JP2008297923A - 内燃機関のノッキング判定装置、判定方法およびその方法をコンピュータで実現されるプログラムならびにそのプログラムを記録した記録媒体 - Google Patents

内燃機関のノッキング判定装置、判定方法およびその方法をコンピュータで実現されるプログラムならびにそのプログラムを記録した記録媒体 Download PDF

Info

Publication number
JP2008297923A
JP2008297923A JP2007142172A JP2007142172A JP2008297923A JP 2008297923 A JP2008297923 A JP 2008297923A JP 2007142172 A JP2007142172 A JP 2007142172A JP 2007142172 A JP2007142172 A JP 2007142172A JP 2008297923 A JP2008297923 A JP 2008297923A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
internal combustion
combustion engine
waveform
range
vibration
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2007142172A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4729536B2 (ja
Inventor
Shuhei Oe
修平 大江
Yasushi Ohara
康司 大原
Masato Kaneko
理人 金子
Kenji Kasashima
健司 笠島
Masatomo Yoshihara
正朝 吉原
Kenji Senda
健次 千田
Norihito Hanai
紀仁 花井
Yasuhiro Yamasako
靖広 山迫
Satoru Masuda
哲 枡田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Denso Corp
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp, Toyota Motor Corp filed Critical Denso Corp
Priority to JP2007142172A priority Critical patent/JP4729536B2/ja
Publication of JP2008297923A publication Critical patent/JP2008297923A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4729536B2 publication Critical patent/JP4729536B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

【課題】ノッキングが発生したか否かを精度よく判定することができる。
【解決手段】エンジンECUは、予め定められた範囲(1)におけるエンジンの振動波形とノック波形モデルとの相関係数Kaを算出するステップ(S110)と、相関係数Kaが予め定められた値(1)よりも大きいと(S112にてYES)、予め定められた範囲(2)における振動波形とノック波形モデルとの相関係数Kbを算出するステップ(S114)と、相関係数Kbに基づいてノッキングが発生しているか否かを判定するステップ(S122,S126)とを含む、プログラムを実行する。
【選択図】図10

