JP2007149202A - 磁気デバイスの製造方法 - Google Patents

磁気デバイスの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2007149202A
JP2007149202A JP2005341122A JP2005341122A JP2007149202A JP 2007149202 A JP2007149202 A JP 2007149202A JP 2005341122 A JP2005341122 A JP 2005341122A JP 2005341122 A JP2005341122 A JP 2005341122A JP 2007149202 A JP2007149202 A JP 2007149202A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic
substrate
manufacturing
underlayer
magnetic device
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2005341122A
Other languages
English (en)
Inventor
Tatsuya Saito
達也 斉藤
Toru Den
透 田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2005341122A priority Critical patent/JP2007149202A/ja
Publication of JP2007149202A publication Critical patent/JP2007149202A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Manufacturing Of Magnetic Record Carriers (AREA)

Abstract

【課題】基板の凹凸構造の凹部に陰極アーク方式で磁性体を充填することにより、凹部に対する磁性体の充填性が向上する磁気デバイスの製造方法を提供する。【解決手段】凹凸構造を表面に有する基板23を用意する工程と、陰極アーク放電により陰極材料のアークプラズマ24を発生させる工程と、前記アークプラズマ24中のイオンを該基板23の表面に照射する工程と、該イオンにより前記凹凸構造の少なくとも凹部に磁性材料を充填して磁性体領域を形成する工程を含む磁気デバイスの製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は磁気デバイスの製造方法に関するものであり、特に情報記録媒体として使用される磁気記録媒体の製造方法に関するものである。
近年の情報処理量の飛躍的な増大に伴って、情報記録媒体として広く使用されている磁気記録媒体においても大幅な大容量化が求められている。特にハードディスクにおいてはこれまで微細加工技術や信号処理技術の進歩などに支えられ、大幅な大容量・高記録密度化が実現されてきた。しかしながら昨今では、磁化を基板面内方向に記録する従来の面内記録方式では熱揺らぎの問題により物理的限界とされていた200Gbit/in2前後の記録密度が近づきつつあり、記録密度の上昇スピードも緩やかなものとなっていた。最近になって、熱揺らぎの問題に対して強いとされる、磁化を基板垂直方向に記録する方式、いわゆる垂直記録方式のハードディスクが製品化されたことで、今後も更なる記録密度の向上が実現するものと期待されている。
ところが今後の更なる高密度化に対しては、ノイズの増加が大きな問題となっている。すなわち高記録密度化による記録ビットの微細化に伴い、磁性粒子の形状やサイズのばらつきがノイズの原因となって記録特性を劣化させる問題がある。これを解決するには、隣接する磁性粒子間の交換相互作用の低減や、磁性粒子のサイズの微細化や形状の均一化が有効であると考えられている。例えばCoCrPt系材料にSiO2を添加することで磁性粒子を非磁性体で取り囲み、磁性粒子を分離する方法(特許文献1参照)や、記録方向に対する粒子の平均直径を微細化する方法(特許文献2参照)などが挙げられる。
また微細加工技術や自己組織化現象を利用して、磁性粒子の形状及びサイズを制御することで均一化する方法も考えられている。特に磁性粒子の配列まで制御することで、磁性粒子を規則的に配列させたものはパターンド媒体と呼ばれ、1Tbit/in2級の記録密度を有する超高密度記録媒体を実現することが可能であると考えられている。
