JP2010052986A - 表面処理されたシリカ及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高アルカリ性環境下で十分な耐性し、かつ液体クロマトグラフィー用充填剤として使用した時に優れた分離能を有する、表面処理されたシリカ、及びその製造方法の提供。
【解決手段】表面処理されたシリカの製造方法であって、(1)式(I)
Figure 2010052986

〔式中、Xは同一又は異なって、アルコキシ基、ジアルキルアミノ基、又はハロゲン原子であり、mは1〜8の整数である〕で表される化合物、(2)該有機シロキサン化合物をシリカ表面に接触させる工程、を含む、製造方法、及び該製造方法により製造されるシリカ。
【選択図】なし

Description

本発明は、表面処理されたシリカ、及び該シリカの製造方法に関する。より詳細には、液体クロマトグラフィーの充填剤として使用できる、表面処理されたシリカ、及び該シリカの製造方法に関する。
従来、液体クロマトグラフィー、特に高速液体クロマトグラフィー(HPLC)用の充填剤として、シリカが用いられてきた。このような、固定相に高極性のシリカを、移動相に低極性のもの(例えばヘキサン、酢酸エチル、クロロホルムなどの有機溶媒)を用いるタイプのものは順相クロマトグラフィーと呼ばれる。
また、シリカの表面を各種の化学修飾基を有するシラン化合物でシリル化することにより、シリカ表面のシラノール基に化学修飾基を化学結合させたものも広く用いられている。このような、固定相に低極性のもの(例えばシリカにアルキル基を共有結合させたもの)を、移動相に高極性のもの(例えば水や塩類の水溶液、アルコール、アセトニトリルなどの有機溶媒)を用いるタイプのものは、逆相クロマトグラフィーと呼ばれる。
このような、シリカ表面を化学修飾したものの中でも、オクタデシルクロロシラン化合物を用いて、シリカ表面にオクタデシル基を導入したオクタデシルシリカ充填剤(ODS)が、最も広く使われている。
ところが、このようなシリカ系充填剤は、アルカリ性で不安定であり、特に約pH8以上になると、シリカが分解してしまうという問題がある。
またさらに、このような化学結合型シリカ充填剤は、HPLCの実施に際し、基材のシリカ表面に存在するシラノール基の影響が問題となる。すなわち、極性溶質、特に塩基性溶質は残存シラノール基と強く相互作用し、しばしば塩基性溶質が溶出しなかったり、溶出が遅れたり、ピークのテーリング現象が起きたりするため、再現性のよいクロマトグラムが得られない。
これに対し、残存する未反応シラノール基の影響を減少させるため、シリカに化学修飾基を結合させた後、さらに残存するシラノール基をシリル化(エンドキャッピング)することが行われている。しかしながら、エンドキャッピングを行ってもシラノール基はかなり残存しており、依然としてピークのテーリング現象等の問題は解決されていなかった。
このような問題を解決するために、これまでにも種々の研究が行われてきた。例えば、特許文献1には、細孔形状を有する多孔質有機・無機ハイブリッド粒子(例えばポリオルガノアルコキシシロキサンからなる粒子)が開示されており、当該粒子が耐高アルカリ性で分離能に優れた充填剤である旨が記載されている。しかしながら、その耐アルカリ性は優れているが、分離能は必ずしも十分なものではなかった。また、粒子のサイズや表面積に関して大きな粒子や表面積の高い粒子の製造が難しく、非効率な製造しかできない上、粒子の表面積が比較的狭く、効率的な分析には不向きであった。
また、特許文献2には、三官能、二官能性の有機シランの表面重合縮合により化学修飾されたクロマトグラフィー分離用のシリカ吸着剤が開示されており、これが幅広いpH安定性を示すことが記載されている。しかしながら、そのpH安定性の持続は、必ずしも十分なものではなかった。
国際公開第2003/022392号 国際公開第2006/039507号
本願は、高アルカリ性環境下で十分な耐性し、かつ液体クロマトグラフィー用充填剤として使用した時に優れた分離能を有する、表面処理されたシリカ、及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、驚くべき事に、
表面処理されたシリカの製造方法であって、
(1) 式(I)
Figure 2010052986
〔式中、Xは同一又は異なって、アルコキシ基、ジアルキルアミノ基、又はハロゲン原子であり、mは1〜8の整数である〕
で表される化合物、又は
式(II)
Figure 2010052986
〔式中、Yは同一又は異なって、アルコキシ基、ジアルキルアミノ基、又はハロゲン原子であり、
は同一又は異なって、アルキル基、アリール基、又はアラルキル基であり、nは1〜8の整数である〕
で表される化合物、
並びに
式(III)
Figure 2010052986
〔式中、Zは同一又は異なって、アルコキシ基、ジアルキルアミノ基、又はハロゲン原子であり、Rは、置換基を有することのあるアルキル基、置換基を有することのあるアリール基、置換基を有することのあるアラルキル基、陽イオン交換基、又は陰イオン交換基である〕
で表される化合物とを反応させ有機シロキサン化合物を得る工程、
(2) 該有機シロキサン化合物をシリカ表面に接触させる工程、
を含む、製造方法
で製造した、表面処理されたシリカが、高アルカリ性環境下での十分な耐性を有し、さらに液体クロマトグラフィー用充填剤として使用した時に優れた耐アルカリ性及び分離能を有することを見出し、さらに改良を重ねて本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は特に以下の項1〜13の表面処理されたシリカ、及びその製造方法、並びに該シリカを用いた液体クロマトグラフィー用充填剤及びカラムに係るものである。
項1.
表面処理されたシリカの製造方法であって、
(1) 式(I)
Figure 2010052986
〔式中、Xは同一又は異なって、アルコキシ基、ジアルキルアミノ基、又はハロゲン原子であり、mは1〜8の整数である〕
で表される化合物、又は
式(II)
Figure 2010052986
〔式中、Yは同一又は異なって、アルコキシ基、ジアルキルアミノ基、又はハロゲン原子であり、
は同一又は異なって、アルキル基、アリール基、又はアラルキル基であり、nは1〜8の整数である〕
で表される化合物、
並びに
式(III)
Figure 2010052986
〔式中、Zは同一又は異なって、アルコキシ基、ジアルキルアミノ基、又はハロゲン原子であり、Rは、置換基を有することのあるアルキル基、置換基を有することのあるアリール基、置換基を有することのあるアラルキル基、陽イオン交換基、又は陰イオン交換基である〕
で表される化合物とを反応させ有機シロキサン化合物を得る工程、
(2) 該有機シロキサン化合物をシリカ表面に接触させる工程、
を含む、製造方法。

項2.
式(I)中のXが、同一又は異なって、炭素数1〜10のアルコキシ基、ジ(炭素数1〜10のアルキル)アミノ基、又はCl、BrもしくはIである、項1に記載の製造方法。
項3.
式(II)中のYが、同一又は異なって、炭素数1〜10のアルコキシ基、ジ(炭素数1〜10のアルキル)アミノ基、又はCl、BrもしくはIである、項1又は2に記載の製造方法。
項4.
式(II)中のRが、同一又は異なって、炭素数1〜10のアルキル基である、項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
項5.
