JP2008297274A - 抗ストレスまたはリラックス用組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】テアニンのもつリラックス効果とお茶を飲むことによるリラックス効果を最大限に発揮できる抗ストレスまたはリラックス用組成物を提供すること。
【解決手段】テアニンおよびアスパラサス・リネアリス抽出物を有効成分として含有することを特徴とする抗ストレスまたはリラックス用組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、テアニンおよびアスパラサス・リネアリス抽出物を含む抗ストレスまたはリラックス用組成物に関する。
現代は、ストレス過負荷の時代であり、例えば、暑さ、寒さ、騒音、渋滞、満員電車での通勤、結婚、子育てなどの取り巻く自然、社会環境のすべてからストレスが生じている。財団法人健康・体力事業財団の調査によるとストレスを受けた人では、「肩や首筋が凝る」、「背中や腰が痛む」、「疲れやすい」、「前日の疲れが朝まで残っている」、「イライラする」といった症状を訴える人が多い。
また、人にストレスが負荷されると、下垂体にストレス刺激が伝達され、副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)が多く分泌し、副腎皮質からコルチゾールに代表される副腎皮質ホルモン(ステロイド)が血中に放出され免疫力が低下する。一方、ストレス刺激は交感神経系にも伝達され、副腎髄質からアドレナリンまたはノルアドレナリンなどのカテコールアミン類が血中に放出され、血管の収縮などの様々な薬理作用を引き起こす。我々はこれらストレスを回避するためにリラックスすることが必要である。
α波は、心が落ち着きゆったりとした気分の時に現れる脳波の一つであり、α波の増減はリラックスの指標となる。紅茶や緑茶には、精神をリラックスさせる効果があると昔からいわれており、紅茶にはそれを飲む行為にα波の増加傾向が確認されている(非特許文献1)。また、緑茶に含まれるテアニンにはリラックス効果があることが確認されている(特許文献1〜3および非特許文献2)。
一方、紅茶、コーヒー、緑茶には、興奮性のカフェインが含まれており、テアニンと拮抗する。そのため、緑茶や紅茶に含まれるテアニンのリラックス効果は十分に発揮されない。また、紅茶、コーヒー、緑茶などをカフェインレスにすると本来の風味が損なわれ嗜好性に欠ける。カフェインレスコーヒーにテアニンを添加することでコーヒーの風味に近づくことが特許文献2で開示されているが、風味が近付くだけであり、本来の風味ではない。従って、テアニンのリラックス効果を最大限に発揮させ、かつ、嗜好性の優れた本来の風味のままである飲料が強く望まれている。
一方、アスパラサス・リネアリス(Aspalathus linearis)は南アフリカのセダルバーグ山脈一帯の海抜450m以上の高原地帯のみに自生するハーブの一種である。そしてこの植物はやせた強酸性の土壌で昼夜の温度差が大きい過酷な自然条件の中でのみ成育するという特徴を有し、古くから南アフリカの原住民の間に伝わる伝承薬であり、その葉を発酵したものは紅茶に似た上質な香りと味を有し、ヨーロッパを中心に広く嗜好飲料として愛用されている。また、アスパラサス・リネアリス抽出物にはカフェインは全く含まれず、タンニン含量も日本茶など従来のお茶に比べて極めて低いのが特徴である(非特許文献3、4)。
特許第2904655号公報 特開2004−105003号公報 特開2005−232045号公報 紅茶を飲む時に生ずる付香の生理応答に対する効果 日本生理人類学会誌 vol.5,No.3 2000年8月 15−22 緑茶に含まれるユニークなアミノ酸、L−テアニンとそのリラックス効果 FRAGRANCE JOURNAL 2000年4月号 74−80 茶の機能性I ルイボスティーの生態と生理作用 食品工業 2002.3.30 50−56 茶の機能性II ルイボスティーの生態と生理作用(下)食品工業 2002.4.30 43−54
本発明は、テアニンのもつリラックス効果とお茶を飲むことによるリラックス効果を最大限に発揮できる抗ストレスまたはリラックス用組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、カフェインを全く含まないお茶であるアスパラサス・リネアリス抽出物にテアニンを添加することにより、そのお茶が嗜好性に優れ、テアニンとお茶のリラックス効果が最大限に発揮されていることを見出し、この知見に基づいてさらに研究を進め、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
