JP2006249535A - 相分離を利用した分離相、ナノ構造素子及びナノ構造体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、ナノホールへ合金めっきを充填した後に合金から結晶性を有する分離相を相分離させてマトリクス中に機能性を有する分離相を形成する分離相の形成方法を提供するものである。特に、分離相の特性を利用するナノ構造素子及びこれを基板上に多数規則配列したナノ構造体を製造する方法を提供するものである。
【解決手段】複数の金属の析出電位を制御する電気めっきを行うことにより形成した合金めっきを行った後、熱処理等により第一成分の非磁性金属としてのCu等と第二成分の強磁性体又は反強磁性体とに分離して第二成分からなる分離相を形成することができる。ナノホール内に形成した前記合金めっきを、相分離により形成した分離相の磁性、電気抵抗、熱伝導等の特性を利用したナノ構造素子が得られ、これを利用してナノ構造体を製造することができる。
【選択図】なし

Description

本発明は複数の金属の電気めっきの析出電位を制御する合金めっきを行うことにより形成した合金めっきから結晶性を有する分離相を相分離させることによりマトリクス中へ機能性を有する分離相を形成する分離相の形成方法に関するものであり、特にナノホールへ合金めっきを充填した後に合金から結晶性を有する分離相を相分離させて得た分離相の特性を利用するナノ構造素子及びナノ構造素子を基板上に多数配列したナノ構造体を製造する方法に関する。
複数の金属を組み合わせた機能材料や素子が磁気記録媒体や磁気メモリー等のメモリー素子などに用いられている。これらの機能材料や素子においては、例えば複数の金属を混合させた状態や積層させた状態にして、その磁気特性を利用するものである。
近年においてはナノホール内に金属を充填することによりナノ構造素子を形成することが提案されている。素子をナノスケールとすることにより高密度化を図る目的があるとともに、ナノスケールでのサイズ効果により特異な機能性が発現することにも関心が寄せられているからである。
ナノ構造体の製造方法としては、これまでは半導体製造技術である微細パターニング技術(フォトリソグラフィーや電子線露光など)を組み合わせることが主であったが、歩留まりの悪さや装置コストが高いなどの問題があり、ナノ構造体を簡易な手法で製造できる方法を開発する必要があった。
この問題を解決する方法として、特開2000−31462や特開平10−283618等においてはナノホールに磁性体を充填することにより垂直磁化膜として有用な磁気媒体として利用することや、非磁性層と強磁性層を交互に積層して磁場に応答するGMR素子とすることが開示されている。
このような積層体からなる多層膜を形成する方法としては、Nalletらによって提案されているような電解パルスめっき法を用いる方法が知られている(Journal of Applied Physics、79(1996))。例えば、銅とコバルトの硫酸塩混合水溶液中においては双方の金属イオンの析出電位が異なり、一般的には析出電位の高いコバルトが析出しにくく、析出電位の低い銅が析出しやすいことが知られている。電解パルスめっき法ではこの現象を応用し、めっき液中に浸漬した被めっき物に銅の析出電位とコバルトの析出電位において矩形状パルス電位を交互に印加することで、銅とコバルトを交互に析出させて積層させるものである。
この方法においては、コバルトの析出時には若干の銅原子が混入するものの、めっき条件やめっき液組成を制御して銅原子の混入量を数%以下に抑えることにより非磁性層/強磁性層が分離された多層膜を形成し、図4に示すようなナノホール中に多層膜を形成したナノ構造体を製造することができる。
この方法は複数の金属を所定部位に積層して充填することにより磁性素子として機能するものであるが、めっき工程が複雑となり時間がかかる等の問題があった。
本発明ではこれに代わる構造として、合金から結晶性を有する分離相を相分離させることによりマトリクス中に分離相を形成した状態とし、マトリクスと分離相の特性の差を利用してより効果的に機能材料や素子を形成する方法を提案するものである。
合金の相分離を効果的に行うためには、マトリクス中の分離相となる成分の濃度が少なくともマトリクスへの固溶限以上であることが必要とされる。また、相分離前の合金の結晶性が相分離後の分離相の機能性に大きく寄与するため、相分離前の合金がある程度の結晶性を有することも必要とされる。
