JP2008303750A - プランジャポンプ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】シリンダ11を構成するポンプハウジング10と、シリンダ11内に摺動自在に装着され、一端はシリンダ11内にポンプ室20を画成し、他端は偏心カム2(駆動手段)に当接しているプランジャ30と、このプランジャ30を偏心カム2側に押圧する戻しばね40と、を備え、プランジャ30がシリンダ11内で軸方向に往復動することにより、吸入口14からポンプ室20内に吸入した液体を吐出口15から吐出するプランジャポンプ1であって、戻しばね40は、プランジャ30を囲繞して配設されていることを特徴としている。
【選択図】図1
Description
このようなプランジャポンプ100としては、図3に示すように、シリンダ111を構成するポンプハウジング110と、シリンダ111内に摺動自在に装着され、一端部はシリンダ111内にポンプ室120を画成し、他端部は偏心カム2のカム面2aに当接しているプランジャ130と、を備えているものがある(例えば、特許文献1参照)。
このプランジャポンプ100では、プランジャ130が偏心カム2側に移動したときに、吸入口114からプランジャ130内を通じてポンプ室120内に液体が吸入され、偏心カム2に押されてプランジャ130がポンプ室120側に移動したときに、ポンプ室120内の液体が吐出口115から吐出されるように構成されている。
したがって、前記した従来のプランジャポンプ100では、戻しばね140の長さに対応させて、ポンプ室120内の容積が大きくなっているため、吐出効率が低いとともに、プランジャポンプ100の小型化が困難であるという問題がある。
本実施形態では、自動車等の車両に搭載されるブレーキ用液圧制御装置の油圧発生装置として用いられるプランジャポンプを例として説明する。
なお、以下の説明において、一端側とは図1の左側に対応し、他端側とは図1の右側に対応している。
プランジャポンプ1は、図1に示すように、シリンダ11を構成するポンプハウジング10と、シリンダ11内に摺動自在に装着され、一端はシリンダ11内にポンプ室20を画成し、他端は偏心カム2に当接しているプランジャ30と、このプランジャ30を偏心カム2側に押圧する戻しばね40と、を備えており、車両に搭載されるポンプボディ3に取り付けられている。
また、プランジャポンプ1には、ポンプ室20内へのブレーキ液の流入のみを許容する吸入弁50と、ポンプ室20内からのブレーキ液の流出のみを許容する吐出弁60とが設けられている。
このプランジャポンプ1では、プランジャ30がシリンダ11内で軸方向に往復動することにより、ポンプ室20内に吸入したブレーキ液を吐出するように構成されている。
ポンプボディ3は、車両に搭載される金属製のブロックであり、その内部には複数の油路(図示せず)が形成されており、プランジャポンプ1が挿入される円形断面の取付孔3aが設けられている。
取付孔3aの他端は、ポンプボディ3の外面に凹設された円形断面の収納穴3bに連通している。本実施形態では、取付孔3aは図1の左右方向に向けて延ばされ、収納穴3bは取付孔3aに直交する方向(紙面に対して垂直方向)に向けて延ばされている。
取付孔3aには、プランジャポンプ1に供給されるブレーキ液の流路となる吸入路3cと、プランジャポンプ1から吐出されたブレーキ液の流路となる排出路3dとが連通している。吸入路3cは取付孔3aの他端に連通し、排出路3dは吸入路3cよりも一端側で取付孔3aに連通している。
プランジャポンプ1の駆動手段である偏心カム2は、ポンプボディ3に取り付けられた電動モータ(図示せず)の回転軸に設けられており、ポンプボディ3に形成された収納穴3bに収められている。この偏心カム2の中心位置は、回転軸の軸中心Aに対して偏心しており、偏心カム2は回動軸の回転に伴って、回転軸の軸中心A回りに回転するように構成されている。
取付孔3aの一端には、有底円筒状のキャップ70が内嵌されている。このキャップ70は金属製の部材であり、内部に形成された空洞部71は他端側が開口している。また、空洞部71は吐出室80を構成する空間となっている。
キャップ70の外周面には、シール溝72が全周に形成されている。シール溝72には、樹脂製のシール部材73が嵌め込まれており、このシール部材73によって、キャップ70の外周面と取付孔3aの内周面との間を液密にシールしている。
また、取付孔3aの内周面において、一端側の開口部の近傍には、抜け止め溝3eが全周に形成されている。この抜け止め溝3eには、C字形状のクリップ74の外周側が嵌め込まれており、取付孔3a内においてクリップ74よりも他端側に配設されたキャップ70の外周縁がクリップ74の内周側に当接することにより、キャップ70が取付孔3a内に係止されている。
ポンプハウジング10は、取付孔3a内においてキャップ70よりも他端側に配設される有底円筒状の部材であり、プランジャ30が摺動自在に装着されるシリンダ11を構成するものである。
このポンプハウジング10は、金属製の円筒部材12と、この円筒部材12内に形成された空洞部12aの一端側に内嵌される金属製の底部材13と、から構成されている。
