実施の形態1.
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機を正面からみた正面図である。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤を除く。)とを含む構造体である。
図1に示すように、パチンコ遊技機1は、額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4と遊技球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には遊技領域7が形成されている。
遊技領域7の中央付近には、複数種類の演出用の飾り図柄を可変表示する可変表示装置としての演出表示装置(画像表示装置)9が設けられている。演出表示装置9には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの装飾用(演出用)の図柄を可変表示する図柄表示エリア9Aがある。演出表示装置9は、特別図柄表示器8による特別図柄の可変表示期間中に、装飾用(演出用)の図柄としての飾り図柄の可変表示を行う。飾り図柄の可変表示を行う演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。なお、図柄表示エリア9Aの位置は、演出表示装置9の表示画面において固定的でなくてもよいし、「左」、「中」、「右」の3つ領域が離れてもよい。
演出表示装置9の上部には、識別情報としての特別図柄を可変表示する特別図柄表示器(特別図柄表示装置)8が設けられている。この実施の形態では、特別図柄表示器8は、例えば0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。特別図柄表示器8は、遊技者に特定の停止図柄を把握しづらくさせるために、0〜99など、より多種類の数字を可変表示するように構成されていてもよい。また、演出表示装置9は、特別図柄表示器8による特別図柄の可変表示期間中に、飾り図柄の可変表示を行う。
演出表示装置9の下部には、始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち保留記憶(始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)数を表示する4つの表示器からなる特別図柄保留記憶表示器18が設けられている。有効始動入賞がある毎に、1つの表示器の表示色を変化させる。そして、特別図柄表示器8の可変表示が開始される毎に、1つの表示器の表示色をもとに戻す。なお、演出表示装置9の表示領域内に、保留記憶数を表示する4つの表示領域からなる特別図柄保留記憶表示領域を設けるようにしてもよい。また、この実施の形態では、保留記憶数の上限値を4とするが、上限値をより大きい値にしてもよい。さらに、上限値を、遊技状態に応じて変更可能であるようにしてもよい。
演出表示装置9の下方には、始動入賞口13を形成する可変入賞球装置15が設けられている。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開放状態とされ、開放状態になると、始動入賞口13への遊技球の入賞が容易になる。始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、始動口スイッチ13aによって検出される。
可変入賞球装置15の下部には、特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を備え、特定遊技状態(大当り状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した入賞球はカウントスイッチ23で検出される。
ゲート32に遊技球が入賞しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。この実施の形態では、左右のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって可変表示が行われ、例えば、可変表示の終了時に右側のランプが点灯すれば当りになる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開放状態になる。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32に入った入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄始動記憶表示器41が設けられている。ゲート32への入賞がある毎に、普通図柄始動記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
遊技盤6には、複数の入賞口(普通入賞口)29,30,33,39が設けられ、遊技球の入賞口29,30,33,39への入賞は、それぞれ入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aによって検出される。各入賞口29,30,33,39は、遊技媒体を受け入れて入賞を許容する領域として遊技盤6に設けられる入賞領域を構成している。なお、始動入賞口13や大入賞口も、遊技媒体を受け入れて入賞を許容する入賞領域を構成する。また、それぞれの入賞口29,30,33,39に入賞した遊技球を1つのスイッチで検出するようにしてもよい。
遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾LED25が設けられ、下部には、入賞しなかった遊技球を吸収するアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、効果音を発する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、天枠LED28a、左枠LED28bおよび右枠LED28cが設けられている。さらに、遊技領域7における各構造物(演出表示装置9等)の周囲には装飾LEDが設置されている。天枠LED28a、左枠LED28b、右枠LED28cおよび装飾用LEDは、遊技機に設けられている装飾発光体の一例である。
打球発射装置から発射された遊技球は、打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が始動入賞口13に入り始動口スイッチ13aで検出されると、図柄の可変表示を開始できる状態であれば、特別図柄表示器8において特別図柄が可変表示(変動)を始めるとともに、演出表示装置9において飾り図柄が可変表示(変動)を始める。図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、始動入賞記憶数を1増やす。
特別図柄表示器8における特別図柄の可変表示、および演出表示装置9における飾り図柄の可変表示は、所定時間が経過したときに停止する。停止時の特別図柄(停止図柄)が大当り図柄(特定表示結果:例えば「0」〜「9」のうちの「7」の図柄)であると、大当り遊技状態に移行する。すなわち、特別可変入賞球装置20が、所定時間(例えば、29秒)が経過するまで、または、所定個数(例えば10個)の遊技球が入賞するまで開放する。
遊技球がゲート32に入賞すると、普通図柄表示器10において普通図柄(例えば、「○」および「×」)が可変表示される状態になる。また、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄:例えば「○」)である場合に、可変入賞球装置15が所定時間だけ開放状態になる。さらに、確変状態では、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められる。また、時短状態(特別図柄の可変表示時間が短縮される遊技状態)において、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められるようにしてもよい。
そして、この例では、左枠LED28bの近傍に、賞球払出中に点灯する賞球LED51が設けられ、右枠LED28cの近傍に、補給球が切れたときに点灯する球切れLED52が設けられている。上記のように、この実施の形態のパチンコ遊技機1には、発光体が各所に設けられている。さらに、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするプリペイドカードユニット(以下、単に「カードユニット」ともいう。)が、パチンコ遊技機1に隣接して設置される(図示せず)。
図2は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図2は、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほかRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路503は、特別図柄の可変表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(例えば、0)と上限値(例えば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則に従って更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることにもとづいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
乱数回路503は、数値データの更新範囲の選択設定機能(初期値の選択設定機能、および、上限値の選択設定機能)、数値データの更新規則の選択設定機能、および数値データの更新規則の選択切換え機能等の各種の機能を有する。このような機能によって、生成する乱数のランダム性を向上させることができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。例えば、ROM54等の所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ560のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ560の各製品ごとに異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行なって得られた数値データを、乱数回路503が更新する数値データの初期値として設定する。そのような処理を行うことによって、乱数回路503が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。
また、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ13a、カウントスイッチ23、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aからの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を可変表示する特別図柄表示器8、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10、特別図柄保留記憶表示器18および普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う。
なお、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路(図示せず)も主基板31に搭載されている。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560からの演出制御コマンドを受信し、飾り図柄を可変表示する演出表示装置9の表示制御を行う。
また、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段が、ランプドライバ基板35を介して、遊技盤に設けられている装飾LED25の表示制御を行うとともに、枠側に設けられている天枠LED28a、左枠LED28b、右枠LED28c、賞球ランプ51および球切れランプ52の表示制御を行うとともに、音声出力基板70を介してスピーカ27からの音出力の制御を行う。
図3は、中継基板77、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図3に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101、および演出図柄プロセスフラグ等の演出に関する情報を記憶するRAM112を含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAM112は外付けであってもよい。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM111に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に演出表示装置9の表示制御を行わせる。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行うVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データをフレームメモリを介して演出表示装置9に出力する。
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに従ってCGROM(図示せず)から必要なデータを読み出すための指令をVDP109に出力する。CGROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データや動画像データ、具体的には、人物、文字、図形や記号等(飾り図柄を含む)、および背景画像のデータをあらかじめ格納しておくためのROMである。VDP109は、演出制御用CPU101の指令に応じて、CGROMから画像データを読み出す。そして、VDP109は、読み出した画像データにもとづいて表示制御を実行する。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路74が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。図3には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、各信号毎に設けられる。さらに、単方向性回路である出力ポート571を介して主基板31から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板77から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板77からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ560側)に入り込まない。なお、出力ポート571は、図2に示されたI/Oポート部57の一部である。また、出力ポート571の外側(中継基板77側)に、さらに、単方向性回路である信号ドライバ回路が設けられていてもよい。
さらに、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してランプドライバ基板35に対してLEDを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、LEDを駆動する信号は、入力ドライバ351を介してLEDドライバ352に入力される。LEDドライバ352は、LEDを駆動する信号にもとづいて天枠LED28a、左枠LED28b、右枠LED28cなどの枠側に設けられている各LEDに電流を供給する。また、枠側に設けられている装飾LED25に電流を供給する。
音声出力基板70において、音番号データは、入力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば飾り図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
次に、電源基板910の構成を図4のブロック図を参照して説明する。電源基板910には、遊技機内の各電気部品制御基板や機構部品への電力供給を許可したり遮断したりするための電源スイッチ914が設けられている。なお、電源スイッチ914は、遊技機において、電源基板910の外に設けられていてもよい。電源スイッチ914が閉状態(オン状態)では、交流電源(AC24V)がトランス911の入力側(一次側)に印加される。トランス911は、交流電源(AC24V)と電源基板910の内部とを電気的に絶縁するためのものであるが、その出力電圧もAC24Vである。また、トランス911の入力側には、過電圧保護回路としてのバリスタ918が設置されている。
電源基板910は、電気部品制御基板(主基板31、払出制御基板37および演出制御基板80等)と独立して設置され、遊技機内の各基板および機構部品が使用する電圧を生成する。この例では、AC24V、VSL(DC+30V)、VLP(DC+24V)、VDD(DC+12V)およびVCC(DC+5V)を生成する。また、バックアップ電源(VBB)すなわちバックアップRAMに記憶内容を保持させるための記憶保持手段となるコンデンサ916は、DC+5V(VCC)すなわち各基板上のIC等を駆動する電源のラインから充電される。また、+5Vラインとバックアップ+5V(VBB)ラインとの間に、逆流防止用のダイオード917が挿入される。なお、VSLは、整流平滑回路915において、整流素子でAC24Vを整流昇圧することによって生成される。VSLは、ソレノイド駆動電源になる。また、VLPは、ランプ点灯用の電圧であって、整流回路912において、整流素子でAC24Vを整流することによって生成される。
電源電圧生成手段としてのDC−DCコンバータ913は、1つまたは複数のスイッチングレギュレータ(図4では2つのレギュレータIC924A,924Bを示す。)を有し、VSLにもとづいてVDDおよびVCCを生成する。レギュレータIC(スイッチングレギュレータ)924A,924Bの入力側には、比較的大容量のコンデンサ923A,923Bが接続されている。従って、外部からの遊技機に対する電力供給が停止したときに、VSL、VDD、VCC等の直流電圧は、比較的緩やかに低下する。
図4に示すように、トランス911から出力されたAC24Vは、そのままコネクタ922Bに供給される。また、VLPは、コネクタ922Cに供給される。VCC、VDDおよびVSLは、コネクタ922A,922B,922Cに供給される。
コネクタ922Aに接続されるケーブルは、主基板31に接続される。また、コネクタ922Bに接続されるケーブルは、払出制御基板37に接続される。従って、コネクタ922Aには、VBBも供給されている。例えば、コネクタ922Cに接続されるケーブルは、ランプドライバ基板35に接続される。なお、演出制御基板80には、ランプドライバ基板35を経由して各電圧が供給される。
また、電源基板910には、押しボタン構造のクリアスイッチ921が搭載されている。クリアスイッチ921が押下されるとローレベル(オン状態)のクリア信号が出力され、コネクタ922Aを介して主基板31に出力される。また、クリアスイッチ921が押下されていなければハイレベル(オフ状態)の信号が出力される。なお、クリアスイッチ921は、押しボタン構造以外の他の構成であってもよい。また、クリアスイッチ921は、遊技機において、電源基板910以外に設けられていてもよい。
さらに、電源基板910には、電気部品制御基板に搭載されているマイクロコンピュータに対するリセット信号を作成するとともに、電源断信号を出力する電源監視回路920と、電源監視回路920からのリセット信号を増幅してコネクタ922A,922B,922Cに出力するとともに、電源断信号を増幅してコネクタ922Bに出力する出力ドライバ回路925が搭載されている。なお、演出制御用マイクロコンピュータに対するリセット信号は、ランプドライバ基板35を経由して演出制御基板80に伝達される。また、リセット回路をそれぞれの電気部品制御基板に搭載した場合に、リセット信号をハイレベルにすることになる電圧値を異ならせるようにしてもよい(例えば、主基板31における場合を最も高くして、遊技制御用マイクロコンピュータ560に対するリセット信号がハイレベルになるタイミングを最も遅くする。)。
電源監視回路920からの電源断信号すなわち電源監視手段からの検出信号は、主基板31に搭載されている入力ポートを介して遊技制御用マイクロコンピュータ560に入力される。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、入力ポートの入力信号を監視することによって遊技機への電力供給の停止の発生を確認することができる。
次に、遊技機の動作について説明する。図5は、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され電力供給が開始されると、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになり、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化など)を行った後(ステップS4)、RAM55をアクセス可能状態に設定する(ステップS5)。なお、割込モード2は、CPU56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)とから合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(例えば、電源基板に搭載されている。)の出力信号の状態を確認する(ステップS6)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理を実行する(ステップS10〜S15)。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS7)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。
電力供給停止時処理が行われたことを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェックを行う(ステップS8)。この実施の形態では、データチェックとしてパリティチェックを行う。よって、ステップS8では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理(ステップS41〜S44の処理)を行う。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS41)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(ステップS42)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS41およびS42の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグ、確変フラグ、時短フラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU56は、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧指定コマンドを演出制御基板80に送信する(ステップS43)。さらに、演出図柄(飾り図柄)の停止図柄を特定可能な演出図柄指定コマンドを演出制御基板80に送信する(ステップS44)。なお、送信する演出図柄指定コマンドは、バックアップRAM領域に保存されていた演出図柄指定コマンド(電力供給が停止する前において最後に送信した演出図柄指定コマンド)を示すデータにもとづく演出図柄指定コマンドである。また、CPU56は、背景指定コマンドも送信する。そして、ステップS14に移行する。
なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、遊技状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS10)。なお、RAMクリア処理によって、所定のデータ(例えば大当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)は0に初期化されるが、任意の値またはあらかじめ決められている値に初期化するようにしてもよい。また、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(例えば大当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS11)、初期化時設定テーブルの内容を順次RAM55における作業領域に設定する(ステップS12)。