合金を所定部位、例えばナノホールのようなナノスケールの空間に充填する方法としては、合金めっき液中において電気めっきや無電解めっきを行う方法の他に、あらかじめ作製した合金ターゲットのスパッタによる成膜や複数金属ターゲットの同時スパッタによる成膜、または冶金的に作製した合金を所定形状にしたものを埋め込む方法などがあるが、いずれの方法においても合金を相分離して機能性を発現する分離相を得るには十分なものが得られていない。
電気めっきのみのプロセスでは、析出速度の調節が容易であるものの、析出組成の比率や結晶性を調整することが難しく相分離に適する合金を得ることが困難である。無電解めっきのみのプロセスでは、析出速度が遅いため生産性に劣る。
スパッタによる成膜においては、低温では非晶質が形成されるため相分離後に得られる分離相はランダム分布となってしまい、高温では結晶質が形成されるものの蒸着時点で相分離が起こるために分離相の形成が不十分になるという問題点がある。また、合金ターゲットを用いるスパッタによる成膜においては、溶解鋳造等の冶金手法で作製できる合金組成には制約があり、所望の組成を得るのが困難である。
冶金的に作製した合金を所定形状にしたものを埋め込む方法においては、固溶限以上の濃度では分離相となる成分を均一に分散させることができない問題がある。また、合金をナノスケールの形状に加工することが困難であるとともに、加工体をナノホールに埋め込むことも困難である。
特開2000−31462 特開平10−283618 Journal of Applied Physics、79(1996)
本発明は上記のような事情に鑑み、合金を相分離させて分離相の特性を利用するナノ構造素子を製造する方法を提供することを目的とする。具体的には、合金を所定部位、例えばナノホールのようなナノスケールの空間に充填する方法として複数の金属の電気めっきの析出電位を制御する合金めっき行うことを検討し、ナノホールへ合金めっきを充填した後に合金から結晶性を有する分離相を相分離させて分離相の特性を利用するナノ構造素子を製造する方法を提供することを目的としている。
本発明は、合金めっき液中において電気めっきを施す際に、添加剤としてめっき液中の合金成分イオンの析出電位を近接させる効果を有する錯化剤の濃度を調整することにより電気めっきで析出する合金組成を制御するとともに、マトリクスとなる成分の濃度を調整することにより結晶組織を制御した合金めっきを行う。このめっき方法により、ナノ構造素子として機能性を有するために必要な合金組成および結晶組織を有する合金めっきを得ることが可能となる。
そして、必要な合金組成および結晶組織を有する合金めっきが得られた後に、加熱処理などを行い、合金をマトリクスと分離相へとそれぞれ分離させる。合金から結晶性を有する分離相を相分離することによって、マトリクスと分離相とで各種の特性に差異を発生させナノ構造素子としての機能性を発現させるものである。
例えば、図1のようにナノホール中に合金めっきを充填した後に、相分離を施すことにより図2又は図3に示すような分離相が形成される。相分離を施した後の分離相については図2のようにナノホールの中心に1つの分離相があるものや図3のように複数の分離相が近接して存在するもの等の種々の形態が考えられる。尚、複数の分離相が近接して存在する場合には、実際の分離相はナノホール内に多数存在し、いわゆる海島構造やラメラー構造等の種々の析出形態が考えられる。実際の分離相は分離相の種類やめっき状態、相分離時の熱処理条件などにより、析出状態や分布、形状等が変化する。
相分離前の電気めっきの組成により、第2成分相が増加し、第2成分相が所定値を超えると、第1成分相であるマトリックスと第2成分相である分離層が逆になり、第2成分相から第1成分相が相分離することがある。例えば、Cu−Co合金で、Cuリッチな状態からCo量が増加し、Co量が所定値を超えると、CoマトリックスからCuが析出することになる。
請求項1に記載の発明は、複数の金属の析出電位を制御する電気めっきを行うことにより形成した合金めっきを、相分離させることにより、マトリクス中への機能性を有する分離相の形成方法である。
請求項2に記載の発明は、前記合金めっきの相分離は加熱処理により合金から結晶性を有する分離相を分離させることを特徴とする、請求項1に記載の分離相の形成方法である。
請求項3に記載の発明は、表層にナノホールを有する基板において、全体又は一部に導電性を有するナノホールへ前記合金めっきを充填することを特徴とする、請求項1から請求項2のいずれかに記載の分離相の形成方法である。
請求項4に記載の発明は、前記分離相の分布に応じて、磁性、電気抵抗、熱伝導率のいずれか1種類の特性がナノホール内で分布を有することを特徴とする、請求項1から請求項3のいずれかに記載の分離相の形成方法である。