これらの媒体を作製するには、磁性層に対してエッチングなどの加工を施して形状及びサイズの揃った磁性粒子を作製する方法(特許文献3参照)が提案されている。また、非磁性層を加工して形状及びサイズの揃った凹部を有する凹凸構造を作製した後に、磁性体を凹部に充填する方法(特許文献4参照)が提案されている。
また、本発明者らは自己組織化現象を利用して磁性粒子の形状及びサイズを制御する方法を検討してきた。すなわち、アルミニウムとシリコンなどの共晶材料を非平衡状態で成膜して得られる相分離膜から作製される、孔径1〜20nm程度の円柱状の微細孔が膜面垂直方向に無数存在した多孔質膜を利用した方法を検討してきた(特許文献5参照)。
特開平7−311929号公報 特開2003−338019号公報 特開平9−297918号公報 特開2000−277330号公報 特開2004−237429号公報
上記の微細加工技術や自己組織化現象を利用した媒体において、非磁性層の凹凸構造を作製した後に凹部に磁性体を充填する作製方法では、加工による磁性層へのダメージがないといった利点がある。その一方で、微細な凹部に対して磁性体を緻密に充填することが困難であるといった問題もある。
例えば、磁性層の成膜技術として一般的に広く用いられているスパッタリングでは、気相中での散乱によりスパッタ粒子の指向性が低下するため、凹部のアスペクト比がある程度高くなると凹部を完全に充填する前に開口部が塞がれてしまう場合がある。ここで、アスペクト比とは(凹部の深さ)/(凹部の開口径)で定義される。
また、めっきのようなウェットプロセスではある程度アスペクト比の高い凹部に磁性体を充填することも可能であるが、被めっき物である基板に対してある程度の限定が生じてしまう。つまり、電気めっきの場合は導電性を有している必要があり、無電界めっきの場合は触媒となる材料を付与する必要があるため、基板の物性や材料に対する限定が結果としてプロセスの多工程化を招いてしまう。
本発明は、基板の凹凸構造の凹部に陰極アーク方式で磁性体を充填することにより、凹部に対する磁性体の充填性が向上するとともに、基板の材料及びプロセスの選択肢の幅が広く、プロセスの簡易化にもつながる磁気デバイスの製造方法を提供する。
上記課題は本発明の以下の手段により解決される。
すなわち、凹凸構造を表面に有する基板を用意する工程と、陰極アーク放電によりアークプラズマを発生させ、該アークプラズマ中のイオンを該基板表面に照射し、該イオンにより前記凹凸構造の凹部に磁性体領域を形成する工程を含むことを特徴とする磁気デバイスの製造方法である。
前記陰極アーク放電により、磁性体である陰極材料のアークプラズマが発生することが好ましい。
前記磁性体領域を下地層の上に配置する工程を含むことが好ましい。
前記磁性体領域が基板の垂直方向にc軸配向したL10規則構造のMPt或いはMPd(M=Co、Fe)から成り、尚且つ該下地層を配置する工程が該基板の面内方向に正方状の結晶配列を有している下地層を設ける工程であることが好ましい。
前記下地層を設ける工程が、表面が(001)の結晶面から成るPtを設ける工程、或いは表面が(001)の結晶面から成るMgOを設ける工程であることが好ましい。なお、(001)は面を表しており、数字の001は、fccの場合には、規定される面の法線ベクトルの向きが001方向(c軸方向)であるということを意味する。
前記下地層を配置する工程が、該基板の垂直方向にc軸配向したhcp構造を有している下地層を設ける工程、或いは表面が(111)の結晶面から成るfcc構造を有している下地層を設ける工程であることが好ましい。
前記磁性体領域が一軸磁気異方性を有する磁性材料から成ることが好ましい。
前記磁性体領域を形成する工程中、或いは該磁性領域を形成後に、アニールを行う工程を含むことが好ましい。
前記アニールを行う工程が、200℃以上700℃以下の範囲内で加熱する工程であることが好ましい。
前記基板と下地層の間に軟磁性層を配置する工程を含むことが好ましい。
前記基板にバイアスを印加してアークプラズマ中のイオンを該基板に照射する工程を含むことが好ましい。
前記アークプラズマに磁場を印加する工程を含むことが好ましい。
また、本発明による磁気デバイスの製造方法から製造される磁気デバイスとは、磁気記録媒体に限定されるものではなく、凹部に磁性体を充填することで実現可能なあらゆる磁気デバイスを含むものである。