式(III)中のZが、同一又は異なって、炭素数1〜10のアルコキシ基、ジ(炭素数1〜10のアルキル)アミノ基、又はハロゲン原子である、項1〜4のいずれか1項に記載の製造方法。
項6.
式(III)中のRが、炭素数1〜40のアルキル基である、項1〜5のいずれか1項に記載の製造方法。
項7.
式(I)で表される化合物が、
1,2−ビス(トリクロロシリル)エタン、1,3−ビス(トリクロロシリル)プロパン、1,2−ビス(トリメトキシシリル)エタン、1,2−ビス(トリエトキシシリル)エタン、1,3−ビス(トリメトキシシリル)プロパン、及び1,3−ビス(トリエトキシシリル)プロパンからなる群より選ばれる少なくとも1種である、項1〜6のいずれか1項に記載の製造方法。
項8.
式(II)で表される化合物が、
1,1,3,3,−テトラメチル−1,3−ジクロロジシロキサン、1,1,3,3,−テトラエチル−1,3−ジクロロジシロキサン、1,1,3,3,−テトラメチル−1,3−ジメトキシジシロキサン、1,1,3,3,−テトラエチル−1,3−ジエトキシジシロキサン、1,1,3,3,5,5,−ヘキサメチル−1,5−ジメトキシトリシロキサン、1,1,3,3,5,5,−ヘキサエチル−1,5−ジメトキシロトリシロキサン、1,1,3,3,5,5,−ヘキサメチル−1,5−ジエトキシトリシロキサン、1,1,3,3,5,5,−ヘキサエチル−1,5−ジエトキシトリシロキサン、1,1,3,3,5,5,−ヘキサメチル−1,5−ジクロロトリシロキサン、1,1,3,3,5,5,−ヘキサエチル−1,5−ジクロロトリシロキサン、1,1,3,3,5,5,7,7−オクタメチル−1,7−ジメトキシテトラシロキサン、1,1,3,3,5,5,7,7−オクタエチル−1,7−ジメトキシテトラシロキサン、1,1,3,3,5,5,7,7−オクタメチル−1,7−ジエトキシテトラシロキサン、1,1,3,3,5,5,7,7−オクタエチル−1,7−ジエトキシテトラシロキサン、1,1,3,3,5,5,7,7−オクタメチル−1,7−ジクロロテトラシロキサン、及び1,1,3,3,5,5,7,7−オクタエチル−1,7−ジクロロテトラシロキサンからなる群より選ばれる少なくとも1種である、項1〜7のいずれか1項に記載の製造方法。
項9.
式(III)で表される化合物が、
オクタデシルトリクロロシラン、ブチルトリクロロシラン、オクチルトリクロロシラン、ドコシルトリクロロシラン、オクタコシルトリクロロシラン、トリアコンチルトリクロロシラン、オクタデシルトリメトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、ドコシルトリメトキシシラン、オクタコシルトリメトキシシラン、トリアコンチルトリメトキシシランオクタデシルトリエトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、ドコシルトリエトキシシラン、オクタコシルトリエトキシシラン及びトリアコンチルトリエトキシシランからなる群より選ばれる少なくとも1種である、項1〜8のいずれか1項に記載の製造方法。
項10.
さらに、
(3)前記(2)の工程で得られる表面処理されたシリカを、シリル化剤によって処理する工程
を含む、項1〜9のいずれか1項に記載の製造方法。
項11.
項1〜10のいずれか1項に記載の製造方法で製造した、表面処理されたシリカ。
項12.
項11に記載のシリカからなる、液体クロマトグラフィー用充填剤。
項13.
項12に記載の充填剤を充填した液体クロマトグラフィー用カラム。
本発明により、高アルカリ性環境下での十分な耐性を有し、さらに液体クロマトグラフィー用充填剤として使用した時には優れた耐アルカリ性及び分離能を有する、表面処理されたシリカを製造することができる。
以下、本発明について、さらに詳細に説明する。
本発明に係る表面処理されたシリカは、式(I)で表される化合物又は式(II)で表される化合物、並びに式(III)で表される化合物を反応させて、有機シロキサン化合物を製造((1)工程)し、次いで該有機シロキサン化合物とシリカを接触させる((2)工程)ことにより、製造される。なお、このようにして得られる表面処理されたシリカは、残存シラノール基の数が少なく、クロマトグラフィーの充填剤として用いた際、残存シラノール基の悪影響が少なくすむものであるが、さらにエンドキャッピング剤(例えばシリル化剤)を用いてシラノール残基のエンドキャッピング処理を行う((3)工程)ことで、より残存シラノール基の影響を抑えることができる。
当該工程を簡潔にまとめると次のようになる。
(1)工程
式(I)化合物又は式(II)化合物 + 式(III)化合物
→ 有機シロキサン化合物
(2)工程
有機シロキサン化合物 + シリカ → 表面処理されたシリカ

(3)工程
表面処理されたシリカ + エンドキャッピング剤(例えばシリル化剤)
→ エンドキャッピング処理済みの表面処理されたシリカ
本発明は、特に、式(I)で表される化合物又は式(II)で表される化合物、並びに式(III)で表される化合物を反応させ、一旦有機シロキサン化合物を製造し、こうして得られた該有機シロキサン化合物を用いてシリカを表面処理するところに特徴がある。
以下、各工程ごとに説明する。
<(1)工程>
有機シロキサン化合物は、例えば以下のようにして製造できる。すなわち、式(I)
Figure 2010052986
〔式中、Xは同一又は異なって、アルコキシ基、ジアルキルアミノ基、又はハロゲン原子であり、mは1〜8の整数である〕
で表される化合物、又は
式(II)
Figure 2010052986
〔式中、Yは同一又は異なって、アルコキシ基、ジアルキルアミノ基、又はハロゲン原子であり、
は同一又は異なって、アルキル基、アリール基、又はアラルキル基であり、nは1〜8の整数である〕
で表される化合物、
並びに
式(III)
Figure 2010052986
〔式中、Zは同一又は異なって、アルコキシ基、ジアルキルアミノ基、又はハロゲン原子であり、Rは、置換基を有することのあるアルキル基、置換基を有することのあるアリール基、置換基を有することのあるアラルキル基、陽イオン交換基、又は陰イオン交換基である〕
で表される化合物とを反応させることにより、有機シロキサン化合物を得ることができる。
前記式(I)で表される化合物において、式中、Xは同一又は異なって、アルコキシ基、ジアルキルアミノ基、又はハロゲン原子である。
Xで示されるアルコキシ基としては、典型的には、炭素数1〜10のアルコキシ基が挙げられる。好ましくは炭素数1〜6、より好ましくは炭素数1〜4、特に好ましくは炭素数1又は2のアルコキシ基である。また、当該アルコキシ基は、直鎖又は分岐を有していてもよい。好ましいアルコキシ基の例としては、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、及びイソプロポキシ基が例示できる。
Xで示されるジアルキルアミノ基としては、典型的には、ジ(炭素数1〜10のアルキル)アミノ基が挙げられる。アミノ基に結合するアルキル基の炭素数は、好ましくは1〜6、より好ましくは1〜4、特に好ましくは1又は2である。また、当該アルキル基は、直鎖又は分岐を有していてもよい。なお、アミノ基に結合する2つのアルキル基は、互いに同一又は異なってよい。