ステップS11およびS12の処理によって、特別図柄プロセスフラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU56は、サブ基板(主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板。)を初期化するための初期化指定コマンド(遊技制御用マイクロコンピュータ560が初期化処理を実行したことを示すコマンドでもある。)を演出制御基板80に送信する(ステップS13)。例えば、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100は、初期化指定コマンドを受信すると、演出表示装置9において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示、すなわち初期化報知を行う。なお、初期化処理において、CPU56は、客待ちデモンストレーション指定(デモ指定)コマンドおよび背景指定コマンドも送信する。
また、CPU56は、乱数回路503を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(ステップS14)。CPU56は、例えば、乱数回路設定プログラムに従って処理を実行することによって、乱数回路503にランダムRの値を更新させるための設定を行う。
そして、CPU56は、所定時間(例えば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なう(ステップS15)。すなわち、初期値として例えば2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、2ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(ステップS10〜S15)が完了すると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS17)および初期値用乱数更新処理(ステップS18)を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(ステップS16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(ステップS19)。この実施の形態では、表示用乱数とは、変動パターン等を決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。この実施の形態では、初期値用乱数とは、普通図柄の当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタ)等のカウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ560が、遊技機に設けられている可変表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、大当り判定用乱数発生カウンタ等のカウント値が1周(乱数の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
タイマ割込が発生すると、CPU56は、図6に示すステップS20〜S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(ステップS20)。電源断信号は、例えば電源基板に搭載されている電源監視回路920が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ13a、カウントスイッチ23、および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aの検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。
次に、CPU56は、特別図柄表示器8、普通図柄表示器10、特別図柄保留記憶表示器18、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う表示制御処理を実行する(ステップS22)。特別図柄表示器8および普通図柄表示器10については、ステップS32,S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通当り図柄決定用の乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:ステップS23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:ステップS24,S25)。
図7は、各乱数を示す説明図である。各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1:特別図柄のはずれ図柄を決定する(はずれ図柄判定用)
(2)ランダム2:特別図柄の大当り図柄を決定する(大当り図柄判定用)
(3)ランダム3:リーチとするか否か決定する(リーチ決定用)
(4)ランダム4:大当り図柄および飾り図柄の変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン決定用)
(5)ランダム5:普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(6)ランダム6:昇格演出における第1演出を実行するか否か決定する(演出実行決定用)
(7)ランダム7:ランダム5の初期値を決定する(ランダム5初期値決定用)
図6に示された遊技制御処理におけるステップS23では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、(2)の大当り図柄決定用乱数、および(5)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数または初期値用乱数である。なお、遊技効果を高めるために、上記(1)〜(7)の乱数以外の乱数も用いるようにしてもよい。また、この実施の形態では、大当り判定用乱数は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されたハードウェア(乱数回路503)が生成する乱数であるが、大当り判定用乱数として、遊技制御用マイクロコンピュータ560によってプログラムにもとづいて生成されるソフトウェア乱数を用いてもよい。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS26)。特別図柄プロセス処理では、特別図柄表示器8および大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS27)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する処理を行う(演出制御コマンド制御処理:ステップS28)。
さらに、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS29)。
また、CPU56は、始動口スイッチ13a、カウントスイッチ23および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aの検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS30)。具体的には、始動口スイッチ13a、カウントスイッチ23および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aのいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(ステップS31:出力処理)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(ステップS32)。CPU56は、例えば、特別図柄プロセス処理でセットされる開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値を+1する。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、特別図柄表示器8における特別図柄の可変表示を実行する。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(ステップS33)。CPU56は、例えば、普通図柄の変動に関する開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、普通図柄の変動速度が0.2秒ごとに表示状態(「○」および「×」)を切り替えるような速度であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値(例えば、「○」を示す1と「×」を示す0)を切り替える。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(ステップS34)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は2ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるステップS21〜S33(ステップS29を除く。)の処理に相当する。また、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
図8は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態(確変状態でない遊技状態)において用いられる通常時大当り判定テーブル(図8(A)参照)と、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブル(図8(B)参照)とがある。図8(A),(B)の左欄に記載されている数値が大当り判定値である。CPU56は、所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR)の値とするのであるが、大当り判定用乱数値が図8に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(確変大当りまたは通常大当り)とすることに決定する。なお、図8に示す「確率」は、通常大当り、確変大当り、はずれになる確率(割合)を示す。また、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器8における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
また、確変大当りとは、大当り遊技後の遊技状態を、通常状態に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態に移行させるような大当りである。通常大当りとは、大当り遊技後の遊技状態を確変状態ではない通常状態に移行させるような、または通常状態を維持させるような大当りである。
図9は、演出実行判定テーブルを示す説明図である。演出実行判定テーブルは、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるROM54に格納され、CPU56が、ランダム6(演出実行決定用乱数)の値と比較する演出実行判定値が設定されている。CPU56は、抽出したランダム6が演出実行判定値のいずれかと一致すると、昇格演出における第1演出を実行することに決定する。なお、この実施の形態では、大当りとするか否か、および大当りとする場合に確変大当りとするか否かに関わらず、同じ割合で第1演出を実行することに決定されるが、大当りとするか否か、および大当りとする場合に確変大当りとするか否かに応じて、第1演出を実行する割合を変えるようにしてもよい。
図10は、特別図柄の停止図柄(最終停止図柄)と、その後に制御される遊技状態との関係の一例を示す説明図である。図10に示す例では、停止図柄が偶数の図柄である場合には、はずれとなり、奇数の図柄である場合には、大当りとなり、特別図柄の変動終了後に大当り遊技状態に移行する。なお、この実施の形態では、確変大当りと通常大当りとで特別図柄の停止図柄を分けていない。よって、遊技者は停止図柄から遊技状態の変化を把握することができない。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、所定の時期に、遊技機に設けられている電気部品によって確変大当りの報知のための昇格演出を行う。よって、遊技者は昇格演出によって初めて遊技状態の変更を把握することができるので遊技の興趣が向上する。ただし、特別図柄の停止図柄を、確変大当りであるのか通常大当りであるのかを遊技者が判別することは難しい態様ではあるが区別して表示するようにしてもよい。その場合、演出図柄(飾り図柄)の停止図柄を、確変大当りであるのか通常大当りであるのか判別不能であるようにしてもよい。
図11は、演出図柄(飾り図柄)の停止図柄(最終停止図柄)の一例を示す説明図である。図11に示す例では、大当りの場合には、左中右の演出図柄の停止図柄として図柄が揃った組み合わせ(一致した図柄の組み合わせ)が演出表示装置9に停止表示され、大当りとはしないがリーチする場合には、左中右の演出図柄の停止図柄として左右図柄のみが揃った組み合わせが演出表示装置9に停止表示される。はずれとする場合であってリーチにもしないときには、左中右の演出図柄の停止図柄として左右図柄が一致しない組み合わせが演出表示装置9に停止表示される。演出表示装置9において可変表示および停止表示される演出図柄(飾り図柄)は、数字、アルファベット、キャラクタ状の図柄、キャラクタ状の表示物の中に数字等が表示されている図柄、その他どのような図柄であってもよい。なお、確変大当りと通常大当りとで演出図柄(飾り図柄)の停止図柄を分けていないことは、特別図柄の場合と同様である。
図12は、この実施の形態で用いられる特別図柄および演出図柄(飾り図柄)の変動パターン(変動時間)の一例を示す説明図である。なお、変動パターンは、特別図柄および演出図柄の変動時間等を示すものであるが、演出図柄の変動は特別図柄の変動と同期しているので、以下、単に、特別図柄の変動パターン、演出図柄の変動パターンのように表現することがある。
図12に示すように、この実施の形態では、変動パターン#1(変動時間22秒)、変動パターン#2(変動時間22秒)、変動パターン#3(変動時間11秒)、変動パターン#4(変動時間11秒)の前半の4秒間では高速変動(表示される図柄の切り替えタイミングが短いこと)が行われる。変動開始から4秒が経過したときに、左右の演出図柄(飾り図柄)として同じ図柄が停止表示され、以後、中図柄が変動する。その間、演出表示装置9では、図柄以外のキャラクタ画像等によってリーチ演出が実行されるとともに、演出用のLED等の発光体およびスピーカ27によって、演出表示装置9における演出に同期したリーチ演出が実行される。
また、変動パターン#2および変動パターン#4では、リーチ演出の期間において、第1演出のみ、または第1演出および第2演出が実行される。なお、この実施の形態では、高速変動の期間では第1演出や第2演出が実行されないが、第1演出や第2演出を高速変動の期間において開始してもよい。
変動パターン#5は、4秒間の高速変動のみが実行される変動パターンである。変動開始から4秒が経過したときに、左中右の演出図柄(飾り図柄)が停止表示される。変動パターン#5は、停止図柄を大当り図柄にしないことに決定されているときに用いられる。
変動パターン#6は、2秒間の高速変動のみが実行される変動パターンである。変動開始から2秒が経過したときに、左中右の演出図柄(飾り図柄)が停止表示される。変動パターン#6は、遊技状態が時短状態であるときの変動パターンとして用いられる。
図13は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図13に示す例において、コマンド8001(H)〜8006(H)は、特別図柄の可変表示に対応して演出表示装置9において可変表示される演出図柄(飾り図柄)の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターン#1〜#6に対応)。なお、「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド8001(H)〜8006(H)のいずれかを受信すると、演出表示装置9において演出図柄(飾り図柄)の可変表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C03(H)は、大当りとするか否か、および大当り遊技の種類を示す演出制御コマンドである。演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド8C01(H)〜8C03(H)の受信に応じて演出図柄(飾り図柄)の表示結果を決定するので、コマンド8C01(H)〜8C03(H)を演出図柄指定コマンドまたは表示結果特定コマンドという。ただし、上述したように、この実施の形態では、通常大当りとする場合と確変大当りとする場合とで演出図柄(飾り図柄)の表示結果を区別しない。
コマンド8F00(H)は、演出図柄(飾り図柄)の可変表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを示す演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄確定指定コマンドを受信すると、演出図柄(飾り図柄)の可変表示(変動)を終了して表示結果を導出表示する。
コマンド9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに送信される演出制御コマンド(初期化指定コマンド:電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)〜9202(H)は、遊技機に対する電力供給が再開されたときに送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合(バックアップフラグがセットされていた場合でもよい。)には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、初期化指定コマンドを送信する。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、電力供給が停止したときの状態に応じて異なる停電復旧指定コマンドを送信する。すなわち、図5に示されたステップS43の処理において、バックアップRAMに保存されていたデータ(例えば、特別図柄プロセスフラグ)にもとづいて特別図柄の変動中であったと判断される場合にはコマンド9201(H)の停電復旧指定コマンドを送信する。特別図柄の変動中であった場合にはコマンド9202(H)の停電復旧指定コマンドを送信する。
なお、停電復旧指定コマンドという名称を用いているが、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機に対して電力供給が開始されたときにバックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電から復旧したときに限らず、停電復旧指定コマンドを送信する。
コマンド9500(H)は、遊技状態が通常状態であることを示す演出制御コマンド(通常時背景指定コマンド)である。コマンド9501(H)は、遊技状態が時短状態であることを示す演出制御コマンド(時短時背景指定コマンド)である。コマンド9502(H)は、遊技状態が確変状態であることを示す演出制御コマンド(確変時背景指定コマンド)である。演出制御用マイクロコンピュータ100は、それら背景指定コマンド(遊技状態指定コマンド)の受信に応じて、演出表示装置9の表示画面における背景を、背景指定コマンドが示す遊技状態に対応する背景にする。
コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
コマンドA001(H)は、ファンファーレ画面を表示すること、すなわち大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(大当り開始指定コマンド:ファンファーレコマンド)である。コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口閉鎖を示す演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。
コマンドA301(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定することを指定する演出制御コマンド(大当り終了指定コマンド:エンディングコマンド)である。
図14および図15は、演出制御コマンドの送信タイミングの例を示す説明図である。図14(A)に示すように、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、変動開始時に、背景指定コマンド、変動パターンコマンド、および演出図柄指定コマンド(演出図柄1指定コマンド、演出図柄2指定コマンドまたは演出図柄3指定コマンド)を送信する。そして、可変表示時間(変動時間)が経過すると、図柄確定指定コマンドを送信する。
なお、この実施の形態では、第2演出の開始タイミングで、演出図柄指定コマンドを送信する。また、変動開始時には演出図柄指定コマンドを送信せず、第1演出の開始タイミングにおいて演出図柄指定コマンドを送信するようにしてもよい。
図14(B)には、大当り遊技における例が示されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大当り遊技の開始時に、大当り開始指定コマンドを送信し、各ラウンドの開始時に大入賞口開放中指定コマンドを送信し、各ラウンドの終了時に大入賞口開放後指定コマンドを送信し、大当り遊技の終了時に、大当り終了指定コマンドを送信する。
図15(A)には、電力供給が開始されたとき(電源投入時)の例が示されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、電源投入指定コマンドおよび背景指定コマンドを送信した後、客待ちデモ指定コマンドを送信する。
図15(B)は、電力供給が再開されたとき(停電復旧時)の例を示す。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、電源投入指定コマンド背景指定コマンドを送信した後、バックアップRAM領域に保存されていた演出図柄指定コマンド(電力供給が停止する前において最後に送信した演出図柄指定コマンド)を示すデータにもとづく演出図柄指定コマンドを送信する。
図16は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄プロセス処理(ステップS26)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、特別図柄プロセス処理では特別図柄表示器8および大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理において、CPU56は、始動入賞口13に遊技球が入賞したことを検出するための始動口スイッチ13aがオンしていたら、すなわち始動入賞が発生していたら、始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS311,S312)。そして、ステップS300〜S307のうちのいずれかの処理を行う。
ステップS300〜S307の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(ステップS300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶数(始動入賞記憶数)を確認する。保留記憶数は保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。保留記憶数が0でない場合には、大当りとするか否か決定する。大当りとしないことに決定したときには、特別図柄表示器8の停止図柄としてはずれ図柄を決定する。大当りとすることに決定したときには、大当り図柄を決定する。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に対応した値(この例では1)に更新する。
