上記した従来の湯水加熱装置は、燃焼ガス通路と連通するようにドレン排出系統を設けた構成とされている。そのため、ドレンだけでなく、燃焼ガスまでもがドレン排出系統を介して排出されてしまう懸念がある。
ここで、湯水加熱装置が屋外に設置されるものである場合は、仮に燃焼ガス通路を介して燃焼ガスが外部に排出されることとなっても、大きな不具合はないものと想定される。しかし、湯水加熱装置を屋内設置型とする場合は、ドレン排出系統を介して燃焼ガスが排出されるような不具合は確実に防止せねばならないという問題があった。
そこで、本発明者らは、燃焼作動に伴って発生する燃焼ガスの漏洩を防止すべく、底面側で連通した流入槽と排出槽とを備えた貯留手段と、これに対して湯水または液体を補充可能な液補充手段とを有し、これにドレン等の液体を貯留することにより水封状態とすることが可能なものを備えた構成とすることを検討した。このような構成とした場合、燃焼作動時に燃焼ガス等の気体が貯留手段の流入槽に流入すると、これに伴って流入槽側の液面が低下すると共に排出槽側の液面が上昇して排出槽側から液体が排出されるものと想定される。
ここで、従来公知の湯水加熱装置では、燃焼状態が異常な状態(以下、異常燃焼状態とも称す)になると燃焼ガス通路を流れる排気部の逆風圧等が高くなることを利用し、風圧を検知するための風圧センサ等を設けたものがある。このような構成とした場合は、風圧センサ等を設ける分だけ湯水加熱装置の製造コストが高くなったり、装置構成が煩雑になってしまうという問題があった。
また、燃焼ガス通路は、燃焼ガスが通過する部分であるため、高温になる傾向にある部分である。そのため、燃焼ガス通路に風圧センサを設ける構成とした場合は、風圧センサが経年劣化や故障を起こしやすくなりかねないといった問題があった。
そこで、上記した問題点を解消すべく、本発明は、装置構成が簡素であり、異常燃焼状態であるか否かを的確に判断可能であって、故障等のおそれも低いドレン排出系統、中和装置、並びに、湯水加熱装置の提供を目的とした。
請求項1に記載の発明は、燃料を燃焼する燃焼手段と、当該燃焼手段における燃焼作動に伴って発生した燃焼ガスが流れる燃焼ガス通路と、当該燃焼ガス通路を流れる燃焼ガスとの熱交換により湯水または熱媒体を加熱可能な熱交換手段とを備えた湯水加熱装置において発生するドレンを排出するためのドレン排出系統であって、燃焼ガス通路に連通し、ドレンを貯留可能な貯留手段と、当該貯留手段に対して液体を補充可能な液補充手段とを有し、前記貯留手段が、ドレンの流入側に位置する流入側貯留部と、ドレンの排出側に位置する流出側貯留部と、前記流入側貯留部および流出側貯留部が連通した連通部と、貯留部内における液位を検知可能な液位検知手段とを有し、貯留手段に液面が所定の液位以上となるように液体を貯留することにより、前記連通部が貯留手段に貯留されている液体で封止され、燃焼ガスの通過を阻止可能な水封状態とすることが可能であり、前記液位検知手段によって検知される液位に基づき、液補充手段によって前記流入側貯留部および流出側貯留部の他方側の貯留部に対して液体を補充可能なものであり、前記燃焼手段が燃焼作動中である際の液面の位置と、燃焼手段が燃焼作動を開始する前の液面の位置との差が、所定の範囲を超えることを条件として燃焼手段の燃焼状態が異常であるものと判断可能であることを特徴とするドレン排出系統である。
本発明のドレン排出系統は、貯留手段が燃焼ガス通路に連通しているため、燃焼ガス通路を流れる燃焼ガスの風速や風量といったような燃焼ガスの発生状態の影響を受け、貯留手段に貯留されているドレン等の液面が変動する。また、この液面の変動量は、燃焼ガス通路を流れる燃焼ガスの発生状態を反映して変動する。かかる特性に基づき、本発明のドレン排出系統では、燃焼作動の開始前後における貯留手段内の液面の変動が所定の範囲を超えることを条件として燃焼状態が異常であるものと判断することとしている。そのため、本発明のドレン排出系統では、従来技術の湯水加熱装置におけるように圧力センサ等を別途設けることなく燃焼状態が異常であるか否かを検知することができる。従って、本発明のドレン排出系統によれば、構成が簡素でありながら、燃焼状態が異常であるか否かを的確に判断することができる。
また、本発明のドレン排出系統は、ドレン等が貯留されている貯留手段内における液面位置の変動を監視するものであるため、従来技術の圧力センサのように高温にさらされる位置にセンサ等の部材を設ける必要がない。そのため、本発明によれば、燃焼状態が異常であるか否かを的確に判断できるだけでなく、高温の燃焼ガスにさらされることによる故障等の不具合も少ないドレン排出系統を提供することができる。
請求項2に記載の発明は、燃焼手段の燃焼状態が正常である場合において、燃焼手段が燃焼作動中である際の液面の位置と、燃焼手段が燃焼作動を開始する前の液面の位置との差の最大値を最大変動幅と仮定した場合に、燃焼手段が燃焼作動中である場合の液面の位置と、燃焼手段が燃焼作動を開始する前の液面の位置との差が、前記最大変動幅を超えることを条件として燃焼手段の燃焼状態が異常であるものと判断可能であることを特徴とする請求項1に記載のドレン排出系統である。
かかる構成によれば、燃焼状態が異常であるか否かを的確に把握可能なドレン排出系統を提供することができる。