Description

本発明は、内燃機関のノッキング判定装置に関し、特に、内燃機関の振動の波形に基づいてノッキングの有無を判定する技術に関する。
従来より、内燃機関において発生するノッキング(ノック)を検出する様々な方法が提案されている。たとえば、内燃機関の振動の強度がしきい値よりも高いとノッキングが発生したことを判定する技術がある。ところが、ノッキングが発生していなくても、たとえば吸気バルブや排気バルブが閉じる際に発生する振動などのノイズの強度がしきい値よりも高い場合がある。この場合、ノッキングが発生していないにもかかわらず、ノッキングが発生したと誤判定し得る。そこで、振動が発生するクランク角や減衰率など、強度以外の特性も考慮するために振動の波形に基づいてノッキングの有無を判定する技術が提案されている。
特開2006−177319号公報(特許文献1)は、ノッキングが発生したか否かを精度よく判定する内燃機関のノッキング判定装置を開示する。このノッキング判定装置は、第1の周波数帯における内燃機関の振動の強度を検出するための手段と、第1の周波数帯とは異なる第2の周波数帯における内燃機関の振動の強度を検出するための手段と、内燃機関のクランク角を検出するためのクランク角検出手段と、第1の周波数帯における振動の強度に基づいてクランク角についての予め定められた間隔における内燃機関の振動の波形を検出するための波形検出手段と、内燃機関の振動の波形を予め記憶するための記憶手段と、検出された波形と記憶された波形とを比較した結果および第2の周波数帯における振動の強度に基づいて内燃機関にノッキングが発生したか否かを判定するための判定手段とを含む。
上述した公報に開示されたノッキング判定装置によると、検出された波形が、ノッキングに起因する振動の波形として予め記憶されたノック波形モデルと比較され、ノッキングが発生したか否かが判定される。ノック波形モデルと検出された波形とは、第2の周波数帯における振動の強度が予め定められた値よりも小さいタイミングにおいて比較される。これにより、第2の周波数帯の振動によるノイズが少ないタイミングでノック波形モデルと検出された波形とを比較することができる。そのため、ノッキングが発生していないにも関わらず、ノッキングに起因しない振動によるノイズが多いためにノッキングが発生したと誤判定することを抑制することができる。また、ノッキングは発生しているにも関わらず、ノッキングが発生するタイミング(クランク角)とは異なるタイミングでノッキングに起因しない振動が発生したために、ノッキングが発生していないと誤判定することを抑制することができる。
特開2006−177319号公報
しかしながら、バルブ着座ノイズや直墳インジェクタノイズは、ノッキングと比較して短時間で減衰する。そのため、ノッキングの減衰期間に対応させてノック波形モデルを設定する場合においては、ノック波形モデルの減衰後半部においては、ノイズの減衰は終了している。そのため、上述した公報に開示されたノッキング判定装置のように、検出された波形とノック波形モデルとを比較したときに、減衰後半部においてはノイズの有無に関わらずノックモデルとの乖離が小さくなるため、検出された波形とノック波形モデルとの類似の度合が押し上げられる要因となる。その結果、ノッキングの発生について誤判定を招く可能性がある。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであって、その目的は、ノッキングが発生したか否かを精度よく判定することができる内燃機関のノッキング判定装置を提供することである。
第1の発明に係る内燃機関のノッキング判定装置は、内燃機関のノッキングを判定する。このノッキング判定装置は、内燃機関のクランク角を検出するための手段と、クランク角に対応させて、内燃機関の振動の強度を検出するための手段と、内燃機関の振動の強度に基づいてクランク角についての予め定められた間隔における振動の波形を検出するための手段と、クランク角の予め定められた第1の範囲における、検出された波形と内燃機関の振動の波形の基準として予め定められた波形モデルとの第1の類似の度合を算出するための第1の算出手段と、算出された第1の類似の度合が予め定められた第1の条件を満足すると、第1の範囲よりも広いクランク角の予め定められた第2の範囲における、検出された波形と波形モデルとの第2の類似の度合を算出するための第2の算出手段と、算出された第2の類似の度合が予め定められた第2の条件を満足すると、検出された波形の強度に基づいて内燃機関にノッキングが発生したか否かを判定するための判定手段とを含む。第12の発明に係る内燃機関のノッキング判定方法は、第1の発明に係る内燃機関のノッキング判定装置と同様の構成を有する。
第1の発明によると、クランク角の予め定められた第1の範囲(たとえば、振動のピーク値に対応するクランク角から予め定められた角度だけ進めたクランク角までの範囲)において、検出された波形と波形モデルとの類似の度合(たとえば、数値化された相関性)を算出する。たとえば、第1の範囲を波形モデルの一部の区間(たとえば、前半部または中間部)に設定するようにすると、算出された第1の類似の度合が予め定められた条件(たとえば、第1の類似の度合が予め定められた度合よりも大きいという条件)を満足した場合に、検出された波形と波形モデルとが部分的に類似することを判定することができる。すなわち、検出された振動がノッキングである可能性が高いことを判定することができる。さらに、第1の範囲よりも広い第2の範囲において、検出された波形と波形モデルとの第2の類似の度合を算出することにより、検出された波形と波形モデルとが全体的に類似するか否かを判定することができるため、より精度高くノッキングを判定することができる。したがって、ノッキングが発生したか否かを精度よく判定することができる内燃機関のノッキング判定装置および判定方法を提供することができる。
第2の発明に係る内燃機関のノッキング判定装置においては、第1の発明の構成に加えて、第1の範囲および第2の範囲は、検出された振動のピークに対応するクランク角を基準として始点および終点が定められる。第13の発明に係る内燃機関のノッキング判定方法は、第2の発明に係る内燃機関のノッキング判定装置と同様の構成を有する。
第2の発明によると、第1の範囲および第2の範囲は、検出された振動のピークに対応するクランク角を基準として始点および終点が定められる。これにより、検出された波形と波形モデルとにおける部分的な類似の度合および全体的な類似の度合に基づいて内燃機関にノッキングが発生したか否かをより精度よく判定することができる。
第3の発明に係る内燃機関のノッキング判定装置においては、第2の発明の構成に加えて、第1の範囲および第2の範囲のうちのいずれか一方は、検出された振動のピーク値に対応するクランク角を始点とする。第14の発明に係る内燃機関のノッキング判定方法は、第3の発明に係る内燃機関のノッキング判定装置と同様の構成を有する。
第3の発明によると、第1の範囲または第2の範囲が検出された振動のピーク値に対応するクランク角を始点とすることにより、検出された波形と波形モデルとにおける部分的な類似の度合および全体的な類似の度合に基づいて内燃機関にノッキングが発生したか否かをより精度よく判定することができる。
第4の発明に係る内燃機関のノッキング判定装置においては、第2の発明の構成に加えて、第1の範囲および第2の範囲のうちのいずれか一方は、検出された振動のピーク値に対応するクランク角から予め定められた角度だけ離隔したクランク角を始点とする。第15の発明に係る内燃機関のノッキング判定方法は、第4の発明に係る内燃機関のノッキング判定装置と同様の構成を有する。
第4の発明によると、第1の範囲または第2の範囲が検出された振動のピーク値に対応するクランク角から予め定められた角度だけ離隔した(たとえば、予め定められた角度だけ進めた)クランク角を始点とすることにより、検出された波形と波形モデルとにおける部分的な類似の度合および全体的な類似の度合に基づいて内燃機関にノッキングが発生したか否かをより精度よく判定することができる。