本発明によれば、基板の凹凸構造の凹部に陰極アーク方式で磁性体を充填することにより、凹部に対する磁性体の充填性が向上するとともに、基板の材料及びプロセスの選択肢の幅が広く、プロセスの簡易化にもつながる磁気デバイスの製造方法を提供できる。
以下に本発明の実施の形態について述べる。
まず凹凸構造を有する基板を用意する工程について述べる。凹凸構造を作製する工程について特に方法及び材料の限定はなく、例えば半導体プロセスで使用される微細加工技術によって被加工物をパターニングする工程などが挙げられる。また、図2のような基板10上に形成したアルミニウムの陽極酸化により得られる多孔質皮膜11を凹凸構造として利用することも挙げられる。12は凹凸構造の凹部、13は凸部である。
次に、陰極アーク方式による磁性体の充填工程について述べる。図1は本発明の磁気デバイスの製造方法の実施の形態の一例を示す模式図である。まず、真空排気された容器20内に、磁性体から成る陰極21、陽極22、凹凸構造を有する基板23をそれぞれ配置して、陰極アーク放電により陰極21を蒸発させる。蒸発した陰極材料はプラズマ化して、真空容器内に配置した基板23にアークプラズマ24中のイオンが照射され、陰極材料の薄膜が基板23上に形成される。この陰極アーク方式による成膜工程では、スパッタリングと異なり放電ガスの導入を必要としないことから、高真空中で成膜することが可能であり、純度の高い膜が得られると同時に、基板に入射するイオン(成膜粒子)の指向性についても非常に優れたものである。
凹凸構造を有する基板の凹部に材料を充填する際に、図3に示すように、スパッタリングで成膜した場合では等方的にスパッタ粒子が入射するため、成膜材料30で開口部32が塞がれることによりボイド31と呼ばれる充填欠陥が発生する場合がある。これに対し、陰極アーク方式で成膜することで、図4のように凹部を充填欠陥無しに磁性体40で充填することが可能となる。更に表面を研磨して、図5のように凹部に磁性体50が充填されて形成された磁性体領域51を有する表面構造の状態とすることができる。
陰極材料としては、Co、MPt或いはMPd(M=Co、Fe)、その他の一軸異方性を有する磁性材料等の磁性体を用いることができる。
また、スパッタリングと比較して陰極材料のイオン化率が非常に高いため、バイアス用電源25を配置して基板にバイアスを印加することにより、電界方向にイオンを引き付けて、入射粒子の指向性を更に向上させることも可能である。尚、使用する基板バイアスについては、DCバイアス、RFバイアス、DCパルスバイアスなど特に限定はない。
また、アークプラズマに磁場を印加することで、基板に照射されるイオンを制御することも可能である。磁場を印加することによりプラズマ中の電子にローレンツ力が働き、電子は磁力線に巻き付くようにして飛行し、その結果イオンも電子に引き付けられるような形で磁力線に沿って飛行する。よって、磁場を制御することで基板の広範囲に渡ってイオンを照射することや、膜厚分布を改善することも可能である。また逆に、磁場によりプラズマを収束して高密度プラズマを生成することも可能である。例えば局所的にイオンを高密度で照射して基板温度を上昇させることで、磁性体領域の結晶性を制御することなども考えられる。
また、図6のように凹部に充填された磁性体60の下に下地層61を配置することにより、磁性体60の配向を制御することも可能である。例えば、hcp構造(六方最密格子構造)のc軸が基板垂直方向に配向した下地層、或いは表面が(111)の結晶面から成るfcc構造(面心立方格子構造)を有した下地層を設けることで、c軸が基板垂直方向に配向したCoが充填された構造を作製することが可能である。また、該基板の面内方向に正方状の結晶配列を有している下地層を設けることで、c軸が基板垂直方向に配向したL10規則構造のMPt、或いはMPd(M=Co、Fe)を形成することも可能である。ここで、基板の面内方向に正方状の結晶配列を有している下地層の例としては、表面が(001)の結晶面から成るfcc構造を有した下地層、或いはL10、L11、L12いずれかの規則構造を有した下地層などが挙げられる。より具体的には、表面が(001)の結晶面から成るPtなどで良く、また表面が(001)の結晶面から成るNaCl型の結晶構造を有するMgOなどであっても構わない。
また、L10規則構造のMPt或いはMPd(M=Co、Fe)を形成するには、MPt或いはMPd(M=Co、Fe)を陰極材料として陰極アーク方式で成膜する方法がある。それ以外にも、磁性体と非磁性体の積層構造を成膜した後にアニールにより合金化する方法なども考えられる。
