JP2008302645A - 発泡樹脂成形品の成形方法並びに成形装置 - Google Patents

発泡樹脂成形品の成形方法並びに成形装置 Download PDF

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Abstract

【課題】カウンタープレッシャー工法を使用した発泡樹脂成形品の成形方法並びに成形装置であって、島構造の中接部等、余剰ガスが残留し易い形状部についても完全に抜気することで、発泡樹脂成形品における外観不良を回避する。
【解決手段】可動側金型30と固定側金型40とを型締めして、キャビティCを画成し、ブロー・バキューム機構50からガスをキャビティC内に注入してキャビティCの内圧を高めることで発泡樹脂材料Mの発泡反応を抑え、射出充填後、可動側金型30を寸開操作させるとともに、ブロー・バキューム機構50を通じてキャビティCの余剰ガスを型外に抜気する際、島構造の中接部11等、余剰ガスが残留し易い形状部Aの金型エリアに設定される中接部専用バキューム機構60から抜気することで、発泡反応時におけるキャビティCの内圧を一定に維持することにより外観不良をなくす。
【選択図】図3

Description

この発明は、ガス注入式射出成形工法を使用する発泡樹脂成形品の成形方法並びに成形装置に係り、特に、キャビティ内へのガス溜まりを解消することで、外観性能を良好に維持できる発泡樹脂成形品の成形方法並びに成形装置に関する。
図10はドアパネル(図示せず)の室内側に装着される自動車用ドアトリム1を示すもので、このドアトリム1は、軽量で耐衝撃性能に優れ、所望の剛性を維持するとともに、コストも廉価なことから、ポリプロピレン樹脂に発泡剤を添加した発泡樹脂材料を所要形状に成形してなる発泡樹脂成形品が多く使用される傾向にある。また、このドアトリム1は、その表面中央に中接部1aが設定され、中接部1aの周縁には溝部1bが形成されている。更に、中接部1a内には、乗員が肘を掛けて休めるように室内側に膨出するアームレスト1cが形成され、アームレスト1cにはスイッチパネルやプルハンドル(共に図示せず)を取り付ける取付孔1dが開設されている。更に、ドアトリム1の下部側には、ドアポケット用開口1eが開設され、そのフロント側にスピーカグリル1fがドアトリム1と一体、あるいは別体に設けられている。
この種の発泡樹脂成形品を使用したドアトリム1を所要形状に成形する従来の成形方法について説明する。まず、図11,図12に示すように、このドアトリム1を成形する際に使用する成形装置2は可動側金型3と固定側金型4とから大略構成されている。更に詳しくは、可動側金型3は、昇降シリンダ3aの駆動により所定ストローク昇降動作を行ない、下方に位置する固定側金型4との間で型締め、型開きが行なわれ、型締め時において所定スペースのキャビティCが画成される。一方、固定側金型4は、図示しない射出機から供給される発泡樹脂材料Mの樹脂通路となるマニホールド4a、ゲート4bが設けられており、射出機から供給される発泡樹脂材料Mがマニホールド4a、ゲート4bを通じてキャビティC内に射出充填される。また、可動側金型3が下死点まで降下して、固定側金型4との型締め時には全周に沿って配設されているシール部材5により、可動側金型3と固定側金型4との間のシール性能が良好に維持されている。
従来の成形装置2においては、発泡樹脂材料MをキャビティC内に充填する前にキャビティCの内圧を高めるガスブローを行なう一方、発泡反応時においては、キャビティC内のガスを外部に抜気するバキュームを行なうためのブロー・バキューム機構6が設けられている。すなわち、可動側金型3と固定側金型4との間のパーティング面に臨む共用配管6aが切替バルブ6bを介してそれぞれブロワ6c、バキュームポンプ6dに分岐接続されている。
