JP2008304275A - 新規な免疫凝集測定法 - Google Patents

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Abstract

【課題】細菌検査において、これまで用手法であるスライド凝集法を汎用の生化学自動分析装置等を用いた光学的免疫測定を可能にし、簡便・迅速且つ正確に多数の検体を検査することができる免疫凝集測定方法の提供。
【解決手段】細菌を抗原とした抗原抗体反応を利用した光学的変化量の測定において、反応液中に粘性調整剤、分散調整剤、比重調整剤の組み合わせの存在下で反応を行うことを特徴とした免疫凝集測定法。
【選択図】なし

Description

本発明は、新規な免疫凝集測定法に関する。
食中毒は、食品、添加物、器具、又は容器包装等に含まれた、又は付着した微生物、化学物質、自然毒等を摂取することによって起きる衛生上の危害(飲食に起因する危害)とされる。
細菌が病因物質である食中毒の場合は、患者便、吐物、原因食品から病原体を分離し、分離菌について生化学的性状、血清型別を調べるとともに毒素産生性などの試験を実施し菌を特定している。
最近の検査技術の進歩により、病因物質の判明率が向上し病原大腸菌、腸炎ビブリオ、サルモネラ菌、ブドウ球菌等の細菌による件数が圧倒的に多いことがわかってきており、食中毒対策のいっそうの強化を図る必要があるとされている。
例えば、大腸菌は、人の腸管内正常細菌叢に含まれる腸内細菌科に属するグラム陰性桿菌で菌体抗原(O群:O1〜O173)及び鞭毛抗原(H型:H1〜H56)の組み合わせによって血清学的型(血清型)が決められる。
大腸菌のうち下痢、急性胃腸炎又は大腸炎等の腸管感染症の原因菌となるものは病原大腸菌と呼ばれている。病原大腸菌は、その病原性機構の違いによって腸管病原性大腸菌、
腸管侵入性大腸菌、腸管毒素原性大腸菌、腸管出血性大腸菌の4つに大きく分類されている。(財)日本公衆衛生協会:微生物検査必携 細菌・真菌検査 第3版(非特許文献1)によれば、病原大腸菌の確定には病原性の証明が必要であるが、それぞれの病原大腸菌は特定の血清型を示す場合が多いことから、診断用免疫血清を使用して血清型別試験で血清型を判定することにより病原大腸菌の分類を同定する方法が用いられている。
病原大腸菌の血清型別にはO群及びH型の免疫血清が用いられる。O群免疫血清は、大腸菌血清型参照株のホルマリン死菌を免疫原として健康ウサギ、又は健康ブタに免疫して得た血清から類縁反応を吸収除去して調製される。また、H型免疫血清は、大腸菌鞭毛を免疫原として健康ウサギに免疫して得た血清から類縁反応を吸収除去して調製される。
これらの病原大腸菌免疫血清は、スライド凝集法(O群:50種類)、試験管凝集法(H型:22種類)用検査試薬として販売(デンカ生研株式会社)されている。また、ラテックス粒子を用いた凝集法による大腸菌の検出方法についても報告されている(特許文献1および2を参照)。
例えば、病原大腸菌O群血清型別スライド凝集法は以下のように行う。
患者材料から分離され大腸菌と同定された細菌を生理食塩液に懸濁浮遊し121℃、15分間又は100℃、60分間加熱した後、遠心分離し、上清を捨て、沈殿した菌を生理食塩液に懸濁浮遊し検体とする。検体とO群免疫血清をスライドグラスや専用の平板上で混ぜ合わせ、同時に検体と生理食塩液を平板上で混ぜ合わせたものを対照として、対比して凝集の有無を目視により観察して陰性、陽性を判定する。
このように細菌検査、特に食中毒原因菌の検査は従来法においては、患者便、吐物、原因食品から病原体を分離し、分離菌について生化学的性状、血清型別を調べるとともに毒素産生性などの試験を実施し菌を特定していたが、生化学的性状や毒素産生性等の試験は時間もコストもかかっていた。特に、血清型別に使用されるスライド凝集法は、分離した細菌と血清型別用の免疫血清(抗体液)をスライドグラスなどの平板上で混ぜ合わせ、同時に対照試験として細菌と生理食塩液を平板上で混ぜ合わせたものとを対比して凝集の有無を目視により観察して陰性、陽性を判定する方法であるが、実際に検体として得られる細菌は必ずしも単一の免疫血清に純粋に反応するものだけではなく、複数種免疫血清に対して凝集する場合もある。そのような比較的遅れて出現する凝集や微弱な凝集も正確に判定するために、免疫血清の代わりに生理食塩水を用いた対照試験が必要であり、多数検体を検査するには操作が煩雑であり、例えば大量の食中毒発生時に多数検体を同時に検査するには多くの人手と時間を要するという問題を有していた。またさらに正確に測定するには定量凝集反応法による凝集価比較で判定するが、それには手間と習熟を要した。このような背景のもとで、より簡便、迅速な測定方法が求められていた。
そこで、従来のラテックス免疫凝集法を汎用の生化学自動分析装置等の分光光度計を用いた光学的測定方法で細菌の凝集反応を測定することが考案された。
ラテックス免疫凝集の光学的測定方法では、測定対象の抗原(または抗体)を含む検体と、該抗原に対応した抗体(または抗原)を含有する溶液を例えばプラスチックやガラス製のセル内で混合し、不溶性の抗原抗体複合物を生成させる。そして、検体の当初の光学特性と、上記抗原抗体複合物が生成されて凝集が生じた後の光学特性を測定し、該光学的特性の変化により、抗原(または抗体)の量が測定される。また、上記光学的特性としては、吸光度や散乱光強度などが利用されている。
