JP2008294258A - 電子チップ搭載用ベースとその製造方法、および電子装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】搭載ベース30は、ステム31とリード32a、32b、および充填層33a、33bを少なくとも有する。ステム31は、板状をしており、その一方の主面に電子チップの搭載領域を有するとともに、当該載置領域の近傍に透孔が設けられてなる。リード32a、32bは、上記ステム31の透孔を挿通する。充填層33a、33bは、リード32a、32bが挿通された状態の透孔に充填配置されてなる。搭載ベース30では、ステム31における透孔の断面積が、ステム31の厚み方向中央部の1ヶ所で最も小さく、当該箇所からステム31の両主面に向けて漸次大きくなる形状となっている。
【選択図】図2
Description
図7に示すように、電子チップ搭載用ベースには、その構成要素として、銅(Cu)合金などからなるステム931とリード932などを有する。リード932は、ステム931に開設された透孔9311に挿通されており、間にガラスなどからなる充填層933が介挿された状態で固定されている。そして、特許文献1で提案の電子チップ搭載用ベースでは、透孔9311の内壁に複数の凹凸を設けることにより、充填層933とステム931との接合面積を大きくし、これによって互いの間の接合強度の向上が図られている。
本発明は、このような問題を解決しようとなされたものであって、リードの挿通箇所において、高い接合強度と高い気密性とを確保可能な電子チップ搭載用ベースとその製造方法、および電子装置を提供することを目的とする。
本発明に係る電子チップ搭載用ベースは、(1)〜(3)の要素を少なくとも有する。
(1)ステム;一方の主面に電子チップの搭載領域を有するとともに、当該載置領域の近傍に透孔が設けられてなる。
(2)リード;上記ステムの透孔を挿通する。
本発明に係る電子チップ搭載用ベースでは、上記構成において、ステムにおける透孔は、その断面積が、ステムの厚み方向中央部の1ヶ所で最も小さく、当該箇所からステムの両主面に向けて漸次大きくなる形状となっていることを特徴とする。
また、本発明に係る電子装置は、上記本発明に係る電子チップ搭載用ベースを備え、これに電子チップが搭載されてなる構成を有することを特徴とする。
(S1)一方の主面に電子チップの搭載領域を有するとともに、当該搭載領域の近傍に透孔が設けられてなるステムを準備するステップ。
(S2)ステムに設けられた透孔に対しリードを挿通するステップ。
(S4)上記介挿させた絶縁材料に対して、溶融熱を付加するステップ。
本発明に係る製造方法では、上記(S1)のステップで準備するステムにおいて、その透孔の断面積が、ステムの厚み方向中央部の1ヶ所で最も小さく、当該箇所からステムの両主面に向けて漸次大きくなる形状に設けられていることを特徴とする。
また、本発明に係る電子チップ搭載用ベースでは、透孔における断面積が最も小さい箇所を、ステムの厚み方向で1ヶ所としており、且つ、当該箇所からは両主面に向けた方向に漸次大きくなる形状としているので、上記特許文献1で提案のベースに比べて透孔内への気泡の残留が抑制される。即ち、本発明に係る電子チップ搭載用ベースでは、充填層の形成工程で透孔中に気泡が残り難い形状を採用するものである。
また、本発明に係る電子チップ搭載用ベースの製造方法では、上記(S1)〜(S4)の各ステップの実行において、ステムにおける透孔の形状を上記本発明に係る電子チップ搭載用ベースと同一構成としているので、製造後の電子チップ搭載用ベースにおいて、リードの挿通箇所において、高い接合強度と高い気密性とを確保できる。
(実施の形態)
1.電子装置1の構成
本実施の形態に係る電子装置1の構成について、図1を用い説明する。
搭載ベース30は、板状のステム31と、当該ステム31に設けられた透孔を挿通する2本のリード32a、32bとを主要な要素として構成されている。電子チップ10の端子は、ボンディングワイヤ40a、40bを介して、搭載ベース30におけるリード32a、32bのそれぞれに接合されている。
電子装置1の構成の内、最も特徴を有する搭載ベース30の構成について、図2および図3を用い説明する。
図2に示すように、本実施の形態に係る搭載ベース30は、2本のリード32a、32bが、ステム31に設けられた透孔に挿通され、その間に充填層33a、33bが形成された構成を有する。この内、ステム31は、銅(Cu)もしくはCu合金、または、CuもしくはCu合金を含むクラッド材から構成されている。
図3に示すように、ステム31における透孔311は、ステム31の厚み方向(Z軸方向)において、一様な断面積を有し設けられているのではなく、Z軸方向における中央部分で最も断面積が小さい部分を有し(当該部分を「A1部分」と記載する。)、当該部分A1からZ軸方向両側に向けて(ステム31の両主面側に向けて)断面積が漸次大きくなる形状となっている。なお、以下では、断面積が漸次大きくなる部分を、「A2部分」および「A3部分」と記載する。
[数式1]
t1/(t1+t2+t3)=10[%]
3.搭載ベース30の製造方法