次に、ドアトリム1の発泡成形方法の従来例について説明する。まず、図13(a)に示すように、可動側金型3と固定側金型4とが型締めされた状態で、ブロー・バキューム機構6のブロワ6cからガスが共用配管6aを通じてキャビティC内に吹き付けられ、キャビティCの内圧が高圧に維持される。その後、図13(b)に示すように、図示しない射出機からマニホールド4a、ゲート4bを通じてキャビティC内に発泡樹脂材料Mが射出充填される。この時、発泡樹脂材料MはキャビティCの内圧が高まっているため、早期の発泡反応が抑えられ、キャビティC内に発泡樹脂材料Mが迅速に充填される。そして、発泡樹脂材料Mが充填された後、図13(c)に示すように、可動側金型3を型開方向に後退操作するとともに、ブロー・バキューム機構6の切替バルブ6bを切り替え、バキュームポンプ6dを稼動させてキャビティC内のガスを外部に抜気して、キャビティCの内圧を低滅させた状態で発泡反応を行なわせる。この工法は、カウンタープレッシャー工法と呼ばれているが、この工法を使用した発泡樹脂成形品の成形方法並びに成形装置については、特許文献1に詳細に記載されている。
特公昭51−27266号公報
このように、カウンタープレッシャー工法を使用してドアトリム1を成形する従来工法においては、図13(c)に示す発泡工程時、キャビティC内の余剰ガスをブロー・バキューム機構6により外部に除去する際、中接部1aの造形上、縦壁部の空間不足のために余剰ガスを完全に除去しきれず、図14に示すように、特に中接部1aの製品表面にガスが残留することが原因となり、製品表面に微小凹凸(俗にユズ肌と呼ばれる)aが生じ、外観不良を招くという不具合が指摘されている。このことは、ドアトリム1の中央に外周と隔離した島構造の中接部1aを設定する場合において特に顕著である。また、中接部1aに限るものではなく、上述したユズ肌aは、形状的にキャビティC内にガスが残留し易い箇所に生じる傾向にある。
この発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、カウンタープレッシャー工法を使用した発泡樹脂成形品の成形方法並びに成形装置であって、発泡樹脂材料の発泡反応時、余剰ガスがキャビティ内に滞ることなく、確実に外部に抜気処理されることで、発泡反応が良好に行なわれ、外観性能に優れた発泡樹脂成形品を量産できる発泡樹脂成形品の成形方法並びに成形装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明者等は、カウンタープレッシャー工法を使用して、軽量でかつ剛性に富む発泡樹脂成形品を精度良く成形する成形方法並びに成形装置において、例えば、ドアトリムにおける島構造の中接部等、部分的に余剰ガスが溜まり易く、外周からのバキュームでは余剰ガスを除去しきれない特定部位に対して局部的に専用のバキューム機構を設けることにより、従来不具合を有効に解決できることに着目し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、可動側金型と固定側金型とを型締めすることでキャビティを形成するとともに、両金型の外周に設けたブロー・バキューム機構を通じて上記キャビティ内にガスを注入して、キャビティ内圧を高めた状態で発泡樹脂材料をキャビティ内に射出充填し、その後、可動側金型を寸開操作するとともに、キャビティ内のガスをブロー・バキューム機構を通して外部に抜気して、キャビティの内圧を低減することで発泡反応を促進させて発泡成形を行なう発泡樹脂成形品の成形方法であって、中接用溝部に周囲を囲まれた島構造の中接部のように、金型におけるキャビティ内のガスが残留し易い形状部を有する発泡樹脂成形品の成形方法において、前記発泡樹脂成形品には、金型におけるキャビティ内のガスが残留し易い形状部内に金型の型締め時の押切りにより開設される取付孔が設定されており、上記取付孔に対応する金型の押切構造部に局部専用バキューム機構を設け、発泡樹脂材料の射出充填時にブロー・バキューム機構と局部専用バキューム機構の双方から抜気して、発泡樹脂材料の射出充填時にキャビティの内圧を一定に低減した状態で発泡成形を行なうようにしたことを特徴とする。