[1] テアニンおよびアスパラサス・リネアリス抽出物を有効成分として含有することを特徴とする抗ストレスまたはリラックス用組成物、
[2] カフェインレスであることを特徴とする前記[1]記載の抗ストレスまたはリラックス用組成物、
[3] さらに、リラックス効果のある香りを付香されていることを特徴とする前記[1]または[2]に記載の抗ストレスまたはリラックス用組成物、
[4] リラックス効果のある香りが、レモンフレーバー、オレンジフレーバー、グレープフルーツフレーバー、ライムフレーバー、ラベンダー、ベルガモット、カモミール、ヒノキ、ローズマリー、スペアミント、サンダルウッド、マジョラム、キャラウェイ、シダーウッドから選ばれる1種または2種以上であることを特徴とする前記[3]記載の抗ストレスまたはリラックス用組成物、および
[5] 飲料であることを特徴とする前記[1]〜[4]のいずれかに記載の抗ストレスまたはリラックス用組成物、
に関する。
本発明の抗ストレスまたはリラックス用組成物は、嗜好性に優れ、優れたリラックス効果を発揮することができる。
本発明の抗ストレスまたはリラックス用組成物はテアニンおよびアスパラサス・リネアリス抽出物を有効成分として含有する組成物に関する。
本発明に用いられるテアニンの製造法としては、茶葉から抽出する方法、有機合成反応させてテアニンを得る方法(Chem.Pharm.Bull.,19(7)1301−1307(1971))、グルタミンとエチルアミンの混合物にグルタミナーゼを作用させてテアニンを得る方法(特公平7−55154号公報)、エチルアミンを含有する培地で茶の培養細胞群を培養し、培養細胞群中のテアニン蓄積量を増加させつつ培養細胞群の増殖促進を図る方法(特開平5−123166号公報)、また、特公平7−55154号公報、開平5−123166号公報におけるエチルアミンをエチルアミン塩酸塩などのエチルアミン誘導体に置き換えてテアニンを得る方法、茶葉から抽出する方法などがありいずれの方法でも良い。ここでいう茶葉とは、緑茶、ウーロン茶、紅茶などが挙げられる。このような方法により得られたテアニンは、L−体、D−体、DL−体いずれも使用可能であるが、中でもL−体は、食品添加物にも認められており、経済的にも利用しやすいため、本発明においては、L−体が好ましい。また、精製品(テアニン含量98%以上)、粗精製品(テアニン含量50〜98%)、抽出エキス(テアニン含量10〜50%)などのいずれの形状でも良いが、風味および取扱いが容易という点で、発酵法で製造した乾燥テアニンが好ましい。本発明の抗ストレスまたはリラックス用組成物へのテアニンの配合量は、特に制限されないが、リラックス用組成物1日分の摂取量中0.1mg〜10000mgが好ましく、さらに好ましくは10mg〜1000mgである。
本発明に用いるアスパラサス・リネアリス抽出物の製造方法は、特に限定されず、熱水抽出、冷水抽出(特開平7−155133号公報、特開平7−39353号公報)、超臨界抽出、溶媒抽出などを用いることが可能であるが、熱水抽出後、濾過、冷却し、乾燥した抽出物を用いるのが好ましい。本発明の抗ストレスまたはリラックス用組成物へのアスパラサス・リネアリス抽出物の配合量は、特に制限されないが、テアニン1重量部に対して、0.1〜100重量部が好ましく、さらに好ましくは0.5〜20重量部である。
さらに、本発明の抗ストレスまたはリラックス用組成物は、リラックス効果のある香りを付香されていてもよい。本発明に用いられるリラックス効果のある香りとしては、特に限定されるものではないが、レモンフレーバー、オレンジフレーバー、グレープフルーツフレーバー、ライムフレーバー、ラベンダー、ベルガモット、カモミール、ヒノキ、ローズマリー、スペアミント、サンダルウッド、マジョラム、キャラウェイ、シダーウッド、などが挙げられる。これらの形状としては抽出エキス、精油、ハーブティーなどで特に限定されるものではない。これらの配合量は、特に制限されないが、テアニン1重量部に対して、0.0001〜10重量部が好ましく、さらに好ましくは0.01〜1重量部である。