しかし、細菌はラテックス免疫凝集法に使用されるラテックスと比較して大きな粒子であり、その反応によって生成される抗原抗体複合物は上記スライド凝集法のように目視が可能であることから大きい。その結果、抗原抗体複合物はその反応性が強いほど肥大化した凝集塊となる。肥大化した凝集塊はスライドグラスや専用の平板上といった2次元平面上で試験するスライド凝集試験においてはその凝集塊が平面状に展開されるので、凝集を観察できるが、光学的測定方法においては3次元空間のセルにおいて光学特性の変化を測定することから、凝集塊の沈降により凝集塊が測定光路から外れ、正確に測定できない場合がある。
(財)日本公衆衛生協会:微生物検査必携 細菌・真菌検査 第3版 特開2002-119297号公報 特開2003-284588号公報
細菌と免疫血清の免疫凝集反応は細菌自体が既に知られているラテックス免疫凝集試薬のラテックスと比較して大きい粒子であることから、その凝集塊はラテックスと比較して大きく、凝集塊の沈降が起きやすい。スライドグラスや専用の平板上といった2次元平面上で試験するスライド凝集試験においてはその凝集塊は2次元平面状に展開されることから、凝集塊が沈降することはない。しかし、分光光度計を用いた光学的測定方法においては3次元空間のセルにおいて光学特性の変化を測定することから、測定対象の凝集塊が3次元空間のセル内部で沈降する。沈降することにより凝集塊は測定光路から外れ、セル内部の吸光度を正確に測定できない。つまり、光学的測定方法はスライド凝集法では判定が困難な微弱な凝集に対しては測定できるが、その一方、スライド凝集法でも明らかに判定できる急激で強い凝集反応は測定できない。その結果、測定結果はスライド凝集試験と一致しない例が発生し、より正確性の高い測定方法が望まれている。
本発明者らは、鋭意研究の結果、細菌と免疫血清の免疫凝集反応による凝集塊が3次元空間のセル内部で沈降する原因として、免疫血清の添加時における急激な凝集塊の生成による凝集塊の肥大化により、凝集塊が沈降しやすい状態になる事であると推定した。そこで、凝集塊の沈降を防ぐ方法として「1.免疫血清の添加時における急激な凝集塊の生成の抑制」と「2.凝集塊の沈降そのものの抑制」が重要である事を見出した。「1.免疫血清の添加時における急激な凝集塊の生成の抑制」においては反応液中に粘性調整剤や分散調整剤の存在下で反応させることにより、細菌と免疫血清中の抗体の接触機会を緩和して反応が抑制されることが考えられる。また、「2.凝集塊の沈降そのものの抑制」においては凝集塊の沈降を防ぐために、比重調整剤により反応液中の比重を上げることにより凝集塊が沈降しにくい状態にすることが考えられる。そこで、本発明者らは細菌と抗体が抗原抗体反応することにより生ずる凝集(免疫凝集)反応を反応液中に粘性調整剤、分散調整剤または比重調整剤のいずれかまたはその組み合わせを添加し、これらの調整剤の存在下で反応を行うことにより抗原と抗体の急激な凝集塊の生成及び凝集塊の沈降を抑制し、汎用の生化学自動分析装置等の分光光度計を利用した光学的測定方法で測定することを可能にし、その結果、簡便・迅速且つ正確に多数検体を検査することを実現させた。
すなわち本発明の方法は、細菌(抗原)と抗体を反応液中にグリセリン等の粘性調整剤、エチレングリコール等の分散調整剤または塩化ナトリウム等の比重調整剤のいずれかまたはその組み合わせの存在下で反応を行うことで、抗原抗体反応によって生じる抗原抗体複合体の凝集によって起こる光学的変化量を測定することにより、細菌(抗原)と抗体との反応性を急激な凝集を及び凝集塊の沈降の影響なく正確に測定する免疫凝集測定方法である。
より具体的には本発明の方法は、グリセリン等の粘性調整剤、エチレングリコール等の分散調整剤または塩化ナトリウム等の比重調整剤のいずれかまたはその組み合わせを添加した生理食塩液又は緩衝液中に、細菌(抗原)を一定濃度に懸濁させた後に、例えばプラスチックやガラス製のセル内で抗体を混合し反応させ、特異的な抗原抗体反応が起こった場合は抗原抗体複合体が生じ細菌は凝集するので、セル外部より200〜900nmの波長から選ばれる適当な波長の光を照射し、その吸光度変化を測定することにより、セル中の細菌(抗原)と抗体との反応性を測定する免疫凝集測定方法である。
また、本発明の方法は、細菌(抗原)をグリセリン等の粘性調整剤、エチレングリコール等の分散調整剤または塩化ナトリウム等の比重調整剤のいずれかまたはその組み合わせを添加した生理食塩液又は緩衝液中に一定濃度に懸濁させた後にセル外部より200〜900nmの波長から選ばれる任意の波長の光を照射して吸光度を測定し、その後に細菌と免疫血清を例えばプラスチックやガラス製のセル内で混合し反応させると、特異的な抗原抗体反応が起こった場合は抗原抗体複合体が生じ細菌は凝集するのでセル外部より200〜900nmの波長から選ばれる適当な波長の光を照射し、その吸光度変化を測定することにより、セル中の細菌(抗原)と抗体との反応性を測定する免疫凝集測定方法である。
すなわち、本発明はこれまで用手法であるスライド凝集法について、汎用の生化学自動分析装置等を用いての光学的免疫測定を可能にし、簡便・迅速且つ正確に多数の検体を検査することができる免疫凝集測定方法を提供する。
