JP2008306149A - ウエハ支持ガラス - Google Patents

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Abstract

【課題】
半導体ウエハ(SW)を接着して支持するとともに半導体ウエハから剥離できるように可撓性を備えたガラスプレート(GP)からなるウエハ支持ガラスを提供する。
【解決手段】
ガラスプレート(GP)は、半導体ウエハ(SW)に接着してこの半導体ウエハを支持するウエハ支持ガラスである。そして、半導体ウエハ(SW)に接着されたウエハ支持ガラスを剥離するため、ウエハ支持ガラスは所定角度以上曲がる。ウエハ支持ガラスは30度以上曲がると半導体ウエハに大きな力を与えないで剥離することができる。
【選択図】 図2C

Description

本発明は、半導体ウエハと接着するとともに、半導体ウエハから剥離し易いウエハ支持ガラスに関する。
近年、携帯電話やICカード等の電子機器の高機能化に伴い、その内部に実装される半導体素子(LSI、ICなど)の薄型化あるいは小型化が進んでいる。また、線幅を狭くすることなく記憶容量を増すために半導体ウエハを数層重ね合わせた三次元実装タイプの半導体素子、例えばSDカードなどが増えつつある。
特に薄型化という面では、三次元実装タイプの半導体素子では厚さ50μmから100μmの半導体回路を複数積層しており、さらに1枚の半導体回路の厚さを50μm以下とした半導体素子の開発が進められている。このような、半導体回路を薄層化する技術の一つとして、パターン形成された半導体ウエハの裏面を研削する裏面研削処理が知られている。この裏面研削処理は、両面粘着テープを介して半導体ウエハのパターン形成された表面を剛性を有するウエハ支持ガラスへ接着固定し、高速回転する砥石等を用いて半導体ウエハの裏面を研削するものである。
ここで、裏面研削処理に用いられるウエハ支持ガラスとしては、上下面を高精度に研磨したガラスプレートが用いられる。裏面研削処理が施された半導体ウエハは、ウエハ支持ガラスから分離されウエハダイシング等の工程へ搬送される。この半導体ウエハとウエハ支持ガラスとを分離するウエハ剥離装置としては、例えば、特許文献1又は特許文献2に記載されている。このウエハ剥離装置では、半導体ウエハとウエハ支持ガラスを両面接着テープにより接着固定した処理対象物に紫外線を照射した後、接着された半導体ウエハとウエハ支持ガラスの周辺部より互いを引き離す方向に物理的な力を加えることにより剥離が行われている。なお、厚さ50μm以下の半導体ウエハは自重でたわんでしまうため、裏面研削処理からダイシング工程までウエハ支持ガラスで半導体ウエハを支持することが必須となっている。
特開2005−057046号公報 特開2006−156633号公報
しかしながら、上記特許文献1又はで特許文献2に示すウエハ剥離装置では、ウエハ支持ガラスを平面上に固定した状態で、半導体ウエハを変形させ分離する構造であるため、半導体ウエハ上に形成された各半導体回路に余分なストレスが加わり、その結果、最終製品である半導体素子の性能を低下させるおそれがあった。
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであり、半導体ウエハを接着して支持するとともに半導体ウエハから剥離できるように可撓性を備えたガラスプレートからなるウエハ支持ガラスを提供することにある。
本発明は、半導体ウエハを平面上に固定した状態で、ウエハ支持ガラスを曲げて剥離する。従来、半導体ウエハと接着して半導体ウエハの裏面研削処理に用いられているウエハ支持ガラスは脆性材料であるため、そもそもウエハ支持ガラスを曲げて剥離する発想さえなかった。
第1の観点によるウエハ支持ガラスは、半導体ウエハに接着してこの半導体ウエハを支持するウエハ支持ガラスである。そして、半導体ウエハに接着されたウエハ支持ガラスを半導体ウエハから剥離するため、ウエハ支持ガラスは所定角度以上曲がる。
ウエハ支持ガラスが脆性材料であるため、そもそも半導体ウエハに接着されたウエハ支持ガラスを分離する際に、ウエハ支持ガラスを曲げて半導体ウエハから剥離するという考えはなかった。第1の観点では、所定角度以上に曲がるウエハ支持ガラスを提供することで半導体ウエハを曲げないで固定したままウエハ支持ガラスを剥離することができる。
第2の観点においては、所定角度は最大曲げ角度で30度である。
第2の観点によるウエハ支持ガラスは、半導体ウエハに形成された半導体回路を破損することが無いように30度以上曲がる。その一方でウエハ支持ガラスを水平に保持しても、自重で曲がることがない。なお、最大曲げ角度がより大きくなればなるほどより小さい力で曲がり剥離し易いので最大曲げ角度の上限はない。
第3の観点によるウエハ支持ガラスは化学強化処理による圧縮応力層を有する。
第3の観点では化学強化処理により圧縮応力層を形成する。ウエハ支持ガラスを曲げるとその外側の表面は引っ張り応力が加わるが、圧縮応力層がウエハ支持ガラスの表面に形成されているため引っ張り応力によるウエハ支持ガラスの割れを防ぐことができる。
第4の観点によるウエハ支持ガラスは、第3の観点において、ウエハ支持ガラスがNaO又はLiOを含む。
NaO又はLiOを含むと化学強化処理による圧縮応力層を形成することができる
第5の観点によるウエハ支持ガラスはコーティング処理によるコーティング層を有する。
第5の観点ではウエハ支持ガラスにコーティング層を設けることで圧縮応力層を形成している。化学強化処理がガラス内側に圧縮応力層を形成するのに対して、コーティング処理はガラス外側に圧縮応力層を形成している。
第6の観点によるウエハ支持ガラスは、第3の観点ないし第5の観点において、ウエハ支持ガラスの板厚は0.3mm〜1.1mmであり圧縮応力層の深さは15μm以上220μm以内である。
ウエハ支持ガラスの板厚が薄いと半導体ウエハ側の厚み制限が緩和され自由度が増えるため厚み上限はほぼ1.1mmが好ましい。また薄くなればなるほど最大曲げ角度は大きくなるが、0.3mm以下ではウエハ支持ガラスとして剛性を保つことができず半導体ウエハを安定的に支持できなかった。したがってウエハ支持ガラスの厚みは、0.3mm以上1.1mm以下であることが望ましい。また、圧縮応力層が15μm以下であると所定角度以上にウエハ支持ガラスを曲げることができず、逆に220μm以上であるとウエハ支持ガラス自体にソリやうねりが発生しやすくなる。
第7の観点によるウエハ支持ガラスは、第1面、第2面及び周縁部を有し、周縁部は面取り部又は第1面と第2面とを結ぶ曲面が形成されている。