第5の発明に係る内燃機関のノッキング判定装置においては、第2の発明の構成に加えて、第1の範囲は、第2の範囲内において検出された複数のピークをそれぞれ始点として定められる複数の区間を有する範囲である。第16の発明に係る内燃機関のノッキング判定方法は、第5の発明に係る内燃機関のノッキング判定装置と同様の構成を有する。
第5の発明によると、第1の範囲は、第2の範囲内において検出された複数のピークをそれぞれ始点として定められる複数の区間を有する範囲であるため、複数のピークにおいて、波形モデルと比較することにより、ピーク毎にノイズであるかノッキングであるかの判定をすることができる。そのため、内燃機関のノッキングが発生したか否かを精度よく判定することができる。
第6の発明に係る内燃機関のノッキング判定装置においては、第1〜5のいずれかの発明の構成に加えて、第1の条件は、第1の類似の度合が予め定められた度合よりも大きいという条件である。第17の発明に係る内燃機関のノッキング判定方法は、第6の発明に係る内燃機関のノッキング判定装置と同様の構成を有する。
第6の発明によると、第1の類似の度合が予め定められた度合よりも大きいという条件を満足すると、検出された振動が波形モデルとの類似の度合が高い、すなわち、ノッキングに対応する振動である可能性が高いことを判定することができる。
第7の発明に係る内燃機関のノッキング判定装置においては、第1〜6のいずれかの発明の構成に加えて、第2の条件は、第2の類似の度合が予め定められた度合よりも大きいという条件である。第18の発明に係る内燃機関のノッキング判定方法は、第7の発明に係る内燃機関のノッキング判定装置と同様の構成を有する。
第7の発明によると、第2の類似の度合が予め定められた度合よりも大きいという条件を満足すると、検出された波形と波形モデルとにおける部分的な類似の度合および全体的な類似の度合が高いことを判定することができるため、検出された振動がノッキングであることを精度高く判定することができる。
第8の発明に係る内燃機関のノッキング判定装置においては、第7の発明の構成に加えて、第1の条件における予め定められた度合と第2の条件における予め定められた度合とは、同じ度合である。第19の発明に係る内燃機関のノッキング判定方法は、第8の発明に係る内燃機関のノッキング判定装置と同様の構成を有する。
第8の発明によると、第1の条件における予め定められた度合と第2の条件における予め定められた度合とを同じ度合としても、検出された波形と波形モデルとにおける部分的な類似の度合および全体的な類似の度合が高いか否かを判定することができるため、検出された振動がノッキングであるか否かを精度高く判定することができる。
第9の発明に係る内燃機関のノッキング判定装置においては、第1〜8のいずれかの発明の構成に加えて、第1の算出手段は、第1の範囲における、検出された波形と波形モデルとの数値化された相関性を算出するための手段を含む。第20の発明に係る内燃機関のノッキング判定方法は、第9の発明に係る内燃機関のノッキング判定装置と同様の構成を有する。
第9の発明によると、検出された波形と波形モデルとの数値化された相関性を算出することにより、類似の度合を数値的に算出して、検出された波形と波形モデルとにおける部分的な類似の度合が高いか否かを判定することができる。
第10の発明に係る内燃機関のノッキング判定装置においては、第1〜9のいずれかの発明の構成に加えて、第2の算出手段は、第2の範囲における、検出された波形と波形モデルとの数値化された相関性を算出するための手段を含む。第21の発明に係る内燃機関のノッキング判定方法は、第10の発明に係る内燃機関のノッキング判定装置と同様の構成を有する。
第10の発明によると、検出された波形と波形モデルとの数値化された相関性を算出することにより、類似の度合を数値的に算出して、検出された波形と波形モデルとにおける全体的な類似の度合が高いか否かを判定することができる。
第11の発明に係る内燃機関のノッキング判定装置においては、第1〜10のいずれかの発明の構成に加えて、判定手段は、第1の条件および第2の条件のうちのいずれかが満足しないと、内燃機関にノッキングが発生していないことを判定するための手段を含む。第22の発明に係る内燃機関のノッキング判定方法は、第11の発明に係る内燃機関のノッキング判定装置と同様の構成を有する。
第11の発明によると、第1の条件および第2の条件のうちのいずれかが満足しないと、検出された波形と波形モデルとにおける部分的な類似の度合および全体的な類似の度合が低いことを判定することができる。そのため、内燃機関にノッキングが発生していないことを精度よく判定することができる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰返さない。
図1を参照して、本発明の実施の形態に係るノッキング判定装置を搭載した車両のエンジン100について説明する。このエンジン100には複数の気筒が設けられる。本実施の形態に係るノッキング判定装置は、たとえばエンジンECU(Electronic Control Unit)200が実行するプログラムにより実現される。
エンジン100は、エアクリーナ102から吸入された空気とインジェクタ104から噴射される燃料との混合気を、燃焼室内で点火プラグ106により点火して燃焼させる内燃機関である。点火時期は、出力トルクが最大になるMBT(Minimum advance for Best Torque)になるように制御されるが、ノッキングが発生した場合など、エンジン100の運転状態に応じて遅角されたり、進角されたりする。
混合気が燃焼すると、燃焼圧によりピストン108が押し下げられ、クランクシャフト110が回転する。燃焼後の混合気(排気ガス)は、三元触媒112により浄化された後、車外に排出される。エンジン100に吸入される空気の量は、スロットルバルブ114により調整される。
エンジン100は、エンジンECU200により制御される。エンジンECU200には、ノックセンサ300と、水温センサ302と、タイミングロータ304に対向して設けられたクランクポジションセンサ306と、スロットル開度センサ308と、車速センサ310と、イグニッションスイッチ312と、エアフローメータ314とが接続されている。
ノックセンサ300は、エンジン100のシリンダブロックに設けられる。ノックセンサ300は、圧電素子により構成されている。ノックセンサ300は、エンジン100の振動により電圧を発生する。電圧の大きさは、振動の大きさと対応した大きさとなる。ノックセンサ300は、電圧を表わす信号をエンジンECU200に送信する。水温センサ302は、エンジン100のウォータージャケット内の冷却水の温度を検出し、検出結果を表わす信号を、エンジンECU200に送信する。
タイミングロータ304は、クランクシャフト110に設けられており、クランクシャフト110と共に回転する。タイミングロータ304の外周には、予め定められた間隔で複数の突起が設けられている。クランクポジションセンサ306は、タイミングロータ304の突起に対向して設けられている。タイミングロータ304が回転すると、タイミングロータ304の突起と、クランクポジションセンサ306とのエアギャップが変化するため、クランクポジションセンサ306のコイル部を通過する磁束が増減し、コイル部に起電力が発生する。クランクポジションセンサ306は、起電力を表わす信号を、エンジンECU200に送信する。エンジンECU200は、クランクポジションセンサ306から送信された信号に基づいてクランク角およびクランクシャフト110の回転数を検出する。
スロットル開度センサ308は、スロットル開度を検出し、検出結果を表わす信号をエンジンECU200に送信する。車速センサ310は、車輪(図示せず)の回転数を検出し、検出結果を表わす信号をエンジンECU200に送信する。エンジンECU200は、車輪の回転数から、車速を算出する。イグニッションスイッチ312は、エンジン100を始動させる際に、運転者によりオン操作される。エアフローメータ314は、エンジン100に吸入される空気量を検出し、検出結果を表わす信号をエンジンECU200に送信する。