上記請求項2に記載のドレン排出系統は、最大変動幅が、燃焼部の燃焼作動に伴って発生する燃焼ガスの影響により貯留手段内の液面に作用する圧力の最大値と、燃焼部の燃焼作動を許容できる範囲内で最大の風速の逆風に湯水加熱装置がさらされることにより燃焼ガス通路内に流入する逆風の影響により貯留手段内の液面に作用する圧力の最大値とに基づいて設定されていることを特徴とするものであってもよい(請求項3)。
かかる構成によれば、燃焼状態が異常であるか否かをより一層的確に把握可能なドレン排出系統を提供することができる。
請求項4に記載の発明は、燃焼ガス通路側から貯留手段側に気体が流動することにより流入側貯留部に貯留されている液体に圧力が作用して流入側貯留部の液面が低下した状態において前記水封状態を維持可能な注水基準液位以上となるように、液補充手段によって貯留手段に液体が補充されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のドレン排出系統である。
かかる構成によれば、燃焼不良が起こって貯留手段内における液面が大幅に変動しても水封状態を確実に維持可能なドレン排出系統を提供することができる。
請求項5に記載の発明は、液位検知手段が流入側貯留部および流出側貯留部のいずれか一方に設けられており、当該液位検知手段によって検知される液位に基づき、液補充手段によって前記液位検知手段が設けられていない側の貯留部に対して液体を補充可能であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のドレン排出系統である。
また、同様の知見に基づいて提供される請求項6に記載の発明は、貯留手段が、流出側貯留部に対して連通したサブ貯留部を一又は複数有するものであり、液位検知手段が、流入側貯留部、流出側貯留部、並びに、サブ貯留部から選ばれる一の貯留部に設けられており、液補充手段が、前記液位検知手段によって検知される液位に基づき、液位検知手段が設けられた貯留部とは異なる貯留部に液体を補充可能なものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のドレン排出系統である。
上記請求項5や請求項6のような構成を採用した場合、液補充手段により液体を補充する際に液体がはねても、補充の際にはねた液体が液位検知手段に直接的に付着する可能性が低い。また、上記した構成を採用した場合、液補充手段により液体が補充される槽と液位検知手段が設置されている槽とが異なるため、液体の補充の際に液面が波打つ等しても、これによる液位の誤検知が起こりにくい。従って、上記請求項4や請求項5に記載の構成を採用すれば、貯留部に貯留されている液体の量を正確に把握し、水封状態を形成するのに適当な量となるように液体の補充量を調整可能なドレン排出系統を提供することができる。
また、上記請求項5や請求項6の構成を採用すれば、貯留手段への液体の補充時に液位検知手段が設置されている側の貯留部において液位が短時間で安定する。そのため、上記した構成によれば、液位の検知処理を短時間で終了させることができる。
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6のいずれかに記載のドレン排出系統を備えており、ドレンを中和して排出可能であることを特徴とする中和装置である。
本発明の中和装置は、上記したドレン排出系統の構成を備えたものである。そのため、本発明の中和装置によれば、貯留手段内の液面の変動に基づいて燃焼状態を的確に把握することができる。
請求項8に記載の発明は、燃料を燃焼する燃焼手段と、当該燃焼手段における燃焼作動に伴って発生した燃焼ガスが流れる燃焼ガス通路と、当該燃焼ガス通路を流れる燃焼ガスとの熱交換により湯水または熱媒体を加熱可能な熱交換手段と、請求項1〜6のいずれかに記載のドレン排出系統あるいは請求項7に記載の中和装置のいずれか一方または双方を備えていることを特徴とする湯水加熱装置である。
本発明の湯水加熱装置は、上記したドレン排出系統や中和装置のいずれか一方または双方を備えたものである。そのため、燃焼作動が異常であるか否かを的確に把握することができる。また、本発明の湯水加熱装置では、燃焼ガスの熱交換に伴って発生するドレンや、液補充手段によって補充された液体によって水封状態を形成し、燃焼ガスがドレン排出系統や中和装置を介して排出されるのを防止することができる。
請求項9に記載の発明は、ドレン排出系統あるいは中和装置が燃焼ガス通路に連通しており、前記ドレン排出系統あるいは中和装置の流入側貯留部と流出側貯留部とが連通部を介して連通しており、燃焼作動に伴って流入側貯留部あるいは流出側貯留部内の液面が最大限低下しても水封状態を維持できる液位以上の液位に達していることを条件として燃焼作動を実施可能であり、燃焼作動中に貯留手段内の液面が異常燃焼検出用に設定された液位を下回ることを条件として燃焼作動が禁止された状態になることを特徴とする請求項8に記載の湯水加熱装置である。
かかる構成によれば、燃焼手段における燃焼状態が異常であるか否かを的確に検知することができる。
