(第1の実施形態)
以下に、本発明の好適な実施形態について説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に係るデジタル放送記録方法を使用するデジタル放送記録システムの全体構成を示す概略図である。図1に示すように、このデジタル放送記録システム1は、デジタル放送受信装置としてのチューナーモジュール2と、当該チューナーモジュール2に接続して使用されるデジタル放送記録装置としての電子機器であるパソコン3とを備えている。
チューナーモジュール2は、屋外において、所定の方向に向けて配置され、デジタル放送信号を受信するアンテナ4と、アンテナ4が受信したデジタル放送信号において、所望のチャンネルに対応するデジタル放送信号を選択するチューナー部5と、チューナー部5により選局された信号を復調し、誤り符号訂正を行う復調部6とを備えている。また、チューナーモジュール2は、復調部6により復調された信号のスクランブルを解除するデスクランブル処理部7と、デスクランブル処理部7におけるスクランブルの解除に必要なデスクランブルキー(解除鍵)が記憶されたICカード50が接続されるICカードインターフェース8と、デスクランブル処理部7によりスクランブルが解除された信号を暗号化する暗号化処理部9と、暗号化処理部9により暗号化された信号をパソコン3へ伝送するためのインターフェース10とを備えている。
パソコン3は、インターフェース10を介して、暗号化された信号が入力されるインターフェースコントローラ20と、チューナーモジュール2から受け取った暗号化された信号を復号する復号化処理部21と、復号化された信号をデコードするデコード処理部22とを備えている。また、パソコン3は、デコードされた信号を、映像データ、音声データ、番組情報等に分離する分離部25と、分離された映像データを処理して、VRAM30に一時的に記憶させるとともに、映像データに基づく映像をLCDディスプレイ31に表示する映像処理部26と、分離された音声データを処理して、音声データに基づく音声をスピーカ32にて鳴動させる音声処理部27とを備えている。また、パソコン3は、メニュー用の画面や電子番組ガイド(Electoronic Program Guide)の画面等の表示を行うための映像データを生成するとともに、この映像データを、分離された映像データに組み込む処理(オンスクリーンディスプレイ(OSD)処理)を行うGUI(グラフィック・ユーザー・インターフェース)処理部29とを備えている。なお、電子番組ガイドは、番組の選局や詳細情報の表示、録画予約等に利用される。
また、パソコン3は、チューナーモジュール2から受け取った暗号化された信号(即ち、デジタル方式の放送電波に含まれる信号)を記録(録画)するための記録部であるハードディスク28と、復号化処理部21、デコード処理部22、分離部25等の各部の制御を行う制御手段であるCPU40と、ユーザーが入力操作を行うための入力手段であるキーボード41とを備えている。
また、パソコン3は、CPU40において、チューナーモジュール2から受け取った暗号化された信号の処理を制御するための制御プログラムをインストールするためのインストール手段37を備えている。このインストール手段37は、図1に示すように、CD/DVDドライブ装置38と、LANコントローラ39により構成されている。CD/DVDドライブ装置38を使用する場合は、CD/DVDドライブ装置38を介して、チューナーモジュール2に付属のCDやDVDに記憶された上述の制御プログラムがインストールされる構成となっている。一方、LANコントローラ39を使用する場合は、図示しない通信ケーブルによりネットワーク回線に接続される通信コネクタ45を介して取得された上述の制御プログラムが、LANコントローラ39を介してインストールされる構成となっている。
次に、チューナーモジュール2の動作について説明する。まず、アンテナ4が、放送局や衛星から送られてくるデジタル放送信号を受信し、当該デジタル放送信号を、アンテナ4を介して、チューナー部5へ出力する。アンテナ4は、周波数変換器を備え、周波数変換された信号をチューナー部5に与える構成となっている。
なお、デジタル放送における映像データ、音声データ、番組情報等のデータは、MPEG−2システムに準拠して多重化されており、デジタル放送信号は、各データがパケット単位で多重化されたトランスポート・ストリームとなっている。また、このデジタル放送信号には、第1の帯域幅を有する第1の信号と、第1の帯域幅より狭い第2の帯域幅を有する第2の信号が含まれている。
より具体的には、デジタル放送信号は、13セグメントに分割された帯域幅を有しており、この13セグメントのうち、12セグメントを使用した信号である第1の信号(以下、「ハイビジョン方式の信号」という。)と、上述の13セグメントのうち、1セグメントを使用した信号である第2の信号(以下、「1セグメント方式の信号」という。)が多重化されている。なお、ハイビジョン方式の信号は、MPEG−2方式により圧縮符号化された第1の映像信号を有しており、1セグメント方式の信号は、MPEG−2方式より圧縮率が高いMPEG−4方式(H.264方式)により圧縮符号化された第2の映像信号を有している。また、ハイビジョン方式の信号、およびワンセグ方式の信号の各々が有する音声信号は、MPEG−2 AAC方式により圧縮符号化されている。
チューナー部5は、アンテナ4から入力されたデジタル放送信号において、ユーザーが指定したチャンネルに対応するデジタル放送信号(この場合、ハイビジョン方式の信号とワンセグ方式の信号の双方)を選択して、復調部6へ出力する。即ち、チューナー部5は、映像データや音声データを含むデジタル放送信号のうち、特定周波数の信号を取り出して、復調部6へと出力する。復調部6は、チューナー部5により選択されたデジタル放送信号をA/D変換して復調するとともに、伝送路で発生する誤り符号訂正を行い、トランスポート・ストリーム(Transport Stream)を生成し、生成したトランスポート・ストリームをデスクランブル処理部7へ出力する。
トランスポート・ストリームは、トランスポート・ストリームパケット(以下、「TSパケット」という。)が隙間なく連続したものであり、多数の個別の符号化ストリームがTSパケットと呼ばれる短い伝送単位で、時分割多重化されているものである。また、TSパケットは、図2に示すように、188バイトの固定長のパケットであり、4バイトの固定長のヘッダーと、184バイトのペイロード、アダプテーションフィールド、またはペイロードとアダプテーションフィールドが混在した構成となっている。また、ヘッダーは、図3に示す構成となっており、ペイロードユニット開始インジケータは、新たなPES(Packetized Elementary Stream)パケットが、このTSパケットのペイロードから始まることを表わすものである。また、PID(Packet ID)は、このTSパケットが含まれるストリームの識別子を表わしており、TSパケットの種類を識別する(即ち、どの番組の映像データ、音声データ、番組情報等かを識別する)ためのものである。また、トランスポートスクランブル制御フラグは、ペイロードのスクランブル制御を表わすためのものである。