面取処理又は曲面処理を施しておかないと、化学強化処理を行う際にウエハ支持ガラスが破損するおそれがある。また、周縁部に面取りがされていないとウエハ支持ガラスの搬送時などで周縁部にキズが入りやすくなる。このキズはウエハ支持ガラスを曲げた際にクラックとして大きく伝播して行くので周縁部は面取り部又は曲面を形成している。
第8の観点によるウエハ支持ガラスの周縁部は、算術平均粗さが440nm以下である。
周縁部の算術平均粗さRaが440nmよりも大きいと、最大曲げ角度を小さくしてしまうような大きなキズなどが周縁部に存在することがある。このキズが存在するとウエハ支持ガラスを曲げた際にクラックが生じやすくなる。このため、算術平均粗さRaが440nm以下になるように研削加工又は研磨加工を施す。
第9の観点において、半導体ウエハは所定直径を有する円形であり、ウエハ支持ガラスは所定直径よりも一回り大きい直径を有している円形である。
ウエハ支持ガラスが半導体ウエハの所定直径よりも一回り大きい直径を有している円形であると、半導体ウエハ搬送時などに半導体ウエハが何かと衝突する前にウエハ支持ガラスがそのものに衝突する。このため、半導体ウエハ支持ガラスが破損することがあっても半導体ウエハを破損することがない。
本発明のウエハ支持ガラスは、半導体ウエハを接着して支持するとともに半導体ウエハから剥離できるように可撓性を備えている。
以下、図面を参照しながら本実施形態を説明するが、以下の図面に描かれている各部材の縮尺は理解を助けるため実際の縮尺とは異なっている。
<ガラスプレートの接着と剥離>
図1は、半導体回路が形成された半導体ウエハSWにウエハ支持ガラスとしてのガラスプレートGPを貼り付けてからガラスプレートGPを剥離するまでのフローチャートである。図2Aから図2Cは、フローチャートの各工程を示した断面図である。本実施形態では、半導体ウエハSWには、シリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge)又はガリウム砒素(GaAs)などを結晶化されたウエハに対して適用できる。
ステップS11では、真空チャンバ内において両面接着フィルムADの片面を半導体ウエハSWの表面に貼り付ける。そして、両面接着フィルムADの他面にガラスプレートGPの第1面を接着する。図2A(a)は半導体ウエハSWとガラスプレートGPとを接着・固定した状態である。真空チャンバ内で接着処理するため、両面接着フィルムADと半導体ウエハSW又はガラスプレートGPとの間に空気が入ることがない。詳細は例えばWO2002/056352に開示されている。なお、両面接着フィルムADは、ベースシートの一方の面に紫外線照射により粘着性が低下する粘着剤を有し他方の面に弱粘着性の粘着剤を有する三層構造とされている。両面接着フィルムADの代わりに液状樹脂を塗布してもよい。
次に、ステップS12では、ガラスプレートGPを下にして研削装置(ダイヤモンドグラインダー)31により半導体ウエハSWの裏面を所定厚さまで研削する。図2A(b)は研削の工程を示している。最初の半導体ウエハSWの裏面位置を点線で示しており、その状態から研削された状態を示している。ICカード用の半導体ウエハSWであれば一般に100μm前後まで削られるが、三次元実装用の半導体ウエハSWであれば一般に50μm前後まで研削される。裏面研削により薄型化される半導体ウエハSWは、高精度に均一な厚さ分布が求められる。この点、プラスチック製のウエハ支持部材と比べ、ガラスプレートGP自体は研削や研磨により均一な厚さに加工できるため、半導体ウエハSWの厚さを高精度に研削することが可能となる。図2B(c)は研磨された半導体ウエハSWの断面図である。
ステップS13では、ガラスプレートGPを両面接着フィルムADから剥離し易いように、ガラスプレートGPを介して紫外線を両面接着フィルムADに照射する。その後、ガラスプレートGPの第2面にガラス用剥離テープDTを接着する。可撓性のガラス用剥離テープDTはステップS14でガラスプレートGPを剥離する際の保護用のフィルムである。図2B(d)はガラス用剥離テープDTが接着されたガラスプレートGPを示した図である。
ステップS14では、半導体ウエハSWを平板の真空チャック35に取り付け、真空引きすることで半導体ウエハSWが真空チャック35に固定される。また真空チャックにはガラスプレートGPを剥離する剥離装置(不図示)が取り付けられている。図2B(e)は半導体ウエハSWが真空チャック35に装着された状態を示す断面図である。真空チャック35の変わりに静電チャックを用いても良い。
ステップS15では、剥離装置は、ガラス用剥離テープDTを一端から持ち上げることによりガラスプレートGPの一端を持ち上げる。紫外線を照射して両面接着フィルムADの接着力は低下し剥離し易い状態になっているが、小さい力でガラスプレートGPを剥離するため一端からめくるようにして持ち上げる。小さい力でガラスプレートGPが剥離できるということは、半導体ウエハSWにも小さい力しか及ばず、半導体ウエハSWの表面に形成された半導体回路に物理的変形をほとんど生じさせない。
図2C(f)はガラスプレートGPの一端から剥離されて行く途中の状態を示した図である。多数の実験より、半導体ウエハSWからガラスプレートGPを剥離するためには、ガラスプレートGPの曲げの最大角度(一番大きく曲がっている箇所の接線と水平面との角度)が30°以上となるガラスであれば小さい力でガラスプレートGPを剥離できることがわかった。曲げの最大角度が30°に満たないガラスプレートGPでは、剥離できない又は半導体ウエハSWの半導体回路が破損するなどの支障が生じる。
ステップS16では、両面接着フィルムADを半導体ウエハSWの表面から剥離する。図2C(g)は両面接着フィルムADを半導体ウエハSWから剥離する状態である。
ステップS17において、真空チャック35の真空引きを開放して真空チャック35から半導体ウエハSWを取り外す。その後半導体ウエハSWは、ダイシング工程などに搬送される。
<実施形態1:化学強化されたガラスプレートGP>
上述したように、ガラスプレートGPは30°以上曲がることで半導体ウエハSWの半導体回路を破損することなく、両面接着フィルムADを有する半導体ウエハSWからガラスプレートGPを剥離することができる。すなわち、30°以上曲がっても割れないガラスプレートGPを用意しなければならない。以下にこの条件を満たす化学強化されたガラスプレートGPについて説明する。
<<ガラス基材>>
ガラス基材は3種類用意した。それぞれをガラスNo.1、ガラスNo.2、ガラスNo.3と名付け、それぞれの組成は表1に示した。使用した原料は、酸化物、炭酸塩、硝酸塩及び水酸化物等を用いた。
(表1)
ガラス溶解して徐冷した後において上記ガラス組成になるように、各原料を秤量する。そして、得られた原料混合物の約3.6kgを1.5リットルの白金坩堝に入れて1500〜1600°Cで5〜8時間加熱してガラス融液とし、撹拌して脱泡及び均質化を行う。