請求項10に記載の発明は、流入側貯留部に液位を検知可能な液位検知手段が設けられており、燃焼状態が正常である場合において燃焼作動に伴って変動する液面の変動幅の最大値を正常時液面変動幅とした場合に、前記液位検知手段により検知される液位が、燃焼ガス通路側から貯留手段側に気体が流動することにより流入側貯留部に貯留されている液体に圧力が作用して流入側貯留部の液面が低下した状態において前記水封状態を維持可能な注水基準液位に対し、前記正常時液面変動幅以上下方側にずれた位置であることを条件として燃焼手段が燃焼禁止状態になることを特徴とする請求項8又は9に記載の湯水加熱装置である。
本発明の湯水加熱装置では、流入側貯留部内の液面を液位検知手段により検知する構成としている。また、本発明の湯水加熱装置では、流入側貯留部が燃焼ガス通路に対して連通しているため、燃焼手段が異常燃焼状態になると、流入側貯留部内の液面が過剰に低下する。すなわち、燃焼状態が異常燃焼状態になると、注水基準液位に対し、前記正常時液面変動幅以上下方側にずれた位置まで液面が低下することとなる。
かかる知見に基づき、本発明の湯水加熱装置では、流入側貯留部内の液面が注水基準液位に対し、前記正常時液面変動幅以上下方側にずれた位置であることを条件として燃焼手段を燃焼禁止状態とすることとしている。そのため、本発明の湯水加熱装置では、燃焼状態が異常である場合に燃焼作動が継続されるのを確実に防止することができる。
請求項11に記載の発明は、燃焼手段が燃焼作動を実施不可能な燃焼禁止状態となった後、貯留手段内の液面が注水基準液位に到達したことを条件として前記燃焼禁止状態が解除されることを特徴とする請求項10に記載の湯水加熱装置である。
かかる構成によれば、貯留手段が水封状態でない状況下で燃焼作動が実施されるのを確実に防止することができる。
本発明によれば、装置構成が簡素であり、異常燃焼状態であるか否かを的確に判断可能であって、故障等のおそれも低いドレン排出系統、中和装置、並びに、湯水加熱装置を提供することができる。
続いて、本発明の一実施形態にかかる給湯装置1(湯水加熱装置)について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下の説明では、上下左右の位置関係は、特に断りのない限り、通常の設置状態を基準として説明する。
給湯装置1は、燃焼部2(燃焼手段)と、一次熱交換器20と、二次熱交換器25とを備えた、いわゆる潜熱回収型の湯水加熱装置である。給湯装置1は、燃焼部2の下方に燃焼ケース3と、排気集合部5とを有する。これらにより、給湯装置1には、燃焼ケース3から排気集合部5を経て消音部6に至る、断面形状が略「U」字型となるように連通した空間が形成されている。また、燃焼部2の側方には、前述の消音部6が設けられており、燃焼ケース3の下方には中和装置7が設けられている。燃焼ケース3および消音部6は、それぞれ給湯装置1の底側に設けられた排気集合部5に連通している。
図1に示すように、燃焼部2は、空気ケース8や燃料噴霧ノズル10、送風機11、燃焼筒12等を備えている。燃焼部2は、いわゆる逆燃焼式の燃焼装置により構成されており、下方に向けて火炎を形成可能とされている。すなわち、燃焼部2は、送風機11を作動させることによって空気ケース8内に燃焼用の空気を導入すると共に、図示しない燃料供給源から供給されてきた液体燃料を燃料噴霧ノズル10から下方に向けて噴霧し、燃焼筒12内において燃焼できる構成とされている。
燃焼ケース3は、燃焼部2に対して下方側に位置しており、燃焼部2における燃焼動作に伴って発生する高温の燃焼ガスが流れる部分であり、排気集合部5や消音部6と組み合わさって一連の燃焼ガス通路4を形成している。燃焼ケース3の内部には、一次熱交換器20および二次熱交換器25が設けられている。一次熱交換器20は、燃焼部2を流れる燃焼ガスの流れ方向上流側、すなわち図示状態において上方側に位置している。一方、二次熱交換器25は、燃焼部2を流れる燃焼ガスの流れ方向下流側、すなわち図示状態において下方側に位置している。
一次熱交換器20の入水口(図示せず)と、二次熱交換器25の出水口(図示せず)との間は図示しない配管によって接続されている。また、一次熱交換器20の出水口20aには、カランや浴槽といったような湯水の供給先となる所(給湯先)に繋がる配管が接続されている。また、二次熱交換器25の入水口25aには、外部から加熱対象となる湯水を供給するための入水配管26が接続されている。そのため、給湯先において給湯要求があり、外部の給水源から入水配管26を介して湯水が供給されると、この湯水は二次熱交換器25の入水口25aに供給される。入水口25aに供給された湯水は、二次熱交換器25を流れた後、一次熱交換器20内を流れることによって順次熱交換加熱され、その後一次熱交換器20の出水口20aから給湯先に向けて供給される。
排気集合部5は、燃焼ケース3の下方に配置され、燃焼ケース3に直接連通した部分である。排気集合部5は、給湯装置1の底側において給湯装置1の幅方向(図1において左右方向)に伸びる内部空間を有する。また、排気集合部5は、燃焼ケース3の側方に配された消音部6とも連通している。そのため、排気集合部5は、燃焼ケース3を下方に向けて流れる燃焼ガスを流入させるとともに、当該燃焼ガスを消音部6に向けて流出させる部分として機能する。すなわち、排気集合部5は、下方に向けて流れる燃焼ガスの流れ方向を上方に向けて折り返すための部分として機能する。
排気集合部5の底部には、ドレン排出口27が設けられている。ドレン排出口27は、二次熱交換器25側から落下してくるドレンを排気集合部5の外部に排出するための排出口として機能する。
