JP2008293845A - 燃料電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料として水素原子を含む純水素以外の燃料が供給される燃料電池において、燃料の有効利用率を向上させて、燃料電池の発電性能の向上を図る。
【解決手段】水素原子を含む純水素以外の燃料が供給される燃料電池であって、電解質と、電解質を挟んで配置された一対の電極であるアノード極とカソード極とを備える燃料電池において、アノード極に光を照射する光照射手段を設ける。また、アノード極は、この光照射手段から照射される光を受けて、燃料を分解して水素を抽出する触媒作用を発揮する光触媒粒子を含むものとする。
【選択図】図2

Description

この発明は燃料電池に関する。更に、具体的には、燃料として水素原子を含む純水素以外の燃料が供給される燃料電池に関するものである。
例えば、特開2002−270209号公報には、固体高分子型の燃料電池であって、燃料として水素以外の燃料が供給される場合に有効なアノード極側の構成が開示されている。具体的に、この燃料電池のアノード極の表面には、生化学的触媒を含む層が形成されている。生化学的触媒層は、燃料を分解して水素を生成する触媒作用を有している。
例えば、この燃料電池に燃料としてメタノールが供給された場合、生化学的触媒層を通過することでメタノールが分解され、水素が発生する。この水素がその内側(電解質膜側)のアノード極に供給されて、プロトンと電子とが生成される。上記従来技術によれば、燃料としてメタノール等のアルコールを用いる場合にも、アノード極には純水素が供給されるため、アノード極が燃料中のCOによる被毒を抑えることができるとしている。
特開2002−270209号公報 特開2002−8706号公報 特表2006−236776号公報
上記従来技術のように、純水素に替えて、アルコールのように水素原子を含む純水素以外の燃料が供給される燃料電池がある。このように純水素以外の燃料が用いられる場合、その燃料中から、燃料電池の電気化学反応に用いられる水素原子を取り出す必要がある。従って、このような燃料電池の発電性能向上のためには、燃料を効率的に分解して水素を抽出することが重要であり、そのためには、燃料を効果的に分解して燃料の有効利用率を向上させることが有効であると考えられる。この点、上記従来の技術は、生化学触媒層において純水素を生成し、この純水素がその内側のアノード極に供給される構造とすることで、アノード極の被毒を抑えるものである。しかし、この従来技術の燃料電池は、燃料の有効利用率向上を考慮したものではない。以上より、燃料の有効利用率を向上させて燃料電池の発電性能を向上させるべく、純水素以外の燃料から効率的に水素を生成することができる電極の開発が期待される。
この発明は、上記の課題を解決することを目的として、水素原子を含む純水素以外の燃料が供給される燃料電池において、燃料の有効利用率を向上させて発電性能を向上できるように改良した燃料電池を提供するものである。
第1の発明は、上記の目的を達成するため、燃料として水素原子を含む純水素以外の燃料が供給される燃料電池であって、
電解質と、
前記電解質を挟んで配置された一対の電極であるアノード極とカソード極と、
前記アノード極に光を照射する光照射手段と、を備え、
前記アノード極は、前記光照射手段から照射される光を受けて、前記燃料を分解して水素を抽出する触媒作用を発揮する光触媒粒子を含むことを特徴とする。
第2の発明は、第1の発明において、
前記アノード極に相対する部分が、前記光照射手段からの光を透過する透明部材で形成され、前記アノード極に燃料を供給する燃料経路を、更に備え、
前記光照射手段は、前記燃料経路の外側の、前記透明部材で形成された部分に、前記アノード極に相対して配置されていること特徴とする。
第3の発明は、第1の発明において、前記燃料電池は、
前記電解質と前記一対の電極とからなる複数の膜−電極接合体と、
前記複数の膜−電極接合体のそれぞれの両側に配置された複数のセパレータと、を備え、
前記光照射手段は、前記複数のセパレータのそれぞれの、前記アノード極に相対する面に配置されていることを特徴とする。