変動パターン設定処理(ステップS301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(可変表示時間:可変表示を開始してから表示結果が導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の可変表示の変動時間とすることに決定する。また、第1演出を実行するか否かを決定する。そして、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。その後、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に対応した値(この例では2)に更新する。
演出図柄指定コマンド送信処理(ステップS302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ100に、演出図柄指定コマンドを送信する制御を行う。大当りとしないことに決定したときは、はずれを指定する演出図柄1指定コマンドを送信する。通常大当りとすることに決定したときは、通常大当りを指定する演出図柄2指定コマンドを送信する。確変大当りとすることに決定したときは、確変大当りを指定する演出図柄3指定コマンドを送信する。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に対応した値(この例では3)に更新する。
特別図柄変動中処理(ステップS303):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に対応した値(この例では4)に更新する。
特別図柄停止処理(ステップS304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。特別図柄表示器8における可変表示を停止して停止図柄を導出表示させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う。そして、大当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。大当りフラグがセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると演出表示装置9において演出図柄(飾り図柄)が停止されるように制御する。
大入賞口開放前処理(ステップS305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。大入賞口開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に対応した値(この例では6)に更新する。なお、大入賞口開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。
大入賞口開放中処理(ステップS306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS307に対応した値(この例では7)に更新する。
大当り終了処理(ステップS307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。また、遊技状態を示すフラグ(例えば、確変フラグ)をセットする処理を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
図17は、ステップS312の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、保留記憶数が上限値である4になっているか否か確認する(ステップS211)。保留記憶数が4になっている場合には、処理を終了する。
保留記憶数が4になっていない場合には、保留記憶数を示す保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS212)。また、CPU56は、ソフトウェア乱数(大当り図柄決定用乱数等を生成するためのカウンタの値等)およびランダムR(大当り判定用乱数)を抽出し、それらを、抽出した乱数値として保留記憶数カウンタの値に対応する保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する(ステップS213)。ステップS213では、CPU56は、ソフトウェア乱数としてランダム1〜4,6(図7参照)の値を抽出する。また、保留記憶バッファにおいて、保存領域は、保留記憶数の上限値と同数確保されている。また、大当り図柄決定用乱数等を生成するためのカウンタや保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。「RAMに形成されている」とは、RAM内の領域であることを意味する。
図18および図19は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(ステップS300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、CPU56は、保留記憶数の値を確認する(ステップS51)。具体的には、保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。保留記憶数が0であれば処理を終了する。
保留記憶数が0でなければ、CPU56は、RAM55の保留記憶数バッファにおける保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する(ステップS52)。そして、保留記憶数の値を1減らし(保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し)、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS53)。すなわち、RAM55の保留記憶数バッファにおいて保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。よって、各保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、保留記憶数=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。
そして、CPU56は、乱数バッファ領域から大当り判定用乱数を読み出し(ステップS61)、大当り判定の処理を実行する(ステップS62)。大当り判定の処理では、遊技状態が確変状態(高確率状態)の場合は、遊技状態が非確変状態(通常遊技状態および時短状態)の場合よりも、大当りとなる確率が高くなるように構成されている。具体的には、あらかじめ大当り判定値の数が多く設定されている確変時大当り判定テーブル(図8(B)参照)と、大当り判定値の数が確変大当り判定テーブルよりも少なく設定されている通常時大当り判定テーブル(図8(A)参照)とが設けられている。そして、CPU56は、遊技状態が確変状態であるか否かを確認し、遊技状態が確変状態であるときは、確変時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行い、遊技状態が通常遊技状態であるときは、通常時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行う。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図8に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(確変大当りまたは通常大当り)とすることに決定する。
なお、現在の遊技状態が確変状態であるか否かの確認は、確変フラグがセットされているか否かにより行われる。確変フラグは、遊技状態を確変状態に移行するときにセットされ、確変状態を終了するときにリセットされる。具体的には、確変図柄で大当りとなって、その大当り遊技を終了する処理においてセットされ、非確変図柄で大当りとなって、その大当り遊技を終了する処理においてリセットされる。
大当り判定処理で大当りとすることに決定した場合には(ステップS63)、CPU56は、大当りフラグをセットする(ステップS71)。次いで、CPU56は、乱数バッファ領域から大当り図柄決定用乱数の値を読み出し(ステップS72)、大当り図柄決定用乱数の値にもとづいて停止図柄を決定する(ステップS73)。また、大当りの種別として、確変大当りにすると決定されたか否か確認し(ステップS74)、確変大当りにすると決定したときは、確変大当りフラグをセットし(ステップS75)、ステップS70に移行する。
大当りとしないことに決定した場合には、CPU56は、乱数バッファ領域からはずれ図柄決定用乱数の値を読み出し(ステップS64)、はずれ図柄決定用乱数の値にもとづいて停止図柄を決定する(ステップS65)。
さらに、時短状態であることを示す時短フラグがセットされている場合には(ステップS66)、時短状態における特別図柄の変動可能回数を示す時短回数カウンタの値を−1する(ステップS67)。そして、時短回数カウンタの値が0になった場合には、可変表示が終了したときに遊技状態を非時短状態に移行させるために時短終了フラグをセットする(ステップS68,S69)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(ステップS301)に対応した値に更新する(ステップS70)。
図20は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(ステップS301)を示すフローチャートである。変動パターン設定処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否か確認し(ステップS100)、大当りフラグがセットされていない場合には、乱数バッファ領域からリーチ判定用乱数の値を読み出し(ステップS103)、リーチ判定用乱数の値にもとづいてリーチするか否か決定する(ステップS104)。なお、ステップS103の処理では、リーチ判定用乱数の値があらかじめ定められているリーチ判定値のいずれかと一致したらリーチすることに決定する。そして、リーチするか否かを示すデータをRAM55に格納する。その後、ステップS105に移行する。
大当りフラグがセットされている場合には、乱数バッファ領域から演出実行決定用乱数の値を読み出し(ステップS101)、演出実行決定用乱数の値にもとづいて第1演出を実行するか否か決定する(ステップS105)。具体的には、演出実行決定用乱数の値が図9に示された演出実行判定値のいずれかと一致したら第1演出を実行することに決定する。そして、第1演出を実行するか否かを示すデータをRAM55に格納する。その後、ステップS105に移行する。
なお、変動パターン設定処理においてステップS101,S102の処理を実行せず、第1演出の開始タイミングにおいてステップS101,S102の処理を実行するようにしてもよい。
ステップS105では、CPU56は、乱数バッファ領域から変動パターン決定用乱数の値を読み出す。そして、変動パターン決定用乱数の値にもとづいて、使用する変動パターンを決定する(ステップS106)。
具体的には、大当りフラグがセットされていない場合には、リーチすることに決定されていないときには、図12に例示された変動パターン#5または変動パターン#6に決定する。リーチすることに決定されているときには、はずれ時変動パターンテーブルを用いて変動パターンを決定する。はずれ時変動パターンテーブルはROM54に記憶され、はずれ時変動パターンテーブルには、変動パターン#1〜#4のそれぞれに対応した変動パターン判定値が設定されている。CPU56は、変動パターン決定用乱数の値に一致する変動パターン判定値に対応した変動パターンを決定する。なお、はずれ時変動パターンテーブルにおいて、変動パターン#2または#4が図9に示された確率(9/179)で選択されるように、変動パターン判定値が設定されている。
また、大当りフラグがセットされている場合には、第1演出を実行することに決定されているときには、大当り時第1演出変動パターンテーブルを用いて変動パターンを決定する。大当り時第1演出変動パターンテーブルはROM54に記憶され、大当り時第1演出変動パターンテーブルには、変動パターン#2に対応した変動パターン判定値と変動パターン#4に対応した変動パターン判定値とが設定されている。CPU56は、変動パターン決定用乱数の値に一致する変動パターン判定値に対応した変動パターンを決定する。第1演出を実行することに決定されていないときには、大当り時リーチ変動パターンテーブルを用いて変動パターンを決定する。大当り時リーチ変動パターンテーブルはROM54に記憶され、大当り時リーチ変動パターンテーブルには、変動パターン#1に対応した変動パターン判定値と変動パターン#3に対応した変動パターン判定値とが設定されている。CPU56は、変動パターン決定用乱数の値に一致する変動パターン判定値に対応した変動パターンを決定する。
そして、CPU56は、遊技状態に応じた背景指定コマンド(図13参照)を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS107)。具体的には、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送信する際に、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブル(あらかじめROM54にコマンド毎に設定されている)のアドレスをポインタにセットする。そして、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットして、演出制御コマンド制御処理(ステップS28)において演出制御コマンドを送信する。なお、CPU56は、遊技状態を、確変フラグや時短フラグがセットされているか否かによって判定する。すなわち、確変フラグがセットされている場合には確変状態であって、確変時背景指定コマンドを送信し、時短フラグがセットされている場合には時短状態であって、時短時背景指定コマンドを送信し、それ以外の場合には通常時背景指定コマンドを送信する。
また、CPU56は、ステップS106で選択した変動パターンに応じた変動パターンコマンド(図13参照)を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS108)。また、送信した変動パターンコマンドを示すデータをRAM55に設定(書き込むこと)する(ステップS109)。なお、第1演出を伴う変動パターンコマンドを送信した場合には、第1演出中フラグをRAM55の所定領域に設定する。すなわち、遊技制御手段におけるコマンド出力手段は、第1演出を実行することを特定可能な演出制御コマンドを出力し、遊技制御手段は、コマンド出力手段が当該演出制御コマンドを出力したときに第1演出を実行することを示すデータを記憶手段に記憶するようにしてもよい。そのような構成によれば、記憶手段に記憶されたデータにもとづいて、第2演出を実行するのか否かを直ちに判定できる。
この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して、変動パターンコマンドによって第1演出を実行するか否か指定することになる。しかし、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、変動パターンコマンドとは別のコマンド(例えば、第1演出の実行を指定する演出制御コマンド)によって第1演出を実行するか否か指定するようにしてもよい。
そして、特別図柄の変動を開始する(ステップS110)。例えば、ステップS33の特別図柄表示制御処理で参照される開始フラグをセットする。また、RAM55に形成されている変動時間タイマに、選択された変動パターンに対応した変動時間(図12参照)に応じた値を設定する(ステップS111)。その後、特別図柄プロセスフラグの値を演出図柄指定コマンド送信処理(ステップS302)に対応した値に更新する(ステップS112)。
図21は、演出図柄指定コマンド送信処理(ステップS302)を示すフローチャートである。演出図柄指定コマンド送信処理において、CPU56は、決定されている大当りの種類等に応じて、8C01(H)〜8C03(H)のいずれかの演出制御コマンド(図13参照)を送信する制御を行う。具体的には、CPU56は、まず、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS114)。セットされていない場合には、演出図柄1指定コマンド(はずれ指定コマンド)を送信する制御を行う(ステップS115)。そして、ステップS119に移行する。
大当りフラグがセットされている場合、確変大当りフラグがセットされているときには、演出図柄3指定コマンド(確変大当り指定コマンド)を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS116,S118)。確変大当りフラグがセットされていないときには、演出図柄2指定コマンド(通常大当り指定コマンド)を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS116,S117)。そして、ステップS119に移行する。以上のように、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、確変大当りとすることに事前決定した場合には、演出図柄3指定コマンドを送信し、それ以外の場合には、演出図柄1指定コマンドまたは演出図柄2指定コマンドを送信する。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100は、受信した演出図柄指定コマンド(演出図柄1指定コマンド、演出図柄2指定コマンドまたは演出図柄3指定コマンド)にもとづいて、遊技制御用マイクロコンピュータ560が確変大当りとすることに事前決定したことを特定できる。
ステップS119では、CPU56は、ステップS115,S117,S118の処理で送信した演出図柄指定コマンドを示すデータをRAM55に設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)を特別図柄変動中処理(ステップS303)に応じた値に更新する(ステップS120)。
図22は、特別図柄プロセス処理における特別図柄変動中処理(ステップS303)を示すフローチャートである。特別図柄変動中処理において、CPU56は、変動時間タイマを1減算し(ステップS121)、変動時間タイマがタイムアウトしたら(ステップS122)、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止処理(ステップS304)に対応した値に更新する(ステップS123)。変動時間タイマがタイムアウトしていない場合には、変動時間タイマの値があらかじめ決められている第2演出の開始タイミングに相当する値になると、演出図柄指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS124,S125)。なお、第2演出の開始タイミングは、第1演出が終了した後に到来する。また、ステップS125の処理で送信する演出図柄指定コマンドは、ステップS119の処理でRAM55に格納された演出図柄指定コマンドである。
なお、この実施の形態では、変動開始時に演出図柄1指定コマンド(はずれ指定コマンド)を送信したときにも遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第2演出の開始のタイミングにおいて再度演出図柄指定コマンドを送信するが、変動開始時に演出図柄1指定コマンド(はずれ指定コマンド)を送信した場合には第2演出は実行されないので、変動開始時に演出図柄1指定コマンド(はずれ指定コマンド)を送信したときに第2演出の開始のタイミングにおいて演出図柄指定コマンドを送信しないように構成してもよい。
図23は、特別図柄プロセス処理における特別図柄変動停止処理(ステップS304)を示すフローチャートである。特別図柄変動停止処理において、CPU56は、特別図柄表示器8における特別図柄の変動を止めて、停止図柄を導出表示する(ステップS130)。また、CPU56は、演出表示装置9における飾り図柄の変動の停止を指定する図柄確定指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS131)。そして、大当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS132)。大当りフラグがセットされていなければ、ステップS141に移行する(ステップS133)。
大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、確変フラグをリセットし(ステップS133)、大当り開始指定コマンド(ファンファーレコマンド)を送信する制御を行う(ステップS134)。
また、大当り表示時間タイマに大当り表示時間(大当りが発生したことを例えば演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS136)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(ステップS305)に対応した値に更新する(ステップS137)。
ステップS141では、CPU56は、時短終了フラグがセットされているか否か確認する。時短終了フラグがセットされている場合には、時短終了フラグをリセットするとともに、時短フラグをリセットする(ステップS142,S143)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS144)。
大入賞口開放前処理では、CPU56は、大当り表示時間タイマが設定されている場合には、大当り表示時間タイマがタイムアウトしたら、大入賞口を開放する制御を行うとともに、大入賞口開放時間タイマに開放時間(例えば、29秒)に相当する値を設定し、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放中処理(ステップS306)に対応した値に更新する。なお、大当り表示時間タイマが設定されている場合とは、第1ラウンドの開始前の場合である。インターバルタイマ(ラウンド間のインターバル時間を決めるためのタイマ)が設定されている場合には、インターバルタイマがタイムアウトしたら、大入賞口を開放する制御を行うとともに、大入賞口開放時間タイマに開放時間に相当する値を設定し、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放中処理(ステップS306)に対応した値に更新する。
大入賞口開放中処理では、CPU56は、大入賞口開放時間タイマがタイムアウトするか、または大入賞口への入賞球数が所定数(例えば10個)に達したら、最終ラウンドが終了していない場合には、大入賞口を閉鎖する制御を行うとともに、インターバルタイマにインターバル時間に相当する値を設定し、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(ステップS305)に対応した値に更新する。最終ラウンドが終了した場合には、特別図柄プロセスフラグの値を大当り終了処理(ステップS307)に対応した値に更新する。
図24は、特別図柄プロセス処理における大当り終了処理(ステップS307)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU56は、大当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し(ステップS170)、大当り終了表示タイマが設定されている場合には、ステップS181に移行する。大当り終了表示タイマが設定されていない場合には、遊技状態を時短状態に移行させるために時短フラグをセットして(ステップS171)、時短回数カウンタに100を設定する(ステップS172)。
また、大当りフラグをリセットし(ステップS173)、大当り終了指定コマンド(エンディングコマンド)を送信する制御を行う(ステップS174)。さらに、確変大当りフラグがセットされている場合には、確変大当りフラグをリセットするとともに(ステップS176,S177)、遊技状態を確変状態に移行させるために確変フラグをセットする(ステップS178)。そして、大当り終了表示タイマに、演出表示装置9において大当り終了表示が行われている時間(大当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(ステップS179)、処理を終了する。