デスクランブル処理部7は、有料放送において、トランスポート・ストリームにスクランブルが施されている場合に、このスクランブルを、ICカードインターフェース8に接続されたICカード50から得られるデスクランブルキー(解除鍵)によって解除する処理を行う。スクランブルが解除されたトランスポート・ストリームは、暗号化処理部9へ出力されるとともに、当該暗号化処理部9により、DES(Data Encryption Standard)、AES(Advanced Encryption Standard)等の所定の方式により暗号化される。暗号化されたトランスポート・ストリームは、汎用のインターフェース10(例えば、USB2.0)を介して、パソコン3へと出力される。なお、チューナーモジュール2は、チューナー部5、復調部6、デスクランブル処理部7、ICカードインターフェース8、および暗号化処理部9の各部の制御を行う制御手段としてのCPU11を備えており、パソコン3のCPU40からの指示に従い、これらの各部の制御を行う構成となっている。
次に、上述のインストールされた制御プログラムに基づくパソコン3の動作について説明する。チューナーモジュール2により暗号化されたトランスポート・ストリームは、インターフェースコントローラ20に入力され、当該インターフェースコントローラ20を介して、復号化処理部21に入力される。復号化処理部21は、上述のDES、AES等の所定の形式で暗号化されたトランスポート・ストリームを復号し、復号化されたトランスポート・ストリームをデコード処理部22へと出力する。デコード処理部22は、MPEG−2方式に基づいて圧縮符号化された映像信号を有するトランスポート・ストリーム(即ち、ハイビジョン方式の信号)に対して、MPEG−2方式のデコードを行うとともに、MPEG−4方式(H.264方式)に基づいて圧縮符号化された映像信号を有するトランスポート・ストリーム(即ち、ワンセグ方式の信号)に対して、H.264方式のデコードを行い、圧縮されたデータを、元の映像データと音声データに伸長する。
デコードされたトランスポート・ストリームは、分離部25に入力され、当該分離部25において、ユーザーが指定したチャンネル、およびユーザーが指定した放送方式(即ち、ハイビジョン方式、またはワンセグ方式)の映像データ、音声データ、番組情報であるPSI/SI(Program Specific Information/Service Information)等に分離される。そして、分離された映像データは、映像処理部26へ出力されるとともに、当該映像処理部26は、映像データのD/A変換を行い、映像データを、VRAM30に一時的に記憶させるとともに、映像データに基づく映像をLCDディスプレイ31に表示させる。また、分離された音声データは、音声処理部27へ出力されるとともに、当該音声処理部27において、音声データのD/A変換、および増幅が行われた後、音声データに基づく音声をスピーカ32にて鳴動させる。
また、分離された番組情報は、GUI処理部29へ出力され、当該GUI処理部29は、分離部25から映像処理部26へと出力された映像データに対して、各種の映像処理を行う。例えば、CPU40から出力指示された文字情報や色情報に基づく映像データを生成するとともに、この映像データを分離部25から出力される映像データに組み込む処理(オンスクリーンディスプレイ(OSD)処理)を行う。このオンスクリーンディスプレイ処理により、電子番組ガイド用の画面や、メニュー画面、各種設定画面などの表示が行えることになる。なお、電子番組ガイドで表示する内容は、上述のSIのテーブルであるEIT(Event Information Table)から取り出すことができる。この、EITには、番組のタイトル、放送時刻、放送内容、ドラマやニュース等のジャンル情報等の番組に関する情報が格納されている。
ここで、本実施形態においては、チューナーモジュール2から受け取った暗号化された信号(即ち、トランスポート・ストリーム)が記録されるハードディスク28の空き容量と、当該ハードディスク28における記録に必要なデータ容量を比較することにより、記録する信号の方式を選択する点に特徴がある。以下、図面を参照して、本特徴を詳しく説明する。図4、図5は、本発明の第1の実施形態に係るデジタル放送記録方法を使用したデジタル放送記録システムにおけるデジタル放送信号の記録手順を示すフローチャートである。
図1に示すように、パソコン3は、チューナーモジュール2から受け取った暗号化されたトランスポート・ストリームを記録するためのハードディスク28の空き容量を検出する空き容量検出部33と、ユーザーが記録を希望する番組を、ハイビジョン方式の信号(即ち、ハイビジョン方式に対応する、暗号化されたトランスポート・ストリーム)で記録するために必要なデータ容量を算出するためのデータ容量算出部34と、ハードディスク28に記録される信号として、ハイビジョン方式の信号とワンセグ方式の信号(即ち、ワンセグ方式に対応する、暗号化されたトランスポート・ストリーム)のいずれか一方を選択するための信号選択部35を備えている。なお、これらのハードディスク28、空き容量検出部33、データ容量算出部34、および信号選択部35の各々は、制御手段であるCPU40に接続されており、当該CPU40が、上述の制御プログラムに基づいて、これらの各部の制御を行う構成となっている。
そして、本実施形態におけるデジタル放送記録システム1において、デジタル放送の記録を行う際には、まず、ユーザーによるキーボード41の入力操作により、ユーザーが希望する番組の記録を行う旨の指示が、CPU40に入力される(ステップS1)。次いで、CPU40は、デジタル放送信号の記録を開始する前に、空き容量検出部33を制御するための制御信号を出力し、空き容量検出部33が、ハードディスク28の空き容量を検出し、検出結果がCPU40に入力される(ステップS2)。また、チューナーモジュール2により暗号化された、ハイビジョン方式、およびワンセグ方式に対応するトランスポート・ストリームが、信号選択部35に入力される。
次いで、上述の分離部25により分離された番組情報が、データ容量算出部34に入力され、当該データ容量算出部34は、この番組情報に基づいて、ユーザーが記録を希望する番組をハイビジョン方式の信号で記録するために必要なデータ容量を算出し、算出されたデータ容量がCPUに入力される(ステップS3)。
