(5) 上記(1)記載のクロマトグラフィー担体を充填することを特徴とするクロマトグラフィーカラム。
(6) 有機化合物分離用である上記(1)記載のクロマトグラフィー担体。
(7) 芳香族化合物分離用である上記(1)記載のクロマトグラフィー担体。
(8) 上記(4)記載のクロマトグラフィーカラムを用いることを特徴とする有機化合物を分離する方法。
(9) 上記(4)記載のクロマトグラフィーカラムを用いることを特徴とする芳香化合物を分離する方法。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明でいう表面修飾シリカゲルは、シリカゲル表面に上記一般式(1)で表される官能基が結合しているシリカゲルを意味する。すなわち、少なくとも上記一般式(1)で表される官能基がシリカゲル表面に結合していることが必須であり、それ以外のこと、例えばエンドキャップ処理などにより上記式で示される官能基以外の他の官能基が結合されていても、本発明の所期の効果を達成することが出来る限り、表面修飾シリカゲルは本発明の範囲内である。
上記一般式(1)で表される官能基の中では、がQが−CHCH−、Qが−SO−または−SO−、Rが−NH−CO−または上記(基1)、XがCl、Rが−CHCH−、Rが−CH、RとRが−H、x=2〜3、y=1〜2、z=2〜4である官能基が好ましい。
特に、上記一般式(1)で表される官能基の中では、Qが−SO−、Rが−NH−CO−の場合、Qが−CHCH−、XがCl、Rが−CHCH−、Rが−CH、RとRが−H、x=2、y=1、z=2又は3である官能基が好ましい。
さらに、Qが−SO−、Rが上記(基1)の場合、Qが−CHCH−、XがCl、Rが−CHCH−、Rが−CH、RとRが−H、x=2、y=1、z=3又は4である官能基が好ましい。
本発明でいう表面修飾シリカゲルを得るためのシリカゲルは、上記一般式で表される官能基が結合されることができる限り特に制限されない。好ましいシリカゲルは球状であって多孔性のシリカゲルであり、粒子径1〜1000μm、より好ましくは5〜500μm、細孔径10〜5000Å、より好ましくは30〜1000Å、比表面積10〜1000m/g、より好ましくは10〜600m/gのものが好適に使用できる。本発明では、化学処理が施され、シリカゲル表面に反応性が高いシラノール基〔−Si(OH)、(n=1、2、3)〕を設けたシリカゲルを使用することが好ましい。
上記シリカゲルに、上記一般式(1)で表される官能基が結合していることが本発明の大きな特徴の一つである。シリカゲルに、上記一般式で表される官能基を結合する手段、方法は特に制限されない。
好ましい方法は次の方法である。まず、シリカゲル表面に上記一般式(2)または(4)で表されるアルキルチオ基を有する官能基を結合させる。
次いで該アルキルチオ基をアルキルスルフィニル基又はアルキルスルホニル基に酸化させろ。さらに、シリカゲルに結合した官能基のアミノ基をアミン塩とし、上記一般式(1)で表される官能基が結合したシリカゲルを得ることができる。
以下、上記好ましい方法をより詳しく説明する。
上記一般式(1)のRが−NH−CO−の場合について説明すると、シリカゲル表面に上記一般式(2)で表される官能基(ただし、Rは−NH−CO−)を結合させる好ましい方法は、上記一般式(2)に対応するアミノ基を末端に含む官能基をシリカゲル表面に結合させ、次いでアルキルチオ基含有化合物と反応させてアミド結合させる方法を挙げることが出来る。