排気集合部5の下方には、中和装置7が配されており、ドレン排出口27から排出されるドレンを受容し、中和して排出可能とされている。すなわち、中和装置7は、給湯装置1において発生するドレンを排出するためのドレン排出系統としての機能と、ドレンを中和するための中和器としての機能とを兼ね備えたものである。図1に示すように、中和装置7は、ドレンを貯留可能な貯留容器30(貯留手段)と、貯留容器30に対して外部から湯水を補充可能な注水手段40(液補充手段)とを備えている。
貯留容器30は、大別して2つの槽に分類され、互いにドレンや湯水が行き来可能なように連通している。具体的には、貯留容器30は、流入槽31(流入側貯留部)と、排出槽32(流出側貯留部)とを有しており、両者の間が隔壁33によって隔てられている。また、排出槽32に隣接する位置には排出部34が設けられており、排出槽32の上方側の位置において両者が連通している。
流入槽31は、排気集合部5側から流れてくるドレンの流入側、すなわちドレンの流れ方向上流側に位置する槽である。本実施形態では、流入槽31は、排気集合部5のドレン排出口27に接続されている。排出槽32は、貯留容器30に流入したドレンの排出側、すなわち排気集合部5から、ドレン排出系統をなす中和装置7を通って排出されるドレンの流れを想定した場合に、流入槽31に対してドレンの流れ方向下流側に存在している槽である。本実施形態では、排出槽32は、流入槽31に対して隣接する位置に設けられている。
流入槽31と排出槽32との間に配された隔壁33は、貯留容器30の上方から下方に向けて伸びている。貯留容器30にドレンや湯水等の液体が貯留された状態において、隔壁33は、流入槽31および排出槽32の間において、両者の水面を隔離する。一方、貯留容器30は、隔壁33の下方側の位置(以下、連通部35とも称す)において流入槽31と排出槽32とが連通した状態となっている。すなわち、隔壁33は、貯留容器30の底面30aには到達しておらず、隔壁33の下端部と底面30aとの間には流入槽31と排出槽32との間でドレンや湯水の行き来を阻止するものは存在していない。
流入槽31には、グラウンド電極36と、液位を検知するための3本の水位電極37(以下、それぞれを37a,37b,37cとも称す)とが設けられている。グラウンド電極36および水位電極37a〜37cは、給湯装置1の動作を司るために設けられた制御装置50に電気的に接続されている。
グラウンド電極36および水位電極37aは、それぞれ流入槽31において、貯留容器30の天面30b側から底面30a側に向けて略垂下している。また、グラウンド電極36および水位電極37aは、それぞれ隔壁33の下端部分、換言すれば連通部35の上端部分に相当する位置よりも高さH(以下、最大変動幅Hとも称す)の分だけ上方に位置している。グラウンド電極36と水位電極37aとの間で導通があることが検知された場合は、流入槽31における液面が少なくとも水位電極37aの下端、すなわち連通部35の上端部に相当する位置よりも最大変動幅Hだけ上の位置にあり、連通部35がドレンや湯水で封止された状態(以下、この状態を水封状態とも称す)になっている。
ここで、上記した最大変動幅Hは、給湯装置1において燃焼部2が正常に燃焼作動することができる範囲(正常時液面変動幅)内において、排気集合部5を流れる燃焼ガス等の影響によって流入槽31の液面が低下する際の液面低下量の最大値に調整されている。具体的には、本実施形態の給湯装置1では、燃焼部2が最大燃焼量で燃焼作動する際に燃焼ガスが最も多く発生し、流入槽31内の液面に最も大きな圧力が作用するため、最大燃焼量で燃焼する際の液面低下量にあわせて最大変動幅Hが設定されている。なお、燃焼部2が最大燃焼量で燃焼する場合以外で流入槽31内の液面に最も大きな圧力が作用する場合は、この条件下において想定される液面低下量にあわせて最大変動幅Hが設定される。
また、燃焼部2の燃焼状態が異常である場合は、流入槽31内の液面に最大燃焼量で燃焼作動を行っている場合よりもさらに大きな圧力が作用し、流入槽31内の液面を大きく低下させることとなる。そこで、本実施形態では、燃焼部2が最大燃焼量で正常な燃焼作動を行っている場合における流入槽31内の液面低下量に基づいて最大変動幅Hが設定されている。そのため、燃焼部2が燃焼作動中であって、水位電極37aによってドレン等を検知できない場合は、燃焼部2における燃焼状態が異常燃焼である可能性がある。従って、水位電極37aによる検知結果は、燃焼部2における燃焼状態を判断するための基準として使用される。
また、水位電極37aによりドレン等の存在を検知できない状態である場合は、水封状態が解消された状態であり、燃焼ガスが中和装置7を介して漏洩してしまう可能性がある。そのため、本実施形態の給湯装置1は、水位電極37aによりドレン等の存在が確認されない場合は、制御装置50が燃焼部2の燃焼作動を停止させる構成とされている。従って、水位電極37aによる検知結果は、燃焼部2における燃焼作動の可否を判断するための基準としても使用される。
