JP2008308940A - 蛇腹式フレーム及びこれを用いた構造体 - Google Patents

蛇腹式フレーム及びこれを用いた構造体 Download PDF

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Abstract

【課題】組み立て・撤収を迅速にでき、デザインの自由度が高い蛇腹式フレーム及びこれを用いた構造体の提供。
【解決手段】蛇腹式フレームFが屈曲部Tを有し、隣り合うクロスフレーム単位2,2によって構成され、対角上に各々位置する二つの交点a,cと二つの接続点b,dとによって規定された四角形状の枠Sにあって、交点a,cのうち一つと、交点a,cに対して隣り合う関係にある接続点b,dとの間の点間寸法ab,da,bc,cdにつき、一方側交点aにて交わる関係にある二つのパイプ要素1,1の点間寸法の和ab+daが、他方側交点にて交わる関係にある二つのパイプ要素1,1の点間寸法の和bc+cdと等しく、各交点a,cを結ぶものであって、一方の接続点bを経由する第1経路と他方の接続点dを経由する第2経路のうち、屈曲部Tにおける上記枠Sにあっては、第1経路の経路長ab+bcの方が第2経路の経路長cd+daよりも長い。
【選択図】図2

Description

本願発明は、折り畳みが可能とされた蛇腹式フレーム及びこれを用いた構造体に関するものである。
意匠登録第1181906号公報 意匠登録第1277687号公報 特開2003−321951号公報
催事などにおいて仮設の構造体が設けられることがある。ここで用いられる構造体の一例として、本願出願人による特許文献1に記載の意匠に係る「テント用骨組」が挙げられる。しかし、この構造のものは、鉄骨をジョイント部にはめ込んで組み立てを行うものであるため、組み立て及び撤収に時間がかかり、しかも、構成部品がかさばるという欠点を有する。
上記の欠点を改善するために、蛇腹式フレームを用いた構造体が提案されている。ここで蛇腹式フレームとは、2本のパイプ要素を交点にて回動可能に接続したクロスフレーム単位を備え、隣り合うクロスフレーム単位のパイプ要素同士を接続点にて回動可能に接続することにより構成されたものであって、展開及び折り畳みが可能とされたものである。一例として、本願出願人による特許文献2に記載の意匠に係る「組立て便所用のフレーム」や、特許文献3に係る「折り畳みテント」が挙げられる。
上記構造体では、天枠にこの蛇腹式フレームが用いられており、これによって組み立て及び撤収を上記のものよりも迅速になすことができ、特に蛇腹式フレームが設けられた天枠部分については、パイプ要素が密着した形状に折り畳むことができるため、コンパクトにできるという利点を有する。
しかし、この蛇腹式フレームは従来、フレームの延長方向が真っ直ぐであるものにしか使用されていなかった。そのため、上記構造体では、天枠と支柱とが屈曲した関係にあるが、支柱については棒状のものが使用されており、蛇腹式フレームが用いられた天枠に接続されている。
ここで、支柱に蛇腹式フレームを用いたとしても、天枠と支柱との間は上記のように屈曲しているため、一つの蛇腹式フレームとすることはできず、各部分を構成する蛇腹式フレームを接続部材を用いて接続しなければならなかった。そして、このように別個の蛇腹式フレームを接続した場合は、各フレーム毎に展開及び折り畳みの作業を行う必要があって、組み立て及び撤収の迅速化にも限界があった。また、構造体のデザインが制約されることも問題であった。
上記の問題に鑑み、本願発明は、第一に、組み立て及び撤収をより迅速にできる蛇腹式フレーム及びこれを用いた構造体を提供することを課題とする。
また、第二に、デザインの自由度が高い蛇腹式フレーム及びこれを用いた構造体を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本願の請求項1に記載の発明は、2本のパイプ要素1,1を交点a,cにて回動可能に接続したクロスフレーム単位2を備え、隣り合うクロスフレーム単位2,2のパイプ要素1,1同士を接続点b,dにて回動可能に接続することにより構成されたものであって、展開及び折り畳みが可能とされた蛇腹式フレームFにおいて、少なくとも一つの屈曲部Tを有しており、隣り合うクロスフレーム単位2,2によって構成されたものであり、対角上に各々位置する二つの交点a,cと二つの接続点b,dとによって規定された四角形状の枠Sにあって、上記枠Sにおける交点a,cのうち一つと、当該交点a,cに対して隣り合う関係にある接続点b,dとの間の点間寸法ab,da,bc,cdにつき、一方側交点aにて交わる関係にある二つのパイプ要素1,1の上記点間寸法の和ab+daが、他方側交点にて交わる関係にある二つのパイプ要素1,1の上記点間寸法の和bc+cdと等しく、上記枠Sの各交点a,cを結ぶものであって、一方の接続点bを経由する第1経路と、他方の接続点dを経由する第2経路のうち、上記の屈曲部Tにおける上記枠Sにあっては、第1経路の経路長ab+bcの方が第2経路の経路長cd+daよりも長く、蛇腹式フレームFが展開された際に、当該屈曲部Tにおける枠Sを含む、隣り合う二つの枠S1,S2の間の屈曲角度θが、一方の枠S1の各交点a1,c1を結ぶ直線と、他方の枠S2の各交点a2,c2とを結ぶ直線とがなす外角となることを特徴とする蛇腹式フレームを提供する。
なお、本願にて用いている「外角」という表現は、上記の場合を例に取ると、上記枠S1におけるa1,c1間の線分、上記枠S2におけるa2,c2間の線分、そして、a1,c2間の線分で規定された仮想の三角形における、交点c1(a2)に一致する頂点での、a1,c1間の線分とa2,c2間の線分の間の外角のことを指している。
また、本願の請求項2に記載の発明は、上記四角形状の枠Sにおいて、各交点a,cにて交わる関係にある二つのパイプ要素1,1のなす角度Xが一致していることを特徴とする、請求項1に記載の蛇腹式フレームを提供する。