具体的には、Xで示されるジアルキルアミノ基を−NR(R及びRはアルキル基を表す)としたとき、R及びRは互いに同一又は異なってよく、直鎖又は分岐を有していてもよく、例えば、R及びRの炭素数は1〜10であり、好ましくは炭素数1〜6、より好ましくは炭素数1〜4、さらに好ましくは炭素数1又は2である。
好ましいXで示されるジアミノアルキル基の例としては、ジメチルアミノ、メチルエチルアミノ、ジエチルアミノ、メチルプロピルアミノ、エチルプロピルアミノ、及びジプロピルアミノ基が例示できる。
Xで示されるハロゲン原子は、F、Cl、Br、Iであり、Cl、Br、Iが好ましく、Clが特に好ましい。
また、前記式(I)で表される化合物において、式中、mは1〜8の整数であり、好ましくは1〜6の整数であり、より好ましくは2、3又は4であり、特に好ましくは2である。
前記式(I)で表される化合物の具体例としては、1,2−ビス(トリメトキシシリル)エタン、1,2−ビス(トリエトキシシリル)エタン、1,3−ビス(トリメトキシシリル)プロパン、1,3−ビス(トリエトキシシリル)プロパン、1,3−ビス(トリクロロシリル)プロパン、1,3−ビス(トリクロロシリル)プロパン等が好ましく例示できる。
前記式(II)で表される化合物において、式中、Yは同一又は異なって、アルコキシ基、ジアルキルアミノ基、又はハロゲン原子である。
Yで示されるアルコキシ基としては、典型的には、炭素数1〜10のアルコキシ基が挙げられる。好ましくは炭素数1〜6、より好ましくは炭素数1〜4、特に好ましくは炭素数1又は2のアルコキシ基である。また、当該アルコキシ基は、直鎖又は分岐を有していてもよい。好ましいアルコキシ基の例としては、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、及びイソプロポキシ基が例示できる。
Yで示されるジアルキルアミノ基としては、典型的には、ジ(炭素数1〜10のアルキル)アミノ基が挙げられる。アミノ基に結合するアルキル基の炭素数は、好ましくは1〜6、より好ましくは1〜4、特に好ましくは1又は2である。また、当該アルキル基は、直鎖又は分岐を有していてもよい。なお、アミノ基に結合する2つのアルキル基は、互いに同一又は異なってよい。
具体的には、Yで示されるジアルキルアミノ基を−NR(R及びRはアルキル基を表す)としたとき、R及びRは互いに同一又は異なってよく、直鎖又は分岐を有していてもよく、例えば、R及びRの炭素数は1〜10であり、好ましくは炭素数1〜6、より好ましくは炭素数1〜4、さらに好ましくは炭素数1又は2である。
好ましいYで示されるジアミノアルキル基の例としては、ジメチルアミノ、メチルエチルアミノ、ジエチルアミノ、メチルプロピルアミノ、エチルプロピルアミノ、及びジプロピルアミノ基が例示できる。
Yで示されるハロゲン原子は、F、Cl、Br、Iであり、Cl、Br、Iが好ましく、Clが特に好ましい。
また、前記式(II)で表される化合物において、式中、Rは同一又は異なって、アルキル基、アリール基、又はアラルキル基であることが好ましい。
で示されるアルキル基としては、典型的には、炭素数1〜10のアルキル基が挙げられる。好ましくは炭素数1〜6、より好ましくは炭素数1〜4、特に好ましくは炭素数1又は2のアルキル基である。また、当該アルキル基は、直鎖又は分岐を有していてもよい。具体例としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec-ブチル、及びtert-ブチル基が例示できる。
で示されるアリール基としては、例えば単環又は2以上の環を有するアリール基が挙げられる。典型的には、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、o−トリル、m−トリル、p−トリル、2,3−キシリル、2,4−キシリル、2,5−キシリル、2,6−キシリル、3,4−キシリル、3,5−キシリル基等が例示できる。
で示されるアラルキル基としては、典型的には、炭素数1〜10の直鎖又は分岐鎖のアルキル基が有する水素原子をアリール基に置換した基が挙げられる。具体例としては、ベンジル、フェネチル、ナフチルメチル、ナフチルエチル、ジフェニルメチル基等が例示できる。
また、前記式(II)で表される化合物において、式中、nは1〜8の整数であり、好ましくは1〜6の整数であり、より好ましくは2、3又は4であり、特に好ましくは2である。
前記式(II)で表される化合物の具体例としては、1,1,3,3,−テトラメチル−1,3−ジクロロジシロキサン、1,1,3,3,−テトラエチル−1,3−ジクロロジシロキサン、1,1,3,3,−テトラメチル−1,3−ジメトキシジシロキサン、1,1,3,3,−テトラエチル−1,3−ジエトキシジシロキサン、1,1,3,3,5,5,−ヘキサメチル−1,5−ジメトキシトリシロキサン、1,1,3,3,5,5,−ヘキサエチル−1,5−ジメトキシロトリシロキサン、1,1,3,3,5,5,−ヘキサメチル−1,5−ジエトキシトリシロキサン、1,1,3,3,5,5,−ヘキサエチル−1,5−ジエトキシトリシロキサン、1,1,3,3,5,5,−ヘキサメチル−1,5ジクロロトリシロキサン、1,1,3,3,5,5,−ヘキサエチル−1,5ジクロロトリシロキサン、1,1,3,3,5,5,7,7−オクタメチル−1,7−ジメトキシテトラシロキサン、1,1,3,3,5,5,7,7−オクタエチル−1,7−ジメトキシテトラシロキサン、1,1,3,3,5,5,7,7−オクタメチル−1,7−ジエトキシテトラシロキサン、1,1,3,3,5,5,7,7−オクタエチル−1,7−ジエトキシテトラシロキサン、1,1,3,3,5,5,7,7−オクタメチル−1,7ジクロロテトラシロキサン、1,1,3,3,5,5,7,7−オクタエチル−1,7ジクロロテトラシロキサン等が、好ましく例示できる。
前記式(III)で表される化合物において、式中、Zは同一又は異なって、アルコキシ基、ジアルキルアミノ基、又はハロゲン原子である。
Zで示されるアルコキシ基としては、典型的には、炭素数1〜10のアルコキシ基が挙げられる。好ましくは炭素数1〜6、より好ましくは炭素数1〜4、特に好ましくは炭素数1又は2のアルコキシ基である。また、当該アルコキシ基は、直鎖又は分岐を有していてもよい。好ましいアルコキシ基の例としては、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、及びイソプロポキシ基が例示できる。
Zで示されるジアルキルアミノ基としては、典型的には、ジ(炭素数1〜10のアルキル)アミノ基が挙げられる。アミノ基に結合するアルキル基の炭素数は、好ましくは1〜6、より好ましくは1〜4、特に好ましくは1又は2である。また、当該アルキル基は、直鎖又は分岐を有していてもよい。なお、アミノ基に結合する2つのアルキル基は、互いに同一又は異なってよい。
具体的には、Zで示されるジアルキルアミノ基を−NR(R及びRはアルキル基を表す)としたとき、R及びRは互いに同一又は異なってよく、直鎖又は分岐を有していてもよく、例えば、R及びRの炭素数は1〜10であり、好ましくは炭素数1〜6、より好ましくは炭素数1〜4、さらに好ましくは炭素数1又は2である。
好ましいZで示されるジアミノアルキル基の例としては、ジメチルアミノ、メチルエチルアミノ、ジエチルアミノ、メチルプロピルアミノ、エチルプロピルアミノ、及びジプロピルアミノ基が例示できる。
Zで示されるハロゲン原子は、F、Cl、Br、Iであり、Cl、Br、Iが好ましく、Clが特に好ましい。
