JP2008305443A - パターンドメディアの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 多孔質層の細孔内への磁性体の充填を確実に行うことができる、パターンドメディアの製造方法を提供する。
【解決手段】 基板と、前記基板上にあり、前記基板面に対して略垂直な複数の細孔を有する多孔質層と、前記細孔内に充填された磁性体と、を有するパターンドメディアを製造する方法であって、前記磁性体を前記細孔内に充填する際に、磁性体含有粒子を含む超臨界流体または亜臨界流体を用い、前記超臨界流体または亜臨界流体を前記細孔内に流入させることで前記磁性体を前記細孔内に充填することを特徴とするパターンドメディア製造方法。また、上記製造方法により製造されたパターンドメディア。
【選択図】 図9
【解決手段】 基板と、前記基板上にあり、前記基板面に対して略垂直な複数の細孔を有する多孔質層と、前記細孔内に充填された磁性体と、を有するパターンドメディアを製造する方法であって、前記磁性体を前記細孔内に充填する際に、磁性体含有粒子を含む超臨界流体または亜臨界流体を用い、前記超臨界流体または亜臨界流体を前記細孔内に流入させることで前記磁性体を前記細孔内に充填することを特徴とするパターンドメディア製造方法。また、上記製造方法により製造されたパターンドメディア。
【選択図】 図9
Description
本発明は、超高密度磁気記録が可能な垂直磁気記録媒体であるパターンドメディアの製造方法に関する。
従来の垂直磁気記録媒体は主に、潤滑膜、保護膜、記録層、非磁性層、軟磁性裏打ち層、非磁性層、基板から成っており、全ての膜は図1に示すような連続膜である。更なる高密度記録化のためには、信号とノイズの比(SN比)を大きく確保するために、磁性層を形成する磁性粒を微細化する必要があるが、磁性粒の微細化は磁化の熱揺らぎの点から好ましくない。熱揺らぎを低減させる方法として、媒体保磁力を大きくする方法が考えられるが、オーバーライト特性が劣化する傾向にある。そこで、近年、記録層の磁性体をパターン化したパターンドメディアが考案されている。これにより磁性粒をあまり微細化することなく高いSN比を確保でき、高密度化が図れることが知られている。パターンドメディアとして従来から考えられてきた形態は図2に示すような連続軟磁性裏打ち層上に記録層をパターン化したものであるが、このような形態では軟磁性裏打ち層の磁壁の移動に起因するノイズが大きく、再生時のSN比を確保し難いなどの問題がある。そこで、図3及び図4に示すような軟磁性裏打ち層ごとパターン化したパターンドメディアが提案されている。このような形態にすることで、磁壁の移動を抑え、ノイズを低減することが出来る。また、主磁極先端から発せられた磁束を効果的にパターン化された記録層に通すことができるため、比較的大きな記録磁界を得ることができる。このような軟磁性裏打ち層ごとパターン化したパターンドメディアは、インプリント技術を用いてアルミやチタンなどの基板にパターン形成のきっかけとなる窪みを作り、陽極酸化することによって型枠を作製し、その内部にめっき法や気相蒸着法などで磁性体を充填することで得られることが知られている。これまでに報告された例では、型枠にめっき法でコバルト(Co)を充填したものがあり、形状磁気異方性によって保磁力を数千Oeまで増加させているが、直径1インチ以上のディスク全面に数十nm径の細孔に均一に従来のめっき法で材料を充填することは難しく、局部的には材料が充填されないという問題がある。
1Tbits/inch2超の高密度垂直磁気記録を行うには、パターンの大きさを20nm径程度以下にする必要があり、更なる高密度化に対応するにはパターンのサイズは10nm程度以下が必要となる。このような微小なサイズのパターンをディスク全面に形成することは難しく、現在では作製時間やコストの面から作製方法は限られる。現在、最も有望な方法として、陽極酸化したアルミの表面にできる規則的に配列した数nm〜数十nm径の細孔に磁性体を充填してパターンドメディアを作製するものが考えられる。このようなパターンドメディアの作製には型枠としてポーラスアルミナが用いられる。
従来技術として、特許文献1がある。
特許文献1には、パターンドメディア及びその製造方法が記載されている。多孔質層の細孔の内部に磁性体を充填することは記載されているが、スパッタ法を用いて磁性体を細孔の奥まで充填するは困難であることが示唆されている(段落0013)。また、磁性体を細孔に充填する前に、前記細孔を洗浄する点について記載されていない。