また、本願の請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の蛇腹式フレームを用いた構造体であり、上記の蛇腹式フレームFの少なくとも一方の端部に接地部3が形成されており、上記の接地部3は、上記端部に位置するクロスフレーム単位2の端部における、一方のパイプ要素1と他方のパイプ要素1とに別個に固定された板状体31,31を備えたものであり、上記の各板状体31,31は、蛇腹式フレームFが展開されると共に、各端面31a,31aが当接して支持し合うことを特徴とする、蛇腹式フレームを用いた構造体を提供する。
また、本願の請求項4に記載の発明は、請求項1または2に記載の蛇腹式フレームを用いた構造体であり、メインフレームMを備えたものであり、このメインフレームMは、上記の蛇腹式フレームFが少なくとも2組並列させられ、これらの各蛇腹式フレームF〜F同士が直接的または間接的に接続されて構成されていることを特徴とする、蛇腹式フレームを用いた構造体を提供する。
また、本願の請求項5に記載の発明は、上記のメインフレームMの一端を支持することのできる頂部支持部5を備え、この頂部支持部5から放射状に延びるようにして、少なくとも3組のメインフレームMが設けられたものであることを特徴とする、請求項4に記載の蛇腹式フレームを用いた構造体を提供する。
また、本願の請求項6に記載の発明は、蛇腹式フレームFの、屈曲された内側部分にてシート状体6が支持されたことを特徴とする、請求項3〜5のいずれかに記載の蛇腹式フレームを用いた構造体を提供する。
本願の請求項1に記載の発明は、上記枠Sにおける交点a,cのうち一つと、当該交点a,cに対して隣り合う関係にある接続点b,dとの間の点間寸法ab,da,bc,cdにつき、一方側交点aにて交わる関係にある二つのパイプ要素1,1の上記点間寸法の和ab+daが、他方側交点にて交わる関係にある二つのパイプ要素1,1の上記点間寸法の和bc+cdと等しいことで折り畳みができ、上記枠Sの各交点a,cを結ぶものであって、一方の接続点bを経由する第1経路と、他方の接続点dを経由する第2経路のうち、上記の屈曲部Tにおける上記枠Sにあっては、第1経路の経路長ab+bcの方が第2経路の経路長cd+daよりも長いことで屈曲部Tを形成できることから、蛇腹式フレームFを構成するパイプ要素1の長さ、そして交点a,cと接続点b,dの位置を変更することにより、所望の屈曲度合を有する蛇腹式フレームFを容易に提供できる。よって従来のように、複数の蛇腹式フレームを接続せずとも屈曲部Tを構成できるため、組み立て及び撤収を従来よりも迅速にできる蛇腹式フレームを提供できたものである。これは特に、災害現場などで用いられる仮設テントなど、迅速な組み立てが最優先される現場で使用されるものにおいて効果的に使用が可能である。また、所望の屈曲度合を容易に実現できるため、デザインの自由度が非常に高い蛇腹式フレームを提供できたものである。
本願の請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明の効果に加え、上記枠Sにおいて、各交点a,cにて交わる関係にある二つのパイプ要素1,1のなす角度Xが一致していることから、この屈曲部Tにおいては、上記枠Sにおける二つの接続点b,dを結ぶ直線に対して線対称に屈曲がなされるものとできたものである。
本願の請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明の効果を有する蛇腹式フレームを用いた構造体であって、更に、接地部3が、上記端部に位置するクロスフレーム単位2の端部における、一方のパイプ要素1と他方のパイプ要素1とに別個に固定された板状体31,31を備えたものであり、上記の各板状体31,31は、蛇腹式フレームFが展開されると共に、各端面31a,31aが当接して支持し合うものであることから、クロスフレーム単位2の開きが確実に固定され、また、地面などの設置場所に接地部3を安定して配位することができたものである。
本願の請求項4に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明の効果を有する蛇腹式フレームを用いた構造体であって、更に、上記の蛇腹式フレームFが少なくとも2組、並列して直接的または間接的に接続されて構成されたメインフレームMを備えたことから、蛇腹式フレームFの強度を確保でき、また自立性を持たせることができたものである。
本願の請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の発明の効果に加え、上記のメインフレームMの一端を支持することのできる頂部支持部5を備え、この頂部支持部5から放射状に延びるようにして、少なくとも3組のメインフレームM〜Mが設けられたことから、メインフレームM〜Mを容易に一点にまとめることができ、ドーム状の構造体を容易に形成できたものである。
本願の請求項6に記載の発明は、請求項3〜5のいずれかに記載の発明の効果に加え、蛇腹式フレームFの、屈曲された内側部分にてシート状体6が支持されたことから、シート状体6の取り付け及び取り外しが容易とできたものである。
以下、図面に基づき本願発明の実施の形態の一例をとりあげて説明する。図1は、本例の蛇腹式フレームを示す。図2は、本例の蛇腹式フレームにおける屈曲部を示し、図3は同直線部を示す。図4〜図11は、本例の蛇腹式フレームの種々の形状を示す。図12は、本例の蛇腹式フレームにおける接地部を示す。図13は、本例のメインフレームを示す。図14は、本例のメインフレームとジョイントフレームによって形成された構造体を示す。図15〜図26は、本例の蛇腹式フレームを用いた構造体を示す。
本願発明に係る蛇腹式フレームFは、図1(A)又は図2に示すように、基礎単位として2本のパイプ要素1を交点a,cにて回動可能に接続したクロスフレーム単位2を備えている。