本発明の態様は、以下の通りである。
[1] 細菌の菌体と抗体を水溶媒中で混ぜて抗原抗体反応による菌体の凝集を光を照射して光学的変化量を測定することにより検出する免疫凝集測定法であって、粘性調整剤の存在下で反応を行うことを特徴とする免疫凝集測定法。
[2] 細菌の菌体と抗体を水溶媒中で混ぜて抗原抗体反応による菌体の凝集を光を照射して光学的変化量を測定することにより検出する免疫凝集測定法であって、分散調整剤の存在下で反応を行うことを特徴とする免疫凝集測定法。
[3] 細菌の菌体と抗体を水溶媒中で混ぜて抗原抗体反応による菌体の凝集を光を照射して光学的変化量を測定することにより検出する免疫凝集測定法であって、比重調整剤の存在下で反応を行うことを特徴とする免疫凝集測定法。
[4] 細菌の菌体と抗体を水溶媒中で混ぜて抗原抗体反応による菌体の凝集を光を照射して光学的変化量を測定することにより検出する免疫凝集測定法であって、反応液中に粘性調整剤、分散調整剤及び比重調整剤からなる群から選択される調整剤の少なくとも2つの存在下で反応を行うことを特徴とする免疫凝集測定法。
[5] 光学的変化量の測定に生化学検査用自動分析装置を用いる、[1]〜[4]のいずれかの免疫凝集測定法。
[6] 細菌が大腸菌、赤痢菌、サルモネラ菌及び腸炎ビブリオ菌からなる群から選択される、[1]〜[5]のいずれかの免疫凝集測定法。
[7] 血清型別試験を行なうための、[1]〜[6]のいずれかの免疫凝集測定法。
[8] 抗原抗体反応に用いる抗原が大腸菌であり、抗体が大腸菌のO群免疫血清である、[1]〜[7]のいずれかの免疫凝集測定法。
[9] 粘性調整剤がグリセリンである、[1]及び[4]〜[8]のいずれかの免疫凝集測定法。
[10] 分散調整剤がグリセリン又はエチレングリコールである、[2]及び[4]〜[8]のいずれかの免疫凝集測定法。
[11] 比重調整剤が塩化ナトリウムである、[3]〜[8]のいずれかの免疫凝集測定法。
[12] 反応液中のグリセリン濃度が10〜40%である、[9]又は[10]の免疫凝集測定法。
[13] 反応液中のエチレングリコール濃度が30%である、[10]の免疫凝集測定法。
[14] 反応液中の塩化ナトリウムの濃度が12%である、[11]の免疫凝集測定法。
従来法のスライド凝集法においては、凝集の程度を目視により判断しており、測定に習熟を要しており、必ずしも正確に測定できなかった。本発明により、汎用の生化学自動分析装置等を用いた光学的免疫測定が可能になるので、従来法よりも簡便、迅速、正確且つ判定しやすい検査を可能とする免疫凝集測定方法が確立された。
本発明の方法において用いられる免疫血清(抗体)は、検査しようとする細菌(抗原)と抗原抗体反応により反応する抗体(以下、「特異抗体」と呼ぶ)を含むものである。ここで、特異抗体は、ポリクローナル抗体であってもモノクローナル抗体であってもよい。抗体は公知の方法で作製することができる。例えば、ポリクローナル抗体はウサギ、ブタ、ヤギ等を免疫することにより作製し得る。モノクローナル抗体は、ケーラーとミルステインの方法(Kohler, G. and Milstein, C., Nature, 256, 495-497, 1975)等の公知の方法により作製し得る。この際、検査しようとする細菌をそのまま免疫原として用いてもよいし、細菌に特異的な抗原を精製し免疫原として用いてもよい。
本発明の方法により測定することができる細菌(抗原)は何ら限定されるものではなく、それに対応する抗体を作製することができるあらゆる細菌が本発明の方法により測定可能である。例えば、腸管感染症の原因菌となる病原大腸菌、急性胃腸炎を起こす腸炎ビブリオ、赤痢菌、サルモネラ菌のような病原体等を挙げることができるがこれらに限定されるものではない。
また、検体(細菌の懸濁液)は、患者の下痢便、患者の吐物、飲食物から分離培養した細菌(抗原)を生理食塩液又は緩衝液中に一定濃度に懸濁させた状態で用いられる。
この際、抗原は生菌の状態で使用することができる。また、抗原と特異抗体との抗原抗体反応をより効率よく反応させる目的で、またはバイオハザードの安全性の面から細菌を不活化する目的で、細菌を加熱し、又はホルマリン・アルコール等の薬剤、酵素などにより予め処理してもよい。
本発明の免疫凝集測定法は、細菌の菌体と抗体を水溶媒中で混ぜて抗原抗体反応による菌体の凝集を光を照射して光学的変化量を測定することにより検出する免疫凝集測定法であり、細菌の抗原抗体反応は、反応液中に粘性調整剤、分散調整剤または比重調整剤のいずれかまたはその組み合わせを添加した生理食塩液、または任意のpHの適当な緩衝液、例えば、リン酸緩衝液、グッド緩衝液、トリス緩衝液、ホウ酸緩衝液等の溶液中で、すなわち粘性調整剤、分散調整剤または比重調整剤のいずれかまたはその組み合わせたものの存在下で行わせる。粘性調整剤としては、グリセリン、ポリリン酸、ヒアルロン酸、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)等の高分子化合物、コンドロイチン、ムチン、グルコマンナン、ペクチン等の糖タンパクなどが挙げられる。