また、前記式(III)で表される化合物において、式中、Rは置換基を有することのあるアルキル基、置換基を有することのあるアリール基、置換基を有することのあるアラルキル基、陽イオン交換基、又は陰イオン交換基である。
Rで示される「置換基を有することのあるアルキル基」における、アルキル基としては、典型的には、炭素数1〜40のアルキル基が挙げられる。該アルキル基は、直鎖又は分岐を有していてもよい。好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜25、さらに好ましくは炭素数1〜20のアルキル基である。特にオクタデシル基、オクチル基、ブチル基、またはトリメチル基が好ましい。
該アルキル基が置換基を有する場合、置換基数は特に制限されないが、好ましくは該アルキル基の炭素数以下の自然数であり、より好ましくは1、2又は3である。典型的な置換基としては、シアノ基、アミノ基、グリシジル基等が挙げられる。複数の置換基を有する場合は、それらの置換基は同一又は異なってよい。また、該アルキル基の同一又は異なった炭素上の水素と置換されてよい。
置換基を有するアルキル基の例としては、シアノアルキル基、アミノアルキル基、グリシジルアルキル基等が挙げられる。具体例としては、シアノメチル基、シアノエチル基、シアノプロピル基、シアノイソプロピル基、シアノブチル基、シアノイソブチル基、アミノメチル基、アミノエチル基、アミノプロピル基、アミノイソプロピル基、アミノブチル基、アミノイソブチル基、グリシジルメチル基、グリシジルエチル基、グリシジルプロピル基、グリシジルイソプロピル基、グリシジルブチル基、グリシジルイソブチル基等が例示できる。なかでも、シアノプロピル基、アミノプロピル基、グリシジルプロピル基が好ましい。
Rで示される「置換基を有することのあるアリール基」における、アリール基としては、例えば単環又は2以上の間を有するアリール基が挙げられる。典型的には、フェニル基、又は炭素数1〜40、好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を1又は2以上有するフェニル基が挙げられる。該アリール基の具体例としては、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、o−トリル、m−トリル、p−トリル、2,3−キシリル、2,4−キシリル、2,5−キシリル、2,6−キシリル、3,4−キシリル、3,5−キシリル基等が例示できる。
該アリール基が置換基を有する場合、置換基数は特に制限されないが、好ましくは1、2又は3である。典型的な置換基としては、シアノ基、アミノ基、グリシジル基等が挙げられる。複数の置換基を有する場合は、それらの置換基は同一又は異なってよい。また、該アリール基の同一又は異なった炭素上の水素と置換されてよい。
置換基を有するアリール基の例としては、シアノフェニル基、アミノフェニル基、グリシジルフェニル基、シアノナフチル基、アミノフェニル基、グリシジルナフチル基等が例示できる。中でも、シアノフェニル基、アミノフェニル基が好ましい。
Rで示される「置換基を有することのあるアラルキル基」における、アラルキル基としては、典型的には、炭素数1〜40、好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20の直鎖又は分岐鎖のアルキル基が有する水素原子をアリール基に置換した基が挙げられる。具体例としては、ベンジル、フェネチル、ナフチルメチル、ナフチルエチル、ジフェニルメチル基等が例示できる。
該アラルキル基が置換基を有する場合、置換基数は特に制限されないが、好ましくは1、2又は3である。典型的な置換基としては、シアノ基、アミノ基、グリシジル基等が挙げられる。複数の置換基を有する場合は、それらの置換基は同一又は異なってよい。また、該アラルキル基の同一又は異なった炭素上の水素と置換されてよい。
置換基を有するアラルキル基の例としては、シアノベンジル基、アミノベンジル基、ニトロベンジル基、ヒドロキシベンジル基、メチルベンジル基、トリフルオロメチルベンジル基、ナフチルメチル基、ニトロナフチルメチル基、シアノナフチルメチル基、ヒドロキシナフチルメチル基、メチルナフチルメチル基、トリフルオロメチルナフチルメチル基等が例示できる。中でも、シアノベンジル基、アミノベンジル基、シアノナフチル基が好ましい。
陽イオン交換基としては、通常陽イオン交換用液体クロマトグラフィーの充填剤の官能基として用いられるものであれば、特に制限はされないが、スルホン酸基、カルボン酸基、リン酸基、ホスホン酸基、ヒ酸基、セレン酸基等が例示できる。また、これらの基を置換基として有するアルキル基でもよい。例えば、カルボキシメチル基、カルボキシエチル基であってもよい。特にカルボキシメチル基が好適である。
陰イオン交換基としては、通常陰イオン交換用液体クロマトグラフィーの充填剤の官能基として用いられるものであれば、特に制限はされないが、例えばトリメチルアンモニウム、β−ヒドロキシエチルジメチルアンモニウム等が挙げられる。また、これらの基を置換基として有するアルキル基でもよい。中でも、トリメチルアンモニウムが好ましい。
前記式(III)で表される化合物の具体例としては、オクタデシルトリクロロシラン、ブチルトリクロロシラン、オクチルトリクロロシラン、ドコシルトリクロロシラン、オクタコシルトリクロロシラン、トリアコンチルトリクロロシラン、オクタデシルトリメトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、ドコシルトリメトキシシラン、オクタコシルトリメトキシシラン、トリアコンチルトリメトキシシラン、オクタデシルトリエトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、ドコシルトリエトキシシラン、オクタコシルトリエトキシシラン、トリアコンチルトリエトキシシラン等が、好ましく例示できる。
式(I)で表される化合物又は式(II)で表される化合物と、式(III)で表される化合物を反応させることにより、本発明に係る表面処理されたシリカをコートする有機シロキサン化合物を得ることができる。
当該反応は、式(I)中のX又は式(II)中のYをOH基に置換させることで行うことができる。XがOH基となった式(I)で表される化合物又はYがOH基となった式(II)で表される化合物は、求核試剤として働き、求核置換反応により式(III)で表される化合物と結合する。具体的には、式(I)又は式(II)中のOH基のH、並びに式(III)中のZが脱離し、式(I)又は式(II)中のOH基のO並びに式(III)中のSiが結合する。
またさらに、当該反応は、式(III)中のZをOH基に置換させることで行うことができる。式中のZがOH基となった式(III)で表される化合物は、求核試剤として働き、求核置換反応により式(I)で表される化合物又は式(II)で表される化合物と結合する。具体的には、式(III)中のOH基のH、並びに式(I)中のX又は式(II)中のYが脱離し、式(III)中のOH基のO並びに式(I)又は式(II)中のSiが結合する。
式(I)中のX又は式(II)中のYをOH基に置換させる反応、あるいは式(III)中のZをOH基に置換させる反応は、例えば、式(I)で表される化合物又は式(II)で表される化合物、あるいは式(III)で表される化合物を、水と反応させることによって行うことができる。