第4の発明は、第3の発明において、前記セパレータは、前記アノード極に相対する面に、前記アノード極に供給される燃料を流通させる流路を有し、
前記光照射手段は、前記流路内に配置されていることを特徴とする。
第5の発明は、第3の発明において、前記セパレータと、前記アノード極との間に配置され、前記アノード極に供給されるガスを通過させる多孔体を更に備え、
前記光照射手段は、前記多孔体と前記セパレータとの間に配置されていることを特徴とする。
第6の発明は、第3から第5のいずれかの発明において、前記光照射手段は、光半導体であることを特徴とする。
第7の発明は、第1から6のいずれかの発明において、前記光触媒粒子は、TiO又はTaであることを特徴とする。
第8の発明は、第1から7のいずれかの発明において、前記電解質は、陰イオンを選択的に透過させることを特徴とする。
第9の発明は、第8の発明において、前記アノード極は、前記燃料から抽出された水素と、前記電解質を移動した水酸化物イオンとを反応させる触媒作用を有する触媒粒子を、更に含むことを特徴とする。
第10の発明は、第9の発明において、前記アノード極は、前記触媒粒子と、前記光触媒粒子とを、共に担持する担持体を含むことを特徴とする。
第1の発明によれば、燃料電池のアノード極は、光照射手段から照射される光を受けて、前記燃料から水素を生成する触媒作用を発する光触媒粒子を含んでいる。これにより燃料電池の運転中にアノード極に光を照射することで、燃料を効率的に分解して水素を抽出することができる。従って、燃料の有効利用率を向上させると共に、燃料電池の発電性能を向上させることができる。
第2の発明によれば、アノード極に燃料を供給する燃料流路の、アノード極に相対する部分が光照射手段からの光を透過する透明部材で形成されている。また、光照射手段は、この透明部材で形成された部分に、アノード極に相対して配置されている。この構造により、確実にアノード極の光触媒粒子に光を照射することができ、光触媒の燃料を分解して水素を抽出する触媒作用を活性化させることができる。
第3〜第5の発明によれば、燃料電池は、複数の膜−電極接合体それぞれの両側に配置された複数のセパレータを備えている。また、セパレータのアノード極に相対する面には、光照射手段がそれぞれ配置されている。従って、膜−電極接合体が複数積層されたスタック構造を有する燃料電池においても、各アノード極に含まれる光触媒粒子に確実に光を照射することができ、各アノード極で光触媒粒子の触媒作用を効果的に活性化させることができる。従って、スタック構造を有する燃料電池においても、燃料の有効利用率及び発電性能を向上させることができる。
第6の発明によれば、光照射手段として光半導体が用いられる。これにより、各セパレータに確実に光照射手段を配置することができ、光触媒粒子の触媒作用を活性化することができる。
第7の発明によれば、光触媒粒子としてTiO又はTaが用いられる。これらの光触媒粒子は光が照射されることで強い酸化作用を発する。従って、確実に燃料を分解して水素を取り出すことができ、燃料の有効利用率及び発電性能を向上させることができる。
第8の発明によれば、電解質膜は陰イオンを選択的に透過させるものである。即ち、アルカリ型の燃料電池において、アノード極に光触媒粒子を用いることで、アルカリ型燃料電池の燃料の有効利用率及び発電性能を向上させることができる。
第9の発明によれば、アノード極は、電解質を移動した水酸化物イオンと水素を反応させる触媒作用を有する触媒粒子を含む。従って、光触媒粒子において燃料が分解されることで抽出された水素を、更に、触媒粒子において水酸化物イオンと反応させることができる。従って、燃料の有効利用率をより向上させ、燃料電池の発電性能をより高めることができる。