更に、本発明方法に使用する成形装置は、ガス注入式射出成形工法を使用する発泡樹脂成形品の成形装置であって、この成形装置は、所定ストローク可動する可動側金型と、発泡樹脂材料の供給機構と連設する固定側金型と、上記両金型の外周に設けられ、発泡樹脂材料の充填前にキャビティの内圧を所定値に高めるガスを供給する一方、発泡反応時においては、キャビティ内のガスを外部に抜気する金型の外周に設けられたブロー・バキューム機構と、金型におけるキャビティ内のガスが残留し易い形状部内の押切構造部に設けられ、発泡反応時、上記形状部内のガスを外部に抜気する局部専用バキューム機構とからなることを特徴とする。
ここで、発泡樹脂成形品の用途としては、ドアトリム、リヤパーセルシェルフ、フロアトリム、トランクトリム、ラゲージサイドトリム、ルーフトリム、リヤサイドトリム等、自動車用内装部品全般に適用できるが、特に、島構造の中接部のように外周からガス抜きができず、ガスが溜まり易い部分を備えた内装部品に適している。更に、発泡樹脂成形品の素材として合成樹脂中に発泡剤が混入されており、使用できる合成樹脂としては、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、アイオノマー系樹脂、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン(ABS)樹脂等から適宜選択して良く、合成樹脂に対して添加する発泡剤としては、アゾジカルボンアミド等の有機発泡剤、あるいは重炭酸ナトリウム等の無機発泡剤が使用できる。
そして、本発明方法は、ガス加圧工程、発泡樹脂充填工程、発泡樹脂の発泡工程の三工程からなり、ガス加圧工程においては、可動側金型と固定側金型とを型締めすることにより画成されるキャビティ内に両金型の外周に配置されたブロー・バキューム機構からガスが供給され、キャビティの内圧が高圧に維持される。その後、キャビティ内に発泡樹脂材料が充填されるが、キャビティの内圧がガスの供給により高まっているため、発泡反応が抑えられた未発泡の状態で速やかに発泡樹脂材料がキャビティ内に隈なく充填される。そして、発泡樹脂材料の充填が完了すれば、発泡樹脂の発泡反応が誘起されて発泡樹脂成形品が成形される。この時、可動側金型が寸開操作されて、かつ余剰ガスを外部に排出するが、この余剰ガスの外部への排出については、外周に設けられたブロー・バキューム機構から抜気されると同時に、島構造の中接部に対応する金型の押切構造部に設けられた局部専用バキューム機構により、キャビティ内部に滞留し易い余剰ガスを速やかに外部に抜気することができる。
従って、本発明方法によれば、部分的にキャビティ内のガスが溜まり易く、外周からのバキュームではガスを抜ききれない部位に対して、局部専用バキューム機構を設けることにより、キャビティ内部にガスが滞留することで発泡を阻害することがなく、ユズ肌等の外観不良をなくし、外観性能を高めた発泡樹脂成形品を提供することができる。
以上説明した通り、本発明に係る発泡樹脂の成形方法並びに成形装置は、カウンタープレッシャー工法を採用した発泡樹脂成形品の成形方法並びに成形装置であって、キャビティ内にガスが溜まり易く、外周からのバキュームだけでは余剰ガスを抜ききれない特定部位に対して、局部専用バキューム機構を配設することで、発泡工程時におけるガスの抜気を確実に行なうことができるというものであるから、軽量でかつ剛性に優れた発泡樹脂成形品の外観性能を良好に維持できるという効果を有する。
以下、本発明に係る発泡樹脂成形品の成形方法並びに成形装置の好適な実施例について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。尚、念のため付言すれば、本発明の要旨は特許請求の範囲に記載した通りであり、以下に説明する実施例の内容は、本発明の一例を単に示すものに過ぎない。
図1乃至図9は本発明の一実施例を示すもので、図1は本発明方法により成形したドアトリムを示す正面図、図2は同ドアトリムの構成を示す断面図、図3は本発明に係る発泡樹脂成形品の成形装置の概略構成を示す全体図、図4は図3に示す成形装置における専用のバキューム機構を示す説明図、図5乃至図9は本発明方法を適用したドアトリムの成形方法における各工程を示す説明図である。
