JP2016015834A - 電気自動車のヒルアシスト制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】車両の傾きを精度良く検出して、車両を停止させる正確な駆動力を計算することができる電気自動車のヒルアシスト制御装置を提供する。【解決手段】アクセル操作手段4から入力されたトルク指令値に応じて、モータ3のトルクを制御する基本制御手段17と、回転角センサ3aの検出値から角加速度を得て角加速度が零または定められた値となるように基本制御手段17へトルク指令補正値を出力する車両静止等制御手段18とを備える。車両静止等制御手段18に、車両の前後にそれぞれ取り付けた2個の気圧センサ21F,21Rから車両の前後の傾き角を検出する車両傾き角検出手段24と、検出される傾き角から、傾き角とトルク指令補正量との関係を設定した傾き角・補正量設定手段33を用いてトルク指令値を補正するトルク指令補正手段25とを設けた。【選択図】図4
Description
この発明は、車両の前後の傾き角等からヒルアシスト制御する電気自動車のヒルアシスト制御装置に関する。
登坂路における車両の発進時に、車両の不所望な後退を防止する以下のヒルアシスト制御が提案されている。
・ブレーキペダルの解除で、車速を零とするようにトルク制御を行い、ブレーキペダルからアクセルペダルへの踏み換え時に車両が後退しないようにした電気自動車(特許文献1)。
・車両が登坂路で停車した場合、後退抵抗トルク演算機構が、道路の勾配度合から後退抵抗トルクを演算する。電動機制御機構は、演算された後退抵抗トルクに基づいて走行用電動機を駆動制御し、走行用電動機は車両が後退しないようなトルクを発生する(特許文献2)。
・ブレーキペダルの解除で、車速を零とするようにトルク制御を行い、ブレーキペダルからアクセルペダルへの踏み換え時に車両が後退しないようにした電気自動車(特許文献1)。
・車両が登坂路で停車した場合、後退抵抗トルク演算機構が、道路の勾配度合から後退抵抗トルクを演算する。電動機制御機構は、演算された後退抵抗トルクに基づいて走行用電動機を駆動制御し、走行用電動機は車両が後退しないようなトルクを発生する(特許文献2)。
駆動輪を電動のモータで回転駆動する電気自動車では、トラクション制御(スリップ制御)、ヒルアシスト制御などにより駆動輪にかかるトルクを制御し得る。これらの制御の
アルゴリズムにおいて、車輪のスリップを検出し、適切な対応をするためには、例えば、以下の(1)〜(4)をそれぞれ独立して観測する必要がある。
アルゴリズムにおいて、車輪のスリップを検出し、適切な対応をするためには、例えば、以下の(1)〜(4)をそれぞれ独立して観測する必要がある。
(1)車速
(2)加速度
(3)車輪の回転速度
(4)道路の傾き
(2)加速度
(3)車輪の回転速度
(4)道路の傾き
ヒルアシスト制御では、急な上り坂では、車両を停止するために大きなトルクを必要とし、道路の傾きを考慮しないと車両が不所望に後退してしまうことがある。
下り坂では、車両を停止させるためには、上り坂とは逆向きのトルクが必要になる。あるいは、クリープトルクを小さくまたは零にして、少ないブレーキ力で車両を停止できるようにする必要がある。
下り坂では、車両を停止させるためには、上り坂とは逆向きのトルクが必要になる。あるいは、クリープトルクを小さくまたは零にして、少ないブレーキ力で車両を停止できるようにする必要がある。
道路の勾配度合から後退抵抗トルクを演算する先行技術では、勾配検出手段によって道路の勾配度合を検出し、車両を停止させるトルクを計算する旨開示されているが、勾配検出手段に関しては、具体的な方法は開示されていない。勾配検出手段として、一般的な傾斜計を用いる場合、傾斜計が車両の加速の影響を受けるため、このような勾配の検出に不向きである。
この発明の目的は、車両の傾きを精度良く検出して、車両を停止させる正確な駆動力を計算することができる電気自動車のヒルアシスト制御装置を提供することである。