エンジンECU200は、電源である補機バッテリ320から供給された電力により作動する。エンジンECU200は、各センサおよびイグニッションスイッチ312から送信された信号、ROM(Read Only Memory)202に記憶されたマップおよびプログラムに基づいて演算処理を行ない、エンジン100が所望の運転状態となるように、機器類を制御する。
本実施の形態において、エンジンECU200は、ノックセンサ300から送信された信号およびクランク角に基づいて予め定められたノック検出ゲート(予め定められた第1クランク角から予め定められた第2クランク角までの区間)におけるエンジン100の振動の波形(以下、振動波形と記載する)を検出し、検出された振動波形に基づいてエンジン100にノッキングが発生したか否かを判定する。本実施の形態におけるノック検出ゲートは、燃焼行程において上死点(0度)から90度までである。なお、ノック検出ゲートはこれに限らない。
ノッキングが発生した場合、エンジン100には、図2において実線で示す周波数付近の周波数の振動が発生する。ノッキングに起因して発生する振動の周波数は一定ではなく、所定の帯域幅を有する。そのため、本実施の形態においては、図2に示すように、第1の周波数帯A、第2の周波数帯Bおよび第3の周波数帯Cを包含する第4の周波数帯Dの振動を検出する。なお、図2におけるCAは、クランク角(Crank Angle)を示す。また、ノッキングに起因して発生する振動の周波数帯は3つに限られない。
図3を参照して、エンジンECU200についてさらに説明する。エンジンECU200は、A/D(アナログ/デジタル)変換部400と、バンドパスフィルタ410と、積算部420とを含む。
A/D変換部400は、ノックセンサ300から送信されたアナログ信号をデジタル信号に変換する。バンドパスフィルタ410は、ノックセンサ300から送信された信号のうち、第4の周波数帯Dの信号のみを通過させる。すなわち、バンドパスフィルタ410により、ノックセンサ300が検出した振動から、第4の周波数帯Dの振動のみが抽出される。
積算部420は、バンドパスフィルタ410により選別された信号、すなわち振動の強度を、クランク角で5度分づつ積算する。以下、積算された値を積算値と表わす。クランク角に対応させて積算値を算出することにより、図4に示すように、エンジン100の振動波形が検出される。
本実施の形態において、A/D変換部400、バンドパスフィルタ410および積三部420は、いずれもCPU(Central Processing Unit)が、ROM202に記憶されたプログラムを実行することにより実現される、ソフトウェアとして機能するものとして説明するが、ハードウェアにより実現されるようにしてもよい。なお、このようなプログラムは記憶媒体に記録されて車両に搭載される。ROM202には、各種情報、プログラム、しきい値、マップ等が記憶され、必要に応じてCPUからデータが読み出されたり、格納されたりする。
検出された振動波形は、図5に示すようにエンジンECU200のROM202に記憶されたノック波形モデルと比較される。ノック波形モデルは、エンジン100にノッキングが発生した場合の振動波形のモデルとして予め作成される。
なお、本実施の形態においては、検出された振動波形は、図5に示すノック波形モデルの一部の区間と部分的な比較することを比較の第1段階として実施する。そして、第1段階においてノッキングの発生の可能性がある判定されると、検出された振動波形とノック波形モデルの全体の区間との比較を第2段階として実施するものである。詳細は後述する。
ノック波形モデルにおいて、振動の強度は0〜1の無次元数として表され、振動の強度はクランク角と一義的には対応していない。すなわち、本実施の形態のノック波形モデルにおいては、振動の強度のピーク値以降、クランク角が大きくなるにつれ振動の強度が低減することが定められているが、振動の強度がピーク値となるクランク角は定められていない。
本実施の形態におけるノック波形モデルは、ノッキングにより発生した振動の強度のピーク値以降の予め定められたクランク角分の振動に対応している。なお、ノッキングに起因した振動の立ち上がり以降の振動に対応したノック波形モデルを記憶してもよい。
ノック波形モデルは、実験などにより、強制的にノッキングを発生させた場合におけるエンジン100の振動波形を検出し、この振動波形に基づいて予め作成されて記憶される。
ノック波形モデルは、エンジン100の寸法やノックセンサ300の出力値が、寸法公差やノックセンサ300の出力値の公差の中央値であるエンジン100(以下、特性中央エンジンと記載する)を用いて作成される。すなわち、ノック波形モデルは、特性中央エンジンに強制的にノッキングを発生させた場合における振動波形である。なお、ノック波形モデルを作成する方法は、これに限られず、その他、シミュレーションにより作成してもよい。
本実施の形態においては、エンジンECU200は、クランク角の予め定められた範囲(1)における、振動波形とノック波形モデルとの類似の度合(1)を算出して、算出された類似の度合(1)が予め定められた条件(1)を満足すると、予め定められた範囲(1)よりも広いクランク角の予め定められた範囲(2)における、振動波形モデルとの類似の度合(2)を算出する点に特徴を有する。
具体的には、検出された波形とノック波形モデルとの比較の第1段階として、まず、図6に示すように、正規化された波形とノック波形モデルとが部分的に比較される。ここで、正規化とは、たとえば、検出された振動波形における積算値の最大値で各積算値を除算することにより、振動の強度を0〜1の無次元数で表わすことである。なお、正規化の方法はこれに限らない。
本実施の形態において、エンジンECU200は、クランク角の予め定められた範囲(1)における正規化された振動波形とノック波形モデルとの部分的な類似の度合(1)を表わす(振動波形とノック波形モデルとの偏差を表わす)相関係数Kaを算出する。相関係数Kaが正規化された振動波形とノック波形モデルとの予め定められた範囲(1)における数値化された相関性に対応する。
正規化後の振動波形において振動の強度が最大になるタイミングとノック波形モデルにおいて振動の強度が最大になるタイミングとを一致させた状態で、予め定められた範囲(1)において、正規化後の振動波形における強度とノック波形モデルにおける強度との差の絶対値(ズレ量)をクランク角ごと(5度ごと)に算出することにより、相関係数Kaが算出される。
なお、5度以外のクランク角ごとに振動波形における強度とノック波形モデルにおける強度との差の絶対値を算出するようにしてもよい。また、「予め定められた範囲(1)」は、上述したノック検出ゲート内であって、ノック波形モデルの前半部、中間部または前半部および中間部に対応するクランク角の範囲であれば、特に限定されるものではないが、本実施の形態において「予め定められた範囲(1)」は、ノック波形モデルの前半部に対応する範囲である。
ここで、予め定められた範囲(1)における正規化後の振動波形における強度とノック波形モデルにおける強度とのクランク角ごとの差の絶対値をΔSa(I)(Iは自然数)とおく。予め定められた範囲(1)におけるノック波形モデルの面積をSaとおくと、相関係数Kaは、Ka=(Sa−ΣΔSa(I))/Saとして算出される。ここで、ΣΔSa(I)は、振動波形とノック波形モデルとが比較されるクランク角におけるΔSa(I)の総和である。なお、相関係数Kaの算出方法はこれに限らない。
たとえば、図7に示すように、予め定められた範囲(1)における振動波形の最小値を基準値として、基準値以上の強度が占めるノック波形モデルの面積をSaとするようにしてもよい。このようにすると、ノック波形モデルにおける強度自体による影響量を基準値の分だけ小さくすることができる。