より具体的には、データ容量算出部34は、ユーザーが希望する番組の放送時間(または、記録時間)と、予め設定された当該番組のハイビジョン放送の平均ビットレートから、ユーザーが記録を希望する番組を、ハイビジョン方式の信号で記録するために必要なデータ容量を算出する。なお、地上波デジタル放送のハイビジョン方式における平均ビットレートの値は、3.7〜23.2Mbpsの範囲で設定され、また、データ容量を算出するために必要な番組の放送時間は、トランスポート・ストリームの番組情報である上述のSIを構成するEIT(Event Information Table)により取得される。また、地上波デジタル放送のワンセグ方式における平均ビットレートの値は、最大で416kbpsである。
次いで、CPU40は、空き容量検出部33により検出された空き容量とデータ容量算出部34で算出されたデータ容量とを比較(即ち、空き容量がデータ容量以上か否かを判断)し(ステップS4)、比較結果に基づいて、信号選択部35が、ハードディスク28に記録される信号として、ハイビジョン方式の信号とワンセグ方式の信号のいずれか一方を選択するように、信号選択部35を制御する。
より具体的には、空き容量がデータ容量以上であると判断した場合は、CPU40は、信号選択部35が、ハードディスク28に記録される信号としてハイビジョン方式の信号を選択するように、信号選択部35を制御するための制御信号を出力する。そして、信号選択部35は、ハイビジョン方式の信号を選択し(ステップS5)、番組の記録開始時刻になると、ハードディスク28へのハイビジョン方式の信号の記録が開始される(ステップS6)。一方、空き容量がデータ容量より小さいと判断した場合は、CPU40は、信号選択部35が、ハードディスク28に記録される信号としてワンセグ方式の信号を選択するように、信号選択部35を制御するための制御信号を出力する。そして、信号選択部35は、ワンセグ方式の信号を選択し(ステップS7)、番組の記録開始時刻になると、ハードディスク28へのワンセグ方式の信号の記録が開始される(ステップS8)。
例えば、地上波デジタル放送のハイビジョン方式における平均ビットレートが20Mbps、番組の放送時間が1時間、ハードディスク28の空き容量が12GBの場合、必要なデータ容量は、以下の(式1)により求めることができる。
データ容量〔GB〕=1〔時間〕×3600〔秒〕×20×106〔b/s〕/8〔b/B〕=9GB…(式1)
この場合、空き容量(即ち、12GB)は、必要なデータ容量(即ち、9GB)よりも大きいため、CPU40は、空き容量がデータ容量以上であると判断するとともに、信号選択部35は、ハイビジョン方式の信号を選択して、ハードディスク28へのハイビジョン方式の信号の記録が開始されることになる。
一方、ハードディスク28の空き容量が6GBの場合、空き容量(即ち、6GB)は、必要なデータ容量(即ち、9GB)よりも小さいため、CPU40は、空き容量がデータ容量より小さいと判断するとともに、信号選択部35は、ワンセグ方式の信号を選択して、ハードディスク28へのワンセグ方式の信号の記録が開始されることになる。
また、図1に示すように、パソコン3は、CPU40に接続されたタイマー36を備えている。そして、CPU40は、ハードディスク28へのトランスポート・ストリームの記録が開始されると、タイマー36を駆動し、トランスポート・ストリームの記録時間T1を計測するためのタイマー36をONの状態に切り替え、トランスポート・ストリームの記録時間T1の計測が開始される(ステップS9)。
次いで、CPU40は、ハードディスク28へ記録されている信号がハイビジョン方式の信号か否かを判断し(ステップS10)、ハイビジョン方式の信号であると判断した場合は、CPU40は、空き容量検出部33を制御するための制御信号を出力し、空き容量検出部33が、ハイビジョン方式の信号を記録中であるハードディスク28の残りの空き容量(以下、「残りの空き容量」という。)を検出し、検出結果がCPU40に入力される(ステップS11)。
次いで、上述の分離部25により分離された番組情報がデータ容量算出部34に入力され、当該データ容量算出部34は、この番組情報に基づいて、ユーザーが記録を希望する番組の残りの部分を、ハイビジョン方式の信号で記録するために必要な残りのデータ容量(以下、「残りのデータ容量」)を算出し、算出されたデータ容量がCPUに入力される(ステップS12)。
より具体的には、データ容量算出部34は、ユーザーが希望する番組の残りの放送時間(または、残りの記録時間)と、予め設定された当該番組のハイビジョン放送の平均ビットレートから、残りのデータ容量を算出する。
次いで、CPU40は、空き容量検出部33により検出された残りの空き容量とデータ容量算出部34で算出された残りのデータ容量とを比較(即ち、残りの空き容量が残りのデータ容量以上か否かを判断)し(ステップS13)、比較結果に基づいて、信号選択部35が、ハードディスク28に記録される信号としてハイビジョン方式の信号とワンセグ方式の信号のいずれか一方を選択するように、信号選択部35を制御する。
より具体的には、残りの空き容量が残りのデータ容量以上であると判断した場合は、CPU40は、信号選択部35が、ハードディスク28に記録される信号として、ハイビジョン方式の信号を選択した状態を維持するように、信号選択部35を制御するための制御信号を出力する。そして、信号選択部35は、ハイビジョン方式の信号を選択した状態を維持し(ステップS14)、ハードディスク28へのハイビジョン方式の信号の記録が継続される(ステップS15)。
一方、残りの空き容量が残りのデータ容量より小さいと判断した場合は、CPU40は、信号選択部35が、ハードディスク28に記録される信号として、ワンセグ方式の信号を選択するように、信号選択部35を制御するための制御信号を出力する。そして、信号選択部35は、ワンセグ方式の信号を選択し(ステップS16)、ハードディスク28へのワンセグ方式の信号の記録が開始される(ステップS17)。
例えば、地上波デジタル放送のハイビジョン方式における平均ビットレートが20Mbps、番組の残りの放送時間が0.5時間、ハードディスク28の残りの空き容量が7.5GBの場合、必要な残りのデータ容量は、以下の(式2)により求めることができる。
残りのデータ容量〔GB〕=0.5〔時間〕×3600〔秒〕×20×106〔b/s〕/8〔b/B〕=4.5GB…(式2)
この場合、残りの空き容量(即ち、7.5GB)は、必要な残りのデータ容量(即ち、4.5GB)よりも大きいため、CPU40は、残りの空き容量が残りのデータ容量以上であると判断するとともに、信号選択部35は、ハイビジョン方式の信号を選択した状態を維持して、ハードディスク28へのハイビジョン方式の信号の記録が継続されることになる。
一方、ハードディスク28の残りの空き容量が3GBの場合、残りの空き容量(即ち、3GB)は、必要な残りのデータ容量(即ち、4.5GB)よりも小さいため、CPU40は、残りの空き容量が残りのデータ容量より小さいと判断するとともに、信号選択部35は、ワンセグ方式の信号を選択して、ハードディスク28へのワンセグ方式の信号の記録が開始されることになる。
