図面を参照して、本実施形態の貨幣放出装置を説明する。図1は、この実施形態における貨幣放出装置の外観を示す図である。貨幣放出装置11は、操作、表示部12、貨幣処理部13、紙幣投入口14、硬貨投入口15、包装硬貨処理部16、および包装硬貨取り出し口17を備えている。この貨幣放出装置11は、主に利用者が投入した金銭を両替し、包装紙幣や包装硬貨を放出するものである。
操作、表示部12は、いわゆるタッチパネルからなり、貨幣放出装置11の正面に設置されており、利用者に利用方法等のガイダンスを表示し、利用者が取引内容の入力等を行うものである。
紙幣投入口14および硬貨投入口15は、利用者が両替を希望する貨幣や利用手数料を投入するための投入口であり、投入された貨幣は貨幣処理部13に収納される。
貨幣処理部13は、投入された貨幣を計数し、収納する。
包装硬貨処理部16は、払い出し(放出)を行う包装硬貨を収納、繰り出しする処理部である。包装硬貨処理部16が繰り出した包装硬貨は、包装硬貨取り出し口17から放出され、利用者が受け取ることができるようになっている。
貨幣処理部13、紙幣投入口14、および包装硬貨取り出し口17は、いずれも貨幣放出装置11の前面に設置され、利用者が貨幣を投入、取り出し易いようになっている。
図2は、包装硬貨処理部16の斜視図であり、図3は、包装硬貨処理部16の側面図である。包装硬貨処理部16は、バケット部21とトレイ部26に分かれて構成されており、バケット部21は前面側、トレイ部26は背面側に配置されている。トレイ部26は、複数の収納トレイ29を内部に格納しており、これら収納トレイ29は、上下方向(鉛直方向)に積み上げて配置されている。
各収納トレイ29には、棒状(円柱形状)に包装された包装硬貨24が装填される。1つの収納トレイ29には同一金種の包装硬貨24が装填される。収納トレイ29には、複数の包装硬貨24が横向きに並べられるように長尺形状となっている。トレイ部26の背面側は、扉状になっており、この背面側を開けることで、係員が各収納トレイ29を着脱することができるようになっている。各収納トレイ29の着脱は、トレイ定位置センサ39により検出する。
また、これら収納トレイ29は、背面から前面方向に向かって下向きに傾斜して格納されている。すなわち、バケット部21に対面する側が背面側より相対的に低くなっている。バケット部21に対面する側が低くなっているため、包装硬貨24が繰り出されると、収納トレイ29に装填されている包装硬貨24は、順にバケット部21側に寄っていくこととなる。
収納トレイ29のバケット部21に対面する側は、上向きに全面開口しており、下向きに一部が開口している(図5参照)。この一部開口した下面側から繰り出しアーム27が挿入され、包装硬貨24が押し出される。押し出された包装硬貨24は、バケット23に収納される。
箱形状のバケット23は、バケット部21に格納されており、ガイドレール31に沿って上下移動できるようになっている。バケット23は、昇降モータ25により上昇移動することができ、また、ガイドレール31に沿って重力により自由落下して下降することができる。
バケット23は、上面側が全面開口しており、最上部の位置では、この開口面が取り出し口シャッタ22と対向するようになる。取り出し口シャッタ22が開くと、バケット23の内部が露出し、利用者が包装硬貨24を取り出すことができる。この取出し口シャッタ22とバケット23により上記包装硬貨取り出し口17が構成される。抜き取り検知センサ34がバケット23内の包装硬貨の取り出しを検知すると、取り出し口シャッタ22が閉じられる。
図4を用いて包装硬貨の繰り出しについて説明する。図4は、包装硬貨を繰り出すときのバケット部21およびトレイ部26の拡大図である。繰り出しアーム27は、側面から見てT字型のハンマ形状であり、支点軸18を支点として回動する。繰り出しアーム27の先端部が収納トレイ29の下面側から挿入されることで、包装硬貨24が押し上げられ、収納トレイ29の上面側の開口部から繰り出しされる。
図3において、各収納トレイ29のバケット部21に対向する側には、媒体28が取り付けられている。図5にバケット23と収納トレイ29の拡大図を示す。媒体28は、収納トレイ29の側面の略中心付近に取り付けられている。この媒体28に並んで、収納トレイ29の側面には開口部19が設けられている。バケット23のトレイ対向側面にはセンサ部30が設けられており、センサ部30は、L側読み取りセンサ35、R側読み取りセンサ36、スリットセンサ37、および空検知センサ38からなる。各センサは反射波検出型のセンサからなる。バケット23が上下移動したとき、この開口部19に空検知センサ38が対向することで、収納トレイ29の包装硬貨の空を検知することができる。すなわち、包装硬貨からの反射波を検出することができれば収納トレイ29に包装硬貨が収納されており、反射波を検出することができなければ包装硬貨が空であると判断する。
