JP2008295244A - モータ駆動自動車用駆動制御装置 - Google Patents

モータ駆動自動車用駆動制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】車両の左右後輪それぞれ設けられたモータよって左右後輪のトルクを個別に制御するモータ駆動自動車に搭載されるモータ駆動自動車用駆動制御装置において、操舵応答性を向上させること。
【解決手段】後部配分比増加度を算出しハンドルが操作された場合左右どちらに操作されたのか判定する。後部配分比増加度が予め設定された通常変化範囲の最大値であるときに、操舵角及び車速に基づいて定まる目標ヨーレートとするための外輪トルク及び内輪トルクをそれぞれ最大時外輪トルク及び最大時内輪トルクとしたとき、最大時外輪トルクと直進時トルク及び最大時内輪トルクと直進時トルクとの差分値をそれぞれ最大時外輪差分トルク及び最大時内輪差分トルクとして算出する。最大時外輪差分トルクと最大時内輪差分トルクのそれぞれに、後部配分比増加度が大きくなるほど大きくなる補正係数を乗算しそれぞれ直進時トルクを足して外輪トルクと内輪トルクを算出する。
【選択図】図2

Description

本発明は、車両の左右後輪それぞれにモータが設けられ、そのモータによって左右後輪のトルクを個別に制御するモータ駆動自動車に搭載されるモータ駆動自動車用駆動制御装置に関する。
近年、車両をモータで駆動するモータ駆動自動車が注目をあびている。モータ駆動自動車には、モータのみで車両を駆動する電気自動車とエンジンとモータの両方を用いて車両を駆動するハイブリッド自動車がある。さらに、この種のモータ駆動自動車において、各車輪を駆動するモータを各車輪ごとに設け、その各モータを個別に制御することにより、操舵時の走行安定性を向上させる技術が種々提案されている。
例えば、特許文献1の電気自動車用駆動制御装置は、力行トルクマップ又は回生トルクマップ、アクセル開度又はブレーキ力、各車輪の車輪速に応じて各車輪に設けられたモータに対するトルク指令を仮確定している。その後、操舵角の変化に対するヨーレートの応答が目標応答に適合するよう、それぞれ仮確定されたトルク指令を補正して車体にヨー方向のモーメントを与えている。こうすることにより、車両の回転運動、横運動、すべり等に対処可能にして、確実かつ的確に車両の走行安定性を達成することを目的としている。
特開平10−210604号公報
ところで、車両後部の重量配分比が増加するほど、車両後部に働く遠心力が増加するために、操舵角と車速とが同じであってもヨーレートは変化する。
しかしながら、特許文献1に記載の技術は、車両の前後重量配分比が考慮されていない。したがって、ヨーレートを目標応答に適合させたとしても、車両の前後重量配分比の基準値に対して後部の配分比が大きくなったときには操舵応答性が低下する。ここで、モータが車両後輪に設けられているので、前後重量配分比の基準値に対して車両前部の重量比が大きくなったときよりも車両後部の重量比が大きくなったときのほうが、車両の前後重量配分比が変化することによる操舵応答性の低下の程度が大きくなる。
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、車両の左右後輪それぞれにモータが設けられ、そのモータによって左右後輪のトルクを個別に制御するモータ駆動自動車に搭載されるモータ駆動自動車用駆動制御装置において、操舵応答性を向上させることを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1のモータ駆動自動車用制御装置は、車両の左右後輪それぞれにモータが設けられ、そのモータによって左右後輪のトルクを個別に制御するモータ駆動自動車に搭載されるモータ駆動自動車用駆動制御装置において、前記車両の前後重量配分比の基準値に対して、後ろ側の重量配分比の増加度合いを示す後部配分比増加度を算出する配分比増加度算出手段と、前記車両の操舵角及び車速に基づいて、前記車両の左右後輪のうち操舵時に外輪となる側のトルクである外輪トルクと操舵時に内輪となる側のトルクである内輪トルクとをそれぞれ算出する操舵時トルク算出手段とを備え、前記操舵時トルク算出手段は、前記前後重量配分比が前記基準値のときの操舵応答性と同じになるように、前記配分比増加度算出手段によって算出された後部配分比増加度が大きくなるほど、前記外輪トルクと前記内輪トルクとのトルク差を大きくすることを特徴とする。