エンジンECU200は、算出された相関係数Kaが予め定められた条件(1)を満足するか否かを判定する。本実施の形態において、「予め定められた条件(1)」は、相関係数Kaが予め定められた値(1)よりも大きいという条件である。なお、予め定められた値(1)は、実験等により適合すればよい。
次に、エンジンECU200は、相関係数Kaが予め定められた条件(1)を満足すると、図8に示すように、正規化された波形とノック波形モデル全体とを比較する第2段階を実施する。
本実施の形態において、エンジンECU200は、クランク角の予め定められた範囲(2)における正規化された振動波形とノック波形モデル全体との類似の度合(2)を表す相関係数Kbを算出する。相関係数Kbが正規化された振動波形とノック波形モデルとの予め定められた範囲(2)における数値化された相関性に対応する。
正規化後の振動波形において振動の強度が最大となるタイミングとノック波形モデルにおいて振動の強度が最大になるタイミングとを一致させた状態で、予め定められた範囲(1)よりも広い、クランク角の予め定められた範囲(2)において、正規化後の振動波形における強度とノック波形モデルにおける強度との差の絶対値(ズレ量)をクランク角ごと(5度ごと)に算出することにより、相関係数Kbが算出される。
なお、5度以外のクランク角ごとに振動波形における強度とノック波形モデルにおける強度との差の絶対値を算出するようにしてもよい。また、「予め定められた範囲(2)」は、ノック検出ゲート内であって、ノック波形モデル全体を含む範囲である。
ここで、予め定められた範囲(2)における正規化後の振動波形における強度とノック波形モデルにおける強度とのクランク角ごとの差の絶対値をΔSb(I)(Iは自然数)とおく。予め定められた範囲(2)におけるノック波形モデルの面積をSbとおくと、相関係数Kbは、Kb=(Sb−ΣΔSb(I))/Sbとして算出される。ここで、ΣΔSb(I)は、振動波形とノック波形モデルとが比較されるクランク角におけるΔSb(I)の総和である。なお、相関係数Kbの算出方法はこれに限らない。
予め定められた範囲(1)と予め定められた範囲(2)とは、振動波形のピークに対応するクランク角を基準として設定されればよい。また、予め定められた範囲(1)の始点と予め定められた範囲(2)の始点とは、同一のクランク角に対応するとして説明したが、ノック波形モデルの前半部または中間部を含むようにすればよく、予め定められた範囲(1)の始点と予め定められた範囲(2)の始点とは異なるクランク角にそれぞれ対応するように設定してもよい。
また、本実施の形態において、予め定められた範囲(1)の始点および予め定められた範囲(2)の始点は、いずれも検出された振動波形のピーク値に対応するクランク角であるが、特にこれに限定されるものではない。たとえば、予め定められた範囲(1)の始点および予め定められた範囲(2)の始点は、いずれも検出された振動波形のピークに対応する位置から予め定められた角度だけ離隔した位置としてもよい。
さらに、エンジンECU200は、積算値の最大値(ピーク値)に基づいて振動の強度を表わすノック強度Nを算出する。積算値の最大値をPとし、エンジン100にノッキングが発生していない状態におけるエンジン100の振動の強度を表わす値をBGL(Back Ground Level)とおくと、ノック強度Nは、N=P/BGLという方程式で算出される。なお、BGLはたとえばシミュレーションや実験などに基づいて予め定められ、ROM202に記憶される。また、ノック強度Nの算出方法はこれに限らない。
本実施の形態において、エンジンECU200は、算出されたノック強度NとROM202に記憶された判定値V(KX)とを比較し、さらに検出された波形と記憶されたノック波形モデルとを比較して、エンジン100にノッキングが発生したか否かを1点火サイクルごとに判定する。
図9に示すように、判定値V(KX)は、エンジン回転数NEと吸入空気量KLとをパラメータとした運転状態により区分される領域ごとに、マップとして記憶される。本実施の形態においては、低回転(NE<NE(1))、中回転(NE(1)≦NE<NE(2))、高回転(NE(2)≦NE)、低負荷(KL<KL(1))、中負荷(KL(1)≦KL<KL(2))、高負荷(KL(2)≦KL)で区分することにより、気筒ごとに9つの領域が設けられる。なお、領域の数はこれに限らない。また、エンジン回転数NEおよび吸入空気量KL以外のパラメータを用いて領域を区分するようにしてもよい。
図10を参照して、本実施の形態に係るノッキング判定装置であるエンジンECU200が、ノッキングが発生したか否かを1点火サイクルごとに判定して点火時期を制御するために実行するプログラムの制御構造について説明する。
ステップ(以下、ステップをSと略す)100にて、エンジンECU200は、クランクポジションセンサ306から送信された信号に基づいてエンジン回転数NEを検出するとともに、エアフローメータ314から送信された信号に基づいて吸入空気量KLを検出する。
S102にて、エンジンECU200は、ノックセンサ300から送信された信号に基づいてエンジン100の振動の強度を検出する。振動の強度は、ノックセンサ300の出力電圧値で表される。なお、ノックセンサ300の出力電圧値と対応した値で振動の強度を表してもよい。強度の検出は、燃焼行程において上死点から90度(クランク角で90度)までの間で行なわれる。
S104にて、エンジンECU200は、ノックセンサ300の出力電圧値(振動の強度を表わす値)を、クランク角で5度ごとに(5度分だけ)積算した値(積算値)を算出する。積算値の算出により、エンジン100の振動波形が検出される。
S106にて、エンジンECU200は、エンジン100の振動波形における積算値のうち、最も大きい積算値(ピーク値P)を算出する。
S108にて、エンジンECU200は、エンジン100の振動波形を正規化する。ここで、正規化とは、算出されたピーク値で、各積算値を除算することにより、振動の強度を0〜1の無次元数で表わすことをいう。
S110にて、エンジンECU200は、ピーク値Pのクランク角とノック波形モデルにおいて振動の強度が最大になるタイミングとを一致させて、予め定められた範囲(1)における相関係数Kaを算出する。
S112にて、エンジンECU200は、算出された相関係数Kaが予め定められた値(1)よりも大きいか否かを判定する。相関係数Kaが予め定められた値(1)よりも大きいと(S112にてYES)、処理はS114に移される。もしそうでないと(S112にてNO)、処理はS126に移される。
S114にて、エンジンECU200は、ピーク値Pのクランク角とノック波形モデルにおいて振動の強度が最大になるタイミングとを一致させて、予め定められた範囲(2)における相関係数Kbを算出する。
S116にて、エンジンECU200は、算出された相関係数Kbが予め定められた値(2)よりも大きいか否かを判定する。なお、予め定められた値(2)は、実験的に適合される値であって、予め定められた値(1)と同じ値であってもよい。また、上述の予め定められた条件(2)は、相関係数Kbが予め定められた値(2)よりも大きいという条件に対応する。相関係数Kbが予め定められた値(2)よりも大きいと(S116にてYES)、処理はS118に移される。もしそうでないと(S116にてNO)、処理はS126に移される。
S118にて、エンジンECU200は、ピーク値PをBGLで除算してノック強度Nを算出する。
S120にて、エンジンECU200は、ノック強度Nが判定値V(KX)よりも大きいか否かを判別する。ノック強度Nが判定値V(KX)よりも大きいと(S120にてYES)、処理はS122に移される。もしそうでないと(S120にてNO)、処理はS126に移される。
S122にて、エンジンECU200は、ノッキングが発生したと判別する。S124にて、エンジンECU200は、点火時期を遅角する。