媒体28は、2×2のマス目からなる正方形状の薄い板であり、各マス目は黒または白に着色される。このマス目の白黒パターンにより、各収納トレイ29に装填される金種を判別することができる。L側読み取りセンサ35は、収納トレイ29に向かって左側の媒体28の2つのマス目の白黒パターンを読み取る。R側読み取りセンサ36は、収納トレイ29に向かって右側の媒体28の2つのマス目の白黒パターンを読み取る。
また、各収納トレイ29とバケット部21との間には、スリットレール33が設けられており、スリットレール33には複数の検知溝が設けられている。これらの検知溝は、各収納トレイ29のバケット対向面と同じ高さに設けられており、バケット23が上下移動したときにスリットセンサ37が各検知溝を検知することで、収納トレイの高さにバケット23が位置している(センサの反射波を読み取る位置である)ことを検知することができる。
貨幣放出装置11は、出金時において、まず準備動作としてバケット23を初期位置である最上部から、最下部まで移動させる(自由落下させる)。この下降時に各収納トレイ29の媒体28のマス目パターンを読み取る。そして、出金指示された金額(包装硬貨の種類、数)に応じて、繰り出しを行う収納トレイ29、および繰り出しの数を決定する。その後、昇降モータ25を駆動させてバケット23を上昇させながら各収納トレイ29の位置で停止し、包装硬貨24を繰り出し、最上部まで上昇させて取り出し口シャッタ22を開ける。
なお、バケット23には、回転可能なローラ形状のロータリエンコーダ32が設置されている。このロータリエンコーダ32は、ガイドレール31に接触しているため、バケット23の上下移動に同期しながら信号を出力することができる。ロータリエンコーダ32の出力信号を同期信号とすることで、L側読み取りセンサ35、R側読み取りセンサ36、スリットセンサ37、および空検知センサ38の検知信号を同期することができる。
次に、図6は、包装硬貨処理部16の主要構成部を示すブロック図である。包装硬貨処理部16は、CPU41、バケット制御部42、繰り出しアーム制御部43、センサ制御部44、エンコーダ制御部45、取り出し口制御部46、ROM47、RAM48、および上位制御部49を備えている。
CPU41に、バケット制御部42、繰り出しアーム制御部43、センサ制御部44、エンコーダ制御部45、取り出し口制御部46、ROM47、RAM48、および上位制御部49が接続される。CPU41は、ROM47に記憶されたプログラムを読み出し、RAM48に展開することで各種処理を行う。
バケット制御部42は、CPU41の指示に応じてバケット23の上下移動を制御する。繰り出しアーム制御部43は、CPU41の指示に応じて繰り出しアーム27の移動を制御する。センサ制御部44は、主にトレイ定位置センサ39を制御する制御部であり、収納トレイ29の着脱状態を判断する。エンコーダ制御部45は、ロータリエンコーダ32の出力信号を検知し、各種センサの出力信号の同期をとる。取り出し口制御部46は、取り出し口シャッタ22を開閉する。上位制御部49は、上位側である貨幣放出装置11から出金指示を受け取る。CPU41は、上位制御部49から出金指示を受け取ると、バケット制御部42に、バケット23を初期位置である最上部から最下部まで移動させる(自由落下させる)。このとき、バケット23を停止させることなく各収納トレイ29の媒体28のマス目パターンを読み取る。図7に、バケット23を停止させることなく媒体28のマス目パターンを読み取る手法を示す。
図7は、媒体28のマス目パターンを読み取る手法を示す概念図である。同図(A)に示すように、バケット23が最上部から最下部まで自由落下するため、スリットセンサ37は、スリットレール33の検知溝を上方向から下方向に検知する。スリットセンサ37の出力信号は、センサ制御部44に入力される。スリットレール33の検知溝は、読み取り開始位置から読み取り終了位置の間に設けられているため、スリットセンサ37の信号レベルを検知することで読み取り開始位置(読み取り開始タイミング)および読み取り終了位置(読み取り終了タイミング)を検知することができる。
また、L側読み取りセンサ35およびR側読み取りセンサ36は、上方向から下方向に媒体28からの反射波を検出し、反射波のレベルに応じて信号を出力する。L側読み取りセンサ35およびR側読み取りセンサ36の出力信号は、センサ制御部44を介してCPU41に入力される。CPU41は、各センサの出力信号に基づいて白黒判定を行う。白黒の判定はどのような手法を用いてもよいが、例えば反射レベルL側読み取りセンサ35およびR側読み取りセンサ36の出力レベルが所定の閾値より高ければ白、閾値より低ければ黒と判定する。閾値は予め設定しておいてもよいし、使用状況に応じて変化させてもよい。使用状況に応じて変化させる場合、読み取り中の反射波の変化が大きく、白黒に変化が有ると判断した場合、読み取りした反射波の平均値を閾値とすればよい。
同図(B)に各センサの出力信号を同期した例を示す。なお、バケット23は自由落下して加速しながら移動するため、実際には各センサの出力タイミング(出力時間間隔)は均一ではないが、同図においては説明を容易にするために、各センサが等時間間隔で信号を出力する例を示す。