上記アミノ基を末端に含む官能基をシリカゲル表面に結合させる方法は特に制限されないが、好ましい方法として、末端アミノ基含有シランリガンドを用いてシリカゲル表面を修飾する方法が挙げられる。前記アミノ基含有シランリガンドとしては、シリカゲル表面のシラノール基と反応することが出来る官能基を有し、しかも末端アミノ基含有官能基を有するリガンドが挙げられる。シラノール基と反応することが出来る官能基としては、クロロシラン基、メトキシシラン基、エトキシシラン基など、末端アミノ基含有官能基としては、−(NH−CH−CH−NH(n=0−3)などが好適である。
より具体的には、N−(3−(トリアルコキシシリル)アルキルエチレンジアミンを用い、シリカゲル表面にN−アミノエチルアミノアルキル基が結合した表面修飾シリカゲルを得る方法が好ましい。
上記アミノ基を末端に含む官能基で修飾したシリカゲル表面にアルキルチオ基含有化合物を反応させてアミド結合させる方法は特に制限されない。好ましい方法は、上記表面修飾シリカゲルにアルキルチオ基含有脂肪酸ハロゲン化物を反応させ、アルキルチオ基及びアミド基を含有する官能基がシリカゲル表面に結合されたシリカゲルを得る方法をあげることができる。より具体的には、アルキルチオ基含有脂肪酸ハライドを上記N−アミノエチルアミノアルキル基が結合した表面修飾シリカゲルと反応させ、上記一般式(1)で表される官能基で修飾したシリカゲルを得ることが出来る。
次に、上記一般式(1)のRが上記(基1)の場合について説明する。シリカゲル表面に上記一般式(2)または(4)で表される官能基(ただし、R21は−NR−または上記(基1))を結合させる方法は特に制限されない。好ましい方法としては、例えばアミノ基とアルデヒド基との脱水縮合により形成されたシッフ塩基の還元、あるいはアミノ基とハロゲン化アルキルとの直接加熱による縮合などであり、どちらの官能基がシリカゲル側であってもかまわない。
より具体的には、アルキルチオアルキルアルデヒドを上記N−アミノエチルアミノアルキル基が結合した表面修飾シリカゲルと反応させ、さらに水素化ホウ素ナトリウムなどの還元剤で処理することによって、上記一般式(2)または(4)で表される官能基で修飾したシリカゲルを得ることが出来る。
かくして調製できた上記一般式(2)または(4)で表される官能基で修飾したシリカゲルを酸化処理して、一般式(2)または(4)で表される官能基のアルキルチオ基をアルキルスルホニル基又はアルキルスルフィニル基に酸化されたシリカゲルを得ることが本発明の特徴の一つである。
この酸化処理に際しては、酸化剤として例えば過酸化水素、メタ過ヨウ素酸ナトリウム、3−クロル過安息香酸、モノパーオキシフタル酸マグネシウム等を例示できるが、この酸化剤に限定されない。
この酸化処理は、上記一般式(2)または(4)で表される官能基で修飾したシリカゲル、酸化剤等を溶媒中にて添加・混合して行うことが好ましい。用いる溶媒は、例えばメタノール及びエタノール等の低級アルコール、酢酸、水、アセトン及び塩化メチレン単独、あるいはこれら溶媒の混合物を用いることが出来るが、それらに限定されない。用いる酸化剤は、アルキルチオ基に対して1〜3当量とすることが好ましい。さらにはアルキルスルフィニル基に酸化させるには用いる酸化剤は1〜1.5当量とし、アルキルスルホニル基に酸化させるには用いる酸化剤は2〜3当量以上とするのがより好ましい。酸化処理は通常、−20℃〜+105℃の温度で、1時間〜7日間行うが、酸化剤により最適な条件は異なる。一般にはアルキルスルフィニル基までの酸化はより低温、アルキルスルホニル基までの酸化はより高温で行う。
なお、本発明においては、アルキルスルフィニル基まで酸化されるとは、アルキルスルフィニル基が大部分であることを指すが、アルキルスルホニル基が少量混在してもよい。そのアルキルスルホニル基の量はアルキルスルフィニル基に対して例えば40モル%以下である。また、アルキルチオ基が残っていてもよい。さらに、本発明においては、アルキルスルホニル基まで酸化されるとは、アルキルスルホニル基が大部分であることを指すが、アルキルスルフィニル基が少量混在してもよい。
