JP2008309231A - 摩擦駆動機構の摩耗粉飛散量抑制装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 摩擦接触部で生じる摩耗粉の周辺環境への飛散を抑制できるようにする。
【解決手段】
駆動ローラ3とスライドバー2との摩擦接触部8の近傍位置に、該摩擦接触部8に向けてガスノズル9を配置して、取付部材を介して搬送ステージ1に取り付ける。ガスノズル9には、ガス供給源より不活性ガス10を導くガス供給ライン11を接続する。摩擦駆動機構の運転時は、ガスノズル9より不活性ガス10を供給して、摩擦接触部8を不活性ガス雰囲気とすることで、酸素の存在により摩擦接触部8における摩耗粉の発生過程が促進されることを未然に防止して、摩擦接触部8での摩耗粉の発生自体を抑制することで、周辺環境へ飛散する摩耗粉の量を低減させる。
【選択図】図1
【解決手段】
駆動ローラ3とスライドバー2との摩擦接触部8の近傍位置に、該摩擦接触部8に向けてガスノズル9を配置して、取付部材を介して搬送ステージ1に取り付ける。ガスノズル9には、ガス供給源より不活性ガス10を導くガス供給ライン11を接続する。摩擦駆動機構の運転時は、ガスノズル9より不活性ガス10を供給して、摩擦接触部8を不活性ガス雰囲気とすることで、酸素の存在により摩擦接触部8における摩耗粉の発生過程が促進されることを未然に防止して、摩擦接触部8での摩耗粉の発生自体を抑制することで、周辺環境へ飛散する摩耗粉の量を低減させる。
【選択図】図1
Description
本発明は、搬送ステージに設けた駆動ローラを固定部側に設けたバーに圧接させながら回転駆動させることにより、上記駆動ローラとバーとの接触面に生じる摩擦を利用して、上記駆動ローラと一緒に上記搬送ステージをバーの長手方向に移動させることができるようにしてある摩擦駆動搬送装置の摩擦駆動機構で発生する摩耗粉が、周辺環境に飛散する虞を抑えるための摩擦駆動機構の摩耗粉飛散量抑制装置に関するものである。
一般に、工作機械等において、ワークの搬送ステージ(搬送テーブル)やその他の移動体を、該機械の固定部に対して移動させるための駆動機構としては、送りねじと、該送りねじに噛合(螺着)するナットと、上記送りねじを駆動するサーボモータの如き駆動モータを備えて、上記送りねじを駆動モータにより正逆転駆動させることで、上記ナットに取り付けた移動体を、上記送りねじの軸心方向に沿って移動させる形式の送り機構が広く採用されている。
ところで、半導体関連の製造、検査等の精密な位置決めを行う精密機械では、搬送ステージ等の移動体を該機械の固定部に対して移動させるときに、移動体の精密な位置決め、たとえば、μmオーダー以下の精度での位置決めを行うことが要求されることがある。
しかし、上記サーボモータと送りねじとナットとからなる送り機構は、送りねじの回転慣性が大きいために応答速度が遅く、又、バックラッシュの発生が避けられない等の構造上の問題があることから、上記したような移動体の精密な位置決めが要求される工作機械用の駆動機構として採用することは困難である。
そのため、上記のような精密機械における移動体を移動させると共に該移動体の精密な位置決めを行うことができるようにするための駆動機構として、移動体の移動方向に延びるレール状のバー(被駆動軸)と、上記バーを挟むように配設して該バーに対し両側から所要の与圧を印加した状態で圧接できるようにしてなる駆動ローラ及びバックアップローラ(押付ローラ)とを、機械の固定部と、移動体とに振り分けて取り付け、更に、上記駆動ローラに、駆動モータの出力軸を接続してなる構成を具備した摩擦駆動機構が考えられてきている。かかる摩擦駆動機構によれば、上記駆動モータにより上記駆動ローラを正逆転駆動させることにより、上記所要の与圧で押し付けられている駆動ローラと上記バーとの接触面に生じる摩擦を利用して、該駆動ローラとバーとを、バーの長手方向沿って相対移動させて、該バーと一体に上記移動体を、上記機械の固定部に対して直動させることができるとされている(たとえば、特許文献1、特許文献2参照)。
又、本出願人は、以前の出願(特願2006−257760号)において、移動体となる搬送テーブル(搬送ステージ)の真直性を確保しながら長ストローク化を図ることが可能な摩擦駆動搬送装置として、図10及び図11に示す如き摩擦駆動搬送装置を提案している。
すなわち、図10及び図11に示した摩擦駆動搬送装置は、搬送テーブル1の移動方向に延びるスライドバー2を設け、且つ上記搬送テーブル1に、上記スライドバー2の一側面に接触させる一側面側ローラ3と、該一側面側ローラ3に対するテーブル移動方向の前後両側位置で上記スライドバー2の他側面に接触させる複数の他側面側ローラ4と、上記一側面側ローラ3及び他側面側ローラ4のすべて、又は、いずれかをテーブル移動方向と直角の方向に個別に変位させるための変位機構5と、上記一側面側及び他側面側の各ローラ3,4のうちのいずれか1つのローラ3にたわみ継手6を介して連結して該ローラ3を駆動ローラ3として回転駆動させるための駆動モータ7とを設けた構成としてある。
以上の構成としてある摩擦駆動搬送装置によれば、上記変位機構5により上記駆動ローラ3を上記スライドバー2の一側面に、又、他の各ローラ4をバックアップローラ4として上記スライドバー2の他側面にそれぞれ押し当てた状態にて、上記駆動モータ3の正逆転駆動により上記駆動ローラ3を回転駆動させることで、上記駆動ローラ3と上記スライドバー2との接触面に作用する摩擦を利用して、上記搬送テーブル1を上記スライドバー2の長手方向に移動させることできるようにしてある。