次いで、CPU40は、タイマー36により計測されたトランスポート・ストリームの記録時間T1と番組の放送時間T2とを比較し、記録時間T1が放送時間T2以上か否か(即ち、記録時間T1が放送時間T2を越えたか否か)を判断する(ステップS18)。そして、記録時間T1が、放送時間T2より小さい(即ち、T1<T2)と判断した場合は、上述のステップS11〜ステップS17の作業が繰り返される。なお、このステップS11〜ステップS17の作業は、予め設定された周期(例えば、5秒周期)で繰り返される。一方、記録時間T1が放送時間T2以上(即ち、T1≧T2)と判断した場合は、ハードディスク28へのハイビジョン方式の信号の記録作業が終了する(ステップS19)。
また、CPU40は、上述のステップS10において、ハードディスク28へ記録されている信号がワンセグ方式の信号であると判断した場合は、CPU40は、信号選択部35が、ハードディスク28に記録される信号としてワンセグ方式の信号を選択した状態を維持するように、信号選択部35を制御するための制御信号を出力する。そして、信号選択部35は、ワンセグ方式の信号を選択した状態を維持し(ステップS20)、ハードディスク28へのワンセグ方式の信号の記録が継続される(ステップS21)。
また、上述のステップS17において、ハードディスク28へのワンセグ方式の信号の記録が開始された場合も、ハードディスク28へのワンセグ方式の信号の記録が継続される(ステップS21)。そして、CPU40は、上述のステップS18と同様に、タイマー36により計測されたトランスポート・ストリームの記録時間T1と番組の放送時間T2とを比較し、記録時間T1が放送時間T2以上か否か(即ち、記録時間T1が放送時間T2を越えたか否か)を判断する(ステップS22)。そして、記録時間T1が、放送時間T2より小さい(即ち、T1<T2)と判断した場合は、上述のステップS21の作業が繰り返される。一方、記録時間T1が放送時間T2以上(即ち、T1≧T2)と判断した場合は、ハードディスク28へのワンセグ方式の信号の記録作業が終了する(ステップS23)。
なお、記録した番組を再生する際には、ハードディスク28に記録したトランスポート・ストリームが、CPU40の指示により読み出されて、復号化処理部21へと出力され、その後、上述した処理が行われる。即ち、復号化処理部21は、ハードディスク28に記録されている、暗号化されたトランスポート・ストリームを復号し、復号化されたトランスポート・ストリームをデコード処理部22へと出力する。デコード処理部22は、上述のMPEG−2方式やH.264方式のデコードを行い、圧縮されたデータを、元の映像データと音声データに伸長する。デコードされたトランスポート・ストリームは、分離部25に入力され、当該分離部25において、ユーザーが指定したチャンネルの映像データ、音声データ、番組情報等に分離される。そして、分離された映像データは、映像処理部26へ出力されるとともに、当該映像処理部26は、映像データのD/A変換を行い、映像データを、VRAM30に一時的に記憶させるとともに、映像データに基づく映像をLCDディスプレイ31に表示させる。また、分離された音声データは、音声処理部27へ出力されるとともに、当該音声処理部27は、音声データのD/A変換が行われて増幅された後、音声データに基づく音声をスピーカ32にて鳴動させる。
以上に説明した本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)本実施形態のデジタル放送記録方法を使用するデジタル放送記録システム1は、デジタル方式の放送電波に含まれる信号を記録するための記録部であるハードディスク28と、ハードディスク28の空き容量を検出する空き容量検出部33と、所定の番組(即ち、ユーザーが記録を希望する番組)をハイビジョン方式の信号によりハードディスク28に記録するために必要なデータ容量を算出するデータ容量算出部34と、ハードディスク28に記録される信号として、ハイビジョン方式の信号、およびワンセグ方式の信号のいずれか一方を選択する信号選択部35とを備えている。そして、デジタル放送記録システム1は、空き容量とデータ容量を比較するとともに、比較の結果に基づいて、信号選択部35に、ハイビジョン方式の信号、およびワンセグ方式の信号のいずれか一方を選択させる制御部であるCPU40を備える構成としている。従って、空き容量の大きさに応じて、ハイビジョン方式の信号、およびワンセグ方式の信号のいずれか一方をハードディスク28に記録することができるため、ハードディスク28の空き容量が小さい場合であっても、記録ミスを生じることなく、所定の番組の全部をハードディスク28に記録することが可能になる。
(2)また、CPU40が、空き容量がデータ容量以上であると判断した場合は、信号選択部35に、ハイビジョン方式の信号を選択させ、空き容量がデータ容量より小さいと判断した場合は、信号選択部35に、ワンセグ方式の信号を選択させる構成としている。従って、空き容量がデータ容量以上の場合は、所定の番組の全部を、ワンセグ方式の信号が有する第2の帯域幅よりも広い第1の帯域幅を有するハイビジョン方式の信号により記録することができるため、高画質の画像で、所定の番組の全部をハードディスク28に記録することが可能になる。また、空き容量がデータ容量より小さい場合は、所定の番組を、MPEG−2方式より圧縮率が高いMPEG−4方式で圧縮された第2の映像信号を有するワンセグ方式の信号により記録するため、ハードディスク28の空き容量が小さい場合であっても、記録ミスを生じることなく、所定の番組の全部をハードディスク28に記録することが可能になる。
(3)また、ハードディスク28への信号の記録中に、空き容量検出部33は、ハードディスク28の残りの空き容量を検出するとともに、データ容量算出部34は、所定の番組の残りの部分をハイビジョン方式の信号で記録するために必要な残りのデータ容量を算出する構成としている。そして、CPU40は、残りの空き容量と残りのデータ容量を比較するとともに、比較の結果に基づいて、信号選択部35に、ハイビジョン方式の信号、およびワンセグ方式の信号のいずれか一方を選択させる構成としている。従って、ハードディスク28への信号の記録中に、残りの空き容量の大きさに応じて、ハイビジョン方式の信号、およびワンセグ方式の信号のいずれか一方をハードディスク28に記録することができるため、ハードディスク28への信号の記録中に、当該ハードディスク28の残りの空き容量が小さくなった場合であっても、記録ミスを生じることなく、所定の番組の残りの部分をハードディスク28に記録することが可能になる。