該酸化シリカゲルのアミノ基をアミン塩とすることが本発明のひとつの大きな特徴である。これにより、上記一般式(1)で表される官能基を結合する表面修飾シリカゲルを得ることができる。酸化処理したシリカゲルのアミノ基をアミン塩とするときの条件は特に制限されないが、例えば、次のとおりである。上記一般式(1)で表される官能基に対応するアミノ基含有官能基を結合する表面修飾前記シリカゲルに酸を加え,前記シリカゲルに存在するアミノ基をアミン塩にする。
具体的には、酸化処理したシリカゲルの水スラリーを攪拌しながら,0.01〜1NのHClまたはHBr水溶液を加え常温で攪拌する方法が例示できる。
かくして調製された修飾シリカゲルはそのままクロマトグラフィー担体として用いてもよいが、カラムに充填され、有機化合物を効率よく分離できるように処理してもよい。例えば残存シラノール基に短鎖アルキル基を化学結合させる、いわゆるエンドキャッピング法を用いて、シリカゲルを処理してもよい。
本発明の修飾シリカゲルの形状は特に制限されないのであり、本発明の修飾シリカゲルを調製するときに用いられるシリカゲルの形状に大きく依存する。
かくして調製された修飾シリカゲルはクロマトグラフィーカラムに充填される。修飾シリカゲルの前記カラムへの充填法も特に制限されない。
クロマトグラフィーカラムの内径、長さなどは特に制限されないのであって、分離しようとする有機化合物の種類、分離しようとする試料の性状、有機化合物を採取する目的があるかなどに応じて、最適となるようなカラムを選べばよい。なお、通常、内径が0.3mm〜100mm、長さが数cm〜数十cmのカラムが用いられる・
本発明においては、クロマトグラフィー担体が充填されたクロマトグラフィーカラムは有機化合物の分離用として使用される。分離用として適切な有機化合物は広範にわたるが、特に脂肪族化合物や、芳香族化合物、その中でも多環芳香族炭化水素の分離に好適である。すなわち、先に述べたようなアルキルスルフィニル基またはアルキルスルホニル基と芳香族環との相互作用により、極性が類似していても芳香族環の有無・個数に依存して本担体上に有機物が保持されるため、有機物の相互分離が可能となる。
そのため例えば、主成分が脂肪族炭化水素であるような鉱物油中に微量含まれるPCBの分離に利用できるほか、多環芳香族化合物群を相互に分離するなどの利用が考えられるが、それらに限定されるものではない。
上記脂肪族炭化水素の具体例としては、例えば各種アルカン、アルケン、アルキン等が挙げられ、上記多環芳香族炭化水素としては、アセナフテン,アセナフチレン,アントラセン,ベンゾ(a)アントラセン,ベンゾ(b)フロオランテン,ベンゾ(k)フロオランテン,ベンゾ(ghi)ペリレン,ベンゾ(a)ピレン,クリセン,クリセン,ジベンゾ(a,h)アントラセン,フルオランテン,フルオレン,インデノ(1,2,3−cd)ピレン,ナフタレン,フェナンスレン,ピレン等が挙げられる。これらの化合物にはハロゲン原子や各種置換基を含有する化合物も含まれる。
有機化合物を分離する方法は特に制限されない。
たとえば、上記充填カラムを高速液体クロマトグラフィー装置にセットし、該カラムをコンディショニングした後に、分析試料をロードする。必要に応じて処理を施した後に、移動相としての溶媒を用いて、分離・分析したいターゲットの有機化合物を溶出する。
用いる溶媒及びその使用量は、分離・分析したいターゲットである有機化合物の種類とその量、用いるカラムや充填された固定相などにより変動するので、最適な溶媒を適宜選び、最適な量を使用すればよい。なお、使用する溶媒は一種類でもよいし、二種類以上併用してもよい。分離分析するときの温度、時間なども特に制限されない。