具体的には、例えば、これらの化合物を、含水溶媒に溶解させ、例えば60〜100℃で加熱しながら1〜24時間撹拌することによって行うことができる。なお、X、YあるいはZが、ハロゲンである場合は、加熱しなくても、室温で撹拌することで当該反応を行うことができる。
また、使用する含水溶媒としては、例えばトルエンに水を混合したものが好適である。
なお、当該OH基への置換反応終了後に未反応の水が残存すると、有機シロキサン化合物の合成反応を阻害する恐れがあるため、使用する水量が多すぎると好ましくない。水量は、OHに変換させる基(X、YあるいはZ)を全てOH基に置換でき、なおかつ当該置換反応後に水が残存しない量以下とするのが好ましい。具体的には、水と反応させる化合物(式(I)で表される化合物又は式(II)で表される化合物、あるいは式(III)で表される化合物)の分子量をM、該化合物1分子中のOHに変換させる基(X、YあるいはZ)の数をN(すなわち、式(I)で表される化合物はN=6、式(II)で表される化合物はN=2、式(III)で表される化合物はN=3)とした場合、水と反応させる化合物1gあたり溶媒に混合する水量は(18N/M)g以下とするのが好ましい。
また、溶媒の水の溶解度を考慮したうえで、OH置換反応に必要な水量を溶解し得る量の溶媒を使用するのが好ましい。例えば溶媒としてトルエンを用いる場合、トルエンの水の溶解度は0.54g/L〜0.58g/Lであるので、反応に必要な水量を溶解できる量のトルエンを当該値を用いて計算できる。
また、水量をできるだけ厳密に調整するため、使用する溶媒も脱水されたものを用い、OH置換反応を行う容器についても例えばドライ窒素を反応前〜反応終了まで通気させるなどすることが好ましい。
式(I)中のX又は式(II)中のYをOH基に置換する場合、例えば式(I)で表される化合物又は式(II)で表される化合物を含水溶媒に溶解させ、例えば60〜100℃で加熱しながら1〜24時間撹拌し、さらに式(III)で表される化合物を加えて同様に加熱しながら1〜24時間反応させることで、有機シロキサン化合物を得ることができる。
また、式(III)中のZをOH基に置換する場合、例えば式(III)で表される化合物を含水溶媒に溶解させ、例えば60〜100℃で加熱しながら1〜24時間撹拌し、さらに式(I)で表される化合物又は式(II)で表される化合を加えて同様に加熱しながら1〜24時間反応させることで、有機シロキサン化合物を得ることができる。
各化合物を反応させるときの、各化合物の使用量としては、式(III)で表される化合物1molに対し、式(I)で表される化合物は1〜6mol、特に2.5〜3.5molを使用するのが好ましい。また、式(III)で表される化合物1molに対し、式(II)で表される化合物は0.3〜3mol、特に0.8〜1.2molを使用するのが好ましい。
(1)工程で得られる有機シロキサン化合物は、各原料化合物中に複数の反応基(X、Y、Z)を有しており、また、反応に用いる化合物及び水の量によって合成される化合物が異なるため、単純に一般式で表記することは困難である。しかし、有機シロキサン化合物中の有機シロキサン構造及びSi上に、未反応の反応基(X、Y、Z)や、それらが加水分解されたOH基が存在しているものと考えられる。
その一例としては、例えば次式(IV)
Figure 2010052986
〔式中、A
Figure 2010052986
[X、mは前記に同じ]
又は
Figure 2010052986
[Y、R、nは前記に同じ]
であり、
は、A、OH基、又はZ[Zは前記に同じ]であり、
Rは、前記に同じである〕
の構造を有するものが例示される。
<(2)工程>
上記のようにして得られる有機シロキサン化合物を、シリカ表面に接触させ、表面処理されたシリカを製造する。
本発明において、シリカは、表面にシラノールを有する有孔又は無孔のシリカ粒子、膜、基板等を用いることができる。中でも、有孔又は無孔のシリカ粒子であることが好ましく、有孔のシリカ粒子であることがより好ましい。なお、種々の有孔又は無孔のシリカ粒子を選択して用いることで、様々な表面積を有する、表面処理されたシリカを効率よく製造することが可能である。
有孔のシリカ粒子を用いる場合、その平均細孔径、比表面積、平均粒子径等の条件は、特に制限を受けることなく、表面処理されたシリカの使用用途に応じて、適宜好ましい条件のものを利用できる。特に、液体クロマトグラフィーの充填剤用の表面処理されたシリカを製造する場合は、クロマトグラフィーで分離を行う物質の大きさ、性質に応じて、好ましい条件のシリカを選択することができる。
液体クロマトグラフィーの充填剤用のものを製造する場合、使用するシリカは、典型的には、平均細孔径は3〜100nm、好ましくは6〜30nmであり、比表面積は10〜700m/g、好ましくは100〜500m/gであり、平均粒子径は1.7〜50μm、好ましくは1.7〜10μmである。なお、当該シリカの形態は、特に制限されないが、球形が好ましい。なお、当該平均細孔径及び比表面積はBET法等で、平均粒子径はコールターカウンター法等で測定することができる。
有機シロキサン化合物を、シリカ表面に接触させるための処理方法としては、例えば有機シロキサン化合物及びシリカを、溶媒中で加熱反応させる方法が挙げられる。溶媒、反応温度、反応時間は特に制限されないが、具体的にはトルエン還流下で1〜48時間反応させる方法が例示できる。
また、当該反応には、典型的には、シリカの単位表面積(1m)に対して有機シロキサン化合物2〜4μmol、好ましくは3μmolを用いる。なお、当該有機シロキサン化合物の分子量はGC/MS法等により測定することができる。当該測定には、例えばJMS-T100GCガスクロマトグラフ飛行時間質量分析計(日本電子(株))を用いることができる。
なお、当該反応は、有機シロキサン化合物を製造した容器内へシリカを加えて行うこともでき、このようにして処理を簡便化することが可能である。
このように有機シロキサン化合物をシリカ表面に接触させて処理することで、シリカの表面が有機シロキサン化合物によってコートされる。
このようにして得られる表面処理されたシリカは、典型的には、元素分析測定したときに、炭素含有量が5〜30重量%であり、好ましくは10〜20重量%である。なお、元素分析測定は、例えば2400II 全自動元素分析装置((株)パーキンエルマージャパン)により行うことができる。
シリカ表面に直接式(III)で表される化合物等を接触させてから、さらに式(I)又は式(II)で表される化合物を結合させてシリカ表面をコートする場合、式(III)で表される化合物由来の残存シラノール基が多く存在することとなる。これに対し、上記本発明の製造方法では、予め当該有機シロキサン化合物を合成しておくことで、式(III)で表される化合物由来の残存シラノール基の数を減らすことができる。これにより、表面処理されたシリカをクロマトグラフィーの充填剤として用いた際、残存シラノール基の悪影響(塩基性溶質の不十分な溶出、溶出遅延、ピークのテーリング現象等)を大幅に抑制できる。