分散調整剤としては、エチレングリコール、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、テトラアルキルアンモニウム、フェニルフェノールエトキシレート、オクチルフェノールエトキシレート、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレンフェニルエーテル等、HLB値10以上の界面活性剤高分子化合物が挙げられ、比重調整剤としては塩化ナトリウム、塩化カリウム等の比重調整塩等が挙げられる。添加する粘性調整剤、分散調整剤、比重調整剤の濃度は限定されないが、粘性調整剤は反応液中の最終濃度が10〜60%、好ましくは20〜50%、さらに好ましくは30〜40%となるように添加し、分散調整剤は反応液中の最終濃度が10〜60%、好ましくは20〜50%、さらに好ましくは30〜40%となるように添加し、比重調整剤は反応液中の最終濃度が5〜20%、好ましくは10〜15%となるように添加すればよい。粘性調整剤、分散調整剤、比重調整剤の複数種を同時に用いる場合は、反応液中の最終濃度がトータルで5〜70%になるように添加すればよい。反応を行なわせる際、特異抗体と細菌との非特異的結合を抑制するために、硫酸エステル塩、スルホン酸塩、リン酸エステル塩等の陰イオン界面活性剤、アミン塩、第4級アンモニウム等の陽イオン界面活性剤、アミノ酸型、ベタイン型等の両イオン界面活性剤、ポリエチレングリコール型、多価アルコール型等の両イオン界面活性剤などの適当な界面活性剤;アルブミン、グロブリン、カゼイン、ゼラチン等の適当な蛋白質;スクロース、サッカロース、トレハロース、マルトース、ラクトース、ソルビトール、マンイトール、デキストラン等の適当な糖;又は糖アルコールを添加してもよい。細菌及び抗体の種類によって、急激な細菌と抗体の凝集反応により生成された抗原−抗体複合体は肥大化した凝集塊となりセル内で沈降することにより、分光光度計の測定光路より著しく外れ、正確に凝集反応を測定できない場合がある。しかし、反応溶液中に上記の粘性調整剤、分散調整剤または比重調整剤のいずれか又はその組み合わせを添加することで、反応液の粘性を上げたり、分散調整剤で抗原−抗体複合体の分散性を上げることができる。その結果、免疫血清中の細菌と抗体の急激な接触を抑制し、抗原−抗体複合体の凝集塊の肥大化を防ぎ、凝集塊の沈降を抑制し、測定値に対する凝集塊の影響を防ぐことができる。また、仮に凝集塊が生成されたとしても、比重調整剤で反応液中の比重を上げておくことにより、凝集塊の沈降を防ぐことができる。このように粘性調整剤、分散調整剤及び比重調整剤を用いることにより、細菌と抗体の種類を問わずに幅広い抗原−抗体反応による凝集を、正確に測定できる。
本発明の免疫凝集測定法においては、細菌を含む検体をセル内に例えば5〜100μL取り、粘性調整剤、分散調整剤または比重調整剤のいずれか1種類又は複数種類を添加した緩衝液50〜500μLと混合し、セル外部より200〜900nmの波長から選ばれる任意の波長の光を照射して吸光度及び吸光度変化を測定する。この方法により、抗原抗体反応が開始する前の抗原抗体反応に基づかない自己凝集の影響を予め把握することができる。任意の波長とは、細菌(抗原)の抗原抗体反応によって生じる抗原抗体複合体の凝集反応を捉えることができる最適な波長であれば、いずれの波長でも構わない。また、単一の波長で測定してもよいし、主波長と副波長の2波長で測定して、主波長と副波長の差を測定してもよい。次に前記細菌に特異的な抗体を含む試薬50〜500μLを添加し、引き続き吸光度及び吸光度変化を一定時間、経時的に測定する。前記細菌に特異的な抗体を含む試薬を添加直前若しくは添加直後の吸光度と一定時間後の吸光度の変化を測定する。
従来のスライド凝集法においては、手技操作と目視による観察で行われるため、同時に行える試験数も限られていた。また、複数種免疫血清と反応させてその凝集を観察していたが、実際に検体として得られる細菌は必ずしも単一の免疫血清に純粋に反応する株だけではなく、その細菌種類及び株と抗体の種類によって凝集の速さや凝集塊の大きさには差が見られる。その場合は比較的遅れて出現する凝集や微弱な凝集を誤って判定することのないように免疫血清の代わりに生理食塩水を用いた対照試験とその都度目視で比較していた。目視では微弱な免疫血清間の反応の違いを観察することは実質的に不可能であるから、定量凝集反応法による凝集価比較で判定するが、それには手間と習熟を要した。しかしながら、本発明の方法は細菌と抗体による抗原抗体反応の凝集を光学的に測定し、得られた測定値を計算し、該計算値に基づいて凝集の程度を判定する。つまり、細菌菌体に特異的な抗体の一定時間の反応後の吸光度測定値に対して、細菌に特異的な抗体を含む試薬を添加直前若しくは添加直後の吸光度測定値を反応前のブランク、つまり対照とすることから、従来のスライド凝集法のように免疫血清に代えて生理食塩水による対照試験を設ける必要がなく、測定が簡便である。また、本発明の方法では、自動分析装置を用いて検体中の細菌を複数種の免疫血清に反応させてその血清型違いによる凝集反応の差を光学的に測定し、その測定結果を数値として比較することにより、どの免疫血清に対して強く凝集反応を示したかを判定することができる。得られた複数種の免疫血清による測定値を比較計算し、該計算値に基づいて凝集の程度を判定する方法は、得られた複数種の測定値の最大値を求める計算や、得られた複数種の測定値の差を求め有意差のあるグループに分けるための計算を含み、その計算に基づいて凝集の程度を判定することを言う。判定の方法として例えば、最大値となったものは陽性と判定する方法、測定値が有意差のあるグループに分けられた場合はその測定値の大きいグループを陽性と判定する方法、測定値が有意差のあるグループに分けられた場合においてその測定値の大きいグループの員数が多い場合は判定を保留する方法、測定値が有意差のあるグループに分けられない場合は全て陰性とする方法などがある。これらの判定方法は細菌と免疫血清の特性を考慮し、適宜選択して適用することが可能である。