(4)また、CPU40は、残りの空き容量が残りのデータ容量以上であると判断した場合は、信号選択部35にハイビジョン方式の信号を選択させ、残りの空き容量が残りのデータ容量より小さいと判断した場合は、信号選択部35にワンセグ方式の信号を選択させる構成としている。従って、ハードディスク28への信号の記録中に、残りの空き容量が残りのデータ容量以上の場合は、所定の番組の残りの部分をワンセグ方式の信号が有する第2の帯域幅よりも広い第1の帯域幅を有するハイビジョン方式の信号により記録することができるため、高画質の画像で、所定の番組の残りの部分をハードディスク28に記録することが可能になる。また、残りの空き容量が残りのデータ容量より小さい場合は、所定の番組の残りの部分をMPEG−2方式より圧縮率が高いMPEG−4方式で圧縮されたワンセグ方式の信号により記録するため、ハードディスク28への信号の記録中に、ハードディスク28の残りの空き容量が小さくなった場合であっても、記録ミスを生じることなく、所定の番組の残りの部分をハードディスク28に記録することが可能になる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。図6は、本発明の第2の実施形態に係るデジタル放送記録方法を使用するデジタル放送記録システムの全体構成を示す概略図である。なお、上述の第1の実施形態と同一の構成については、同一の符号を示して、ここでは、詳しい説明を省略する。
本実施形態においては、上述の第1の実施形態において説明したデータ容量算出部34の代わりに、ハードディスク28の空き容量に関して、予め設定された閾値を記憶する記憶部46が設けられている。そして、空き容量検出部33により検出された空き容量と上述の閾値を比較するとともに、当該比較の結果に基づいて、CPU40が、信号選択部35に、ハイビジョン方式の信号、およびワンセグ方式の信号のいずれか一方を選択させる構成としている。以下、図面を参照して、本特徴を詳しく説明する。図7、図8は、本発明の第2の実施形態に係るデジタル放送記録方法を使用したデジタル放送記録システムにおけるデジタル放送信号の記録手順を示すフローチャートである。
本実施形態におけるデジタル放送記録システム1において、デジタル放送の記録を行う際には、まず、ユーザーによるキーボード41の入力操作により、ユーザーが希望する番組の記録を行う旨の指示が、CPU40に入力される(ステップS31)。次いで、CPU40は、デジタル放送信号の記録を開始する前に、空き容量検出部33を制御するための制御信号を出力し、空き容量検出部33が、ハードディスク28の空き容量を検出し、検出結果がCPU40に入力される(ステップS32)。また、チューナーモジュール2により暗号化された、ハイビジョン方式、およびワンセグ方式に対応するトランスポート・ストリームが、信号選択部35に入力される。
次いで、CPU40は、記憶部46に記憶された、予め設定された空き容量の閾値(以下、「閾値」という。)と、空き容量検出部33により検出された空き容量とを比較(即ち、空き容量が閾値以上か否かを判断)し(ステップS33)、比較結果に基づいて、信号選択部35が、ハードディスク28に記録される信号として、ハイビジョン方式の信号とワンセグ方式の信号のいずれか一方を選択するように、信号選択部35を制御する。なお、上述の閾値は、ハードディスク28の全容量に対して予め設定された所定の割合に基づいて決定される。例えば、ハードディスク28の全容量が100GBであって、上述の所定の割合が10%の場合、予め設定される空き容量の閾値は、100GB×0.1=10GBとなる。
そして、検出された空き容量が閾値以上であると判断した場合は、CPU40は、信号選択部35が、ハードディスク28に記録される信号として、ハイビジョン方式の信号を選択するように、信号選択部35を制御するための制御信号を出力する。そして、信号選択部35は、ハイビジョン方式の信号を選択し(ステップS34)、番組の記録開始時刻になると、ハードディスク28へのハイビジョン方式の信号の記録が開始される(ステップS35)。一方、検出された空き容量が閾値より小さいと判断した場合は、CPU40は、信号選択部35が、ハードディスク28に記録される信号として、ワンセグ方式の信号を選択するように、信号選択部35を制御するための制御信号を出力する。そして、信号選択部35は、ワンセグ方式の信号を選択し(ステップS36)、番組の記録開始時刻になると、ハードディスク28へのワンセグ方式の信号の記録が開始される(ステップS37)。
例えば、ハードディスク28の空き容量が20GB、閾値が10GBの場合、空き容量(即ち、20GB)は、閾値(即ち、10GB)よりも大きいため、CPU40は、空き容量が閾値以上であると判断するとともに、信号選択部35は、ハイビジョン方式の信号を選択して、ハードディスク28へのハイビジョン方式の信号の記録が開始されることになる。
一方、ハードディスク28の空き容量が9GBの場合、空き容量(即ち、9GB)は、閾値(即ち、10GB)よりも小さいため、CPU40は、空き容量が閾値より小さいと判断するとともに、信号選択部35は、ワンセグ方式の信号を選択して、ハードディスク28へのワンセグ方式の信号の記録が開始されることになる。
なお、上述のごとく、地上波デジタル放送のワンセグ方式における平均ビットレートの値は、最大で416kbpsと小さいため、検出された空き容量が閾値よりも小さくなった場合に、直ちにデータ容量の小さいワンセグ方式に切り替えることにより、所定の番組を記録した後のハードディスク28の空き容量を十分に確保することができる。従って、所定の番組以外に、記録を希望する他の番組がある場合に、所定の番組を記録した後のハードディスク28の空き容量の不足を回避することができるため、所定の番組と他の番組の双方を記録することが可能になる。
次いで、CPU40は、ハードディスク28へのトランスポート・ストリームの記録が開始されると、タイマー36を駆動し、トランスポート・ストリームの記録時間T1を計測するためのタイマー36をONの状態に切り替え、トランスポート・ストリームの記録時間T1の計測が開始される(ステップS38)。
次いで、CPU40は、ハードディスク28へ記録されている信号が、ハイビジョン方式の信号か否かを判断し(ステップS39)、ハイビジョン方式の信号であると判断した場合は、CPU40は、空き容量検出部33を制御するための制御信号を出力し、空き容量検出部33が、残りの空き容量を検出し、検出結果がCPU40に入力される(ステップS40)。
次いで、CPU40は、空き容量検出部33により検出された残りの空き容量と上述の予め設定された空き容量の閾値とを比較(即ち、残りの空き容量が閾値以上か否かを判断)し(ステップS41)、比較結果に基づいて、信号選択部35が、ハードディスク28に記録される信号として、ハイビジョン方式の信号とワンセグ方式の信号のいずれか一方を選択するように、信号選択部35を制御する。
より具体的には、残りの空き容量が閾値以上であると判断した場合は、CPU40は、信号選択部35が、ハードディスク28に記録される信号として、ハイビジョン方式の信号を選択した状態を維持するように、信号選択部35を制御するための制御信号を出力する。そして、信号選択部35は、ハイビジョン方式の信号を選択した状態を維持し(ステップS42)、ハードディスク28へのハイビジョン方式の信号の記録が継続される(ステップS43)。