その後加熱した鉄板上にガラス融液を流し出した。同じく加熱したもう1つの鉄板を用いて、流れ出たガラス融液の上からすぐにプレスした。プレスされることにより、外径約210mmで厚さ約3mmに成形されたガラス基材を得ることができる。
ガラスNo.1及びガラスNo.2に含まれるLiOは、ガラス表層部でイオン交換処理浴中の主としてNaイオンとイオン交換されることにより、ガラスを化学強化するための成分である。4%未満ではこのイオン交換性能が低下し、10%を超えると耐失透性と化学的耐久性とがともに悪化する。このためLiOの割合は、4〜10%に限定される。特に好ましくは4〜7%である。なお、図1のステップS13で説明したように、両面接着フィルムADに紫外線を照射する必要があるためガラスプレートGPは紫外線透過性が必要である。
NaOは、ガラス表層部でイオン交換処理浴中の主としてKイオンとイオン交換されることにより、ガラスを化学強化するための必須成分である。6%未満では耐失透性が悪化するとともに化学強化層が浅くなり、熔解時の粘性が上昇するので熔解性が低下する。15%を超えると化学的耐久性が劣化するととともにヌープ硬さが小さくなる。このためNaOの割合は、6〜14%に限定される。特に好ましくは9〜14%である。
LiOを含むガラス基材は容易に厚い圧縮応力層を得ることができるため、化学強化処理時間も短い時間で済む。また、厚い圧縮応力層を持っているので、化学強化処理後でも研磨工程に入れることができるしキズにも強い。一方、LiOを含まないガラスNo.3のガラス基材は素材単価が安価である。しかし、適量の圧縮応力層を得るにはガラスNo.1又はガラスNo.2と比較して化学強化処理時間を長く取らなければならない。
<<ガラスプレートGPの端面(周縁部)>>
図3(a)は、ガラスプレートGPを示した斜視図であり、(b)及び(c)はそのガラスプレートGPの端面(周縁部)の拡大図である。
プレスされたガラス基材は、外径約210mmで厚さ約3mmである。このガラス基材を加工して、外径Lが201mmで厚さDDが0.5mm又は1.0mmのガラス形状加工物を得る。加工は、まず、外形Lを204mm程度に削る外形加工を行う。そして、ガラス形状加工物の端面PEの研削加工と上下面GP1及びGP2の研削加工を行う。さらに、上下面GP1及びGP2の研磨加工が含まれる。端面PEの研磨加工は必要に応じて行う。
図3(b)及び(c)に示すように端面は、面取処理又は曲面処理のいずれかの処理を施す。面取処理又は曲面処理を施しておかないと、前述した化学強化処理を行う際にガラスプレートGPが破損するおそれがある。
また、周縁部に面取りがされていないとガラスプレートGPの搬送時などで周縁部にキズが入りやすくなる。このキズはガラスプレートGPを曲げた際にクラックとして大きく伝播して行くので周縁部は面取り部CF又は曲面CCを形成している。
<<ガラス基材に対して施した処理>>
イオン交換法によるガラスの強化は高温でガラス中のアルカリイオンを溶融塩の他のアルカリイオンと交換しガラス表面に圧縮応力層を形成させる方法である。本実施形態においてガラスプレートGPは以下に説明するように、3種類のガラス基材に対して異なる処理を施すことで9種類のガラスプレートGPを製作した。
[実施例1のガラスプレートGP]
実施例1のガラスプレートGPは、まずガラスNo.1のガラス基材を徐冷した後、外形加工、端面研削加工、上下面研削加工、端面研磨加工、及び上下面研磨加工を施し、外径201mm、板厚み0.5mmのガラス形状加工物を形成して製造される。そして、ガラス形状加工物は380°Cに保ったKNO(硝酸カリウム):NaNO(硝酸ナトリウム)=60%:40%の混塩の処理浴中に3時間浸漬させられる。これにより、ガラス形状加工物の表面部は、Liイオン及びNaイオンと処理浴中のNaイオン及びKイオンとがそれぞれイオン交換させられ、ガラス形状加工物の表面部が化学強化させた実施例1のガラスプレートGPが完成する。
[実施例2のガラスプレートGP]
実施例1と同様に、実施例2のガラスプレートGPは、ガラスNo.1のガラス基材を徐冷した後、外形加工、端面研削加工、上下面研削加工、端面研磨加工、及び上下面研磨加工を施し、外径201mm、板厚み0.5mmのガラス形状加工物を形成して製造される。そして、ガラス形状加工物は380°Cに保ったKNO:NaNO=60%:40%の混塩の処理浴中に42時間浸漬させられる。つまり、実施例1と比較して浸漬時間を長くしてイオン交換をできるだけ多く施した実施例2のガラスプレートGPが完成する。
[実施例3のガラスプレートGP]
実施例3のガラスプレートGPは、ガラスNo.1のガラス基材を徐冷した後、外形加工、端面研削加工、上下面研削加工、端面研磨加工、及び上下面研磨加工を施し、外径201mm、板厚み1.0mmのガラス形状加工物を形成して製造される。ガラス形状加工物のイオン交換は実施例1と同じ処理が施される。つまり、実施例3のガラスプレートGPは板厚み1.0mmである点で実施例1のガラスプレートGPと異なる。
[実施例4のガラスプレートGP]
実施例4のガラスプレートGPは、ガラスNo.2のガラス基材を徐冷した後、外形加工、端面研削加工(600番仕上げ)、上下面研削加工、上下面研磨加工を施し、外径201mm、板厚み0.5mmのガラス形状加工物を形成して製造される。そして、ガラス形状加工物は380°Cに保ったKNO:NaNO=60%:40%の混塩の処理浴中に3時間浸漬させられる。これにより、ガラス形状加工物の表面部は、Liイオン及びNaイオンと処理浴中のNaイオン及びKイオンとがそれぞれイオン交換させられ、ガラス形状加工物の表面部が化学強化させた実施例4のガラスプレートGPが完成する。
[実施例5のガラスプレートGP]
実施例5のガラスプレートGPは、ガラスNo.2のガラス基材を徐冷した後、外形加工、端面研削加工(600番仕上げ)、上下面研削加工、上下面研磨加工を施し、外径201mm、板厚み0.5mmのガラス形状加工物を形成して製造される。そして、ガラス形状加工物は360°Cに保ったKNO:NaNO=60%:40%の混塩の処理浴中に3時間浸漬される。実施例4のガラス形状加工物と比べて、実施例5のガラス形状加工物は処理浴中の温度が低くイオン交換の反応が遅くなるようにしている。したがって、イオン交換の少ない実施例5のガラスプレートGPが完成する。
[実施例6のガラスプレートGP]