同図(B)の最上段の信号はスリットセンサ37の出力信号である。このスリットセンサ37の出力信号がHiとなった場合、読み取り開始位置に達した(読み取り開始タイミングである)と判断する。読み取り位置に達した場合、センサ制御部44は、L側読み取りセンサ35およびR側読み取りセンサ36の出力信号をCPU41へ出力する。また、エンコーダ制御部45は、ロータリエンコーダ32の信号をCPU41に出力する。
同図(C)は、ロータリエンコーダ32の拡大図である。エンコーダ板51は、ガイドレール31に接触し、バケット23の上下移動に応じて回転する。エンコーダ板51には等間隔でスリットが設けられており、各スリットをエンコーダセンサ52が検知する。このエンコーダセンサ52の出力信号がロータリエンコーダ32の信号としてCPU41に入力される。ロータリエンコーダ32の信号は、同図(B)の最下段(5段目)の信号である。
CPU41は、ロータリエンコーダ32の信号に基づいて同図(B)の4段目に示すデータ読み取りタイミング信号(同期信号)を生成する。この同期信号に合わせてL側読み取りセンサ35およびR側読み取りセンサ36の出力信号を検出する。なお、このときに空検知センサ38の出力信号も検出する。同期信号に合わせてL側読み取りセンサ35、R側読み取りセンサ36、および空検知センサ38の出力信号を検出するため、自由落下して加速しながら移動する場合であっても、全てのセンサの出力信号を同期して処理することができる。
スリットセンサ37の出力信号がLoとなった場合、読み取り終了位置に達した(読み取り終了タイミングである)と判断し、L側読み取りセンサ35およびR側読み取りセンサ36の読み取りを終了する。
CPU41は、図8に示すテーブルを参照し、L側読み取りセンサ35およびR側読み取りセンサ36の出力信号(白黒判定)から収納トレイ29に収納されている包装硬貨の金種を判定する。図8に示すように、2×2のマス目パターンにより、8種類の金種を割り当てる。なお、日本において金種は6種類であるため、100円、500円の包装硬貨は、それぞれ2パターン割り当てられている。なお、全白、全黒はL側とR側ともに白黒変化がないため、マス目パターンとして用いることがない。
ここで、図7に示したマス目パターンを用いて図8におけるテーブルを参照する。CPU41は、L側読み取りセンサ35においては、白から黒に変化したと判定し、R側読み取りセンサ36においては、白から変化がなかったと判定する。したがって、CPU41は、図8におけるテーブルのNo.1の金種である1円の包装硬貨がその収納トレイ29に収納されていると判断する。
次に、貨幣放出装置11の詳細な動作についてフローチャートを用いて説明する。図9は、取引全体の流れを示すフローチャートである。利用者が貨幣放出装置11の操作、表示部12を用いて両替を希望する金額、金種等の情報を入力する(s1)。利用者がこれらの情報を入力すると、上位制御部49から包装硬貨処理部16のCPU41に出金準備指示がされる。包装硬貨処理部16は、出金準備指示が入力されると出金準備動作を行う(s11)。出金準備動作について、図10(A)にフローチャートを示す。
包装硬貨処理部16は、バケット23を初期位置である最上部から、最下部まで移動させる(s21)。そして、各収納トレイ29に設置されている媒体28の情報を読み出し、図7および図8に示した手法で各収納トレイの金種を検出する(s22)。また、同時に各収納トレイ29の空状態を読み取る(s22)。各収納トレイ29の金種、空状態は、RAM48に一時記憶される。このRAM48に記憶される内容を図11に示す。図11は、CPU41が各収納トレイ29の金種、空状態を読み出し、RAM48に記憶する内容を示した図である。
同図に示すテーブルの左欄は各収納トレイ29の番号を示す。同図の例では、15個の収納トレイ29が装填される例を示しており、最も番号の小さい収納トレイ29が最上段、最も番号の大きい収納トレイ29が最下段に装填されている。
図12に、図11のテーブルを構築するときの包装硬貨処理部16の動作(s22の詳細な動作)を示す。包装硬貨処理部16は、各収納トレイ29の番号、金種を検出し、RAM48に記憶する(s41)。その後、その収納トレイ29が空状態であるか否かを判断し(s42)、空状態であれば空状態フラグをオンにする(s43)。これを各収納トレイにおいて繰り返し行い(s44,s45)、図11のテーブルを構築する。
図9のs1において、利用者が金額、金種等の情報を入力した後、利用者は紙幣投入口14、硬貨投入口15から両替の元金を投入する(s2)。また、同様に両替手数料を投入する(s3)。利用者が元金、両替手数料を投入すると、包装硬貨出金、放出動作として、上位制御部49から包装硬貨処理部16のCPU41に出金指示が入力される(s4)。出金指示には、利用者が入力した両替を希望する金額、金種等の情報が含まれる。包装硬貨処理部16は、出金指示に応じて出金、放出動作を行う(s12)。出金、放出動作によって包装硬貨取出口17に包装硬貨が放出され、ユーザがこれを受け取る(s5)。