請求項5に記載の発明は、前記合金めっきは、第一成分を非磁性金属とし、第二成分に強磁性体又は反強磁性体のいずれかを含むことを特徴とする、請求項1から請求項4のいずれかに記載の分離相の形成方法である。
請求項6に記載の発明は、前記合金めっきは、第一成分をCuとし、第二成分として強磁性体又は反強磁性体を構成する元素として、Fe、Co、Ni、Mn、Cr、Pt、Pd、Ir、Rhのいずれか1つを含む合金めっきであることを特徴とする、請求項5に記載の分離相の形成方法である。反強磁性体としては、例えば、Crの他、規則構造を有するMn−Ni、Mn−Pd、Mn−Pt、Mn−Pd−Pt系等の化合物や不規則構造のMn−Ir、Mn−Rh等の化合物が知られている。その他に、Fe−Mn、Fe−Rh等の化合物も用いることができる。また、反強磁性金属としては、第2成分として記載の元素を含む超範囲の規則構造を有する化学量論組成から外れる合金も用いることができる。
請求項7に記載の発明は、表層にナノホールを有する基板において、全体又は一部に導電性を有するナノホールへ合金めっきを充填した後にナノホール内部の合金から結晶性を有する分離相を相分離させることによりマトリクス中に機能性を有する分離相を形成するナノ構造素子の製造方法である。
請求項8に記載の発明は、前記合金の充填を合金を構成する複数の金属の電気めっきの析出電位を制御する合金めっきにより行うことを特徴とする、請求項7に記載のナノ構造素子の製造方法である。
請求項9に記載の発明は、前記合金めっきの相分離は加熱処理により、結晶性を有する分離相として相分離させることを特徴とする請求項7又は請求項8に記載のナノ構造素子の製造方法である。
請求項10に記載の発明は、前記合金めっきは、第一成分を非磁性金属とし、第二成分に強磁性体又は反強磁性体のいずれかを含むことを特徴とする、請求項7から請求項9のいずれかに記載のナノ構造素子の製造方法である。
請求項11に記載の発明は、第一成分をCuとし、第二成分として強磁性体又は反強磁性体を構成する元素として、Fe、Co、Ni、Mn、Cr、Pt、Pd、Ir、Rhのいずれか1つを含む合金めっきであることを特徴とする、請求項10に記載のナノ構造素子の製造方法である。ここでは、強磁性体又は反強磁性体としては、請求項6に記載の化合物や合金と同様の化合物や合金を適用することができる。
請求項12に記載の発明は、前記合金めっきは、第一成分をCuとし、第二成分をCoとする合金めっきであることを特徴とする、請求項7から請求項9のいずれかに記載のナノ構造素子の製造方法である。
請求項13に記載の発明は、請求項12に記載のナノ構造素子の製造方法において、前記合金めっきのめっき液として硫酸コバルト、硫酸銅に錯化剤を加えpH値を4以上とした水溶液を用い、硫酸コバルトと硫酸銅濃度及び錯化剤添加量の調整により銅とコバルトの析出電位の電位差を調整することで分離相の組成比率を制御することを特徴とする、ナノ構造素子の製造方法である。
請求項14に記載の発明は、請求項13記載のナノ構造素子の製造方法において、錯化剤により析出電位を−900mVから−1500mVに制御することを特徴とする、ナノ構造素子の製造方法である。
請求項15に記載の発明は、請求項14に記載のナノ構造素子の製造方法において、錯化剤としてヒドロキシ酸、多価カルボン酸、ピロリン酸、アミノ酸、アミン類(第一級アミン、第二級アミン、第三級アミン、アンモニア)あるいはこれらの塩、または多価アルコール、ジケトン、環状エーテル、シアン化物イオン、塩化物イオンの少なくともいずれか1種類を用いることを特徴とする、ナノ構造素子の製造方法である。
請求項16に記載の発明は、前記合金めっきは、第一成分をCuとし、第二成分をFeとする合金めっきであることを特徴とする、請求項7から請求項9のいずれかに記載のナノホール内に形成した分離相の特性を利用してナノホール構造素子を形成するナノ構造素子の製造方法である。
請求項17に記載の発明は、請求項16に記載のナノ構造素子の製造方法において、前記合金めっきのめっき液として硫酸鉄、硫酸銅に錯化剤を加えた水溶液を用い、硫酸鉄と硫酸銅濃度及び錯化剤添加量の調整により銅と鉄の析出電位の電位差を調整することで分離相の組成比率を制御することを特徴とする、ナノ構造素子の製造方法である。
請求項18に記載の発明は、請求項17に記載のナノ構造素子の製造方法において、錯化剤としてヒドロキシ酸、多価カルボン酸、ピロリン酸、アミノ酸、アミン類(第一級アミン、第二級アミン、第三級アミン、アンモニア)あるいはこれらの塩、または多価アルコール、ジケトン、環状エーテル、シアン化物イオン、塩化物イオンの少なくともいずれか1種類を用いることを特徴とする、ナノ構造素子の製造方法である。
