JP2019169258A - 燃料電池 - Google Patents

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晃之 増田
卓也 小俣
Takuya Omata
卓也 小俣
卓馬 勝村
Takuma Katsumura
卓馬 勝村
光児 吉元
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光児 吉元
正樹 鎌倉
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正樹 鎌倉
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Abstract

【課題】酸素流路における析出物の発生を抑制でき、燃料電池の出力を十分に確保できる燃料電池を提供すること。【解決手段】燃料電池3に、電解質膜14、アノード電極15およびカソード電極16を有する膜電極接合体12と、アノード電極15に液体燃料を供給するための燃料流路17を有するアノード側セパレータ19と、カソード電極16に酸素を供給するための空気流路18を有するカソード側セパレータ20とを備え、燃料流路17に、鉛直方向に沿って直線状に延びる複数の直線流路56を備える。そして、アノード側セパレータ19に、燃料流路17の下端部と連通する燃料供給口35と、燃料流路17の上端部と連通する燃料排出口36とを備え、カソード側セパレータ20に、空気流路18の下端部と連通する空気供給口37と、空気流路18の上端部と連通する空気排出口38とを備える。【選択図】図4

Description

本発明は、燃料電池、詳しくは、液体燃料が供給される燃料電池に関する。
従来、固体高分子形の燃料電池として、例えば、ヒドラジンなどの液体燃料を使用する燃料電池が知られている。そのような燃料電池は、一般に、複数の発電セルが積層されて構成されている。発電セルは、例えば、高分子電解質膜、アノード電極およびカソード電極を一体的に有する膜電極接合体と、アノード電極に対向配置されるアノード側セパレータと、カソード電極に対向配置されるカソード側セパレータとを備えている。
このような燃料電池として、例えば、アノード側セパレータが、上下方向に沿って直線状に延びる複数の流路を含む燃料流路と、燃料流路の下端部に連通する燃料供給口と、燃料流路の上端部に連通する燃料排出口とを備え、カソード側セパレータが、葛折り形状を有する流路を含む酸素流路と、酸素流路の上端部に連通する酸素供給口と、酸素流路の下端部に連通する酸素排出口とを備える燃料電池が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
そのような燃料電池では、液体燃料が、燃料供給口を介して燃料流路に供給され、アノード電極に接触しながら燃料流路を下側から上側に向かって直線状に通過した後、燃料排出口を介して燃料流路から排出されるとともに、酸素を含む空気が、酸素供給口を介して酸素流路に供給され、カソード電極に接触しながら酸素流路を上側から下側に葛折り状に向かって通過した後、酸素排出口を介して酸素流路から排出される。これによって、電気化学反応が生じて、燃料電池が発電する。
特開2014−107118号公報
しかるに、特許文献1に記載の燃料電池では、燃料流路に供給された液体燃料が、膜電極接合体を透過して酸素流路にリークする場合がある。また、上記の電気化学反応では、アノード電極において液体燃料が分解されて気体が発生し、発生した気体が、燃料流路の上部つまり燃料排出口の近傍に滞留する場合がある。
そして、燃料流路における燃料排出口の近傍からリークする液体燃料(以下、リーク液とする。)は、滞留した気体により阻害されるため、燃料排出口の近傍以外の燃料流路からリークするリーク液よりも少なくなる。
このような燃料排出口近傍からのリーク液は、主に酸素流路における酸素供給口の近傍にリークし、酸素流路に流入直後の空気にさらされる。ここで、液体燃料には、燃料電池の出力向上の観点から電解質を添加することが知られており、リーク液にも電解質が含まれる場合がある。
この場合、比較的量の少ないリーク液が、酸素流路に流入直後の空気にさらされると、リーク液が乾燥して、酸素流路において電解質に由来する析出物が生じるおそれがある。すると、カソード電極に対する酸素の供給が阻害されて、燃料電池の出力が低下するという不具合がある。
本発明は、酸素流路における析出物の発生を抑制でき、燃料電池の出力を十分に確保できる燃料電池を提供する。
