JP2008297394A - 重合体粒子およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】各種ゴムや熱可塑性樹脂の充填剤や改質剤等として、これらと混合して用いた場合においても、機械特性(たとえば、弾性率)の温度依存性(特に、100℃以上と比較的に高い温度における温度依存性)が小さく、温度変化による機械特性の劣化の低減が可能な重合体粒子を提供すること。
【解決手段】架橋性モノマーとカルボキシル基含有モノマーとを少なくとも含む重合性モノマーを重合することにより得られる重合体粒子であって、
前記重合体粒子が、重合性モノマーを重合させた後に、さらにアルカリで処理されたものである重合体粒子を提供する。
【選択図】なし

Description

本発明は、たとえば、各種ゴムや熱可塑性樹脂の充填剤や改質剤等として用いられる重合体粒子、その製造方法、および、該重合体粒子を用いたゴム架橋物に関する。
従来より、狭い粒子径分布を有する重合体粒子は、各種ゴムや熱可塑性樹脂の充填剤や特性の改質剤等として用いられている。このような狭い粒子径分布を有する重合体粒子としては、スチレンやジビニルベンゼンを分散重合して得られる重合体粒子が知られている。
このような重合体粒子として、その粒子径分布を狭くかつ均一なものとするために、まず、芯重合体粒子を得て、この芯重合体粒子の存在下で、ジビニルベンゼンなどの架橋性モノマーを重合させるシード重合法により得られる重合体粒子が知られている。
たとえば、特許文献1では、重量平均分子量500〜10,000の範囲にある芯重合体粒子(シードポリマー粒子)の存在下において、少なくともジビニルベンゼンを20重量%以上含む重合性モノマーを重合した重合体からなり、所定の平均粒子径および所定の物理特性を有する高架橋の重合体粒子が開示されている。この文献によると、比較的に粒子径が小さくかつ粒子径分布が狭く、さらに耐熱性、耐溶剤性の優れた高架橋の重合体粒子が得られる旨が記載されている。
しかしながら、この特許文献1に開示された重合体粒子は、100℃以上と比較的に高い温度環境下では、温度変化とともに引張応力が低下してしまい、そのため、各種ゴムや熱可塑性樹脂中に分散させて有機フィラーとして用いた場合に、ゴムや熱可塑性樹脂の弾性率が低下し、これにより強度が低下してしまうという問題があった。そのため、特許文献1に開示された重合体粒子では、比較的に高い温度で用いられるゴムや熱可塑性樹脂に配合して用いることができなかった。
特公平7−17688号公報
本発明者らは、このような実状に鑑みてなされ、たとえば、各種ゴムや熱可塑性樹脂の充填剤や改質剤等として、これらと混合して用いた場合においても、機械特性(たとえば、弾性率)の温度依存性(特に、100℃以上と比較的に高い温度における温度依存性)が小さく、温度変化による機械特性の劣化の低減が可能な重合体粒子およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を進めた結果、重合性モノマーを重合することにより得られる重合体粒子において、重合性モノマーを架橋性モノマーおよびカルボキシル基含有モノマーを少なくとも含むものとし、重合性モノマーを重合させた後に、さらにアルカリで処理することにより上記目的を達成できることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明によれば、
(1)架橋性モノマーとカルボキシル基含有モノマーとを少なくとも含む重合性モノマーを重合することにより得られる重合体粒子であって、
前記重合体粒子が、重合性モノマーを重合させた後に、さらにアルカリで処理されたものである重合体粒子、
(2)前記重合体粒子が、アルカリ処理の後に、さらに金属塩で処理されたものである上記に記載の重合体粒子、
(3)前記重合体粒子が、前記重合体粒子を構成することとなる重合性モノマーのうち少なくとも一部の重合性モノマーを予め重合させることにより芯重合体粒子を得た後、前記芯重合体粒子の存在下で、前記重合体粒子を構成することとなる重合性モノマーのうち残りの重合性モノマーを重合することにより得られるものである上記に記載の重合体粒子。
(4)全重合性モノマー100重量%に対する、前記架橋性モノマーの比率が3重量%以上、前記カルボキシル基含有モノマーの比率が1重量%以上であることを特徴とする上記に記載の重合体粒子、
(5)前記芯重合体粒子を構成させるために予め重合させる重合性モノマーの比率が、前記重合体粒子を構成することとなる全重合性モノマー100重量%に対して、50〜90重量%の範囲である上記に記載の重合体粒子、
(6)前記重合性モノマーが、前記架橋性モノマー3〜50重量%、前記カルボキシル基含有モノマー1〜50重量%、およびこれらと共重合可能なモノマー0〜96重量%からなる上記に記載の重合体粒子、