図1,図2において、本発明方法を適用したドアトリム10は、図示しない車両のフロント側ドアパネルの室内面側に図示しないクリップ等の固着手段を介して取り付けられており、軽量でかつ所望の剛性を備えた発泡樹脂成形品から構成されている。更に、製品表面の中央部分は、島構造の中接部11が設定され、この中接部11の周縁には、中接用溝部12がループ状に凹設されている。また、中接部11内には、乗員が肘を掛けて休めるように室内側に膨出するアームレスト13が設定され、このアームレスト13には、図示しないパワーウインドウスイッチユニットやプルハンドル等の付属部品を取り付けるための取付孔14が開設されている。また、ドアトリム10の前方下部側には、図示しないポケットカバーを取り付けるための取付用フランジ15が設定されている。
更に詳しくは、ドアトリム10は、発泡層10aの表裏面側にスキン層10bを積層して構成されており、特に、軽量でかつ剛性に優れ、しかも発泡倍率も広範囲に設定できるカウンタープレッシャー工法が採用されている。すなわち、発泡樹脂材料の充填時には、キャビティC内にガスを注入して、キャビティCの内圧を高め、かつ発泡反応時にはキャビティC内のガスを抜気して、キャビティCの内圧を低めるという工法が採用されていることにより、造形上の制約を受けることなく、しかも、製品外観に凹凸不良等が生じることがなく、優れた外観意匠性が得られることが特徴である。従って、図2と図13を対比すれば明らかなように、本発明方法においては、中接部11の製品表面に通常ユズ肌と呼ばれる微小凹凸(図13中符号aで示す)が生じることがなく、優れた外観意匠性を備えている。尚、本実施例では、中接用溝部12により囲まれた島構造の中接部11は、発泡反応時、外周からガス抜きを行なう際、キャビティC内のガスが残留し易い形状部Aの代表例として示されている。
次いで、図1,図2に示すドアトリム10の成形方法に使用する成形装置20の全体構成について、図3,図4を基に説明する。まず、この成形装置20は、カウンタープレッシャー工法を採用した発泡樹脂成形品の成形方法に使用される。具体的には、成形装置20は、相互に型締め、型開き可能な可動側金型30、固定側金型40と、発泡樹脂材料Mの射出充填時におけるキャビティCの内圧を高める一方、発泡樹脂材料Mの発泡反応時にキャビティCの内圧を低めるためにそれぞれブロー並びにバキュームに用いるためのブロー・バキューム機構50と、更に、島構造の中接部11のように、ガスが残留し易い形状部Aに対応する金型30に局部的に設けられる中接部専用バキューム機構60とから構成されている。尚、ブロー・バキューム機構50において使用するガスは、N2 ガス、CO2 ガスの他、工場エア等も使用できる。
更に詳しくは、可動側金型30は、昇降シリンダ31により所定ストローク上下動可能であるとともに、可動側金型30の型面には、ドアトリム10の製品形状に即した曲面形状に設定され、中接用溝部12に対応するようにループ状に突起32が設けられているとともに、アームレスト13対応部分には凹部33が形成されている。一方、固定側金型40は、図示しない射出機から供給される発泡樹脂材料Mの樹脂通路としてのマニホールド41、ゲート42が設けられている。更に、上記中接用溝部12に対応する部位、すなわち突起32に対応して凹溝43が形成されているとともに、アームレスト13対応部分に凸部44が設けられている。
そして、上記可動側金型30と固定側金型40とは、発泡樹脂材料Mを射出充填する際は、可動側金型30が下死点まで下降しており、狭いクリアランスに設定されることで、キャビティCの内圧を高めて、発泡反応を抑えた状態で発泡樹脂材料Mの射出充填が行なわれる。更に、発泡樹脂材料MのキャビティC内への射出充填を完了した後は、キャビティCの内圧を低めるために、キャビティC内の余剰ガスを外部に抜気するとともに、可動側金型30を微小ストローク寸開操作する。発泡樹脂材料Mの射出充填時にキャビティCの内圧を高めるブロー・バキューム機構50としては、まず、可動側金型30と固定側金型40のパーティング面に沿って外周シール部材51が配設されており、固定側金型40の4隅部において、共用配管52が外部に接続しており、この共用配管52に切替弁53が設けられ、ブロワ54とバキュームポンプ55にそれぞれ分岐接続している。従って、切替弁53を操作することにより、キャビティC内にブロワ54からガスを供給することで、キャビティCの内圧を高めることが可能であるとともに、切替弁53を操作して、キャビティC内の余剰ガスを外部に抜気することで、キャビティCの内圧を低く制御することが可能である。