第10の発明によれば、アノード極は、触媒粒子と光触媒粒子とを、共に担持する担持体を含む。このように同一担体内に触媒粒子と光触媒粒子とが担持されることで、両粒子をより近接した状態とすることができる。従って、光触媒粒子によって抽出された水素を近接する触媒粒子に直ちに移動させて水の生成反応に導くことができる。これにより燃料電池の発電性能を更に向上させることができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。なお、各図において、同一または相当する部分には同一符号を付してその説明を簡略化ないし省略する。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態の燃料電池の構成について説明するための模式図である。図1に示す燃料電池はアルカリ型燃料電池である。燃料電池はアニオン交換膜10(電解質)を有している。アニオン交換膜10の両側にはカソード極20及びアノード極30が配置されている。カソード極20及びアノード極30の両外側には集電板40が配置されている。
カソード極20側の集電板40には酸素経路50が接続されている。酸素経路50及び集電板40を介してカソード極20に大気が供給され、カソード極20から酸素経路50側に、未反応の酸素を含む大気オフガスが排出される。一方、アノード極30側の集電板40には燃料経路52が接続され、燃料経路52には燃料供給源(図示せず)が接続されている。燃料供給源から、燃料経路52及び集電板40を介してアノード極30に燃料が供給され、アノード極30から燃料経路52側に未反応の燃料等が排出される。
アノード極30に相対する部分において、燃料経路52の外壁部は透明窓62で形成されている。透明窓62の燃料経路52と反対側であって、かつ、アノード極30に相対する位置に、発光灯64(光照射手段)が配置されている。発光灯64は、紫外線又は可視光線を発する。透明窓62は、この発光灯64が発する光を透過する窓である。透明窓62は、例えば、ガラス、ポリメチルペンテン、ポリカーボネイド等の透明樹脂(透明部材)により形成される。
燃料電池の発電の際にはアノード極30には燃料として、例えばエタノール等のC−C結合(炭素結合)を有し、かつ水素を含む燃料が供給される。アノード極30に燃料が供給されると、アノード極30の触媒作用により燃料中の水素原子と、アニオン交換膜10を通過した水酸化物イオンとが反応して水が生成されると共に、電子が放出される。アノード極30での反応は、純水素を燃料とする場合には、次式(1)のようになり、エタノールを燃料とする場合には次式(2)のようになる。
+2OH → 2HO+2e ・・・(1)
CHCHOH+12OH → 2CO+9HO+12e ・・・(2)
一方、カソード極20には大気(又は酸素)が供給される。カソード極20に大気が供給されると、大気中の酸素分子はカソード極20の触媒作用により、いくつかの段階を経て、電極から電子を受け取って水酸化物イオンが生成される。水酸化物イオンはアニオン交換膜10を通過してアノード極30側に移動する。カソード極20での反応は、次式(3)のようになる。
1/2O+HO+2e → 2OH ・・・・(3)
以上のようなアノード極30側とカソード極20側における反応をまとめると、燃料電池全体では次式(4)のように水の生成反応が起き、このときの電子が両極側の集電板40を介して移動し、これにより電流が流れて発電することになる。
+1/2O → HO ・・・・(4)
上記のようなアルカリ型の燃料電池において、アニオン交換膜10は、カソード極20の電極触媒で生成される水酸化物イオン(OH)をアノード極30に移動させることができる媒体であれば特に限定されない。具体的にアニオン交換膜10としては、例えば、1〜3級アミノ基、4級アンモニウム基、ピリジル基、イミダゾール基、4級ビリジウム基、4級イミダゾリウム基などのアニオン交換基を有する固体高分子膜(アニオン交換樹脂)があげられる。また、固体高分子の膜としては、例えば、炭化水素系及びフッ素系樹脂などがあげられる。これらの膜は、燃料として炭素を有する燃料が供給される場合にも、COによる被毒が少ないため特に有効である。
カソード極20の構成は、上記(3)式のように供給された大気から水酸化物イオンを生成する反応を触媒するものであれば、特に限定されるものではない。カソード極20の触媒の構成材料としては、例えば、鉄(Fe)、白金(Pt)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)を含んで形成されたもの、あるいは、これらの金属のいずれか1以上をカーボン等の担体に担持させたもの、あるいは、これらの金属原子を中心金属とする有機金属錯体、あるいは、このような有機金属錯体と担体に担持させたもの等があげられる。また、触媒の表面には多孔質等で構成された拡散層を配置することもできる。