一方、残りの空き容量が残りの閾値より小さいと判断した場合は、CPU40は、信号選択部35が、ハードディスク28に記録される信号として、ワンセグ方式の信号を選択するように、信号選択部35を制御するための制御信号を出力する。そして、信号選択部35は、ワンセグ方式の信号を選択し(ステップS44)、ハードディスク28へのワンセグ方式の信号の記録が開始される(ステップS45)。
例えば、ハードディスク28の残りの空き容量が12GB、予め設定された空き容量の閾値が10GBの場合、残りの空き容量(即ち、12GB)は、閾値(即ち、10GB)よりも大きいため、CPU40は、残りの空き容量が閾値以上であると判断するとともに、信号選択部35は、ハイビジョン方式の信号を選択した状態を維持して、ハードディスク28へのハイビジョン方式の信号の記録が継続されることになる。
一方、ハードディスク28の残りの空き容量が9GBの場合、残りの空き容量(即ち、3GB)は、閾値(即ち、10GB)よりも小さいため、CPU40は、残りの空き容量が閾値より小さいと判断するとともに、信号選択部35は、ワンセグ方式の信号を選択して、ハードディスク28へのワンセグ方式の信号の記録が開始されることになる。
なお、この場合も、検出された空き容量が閾値よりも小さくなった場合に、直ちにデータ容量の小さいワンセグ方式に切り替えることにより、所定の番組を記録した後のハードディスク28の空き容量を十分に確保することが可能になる。
次いで、CPU40は、タイマー36により計測されたトランスポート・ストリームの記録時間T1と番組の放送時間T2とを比較し、記録時間T1が放送時間T2以上か否か(即ち、記録時間T1が放送時間T2を越えたか否か)を判断する(ステップS46)。そして、記録時間T1が、放送時間T2より小さい(即ち、T1<T2)と判断した場合は、上述のステップS40〜ステップS45の作業が繰り返される。なお、このステップS40〜ステップS45の作業は、予め設定された周期(例えば、5秒周期)で繰り返される。一方、記録時間T1が放送時間T2以上(即ち、T1≧T2)と判断した場合は、ハードディスク28へのハイビジョン方式の信号の記録作業が終了する(ステップS47)。
また、CPU40は、上述のステップS39において、ハードディスク28へ記録されている信号がワンセグ方式の信号であると判断した場合は、CPU40は、信号選択部35が、ハードディスク28に記録される信号として、ワンセグ方式の信号を選択した状態を維持するように、信号選択部35を制御するための制御信号を出力する。そして、信号選択部35は、ワンセグ方式の信号を選択した状態を維持し(ステップS48)、ハードディスク28へのワンセグ方式の信号の記録が継続される(ステップS49)。
また、上述のステップS45において、ハードディスク28へのワンセグ方式の信号の記録が開始された場合も、ハードディスク28へのワンセグ方式の信号の記録が継続される(ステップS49)。そして、CPU40は、上述のステップS46と同様に、タイマー36により計測されたトランスポート・ストリームの記録時間T1と番組の放送時間T2とを比較し、記録時間T1が放送時間T2以上か否か(即ち、記録時間T1が放送時間T2を越えたか否か)を判断する(ステップS50)。そして、記録時間T1が、放送時間T2より小さい(即ち、T1<T2)と判断した場合は、上述のステップS21の作業が繰り返される。一方、記録時間T1が放送時間T2以上(即ち、T1≧T2)と判断した場合は、ハードディスク28へのワンセグ方式の信号の記録作業が終了する(ステップS51)。
なお、記録した番組を再生する際には、上述の第1の実施形態の場合と同様に、ハードディスク28に記録したトランスポート・ストリームが、CPU40の指示により読み出されて、復号化処理部21へと出力され、その後、上述した処理が行われる。
以上に説明した本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(5)本実施形態のデジタル放送記録方法を使用するデジタル放送記録システム1は、デジタル方式の放送電波に含まれる信号を記録するための記録部であるハードディスク28と、ハードディスク28の空き容量を検出する空き容量検出部33と、予め設定されたハードディスク28の空き容量の閾値を記憶する記憶部46と、ハードディスク28に記録される信号として、ハイビジョン方式の信号、およびワンセグ方式の信号のいずれか一方を選択する信号選択部35とを備えている。そして、デジタル放送記録システム1は、検出された空き容量と閾値を比較するとともに、比較の結果に基づいて、信号選択部35に、ハイビジョン方式の信号、およびワンセグ方式の信号のいずれか一方を選択させる制御部であるCPU40を備える構成としている。従って、空き容量の大きさに応じて、ハイビジョン方式の信号、およびワンセグ方式の信号のいずれか一方をハードディスク28に記録することができるため、ハードディスク28の空き容量が小さい場合であっても、記録ミスを生じることなく、所定の番組の全部をハードディスク28に記録することが可能になる。
(6)また、所定の番組以外に、記録を希望する他の番組がある場合に、所定の番組を記録後のハードディスク28の空き容量の不足を回避することができるため、所定の番組と他の番組の双方を記録することが可能になる。
(7)また、CPU40が、検出された空き容量が閾値以上であると判断した場合は、信号選択部35に、ハイビジョン方式の信号を選択させ、検出された空き容量が閾値より小さいと判断した場合は、信号選択部35に、ワンセグ方式の信号を選択させる構成としている。従って、検出された空き容量が閾値以上の場合は、所定の番組の全部を、ワンセグ方式の信号が有する第2の帯域幅よりも広い第1の帯域幅を有するハイビジョン方式の信号により記録することができるため、高画質の画像で、所定の番組の全部をハードディスク28に記録することが可能になる。また、検出された空き容量が閾値より小さい場合は、所定の番組を、MPEG−2方式より圧縮率が高いMPEG−4方式で圧縮された第2の映像信号を有するワンセグ方式の信号により記録するため、ハードディスク28の空き容量が小さい場合であっても、記録ミスを生じることなく、所定の番組の全部をハードディスク28に記録することが可能になる。
(8)また、ハードディスク28への信号の記録中に、空き容量検出部33は、ハードディスク28の残りの空き容量を検出する構成としている。そして、CPU40は、残りの空き容量と閾値を比較するとともに、比較の結果に基づいて、信号選択部35に、ハイビジョン方式の信号、およびワンセグ方式の信号のいずれか一方を選択させる構成としている。従って、ハードディスク28への信号の記録中に、残りの空き容量の大きさに応じて、ハイビジョン方式の信号、およびワンセグ方式の信号のいずれか一方をハードディスク28に記録することができるため、ハードディスク28への信号の記録中に、当該ハードディスク28の残りの空き容量が小さくなった場合であっても、記録ミスを生じることなく、所定の番組の残りの部分をハードディスク28に記録することが可能になる。