特開2006−277844号公報
特許文献1には、パターンドメディア及びその製造方法が記載されている。多孔質層の細孔の内部に磁性体を充填することは記載されているが、スパッタ法を用いて磁性体を細孔の奥まで充填するは困難であることが示唆されている(段落0013)。また、磁性体を細孔に充填する前に、前記細孔を洗浄する点について記載されていない。
1Tbits/inch2超の高密度垂直磁気記録を行うには、磁性体を充填する細孔を20nm径程度以下にする必要があり、更なる高密度化に対応するには10nm程度以下が必要となる。一方で、細孔内に記録層及び軟磁性裏打ち層を充填するためには、細孔を十分な深さにする必要がある。数〜数百nmの直径で深さ数十nm〜数μmの細孔に、磁性体を充填する必要がある。通常の半導体製造技術ではアスペクト比(穴の深さ/穴の径)が3程度の比較的小さなものが、スパッタ法などのドライプロセスで穴埋めされている。しかし、アスペクト比が10程度のものや、それ以上のものについては、低圧ロングスロースパッタ法、コリメータスパッタ法、電界バイアススパッタ法などの方法で、穴埋めが試みられているが、図5に示すように、穴の先端の入り口部分にスパッタ原子が付着して穴を塞いでしまうため、穴の底部にまで磁性体を充填することが困難である。
また、めっき法等による磁性体の充填も、めっき液の表面張力によりめっき液が細孔の奥にまで浸透せず、細孔の奥に磁性体を充填させることができない。
また、めっき法等による磁性体の充填も、めっき液の表面張力によりめっき液が細孔の奥にまで浸透せず、細孔の奥に磁性体を充填させることができない。
本発明は上記問題点を解決し、多孔質層の細孔内への磁性体の充填を確実に行うことができる、パターンドメディアの製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は以下の構成を有する。
基板と、前記基板上にあり、前記基板面に対して略垂直な複数の細孔を有する多孔質層と、前記細孔内に充填された磁性体と、を有するパターンドメディアを製造する方法であって、前記磁性体を前記細孔内に充填する際に、磁性体含有粒子を含む超臨界流体または亜臨界流体を用い、前記超臨界流体または亜臨界流体を前記細孔内に流入させることで前記磁性体を前記細孔内に充填することを特徴とするパターンドメディア製造方法。
上記製造方法により製造されたパターンドメディア。
基板と、前記基板上にあり、前記基板面に対して略垂直な複数の細孔を有する多孔質層と、前記細孔内に充填された磁性体と、を有するパターンドメディアを製造する方法であって、前記磁性体を前記細孔内に充填する際に、磁性体含有粒子を含む超臨界流体または亜臨界流体を用い、前記超臨界流体または亜臨界流体を前記細孔内に流入させることで前記磁性体を前記細孔内に充填することを特徴とするパターンドメディア製造方法。
上記製造方法により製造されたパターンドメディア。
また好ましくは、以下の実施態様を有してもよい。
前記磁性体は、硬磁性体層と軟磁性体層の2層からなり、前記軟磁性体層は前記細孔の下部、前記硬磁性体層は前記細孔の上部に生成される。
前記磁性体含有粒子は金属塩であり、電解めっき法または無電解めっき法により前記磁性体を前記細孔内に充填する。
前記磁性体含有粒子は有機金属であり、前記有機金属を前記細孔内に堆積させ、堆積後に前記有機金属の有機成分を加熱除去することにより前記磁性体を前記細孔内に充填する。
少なくとも前記磁性体を前記細孔内に充填する前に、前記細孔内を超臨界流体により洗浄する。
超臨界流体洗浄から磁性体充填までを、大気暴露せずに密閉空間での一貫した工程で行う。
前記多孔質層は、前記基板を陽極酸化処理することにより生成される。
前記磁性体は、硬磁性体層と軟磁性体層の2層からなり、前記軟磁性体層は前記細孔の下部、前記硬磁性体層は前記細孔の上部に生成される。
前記磁性体含有粒子は金属塩であり、電解めっき法または無電解めっき法により前記磁性体を前記細孔内に充填する。
前記磁性体含有粒子は有機金属であり、前記有機金属を前記細孔内に堆積させ、堆積後に前記有機金属の有機成分を加熱除去することにより前記磁性体を前記細孔内に充填する。
少なくとも前記磁性体を前記細孔内に充填する前に、前記細孔内を超臨界流体により洗浄する。
超臨界流体洗浄から磁性体充填までを、大気暴露せずに密閉空間での一貫した工程で行う。
前記多孔質層は、前記基板を陽極酸化処理することにより生成される。