(7)少なくとも架橋性モノマーとカルボキシル基含有モノマーとを含む重合性モノマーを重合することにより得られる重合体粒子を製造する方法であって、
前記重合体粒子を構成することとなる全重合性モノマーのうち少なくとも一部の重合性モノマーを予め重合させることにより芯重合体粒子を得る工程と、
前記芯重合体粒子の存在下で、前記重合体粒子を構成することとなる重合性モノマーのうち残りの重合性モノマーを重合させて、未処理の重合体粒子を得る工程と、
未処理の前記重合体粒子を、アルカリで処理する工程と、
アルカリ処理された前記重合体粒子を、金属塩で処理する工程と、
を有する重合体粒子の製造方法、
(8)上記に記載の重合体粒子、ニトリルゴムおよび架橋剤を含有してなる架橋性ゴム組成物、および
(9)上記に記載の架橋性ゴム組成物を架橋してなるゴム架橋物、
が提供される。
本発明によれば、たとえば、各種ゴムや熱可塑性樹脂の充填剤や改質剤等として、これらと混合して用いた場合においても、機械特性(たとえば、弾性率)の温度依存性(特に、100℃以上と比較的に高い温度における温度依存性)が小さく、温度変化による機械特性の劣化の低減が可能な重合体粒子を提供することができる。
本発明の重合体粒子は、架橋性モノマーとカルボキシル基含有モノマーとを少なくとも含む重合性モノマーを重合することにより得られる重合体粒子であって、
前記重合体粒子が、重合性モノマーを重合させた後に、さらにアルカリで処理されたものである。
まず、本発明の重合体粒子を構成することとなる重合性モノマーについて説明する。
重合性モノマー
本発明の重合体粒子を構成することとなる重合性モノマーは、少なくとも、架橋性モノマーと、カルボキシル基含有モノマーと、を含有するものである。
架橋性モノマーとしては、非共役ジビニル化合物や、多価アクリレート化合物などが挙げられる。
非共役ジビニル化合物としては、ジビニルベンゼンが例示される。
多価アクリレート化合物としては、ポリエチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、2,2’−ビス(4−アクリロキシプロピロキシフェニル)プロパン、2,2’−ビス(4−アクリロキシジエトキシフェニル)プロパンなどのジアクリレート化合物;トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、テトラメチロールメタントリアクリレートなどのトリアクリレート化合物;テトラメチロールメタンテトラアクリレートなどのテトラアクリレート化合物;エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,4−ブチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ジプロピレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、2,2’−ビス(4−メタクリロキシジエトキシフェニル)プロパンなどのジメタクリレート化合物;トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレートなどのトリメタクリレート化合物;などが例示される。これらは単独あるいは2種以上を混合して用いることもできる。
本発明においては、上記架橋性モノマーのなかでも、ジビニルベンゼンが好ましい。
架橋性モノマーの使用量は、全重合性モノマー100重量%に対して、好ましくは3重量%以上であり、さらに好ましくは3〜50重量%、より好ましくは5〜40重量%、特に好ましくは10〜30重量%である。架橋性モノマーの使用量が少なすぎると、得られる重合体粒子の硬度、耐熱性および耐溶剤性が低下するおそれがある。なお、本発明の重合体粒子を製造する際に、後述する予め芯重合体粒子を得る工程を採用する場合には、使用する架橋性モノマー全量100重量%のうち、好ましくは0〜5重量%、特に0.005〜4重量%を、芯重合体粒子を得る為に用いることが好ましい。
カルボキシル基含有モノマーとしては、エチレン性不飽和結合と、カルボキシル基とを有するエチレン性不飽和カルボン酸が好ましく、たとえば、アクリル酸、メタクリル酸などのエチレン性不飽和モノカルボン酸;イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、無水マレイン酸、無水シトラコン酸などのエチレン性不飽和多価カルボン酸およびそれらの無水物;フマル酸モノブチル、マレイン酸モノブチル、マレイン酸モノ2−ヒドロキシプロピルなどのエチレン性不飽和多価カルボン酸の部分エステル化物;などが挙げられる。これらは単独あるいは2種以上を混合して用いることもできる。