これによれば、操舵時トルク算出手段により、操舵角及び車速に基づいて操舵時の外輪トルクと内輪トルクとを算出しているが、この外輪トルクと内輪トルクは、後部配分比増加度が大きくなるほど、すなわち、車両後ろ側の重量配分比が大きくなるほど、互いのトルク差を大きくしており、これによって、重量配分比が基準値のときの操舵応答性と同じになるようにしている。従って、重量配分比が基準値から変化したときの操舵応答性の低下が抑制されるので、操舵応答性が向上することになる。
このような外輪トルクと内輪トルクを算出する操舵時トルク算出手段は、請求項2記載の態様や請求項3記載の態様とすることができる。
請求項2の操舵時トルク算出手段は、前記後部配分比増加度が予め設定された通常変化範囲の最大値であるときに、操舵角及び車速に基づいて定まる目標ヨーレートとするための前記外輪トルク及び前記内輪トルクをそれぞれ最大時外輪トルク及び最大時内輪トルクとしたとき、その最大時外輪トルクと直進時トルク及び最大時内輪トルクと直進時トルクとの差分値をそれぞれ最大時外輪差分トルク及び最大時内輪差分トルクとして算出する差分トルク算出手段と、
操舵時に前記車両後部に生じる遠心力の、前記車両の後ろ側の重量配分比が増加することによる増加分を相殺するために、前記差分トルク算出手段によって算出された最大時外輪差分トルク及び前記最大時内輪差分トルクに対して、前記後部配分比増加度が大きくなるほど大きくなり、前記後部配分比増加度が最大値のときに1となる補正係数を乗算して、補正外輪差分トルク及び補正内輪差分トルクをそれぞれ算出する差分トルク補正手段と、
前記差分トルク補正手段によって算出された補正外輪差分トルクに前記直進時トルクを足して前記外輪トルクを算出するとともに、前記差分トルク補正手段によって算出された補正内輪差分トルクに前記直進時トルクを足して前記内輪トルクを算出するトルク加算手段とを備えることを特徴とする。
外輪トルクと内輪トルクとのトルク差が大きいほどヨーレートを大きくすることができる。一方で、後部の重量配分比が増加するほど、車両後部に働く遠心力が増加するために内外輪のトルク差が同じであってもヨーレートは小さくなる。従って、後部の重量配分比が増加するのに応じて外輪トルクと内輪トルクとのトルク差を大きくすれば、走行安定性の低下を抑制できることになる。
そのため、請求項2では、まず、差分トルク算出手段により、後部配分比増加度が予め設定された通常変化範囲の最大値であるとしたときに目標ヨーレートとするための外輪トルク(最大時外輪トルク)と内輪トルク(最大時内輪トルク)に対して直進時トルクとの差分を算出し、最大時外輪差分トルク及び最大時内輪差分トルクとしている。ここで、上記通常変化範囲とは、車両の通常の使用態様において想定される様々な前後重量配分比に基づいて算出した後部配分比増加度が変化する範囲である。これら最大時外輪差分トルク及び最大時内輪差分トルクが、ヨーレートに影響する成分である。そこで、差分トルク補正手段において、最大時外輪差分トルク及び最大時内輪差分トルクに対して、後部配分比増加度が大きくなるほど大きくなり、後部配分比増加度が最大値のときに1となる補正係数を乗算して、操舵時に前記車両後部に生じる遠心力の、車両の後ろ側の重量配分比が増加することによる増加分を相殺できる補正外輪差分トルク及び補正内輪差分トルクを算出している。そして、トルク加算手段により、それら補正外輪差分トルク及び補正内輪差分トルクに直進時トルクを足して外輪トルク及び内輪トルクを算出している。このようにして外輪トルク及び内輪トルクを算出することにより、車両後ろ側の重量配分比が基準値に対して増加しても、重量配分比が基準値のときの操舵応答性と同じ操舵応答性が得られるようになる。