一方、アノード極30は、供給されたエタノール等の燃料中の水素と、水酸化物イオンと反応させて水を生成する反応に対して触媒作用を有する必要がある。従って、アノード極30は、(1)又は(2)式の反応に対して高い触媒活性を有する触媒を含むものとする。
ところで、実施の形態1では、燃料としてエタノールが供給される。従って、燃料の有効利用率を向上させるためには、エタノールのC−C結合を切断して、エタノールから多くの水素を抽出することが有効であると考えられる。このため、実施の形態1の燃料電池において、アノード極30は、上記の(1)又は(2)式の反応に対する高い触媒活性を有する触媒と共に、エタノールのC−C結合を切断する触媒作用を有する触媒をも含むものとする。以下、具体的にアノード極30の構成について説明する。
図2は、図1の点線(A)で囲む部分を拡大して表した模式図である。図2に示すように、アノード極30はカーボン等からなる担体32に上記の触媒作用を有する粒子を担持させた触媒電極用の担持体(以下「触媒担持体」とする)からなる。アノード極30は、この触媒担持体をアニオン交換膜10と同じ電解質膜を溶かした電解質溶液に混合し、これをアニオン交換膜10の表面に塗布することで形成されている。
担体32には、触媒粒子34と光触媒粒子36とが担持されている。光触媒粒子36としては、酸化チタン(TiO)を用いる。光触媒粒子36は、発光灯64から発せられる紫外光あるいは赤外光を受けて、エタノールのC−C結合を切断する触媒作用を発揮する。より具体的には、光触媒は光のエネルギーを受けて、ホールと電子とを形成して、その酸化力によって燃料を酸化することで燃料のC−C結合切断する。燃料のC−C結合が切断させることで、燃料から多くの水素が抽出されることとなる。
このように燃料が分解されて抽出された水素の一部は、光触媒粒子36上で、アニオン交換膜10を透過して光触媒粒子36上に移動した水酸化物イオンと反応し、水が生成される。またこの水の生成反応に用いられていない残りの水素の一部は、触媒粒子34上に移動する。
触媒粒子34は、水素と水酸化物イオンとを反応させて水を生成する反応に対して強い触媒活性を有する粒子である。触媒粒子34はこのような触媒活性を有するものであれば、特に限定されるものではないが、ここでは、白金(Pt)を用いる。触媒粒子34では、光触媒粒子36において抽出され、触媒粒子34上に移動した水素と、アニオン交換膜10を透過して触媒粒子34上に移動した水酸化物イオンとにより水の生成反応が起きる。また、同時に、触媒粒子34上においてもエタノールから水素が抽出され、この水素と触媒粒子34上に移動した水酸化物イオンとにより水を生成する反応が起こる。
ここで、触媒粒子34と光触媒粒子36とは同一の担体32に担持されている。このように同一の担体32に担持させることで、触媒粒子34及び光触媒粒子36が、同一触媒担持体あるいは隣接する触媒担持体の間で近接して存在することとなる。このため上記のように、主に光触媒粒子36の触媒作用により抽出された水素が、隣接する触媒粒子34に直ちに移動することができ、触媒粒子34上で水の生成反応を起こすことができる。
以上のように、燃料電池のアノード極30に通常の触媒粒子34と光触媒粒子36とを含ませることで、エタノール中のC−C結合を切断して燃料中の水素を多く抽出することができる。従って、燃料の有効利用率を向上させると共に、燃料電池の発電性能を向上させることができる。特に、実施の形態1では、触媒粒子34と光触媒粒子36とが同一の担体32に担持されているため、アノード極30における反応をより促進することができ、燃料電池の発電性能を更に向上させることができる。また、触媒粒子34として白金等の高価な材料を用いる場合には、光触媒粒子36を添加することで、発電性能を低下させることなく白金等の使用量を低減することができる。従って燃料電池のコストダウンを図ることができる。