本発明[1]は、電解質膜、前記電解質膜の一方面に配置されるアノード電極、前記電解質膜の他方面に配置されるカソード電極を有する膜電極接合体と、前記アノード電極と対向するように前記膜電極接合体の一方側に配置され、アノード電極に電解質を含む液体燃料を供給するための燃料流路を有するアノード側流路形成部と、前記カソード電極と対向するように前記膜電極接合体に対して前記アノード側流路形成部の反対側に配置され、前記カソード電極に酸素を供給するための酸素流路を有するカソード側流路形成部と、を備え、前記燃料流路は、鉛直方向に沿って直線状に延び、互いに間隔を隔てて並列配置される複数の直線流路を含み、前記アノード側流路形成部は、前記燃料流路の下端部と連通し、前記燃料流路に液体燃料を供給する燃料供給口と、前記燃料流路の上端部と連通し、前記燃料流路を通過した液体燃料を排出する燃料排出口と、を備え、前記カソード側流路形成部は、前記酸素流路の下端部と連通し、前記酸素流路に酸素を供給する酸素供給口と、前記酸素流路の上端部と連通し、前記酸素流路を通過した酸素を排出する酸素排出口と、を備える、燃料電池を含む。
本発明の燃料電池では、アノード側流路形成部が、燃料流路の下端部と連通する燃料供給口と、燃料流路の上端部と連通する燃料排出口とを備え、カソード側流路形成部が、酸素流路の下端部と連通する酸素供給口と、酸素流路の上端部と連通する酸素排出口とを備えている。
そのため、燃料電池では、液体燃料は、燃料供給口を介して燃料流路の下端部に流入し、燃料流路を下側から上側に向かって直線流路を通過した後、燃料排出口を介して燃料流路の上端部から排出され、酸素は、酸素供給口を介して酸素流路の下端部に流入し、酸素流路を下側から上側に向かって通過した後、酸素排出口を介して酸素流路の上端部から排出される。
その結果、燃料供給口近傍からの比較的量の多いリーク液は、酸素流路における酸素供給口の近傍にリークして、酸素流路に流入直後の酸素にさらされる。このとき、そのリーク液の量が比較的多いために、電解質に由来する析出物を生じさせることなく、酸素流路に流入直後の酸素を加湿する。
その後、加湿された酸素は、酸素排出口に向かうように酸素流路を通過し、燃料排出口近傍からの比較的量の少ないリーク液と接触する。
しかも、燃料流路は、鉛直方向に沿って直線状に延びる複数の直線流路を有しており、燃料流路における気体の滞留が抑制されている。これによって、燃料排出口近傍からのリーク液量の増加が図られている。
その結果、燃料排出口近傍からのリーク液が酸素と接触しても、その酸素が加湿されており、かつ、リーク液量が増加しているので、リーク液が乾燥することを抑制でき、電解質に由来する析出物が生じることを抑制できる。
図1は、本発明の燃料電池の一実施形態を搭載した電動車両の概略構成図である。 図2は、図1に示す発電セルを積層方向の他方側から見た分解斜視図である。 図3は、図1に示す発電セルを積層方向の一方側から見た分解斜視図である。 図4Aは、図2に示す発電セルのA−A断面図を示す。図4Bは、図3に示す発電セルのB−B断面図を示す。
1.電動車両の全体構成
図1に示すように、電動車両1は、モータ45を動力源とし、燃料電池3およびバッテリ47を選択的に電源として、モータ45を駆動させるハイブリッド車両である。電動車両1は、燃料電池システム2を搭載している。
燃料電池システム2は、燃料電池3と、燃料給排部4と、空気給排部5と、制御部6と、動力部7とを備える。
(1)燃料電池
燃料電池3は、液体燃料が直接供給される直接液体燃料形燃料電池であり、液体燃料中の燃料成分を消費して発電する。燃料電池3は、カチオン交換型燃料電池およびアニオン交換型燃料電池のいずれとしても構成できるが、好ましくは、アニオン交換型燃料電池として構成される。燃料電池3は、電動車両1の中央下側に配置されている。
燃料電池3は、複数の発電セル10が積層されて構成されるセルスタック11を備える。複数の発電セル10は、鉛直方向と交差する方向(好ましくは、直交する方向)に積層されている。以下の説明において、複数の発電セル10の積層方向を、積層方向と記載する。また、図2および図3では、便宜的に1つの発電セル10の分解斜視図を示す。
図2および図3に示すように、発電セル10は、膜電極接合体12と、アノード側流路形成部の一例としてのアノード側セパレータ19と、カソード側流路形成部の一例としてのカソード側セパレータ20とを備える。
膜電極接合体12は、上下方向に長手の略八角形の平板形状を有する。膜電極接合体12は、電解質膜14と、アノード電極15と、カソード電極16とを一体的に備える。
電解質膜14は、アニオン交換形またはカチオン交換形の高分子電解質膜から形成され、好ましくは、アニオン交換形の高分子電解質膜から形成される。