また、請求項3の操舵時トルク算出手段は、前記後部配分比増加度が予め設定された通常変化範囲の最大値であるときに、操舵角及び車速に基づいて定まる目標ヨーレートとするための前記外輪トルク及び前記内輪トルクをそれぞれ最大時外輪トルク及び最大時内輪トルクとしたとき、その最大時外輪トルクと最大時内輪トルクとのトルク差を最大時内外輪差分トルクとして算出する差分トルク算出手段と、
操舵時に前記車両後部に生じる遠心力の、前記車両の後ろ側の重量配分比が増加することによる増加分を相殺するために、前記差分トルク算出手段によって算出された最大時内外輪差分トルクに対して、前記後部配分比増加度が大きくなるほど大きくなり、前記後部配分比増加度が最大値のときに1となる補正係数を乗算して、補正内外輪差分トルクを算出する差分トルク補正手段と、
前記直進時トルクに前記差分トルク補正手段によって算出された補正内外輪差分トルクの半分を足したトルクを前記外輪トルクとし、前記直進時トルクから前記差分トルク補正手段によって算出された補正内外輪差分トルクの半分を引いたトルクを前記内輪トルクとする差分トルク配分手段とを備えることを特徴とする。
この請求項3では、差分トルク算出手段により、後部配分比増加度が予め設定された通常変化範囲の最大値であるとしたときに目標ヨーレートとするための外輪トルク(最大時外輪トルク)と内輪トルク(最大時内輪トルク)とのトルク差を最大時内外輪差分トルクとして算出している。この最大時内外輪差分トルクは、請求項2の最大時外輪差分トルクと最大時内輪差分トルクとの和に等しいので、この最大時内外輪差分トルクが、ヨーレートに影響する成分である。そこで、差分トルク補正手段において、最大時内外輪差分トルクに対して、後部配分比増加度が大きくなるほど大きくなり、後部配分比増加度が最大値のときに1となる補正係数を乗算して、操舵時に前記車両後部に生じる遠心力の、車両の後ろ側の重量配分比が増加することによる増加分を相殺できる補正内外輪差分トルクを算出している。そして、差分トルク配分手段により、補正内外輪差分トルクの半分を直進時トルクに対して加算または減算して外輪トルク及び内輪トルクを算出している。このようにして外輪トルク及び内輪トルクを算出することにより、車両後ろ側の重量配分比が基準値に対して増加しても、重量配分比が基準値のときの操舵応答性と同じ操舵応答性が得られるようになる。
請求項4のモータ駆動自動車用駆動制御装置は、前記車両の前部と後部の地面に対向する部分にそれぞれ設けられ、前記車両前端部と地面との間の距離及び前記車両後端部と地面との間の距離をそれぞれ測定する2つの距離センサをさらに備え、前記配分比増加度算出手段は、前記2つの距離センサによって測定された2つの距離の比に基づいて前記後部配分比増加度を算出することを特徴とする。これにより、後部配分比増加度を簡単な構成で算出することができる。
(第1実施形態)
以下、本発明に係るモータ駆動自動車用制御装置の第1実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明に係るモータ駆動自動車用制御装置が搭載されたモータ駆動自動車100の構成を示した図である。なお、本実施形態のモータ駆動自動車100は、エンジン15とモータ19a、bの両方を用いて車輪20a、b、21a、bを駆動するハイブリッド自動車であるが、エンジンを用いないで後輪のみ又は車輪全てをモータで駆動する電気自動車でもよい。
本実施形態のハイブリッド自動車100は、後輪20をモータ19a、bで駆動し、前輪21a、bをエンジン15で駆動する。モータ19a、bはそれぞれ後輪20a、bのホイールに収容されているホイールインモータであるが、後輪20a、bを個別に駆動できるのであれば、どのようなモータを用いてもよい。前輪21a、bは図示しないハンドル操作に応じて操舵される一方、後輪20a、bは操舵されない。