図3は、実施の形態1における光触媒粒子36の添加量[%]の変化させた場合の、電圧0.8V、0.6Vにおける電流密度[mA/cm2]の変化を示す図である。図3では、アノード極30には燃料として10[%]のエタノール水溶液を供給し、カソード極20には大気を供給している。また、図3の光触媒粒子36の添加量[%]は、全粒子(触媒粒子34及び光触媒粒子36)に対する光触媒粒子36の比率を表している。
図3から、光触媒粒子36の添加量が50[%]である場合、いずれの電圧の場合にも電流密度[mA/cm2]が最も高くなっていることがわかる。また、光触媒粒子36の添加量を問わず、光触媒粒子36が添加されていれば、光触媒粒子36を含まない場合に比較して、燃料電池の電流密度が高くなり、発電性能が向上していることがわかる。
従って、実施の形態1において光触媒粒子36の添加量は、必ずしも限定されず、通常の触媒粒子34と共に、光触媒粒子36が添加されているものであればよい。但し、光触媒粒子36の添加量を10〜80[%]の範囲とすることが好ましく、更には、20〜50[%]の範囲とすることが望ましい。
なお、実施の形態1では、光触媒粒子36として、酸化チタン(TiO)を用いる場合について説明した。しかし、この発明はこれに限るものではなく、光を受けて酸化作用を発する他の光触媒を用いることもできる。具体的には、例えば酸化チタンに替えて、窒化タンタル(Ta)等を用いることが考えられる。これは、実施の形態2においても同様である。
また、実施の形態1では、1の担体32に触媒粒子34と光触媒粒子36とが担持されている場合について説明した。しかしこの発明はこれに限るものではない。具体的に触媒粒子34と光触媒粒子36は別々の担体に担持された別個の担持体として含まれるものであってもよい。この場合にも、例えば、この2種の担持体を電解質溶液に混合させてアニオン交換膜10に塗布することでアノード極30を形成することができる。これは、実施の形態2においても同様である。
また、実施の形態1では、触媒粒子34として、Ptを用いる場合について説明した。しかし、この発明において触媒粒子34は、これに限るものではなく、例えば、Fe、Co、Ni、Fe−Co−Ni、Pt、Pt−Ru等を用いることができる。これは、実施の形態2においても同様である。
また、実施の形態1では、アノード極30のみ光触媒粒子36を含む構造とし、アノード極30とカソード極20とが異なる場合について説明した。しかし、この発明はこれに限るものではなく、カソード極20をアノード極30と同じ構成のものとしてもよい。また、カソード極20、アノード極30の表面にはそれぞれ多孔体等で構成された拡散層を配置することもできる。但し、照射された光が光触媒粒子36に照射される構成とする必要があり、多孔体を配置する場合は光触媒粒子36への光の透過が可能な構成とする必要がある。これは、実施の形態2においても同様である。
また、実施の形態1では、燃料としてエタノールを用いる場合について説明した。しかし、この発明において燃料はエタノールに限るものではない。光触媒粒子36は、光の照射により強い酸化活性を示し、燃料のC−C結合を切断することができるため、エタノールを含むアルコール等のC−C結合を有する燃料に対しては特に有効である。また、C−C結合を有する燃料に限るものでもない。光触媒粒子36は、その触媒作用によって燃料を効率的に分解することができるため、燃料として純水素以外の燃料が供給される他の燃料電池のアノード極として用いる場合も有効である。これは実施の形態2においても同様である。
また、実施の形態1では、燃料電池としてアニオン交換膜10を用いたアルカリ型燃料電池を用いる場合について説明した。しかし、この発明はこのような燃料電池に限るものではなく、例えばアニオン交換膜10に替えて、KOH等の陰イオンを通過させる電解質を用いたアルカリ電池等であってもよい。また、実施の形態1のアノード極は、アルカリ型燃料電池に適用するのが効果的であるが、この発明はアルカリ型燃料電池に限るものでもなく、プロトン交換膜を電解質膜とする固体高分子型燃料電池等に用いることもできる。固体高分子型燃料電池に適用する場合にも、アノード極に純水素以外の燃料の有効利用率を向上させることができる。これは、実施の形態2においても同様である。
実施の形態2.