本発明は、超臨界流体または亜臨界流体を用いためっき法を採用したため、通常の湿式めっき法では液体の表面張力によりめっき液が入り込めないような細孔内部にまで容易に溶媒が侵入させることができ、大面積のディスク全面に分布する細孔内部に均一に材料を充填することができる。超臨界流体または亜臨界流体を用いためっき法では流体の表面張力がないため通常の液体では入り込めない微小な空間の穴埋め加工が可能である。図9に、本発明の超臨界流体めっき法の概念図を示す。また、高圧力下では合金などを形成する場合には反応性が向上するため、比較的低い温度で合金薄膜などを形成することができる。めっき液と界面活性剤は超臨界流体または亜臨界流体中では、これらを攪拌することにより、めっき液と超臨界流体がエマルジョンを形成する。界面活性剤の種類によってはエマルジョン中のミセルの大きさはナノメートルサイズになるため、ミセルが多孔質層(ポーラス材)の内部へ侵入することができ、細孔をめっき処理によって穴埋めすることができる。
また、細孔内の洗浄にも超臨界流体または亜臨界流体を用いることで、高いアスペクト比を有する細孔内でも効果的に洗浄することができる。温度と圧力を一定値(臨界値)以上にすることで得られる超臨界流体を用いれば、数nm径の孔内部の洗浄が可能になる。超臨界流体は気体の性質(拡散性)と液体の性質(溶解性)をもっており、通常の液体では表面張力のために入り込めないナノサイズの空間にも容易に入り込むことができるので、微細な穴や溝の精密清浄に有効である。さらに、多孔質層(ポーラス材)の細孔の洗浄と磁性体の充填とを同じ環境下で行えるため、細孔の洗浄から磁性体の充填までを、ポーラス材を大気暴露せずに一貫して行うことで、ポーラス材表面を清浄な状態に保つことができ、コンタミネーションが極めて少ないメディアの作製が可能になる.
以下、本発明の実施形態の一例について説明する。
アルミまたはチタンなどを陽極酸化して基板表面にポーラスを作製し、超臨界流体を用いて洗浄したポーラスに超臨界めっき技術により軟磁性または硬磁性体を充填する。なお、洗浄や磁性体の充填は、超臨界状態ではなく亜臨界状態でも良い。基板にはアルミまたはチタンを用いることができ、これを陽極酸化することで基板表面にポーラスを作製できる。なお、ガラス基板にアルミまたはチタンを成膜し、これを陽極酸化して基板表面にポーラスを作製することもできる。作製したポーラス材を超臨界流体ユニットへ搬入し、高温・高圧下で洗浄する。超臨界流体には、二酸化炭素を用いる。二酸化炭素は温度31.1℃以上かつ圧力7.4MPa以上の環境下で超臨界流体となるため、ユニット内の温度および圧力を31.1℃以上、圧力7.4MPa以上にしてポーラス材を洗浄する。このとき、同時に超臨界流体を攪拌すると効果的に洗浄することができる。超臨界流体には水、メタノール、エタノールを用いることができ、添加物を加えることもできる。表1に上述の流体の臨界温度および臨界圧力を示す。
アルミまたはチタンなどを陽極酸化して基板表面にポーラスを作製し、超臨界流体を用いて洗浄したポーラスに超臨界めっき技術により軟磁性または硬磁性体を充填する。なお、洗浄や磁性体の充填は、超臨界状態ではなく亜臨界状態でも良い。基板にはアルミまたはチタンを用いることができ、これを陽極酸化することで基板表面にポーラスを作製できる。なお、ガラス基板にアルミまたはチタンを成膜し、これを陽極酸化して基板表面にポーラスを作製することもできる。作製したポーラス材を超臨界流体ユニットへ搬入し、高温・高圧下で洗浄する。超臨界流体には、二酸化炭素を用いる。二酸化炭素は温度31.1℃以上かつ圧力7.4MPa以上の環境下で超臨界流体となるため、ユニット内の温度および圧力を31.1℃以上、圧力7.4MPa以上にしてポーラス材を洗浄する。このとき、同時に超臨界流体を攪拌すると効果的に洗浄することができる。超臨界流体には水、メタノール、エタノールを用いることができ、添加物を加えることもできる。表1に上述の流体の臨界温度および臨界圧力を示す。