また、本発明の抗ストレスまたはリラックス用組成物に生薬、アミノ酸、ビタミン、ミネラル、その他食品または医薬品に許容される素材・原料(例えば牛乳、全粉乳、脱脂乳、部分脱脂乳、濃縮乳、クリーム等の乳成分や、グラニュー糖、砂糖、果糖、ブドウ糖等の糖類、エリスリトール、キシリトール等の糖アルコール類、アスパルテーム、スクラロース等の高甘味度甘味料、ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、カゼインナトリウム、ラムダカラギーナン、イオタカラギーナン等の乳化安定剤など)を併用することができる。ここにおいて、使用する生薬とは特に限定されるものではないが、カノコソウ、当帰、芍薬、牡丹、高麗人参などが挙げられる。併用するビタミンにおいてはビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK、葉酸、ニコチン酸、リポ酸、パントテン酸、ビオチン、ユビキノン、プロスタグランジンなどがあげられ、これらビタミンの誘導体も含まれるがこれらのみに限定されるものではない。併用するミネラルにおいては、カルシウム、鉄、マグネシウム、銅、亜鉛、セレン、カリウム、マンガン、クロム、モリブデン、ニッケル、バナジウムなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明の抗ストレスまたはリラックス用組成物の製法は特に限定されるものではなく、テアニンおよびアスパラサス・リネアリス抽出物と必要により他の原材料を粉体混合する製法、溶媒中にテアニンおよびアスパラサス・リネアリス抽出物と必要により他の原材料を溶かし混合溶液とする製法、またその混合溶液を凍結乾燥する製法、噴霧乾燥する製法等、一般的な食品、医薬品の製法が適用される。
本発明の抗ストレスまたはリラックス用組成物は、食品組成物または医薬品組成物として摂取する場合には溶液、懸濁物、粉末、固体成形物などの形態であれば良く特に限定するものではない。食品組成物に用いる場合は、テアニンおよびアスパラサス・リネアリス抽出物を含有してなる食品だけでなく、食品添加物も含まれる。より具体的には、黄杞茶、コーヒー、ココア、緑茶、ウーロン茶、紅茶、ハーブティーなどの茶類、濃縮果汁、濃縮還元ジュース、ストレートジュース、果実ミックスジュース、果粒入り果実ジュース、果汁入り飲料、果実・野菜ミックスジュース、野菜ジュース、炭酸飲料、清涼飲料、乳飲料、日本酒、ビール、ワイン、カクテル、焼酎、ウイスキーなどの飲料、乳製品、酒、練り製品、大豆加工品、調味料、ムース、ゼリー、冷菓、飴、チョコレート、ガム、クラッカー、ケーキ、パン、スープ、錠剤、カプセル、シロップ剤、顆粒剤などが挙げられ、好ましくは黄杞茶、ハーブティーが挙げられる。
以下に実施例を用いて本発明を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、以下の実施例および試験例においては、テアニンは、市販品であるサンテアニン(商品名、太陽化学株式会社製)およびアスパラサス・リネアリス抽出物は市販品であるルイボス茶エキスT−75(商品名、佐藤食品工業株式会社製)を用いた。
[実施例1]
表1の処方で、飲料を製造した。
[実施例2]
下記成分を用い、実施例1と同様にしてキャンディを製造した。
[試験例]
実施例1の組成物および対照(水のみ)を飲用した場合において、4名の被験者(男性2名、女性2名)のα波を簡易脳波測定装置(商品名:FM−515A、フューテック エレクトロニクス社)を用いて測定した。被検体以外の食品が脳波に影響するのを防ぐため試験前2時間は絶食とし、測定は午前に行った。飲用前、飲用後15分、30分、45分、60分に3分間脳波を測定し、3分間のμV値を積算し、平均を算出した。評価は、各期間におけるα波出現量とβ波出現量の比(α/β)を計算することにより行い、飲用前のα/β比を1とした。結果を図1に示す。
図1から明らかなように、本発明の抗ストレスまたはリラックス用組成物は有意にα/β比を増強させることが確認された。
本発明により、抗ストレスまたはリラックス効果に優れた組成物を提供することができる。
図1は、実施例1の組成物および対照を飲用した場合の脳波測定時のα/β比の経時変化を示す。

Claims (5)

  1. テアニンおよびアスパラサス・リネアリス抽出物を有効成分として含有することを特徴とする抗ストレスまたはリラックス用組成物。
  2. カフェインレスであることを特徴とする請求項1記載の抗ストレスまたはリラックス用組成物。
  3. さらに、リラックス効果のある香りを付香されていることを特徴とする請求項1または2に記載の抗ストレスまたはリラックス用組成物。
  4. リラックス効果のある香りが、レモンフレーバー、オレンジフレーバー、グレープフルーツフレーバー、ライムフレーバー、ラベンダー、ベルガモット、カモミール、ヒノキ、ローズマリー、スペアミント、サンダルウッド、マジョラム、キャラウェイ、シダーウッドから選ばれる1種または2種以上であることを特徴とする請求項3記載の抗ストレスまたはリラックス用組成物。
  5. 飲料であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の抗ストレスまたはリラックス用組成物。
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