また、円筒部材12の空洞部12aの内周面において、軸方向の略中間位置には、フランジ状のシリンダ段部12cが全周に突設されている。このシリンダ段部12cの内径は、空洞部12a内にプランジャ30を装着したときに、プランジャ30の外周面がシリンダ段部12cの内周面よりも僅かに小さくなるように設定されている。
また、ポンプハウジング10とキャップ70とは軸方向に離間して配置されており、円筒部材12の周壁部と、キャップ70の周壁部との隙間が、プランジャポンプ1からブレーキ液を吐出するための吐出口15となっている。この吐出口15は、ポンプボディ3の排出路3dに通じており、キャップ70内の吐出室80から排出路3dへのブレーキ液の排出を可能にしている。
プランジャ30は、シリンダ11内に装着される金属製の棒状の部材である。プランジャ30は円形断面となっており、プランジャ30をシリンダ11内で軸方向に往復動させたときには、プランジャ30の外周面がシリンダ段部12cの内周面を摺動するように構成されている。
プランジャ30内において軸方向の略中央部には、吸入室34が形成されている。この吸入室34の一端部は、凹部33の底部に開口することにより、ポンプ室20に通じており、凹部33側の開口縁には、漏斗状に拡径した弁座34aが形成されている。
このストッパリング用溝35には、金属製のストッパリング36の内周側が嵌め込まれており、ストッパリング36の外周側は、プランジャ30の外周面の全周に突設されたプランジャ段部37を構成している。
なお、プランジャ30の他端側に外嵌されたシール部材38bが一端側にずれないように、ばね収容部32とシール部材38bとの間に壁部を形成するストッパ38cが円筒部材12の他端に外嵌されている。
戻しばね40は、プランジャ30の外周を囲繞して配設されたコイルスプリングであり、一端41がシリンダ11の内周面に係合し、他端42がプランジャ30の外周面に係合することにより、圧縮状態でばね収容部32内に収容されている。具体的には、戻しばね40の一端41は、シリンダ11(円筒部材12)の内周面に突設されたシリンダ段部12cに当接し、戻しばね40の他端42は、プランジャ30の外周面に突設されたプランジャ段部37(ストッパリング36)に当接している。
吸入弁50は、ポンプ室20内へのブレーキ液の流入のみを許容する逆止弁であり、プランジャ30内に形成された吸入室34の凹部33側の開口部に設けられている。
吸入弁50は、吸入室34の凹部33側の開口部を封止する吸入弁体51と、この吸入弁体51を覆うように配置され、プランジャ30の一端に保持されたリテーナ52と、このリテーナ52内に収められており、吸入弁体51を吸入室34の開口部側に押圧するばね部材53と、から構成されている。
吸入弁50は、プランジャ30の一端面に形成された凹部33内に収められており、プランジャ30の一端面よりもポンプ室20側に突出しないように配設されている。
リテーナ52は、金属製のカップ状の蓋体であり、凹側をプランジャ30に向けた状態で凹部33内に内嵌されることで吸入弁体51を覆っている。また、リテーナ52には連通孔52aが複数形成されており、リテーナ52内とポンプ室20内とが連通している。また、リテーナ52の底部の中心位置には、リテーナ52の内方に向けて窪んでいる保持部52bが形成されている。
ばね部材53は、リテーナ52の内面と吸入弁体51との間に圧縮状態で配設されたコイルスプリングであり、リテーナ52の保持部52bがばね部材53の一端部に挿入されることで、ばね部材53はリテーナ52内に位置決めされている。
吐出弁60は、吐出室80内へのブレーキ液の流入のみを許容する逆止弁であり、ポンプハウジング10の底部材13に形成された吐出孔13bの吐出室80側の開口部に設けられている。
吐出弁60は、吐出孔13bの吐出室80側の開口部を封止する吐出弁体61と、この吐出弁体61を覆うようにして底部材13に保持されたリテーナ62と、このリテーナ62内に収められており、吐出弁体61を吐出孔13bの開口部側に押圧するばね部材63と、から構成されている。
リテーナ62は、金属製のカップ状の蓋体であり、底部材13の一端に外嵌されることで吐出弁体61を覆っている。また、リテーナ62には連通孔62aが複数形成されており、リテーナ62内と吐出室80内とが連通している。また、リテーナ62の底部の中心位置には、リテーナ62の内方に向けて窪んでいる保持部62bが形成されている。
ばね部材63は、リテーナ62の内面と吐出弁体61との間に圧縮状態で配設されたコイルスプリングであり、リテーナ62の保持部62bがばね部材63の一端部に挿入されることで、ばね部材63はリテーナ62内に位置決めされている。
以上のように構成されたプランジャポンプ1の動作について説明する。
プランジャポンプ1のプランジャ30内の吸入室34、シリンダ11内のポンプ室20、及び吐出室80内にブレーキ液が満たされた状態において、回転する偏心カム2に押されて、プランジャ30が図1の状態から一端側に向けて軸方向に往動作したときには、ポンプ室20の容積が減少し、ポンプ室20内のブレーキ液の液圧が上昇する。
これにより、ポンプ室20内のブレーキ液圧から吐出室80内のブレーキ液圧を差し引いたときの値が、吐出弁60の開弁圧以上になるため、吐出弁60が開弁してポンプ室20内のブレーキ液が吐出室80に流入する。そして、吐出室80から吐出口15を介してポンプボディ3の排出路3dにブレーキ液が吐出される。