この発明の電気自動車のヒルアシスト制御装置は、駆動輪7を回転駆動する電動のモータ3を備えた車両5である電気自動車のヒルアシスト制御を行う電気自動車のヒルアシスト制御装置12において、
アクセル操作手段4から入力されたトルク指令値に応じて、前記モータ3のトルクを制御する基本制御手段17と、
前記モータ3の回転速度を検出する回転角センサ3aの検出値から角加速度を得て角加速度が零または定められた値となるように前記基本制御手段17へトルク指令補正値を出力する車両静止等制御手段18と、
を備え、
この車両静止等制御手段18に、
前記車両5の前後にそれぞれ取り付けた2個の気圧センサ21F,21Rから前記車両5の前後の傾き角を検出する車両傾き角検出手段24と、
この車両傾き角検出手段24で検出される前記車両5の前後の傾き角から、傾き角とトルク指令補正量との関係を設定した傾き角・補正量設定手段33を用いて前記トルク指令値を補正するトルク指令補正手段25とを設けたことを特徴とする。
前記傾き角とトルク指令補正量との関係は、例えば、実験やシミュレーション等の結果により定められる。
アクセル操作手段4から入力されたトルク指令値に応じて、前記モータ3のトルクを制御する基本制御手段17と、
前記モータ3の回転速度を検出する回転角センサ3aの検出値から角加速度を得て角加速度が零または定められた値となるように前記基本制御手段17へトルク指令補正値を出力する車両静止等制御手段18と、
を備え、
この車両静止等制御手段18に、
前記車両5の前後にそれぞれ取り付けた2個の気圧センサ21F,21Rから前記車両5の前後の傾き角を検出する車両傾き角検出手段24と、
この車両傾き角検出手段24で検出される前記車両5の前後の傾き角から、傾き角とトルク指令補正量との関係を設定した傾き角・補正量設定手段33を用いて前記トルク指令値を補正するトルク指令補正手段25とを設けたことを特徴とする。
前記傾き角とトルク指令補正量との関係は、例えば、実験やシミュレーション等の結果により定められる。
この構成によると、基本制御手段17は、アクセル操作手段4から入力されたトルク指令値に応じて、モータ3のトルクを制御する。車両静止等制御手段18は、例えば、車両5が上り坂または下り坂で停車した場合、前記トルク指令値を以下のように補正する。車両静止等制御手段18における車両傾き角検出手段24は、車両5の前後の2個の気圧センサ21F,21Rから車両5の前後の傾き角を検出する。車両傾き角検出手段24は、例えば、2個の気圧センサ21F,21Rの気圧差で車両5の前後の高度差hを検出し、その高度差hから車両5の前後の傾き角θを検出する。
2個の気圧センサ21F,21Rの気圧差をΔP(Pa)、2つの気圧センサ21F,21Rの距離をD(m)、2つの気圧センサ21F,21Rの高度差をh(m)とすると、車両5の前後の傾き角θ(°)は、例えば、海面近くにおいて次のように表される。
θ=arcsin(h/D)
但し、h=ΔP/11.9
なお、海面近くでは、1メートル当たり11.9Paの気圧差で計算できるが、車両5の存在する高度が海面近くでない場合は、その車両5の存在する高度にあった係数を使用することで、計算精度が向上する。
θ=arcsin(h/D)
但し、h=ΔP/11.9
なお、海面近くでは、1メートル当たり11.9Paの気圧差で計算できるが、車両5の存在する高度が海面近くでない場合は、その車両5の存在する高度にあった係数を使用することで、計算精度が向上する。
トルク指令補正手段25は、前記車両5の前後の傾き角θから、傾き角・補正量設定手段33を用いて前記トルク指令値を補正したトルク指令補正値を、基本制御手段17へ出力する。このように車両5の前後の傾き角θつまり路面の勾配の度合に応じて、トルク指令値を補正することで、路面の勾配の度合にかかわらず車両5を確実に停止させることができる。
車両傾き角検出手段24は、2個の気圧センサ21F,21Rの相対的な気圧差を用いて、加速度の影響を受けることなく、車両5の前後の傾き角を正確に検出し得る。したがって、トルク指令補正手段25は、正確に検出された傾き角から車両5を停止させる適正なトルク指令補正値、または車両5の速度の変化を少なくしてドライバビリティの向上を図る適正なトルク指令補正値を出力することができる。