本発明により、有機化合物、その中でも芳香族化合物を効率よく分離することが出来るクロマトグラフィー用担体を提供することが出来る。本発明により、例えば、パラフィンのような脂肪族化合物と芳香族化合物を効率良く分離分析することができる。特に、本発明の担体を高速液体クロマトグラフィーの固定相とすると、その効果が際立っている。
本発明は、例えば鉱物油中のPCB等の分離・分析に有用である。すなわち、絶縁油などに含まれるPCBを分析する場合に、測定を妨害する炭化水素類などの成分を簡易に分離除去し、PCBをほぼ完全に回収することを可能にする。これは、GC/MSでPCBを測定する時にPCBピークが鉱物油由来のピークで妨害されないことを意味する。また、例えば鉱物油中のPCB等の分析に際しての前処理、すなわち測定妨害成分である炭化水素等のマトリックスの分離除去に有用である。本発明は、特に十塩素化ビフェニル等の極性が低く、鉱物油主成分の脂肪族炭化水素とあまり差がない芳香属化合物と、脂肪属化合物を分離することを可能とする。従来から多用されている、シリカ、フロリジル、アミノプロピル修飾シリカゲル等の一般の極性担体では前記極性が低い芳香属化合物と、脂肪属化合物を分離することが可能とはいえない状況であっただけに、本発明は実用的な優れた発明である。
以下に実施例を示すが本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
乾燥させた平均粒子径50μmの球状シリカゲル(Flash Silica 97728−U:Supelco社製)500gとN−(3−(トリメトキシシリル)プロピル)エチレンジアミン850mLをトルエン1000mLに加え混合し、窒素気流下、100℃で一昼夜反応させた。得られたシリカゲルをろ過し、トルエン1500mLで3回、メタノール1500mLで3回、ジクロロメタン1500mLで2回の順序で洗浄し、窒素気流下、70℃で一昼夜乾燥させ、シリカゲル表面に(N−(アミノエチル)アミノプロピル基(PSA基)を化学結合したシリカゲル充填剤を合成した。
得られたPSA基結合シリカゲル150gと3−(メチルチオ)プロピオン酸クロライド50mLをトルエン1000mLに加え混合し、生成する塩化水素を除去する為にトリエチルアミンを加え、窒素気流下、105℃で2時間反応させた。反応混合液をろ過し、トルエン1000mLで3回、メタノール1000mLで3回、水1000mLで3回の順序で洗浄し、1級アミノ基に3−(メチルチオ)プロピル基をアミド結合で固定化された構造を持つシリカゲル(B)を得た。
このメチルチオプロピル基を結合したシリカゲル(B)を水200mLに加え混合して得られた懸濁液を10℃以下に保ち、メタ過ヨウ素酸ナトリウム80mg/mL水溶液900mLを10分以上かけて加えた後、さらに10℃以下で一昼夜反応させ、メチルチオ基がメチルスルフィニル基に酸化されたシリカゲルを得た。反応液スラリーをガラスフィルター付きのロート上に移し,水3000mLを数回に分け,このロート上に注ぎ,次いで減圧で吸引ろ過をする。同様の操作で以下、0.1N水酸化ナトリウム1000mL、水3000mL、0.1N HCl3000mL、アセトン3000mLの順序で洗浄し、減圧下40℃で一昼夜乾燥させ、メチルスルフィニル基と第2級アミン塩酸塩を含有する官能基が固定化されたシリカゲル(C)を得た(S,4.0%,うちスルフィニル基,77モル%)。なお、修飾シリカゲルの硫黄含量は元素分析装置EA1110(CE Instruments社製)による。また、硫黄原子の酸化状態はHRXRF(高分解能蛍光X線分光法)で確認した。使用装置はXFRA190,double−crystal spectrometer(テクノス社製)を用いた。