ポンプ室20の容積が増大することにより、ポンプ室20内が負圧状態となり、吸入室34内のブレーキ液圧からポンプ室20内のブレーキ液圧を差し引いたときの値が、吸入弁50の開弁圧以上になるため、吸入弁50が開弁して吸入室34内のブレーキ液がポンプ室20に流入する。このとき、吸入室34からポンプ室20へのブレーキ液の流入に伴って、ポンプボディ3の吸入路3cから吸入口14を介して、吸入室34内にブレーキ液が供給される。
このように、プランジャポンプ1では、プランジャ30がシリンダ11内で軸方向に往復動することにより、吸入口14からポンプ室20内に吸入したブレーキ液を吐出口15から吐出するように構成されている。
本実施形態のプランジャポンプ1では、戻しばね40は、ポンプ室20の外でプランジャ30を囲繞して配設されているため、戻しばね40の長さに影響されることなく、ポンプ室20内の容積を小さくすることができる。したがって、プランジャ30によるポンプ室20内の加圧効率を高めることができるため、プランジャポンプ1の吐出効率を高めることができる。また、ポンプ室20内の容積を小さくすることでプランジャポンプ1を小型化することできる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜に設計変更が可能である。
例えば、本実施形態では、図1に示すように、戻しばね40の他端部が係合するプランジャ段部37は、プランジャ30に外嵌されたストッパリング36によって形成されているが、図2に示すプランジャポンプ1Aのように、プランジャ段部37aがプランジャ30aに一体形成されているように構成することもできる。
具体的には、プランジャ30aの軸方向の中間位置よりも他端側が一端側よりも拡径されており、プランジャ30aの小径部と大径部との境に形成された段差部によってプランジャ段部37aが形成され、このプランジャ段部37aに戻しばね40の他端42が当接している。
2 偏心カム
3 ポンプボディ
3a 取付孔
3b 収納穴
3c 吸入路
3d 排出路
10 ポンプハウジング
11 シリンダ
12 円筒部材
12a 空洞部
12c シリンダ段部
13 底部材
13b 吐出孔
14 吸入口
15 吐出口
20 ポンプ室
30 プランジャ
33 凹部
34 吸入室
35 ストッパリング用溝(周溝)
36 ストッパリング(環状部材)
37 プランジャ段部
50 吸入弁
51 吸入弁体
52 リテーナ
53 ばね部材
60 吐出弁
61 吐出弁体
62 リテーナ
63 ばね部材
70 キャップ
80 吐出室
Claims (7)
- シリンダを構成するポンプハウジングと、
前記シリンダ内に摺動自在に装着され、一端は前記シリンダ内にポンプ室を画成し、他端は駆動手段に当接しているプランジャと、
前記プランジャを前記駆動手段側に押圧する戻しばねと、を備え、
前記プランジャが前記シリンダ内で軸方向に往復動することにより、吸入口から前記ポンプ室内に吸入した液体を吐出口から吐出するプランジャポンプであって、
前記戻しばねは、前記プランジャを囲繞して配設されていることを特徴とするプランジャポンプ。 - 前記シリンダの内周面と、前記プランジャの外周面との間には、環状のばね収容部が形成され、前記ばね収容部内に前記戻しばねが収容されており、
前記戻しばねは、軸方向の一端が前記シリンダの内面に係合し、他端が前記プランジャの外面に係合していることを特徴とする請求項1に記載のプランジャポンプ。 - 前記戻しばねの他端は、前記プランジャの外周面に突設されたプランジャ段部に係合されており、
前記プランジャ段部は、前記プランジャの外周面に形成された周溝に嵌め込まれた環状部材によって形成されていることを特徴とする請求項2に記載のプランジャポンプ。 - 前記戻しばねの他端は、前記プランジャの外周面に突設されたプランジャ段部に係合しており、
前記プランジャ段部は、前記プランジャに一体形成されていることを特徴とする請求項2に記載のプランジャポンプ。 - 前記戻しばねの一端は、前記シリンダの内周面に突設されたシリンダ段部に係合されており、
前記プランジャの外周面が前記シリンダ段部に摺接するように構成されていることを特徴とする請求項2から請求項4のいずれか一項に記載のプランジャポンプ。 - 前記プランジャ内には、前記ポンプ室内に通じる吸入室が形成され、
前記吸入室には、前記ポンプ室内への液体の流入のみを許容する吸入弁が設けられており、
前記吸入弁は、
前記プランジャの一端に形成された前記吸入室の開口部を封止する吸入弁体と、
前記吸入弁体を覆うように配設され、前記プランジャの一端に保持されたリテーナと、を備え、
前記吸入弁体及び前記リテーナが前記プランジャの一端面に形成された凹部内に収められていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のプランジャポンプ。 - 前記リテーナ内には、前記吸入弁体を前記開口部側に押圧するばね部材が収められていることを特徴とする請求項6に記載のプランジャポンプ。
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