しかも、上記各変位機構5により、駆動ローラ3と各バックアップローラ4のすべてについて、搬送テーブル1に対する相対的な位置を、該搬送テーブル1の進行方向に直角な方向に変位させることにより、上記搬送テーブル1のスライドバー2に対する位置をシフトさせることができるようにしてある。
したがって、上記スライドバー2に撓み等が生じていても、上記搬送テーブル1の位置を本来のテーブル移動方向上の位置に一致するよう補正できることから、上記搬送テーブル1の精密な位置決めが必要とされる場合であっても、上記スライドバー2に、撓みのない非常に高い精度が要求されることがないようにして、スライドバー2の長尺化を容易にすることで、上記搬送テーブル1の真直性を確保した状態での長ストローク化が実現可能となるようにしてある。
ところで、レールと車輪とこの取り付け板より成る走行装置において、レールと車輪を上下、左右から覆うカバーを設け、このカバーの内側にレールに沿って穴の開いた管を設け、この管の一端より圧縮空気を吹きこみ、穴より空気を吹出し、カバーの内圧を外気より高めるようにしてなる走行装置のレールと車輪のエアパージ装置が従来提案されている(たとえば、特許文献3参照)。
ところが、上記のような摩擦駆動機構を、粉塵の影響を受け易い精密機械の搬送ステージの駆動に適用する場合は、該摩擦駆動機構における摩擦接触部で発生する摩耗粉が、できるだけ周辺に飛散しないようにすることが求められる。
しかし、上記特許文献1、特許文献2に記載された摩擦駆動機構や、本出願人が以前の出願で提案している図10及び図11に示した如き摩擦駆動搬送装置の摩擦駆動機構は、いずれも、空気中で運転するようにしてあるため、特許文献1、特許文献2に記載されたものでは、移動体の移動方向に延びるレール状のバー(被駆動軸)と、駆動ローラ及びバックアップローラ(押付ローラ)との摩擦接触部、又、図10及び図11に示した摩擦駆動搬送装置の駆動機構では、スライドバー2と、駆動ローラ3及びバックアップローラ4との摩擦接触部から摩耗粉が生じ易く、このために、上記摩擦接触部で生じた摩耗粉が、その周辺環境に飛散し易いというのが実状である。
すなわち、上記摩擦駆動機構は、駆動ローラ3と上記スライドバー2(移動体の移動方向に延びるレール状のバー)との接触面に作用する摩擦を利用して、搬送テーブル(搬送ステージ)1の駆動力を得るようにしてあるため、駆動ローラ3とスライドバー2との摩擦接触部では、局部的塑性変形とそれに伴う活性化及び凝着の発生と、凝着部の疲労破壊を主体とする破壊が進行することによって摩耗粉が発生する。この際、雰囲気に酸素が存在すると、上記凝着部の破壊による摩耗粉の発生過程が促進される。具体的には、上記摩擦接触部にて、各ローラ3,4とスライドバー2の互いの接触面に、雰囲気中に存在する酸素によって酸化膜が形成される。その後、この酸化膜が、上記各ローラ3,4あるいはスライドバー2の表面より剥がれることによって摩耗粉となる。そのために、上記摩擦接触部では、単なる摩耗ではなく、酸化によって促進された異常摩耗が生じ易くなり、このため、従来は、上記摩擦接触部から発生する摩耗粉が多くなっているというのが実状である。
なお、特許文献3に記載されたものは、カバー内に圧縮空気を吹き込んで、該カバー内の圧力を外圧よりも高めることで、外部の粉塵、粘着性のミスト、腐食性ガス等が入り込まないようにして、走行装置の軸受部分を、塗装現場等の外部雰囲気から遮断するためのものであって、上記走行装置の軸受部分で発生する摩耗粉の発生量を抑えたり、該摩耗粉の周辺環境への飛散を抑制できるものではない。
そこで、本発明は、摩擦接触部での摩耗粉の発生を抑えることができ、更には、摩擦接触部で発生する摩耗粉を回収することができて、上記摩擦接触部より周辺環境へ飛散する摩耗粉の量を抑えることができる摩擦駆動機構の摩耗粉飛散量抑制装置を提供しようとするものである。
本発明は、上記課題を解決するために、請求項1に対応して、スライドバーの両側に駆動ローラとバックアップローラを圧接させ、該駆動ローラを回転駆動させることにより、上記駆動ローラとスライドバーとの接触面に生じる摩擦を利用して、搬送ステージを上記スライドバーの長手方向に移動させることができるようにしてある摩擦駆動搬送装置の駆動機構における上記駆動ローラとスライドバーとの摩擦接触部の近傍に、該摩擦接触部より周辺環境へ飛散する摩耗粉の量を減少させる装置を設けてなる構成、具体的には、摩擦駆動搬送装置の駆動機構における上記駆動ローラとスライドバーとの摩擦接触部より周辺環境へ飛散する摩耗粉の量を減少させる装置を、上記摩擦接触部へ向けて不活性ガスを供給するためのガスノズルを備えてなる構成として、上記ガスノズルより供給する不活性ガスにより摩擦接触部を不活性ガス雰囲気として該摩擦接触部における摩耗粉の発生量を抑えることで、摩擦接触部より周辺環境へ飛散する摩耗粉の量を抑えるようにした構成とする。
更に、上記構成において、バックアップローラとスライドバーとの摩擦接触部の近傍に、該摩擦接触部へ向けて不活性ガスを供給するためのガスノズルを設けるようにした構成とする。
又、請求項4に対応して、摩擦駆動搬送装置の駆動機構における上記駆動ローラとスライドバーとの摩擦接触部より周辺環境へ飛散する摩耗粉の量を減少させる装置を、上記摩擦接触部の摩耗粉を吸引するための吸引ノズルを備えてなる構成として、上記吸引ノズルにて、摩擦接触部で発生する摩耗粉を吸引することで、摩擦接触部より周辺環境へ飛散する摩耗粉の量を抑えるようにした構成とする。