本発明においては、上記カルボキシル基含有モノマーのなかでも、メタクリル酸が好ましい。
カルボキシル基含有モノマーの使用量は、全重合性モノマー100重量%に対して、好ましくは1重量%以上であり、さらに好ましくは1〜50重量%、より好ましくは5〜50重量%、特に好ましくは10〜40重量%である。カルボキシル基含有モノマーの使用量が少なすぎると、得られる重合体粒子の温度変化(特に、100℃以上の高温環境下において)による機械的特性の劣化が大きくなる傾向にある。なお、本発明の重合体粒子を製造する際に、後述する予め芯重合体粒子を得る工程を採用する場合には、使用するカルボキシル基含有モノマー全量100重量%のうち、好ましくは75重量%以上、特に90重量%以上を、芯重合体粒子を得る為に用いることが好ましい。
本発明に係る重合性モノマーには、上記架橋性モノマーおよびカルボキシル基含有モノマーに加えて、これらと共重合可能なモノマーが含有されていても良い。
このような共重合可能なモノマーとしては、特に限定されないが、スチレン、エチルビニルベンゼン、α−メチルスチレン、フルオロスチレン、ビニルピリンなどの芳香族ビニル化合物;アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのエチレン性不飽和ニトリル;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸n−アミル、(メタ)アクリル酸イソアミル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸グリシジルなどのエチレン性不飽和カルボン酸エステル;(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチロール(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミドなどのエチレン性不飽和カルボン酸アミド;などが挙げられる。これらは単独あるいは2種以上を混合して用いることもできる。
本発明においては、上記共重合可能なモノマーのなかでも、エチルビニルベンゼン、スチレンおよびメタクリル酸メチルが好ましい。
共重合可能なモノマーの使用量は、全重合性モノマー100重量%に対して、好ましくは0〜96重量%、より好ましくは10〜90重量%、特に好ましくは30〜80重量%である。なお、本発明の重合体粒子を製造する際に、後述する予め芯重合体粒子を得る工程を採用する場合には、使用する共重合可能なモノマー全量100重量%のうち、好ましくは10〜95重量%、特に30〜75重量%を、芯重合体粒子を得る為に用いることが好ましい。
重合体粒子の製造方法
次いで、本発明の重合体粒子の製造方法について説明する。
本発明の重合体粒子の製造方法は、架橋性モノマーとカルボキシル基含有モノマーとを少なくとも含む重合性モノマーを重合することにより得られる重合体粒子を、アルカリで処理する。
その際、重合体粒子を構成することとなる全重合性モノマーのうち少なくとも一部の重合性モノマーを予め重合させることにより芯重合体粒子を得る工程と、 前記芯重合体粒子の存在下で、前記重合体粒子を構成することとなる重合性モノマーのうち残りの重合性モノマーを重合させて、未処理の重合体粒子得る工程と、
未処理の前記重合体粒子を、アルカリで処理する工程と、を有することが好ましい。
上記の方法により、得られる重合体粒子の粒子径分布を狭く、均一なものとすることができる。
全重合性モノマーのうち少なくとも一部を予め重合させ、芯重合体粒子を得る際における重合方法としては、特に限定されないが、得られる芯重合体粒子の粒子径分布を狭く、均一にできるという点より、乳化重合法が好ましい。乳化重合法としては、従来公知の方法を採用すれば良い。また、乳化重合するに際しては、乳化剤、重合開始剤、分子量調整剤等の通常用いられる重合副資材を使用することができる。
予め重合させ、芯重合体粒子を構成させる重合体モノマーの比率は、特に限定されず、本発明の重合体粒子を構成することとなる全重合性モノマー100重量%に対して、好ましくは50〜90重量%の範囲、特に60〜85重量%の範囲が好ましい。芯重合体粒子を構成させる重合体モノマーの比率が低すぎると、重合安定性が悪化する傾向にある。一方、多すぎると、アルカリ処理時の安定性が悪化する傾向にある。
また、予め重合させ、芯重合体粒子を構成させる重合体モノマー中における、各モノマーの比率は、特に限定されないが、次の範囲とすることが好ましい。
すなわち、架橋性モノマーの比率が、好ましくは0〜3重量%、より好ましくは0.03〜2重量%である。また、カルボキシル基含有モノマーの比率が、好ましくは10〜60重量%、より好ましくは15〜50重量%である。さらに、共重合可能なモノマーの比率が、好ましくは37〜90重量%、より好ましくは48〜84.97重量%である。