請求項19に記載の発明は、合金を構成する複数の金属の電気めっきの析出電位を制御する合金めっきにより形成する第1のステップと合金を加熱処理により、結晶性を有する分離相として相分離させる第2のステップにより機能性を有する分離相を形成する分離相の形成方法である。
請求項20に記載の発明は、請求項7から請求項18のいずれかに記載のナノ構造素子の製造方法において、ナノホールの孔径が1nmから1000nmで、ナノホールの長さが数nmから300nmであることを特徴とする、ナノ構造素子の製造方法である。
請求項21に記載の発明は、表層にナノホールを有する基板上において、ナノホール内の所定部位に電極を形成し、合金を構成する複数の金属の電気めっきの析出電位を制御する合金めっきを行なうことにより合金を充填する第1のステップとナノホール内に電気めっきにより形成した合金を加熱処理により、結晶性を有する分離相として相分離させる第2のステップにより機能性を有する分離相をナノホール内に形成することを特徴とする、ナノ構造体の製造方法である。
請求項22に記載の発明は、表層にナノホールを有する基板上において、ナノホール内の所定部位に電極を形成し、合金を構成する複数の金属の電気めっきの析出電位を制御する合金めっきを行なうことにより合金を充填する第1のステップとナノホール内に電気めっきにより形成した合金を加熱処理により、結晶性を有する分離相として相分離させる第2のステップにより、機能性を有する分離相をナノホール内の中心近傍に形成し、その周囲にマトリックス層を形成することを特徴とする、ナノ構造体の製造方法である。
請求項23に記載の発明は、請求項21から請求項22のいずれかに記載のナノ構造体の製造方法において、ナノホールの孔径が1nmから1000nmで、ナノホールの長さが数nmから300nmであることを特徴とする、ナノ構造体の製造方法である。
本発明は合金を相分離させることにより、マトリックス中に機能性を有する分離相を形成する分離相の形成方法を提供するものであり、特にナノホールへ合金めっきを充填した後に合金から結晶性を有する分離相を相分離させて形成した分離相の磁性、電気抵抗、熱伝導等の特性を利用して、ナノ構造素子及びナノ構造体を製造する方法を提供することができる。
例えば、前記合金めっきを、熱処理等により第一成分のCu等と第二成分の強磁性体又は反強磁性体とに分離して、第一成分の非磁性体と第二成分からなる分離相とからなるナノ構造素子を、ナノホールが規則的に多数配列した基板内に形成した磁気メモリー等に応用可能なナノ構造体を得ることができる。
本発明に使用する基板としては、表層にナノホールを有する酸化物基板、セラミックス基板、ガラス基板、金属基板、半導体基板、プラスチック基板のようなものを用いることができる。
本発明におけるナノホールは、例えば公知のナノインプリント法や陽極酸化等により形成できる。ナノホールの孔径は穴径が小さいと、メッキ液の充填が困難となることから、穴径の下限値は1nmとするが、上限は特に制限されるものではなく素子の機能・用途・分離相の特性に応じて、穴径は1nmから1000nm、好ましくは10nmから500nmの範囲等適宜設定することができる。ナノホールの長さは、例えば、2nmから300nmの範囲に素子の機能・用途・分離相の特性応じて適宜設定できる。
ナノホール内へ電気めっきにおいては、ナノホールの一部または全体に導電性を付与してナノホール内の所定の位置に電極を形成することが必要である。電極の形成方法としては、導電性基板上の非導電性の薄膜に形成されたナノホールを貫通孔として底面を電極とすることや、非導電性基板上の導電性の薄膜に形成されたナノホールの壁面を電極とすることや、導電性基板の表層に形成されたナノホールの底面及び壁面を電極とすることができる。また、非導電性基板上の薄膜に形成されたナノホールや非導電性基板の表層に形成されたナノホールの場合には、ナノホールの底面又は壁面及び底面に導電性を付与する処理を施して電極とすることができる。導電性を付与する方法としては、例えば無電解めっきやダイレクトプレーティング、スパッタまたは蒸着のような方法があげられる。
電気めっきにより複数金属の合金めっきを行う場合には少なくともめっきを行う電流密度の範囲において各金属の析出電位をできるだけ近接させる必要がある。析出電位が異なる金属の場合には合金めっき液中において各金属の析出電位を近接させるために合金めっき液中に錯化剤を添加する方法を用いる。錯化剤は金属イオンと結合して安定な錯体を形成する化合物であり、電気化学的に貴な金属のイオンと卑な金属のイオンとに作用して析出電位を近接させるものである。