実施例1で得られたシリカゲル(C)6gを内径8mmのガラスカラムにアセトン10mLを用い湿式充填し、続いてアセトン20mL、ヘキサン40mLを流しコンディショニングを行った。
PCB(カネクロール)を総PCB濃度3.7μg/gとなるよう添加した絶縁油を分析試料とした。本試料0.18mLに内標準物質として13Cで標識したPCB同族体(各塩素数1種類3μg/gずつ)を含むノナン溶液0.02mLを添加し、上記のカラムにロードした。その後、ヘキサン12mLを流し、絶縁油を追い出し、さらに30mLヘキサンでPCBを溶出した。PCBを含むフラクションを濃縮後、シリンジスパイク(1312−PCB#8、#170;#,IUPAC number)を加え、ガスクロマトグラフィー/四重極型質量分析計(アジレント社6890/5973N MSD)で定量を行った。3回の分析(別々の分離カラムを使用)で得られたPCBの定量値及び内標準物質回収率のそれぞれ平均値と標準偏差(SD)を表1に示した。
Figure 2008309766
また、前記ガスクロマトグラフィー−質量分析計(GC/MS)に注入して得られた各PCB同族体のピーク面積からPCBの回収率をそれぞれ求めて溶出パターンを作成し、図6に示した。図6から明らかなように、PCBと鉱物油との分離は優れ、PCBの回収率も高く、塩素化ビフェニル同士の分離も向上した。結局、PCBと鉱物油との分離能が優れていた。なお、図6中、PCB3は一塩素化ビフェニル異性体、PCB101は五塩素化ビフェニル異性体、PCB209は十塩素化ビフェニルである。
比較例1
実施例1のシリカゲル充填剤の合成法において、N−(3−(トリメトキシシリル)プロピル)エチレンジアミンの代わりにN−(3−(トリメトキシシリル)プロピルアミンを用い、N−(3−(トリメトキシシリル)プロピルアミン660mLをシリカゲル500gと実施例1と同様に反応させることで、アミノプロピル化シリカゲルを得た。
3−(メチルチオ)プロピオンアルデヒド(CH3−S−(CH2)2−CHO)5gを乾燥した前記アミノプロピル化シリカゲル5gに加え、0℃で3時間反応させた。反応生成物をメタノールおよび純水で十分洗浄した後に、純水50mLと水素化ホウ素ナトリウム0.15gを加え、室温で24時間反応させて、シッフ塩基を二級アミンに還元した。これをメタノールで十分洗浄した後に、真空乾燥して得られたメチルチオ基と第2級アミンを含有する官能基が固定化されたシリカゲルをメタ過ヨウ素酸ナトリウム水溶液で酸化して、メチルスルフィニル基と第2級アミンを含有する官能基が固定化されたシリカゲル(D)を得た。
シリカゲル(D)の硫黄含量を実施例1と同様な操作により確認した(S,3.6%,うちメチルチオ基97モル%)。
比較例1と同様に調製したシリカゲル担体に1N HCl 7mLを加えて2級アミノ基を塩酸塩とした後、水およびアセトンで十分洗浄し、乾燥して、メチルスルフィニル基と第2級アミン塩酸塩を含有する官能基が固定化されたシリカゲル(E)を得た。
シリカゲル(E)の硫黄含量と硫黄原子の酸化状態を実施例1と同様な操作により確認した(S,4.3%,うちスルフィニル基,72モル%)。
前記シリカゲル(E)2.5gを内径10mmのガラスカラム(フッ素樹脂コック付き)にアセトンを用いて湿式充填し、PCB分離用カラムとした。
5ppmのPCB混合物(カネカ社製、カネクロール300,400,500,600の1:1:1:1混合物)を含む鉱物油(変圧器用絶縁油)0.25mLを、0.3gの市販シリカゲルを充填した小型カラム(内径8.5mm)に加え、シリカゲルに非可逆的に吸着する成分(極性の高い化合物)を吸着させた後に、8mLのヘキサンで溶出した。つぎに、溶出液を0.2mLにまで窒素気流で濃縮し、これを上記PCB分離用カラムに加えて、ヘキサン25mL、引き続いてアセトン10mLによって溶出させ、鉱物油とPCBの分離を行った。