車両傾き角検出手段24は、2個の気圧センサ21F,21Rの相対的な気圧差を用いて、加速度の影響を受けることなく、車両5の前後の傾き角を正確に検出し得る。したがって、トルク指令補正手段25は、正確に検出された傾き角から車両5を停止させる適正なトルク指令補正値、または車両5の速度の変化を少なくしてドライバビリティの向上を図る適正なトルク指令補正値を出力することができる。
前記車両傾き角検出手段24は、平地における前記2個の気圧センサ21F,21Rの出力から、これら気圧センサ21F,21Rの相対圧の校正を行うセンサ校正部26を含むものとしてもよい。気圧センサ21F,21Rは、一般的に、相対圧の精度や分解能は優れているが、絶対圧の精度は相対圧の精度よりも劣る。2個の気圧センサ21F,21Rを使用して圧力差を計算する場合、絶対圧の精度が問題となる。そこで、センサ校正部26は、例えば、車両5の製造時に、平地において2個の気圧センサ21F,21Rのセンサ出力を記録し、それらの値を角度「零」となるように校正する。前記「平地」であるか否かは、例えば、傾斜計等を用いて判断する。このように2個の気圧センサ21F,21Rのセンサ出力を校正することで、車両5の前後の傾き角θを精度良く検出することができる。
前記車両静止等制御手段18による車両静止制御中に前記基本制御手段17から電流により前記モータ3に付与される最大トルクにより車両5が上り坂上にあるか下り坂上にあるかの停止方向を判定する停止方向判定手段20を設けてもよい。この停止方向判定手段20は、例えば、勾配検出用角度センサや重量センサ等の登坂アシスト専用のセンサ類を用いることなく、トルク指令の正負によって車両5の停止方向を判定できるため、部品点数の低減を図り、コスト低減を図ることができる。
前記モータ3は、インホイールモータ駆動装置11を構成するモータであってもよい。インホイールモータ駆動装置11の場合、各駆動輪7が個別にモータ駆動されて、この発明によるヒルアシスト制御による車両停止の効果がより効果的に発揮される。
この発明の電気自動車のヒルアシスト制御装置は、駆動輪を回転駆動する電動のモータを備えた車両である電気自動車のヒルアシスト制御を行う電気自動車のヒルアシスト制御装置において、アクセル操作手段から入力されたトルク指令値に応じて、前記モータのトルクを制御する基本制御手段と、前記モータの回転速度を検出する回転角センサの検出値から角加速度を得て角加速度が零または定められた値となるように前記基本制御手段へトルク指令補正値を出力する車両静止等制御手段とを備え、この車両静止等制御手段に、前記車両の前後にそれぞれ取り付けた2個の気圧センサから前記車両の前後の傾き角を検出する車両傾き角検出手段と、この車両傾き角検出手段で検出される前記車両の前後の傾き角から、傾き角とトルク指令補正量との関係を設定した傾き角・補正量設定手段を用いて前記トルク指令値を補正するトルク指令補正手段とを設けた。このため、車両の傾きを精度良く検出して、車両を停止させる正確な駆動力を計算することができる。
この発明の実施形態を図1ないし図6と共に説明する。図1は、この実施形態に係るヒルアシスト制御装置を備えた電気自動車駆動装置の概念構成のブロック図である。この電気自動車駆動装置は、VCU(車両制御ユニット)1と、インバータ装置2とを備える。VCU1は、車両の全体の統合制御,協調制御をするコンピュータ式の車両制御ユニットであり、ECU(電気制御ユニット)とも呼ばれる。
インバータ装置2は、VCU1から送られた駆動指令に応じ、走行駆動用の各モータ3に駆動電流を与える装置である。VCU1とインバータ装置2とは、CAN(コントローラエリアネットワーク)通信等によって相互に信号伝達可能に接続されている。同図は、左右2輪をそれぞれモータ3で駆動する車両に適用した例である。モータ3は、この例では3相交流で駆動される同期モータまたは誘導モータからなる。アクセル操作センサ4aから出力されたアクセル操作量を示す駆動指令は、VCU1に入力され、このVCU1から各モータ3,3に対するインバータ装置2,2に分配して与えられる。