上記の配向を有した磁性体は、基板垂直方向に強い磁気異方性を有しており、垂直磁気記録媒体のような磁気デバイスへの応用が考えられる。
尚、本発明において、L10規則構造とは図7(a)に示す構造である。L11規則構造とは図7(b)に示す構造である。L12規則構造とは図7(c)に示す構造である。
また、図8のように下地層80の下に更にNiFeなどの軟磁性層81を設けても良い。
上記のような陰極アーク放電では、陰極点で発生した陰極材料の粗大粒子(ドロップレット)が基板に飛来して、膜表面のラフネスや特性を悪化させる場合がある。そこで、発生したドロップレットが基板に飛来する前に磁場やシールド板でフィルタリングする方法や、ドロップレットの発生自体を抑制する放電方法などが一般的に知られている。図1においては特に図示していないが、本発明においてもこれらの公知な方法を用いてドロップレットの除去、低減を行うことが良質な膜を形成するという観点から望ましい。また、図1で示した実施形態にドロップレットの除去、低減を行う公知なあらゆる手段を組み込んでもよい。
また、本発明による凹凸構造の凹部に対して磁性体を充填することで作製される磁気デバイスは、垂直磁気記録媒体の他に、充填する磁性体の種類や構成により磁気抵抗効果を利用した磁気メモリーやロータリーエンコーダーなどの磁気センサーも含まれる。
以下に本発明の実施例について述べる。
実施例1
本実施例は凹凸構造として、アルミニウムの陽極酸化で得られる多孔質皮膜を用いて、陰極アーク方式によりCoを充填したことに関するものである。
Si基板上にTiを5nm、更にその上に下地層となるCuを20nm、更にその上にHfを10atomic%含んだAlHfを50nmスパッタリングにより成膜して、これを陽極酸化することで多孔質皮膜を用意した。ここで被陽極酸化膜をAlHfとしたのは、Hfを添加することで多孔質皮膜の孔径を小さくしてアスペクト比を上げることができるためである。ここに、atomic%とは、膜中に含有される原子の割合のことである。更に陽極酸化を行う前に、被陽極酸化膜表面に70nmの周期で三角格子状に配列した深さ5nm程の微小な窪みを形成しておいた。このような処理を施すことで、微小な窪みが陽極酸化の開始点となり、陽極酸化により規則的に配列した細孔が得られることが一般的に知られている。微小な窪みを形成する方法は様々なものが考えられるが、本実施例ではFIB(収束イオンビーム)を被陽極酸化膜表面に照射することにより形成した。
陽極酸化の条件は、22℃に保った0.3mol/Lの硫酸水溶液で25Vの印加電圧として、陽極酸化終了後に22℃に保った5wt%のリン酸水溶液を用いた40分間のウェットエッチングによる孔径拡大処理を行った。得られた多孔質皮膜をFE−SEM(電界放出走査型電子顕微鏡)で観測したところ、図9(a)に示す平面図、及び図9(b)に示すAA線断面図のように、細孔90が70nm周期で三角格子状に配列した多孔質皮膜91が得られていた。細孔90の直径は約25nm、深さは50nmであり、下地層92であるCuに貫通して形成されていた。
次に陰極アーク方式により、上記の多孔質皮膜にCoの充填を行った。本実施例で使用した陰極アーク放電発生装置は、コンデンサの充電と放電を間欠的に繰り返すことで陰極と陽極の間でパルス型のアーク放電を発生させるものであり、陰極と陽極を同軸型に配置することでドロップレットの減少を図っている。
前記の陰極アーク放電発生装置にCoを陰極材料として取り付け、陰極アーク方式によるCoの成膜を行った。成膜条件はコンデンサ容量8800μF、アーク電圧80V、放電間隔1秒間、陰極と基板間の距離50mm、真空度5.0×10-5Paにて行った。
Coの膜厚が70nmとなるような成膜時間で成膜を行った後、試料の断面をFE−SEMで観測したところ、図4のように細孔が完全にCoにより充填されている様子が観察できた。
比較例として、同様の多孔質皮膜に対してスパッタリングでCoの充填を行った試料を作製して、同様にFE−SEMによる観察を行ったが、所々にボイドが存在しており陰極アーク方式のように完全に細孔が充填されていなかった。
更に図4のような状態の試料に対して、ダイヤモンドスラリーによる表面研磨を行い図5のような状態にした後、真空中で400℃のアニールを行った。