ステップS181では、大当り終了表示タイマの値を1減算する。そして、CPU56は、大当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了表示時間が経過したか否か確認する(ステップS182)。経過していなければ処理を終了する。経過していれば、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS183)。
次に、演出制御手段の動作を説明する。図25は、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段としての演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS701)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(ステップS702)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(ステップS703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う(コマンド解析処理:ステップS704)。次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行う(ステップS705)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の表示制御を実行する。
次いで、停止図柄決定用乱数、第1演出種類選択用乱数、第2演出種類選択用乱数等の乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS706)。その後、ステップS702に移行する。
図26は、主基板31の遊技制御用マイクロコンピュータ560から受信した演出制御コマンドを格納するためのコマンド受信バッファの一構成例を示す説明図である。この例では、2バイト構成の演出制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファが用いられる。従って、コマンド受信バッファは、受信コマンドバッファ1〜12の12バイトの領域で構成される。そして、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信個数カウンタは、0〜11の値をとる。なお、必ずしもリングバッファ形式でなくてもよい。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAM112に形成されているバッファ領域に保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドがどのコマンド(図13参照)であるのか解析する。
図27は、ステップS701の初期化処理を示すフローチャートである。初期化処理において、演出制御用CPU101は、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるRAM112の内容を初期化する(ステップS711)。次いで、ROM111に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS712)、初期化時設定テーブルの内容を順次RAM112における作業領域に設定する(ステップS713)。ステップS712およびS713の処理によって、演出制御に必要なデータの初期値が設定されるが、特に、RAM112における第1演出キャラクタバッファ112a(図3参照)にキャラクタPを示すデータが設定され、第2演出キャラクタバッファ112b(図3参照)にキャラクタAを示すデータが設定される。次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されている回路の初期化を行う(ステップS714)。特に、所定時間(例えば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように演出制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されているタイマ回路の初期設定を行なう。また、VDP109を初期化する(ステップS715)。
初期化処理において、第1演出キャラクタバッファ112aおよび第2演出キャラクタバッファ112bに初期値としてのデータを設定することによって、例えば、演出図柄指定コマンドが受信できなかったような場合に、第1演出キャラクタバッファ112aおよび第2演出キャラクタバッファ112bに設定されているデータにもとづいて第1演出や第2演出を実行することが可能になる。
図28および図29は、コマンド解析処理(ステップS704)の具体例を示すフローチャートである。主基板31から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
コマンド解析処理において、演出制御用CPU101は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップS611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップS612)。なお、読み出したら読出ポインタの値を+2しておく(ステップS613)。+2するのは2バイト(1コマンド)ずつ読み出すからである。
受信した演出制御コマンドが背景指定コマンドであれば(ステップS614)、演出制御用CPU101は、その背景指定コマンドを、RAM112に形成されている背景指定コマンド格納領域に格納する(ステップS615)。
受信した演出制御コマンドが変動パターンコマンドであれば(ステップS616)、演出制御用CPU101は、その変動パターンコマンドを、RAM112に形成されている変動パターンコマンド格納領域に格納する(ステップS617)。そして、変動パターンコマンド受信フラグをセットする(ステップS618)。
受信した演出制御コマンドが演出図柄指定コマンドであれば(ステップS619)、演出制御用CPU101は、その演出図柄指定コマンド(演出図柄1指定コマンド、演出図柄2指定コマンドまたは演出図柄3指定コマンド)を、RAM112に形成されている演出図柄指定コマンド格納領域に格納する(ステップS620)。
受信した演出制御コマンドが図柄確定指定コマンドであれば(ステップS621)、演出制御用CPU101は、確定コマンド受信フラグをセットする(ステップS622)。
受信した演出制御コマンドが大当り開始指定コマンド(ファンファーレコマンド)であれば(ステップS623)、演出制御用CPU101は、ファンファーレコマンド受信フラグをセットする(ステップS624)。
受信した演出制御コマンドが電源投入指定コマンド(初期化指定コマンド)であれば(ステップS631)、演出制御用CPU101は、初期化処理が実行されたことを示す初期画面を演出表示装置9に表示する制御を行う(ステップS632)。初期画面には、あらかじめ決められている演出図柄の初期表示が含まれる。
また、受信した演出制御コマンドが停電復旧指定コマンドであれば(ステップS633)、あらかじめ決められている停電復旧画面(遊技状態が継続していることを遊技者に報知する情報を表示する画面)を表示する制御を行い(ステップS634)、受信した停電復旧指定コマンドをRAM112に形成されている停電復旧指定コマンド格納領域に格納する(ステップS635)。
また、受信した停電復旧指定コマンドが変動中であったことを指定するコマンド(9201(H):図13参照)であった場合には、演出図柄プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理に対応した値に設定する(ステップS636,S637)。また、受信した停電復旧指定コマンドが大当り遊技中であったことを指定するコマンド(9202(H):図13参照)であった場合には、演出図柄プロセスフラグの値を大当り遊技中処理に対応した値に設定する(ステップS638,S639)。
また、受信した演出制御コマンドが大当り終了指定コマンド(エンディングコマンド)であれば(ステップS645)、演出制御用CPU101は、エンディングコマンド受信フラグをセットする(ステップS646)。
演出制御用マイクロコンピュータ100におけるRAM112は電源バックアップされていない。遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるRAM55は電源バックアップされ、停電等からの復旧時に、RAM55の記憶内容が停電等が生ずる前の状態に保存されていたときには、RAM55に保存されていた遊技状態を示すデータ(例えば、特別図柄プロセスフラグの値)に応じた種類の停電復旧指定コマンドを送信する(図5におけるステップS43参照)。そして、ステップS636〜S639の処理によって、演出制御用マイクロコンピュータ100の制御状態も、停電等が生ずる前の状態に復旧される。
次に、昇格演出(第1演出および第2演出)を説明する。図30は、第1演出の種類の選択に関する説明図である。図31は、第2演出の種類の選択に関する説明図であって、第1演出の種類のそれぞれ、および第1演出の種類と第2演出の種類の組み合わせの期待度を示す説明図である。図32は、第1演出の種類および第2演出の種類を示す説明図である。
図30は、具体的には、第1演出種類選択用乱数の値と比較される判定値であって第1演出の種類のそれぞれに応じた判定値を示す説明図である。この実施の形態では、第1演出の種類として、キャラクタP〜Qのそれぞれを使用する4種類がある。ただし、図30には、具体的な判定値ではなく、判定値の個数が示されている。判定値は、演出制御用マイクロコンピュータ100のROM111にテーブルとして設定されている。テーブルは、遊技制御用マイクロコンピュータ560が決定した結果(事前決定手段の決定結果)に応じて設けられている。演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560における事前決定手段が決定した結果を、受信した演出図柄指定コマンド(識別情報の可変表示の表示結果を特定可能なコマンドの一例)で判定することができる。
図30に示す例では、はずれとすることに決定されている場合には、大当りとすることに決定されている場合に比べて、キャラクタR(鮫)が高い割合で選択され、キャラクタQ(鶏)およびキャラクタS(蟹)が選択される割合は低い。また、大当りとすることに決定されている場合に、確変大当りとすることに決定されているときには、通常大当りとすることに決定されているときに比べて、キャラクタS(蟹)が選択される割合が高い。すなわち、キャラクタP〜Qのそれぞれは、大当りの期待度と確変昇格の期待度との双方に応じて選択される。換言すれば、キャラクタP〜Qのそれぞれは、大当りの期待度と確変昇格の期待度との双方を示す。
図31は、具体的には、第2演出種類選択用乱数の値と比較される判定値であって第2演出の種類のそれぞれに応じた判定値を示す説明図である。この実施の形態では、第2演出の種類として、キャラクタA〜Cのそれぞれを使用する3種類がある。ただし、図31には、具体的な判定値ではなく、判定値の個数が示されている。判定値は、演出制御用マイクロコンピュータ100のROM111にテーブルとして設定されている。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、通常大当りに決定されている場合には、図31(A)に例示するテーブルを使用し、確変大当りに決定されている場合には、図31(B)に例示するテーブルを使用する。
キャラクタA〜Cのそれぞれに対する判定値の割り当ては、第1演出の種類に応じて異なる。つまり、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第1演出の種類と事前決定手段の決定結果(確変大当りとするか通常大当りとするか)とにもとづいて第2演出の種類を決定する。
また、例えば、キャラクタQとキャラクタAの組み合わせやキャラクタRとキャラクタCの組み合わせは、通常大当りに決定されている場合には選択されない。換言すれば、確変大当りとすることに決定されている場合には、キャラクタQとキャラクタAの組み合わせやキャラクタRとキャラクタCの組み合わせが高い割合(この例では、100%)で選択される。
図32(A)には、図8に示す大当り確率、図9に示す第1演出実行確率、および図30に示す判定値数の割合にもとづく第1演出の種類の大当り信頼度が示されている。つまり、キャラクタP〜Sのそれぞれを用いた第1演出が実行されたときに大当りとなる割合が示されている。図32(A)に示すように、キャラクタQ,Sの大当り信頼度は、キャラクタP,Rの大当り信頼度よりも高い。換言すれば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大当りとする(識別情報の可変表示の表示結果を特定表示結果とすることに対応)ことに決定されているときと大当りとしないことに決定されているときとで、複数種類の各々の第1演出の選択割合を異ならせるのであるが、大当りとすることに決定されているときには、キャラクタP,RよりもキャラクタQ,Sを高い割合で選択する。
図32(B)には、図8に示す大当り確率、図9に示す第1演出実行確率、および図30に示す判定値数の割合にもとづく第1演出の種類の昇格信頼度が示されている。つまり、キャラクタP〜Sのそれぞれを用いた第1演出が実行されたときに確変大当りとなる割合が示されている。図32(B)に示すように、キャラクタR,Sの昇格信頼度は、キャラクタP,Qの大当り信頼度よりも高い。換言すれば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、確変大当りとすることに決定されているときと通常大当りとすることに決定されているときとで、複数種類の各々の第1演出の選択割合を異ならせるのであるが、確変大当りとすることに決定されているときには、キャラクタP,QよりもキャラクタR,Sを高い割合で選択する。なお、確変大当りとなる割合は、昇格演出(具体的には第2演出)において、確変大当りの報知がなされる割合(昇格成功の割合)に相当する。また、昇格演出において確変大当りの報知がなされないことを、昇格失敗ということがある。
図32(C)には、図8に示す大当り確率、図9に示す第1演出実行確率、および図30に示す判定値数の割合にもとづく第1演出の種類と第2演出の種類との組み合わせの昇格信頼度が示されている。つまり、第1演出の種類と第2演出の種類との組み合わせのそれぞれを用いた昇格演出が実行されたときに確変大当りとなる割合が示されている。図32(C)に示すように、キャラクタQとキャラクタAの組み合わせ、およびキャラクタRとキャラクタCの組み合わせの昇格信頼度は最も高く、キャラクタQとキャラクタCの組み合わせ、およびキャラクタRとキャラクタBの組み合わせの昇格信頼度は2番目に高い。
図33には、第1演出の種類(キャラクタP〜Q)が「第1演出キャラ」として示され、第2演出の種類(キャラクタA〜C)が「第2演出キャラ」として示されている。キャラクタP〜Q(キャラクタ9p、キャラクタq、キャラクタrおよびキャラクタs)およびキャラクタA〜C(キャラクタ9a、キャラクタ9bおよびキャラクタ9c)は、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像である。
なお、この実施の形態では、キャラクタP〜Qのそれぞれについて演出の種類は1つなのでキャラクタP〜Qのそれぞれを第1演出の種類としているが、すなわち第1演出の種類を4としているが、キャラクタP〜Qのそれぞれについて演出の種類が複数ある場合には、第1演出の種類の数は、4(キャラクタP〜Qのそれぞれ)×(キャラクタP〜Qのそれぞれにの演出の種類の数)になる。
また、キャラクタA〜Cのそれぞれについて演出の種類は1つなのでキャラクタA〜Cのそれぞれを第2演出の種類としているが、厳密には、キャラクタP〜Qのそれぞれを用いたキャラクタA〜Cのそれぞれによる演出が実行されるので、第2演出の種類の数は図32(C)に示されたように12である。ただし、実行されない組み合わせ(判定値の個数0に対応した組み合わせ)が設けられている。また、キャラクタA〜Cのそれぞれについて演出の種類が複数ある場合には、第2演出の種類の数はさらに多くなる。
次に、第1演出および第2演出の具体例を、図34〜図37の説明図を参照して説明する。図34に示す例では、演出表示装置9に表示画面において、左中右の演出図柄(飾り図柄)が変動し(図34(A)参照)、リーチになると(図34(B)参照)、演出図柄(飾り図柄)の変動中にキャラクタ9p(豚)を用いた第1演出が実行されている(図34(C)〜(E)参照)。主人公キャラクタ9eによるハンマー9fによってキャラクタ9pが倒れるような表示演出がなされると(図34(F)参照)、図34(G)に示すように大当りになることを報知する表示がなされた後、大当り遊技中において、第2演出が実行される(図34(H)〜(J)参照)。なお、図34に示すような演出は、図12における変動パターン#2または#4の演出に相当する。なお、図34において、演出表示装置9における表示状態は、(A)に示す状態から順次(J)に示す状態に向かって遷移する。図35〜図37についても同様である。
また、第1演出が終了するときに左中右の飾り図柄は揃った状態で変動する(図34(F),(G)参照)。さらに、第2演出の実行中では、図柄表示エリア9Aにおいて、左中右の飾り図柄は揃った状態で高速変動する、いわゆる全回転リーチ態様になる。
図34に示す例では、キャラクタ9bを用いた第2演出が実行されている(図34(I),(J)参照)。なお、図34(J)に示す状態は、第2演出の中途の状態である。また、第2演出では、第1演出において用いられたキャラクタ(図34に示す例ではキャラクタ9p)が用いられる。
図35(K)〜(P)には、図34(J)に示す状態における演出に続く演出を示し、昇格成功の場合の第2演出が示されている。図35に示す例では、キャラクタ9b(西洋料理人)とは異なる他のキャラクタ(主人公キャラクタ9e)が、キャラクタ9pを食材とした料理を完成させた状態が示されている(図35(K)参照)。さらに、キャラクタ9bが、キャラクタ9pを食材とした料理を完成させた状態が示されている(図35(L)参照)。そして、試食者9gが、主人公キャラクタ9eが完成させた料理とキャラクタ9bが完成させた料理とを試食し(図35(M)参照)、試食者9gが主人公キャラクタ9eに高得点を与え、主人公キャラクタ9eが勝利して昇格成功した演出が示されている(図35(N)〜(P)参照)。
図36(K)〜(P)には、図34(J)に示す状態における演出に続く演出を示し、昇格失敗の場合の第2演出が示されている。図36に示す例では、主人公キャラクタ9eが、キャラクタ9pを食材とした料理を完成させた状態が示されている(図36(K)参照)。さらに、キャラクタ9bが、キャラクタ9pを食材とした料理を完成させた状態が示されている(図36(L)参照)。そして、試食者が、主人公キャラクタ9eが完成させた料理とキャラクタ9bが完成させた料理とを試食し(図36(M)参照)、試食者9gがキャラクタ9bに高得点を与え、キャラクタ9bが勝利して昇格失敗した演出が示されている(図36(M)〜(P)参照)。すなわち、通常大当りであったことを報知する表示演出を行う(図36(P)参照)。
図37には、演出表示装置9に表示画面において、左中右の演出図柄(飾り図柄)が変動し(図37(A)参照)、リーチになると(図37(B)参照)、演出図柄(飾り図柄)の変動中にキャラクタ9pを用いた第1演出が実行される例が示されている(図37(C)〜(E)参照)。そして、主人公キャラクタ9eによるハンマー9fによってキャラクタ9pが倒れなかったような表示演出がなされ(図37(F)参照)、図37(G)に示すように、演出図柄(飾り図柄)の停止図柄(最終停止図柄)として、はずれ図柄が表示される。なお、図37に示すような演出は、はずれとすることに決定されているがリーチすることに決定された場合であって第1演出を実行することに決定されたときの変動パターンの演出に相当する。すなわち、図12における変動パターン#2または#4の演出に相当する。また、図37に示された例では、第2演出は実行されない。
なお、図34〜図37に示す例では、第1演出および第2演出における演出表示装置9において、第1演出および第2演出は、時間的に継続して表示されているが、一時的に表示したり間欠的に表示するようにしてもよい。例えば、短期間(一例として数秒間)だけ表示演出を行ったり、短期間の表示演出が、表示演出がなされない期間をおいて複数回実行されるようにしてもよい。
また、図34〜図37には、キャラクタ9pとキャラクタ9bとを用いた演出が例示されているが、その他のキャラクタの組み合わせ(キャラクタ9pと9a,9cとの組み合わせ、およびキャラクタ9q,9r,9sのいずれかとキャラクタ9a,9b,9cのいずれかとの組み合わせの全て)を用いた演出も用意されている。
図34(E)および図37(E),(F)には、主人公キャラクタ9eがハンマー9fを有する演出例が示されたが、ハンマー9fに代えて剣や槍などによる演出を実行してもよい。また、ハンマー、剣、槍等と第1演出におけるキャラクタとの組み合わせに応じて大当り期待度や確変昇格期待度を変えるようにしてもよい。ハンマー、剣、槍等を用いる演出を第3演出とすると、第1〜第3演出の組み合わせによって期待度を報知してもよい。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560と演出制御用マイクロコンピュータ100とによる第1演出および第2演出の処理の流れを説明する。図38に示すように、遊技制御手段としての遊技制御用マイクロコンピュータ560は、変動開始時に、演出制御手段としての演出制御用マイクロコンピュータ100に対して変動パターンコマンドおよび演出図柄指定コマンドを送信するが(図20におけるステップS109および図21におけるステップS115,S117,S118参照)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動パターンコマンドによって第1演出を実行することが指定されると、受信した演出図柄指定コマンド(演出図柄1指定コマンド(はずれ指定コマンド)、演出図柄2指定コマンド(通常大当り指定コマンド)または演出図柄3指定コマンド(確変大当り指定コマンド))にもとづいて第1演出の種類を決定する。具体的には、図30に示された3つのテーブル(はずれの列、通常大当りの列、確変大当りの列に相当)のうち演出図柄指定コマンドに応じたテーブルを選択し、第1演出種類選択用乱数を生成するためのカウント値を抽出して第1演出種類選択用乱数の値とし、第1演出の種類として、第1演出種類選択用乱数の値と一致する判定値に対応したキャラクタを選択する。また、第1演出の種類を示すデータをRAM112における第1演出キャラクタバッファ112aに設定する。
変動中に、具体的には第2演出を開始するタイミングにおいて、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して演出図柄指定コマンド(演出図柄1指定コマンド(はずれ指定コマンド)、演出図柄2指定コマンド(通常大当り指定コマンド)または演出図柄3指定コマンド(確変大当り指定コマンド))を送信する(図22におけるステップS124,S125参照)。演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出図柄指定コマンドを受信すると、受信した演出図柄指定コマンドおよびRAM112に記憶されている第1演出の種類を示すデータとにもとづいて第2演出の種類を決定する。具体的には、受信した演出図柄指定コマンドに応じて図31(A)に示されたテーブルまたは図31(B)に示されたテーブルを選択し、第2演出種類選択用乱数を生成するためのカウント値を抽出して第2演出種類選択用乱数の値とし、第2演出の種類として、選択したテーブルにおいて第2演出種類選択用乱数の値と一致する判定値に対応したキャラクタを選択する。
なお、第2演出では、第1演出で用いたキャラクタを使用するので、第2演出の種類を決定することによって、第1演出の種類と第2演出の種類との組み合わせも決定されたことになる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560が第2演出を開始するタイミングにおいて送信する演出図柄指定コマンドの種類(演出図柄1指定コマンド(はずれ指定コマンド)、演出図柄2指定コマンド(通常大当り指定コマンド)または演出図柄3指定コマンド(確変大当り指定コマンド)は、変動開始時に送信した演出図柄指定コマンドの種類と同じである。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第2演出を開始するタイミングにおいて演出図柄1指定コマンド(はずれ指定コマンド)を受信した場合には、第2演出を実行しない。