水位電極37bは、水位電極37aと略平行であり、貯留容器30の流入槽31において天面30b側から下方に向けて略垂下するように取り付けられた電極である。水位電極37bの下端部は、水位電極37aの下端部よりも高い位置(天面30b側の位置)、すなわち貯留容器30にドレン等が流入した際に液面が上昇する側の位置に存在している。水位電極37bは、正常な燃焼作動時に貯留容器30内において液面の変動があっても水封状態が解消されない程度の量のドレンが貯留されている場合に、燃焼停止状態において流入槽31内の液面が存在すると想定される位置に液面があるか否かを検知可能なように取り付けられている。
水位電極37cは、貯留容器30にあるドレン等がオーバーフローする程度の水位に達しているか否かを検知するために設けられている。水位電極37cは、上記した水位電極37a,37bと同様に、貯留容器30の天面30b側から下方に向けて略垂下するように取り付けられている。水位電極37cは、貯留容器30において排水異常が発生する等して排出口34aからではなく、天面30b側からドレン等が溢れ出す可能性があるか否かを検知するために設けられたものであり、その下端部は上記した水位電極37a,37bよりも高い位置(天面30b側の位置)にある。
排出槽32は、上記した流入槽31よりも容積が大きい。貯留容器30は、排出槽32側の底面に水抜き口38を有する。排水槽32内には、2つの仕切り32a,32bが設けられている。排出槽32内の空間は、仕切り32a,32bにより、流入槽31側の空間、排出部34側の空間、並びに、前記両空間の中間にある空間からなる3つの空間に分割されている。
仕切り32a,32bは、排出槽32内において上下方向に伸びるように設けられており、その下端部と貯留容器30の底面30aとの間には存在していない。そのため、仕切り32a,32bによって排出槽32内の空間を区切って形成された3つの空間は、それぞれ互いに連通した状態になっている。一方、図1や図2等に示すように仕切り32a,32bの上端部は、排出槽32と排出部34とを連通している開口39の下端部を通る水平面により規定されるオーバーフロー基準水位Lxよりもやや上方に突き出ている。すなわち、仕切り32a,32bの上端は、排出槽32側から排出部34側にドレンや湯水等の液体があふれ出す際の液面位置よりも僅かに上方に突き出した位置にある。
排出部34は、排出槽32の側方に付属した部分であり、排出槽32の上端側、すなわち貯留容器30の天面30b側に偏在した位置に設けられた開口39を介して排出槽32に連通している。排出部34の下部には、開口39を介して排出槽32からあふれ出してきたドレン等を排出するための排出口34aが設けられている。
ここで、上記した貯留容器30は、流入槽31および排出槽32の大きさ(内容積)や、ドレン等を排出槽32から排出部34側へ排出するための排出口として機能する開口39を設けた位置について、通常の燃焼状態で燃焼作動する際に流入槽31および排出槽32において想定される液面位置の変動を加味して調整されている。さらに具体的には、本実施形態の給湯装置1では、燃焼部2において燃焼作動を行うことにより発生する燃焼ガスが排気集合部5から貯留容器30の流入槽31に流入する。これに伴い、流入槽31内にあるドレン等の液面に圧力が作用し、流入槽31側の液面が低下する一方、排出槽32側の液面が上昇する。
そのため、例えば図2(a)に示すように燃焼作動の停止時にオーバーフロー基準水位Lxに液面が到達するまで注水することとした場合は、燃焼開始後に流入槽31内の液面低下に伴い、図2(b)に示すように排出槽32側のドレン等が開口39を介して排出部34側にオーバーフローし、排出されてしまうこととなる。従って、燃焼停止時に上記したオーバーフロー基準水位Lxまで注水を行うこととすると、オーバーフローしたドレン等を補充するために頻繁に注水を行わねばならないこととなってしまう。
そこで、本実施形態では、燃焼停止状態において排出槽32側の液面とオーバーフロー基準水位Lxに相当する位置に想定される水平面とで囲まれた空間の容積が、流入槽31において燃焼ガス等の流入に伴って液面低下が起こることによって流入槽31側から排出槽32側に押しやられるドレン等の容積以上となるように開口39の位置(高さ)や、注水手段40によって注水する際の水位を調整している。
すなわち、本実施形態では、燃焼作動時において流入槽31内の液面の低下量が最大である際の値(以下、最大液面低下量X1とも称す)を実験的あるいは所定の数式等に基づいて導出し、設定している。そして、この最大液面低下量X1分だけ液面が低下した際に連通部35を介して排出槽32側に押しやられるドレン等の容量や、排出槽32の断面積に基づき、最大液面低下量X1分だけ流入槽31側の液面低下が起こった際の排出槽32側の液面上昇量(以下、最大液面上昇量X2とも称す)を導出し、この値や最大液面低下量X1等に基づいて非燃焼状態である際に貯留しておくべきドレンの量や、排出槽32の開口39の位置を調整している。
本実施形態では、図2(c)に示すように、貯留容器30内に水封状態になる水位までドレン等が存在する状況下において、燃焼作動時に最大液面上昇量X2だけ排出槽32側の液面が上昇することにより液面が到達する位置以上の高さに排出口となる開口39を設けている。また、水封状態を維持できると共に、最大液面低下量X1だけ流入槽31側の液面が低下し、その後、燃焼停止しても補水動作を行わなくても良い量だけ貯留容器30内にドレン等が存在している場合に、燃焼停止状態において流入槽31内の液面が存在すると想定される位置(以下、注水基準水位Lcとも称す)にドレン等が存在しているか否かを検知可能な位置に水位電極37bが取り付けられている。