S126にて、エンジンECU200は、ノッキングが発生していないと判別する。S128にて、エンジンECU200は、点火時期を進角する。
以上のような構造およびフローチャートに基づく、本実施の形態に係るノッキング判定装置であるエンジンECU200の動作について図11を参照しつつ説明する。
エンジン100の運転中において、クランクポジションセンサ306から送信された信号に基づいてエンジン回転数NEが検出されるとともに、エアフローメータ314から送信された信号に基づいて吸入空気量KLが検出される(S100)。また、ノックセンサ300から送信された信号に基づいてエンジン100の振動の強度が検出される(S102)。
燃焼行程における上死点から90度までの間において、5度ごとの積算値が算出される(S104)。これにより、前述した図4に示すようなエンジン100の振動波形が検出される。
5度ごとの積算値により振動波形を検出することにより、強度が細かく変化することが抑制された振動波形を検出することができる。そのため、検出された振動波形とノック波形モデルとの比較を容易にすることができる。
算出された積算値に基づいてエンジン100の振動波形における積算値のピーク値Pが算出される(S106)。
算出されたピーク値Pでエンジン100の振動波形における積算値が除算されて、図11に示すように、振動波形が正規化される(S108)。正規化により、振動波形における振動の強度が0〜1の無次元数で表される。これにより、振動の強度に関係なく検出された振動波形とノック波形モデルとの比較を行なうことができる。そのため、振動の強度に対応した多数のノック波形モデルを記憶しておく必要がなく、ノック波形モデルの作成を容易にすることができる。
正規化後の振動波形において振動の強度が最大になるタイミングとノック波形モデルにおいて振動の強度が最大になるタイミングとを一致させ、この状態で、予め定められた範囲(1)における相関係数Kaが算出される(S110)。
これにより、検出された振動波形とノック波形モデルとの一致度合を数値化して客観的に判定することができる。また、振動波形とノック波形モデルとを比較することで、振動の減衰傾向など、振動の挙動からノッキング時の振動であるか否かを分析することができる。特に、図11に示すように、振動波形のピークに対応するクランク角から減衰の前半部分の区間において、振動波形とノック波形モデルとの比較を行なうことにより、減衰後半部のノイズの有無に関わらずノック波形モデルとの乖離の小さい部分を除外することにより、振動波形がノッキングに対応する可能性が高いか否かを判定することができる。
相関係数Kaが予め定められた値(1)よりも大きいと(S112にてYES)、正規化後の振動波形において振動の強度が最大となるタイミングとノック波形モデルにおいて振動の強度が最大になるタイミングとを一致させ、この状態で、予め定められた範囲(2)における相関係数Kbが算出される(S114)。
これにより、検出された振動波形とノック波形モデルとの一致度合を数値化して客観的に判定することができる。また、振動波形とノック波形モデルとを比較することで、振動の減衰傾向など、振動の挙動からノッキング時の振動であるか否かを分析することができる。特に、振動波形が、部分的にも全体的にもノック波形モデルとの類似の度合が高いか否かを判定することにより、内燃機関にノッキングが発生したか否かを精度よく判定することができる。
さらに、ピーク値PをBGLで除算することにより、ノック強度Nが算出される(S118)。これにより、振動の強度に基づいてエンジン100の振動がノッキングに起因した振動であるか否かをより詳細に分析することができる。
ノック強度Nが判定値V(KX)よりも大きい場合(S120にてYES)、ノッキングが発生したと判定され(S122)、点火時期が遅角される(S124)。これにより、ノッキングの発生が抑制される。
ノック強度Nが判定値V(KX)よりも大きい状態ではない場合(S120にてNO)、相関係数Kaが予め定められた値(1)よりも小さい場合(S112にてNO)、あるいは、相関係数Kbが予め定められた値(2)よりも小さい場合(S116にてNO)、ノッキングが発生していないと判定され(S126)、点火時期が進角される(S128)。このようにして、ノック強度Nと判定値V(KX)とを比較することにより1点火サイクルごとにノッキングが発生したか否かが判定され、点火時期が遅角されたり、進角されたりする。
以上のように、本実施の形態に係るノッキング判定装置によると、エンジンECUは、予め定められた範囲(1)において、振動波形とノック波形モデルとにおける相関係数Kaを算出する。算出された相関係数Kaが予め定められた値(1)よりも大きいという条件(1)を満足した場合に、振動波形とノック波形モデルとが部分的に類似することを判定することができる。すなわち、振動振動がノッキングである可能性が高いことを判定することができる。
さらに、エンジンECUは、予め定められた範囲(2)において、振動波形とノック波形モデルとにおける相関係数Kbを算出する。算出された相関係数Kbが予め定められた値(2)よりも大きいという条件(2)を満足した場合に、振動波形とノック波形モデルとが全体的に類似することを判定することができる。
すなわち、振動波形とノック波形モデルとにおける部分的な類似の度合も高く、全体的な類似の度合も高いことから、内燃機関にノッキングが発生したことをより精度よく判定することができる。したがって、ノッキングが発生したか否かを精度よく判定することができる内燃機関のノッキング判定装置、判定方法およびその方法をコンピュータで実現されるプログラムならびにそのプログラムを記録した記録媒体を提供することができる。
また、条件(1)および条件(2)のうちのいずれかが満足しないと、振動波形とノック波形モデルとにおける部分的な類似の度合も全体的な類似の度合も低いことを判定することができる。そのため、内燃機関にノッキングが発生していないことを精度よく判定することができる。
なお、本実施の形態において、予め定められた範囲(1)は、予め定められた範囲(2)内において検出された複数のピークをそれぞれ始点として定められる複数の区間を有する範囲とするようしてもよい。このようすると、複数のピークにおいて、波形モデルと比較することにより、ピーク毎にノイズであるかノッキングであるかの判定をすることができる。たとえば、ピークを含む区間とノック波形モデルとの相関係数が小さいと、ピークを含む区間はノイズのピークを含む区間として判定することができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の実施の形態に係るノッキング判定装置であるエンジンECUにより制御されるエンジンを示す概略構成図である。 ノッキング時にエンジンで発生する振動の周波数帯を示す図である。 図1のエンジンECUを示す制御ブロック図である。 エンジンの振動波形を示す図(その1)である。 エンジンECUのROMに記憶されたノック波形モデルを示す図である。 振動波形とノック波形モデルとを比較した図(その1)である。 振動波形とノック波形モデルとを比較した図(その2)である。 振動波形とノック波形モデルとを比較した図(その3)である。 エンジンECUのROMに記憶された判定値V(KX)のマップを示す図である。 本発明の第1の実施の形態に係るノッキング判定装置であるエンジンECUが実行するプログラムの制御構造を示すフローチャートである。 エンジンの振動波形を示す図(その2)である。
符号の説明
100 エンジン、104 インジェクタ、106 点火プラグ、110 クランクシャフト、116 吸気バルブ、118 排気バルブ、120 ポンプ、200 エンジンECU、202 ROM、300 ノックセンサ、302 水温センサ、304 タイミングロータ、306 クランクポジションセンサ、308 スロットル開度センサ、314 エアフローメータ、320 補機バッテリ、400 A/D変換部、410 バンドパスフィルタ、420 積算部。