実施例6のガラスプレートGPは、ガラスNo.2のガラス基材を徐冷した後、外形加工、端面研削加工(600番仕上げ)、上下面研削加工、上下面研磨加工を施し、外径201mm、板厚み0.5mmのガラス形状加工物を形成して製造される。そして、ガラス形状加工物は400°Cに保ったKNO:NaNO=60%:40%の混塩の処理浴中に15時間浸漬される。実施例4のガラス形状加工物と比べて、実施例6のガラス形状加工物は処理浴中の温度が高く浸漬時間も長くしておりイオン交換の反応が多くなるようにしている。したがって、イオン交換の多い実施例6のガラスプレートGPが完成する。
[実施例7のガラスプレートGP]
実施例7のガラスプレートGPは、まずガラスNo.3のガラス基材を徐冷した後、外形加工、端面研削加工(600番仕上げ)、上下面研削加工、及び上下面研磨加工を施し、外径201mm、板厚み0.5mmのガラス形状加工物を形成して製造される。そして、ガラス形状加工物は430°Cに保ったKNO=100%の処理浴中に20時間浸漬させられる。これにより、ガラス形状加工物の表面部は、Naイオンと処理浴中のKイオンとがそれぞれイオン交換させられ、ガラス形状加工物の表面部が化学強化させた実施例7のガラスプレートGPが完成する。
[実施例8のガラスプレートGP]
実施例8のガラスプレートGPは、まずガラスNo.3のガラス基材を徐冷した後、外形加工、端面研削加工(600番仕上げ)、上下面研削加工、及び上下面研磨加工を施し、外径201mm、板厚み0.5mmのガラス形状加工物を形成して製造される。そして、ガラス形状加工物は430°Cに保ったKNO=100%の処理浴中に15時間浸漬させられる。つまり、実施例7と比較して浸漬時間を短くしてイオン交換を少なくした実施例8のガラスプレートGPが完成する。
[実施例9のガラスプレートGP]
実施例9のガラスプレートGPは、まずガラスNo.3のガラス基材を徐冷した後、外形加工、端面研削加工、上下面研削加工、端面研磨加工、及び上下面研磨加工を施し、外径201mm、板厚み0.5mmのガラス形状加工物を形成して製造される。その後は、実施例7のイオン交換と同じである。つまり、実施例9のガラスプレートGPは端面が研磨加工されているか端面研削加工(600番仕上げ)で終わっているかの点で実施例7のガラスプレートGPと異なる。
さて、下記は実施例1から実施例9と比較した比較例であり、比較例として5種類の例を示す。
[比較例1のガラスプレートGP]
比較例1のガラスプレートGPは、まずガラスNo.1のガラス基材を徐冷した後、外形加工、端面研削加工、上下面研削加工、端面研磨加工、及び上下面研磨加工を施し、外径201mm、板厚み0.5mmのガラス形状加工物を形成して製造される。しかし化学強化処理はガラス形状加工物に対して一切行っていない。この点で実施例1のガラスプレートGPと異なる。
[比較例2のガラスプレートGP]
比較例2のガラスプレートGPは、ガラスNo.1のガラス基材を徐冷した後、外形加工、端面研削加工、上下面研削加工、端面研磨加工、及び上下面研磨加工を施し、外径201mm、板厚み1.0mmのガラス形状加工物を形成して製造される。化学強化処理はガラス形状加工物に対して一切行っていない。この点で実施例3のガラスプレートGPと異なる。
[比較例3のガラスプレートGP]
比較例3のガラスプレートGPは、ガラスNo.1のガラス基材を徐冷した後、外形加工、端面研削加工(400番仕上げ)、上下面研削加工、及び上下面研磨加工を施し、外径201mm、板厚み1.0mmのガラス形状加工物を形成して製造される。そして、ガラス形状加工物は380°Cに保ったKNO:NaNO=60%:40%の混塩の処理浴中に3時間浸漬させられる。実施例1のガラスプレートGPでは端面研磨加工が行われたが、比較例3のガラスプレートGPは端面研削加工(400番仕上げ)であり端面が粗くなっている。この点で比較例3のガラスプレートGPは実施例1のガラスプレートGPと異なる。
[比較例4のガラスプレートGP]
比較例4のガラスプレートGPは、ガラスNo.3のガラス基材を徐冷した後、外形加工、端面研削加工(600番仕上げ)、上下面研削加工及び上下面研磨加工を施し、外径201mm、板厚み0.5mmのガラス形状加工物を形成して製造される。そして、ガラス形状加工物は390°Cに保ったKNO=100%の処理浴中に3時間浸漬させられる。比較例4のガラスプレートGPは、実施例7又は実施例8のガラスプレートGPと比較して処理浴中の温度が低く浸漬時間が短い点で異なっている。
[比較例5のガラスプレートGP]
比較例5のガラスプレートGPは、ガラスNo.3のガラス基材を徐冷した後、外形加工、端面研削加工(600番仕上げ)、上下面研削加工及び上下面研磨加工を施し、外径201mm、板厚み0.5mmのガラス形状加工物を形成して製造される。化学強化処理はガラス形状加工物に対して一切行っていない。この点で実施例7又は実施例8のガラスプレートGPと異なる。
以上を整理した表2を以下に示す。
(表2)
<<ガラスプレートGPの圧縮応力層と最大曲げ角度>
実施例1ないし実施例9のガラスプレートGP並びに比較例1ないし比較例5のガラスプレートGPについて圧縮応力層の厚みと最大曲げ角度とを測定した。各実施例又は各比較例とも3枚から4枚のガラスプレートGPに対して測定を行い、その平均値は以下の通りである。なお、圧縮応力層の厚み及び最大曲げ角度の測定方法は後述する。
[実施例1のガラスプレートGP]
実施例1のガラスプレートGPは、圧縮応力層の厚みが約100μmであり、最大曲げ角度は平均53°であった。なお、測定した4枚のガラスプレートGPの内、最大の最大曲げ角度は62°であり、30°以下になるものは無かった。
[実施例2のガラスプレートGP]
実施例2のガラスプレートGPは、圧縮応力層の厚みが約120μmであり、最大曲げ角度は平均55°であった。なお、測定したガラスプレートGPの内、最大曲げ角度が30°以下になるものは無かった。
[実施例3のガラスプレートGP]
実施例3のガラスプレートGPは、圧縮応力層の厚みが約100μmであり、最大曲げ角度は平均32°であった。なお、測定したガラスプレートGPの内、最大曲げ角度が30°以下になるものは無かった。
[実施例4のガラスプレートGP]
実施例4のガラスプレートGPは、圧縮応力層の厚みが約130μmであり、最大曲げ角度は平均48°であった。なお、測定したガラスプレートGPの内、最大曲げ角度が30°以下になるものは無かった。
[実施例5のガラスプレートGP]
実施例5のガラスプレートGPは、圧縮応力層の厚みが約100μmであり、最大曲げ角度は平均54°であった。なお、測定したガラスプレートGPの内、最大曲げ角度が30°以下になるものは無かった。
[実施例6のガラスプレートGP]
実施例6のガラスプレートGPは、圧縮応力層の厚みが約220μmであり、最大曲げ角度は平均32°であった。なお、測定したガラスプレートGPの内、最大曲げ角度が30°以下になるものは無かった。