図10(B)は、出金、放出動作(s12)の詳細を示したものである。まず、包装硬貨処理部16は、繰り出しトレイ位置を決定する(s31)。この繰り出しトレイ位置決定動作の詳細を図13に示す。
包装硬貨処理部16は、まず、出金指示に含まれている利用者が希望する金種および放出数について、RAM48に記憶されている内容と比較を行う。まず、最下段トレイから比較を行い、繰り出しを行う収納トレイの検索を行う(s51)。比較した結果、その収納トレイのトレイNo.について、装填されている金種と利用者が希望する金種と一致し、かつ、その収納トレイの空状態フラグがオフであるか否かを判断する(s52)。金種が一致し、かつ、空状態フラグがオフであれば、そのトレイNo.を繰り出しトレイとして決定する(s53)。そして、繰り出しトレイを決定した金種については、利用者が希望する金種について検索が終了したと仮定する(s54)。その後、利用者が希望する金種が全ての検索できたか否かを判断する(s55)。全ての金種が検索できていれば動作を終える。
一方、s52において装填されている金種と利用者が希望する金種と一致しない、もしくはその収納トレイの空状態フラグがオンであれば、またはs55において全ての本数分検索できていないと判断した場合、現在検索している収納トレイが最上段トレイ(図11の例ではNo.15)であるか否かを判断する(s56)。収納トレイが最終No.であれば、利用者が希望する全ての金種の検索ができていないとして操作、表示部12にエラー表示を行い(s57)、動作を終える。収納トレイが最終No.でなければ検索トレイを1つ上段に移動し(s58)、s52の判断から処理を繰り返す(s58→s52)。
図10において、包装硬貨処理部16は、このようにして決定された繰り出しトレイに基づいて、バケット23を下段から順に各収納トレイの位置に移動させ(s32)、包装硬貨を1本繰り出す(s33)。このとき、包装硬貨処理部16は、繰り出したトレイの金種、位置(トレイNo.)、および空状態を検出し、RAM48に記憶している内容を更新する(s34)。この処理においては、図14に示すように、その収納トレイが空状態になっているか否かを判断し(s61)、その収納トレイが空になっていれば空状態フラグをオンにする(s62)。
その後、包装硬貨処理部16は、その収納トレイにおいて決定した繰り出し本数を全て繰り出したか否かを判断する(s35)。全て繰り出していなければ、RAM48の記憶内容を参照し、その収納トレイが空になったか、すなわち空状態フラグがオンであるか否かを判断する(s36)。空状態フラグがオンであれば、再度s31の処理を繰り返し、繰り出しトレイ位置を再決定する(s36→s31)。なお、再度s31の処理を行う場合、そのときの収納トレイ位置から上段の収納トレイを検索し、下段には移動しないようにする。s36において、空状態フラグがオフであれば、s33の処理を繰り返し、包装硬貨を繰り出す(s36→s33)。
s35において、その収納トレイにおいて決定した繰り出し本数を全て繰り出したと判断した場合、さらに、利用者が希望した全本数を繰り出したか否かを判断する(s37)。全ての本数分繰り出していなければ、s32の処理を繰り返し、他の収納トレイに移動する(s37→s32)。全ての本数分繰り出していれば、バケット23を最上段まで移動させ、包装硬貨を放出する(s38)。
以上のようにして、貨幣放出装置11は、利用者に包装硬貨を放出する。上記の動作において、具体例として、例えば利用者が10000円の紙幣を投入し、100円の包装硬貨を1本、50円の包装硬貨を1本、10円の包装硬貨を2本、5円の包装硬貨を4本、1円の包装硬貨を10本、両替を希望した場合の動作を説明する。なお、各包装硬貨は、1本あたり50枚の硬貨が包装されている。
図13のs51において、まずトレイNo.15から検索を開始する。図11に示すRAM48の記憶内容を参照すると、トレイNo.15には、100円の包装硬貨が収納されている。したがって、s52において、繰り出し金種が一致し、かつ空状態フラグがオフであるため、このトレイNo.15を繰り出しトレイとして決定する(s53)。次に、トレイNo.14には、10円の包装硬貨が収納されているため、このトレイNo.14も繰り出しトレイとして決定する。また、トレイNo.13には、1円の包装硬貨が収納されているため、このトレイNo.13も繰り出しトレイとして決定する。トレイNo.12は、金種が一致しないため、繰り出しトレイとならない。また、トレイNo.11およびNo.10は、すでに繰り出しトレイを決定した1円の包装硬貨と100円の包装硬貨が収納されているトレイであるため、繰り出しトレイとならない。
次に、トレイNo.9は、利用者が希望する5円の包装硬貨が収納されているトレイであるが、空状態フラグがオンになっているため、繰り出しトレイとならない。同様に、トレイNo.8についても、利用者が希望する50円の包装硬貨が収納されているトレイであるが、空状態フラグがオンになっているため、繰り出しトレイとならない。