芯重合体粒子の平均粒子径は、特に限定されないが、好ましくは0.03〜0.5μm、より好ましくは0.05〜0.2μmである。
乳化重合に用いる、乳化剤としては、特に限定されないが、たとえば、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤が挙げられる。これらのなかでも、アルキルベンゼンスルホン酸塩、脂肪族スルホン酸塩、高級アルコールの硫酸エステル塩、α−オレフィンスルホン酸塩、アルキルエーテル硫酸エステル塩等のアニオン性界面活性剤が好ましく使用できる。乳化剤の使用量は、芯重合体粒子を構成させる重合性モノマー100重量部に対して、好ましくは0.5〜10重量部、より好ましくは1〜8重量部である。
重合開始剤としては、特に限定されないが、ラジカル開始剤が好ましく使用できる。このようなラジカル開始剤としては、たとえば、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過リン酸カリウム、過酸化水素等の無機過酸化物;t−ブチルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、p−メンタンハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、イソブチリルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、ジベンゾイルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシイソブチレート等の有機過酸化物;アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル、アゾビスイソ酪酸メチル等のアゾ化合物;などを挙げることができる。これらの重合開始剤は、単独でまたは2種類以上を組み合わせて使用することができる。重合開始剤の使用量は、芯重合体粒子を構成させる重合性モノマー100重量部に対して、好ましくは0.01〜2重量部、より好ましくは0.05〜1.5重量部である。
必要に応じて使用される分子量調整剤としては、特に限定されないが、たとえば、α−メチルスチレンダイマー;t−ドデシルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、オクチルメルカプタン等のメルカプタン類;四塩化炭素、塩化メチレン、臭化メチレン等のハロゲン化炭化水素;テトラエチルチウラムダイサルファイド、ジペンタメチレンチウラムダイサルファイド、ジイソプロピルキサントゲンダイサルファイド等の含硫黄化合物;などが挙げられる。これらは単独でまたは2種類以上を組み合わせて使用することができる。分子量調整剤の使用量は、その種類によって異なるが、芯重合体粒子を構成させる重合性モノマー100重量部に対して、好ましくは0.8重量部以下、より好ましくは0.7重量部以下である。
本発明においては、さらに必要に応じて、上記以外の重合副資材を用いてもよい。このような重合副資材としては、キレート剤、分散剤、pH調整剤、脱酸素剤、粒子径調整剤等が挙げられ、これらの種類、使用量とも特に限定されない。
乳化重合は、芯重合体粒子を構成させる重合性モノマーおよび各重合副資材を用い、通常、水中で行われる。重合温度は特に限定されないが、通常、0〜95℃、好ましくは5〜90℃とする。重合反応を停止した後、所望により、未反応のモノマーを除去し、固形分濃度やpHを調整することにより芯重合体粒子の水分散液を得ることができる。
次いで、芯重合体粒子の存在下で、重合体粒子を構成することとなる重合性モノマーのうち残りの重合性モノマーを重合させる。なお、この際の重合方法としては、特に限定されないが、上記にて得られた芯重合体粒子の水分散液に、残りの重合性モノマーを添加し、これを乳化重合する方法が好ましい。また、乳化重合するに際しては、上記と同様の重合副資材を使用すれば良い。
芯重合体粒子の存在下で重合させる残りの重合性モノマーの比率は、最終的な重合体粒子を構成することとなる重合性モノマーの比率、および芯重合体粒子を構成することとなる重合性モノマーの比率に応じて決定すれば良く、特に限定されないが、たとえば、次の範囲とすることが好ましい。
すなわち、架橋性モノマーの比率が、好ましくは1〜100重量%、より好ましくは5〜80重量%である。また、カルボキシル基含有モノマーの比率が、好ましくは0〜10重量%、より好ましくは0〜3重量%である。さらに、共重合可能なモノマーの比率が、好ましくは0〜99重量%、より好ましくは17〜95重量%である。
次いで、得られた未処理の重合体粒子について、アルカリ処理を施す。