パイプ要素1としては、本例ではアルミ合金製の角パイプが用いられているが、特にこれに限定されるものではなく、例えば丸パイプやチャンネル材であっても良い。また、素材についてもアルミ合金に限られたものではなく、例えば樹脂などの種々の素材を使用することができる。
そして、複数のクロスフレーム単位2〜2が用いられ、各々隣り合うクロスフレーム単位2,2のパイプ要素1,1同士が接続点b,dにて回動可能に接続されたことにより蛇腹式フレームFが構成される。
上記のようにして複数のクロスフレーム単位2〜2が接続されたことにより、この蛇腹式フレームFには、図2の各図に示すように、隣り合うクロスフレーム単位2,2によって構成されたものであり、対角上に各々位置する二つの交点a,cと二つの接続点b,dとによって規定された四角形状の枠Sが形成されている。そして、この蛇腹式フレームFは、この枠Sが連なったものである。
従来存在した蛇腹式フレームは、例えば特許文献2に記載の意匠に係るもののように、この四角形状の枠が一方向、かつ直線方向にのみ連なるものであった。これに対し、本願発明においては、この四角形状の枠Sが連なる方向が転換される部分である屈曲部Tを有している。
次に、この四角形状の枠Sにおける、折り畳みのための条件と屈曲のための条件とについて説明する。例えば図1(A)に示す状態から図1(B)に示す状態へと折り畳みが可能である実用的な構造体を形成するに当たっては、この二つの条件を同時に満たすように蛇腹式フレームFを形成する必要がある。なお、本願における蛇腹式フレームFの「屈曲」とは、蛇腹式フレームFが展開された際において、上記枠Sの連なる方向が転換されることを指す。
まず、蛇腹式フレームFを折り畳むための条件は、上記枠Sにおける交点a,cのうち一つと、当該交点a,cに対して隣り合う関係にある接続点b,dとの間の点間寸法ab,da,bc,cdにつき(図2(A)参照)、一方側交点aにて交わる関係にある二つのパイプ要素1,1の上記点間寸法の和ab+daが、他方側交点cにて交わる関係にある二つのパイプ要素1,1の上記点間寸法の和bc+cdと等しいことである。上記和の寸法の各々は、一組のクロスフレーム単位2を折り畳んだ状態(図1(B)参照)における上下方向の寸法とほぼ一致するものであるから、上記和の寸法の各々が一致することが折り畳みのために必要である。なお、この寸法については、クロスフレーム単位2の折り畳みができる関係が満たされていれば良く、上記和の寸法の各々が完全一致しなければならない程厳密なものではない。具体的には、パイプ要素1,1の製造時の誤差を考慮し、上記和の寸法の各々については一方の寸法を基準とした場合、他方の寸法との差を望ましくは±5%以下、より望ましくは±3%以下とする。ただし、パイプ要素1,1同士の接続点b,dの少なくとも一部を、ピンと長孔とを組合わせた構造、もしくはピンとそのピンに比べて大径の孔とを組合わせた構造として上記誤差を吸収させる場合にあっては、上記よりも更に大きな寸法差でも許容可能である。
次に、蛇腹式フレームFが屈曲部Tにおいて屈曲する条件について説明する。
上記枠Sの各交点a,cを結ぶものであって、一方の接続点bを経由する第1経路と、他方の接続点dを経由する第2経路とを比較すると、クロスフレーム単位2が一方向に真っ直ぐ延びていく部分(以下直線部Lとする)における上記枠Sにあっては、図3(A)に示すように、第1経路の経路長(交点(この場合a)、接続点(同b)、交点(同c)の各点間寸法の和、以下同じ)ab+bcと第2経路の経路長cd+daとが等しくなる。なお、この直線部Lは従来から存在した蛇腹式フレームが有していたのと同じ部分である。
これに対して、屈曲部Tにおける上記枠Sにあっては、第1経路の経路長ab+bcと第2経路の経路長cd+daとが異なることが、屈曲のための条件となる。つまり、図2(A)に明確に示されているように、第1経路の経路長ab+bcよりも第2経路の経路長cd+daが短い場合は、経路長の短い側の方向、つまり第2経路の側に蛇腹式フレームFが屈曲する。
この際、上記の各経路を構成する交点a,cと接続点b,dとの点間寸法の組み合わせについては、図2(A)(B)に示すように、第1経路のうち接続点bを境にした一方側の経路長abと他方側の経路長bcとを等しくし、第2経路のうち接続点dを境にした一方側の経路長cdと他方側の経路長daとを等しくした場合、図示したように対称形に屈曲がなされる。言い換えると、上記枠Sにおける二つの接続点b,dを結ぶ直線を想定すると、その直線に対して線対称に屈曲がなされる。なお、このように線対称に屈曲がなされるものであるから、この屈曲部Tにあっては、上記枠Sの各交点a,cにて交わる関係にある二つのパイプ要素1,1のなす角度X,Xが一致する。
なお、図2(C)に示すように、上記の第1経路のうち接続点bを境にした一方側の経路長abと他方側の経路長bcとを異なるものとし、かつ、第2経路のうち接続点dを境にした一方側の経路長cdと他方側の経路長daとを異なるものとしても良い。また、図示はしていないが、上記の各経路のうちいずれかの経路について、接続点を境にした一方側の経路長と他方側の経路長とを等しくし、他の経路について、接続点を境にした一方側の経路長と他方側の経路長とを異なるものとしても良い。これらの場合については、上記のように各経路のうちいずれにおいても接続点を境にした一方側の経路長と他方側の経路長とを等しくした場合と異なり、非対称に屈曲がなされる。言い換えると、上記枠Sにおける二つの接続点b,dを結ぶ直線を想定すると、その直線に対して線対称には屈曲がなされない。
上記の条件を満たした場合においては、図2(A)(B)に示すように、蛇腹式フレームFが展開された際、隣り合う二つの枠S1,S2の間の屈曲角度θの分、蛇腹式フレームFが屈曲することとなる。この屈曲角度θは、一方の枠S1の各交点a1,c1を結ぶ直線と、他方の枠S2の各交点a2,c2とを結ぶ直線とがなす外角となる(なお、上記の交点c1と交点a2とは同一の点である)。よって、屈曲部Tの一つ当たりの屈曲角度は、当該屈曲部Tにおける枠Sとその両隣の枠S,Sとの間の屈曲角度θの和となる。なお当然ながら、直線部Lにおいては、図3(A)に示すように屈曲角度θは0となる。