その結果、50円の包装硬貨は、空状態フラグがオフであるトレイNo.5が繰り出しトレイとして決定され、5円の包装硬貨は、空状態フラグがオフであるトレイNo.4が繰り出しトレイとして決定される。
このようにして繰り出しトレイが決定されると、バケット23がトレイNo.15の位置で停止し、100円の包装硬貨が1本繰り出しされ、次にトレイNo.14の位置で停止し、10円の包装硬貨が2本繰り出しされ、順に、トレイNo.13から1円の包装硬貨が10本、トレイNo.5から50円の包装硬貨が1本、トレイNo.4から5円の包装硬貨が4本繰り出しされる。
なお、各繰り出しトレイにおいて、1本繰り出しする毎にRAM48の記憶内容を更新し、空状態フラグのオン、オフを変更するため、もし、各繰り出しトレイにおいて包装硬貨が空になり、利用者の希望する本数が繰り出しできなかった場合、再度繰り出しトレイの検索を行い(図10のs36→s31)、その収納トレイよりも上段の収納トレイが繰り出しトレイとして検索される。
次に、本実施形態の応用例に係る包装硬貨処理部16の動作について説明する。なお、下記の応用例1および応用例2に係る包装硬貨処理部16は、上記実施形態の包装硬貨処理部16と全く同じ構成、機能を有する。そのため、包装硬貨処理部16の構成、機能についての説明を省略する。
図15は、応用例1に係る包装硬貨処理部16のRAM48の記憶内容を示す図であり、図16(A)は、応用例1に係る包装硬貨処理部16において図15のテーブルを構築するときの包装硬貨処理部16の動作を示すフローチャートであり、同図(B)は、応用例1においてRAM48の記憶内容を更新する動作を示すフローチャートである。また、図17は、応用例1に係る包装硬貨処理部16において繰り出しトレイ位置決定動作の詳細を示すフローチャートである。
なお、応用例1において、取引全体の流れの動作は、図9に示したフローチャートと共通であり、出金準備動作および出金、放出動作は、図10に示したフローチャートと共通である。
図15において、この応用例1に係る包装硬貨処理部16のRAM48の記憶内容は、図11に示したテーブルの内容に加えて、各トレイについて繰り出し済フラグが設定されている。繰り出し済フラグは、包装硬貨を繰り出したときに(図10のs33、およびs34の処理に)オンされ、収納トレイを係員が装填しなおしたとき、または収納トレイが空状態となったときにオフする。この応用例1において、繰り出し済フラグがオンされている収納トレイは優先的に繰り出しトレイとして選択され、各収納トレイの包装硬貨の残数がまばらとなることを防ぐ。
図16(A)において、図15に示したテーブルを構築するときの動作(図10のs22の詳細な動作)を説明する。まず、包装硬貨処理部16は、各収納トレイ29の番号、金種を検出し、RAM48に記憶する(s71)。その後、その収納トレイ29が空状態であるか否かを判断し(s72)、空状態であれば空状態フラグをオンにする(s73)。
空状態フラグをオンした場合、または収納トレイが空状態でなければ、RAM48に記憶している内容のうち、その収納トレイの金種を変更したか否かを判断する(s74)。金種を変更していれば繰り出し済フラグをオフする(s75)。金種を変更した場合、係員が収納トレイを取り出して新たな包装硬貨を補充したとみなし、繰り出ししていないとする。これらの処理を各収納トレイにおいて繰り返し行い(s76,s77)、図15のテーブルを構築する。
次に、図17において、応用例1に係る包装硬貨処理部16の繰り出しトレイ決定動作(図10のs31の詳細な動作)を説明する。包装硬貨処理部16は、複数の収納トレイ29のうち、最下段から順に検索し、繰り出し済のトレイを優先的に選択する。まず、最下段トレイから比較を行い、繰り出しを行う収納トレイの検索を行う(s81)。比較した結果、その収納トレイのトレイNo.について、装填されている金種と利用者が希望する金種と一致し、その収納トレイの空状態フラグがオフであり、かつ繰り出し済フラグがオンであるか否かを判断する(s82)。金種が一致し、空状態フラグがオフであり、繰り出し済フラグがオンであれば、そのトレイNo.を繰り出しトレイとして決定する(s83)。そして、繰り出しトレイを決定した金種については、利用者が希望する金種について検索が終了したと仮定する(s84)。その後、利用者が希望する金種が全ての検索できたか否かを判断する(s85)。全ての金種が検索できていれば動作を終える。
一方、s82において装填されている金種と利用者が希望する金種と一致しない、その収納トレイの空状態フラグがオンである、もしくは繰り出し済フラグがオフであれば、またはs85において全ての本数分検索できていないと判断した場合、現在検索している収納トレイが最終No.(図15の例ではNo.15)であるか否かを判断する(s86)。収納トレイが最終No.でなければ検索トレイを1つ上段に移動し(s87)、s82の判断から処理を繰り返す(s87→s82)。