また、本発明の製造方法では、シリカ上で行う反応処理の回数が少なくすむため、シリカあるいは有機シロキサン化合物へ反応処理によるダメージを最小限に抑えることができる。特に、当該シリカを液体クロマトグラフィー用充填剤として用いる場合には、式(III)で表される化合物のRは、充填剤の官能基として働くが、シリカ上で反応処理を行うと当該Rが切断されるというダメージを受けるところ、本発明の製造方法ではこれを減らすことができ、有利である。つまり、本発明の製造方法であれば、シリカの単位表面積あたりの官能基数がより多い液体クロマトグラフィー用充填剤を製造することができる。
さらには、本発明の製造方法で製造した、表面処理されたシリカは、十分な耐アルカリ性を有し、クロマトグラフィーの充填剤として用いた場合には、複数回のアルカリ性溶液による再生処理にも、十分に耐えることができる。
<(3)工程 −エンドキャッピング工程−>
上記の(1)及び(2)工程を経て製造される、表面処理されたシリカは、残存シラノール基の数が少なく、クロマトグラフィーの充填剤として用いた際、残存シラノール基の悪影響が少なくすむものである。これに、さらにシラノール残基に対しエンドキャッピング処理を行うことで、より残存シラノール基の影響を抑えることができる。
エンドキャッピング処理は、当業者に公知の方法を用いて行うことができる。例えば、シリル化剤を用いて行い得る。なお、エンドキャッピング処理に用いるシリル化剤は、シラノール基と反応するための基以外は、不活性な基を有するものが好ましい。
剤シリル化剤としては、例えば、シラン(SiH)の2つのHがアルキル基に置換され残り2つのHがハロゲンに置換された構造、又は3つのHがアルキル基に置換され残り1つのHがハロゲンに置換された構造を有する化合物が挙げられる。該アルキル基は互いに同一又は異なってよく、該アルキル基は典型的には炭素数1〜5、好ましくは炭素数1〜3、より好ましくは炭素数1又は2のアルキル基である。なお、該アルキル基は直鎖又は分岐を有していてもよい。また、ハロゲンは同一又は異なってよい。具体的には、好適な該シリル化剤の例として、トリメチルクロロシラン(TMCS)、ジメチルジクロロシラン(DMCS)、トリエチルクロロシラン、ジエチルジクロロシラン、トリメチルブロモシラン、トリエチルクロロシラン等が例示できる。
また、他にも、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)、N−トリメチルシリルアセトアミド(TMSA)、N,O−ビス(トリメチルシリル)アセトアミド(BSA)等が好適な該シリル化剤として例示できる。
なお、当該(3)工程(すなわち、エンドキャッピング処理工程)を行う場合には、(2)工程後、シリカ表面上にコートされた有機シロキサン化合物中の未反応のX又はY由来の基(すなわち、例えばアルコキシ基、ジアルキルアミノ基、又はハロゲン原子)を、シラノール基に変換させておくことが好ましい。当該変換は、当業者に公知の方法を用いて行うことができる。例えば、酸存在下で、(2)工程で得られる表面処理されたシリカと水を反応させることにより行うことができ、具体的には(メタノール、エタノール又はプロパノール)/(水)/(塩酸、ギ酸又は酢酸溶液)で処理することで、当該置換をなし得る。また、当該反応は、典型的には30〜70℃で行い得る。
シリカに残存するシラノール基、並びに有機シロキサン化合物中の未反応のX又はY由来の基から変換したシラノール基を、上記のようなシリル化剤で処理することで、エンドキャッピングを行うことができる。当該エンドキャッピング処理条件は、用いるシリル化剤に応じて適宜設定することができるが、例えばシリル化剤還流下1〜48時間反応させることで行い得る。
本発明の製造方法によって製造される、表面処理されたシリカは、耐アルカリ性(すなわち耐高アルカリ性)に優れ、クロマトグラフィーの充填剤として用いた場合には、pH8〜pH11のアルカリ性条件下での分離ができるとともに、複数回のアルカリ性溶液による再生処理にも、十分に耐えることができる。また、残存シラノール基が少ないため、クロマトグラフィー分析時に、ピークがテーリングするなどの悪影響も少ない。
本発明に係る、表面処理されたシリカを、例えばカラムへ充填し、液体クロマトグラフィー(例えば、HPLC、UPLC等)に用いることができる。カラムへの充填方法は特に制限されず、公知のシリカに化学修飾がなされた充填剤(例えばODS)と同様にして、カラムへ充填すればよい。また、カラムのクロマトグラフへの装着、サンプル注入、使用温度、等の各種条件についても、公知のシリカに化学修飾がなされた充填剤を充填したカラムと同様に公知の方法に従って行えばよい。また、装着するクロマトグラフについても、公知のものを適宜選択して使用することができる。
例えば、(株)日立ハイテクノロジーズ社製、(株)島津製作所製、Waters社製等のクロマトグラフを使用できる。
以下、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の例に限定されるものではない。
実施例1
(1):有機シロキサン化合物の調製
有機合成用脱水トルエン250mLを十分に乾燥した500mLの三ツ口フラスコにとった。当該フラスコ内にはドライ窒素を0.5L/minの流量で反応終了まで通気させた。該フラスコ内に純水0.140gを加え撹拌し、トルエンに溶解させた。次にオクタデシルトリクロロシラン1.00gを加え30℃で2時間撹拌し、塩素をOHに置換させた。さらに,1,2-ビス(トリエトキシシリル)エタンを2.70g加え、油浴中トルエン還流下12時間反応させ、目的の有機シロキサン化合物を調製した。
(2):シリカゲルへの有機シロキサン化合物の接触
平均細孔径12nm,比表面積340m2/g,平均粒子径5μmの球形シリカゲルを150℃で2時間以上真空乾燥を行った。このシリカゲル3.00gを、上記実施例1(1)で有機シロキサン化合物を調製したフラスコ内へ投入し,撹拌しながらスラリー状態にし,油浴中トルエン還流下24時間反応させた。次にグラスフィルター(G-4:柴田科学器械工業(株))を用いてろ過し,トルエン100mL,メタノール100mLの順で洗浄ろ過した。
(3):エンドキャッピング処理
上記実施例1(2)で得た表面処理されたシリカを、三ツ口フラスコ中でメタノール/水/ギ酸(700:300:1)溶液100mLに分散させスラリー状態にし,撹拌しながら,50℃で2時間保ち,シリカ表面をコートする有機シロキサン化合物に存在する、未反応のエトキシ基をシラノール基に変換させた。グラスフィルター(G-4)を用いてろ過し,メタノール100mLで洗浄ろ過し,150℃で6時間真空乾燥を行い,4.6gのシリカ粒子を得た。なお、当該シリカ粒子を2400II 全自動元素分析装置((株)パーキンエルマージャパン)を用いて元素分析したところ、炭素含有量は14.5重量%であり、炭素を含有することから、シリカが表面処理されたことが確認できた。
次に、当該シリカ粒子4gを三ツ口フラスコ内に入れ,ヘキサメチルジシラン20mLを加え,油浴中ヘキサメチルジシラザン還流下24時間反応させ、残存シラノール基をトリメチルシリル化した。次にグラスフィルター(G-4)を用いてろ過し,トルエン100mL,メタノール100mLの順で洗浄ろ過し,150℃で6時間真空乾燥を行い,4.0gの表面処理されたシリカ粒子が得られた。なお、当該シリカ粒子を2400II 全自動元素分析装置((株)パーキンエルマージャパン)を用いて元素分析したところ、炭素含有量は14.8重量%であり、僅かに炭素含有量が増えていることから、エンドキャッピングがなされたことが確認できた。このようにして得られた当該シリカ粒子を「シリカa」とする。