上記の屈曲角度θは隣り合う二つの枠S1,S2の間のものであるので、屈曲部Tを一つの上記枠S、あるいは連なった複数の上記枠S〜Sの各々に設けることにより、上記屈曲角度θの総和として、蛇腹式フレームF全体で必要な屈曲角度を実現できる。そして、上記のように屈曲を対称になすことや非対称になすことも自在であるから、例えば図1(A)に示すようにアーチ状とするなど、屈曲部Tと直線部Lとを適宜組みあわせて、所望の屈曲度合を有する蛇腹式フレームFを提供できる。なお、図1(A)中に示した線分Yは、蛇腹式フレームFの内側寄りの接続点を基準とした、蛇腹式フレームFの屈曲度合をなぞったものである。
上記の条件を満たすようにパイプ要素1〜1及びクロスフレーム単位2〜2が形成され、これらのクロスフレーム単位2〜2が連結されたことにより蛇腹式フレームFが構成される。これにより、一つの蛇腹式フレームFの中に容易に屈曲部Tを形成することができる。よって、従来のように直線状にしか延びない蛇腹式フレームを用いざるを得ないため、フレーム間を屈曲させて接続するための接続部材を用いて、複数の蛇腹式フレームを連結したり、蛇腹式フレームと支柱とを連結するという必要がない。また、一つの蛇腹式フレームF中に屈曲部Tが形成されたものであるため、蛇腹式フレームFの展開及び折り畳みをワンタッチで行うことができ、この蛇腹式フレームFを用いて構造体を形成した場合にあっては、この構造体の組み立て及び撤収をより迅速にできるという利点を有する。このことから特に、災害現場などで用いられる仮設テントなど、迅速な組み立てが最優先される現場で使用されるものにおいては、このようにワンタッチで組み立て及び撤収できるため非常に威力を発揮し得る。
次に、上記のようにした形成された屈曲部Tを蛇腹式フレームFに設けた例を以下に示す。なお、以下の説明はいずれも蛇腹式フレームFが展開された状態を基準としており、その状態を図示している。
まず、上記でも説明してきたように、図1に示した例は、蛇腹式フレームFをアーチ状としたものである。この蛇腹式フレームFの上側部分については、同一の屈曲角度θにて屈曲しつつ連なる複数の屈曲部Tが備えられたものとされているが、下側部分については複数の直線部Lが連ねられたものとされている。なお、屈曲部Tの連続部分と直線部Lの連続部分との境目に位置する連結屈曲部T2を構成するクロスフレーム単位2のパイプ要素1,1については、図示上方の接続部と交点との間の点間寸法が、屈曲部Tにおけるパイプ要素1,1の接続部と交点との間の点間寸法に等しく形成されており、図示下方の接続部と交点との間の点間寸法が、直線部Lにおけるパイプ要素1,1の接続部と交点との間の点間寸法に等しく形成されている。この連結屈曲部T2においても、上記で説明した折り畳みのための条件は満たされているため、屈曲部Tと直線部Lとが無理なく接続されており、蛇腹式フレームFの全体がスムーズに展開及び折り畳み可能となっている。
図4に示した例は、上記と同じく蛇腹式フレームFをアーチ状としたものであるが、この場合は、直線部Lが存在しておらず、パイプ要素1,1の接続部と交点との間の点間寸法を図1(A)に示した例におけるものから変更し、四角形状の枠Sを屈曲の内外方向に、より突出させた形状としたものである。つまりこの形状は、各枠Sにおける交点aと交点cとを結ぶ直線の外側寄りに、各枠Sにおける接続点b,dのうちで相対的にアーチの外側にある接続点bが存在し、当該直線の内側寄りに、相対的にアーチの内側にある接続点dが存在するものである。このようにすることにより、図示した例の蛇腹式フレームFは星形とできているが、その他種々の個性ある形状で蛇腹式フレームFを形成することができる。
図5に示した例は、同じく蛇腹式フレームFをアーチ状としたものである。ただしこの例にあっては、屈曲部Tのみが連ねられたものであって、四角形状の枠Sの基本形状が図4に示した例と同じであるが、隣り合う枠S〜Sにつき大きなものと小さなものとを交互に配位したものである。具体的には、図5に示した隣り合う二つの枠SL,SSを構成する各辺につき、大きい側の枠SLを構成する各辺の寸法よりも、小さい側の枠SSのうち、前記枠SLの各辺に相当する位置に存在する各辺の方が小さいものとされている。
図6に示した例は、同じく蛇腹式フレームFをアーチ状としたものであるが、この例にあっては、連なった四角形状の枠S〜Sの3個毎に屈曲部Tが設けられている。つまり、直線部Lが2個連ねられ、その隣りに屈曲部Tが1個連ねられている。この直線部Lが2個連ねられた間では、図6に補助線を用いて示したように、枠Sが直線状に延びている。
図7に示した例は、同じく蛇腹式フレームFをアーチ状としたものであるが、この場合は、連なった四角形状の枠S〜Sのうち、蛇腹式フレームFの左側と右側とで屈曲部Tと直線部Lの数量を変えている。この例では蛇腹式フレームFの中央における屈曲部Tを除き、左側では3つの屈曲部Tが連ねられ、先端側に2つの直線部Lが連ねられている。そして右側では4つの屈曲部Tが連ねられ、先端側に1つの直線部Lが設けられている。これにより、蛇腹式フレームFの形状を左右非対称とすることができる。
図8に示した例は、蛇腹式フレームFを円形状としたものである。この例では、蛇腹式フレームFに存在する四角形状の枠Sの全てが同一形状である屈曲部Tとされている。この例における各屈曲部Tの、隣り合う枠Sとの間の屈曲角度θは22.5°とされており、全周で16個の屈曲部Tが無端状に連ねられて(屈曲角度θの全周の総和が360°)蛇腹式フレームFが構成されている。なお、屈曲角度θの異なる屈曲部Tを連ねることで蛇腹式フレームFを楕円形状としたり、直線部Lを途中に挟むことで長円形状とすることもできる。