[実施例7のガラスプレートGP]
実施例7のガラスプレートGPは、圧縮応力層の厚みが約25μmであり、最大曲げ角度は平均50°であった。なお、測定したガラスプレートGPの内、最大曲げ角度が30°以下になるものは無かった)。
[実施例8のガラスプレートGP]
実施例8のガラスプレートGPは、圧圧縮応力層の厚みが約20μmであり、最大曲げ角度は平均47°であった。なお、測定したガラスプレートGPの内、最大曲げ角度が30°以下になるものは無かった。
[実施例9のガラスプレートGP]
実施例9のガラスプレートGPは、圧縮応力層の厚みが約24μmであり、最大曲げ角度は平均52°であった。なお、測定したガラスプレートGPの内、最大曲げ角度が30°以下になるものは無かった。
[比較例1のガラスプレートGP]
比較例1のガラスプレートGPは、圧縮応力層の厚みがなく、最大曲げ角度は平均18°であった。なお、測定したガラスプレートGPの内、最大曲げ角度が30°より大きな値になるものは無かった。
[比較例2のガラスプレートGP]
比較例2のガラスプレートGPは、圧縮応力層の厚みがなく、最大曲げ角度は平均13°であった。なお、測定したガラスプレートGPの内、最大曲げ角度が30°より大きな値になるものは無かった。
[比較例3のガラスプレートGP]
比較例3のガラスプレートGPは、圧縮応力層の厚みが約100μmであり、最大曲げ角度は平均15°であった。なお、測定したガラスプレートGPの内、最大曲げ角度が30°より大きな値になるものは無かった。
[比較例4のガラスプレートGP]
比較例4のガラスプレートGPは、圧縮応力層の厚みが約10μmであり、最大曲げ角度は平均25°であった。なお、4枚のガラスプレートGPの最大曲げ角度のバラツキが大きく、29°から18°までの範囲であった。
[比較例5のガラスプレートGP]
比較例5のガラスプレートGPは、圧縮応力層の厚みがなく、最大曲げ角度は平均20°であった。測定したガラスプレートGPの内、最大曲げ角度が30°より大きな値になるものは無かった。
以上の結果を表3に示す。
(表3)
<実施例1〜9のガラスプレートGPと比較例1〜5のガラスプレートGPとの考察>
<<ガラスプレートGPの最大曲げ角度>>
図1のステップS15で説明したように、最大曲げ角度が30°以上であれば、半導体ウエハSWからガラスプレートGPを剥離して分離させる際に、大きな力がかかることなく半導体回路を破損してしまうことがなかった。
実施例3のガラスプレートGPと比較例1及び比較例5のガラスプレートGPとを使って、半導体ウエハSWからガラスプレートGPを剥離する実験を行った。実施例3のガラスプレートGPは最大曲げ角度32°であり、比較例1及び比較例5のガラスプレートGPはそれぞれ最大曲げ角度18°及び20°である。半導体ウエハSWからガラスプレートGPを剥離する実験において、実施例3のガラスプレートGPは、小さな力で剥離することができ半導体回路も破損しなかった。一方、比較例1及び比較例5のガラスプレートGPは、剥離する前にガラスプレートGPが割れてしまったり、半導体ウエハSWに大きな力が加わり半導体ウエハSWに形成された半導体回路に破損が生じたりした。このことからも、ガラスプレートGPには最大曲げ角度が30°以上必要であることが理解される。ガラスプレートGPの最大曲げ角度が30°より小さいと、可撓性が低いためにガラスプレートGPと半導体ウエハSWとの間の面全体に吸着力が働き、大きな力がかかってしまって分離できなかったりするものと理解できる。
また、実施例2のガラスプレートGPは最大曲げ角度55°であり、この実施例2のガラスプレートGPでも半導体ウエハSWの半導体回路を破損することなく、ガラスプレートGPを剥離することができた。最大曲げ角度がより大きくなればなるほど、より小さい力で曲がり剥離し易い。このため、実施例で示した以上にイオン交換時間を長くしてより大きな曲げ角度を有するガラスプレートGPであっても、半導体ウエハSWを支持するガラスプレートGPとして適している。
<<ガラスプレートGPのイオン交換>>
実施例1のガラスプレートGPと比較例1のガラスプレートGPとは、同じガラス基材でさらに同じ形状で同じ端面処理を施しており、異なる点は実施例1のガラスプレートGPがイオン交換による化学強化処理が施されているのに対して、比較例1のガラスプレートGPがイオン交換による化学強化処理が施されていないところである。最大曲げ角度は、実施例1のガラスプレートGPが53°もあるのに対し、比較例1のガラスプレートGPは18°しかない。同様に、実施例3のガラスプレートGPと比較例2のガラスプレートGPとにおいては、それぞれの最大曲げ角度が32°と13°とであった。また同様に、実施例7のガラスプレートGPと比較例5のガラスプレートGPとにおいては、それぞれの最大曲げ角度が50°と20°とであった。つまり、イオン交換による化学強化処理を行うと、最大曲げ角度30°以上を容易に確保できる。
<<ガラスプレートGPの端面の面荒さ>>
実施例1ないし実施例9及び比較例1ないし比較例5のガラスプレートGPは、厚さが0.5mm又は1.0mmで薄く、曲面であるため、端面の面粗さを容易に測定できない。そこで、ガラスNo.1、ガラスNo.2及びガラスNo.3、それぞれに対して、外径20mmで、厚さが1.0mmの上下面を研削処理品又は研磨処理品を作製し、その平面部である上下面の算術平均粗さRaを測定し、端面の面粗さの代用結果を得た。ガラスNo.1、ガラスNo.2及びガラスNo.3の種類の違いによる差異は見受けられなかった。
400番仕上げ研削処理品 :Ra=470〜630 nm
600番仕上げ研削処理品 :Ra=350〜440 nm
研磨処理品(光学研磨レベル) :Ra=1.0〜1.6 nm
なお、上記測定において測定装置は、Veeco社製の接触式粗さ計(型式:Dektak 6M)を用いた。算術平均粗さRa(nm)を用いて評価した。
実施例1のガラスプレートGPと比較例3のガラスプレートGPとは、同じガラス基材でさらに同じ形状で同じ化学強化処理を施しており、異なる点は実施例1のガラスプレートGPの端面が研磨処理であるのに対して比較例3のガラスプレートGPの端面が400番仕上げの研削処理であるところである。最大曲げ角度は、実施例1のガラスプレートGPが53°もあるのに対し比較例3のガラスプレートGPは15°しかない。比較例3の割れ方から判断すると、端面に残存する小さなキズなどから、曲げることでクラックが大きく伝播して行きガラスプレートGPが割れたと言える。すなわち、端面にキズが無いようにすることによって30度以上に曲げことができるガラスプレートGPを制作することができる。