車両制御部9には、車速を検出する車速センサ10、操舵角を検出する操舵センサ11、図示しないアクセルペダルの踏み込み量を検出するアクセルセンサ12、図示しないブレーキペダルのオン/オフを検出するブレーキセンサ13が接続されている。車両制御部9は各センサ10〜13から常時供給される信号に基づいて、常時、車速、操舵角、アクセルペダルの踏み込み量及びブレーキのオン/オフを把握している。そして、それら車速、操舵角、アクセルペダルの踏み込み量及びブレーキのオン/オフに基づいて、エンジン15を制御したり、モータ制御部17a、bとインバータ18a、bを介してモータ19a、bを制御する。
具体的には、ハイブリッド自動車100の発進時には、エンジン15で前輪21a、bを駆動させずに、モータ19a、bで後輪20a、bを駆動させる。ハイブリッド自動車100が動き出した後は、エンジン15の回転速度及び図示しないトランスミッションのギア比によって定まる前輪21a、bのトルクをメインにしてハイブリッド自動車100を走行させる一方、モータ19a、bはエンジン15によって発生するトルクを補助するために用いられる。
モータa、bにおいて発生させるトルクは、エンジン15をできるだけ高効率の動作点で動作させることができるように制御される。従って、走行に必要なトルクが増大する状況(例えばハイブリッド自動車100を加速させる状況)では、全体のトルクに対してモータ19a、bにおいて発生させるトルクを大きくする。
一方、例えば、ブレーキがオンである状況では、ハイブリッド自動車100の減速エネルギーの一部はモータ19a、bの駆動電力供給源であるバッテリ16の充電に当てられる。なお、車両制御部9は、上述したハイブリッド自動車100の走行状況を車速、操舵角、アクセルペダルの踏み込み量及びブレーキのオン/オフに基づいて判断している。
さらに、車両制御部9は、トラクションコントロール及びアンチロックブレーキング制御を実行する。その制御方法の具体例としては、例えば、特開平8−182119号公報に記載の方法を用いる。
また、車両制御部9は、ハイブリッド自動車100の前後重量配分比の基準値に対して、後部の重量配分比の増加度合いを示す後部配分比増加度を算出する。そして、操舵時には、ハイブリッド自動車100の前後重量配分比が基準値のときの操舵応答性と同じになるように、後部配分比増加度が大きくなるほど後輪の内外輪のトルクの差を大きくする。このときの処理は本発明特徴的部分であるので、後にフローチャートを用いて詳細に説明する。なお、ハイブリッド自動車100の前後重量配分比は、距離センサ14a、bから供給される信号に基づいて決定する。
その距離センサ14a、bは、車両の前部と後部の地面に対向する位置にそれぞれ設置され、その位置設置と地面との距離を示す前部距離と後部距離をそれぞれ検出する。そして、距離センサ14a、bは、検出した前部距離と後部距離を示す信号を車両制御部9に出力する。距離センサ14a、bとしては、例えば超音波を発信してその反射波を受信して、超音波を発信してから反射波を受信するまでの時間に基づいて距離を検出する超音波センサを用いることができる。
バッテリ16、モータ制御部17a、b及びインバータ18a、bは特許文献1に記載のバッテリ、モータ制御部及びインバータと同じ働きをする。それぞれ、特許文献1に記載の説明文を参考にして説明する。
バッテリ16は、上述したようにモータ19a、bの駆動電力供給源であり、その放電出力はインバータ18a、bを介してモータ19a、bに供給されている。
モータ制御部17a、bは、車両制御部9から供給されるトルク指令に応じてインバータ18a、bを制御することにより、トルク指令に相当するトルクをモータ19a、bから出力させる。
インバータ18a、bは、電力変換器の一種である。すなわち、モータ制御部17a、bの制御の下に、バッテリ16の放電出力(直流)をモータ19a、bに適する電力形式(三相交流)に変換する。
続いて、車両制御部9がモータ制御部17a、bにトルク指令を出力する処理を図2のフローチャートを用いて説明する。なお、このフローチャートは、イグニッションスイッチがオンされたときに開始される。