図1に示すように、注水手段40は、注水管路41と弁42とを備えた構成とされている。注水管路41は、上記した二次熱交換器25の入水口25aに接続されている入水配管26の途中で分岐された配管であり、外部から供給される湯水を貯留容器30に向けて供給することができる。注水管路41は、貯留容器30のうち排出槽32側の天面30bに接続されており、排出槽32側に注水できる構造とされている。また、弁42は、注水管路41の中途に設けられている。
上記した貯留容器30内には、ドレンを中和するための中和剤Cが収容されている。図1に示すように、本実施形態では、中和剤Cは、排出槽32全体に収容されている。
図1に示すように、消音部6は、四方を囲まれた、上下方向に連通した筒状の空間6bを有する。消音部6内の空間6bは、下端側において排気集合部5と連通している。また、消音部6は、上端側に排気口6cを有し、これを介して空間6bが外部雰囲気と連通している。
続いて、給湯装置1の動作について説明する。給湯装置1において、例えば入水配管26の中途であって、注水管路41の接続位置よりも下流側(熱交換器側)に備えられた流量センサ(図示せず)から制御装置50に流量検知信号が入力されることにより、燃焼部2が燃焼作動を開始する。燃焼部2における燃焼作動に伴って燃焼筒12内で発生した燃焼ガスは、燃焼ケース3内を下方に向けて流れる。その後、燃焼ガスは、給湯装置1の底側に設けられた排気集合部5内に流入する。
排気集合部5内に流入した燃焼ガスは、排気集合部5内を横方向、すなわち消音部6と接続されている側(図1において右方向)に向けて流れる。その後、燃焼ガスは、排気集合部5の上方に接続されている消音部6に向けて流れる。すなわち、燃焼部2で発生し、燃焼ケース3内を下方に向けて流れていた燃焼ガスは、排気集合部5においてその流れ方向を変換し、消音部6を上方に向けて流れた後、排気口6cから外部に排出される。
一方、入水配管26を介して外部から供給されてきた湯水は、二次熱交換器25の入水口25aを介して二次熱交換器25に流入する。二次熱交換器25に流入した湯水は、主として燃焼ガス中に含まれている潜熱を回収し、これにより加熱される。これに伴い、燃焼ガス中に含まれている水分が凝集され、二次熱交換器25の表面等においてドレンが発生する。
二次熱交換器25で加熱された湯水は、二次熱交換器25の出水口(図示せず)を出て一次熱交換器20の入水口(図示せず)から一次熱交換器20内に流入する。一次熱交換器20に流入した湯水は、燃焼部2での燃料の燃焼に伴って発生した燃焼ガスとの熱交換により加熱される。一次熱交換器20では、主として燃焼ガス中に含まれている顕熱が回収される。このようにして一次熱交換器20において加熱された湯水は、一次熱交換器20の出水口20aから流出し、給湯先となるカランや浴槽等に向けて供給される。
上記したように、給湯装置1では、二次熱交換器25における熱交換に伴ってドレンが発生する。ここで発生したドレンは、燃焼ケース3内を落下し、排気集合部5に集まる。その後、このドレンは、排気集合部5の底部に設けられたドレン排出口27を介して排気集合部5の下方に設けられた中和装置7の貯留容器30の流入槽31に流入する。流入槽31に流入したドレンは、貯留容器30内に収容されている中和剤によって中和される。
ここで、本実施形態の給湯装置1では、中和装置7を水封状態とすることにより燃焼ガスが中和装置7を介して漏洩するのを防止すると共に、中和装置7の貯留容器30に貯留されているドレンの液位の推移に基づいて燃焼部2における燃焼状態を把握し、燃焼作動の可否を判断している。以下、中和装置7の動作、並びに、中和装置7における水位と燃焼部2における燃焼作動との関係について図面を参照しながら詳細に説明する。
給湯装置1は、設置直後の初期段階や、水抜き口38を介して貯留容器30からドレンや湯水を排出した後において、貯留容器30内にドレンや湯水が存在していない状態になっている。このように貯留容器30内にドレンや湯水が全く存在しない状態では、流入槽31と排出槽32とを隔てる隔壁33の下方に存在する連通部35がドレンや湯水で封止された状態、すなわち水封状態になっていない。そのため、このような状態では、燃焼部2は、燃焼作動を禁止された状態となる。
また、貯留容器30内にドレンや湯水がごく僅かしか残っておらず、ドレン等の水位が水位電極37aの下端部を通る水平線(以下、判定基準水位Ljとも称す)に達していない場合もある。この場合は、貯留容器30内に全くドレンや湯水が存在しない場合と同様に連通部35が水封状態になっていない可能性が高い。そのため、この場合についても、燃焼部2は燃焼作動を禁止された状態となる。
上記したように、貯留容器30において連通部35が水封状態になっていない状態で燃焼作動を行うと、排気集合部5から貯留容器30内に流入した燃焼ガスが貯留容器30を通過し、ユーザーが予期せぬ位置から燃焼ガスが排出されることとなってしまう。そのため、この場合は、燃焼部2において燃焼作動を開始する前に注水手段40を作動させ、貯留容器30に湯水を補充する補充動作を行う。補充動作は、貯留容器30内のドレンの液面が上記した注水基準水位Lcに達するまで行われる。すなわち、補充動作は、水位電極37bとグラウンド電極36との間の導通が確認されるまで実施される。補充動作が完了すると、貯留容器30が水封状態になり、燃焼部2における燃焼作動が開始可能になる。