電解質膜14の厚みは、例えば、5μm以上、好ましくは、10μm以上、例えば、50μm以下、好ましくは、30μm以下である。
アノード電極15は、電解質膜14の一方面(積層方向一方側の表面)に配置され、電解質膜14に薄層として積層されている。アノード電極15は、アノード触媒を含有し、例えば、アノード触媒を担持した触媒担体により形成されている。
アノード触媒として、例えば、白金族元素(ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)、白金(Pt))、鉄族元素(鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni))などの周期表第8〜10(VIII)族元素、例えば、銅(Cu)、銀(Ag)、金(Au)などの周期表第11(IB)族元素、例えば、亜鉛(Zn)、および、それら金属元素の合金などが挙げられる。アノード触媒は、単独使用または2種以上併用することができる。
このようなアノード触媒のなかでは、好ましくは、PtNi合金およびPt単体が挙げられ、さらに好ましくは、PtNi合金およびPt単体の併用が挙げられる。
アノード触媒としてPtNi合金およびPt単体が併用される場合、PtNi合金は、ヒドラジン類を水素と窒素とに分解するヒドラジン分解触媒として作用し、Pt単体は、ヒドラジン類の分解により生じた水素を酸化する水素酸化触媒として作用する。
PtNi合金は、白金(Pt)とニッケル(Ni)との合金である。
PtNi合金における白金の含有割合は、白金およびニッケルの総mol数に対して、例えば、1mol%以上、好ましくは、5mol%以上、例えば、70mol%以下、好ましくは、60mol%以下である。
PtNi合金におけるニッケルの含有割合は、白金およびニッケルの総mol数に対して、例えば、30mol%以上、好ましくは、40mol%以上、例えば、99mol%以下、好ましくは、95mol%以下である。
Pt単体は、白金の金属単体である。
Pt単体の含有割合は、PtNi合金1質量部に対して、例えば、0.1質量部以上、好ましくは、0.5質量部以上、例えば、10質量部以下、好ましくは、5質量部以下である。
このようなアノード触媒は、例えば、触媒担体に担持される。触媒担体として、例えば、カーボンなどの多孔質物質が挙げられる。なお、アノード電極15は、触媒担体を用いずに、アノード触媒から直接形成することもできる。
アノード電極15の厚みは、例えば、10μm以上、好ましくは、20μm以上、例えば、200μm以下、好ましくは、100μm以下である。
カソード電極16は、電解質膜14の他方面(積層方向他方側の表面)に配置され、電解質膜14に薄層として積層されている。カソード電極16は、カソード触媒を含有し、例えば、カソード触媒を担持した触媒担体により形成されている。
カソード触媒として、例えば、金属単体、遷移金属錯体、遷移金属錯体の焼成体、導電性高分子とカーボンとからなるカーボンコンポジットに遷移金属が担持された複合体などが挙げられる。
金属単体として、例えば、上記した白金族元素、上記した周期表第8〜10(VIII)族元素、上記した周期表第11(IB)族元素、亜鉛(Zn)などが挙げられる。金属単体は、単独使用または2種以上併用することができる。
遷移金属錯体は、遷移金属元素(中心金属)に有機化合物が配位した金属錯体である。遷移金属元素として、例えば、スカンジウム(Sc)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、イットリウム(Y)、ジルコニウム(Zr)、ニオブ(Nb)、モリブデン(Mo)、テクネチウム(Tc)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)、ランタン(La)、ハフニウム(Hf)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、レニウム(Re)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)、白金(Pt)、金(Au)が挙げられる。遷移金属は、単独使用または2種以上併用することができる。
遷移金属元素に配位する有機化合物として、例えば、ピロール、ポルフィリン、テトラメトキシフェニルポルフィリン、ジベンゾテトラアザアヌレン、フタロシアニン、コリン、クロリン、フェナントロリン、サルコミン、ナイカルバジン、ピペミド酸系化合物、アミノベンズイミダゾール、アミノアンチピリン、またはこれらの重合体が挙げられる。有機化合物は、単独使用または2種以上併用することができる。