ステップS10は、請求項記載の配分比増加度算出手段に相当し、前述した後部配分比増加度を算出する。本実施形態では、前後重量配分比の基準値をハイブリッド自動車100に誰も乗員がいないときの前後重量配分比(例えば、前部:後部=6:4)に設定している。そのときの前部距離と後部距離の比率は例えば5:5とする。
そこで、ステップS10では、先ず、距離センサ14a、bに前部距離と後部距離とを検出させて、距離センサ14a、bから前部距離と後部距離を示す信号を受信する。次に車両制御部9は、その前部距離と後部距離との距離比率、及び、前後重量配分比と距離比率との予め設定された関係を用いて後部配分比増加度を算出する。
例えば、前部距離と後部距離との比率が6:4、すなわちハイブリッド自動車100の前部の重量配分の比率が基準値よりも大きくなった場合には、後部配分比増加度をゼロとする。逆に、前部距離と後部距離との比率が4:6となるなど、後部の重量配分比が基準値よりも大きくなっているといえる場合には、距離比率を算出し、その算出した距離比率を予め設定された関係に当てはめて後部配分比増加度を決定する。
続くステップS20では、ハイブリッド自動車100が直進しているときのトルク制御を実行する。具体的には、アクセルペダルの踏み込み量が大きくなるほど車輪20、21のトルクが大きくなるようにトルク指令を算出する。なお、ハイブリッド自動車100が直進しているときの後輪20a、bのトルクを直進時トルクTtrcと称する。
そして、算出したトルク指令をモータ制御部17a、bに出力して、モータ制御部17a、bは、インバータ18a、bを介してモータ19a、bにトルク指令に基づいて定まるトルクを出力させる。
続くステップS30では、ハンドルが操作されているか否かを判断する。この判断は、操舵センサ11から常時供給されてくる操舵角を示す信号に基づいて操舵角を決定しつつ、その操舵角の絶対値が予め設定された所定値以上となったか否かを判断することにより行う。なお、操舵角の絶対値としているのは、本実施形態ではハンドルが左方向に操作されているときの操舵角を正とする一方、右方向に操作されているときの操舵角を負としており、左右いずれにハンドルが操作されている場合にも肯定判定できるようにするためである。このステップS30が肯定判定のときは処理をステップS40に進める。これに対し、否定判定の場合(ハイブリッド自動車100が直進走行をしていることになる)、処理をステップS20に戻す。この場合、ステップS20において、前述したような直進時のトルク制御を継続する。
ステップS40では、左右どちらの方向に操舵されたかを、操舵センサ11から常時供給されてくる操舵角を示す信号に基づいて判定する。ここで、前述したように、本実施形態ではハンドルが左方向に操作されているときの操舵角を正とする一方、右方向に操作されているときの操舵角を負としている。したがって、操舵角が正のときには左方向に操舵されたと判定する一方、負のときには右方向に操舵されたと判定する。
続くステップS50は、請求項記載の差分トルク算出手段に相当し、後部配分比増加度が予め設定された通常変化範囲の最大値であるときに、操舵角及び車速に基づいて定まる目標ヨーレートとするための外輪トルク及び内輪トルクをそれぞれ最大時外輪トルク及び最大時内輪トルクとしたとき、最大時外輪トルクと直進時トルクTtrcとの差を最大時外輪差分トルクTstr(out)として算出するとともに、最大時内輪トルクと直進時トルクTtrcとの差を最大時内輪差分トルクTstr(in)として算出する。ここで、上記通常変化範囲とは、車両の通常の使用態様において想定される様々な前後重量配分比に基づいて算出した後部配分比増加度が変化する範囲である。
図3は、ハイブリッド自動車100が平地を直進定速走行している状態からドライバーがハンドルを左方向(反時計回り)に操作した場合における、操舵角と操舵時t1付近の時間との関係を示した図(a)、及び後輪20a、bのトルクと操舵時t1付近の時間との関係を示した図(b)である。