吸光度変化は、例えば、抗原抗体反応開始から200〜1000秒間、好ましくは500〜700秒間、さらに好ましくは600秒間の吸光度の変化を測定することにより測定することができる。もっとも、測定時間はこれに限定されるものではなく、反応開始後から任意の時間における吸光度及び吸光度の変化を求めることにより測定することができる。また、検体に対して生理食塩水や緩衝液をセル内で混ぜ、吸光度を測定し、自己凝集の有無を確認することで、誤って陽性と判定しないための指標として用いることができる。
時間単位で得られた測定値は例えばレート分析法やエンド分析法など、その目的や測定値によって好みの分析方法で分析して、抗原抗体反応を判定することが出来る。
陽性、陰性の判定方法としては、吸光度の値に対して一定の閾値を設け、一定時間後の吸光度測定値がその閾値より上か下かで判定する方法や、1つの検体に対して複数種免疫血清に対する反応を見る場合はこれら試験工程を同期して行い、各試験より得られる吸光度の測定値の差を求め、予め設定した値以上に乖離したことをもって判定する方法などが挙げられる。後者の方法においては、測定値乖離をもって試験終了とすることができるため試験時間を短縮、短時間で判定することができる。
本発明の免疫凝集測定法の測定工程を連続して行う機器としては、医療関係の検査施設で生化学検査に広く使用されている生化学検査用自動分析装置を好ましく用いることができる。例えば、東芝社のTBA-120FR及びTBA-200FR 分析装置等、三菱化学社のLPIA-S500ラテックス凝集全自動測定器、ロシュ・ダイアグノスティック・システムズ社のCOBAS FARA装置及びCOBAS MIRA装置、及び日立製作所の日立7070分析装置等を用いて行うことができる。
以下、本発明を実施例に基づきより具体的に説明する。もっとも、本発明は、下記実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
本実施例においては生化学検査用自動分析装置を用いて、細菌と免疫血清との凝集反応を光学的に測定し、反応開始後の測定値から、反応開始時の測定値の差を計算し、該計算値に基づいて凝集の程度を判定できるか試験した。
免疫血清の調製
免疫血清は、デンカ生研社製の病原大腸菌免疫血清「生研」のO群血清(1号セット)と同じ構成となるよう準備した(表1)。
Figure 2008304275
混合血清9種、および単味血清50種を作成した。
混合血清1から9は、表1の単味血清の欄に列記される血清型の抗原に反応する抗体を含み、単味血清はそれぞれの血清型の抗原に反応する抗体を含む。検体試料と混合血清を反応させ凝集反応を生じた場合、当該検体試料中に当該混合血清の構成単味血清いずれかと反応する抗原が含まれていると推定することができる。また、検体試料と単味血清を反応させ凝集反応を生じた場合、当該検体試料中に当該単味血清と反応する抗原が含まれていると推定することができる。
病原大腸菌O群免疫血清を以下の手順で調製した。
混合血清および単味血清いずれも大腸菌血清型参照株のホルマリン死菌を免疫原とした。
混合血清は当該混合血清を構成する血清型のホルマリン死菌を免疫原として健康ブタに免疫して得た血清を56℃30分間加熱処理した後、類縁凝集素を吸収除去し無菌ろ過した後、リン酸緩衝液で希釈し力価を調整した。
単味血清は当該単味血清の血清型のホルマリン死菌を免疫原として健康ウサギに免疫して得た血清を56℃30分間加熱処理した後、類縁凝集素を吸収除去し無菌ろ過した後、リン酸緩衝液で希釈し力価を調整した。
従来の病原大腸菌免疫血清「生研」による大腸菌の血清学的型別の判定方法はスライド凝集法であり、その操作方法の詳細は添付文書に記載があるが、概略は以下の通りである。
(1)検体となる大腸菌を寒天培地で好気的条件下、37℃で一夜(18〜24時間)培養する。
(2)マッチ棒の頭3〜5倍程度の細菌を掻き取り、3mLの生理食塩水に浮遊した後、121℃、15分間、又は100℃、60分間加熱処理をする。
(3)900×g、20分間遠心分離し、上清を捨て、沈渣に0.5mLの生理食塩水を加え均一に浮遊して抗原液とする。
(4)ガラス鉛筆でスライドグラスを数区画に分け、区画毎に各混合血清1〜9と対照として生理食塩水を滴下する。
(5)抗原液の1白金耳を各混合血清30μL又は生理食塩水30μLとよく混和する。
(6)スライドを前後に傾斜させながら凝集の有無を観察する。
(7)混合血清で陽性と判定された場合、その混合血清を構成する単味血清を用いて(例えば混合血清1に陽性と判定された場合、O1、O26、O86a、O111、O119、O127a、O128の各単味血清を用いて)同様に試験する。