図9に示した例は、蛇腹式フレームFを蛇行させて形成したものである。この例に係る蛇腹式フレームFを構成するパイプ要素1〜1の各々には、接続部と交点との間の点間寸法が全て等しい、同一形状のものが用いられているが、一方向に屈曲する屈曲部Tの連なりと、前記屈曲とは逆方向に屈曲する屈曲部Tの連なりとが接続されたことにより、蛇行が実現している。これに対し、上記の図8に示した例では、一方向に屈曲する屈曲部Tの連なりのみから蛇腹式フレームFが構成されているため、円形状となっている。
この例において、蛇腹式フレームFの屈曲が変えられる部分には、少なくとも1つの直線部Lが設けられている。図示した例では、パイプ要素1〜1が全て同一形状とされているため、屈曲部Tにおいては各パイプ要素1の点間寸法が長い側が屈曲の外側に位置し、点間寸法が短い側が屈曲の内側に位置することとなる。そして、直線部Lにおいては、各パイプ要素1の点間寸法が長い側と点間寸法が短い側とが接続されることとなるため、この直線部Lでの四角形状の枠Sは図示のように平行四辺形となる。
図10に示した例は、蛇腹式フレームFを略コの字状に形成したものである。この例にあっては、直線部Lが5つ連ねられた屋根部Rが1組、直線部Lが2つ連ねられた柱部Cが2組形成されており、これら各々の組が直交するようにして、上記屋根部Rと柱部Cとの間に屈曲部Tが1つづつ挟まれている。この例における、図示左右のいずれか一方の屈曲部Tと、その両隣の直線部Lとの間の屈曲角度θの和が90°となる。
図11に示した例は、蛇腹式フレームFを切妻状に形成したものである。この例にあっては、直線部Lが2つ連ねられた屋根部Rが2組と、2つ連ねられた柱部Cが2組形成されており、これら各々の組が120°の角度を持って交わるようにして、上記屋根部Rと柱部Cとの間、そして屋根部R,R同士の間に屈曲部Tが1つづつ挟まれている。つまり、この例に係る各屈曲部Tの一つ当たりの屈曲角度θの和は60°となる。なお、この例では上記の屋根部R同士の交わる角度も、屋根部Rと支柱部Cとが交わる角度も同一の60°とされているが、異なる角度を持って交わるものとしても良い。
上記に説明した蛇腹式フレームFが様々に組み合わされて構造体を形成することができる。この構造体の形成に当たっては、地面などの設置場所に構造体を配置する際に用いられる接地部3が設けられる。また、強度を確保したり自立性を持たせるためにメインフレームMが形成される。これらについて以下説明する。
まず、接地部3について説明する。これは、図12(A)に示すように、蛇腹式フレームFの端部に設けられており、この端部に位置するクロスフレーム単位2の更に端部における、一方のパイプ要素1と他方のパイプ要素1とに別個に固定された板状体31,31を備えたものである。この例では板状体31,31に一体に設けられたブラケット32にパイプ要素1をねじ止めしているが、他の手段によりパイプ要素1に板状体31を取り付けても良い。また、この例では、後述するように蛇腹式フレームFが2組並列してなるメインフレームMの端部に板状体31,31が取り付けられたものであるが、図16に示すように、単独の蛇腹式フレームFの端部に板状体31,31が取り付けられたものであっても良い。
上記の各板状体31,31は、蛇腹式フレームFが畳まれている場合には、図25(C)に示すように引き離されており、蛇腹式フレームFが展開されると共に、図12(B)に示すように、各端面31a,31aが当接して支持し合う。これにより、クロスフレーム単位2の開きが確実に固定される。なお、このように各端面31a,31aが当接した際には、各板状体31,31は図示したように図12(B)に示すように水平に並ぶため、図14(A)に示すように、地面などの設置場所に接地部3を安定して配位することができる。
なお本例においては、上記の各端面31a,31aが当接した状態を固定するために、固定具33が設けられている。この固定具33は、図12(A)(B)に示すように、各蛇腹式フレームFの端部における一方側のパイプ要素1に設けられた掛け金33aと、他方側のパイプ要素1に設けられた軸状の受け金33bとを有しており、図12(C)に示すように、受け金33bに設けられた切欠部分に掛け金33aを引掛けることにより機能するものである。なお、この例における受け金33bはねじ軸とされており、掛け金33aを引掛けた後に固定ナット33cを受け金33bにねじ込むことにより、掛け金33aが受け金33bから抜けないようにできる。
また、蛇腹式フレームFを用いた構造体を安定させるため、図12(C)に示すように、接地部3の上部にウェイト4を置いても良い。本例では、図12(A)(B)に示すように、各板状体31,31にウェイト支持穴31b,31bが設けられており、ここに、ウェイト4の底部に設けられた凸部(図示しない)を通すことにより、ウェイト4を接地部3からずれてしまわないようにできる。
上記の接地部3は、本例では屈曲部Tを有する蛇腹式フレームFの端部に設けられているが、これに限らず、図3に示すような、屈曲部Tを有さずに直線部Lのみが連ねられた蛇腹式フレームFの端部に設けられたものであっても良い。
次に、メインフレームMについて説明する。メインフレームMとは、図13に示すように、上記の蛇腹式フレームFが少なくとも2組並列させられ、これらの各蛇腹式フレームF〜F同士が直接的または間接的に接続されて構成されたものである。このようにして蛇腹式フレームFを二重以上に重ねることで、強度を確保でき自立可能なものとできる。そのため、種々の形状の構造体を実現させることができる。
このメインフレームMを構成する蛇腹式フレームF,Fの各組を安定して展開できるように、蛇腹式フレームF,F同士の連結部分の間には、図13に示すようにスペーサー4として棒状体が配位されており、これにより、蛇腹式フレームF,Fが並列した状態が維持される。