導電性高分子として、上記の有機化合物と重複する化合物もあるが、例えば、ポリアミン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセチレン、ポリビニルカルバゾール、ポリトリフェニルアミン、ポリピリジン、ポリピリミジン、ポリキノキサリン、ポリフェニルキノキサリン、ポリイソチアナフテン、ポリピリジンジイル、ポリチエニレン、ポリパラフェニレン、ポリフルラン、ポリアセン、ポリフラン、ポリアズレン、ポリインドール、ポリジアミノアントラキノンなどが挙げられる。導電性高分子は、単独使用または2種以上併用することができる。
このようなカソード触媒は、例えば、触媒担体に担持される。触媒担体として、例えば、カーボンなどの多孔質物質が挙げられる。なお、カソード電極16は、触媒担体を用いずに、カソード触媒から直接形成することもできる。
カソード電極16の厚みは、例えば、0.1μm以上、好ましくは、1μm以上、例えば、100μm以下、好ましくは、10μm以下である。
アノード側セパレータ19は、アノード電極15と対向するように、膜電極接合体12に対して一方側(積層方向の一方側)に配置される。アノード側セパレータ19は、膜電極接合体12よりも大きな略矩形の平板形状を有し、ガス不透過性の導電性材料から形成されている。アノード側セパレータ19は、詳しくは後述するが、アノード電極15に液体燃料を供給するための燃料流路17と、燃料流路17の下端部に連通する燃料供給口35と、燃料流路17の上端部に連通する燃料排出口36とを有する。
カソード側セパレータ20は、カソード電極16と対向するように、膜電極接合体12に対してアノード側セパレータ19の反対側(積層方向の他方側)に配置される。カソード側セパレータ20は、膜電極接合体12よりも大きな略矩形の平板形状を有し、ガス不透過性の導電性材料から形成されている。カソード側セパレータ20は、詳しくは後述するが、カソード電極16に酸素を供給するための酸素流路の一例としての空気流路18と、空気流路18の下端部に連通する酸素供給口の一例としての空気供給口37と、空気流路18の上端部に連通する酸素排出口の一例としての空気排出口38とを有する。
なお、膜電極接合体12と、アノード側セパレータ19およびカソード側セパレータ20のそれぞれとの間には、図示しないガス拡散層が介在されている。
(2)燃料給排部
図1に示すように、燃料給排部4は、供給ユニット8と、排出ライン9と、気液分離器34と、還流ライン27とを備える。
供給ユニット8は、燃料成分および電解質を含む液体燃料を燃料電池3(より具体的には、アノード電極15)に供給する。供給ユニット8は、燃料タンク21と、電解液タンク22と、調整タンク23と、第1燃料供給ライン24と、電解液供給ライン25と、第2燃料供給ライン26と、を備える。
燃料タンク21は、燃料成分を含む液体燃料を貯蔵する。詳しくは、液体燃料は、燃料成分が水により溶解される水溶液であって、燃料成分と、水とを含有する。
燃料成分として、例えば、アルコール類、ヒドラジン類などが挙げられ、好ましくは、ヒドラジン類が挙げられる。
ヒドラジン類として、例えば、ヒドラジン(NHNH)、水加ヒドラジン(NHNH・HO)、炭酸ヒドラジン((NHNHCO)、塩酸ヒドラジン(NHNH・HCl)、硫酸ヒドラジン(NHNH・HSO)、モノメチルヒドラジン(CHNHNH)、ジメチルヒドラジン((CHNNH、CHNHNHCH)、カルボンヒドラジド((NHNHCO)などが挙げられる。
ヒドラジン類は、単独または2種類以上併用することができる。ヒドラジン類のなかでは、好ましくは、炭素を含まないヒドラジン類、すなわち、ヒドラジン、水加ヒドラジン、硫酸ヒドラジンなどが挙げられ、さらに好ましくは、水加ヒドラジンが挙げられる。
燃料タンク21内における液体燃料のヒドラジン類の濃度は、例えば、5質量%以上、好ましくは、20質量%以上、例えば、60質量%以下、好ましくは、40質量%以下である。
電解液タンク22は、電解質の水溶液すなわち電解液を貯蔵する。
電解質として、例えば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなどの金属水酸化物などが挙げられる。電解質は、単独使用または2種以上併用することができる。電解質のなかでは、好ましくは、水酸化カリウムが挙げられる。
電解液タンク22内における電解液の電解質濃度は、例えば、10質量%以上、好ましくは、20質量%以上、例えば、40質量%以下、好ましくは、30質量%以下である。
調整タンク23は、燃料電池3の近傍に配置されている。調整タンク23には、燃料タンク21からの液体燃料と、電解液タンク22からの電解液とが混合された状態で貯蔵されている。つまり、調整タンク23内の液体燃料は、燃料成分と、電解質と、水とを含む。