実施例2
(1):有機シロキサン化合物の調製
有機合成用脱水トルエン150mLを十分に乾燥した500mLの三ツ口フラスコにとった。当該フラスコ内にはドライ窒素を0.5L/minの流量で反応終了まで通気させた。このフラスコ内に純水0.053gを加え撹拌し、トルエンに溶解させた。次にオクタデシルトリメトキシシラン1.00gを加え80℃で4時間撹拌し、メトキシをOHに置換させた。さらに,1,1,3,3,5,5,-ヘキサメチル-1,5-ジクロロトリシロキサンを0.83g加え,30℃で2時間反応させ,目的の有機シロキサン化合物を調製した。
(2):シリカゲルへの有機シロキサン化合物の接触
平均細孔径12nm、比表面積340m2/g、平均粒子径5μmの球形シリカゲルを150℃で2時間以上真空乾燥を行った。このシリカゲル3.00gを上記実施例2(1)で有機シロキサン化合物を調製したフラスコ内へ投入し、撹拌しながらスラリー状態にし、油浴中トルエン還流下24時間反応させた。次にグラスフィルター(G-4)を用いてろ過し、トルエン100mL、メタノール100mLの順で洗浄ろ過した。
(3):エンドキャッピング処理
上記実施例2(2)で得た表面処理されたシリカを三ツ口フラスコ中でメタノール/水/ギ酸(700:300:1)溶液100mLに分散させスラリー状態にし、撹拌しながら50℃で2時間保ち、シリカ表面をコートする有機シロキサン化合物に存在する、未反応のメトキシ基及び塩素をシラノール基に変換させた。グラスフィルター(G-4)を用いてろ過し、メタノール100mL洗浄ろ過し、150℃で6時間真空乾燥を行い、4.2gのシリカ粒子を得た。なお、当該シリカ粒子を2400II 全自動元素分析装置((株)パーキンエルマージャパン)を用いて元素分析したところ、炭素含有量は16.7%であり、炭素を含有することから、シリカが表面処理されたことが確認できた。
次に当該シリカ粒子4gを三ツ口フラスコ内に入れ、ヘキサメチルジシラン20mLを加え、油浴中ヘキサメチルジシラザン還流下24時間反応させ、残存シラノール基をトリメチルシリル化した。次にグラスフィルター(G-4)を用いてろ過し、トルエン100mL、メタノール100mLの順で洗浄ろ過し、150℃で6時間真空乾燥を行い、4.0gのシリカ粒子を得た。当該シリカ粒子を2400II 全自動元素分析装置((株)パーキンエルマージャパン)を用いて元素分析したところ、炭素含有量は16.9%であり、僅かに炭素含有量が増えていることから、エンドキャッピングがなされたことが確認できた。このようにして得られた当該シリカ粒子を「シリカb」とする。
試験例1:耐アルカリ性試験
実施例1で得た「シリカa」を、液体クロマトグラフィーの充填剤として用いたときの、耐アルカリ性を以下のようにして検討した。すなわち、「シリカa」を充填したカラムをカラムA、外国p社市販ODSカラムをカラムB、国内α社及びβ社市販のODSカラムを、それぞれカラムC、カラムDとして用意し、これらに下記条件で複数回通液した。カラムCは炭素含有量15%のミドルカーボン・エンドキャップタイプの一般的なC18カラムであり、カラムDは炭素含有量18%のハイカーボン・エンドキャップタイプの比較的耐久性が高いと言われているC18カラムである。
なお、下記パージ条件は、カラム内に吸着したタンパク質を溶かし、カラム外に溶出させるための条件であり、溶出液に強アルカリ性溶液を用いるものである。また、アルカリ性溶液をシリカカラムに通すと、シリカ自身が溶け出し、また官能基(本試験例ではオクタデシル基)も結合が切断されるため、保持時間が短くなる。従って、保持時間の短縮幅が小さいものほど、耐アルカリ性に優れたシリカ充填剤であることがわかる。
パージ
溶出液: 0.1mol/L NaOH/CH3CN=30/70
流速: 1.0 mL/min
温度: 40℃
テストコンディション
カラムサイズ: 4.6×150 mm
移動相: アセトニトリル/水=75:25
温度: 40 ℃
検出:UV 250nm
試料: Amylbenzene
使用機器:日立高速液体クロマトグラフLaChrom Elite
使用解析プログラム(解析モード):D-2000 Elite形HPLCシステムマネージャー
「テストコンディション」条件で試料(Amylbenzene)を分離検出し、その後「パージ」を行ってカラムを再生する、という操作を繰り返した。「パージ」溶出液の一回の通液は30分間行なった。1回目の試料の分離検出における保持時間(retention time)を100%として、複数回分析した際の試料検出保持時間の割合を測定した。なお、測定は偶数回分離検出した時に行った。結果を図1に示す。
保持時間(retention time)が90%になるまでは一般に再使用可能(許容範囲)と考えられていることから、カラムA(実施例1)は14回、カラムB(外国p社)は6回、カラムC(国内α社)は2回、カラムD(国内β社)は2回、アルカリ性溶液による再生を行って再使用することが可能であることがわかった。
このことから、本願の製造方法で製造したシリカは、耐アルカリ性に優れることがわかった。
試験例2:残存シラノール基評価
実施例2で得た「シリカb」を、液体クロマトグラフィーの充填剤として用いたときの、残存シラノール基の影響を以下のようにして検討した。
すなわち、カラムAとして、シリカbを充填したカラムを、また、試験例7で用いたのと同様のカラムB、カラムC、カラムDを用意し、これらに下記条件で通液した。
カラム:4.6i.d. x 150 mm
移動相:メタノール/20mMリン酸ナトリウムpH6.0=(80:20)
流速:1.0 mL/min
カラム温度:22℃
検出:UV250nm
試料:下記1〜4の試料を混合したもの
1=ウラシル、
2=プロプラノロール(下記式)、
Figure 2010052986
3=ノルトリプチリン(下記式)、
Figure 2010052986
4=アミトリプチリン(下記式)、
Figure 2010052986
使用機器:日立高速液体クロマトグラフLaChrom Elite
使用解析プログラム(解析モード):D-2000 Elite形HPLCシステムマネージャー
結果を図2に示す。なお、当該条件で検出に用いた試料の一つ、抗うつ剤であるアミトリプチリン(試料4)は、塩基性化合物であり、液体クロマトグラフィーによる分析時に特にテーリングの起こりやすい化合物として知られている。また、この性質のため、残存シラノール基の評価に広く使用されている。
図2に示すように、カラムB、C、Dでは、いずれも検出ピークにおいてテーリング(特に試料4:アミトリプチリン)が起こったのに対し、カラムAではテーリングは起こらなかった。
またさらに、図2に示すクロマトグラムにおける試料4のピークを解析し、表1の結果を得た。
Figure 2010052986
表1に示すように、カラムAは他の3カラムに比べ、理論段数、USPテーリングファクターとも顕著に優れていた。
なお、理論段数とは2相間での物質の分配比の差を利用して物質の分離を行う装置の性能を表す指標であり、数値が大きいほど分離性能がよいことを示す。ここでは、理論段数は半値幅法により求めた。
また、USPテーリングファクターとは、USP(United States Pharmacopeia、米国薬局方)で決められたファクターであり、ピーク頂点を通りベースラインに垂直に下ろした直線と、ベースラインとピーク頂点間の距離の5%の距離だけベースラインの上部にある、ベースラインに平行な直線との交点を基準点とし、前記ベースラインに平行な直線とクロマトグラムとの交点から前記基準点までの距離をa(検出し始め側)及びb(検出終わり側)としたときの、(a+b)/(2a)である(図3)。