第2演出を開始するときに遊技制御用マイクロコンピュータ560が演出図柄指定コマンドを送信し、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出図柄指定コマンドを受信すると、受信した演出図柄指定コマンドにもとづいて第2演出を実行するか否か決定するとともに、演出図柄指定コマンドを実行する場合には第2演出の種類を決定する。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第2演出を開始するタイミングを管理しなくてもよい。また、第2演出を開始するときに送信される演出制御コマンドは、本来、演出図柄(飾り図柄)の停止図柄を特定するための演出制御コマンドであるから、演出制御コマンドの種類を増加させずに、第2演出を開始するときに遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に対して第2演出を開始するタイミングを知らせることができる。
図39は、図25に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(ステップS705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S806のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。
変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(ステップS801):演出図柄(飾り図柄)の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(ステップS802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS803)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(ステップS803):全図柄停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)を受信したことにもとづいて、演出図柄(飾り図柄)の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)または変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(ステップS804):変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技中処理(ステップS805)に対応した値に更新する。
大当り遊技中処理(ステップS805):大当り遊技中の制御を行う。例えば、大入賞口開放中指定コマンドや大入賞口開放後指定コマンドを受信したら、演出表示装置9におけるラウンド数の表示制御等を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了処理(ステップS806)に対応した値に更新する。
大当り終了処理(ステップS806):演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
図40は、図39に示された演出制御プロセス処理における変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)を示すフローチャートである。変動パターンコマンド受信待ち処理において、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS811)。変動パターンコマンド受信フラグがセットされていれば、変動パターンコマンド受信フラグをリセットする(ステップS812)。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に更新する(ステップS813)。
図41は、図39に示された演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(ステップS801)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド格納領域(受信した変動パターンコマンドが格納されている。)から変動パターンコマンドを読み出し、受信した変動パターンの種類を確認する(ステップS824)。変動パターンコマンドが第1演出を伴う変動パターンコマンドではなかった場合には、ステップS831に移行する。
変動パターンコマンドが第1演出を伴う変動パターンコマンドであった場合には、演出制御用CPU101は、第1演出種類選択用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を読み出し、読み出した値を第1演出種類選択用乱数値とする。すなわち、第1演出種類選択用乱数を抽出する。そして、第1演出種類選択用乱数値と受信している演出図柄指定コマンド(演出図柄1指定コマンド、演出図柄2指定コマンドまたは演出図柄3指定コマンド)とにもとづいて第1演出の種類を決定する(ステップS826)。具体的には、受信した演出図柄指定コマンド(識別情報の可変表示の表示結果を特定可能なコマンドの一例)に応じて図30に示されたテーブルのうち、はずれ、通常大当りまたは確変大当りの部分を選択し、第1演出種類選択用乱数値と一致する判定値に応じたキャラクタを第1演出の種類として選択する。
そして、選択した第1演出の種類を、RAM112における第1演出キャラクタバッファ112aに格納する(ステップS827)。また、第1演出実行フラグをセットする(ステップS828)。その後、ステップS831に移行する。
ステップS831では、演出制御用CPU101は、演出図柄指定コマンド格納領域に格納されているデータ(すなわち、受信した表示結果特定コマンド)に応じて演出図柄(飾り図柄)の表示結果(停止図柄)を決定する(ステップS831)。演出制御用CPU101は、停止図柄を決定したら、演出図柄指定コマンド格納領域の内容をクリアする(ステップS832)。
なお、演出制御用CPU101は、停止図柄を決定する際に、停止図柄決定用乱数を抽出し、演出図柄の組合せを示すデータと判定値とが対応付けられている停止図柄決定テーブルを用いて、演出図柄の停止図柄を決定する。すなわち、抽出した停止図柄決定用乱数値に一致する判定値に対応する演出図柄の組合せを示すデータを選択することによって、図11に例示されたように停止図柄を決定する。なお、リーチありか否かは、例えば、受信した変動パターンコマンドで判定される。また、演出制御用CPU101は、決定した演出図柄の停止図柄を示すデータを演出図柄表示結果格納領域に格納する。
また、演出図柄についても、大当りを想起させるような停止図柄を大当り図柄という。また、はずれを想起させるような停止図柄をはずれ図柄という。
次いで、演出制御用CPU101は、変動パターンおよび第1演出の種類に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS833)。そして、演出制御用CPU101は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種LEDおよび演出用部品としてのスピーカ27など)の制御を実行する(ステップS834)。例えば、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行わせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行わせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。また、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(ステップS835)。
図42は、プロセステーブルの構成例を示す説明図である。プロセステーブルとは、演出制御用CPU101が演出装置の制御を実行する際に参照するプロセスデータが設定されたテーブルである。すなわち、演出制御用CPU101は、プロセステーブルに設定されているプロセスデータに従って演出表示装置9等の演出装置(演出用部品)の制御を行う。プロセスデータは、プロセスタイマ設定値と表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データの組み合わせが複数集まったデータで構成されている。表示制御実行データには、演出図柄(飾り図柄)の可変表示の可変表示時間(変動時間)中の変動態様を構成する各変動の態様を示すデータ等が記載されている。また、第1演出を行う場合に選択されるプロセステーブルには、演出態様を構成するデータ等が記載されている。具体的には、演出表示装置9の表示画面の変更に関わるデータ等が記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動の態様での変動時間が設定されている。演出制御用CPU101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動の態様で演出図柄を表示させる制御を行う。
また、演出制御用CPU101は、表示制御実行データにもとづく制御と同様に、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけランプ制御実行データにもとづいて各種LEDの点灯状態を制御し、音番号データを音声出力基板70に出力する。
演出制御用CPU101は、プロセステーブルにおけるプロセスデータに従って演出装置を制御することによって、演出図柄(飾り図柄)の変動態様と、それに同期した発光体の点灯状態および音出力とを実現する。また、プロセステーブルにおけるプロセスデータに従って演出装置を制御することによって、演出表示装置9における第1演出の表示状態と、それに同期した発光体の点灯状態および音出力とを実現する。
図42に示すプロセスデータは、演出制御基板80におけるROM111に格納されている。また、プロセステーブルは、各変動パターンと第1演出の種類との組み合わせのそれぞれに応じて用意されている。さらに、各変動パターンと第2演出の種類との組み合わせのそれぞれに応じて用意されている。
なお、リーチ演出を伴う変動パターンについて演出制御を実行する場合に用いられるプロセステーブルには、変動開始から所定時間が経過したときに左図柄を停止表示させ、さらに所定時間が経過すると右図柄を停止表示させることを示すプロセスデータが設定されている。
その後、演出制御用CPU101は、演出表示装置9の表示画面における背景部の色を、受信した背景指定コマンド(通常時背景指定コマンド、確変時背景指定コマンドまたは時短時背景指定コマンド)に応じた色にする制御を行う(ステップS836)。また、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定し(ステップS837)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS802)を示す値に更新する(ステップS838)。
図43は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動中処理(ステップS802)を示すフローチャートである。演出図柄変動中処理において、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算するとともに(ステップS840)、変動時間タイマの値を1減算する(ステップS841)。
演出制御用CPU101は、第1演出を実行していることを示す第1演出実行中フラグがセットされている場合には、演出図柄指定コマンドを受信したか否か確認する(ステップS842,S843)。演出図柄指定コマンドを受信したか否かは、演出図柄指定コマンド格納領域に有意な値(クリアされた値である0でない値)が設定されているか否かによって判定される。演出図柄指定コマンドを受信している場合には、演出制御用CPU101は、第2演出設定処理を実行する(ステップS844)。
また、演出制御用CPU101は、プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS845)、プロセスデータの切替を行う。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定する(ステップS846)。また、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データにもとづいて演出装置に対する制御状態を変更する(ステップS847)。
また、変動時間タイマがタイムアウトしていれば(ステップS848)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS803)に応じた値に更新する(ステップS850)。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても、図柄確定指定コマンドを受信したことを示す確定コマンド受信フラグがセットされていたら(ステップS849)、ステップS850に移行する。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても図柄確定指定コマンドを受信したら変動を停止させる制御に移行するので、例えば、基板間でのノイズ等に起因して長い変動時間を示す変動パターンコマンドを受信したような場合でも、正規の変動時間経過時(特別図柄の変動終了時)に、演出図柄の変動を終了させることができる。
なお、プロセステーブルにおける各プロセスデータに従って制御を実行する(ステップS840,S845〜S847の処理により制御を実行する)ことによって、変動パターンや第1演出に応じた演出制御が実現される。特に、第1演出に応じた演出制御を実行することによって、例えば、図34(A)〜(F)に例示された演出を実現することができる。また、ステップS844の第2演出設定処理を実行した後では、変動パターンや第2演出に応じた演出制御が実現される。特に、第2演出に応じた演出制御を実行することによって、例えば、図34(J)〜(J)および図35に例示された演出、または図34(J)〜(J)および図36に例示された演出を実現することができる。
図44は、ステップS844の第2演出設定処理を示すフローチャートである。第2演出設定処理において、演出制御用CPU101は、受信した演出図柄指定コマンドが演出図柄1指定コマンド(はずれ指定コマンド)であるか否か確認する(ステップS910)。演出図柄1指定コマンドであれば処理を終了する。演出図柄1指定コマンドでない場合には、演出制御用CPU101は、第2演出種類選択用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を読み出し、読み出した値を第2演出種類選択用乱数値とする。すなわち、第2演出種類選択用乱数を抽出する(ステップS911)。そして、第2演出種類選択用乱数値と、第1演出キャラクタバッファ112aに記憶されているデータが示す第1演出の種類と、受信した演出図柄指定コマンド(演出図柄2指定コマンドまたは演出図柄3指定コマンド)とにもとづいて第2演出の種類を決定し、第2演出の種類を示すデータを第2演出キャラクタバッファ112bに設定する(ステップS912)。具体的には、受信した演出図柄指定コマンド(識別情報の可変表示の表示結果を特定可能なコマンドの一例)に応じて図31(A)に示されたテーブルまたは図31(B)に示されたテーブルを選択し、第2演出の種類として、第2演出種類選択用乱数の値と一致する判定値(図31において、第1演出の種類に応じた行に対応した判定値)に対応したキャラクタを選択する。
そして、演出制御用CPU101は、第1演出実行フラグをリセットするとともに第2演出実行フラグをセットする(ステップS913)。また、変動パターンと第2演出の種類に応じたプロセステーブルを選択し(ステップS914)、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置の制御を実行する(ステップS915)。例えば、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行わせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行わせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。また、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(ステップS916)。
図45は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動停止処理(ステップS803)を示すフローチャートである。演出図柄変動停止処理において、演出制御用CPU101は、確定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS851)、確定コマンド受信フラグがセットされている場合には、確定コマンド受信フラグをリセットし(ステップS852)、演出図柄表示結果格納領域に格納されているデータ(停止図柄を示すデータ)に従って停止図柄を導出表示する制御を行う(ステップS853)。また、飾り図柄変動終了フラグをセットする(ステップS854)。そして、演出制御用CPU101は、大当りとすることに決定されているか否か確認する(ステップS855)。大当りとすることに決定されているか否かは、例えば、決定されている停止図柄によって、大当りとすることに決定されているか否か判定される。
大当りとすることに決定されている場合には、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)に応じた値に更新する(ステップS856)。
大当りとしないことに決定されている場合には、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に応じた値に更新する(ステップS857)。
なお、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄確定指定コマンドを受信したことを条件に、演出図柄(飾り図柄)の変動(可変表示)を終了させる(ステップS851,S853参照)。しかし、受信した変動パターンコマンドにもとづく変動時間タイマがタイムアウトしたら、図柄確定指定コマンドを受信しなくても、演出図柄(飾り図柄)の変動を終了させるように制御してもよい。その場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、可変表示の終了を指定する図柄確定指定コマンドを送信しないようにしてもよい。
図46は、演出制御プロセス処理における大当り表示処理(ステップS804)を示すフローチャートである。大当り表示処理において、演出制御用CPU101は、大当り表示時間タイマが設定されているか否か確認する(ステップS861)。大当り表示時間タイマが設定されている場合には、ステップS862に移行する。大当り表示時間タイマが設定されていない場合には、大当り開始指定コマンド(ファンファーレコマンド)を受信したことを示すファンファーレコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS865)。ファンファーレコマンド受信フラグがセットされている場合には、ファンファーレコマンド受信フラグをリセットし(ステップS866)、大当り表示時間タイマに大当り表示時間に相当する値を設定して(ステップS867)、ファンファーレ画面(大当り遊技の開始を報知する画面)を演出表示装置9表示する制御を行う(ステップS868)。具体的には、VDP109に、ファンファーレ画面を表示させるための指示を与える。
また、演出制御用CPU101は、第2演出を実行した場合には、第2演出実行中フラグをリセットする(ステップS869,S870)。
ステップS862では、演出制御用CPU101は、大当り表示時間タイマの値を1減算する。そして、大当り表示時間タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り表示時間が経過したか否か確認する(ステップS863)。経過していなければ処理を終了する。大当り表示時間が経過している場合には、演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技中処理(ステップS805)に応じた値に更新する(ステップS864)。
図47は、演出制御プロセス処理における大当り遊技中処理(ステップS805)を示すフローチャートである。大当り遊技中処理において、演出制御用CPU101は、演出制御用CPU101は、大入賞口開放後コマンドを受信した場合には、ラウンド間表示画面(大当り遊技中のラウンド間を報知する画面)を演出表示装置9に表示する制御を行う(ステップS880,S887)。また、大入賞口開放中コマンドを受信した場合には(ステップS881)、ラウンド数に応じたプロセステーブルを選択し(ステップS888)、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置の制御を実行する(ステップS889)。例えば、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行わせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行わせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。また、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(ステップS890)。
また、大当り終了指定コマンド(エンディングコマンド)を受信したことを示すエンディングコマンド受信フラグがセットされている場合には、エンディングコマンド受信フラグをリセットし(ステップS882,S891)、エンディング画面(大当り遊技の終了を報知する画面)を演出表示装置9表示する制御を行う(ステップS892)。具体的には、VDP109に、エンディング画面を表示させるための指示を与える。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了処理(ステップS806)に応じた値に更新する(ステップS893)。
大当り終了処理では、大当り遊技の終了を報知する時間が経過すると、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
エンディングコマンド受信フラグがセットされていない場合には、プロセスタイマの値を1減算し(ステップS881)、プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS884)、プロセスデータの切替を行う。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定する(ステップS885)。また、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データにもとづいて演出装置に対する制御状態を変更する(ステップS886)。
以上のような処理によって、特別図柄および演出図柄(飾り図柄)の変動が行われているときに第1演出を実行し、第1演出の実行が終了した後に第2演出を実行する制御を実現することができる。この実施の形態では、特別図柄および演出図柄(飾り図柄)の変動が行われているときに第1演出を実行し、その後に、第1演出に関連する第2演出を実行するので、確変状態に移行することの報知演出の演出態様に変化が付いて遊技の興趣をより高めることができる。また、確変状態に関する遊技者の興味を長期間に亘って持続させ、遊技の興趣をより高めることができる。
また、可変表示の表示結果を大当り図柄にすることに決定したときと、大当り図柄にしないことに決定したときとで、第1演出の選択割合を異ならせるので(図30参照)、実行される第1演出の種類を、昇格期待度(昇格信頼度)の高低に加えて、演出表示装置9に大当り図柄が導出表示される期待度(大当り信頼度)の高低に対応させることができる。
実施の形態2.