調整タンク23内における液体燃料の燃料成分濃度は、電動車両1の走行状態に応じて調整されるが、例えば、0.1質量%以上、好ましくは、0.5質量%以上、例えば、20質量%以下、好ましくは、10質量%以下である。
調整タンク23内における液体燃料の電解質濃度は、例えば、2.5質量%以上、好ましくは、5.0質量%以上、例えば、20質量%以下、好ましくは、10質量%以下である。
第1燃料供給ライン24は、燃料タンク21から調整タンク23へ液体燃料を供給するための配管である。第1燃料供給ライン24の供給方向上流端は、燃料タンク21の下端部に接続されている。第1燃料供給ライン24の供給方向下流端は、調整タンク23に接続されている。第1燃料供給ライン24には、ポンプ29とバルブ30とが設けられている。
ポンプ29は、例えば、公知の送液ポンプであって、燃料タンク21内の液体燃料を調整タンク23に輸送する。ポンプ29は、ECU44(後述)に電気的に接続されている。ポンプ29の動作は、ECU44(後述)により制御される。
バルブ30は、第1燃料供給ライン24において、調整タンク23とポンプ29との間に設けられている。バルブ30は、例えば、公知の開閉弁であって、第1燃料供給ライン24を開閉する。バルブ30は、ECU44(後述)に電気的に接続されている。バルブ30の動作は、ECU44(後述)により制御される。
電解液供給ライン25は、電解液タンク22から調整タンク23へ電解液を供給するための配管である。電解液供給ライン25の供給方向上流端は、電解液タンク22の下端部に接続されている。電解液供給ライン25の供給方向下流端は、調整タンク23に接続されている。電解液供給ライン25には、ポンプ31とバルブ32とが設けられている。
ポンプ31は、例えば、公知の送液ポンプであって、電解液タンク22内の電解液を調整タンク23に輸送する。ポンプ31は、ECU44(後述)に電気的に接続されている。ポンプ31の動作は、ECU44(後述)により制御される。
バルブ32は、電解液供給ライン25において、調整タンク23とポンプ31との間に設けられている。バルブ32は、例えば、公知の開閉弁であって、電解液供給ライン25を開閉する。バルブ32は、ECU44(後述)に電気的に接続されている。バルブ30の動作は、ECU44(後述)により制御される。
第2燃料供給ライン26は、調整タンク23から燃料電池3へ液体燃料を供給するための配管である。第2燃料供給ライン26の供給方向上流端は、調整タンク23に接続されている。第2燃料供給ライン26の供給方向下流端は、アノード側セパレータ19の燃料供給口35(図2参照)に接続されている。第2燃料供給ライン26には、ポンプ33が設けられている。
ポンプ33は、例えば、公知の送液ポンプであって、調整タンク23内の液体燃料を燃料電池3に輸送する。ポンプ33は、ECU44(後述)に電気的に接続されている。ポンプ33の動作は、ECU44(後述)により制御される。
排出ライン9は、燃料電池3から液体燃料を排出液として排出させる。排出ライン9は、排出液を燃料電池3から気液分離器34へ輸送するための配管である。排出ライン9の排出方向上流端は、アノード側セパレータ19の燃料排出口36(図2参照)に接続されている。排出ライン9の排出方向下流端は、気液分離器34の下端部に接続されている。
気液分離器34は、排出ライン9と還流ライン27との間に介在されている。気液分離器34は、排出液からガス(気体)を分離する。気液分離器34は、例えば、中空の容器からなる。気液分離器34の下端部には、排出ライン9の排出方向下流端が接続されている。また、気液分離器34の上部には、排気ライン28が接続されている。
排気ライン28は、気液分離器34において分離されたガスを電動車両1から外へ排気するための配管である。排気ライン28の排気方向上流端は、気液分離器34に接続されている。排気ライン28の排気方向下流端は、大気開放されている。
還流ライン27は、気液分離器34においてガスが分離された排出液を、気液分離器34から調整タンク23に還流するための配管である。還流ライン27の還流方向上流端は、気液分離器34の下端部に接続されている。還流ライン27の還流方向下流端は、調整タンク23に接続されている。これにより、調整タンク23から、第2燃料供給ライン26、燃料流路17、排出ライン9、気液分離器34および還流ライン27を順次介して調整タンク23に戻る循環ラインが形成される。
(3)空気給排部
空気給排部5は、空気供給ライン41と、空気排出ライン42とを備えている。