更に、上記構成において、バックアップローラとスライドバーとの摩擦接触部の近傍に、該摩擦接触部の摩耗粉を吸引するための吸引ノズルを設けるようにした構成とする。
更に又、上記各構成において、摩擦接触部の近傍にて該摩擦接触部を挟んで吸引ノズルとほぼ対向する位置に、該摩擦接触部へガスを供給するためのガスノズルを設けて、該ガスノズルより上記摩擦接触部へ供給するガスを、上記吸引ノズルへ吸引できるようにした構成とする。
上述の構成において、ガスノズルより摩擦接触部へ供給するガスを、不活性ガスとした構成とする。更に、上記ガスノズルより供給する不活性ガスを、乾燥不活性ガスとした構成とする。更に又、上記ガスノズルより供給する不活性ガスの温度をほぼ一定とした構成とする。
本発明の摩擦駆動機構の摩耗粉飛散量抑制装置によれば、以下のような優れた効果を発揮する。
(1)スライドバーの両側に駆動ローラとバックアップローラを圧接させ、該駆動ローラを回転駆動させることにより、上記駆動ローラとスライドバーとの接触面に生じる摩擦を利用して、搬送ステージを上記スライドバーの長手方向に移動させることができるようにしてある摩擦駆動搬送装置の駆動機構における上記駆動ローラとスライドバーとの摩擦接触部の近傍に、該摩擦接触部より周辺環境へ飛散する摩耗粉の量を減少させる装置を設けてなる構成、具体的には、摩擦駆動搬送装置の駆動機構における上記駆動ローラとスライドバーとの摩擦接触部より周辺環境へ飛散する摩耗粉の量を減少させる装置を、上記摩擦接触部へ向けて不活性ガスを供給するためのガスノズルを備えてなる構成として、上記ガスノズルより供給する不活性ガスにより摩擦接触部を不活性ガス雰囲気として該摩擦接触部における摩耗粉の発生量を抑えることで、摩擦接触部より周辺環境へ飛散する摩耗粉の量を抑えるようにした構成としてあるので、上記摩擦接触部にて、酸素によって摩耗粉の発生過程が促進されることを未然に防止することができ、よって、上記摩擦接触部における摩耗粉の発生自体を抑制することができることから、該摩擦接触部の周辺環境への摩耗粉の飛散量を抑制することができるため、摩擦駆動機構を、粉塵の影響を受け易い精密機械の搬送ステージの駆動に適用するのに有利なものとすることができる。
(2)バックアップローラとスライドバーとの摩擦接触部の近傍に、該摩擦接触部へ向けて不活性ガスを供給するためのガスノズルを設けるようにした構成とすることにより、バックアップローラとスライドバーとの接触部においても、上記(1)に示したと同様に、摩耗粉の発生を抑制することができて、周辺環境に飛散する摩耗粉の量を抑制する効果を得ることができる。
(3)摩擦駆動搬送装置の駆動機構における上記駆動ローラとスライドバーとの摩擦接触部より周辺環境へ飛散する摩耗粉の量を減少させる装置を、上記摩擦接触部の摩耗粉を吸引するための吸引ノズルを備えてなる構成として、上記吸引ノズルにて、摩擦接触部で発生する摩耗粉を吸引することで、摩擦接触部より周辺環境へ飛散する摩耗粉の量を抑えるようにした構成とすることにより、上記(1)と同様の効果を得ることができる。
(4)バックアップローラとスライドバーとの摩擦接触部の近傍に、該摩擦接触部の摩耗粉を吸引するための吸引ノズルを設けるようにした構成とすることにより、バックアップローラとスライドバーとの接触部においても、上記(3)に示したと同様に、周辺環境に飛散する摩耗粉の量を抑制する効果を得ることができる。
(5)摩擦接触部の近傍にて該摩擦接触部を挟んで吸引ノズルとほぼ対向する位置に、該摩擦接触部へガスを供給するためのガスノズルを設けて、該ガスノズルより上記摩擦接触部へ供給するガスを、上記吸引ノズルへ吸引できるようにした構成とすることにより、摩擦接触部で発生する摩耗粉を、上記ガスノズルより該摩擦接触部へ供給するガスの流れに乗せて、吸引ノズルまで効率よく導くことができて、上記摩擦接触部で発生する摩耗粉が周辺環境への飛散する虞をより抑制することが可能になる。
(6)ガスノズルより摩擦接触部へ供給するガスを、不活性ガスとした構成とすることにより、上記(3)(4)(5)の効果と、上記(1)(2)の効果の相乗効果によって、摩擦接触部より摩耗粉が飛散する虞を、より確実に防止を抑えることができる。
(7)ガスノズルより供給する不活性ガスを、乾燥不活性ガスとした構成とすることにより、空気中の水分による酸化や腐食を防止することで上記(6)の効果をより確実にすることができる。
(8)ガスノズルより供給する不活性ガスの温度をほぼ一定にした構成とすることにより、摩擦接触部の温度をほぼ一定にすることができ、該摩擦接触部の摩擦による熱膨張による形状変化を少なくすることができることから、摩擦面の損傷が少なくなることで上記(6)の効果をより確実にすることができる。
(1)スライドバーの両側に駆動ローラとバックアップローラを圧接させ、該駆動ローラを回転駆動させることにより、上記駆動ローラとスライドバーとの接触面に生じる摩擦を利用して、搬送ステージを上記スライドバーの長手方向に移動させることができるようにしてある摩擦駆動搬送装置の駆動機構における上記駆動ローラとスライドバーとの摩擦接触部の近傍に、該摩擦接触部より周辺環境へ飛散する摩耗粉の量を減少させる装置を設けてなる構成、具体的には、摩擦駆動搬送装置の駆動機構における上記駆動ローラとスライドバーとの摩擦接触部より周辺環境へ飛散する摩耗粉の量を減少させる装置を、上記摩擦接触部へ向けて不活性ガスを供給するためのガスノズルを備えてなる構成として、上記ガスノズルより供給する不活性ガスにより摩擦接触部を不活性ガス雰囲気として該摩擦接触部における摩耗粉の発生量を抑えることで、摩擦接触部より周辺環境へ飛散する摩耗粉の量を抑えるようにした構成としてあるので、上記摩擦接触部にて、酸素によって摩耗粉の発生過程が促進されることを未然に防止することができ、よって、上記摩擦接触部における摩耗粉の発生自体を抑制することができることから、該摩擦接触部の周辺環境への摩耗粉の飛散量を抑制することができるため、摩擦駆動機構を、粉塵の影響を受け易い精密機械の搬送ステージの駆動に適用するのに有利なものとすることができる。