錯化剤としては、ヒドロキシ酸(クエン酸、りんご酸、グルコン酸、酒石酸など)、多価カルボン酸(コハク酸、マロン酸など)、ピロリン酸、アミノ酸(アスパラギン酸、グルタミン酸、グリシンなど)、アミン類(エチレンジアミン、エチレントリアミン、エタノールアミンなど)あるいはこれらの塩、または多価アルコール(マンニトールなど)、ジケトン(アセチルアセトンなど)、環状エーテル(ジオキシムなど)、シアン化物イオン溶液、塩化物イオンなどが用いられる。
ナノホール内にめっき液を供給するためには、機械的撹拌やガスの吹き込みなどの方法を用いる。ナノホール内に気泡が残留するのを避けるために、めっき前にめっき液を減圧することや超音波をかけるなどの方法により脱泡すると効果的である。
また、めっき時にナノホール内におけるボイドの発生を避けるには、パルス電流を用いてめっきしてもよい。
本発明においては合金めっき液中の各成分がめっき析出物に及ぼす影響を考慮して、各成分の混合比を最適化する必要がある。例えば、硫酸コバルト及び硫酸銅からなるCu−Co合金めっき液において、錯化剤にクエン酸3ナトリウムを用いた場合に各成分の濃度は以下に示すような影響をもたらすことを確認している。
図5は合金めっき液の電流−電位曲線を示しており、曲線9は錯化剤のクエン酸3ナトリウム濃度が0.01mol/lの場合を、曲線10はクエン酸3ナトリウム濃度が0.1mol/lの場合を、曲線11はクエン酸3ナトリウム濃度が0.5mol/lの場合をそれぞれ表している。なお、硫酸コバルト及び硫酸銅の濃度はそれぞれ0.2及び0.005mol/lとした。
横軸は電位を表しており、右方向へ負の値が大きくなるほど卑な電位となることを意味している。縦軸は電流値を表しており、値が大きくなるほどカソード電流が大きく流れてめっき析出量が増えることを意味している。なお、電位が大きく負側になると電流量が急激に増加するが、これは水素発生が活発になる反応を示している。合金めっきに際してはこのような水素発生が起こらない電位でめっきすることが必要となる。
錯化剤は電気化学的に貴な金属であるCuのイオンと卑な金属であるCoのイオンとに結合して安定な錯体を形成し、錯体からの析出電位を近接させる。Cu錯体からのCuの析出電位はCuイオン単独の場合よりも卑な方向にシフトするため、Cuイオン単独での析出電位より負側の電位でもCuの析出が抑制される。そこで、電気化学的に卑なCo錯体からのCoの析出電位よりも負側の電位を印加することによりCuとCoとを共析して合金めっきすることが可能となり、電位を水素発生が起こらない範囲においてより負側にすることによって析出する合金のCo組成を高めることができる。
尚、錯化剤を用いない場合でも、合金めっきは可能であるが、析出電位による組成の制御ができず、水素発生を伴なうために、得られるめっきはいわゆるヤケめっきのように、粗い析出物となっており、実用に供しないものである。
曲線9に比べて曲線10および曲線11では水素発生が起こる電位がより負側までシフトしており、安定して合金めっきを行うことのできる電位範囲が広がるとともに、合金めっきにより得られる析出物のCo組成を高められることがわかる。本特許に示す方法によれば錯化剤濃度により合金を構成する複数の金属の合金めっきの析出電位を制御することが可能であり、錯化剤濃度を高めることにより高Co組成の合金めっきが得られる。
高Co組成の合金めっきを安定して得るためには錯化剤を加えた合金めっき液からの析出電位を参照電極に飽和カロメル電極(SCE)を用いた場合に−900mVから−1500mVの範囲に制御することが効果的である。クエン酸3ナトリウム以外の錯化剤を用いても、析出電位を同様に制御することができれば本発明に記した錯化剤のいずれを用いてもよく、錯化剤の濃度は必要なCo組成に応じて決定することができる。
析出合金の結晶組織は電気化学的に貴な金属イオンの影響を大きく受ける。Cuイオン濃度が高くなると析出合金の結晶組織が微細化し、Cuイオン濃度が低くなると析出合金の結晶組織が結晶性を有するようになる。
錯化剤にクエン酸塩を用いてCu−Co合金めっきを電気めっきした。めっき液組成およびめっき条件を表1に記す。電気めっき時の電極としては、Pt電極を陽極として、シリコン基板上に貫通孔として存在するナノホールの底面を陰極とした。なお、陽極としては析出させたい金属の可溶性合金陽極や合金の各成分金属を別々に用いる分離陽極などを用いても、本特許の目的を達成するのに特に問題はない。
ナノホールの形成は公知のナノインプリンティング法により、シリコン基板上の樹脂に直径約500nmで、深さ100nmのナノホールを形成した。この基板を合金めっき液中に浸漬してから、減圧下で超音波振動を加えてナノホール内の気泡を脱泡した。合金めっき液をポンプにより吹きつけながら、電極間が所定の電位になるように通電して、電気めっきを行った。