図2は、この電気自動車駆動装置の具体例を示すブロック図である。この電気自動車は、車両5の車体に、前輪となる従動輪6,6、および後輪となる駆動輪7,7を備えた4輪の車両5である。なお左右の前輪を駆動輪とし、左右の後輪を従動輪としてもよい。モータ3は、車輪用軸受9および減速機10と共に、インホイールモータ駆動装置11を構成する。減速機10は、モータ3の回転出力を減速して車輪用軸受9の回転側軌道輪(図示せず)に伝達する。
図3は、インホイールモータ駆動装置11の断面図である。各インホイールモータ駆動装置11は、それぞれ、モータ3、減速機10、および車輪用軸受9を有し、これらの一部または全体が車輪内に配置される。モータ3の回転は、減速機10および車輪用軸受9を介して駆動輪7に伝達される。車輪用軸受9のハブ輪9aのフランジ部にはブレーキロータBRが固定され、同ブレーキロータBRは駆動輪(車輪)7と一体に回転する。モータ3は、例えば、ロータ3aのコア部に永久磁石が内蔵された埋込磁石型同期モータである。このモータ3は、ハウジングHsに固定したステータ3bと、回転出力軸3cに取り付けたロータ3aとの間にラジアルギャップを設けたモータである。
図2に示すように、VCU1は、アクセル操作手段4のアクセル操作量の信号に従い、前記ブレーキ操作量およびハンドル操作量の信号を加味して左右の各モータ3,3に分配すべきトルク指令値を生成し、各インバータ装置2,2に与える。
各インバータ装置2,2は、バッテリ8の直流電力を交流電力のモータ駆動電流に変換すると共に、前記トルク指令に従って前記モータ駆動電流を制御する。
各インバータ装置2,2とVCU1とにわたって、この実施形態に係る電気自動車のヒルアシスト制御装置12,12が設けられている。ヒルアシスト制御装置12は、走行駆動用の電動のモータ3を備えた車両5である電気自動車のヒルアシスト制御を行う装置である。また、車両5の前後の車体に気圧センサ21F、21Rがそれぞれ取り付けられ、後述するように、車両の前後の傾き角を検出する。
各インバータ装置2,2は、バッテリ8の直流電力を交流電力のモータ駆動電流に変換すると共に、前記トルク指令に従って前記モータ駆動電流を制御する。
各インバータ装置2,2とVCU1とにわたって、この実施形態に係る電気自動車のヒルアシスト制御装置12,12が設けられている。ヒルアシスト制御装置12は、走行駆動用の電動のモータ3を備えた車両5である電気自動車のヒルアシスト制御を行う装置である。また、車両5の前後の車体に気圧センサ21F、21Rがそれぞれ取り付けられ、後述するように、車両の前後の傾き角を検出する。
図4は、ヒルアシスト制御装置12等の構成を示した機能ブロック図である。VCU1は、その基本的な機能達成手段として、トルク指令生成手段13と、協調制御手段14とを備える。トルク指令生成手段13は、アクセル操作手段4のアクセル操作量の信号から、トルク指令値を生成し、このトルク指令値をインバータ装置2へ与える。アクセル操作手段4は、例えば、アクセルペダル等の操作子4bと、その操作子4bの操作量を検出するアクセル操作センサ4aとを含む。
トルク指令生成手段13は、走行駆動用のモータ3を複数有する電気自動車では、各モータ3を駆動するインバータ装置2に対してトルク指令を分配する。協調制御手段14は、車両5全体の駆動系、操舵系、およびこれらの各部の検出信号に応じて、トルク指令生成手段13やその他の各部の制御を、定められたように協調して制御する。
インバータ装置2は、電力変換手段15と、この電力変換手段15を制御する制御部16とを有する。電力変換手段15は、バッテリ8(図2参照)の直流電流を、モータ3を駆動する交流電流に変換するインバータ15aと、このインバータ15aの出力を、入力された電流指令によってPWM制御等によって制御する手段とを有する。インバータ15aは、複数の半導体スイッチング素子(図示せず)等により構成される。