空気供給ライン41は、酸素を含む空気を燃料電池3(より具体的には、カソード電極16)に供給する。空気供給ライン41は、電動車両1の外から燃料電池3へ空気を供給するための配管である。空気供給ライン41の供給方向上流端は、大気開放されている。空気供給ライン41の供給方向下流端は、カソード側セパレータ20の空気供給口37(図3参照)に接続されている。空気供給ライン41には、ポンプ43が設けられている。
ポンプ43は、例えば、エアコンプレッサなどの公知の送気ポンプである。ポンプ43は、ECU44(後述)に電気的に接続されている。ポンプ43の動作は、ECU44(後述)により制御される。
なお、空気供給ライン41には、空気を加湿するための加湿器が設けられていない。
空気排出ライン42は、燃料電池3から空気を排出させる。空気排出ライン42は、燃料電池3から電動車両1の外へ空気を排出するための配管である。空気排出ライン42の排出方向上流端は、カソード側セパレータ20の空気排出口38(図3参照)に接続されている。空気排出ライン42の排出方向下流端は、大気開放されている。
(4)制御部
制御部6は、ECU44を備える。
ECU44は、電動車両1における電気的な制御を実行するコントロールユニット(すなわち、Electronic Control Unit)であり、CPU、ROMおよびRAMなどを備えるマイクロコンピュータから構成されている。
(5)動力部
動力部7は、モータ45と、インバータ46と、バッテリ47と、DC/DCコンバータ48とを備える。
モータ45は、電動車両1の前端部において、いわゆるエンジンルーム内に配置されている。モータ45は、燃料電池3に電気的に接続されている。モータ45は、燃料電池3またはバッテリ47から出力される電気エネルギーを電動車両1の駆動力として機械エネルギーに変換する。モータ45として、例えば、三相誘導電動機、三相同期電動機などの公知の三相電動機などが挙げられる。
インバータ46は、燃料電池3で発電された直流電力を交流電力に変換する。インバータ46は、配線により、燃料電池3とモータ45との間に電気的に接続されている。インバータ46として、例えば、公知のインバータ回路が組み込まれた電力変換装置などが挙げられる。
バッテリ47は、燃料電池3が発電した電力を蓄電可能である。バッテリ47は、燃料電池3とモータ45との間の配線に電気的に接続されている。バッテリ47として、例えば、ニッケル水素電池や、リチウムイオン電池などの公知の二次電池などが挙げられる。バッテリ47は、燃料電池3からの電力を蓄電可能、かつ、モータ45に電力を供給可能である。
DC/DCコンバータ48は、配線により、燃料電池3とインバータ46との間に電気的に接続されている。DC/DCコンバータ48は、燃料電池3の出力電圧を昇降圧する機能を有し、燃料電池3の電力およびバッテリ47の入出力電力を調整する。DC/DCコンバータ48は、ECU44に電気的に接続されている。DC/DCコンバータ48の動作は、ECU44により制御される。
2.アノード側セパレータ
次に、図2および図3を参照して、アノード側セパレータ19の詳細について説明する。
図2に示すように、アノード側セパレータ19は、燃料流路17と、燃料供給口35と、燃料排出口36と、供給空気通過口50と、排出空気通過口51とを備える。
燃料流路17は、アノード側セパレータ19の積層方向の他方面に区画される燃料流路形成領域A1に形成される。
燃料流路形成領域A1は、アノード側セパレータ19の積層方向の他方面の中央に位置する。燃料流路形成領域A1は、膜電極接合体12と略同じ形状およびサイズを有し、具体的には、上下方向に長手の略八角形状を有している。燃料流路形成領域A1は、アノード側セパレータ19の積層方向の他方面から一方側に凹んでいる。燃料流路形成領域A1には、複数の整流リブ55が設けられる。
複数の整流リブ55は、燃料流路形成領域A1の鉛直方向中央部に配置されている。複数の整流リブ55のそれぞれは、燃料流路形成領域A1の積層方向の他方面から他方側へ向かって突出しており、鉛直方向に沿って直線状に延びている。複数の整流リブ55は、鉛直方向および積層方向の両方向と交差(好ましくは直交)する幅方向に、互いに間隔を隔てて並列配置されている。
そして、複数の整流リブ55のうち互いに隣り合う整流リブ55の間が、直線流路56として区画されている。つまり、複数の直線流路56は、鉛直方向に沿って直線状に延び、互いに間隔(整流リブ55)を隔てて並列配置されている。また、燃料流路17は、複数の直線流路56を含んでいる。