検体の調製
市販の病原性大腸菌免疫血清「生研」で血清型がO1と同定された病原大腸菌O1(混合1の血清のみと反応)を用いてスライド凝集法と同様に検体を調製した。
測定
生化学検査用自動分析装置日立7070(日立社製)を用いて次のように測定(自動分析法)を行った。検体50μLに対し生理食塩水80μLを加えその後に混合免疫血清120μLを加え、反応開始(混合免疫血清添加後)前(-60秒)から約650秒後における吸光度を時系列に波長750nmで測定する設定とした。結果を図1に示す。図1は、本発明法での検体(O1)と各種混合免疫血清との反応による吸光度変化を示し、比較した図である。
図1に示すように、検体に生理食塩水加えてから免疫血清を加えるまでの-60秒〜0秒の間においても吸光度を測定する。ここで吸光度が上昇する場合はサンプルの自己凝集が考えられるので、誤って陽性と判定しないための指標として用いることができる。本試験結果においては吸光度は上昇しておらず、自己凝集は起こしていないと考えられる。
また、混合免疫血清添加後の0秒以降においては、混合血清を加えることで全体の液量が増えることから菌濃度が実質希釈され、一旦、吸光度が低下する。その後、病原大腸菌O1は混合1〜9の免疫血清の中で混合1に対して著しい吸光度の上昇を示し、また他の免疫血清に対しては殆ど吸光度の変化を示さないことから、細菌と免疫血清の抗原抗体反応を光学的な変化量として捉えることができた。
また、陰性の免疫血清と対照である生理食塩水を比較した場合、生理食塩水の反応は陰性反応と同様に吸光度に変化がなく、陽性の免疫血清と陰性の免疫血清及び生理食塩水との間の測定値の差が明確である。つまり、検体と血清を反応させてから一定時間後の吸光度に対して、検体と免疫血清が反応する前の吸光度を対照としてその差を計算することで陽性と陰性の判定ができる。このことから、対照試験として生理食塩水を特に用意する必要がなく、簡便に判定できることも明らかとなった。
次に混合1に対して陽性であったことから混合1を構成する単味血清O1、O26、O86a、O111、O119、O127a、O128の各単味血清を用いて同様に試験した。結果を図2に示す。図2も図1と同様に検体に生理食塩水を加えてから免疫血清を加えるまでの-60秒〜0秒の間においては吸光度は上昇しておらず、自己凝集は起こしていないと考えられる。
また、免疫血清添加後の0秒以降においては、混合血清を加えることで全体の液量が増えることから菌濃度が実質希釈され、一旦、吸光度が低下した後、病原大腸菌O1は各単味血清の中でO1に対して著しい吸光度の上昇を示し、また他の免疫血清に対しては殆ど吸光度の変化を示さないことから、細菌と免疫血清の抗原抗体反応を光学的な変化量として捉えることにより大腸菌の血清学的型別の判定ができることが明らかとなった。
また、上述のように陰性の免疫血清と対照である生理食塩水を比較した場合、生理食塩水の反応は陰性反応と同様に吸光度に変化がなく、陽性の免疫血清と陰性の免疫血清及び生理食塩水との間の測定値の差が明確である。つまり、検体と血清を反応させてから一定時間後の吸光度に対して、検体と免疫血清が反応する前の吸光度を対照としてその差を計算することで陽性と陰性の判定ができることから、対照試験として生理食塩水を特に用意する必要がなく、簡便に判定できることも明らかとなった。
[実施例2]
本実施例においては生化学検査用自動分析装置を用いて、細菌と複数種抗体による抗原抗体反応による複数種凝集を光学的に測定し、得られた複数種測定値を比較計算し、該計算値に基づいて凝集の程度を判定できるか否かを確認することを目的として試験を行った。
免疫血清の調整
免疫血清は、デンカ生研社製の病原大腸菌免疫血清「生研」のO群血清(1号セット)と同じ構成となるよう準備した。
病原大腸菌O群免疫血清を以下の手順で調製した。
混合血清および単味血清いずれも大腸菌血清型参照株のホルマリン死菌を免疫原とした。
混合血清は当該混合血清を構成する血清型のホルマリン死菌を免疫原として健康ブタに免疫して得た免疫血清を56℃30分間加熱処理した後、類縁凝集素を吸収除去し無菌ろ過した後、リン酸緩衝液で希釈し力価を調整した。
単味血清は当該単味血清の血清型のホルマリン死菌を免疫原として健康ウサギに免疫して得た血清を56℃30分間加熱処理した後、類縁凝集素を吸収除去し無菌ろ過した後、リン酸緩衝液で希釈し力価を調整した。
検体の調製
実施例1と同様の方法にて行った。
測定
生化学検査用自動分析装置日立7070(日立社製)を用いて次のように測定(自動分析法)を行った。検体50μLに対し混合免疫血清200μLを加え、反応開始(混合免疫血清添加後)直後(0秒)から約650秒後における吸光度を時系列に波長750nmで測定する設定とした。結果を図3に示す。図3は、本発明法での検体(O1)と各種混合免疫血清との反応による吸光度変化を示し、比較した図である。
混合1の吸光度が他の混合免疫血清に比べて上昇しており、陽性と判定することができる。
次に混合1に対して陽性であったことから混合1を構成する単味血清O1、O26、O86a、O111、O119、O127a、O128の各単味血清を用いて同様に試験した。結果を図4に示す。
O1の吸光度が他の単味血清に比べて上昇しており、陽性と判定することができる。