同図(a)に示すように、時間が操舵時t1になるまでは、操舵角はほぼゼロとなっている。すなわち、ハイブリッド自動車100は直進走行しており、これに対応して、同図(b)に示すように、時間が操舵時t1になるまでは、後輪20a、bに出力させるトルクはほぼ一定となっている。
時間が操舵時t1になると、同図(a)に示すように操舵角が正の領域になる。これは、時間が操舵時t1になったときに、ドライバーがハンドルを左方向に操作したためである。これによって、図2のステップS30が肯定判断となるので、ステップS50が実行されて、最大時外輪差分トルクTstr(out)と最大時内輪差分トルクTstr(in)とが算出されることになる。
同図(b)には、操舵角の変化に併せて算出された最大時外輪差分トルクTstr(out)と最大時内輪差分トルクTstr(in)とが示されている。なお、前述したように、ドライバーはハンドルを左方向に操作したことから外輪は右後輪であり内輪は左後輪である。また、最大時外輪差分トルクTstr(out)は正である一方、最大時内輪差分トルクTstr(in)は負である。
続くステップS60は、請求項記載の差分トルク補正手段に相当し、ステップS50にて算出した最大時外輪差分トルクTstr(out)と最大時内輪差分トルクTstr(in)に、ステップS10にて算出した後部配分比増加度に応じた補正係数Tcrtを乗算する。その乗算後の値を補正外輪差分トルクおよび補正内輪差分トルクと称する。
図4は後部配分比増加度と補正係数Tcrtとの関係を示した図であるが、同図に示すように、後部配分比増加度がゼロのときは補正係数Tcrtもゼロとなっており、後部配分比増加度が予め設定された通常変化範囲の最大値になるまで後部配分比増加度が大きくなるほど補正係数Tcrtも大きくなっていく。そして、後部配分比増加度が最大値になったとき補正係数は1となり、それ以上後部配分比増加度が大きくなっても補正係数は1となっている。ただし、通常変化範囲の最大値よりも後部配分比増加度が大きい場合の補正係数も、後部配分比増加度が大きくなるほど大きくなるようにしてもよい。このようになっているのは、操舵時に車両後部に生じる遠心力の、車両後ろ側の重量配分比が増加することによる増加分を相殺できるようにするためである。
前述の図3には、車両後ろ側の重量配分比が基準値よりも増加している場合おいて、このステップS60で算出される補正外輪差分トルクおよび補正内輪差分トルクも示してある。図3に示されているように、補正外輪差分トルクおよび補正内輪差分トルクは、いずれも、最大時外輪差分トルクTstr(out)または最大時内輪差分トルクTstr(in)よりも小さくなっている。なお、前述のように、基準時内輪差分トルクTstr(in)は負であることから、補正内輪差分トルクも負である。
続くステップS70は、請求項記載のトルク加算手段に相当し、ステップS60で算出した補正外輪差分トルクと直進時トルクTtrcとの和を外輪トルクとし、また、補正内輪差分トルクと直進時トルクTtrcとの和を内輪トルクとする。そして、その外輪トルクおよび内輪トルクを発生させるトルク指令をモータ制御部17a、bに出力する。トルク指令を受信したモータ制御部17a、bは、インバータ18a、bを介してモータ19a、bには外輪トルクまたは内輪トルクを出力させる。
ステップS70を実行した後は、ステップS30に戻り、ハンドルが操作されているか否かを再び判断する。したがって、未だハンドル操作中である場合には、前述したステップS40〜ステップS70までの処理を繰り返し実行することになる。一方、ハンドル操作が終了し、直進状態となった場合には、ステップS20において前述した直進時のトルク制御をすることになる。