上記したように、ガラスNo.1、ガラスNo.2及びガラスNo.3の種類の違いによる算術平均粗さRaは見受けられなかった。このため、実施例4ないし実施例8において端面を600番仕上げで研削処理したガラスプレートGPが30度以上曲がることから、600番仕上げの研削処理を行えばよいことが理解される。つまり、算術平均粗さRaが440nm以下であればガラスプレートGPが30度以上曲がることになる。
<<ガラスプレートGPの圧縮応力層厚み>>
実施例7及び実施例8と比較例4とは形状及びガラスプレートGP厚が同じで、端面が600番仕上げの研削処理である点で同じである。しかし、比較例4はイオン交換による化学強化処理の条件の融液温度が低く融液浸漬時間も短い点で実施例7及び実施例8と異なっている。比較例4のガラスプレートGPの圧縮応力層厚みは10μmであって、その時の最大曲げ角度は平均25°であった。比較例4のガラスプレートGPの複数枚の実験結果のバラツキも非常に大きく最低は18°のものもあった。半導体ウエハSWに粘着したガラスプレートGPを剥離させる際に、半導体回路が破損するなどの問題が起きないとする最大曲げ角度30°を確保することができなかった。これは、圧縮応力層厚みが10μmしかなかったために起きたと考えられる。また、比較例4の最大曲げ角度バラツキが大きい理由として、圧縮応力層厚みが10μmと小さい時には、少しの圧縮応力層厚みの数μmのバラツキの比率が、最大曲げ角度の大きなバラツキとして現れたと考えられる。
また化学強化処理を行っていない比較例1、比較例2及び比較例5は最大曲げ角度が20°以下である。したがって、半導体ウエハSWを支持するガラスプレートGPは、最低15μm以上の圧縮応力層厚みが必要であると言える。好ましくは、実施例8のガラスプレートGPのように圧縮応力層厚みが20μm以上あれば良いと言える。
次に、実施例6は、実施例4及び実施例5に比べ、イオン交換処理を除き同一条件で、イオン交換による化学強化処理の条件は融液温度が400℃と高く融液浸漬時間が15時間と長い。そのため実施例6の圧縮応力層厚みの実測値は220μmと非常に厚い値となった。しかし、最大曲げ角度は32°と、辛くも半導体ウエハSWに粘着したガラスプレートGPを剥離させる際に、半導体回路などが破損するなどの問題が起きないとする最大曲げ角度30°を確保することができた。圧縮応力層厚みの実測値が220μmより大きな圧縮応力層の厚みを持った時には、形状自体にソリやうねりが発生しやすくなる。ソリやうねりがあるとウエハ支持ガラスとしての機能は発揮できず使用できない。したがって、圧縮応力層厚みが220μm以下でなければならないと言える。好ましくは圧縮応力層厚みが160μm以下あれば良いと言える。
<<ガラスプレートGPの厚み>>
実施例1と実施例3は、ガラス基材、形状、端面処理及びイオン交換処理がすべて同じであり、実施例1のガラスプレートGPの板厚が0.5mmで、実施例3のガラスプレートGPの板厚が1.0mmである点で異なる。ぞれぞれの最大曲げ角度は53°、32°であった。ガラス板厚を薄くすればするほど最大曲げ角度は大きくなり、ガラス板厚を厚くすればするほど最大曲げ角度は小さくなると推定できる。上述したように最大曲げ角度は30°を確保したいため、補外計算からガラスプレートGPの板厚は、最大1.1mmであると予測できる。
また、ガラスプレートGPはできる限り薄い方がよい。なぜなら、ガラスプレートGPで支持された半導体ウエハSW(厚さ30μmから50μm)も、ガラスプレートGPの要らない半導体ウエハSW(厚さ50μm以上)も、半導体製造装置上では同じ条件で処理されることになる。ガラスプレートGPができる限り薄いと半導体ウエハSW側の厚み制限が緩和され自由度が増えるからである。その意味での厚み上限もほぼ1.1mmに相当する。
ガラスプレートGPは薄くなれば薄くなるほど最大曲げ角度が大きくなると予測できる。ただし、0.3mm以下では、ウエハ支持ガラスとして剛性を保つことができず半導体ウエハを安定的に支持できなかった。したがってガラス板の厚みは、0.3mm以上1.1mm以下であることが望ましく、0.5mm以上1.0mm以下であればさらに望ましい。
0.3mm厚のガラスプレートGPが水平方向に支持された際にでもこのガラスプレートGPが自重で曲がることはない。50μm厚さの半導体ウエハSWはたわんでしまうが、この半導体ウエハSWを0.3mm厚のガラスプレートGPに接着した場合であっても、0.3mm厚のガラスプレートGPは50μm厚さの半導体ウエハSWを水平に支持することができる。
なお、特開2005−057046号公報又は特開2006−156633号公報などで使用されるガラスプレートGPの厚みは0.625mm、0.725mm、0.825mm、1.000mmの4種である。そのため、本実施例1などの厚さ0.5mmのガラスプレートGPを使用すれば、可撓性以外に、軽量化、耐久性の向上、高硬度化による耐衝撃性の向上も図ることができる。
<<ガラスプレートGPの圧縮応力層の測定方法>>
図4は、ガラスプレートGPの圧縮応力層厚みの測定方法を示した図である。
圧縮応力層厚みの測定(その1)
化学強化による圧縮応力がガラスプレートGP内に存在すると、光弾性効果により圧縮応力部分は複屈折性を示す。直交させた偏光板の間にガラスプレートGPを載置させて、そのガラスプレートGPの向きを調整すると、暗視野中にくっきりと明るい領域が見えてくる。この明るい領域の幅を計測することで圧縮応力層厚みを測定することができる。圧縮応力層が比較的深く入った実施例1ないし実施例6及び比較例3(ガラスNo.1又はガラスNo.2)については、本方法で圧縮応力層厚みを測定した。圧縮応力層が比較的浅く入った実施例7ないし実施例9及び比較例4(ガラスNo.3)は、明るい領域が薄すぎて厚みを正しく計測できなかった。
図4(a)に示した外径201mmのガラスプレートGPは、まず、幅2mmのライン42A及びライン42Bに沿ってダイヤモンドカッターで切断した。その後、切断した帯状ガラス片の中央部付近を幅20mmでライン43A及びライン43Bに沿って、同じくダイヤモンドカッターで切断した。切り出したガラス片はライン42A及びライン42Bに沿って切断した切断面を研削研磨した。ガラス片はその研磨後厚み約0.3mmに仕上げ上下面が研磨面の研磨ガラス片44へと変身させた。
図4(b)に示した透明なスライドガラス47の上に、研磨ガラス片44の一方の研磨面を接触させ、ホットメルト接着剤で固定した。余分なホットメルト接着剤を取り除いた後は、ガラス片44の研磨面全体がスライドガラス47を通し透明で光透過することを確認した。ガラス片44の面45Bは図4(a)でのライン43Bに沿って切断した切断面であり、面45Aはライン43Aに沿って切断した切断面である。面49は図4(a)に示したガラスプレートGPの上面に相当し、面48はガラスプレートGPの下面に相当する。