Claims (24)

  1. 内燃機関のノッキング判定装置であって、
    前記内燃機関のクランク角を検出するための手段と、
    クランク角に対応させて、前記内燃機関の振動の強度を検出するための手段と、
    前記内燃機関の振動の強度に基づいてクランク角についての予め定められた間隔における振動の波形を検出するための手段と、
    クランク角の予め定められた第1の範囲における、前記検出された波形と前記内燃機関の振動の波形の基準として予め定められた波形モデルとの第1の類似の度合を算出するための第1の算出手段と、
    前記算出された第1の類似の度合が予め定められた第1の条件を満足すると、前記第1の範囲よりも広いクランク角の予め定められた第2の範囲における、前記検出された波形と前記波形モデルとの第2の類似の度合を算出するための第2の算出手段と、
    前記算出された第2の類似の度合が予め定められた第2の条件を満足すると、前記検出された波形の強度に基づいて前記内燃機関にノッキングが発生したか否かを判定するための判定手段とを含む、内燃機関のノッキング判定装置。
  2. 前記第1の範囲および前記第2の範囲は、前記検出された振動のピークに対応するクランク角を基準として始点および終点が定められる、請求項1に記載の内燃機関のノッキング判定装置。
  3. 前記第1の範囲および前記第2の範囲のうちのいずれか一方は、前記検出された振動のピーク値に対応するクランク角を始点とする、請求項2に記載の内燃機関のノッキング判定装置。
  4. 前記第1の範囲および前記第2の範囲のうちのいずれか一方は、前記検出された振動のピーク値に対応するクランク角から予め定められた角度だけ離隔したクランク角を始点とする、請求項2に記載の内燃機関のノッキング判定装置。
  5. 前記第1の範囲は、前記第2の範囲内において検出された複数のピークをそれぞれ始点として定められる複数の区間を有する範囲である、請求項2に記載の内燃機関のノッキング判定装置。
  6. 前記第1の条件は、前記第1の類似の度合が予め定められた度合よりも大きいという条件である、請求項1〜5のいずれかに記載の内燃機関のノッキング判定装置。
  7. 前記第2の条件は、前記第2の類似の度合が予め定められた度合よりも大きいという条件である、請求項1〜6のいずれかに記載の内燃機関のノッキング判定装置。
  8. 前記第1の条件における予め定められた度合と前記第2の条件における予め定められた度合とは、同じ度合である、請求項7に記載の内燃機関のノッキング判定装置。
  9. 前記第1の算出手段は、前記第1の範囲における、前記検出された波形と前記波形モデルとの数値化された相関性を算出するための手段を含む、請求項1〜8のいずれかに記載の内燃機関のノッキング判定装置。
  10. 前記第2の算出手段は、前記第2の範囲における、前記検出された波形と前記波形モデルとの数値化された相関性を算出するための手段を含む、請求項1〜9のいずれかに記載の内燃機関のノッキング判定装置。
  11. 前記判定手段は、前記第1の条件および前記第2の条件のうちのいずれかが満足しないと、前記内燃機関にノッキングが発生していないことを判定するための手段を含む、請求項1〜10のいずれかに記載の内燃機関のノッキング判定装置。
  12. 内燃機関のノッキング判定方法であって、
    前記内燃機関のクランク角を検出するステップと、
    クランク角に対応させて、前記内燃機関の振動の強度を検出するステップと、
    前記内燃機関の振動の強度に基づいてクランク角についての予め定められた間隔における振動の波形を検出するステップと、
    クランク角の予め定められた第1の範囲における、前記検出された波形と前記内燃機関の振動の波形の基準として予め定められた波形モデルとの第1の類似の度合を算出する第1の算出ステップと、
    前記算出された第1の類似の度合が予め定められた第1の条件を満足すると、前記第1の範囲よりも広いクランク角の予め定められた第2の範囲における、前記検出された波形と前記波形モデルとの第2の類似の度合を算出する第2の算出ステップと、
    前記算出された第2の類似の度合が予め定められた第2の条件を満足すると、前記検出された波形の強度に基づいて前記内燃機関にノッキングが発生したか否かを判定する判定ステップとを含む、内燃機関のノッキング判定方法。
  13. 前記第1の範囲および前記第2の範囲は、前記検出された振動のピークに対応するクランク角を基準として始点および終点が定められる、請求項12に記載の内燃機関のノッキング判定方法。
  14. 前記第1の範囲および前記第2の範囲のうちのいずれか一方は、前記検出された振動のピーク値に対応するクランク角を始点とする、請求項13に記載の内燃機関のノッキング判定方法。
  15. 前記第1の範囲および前記第2の範囲のうちのいずれか一方は、前記検出された振動のピーク値に対応するクランク角から予め定められた角度だけ離隔したクランク角を始点とする、請求項13に記載の内燃機関のノッキング判定方法。
  16. 前記第1の範囲は、前記第2の範囲内において検出された複数のピークをそれぞれ始点として定められる複数の区間を有する範囲である、請求項13に記載の内燃機関のノッキング判定方法。
  17. 前記第1の条件は、前記第1の類似の度合が予め定められた度合よりも大きいという条件である、請求項12〜16のいずれかに記載の内燃機関のノッキング判定方法。
  18. 前記第2の条件は、前記第2の類似の度合が予め定められた度合よりも大きいという条件である、請求項12〜17のいずれかに記載の内燃機関のノッキング判定方法。
  19. 前記第1の条件における予め定められた度合と前記第2の条件における予め定められた度合とは、同じ度合である、請求項18に記載の内燃機関のノッキング判定方法。
  20. 前記第1の算出ステップは、前記第1の範囲における、前記検出された波形と前記波形モデルとの数値化された相関性を算出するステップを含む、請求項12〜19のいずれかに記載の内燃機関のノッキング判定方法。
  21. 前記第2の算出ステップは、前記第2の範囲における、前記検出された波形と前記波形モデルとの数値化された相関性を算出するステップを含む、請求項12〜20のいずれかに記載の内燃機関のノッキング判定方法。
  22. 前記判定ステップは、前記第1の条件および前記第2の条件のうちのいずれかが満足しないと、前記内燃機関にノッキングが発生していないことを判定するステップを含む、請求項12〜21のいずれかに記載の内燃機関のノッキング判定方法。
  23. 請求項12〜22のいずれかに記載のノッキング判定方法をコンピュータで実現されるプログラム。
  24. 請求項12〜22のいずれかに記載のノッキング判定方法をコンピュータで実現されるプログラムを記録した記録媒体。
JP2007142172A 2007-05-29 2007-05-29 内燃機関のノッキング判定装置、判定方法およびその方法をコンピュータで実現されるプログラムならびにそのプログラムを記録した記録媒体 Active JP4729536B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007142172A JP4729536B2 (ja) 2007-05-29 2007-05-29 内燃機関のノッキング判定装置、判定方法およびその方法をコンピュータで実現されるプログラムならびにそのプログラムを記録した記録媒体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007142172A JP4729536B2 (ja) 2007-05-29 2007-05-29 内燃機関のノッキング判定装置、判定方法およびその方法をコンピュータで実現されるプログラムならびにそのプログラムを記録した記録媒体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008297923A true JP2008297923A (ja) 2008-12-11
JP4729536B2 JP4729536B2 (ja) 2011-07-20