アルカリ処理は、未処理の重合体粒子の水分散液に、アンモニア水溶液、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液、などのアルカリ水溶液を添加し、通常10分〜1時間の条件で撹拌することにより行う。アルカリ処理を行うことにより、重合体粒子を構成するカルボキシル基含有モノマーに由来するカルボキシル基とアルカリとが相互作用し、これにより、得られる重合体粒子が温度変化(特に、100℃以上の高温環境下において)による機械的特性の劣化が小さくなる。なお、アルカリ処理における、アルカリの使用量は、未処理の重合体粒子中に存在するカルボキシル基のmol数に対し、通常0.8〜1.5倍mol、好ましくは1〜1.2倍molである。
本発明の製法においては、アルカリ処理を行った前記重合体粒子を、金属塩で処理する工程を設けることが好ましい。アルカリ処理を行った後に、さらに金属塩処理を施すことにより、重合体粒子を構成するカルボキシル基含有モノマーに由来する複数のカルボキシル基同士が、金属イオンを介して相互作用し、これにより、本発明の効果がより一層顕著になる。金属塩処理は、アルカリ処理を行った重合体粒子の水分散液に、硫酸アルミニウム、塩酸アルミニウムおよび硝酸アルミニウム等のアルミニウム塩;硫酸カルシウム、塩酸カルシウムおよび硝酸カルシウム等のカルシウム塩;硫酸マグネシウム、塩酸マグネシウムおよび硝酸マグネシウム等のマグネシウム塩;などの金属塩の水溶液を添加し、通常10分〜1時間の条件で撹拌することにより行う。なお、上記金属塩の中でも、硫酸アルミニウム、硫酸カルシウムおよび硫酸マグネシウム等の多価酸の金属塩が好ましく、硫酸アルミニウムが特に好ましい。
また、金属塩処理における、金属塩の使用量は、未処理の状態(アルカリ処理前の状態)における重合粒子中に存在するカルボキシル基のmol数に対し、通常0.1〜1倍mol、好ましくは0.3〜0.6倍molである。
このようにして製造される本発明の重合体粒子は、各種ゴムや熱可塑性樹脂の充填剤や改質剤等として、これらと混合して用いた場合においても、機械特性(たとえば、弾性率)の温度依存性(特に、100℃以上と比較的に高い温度における温度依存性)が小さく、温度変化による機械特性の劣化の低減が可能な重合体粒子を提供することができる。
したがって、本発明の重合体粒子は、このような比較的に高い温度で使用されるゴムや樹脂の充填剤や改質剤として好適に用いることができる。
なお、重合体粒子の平均粒子径は、特に限定されないが、好ましくは0.04〜1μm、より好ましくは0.05〜0.3μmである。
本発明の重合体粒子は、各種ゴムや熱可塑性樹脂の充填剤や改質剤として適用することができ、適用されるゴムや熱可塑性樹脂としては特に限定されないが、たとえば、天然ゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、アクリルゴム、ニトリルゴム、水素化ニトリルゴム、フッ素ゴムなどの各種ゴム;ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリ(メタ)アクリレート系樹脂、ポリ(メタ)アクリルアミド系樹脂、ポリ(メタ)アクリロニトリル系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリアリーレンスルフィド系樹脂、ふっ素系樹脂、ポリイミド系樹脂、熱可塑性ポリウレタン系樹脂などの各種熱可塑性樹脂;が挙げられるが、ニトリルゴム(水素化ニトリルゴムも含む)の充填剤や改質剤として、特に好適に用いられる。
架橋性ゴム組成物
本発明の架橋性ゴム組成物は、上記に記載の重合体粒子、ニトリルゴムおよび架橋剤を含有してなる。
ニトリルゴムは、アクリロニトリルおよびメタクリロニトリルなどのエチレン性不飽和ニトリル単量体と、ブタジエン等の共役ジエン単量体、および、必要に応じてその他の単量体(スチレン等の芳香族ビニル単量体;アクリル酸、メタアクリル酸、マレイン酸、マレイン酸モノブチル、フマル酸モノブチル等のカルボキシル基含有単量体;等)を乳化重合等の従来公知の方法で共重合して得られる。
なお、ニトリルゴムは、共重合して得られたニトリルゴムを従来公知の方法で水素化し、ヨウ素価を120以下にしたニトリルゴムが好ましい。
ニトリルゴム中の、エチレン性不飽和ニトリル単量体単位含有量は、好ましくは10〜60重量%、より好ましくは15〜55重量%、特に好ましくは20〜50重量%である。
また、ニトリルゴム中の共役ジエン単量体単位含有量は、好ましくは90〜40重量%、より好ましくは85〜45重量%、特に好ましくは80〜50重量%である。
さらに、ニトリルゴム中のその他の単量体単位含有量は、好ましくは30重量%以下、特に好ましくは10重量%以下である。