溶出液を適当量に分けて回収し、蒸発残留成分の重量から鉱物油の回収率を、各溶出液を一定量に濃縮しガスクロマトグラフィー−質量分析計(GC/MS)に注入して得られた各PCB同族体のピーク面積からPCBの回収率をそれぞれ求めて溶出パターンを作成し、図1に示した。図1から明らかなように、PCBと鉱物油との分離は優れ、PCBの回収率も高く、塩素化ビフェニル同士の分離も向上した。結局、PCBと鉱物油との分離能が優れていた。
3−(メチルチオ)プロピオンアルデヒド(CH3−S−(CH2)2−CHO)5gを乾燥した前記PSA基結合シリカゲル5gに加え、0℃で3時間反応させた。反応生成物をメタノールおよび純水で十分洗浄した後に、純水50mLと水素化ホウ素ナトリウム0.15gを加え、室温で24時間反応させて、シッフ塩基を二級アミンに還元した。これをメタノールで十分洗浄した後に、真空乾燥して得られたメチルチオ基と第2級アミンを含有する官能基が固定化されたシリカゲルをメタ過ヨウ素酸ナトリウム水溶液で酸化した後、1N HCl 7mLを加えて2級アミノ基を塩酸塩とした後、水およびアセトンで十分洗浄し、乾燥してメチルスルフィニル基と第2級アミン塩酸塩を含有する官能基が固定化されたシリカゲル(F)を得た。
シリカゲル(F)の硫黄含量と硫黄原子の酸化状態を実施例1と同様な操作により確認した(S,4.2%,うちスルフィニル基,71モル%)。
前記シリカゲル(F)2.5gを実施例4と同様にカラムに充填し、PCBと鉱物油の分離試験を行った。鉱物油の回収率とPCBの回収率をそれぞれ求めて溶出パターンを作成し、図2に示した。図2から明らかなように、PCBと鉱物油との分離は優れ、PCBの回収率も高く、特に低塩素数PCBの保持に優れていた。
前記アミノプロピル基結合シリカゲル10gと3−(メチルチオ)プロピオン酸クロライド2.5mLをテトラヒドロフラン100mLに加え混合し、生成する塩化水素を除去する為にトリエチルアミンを加え、窒素気流下、80℃で2時間反応させた。反応混合液をろ過し、メタノール50mLで4回、アセトン30mLで1回の順序で洗浄し、アミノ基に3−(メチルチオ)プロピル基をアミド結合で固定化された構造を持つシリカゲル(G)を得た。
このメチルチオプロピル基を結合したシリカゲル(G)5gに酢酸15mLと30%過酸化水素13.4mLを混合して得られた懸濁液を105℃で30分間反応させ、メチルチオ基がメチルスルホニル基に酸化されたシリカゲルを得た。反応生成物を水50mLで4回、アセトン20mLで3回の順序で洗浄し、減圧下40℃で一昼夜乾燥させ、メチルスルホニル基を含有する官能基が固定化されたシリカゲル(H)を得た。
シリカゲル(H)の硫黄含量および硫黄原子の酸化状態を確認した。(S,2.7%,うちスルホニル基,100モル%)。
前記シリカゲル(H)5gを実施例4と同様にカラムに充填し、PCB・と鉱物油の分離試験を行った。鉱物油の回収率とPCBの回収率をそれぞれ求めて溶出パターンを作成し、図3に示した。図3から明らかなように、PCBと鉱物油との分離は優れ、PCBの回収率も高く、特に低塩素数PCBの保持に優れていた。
比較例2
比較例1のシリカゲル(D)2.5gを内径10mmのガラスカラム(フッ素樹脂コック付き)にアセトンを用いて実施例4と同様な操作で湿式充填し、PCB分離用カラムとした。