第1の実施の形態では、特別図柄および演出図柄(飾り図柄)の変動が行われているときに第1演出と第2演出とをともに実行したが、第1演出の実行時期および第2演出の実行時期を他の時期にしてもよい。
第2の実施の形態(実施の形態2)では、大当り遊技中に第1演出と第2演出とをともに実行する。
図48〜図51は、この実施の形態における第1演出および第2演出の具体例を示す説明図である。図48に示す例では、演出表示装置9に表示画面において、演出図柄(飾り図柄)の変動後に大当り表示(ファンファーレ表示)がなされた後(図48(A),(B)参照)、大当り遊技中にキャラクタ9p(豚)を用いた第1演出が実行されている(図48(C)〜(E)参照)。そして、キャラクタPが倒れるような表示演出がなされると(図48(F)参照)、大当り遊技中において、第2演出が実行される(図48(G)〜(J)参照)。なお、図48において、演出表示装置9における表示状態は、(A)に示す状態から順次(J)に示す状態に向かって遷移する。図49〜図51についても同様である。
図48に示す例およびそれに続く図49に示す例では、キャラクタ9bを用いた第2演出が実行されている(図48(H),(I)や図49(M)参照)。なお、第2演出では、第1演出において用いられたキャラクタ(図48および図49に示す例ではキャラクタ9p)が用いられる。
図49(K)〜(P)には、昇格成功の場合の第2演出が示されている。すなわち、キャラクタ9b(西洋料理人)とは異なる他のキャラクタ(主人公キャラクタ9e)が、キャラクタ9pを食材とした料理を完成させた状態が示された後(図48(J)参照)、キャラクタ9bが、キャラクタ9pを食材とした料理を完成させた状態が示され(図49(K)参照)、試食者9gが、主人公キャラクタ9eが完成させた料理とキャラクタ9bが完成させた料理とを試食し(図48(L)参照)、試食者9gが主人公キャラクタ9eに高得点を与え、主人公キャラクタ9eが勝利して昇格成功した演出が示されている(図49(M)〜(P)参照)。
図50(K)〜(P)には、図48(J)に示す状態における演出に続く演出が示され、昇格失敗の場合の第2演出が示されている。すなわち、主人公キャラクタ9eが、キャラクタ9pを食材とした料理を完成させた状態が示された後(図48(J)参照)。また、キャラクタ9bが、キャラクタ9pを食材とした料理を完成させた状態が示され(図50(K)参照)、試食者9gが、主人公キャラクタ9eが完成させた料理とキャラクタ9bが完成させた料理とを試食し(図50(L)参照)、試食者9gがキャラクタ9bに高得点を与え、キャラクタ9bが勝利して昇格失敗した演出が示されている(図50(M)〜(P)参照)。なお、この実施の形態では、大当り遊技が終了したら遊技状態が時短状態に制御されるので、図50(P)に示されたような表示演出を行う。
なお、昇格失敗の場合には、大当り遊技中において、第1演出のみを実行してもよい。図51には、演出表示装置9に表示画面において、演出図柄(飾り図柄)の変動後に大当り表示(ファンファーレ表示)がなされた後(図51(A),(B)参照)、大当り遊技中にキャラクタ9p(豚)を用いた第1演出が実行されている例が示されている(図51(C)〜(E)参照)。そして、キャラクタ9pが倒れなかったような表示演出がなされ(図51(F)参照)、図37(E)に示すようにはずれ表示がなされる。この場合には、第1演出が終了しても、第2演出は実行されない(図51(G)〜(H)参照)。
また、図48〜図50には、キャラクタ9pとキャラクタ9bとを用いた演出が例示されているが、その他のキャラクタの組み合わせ(キャラクタ9pと9a,9cとの組み合わせ、およびキャラクタ9q,9r,9sのいずれかとキャラクタ9a,9b,9cのいずれかとの組み合わせの全て)を用いた演出も用意されている。
図52は、この実施の形態で用いられる特別図柄および演出図柄(飾り図柄)の変動パターン(変動時間)の一例を示す説明図である。図12に示された第1の実施の形態における各変動パターンとは異なり、この実施の形態では、変動パターン#1〜#2において、第1演出や第2演出の態様は含まれていない。
図53は、この実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図13に示された第1の実施の形態における演出制御コマンドと異なる点は、大当り開始指定コマンド(ファンファーレコマンド)として、第1演出を実行することを指定する大当り開始1指定コマンドと、第1演出を実行しないことを指定する大当り開始2指定コマンドとがあることである。
すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ファンファーレコマンドとして、第1演出を行うことに決定されている場合にはA001(H)の演出制御コマンド(大当り開始1指定コマンド)を送信し、第1演出を行うことに決定されていない場合にはA002(H)の演出制御コマンド(大当り開始2指定コマンド)を送信する。
図54は、この実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるCPU56が実行する変動パターン設定処理を示すフローチャートである。この実施の形態では、演出図柄(飾り図柄)の変動中には昇格演出(第1演出および第2演出)を実行しないので、CPU56は、第1の実施の形態では実行していたステップS101,S102の処理を実行しない。その他の処理は第1の実施の形態の場合と同様である。
なお、CPU56は、ステップS106の処理で、乱数バッファ領域から変動パターン決定用乱数の値を読み出し、変動パターン決定用乱数の値にもとづいて、使用する変動パターンを決定するのであるが、大当りフラグがセットされていない場合には、リーチすることに決定されていないときには、図52に例示された変動パターン#3または変動パターン#4に決定する。リーチすることに決定されているときには、はずれ時変動パターンテーブルを用いて変動パターンを決定する。はずれ時変動パターンテーブルはROM54に記憶され、はずれ時変動パターンテーブルには、変動パターン#1または変動パターン#2に対応した変動パターン判定値が設定されている。CPU56は、変動パターン決定用乱数の値に一致する変動パターン判定値に対応した変動パターンを決定する。また、大当りフラグがセットされている場合には、大当り時変動パターンテーブルを用いて変動パターンを決定する。大当り時変動パターンテーブルはROM54に記憶され、大当り時変動パターンテーブルには、変動パターン#1または変動パターン#2に対応した変動パターン判定値(それぞれの判定値数は、はずれ時変動パターンテーブルにおける判定値数とは異なる。)が設定されている。CPU56は、変動パターン決定用乱数の値に一致する変動パターン判定値に対応した変動パターンを決定する。
なお、この実施の形態では、図柄の変動中に第1演出および第2演出を実行しないので、特別図柄変動中処理(図22参照)においてステップS124,S125の処理は実行されない。
図55は、この実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるCPU56が実行する特別図柄停止処理を示すフローチャートである。この実施の形態では、大当りフラグがセットされている場合には(ステップS132、CPU56は、確変フラグをリセットするが(ステップS133)、次いで、乱数バッファ領域から演出実行決定用乱数の値を読み出し(ステップS134A)、演出実行決定用乱数の値にもとづいて第1演出を実行するか否か決定する(ステップS134B)。具体的には、演出実行決定用乱数の値が図9に示された演出実行判定値のいずれかと一致したら第1演出を実行することに決定する。そして、第1演出を実行するか否かを示すデータをRAM55に格納する。
次いで、ファンファーレコマンドとして、第1演出を実行することに決定された場合には大当り開始1指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信し、第1演出を実行しないことに決定された場合には大当り開始2指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS134C)。また、演出図柄指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行い(ステップS135A)、第1演出中フラグをセットする(ステップS135B)。なお、ステップS135Aの処理で送信する演出図柄指定コマンドの種類(演出図柄1指定コマンド(はずれ指定コマンド)、演出図柄2指定コマンド(通常大当り指定コマンド)または演出図柄3指定コマンド(確変大当り指定コマンド)は、変動開始時に送信した演出図柄指定コマンドの種類と同じである。その他の処理は、第1の実施の形態における処理(図23参照)と同じである。
図56は、この実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるCPU56が実行する大当り遊技中処理を示すフローチャートである。大当り遊技中処理において、CPU56は、ラウンド時間が経過したか否か判定する(ステップS190)。ラウンド時間は、1ラウンドの許容時間(例えば29秒)である。例えば、大入賞口開放前処理(ステップS305)でRAM55に形成されているタイマに許容時間に相当する値が設定され、大当り遊技中処理において−1され(図56において図示せず)、タイマの値が0になったときにラウンド時間が経過したと判定される。ラウンド時間が経過した場合には、ステップS193に移行する。
ラウンド時間が経過していない場合には、大入賞口へ遊技球の入賞を検出するカウントスイッチ23から、オンした(遊技球を検出した)ことを示す検出信号を入力すると、RAM55に形成されている大入賞口入賞個数カウンタのカウント値を+1する(ステップS191)。大入賞口入賞個数カウンタのカウント値が1ラウンドの入賞許容数(例えば10)になったらステップS193に移行する。カウント値が1ラウンドの入賞許容数に達していない場合には処理を終了する。なお、大入賞口入賞個数カウンタのカウント値は、例えば、大入賞口開放前処理(ステップS305)で0に初期化される。
ステップS193では、CPU56は、最終ラウンドであったか否か確認する。最終ラウンドであった場合には、特別図柄プロセスフラグの値を大当り終了前処理(ステップS307)に対応した値に更新する(ステップS196)。最終ラウンドであったか否か確認するために、例えば、大入賞口開放前処理(ステップS305)で、大当り遊技中処理に移行するときに、RAM55に形成されている開放回数カウンタの値が+1される。
最終ラウンドでなかった場合には、CPU56は、第2演出を開始するラウンド(例えば、第4ラウンド)としてあらかじめ決められているラウンドであったか否か確認する(ステップS194)。第2演出を開始するラウンドであれば、演出図柄指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS195)。その後、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(ステップS305)に対応した値に更新する(ステップS196)。なお、ステップS195の処理で送信する演出図柄指定コマンドは、ステップS135Aの処理でRAM55に格納された演出図柄指定コマンドである。
第2演出を開始するときに遊技制御用マイクロコンピュータ560が演出図柄指定コマンドを送信し、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出図柄指定コマンドを受信すると、受信した演出図柄指定コマンドにもとづいて第2演出を実行するか否か決定するとともに、演出図柄指定コマンドを実行する場合には第2演出の種類を決定する。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第2演出を開始するタイミングを管理しなくてもよい。また、第2演出を開始するときに送信される演出制御コマンドは、本来、演出図柄(飾り図柄)の停止図柄を特定するための演出制御コマンドであるから、演出制御コマンドの種類を増加させずに、第2演出を開始するときに遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に対して第2演出を開始するタイミングを知らせることができる。
なお、この実施の形態では、変動開始時に演出図柄1指定コマンド(はずれ指定コマンド)を送信したときにも遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第2演出の開始のタイミングにおいて再度演出図柄指定コマンドを送信するが、変動開始時に演出図柄1指定コマンド(はずれ指定コマンド)を送信した場合には第2演出は実行されないので、変動開始時に演出図柄1指定コマンド(はずれ指定コマンド)を送信したときに第2演出の開始のタイミングにおいて演出図柄指定コマンドを送信しないように構成してもよい。
また、この実施の形態では、大当り遊技中の所定のラウンドが終了したときに演出図柄指定コマンドが演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるが、大当り遊技中の所定のラウンドを開始するときに、CPU56が、演出図柄指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行うようにしてもよい。さらに、所定のラウンド間のインターバル期間や、所定のラウンド中において、CPU56が、演出図柄指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行うようにしてもよい。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560と演出制御用マイクロコンピュータ100とによる第1演出および第2演出の処理の流れを説明する。図57に示すように、遊技制御手段としての遊技制御用マイクロコンピュータ560は、変動終了時に、演出制御手段としての演出制御用マイクロコンピュータ100に対してファンファーレコマンドおよび演出図柄指定コマンドを送信するが(図55におけるステップS134C,S135参照)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ファンファーレコマンドによって第1演出を実行することが指定されると、受信した演出図柄指定コマンド(この場合には、演出図柄2指定コマンド(通常大当り指定コマンド)または演出図柄3指定コマンド(確変大当り指定コマンド))にもとづいて第1演出の種類を決定する。具体的には、図30に示された3つのテーブルのうち演出図柄指定コマンドに応じたテーブルである「通常大当り」に対応するテーブルまたは「確変大当り」に対応するテーブルを選択し、第1演出種類選択用乱数を生成するためのカウント値を抽出して第1演出種類選択用乱数の値とし、第1演出の種類として、第1演出種類選択用乱数の値と一致する判定値に対応したキャラクタを選択する。また、第1演出の種類を示すデータをRAM112における第1演出キャラクタバッファ112aに設定する。
大当り遊技中に、具体的には、大当り遊技中の所定ラウンドにおいて、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して演出図柄指定コマンド(演出図柄2指定コマンド(通常大当り指定コマンド)または演出図柄3指定コマンド(確変大当り指定コマンド))を送信する(図56におけるステップS194,S195参照)。演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出図柄指定コマンドを受信すると、受信した演出図柄指定コマンドおよびRAM112に記憶されている第1演出の種類を示すデータとにもとづいて第2演出の種類を決定する。具体的には、受信した演出図柄指定コマンドに応じて図31(A)に示されたテーブルまたは図31(B)に示されたテーブルを選択し、第2演出種類選択用乱数を生成するためのカウント値を抽出して第2演出種類選択用乱数の値とし、第2演出の種類として、第2演出種類選択用乱数の値と一致する判定値に対応したキャラクタを選択する。なお、第2演出では、第1演出で用いたキャラクタを使用するので、第2演出の種類を決定することによって、第1演出の種類と第2演出の種類との組み合わせも決定されたことになる。
以下、この実施の形態における演出制御用マイクロコンピュータ100が実行する第1演出および第2演出の制御を説明する。
図58は、演出制御用マイクロコンピュータ100における演出制御用CPU101が実行する演出図柄プロセス処理(図39参照)における演出図柄変動開始処理(ステップS801)を示すフローチャートである。