ニトリルゴムのムーニー粘度〔ML1+4(100℃)〕は、好ましくは15〜200、より好ましくは30〜150、特に好ましくは45〜120である。
本発明の架橋性ゴム組成物が含有する架橋剤としては、ポリアミン化合物、有機過酸化物、多価エポキシ化合物、多価イソシアナート化合物、アジリジン化合物、硫黄化合物、塩基性金属酸化物および有機金属ハロゲン化物などのゴムの架橋に通常用いられる従来公知の架橋剤を用いることができる。
本発明の架橋性ゴム組成物における架橋剤の含有量は、ニトリルゴム100重量部に対し、好ましくは0.2〜20重量部、より好ましくは1〜15重量部、特に好ましくは1.5〜10重量部である。
本発明の架橋性ニトリルゴム組成物には、上記重合体粒子、ニトリルゴム、および架橋剤以外に、ゴム加工分野において通常使用される配合剤、例えば、カーボンブラック、アクリル酸亜鉛およびメタクリル酸亜鉛などの補強性充填剤;炭酸カルシウムやクレーなどの非補強性充填材、酸化防止剤、光安定剤、一級アミンなどのスコーチ防止剤、可塑剤、加工助剤、滑剤、粘着剤、潤滑剤、難燃剤、防黴剤、受酸剤、帯電防止剤、着色剤、架橋促進剤、架橋助剤、架橋遅延剤などを配合することができる。
本発明の架橋性ニトリルゴム組成物は、上記重合体粒子を、ニトリルゴム100重量部に対し、好ましくは1〜100重量部、より好ましくは10〜90重量部、特に好ましくは20〜50重量部含有する。
また、本発明の架橋性ニトリルゴム組成物には、本発明の目的や効果を阻害しない範囲であればニトリルゴム以外の他のゴムを配合してもよい。他のゴムの配合量は、ニトリルゴム100重量部に対して、好ましくは50重量部以下、より好ましくは10重量部以下である。
本発明の架橋性ニトリルゴム組成物は、上記各成分を、好ましくは非水系で混合して調製される。本発明の架橋性ニトリルゴム組成物を調製する方法に限定はないが、通常、架橋剤および熱に不安定な架橋助剤などを除いた成分を、バンバリーミキサ、インターミキサ、ニーダーなどの混合機で一次混練した後、ロ−ルなどに移して架橋剤等を加えて二次混練する。
本発明の架橋性ニトリルゴム組成物は、そのムーニー粘度〔ML1+4(100℃)〕(コンパウンドムーニー)が、好ましくは15〜150、より好ましくは50〜100であり、加工性に優れる。
ゴム架橋物
本発明のゴム架橋物は、上記の架橋性ニトリルゴム組成物を架橋してなる。
本発明のゴム架橋物を得るには、所望の形状に対応した成形機、例えば押出機、射出成形機、圧縮機、ロールなどにより成形を行い、架橋反応によりゴム架橋物としての形状を固定化する。予め成形した後に架橋しても、成形と同時に架橋を行ってもよい。成形温度は、通常、10〜200℃、好ましくは25〜120℃である。架橋温度は、通常、100〜200℃、好ましくは130〜190℃であり、架橋時間は、通常、1分〜24時間、好ましくは2分〜1時間である。
また、ゴム架橋物の形状、大きさなどによっては、表面が架橋していても内部まで十分に架橋していない場合があるので、さらに加熱して二次架橋を行ってもよい。
本発明のゴム架橋物は、平ベルト(フィルムコア平ベルト、コード平ベルト、積層式平ベルト、単体式平ベルト等)、Vベルト(ラップドVベルト、ローエッジVベルト等)、Vリブドベルト(シングルVリブドベルト、ダブルVリブドベルト、ラップドVリブドベルト、背面ゴムVリブドベルト、上コグVリブドベルト等)、CVT用ベルト、タイミングベルト、歯付ベルト、コンベアーベルト、などの各種ベルト;O−リング、パッキン、ダイアフラム、オイルシール、シャフトシール、ベアリングシール、ウェルヘッドシール、空気圧機器用シール、エアコンディショナの冷却装置や空調装置の冷凍機用コンプレッサに使用されるフロン若しくはフルオロ炭化水素または二酸化炭素の密封用シール、精密洗浄の洗浄媒体に使用される超臨界二酸化炭素または亜臨界二酸化炭素の密封用シール、転動装置(転がり軸受、自動車用ハブユニット、自動車用ウォーターポンプ、リニアガイド装置およびボールねじ等)用のシール、バルブおよびバルブシート、BOP(Blow Out Preventar)、プラターなどの各種シール用ゴム部材;インテークマニホールドとシリンダヘッドとの連接部に装着されるインテークマニホールドガスケット、シリンダブロックとシリンダヘッドとの連接部に装着されるシリンダヘッドガスケット、ロッカーカバーとシリンダヘッドとの連接部に装着されるロッカーカバーガスケット、オイルパンとシリンダブロックあるいはトランスミッションケースとの連接部に装着されるオイルパンガスケット、正極、電解質板および負極を備えた単位セルを挟み込む一対のハウジング間に装着される燃料電池セパレーター用ガスケット、ハードディスクドライブのトップカバー用ガスケットなどの各種ガスケット;CVJブーツ、プロペラシャフトブーツ、等速ジョイントブーツ、ラックアンドピニオンブーツなどの各種ブーツ;印刷用ロール、製鉄用ロール、製紙用ロール、工業用ロール、事務機用ロールなどの各種ロール;およびクッション材、ダイナミックダンパ、ゴムカップリング、空気バネ、防振材などの減衰材ゴム部品;として好適に用いられ、ベルトまたはシール用ゴム部材として特に好適に用いられる。