比較例として、スパッタによるナノホール中への合金膜形成を行った。マグネトロンスパッタリング装置を用い、ターゲットにはCuおよびCoを並べて設置し、スパッタリングガスにはアルゴンガスを用いた。投入電力は0.5kWとし、アルゴンガス圧は0.7Paとし、基板温度は室温とした。
Figure 2006249535
本発明においては、硫酸コバルト濃度、硫酸銅濃度及びクエン酸3ナトリウム濃度を変えることにより、得られるCu−Co合金めっきのCo組成及び結晶組織を制御することができる。表2に得られたCu−Co合金めっき膜中のCo組成および結晶組織について測定して結果を記す。クエン酸塩濃度が高くなるほどCo組成が高くなり、硫酸銅濃度が低くなると結晶性が高まり柱状晶となっている。また、析出電位が負側になるほどCo組成が高くなっており、−1200mVよりも負側ではCo組成が70%を超える高Co組成となった。電気めっきの液温は室温で行なったが、20℃から50℃の範囲で行なうことができる。また、pHは6で実施したが、pH4からpH6.5の範囲であれば、本発明の目的を達成するのに特に問題はない。
本特許の実施例においてはクエン酸塩濃度および析出電位の制御によってCo組成が70%を超えるような高Co組成が得られているが、これは通常の冶金的手法(溶解鋳造)では到達困難なレベルである。これより、素子内において磁性に差異を発生させ機能性を発現するナノ構造素子の製造にはクエン酸塩濃度を高くし、また硫酸銅濃度を低くすることが効果的であることがわかる。このように錯化剤を添加し、錯化剤濃度と析出電位を制御することにより、分離相のCo組成を制御することが可能になる。表2のCu−Co合金のCo組成は、ナノホール内の合金めっきの異なる5点について、FESEMのEDX分析装置を用いて求め、その平均値をCo組成とした。
なお、クエン酸塩以外の錯化剤、例えばヒドロキシ酸(りんご酸、グルコン酸、酒石酸など)、多価カルボン酸(コハク酸、マロン酸など)、ピロリン酸、アミノ酸(アスパラギン酸、グルタミン酸、グリシンなど)、アミン類(エチレンジアミン、エチレントリアミン、エタノールアミンなど)あるいはこれらの塩、または多価アルコール(マンニトールなど)、ジケトン(アセチルアセトンなど)、環状エーテル(ジオキシムなど)、シアン化物イオン溶液、塩化物イオンなどを用いた場合にも同様の効果が得られている。
Figure 2006249535
錯化剤にグルタミン酸を用いてCu−Fe合金めっきを電気めっきした。めっき液組成およびめっき条件を表3に記す。電気めっき時の電極としては、Pt電極を陽極として、シリコン基板上に貫通孔として存在するナノホールの底面を陰極とした。なお、陽極としては析出させたい金属の可溶性合金陽極や合金の各成分金属を別々に用いる分離陽極などを用いても、本特許の目的を達成するのに特に問題はない。
また、ナノホールの形成は公知のナノインプリンティング法により、シリコン基板上の樹脂に直径約500nmで、深さ100nmのナノホールを形成した。この基板を合金めっき液中に浸漬してから、減圧下で超音波振動を加えてナノホール内の気泡を脱泡した。合金めっき液をポンプにより吹きつけながら、電極間に所定の電流を通電して電気めっきを行った。
比較例として、スパッタによるナノホール中への合金膜形成を行った。マグネトロンスパッタリング装置を用い、ターゲットにはCuおよびFeを並べて設置し、スパッタリングガスにはアルゴンガスを用いた。投入電力は0.5kWとし、アルゴンガス圧は0.7Paとし、基板温度は室温とした。
Figure 2006249535
本発明においては、硫酸鉄濃度、硫酸銅濃度及びグルタミン酸濃度を変えることにより、得られるCu−Fe合金めっきのFe組成及び結晶組織を制御することができる。表4に得られたCu−Fe合金めっき膜中のFe組成および結晶組織について測定して結果を記す。グルタミン酸濃度が高くなるほどFe組成が高くなり、また硫酸銅濃度が低くなると結晶性が高くなり柱状晶となっている。電気めっきの液温は室温で行なったが、20℃から50℃の範囲で行なうことができる。また、pHは6で実施したが、pH4からpH6.5の範囲であれば、本発明の目的を達成するのに特に問題はない。
ここで、表4のCu−Fe合金のFe組成は、ナノホール内の合金めっきの異なる5点について、FESEMのEDX分析装置を用いて求め、その平均値をFe組成とした。