[実施例3]
次に生化学検査用自動分析装置を用いた方法と従来技術であるスライド凝集法との特異性を比較した。
免疫血清の調整
実施例1と同じ免疫血清を使用した。
検体の調製
予め血清型が同定されている大腸菌50株を使用した。菌株の内訳は以下の通りである。
混合1陽性7株 O1 O26 O86a O111 O119 O127a O128
混合2陽性6株 O44 O55 O125 O126 O146 O166
混合3陽性6株 O18 O114 O142 O151 O157 O158
混合4陽性6株 O6 O27 O78 O148 O159 O168
混合5陽性5株 O20 O25 O63 O153 O67
混合6陽性4株 O8 O15 O115 O169
混合7陽性5株 O28ac O112ac O124 O136 O144
混合8陽性4株 O29 O143 O152 O164
混合9陽性7株 O74 O91 O103 O121 O145 O161 O165
以上の菌株を用いて実施例1と同じ方法で検体を調製した。
測定
生化学検査用自動分析装置日立7070(日立社製)を用いて次のように測定(自動分析法)を行った。検体50μLに対し生理食塩水80μLを加えた後に混合免疫血清120μLを加え、反応開始(混合免疫血清添加後)直後(0秒)から約650秒後における吸光度を時系列に波長750nmで測定する設定とした。次に反応開始直後(0秒)における測定値をABS0とし、600秒後における測定値をABS600として、ABS600-ABS0=ΔABSの値が100mAbs以上の場合を陽性とし、100mAbs以下を陰性とした。
比較試験(スライド凝集法)
検体は本発明方法と同じ検体を使用し、判定方法はデンカ生研社製の病原大腸菌免疫血清「生研」混合1、2、3、4、5、6、7、8、9を添付文書の通りに使用して判定した(混合量は上述のスライド凝集法の説明に記載した通りである)。
比較試験の結果を表2に示す。表中、従来法はスライド凝集法である。
Figure 2008304275
Figure 2008304275
Figure 2008304275
表2に示されるように、本発明方法による成績は、比較した従来のスライド凝集法成績と完全に一致することが分かる。
[実施例4]
次に本発明方法である反応液中にグリセリンを添加して反応を行った場合の効果を検討した。
免疫血清の調製
実施例1と同じ免疫血清を使用した。
検体の調製
従来法であるスライド凝集法のデンカ生研社製の病原大腸菌免疫血清「生研」で混合7に陽性と判定された臨床分離株1株を寒天培地で好気的条件下、37℃で一夜培養した。次に得られた生菌を生理食塩水で浮遊した後、浮遊菌液を121℃、30分間加熱処理をし、そのまま検体として用いた。
測定
生化学検査用自動分析装置TBA−120FR(東芝メディカルシステムズ社製)を用いて次のように測定(自動分析法)を行った。検体10μLに対し任意の緩衝液70μLを加えた後に混合免疫血清20μLを加え、反応開始(混合免疫血清添加後)直後(0秒)から約300秒後における吸光度を時系列に波長750nmで測定する設定とした。
比較試験
緩衝液0.1M PBS(pH7.0)に任意の濃度のグリセリンを添加し、免疫血清添加後の最終グリセリン濃度を0%、10%、20%、30%、40%に調整した。結果を図5に示す。
図5で示されるように、緩衝液のグリセリン濃度0%の場合は吸光度が下がる傾向にあるのに対して、グリセリン濃度が上がるにつれて吸光度の上昇が見られた。グリセリン濃度が0%の場合に吸光度が低下する原因として、反応容量が実施例1〜3よりも少ない液量で反応させる場合、凝集反応により生成された抗原−抗体複合体はセル内で沈降することにより、機械の測光光路より著しく外れることにより、凝集反応を測定できないことが原因として挙げられる。しかし、本発明方法のように緩衝液に分散剤としてグリセリンを加えることにより、急激な抗原抗体反応による凝集塊の発生による沈降と、またグリセリンを混入することによる比重の上昇による凝集塊の沈降を防ぎ、より少ない検体量及び試薬量でも簡便、正確且つ判定することができる。
[実施例5]
次に臨床分離株172株を実際に試験して本発明方法である反応液中にグリセリン、エチレングリコール、塩化ナトリウムのいずれかを添加して反応を行った場合の効果を検討した。
免疫血清の調製
実施例1と同じ免疫血清を使用した。
検体の調製
臨床分離株172株をそれぞれ寒天培地で好気的条件下、37℃で一夜培養した。次に得られた生菌を生理食塩水で浮遊した後、浮遊菌液を121℃、30分間加熱処理をし、そのまま検体として用いた。
測定
生化学検査用自動分析装置TBA−120FR(東芝メディカルシステムズ社製)を用いて次のように測定(自動分析法)を行った。検体10μLに対し任意の緩衝液70μLを加えた後に混合免疫血清20μLを加え、反応開始(混合免疫血清添加後)直後(0秒)から約300秒後における吸光度を時系列に波長750nmで測定する設定とした。次に反応開始直後(0秒)における測定値をABS0とし、300秒後における測定値をABS300として、ABS300-ABS0=ΔABSの値を求め、ABS600-ABS0=ΔABSの値が0以下の場合は陰性とし、ΔABSの値が0より大きい場合は陽性と判定した。
比較試験