(2)バックアップローラとスライドバーとの摩擦接触部の近傍に、該摩擦接触部へ向けて不活性ガスを供給するためのガスノズルを設けるようにした構成とすることにより、バックアップローラとスライドバーとの接触部においても、上記(1)に示したと同様に、摩耗粉の発生を抑制することができて、周辺環境に飛散する摩耗粉の量を抑制する効果を得ることができる。
(3)摩擦駆動搬送装置の駆動機構における上記駆動ローラとスライドバーとの摩擦接触部より周辺環境へ飛散する摩耗粉の量を減少させる装置を、上記摩擦接触部の摩耗粉を吸引するための吸引ノズルを備えてなる構成として、上記吸引ノズルにて、摩擦接触部で発生する摩耗粉を吸引することで、摩擦接触部より周辺環境へ飛散する摩耗粉の量を抑えるようにした構成とすることにより、上記(1)と同様の効果を得ることができる。
(4)バックアップローラとスライドバーとの摩擦接触部の近傍に、該摩擦接触部の摩耗粉を吸引するための吸引ノズルを設けるようにした構成とすることにより、バックアップローラとスライドバーとの接触部においても、上記(3)に示したと同様に、周辺環境に飛散する摩耗粉の量を抑制する効果を得ることができる。
(5)摩擦接触部の近傍にて該摩擦接触部を挟んで吸引ノズルとほぼ対向する位置に、該摩擦接触部へガスを供給するためのガスノズルを設けて、該ガスノズルより上記摩擦接触部へ供給するガスを、上記吸引ノズルへ吸引できるようにした構成とすることにより、摩擦接触部で発生する摩耗粉を、上記ガスノズルより該摩擦接触部へ供給するガスの流れに乗せて、吸引ノズルまで効率よく導くことができて、上記摩擦接触部で発生する摩耗粉が周辺環境への飛散する虞をより抑制することが可能になる。
(6)ガスノズルより摩擦接触部へ供給するガスを、不活性ガスとした構成とすることにより、上記(3)(4)(5)の効果と、上記(1)(2)の効果の相乗効果によって、摩擦接触部より摩耗粉が飛散する虞を、より確実に防止を抑えることができる。
(7)ガスノズルより供給する不活性ガスを、乾燥不活性ガスとした構成とすることにより、空気中の水分による酸化や腐食を防止することで上記(6)の効果をより確実にすることができる。
(8)ガスノズルより供給する不活性ガスの温度をほぼ一定にした構成とすることにより、摩擦接触部の温度をほぼ一定にすることができ、該摩擦接触部の摩擦による熱膨張による形状変化を少なくすることができることから、摩擦面の損傷が少なくなることで上記(6)の効果をより確実にすることができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面を参照して説明する。
図1は本発明の摩擦駆動機構の摩耗粉飛散量抑制装置の実施の一形態を示すもので、図10及び図11に示したと同様の構成としてある摩擦駆動搬送装置の摩擦駆動機構における駆動ローラ3とスライドバー2との摩擦接触部に適用する場合を示すもので、以下のようにしてある。
すなわち、駆動ローラ3とスライドバー2との摩擦接触部8の近傍位置に、該摩擦接触部8より周辺環境へ飛散する摩耗粉の量を減少させるための装置として、たとえば、上記駆動ローラ3に対して搬送ステージ1の移動方向(図中に矢印A及び矢印Bで示す)の前後いずれか片側における上記摩擦接触部8の近傍位置に、該摩擦接触部8に向けてガスノズル9を配置すると共に、該ガスノズル9を、図示しない取付部材を介して搬送ステージ1に取り付ける。更に、上記ガスノズル9には、上記搬送ステージ1に装備させた図示しないガス供給源より窒素やアルゴン等の不活性ガス10を導くガス供給ライン11を接続する。これにより、上記図示しないガス供給源よりガス供給ライン11を経て上記ガスノズル9へ導かれる不活性ガス10を、該ガスノズル9より上記駆動ローラ3とスライドバー2との摩擦接触部8へ向けて供給できるようにしてある。
以上の構成としてある摩耗粉飛散量抑制装置を装備した摩擦駆動機構を運転する場合は、上記ガスノズル9より、上記駆動ローラ3とスライドバー2との摩擦接触部8に向けて常に不活性ガス10を供給するようにすると、上記摩擦接触部8は、常に不活性ガス雰囲気に保持される。これにより、上記摩擦駆動機構の駆動ローラ3を回転駆動して、該駆動ローラ3と上記スライドバー2との接触面に作用する摩擦を利用して搬送ステージ1の駆動を行う場合、上記駆動ローラ3とスライドバー2との摩擦接触部8では、局部的塑性変形とそれに伴う活性化及び凝着の発生と、凝着部の疲労破壊を主体とする破壊が進行することによって摩耗粉が発生するが、この際、酸素によって上記凝着部の破壊による摩耗粉の発生過程が促進されることが未然に防止されるようになる。したがって、上記摩擦接触部8にて摩耗粉の発生自体が抑制されるようになる。
このように、本実施の形態の摩擦駆動機構の摩耗粉飛散量抑制装置によれば、駆動ローラ3とスライドバー2との摩擦接触部8で発生する摩耗粉の量を抑えることができることから、該摩擦接触部8の周辺環境に摩耗粉が飛散する虞を抑制することができる。
よって、上記摩耗粉飛散量抑制装置を採用した摩擦駆動機構を、粉塵の影響を受け易い精密機械の搬送ステージの駆動に適用するのに有利なものとすることができる。