なお、グルタミン酸以外の錯化剤、例えばヒドロキシ酸(クエン酸、りんご酸、グルコン酸、酒石酸など)、多価カルボン酸(コハク酸、マロン酸など)、ピロリン酸、アミノ酸(アスパラギン酸、グリシンなど)、アミン類(エチレンジアミン、エチレントリアミン、エタノールアミンなど)あるいはこれらの塩、または多価アルコール(マンニトールなど)、ジケトン(アセチルアセトンなど)、環状エーテル(ジオキシムなど)、シアン化物イオン溶液、塩化物イオンなどを用いた場合にも同様の効果が得られている。
Figure 2006249535
錯化剤にクエン酸3ナトリウムを用いてCu−Co合金めっきを電気めっきした後に350℃で8時間の加熱処理をして、結晶性を有する分離相として相分離させた場合に、マトリクスのCu中に分離相として形成されるCo分離相の体積分率を表5に示す。
ここで、表5のCu−Co合金のCo組成はFESEMを用いて、相分離後の組織5視野について、面分析を行った結果を画像処理により、分離相の形状を円柱状と仮定して、体積分率に換算した。
Figure 2006249535
Co組成が高い合金めっきにおいては、相分離後のCo体積分率が大きくなっており、ナノホールへ合金めっきを充填した後に合金から結晶性を有する分離相を相分離させて機能性を有する素子として利用できることが確認された。
錯化剤にグルタミン酸を用いてCu−Fe合金めっきを電気めっきした後に350℃で8時間の加熱処理をして、結晶性を有する分離相として相分離させた場合に、マトリクスのCu中に分離相として形成されるFe分離相の体積分率を表6に示す。ここで、表6のCu−Fe合金のFe組成はFESEMを用いて、相分離後の組織5視野について、面分析を行った結果を画像処理して、分離相の形状を円柱状と仮定して、体積分率に換算した。
Figure 2006249535
Fe組成が高い合金めっきにおいては、相分離後のFe体積分率が大きくなっており、ナノホールへ合金めっきを充填した後に合金から結晶性を有する分離相を相分離させて機能性を有する素子として利用できることが確認された。
本発明のめっき方法の合金めっきが充填されたナノホールの模式図である。 図1の合金めっきに相分離を施し、ナノホール形成された1つの分離相である。 図1に示す合金めっきに相分離を施し、ナノホールに形成された複数の分離相である。 従来のパルス電解法で形成されためっき多層膜が充填されたナノホールの模式図である。 硫酸銅、硫酸コバルトおよびクエン酸3ナトリウムからなる合金めっき液中における電流−電位曲線である。
符号の説明
1.ナノホール
2.樹脂
3.シリコン基板
4.合金めっき
5.マトリクス相
6.分離相
7.銅層
8.コバルト層
9.錯化剤濃度0.01mol/lのめっき液における電流−電位曲線
10.錯化剤濃度0.1mol/lのめっき液における電流−電位曲線
11.錯化剤濃度0.5mol/lのめっき液における電流−電位曲線

Claims (23)

  1. 複数の金属の析出電位を制御する電気めっきを行うことにより形成した合金めっきを、相分離させることにより、マトリクス中への機能性を有する分離相の形成方法。
  2. 前記合金めっきの相分離は加熱処理により合金から結晶性を有する分離層を相分離させることを特徴とする、請求項1に記載の分離相の形成方法。
  3. 表層にナノホールを有する基板において、全体又は一部に導電性を有するナノホールへ前記めきを充填することを特徴とする、請求項1から請求項2のいずれかに記載の分離相の形成方法。
  4. 前記分離相の分布に応じて、磁性、電気抵抗、熱伝導率のいずれか1種類の特性がナノホール内で分布を有することを特徴とする、請求項1から請求項3のいずれかに記載の分離相の形成方法。
  5. 前記合金めっきは、第一成分を非磁性金属とし、第二成分に強磁性体又は反強磁性体のいずれかを含むことを特徴とする、請求項1から請求項4のいずれかに記載の分離相の形成方法。
  6. 前記合金めっきは、第一成分をCuとし、第二成分として強磁性体又は反強磁性体を構成する元素として、Fe、Co、Ni、Mn、Cr、Pt、Pd、Ir、Rhのいずれか1つを含む合金めっきであることを特徴とする、請求項5に記載の分離相の形成方法。
  7. 表層にナノホールを有する基板において、全体又は一部に導電性を有するナノホールへ合金めっきを充填した後にナノホール内部の合金から結晶性を有する分離相を相分離させることによりマトリクス中に機能性を有する分離相を形成するナノ構造素子の製造方法。
  8. 前記合金の充填を合金を構成する複数の金属の電気めっきの析出電位を制御する合金めっきにより行うことを特徴とする、請求項7に記載のナノ構造素子の製造方法。