従って、USPテーリングファクターが1に近いほどテーリング現象が起きていないことを示す。表1に示されるように、カラムAはカラムB、C、Dに比べ、USPテーリングファクターが小さく、このことから、カラムAは他のカラムに比べテーリング現象がほとんど起こっていないことが確認できた。
以上の結果から、本願の製造方法で製造したシリカは、液体クロマトグラフィーの充填剤として用いたときにテーリングを防止する効果に優れていることがわかった。また、このことから、本願の製造法で製造したシリカは、シラノール基残存数が比較的少ないことが確認できた。
各種カラムの耐アルカリ性の評価を、アルカリ性溶液をカラムへ通液させることで行い、1回目の通液時のサンプル検出までの保持時間(retention time)を100%として、複数回通液した際のサンプル検出保持時間の割合を測定してグラフ化したものを示す。 各カラムで塩基性化合物を検出した際の、クロマトグラムを示す。 USPテーリングファクターの算出方法概要を示す。

Claims (13)

  1. 表面処理されたシリカの製造方法であって、
    (1) 式(I)
    Figure 2010052986

    〔式中、Xは同一又は異なって、アルコキシ基、ジアルキルアミノ基、又はハロゲン原子であり、mは1〜8の整数である〕
    で表される化合物、又は
    式(II)
    Figure 2010052986

    〔式中、Yは同一又は異なって、アルコキシ基、ジアルキルアミノ基、又はハロゲン原子であり、
    は同一又は異なって、アルキル基、アリール基、又はアラルキル基であり、nは1〜8の整数である〕
    で表される化合物、
    並びに
    式(III)
    Figure 2010052986

    〔式中、Zは同一又は異なって、アルコキシ基、ジアルキルアミノ基、又はハロゲン原子であり、Rは、置換基を有することのあるアルキル基、置換基を有することのあるアリール基、置換基を有することのあるアラルキル基、陽イオン交換基、又は陰イオン交換基である〕
    で表される化合物とを反応させ有機シロキサン化合物を得る工程、
    (2) 該有機シロキサン化合物をシリカ表面に接触させる工程、
    を含む、製造方法。
  2. 式(I)中のXが、同一又は異なって、炭素数1〜10のアルコキシ基、ジ(炭素数1〜10のアルキル)アミノ基、又はCl、BrもしくはIである、請求項1に記載の製造方法。
  3. 式(II)中のYが、同一又は異なって、炭素数1〜10のアルコキシ基、ジ(炭素数1〜10のアルキル)アミノ基、又はCl、BrもしくはIである、請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 式(II)中のRが、同一又は異なって、炭素数1〜10のアルキル基である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
  5. 式(III)中のZが、同一又は異なって、炭素数1〜10のアルコキシ基、ジ(炭素数1〜10のアルキル)アミノ基、又はハロゲン原子である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の製造方法。
  6. 式(III)中のRが、炭素数1〜40のアルキル基である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の製造方法。
  7. 式(I)で表される化合物が、
    1,2−ビス(トリクロロシリル)エタン、1,3−ビス(トリクロロシリル)プロパン、1,2−ビス(トリメトキシシリル)エタン、1,2−ビス(トリエトキシシリル)エタン、1,3−ビス(トリメトキシシリル)プロパン、及び1,3−ビス(トリエトキシシリル)プロパンからなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の製造方法。
  8. 式(II)で表される化合物が、
    1,1,3,3,−テトラメチル−1,3−ジクロロジシロキサン、1,1,3,3,−テトラエチル−1,3−ジクロロジシロキサン、1,1,3,3,−テトラメチル−1,3−ジメトキシジシロキサン、1,1,3,3,−テトラエチル−1,3−ジエトキシジシロキサン、1,1,3,3,5,5,−ヘキサメチル−1,5−ジメトキシトリシロキサン、1,1,3,3,5,5,−ヘキサエチル−1,5−ジメトキシロトリシロキサン、1,1,3,3,5,5,−ヘキサメチル−1,5−ジエトキシトリシロキサン、1,1,3,3,5,5,−ヘキサエチル−1,5−ジエトキシトリシロキサン、1,1,3,3,5,5,−ヘキサメチル−1,5−ジクロロトリシロキサン、1,1,3,3,5,5,−ヘキサエチル−1,5−ジクロロトリシロキサン、1,1,3,3,5,5,7,7−オクタメチル−1,7−ジメトキシテトラシロキサン、1,1,3,3,5,5,7,7−オクタエチル−1,7−ジメトキシテトラシロキサン、1,1,3,3,5,5,7,7−オクタメチル−1,7−ジエトキシテトラシロキサン、1,1,3,3,5,5,7,7−オクタエチル−1,7−ジエトキシテトラシロキサン、1,1,3,3,5,5,7,7−オクタメチル−1,7−ジクロロテトラシロキサン、及び1,1,3,3,5,5,7,7−オクタエチル−1,7−ジクロロテトラシロキサンからなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の製造方法。
  9. 式(III)で表される化合物が、
    オクタデシルトリクロロシラン、ブチルトリクロロシラン、オクチルトリクロロシラン、ドコシルトリクロロシラン、オクタコシルトリクロロシラン、トリアコンチルトリクロロシラン、オクタデシルトリメトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、ドコシルトリメトキシシラン、オクタコシルトリメトキシシラン、トリアコンチルトリメトキシシラン、オクタデシルトリエトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、ドコシルトリエトキシシラン、オクタコシルトリエトキシシラン及びトリアコンチルトリエトキシシランからなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の製造方法。
  10. さらに、
    (3)前記(2)の工程で得られる表面処理されたシリカを、シリル化剤によって処理する工程
    を含む、請求項1〜9のいずれか1項に記載の製造方法。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の製造方法で製造した、表面処理されたシリカ。
  12. 請求項11に記載のシリカからなる、液体クロマトグラフィー用充填剤。
  13. 請求項12に記載の充填剤を充填した液体クロマトグラフィー用カラム。
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