収納トレイが最終No.であれば、もう一度、最下段トレイから比較を行い、繰り出しを行う収納トレイの検索を行う(s86→s88)。比較した結果、その収納トレイのトレイNo.について、装填されている金種と利用者が希望する金種と一致するか否かを判断する(s89)。ここでは繰り出し済フラグの判断を行わない。金種が一致し、空状態フラグがオフであれば、そのトレイNo.を繰り出しトレイとして決定する(s90)。s82〜s87の処理を最上段の収納トレイまで繰り返し、繰り出し済フラグが全てオフであった場合、目的の金種が未だ繰り出しされたことがないとして、s88、s89において再度、検索、比較を行うものである。
そして、繰り出しトレイを決定した金種については、利用者が希望する金種について検索が終了したと仮定する(s91)。その後、利用者が希望する金種が全ての検索できたか否かを判断する(s92)。全ての金種が検索できていれば動作を終える。
一方、s89において装填されている金種と利用者が希望する金種と一致しない、もしくはその収納トレイの空状態フラグがオンである、またはs92において全ての本数分検索できていないと判断した場合、現在検索している収納トレイが最終No.(図15の例ではNo.15)であるか否かを判断する(s93)。収納トレイが最終No.でなければ検索トレイを1つ上段に移動し(s94)、s89の判断から処理を繰り返す(s94→s89)。収納トレイが最終No.であれば、利用者が希望する全ての金種の検索ができていないとして操作、表示部12にエラー表示を行い(s95)、動作を終える。
図10において、包装硬貨処理部16は、このようにして決定された繰り出しトレイに基づいて、バケット23を下段から順に各収納トレイの位置に移動させ(s32)、包装硬貨を1本繰り出す(s33)。このとき、包装硬貨処理部16は、繰り出したトレイの金種、位置(トレイNo.)、および空状態を検出し、RAM48に記憶している内容を更新する(s34)。この処理においては、図16(B)に示すように、その収納トレイが空状態になっているか否かを判断し(s101)、その収納トレイが空になっていれば空状態フラグをオンにし、繰り出し済フラグをオフする(s102)。空状態でなければ1枚繰り出したとして、繰り出し済フラグをオンする(s103)。
その後、包装硬貨処理部16は、図10のs35以下の処理を行い、包装硬貨を放出する。
以上のようにして、応用例1に係る貨幣放出装置11は、利用者に包装硬貨を放出する。上記の動作において、具体例として、例えば利用者が10000円の紙幣を投入し、100円の包装硬貨を1本、50円の包装硬貨を1本、10円の包装硬貨を2本、5円の包装硬貨を4本、1円の包装硬貨を10本、両替を希望した場合の動作を説明する。
図17のs81において、まずトレイNo.15から検索を開始する。図15に示すRAM48の記憶内容を参照すると、トレイNo.15には、100円の包装硬貨が収納されており、繰り出し済フラグがオンされている。したがって、s82において、繰り出し金種が一致し、空状態フラグがオフであり、かつ、繰り出し済フラグがオンであるため、このトレイNo.15を繰り出しトレイとして決定する(s83)。
次に、トレイNo.14には、10円の包装硬貨が収納されているが、繰り出し済フラグがオフであるため、繰り出しトレイとならない。トレイNo.13は1円の包装硬貨が収納されているが、同様に繰り出し済フラグがオフであるため、繰り出しトレイとならない。トレイNo.12は、金種が一致しないため、繰り出しトレイとならない。トレイNo.11は、利用者が希望する1円の包装硬貨が収納されているが、上記同様に繰り出し済フラグがオフであるため、繰り出しトレイとならない。トレイNo.10は、既に繰り出しトレイを決定した100円の包装硬貨が収納されているトレイであるため、繰り出しトレイとならない。
次に、トレイNo.9は、利用者が希望する5円の包装硬貨が収納されているトレイであるが、空状態フラグがオンになっているため、繰り出しトレイとならない。トレイNo.8は、利用者が希望する50円の包装硬貨が収納されているトレイであり、空状態フラグがオフであり、かつ繰り出し済フラグがオンであるため、繰り出しトレイとして決定される。
トレイNo.7は、利用者が希望する10円の包装硬貨が収納されているトレイであるが、空状態フラグがオンになっているため、繰り出しトレイとならない。トレイNo.6は、利用者が希望する10円の包装硬貨が収納されているトレイであり、空状態フラグがオフであり、かつ繰り出し済フラグがオンであるため、繰り出しトレイとして決定される。
トレイNo.5は、既に繰り出しを決定した50円の包装硬貨が収納されているトレイであるため、繰り出しトレイとならない。トレイNo.4は、利用者が希望する5円の包装硬貨が収納されているトレイであり、空状態フラグがオフであり、かつ繰り出し済フラグがオンであるため、繰り出しトレイとして決定される。
トレイNo.3は、既に繰り出しを決定した100円の包装硬貨が収納されているトレイであるため、繰り出しトレイとならない。トレイNo.2は、利用者が希望する1円の包装硬貨が収納されているトレイであり、空状態フラグがオフであり、かつ繰り出し済フラグがオンであるため、繰り出しトレイとして決定される。トレイNo.1は、金種が一致しないため、繰り出しトレイとならない。