緩衝液0.1M PBS(pH7.0)に任意の濃度のグリセリン、エチレングリコール、塩化ナトリウムを添加し、免疫血清添加後の各添加剤の最終濃度をグリセリンは30%、40%、エチレングリコールは30%、そして添加剤の粘性をできるだけ除いて比重を上げることのみを目的として塩化ナトリウムを12%に調整し、比較検討した。グリセリンは粘性調整剤として、エチレングリコールは分散調整剤として、塩化ナトリウムは比重調整剤として作用する。
スライド凝集法の判定方法はデンカ生研社製の病原大腸菌免疫血清「生研」混合1、2、3、4、5、6、7、8、9を添付文書の通りに使用して判定した。
添加剤なしの0.1M 0.1M PBS(pH7.0)のスライド凝集法との陽性一致率を表3、グリセリンの最終濃度が30%のスライド凝集法との陽性一致率を表4、グリセリンの最終濃度が40%のスライド凝集法との陽性一致率を表5、エチレングリコールの最終濃度が30%のスライド凝集法との陽性一致率を表6、塩化ナトリウムの最終濃度が12%のスライド凝集法との陽性一致率を表7に示す。
Figure 2008304275
Figure 2008304275
Figure 2008304275
Figure 2008304275
Figure 2008304275
表3、4、5、6、7で示されるように、添加剤なしの緩衝液0.1M PBS(pH7.0)の陽性一致率に対して、グリセリンの最終濃度が30%の陽性一致率は混合1〜9の全ての項目において上がり、より正確性を増した。グリセリンの最終濃度が40%の場合は混合2、3、5、7項目において陽性一致率が上がったが、他の項目おいては陽性一致率が下がった。エチレングリコールの最終濃度が30%の場合は混合6以外の項目において陽性一致率が上がったが、混合6の項目のみ陽性一致率が下がった。添加剤の粘性をできるだけ除いて比重を上げることのみを目的とした塩化ナトリウムの最終濃度が12%の場合は混合1、2、4、6、7、8、9の項目において陽性一致率が上がったが、他の項目おいては陽性一致率が下がった。この結果より、分散調整剤は溶液の比重をあげて凝集塊の沈降を阻止する効果があった。また、グリセリンのような粘性調整剤やエチレングリコールのような分散調整剤も急激な凝集を抑制するのに効果があった。
病原大腸菌O1を希釈して用いた場合の病原大腸菌O1と各混合血清(混合1〜9)の反応を示す図である。 病原大腸菌O1を希釈して用いた場合の病原大腸菌O1と単味免疫血清の反応を示す図である。 病原大腸菌O1を希釈せずに用いた場合の病原大腸菌O1と混合血清の反応を示す図である。 病原大腸菌O1を希釈せずに用いた場合の病原大腸菌O1と単味血清の反応を示す図である。 グリセリン濃度の影響を示す図である。

Claims (14)

  1. 細菌の菌体と抗体を水溶媒中で混ぜて抗原抗体反応による菌体の凝集を光を照射して光学的変化量を測定することにより検出する免疫凝集測定法であって、粘性調整剤の存在下で反応を行うことを特徴とする免疫凝集測定法。
  2. 細菌の菌体と抗体を水溶媒中で混ぜて抗原抗体反応による菌体の凝集を光を照射して光学的変化量を測定することにより検出する免疫凝集測定法であって、分散調整剤の存在下で反応を行うことを特徴とする免疫凝集測定法。
  3. 細菌の菌体と抗体を水溶媒中で混ぜて抗原抗体反応による菌体の凝集を光を照射して光学的変化量を測定することにより検出する免疫凝集測定法であって、比重調整剤の存在下で反応を行うことを特徴とする免疫凝集測定法。
  4. 細菌の菌体と抗体を水溶媒中で混ぜて抗原抗体反応による菌体の凝集を光を照射して光学的変化量を測定することにより検出する免疫凝集測定法であって、反応液中に粘性調整剤、分散調整剤及び比重調整剤からなる群から選択される調整剤の少なくとも2つの存在下で反応を行うことを特徴とする免疫凝集測定法。
  5. 光学的変化量の測定に生化学検査用自動分析装置を用いる、請求項1〜4のいずれか1項に記載の免疫凝集測定法。
  6. 細菌が大腸菌、赤痢菌、サルモネラ菌及び腸炎ビブリオ菌からなる群から選択される、請求項1〜5のいずれか1項に記載の免疫凝集測定法。
  7. 血清型別試験を行なうための、請求項1〜6のいずれか1項に記載の免疫凝集測定法。
  8. 抗原抗体反応に用いる抗原が大腸菌であり、抗体が大腸菌のO群免疫血清である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の免疫凝集測定法。
  9. 粘性調整剤がグリセリンである、請求項1及び4〜8のいずれか1項に記載の免疫凝集測定法。
  10. 分散調整剤がグリセリン又はエチレングリコールである、請求項2及び4〜8のいずれか1項に記載の免疫凝集測定法。
  11. 比重調整剤が塩化ナトリウムである、請求項3〜8のいずれか1項に記載の免疫凝集測定法。
  12. 反応液中のグリセリン濃度が10〜40%である、請求項9又は10に記載の免疫凝集測定法。
  13. 反応液中のエチレングリコール濃度が30%である、請求項10記載の免疫凝集測定法。
  14. 反応液中の塩化ナトリウムの濃度が12%である、請求項11記載の免疫凝集測定法。
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