更に、駆動ローラ3とスライドバー2との摩擦接触部8で発生する摩耗粉の量を抑えることで、上記駆動ローラ3やスライドバー2の長寿命化を図る効果も期待できる。
更に又、上記ガスノズル9より駆動ローラ3とスライドバー2との摩擦接触部8へ供給する不活性ガス10を、乾燥した不活性ガス10とすれば、空気中の水分による摩擦接触部8の酸化や、該摩擦接触部8で水分が結露したり、該結露に起因する腐食が生じる虞を未然に防止することができて、摩耗粉の発生をより確実に抑制する効果が期待できる。
又、上記ガスノズル9より上記摩擦接触部8へ供給する不活性ガス10を、ガス温度がほぼ一定の不活性ガス10とすれば、上記摩擦接触部8の温度をほぼ一定にすることができ、該摩擦接触部8の摩擦による熱膨張に起因する形状変化を少なくすることができて、摩擦面の損傷が少なくなるようにすることができることから、このことによっても摩耗粉の発生をより確実に抑える効果が期待できる。更には、上記のように不活性ガス10の温度を一定にすることで、摩擦接触部8の急激な変化を抑えることができて、結露が生じる虞を未然に防止する効果も期待できる。
次に、図2は本発明の実施の他の形態として、上記図1の実施の形態の変形例を示すもので、図1と同様の構成において、駆動ローラ3に対し、搬送ステージ1移動方向の前後いずれか片側における摩擦接触部8の近傍位置にガスノズル9を設ける構成に代えて、上記駆動ローラ3とスライドバー2との摩擦接触部8の上方近傍位置に、ガスノズル9を該摩擦接触部8へ向けて配置して、図示しない取付部材を介して搬送ステージ1に取り付ける構成としたものである。
その他の構成は図1に示したものと同様であり、同一のものには同一の符号が付してある。
本実施の形態によっても、上記実施の形態と同様の効果を得ることができる。
次いで、図3は本発明の実施の更に他の形態として、上記図1の実施の形態の応用例を示すもので、図1と同様の構成において、駆動ローラ3に対し、搬送ステージ1移動方向の前後いずれかの片側のみにガスノズル9を設ける構成に代えて、駆動ローラ3に対し、搬送ステージ1移動方向の前後両側における上記摩擦接触部8の近傍位置に、摩擦接触部8に向けてガスノズル9a,9bをそれぞれ配置すると共に、該各ガスノズル9a,9bを、図示しない取付部材を介してそれぞれ搬送ステージ1に取り付けた構成としたものである。上記各ガスノズル9a,9bには、上記搬送ステージ1に装備させた図示しないガス供給源より不活性ガス10を導くガス供給ライン11を個別に接続してあるものとする。
その他、図1に示したものと同一のものには同一符号が付してある。
本実施の形態の摩耗粉飛散量抑制装置を装備した摩擦駆動機構を運転する場合は、搬送ステージ1を図中の矢印A方向へ移動させるときには、駆動ローラ3とスライドバー2との摩擦接触部8よりもステージ移動方向の上流側に位置するガスノズル9aより、上記摩擦接触部8へ向けて不活性ガス10を供給するようにする。一方、搬送ステージ1を図中の矢印B方向へ移動させるときには、上記摩擦接触部8よりもステージ移動方向の上流側に位置するガスノズル9bより、該摩擦接触部8へ向けて不活性ガス10を供給するようにすると、上記摩擦接触部8を、常に不活性ガス雰囲気に保持することができる。これにより、本実施の形態においても、図1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
更に、上記したように、搬送ステージ1を移動させるときに、駆動ローラ3とスライドバー2との摩擦接触部8に対して、ステージ移動方向の上流側に位置するガスノズル9a又は9bから不活性ガス10を供給するようにしてあるため、上記搬送ステージ1を矢印A,Bのいずれの方向へ移動させる場合であっても、上記各ガスノズル9a,9bより供給する不活性ガス10を、搬送ステージ1の走行風に乗せて上記摩擦接触部8へ効率よく供給する効果が期待できる。
図4は本発明の実施の更に他の形態を示すもので、駆動ローラ3とスライドバー2との摩擦接触部8の近傍位置、たとえば、上記駆動ローラ3に対し、図中に矢印A,Bで示す搬送ステージ1の移動方向の前後いずれか片側における上記摩擦接触部8の近傍位置に、該摩擦接触部8より周辺環境へ飛散する摩耗粉の量を減少させるための装置として、該摩擦接触部8に向けて吸引ノズル12を配置すると共に、該吸引ノズル12を、図示しない取付部材を介して搬送ステージ1に取り付ける。更に、上記吸引ノズル12は、上記搬送ステージ1に装備させた固/気分離機能を備えた図示しないガス吸引装置に、ガス吸引ライン13を介し接続してなる構成とする。これにより、上記駆動ローラ3とスライドバー2との摩擦接触部8の雰囲気ガス14を、上記吸引ノズル12より吸引し、その後、ガス吸引ライン13を通して図示しないガス吸引装置へ導いて、該ガス吸引装置にて、吸引した上記摩擦接触部8の雰囲気ガス14中に含まれている固体分を分離回収した後、該固体分が分離回収された後のガスを、放出する等、適宜処理できるようにしてある。
本実施の形態の摩耗粉飛散量抑制装置を装備した摩擦駆動機構を運転する場合は、上記駆動ローラ3とスライドバー2との摩擦接触部8の雰囲気ガスを、上記吸引ノズル12より常に吸引させるようにする。これにより、上記摩擦接触部8にて、上記駆動ローラ3と上記スライドバー2との接触面に摩擦を作用させる際に生じる摩耗粉は、上記摩擦接触部8の雰囲気ガス14と一緒に上記吸引ノズル12へ吸引され、その後、上記ガス吸引ライン13を経て図示しないガス吸引装置へ導かれた時点で、ガスより分離回収されるようになる。
