JP2008297871A - 壁の補強構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】複数の壁2,3の間に、その間に設置される床4に沿って平面ブレース11が設けられてなり、該平面ブレース11は、これを前記壁2,3に定着する複数の定着アンカー12と、これら定着アンカー12により縁部が固定されて前記壁2,3の間に架設されたシート状又は板状の補強部材13とから構成され、定着アンカー12は、複数本の強化繊維を束ねてなるアンカー用端部が前記壁2,3の孔に挿入状態に固着され、該アンカー用端部から前記強化繊維を扇状に広げてなる定着部の表面に前記補強部材13が接着されている。
【選択図】図1
Description
このような壁を補強する構造として、中間階の床を鉄骨架構に置き換えるなどの方法もあるが、大量の建設廃材が発生する、漆喰の天井やくり型等であった場合にはそのオリジナルの意匠が喪失するなどの問題がある。
この構造であると、壁に形成される孔は定着アンカーのアンカー用端部を挿入固着するのに必要な程度の大きさでよいとともに、このアンカー用端部を壁に固着した状態で扇状に広げた定着部に補強部材を接着するという、簡単な作業で平面ブレースを設置することができ、作業性がよい。
このように補強部材を複数の床板によって挟むことにより、床の上面の外観を損なうことも少なくなる。
図1及び図2に示す建築物1は、レンガ壁2,3に囲まれた区画の中間階、図示例では1階と2階の床4が木造床とされ、この床4を支持しているレンガ壁2,3の部分に本発明の補強構造が適用されている。図2において、2FLが2階の床面位置を示し、同様に1FLが1階の床面位置、B1FLが地下1階の床面位置、また、GLはグランド位置を示している。また、符号5は鉄筋コンクリート等からなる臥梁、符号6〜9はレンガ壁(後述の正面壁)2に設けられた窓等の開口部を示す。
すなわち、前記床4の上面には、正面壁2及びこれに連なる両側壁3の前半分程度の部分によって囲まれる範囲に、床4に沿う平面ブレース11が設けられている。
定着アンカー12は、図4に示すように、複数本の繊維ストランドを束ねて、その一方の端部には扇形状の定着部14、他方の端部には棒状のアンカー用端部15が形成された構成とされている。各繊維ストランドは、その1本が、炭素繊維、アラミド繊維、ガラス繊維等の強化繊維の太さ数μmの素線を12000本から24000本束ねてエポキシ樹脂等の収束剤(サイジング剤)及び束ね糸を用いて太さ1mm〜3mm程度の紐状に形成してなるものである。そして、この繊維ストランドを複数本まとめ、その中央部から一方の端部は定着部14とされ、他方の端部は束ねられてストランド束ね材が巻き付けられるなどにより棒状のアンカー用端部15とされたものである。その定着部14は、繊維ストランドが束ねられていない状態とされ、使用時に扇状に広げられる。
また、床4は、複数本の根太21の上に2枚の床板22を積層した構成とされており、前記補強部材13及び定着アンカー12は、これら床板22の間に挟まれた状態に配置されている。
なお、正面壁2に直交する方向には鉄骨製の梁23が配置されている。
まず、図3の二点鎖線で示すように、床4の2枚の床板22のうちの1枚を剥がした状態とし、また、壁2,3の内側に設けられる仕上げ材24を存置したままレンガ壁2,3に定着アンカー12を固定するための孔16を床板22の表面に沿って並べるように複数形成する。これら孔16は、図に示したように床板22の表面に近接させかつ深さ方向に若干斜め下方に向けて傾斜するように形成される。
最後に、この補強部材13の上に、もう1枚の床板22を載置する。
次に、この補強構造において、地震等により外力が作用した場合について説明する。この地震により正面壁2に外方に向けて外力が作用した場合、この正面壁2の両側は直交するレンガ壁3によって支持されていることから、その正面壁2の中央付近が図5(a)に矢印(イ)で示すように外方に突出する方向に変形しようとする。この正面壁2は、45°の方向に架設されている両補強部材13によって両側壁3に一体的に連結されているから、その補強部材13には、正面壁2の変形に対して矢印(ロ)で示すように45°方向に抵抗力が発生し、また、この補強部材13によって両側壁3が引っ張られることに対しては、両側壁3間の間の床板4及び根太21による矢印(ハ)に示す抵抗力が作用する。その結果、壁2,3及び床4が平面ブレース11に剛構造に一体化し、矢印(イ)で示す外力に対して正面壁2を強固に保持することができる。