(9)また、CPU40は、残りの空き容量が閾値以上であると判断した場合は、信号選択部35にハイビジョン方式の信号を選択させ、残りの空き容量が閾値より小さいと判断した場合は、信号選択部35にワンセグ方式の信号を選択させる構成としている。従って、ハードディスク28への信号の記録中に、残りの空き容量が閾値容量以上の場合は、所定の番組の残りの部分をワンセグ方式の信号が有する第2の帯域幅よりも広い第1の帯域幅を有するハイビジョン方式の信号により記録することができるため、高画質の画像で、所定の番組の残りの部分をハードディスク28に記録することが可能になる。また、残りの空き容量が閾値より小さい場合は、所定の番組の残りの部分をMPEG−2方式より圧縮率が高いMPEG−4方式で圧縮されたワンセグ方式の信号により記録するため、ハードディスク28への信号の記録中に、ハードディスク28の残りの空き容量が小さくなった場合であっても、記録ミスを生じることなく、所定の番組の残りの部分をハードディスク28に記録することが可能になる。
なお、上記実施形態は以下のように変更しても良い。
上記実施形態においては、チューナー部5は、アンテナ4から入力されたデジタル放送信号において、ユーザーが視聴するチャンネルに対応するデジタル放送信号として、ハイビジョン方式の信号とワンセグ方式の信号の双方を選択する構成としたが、当該ハイビジョン方式の信号、またはワンセグ方式の信号のいずれか一方のみを選択する構成としても良い。この場合、例えば、ハイビジョン方式の信号を選択した場合は、当該ハイビジョン方式の信号が、チューナー部5から復調部6へと出力されて、復調、誤り符号訂正を行い、トランスポート・ストリームが生成され、生成したトランスポート・ストリームがデスクランブル処理部7へ出力される。そして、デスクランブル処理部7において、スクランブルが解除され、スクランブルが解除されたトランスポート・ストリームが、暗号化処理部9へと出力されるとともに、当該暗号化処理部9により、所定の方式により暗号化される。暗号化されたトランスポート・ストリームは、汎用のインターフェース10を介して、パソコン3へと伝送される。
次いで、復号化処理部21により、暗号化されたトランスポート・ストリームが復号され、復号化されたトランスポート・ストリームがデコード処理部22へ出力される。次いで、デコード処理部22が、ハイビジョン方式の信号に対して、デコードを行うとともに、圧縮されたデータを、元の映像データと音声データに伸長する。デコードされたトランスポート・ストリームは、分離部25に入力され、当該分離部25において、ユーザーが指定したチャンネルの映像データ、音声データ、番組情報等に分離される。そして、上述のステップS1〜ステップS2の作業が行われ、チューナーモジュール2により暗号化された、ハイビジョン方式に対応するトランスポート・ストリームが、信号選択部35に入力される。次いで、上述のステップS3〜ステップS8の作業が行われて、ハードディスク28へのハイビジョン方式の信号、またはワンセグ方式の信号の記録が開始される。
なお、ワンセグ方式の信号が選択され、記録される場合は、CPU40は、信号選択部35が、ハードディスク28に記録される信号として、ワンセグ方式の信号を選択するように、信号選択部35を制御するための制御信号を出力するとともに、チューナー部5が、アンテナ4から入力されたデジタル放送信号において、ユーザーが視聴するチャンネルに対応するデジタル放送信号として、ワンセグ方式の信号を選択するように、インターフェースコントローラ20、およびインターフェース10を介して、チューナーモジュール2のCPU11に制御信号を出力する。そして、チューナー部5は、CPU11の指示に従い、ユーザーが視聴するチャンネルに対応するデジタル放送信号として、ワンセグ方式の信号を選択する。
そして、チューナーモジュール2において、ワンセグ方式の信号に対して、上述の復調、誤り符号訂正、スクランブルの解除、暗号化が行われ、暗号化されたトランスポート・ストリームは、汎用のインターフェース10を介して、パソコン3へと伝送される。そして、暗号化された、ワンセグ方式に対応するトランスポート・ストリームが、信号選択部35に入力されるとともに、ハードディスク28へのワンセグ方式の信号の記録が開始されることになる。
そして、上述のステップS9〜ステップ17の作業が行われて、ハードディスク28へのハイビジョン方式の信号、またはワンセグ方式の信号の記録が行われる。なお、ステップ16,17において、ワンセグ方式の信号が選択され、ハードディスク28へのワンセグ方式の信号の記録が開始される場合も、CPU40は、信号選択部35が、ハードディスク28に記録される信号として、ワンセグ方式の信号を選択するように、信号選択部35を制御するための制御信号を出力するとともに、チューナー部5が、アンテナ4から入力されたデジタル放送信号において、ユーザーが視聴するチャンネルに対応するデジタル放送信号として、ワンセグ方式の信号を選択するように、チューナーモジュール2のCPU11に制御信号を出力する。そして、チューナー部5は、CPU11の指示に従い、ユーザーが視聴するチャンネルに対応するデジタル放送信号として、ワンセグ方式の信号を選択する。そして、チューナーモジュール2において、ワンセグ方式の信号に対して、上述の復調、誤り符号訂正、スクランブルの解除、暗号化が行われ、暗号化されたトランスポート・ストリームは、汎用のインターフェース10を介して、パソコン3へと伝送される。そして、暗号化された、ワンセグ方式に対応するトランスポート・ストリームが、信号選択部35に入力されるとともに、ハードディスク28へのワンセグ方式の信号の記録が開始されることになる。そして、上述のステップS18〜ステップ23の作業が行われて、ハードディスク28へのハイビジョン方式の信号、またはワンセグ方式の信号の記録作業が終了する。
また、番組のコマーシャルの間に、ハードディスク28に記録される信号として、ハイビジョン方式の信号とワンセグ方式の信号のいずれか一方を選択して記録を開始する構成としても良い。より具体的には、例えば、上述の第1の実施形態におけるデジタル放送記録システム1おいて、図9に示すように、パソコン3は、分離部25およびCPU40に接続され、所定の番組のコマーシャルを検出するコマーシャル検出部48を更に備えている。そして、分離部25に入力されるトランスポート・ストリームには、上述の映像データ、音声データ、および番組情報とともに、コマーシャル情報が含まれており、分離部25により、上述の映像データ、音声データ、および番組情報とともに分離されたコマーシャル情報が、コマーシャル検出部48へ出力される。そして、当該コマーシャル検出部48が、番組のコマーシャルを検出し、コマーシャルを検出している旨の信号が、コマーシャル検出部48からCPU40に出力される。そして、CPU40は、コマーシャル検出部48によりコマーシャルが検出されている間に、信号選択部35に、ハイビジョン方式の信号とワンセグ方式の信号のいずれか一方を選択するように、信号選択部35を制御する。例えば、CPU40が、空き容量がデータ容量より小さいと判断した場合は、当該CPU40は、信号選択部35が、ハードディスク28に記録される信号としてワンセグ方式の信号を選択するように、信号選択部35を制御するための制御信号を出力する。そして、信号選択部35は、ワンセグ方式の信号を選択し、番組のコマーシャルの間に、ハードディスク28へのワンセグ方式の信号の記録が開始される。