図4(c)に示したそれぞれ偏光面を直交させた偏光板51Aと偏光板51Bの間に、研磨ガラス片44を接着したスライドガラス47が挿入される。そして偏光板51Bの下部に配置された光源53が白色光を照射する。研磨ガラス片44を接着したスライドガラス47は、偏光板51Aの上部の方向から観察される。観察された研磨ガラス片44の結果概略を図4(d)に示す。直交させた偏光板51A及び51Bを通して上部の方向から観察すると、圧縮応力層が存在しないガラス片では真っ暗で何も見えない。しかし、イオン交換による化学強化処理を施し圧縮応力層が存在すると明るく観察できる。研磨ガラス片44は、面48及び面49に沿って明るく透過した領域44T1及び領域44T2が観察できるので、これら領域44T1及び領域44T2は圧縮応力層である。また中心領域44T3も少し明るく観察できた。この領域中心領域44T3は引っ張り応力が発生している領域である。また、不透過領域44B1及び領域44B2は真っ暗な線として存在した。この領域はちょうど圧縮応力と引っ張り応力が打ち消しあって、応力の発生が抑えられた場所で、直交偏光板の間では真っ暗な領域として観察できる。
測長機能を付属させた顕微鏡55を使って、明るい部分の厚みをミクロン単位で計測することで、圧縮応力層の深さを測定することができる。面48及び面49はガラスプレートGPの上下面に相当し、硝酸塩融液によるイオン交換の最前面でもある。面48及び面49から、不透過領域44B1及び領域44B2までの厚みDEをミクロン単位で計測した。但し、実施例6は、圧縮応力層の厚みが厚いため圧縮応力と引っ張り応力が打ち消しあった不透過領域44B1及び領域44B2とのコントラストが低く正確に測定することができなかった。そのため、以下の測定方法で測定した。
圧縮応力層厚みの測定(その2)
実施例6はイオン交換が起こっている厚みを測定した。本法は圧縮応力層厚みの測定(その1)で作製した研磨ガラス片44を用いて、EPMA(Electron Probe Micro-Analysis:電子線マイクロアナリシス)によるナトリウム(Na)の線分析(線上の元素分析)を行った。EPMAとは、試料表面に約1μmに絞った電子線を照射して、試料と電子線の相互作用により発生する特性X線を検出する分析である。EPMAを用いたナトリウム(Na)の線分析とは、研磨ガラス片44の面48又は面49から、ガラス内側に向かって線上の元素分布分析をすることである。ガラス内側に向かった線上の距離と、検出したナトリウムの濃度分布から、イオン交換が起こっていない領域とリチウムとイオン交換が起こりナトリウムの濃度が増している領域との変曲点が特定できる。面48及び面49からその変曲点の位置まで距離を圧縮応力層とした。本方法による実施例6の圧縮応力層の厚みは220μmであった。
圧縮応力層厚みの測定(その3)
ガラスのような透明物体を直線偏光光が通過するとき、その物体に生じている力(本実施例では圧縮応力)によって光が影響を受ける。この影響を測定することで物体の内部に働く力を解析することできる。本法は光弾性解析法と呼ばれておりJIS規格(R−3222)として一般化されており表面応力計として市販されている。圧縮応力層が比較的浅く入った実施例7ないし実施例9及び比較例4(ガラスNo.3)は、光弾性解析法を使って圧縮応力層の厚みを測定した。図4(a)に示すガラスプレートGPをそのまま用いた。なお、本方法を使って、圧縮応力層が比較的深く入った実施例1ないし実施例6及び比較例3(ガラスNo.1又はガラスNo.2)の計測を試みたが、解析に必要な像を検出することができず、計測自体ができなかった。
<<ガラスプレートGPの曲げ角度の測定方法>>
図5は、ガラスプレートGPの曲げ角度の測定方法を示した図である。図5(a)において、厚み25×幅200×奥行き250mmの木板や鉄板などの硬質板61Aの上に、厚み3mm×幅200×奥行き250のゴムシートやビニールシートなどの軟質シート62Aを貼り付けた。同じ大きさの軟質シート62Bを貼り付けた同じ大きさの硬質板61Bを用意し、28mm*250mmの側面を合わせてA地点を基点に折り曲げの動きができるようにA地点付近に蝶番を取り付けてある。軟質シート62A付き硬質板61Aは動かないように固定し、軟質シート62B付き硬質板61BはA地点で折り曲げることができる。
そして、厚み25×幅150×奥行き250mmの半円柱硬質板65は、奥行き250mmの半径12.5mmの半円柱に仕上げてある。この半円柱硬質板65に、厚み3mm×幅290×奥行き250の第2軟質シート66を図5に示すように貼り付けてある。
ガラスプレートGPの曲げ角度の測定の際には、各実施例及び各比較例のガラスプレートGPが、A地点がガラスプレートGPの円中心線と一致するように配置される。そして、ガラスプレートGPが動かないように上記の第2軟質シート66付き半円柱硬質板65がガラスプレートGP上に押し付けられる。半円柱硬質板65がガラスプレートGPを押し付ける位置は、第2軟質シート66の半円柱最外部とガラスプレートGPの円中心線とが一致する位置である。
次に、図5(b)に示すように軟質シート62B付き硬質板61Bが矢印67の方向に、A地点を支点としてゆっくり回転する。ガラスプレートGPは第2軟質シート66付き半円柱硬質板65の下部半円柱の円弧に沿って曲がる。矢印67の方向に回転する角度は、曲げ角度で約1゜/秒で行う。曲げ角度とは、軟質シート62Aの上面と軟質シート62Bの上面との角度69で表した。そして、最大曲げ角度とは、ガラスプレートGPが矢印67の方向へどんどん押し上げられて、ガラスプレートGPが割れてしまった時の角度とした。軟質シート62Aの上面と軟質シート62Bの上面との角度69は、分度器を使って1°単位で計測した。なお、ガラスプレートGPは、ビニール袋に入れて本測定を行う方と便利なことが分かった。なぜなら、ビニール袋が、ガラスがしなり曲げ割れた時の飛散防止の役目をしてくれるからである。更に、ガラスプレートGPの割れた状態がビニール袋内に保存されるので、割れた状態を詳しく観察できるからである。
<実施形態2:コーティング強化されたガラスプレートGP>
実施形態1では、化学強化されたガラスプレートGPを説明した。化学強化されたガラスプレートGP以外に、コーティング強化されたガラスプレートGPであっても最大30°以上曲がるガラスプレートGPを提供することができる。以下にこの条件を満たすコーティング強化されたガラスプレートGPについて説明する。
<ガラス基材>