以上、本実施形態のハイブリッド自動車100は、先ず後部配分比増加度を算出する。ハンドルが操作された場合には、最大時外輪差分トルクTstr(out)と最大時内輪差分トルクTstr(in)を算出し、さらに最大時外輪差分トルクTstr(out)と最大時内輪差分トルクTstr(in)のそれぞれに後部配分比増加度に応じた補正係数Tcrtを乗算して補正外輪差分トルク、補正内輪差分トルクを算出している。そして、補正外輪差分トルクに直進時トルクTtrcを足して外輪トルクを算出し、補正内輪差分トルクに直進時トルクTtrcを足して内輪トルクを算出している。
こうすることにより、ハイブリッド自動車100の前後重量配分比が基準値に対して後部の配分比が増加したとしても、前後重量配分比が基準値のときの同程度の操舵応答性を確保できる。すなわち、ハイブリッド自動車100の前後重量配分比の基準値に対して後部の配分比が大きくなったとしても操舵応答性を向上できる。
(第2実施形態)
次に本発明の第2実施形態について説明する。なお、装置構成は第1実施形態とほぼ同じであるが、車両制御部9が実行する処理が第1実施形態と異なっている。
上記実施形態では、最大時外輪差分トルクTstr(out)と最大時内輪差分トルクTstr(in)を個別に算出し、それらに基づいて外輪トルクと内輪トルクを算出していた。ここで、最大時外輪差分トルクTstr(out)の絶対値と、最大時内輪差分トルクTstr(in)の絶対値とが同じとなる制御をしている場合には、外輪トルクと内輪トルクを図5のフローチャートのように算出してもよい。なお、第1実施形態と同じ処理には同じ符号を付している。
ステップS10、S20の処理を経た後、ステップS30を肯定判定するとステップS80において、最大時外輪トルクと最大時内輪トルクとのトルク差を示す最大時内外輪差分トルクを算出する。具体的には、第1実施形態において算出した最大時外輪差分トルクTstr(out)と最大時内輪差分トルクTstr(in)の和を算出する。なお、ステップS80は請求項記載の差分トルク算出手段に相当する。
ステップS90は、請求項記載の差分トルク補正手段に相当し、ステップS80にて算出した最大時内外輪差分トルクに、後部配分比増加度に応じた補正係数を乗算した補正内外輪差分トルクを算出する。なお、ここで用いる補正係数は、図4の補正係数と同じである。
続くステップS100では、先ずステップS90にて算出した補正内外輪差分トルクを半分にする。そして、直進時トルクTtrcに補正内外輪差分トルクの半分を足したトルクを外輪トルクとし、直進時トルクTtrcから補正内外輪差分トルクの半分を引いたトルクを内輪トルクとする。なお、ステップS100は請求項記載の差分トルク配分手段に相当する。
このようにしても、車両の前後重量配分比の基準値に対して後部の配分比が大きくなったとしても操舵応答性が向上できる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々なる形態で実施することができる。例えば、操舵角の変化速度を用いて目標ヨーレートを決定してもよい。
第1実施形態のハイブリッド自動車100の構成を示す図である。 第1実施形態において、車両制御部9がモータ制御部17a、bにトルク指令を出力する処理を示したフローチャートである。 操舵角と操舵時t1付近の時間との関係を示した図(a)及び後輪20a、bに出力させるトルクと操舵時t1付近の時間との関係を示した図(b)である。 後部配分比増加度と補正係数との関係を示した図である。 第2実施形態において、車両制御部9がモータ制御部17a、bにトルク指令を出力する処理を示したフローチャートである。
符号の説明
100…ハイブリッド自動車、9…車両制御部、14…距離センサ、17…モータ制御部、19…モータ、20…後輪、S10…配分比増加度算出手段、S50…差分トルク算出手段、S60…差分トルク補正手段、S70…差分トルク加算手段、S50・S60・S70…操舵時トルク算出手段、S80…差分トルク算出手段、S90…差分トルク補正手段、S100…差分トルク配分手段、S80・S90・S100…操舵時トルク算出手段

Claims (4)

  1. 車両の左右後輪それぞれにモータが設けられ、そのモータによって左右後輪のトルクを個別に制御するモータ駆動自動車に搭載されるモータ駆動自動車用駆動制御装置において、