アニール後の試料について特性を評価したところ、下地層であるCu(111)面の影響によりCoはhcp構造のc軸が基板垂直方向に配向した状態となっており、磁化曲線から垂直方向に強い一軸磁気異方性を有していることが確認された。
以上のように、本実施例により陰極アーク放電を利用することにより微細な凹凸構造の凹部への磁性体の充填が可能であることが確認できた。また、本実施例で充填されたCoは垂直方向に強い一軸磁気異方性を有しており、規則的な配列を有していることから垂直記録方式のパターンド媒体のような磁気デバイスの作製が可能なものと考えられる。
実施例2
本実施例は凹凸構造として、MgO基板上に作製した多孔質膜を用いて、陰極アーク方式によりFePtを充填したことに関するものである。本実施例では多孔質膜として、共晶点を有するアルミニウムとシリコンを非平衡状態で成膜して得られる相分離膜から作製した多孔質膜を用いた。
アルミニウムとシリコンをアルミニウムとシリコンの混合ターゲットを利用したスパッタリングによりMgO(001)単結晶基板上にアルミニウムシリコン混合膜を成膜した。スパッタリング条件はRF100W、アルゴン圧力0.1Pa、基板温度室温にて行い、膜中のアルミニウムの組成が60atomic%、膜厚20nmとなるように成膜した。このように成膜することで、図10に示すようにMgO基板100上にランダムに存在する直径約8nmのアルミニウムを主成分とする円柱状部分101と、それを取り囲むシリコンを主成分とする隔壁102部分に相分離した状態の膜が得られた。
得られた膜に対して22℃の2.8wt%アンモニア水溶液を使用したウェットエッチングを行い、円柱状のアルミニウムを主成分とする部分のみを溶解させた。そして、図11に示すようなMgO基板110に貫通した孔径約8nm、深さ20nmの微細孔111から成る多孔質膜112を得た。
次に、実施例1と同様の陰極アーク放電装置を用いて、多孔質膜の微細孔に対してFePtの充填を行った。成膜条件はコンデンサ容量8800μF、アーク電圧80V、放電間隔1秒間、陰極と基板間の距離70mm、真空度5.0×10-5Paとして、膜中のFeの組成比が50atomic%、膜厚30nmとなるようにFePtの成膜を行った。
実施例1と同様に試料の断面をFE−SEMで観測したところ、細孔が完全にFePtにより充填されている様子が観察できた。更にダイヤモンドスラリーによる表面研磨の後、真空中で500℃のアニールを行った。
アニール後の試料について特性を評価した。下地層であるMgO(001)面の影響により微細孔に充填されたFePtは、L10構造のc軸が基板垂直方向に配向した状態となっており、磁化曲線から垂直方向に非常に強い一軸磁気異方性を有していることが確認された。
以上のように、本実施例により陰極アーク放電を利用することにより実施例1よりも更に微細な凹凸構造の凹部への磁性体充填が可能であることが確認できた。また、本実施例で充填されたFePtは垂直方向に非常に強い一軸磁気異方性を有しており、磁性体を非磁性体で分断した垂直記録方式の磁気記録媒体のような磁気デバイスの作製が可能なものと考えられる。
本発明は、基板の凹凸構造の凹部に陰極アーク方式で磁性体を充填することにより、凹部に対する磁性体の充填性が向上するとともに、基板の材料を選ばないことから、情報記録媒体として使用される磁気記録媒体の製造方法に利用することができる。
本発明の磁気デバイスの製造方法の実施の形態の一例を示す模式図である。 アルミニウムの陽極酸化で得られる多孔質皮膜の模式図である。 充填欠陥を断面から模式的に示した図である。 陰極アーク方式で充填欠陥無しに凹部を充填した場合の試料断面の模式図である。 表面研磨後の試料断面の模式図である。 下地層を配置した構成の試料断面を模式的に示した図である。 L10、L11、L12規則構造示す模式図である。 下地層の下に軟磁性層を配置した構成の試料断面を示す模式図である。 三角格子状に規則配列させた陽極酸化による多孔質皮膜を示す模式図である。 相分離したアルミニウムシリコン混合膜の模式図である。 アルミニウムを溶解させたアルミニウムシリコン混合膜による多孔質膜を示す模式図である。
符号の説明
10 基板
11 多孔質皮膜
12 凹部
13 凸部
20 容器
21 陰極
22 陽極
23 基板
24 アークプラズマ
25 バイアス用電源
30 成膜材料
31 ボイド
32 開口部
40 磁性体
50 磁性体
51 磁性体領域
60 磁性体
61 下地層
80 下地層
81 軟磁性層
90 細孔
91 多孔質皮膜
92 下地層
100 基板
101 円柱状部分