また、本発明のゴム架橋物は、燃料ホース、ターボエアーホース、オイルホース、ラジエターホース、ヒーターホース、ウォーターホース、バキュームブレーキホース、コントロールホース、エアコンホース、ブレーキホース、パワーステアリングホース、エアーホース、マリンホース、ライザー、フローラインなどの各種ホース;ダストカバー、自動車内装部材、タイヤ、被覆ケーブル、靴底、電磁波シールド、フレキシブルプリント基板用接着剤等の接着剤、燃料電池セパレーターの他、化粧品、および医薬品の分野、食品と接触する分野、エレクトロニクス分野など幅広い用途に使用することもできる。
以下、本発明を実施例に基づきさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、実施例および比較例における部および%は、特に断りのない限り重量基準である。また、各特性は、下記に示す方法により測定した。
実施例1
芯重合体粒子の製造
攪拌装置を備えた耐圧容器に、スチレン:48部、ジビニルベンゼン(DVB−55):2部、メタクリル酸メチル:10部、メタクリル酸:40部、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム:0.9部、トリポリリン酸ナトリウム:0.1部、およびイオン交換水:80部を添加し、次いで、攪拌することにより、芯重合体粒子形成用の重合性モノマーの乳化物を調製した。
一方、上記とは別の攪拌装置を備えた耐圧容器に、イオン交換水:350部、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム:0.15部、トリポリリン酸ナトリウム:0.1部を添加し85℃に昇温した。次いで、ここに過硫酸カリウム3%水溶液:30部を添加し、上記にて調製した芯重合体粒子形成用の重合性モノマーの乳化物を4時間かけて添加した後、さらに2時間反応させ、その後、重合系を室温まで冷却することにより、固形分濃度18.2%の芯重合体粒子の水分散液を得た。なお、重合転化率は99%以上であった。
重合体粒子の製造
攪拌装置を備えた耐圧容器に、上記にて製造した芯重合体粒子の水分散液:800部(固形分換算では、188部)、スチレン:50部、ジビニルベンゼン(DVB−55):50部、およびクメンハイドロパーオキサイド:0.45部を添加し、85℃に昇温した。一方、上記とは別に、エチレンジアミン四酢酸鉄ナトリウム:0.015部、ナトリウムホルムアルデヒドスルフォキシレート:0.29部およびエチレンジアミン四酢酸鉄ナトリウム四水塩:0.04部をイオン交換水:15部に溶解した溶液を準備し、この溶液を芯重合体粒子の水分散液、スチレン、ジビニルベンゼンおよびクメンハイドロパーオキサイドを添加した耐圧容器中に添加した後、3時間反応させ、その後、重合系を室温まで冷却することにより、固形分濃度25.1%の重合体粒子の水分散液を得た。
重合体粒子のアルカリ処理
次いで、得られた重合体粒子の水分散液:100部(固形分換算では、31.9部に対し、アンモニア20%水溶液:7部を添加し、30分攪拌を行い、アルカリ処理重合体粒子の水分散液を得た。得られた水分散液のpHは7以上であった。そして、アルカリ処理重合体粒子の水分散液を乾燥させることにより、アルカリ処理重合体粒子紛体を得た。
重合体粒子配合水素化ニトリルゴムの製造
上記にて得られたアルカリ処理重合体粒子紛体:40部、水素化ニトリルゴム(Zetpol2000、日本ゼオン(株)製):100部、4,4’−ジ−(α,α’−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン(ナウガード445、ユニロイヤル社製、老化防止剤):1.5部、ステアリン酸:1部、および1,3−ビス(t−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン(Vulcup40KE、ハーキュレス社製):8部を添加して、混練し、重合体粒子配合水素化ニトリルゴムを得た。
弾性率の測定
上記にて得られた重合体粒子を配合した水素化ニトリルゴムの弾性率を、JIS K7171に従い測定した。試験片としては、長さ100mm、幅10mm、厚さ4mmのものを用いた。また、本実施例においては、弾性率の測定は、温度100℃、150℃、および170℃の条件下で行うとともに、温度100℃における弾性率に対する、温度170℃における弾性率の変化率を、下記式(1)に従い求めた(温度150℃における弾性率の変化率も同様)。