このような構成により、ハイビジョン方式の信号とワンセグ方式の信号の一方を選択して、ハードディスク28に記録される信号を切り替える際に、所定時間(例えば、10秒程度)を要する場合であっても、コマーシャルが検出されている間に、ハードディスク28に記録される信号を切り替えるので、ユーザーが記録を希望する番組の記録ミスが生じるという不都合を回避することができる。特に、チューナー部5において、デジタル放送信号として、ハイビジョン方式の信号、またはワンセグ方式の信号のいずれか一方のみを選択する構成においては、ハイビジョン方式の信号とワンセグ方式の信号の双方を選択する構成に比し、ハードディスク28に記録される信号を切り替える際に、時間を要するが、本構成により、ユーザーが記録を希望する番組の記録ミスが生じるという不都合を効果的に回避することができる。
なお、上述の第2の実施形態におけるデジタル放送記録システム1おいて、上述のコマーシャル検出部48を更に備える構成とした場合においても、同様の効果を得ることができる。この場合、CPU40が、検出された空き容量が閾値より小さいと判断した場合は、当該CPU40は、信号選択部35が、ハードディスク28に記録される信号としてワンセグ方式の信号を選択するように、信号選択部35を制御するための制御信号を出力する。そして、信号選択部35は、ワンセグ方式の信号を選択し、番組のコマーシャルの間に、ハードディスク28へのワンセグ方式の信号の記録が開始される。
また、ハードディスク28に記録される信号として、ハイビジョン方式の信号、およびワンセグ方式の信号が選択された旨をユーザーに報知する報知部を更に備える構成としても良い。より具体的には、例えば、上述の第1の実施形態におけるデジタル放送記録システム1おいて、図9に示すように、パソコン3は、CPU40に接続された報知部47を更に備えている。そして、例えば、CPU40が、空き容量がデータ容量より小さいと判断した場合に、信号選択部35が、ハードディスク28に記録される信号としてワンセグ方式の信号を選択するように、信号選択部35を制御するための制御信号を出力するとともに、報知部47が、ハードディスク28に記録される信号としてワンセグ方式の信号が選択された旨を報知するように、報知部47を制御するための制御信号を出力する。そして、報知部47が、ハードディスク28に記録される信号としてワンセグ方式の信号が選択された旨を、ユーザーに報知する構成となっている。
このような構成により、ユーザーが希望する方式(例えば、ハイビジョン方式)とは異なる方式(例えば、ワンセグ方式)により、番組の記録が開始された場合であっても、ユーザーにその旨を報知することが可能になる。
なお、報知部47としては、例えば、LEDや鳴動ブザーを使用することができる。また、報知部として、上述のLCDディスプレイ31を兼用する構成としても良い。この場合、CPU40は、LCDディスプレイ31の画面上にワンセグ方式の信号が選択された旨の表示をするための信号を発生し、当該信号がGUI処理部29を介して、映像処理部26に入力される。そして、映像処理部が、ワンセグ方式の信号が選択された旨をLCDディスプレイ31の画面上に表示し、ワンセグ方式の信号が選択された旨が報知される。また、上述の第2の実施形態におけるデジタル放送記録システム1おいて、上述の報知部47を更に備える構成とした場合においても、同様の効果を得ることができる。
また、上記実施形態においては、CPU40により、ハードディスク28に記録される信号として、ハイビジョン方式の信号、およびワンセグ方式の信号のいずれか一方を自動的に選択する構成としたが、ハイビジョン方式の信号、およびワンセグ方式の信号を手動で選択する構成としても良い。この場合、LCDディスプレイ31上に、ハードディスク28に記録される信号として、ハイビジョン方式の信号、およびワンセグ方式の信号のいずれか一方を選択するための画面が表示され、ユーザーによるキーボード41の入力操作により、ハードディスク28に記録される信号として、ハイビジョン方式の信号、およびワンセグ方式の信号のいずれか一方が手動により選択される。そして、ユーザーが希望する方式の信号で記録を行う旨の指示が、CPU40に入力され、CPU40は、信号選択部35が、ハードディスク28に記録される信号として、ユーザーが希望する方式の信号を選択するように、信号選択部35を制御するための制御信号を出力する。そして、信号選択部35は、ユーザーが希望する方式の信号を選択し、番組の記録開始時刻になると、ハードディスク28への信号の記録が開始される。
また、上記実施形態においては、デジタル放送記録システム1において、デジタル放送受信装置としてのチューナーモジュール2と、当該チューナーモジュール2に接続して使用されるデジタル放送記録装置としての電子機器であるパソコン3とを備える構成としたが、図10、図11に示すように、当該チューナーモジュール2をデジタル放送受信部として、デジタル放送記録装置であるパソコン3と一体的に構成しても良い。この場合、インターフェース10、インターフェースコントローラ20、およびCPU11が不要になり、デジタル放送記録装置の構成が簡素化される。なお、この場合、チューナー部5、復調部6、デスクランブル処理部7、ICカードインターフェース8、および暗号化処理部9の各部の制御は、CPU40により行われることになる。この場合も、上述の効果(1)〜(9)と同様の効果を得ることができる。また、図10、図11に示すデジタル放送記録装置であるパソコン3において、上述のコマーシャル検出部48や報知部47を備える構成としても良いことは、言うまでもない。
1…デジタル放送記録システム、2…チューナーモジュール(デジタル放送受信装置)、3…パソコン(デジタル放送記録装置)、20…インターフェースコントローラ、21…復号化処理部、22…デコード処理部、25…分離部、26…映像処理部、27…音声処理部、28…ハードディスク(記録部)、29…GUI処理部、31…LCDディスプレイ、32…スピーカ、33…空き容量検出部、34…データ容量算出部、35…信号選択部、36…タイマー、40…CPU(制御部)、41…キーボード、46…記憶部、47…報知部、48…コマーシャル検出部