ポーラス材を洗浄した後、同ユニットに磁性材を形成するためのめっき液および界面活性剤を注入し、よく攪拌して、エマルジョン化する。めっきは穴埋めする材料によって電解・無電解の適した方を用いる。また、めっき液ではなく、液体の有機金属を注入し、基板を加熱して熱還元することでも穴埋めは可能である。磁性材料を充填するためのユニットは洗浄用ユニットと別にすることも可能である。磁性材料充填後は図6のように細孔内部だけでなく細孔を形成する型枠の上部にも磁性材料がめっきされるため、これをエッチングすることで取り除き図7に示すように磁性体の表面を平坦にする。この際にエッチングにより、ポーラス材も同時にエッチングされることになるが、ポーラス材は酸化物であるため、金属である磁性体と比較してエッチングレートが大幅に低く、ポーラス材のエッチングによる劣化は大きくない。その後、記録層となる磁性体をポーラス材に充填し、再度エッチングを施して表面を平滑にすることで、記録メディアは作製できる。なお、記録層の結晶配向制御のために下部磁性層と記録層との間に、数nm厚程度のシード層を設けることも出来る。また、記録層上部にはダイヤモンドライクカーボン層(保護膜)および潤滑膜を成膜することも出来る。このような工程で得られる記録媒体の断面図を図8に示す。
以上、本発明の実施形態の一例を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇において各種の変更が可能であることは言うまでもない。
Claims (8)
- 基板と、
前記基板上にあり、前記基板面に対して略垂直な複数の細孔を有する多孔質層と、
前記細孔内に充填された磁性体と、を有するパターンドメディアを製造する方法であって、
前記磁性体を前記細孔内に充填する際に、磁性体含有粒子を含む超臨界流体または亜臨界流体を用い、
前記超臨界流体または亜臨界流体を前記細孔内に流入させることで前記磁性体を前記細孔内に充填することを特徴とするパターンドメディア製造方法。 - 前記磁性体は、硬磁性体層と軟磁性体層の2層からなり、前記軟磁性体層は前記細孔の下部、前記硬磁性体層は前記細孔の上部に生成される、請求項1記載のパターンドメディア製造方法。
- 前記磁性体含有粒子は金属塩であり、電解めっき法または無電解めっき法により前記磁性体を前記細孔内に充填することを特徴とする請求項1または2記載のパターンドメディア製造方法。
- 前記磁性体含有粒子は有機金属であり、前記有機金属を前記細孔内に堆積させ、堆積後に前記有機金属の有機成分を加熱除去することにより前記磁性体を前記細孔内に充填することを特徴とする請求項1または2記載のパターンドメディア製造方法。
- 少なくとも前記磁性体を前記細孔内に充填する前に、前記細孔内を超臨界流体により洗浄する、請求項1乃至4いずれか記載のパターンドメディア製造方法。
- 超臨界流体洗浄から磁性体充填までを、大気暴露せずに密閉空間での一貫した工程で行う、請求項5記載のパターンドメディア製造方法。
- 前記多孔質層は、前記基板を陽極酸化処理することにより生成される、請求項1乃至6いずれか記載のパターンドメディア製造方法。
- 請求項1乃至7いずれか記載の製造方法により製造されたパターンドメディア。
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JP2007148755A JP2008305443A (ja) | 2007-06-05 | 2007-06-05 | パターンドメディアの製造方法 |
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---|---|---|---|---|
JP2010182363A (ja) * | 2009-02-04 | 2010-08-19 | Fuji Electric Device Technology Co Ltd | 磁気記録媒体の製造方法、及びこの方法により製造された磁気記録媒体 |
JPWO2021153112A1 (ja) * | 2020-01-31 | 2021-08-05 |
-
2007
- 2007-06-05 JP JP2007148755A patent/JP2008305443A/ja active Pending
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JPWO2021153112A1 (ja) * | 2020-01-31 | 2021-08-05 | ||
WO2021153112A1 (ja) * | 2020-01-31 | 2021-08-05 | 富士フイルム株式会社 | 金属充填微細構造体の製造方法 |
CN115003864A (zh) * | 2020-01-31 | 2022-09-02 | 富士胶片株式会社 | 金属填充微细结构体的制造方法 |
JP7369797B2 (ja) | 2020-01-31 | 2023-10-26 | 富士フイルム株式会社 | 金属充填微細構造体の製造方法 |
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