弾性率の変化率(%)=[弾性率(170℃)−弾性率(100℃)]/弾性率(100℃)×100 …(1)
弾性率が高い程、強度に優れ、また、弾性率の変化率が小さいほど、機械特性の温度依存性に優れていると判断できる。結果を表1に示す。
実施例2
アルカリ処理を行った重合体粒子について、さらに金属塩処理を施した以外は、実施例1と同様に重合体粒子の水分散液を製造し、実施例1と同様に重合体粒子配合水素化ニトリルゴムを得て、同様に評価を行った。結果を表1に示す。
なお、金属塩処理は、次の方法により行った。
すなわち、実施例1と同様にして得られたアルカリ処理重合体粒子の水分散液:107部(固形分換算では、24.8部に対し、硫酸アルミニウム20%水溶液:90部を添加し、30分攪拌を行い、金属塩処理重合体粒子の水分散液を得た。
比較例1
重合体粒子を製造する際に、アルカリ処理を行わなかった以外は、実施例1と同様に重合体粒子の水分散液を製造し、実施例1と同様に重合体粒子配合水素化ニトリルゴムを得て、同様に評価を行った。結果を表1に示す。なお、得られた未処理の重合体粒子の平均粒子径は0.1μmであった。
Figure 2008297394
表1より、重合性モノマーを重合させた後に、さらにアルカリで処理された重合体粒子を用い、これを水素化ニトリルゴムに配合した場合には、100℃以上の高温条件下においても、弾性率の変化率(100℃における弾性率に対する、170℃における弾性率の変化の割合)が低く抑えられ、弾性率の温度依存性に優れる結果となった(実施例1,2)。すなわち、温度上昇に伴う強度の劣化を有効に防止できることが確認できた。
これに対して、重合性モノマーを重合させた後に、アルカリで処理しなかった重合体粒子を用い、これを水素化ニトリルゴムに配合した場合には、100℃以上の高温条件下において、弾性率の変化率が大きくなり、弾性率の温度依存性に劣る結果となった(比較例1)。すなわち、温度上昇に伴う強度の劣化が大きくなる結果となった。

Claims (9)

  1. 架橋性モノマーとカルボキシル基含有モノマーとを少なくとも含む重合性モノマーを重合することにより得られる重合体粒子であって、
    前記重合体粒子が、重合性モノマーを重合させた後に、さらにアルカリで処理されたものである重合体粒子。
  2. 前記重合体粒子が、アルカリ処理の後に、さらに金属塩で処理されたものである請求項1に記載の重合体粒子。
  3. 前記重合体粒子が、前記重合体粒子を構成することとなる重合性モノマーのうち少なくとも一部の重合性モノマーを予め重合させることにより芯重合体粒子を得た後、前記芯重合体粒子の存在下で、前記重合体粒子を構成することとなる重合性モノマーのうち残りの重合性モノマーを重合することにより得られるものである請求項1又は2に記載の重合体粒子。
  4. 全重合性モノマー100重量%に対する、前記架橋性モノマーの比率が3重量%以上、前記カルボキシル基含有モノマーの比率が1重量%以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の重合体粒子。
  5. 前記芯重合体粒子を構成させるために予め重合させる重合性モノマーの比率が、前記重合体粒子を構成することとなる全重合性モノマー100重量%に対して、50〜90重量%の範囲である請求項3又は4に記載の重合体粒子。
  6. 前記重合性モノマーが、前記架橋性モノマー3〜50重量%、前記カルボキシル基含有モノマー1〜50重量%、およびこれらと共重合可能なモノマー0〜96重量%からなる請求項1〜5のいずれかに記載の重合体粒子。
  7. 少なくとも架橋性モノマーとカルボキシル基含有モノマーとを含む重合性モノマーを重合することにより得られる重合体粒子を製造する方法であって、
    前記重合体粒子を構成することとなる全重合性モノマーのうち少なくとも一部の重合性モノマーを予め重合させることにより芯重合体粒子を得る工程と、
    前記芯重合体粒子の存在下で、前記重合体粒子を構成することとなる重合性モノマーのうち残りの重合性モノマーを重合させて、未処理の重合体粒子を得る工程と、
    未処理の前記重合体粒子を、アルカリで処理する工程と、
    アルカリ処理された前記重合体粒子を、金属塩で処理する工程と、
    を有する重合体粒子の製造方法。
  8. 請求項1〜6のいずれかに記載の重合体粒子、ニトリルゴムおよび架橋剤を含有してなる架橋性ゴム組成物。
  9. 請求項8に記載の架橋性ゴム組成物を架橋してなるゴム架橋物。
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