したがって、本実施の形態の摩耗粉飛散量抑制装置によれば、上記駆動ローラ3とスライドバー2との摩擦接触部8にて摩耗粉が発生しても、該摩耗粉を、上記摩擦接触部8より雰囲気ガス14と共に吸引ノズル12へ吸引した後、ガスより分離して回収することができる。よって、上記摩擦接触部8で発生する摩耗粉が摩擦接触部8の周辺環境に飛散する虞を低減させることが可能になる。
図5は本発明の実施の更に他の形態として、上記図4の実施の形態の変形例を示すもので、図4と同様の構成において、駆動ローラ3に対し、搬送ステージ1移動方向の前後いずれか片側における摩擦接触部8の近傍位置に吸引ノズル12を設ける構成に代えて、上記駆動ローラ3とスライドバー2との摩擦接触部8の下方近傍位置に、吸引ノズル12を該摩擦接触部8へ向けて配置して、図示しない取付部材を介して搬送ステージ1に取り付ける構成としたものである。
その他の構成は図4に示したものと同様であり、同一のものには同一の符号が付してある。
本実施の形態によっても、上記図4の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
図6は本発明の実施の更に他の形態として、上記図4の実施の形態の応用例を示すもので、図4と同様の構成において、駆動ローラ3に対し、搬送ステージ1移動方向の前後いずれかの片側のみに吸引ノズル12を設ける構成に代えて、駆動ローラ3に対し、搬送ステージ1移動方向の前後両側における上記摩擦接触部8の近傍位置に、摩擦接触部8に向けて吸引ノズル12a,12bをそれぞれ配置すると共に、該各吸引ノズル12a,12bを、図示しない取付部材を介してそれぞれ搬送ステージ1に取り付けた構成としたものである。上記各吸引ノズル12a,12bには、上記搬送ステージ1に装備させた固/気分離機能を備えた図示しないガス吸引装置に、ガス吸引ライン13を介し個別に接続してあるものとする。
その他、図4に示したものと同一のものには同一符号が付してある。
本実施の形態の摩耗粉飛散量抑制装置を装備した摩擦駆動機構を運転する場合は、搬送ステージ1を図中の矢印A方向へ移動させるときには、駆動ローラ3とスライドバー2との摩擦接触部8よりもステージ移動方向の下流側に位置する吸引ノズル12aより、上記摩擦接触部8の雰囲気ガス14を吸引させるようにする。一方、搬送ステージ1を図中の矢印B方向へ移動させるときには、上記摩擦接触部8よりもステージ移動方向の下流側に位置する吸引ノズル12bより、該摩擦接触部8の雰囲気ガス14を吸引させるようにすると、上記摩擦接触部8で発生する摩耗粉を、上記いずれかの吸引ノズル12a又は12bへ、雰囲気ガスと共に吸引させることができる。これにより、本実施の形態においても、図4の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
更に、上記したように、搬送ステージ1を移動させるときに、駆動ローラ3とスライドバー2との摩擦接触部8に対して、ステージ移動方向の下流側に位置する吸引ノズル12a又は12bにより上記摩擦接触部8の雰囲気ガス14を吸引させるようにしてあることから、上記搬送ステージ1を矢印A,Bのいずれの方向へ移動させる場合であっても、上記摩擦接触部8で発生する摩耗粉を、搬送ステージ1の走行風に乗せて上記各吸引ノズル12a又は12bへ効率よく導く効果が期待できる。
図7は本発明の実施の更に他の形態を示すもので、図4に示したと同様に、駆動ローラ3とスライドバー2との摩擦接触部8の近傍位置に、吸引ノズル12を該摩擦接触部8へ向けて配設してなる構成において、上記摩擦接触部8の近傍で、且つ該摩擦接触部8を挟んで上記吸引ノズル12とほぼ対向する位置、具体的には、搬送ステージ1の移動方向の前後いずれか他側における上記摩擦接触部8の近傍位置に、ガスノズル9を、該摩擦接触部8へ向けて配置すると共に、該ガスノズル9を、図示しない取付部材を介して搬送ステージ1に取り付ける。更に、上記ガスノズル9には、上記搬送ステージ1に装備させた図示しないガス供給源より窒素やアルゴン等の不活性ガス10を導くガス供給ライン11を接続する。これにより、上記図示しないガス供給源よりガス供給ライン11を経て上記ガスノズル9へ導かれる不活性ガス10を、該ガスノズル9より上記駆動ローラ3とスライドバー2との摩擦接触部8へ向けて供給できるようにしてある。
更に、酸素の存在によって摩擦接触部8における摩耗粉の発生過程が促進されることを未然に防止するという観点に加えて、空気中の水分による摩擦接触部8の酸化や、該摩擦接触部8で水分が結露したり、該結露に起因する腐食が生じる虞を未然に防止することによって、摩耗粉の発生をより確実に抑制できるようにするという観点からすると、上記ガスノズル9より駆動ローラ3とスライドバー2との摩擦接触部8へ供給する不活性ガス10としては、乾燥した不活性ガス10を用いることが望ましい。
更に又、上記摩擦接触部8の温度をほぼ一定にすることができるようにして、該摩擦接触部8の摩擦による熱膨張に起因する形状変化を少なくし、摩擦面の損傷が少なくなるようにすることで、摩耗粉の発生をより確実に抑えることができるようにするという観点からは、上記ガスノズル9より上記摩擦接触部8へ供給する不活性ガス10を、ガス温度がほぼ一定の不活性ガス10とすることが望ましい。又、上記のように不活性ガス10の温度を一定にすれば、摩擦接触部8の急激な変化を抑えることができて、結露が生じる虞を未然に防止する効果も期待できる。
その他の構成は図4に示したものと同様であり、同一のものには同一の符号が付してある。