実施例4と同じ方法でPCBと鉱物油との分離試験を行った。実施例4と同様に溶出パターンを作成し、図4に示した。図4と、図1および2との比較から明らかなように、PCBと鉱物油との分離能は実施例4の分離能よりも劣っていた。たとえば、10塩化ビフェニルと鉱物油との分離は図1、2での分離よりも明らかに劣っていた。また、塩素化ビフェニル同士の分離も全体としてみると図1、2より劣っていた。
比較例3
平均粒子径50μmのシリカゲルにメルカプトプロピル基を結合させた坦体15g(元素分析 S:5.94%)にジメチルホルムアミド45mLを加え,次にヨウ化メチル4.74gを加えた。5−10分後に炭酸カリウム4.02gを加え,このスラリー溶液を室温で一昼夜攪拌した。翌日メタノール20mL及び水約50mLを加え数分間攪拌し,この懸濁液をろ過し炭酸カリウムを除去した。このシリカゲル坦体をメタノール200mL,水200mL,メタノール200mLの順序で洗浄し,さらに窒素気流下,40℃で一昼夜減圧乾燥し,メチルチオプロピル基を有するシリカゲル(J)を得た。(元素分析 S:5.27%)
得られたメチルチオプロピル基を有するシリカゲル(J)5gにメタノール20mL,水10mLを加え,数分間攪拌後,メタ過ヨウ素酸ナトリウム10.0gを加え,室温で一昼夜攪拌した。このゲルをメタノール100mL,水100mL,メタノール100mLの順序で洗浄後,窒素気流下,40℃で一昼夜減圧乾燥し,メチルスルフィニルプロピル基を有するゲル(K)を得た(元素分析 S:4.82%)。なお、上記修飾シリカゲルの硫黄含量は元素分析装置EA1110(CE Instruments社製)による、燃焼/ガスクロマトグラフTCD法により確認した。
比較例4
比較例3のシリカゲル(K)2.5gを内径10mmのガラスカラム(フッ素樹脂コック付き)にアセトンを用いて実施例4と同様な操作で湿式充填し、PCB分離用カラムとした。
実施例4と同じ方法でPCBと鉱物油との分離試験を行った。実施例4と同様に溶出パターンを作成し、図5に示した。図5と、図1および2との比較から明らかなように、鉱物油とPCB209(十塩素化物)の分離が著しく劣っている。
実施例3における分離カラムからの溶出に用いた溶媒の量と溶出した油分およびPCBの回収率を示すグラフである。なお、図の「一塩素化」は「一塩素化ビフェニル」を示し、「二塩素化」は「二塩素化ビフェニル」を示す(以下、同様)。移動相:0−24mL,ヘキサン;24−35mL,アセトン(図2、図3、図4、図5、図6でも同様である)。 実施例5における分離カラムからの溶出に用いた溶媒の量と溶出した油分およびPCBの回収率を示すグラフである。 実施例7における分離カラムからの溶出に用いた溶媒の量と溶出した油分およびPCBの回収率を示すグラフである。 比較例1における分離カラムからの溶出に用いた溶媒の量と溶出した油分およびPCBの回収率を示すグラフである。 比較例4における分離カラムからの溶出に用いた溶媒の量と溶出した油分およびPCBの回収率を示すグラフである。 実施例1における分離カラムからの溶出に用いた溶媒の量と溶出した油分およびPCBの回収率を示すグラフである。

Claims (9)

  1. シリカゲル表面に下記一般式(1)で表される官能基が結合している表面修飾シリカゲルからなることを特徴とするクロマトグラフィー担体。
    Figure 2008309766
    式中、Qは−NR−、または下記(基1)を示し、Qは−SO−または−SO−を示し、Rは−CH−、−CHCH−、または−CHCHCH−を示し、Rは−NR−、−CO−、−NH−CO−、下記(基1)、または−CO−NH−を示し、Rは−CH、−CHCHまたは−CHCHCHを示し、Rは水素原子または炭素数が1〜4のアルキル基を示し、RおよびRは同一あるいは互いに異なってもよく、水素原子または炭素数が1〜4のアルキル基を示し、Xは塩素原子または臭素原子を示し、xは0−18であり、yは0−6であり、zは1−18である。ただし、Qが−SO−のときQは下記(基1)、Rは−NR−、−CO−、−NH−CO−、下記(基1)、または−CO−NH−、yは1〜6である。