このようにして繰り出しトレイが決定されると、バケット23がトレイNo.15の位置で停止し、100円の包装硬貨が1本繰り出しされ、次にトレイNo.8の位置で停止し、50円の包装硬貨が1本繰り出しされ、順に、トレイNo.6から10円の包装硬貨が2本、トレイNo.4から5円の包装硬貨が4本、トレイNo.2から1円の包装硬貨が10本繰り出しされる。
なお、各繰り出しトレイにおいて、1本繰り出しする毎にRAM48の記憶内容を更新し、空状態フラグおよび繰り出し済フラグのオン、オフを変更するため、もし、各繰り出しトレイにおいて包装硬貨が空になり、利用者の希望する本数が繰り出しできなかった場合、再度繰り出しトレイの検索を行い、その収納トレイよりも上段の収納トレイが繰り出しトレイとして検索される。また、繰り出し済フラグが全てオフであれば、これらのうち最下段の収納トレイが繰り出しトレイとして検索される。集中的に繰り出し済トレイから繰り出しされるため、各収納トレイの包装硬貨の残数がまばらとなることを防ぎ、係員の補充性を向上することができる。
次に、図18は、応用例2に係る包装硬貨処理部16のRAM48の記憶内容を示す図であり、図19は、応用例2に係る包装硬貨処理部16において繰り出しトレイ位置決定動作の詳細を示すフローチャートである。
なお、応用例2においても、取引全体の流れの動作は、図9に示したフローチャートと共通であり、出金準備動作および出金、放出動作は、図10に示したフローチャートと共通である。
図18において、この応用例2に係る包装硬貨処理部16のRAM48の記憶内容は、図15に示したテーブルの繰り出し済フラグの欄にかえて、各トレイについて残本数が設定されている。残本数は、係員による補充操作が行われたときに装填可能最大数として設定される。トレイ定位置センサ39により各収納トレイ29の着脱を検出したとき、係員により補充操作が行われたとみなす。この応用例2において、各収納トレイの残本数を管理するため、利用者から両替希望が有ったときに、実際に繰り出しを行う前に、繰り出し可能か否かを判断することができる。したがって、速やかにエラー表示等を行うことができる。
図18に示したテーブルを構築するときの動作(図10のs22の詳細な動作)は、図12に示した動作と同様である。また、テーブル内容を更新する動作(s34)は、図14に示した動作と同様である。そのため、応用例2に係る包装硬貨処理部16のこれらの動作についての説明を省略する。
図19において、応用例2に係る包装硬貨処理部16の繰り出しトレイ決定動作(図10のs31の詳細な動作)を説明する。応用例2に係る包装硬貨処理部16は、複数の収納トレイ29のうち、最下段から順に検索し、利用者が希望する金種の本数に一致または近似する残本数を有する収納トレイを優先的に選択する。1つの収納トレイで全ての本数を繰り出しできないときは、複数の収納トレイを繰り出しトレイとして選択する。
まず、最下段トレイから比較を行い、繰り出しを行う収納トレイの検索を行う(s111)。比較した結果、その収納トレイのトレイNo.について、装填されている金種と利用者が希望する金種と一致し、その収納トレイの空状態フラグがオフであり、残本数が希望本数以上であり、かつ希望本数に最も近い残本数であるかを判断する(s112)。
金種が一致し、空状態フラグがオフであり、残本数が希望本数以上であり、最も近い本数であれば、そのトレイNo.を繰り出しトレイとして決定する(s113)。そして、繰り出しトレイを決定した金種については、利用者が希望する金種について検索が終了したと仮定する(s114)。その後、利用者が希望する金種が全ての検索できたか否かを判断する(s115)。全ての金種が検索できていれば動作を終える。
一方、s112において装填されている金種と利用者が希望する金種と一致しない、その収納トレイの空状態フラグがオンである、残本数が希望本数以上でない、もしくは最も近い残本数でない、またはs115において全ての本数分検索できていないと判断した場合、現在検索している収納トレイが最終No.(図18の例ではNo.15)であるか否かを判断する(s116)。収納トレイが最終No.でなければ検索トレイを1つ上段に移動し(s117)、s112の判断から処理を繰り返す(s117→s112)。
収納トレイが最終No.であれば、RAM48の記憶内容のうち、全てのトレイの残本数が、繰り出し希望数以上であるか否かを判断する(s118)。繰り出し希望数以上なければ、表示部12にエラー表示を行い(s119)、動作を終える。
繰り出し希望数以上あれば、もう一度、最下段トレイから比較を行い、繰り出しを行う収納トレイの検索を行う(s120)。比較した結果、その収納トレイのトレイNo.について、装填されている金種と利用者が希望する金種と一致し、空状態フラグがオフであり、希望本数に最も近い残本数であるかを判断する(s121)。ここでは、その収納トレイについて残本数が希望本数以上であるかの判断を行わない。金種が一致し、空状態フラグがオフであれば、そのトレイNo.を繰り出しトレイとして決定する(s122)。s112の処理において1つの収納トレイでは繰り出しできないと判断した場合、複数の収納トレイ全体で希望本数以上あれば、全体の目的の金種が未だ繰り出しされたことがないとして、s88、s89において再度、検索、比較を行うものである。