また、図5(b)に矢印(ニ)で示すように正面壁2を内方に向けて変形させようとする外力が作用した場合は、矢印(ホ)で示すように梁23が抵抗となるとともに、補強部材13に矢印(ヘ)で示すように引張りに対する抵抗力が発生し、正面壁2の内側への変形を阻止することができる。
しかも、レンガ壁2,3に定着アンカー12のアンカー用端部15を固定するに足りる比較的小径の孔16を開ける以外は、既存建築物を破壊、変形させることがなく、建設廃材がほとんど発生しないとともに、平面ブレース11も床板22により覆われた状態となっているので、既設建築物の意匠をほぼオリジナルのまま維持することができる。
例えば、上記実施の形態において用いた補強部材や定着用アンカーについて、前述した炭素繊維,アラミド繊維,ガラス繊維等に限らず、他の材料を採用することも可能であり、補強部材については、その繊維方向も、所要の方向に補強効果を発揮できるのであれば、縦・横・斜め等を問うものではない。加えて、炭素繊維等を織物としてシート状としたものを補強部材としてもよく、また、繊維方向が互いに略直交する炭素繊維プリプレグ同士を積層してシート状としたものを用いてもよい。さらに、シートに代えて、鋼板やFRP(繊維強化プラスチック)等を用いて補強部材としても良い。また、上記実施の形態では補強部材を二枚重ねとしたが、重ねる枚数についても限定するものではない。
2 正面壁(レンガ壁)
3 側壁(レンガ壁)
4 床
5 臥梁
6〜9 開口部
11 平面ブレース
12 定着アンカー
13 補強部材
14 定着部
15 アンカー用端部
16 孔
21 根太
22 床板
23 梁
24 仕上げ材
Claims (3)
- 複数の壁の間に、その間に設置される床に沿って平面ブレースが設けられてなり、該平面ブレースは、これを前記壁に定着する複数の定着アンカーと、これら定着アンカーにより縁部が固定されて前記壁の間に架設されたシート状又は板状の補強部材とから構成されていることを特徴とする壁の補強構造。
- 前記定着アンカーは、複数本の強化繊維を束ねてなるアンカー用端部が前記壁の孔に挿入状態に固着され、該アンカー用端部から前記強化繊維を扇状に広げてなる定着部の表面に前記補強部材が接着されていることを特徴とする請求項1記載の壁の補強構造。
- 前記床は複数の床板の積層構造とされ、前記補強部材がこれら床板の間に設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載の壁の補強構造。
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JP2007148049A JP5190651B2 (ja) | 2007-06-04 | 2007-06-04 | 壁の補強構造 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016169897A (ja) * | 2015-03-12 | 2016-09-23 | Jfeスチール株式会社 | レンガ構造体の補修方法及びコークス炉煙道の補修方法 |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP3321694B2 (ja) * | 1995-08-24 | 2002-09-03 | 大成ロテック株式会社 | 鉄筋コンクリート床版上面の補修・補強工法 |
JP3870365B2 (ja) * | 1997-09-16 | 2007-01-17 | 清水建設株式会社 | コンクリート部材の補強構造および補強工法 |
JP3882349B2 (ja) * | 1998-05-27 | 2007-02-14 | 清水建設株式会社 | コンクリート部材の補強構造および補強工法 |
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2007
- 2007-06-04 JP JP2007148049A patent/JP5190651B2/ja active Active
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