    Figure 2008309766
  2. シリカゲル表面に下記一般式(2)で表されるアルキルチオ基を有する官能基を結合させ、次いで該アルキルチオ基をアルキルスルホニル基に酸化させることを特徴とする下記一般式(3)で表される官能基が結合している表面修飾シリカゲルからなるクロマトグラフィー担体を製造する方法。
    Figure 2008309766
    式中、Qは−NR−を示し、Rは−CH−、−CHCH−、または−CHCHCH−を示し、R21は−NR−、−CO−、−NH−CO−、または−CO−NH−を示し、Rは−CH、−CHCHまたは−CHCHCHを示し、Rは水素原子または炭素数が1〜4のアルキル基を示し、xは0−18であり、yは0−6であり、zは1−18である。
  3. シリカゲル表面に下記一般式(4)で表されるアミノ基又は4級アンモニウム塩とアルキルチオ基を有する官能基を結合させ、次いで該アルキルチオ基をアルキルスルホニル基に酸化させた後に第2〜3級アミノ基を第2〜3級アミン塩とすることを特徴とする下記一般式(5)で表される官能基が結合している表面修飾シリカゲルからなるクロマトグラフィー担体を製造する方法。
    Figure 2008309766
    式中、Qは−NR−または下記(基1)を示し、Qは下記(基1)を示し、Rは−CH−、−CHCH−、または−CHCHCH−を示し、R21は−NR−、−CO−、−NH−CO−、または−CO−NH−を示し、Rは−CH、−CHCHまたは−CHCHCHを示し、Rは水素原子または炭素数が1〜4のアルキル基を示し、Rは−CO−、−NH−CO−、下記(基1)、または−CO−NH−を示し、xは0−18であり、yは0−6であり、zは1−18である。
    Figure 2008309766
  4. シリカゲル表面に下記一般式(4)で表されるアミノ基又は4級アンモニウム塩とアルキルチオ基を有する官能基を結合させ、次いで該アルキルチオ基をアルキルスルフィニル基に酸化させた後に第2〜3級アミノ基を第2〜3級アミン塩とすることを特徴とする下記一般式(6)で表される官能基が結合している表面修飾シリカゲルからなるクロマトグラフィー担体を製造する方法。
    Figure 2008309766
    式中、Qは−NR−または下記(基1)を示し、Qは下記(基1)を示し、Rは−CH−、−CHCH−、または−CHCHCH−を示し、Rは下記(基1)、−CO−、−NH−CO−、または−CO−NH−を示し、Rは−CH、−CHCHまたは−CHCHCHを示し、R21は−NR−、−CO−、−NH−CO−、または−CO−NH−を示し、RおよびRは同一あるいは互いに異なってもよく、水素原子または炭素数が1〜4のアルキル基を示し、xは0−18であり、yは1−6であり、zは1−18である。
    Figure 2008309766
  5. 請求項1記載のクロマトグラフィー担体を充填して得ることを特徴とするクロマトグラフィーカラム。
  6. 有機化合物分離用である請求項1記載のクロマトグラフィー担体。
  7. 芳香族化合物分離用である請求項1記載のクロマトグラフィー担体。
  8. 請求項5記載のクロマトグラフィーカラムを用いることを特徴とする有機化合物を分離する方法。
  9. 請求項5記載のクロマトグラフィーカラムを用いることを特徴とする芳香族化合物を分離する方法。
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