以下では、搭載ベース30の製造方法の内、ステム31の透孔311へのリード32a、32bの固定について、図4を用い説明する。なお、図4では、一方のリード32aおよびこれを挿通する透孔311だけを示しているが、他方のリード32bおよびこれを挿通する透孔についても同様である。
図4(b)に示すように、ガラス筒体330aに対し、これを溶融する熱を付加する。なお、図示を省略しているが、熱を付加する際には、各材料を治工具で覆いイ地寄生を行う。
図4(c)に示すように、溶融中間体331aは、さらに流動して透孔311を囲む内壁とリード32aとの間を充填する状態となり、充填層33aが形成されるに至る。
4.優位性
上述の構成を採用する搭載ベース30およびこれを備える電子装置1の優位性について説明する。
図3に示すように、本実施の形態に係る搭載ベース30では、ステム31に設けられた透孔311の断面形状が、ストレート孔ではなく、A1部分で最も断面積が小さく、A2部分およびA3部分でステム31の主面側に向けて拡がるテーパー状としているので、ストレート孔に比べてA1部分によるアンカー効果を得ることができる。また、ステム31と充填層33a、33bとの接合面積の増大を図ることが併せてできるので、ステム31とリード32a、32bとの間の高い接合強度を得ることができる。
また、本実施の形態では、ステム31の材料として、銅(Cu)もしくはCu合金、または、CuもしくはCu合金を含むクラッド材を採用するが、これは、Feやその合金材料に比べて熱伝導性が高く、電子チップ10の冷却という観点から望ましいためである。
(変形例1)
変形例1に係る搭載ベースについて、図5を用い説明する。なお、本変形例に係る搭載ベースは、ステム51の透孔511の形状以外に上記実施の形態と相違する点はないので、透孔511の形状についてだけ説明する。
(変形例2)
変形例2に係る搭載ベースについて、図6を用い説明する。なお、本変形例に係る搭載ベースも、ステム61の透孔611の形状以外に上記実施の形態および変形例1と相違する点はないので、透孔611の形状についてだけ説明する。
(その他の事項)
上記変形例1と変形例2との組み合わせや、A2部分およびA3部分に相当する部分の種々のバリエーションを採用することも可能である。
また、上記実施の形態1では、ステム31の厚み方向におけるA1部分の長さt1を、上記(数式1)で示す数値としているが、20[%]以下の範囲とすれば、上記と同一の効果を得ることができる。
10.電子チップ
20.サブマウント基板
30.搭載ベース
31、51、61.ステム
32a、32b.リード
33a、33b.充填層
40a、40b.ボンディングワイヤ
311、511、611.透孔
Claims (8)
- 一方の主面に電子チップの搭載領域を有するとともに、当該載置領域の近傍に透孔が設けられてなるステムと、
前記透孔を挿通するリードと、
前記リードが挿通された状態の前記透孔に充填配置されてなる充填層とを有する電子チップ搭載用ベースであって、
前記透孔は、その断面積が、前記ステムの厚み方向中央部の1ヶ所で最も小さく、当該箇所から前記ステムの両主面に向けて漸次大きくなる形状となっている
ことを特徴とする電子チップ搭載用ベース。 - 前記透孔における前記漸次大きくなる漸拡部では、内壁が、前記挿通方向に沿う仮想直線に対し、0.5°以上7°以下の角度でのテーパー状に形成されている
ことを特徴とする請求項1に記載の電子チップ搭載用ベース。 - 前記漸拡部では、内壁が、前記挿通方向に沿う直線に対し、1°以上5°以下の角度でのテーパー状に形成されている
ことを特徴とする請求項1に記載の電子チップ搭載用ベース。 - 前記孔断面が最も狭いネック部は、前記ステムの厚み方向に長さを有し形成されている
ことを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の電子チップ搭載用ベース。 - 前記ステムの厚み方向における前記ネック部の長さは、前記基体の厚みに対して、20%以下である
ことを特徴とする請求項4に記載の電子チップ搭載用ベース。 - 前記ステムは、銅合金または銅合金を含むクラッド材からなる板体である
ことを特徴とする請求項1から5の何れかに記載の電子チップ搭載用ベース。 - ベースに搭載されてなる電子チップを有する電子装置であって、
前記ベースとして、請求項1から6の何れかに記載の電子チップ搭載用ベースが用いられている
ことを特徴とする電子装置。 - 一方の主面に電子チップの搭載領域を有するとともに、当該搭載領域の近傍に透孔が設けられてなるステムを準備するステップと、
前記透孔に対しリードを挿通するステップと、
前記透孔の内壁と前記リードの外面との間に、絶縁材料を介挿させるステップと、
前記絶縁材料に対して、当該材料を溶融させる熱を付加するステップとを有し、
前記透孔は、その断面積が、前記ステムの厚み方向中央部の1ヶ所で最も小さく、当該箇所から前記ステムの両主面に向けて漸次大きくなる形状に設けられている
ことを特徴とする電子チップ搭載用ベースの製造方法。
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