制御部16は、基本制御手段17と、後述の車両静止等制御手段18とを有する。基本制御手段17は、アクセル操作センサ4aから入力されたトルク指令値に応じて、モータ3のトルクを制御する。この基本制御手段17は、例えば、モータ3の図示外のロータの回転角度に応じて効率化を図るベクトル制御のため、モータ3に設けられた回転角センサ3aの回転角度の検出値が入力される。この基本制御手段17の出力は、電流指令として電力変換手段15に与えられる。
この実施形態のヒルアシスト制御装置12は、前記基本制御手段17に車両静止等制御手段18等を設けて構成される。このヒルアシスト制御装置12は、希望走行方向判定手段19と、停止方向判定手段20と、2個の気圧センサ21F,21Rと、車両静止等制御手段18と、基本制御手段17とを有する。
希望走行方向判定手段19は、車両5を走行させる指令系の走行方向を判定する手段であり、この車両5の運転者が操作した走行方向となる。前記指令系は、この電気自動車駆動装置におけるトルク指令を行う系統と、シフトレバー等22による前進,後退の入力系とを含む。
希望走行方向判定手段19は、車両5を走行させる指令系の走行方向を判定する手段であり、この車両5の運転者が操作した走行方向となる。前記指令系は、この電気自動車駆動装置におけるトルク指令を行う系統と、シフトレバー等22による前進,後退の入力系とを含む。
希望走行方向判定手段19は、例えば、アクセル操作手段4からトルク指令値が入力されたときに、基本制御手段17からモータ3に電流値で与えるトルク指令により前進か後退かを判定する。但し、基本制御手段17が、モータ3の回転方向を切り換えることにより車両5の前進と後退とを切り換える構成であり、この構成を前提として、トルク指令によって、希望走行方向判定手段19による前記の前進か後退かの判定が行える。
停止方向判定手段20は、車両静止等制御手段18によるによる車両静止制御中に基本制御手段17から電流によりモータ3に付与される最大トルクにより、この車両5が上り坂上にあるか下り坂上にあるかの停止方向を判定する。停止方向判定手段20は、例えば、この車両5を静止させているときに基本制御手段17からモータ3に電流値で与えられるトルク指令の正負によって、この車両5が上り坂上にあるか下り坂上にあるかを判定する。
車両静止等制御手段18は、モータ3の回転速度を検出する回転角センサ3aの検出値から角加速度を得て角加速度が零または定められた値となるように基本制御手段17へトルク指令補正値を出力する手段である。前記定められた値は、例えば、実験やシミュレーション等の結果により定められる。車両静止等制御手段18は、例えば、車両5が上り坂上でブレーキにより一旦停止している状態で、このブレーキ23をリリースしたとき、車両5を停止させる適正なトルク指令補正値を出力する。
車両静止等制御手段は、車両5が下り坂上でブレーキ23により一旦停止している状態で、このブレーキ23をリリースしたとき、上り坂上とは逆向きの適正なトルク指令補正値を出力する。ブレーキ23をリリースしたか否かは、ブレーキ操作センサ23aからのセンサ出力により判断する。この車両5が上り坂上にあるか下り坂上にあるかは、停止方向判定手段20により判定する。
この車両5が通常走行時においても、この車両5が上り坂上にあるか下り坂上にあるかを停止方向判定手段20により判定する。この判定の結果、この車両5が上り坂上にあるとき、車両静止等制御手段18は、アクセル操作手段4からのトルク指令値より大きめのトルク指令補正値を出力し、車両5が下り坂上にあるとき、アクセル操作手段4からのトルク指令値より小さめのトルク指令補正値を出力する。これにより、車両5の速度の変化を少なくしてドライバビリティの向上を図れる。
この車両静止等制御手段18は、具体的には、車両傾き角検出手段24と、トルク指令補正手段25とを有する。車両傾き角検出手段24は、車両5の前後にそれぞれ取り付けた2個の気圧センサ21F,21Rから車両5の前後の傾き角を検出する。