102 隔壁
110 基板
111 微細孔
112 多孔質皮膜

Claims (12)

  1. 凹凸構造を表面に有する基板を用意する工程と、陰極アーク放電によりアークプラズマを発生させ、該アークプラズマ中のイオンを該基板表面に照射し、該イオンにより前記凹凸構造の凹部に磁性体領域を形成する工程を含むことを特徴とする磁気デバイスの製造方法。
  2. 前記陰極アーク放電により、磁性体である陰極材料のアークプラズマが発生することを特徴とする磁気デバイスの製造方法。
  3. 前記磁性体領域を下地層の上に配置する工程を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の磁気デバイスの製造方法。
  4. 前記磁性体領域が基板の垂直方向にc軸配向したL10規則構造のMPt或いはMPd(M=Co、Fe)から成り、尚且つ該下地層を配置する工程が該基板の面内方向に正方状の結晶配列を有している下地層を設ける工程であることを特徴とする請求項3に記載の磁気デバイスの製造方法。
  5. 前記下地層を設ける工程が、表面が(001)の結晶面から成るPtを設ける工程、或いは表面が(001)の結晶面から成るMgOを設ける工程であることを特徴とする請求項4に記載の磁気デバイスの製造方法。
  6. 前記下地層を配置する工程が、該基板の垂直方向にc軸配向したhcp構造を有している下地層を設ける工程、或いは表面が(111)の結晶面から成るfcc構造を有している下地層を設ける工程であることを特徴とする請求項3に記載の磁気デバイスの製造方法。
  7. 前記磁性体領域が一軸磁気異方性を有する磁性材料から成ることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかの項に記載の磁気デバイスの製造方法。
  8. 前記磁性体領域を形成する工程中、或いは該磁性領域を形成後に、アニールを行う工程を含むことを特徴とする請求項1乃至7のいずれかの項に記載の磁気デバイスの製造方法。
  9. 前記アニールを行う工程が、200℃以上700℃以下の範囲内で加熱する工程であることを特徴とする請求項8に記載の磁気デバイスの製造方法。
  10. 前記基板と下地層の間に軟磁性層を配置する工程を含むことを特徴とする請求項1乃至9のいずれかの項に記載の磁気デバイスの製造方法。
  11. 前記基板にバイアスを印加してアークプラズマ中のイオンを該基板に照射する工程を含むことを特徴とする請求項1乃至10のいずれかの項に記載の磁気デバイスの製造方法。
  12. 前記アークプラズマに磁場を印加する工程を含むことを特徴とする請求項1乃至11のいずれかの項に記載の磁気デバイスの製造方法。
JP2005341122A 2005-11-25 2005-11-25 磁気デバイスの製造方法 Pending JP2007149202A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005341122A JP2007149202A (ja) 2005-11-25 2005-11-25 磁気デバイスの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005341122A JP2007149202A (ja) 2005-11-25 2005-11-25 磁気デバイスの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2007149202A true JP2007149202A (ja) 2007-06-14

Family

ID=38210450

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005341122A Pending JP2007149202A (ja) 2005-11-25 2005-11-25 磁気デバイスの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2007149202A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008282470A (ja) * 2007-05-10 2008-11-20 Yamaguchi Univ パターンドメディアの製造方法
JP2010135610A (ja) * 2008-12-05 2010-06-17 Tohoku Univ 磁性薄膜及びその製造方法、並びにこのような磁性薄膜を用いた各種応用デバイス