コーティング強化されたガラスプレートGPに用いるガラス基材は上記実施形態1と同様のガラスNo.1、ガラスNo.2、ガラスNo.3を使用した。化学強化をする必要がないので、0.5mm厚又は1.0mm厚の低アルカリガラスもしくは無アルカリガラスであってもよい。実施形態1と同様に、0.3mm厚から1.1mm厚のガラス基材がウエハに接着して支持するガラス基材として好ましい。また、ガラス基材の端面処理は算術平均粗さRaが400nm以下に加工する。
<コーティング剤>
ガラス基材の可撓性を向上させるためのコーティング剤は、ポリエーテルサルホンを有し、このコーティング剤の溶媒が芳香族炭化水素、ハロゲン化炭化水素、エステル類、ケトン類、ニトリル類、スルホキシド類のいずれかを含む。溶媒は、ポリエーテルサルホンをコーティング剤中で安定なものとするために、芳香族炭化水素、ハロゲン化炭化水素、エステル類、ケトン類、ニトリル類、スルホキシド類のいずれかに属する化学種から2種以上選択する。
ガラス基材へコーティング剤を塗布する方法は、ディップコート、フローコート、スピンコート、ロールコート、スプレーコート、スクリーン印刷、フレキソ印刷等の方法によって行うことができる。コーティング剤をガラス基材に塗布した後、乾燥工程、250℃〜400℃の焼成工程を経てコーティング強化されたガラスプレートGPを得ることができる。
コーティング膜の膜厚は、2μm及至10μm、より好ましくは4μm及至8μmが好ましい。コーティング膜の膜厚が2μm未満では、ガラス基材の可撓性向上の効果が小さく、コーティング膜の膜厚を10μm超では、可撓性向上の効果は小さいからである。コーティング膜の形成は基材の片面又は両面であってもよいがガラス基材の端面にはコーティング膜が形成されていることが好ましい。曲げることによって生じるガラス基材の端面に存在しうる微小な亀裂の拡大が回避され、可撓性が増すからである。
本実施例では、200mm半導体ウエハSWを前提に説明してきたが、300mm半導体ウエハSW又は次世代の450mm半導体ウエハSWに対しても本発明のウエハ支持ガラスを適用できる。
また、本実施形態では紫外線照射により粘着性が低下する粘着剤を有する両面接着フィルムADを使用した例を挙げた。両面接着フィルムADには、100°Cから250°Cの加熱により接着層の粘着性が低下する粘着剤を有するものもある。ウエハ支持ガラスはプラスチック素材と異なり耐熱性にも優れている。この点プラスチック製のウエハ支持部材は耐熱温度が低いため、材質により約100℃以上では使用できないものもある。このため、加熱により接着層の粘着性を低下させる両面接着フィルムを使った半導体ウエハSWの研削等においても、本発明のウエハ支持ガラスを適用することができる。
また、ウエハ支持ガラスは、プラスチック製のウエハ支持部材とは異なり、ガラスとシリコンウエハの膨張係数は通常同じ範囲であるため、温度が変化した場合でも、膨張差による影響を受けにくく、プラスチック製のウエハ支持部材のように温度の変化に対して反りが発生するおそれがほとんどない。
半導体回路が形成された半導体ウエハSWにガラスプレートGPを貼り付けてからガラスプレートGPを剥離するまでのフローチャートである。 (a)は半導体ウエハSWとガラスプレートGPとを接着・固定した状態である。 (b)は研削の工程を示している。 (c)は研削された半導体ウエハSWの断面図である。 (d)はガラス用剥離テープDTが接着されたガラスプレートGPを示した図である。 (e)は半導体ウエハSWが真空チャックに装着された状態を示す断面図である。 (f)はガラスプレートGPの一端から剥離されて行く途中の状態を示した図である。 (g)は両面接着フィルムADを半導体ウエハSWから剥離する状態である。 (a)は、ガラスプレートGPを示した斜視図である。 (b)及び(c)はそのガラスプレートGPの端面(周縁部)の拡大図である。 ガラスプレートGPの圧縮応力層厚みの測定方法を示した図である。 ガラスプレートGPの曲げ角度の測定方法を示した図である。
符号の説明
AD … 両面接着フィルム
DE … 厚み
DD … 厚さ
DT … ガラス用剥離テープ
GP … ガラスプレート(GP1,GP2 … 上下面)
L … 外径
PE … 端面(周縁部)
SW … 半導体ウエハ
31 … 研削装置(ダイヤモンドグラインダー)
35 … 真空チャック
42A,42B,43A,43B … ライン
44 … 研磨ガラス片
44T1,44T2,44T3 … 領域
44B1,44B2 … 不透過領域
47 … スライドガラス
45A,45B,49,48 … 面
51A,51B … 偏光板
53 … 光源
61A,61B … 硬質板
62A,62B … 軟質シート
65 … 半円柱硬質板
66 … 第2軟質シート

Claims (9)

  1. 半導体ウエハに接着してこの半導体ウエハを支持するウエハ支持ガラスであって、
    前記半導体ウエハから前記ウエハ支持ガラスを剥離するため、所定角度以上曲がることを特徴とするウエハ支持ガラス。
  2. 前記所定角度は、最大曲げ角度で30度であることを特徴とする請求項1に記載のウエハ支持ガラス。
  3. 前記ウエハ支持ガラスは、化学強化処理による圧縮応力層を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のウエハ支持ガラス。
  4. 前記ウエハ支持ガラスは、Na2O又はLi2Oを含むことを特徴とする請求項3に記載のウエハ支持ガラス。
  5. 前記ウエハ支持ガラスは、コーティング処理によるコーティング層を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のウエハ支持ガラス。
  6. 前記ウエハ支持ガラスの板厚は0.3mm〜1.1mmであり、前記圧縮応力層の深さは15μm以上220μm以内であることを特徴とする請求項3ないし請求項5のいずれか一項に記載のウエハ支持ガラス。
  7. 前記ウエハ支持ガラスは、第1面、第2面及び周縁部を有し、
    前記周縁部は面取り部又は前記第1面と第2面とを結ぶ曲面が形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載のウエハ支持ガラス。
  8. 前記ウエハ支持ガラスの周縁部は、算術平均粗さが440nm以下であることを特徴とする請求項7に記載のウエハ支持ガラス。
  9. 前記半導体ウエハは所定直径を有する円形であり、前記ウエハ支持ガラスは前記所定直径よりも一回り大きい直径を有している円形であることを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載のウエハ支持ガラス。
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