  9. 前記合金めっきの相分離は加熱処理により合金から結晶性を有する分離相を相分離させることを特徴とする、請求項7又は請求項8に記載のナノ構造素子の製造方法。
  10. 前記合金めっきは、第一成分を非磁性金属とし、第二成分に強磁性体又は反強磁性体のいずれかを含むことを特徴とする、請求項7から請求項9のいずれかに記載のナノ構造素子の製造方法。
  11. 前記合金めっきは、第一成分をCuとし、第二成分として強磁性体又は反強磁性体を構成する元素として、Fe、Co、Ni、Mn、Cr、Pt、Pd、Ir、Rhのいずれか1つを含むことを特徴とする、請求項10に記載のナノ構造素子の製造方法。
  12. 前記合金めっきは、第一成分をCuとし、第二成分をCoとする合金めっきであることを特徴とする、請求項7から請求項9のいずれかに記載のナノ構造素子の製造方法。
  13. 請求項12に記載のナノ構造素子の製造方法において、前記合金めっきのめっき液として硫酸コバルト、硫酸銅に錯化剤を加えpHを4以上とした水溶液を用い、硫酸コバルトと硫酸銅濃度及び錯化剤添加量の調整により銅とコバルトの析出電位の電位差を調整することで分離相の組成比率を制御することを特徴とする、ナノ構造素子の製造方法。
  14. 請求項13に記載のナノ構造素子の製造方法において、錯化剤により析出電位を−900mVから−1500mVに制御することを特徴とする、ナノ構造素子の製造方法。
  15. 請求項14に記載のナノ構造素子の製造方法において、錯化剤としてヒドロキシ酸、多価カルボン酸、ピロリン酸、アミノ酸、アミン類(第一級アミン、第二級アミン、第三級アミン、アンモニア)あるいはこれらの塩、または多価アルコール、ジケトン、環状エーテル、シアン化物イオン、塩化物イオンの少なくともいずれか1種類を用いることを特徴とする、ナノ構造素子の製造方法。
  16. 前記合金めっきは、第一成分をCuとし、第二成分をFeとする合金めっきであることを特徴とする、請求項7から請求項9のいずれかに記載のナノホール内に形成した分離相の特性を利用してナノホール構造素子を形成するナノ構造素子の製造方法。
  17. 請求項16に記載のナノ構造素子の製造方法において、前記合金めっきのめっき液として硫酸鉄、硫酸銅に錯化剤を加えた水溶液を用い、硫酸鉄と硫酸銅濃度及び錯化剤添加量の調整により銅と鉄の析出電位の電位差を調整することで分離相の組成比率を制御することを特徴とする、ナノ構造素子の製造方法。
  18. 請求項17に記載のナノ構造素子の製造方法において、錯化剤としてヒドロキシ酸、多価カルボン酸、ピロリン酸、アミノ酸、アミン類(第一級アミン、第二級アミン、第三級アミン、アンモニア)あるいはこれらの塩、または多価アルコール、ジケトン、環状エーテル、シアン化物イオン、塩化物イオンの少なくともいずれか1種類を用いることを特徴とする、ナノ構造素子の製造方法。
  19. 合金を構成する複数の金属の電気めっきの析出電位を制御する合金めっきにより形成する第1のステップと合金を加熱処理して、結晶性を有する分離相として相分離させる第2のステップにより機能性を有する分離相を形成する分離相の形成方法。
  20. 請求項7から請求項18のいずれかに記載のナノ構造素子の製造方法において、ナノホールの孔径が1nmから1000nmで、ナノホールの長さが数nmから300nmであることを特徴とする、ナノ構造素子の製造方法。
  21. 表層にナノホールを有する基板上において、ナノホール内の所定部位に電極を形成し、合金を構成する複数の金属の電気めっきの析出電位を制御する合金めっきを行なうことにより合金を充填する第1のステップとナノホール内に電気めっきにより形成した合金を加熱処理して、結晶性を有する分離相として相分離させる第2のステップにより機能性を有する分離相をナノホール内に形成することを特徴とする、ナノ構造体の製造方法。
  22. 表層にナノホールを有する基板上において、ナノホール内の所定部位に電極を形成し、合金を構成する複数の金属の電気めっきの析出電位を制御する合金めっきを行なうことにより合金を充填する第1のステップとナノホール内に電気めっきにより形成した合金を加熱処理して、結晶性を有する分離相として相分離させる第2のステップにより、機能性を有する分離相をナノホール内の中心近傍に形成し、その周囲にマトリックス層を形成することを特徴とする、ナノ構造体の製造方法。
  23. 請求項21から請求項22のいずれかに記載のナノ構造体の製造方法において、ナノホールの孔径が1nmから1000nmで、ナノホールの長さが数nmから300nmであることを特徴とする、ナノ構造体の製造方法。
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