更に、本発明方法においては、特に、島構造の中接部11のように、余剰ガスが残留し易い形状部Aに対応する金型部分に中接部専用バキューム機構60を設けることが特徴であり、そのために、図3,図4に示すように、アームレスト13の取付孔14が可動側金型30と固定側金型40との型締めと同時に金型の押切構造により開設されるが、この押切構造部Bにおける可動側金型30側に中接部専用バキューム機構60が配設されている。
そして、この中接部専用バキューム機構60は、発泡樹脂材料Mの発泡時において作用させることで、島構造の中接部11に相当する余剰ガスが残留し易い形状部Aも含めてキャビティC内の全ての部位において余剰ガスを確実に抜気でき、ユズ肌a等の外観不良がなく、美麗な外観性能を備えたドアトリム10の成形が可能となる。
以下、図5乃至図8に基づいて、本発明方法の各工程について説明する。まず、図5に示すように、ドアトリム10の成形の初期段階は、まず、可動側金型30が昇降シリンダ31の駆動により所定ストローク下降して、可動側金型30と固定側金型40とが型締めされる。この時、発泡樹脂材料MはまだキャビティC内に供給されておらず、ブロー・バキューム機構50は、ブロワ54からガスが共用配管52を通じてキャビティC内に送り込まれ、キャビティCの内圧は高圧に設定されている。
次いで、図6に示すように、射出機から発泡樹脂材料Mがマニホールド41、ゲート42を通じてキャビティC内に射出充填されるが、キャビティCの内圧が高く制御されているため、発泡樹脂材料Mは発泡反応が抑えられた状態でキャビティC内に迅速にいきわたる。
その後、図7に示すように、昇降シリンダ31の駆動により可動側金型30を型開方向に寸開操作するとともに、ブロー・バキューム機構50の切替弁53を操作して、バキュームポンプ55から中接部11以外の部分の余剰ガスを外部に抜気するとともに、中接部11に相当する部位については、図8に示すように、中接部専用バキューム機構60を駆動させることで、中接部11に相当する部分の余剰ガスを完全に外部に抜気し、図9に示すように、発泡樹脂材料Mを発泡させて発泡層10aとスキン層10bとの積層体からなるドアトリム10を外観性能を良好に維持しながら成形することができる。
このように、本発明方法を採用すれば、カウンタープレッシャー工法を前提としているため、発泡樹脂材料Mの射出充填時には、キャビティCの内圧が高く、発泡反応を抑えた状態で発泡樹脂材料Mの射出充填が可能となり、その後、可動側金型30を型開方向に寸開操作するとともに、余剰ガスを外周に設けたブロー・バキューム機構50のバキューム作用により外部に抜気することで、キャビティCの内圧を低く制御して、発泡樹脂材料Mの発泡成形を円滑に行なうというものであり、特に、島構造の中接部11等、余剰ガスが残留し易い形状部Aに相当する金型30,40に設定されている押切構造部Bを有効に利用して、この部分に中接部専用バキューム機構60を設定することで、発泡樹脂材料Mの発泡反応時におけるキャビティCの内圧を適正に制御でき、従来凹凸不良が生じ易い中接部11等の外観性能を美麗に維持できるという効果がある。
以上説明した実施例は、ドアトリム10の成形方法に適用したが、用途はこれに限定されることなく、ガス注入式射出成形工法を使用する発泡樹脂成形品全般に適用することができる。
また、キャビティC内の余剰ガスの滞留し易い特定部位に設ける専用バキューム機構としては、実施例のように、中接部専用バキューム機構60に限定されることなく、一般部の溝部を有するエリア、スピーカグリル部等、余剰ガスの残留が生じ易い箇所に適用することができる。