そして、繰り出しトレイを決定した金種については、利用者が希望する金種について検索が終了したと仮定する(s123)。その後、利用者が希望する金種が全ての検索できたか否かを判断する(s124)。全ての金種が検索できていれば動作を終える。
一方、s121において装填されている金種と利用者が希望する金種と一致しない、その収納トレイの空状態フラグがオンである、もしくは最も近い残本数でない、またはs124において全ての本数分検索できていないと判断した場合、現在検索している収納トレイが最終No.(図18の例ではNo.15)であるか否かを判断する(s125)。収納トレイが最終No.でなければ検索トレイを1つ上段に移動し(s126)、s112の判断から処理を繰り返す(s126→s120)。
収納トレイが最終No.であれば、表示部12にエラー表示を行い(s125→s119)、動作を終える。
以上のようにして、応用例2に係る貨幣放出装置11は、利用者に包装硬貨を放出する。なお、応用例2の貨幣放出装置11は、図14に示したテーブル更新動作において、繰り出した包装硬貨の数を減算するものとする。これにより、テーブルに記載されている残本数が更新される。
次に、上記の動作において、具体例として、例えば利用者が10000円の紙幣を投入し、100円の包装硬貨を1本、50円の包装硬貨を1本、10円の包装硬貨を2本、5円の包装硬貨を4本、1円の包装硬貨を10本、両替を希望した場合の動作を説明する。
図19のs111において、まずトレイNo.15から検索を開始する。図18に示すRAM48の記憶内容を参照すると、トレイNo.15には、100円の包装硬貨が収納されており、残本数が15である。このトレイNo.15が希望本数1本に最も近いため、このトレイNo.15を繰り出しトレイとして決定する(s113)。
次に、トレイNo.14には、10円の包装硬貨が収納されており、残本数は1本である。10円の包装硬貨の希望本数は2本であるため、s112の判断の条件を満たしていない。しかし、その後の処理(s121)において、希望本数に最も近いトレイである条件を満たすため、繰り出しトレイとして決定される(s122)。また、この時点で10円の包装硬貨の残りの希望本数は1本となり、再度検索されたときにはトレイNo.6が最も希望本数に近いトレイであるため、トレイNo.6も繰り出しトレイとして決定される(s123)。
同様に処理を続けていくと、50円の包装硬貨は希望本数1本に最も近い残本数であるトレイNo.5が繰り出しトレイとして決定される。また、5円の包装硬貨は、希望本数4本であるため、最も近い残本数であるトレイNo.9が繰り出しトレイとして決定され、この時点で希望本数の残りは1本となる。その後、最も近いトレイNo.4が繰り出しトレイとして決定される。同様に、1円の包装硬貨は、希望本数が10本であるため、最も近い残本数であるトレイNo.13が繰り出しトレイとして決定され、この時点で希望本数の残りは4本となる。次に最も近いトレイNo.11が繰り出しトレイとして決定される。
このようにして繰り出しトレイが決定されると、バケット23がトレイNo.15の位置で停止し、100円の包装硬貨が1本繰り出しされ、次にトレイNo.14の位置で停止し、10円の包装硬貨が1本繰り出しされ、順に、トレイNo.13から1円の包装硬貨が6本、トレイNo.11から1円の包装硬貨が4本、トレイNo.9から5円の包装硬貨が3本、トレイNo.6から10円の包装硬貨が1本、トレイNo.5から50円の包装硬貨が1本、トレイNo.4から5円の包装硬貨が1本繰り出しされる。
この応用例2においては、各収納トレイの残本数がテーブルに記載されているため、バケット23を移動させる前に、希望本数の包装硬貨を繰り出しできるか否かを判定することができる。そのため、無駄な繰り出し動作を行わなくてすむ。
なお、上記応用例1、応用例2の動作について、いずれかを選択できるようにしてもよい。図20は、貨幣放出装置11の操作、表示部12に表示される画面の一例である。この画面表示は、係員がメンテナンスを行ったときに表示される画面である。同図に示すように、係員操作メニューアイコン101、繰り出しトレイ選択方法設定アイコン102、補充優先設定ボタン103、出金速度優先ボタン104、および確認ボタン105が表示されている。係員が補充優先設定ボタン103を押し、確認ボタン105を押すと、包装硬貨処理部16は、上記応用例1の動作を行い、係員の補充性を向上する。出金速度優先ボタン104を押し、確認ボタン105を押すと、包装硬貨処理部16は、上記応用例2の動作を行い、出金速度を向上する。
なお、本実施形態において、最下段から検索を行う例を示したが、最上段から検索を行うようにしてもよい。