図5は、このヒルアシスト制御装置の車両傾き角検出手段を概略示す図である。以後図4も適宜参照しつつ説明する。この車両傾き角検出手段24は、2個の気圧センサ21F,21Rの気圧差で車両5の前後の高度差hを検出し、その高度差hから車両5の前後の傾き角θを検出する。前記「車両の前後」の位置は、車両5の前後に設置された2個の気圧センサ21F,21Rが設置された位置を表す。また2つの気圧センサ21F、21Rの設置場所は、車両5において同じ高さの位置に設けられている。よって、車両5の前後の高度差hは、2つの気圧センサ21F,21Rの高度差と同じである。なお、2つの気圧センサ21F、21Rの設置場所が、車両5において同じ高さの位置に設けられていない場合は、車両5の前後の高度差hは気圧差から求めた高度差から2つの気圧センサ21F、21Rの設置位置高さの差を差し引いて求めればよい。
2個の気圧センサ21F,21Rの気圧差をΔP(Pa)、2つの気圧センサ21F,21Rの距離をD(m)、2つの気圧センサ21F,21Rの高度差をh(m)とすると、車両5の前後の傾き角θ(°)は、例えば、海面近くにおいて次のように表される。
θ=arcsin(h/D)
但し、h=ΔP/11.9
θ=arcsin(h/D)
但し、h=ΔP/11.9
なお、海面近くでは、1メートル当たり11.9Paの気圧差で計算できるが、車両5の存在する高度が海面近くでない場合は、その車両5の存在する高度にあった係数を使用することで、計算精度が向上する。 例えば、海面近くの大気圧が1気圧に対し高度1,000mでは0.89気圧に変化することから、車両5が高度1,000mに存在する場合は、係数は0.89であり、11.9Paに係数0.89を掛けて高度差hを求めればよい。
具体的には、車両傾き角検出手段は、例えば、2個の気圧センサ21F,21Rで検出される気圧の平均値から車両5の現在の高度を算出し、高度と係数との関係を設定したテーブルから、前記算出した高度に対応する係数を選択する。なお気圧の平均値ではなく、いずれか一方の気圧センサ21F,21Rで検出される気圧から車両5の現在の高度を算出してもよい。
具体的には、車両傾き角検出手段は、例えば、2個の気圧センサ21F,21Rで検出される気圧の平均値から車両5の現在の高度を算出し、高度と係数との関係を設定したテーブルから、前記算出した高度に対応する係数を選択する。なお気圧の平均値ではなく、いずれか一方の気圧センサ21F,21Rで検出される気圧から車両5の現在の高度を算出してもよい。
図4に示すように、この車両傾き角検出手段24は、平地における前記2個の気圧センサ21F,21Rの出力から、これら気圧センサ21F,21Rの相対圧の校正を行うセンサ校正部26を含む。気圧センサ21F,21Rは、一般的に、相対圧の精度や分解能は優れているが、絶対圧の精度は相対圧の精度よりも劣る。2個の気圧センサ21F,21Rを使用して圧力差を計算する場合、絶対圧の精度が問題となる。
そこで、センサ校正部26は、例えば、車両5の製造時に、平地において2個の気圧センサ21F,21Rのセンサ出力を記録し、それらの値を角度「零」となるように校正する。前記「平地」であるか否かは、例えば、傾斜計等を用いて判断する。このように2個の気圧センサ21F,21Rのセンサ出力を校正することで、車両5の前後の傾き角θを精度良く検出することができる。なお、車両5の発進時に自動的または手動で2個の気圧センサ21F,21Rのセンサ出力を校正することも可能である。
図6は、気圧センサ21F,21RとVCU1とインバータ装置2等との関係を示すブロック図である。
2個の気圧センサ21F,21Rは、VCU1にそれぞれCANバス通信等の通信手段を介して電気的に接続される。各気圧センサ21F,21Rは、それぞれ基板30に搭載された気圧センサIC31と通信IC32とを有する。気圧センサIC31は、例えば、ピエゾ素子からなり、大気圧を感知して圧力に応じた電気信号をセンサ出力として出力し、このセンサ出力を、通信IC32を用いて通信手段を介してVCU1に入力する。センサ出力はVCU1から通信手段を介して車両傾き角検出手段24に入力される。なお、図4に示すように、気圧センサ21F,21Rから出力されたセンサ出力を、VCU1を介在させることなく(同図4の点線参照)、車両傾き角検出手段24に入力させてもよい。