本実施の形態の摩耗粉飛散量抑制装置を装備した摩擦駆動機構を運転する場合は、上記ガスノズル9より、上記駆動ローラ3とスライドバー2との摩擦接触部8に向けて常に不活性ガス10を供給するようにすると共に、該摩擦接触部8の雰囲気ガスを、上記吸引ノズル12より常に吸引させるようにする。これにより、上記摩擦接触部8を、上記ガスノズル9より供給する不活性ガス10によって常に不活性ガス雰囲気に保持できることから、酸素によって摩耗粉の発生過程が促進されることを未然に防止できて、上記摩擦接触部8における摩耗粉の発生自体を抑制することができる。更に、上記摩擦接触部8における駆動ローラ3とスライドバー2との摩擦により必然的に発生する摩耗粉は、上記ガスノズル9より摩擦接触部8に対して供給する不活性ガス10のガス流れに乗せて上記吸引ノズル2まで導いて、該吸引ノズル12により上記摩擦接触部8の雰囲気ガス14と一緒に吸引することができる。よって、上記摩擦接触部8で生じる摩耗粉が周辺環境に飛散する虞を、より確実に抑えることができる。
図8は本発明の実施の更に他の形態として、上記図7の実施の形態の変形例を示すもので、図7と同様の構成において、ガスノズル9と吸引ノズル12を、駆動ローラ3とスライドバー2との摩擦接触部8の近傍で且つ駆動ローラ3を挟んでほぼ対向する搬送ステージ1移動方向の前後位置にそれぞれ配設する構成に代えて、上記摩擦接触部8の上方近傍位置に、ガスノズル9を該摩擦接触部8へ向けて配設すると共に、吸引ノズル12が上記摩擦接触部8を挟んで上記ガスノズル9とほぼ対向するように、摩擦接触部8の下方近傍位置に、吸引ノズル12を摩擦接触部8に向けて配設してなる構成としたものである。
なお、上記ガスノズル9と吸引ノズル12は、それぞれ図示しない取付部材を介して搬送ステージ1に取り付けてあるものとする。その他の構成は図7に示したものと同様であり、同一のものには同一の符号が付してある。
本実施の形態によっても、図7の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
図9は本発明の実施の更に他の形態として、図7の実施の形態の応用例を示すもので、図7と同様の構成において、1組のガスノズル9と吸引ノズル12を、駆動ローラ3とスライドバー2との摩擦接触部8の近傍で且つ駆動ローラ3を挟んでほぼ対向する搬送ステージ1移動方向の前後位置にそれぞれ配設する構成に代えて、駆動ローラ3を挟んでほぼ対向するよう配置するためのガスノズル9aと吸引ノズル12aの組と、ガスノズル9bと吸引ノズル12bの組を用意して、該2組のガスノズル9a,9b及び吸引ノズル12a,12bを、駆動ローラ3とスライドバー2との摩擦接触部8の近傍で且つ駆動ローラ3を挟んでほぼ対向する搬送ステージ1移動方向の前後位置に、各組ごとのガスノズル9aと9b及び吸引ノズル12aと12bの搬送ステージ1移動方向に対する前後の配置が逆になるように配設してなる構成としたものである。
その他、図7に示したものと同一のものには同一符号が付してある。
本実施の形態の摩耗粉飛散量抑制装置を装備した摩擦駆動機構を運転する場合は、搬送ステージ1を図中の矢印A方向へ移動させるときには、摩擦接触部8よりもステージ移動方向の上流側に位置するガスノズル9aより上記摩擦接触部8への不活性ガス10の供給を行わせると同時に、摩擦接触部8の下流側に位置する吸引ノズル12aにより、上記摩擦接触部8の雰囲気ガス14を吸引させるようにする。一方、搬送ステージ1を図中の矢印B方向へ移動させるときには、摩擦接触部8よりもステージ移動方向の上流側に位置するガスノズル9bより上記摩擦接触部8への不活性ガス10の供給を行わせると同時に、上記摩擦接触部8よりもステージ移動方向の下流側に位置する吸引ノズル12bにより、該摩擦接触部8の雰囲気ガス14を吸引させるようにする。これにより、本実施の形態においても、図7の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
更に、搬送ステージ1を移動させるときに、駆動ローラ3とスライドバー2との摩擦接触部8に対して、ステージ移動方向の上流側に位置するガスノズル9a又は9bから不活性ガス10の供給を行わせると同時に、摩擦接触部8よりもステージ移動方向の下流側に位置する吸引ノズル12a又は12bにより上記摩擦接触部8の雰囲気ガス14を吸引させるようにしてあることから、上記搬送ステージ1を矢印A,Bのいずれの方向へ移動させる場合であっても、上記ガスノズル9a又は9bより供給する不活性ガス10を、搬送ステージ1の走行風に乗せて摩擦接触部8へ効率よく導くことができると共に、該摩擦接触部8で発生する摩耗粉を、搬送ステージ1の走行風に乗せて上記各吸引ノズル12a又は12bへ効率よく導く効果が期待できる。
なお、本発明は、上記実施の形態にのみ限定されるものではなく、上記各実施の形態では、いずれも駆動ローラ3とスライドバー2との摩擦接触部に適用した場合について示したが、摩擦駆動機構におけるバックアップローラ4とスライドバー2との接触部にて発生する摩耗粉の周辺環境への飛散を抑制するために適用してもよい。更には、摩擦駆動機構に存在する摩擦接触部であれば、いかなる摩擦接触部にて生じる摩耗粉の周辺環境への飛散抑制に適用するようにしてもよい。
ガスノズル9,9a,9bは、駆動ローラ3とスライドバー2との摩擦接触部8へ向けて不活性ガス10を供給できるようにしてあれば、ノズル形状を変更してもよく、又、その配置を、周辺機器の配置等に応じて多少変化させるようにしてもよい。