実施の形態2の燃料電池は、アニオン交換膜10の両側に一対の電極(アノード極30とカソード極20)が配置された膜−電極接合体(MEA)を、集電板を含むセパレータを介して直列に複数接続したスタック構造を有する点において実施の形態1の燃料電池と異なる構造を有している。
図4は、この発明の実施の形態2の燃料電池に積層されたセルについて説明するための図である。図4のセルは、図1の燃料電池と同様に、アニオン交換膜10の両側にそれぞれカソード極20とアノード極30とが配置されている。アニオン交換膜10と一対の電極の構成は図1の燃料電池と同じものであり、従って、図4のセルにおいても、アノード極30は、触媒粒子34と光触媒粒子36とを担持した担体32が電解質溶液12に混合されてアニオン交換膜10に塗布されることで構成されている。
このように構成されたMEAのカソード極20側にはセパレータ70が配置され、アノード極30側にはセパレータ72が配置されている。セパレータ70には大気を流通させるための酸素流路74が形成されている。セパレータ72には、燃料としてのエタノールを流通させるための燃料流路76(流路)が形成されている。各セパレータ72の燃料流路76には、光半導体80が埋め込まれている。
この発明の実施の形態2の燃料電池は、図4のように構成されたセルが複数積層されることで構成されている。このようにセルが積層されることで、各セパレータの所定の位置に形成された孔部(図示せず)が連結することで、各セルの酸素流路74又は燃料流路76に大気やエタノールを供給し、大気のオフガスや、水、二酸化炭素を含む排燃料を排出するためのマニホールドが所定の位置に構成される。このマニホールドが、燃料電池に接続された酸素経路や燃料経路にそれぞれ接続されることで、燃料電池の各セル内にエタノールや大気が供給されることとなる。
図5は、この発明の実施の形態2の燃料電池のアノード極30側のセパレータ72の構成について説明するための図である。図5において(a)はセパレータ72のアノード極30の相対する面を表し、(b)はセパレータ72の燃料流路が形成された部分の断面を表している。図5に示すように、セパレータ72には、蛇行した溝状にエタノールが流通するための燃料流路76が形成されている。燃料流路76はそれぞれ、上記のようにマニホールドを構成する入口孔、出口孔に接続される。この入口孔からエタノールが供給され、燃料流路76を流通して、出口孔から水や二酸化炭素、未反応のエタノール等を含む排燃料が排出される。
燃料流路76の底部には、燃料流路76の上流から下流側まで全体に渡って光半導体80が埋め込まれている。つまり、光半導体80はセパレータ72の燃料流路76に沿った形状で蛇行して細長く形成され、燃料流路76底部に埋め込まれた状態となっている。
図6は、この発明の実施の形態2のセパレータに埋め込まれた光半導体について説明するための断面模式図である。燃料流路76に埋め込まれた光半導体80は、発光薄膜透明保護層81、発光薄膜陽極82、発光薄膜電子輸送層83、アントラセン等の発光薄膜発光層84、発光薄膜ホール輸送層85、発光薄膜陰極86が積層されて構成され、その周囲が絶縁支持層87に囲まれて構成されている。また発光薄膜陽極82と発光薄膜陰極86とにはそれぞれ電極端子が接続し、この電極端子は、燃料電池の外部から導線88を介して直流又は交流電源89に接続している。電源89から電流が供給されることで、光半導体80の発光薄膜発光層84からアノード極30側に向けて所定の波長の光が発せられる。
上記のようにアノード極30に向けて光が照射されると、アノード極30の光触媒粒子36がこの光を受けて、高い触媒活性を発揮する。これにより、上記のように燃料中のエタノールのC−C結合が切断されて水素が抽出され、水酸化物イオンとの水の生成反応が促進される。ここで、光半導体80は、各セルのセパレータ72の流路に沿って配置されている。従って、光触媒粒子36の触媒作用を各セルで高めることができる。従って、燃料電池全体に燃料の有効利用を図りつつ、高い発電性能を得ることができる。
なお、実施の形態2では、各セルのセパレータ72に溝状に蛇行した燃料流路76が形成されているものについて説明し、光半導体80をこの燃料流路76に埋め込んだ場合について説明した。しかし、この発明において、各セパレータ72の燃料流路76はこのような形状に限るものではない。