この実施の形態では、演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、遊技制御用マイクロコンピュータ560から受信した変動パターンコマンドが記憶されている変動パターンコマンドから変動パターンコマンドを読み出す(ステップS831A)。そして、図41に示された第1の実施の形態におけるステップS831以降の処理と同じ処理を実行する。なお、この実施の形態では、図41に示されたステップS824〜S828の処理は実行されない。また、第1の実施の形態ではステップS833の処理で変動パターンおよび第1演出の種類に応じたプロセステーブルを選択したが、この実施の形態では、変動パターンに応じたに応じたプロセステーブルが選択される(ステップS833A)。すなわち、ステップS833Aの処理において第1演出は考慮されない。
また、この実施の形態では、演出図柄変動中処理において、図43に示されたステップS842〜S844の処理は実行されない。
図59は、演出制御用マイクロコンピュータ100における演出制御用CPU101が実行する演出図柄プロセス処理(図39参照)における大当り表示処理(ステップS804)を示すフローチャートである。
この実施の形態では、大当り表示処理において、演出制御用CPU101は、ファンファーレコマンドによって第1演出を実行することが指定されたとき(大当り開始2指定コマンド(図53参照)を受信している場合)に(ステップS869A)、第1演出種類選択用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を読み出し、読み出した値を第1演出種類選択用乱数値とする。すなわち、第1演出種類選択用乱数を抽出する(ステップS869B)。そして、第1演出種類選択用乱数値と受信している演出図柄指定コマンド(この場合には、演出図柄2指定コマンドまたは演出図柄3指定コマンド)とにもとづいて第1演出の種類を決定する(ステップS871)。具体的には、受信した演出図柄指定コマンド(識別情報の可変表示の表示結果を特定可能なコマンドの一例)に応じて図30に示されたテーブルのうち、通常大当りまたは確変大当りの部分を選択し、第1演出種類選択用乱数値と一致する判定値に応じたキャラクタを第1演出の種類として選択する。
そして、選択した第1演出の種類を、RAM112における第1演出キャラクタバッファ112aに格納する(ステップS872)。また、第1演出実行フラグをセットする(ステップS873)。その他の処理は、第1の実施の形態の場合と同じである(図46参照)。
図60は、演出制御用マイクロコンピュータ100における演出制御用CPU101が実行する演出制御プロセス処理における大当り遊技中処理(ステップS805)を示すフローチャートである。この実施の形態では、大当り遊技中処理において、演出制御用CPU101は、第1演出を実行していることを示す第1演出実行中フラグがセットされている場合には(ステップS888A)、遊技制御用マイクロコンピュータ100から演出図柄指定コマンドを受信したときに第2演出選択処理(図61参照)を実行する(ステップS888B,S888C)。
また、第1の実施の形態では、大入賞口開放中コマンドを受信したときに、ラウンド数のみに応じたプロセステーブルを選択したが(図47におけるステップS888参照)、この実施の形態では、第1演出の実行中には、ラウンド数および第1演出の種類に応じたプロセステーブルを選択し、第2演出の実行中には、ラウンド数および第2演出の種類に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS888D)。その他の処理は、第1の実施の形態の場合(図47参照)と同じである。
また、プロセステーブルにおける各プロセスデータに従って制御を実行する(ステップS883〜S886の処理により制御を実行する)ことによって、第1演出および第2演出に応じた演出制御が実現される。例えば、図48(C)〜(F)に例示された第1演出、図48(G)〜(J)および図49に例示された第2演出、図48(G)〜(J)および図50に例示された第2演出、図51に示された演出を実現することができる。
図61は、ステップS888Cの第2演出選択処理を示すフローチャートである。第2演出設定処理において、演出制御用CPU101は、受信した演出図柄指定コマンドが演出図柄1指定コマンド(はずれ指定コマンド)であるか否か確認する(ステップS910)。演出図柄1指定コマンドであれば処理を終了する。演出図柄1指定コマンドでない場合には、演出制御用CPU101は、第2演出種類選択用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を読み出し、読み出した値を第2演出種類選択用乱数値とする。すなわち、第2演出種類選択用乱数を抽出する(ステップS911)。そして、第2演出種類選択用乱数値と、第1演出キャラクタバッファ112aに記憶されているデータが示す第1演出の種類と、受信した演出図柄指定コマンド(演出図柄2指定コマンドまたは演出図柄3指定コマンド)とにもとづいて第2演出の種類を決定し、第2演出の種類を示すデータを第2演出キャラクタバッファ112bに設定する(ステップS912)。具体的には、受信した演出図柄指定コマンド(識別情報の可変表示の表示結果を特定可能なコマンドの一例)に応じて図31(A)に示されたテーブルまたは図31(B)に示されたテーブルを選択し、第2演出の種類として、第2演出種類選択用乱数の値と一致する判定値(図31において、第1演出の種類に応じた行に対応した判定値)に対応したキャラクタを選択する。
そして、演出制御用CPU101は、第1演出実行フラグをリセットするとともに第2演出実行フラグをセットする(ステップS913)。また、実行中のラウンド数と第2演出の種類に応じたプロセステーブルを選択し(ステップS914A)、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置の制御を実行する(ステップS915)。例えば、演出表示装置9においてラウンド数に応じた画像を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行わせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行わせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。また、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(ステップS916)。
以上のような処理によって、大当り遊技中に、第1演出を実行し、第1演出が終了した後に第2演出を実行する制御が実現される。この実施の形態では、大当り遊技中に第1演出および第2演出を実行するので、確変状態に移行することの報知演出の演出態様に変化が付いて遊技の興趣をより高めることができる。また、大当り遊技状態中の期間において確変状態等の特別遊技状態に関する遊技者の興味を持続させ、遊技の興趣をより高めることができる。
実施の形態3.
第1の実施の形態では、特別図柄および演出図柄(飾り図柄)の変動が行われているときに第1演出と第2演出とをともに実行し、第2の実施の形態では、大当り遊技中に第1演出と第2演出とをともに実行したが、第3の実施の形態(実施の形態3)では、大当り遊技が終了した後に第1演出と第2演出とをともに実行する。
図62〜図66は、この実施の形態における第1演出および第2演出の具体例を示す説明図である。図62に示す例では、演出表示装置9に表示画面において、演出図柄(飾り図柄)の変動後に大当り表示(ファンファーレ表示)がなされた、大当り遊技が実行された後大当り終了(エンディング表示)がなされた後(図62(A),(B),(C),(D)参照)、キャラクタ9p(豚)を用いた第1演出が実行されている(図62(E)〜(G)参照)。そして、主人公キャラクタ9eによるハンマー9fによってキャラクタ9pが倒れるような表示演出がなされると(図62(H)参照)、第2演出が実行される(図62(I),(J)参照)。なお、図62において、演出表示装置9における表示状態は、(A)に示す状態から順次(J)に示す状態に向かって遷移する。図63〜図66についても同様である。
図62に示す例およびそれに続く図63に示す例では、キャラクタ9b(西洋料理人)を用いた第2演出が実行されている(図62(J)や図63(K)参照)。なお、第2演出では、第1演出において用いられたキャラクタ(図62および図63に示す例ではキャラクタ9p)が用いられる。
図63(K)〜(Q)には、昇格成功の場合の第2演出が示されている。すなわち、キャラクタ9bとは異なる他のキャラクタ(主人公キャラクタ9e)が、キャラクタ9pを食材とした料理を完成させた状態が示された後(図63(L)参照)、キャラクタ9bが、キャラクタ9pを食材とした料理を完成させた状態が示され(図63(M)参照)、試食者9gが、9pが完成させた料理とキャラクタ9bが完成させた料理とを試食し(図63(N)参照)、試食者9gが主人公キャラクタ9eに高得点を与え、主人公キャラクタ9eが勝利して昇格成功した演出が示されている(図63(O)〜(Q)参照)。
図64(K)〜(P)には、図62(J)に示す状態における演出に続く演出が示され、昇格失敗の場合の第2演出が示されている。すなわち、主人公キャラクタ9eが、キャラクタ9pを食材とした料理を完成させた状態が示された後(図64(L)参照)。また、キャラクタ9bが、キャラクタ9pを食材とした料理を完成させた状態が示され(図64(M)参照)、試食者9gが、主人公キャラクタ9eが完成させた料理とキャラクタ9bが完成させた料理とを試食し(図64(N)参照)、試食者9gがキャラクタ9bに高得点を与え、キャラクタ9bが勝利して昇格失敗した演出が示されている(図64(O)〜(P)参照)。なお、図64には、昇格失敗後に、演出図柄(飾り図柄)の変動が開始された様子も示されている(図64(Q)参照)。
図63および図64に示すように、時短残り回数(時短状態における可変表示の実行可能回数)が少なくなるに従って第2演出の演出内容は変化し、時短残り回数が極めて少なくなると(この例では10回)、図63(O)や図64(O)に示されたように、キャラクタA〜C(この例ではキャラクタB(9b))と主人公キャラクタ9eとの判定の演出に到達し、時短残り回数が0になると、昇格成功または昇格失敗の報知画面が演出表示装置9に表示される。
なお、この実施の形態では、確変大当りに決定されているときと通常大当りに決定されているときとで演出図柄(飾り図柄)の停止図柄を分けていないので、遊技者は、第2演出が終了するまで、確変大当りであったのか通常大当りであったのかを判別できない。つまり、第2演出が終了するまで、遊技者の確変大当りに対する期待感を維持できる。
そのような効果をさらに効果的にするために、すなわち、確変大当りであったのか通常大当りであったのか不明であることをより強調するために、第2演出の期間において、キャラクタA〜Cを用いる演出とは異なる演出を行うようにしてもよい。
例えば、図65の説明図に示すように、キャラクタA〜Cとは異なる他のキャラクタ(主人公キャラクタ9e)を表示し(図65(C)等参照)、第1演出で用いられるキャラクタを再度得ることが可能なような演出(図65(F)〜(H)参照)を行って、確変大当りであったのか通常大当りであったのか不明であることをより強調する。
また、この実施の形態では、大当り遊技終了後のあらかじめ決められている所定回(回数は可変であってもよい。)の演出図柄(飾り図柄)の変動に亘って第1演出および第2演出が実行されるが、所定回の変動が完了する前に次の大当りが発生する可能性がある。その場合には、大当りの演出が第1演出または第2演出に優先して実行される。図66には、例えば、大当り遊技終了後の60回の演出図柄(飾り図柄)の変動に亘って第1演出および第2演出が実行されることになっている場合に、35回の変動が残っている状態で大当りが発生したときの例が示されている。その場合には、大当り遊技終了後に再度第1演出が開始される(図66(N)〜(R)参照)。
図67は、この実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図13に示された第1の実施の形態における演出制御コマンドと異なる点は、大当り終了指定コマンド(エンディングコマンド)として、第1演出を実行することを指定する大当り終了1指定コマンドと、第1演出を実行しないことを指定する大当り終了2指定コマンドとがあることである。
すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、エンディングコマンドとして、第1演出を行うことに決定されている場合にはA301(H)の演出制御コマンド(大当り終了1指定コマンド)を送信し、第1演出を行うことに決定されていない場合にはA302(H)の演出制御コマンド(大当り終了2指定コマンド)を送信する。
なお、この実施の形態で用いられる特別図柄および演出図柄(飾り図柄)の変動パターン(変動時間)は、第2の実施の形態の場合と同じである(図52参照)。
図68は、この実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるCPU56が実行する特別図柄プロセス処理における大当り終了処理(ステップS307)を示すフローチャートである。この実施の形態では、CPU56は、エンディングコマンドを送信する際に、乱数バッファ領域から演出実行決定用乱数の値を読み出し(ステップS174A)、演出実行決定用乱数の値にもとづいて第1演出を実行するか否か決定する(ステップS174B)。具体的には、演出実行決定用乱数の値が図9に示された演出実行判定値のいずれかと一致したら第1演出を実行することに決定する。そして、第1演出を実行するか否かを示すデータをRAM55に格納する。
次いで、エンディングコマンドとして、第1演出を実行することに決定された場合には大当り終了1指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信し、第1演出を実行しないことに決定された場合には大当り終了2指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS174C)。また、演出図柄指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS174D)。なお、ステップS174D)の処理で送信する演出図柄指定コマンドの種類(演出図柄1指定コマンド(はずれ指定コマンド)、演出図柄2指定コマンド(通常大当り指定コマンド)または演出図柄3指定コマンド(確変大当り指定コマンド)は、変動開始時に送信した演出図柄指定コマンドの種類と同じである。その他の処理は、第1の実施の形態における処理(図24参照)と同じである。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560と演出制御用マイクロコンピュータ100とによる第1演出および第2演出の処理の流れを説明する。図69に示すように、遊技制御手段としての遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大当り遊技の終了時に、演出制御手段としての演出制御用マイクロコンピュータ100に対してエンディングコマンドおよび演出図柄指定コマンドを送信するが(図68におけるステップS174C,S174D参照)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、エンディングコマンドによって第1演出を実行することが指定されると、受信した演出図柄指定コマンド(この場合には、演出図柄2指定コマンド(通常大当り指定コマンド)または演出図柄3指定コマンド(確変大当り指定コマンド))にもとづいて第1演出の種類を決定する。具体的には、図30に示された3つのテーブルのうち演出図柄指定コマンドに応じたテーブルである「通常大当り」に対応するテーブルまたは「確変大当り」に対応するテーブルを選択し、第1演出種類選択用乱数を生成するためのカウント値を抽出して第1演出種類選択用乱数の値とし、第1演出の種類として、第1演出種類選択用乱数の値と一致する判定値に対応したキャラクタを選択する。また、第1演出の種類を示すデータをRAM112における第1演出キャラクタバッファ112aに設定する。
また、大当り遊技の終了後であって第2演出の開始時に、演出制御用マイクロコンピュータ100は、受信している演出図柄指定コマンド(演出図柄2指定コマンド(通常大当り指定コマンド)または演出図柄3指定コマンド(確変大当り指定コマンド))およびRAM112に記憶されている第1演出の種類を示すデータとにもとづいて第2演出の種類を決定する。具体的には、受信した演出図柄指定コマンドに応じて図31(A)に示されたテーブルまたは図31(B)に示されたテーブルを選択し、第2演出種類選択用乱数を生成するためのカウント値を抽出して第2演出種類選択用乱数の値とし、第2演出の種類として、第2演出種類選択用乱数の値と一致する判定値に対応したキャラクタを選択する。なお、第2演出では、第1演出で用いたキャラクタを使用するので、第2演出の種類を決定することによって、第1演出の種類と第2演出の種類との組み合わせも決定されたことになる。