JP2010165455A (ja) * 2010-04-30 2010-07-29 Toshiba Corp 磁気記録媒体の製造方法
JP2011018425A (ja) * 2009-07-10 2011-01-27 Showa Denko Kk 磁気記録媒体の製造方法及び磁気記録再生装置

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008282470A (ja) * 2007-05-10 2008-11-20 Yamaguchi Univ パターンドメディアの製造方法
JP2010135610A (ja) * 2008-12-05 2010-06-17 Tohoku Univ 磁性薄膜及びその製造方法、並びにこのような磁性薄膜を用いた各種応用デバイス
JP2011018425A (ja) * 2009-07-10 2011-01-27 Showa Denko Kk 磁気記録媒体の製造方法及び磁気記録再生装置
JP2010165455A (ja) * 2010-04-30 2010-07-29 Toshiba Corp 磁気記録媒体の製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2003078685A1 (fr) Dispositif fonctionnel et procede de fabrication du dispositif, support d'enregistrement magnetique vertical, dispositif d'enregistrement et de lecture magnetique, et dispositif de traitement d'information
US7794861B2 (en) Patterned media, method of manufacturing magnetic recording medium, and method of manufacturing a base
JP2006286159A (ja) 磁気記録媒体及びその製造方法
US20090034122A1 (en) Structure and process for production thereof
JP2008146801A (ja) 磁気記録媒体、スパッタターゲット及び磁気記録媒体製造方法
JP4594273B2 (ja) 構造体及び構造体の製造方法
JP4035457B2 (ja) 機能デバイスの製造方法
US8153189B2 (en) Structure and process for production thereof
JP2009283107A (ja) テトラヘドラル・アモルファス・カーボン膜を主体とする保護膜および該保護膜を有する磁気記録媒体
JP2007149202A (ja) 磁気デバイスの製造方法
JP2007220280A (ja) 垂直磁気記録ディスクの作製方法
US20100086733A1 (en) Aluminum alloy substrate and a method of manufacturing the same
JP4136653B2 (ja) 構造体の製造方法
JP4642705B2 (ja) 磁気記録媒体の製造方法
JP5071143B2 (ja) 成型品の製造方法および記録媒体の製造方法
JP4810279B2 (ja) 磁気記録媒体の製造方法
Wodarz et al. Structural control of ultra-fine CoPt nanodot arrays via electrodeposition process
JP4769771B2 (ja) 磁気記録媒体およびその製造方法
TWI488181B (zh) 用於製造位元圖案化媒體的技術
JP4871809B2 (ja) パターンドメディア、磁気記録媒体の製造方法及び基体の製造方法
JP2004027360A (ja) 構造体及び構造体の製造方法
JP2006249535A (ja) 相分離を利用した分離相、ナノ構造素子及びナノ構造体の製造方法
JP2008097783A (ja) 磁気記録媒体及びその製造方法、並びに磁気記録装置
JP2008305443A (ja) パターンドメディアの製造方法
JP2007146214A (ja) 相分離膜及び構造体の製造方法