なお、複数の整流リブ55は、鉛直方向において、燃料流路形成領域A1の全体にわたって延びてもよく、燃料流路形成領域A1の一部に形成されない領域を有してもよい。つまり、燃料流路形成領域A1は、複数の整流リブ55に対して、上側および/または下側に、複数の整流リブ55が形成されない領域を有してもよい。
整流リブ55の鉛直方向の寸法は、燃料流路形成領域A1の鉛直方向の最大寸法以下であって、電極面積確保の観点から大きいほど好ましく、燃料流路形成領域A1の鉛直方向の最大寸法を100としたときに、例えば、60以上、好ましくは、80以上である。
燃料供給口35は、燃料流路17に液体燃料を供給する。燃料供給口35は、燃料流路17(燃料流路形成領域A1)に対して下側に間隔を空けて位置しており、アノード側セパレータ19の下端部における幅方向一方側部分に配置されている。燃料供給口35は、略矩形状を有しており、アノード側セパレータ19を厚み方向(積層方向)に貫通している。また、燃料供給口35は、第1燃料用貫通孔53(後述)を介して、燃料流路17の下端部と連通している。
燃料排出口36は、燃料流路17を通過した液体燃料を排出する。燃料排出口36は、燃料流路17(燃料流路形成領域A1)に対して上側に間隔を空けて位置しており、アノード側セパレータ19の上端部における幅方向他方側部分に配置されている。燃料排出口36は、略矩形状を有しており、アノード側セパレータ19を厚み方向(積層方向)に貫通している。また、燃料排出口36は、第2燃料用貫通孔54(後述)を介して、燃料流路17の上端部と連通している。
供給空気通過口50は、アノード側セパレータ19の下端部における幅方向他方側部分に配置されており、燃料供給口35に対して幅方向に間隔を空けて配置されている。供給空気通過口50は、略矩形状を有しており、アノード側セパレータ19を厚み方向(積層方向)に貫通している。
排出空気通過口51は、アノード側セパレータ19の上端部における幅方向一方側部分に配置されており、燃料排出口36に対して幅方向に間隔を空けて配置されている。排出空気通過口51は、略矩形状を有しており、アノード側セパレータ19を厚み方向(積層方向)に貫通している。なお、供給空気通過口50および排出空気通過口51は、燃料流路17と連通していない。
また、図3に示すように、アノード側セパレータ19は、第1薄肉部52と、第1燃料用貫通孔53と、第2薄肉部57と、第2燃料用貫通孔54と、をさらに備える。
第1薄肉部52は、燃料流路形成領域A1(図2参照)を積層方向に投影した投影面の下端縁と、燃料供給口35を積層方向に投影した投影面の上端縁との間の領域に形成されている。第1薄肉部52は、アノード側セパレータ19の積層方向の一方面から他方側に向かって凹むように、厚みが薄肉化されている。第1薄肉部52は、燃料供給口35に臨んでいる。
第1燃料用貫通孔53は、燃料供給口35により供給される液体燃料を、燃料流路17に向かって通過させる。第1燃料用貫通孔53は、第1薄肉部52に形成されている。より具体的には、第1燃料用貫通孔53は、第1薄肉部52を積層方向に投影した投影面の上端縁と、燃料流路形成領域A1(図2参照)を積層方向に投影した投影面の下端縁との境界に形成されており、燃料供給口35と燃料流路17とを連通している。
第2薄肉部57は、燃料流路形成領域A1(図2参照)を積層方向に投影した投影面の上端縁と、燃料排出口36を積層方向に投影した投影面の下端縁との間の領域に形成されている。第2薄肉部57は、アノード側セパレータ19の積層方向の一方面から他方側に向かって凹むように、厚みが薄肉化されている。第2薄肉部57は、燃料排出口36に臨んでいる。
第2燃料用貫通孔54は、燃料流路17を通過した液体燃料を、燃料排出口36に向かって通過させる。第2燃料用貫通孔54は、第2薄肉部57に形成されている。より具体的には、第2燃料用貫通孔54は、第2薄肉部57を積層方向に投影した投影面の下端縁と、燃料流路形成領域A1(図2参照)を積層方向に投影した投影面の上端縁との境界に形成されており、燃料流路17と燃料排出口36とを連通するように貫通している。
また、図2に示すように、アノード側セパレータ19には、ガスケット39が設けられている。
ガスケット39は、柔軟性を有する樹脂などから形成されており、アノード側セパレータ19において燃料流路17をシールしている。言い換えれば、ガスケット39は、燃料流路17が形成される燃料流路形成領域A1の周囲を囲んでいる。
具体的には、ガスケット39は、アノード側セパレータ19の積層方向の他方面に密着固定されており、燃料流路17(燃料流路形成領域A1)と、燃料供給口35と、燃料排出口36と、供給空気通過口50と、排出空気通過口51とのそれぞれを隔てるように設けられている。