貯留容器30が水封状態である場合に、入水配管26を介して外部の給水源から湯水が供給されてくると、前述の流量センサの出力信号により給湯要求があったものと制御手段50が判断し、燃焼部2において燃焼作動が開始される。燃焼作動により発生した燃焼ガスは、燃焼ケース3内に配された一次熱交換器20や二次熱交換器25を通過した後、排気集合部5内を流れる。
ここで、上記したように燃焼作動に伴って排気集合部5内を燃焼ガスが通過すると、その一部がドレン排出口27を介してドレンと共に中和装置7を構成する貯留容器30の流入槽31に天面30b側から流入する。これに伴い、流入槽31内にあるドレン等の液面に圧力が作用する。そのため、燃焼作動中は、流入槽31内の液面が低下すると共に、排出槽32内の液面が上昇する。
また、燃焼部2における燃焼作動が異常な状態(異常燃焼状態)になると、流入槽31における液面低下量が通常の燃焼状態で想定される液面低下量以上となる。具体的には、燃焼部2における燃焼状態が異常燃焼状態になると、図2(d)に示すように流入槽31内の液面が注水基準水位Lcよりも低い位置にある判定基準水位Lj(異常燃焼検出用の液位)を下回る程度まで低下し、水位電極37aによりドレン等の存在が検知されない状態になる。そこで、制御装置50は、燃焼作動中に水位電極37aによりドレン等の存在が確認できない状態になったことを条件として燃焼部2における燃焼作動を停止させると共に、燃焼部2における燃焼作動を禁止する燃焼禁止状態とする。
上記したように、本実施形態の中和装置7では、燃焼停止時においてドレンを貯留可能な貯留容器30に液面が注水基準水位Lc以上となるようにドレン等の液体が溜まっていると連通部35が水封状態になり、流入槽31に流入した燃焼ガスが貯留容器30を通過して外部に排出されてしまうのを阻止できる。また、本実施形態の中和装置7では、注水手段40が設けられており、これにより貯留容器30に液体を補充することができる。そのため、本実施形態によれば、例えば給湯装置1の設置直後や貯留容器30から水抜きをした後のように貯留容器30内にドレン等が存在しない状態や、長期にわたって給湯装置1が使用されなかった等して貯留容器30内の水分が蒸発する等して貯留容器30に水封状態とするには十分なドレンが存在していない状態であっても、この状態で燃焼作動され、燃焼ガスが中和装置7を介して漏洩するといった不具合が起こるのを防止することができる。
また、上記したように、本実施形態では、排気集合部5側から貯留容器30側に燃焼ガスが流動してきて貯留容器30に溜まっている液体に圧力が作用することによって流入槽31における水位低下が起こっても、水封状態を維持可能なように注水手段40によって貯留容器30に液体が補充された状態となってから燃焼作動を行う構成とされている。そのため、本実施形態の給湯装置1では、燃焼ガスが流入槽31に流入してきて水面が低下したとしても確実に水封状態を維持でき、燃焼ガスの漏洩を防止することができる。
上記したように、本実施形態では、貯留容器30が燃焼ガス通路4に連通しているため、燃焼ガス通路4を流れる燃焼ガスの風速や風量といったような燃焼ガスの発生状態や消音部6からの逆風圧の影響を受け、貯留容器30の流入槽31に貯留されているドレン等の液面が変動することを利用して燃焼部2の燃焼状態が異常燃焼状態になっているか否かを判断することとしている。具体的には、燃焼作動中に流入槽31内の液位が判定基準水位Ljを下回るか否かで燃焼部2の燃焼状態が異常燃焼状態になっているか否かを判断することとしている。そのため、本実施形態の給湯装置1では、圧力センサ等を別途設けなくても燃焼部2における燃焼状態が異常であるか否かを検知することができる。
また、本実施形態では、貯留容器30に設置された水位電極37aを用いて貯留容器30における液面位置の変動を監視することにより燃焼状態を判断する構成を採用しており、従来技術の圧力センサのように高温にさらされる位置に異常燃焼を検知するためのセンサ等を設ける必要がない。そのため、本実施形態の給湯装置1では、燃焼不良を検知するための構成が高温の燃焼ガスにさらされることがなく、故障等の不具合が起こりにくい。
上記したように、本実施形態では、燃焼部2における燃焼状態が正常である場合の燃焼作動の開始前後における液面の変動幅(正常時液面変動幅)が最大変動幅H以下になることに着目し、これを超える液面位置の変動があるか否かにより燃焼部2の燃焼状態が異常であるか否かを判断する構成とされている。しかし、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば上記した正常時液面変動幅に加え、例えば液面の変動幅の誤差等のようなさらに他の要素を加味して最大変動幅Hを設定し、この変動幅を超えるか否かで異常燃焼状態であるか否かを判断することとしてもよい。
また、上記実施形態では、燃焼作動の前後における液面の変動幅に基づいて燃焼部2の燃焼状態を判断するものであったが、本発明はこれに限定されるものではなく、さらに液面位置の変化率や変化速度等を加味して燃焼状態を判断する構成としてもよい。