上記のメインフレームMを複数用い、これらの各メインフレームM〜Mを連結することにより構成された構造体の一例を図14(A)に示す。この構造体に用いられるメインフレームMを構成する蛇腹式フレームFは、図1に示したものと同様のアーチ状とされたものであって、本例では2つのメインフレームMが平行に配位され、これらが連結されて用いられている。
上記2つのメインフレームM,Mの間はジョイントフレームJにより連結されている。このようにジョイントフレームJを用いることにより、複数のメインフレームMを奥行き方向に配位することができ、トンネル状の構造体を形成することができる。
ここで、 図14(C)に示すように、四角形状の枠Sにおける接続点b,d間の距離につき、直線部Lにおける距離WLと屈曲部Tにおける距離WTとは異なっている。よって、ジョイントフレームJのうち、直線部ジョイントフレームJ1と屈曲部ジョイントフレームJ2とは異なるものが用いられる。
具体的には、各ジョイントフレームJ1,J2の展開時の全長はいずれも同一であり、メインフレームM,M間の距離と一致している。そして、各ジョイントフレームJ1,J2の端部におけるパイプ要素1,1の展開時における距離が、図14(D)に示すように、直線部ジョイントフレームJ1では、直線部Lにおける枠Sの接続点間の距離と一致する距離WLとされており、屈曲部ジョイントフレームJ2では、屈曲部Tにおける枠Sの接続点間の距離と一致する距離WTとされている。このような形状のジョイントフレームJと、蛇腹状フレームFあるいはメインフレームMとを組み合わせることにより、下記のように様々な形状の構造体を形成することができる。
なお、図14(A)に示した例ではメインフレームMの側方に直交するようにしてジョイントフレームJが設けられたものとされているが、メインフレームMとジョイントフレームJとの位置関係はこれに限らず、例えば図16に示すように、メインフレームMに対して斜め方向に設けたブレス状ジョイントフレームJ3としても良く、複数のジョイントフレームJ〜Jが折り畳みの際に全て同時に折り畳めるという条件を満たしていれば、種々の形状で実施が可能である。このようにブレス状ジョイントフレームJ3を設ける場合にあっても、上記と同様、ブレス状ジョイントフレームJ3の端部におけるパイプ要素1,1の展開時における距離が、直線部Lあるいは屈曲部Tにおける枠Sの接続点間の距離と一致する距離としておく必要がある。
次に、蛇腹式フレームFを用いた構造体の他の一例を図15(A)に示す。この構造体は、屈曲部Tを有する蛇腹式フレームFが2列並列されてなるメインフレームMを6組有するものである。屈曲部Tを有することから、このメインフレームMは展開時に湾曲する。そして、メインフレームMが畳まれた状態においては多角柱状(この場合六角柱状)とされた頂部支持部5を備えており、この頂部支持部5の側方に位置する各面に上記6組のメインフレームMが取り付けられたことにより、頂部支持部5を中心として、メインフレームMが放射状に延びるように配位される。
各メインフレームM〜Mの一端には上記で説明した接地部3が取り付けられている。具体的には、上記の板状体31,31のうち一方側に、上記メインフレームMの一端における2組のクロスフレーム単位2,2の、各組におけるパイプ要素1,1のうちの一方が取り付けられており、上記の板状体31,31のうち他方側に、上記パイプ要素1,1のうち他方が取り付けられている(図12(A)参照)。そして、各メインフレームM〜Mの他端は上記のようにして頂部支持部5に取り付けられており、これによりメインフレームM〜Mを容易に一箇所にまとめることができる。このようにして、図示のようなドーム状の構造体を形成することができる。
上記の頂部支持部5は、上側に配位された一方側分離片51と下側に配位された他方側分離片52を備えている。一方側分離片51には、メインフレームMの上記他端における2組のクロスフレーム単位2,2の、各組におけるパイプ要素1,1のうちの一方が取り付けられ、他方側分離片52には同他方が取り付けられる。
そして、メインフレームMを展開した際には図15(A)に示すように、各分離片51,52が上下に重なることにより支持し合い、メインフレームMにおける各クロスフレーム単位2の開きが固定される。そして、メインフレームMを折り畳む際には図15(B)に示すように、各クロスフレーム単位2が開くに伴い、各分離片51,52が上下に分離する。そして折り畳みが完了した後は、図25(C)に示したような状態となる。
この構造体には軟質樹脂などからなるシート状体6が取り付けられている。このシート状体6は、この例ではメインフレームM(蛇腹式フレームF)の、屈曲された内側部分にて支持されており、これにより、構造体に対するシート状体6の取り付け及び取り外しが容易である。この支持のための手段は、紐、ゴム輪、フックなど、種々の手段が採用できる。
次に、その他の構造体の例を種々図示して説明する。
図16に示したものは、アーチ状とされた2つの蛇腹状フレームF,Fが平行に配位されており、これらの各蛇腹状フレームF,F同士を連結するようにジョイントフレームJ〜Jが設けられた構造体である。
図17(A)に示したものは、図8に示した円形状の蛇腹式フレームFが2列並列されてなるメインフレームMが2組平行に配位され、各メインフレームM,Mの間がジョイントフレームJ〜Jで連結された円柱状の構造体である。図17(B)に示したものは、図17(A)に示した円柱状の構造体から、1組のメインフレームMを除いたものである。つまり、図8に示した円形状の蛇腹式フレームFが2列並列されてなるメインフレームMが1組配位され、このメインフレームMを構成する各蛇腹式フレームF,Fの各々の属する面に対して直交する関係にある、直線状に延びる蛇腹状フレームF〜FがメインフレームMに取り付けられた構造体である。
図18の各図に示したものは、図14(A)に示した構造体における、アーチ状とされたメインフレームMの湾曲内側に沿うようにしてシート状体6を取り付けたものである。図18(A)に示したものは下方までシート状体6を取り付けた状態であり、図18(B)に示したものは上方にのみシート状体6を取り付けた状態である。