また、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100が独自に第2演出の開始タイミングを決定しているが、第1の実施の形態および第2の実施の形態の場合と同様に、第2演出の開始タイミングにおいて、遊技制御用マイクロコンピュータ560が演出制御用マイクロコンピュータ100に演出図柄指定コマンドを送信するようにしてもよい。
以下、この実施の形態における演出制御用マイクロコンピュータ100が実行する第1演出および第2演出の制御を説明する。なお、以下の説明では、第1演出および第2演出は、大当り遊技終了後の演出図柄(飾り図柄)の変動中に実行されるが、変動中でないときにおいて、または変動中と変動中でないときの双方において第2演出を実行するようにしてもよい。
図70は、この実施の形態における演出制御用マイクロコンピュータ100が実行する演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(ステップS801)を示すフローチャートである。この実施の形態では、演出制御用CPU101は、第2演出開始タイミングになると(図69参照)、図44に示された第2演出設定処理を実行する(ステップS833B,S833D)。
また、プロセステーブルを選択する際に、演出制御用CPU101は、変動パターンと第1演出の種類または第2演出の種類とに応じたプロセステーブルを選択する(ステップS833E)。すなわち、第1演出実行中フラグがセットされている場合には、変動パターンと第1演出とに応じたプロセステーブルを選択し、第2演出実行中フラグがセットされている場合には、変動パターンと第2演出とに応じたプロセステーブルを選択する。なお、第1演出実行中フラグも第2演出実行中フラグもセットされていない場合には、第1演出および第2演出を考慮しない。つまり、変動パターンに応じたプロセステーブルを選択する。また、演出制御用CPU101は、第2演出実行中フラグを、例えば第2演出の終了時にリセットする。
また、この実施の形態では、第2演出中でないことを条件として、すなわち、第2演出実行フラグがセットされていないときに、演出表示装置9の表示画面における背景色を、背景指定コマンド格納領域に記憶されている背景指定コマンドに対応する色(遊技状態に対応した色)に設定する制御を行う(ステップS835D,S836)。その他の処理は、第1の実施の形態および第2の実施の形態の場合と同じである。
なお、第2演出実行フラグがセットされているときに背景色を変更しないのは、背景色を変更したのでは確変状態に移行したのかしないのかを遊技者に報知することになり、確変状態に移行するか否かを報知するための演出である昇格演出の効果が薄れてしまうからである。
また、ステップS833Eの処理において、第1演出の種類や第2演出の種類も対象にするのは、大当り遊技の終了後に実行される第1演出および第2演出を実現するためである。つまり、第1の実施の形態の場合と同様に実行される演出図柄変動中処理(図43参照)では、第1の実施の形態の場合と同様にプロセステーブルにおけるプロセスデータに従って演出制御が実行されるが、第1演出を実行している場合には、第1演出の種類に応じたプロセステーブルを使用することによって、大当り遊技終了後の演出図柄(飾り図柄)の変動中に、図62(E)〜(H)に例示されたような第1演出が実行される。また、第2演出を実行している場合には、第2演出の種類に応じたプロセステーブルを使用することによって、演出図柄(飾り図柄)の変動中に、図62(I)〜(J)、図63〜図66に例示されたような第2演出が実行される。なお、この実施の形態では、第2演出は複数回の演出図柄(飾り図柄)の変動に亘って実行されている。また、この実施の形態では、演出図柄変動中処理(図43参照)において、ステップS842〜S844の処理は実行されない。
また、変動中でないときにおいて、または変動中と変動中でないときの双方において第1演出および第2演出を実行する場合には、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560を、演出制御プロセス処理における変動パターンコマンド受信待ち処理において、ステップS831A〜S835の処理を実行してプロセステーブルを選択するとともに、プロセステーブルにおけるプロセスデータに従って演出制御を実行するように構成すればよい。なお、例えば、変動中でないときに第1演出や第2演出を実行する場合には、変動パターンコマンド受信待ち処理において実行されるステップS833Aの処理で、変動パターンを考慮せず、第1演出の種類または第2演出の種類のみにもとづいてプロセステーブルを選択する。
図71は、この実施の形態における演出制御用マイクロコンピュータ100における演出制御用CPU101が実行する演出制御プロセス処理における大当り終了処理(ステップS806)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、演出制御用CPU101は、大当り終了演出タイマが設定されているか否か確認する(ステップS930)。大当り終了演出タイマが設定されている場合には、ステップS932に移行する。
大当り終了演出タイマが設定されていない場合には、大当り終了演出タイマに大当り終了表示時間に相当する値を設定する(ステップS931)。
ステップS932では、大当り終了演出タイマの値を−1し、大当り終了演出タイマがタイムアウトしていなければ処理を終了する(ステップS933)。大当り終了演出タイマがタイムアウトしていたら、大当り終了指定コマンド(エンディングコマンド)として第1演出ありのコマンドを受信しているか否か確認する(ステップS934)。第1演出なしのエンディングコマンド(大当り終了2指定コマンド)を受信していたら、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に応じた値に更新する(ステップS939)。
そして、第1演出ありのエンディングコマンド(大当り終了1指定コマンド)を受信していたら、演出制御用CPU101は、第1演出種類選択用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を読み出し、読み出した値を第1演出種類選択用乱数値とする。すなわち、第1演出種類選択用乱数を抽出する(ステップS935)。そして、第1演出種類選択用乱数値と受信している演出図柄指定コマンド(この場合には、演出図柄2指定コマンドまたは演出図柄3指定コマンド)とにもとづいて第1演出の種類を決定する(ステップS936)。具体的には、受信した演出図柄指定コマンド(識別情報の可変表示の表示結果を特定可能なコマンドの一例)に応じて図30に示されたテーブルのうち、通常大当りまたは確変大当りの部分を選択し、第1演出種類選択用乱数値と一致する判定値に応じたキャラクタを第1演出の種類として選択する。
そして、選択した第1演出の種類を、RAM112における第1演出キャラクタバッファ112aに格納する(ステップS937)。また、第1演出実行フラグをセットする(ステップS938)。その後、ステップS939に移行する。
なお、この実施の形態では、次の演出図柄(飾り図柄)の可変表示の開始時に、第1演出キャラクタバッファ112aに記憶されている第1演出の種類を示すデータ等を用いて第1演出が開始される(図70におけるステップS833E,S834,S835参照)。
以上のような処理によって、大当り遊技終了後に、第1演出を実行し、第1演出が終了した後に第2演出を実行する制御が実現される。この実施の形態では、大当り遊技後に所定期間に亘って第1演出および第2演出を実行するので、確変状態等の特別遊技状態に関する遊技者の興味を長期間に亘って持続させ、遊技の興趣をより高めることができる。
実施の形態4.
上記の各の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信した演出図柄指定コマンドにもとづいて第1演出および第2演出の種類を決定したが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する他のコマンドにもとづいて第1演出および第2演出の種類を決定するようにしてもよい。
第4の実施の形態(実施の形態4)では、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信した背景指定コマンドにもとづいて第1演出および第2演出の種類を決定する。なお、ここでは、第3の実施の形態の変形例としての実施の形態を説明する。
図72この実施の形態における演出制御用マイクロコンピュータ100における演出制御用CPU101が実行する演出制御プロセス処理における大当り終了処理(ステップS806)を示すフローチャートである。この実施の形態では、演出制御用CPU101は、第1演出種類選択用乱数値と受信している背景指定コマンド(識別情報の可変表示の表示結果を特定可能なコマンドの一例)とにもとづいて第1演出の種類を決定する(ステップS936A)。具体的には、受信した背景指定コマンドに応じたテーブルである「通常大当り」に対応するテーブルまたは「確変大当り」に対応するテーブルを選択し、第1演出種類選択用乱数値と一致する判定値に応じたキャラクタを第1演出の種類として選択する(図30参照)。
なお、演出制御用CPU101は、受信している背景指定コマンドが、通常時背景指定コマンドと時短時背景指定コマンドと確変時背景指定コマンドとのうちのいずれであるのかを、受信した背景指定コマンドを格納する背景指定コマンド格納領域に記憶されているデータにもとづいて判定する。そして、受信している背景指定コマンドが確変時背景指定コマンドである場合には「確変大当り」に対応するテーブルを選択し、その他の背景指定コマンドである場合には「通常大当り」に対応するテーブルを選択する。その他の処理は、第3の実施の形態の場合と同じである。なお、図13に示すように、背景指定コマンド(通常時背景指定コマンド、時短時背景指定コマンドおよび確変時背景指定コマンド)は、遊技状態が確変状態であるのか否かを特定可能なコマンドである。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、確変大当りとすることに事前決定した場合には、大当り遊技状態の終了後に、遊技状態を、通常状態から確変状態に移行させる。そして、その後の確変状態において、確変時背景指定コマンド(図13参照)を送信する。従って、背景指定コマンドは、遊技制御用マイクロコンピュータ560が確変大当りとすることに事前決定したことを特定可能な演出制御コマンドである。
また、この実施の形態では、演出図柄変動開始処理は第3の実施の形態の場合と同様に実行されるが(図70参照)、ステップS833Dの第2演出設定処理では、図73のフローチャートに示す処理が実行される。
第3の実施の形態では、演出制御用CPU101は、図44に示された第2演出設定処理を実行するので、第2演出種類選択用乱数値と、第1演出キャラクタバッファ112aに記憶されているデータが示す第1演出の種類と、受信している演出図柄指定コマンドとにもとづいて第2演出の種類を決定した(図44におけるステップS912参照)。この実施の形態では、第2演出種類選択用乱数値と、第1演出キャラクタバッファ112aに記憶されているデータが示す第1演出の種類と、受信した背景指定コマンドとにもとづいて第2演出の種類を決定する(ステップS912A)。具体的には、受信した背景指定コマンドに応じて図31(A)に示されたテーブルまたは図31(B)に示されたテーブルを選択し、第2演出の種類として、第2演出種類選択用乱数の値と一致する判定値(図31において、第1演出の種類に応じた行に対応した判定値)に対応したキャラクタを選択する。
なお、演出制御用CPU101は、受信している背景指定コマンドが確変時背景指定コマンドである場合には図31(B)に示されたテーブルを選択し、その他の背景指定コマンドである場合には図31(A)に示されたテーブルを選択する。その他の処理は、第3の実施の形態の場合と同じである。
また、この実施の形態では、背景指定コマンドにもとづいて第1演出および第2演出の種類を決定したが、いずれか一方を背景指定コマンドにもとづいて決定し、他方を他の演出制御コマンド(例えば、演出図柄指定コマンド)にもとづいて決定するようにしてもよい。
また、この実施の形態では、第3の実施の形態、すなわち大当り遊技の終了後に第1演出および第2演出を実行する形態について、演出図柄制御コマンドに代えて背景指定コマンドを用いるようにしたが、第1または第2の実施の形態について、演出図柄制御コマンドに代えて背景指定コマンドを用いるようにしてもよい。
その場合にも、背景指定コマンドにもとづいて第1演出および第2演出の種類を決定するのではなく、いずれか一方を背景指定コマンドにもとづいて決定し、他方を他の演出制御コマンド(例えば、演出図柄指定コマンド)にもとづいて決定するようにしてもよい。例えば、第1演出を演出図柄指定コマンドにもとづいて決定し、第2演出の種類を背景指定コマンドにもとづいて決定する。
また、図20に示されたステップS107の処理では、背景指定コマンドを送信するときの遊技状態に応じた種類の背景指定コマンドを送信したが、ステップS107の処理で、事前決定手段の決定結果に応じた背景指定コマンドを送信するようにしてもよい。すなわち、図19に示されたステップS62の処理で確変大当りとすることに決定されている場合には確変時背景指定コマンドを送信し、通常大当りとすることに決定されている場合には通常時背景指定コマンドを送信する。そのように構成した場合には、演出制御用CPU101は、背景指定コマンドにもとづいて事前決定手段の決定結果を反映した決定を行うことができる。
なお、上記の各実施の形態では、通常状態に比べて大当り遊技状態に移行しやすい状態である特別遊技状態として確変状態を例にしたが、特別遊技状態を他の遊技状態にしてもよい。例えば、可変表示時間が短縮されることによって所定時間あたりの可変表示回数が増加し、その結果大当りの判定が実施される間隔が短くなって、結果として大当り遊技状態に移行しやすくなる時短状態を、特別遊技状態にしてもよい。
また、上記の実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板80、音声出力基板70およびランプドライバ基板35が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置9等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ27R,27Lなど)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
また、上記の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が他の基板(例えば、図3に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35など、または音声出力基板70に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板35に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、または例えば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、上記の実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行うのと同様に、音声出力基板70、ランプドライバ基板35または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行うことができる。
また、上記の実施の形態のパチンコ遊技機は、主として、始動入賞にもとづいて可変表示部に可変表示される特別図柄の停止図柄が所定の図柄になると所定の遊技価値が遊技者に付与可能になるパチンコ遊技機であったが、始動入賞にもとづいて開放する電動役物の所定領域への入賞があると所定の遊技価値が遊技者に付与可能になるパチンコ遊技機や、始動入賞にもとづいて可変表示される図柄の停止図柄が所定の図柄の組み合わせになると開放する所定の電動役物への入賞があると所定の権利が発生または継続するパチンコ遊技機であっても、本発明を適用できる。さらに、遊技メダルを投入して賭け数を設定し遊技を行うスロット機や、遊技メダルではなく遊技球を投入して賭け数を設定し遊技を行う遊技機などにも本発明を適用できる。