2個の気圧センサ21F,21Rは、VCU1にそれぞれCANバス通信等の通信手段を介して電気的に接続される。各気圧センサ21F,21Rは、それぞれ基板30に搭載された気圧センサIC31と通信IC32とを有する。気圧センサIC31は、例えば、ピエゾ素子からなり、大気圧を感知して圧力に応じた電気信号をセンサ出力として出力し、このセンサ出力を、通信IC32を用いて通信手段を介してVCU1に入力する。センサ出力はVCU1から通信手段を介して車両傾き角検出手段24に入力される。なお、図4に示すように、気圧センサ21F,21Rから出力されたセンサ出力を、VCU1を介在させることなく(同図4の点線参照)、車両傾き角検出手段24に入力させてもよい。
トルク指令補正手段25は、車両傾き角検出手段24で検出される車両5の前後の傾き角から、傾き角・補正量設定手段33を用いてトルク指令値を補正する。傾き角・補正量設定手段33には、車両5の前後の傾き角とトルク指令補正量との関係が設定されている。この関係は、例えば、実験やシミュレーション等の結果により定められ、車両5の傾き角が大きくなるに従って、トルク指令補正量は大きくなるように設定されている。
以上説明したヒルアシスト制御装置によると、2個の気圧センサ21F,21Rの相対的な気圧差を用いて、加速度の影響を受けることなく、車両5の前後の傾き角を正確に検出し得る。したがって、トルク指令補正手段25は、正確に検出された傾き角から、車両5を停止させる適正なトルク指令補正値、または車両5の速度の変化を少なくしてドライバビリティの向上を図る適正なトルク指令補正値を出力することができる。
モータ3は、インホイールモータ駆動装置11を構成するモータである。このため、各駆動輪7が個別にモータ駆動されて、このヒルアシスト制御による効果がより効果的に発揮される。
モータ3は、インホイールモータ駆動装置11を構成するモータである。このため、各駆動輪7が個別にモータ駆動されて、このヒルアシスト制御による効果がより効果的に発揮される。
インホイールモータ駆動装置においては、サイクロイド式の減速機、遊星減速機、2軸並行減速機、その他の減速機を適用可能であり、また、減速機を採用しない、所謂ダイレクトモータタイプであってもよい。
車両5は四輪駆動車としてもよい。四輪駆動車または二輪駆動車において、左右輪を車体に設置した1台ないし2台のモータで駆動するいわゆるオンボード式の駆動輪としてもよい。
車両5は四輪駆動車としてもよい。四輪駆動車または二輪駆動車において、左右輪を車体に設置した1台ないし2台のモータで駆動するいわゆるオンボード式の駆動輪としてもよい。
モータにクリープトルクを生じさせるクリープトルク付与手段を設け、車両5が上り坂上にあるとき、クリープトルク付与手段によるクリープ指令トルクを出力すると共に、車両静止等制御手段により傾き角に応じてトルク指令補正値を出力するようにしてもよい。この場合、車両5の不所望な後退をより確実に防止し得る。車両5が下り坂上にあるとき、車両5を停止させるために、前記クリープトルクを小さく出力または零にすると共に、車両静止等制御手段により傾き角に応じてトルク指令補正値を出力するようにしてもよい。
3…モータ
3a…回転角センサ
4…アクセル操作手段
7…駆動輪
11…インホイールモータ駆動装置
12…ヒルアシスト制御装置
17…基本制御手段
18…車両静止等制御手段
20…停止方向判定手段
21F,21R…気圧センサ
24…車両傾き角検出手段
25…トルク指令補正手段
26…センサ校正部
33…傾き角・補正量設定手段
3a…回転角センサ
4…アクセル操作手段
7…駆動輪
11…インホイールモータ駆動装置
12…ヒルアシスト制御装置