吸引ノズル12,12a,12bは、駆動ローラ3とスライドバー2との摩擦接触部8の雰囲気ガス14を吸引できるようにしてあれば、ノズル形状を変更してもよく、又、その配置を、周辺機器の配置等に応じて多少変化させるようにしてもよい。
ガスノズル9,9a,9bにガス供給ライン11を介し接続してある図示しないガス供給源や、吸引ノズル12,12a,12bにガス吸引ライン13を介し接続してある図示しないガス吸引装置は、搬送ステージ1の外部に設けるようにしてもよい。
図7、図8、図9の実施の形態では、ガスノズル9,9a,9bより摩擦接触部8へ供給するガスとして不活性ガス10を用いる例について示したが、該不活性ガス10に代えて、摩擦接触部8へ、上記ガスノズル9,9a,9bより所要圧力に加圧した空気を供給するようにしてもよい。この場合は、摩擦接触部8で発生する摩耗粉を、上記ガスノズル9,9a,9bより該摩擦接触部8へ供給する上記加圧空気の流れに乗せて、吸引ノズル12,12a,12bまで効率よく導くことで、上記摩擦接触部8で発生する摩耗粉の周辺環境への飛散抑制効果が期待できる。
その他本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々変更を加え得ることは勿論である。
1 搬送ステージ
2 スライドバー
3 駆動ローラ
4 バックアップローラ
8 摩擦接触部
9,9a,9b ガスノズル(摩擦接触部より周辺環境へ飛散する摩耗粉の量を減少させる装置)
10 不活性ガス
12,12a,12b 吸引ノズル(摩擦接触部より周辺環境へ飛散する摩耗粉の量を減少させる装置)
14 雰囲気ガス
2 スライドバー
3 駆動ローラ
4 バックアップローラ
8 摩擦接触部
9,9a,9b ガスノズル(摩擦接触部より周辺環境へ飛散する摩耗粉の量を減少させる装置)
10 不活性ガス
12,12a,12b 吸引ノズル(摩擦接触部より周辺環境へ飛散する摩耗粉の量を減少させる装置)
14 雰囲気ガス
Claims (9)
- スライドバーの両側に駆動ローラとバックアップローラを圧接させ、該駆動ローラを回転駆動させることにより、上記駆動ローラとスライドバーとの接触面に生じる摩擦を利用して、搬送ステージを上記スライドバーの長手方向に移動させることができるようにしてある摩擦駆動搬送装置の駆動機構における上記駆動ローラとスライドバーとの摩擦接触部の近傍に、該摩擦接触部より周辺環境へ飛散する摩耗粉の量を減少させる装置を設けてなる構成を有することを特徴とする摩擦駆動機構の摩耗粉飛散量抑制装置。
- 摩擦駆動搬送装置の駆動機構における上記駆動ローラとスライドバーとの摩擦接触部より周辺環境へ飛散する摩耗粉の量を減少させる装置を、上記摩擦接触部へ向けて不活性ガスを供給するためのガスノズルを備えてなる構成として、上記ガスノズルより供給する不活性ガスにより摩擦接触部を不活性ガス雰囲気として該摩擦接触部における摩耗粉の発生量を抑えることで、摩擦接触部より周辺環境へ飛散する摩耗粉の量を抑えるようにした請求項1記載の摩擦駆動機構の摩耗粉飛散量抑制装置。
- バックアップローラとスライドバーとの摩擦接触部の近傍に、該摩擦接触部へ向けて不活性ガスを供給するためのガスノズルを設けるようにした請求項2記載の摩擦駆動機構の摩耗粉飛散量抑制装置。
- 摩擦駆動搬送装置の駆動機構における上記駆動ローラとスライドバーとの摩擦接触部より周辺環境へ飛散する摩耗粉の量を減少させる装置を、上記摩擦接触部の摩耗粉を吸引するための吸引ノズルを備えてなる構成として、上記吸引ノズルにて、摩擦接触部で発生する摩耗粉を吸引することで、摩擦接触部より周辺環境へ飛散する摩耗粉の量を抑えるようにした請求項1記載の摩擦駆動機構の摩耗粉飛散量抑制装置。
- バックアップローラとスライドバーとの摩擦接触部の近傍に、該摩擦接触部の摩耗粉を吸引するための吸引ノズルを設けるようにした請求項4記載の摩擦駆動機構の摩耗粉飛散量抑制装置。
- 摩擦接触部の近傍にて該摩擦接触部を挟んで吸引ノズルとほぼ対向する位置に、該摩擦接触部へガスを供給するためのガスノズルを設けて、該ガスノズルより上記摩擦接触部へ供給するガスを、上記吸引ノズルへ吸引できるようにした請求項4又は5記載の摩擦駆動機構の摩耗粉飛散量抑制装置。
- ガスノズルより摩擦接触部へ供給するガスを、不活性ガスとした請求項6記載の摩擦駆動機構の摩耗粉飛散量抑制装置。
- ガスノズルより供給する不活性ガスを、乾燥不活性ガスとした請求項2,3又は7記載の摩擦駆動機構の摩耗粉飛散量抑制装置。
- ガスノズルより供給する不活性ガスの温度をほぼ一定とした請求項2,3又は7記載の摩擦駆動機構の摩耗粉飛散量抑制装置。
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JP2007156824A JP2008309231A (ja) | 2007-06-13 | 2007-06-13 | 摩擦駆動機構の摩耗粉飛散量抑制装置 |
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JP2020069809A (ja) * | 2018-10-29 | 2020-05-07 | 公益財団法人鉄道総合技術研究所 | 摩擦力向上装置 |
-
2007
- 2007-06-13 JP JP2007156824A patent/JP2008309231A/ja active Pending
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