図7及び図8は、この発明の実施の形態2における他のセパレータの流路形状について示すための図である。図7及び図8において(a)はセパレータのアノード極30の相対する面を表し、(b)はセパレータの燃料が流通する部分の断面を表している。例えば、図7のセパレータ172の燃料流路176は、ブロックパターン状に形成されている。このパターンでは、セパレータ172に複数の凸部が形成され、この凸部がアノード極30に接する。一方、凸部以外の部分(即ち凹部)の一箇所には燃料供給用のマニホールドを構成する入口孔(図示せず)が形成され、他の一箇所は燃料排出用のマニホールドを構成する出口孔(図示せず)が形成されている。これによりセパレータ172の凹部全体が燃料流路176となり、アノード極30に燃料が供給される仕組みとなっている。また、図7の場合には、燃料流路176となる凹部全体に光半導体180が埋め込まれている。これにより、エタノールがアノード極30の光触媒粒子36に接する部分全体に渡って光を照射することができる。従って、光触媒粒子36の光触媒作用を活性化させて効果的にC−C結合を切断できる状態とすることができる。
また、図8のセパレータ272は、溝状又は凹部としての流路が形成されず、多孔体276が配置されている。図示を省略しているが、セパレータ272にはマニホールドを構成する入口孔と出口孔が形成されている。この入口孔から多孔体276全体に燃料が供給され、出口孔から排燃料が供給される。この場合には、多孔体276全体に接するようにして光半導体282が全面に配置される。これにより、燃料が供給され、光触媒粒子36と接する部分に確実に光を照射して、光触媒粒子36の触媒活性を向上させることができる。なお、この構成の場合、光半導体280から照射される光が、多孔体276を透過する必要がある。透明な多孔体としてはPLZT等の透明セラミックスで多孔体を形成したものが利用できる。また、光半導体280内に直接燃料を流通させる多数の細孔を形成したものとすることもできる。
また、燃料流路の形状は、図7及び図8に限るものでもなく、本発明は他の様々な形状の流路に適用することができる。また、光半導体の配置の構造は、燃料が供給される流路部分に配置するものに限るものでもなく、光触媒粒子36に所定の光を照射できるものではあれば、他の配置構造とすることもできる。
また、実施の形態2では、燃料流路76に埋め込む光照射手段として、光半導体80を用いる場合について説明した。しかし、この発明において光照射手段は、光触媒粒子の光触媒作用を引き出すことができる波長の光を発するものであり、燃料流路76に配置することができるものであれば、他の構成を有するものであってもよい。また、光半導体80を用いる場合であっても、光半導体80の構成は、実施の形態2に説明した構成に限るものではなく、他の構成を有する光半導体や光半導体ダイオード等を用いるものであってもよい。
また、実施の形態2では、アノード極30のみに光触媒粒子36を含ませ、アノード極30に相対するセパレータにのみ、光半導体80を設置する場合について説明した。しかしこの発明においては、カソード極20も光触媒粒子を含む構造として、カソード極20に相対して光半導体80を設置することもできる。この場合にも光半導体80はカソード極20の大気流路に沿った形状とすることが効果的であるが、必ずしもこの構成に限るものではない。
また、実施の形態2では、カソード極20とアノード極30とのそれぞれに、別のセパレータを配置して、MEAをこのセパレータで挟んだセルが複数積層されている場合について説明した。しかし、この発明はこれに限るものではなく、例えばセパレータの片面側に光半導体が埋め込まれた燃料流路を形成し、他方の面側に大気流路を形成し、MEAの間に挟まれるセパレータを一体型の構造としたものであってもよい。
なお、上記以外の点についても、以上の実施の形態において各要素の個数、数量、量、範囲等の数に言及した場合、特に明示した場合や原理的に明らかにその数に特定される場合を除いて、その言及した数に限定されるものではない。また、実施の形態において説明する構造は、特に明示した場合や明らかに原理的にそれに特定される場合を除いて、この発明に必ずしも必須のものではない。