17…基本制御手段
18…車両静止等制御手段
20…停止方向判定手段
21F,21R…気圧センサ
24…車両傾き角検出手段
25…トルク指令補正手段
26…センサ校正部
33…傾き角・補正量設定手段
Claims (4)
- 駆動輪を回転駆動する電動のモータを備えた車両である電気自動車のヒルアシスト制御を行う電気自動車のヒルアシスト制御装置において、
アクセル操作手段から入力されたトルク指令値に応じて、前記モータのトルクを制御する基本制御手段と、
前記モータの回転速度を検出する回転角センサの検出値から角加速度を得て角加速度が零または定められた値となるように前記基本制御手段へトルク指令補正値を出力する車両静止等制御手段と、
を備え、
この車両静止等制御手段に、
前記車両の前後にそれぞれ取り付けた2個の気圧センサから前記車両の前後の傾き角を検出する車両傾き角検出手段と、
この車両傾き角検出手段で検出される前記車両の前後の傾き角から、傾き角とトルク指令補正量との関係を設定した傾き角・補正量設定手段を用いて前記トルク指令値を補正するトルク指令補正手段とを設けたことを特徴とする電気自動車のヒルアシスト制御装置。 - 請求項1記載の電気自動車のヒルアシスト制御装置において、前記車両傾き角検出手段は、平地における前記2個の気圧センサの出力から、これら気圧センサの相対圧の校正を行うセンサ校正部を含む電気自動車のヒルアシスト制御装置。
- 請求項1または請求項2記載の電気自動車のヒルアシスト制御装置において、前記車両静止等制御手段による車両静止制御中に前記基本制御手段から電流により前記モータに付与される最大トルクにより車両が上り坂上にあるか下り坂上にあるかの停止方向を判定する停止方向判定手段を設けた電気自動車のヒルアシスト制御装置。
- 請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の電気自動車のヒルアシスト制御装置において、前記モータは、インホイールモータ駆動装置を構成するモータである電気自動車のヒルアシスト制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014136843A JP2016015834A (ja) | 2014-07-02 | 2014-07-02 | 電気自動車のヒルアシスト制御装置 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2014136843A JP2016015834A (ja) | 2014-07-02 | 2014-07-02 | 電気自動車のヒルアシスト制御装置 |
Publications (1)
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JP2016015834A true JP2016015834A (ja) | 2016-01-28 |
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ID=55231636
Family Applications (1)
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JP (1) | JP2016015834A (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN112113774A (zh) * | 2020-06-30 | 2020-12-22 | 上汽通用五菱汽车股份有限公司 | 坡道检测方法、检测终端及存储介质 |
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-
2014
- 2014-07-02 JP JP2014136843A patent/JP2016015834A/ja active Pending
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