図19の各図に示したものは、図4に示した形状の蛇腹状フレームFによりメインフレームMを構成し、このメインフレームMを2組用いて、これらをジョイントフレームJ〜Jで連結した構造体に、上記と同様にメインフレームMの湾曲内側に沿うようにしてシート状体6を取り付けたものである。図19(A)に示したものは下方までシート状体6を取り付けた状態であり、図19(B)に示したものは上方にのみシート状体6を取り付けた状態である。
図20の各図に示したものは、図10に示した略コの字状の蛇腹状フレームFによりメインフレームMを構成し、このメインフレームMを2組用いて、これらをジョイントフレームJ〜Jで連結した構造体に、上記略コの字状の内側に沿うようにしてシート状体6を取り付けたものである。図20(A)に示したものは下方までシート状体6を取り付けた状態であり、図20(B)に示したものは上方にのみシート状体6を取り付けた状態である。
図21の各図に示したものは、図11に示した切妻状の蛇腹状フレームFによりメインフレームMを構成し、このメインフレームMを3組用いて、これらをジョイントフレームJ〜Jで連結した構造体に、上記切妻状の内側に沿うようにしてシート状体6を取り付けたものである。図21(A)に示したものは下方までシート状体6を取り付けた状態であり、図21(B)に示したものは上方にのみシート状体6を取り付けた状態である。
図22の各図に示したものは、図15(A)に示したものと基本構造が同一のドーム状構造体であって、放射状に設けられたメインフレームM〜Mの数量を変更したものである。図22(A)に示したものは、メインフレームMが3組設けられたものであり、図22(B)に示したものは、メインフレームMが4組設けられたものである。このメインフレームM〜Mの数量に応じ、図22(A)に示したものでは、頂部支持部5が三角柱状とされており、図22(B)に示したものでは、頂部支持部5が四角柱状とされている。
そして、図23(A)に示したものは、メインフレームMが5組設けられたものであり、頂部支持部5が五角柱状とされている。図23(B)に示したものは、メインフレームMが7組設けられたものであり、頂部支持部5が七角柱状とされている。
そして、図24の各図に示したものは、メインフレームMが8組設けられたものであり、頂部支持部5が八角柱状とされている。図24(A)に示したものは下方までシート状体6を取り付けた状態であり、図24(B)に示したものは上方にのみシート状体6を取り付けた状態である。そして、図24(C)に示したものは、隣り合うメインフレームM,Mの間において、シート状体6を取り付けた部分と取り付けていない部分とを周方向において交互に設けた状態である。
図25(A)に示したものは、図22(B)に示した構造体を変形したものである。図22(B)に示したメインフレームM〜Mを構成する蛇腹状フレームFでは屈曲部Tのみが連ねられているが、図25(A)に示したメインフレームM〜Mを構成する蛇腹状フレームFでは、図22(B)に示したものと同様に連ねられた屈曲部Tの下方に、更に直線部Lが連ねられている。図25(B)はこの構造体を折り畳んだ状態を示す平面図、図25(C)はこの構造体を折り畳んだ状態を示す側面図である。
図26(A)に示したものは、図25(A)に示した構造体を更に変形したものである。具体的には、図25(A)に示した構造体を図示の奥行き方向に延長したものである。この例では頂部支持部5が3つ設けられており、各頂部支持部5〜5の間が、水平方向に配位されたメインフレームM,Mにより連結されている。そして、各頂部支持部5〜5のうちで端部寄りに位置する2つの頂部支持部5,5から延びるメインフレームMのうち3つは接地面に着地するものとされており、中央部に位置する1つの頂部支持部5から延びるメインフレームMのうち2つは接地面に着地するものとされている。図26(B)はこの構造体を折り畳んだ状態を示す斜視図である。
図26(C)に示したものは、図26(A)に示した構造体における長手方向の両端に配位されたメインフレームM,Mを省略して切妻形にしたものである。
本願発明に係る蛇腹式フレームFは、一つの蛇腹式フレームFの中に屈曲部Tが形成されたものであるため、これを用いることにより、上記に示すように多種多様な形状の構造体を形成することができ、デザインの自由度が非常に高いという利点を有している。
このようにして形成された構造体の用途としては、展示場ブース、クリーンルーム、野外行事用テント、災害時用臨時テント、アーチ(入退場門など)、ステージ台、広告塔が例示できるが、その他多種多様な用途に適用が可能である。
なお、上記に種々示した構造体の例は、本願発明に係る蛇腹式フレームFの一応用例に過ぎず、ここに示した以外の形状を有する構造体を構成することも当然可能である。
本願発明の実施の形態の一例に係る蛇腹式フレームであり、(A)は展開状態を示し、(B)は折り畳んだ状態を示す。 (A)〜(C)とも、本願発明の実施の形態の一例に係る蛇腹式フレームにおける屈曲部を示す。 本願発明の実施の形態の一例に係る蛇腹式フレームにおける直線部を示す。 本願発明の実施の形態の一例に係る蛇腹式フレームを示す。 本願発明の実施の形態の一例に係る蛇腹式フレームを示す。 本願発明の実施の形態の一例に係る蛇腹式フレームを示す。 本願発明の実施の形態の一例に係る蛇腹式フレームを示す。 本願発明の実施の形態の一例に係る蛇腹式フレームを示す。 本願発明の実施の形態の一例に係る蛇腹式フレームを示す。 本願発明の実施の形態の一例に係る蛇腹式フレームを示す。 本願発明の実施の形態の一例に係る蛇腹式フレームを示す。 本願発明の実施の形態の一例に係る蛇腹式フレームにおける接地部を示すものであり、(A)は展開中の状態、(B)は展開後の状態、(C)は接地部にウェイトを置いた状態を示す。 本願発明の実施の形態の一例に係るメインフレームを示す。 (A)は本願発明の実施の形態の一例に係るメインフレームとジョイントフレームによって形成された構造体を示し、(B)はメインフレームとジョイントフレームとの連結部分を拡大して示し、(C)はメインフレームにおける四角形状の枠における接続点間の距離の違いを示し、(D)は異なるジョイントフレームを比較して示す。 (A)は本願発明の実施の形態の一例に係る、蛇腹式フレームを用いた構造体を示し、(B)は同構造体を折り畳む際の頂部支持部の動作を示す。 本願発明の実施の形態の一例に係る、蛇腹式フレームを用いた構造体を示す。 (A)(B)とも、本願発明の実施の形態の一例に係る、蛇腹式フレームを用いた構造体を示す。 (A)(B)とも、本願発明の実施の形態の一例に係る、蛇腹式フレームを用いた構造体を示す。 (A)(B)とも、本願発明の実施の形態の一例に係る、蛇腹式フレームを用いた構造体を示す。 (A)(B)とも、本願発明の実施の形態の一例に係る、蛇腹式フレームを用いた構造体を示す。 (A)(B)とも、本願発明の実施の形態の一例に係る、蛇腹式フレームを用いた構造体を示す。 (A)(B)とも、本願発明の実施の形態の一例に係る、蛇腹式フレームを用いた構造体を示す。 (A)(B)とも、本願発明の実施の形態の一例に係る、蛇腹式フレームを用いた構造体を示す。 (A)〜(C)とも、本願発明の実施の形態の一例に係る、蛇腹式フレームを用いた構造体を示す。 (A)は本願発明の実施の形態の一例に係る、蛇腹式フレームを用いた構造体を示し、(B)は同構造体が折り畳まれた状態を示す平面図、(C)は同側面図である。 (A)(C)は本願発明の実施の形態の一例に係る、蛇腹式フレームを用いた構造体を示し、(B)は(A)に示す構造体が折り畳まれた状態を示す。
符号の説明
1 パイプ要素
2 クロスフレーム単位
3 接地部
31 板状体
31a 板状体の端面
5 頂部支持部
6 シート状体
F 蛇腹式フレーム
S 四角形状の枠
T 屈曲部
M メインフレーム
X パイプ要素のなす角
a,c 交点
b,d 接続点
ab 交点と接続点との間の点間寸法
bc 交点と接続点との間の点間寸法
cd 交点と接続点との間の点間寸法
da 交点と接続点との間の点間寸法
ab+da 点間寸法の和
bc+cd 点間寸法の和
ab+bc 第1経路の経路長
cd+da 第2経路の経路長
θ 屈曲角度

Claims (6)

  1. 2本のパイプ要素(1,1)を交点(a,c)にて回動可能に接続したクロスフレーム単位(2)を備え、隣り合うクロスフレーム単位(2,2)のパイプ要素(1,1)同士を接続点(b,d)にて回動可能に接続することにより構成されたものであって、展開及び折り畳みが可能とされた蛇腹式フレーム(F)において、
    少なくとも一つの屈曲部(T)を有しており、
    隣り合うクロスフレーム単位(2,2)によって構成されたものであり、対角上に各々位置する二つの交点(a,c)と二つの接続点(b,d)とによって規定された四角形状の枠(S)にあって、
    上記枠(S)における交点(a,c)のうち一つと、当該交点(a,c)に対して隣り合う関係にある接続点(b,d)との間の点間寸法(ab,da,bc,cd)につき、
    一方側交点(a)にて交わる関係にある二つのパイプ要素(1,1)の上記点間寸法の和(ab+da)が、
    他方側交点にて交わる関係にある二つのパイプ要素(1,1)の上記点間寸法の和(bc+cd)と等しく、
    上記枠(S)の各交点(a,c)を結ぶものであって、一方の接続点(b)を経由する第1経路と、他方の接続点(d)を経由する第2経路のうち、
    上記の屈曲部(T)における上記枠(S)にあっては、第1経路の経路長(ab+bc)の方が第2経路の経路長(cd+da)よりも長く、
    蛇腹式フレーム(F)が展開された際に、当該屈曲部(T)における枠(S)を含む、隣り合う二つの枠(S1,S2)の間の屈曲角度(θ)が、一方の枠(S1)の各交点(a1,c1)を結ぶ直線と、他方の枠(S2)の各交点(a2,c2)とを結ぶ直線とがなす外角となることを特徴とする蛇腹式フレーム。
  2. 上記四角形状の枠(S)において、各交点(a,c)にて交わる関係にある二つのパイプ要素(1,1)のなす角度(X)が一致していることを特徴とする、請求項1に記載の蛇腹式フレーム。
  3. 請求項1または2に記載の蛇腹式フレームを用いた構造体であり、
    上記の蛇腹式フレーム(F)の少なくとも一方の端部に接地部(3)が形成されており、
    上記の接地部(3)は、上記端部に位置するクロスフレーム単位(2)の端部における、一方のパイプ要素(1)と他方のパイプ要素(1)とに別個に固定された板状体(31,31)を備えたものであり、
    上記の各板状体(31,31)は、蛇腹式フレーム(F)が展開されると共に、各端面(31a,31a)が当接して支持し合うことを特徴とする、蛇腹式フレームを用いた構造体。
  4. 請求項1または2に記載の蛇腹式フレームを用いた構造体であり、
    メインフレーム(M)を備えたものであり、
    このメインフレーム(M)は、上記の蛇腹式フレーム(F)が少なくとも2組並列させられ、これらの各蛇腹式フレーム(F〜F)同士が直接的または間接的に接続されて構成されていることを特徴とする、蛇腹式フレームを用いた構造体。
  5. 上記のメインフレーム(M)の一端を支持することのできる頂部支持部(5)を備え、
    この頂部支持部(5)から放射状に延びるようにして、少なくとも3組のメインフレーム(M〜M)が設けられたものであることを特徴とする、請求項4に記載の蛇腹式フレームを用いた構造体。
  6. 蛇腹式フレーム(F)の、屈曲された内側部分にてシート状体(6)が支持されたことを特徴とする、請求項3〜5のいずれかに記載の蛇腹式フレームを用いた構造体。
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