    前記車両の前後重量配分比の基準値に対して、後ろ側の重量配分比の増加度合いを示す後部配分比増加度を算出する配分比増加度算出手段と、
    前記車両の操舵角及び車速に基づいて、前記車両の左右後輪のうち操舵時に外輪となる側のトルクである外輪トルクと操舵時に内輪となる側のトルクである内輪トルクとをそれぞれ算出する操舵時トルク算出手段とを備え、
    前記操舵時トルク算出手段は、前記前後重量配分比が前記基準値のときの操舵応答性と同じになるように、前記配分比増加度算出手段によって算出された後部配分比増加度が大きくなるほど、前記外輪トルクと前記内輪トルクとのトルク差を大きくすることを特徴とするモータ駆動自動車用駆動制御装置。
  2. 前記操舵時トルク算出手段は、
    前記後部配分比増加度が予め設定された通常変化範囲の最大値であるときに、操舵角及び車速に基づいて定まる目標ヨーレートとするための前記外輪トルク及び前記内輪トルクをそれぞれ最大時外輪トルク及び最大時内輪トルクとしたとき、その最大時外輪トルクと直進時トルク及び最大時内輪トルクと直進時トルクとの差分値をそれぞれ最大時外輪差分トルク及び最大時内輪差分トルクとして算出する差分トルク算出手段と、
    操舵時に前記車両後部に生じる遠心力の、前記車両の後ろ側の重量配分比が増加することによる増加分を相殺するために、前記差分トルク算出手段によって算出された最大時外輪差分トルク及び前記最大時内輪差分トルクに対して、前記後部配分比増加度が大きくなるほど大きくなり、前記後部配分比増加度が最大値のときに1となる補正係数を乗算して、補正外輪差分トルク及び補正内輪差分トルクをそれぞれ算出する差分トルク補正手段と、
    前記差分トルク補正手段によって算出された補正外輪差分トルクに前記直進時トルクを足して前記外輪トルクを算出するとともに、前記差分トルク補正手段によって算出された補正内輪差分トルクに前記直進時トルクを足して前記内輪トルクを算出するトルク加算手段とを備えることを特徴とする請求項1に記載のモータ駆動自動車用駆動制御装置。
  3. 前記操舵時トルク算出手段は、
    前記後部配分比増加度が予め設定された通常変化範囲の最大値であるときに、操舵角及び車速に基づいて定まる目標ヨーレートとするための前記外輪トルク及び前記内輪トルクをそれぞれ最大時外輪トルク及び最大時内輪トルクとしたとき、その最大時外輪トルクと最大時内輪トルクとのトルク差を最大時内外輪差分トルクとして算出する差分トルク算出手段と、
    操舵時に前記車両後部に生じる遠心力の、前記車両の後ろ側の重量配分比が増加することによる増加分を相殺するために、前記差分トルク算出手段によって算出された最大時内外輪差分トルクに対して、前記後部配分比増加度が大きくなるほど大きくなり、前記後部配分比増加度が最大値のときに1となる補正係数を乗算して、補正内外輪差分トルクを算出する差分トルク補正手段と、
    前記直進時トルクに前記差分トルク補正手段によって算出された補正内外輪差分トルクの半分を足したトルクを前記外輪トルクとし、前記直進時トルクから前記差分トルク補正手段によって算出された補正内外輪差分トルクの半分を引いたトルクを前記内輪トルクとする差分トルク配分手段とを備えることを特徴とする請求項1に記載のモータ駆動自動車用駆動制御装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のモータ駆動自動車用駆動制御装置において、
    前記車両の前部と後部の地面に対向する部分にそれぞれ設けられ、前記車両前端部と地面との間の距離及び前記車両後端部と地面との間の距離をそれぞれ測定する2つの距離センサをさらに備え、
    前記配分比増加度算出手段は、前記2つの距離センサによって測定された2つの距離の比に基づいて前記後部配分比増加度を算出することを特徴とするモータ駆動自動車用駆動制御装置。
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