本発明方法により成形したドアトリムを示す正面図である。 図1中II−II線断面図である。 本発明に係る発泡樹脂成形品の成形装置の一実施例の全体構成を示す断面図である。 図3に示す成形装置における専用のバキューム機構を示す説明図である。 図1に示すドアトリムの成形方法におけるキャビティ内へのガス加圧工程を示す説明図である。 図1に示すドアトリムの成形方法における発泡樹脂材料の射出充填工程を示す説明図である。 図1に示すドアトリムの成形方法におけるキャビバック工程を示す説明図である。 図1に示すドアトリムの成形方法における余剰ガスの抜気工程を示す説明図である。 図1に示すドアトリムの成形方法における発泡樹脂材料の発泡成形工程を示す説明図である。 従来のカウンタープレッシャー工法を使用して成形した発泡樹脂成形品の一例であるドアトリムの従来例を示す正面図である。 従来のドアトリムを成形する成形装置の全体構成を示す説明図である。 従来のドアトリムの成形装置における固定側金型の平面図である。 従来のドアトリムの成形方法における工程説明図である。 従来のドアトリムの成形方法における不具合点を示す断面図である。
符号の説明
10 ドアトリム(発泡樹脂成形品)
10a 発泡層
10b スキン層
11 中接部
12 中接用溝部
13 アームレスト
14 取付孔
15 ポケット取付用フランジ
20 成形装置
30 可動側金型
31 昇降シリンダ
32 突起
33 凹部
40 固定側金型
41 マニホールド
42 ゲート
43 凹溝
44 凸部
50 ブロー・バキューム機構
51 外周シール部材
52 共用配管
53 切替弁
54 ブロワ
55 バキュームポンプ
60 中接部専用バキューム機構
M 発泡樹脂材料
A 余剰ガスが残留し易い形状部
B 押切構造部
C キャビティ

Claims (2)

  1. 可動側金型(30)と固定側金型(40)とを型締めすることでキャビティ(C)を形成するとともに、両金型(30,40)の外周に設けたブロー・バキューム機構(50)を通じて上記キャビティ(C)内にガスを注入して、キャビティ内圧を高めた状態で発泡樹脂材料(M)をキャビティ(C)内に射出充填し、その後、可動側金型(30)を寸開操作するとともに、キャビティ(C)内のガスをブロー・バキューム機構(50)を通して外部に抜気して、キャビティ(C)の内圧を低減することで発泡反応を促進させて発泡成形を行なう発泡樹脂成形品(10)の成形方法であって、中接用溝部(12)に周囲を囲まれた島構造の中接部(11)のように、金型(30,40)におけるキャビティ(C)内のガスが残留し易い形状部(A)を有する発泡樹脂成形品(10)の成形方法において、
    前記発泡樹脂成形品(10)には、金型(30,40)におけるキャビティ(C)内のガスが残留し易い形状部(A)内に金型(30,40)の型締め時の押切りにより開設される取付孔(14)が設定されており、上記取付孔(14)に対応する金型(30,40)の押切構造部(B)に局部専用バキューム機構(60)を設け、発泡樹脂材料(M)の射出充填時にブロー・バキューム機構(50)と局部専用バキューム機構(60)の双方から抜気して、発泡樹脂材料(M)の射出充填時にキャビティ(C)の内圧を一定に低減した状態で発泡成形を行なうようにしたことを特徴とする発泡樹脂成形品の成形方法。
  2. ガス注入式射出成形工法を使用する発泡樹脂成形品(10)の成形装置(20)であって、この成形装置(20)は、所定ストローク可動する可動側金型(30)と、発泡樹脂材料(M)の供給機構と連設する固定側金型(40)と、上記両金型(30,40)の外周に設けられ、発泡樹脂材料(M)の充填前にキャビティ(C)の内圧を所定値に高めるガスを供給する一方、発泡反応時においては、キャビティ(C)内のガスを外部に抜気する金型(30,40)の外周に設けられたブロー・バキューム機構(50)と、金型(30,40)におけるキャビティ(C)内のガスが残留し易い形状部(A)内の押切構造部(B)に設けられ、発泡反応時、上記形状部(A)内のガスを外部に抜気する局部専用バキューム機構(60)とからなることを特徴とする発泡樹脂成形品の成形装置。
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