上記実施形態では、貯留容器30内に注水基準水位Lc以上の位置に液面が到達する程度のドレン等がある状態で燃焼動作が開始され、燃焼作動の開始後に貯留容器30内の液位が判定基準水位Ljよりも低くなることを条件として、注水基準水位Lcと判定基準水位Ljとの差以上の液面位置の変動があったものと判断している。すなわち、本実施形態では、注水基準水位Lcおよび判定基準水位Ljの2カ所を基準として液面の変動を検知する構成を採用している。しかし、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば圧力センサや光センサ等を用いて液面位置の変動を把握可能な構成とし、液面の変動幅を検知して燃焼状態の異常を検知する構成としてもよい。
上記した中和装置7では、水位を検知するための構成としてグラウンド電極36と水位電極37a〜37cとを組み合わせたものを採用した構成を示したが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、上記したように、グラウンド電極36と水位電極37との組み合わせ等の水位検知手段に代わって、圧力センサ、光センサ等を用いた構成としたり、従来公知のフロートセンサやボールタップ等を用いた構成としてもよい。
また、上記実施形態では、貯留容器30内の液面に作用する圧力変動を流入槽31側の液面の低下量に基づいて検知し、燃焼状態が異常であるか否かを検知するものであったが、本発明はこれに限定されるものではない。具体的には、例えば排出槽32に液位検知手段を設け、排出槽32側の液面の上昇量を検知し、これが所定の変動幅以上であることを条件として燃焼状態が異常である旨の判定をする構成としてもよい。
上記したように、本実施形態の給湯装置1では、燃焼部2の燃焼作動状態が異常であると検知された場合に燃焼部2が燃焼禁止状態になるため、燃焼状態が異常のまま燃焼作動が継続されるのを防止することができる。
上記実施形態では、流入槽31側にグラウンド電極36や水位電極37a〜37cを設け、排出槽32側に注水手段40の注水管路41を接続した構成であったが、これとは逆に流入槽31側に注水手段40の注水管路41を接続し、排出槽32側にグラウンド電極36や水位電極37a〜37cを設けた構成としてもよい。なお、上記したように注水管路41を貯留容器30の天面30b側に接続した構成とした場合は、貯留容器30への注水時に天面30b側から湯水(上水)が落下することとなる。この際、貯留容器30内でドレン等がはねたり、液面が波打ち、これが原因となって水位電極37a〜37cが水位を誤検知する可能性がある。そのため、このような不具合を防止するためには、上記したように流入槽31および排出槽32の一方側にグラウンド電極36や水位電極37a〜37cを設け、他方側に注水手段40の注水管路41を接続した構成とすることが望ましい。
上記した中和装置7は、流入槽31および排出槽32の2槽を備え、これらにドレンが貯留されるものであったが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば流入槽31と排出槽32との間にドレン等を貯留可能な別の槽(サブ貯留部)を設けたり、流入槽31に対してドレンの流れ方向上流側の位置や排出槽32に対してドレンの流れ方向下流側の位置に別の槽(サブ貯留部)を設けた構成としてもよい。また、このような構成とした場合についても、上記したのと同様に貯留容器30への注水時に貯留容器30内でドレン等がはねたり、液面が波打つことが原因となって水位を誤検知するのを防止すべく、流入槽31、排出槽32、並びに、一又は複数のサブ貯留部から選ばれる槽にグラウンド電極36や水位電極37a〜37cを設け、これとは別の槽に注水手段40の注水管路41を接続した構成とすることが望ましい。
上記実施形態では、ドレンや湯水を貯留することにより水封状態を形成可能な中和装置7によってドレンを外部に排出するための系統を構成した例を例示したが、これは本発明の一実施形態を示したものに過ぎず、中和装置7以外の部位において同様の構成を備えたドレン排出系統を形成したものや、当該ドレン排出系統と中和装置等とを組み合わせた構成であってもよい。また、上記実施形態では、中和装置7により構成されるドレン排出系統をいわゆる潜熱回収型の給湯装置1に適用した例を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、他のタイプの給湯装置や機器類に採用した構成としてもよい。
上記実施形態で示した給湯装置1は、いわゆる逆燃焼方式の燃焼部2を備えたものであったが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば従来公知の気化式の燃焼装置のように、液体燃料を気化したものを燃焼するタイプや、ガスを燃焼するタイプの燃焼装置等、いかなる燃焼形態を採用したものであってもよい。また、給湯装置1は、いわゆる一般給湯機能のみを備えたタイプのものに限らず、一般給湯機能に代えて風呂追い焚き機能、温水暖房機能を備えたものや、これらの機能を複数備えた複合機であってもよい。
上記した給湯装置1は、燃焼ガスが中和装置7を通過して排出されるといった不具合が起こらない。そのため、給湯装置1は、屋内にも好適に設置できる。