この発明の実施の形態1における燃料電池について説明するための模式図である。 この発明の実施の形態1における燃料電池の電極触媒について説明するための図である。 この発明の実施の形態1の燃料電池の電極触媒粒子の添加量を変化させた場合の電流密度の変化を示す図である。 この発明の実施の形態2における燃料電池について説明するための図である。 この発明の実施の形態2における燃料電池のセパレータについて説明するための図である。 この発明の実施の形態2のセパレータに埋め込まれた光半導体の構成について説明するための図である。 この発明の実施の形態2の他の燃料電池のセパレータについて説明するための図である。 この発明の実施の形態2の他の燃料電池のセパレータについて説明するための図である。
符号の説明
10 アニオン交換膜
20 カソード極
30 アノード極
32 担体
34 触媒粒子
36 光触媒粒子
40 集電板
50 酸素経路
52 燃料経路
62 透明窓
64 発光灯
70 セパレータ
72 セパレータ
74 大気流路
76 燃料流路
80 光半導体
81 発光薄膜透明保護層
82 発光薄膜陽極
83 発光薄膜電子輸送層
84 発光薄膜発光層
85 発光薄膜ホール輸送層
86 発光薄膜陰極
87 絶縁支持層
88 導線
89 直流電源
172 セパレータ
176 流路
180 光半導体
272 セパレータ
276 多孔体
280 光半導体

Claims (10)

  1. 水素原子を含む純水素以外の燃料が供給される燃料電池であって、
    電解質と、
    前記電解質を挟んで配置された一対の電極であるアノード極とカソード極と、
    前記アノード極に光を照射する光照射手段と、を備え、
    前記アノード極は、前記光照射手段から照射される光を受けて、前記燃料を分解して水素を抽出する触媒作用を発揮する光触媒粒子を含むことを特徴とする燃料電池。
  2. 前記アノード極に相対する部分が、前記光照射手段からの光を透過する透明部材で形成され、前記アノード極に燃料を供給する燃料経路を、更に備え、
    前記光照射手段は、前記燃料経路の外側の、前記透明部材で形成された部分に、前記アノード極に相対して配置されていること特徴とする請求項1に記載の燃料電池。
  3. 前記燃料電池は、
    前記電解質と前記一対の電極とからなる複数の膜−電極接合体と、
    前記複数の膜−電極接合体のそれぞれの両側に配置された複数のセパレータと、
    を備え、
    前記光照射手段は、前記複数のセパレータのそれぞれの、前記アノード極に相対する面に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池。
  4. 前記セパレータは、前記アノード極に相対する面に、前記アノード極に供給される燃料を流通させる流路を有し、
    前記光照射手段は、前記流路内に配置されていることを特徴とする請求項3に記載の燃料電池。
  5. 前記セパレータと、前記アノード極との間に配置され、前記アノード極に供給されるガスを通過させる多孔体を更に備え、
    前記光照射手段は、前記多孔体と前記セパレータとの間に配置されていることを特徴とする請求項3に記載の燃料電池。
  6. 前記光照射手段は、光半導体であることを特徴とする請求項3から5のいずれかに記載の燃料電池。
  7. 前記光触媒粒子は、TiO又はTaであることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の燃料電池。
  8. 前記電解質は、陰イオンを選択的に透過させることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の燃料電池。
  9. 前記アノード極は、前記燃料から抽出された水素と、前記電解質を移動した水酸化物イオンとを反応させる触媒作用を有する触媒粒子を、更に含むことを特徴とする請求項8に記載の燃料電池。
  10. 前記アノード極は、前記触媒粒子と、前記光触媒粒子とを、共に担持する担持体を含むことを特徴とする請求項9に記載の燃料電池。
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