Family

ID=40171679

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007142172A Active JP4729536B2 (ja) 2007-05-29 2007-05-29 内燃機関のノッキング判定装置、判定方法およびその方法をコンピュータで実現されるプログラムならびにそのプログラムを記録した記録媒体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4729536B2 (ja)

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005330954A (ja) * 2004-04-22 2005-12-02 Toyota Motor Corp 内燃機関のノッキング判定装置およびその装置を含む点火制御システム
JP2006307664A (ja) * 2005-04-26 2006-11-09 Toyota Motor Corp 内燃機関のノッキング判定装置

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005330954A (ja) * 2004-04-22 2005-12-02 Toyota Motor Corp 内燃機関のノッキング判定装置およびその装置を含む点火制御システム
JP2006307664A (ja) * 2005-04-26 2006-11-09 Toyota Motor Corp 内燃機関のノッキング判定装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP4729536B2 (ja) 2011-07-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4390786B2 (ja) 内燃機関のノッキング判定装置
JP4404813B2 (ja) 内燃機関のノッキング判定装置
JP4390792B2 (ja) 内燃機関のノッキング判定装置、ノッキング判定方法、その方法を実現するプログラムおよびそのプログラムを記録した記録媒体
JP4422693B2 (ja) 内燃機関の点火時期制御装置
JP4491427B2 (ja) 内燃機関の点火時期制御装置
JP4997026B2 (ja) 内燃機関のノッキング判定装置、ノッキング判定方法およびその方法をコンピュータに実現させるプログラムならびにそのプログラムを記録した記録媒体
JP4342520B2 (ja) 内燃機関の点火時期制御装置
JP4600431B2 (ja) 内燃機関のノッキング判定装置
JP4575902B2 (ja) 内燃機関のノッキング判定装置
JP4589238B2 (ja) 内燃機関のノッキング判定装置
JP2007255208A (ja) 内燃機関のノッキング判定装置
JP4180090B2 (ja) 内燃機関のノッキング判定装置
JP4447576B2 (ja) 内燃機関のノッキング判定装置
JP4468865B2 (ja) 内燃機関のノッキング判定装置
JP2009024641A (ja) 内燃機関のノッキング判定装置、ノッキング判定方法およびその方法をコンピュータで実現されるプログラムならびにそのプログラムを記録した記録媒体
JP4357501B2 (ja) 内燃機関のノッキング判定装置
JP4221013B2 (ja) 内燃機関の点火時期制御装置
JP4729536B2 (ja) 内燃機関のノッキング判定装置、判定方法およびその方法をコンピュータで実現されるプログラムならびにそのプログラムを記録した記録媒体
JP4745198B2 (ja) 内燃機関のノッキング判定装置、判定方法、その方法を実現するプログラムおよびそのプログラムを記録した記録媒体
JP4744482B2 (ja) 内燃機関のノッキング判定装置
JP4905329B2 (ja) 内燃機関のノッキング判定装置およびノッキング判定方法
JP4952554B2 (ja) 内燃機関の点火時期制御装置および点火時期制御方法
JP2007211690A (ja) 内燃機関の点火時期制御装置
JP2008309095A (ja) 内燃機関のノッキング判定装置、ノッキング判定方法およびその方法をコンピュータで実現されるプログラムならびにそのプログラムを記録した記録媒体
JP2009144616A (ja) 内燃機関の点火時期制御装置および点火時期制御方法

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20090410

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20090410

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20091209

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110329

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110330

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110418

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 4729536

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140422

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250