3.カソード側セパレータ
次に、図2および図3を参照して、カソード側セパレータ20の詳細について説明する。
図3に示すように、カソード側セパレータ20は、空気流路18と、空気供給口37と、空気排出口38と、供給燃料通過口60と、排出燃料通過口61と、を備える。
空気流路18は、カソード側セパレータ20の積層方向の一方面に区画される空気流路形成領域A2に形成される。
空気流路形成領域A2は、カソード側セパレータ20の積層方向の一方面の中央に配置されている。空気流路形成領域A2は、膜電極接合体12と略同じ形状およびサイズを有し、具体的には、上下方向に長手の略八角形状を有している。空気流路形成領域A2は、カソード側セパレータ20の積層方向の一方面から他方側に凹んでいる。空気流路形成領域A2には、複数の整流リブ65が設けられる。
複数の整流リブ65は、空気流路形成領域A2の全体にわたって形成されている。複数の整流リブ65のそれぞれは、空気流路形成領域A2の積層方向の一方面から一方側へ向かって突出している。複数の整流リブ65は、互いに間隔を隔てて並列配置されており、幅方向に折り返されながら、鉛直方向に延びる葛折り形状に延びている。
そして、複数の整流リブ65のうち互いに隣り合う整流リブ65の間が、葛折状流路66として区画されている。つまり、空気流路18は、複数の葛折状流路66を含んでいる。
なお、複数の整流リブ65は、空気流路形成領域A2の全体にわたって設けられてもよく、空気流路形成領域A2の一部に形成されない領域を有してもよい。
空気供給口37は、空気流路18に空気(酸素)を供給する。空気供給口37は、空気流路18(空気流路形成領域A2)に対して下側に間隔を空けて位置しており、カソード側セパレータ20の下端部における幅方向他方側部分に配置されている。空気供給口37は、略矩形状を有しており、カソード側セパレータ20を厚み方向(積層方向)に貫通している。また、空気供給口37は、第1空気用貫通孔63(後述)を介して、空気流路18の下端部と連通している。
空気排出口38は、空気流路18を通過した空気(酸素)を排出する。空気排出口38は、空気流路18(空気流路形成領域A2)に対して上側に間隔を空けて位置しており、カソード側セパレータ20の上端部における幅方向一方側部分に配置されている。空気排出口38は、略矩形状を有しており、カソード側セパレータ20を厚み方向(積層方向)に貫通している。また、空気排出口38は、第2空気用貫通孔64(後述)を介して、空気流路18の上端部と連通している。
供給燃料通過口60は、カソード側セパレータ20の下端部における幅方向一方側部分に配置されており、空気供給口37に対して幅方向に間隔を空けて配置されている。供給燃料通過口60は、略矩形状を有しており、カソード側セパレータ20を厚み方向(積層方向)に貫通している。
排出燃料通過口61は、カソード側セパレータ20の上端部における幅方向他方側部分に配置されており、空気排出口38に対して幅方向に間隔を空けて配置されている。排出燃料通過口61は、略矩形状を有しており、カソード側セパレータ20を厚み方向(積層方向)に貫通している。なお、供給燃料通過口60および排出燃料通過口61は、空気流路18と連通していない。
また、図2に示すように、カソード側セパレータ20は、第1薄肉部62と、第1空気用貫通孔63と、第2薄肉部67と、第2空気用貫通孔64と、をさらに備える。
第1薄肉部62は、空気流路形成領域A2(図3参照)を積層方向に投影した投影面の下端縁と、空気供給口37を積層方向に投影した投影面の上端縁との間の領域に形成されている。第1薄肉部62は、カソード側セパレータ20の積層方向の他方面から一方側に向かって凹むように、厚みが薄肉化されている。第1薄肉部62は、空気供給口37に臨んでいる。
第1空気用貫通孔63は、空気供給口37により供給される空気を、空気流路18(図3参照)に向かって通過させる。第1空気用貫通孔63は、第1薄肉部62に形成されている。より具体的には、第1空気用貫通孔63は、第1薄肉部62を積層方向に投影した投影面の上端縁と、空気流路形成領域A2(図3参照)を積層方向に投影した投影面の下端縁との境界に形成されており、空気供給口37と空気流路18とを連通している。
第2薄肉部67は、空気流路形成領域A2(図3参照)を積層方向に投影した投影面の上端縁と、空気排出口38を積層方向に投影した投影面の下端縁との間の領域に形成されている。第2薄肉部67は、カソード側セパレータ20の積層方向の他方面から一方側に向かって凹むように、厚みが薄肉化されている。第2薄肉部67は、空気排出口38に臨んでいる。
第2空気用貫通孔64は、空気流路18(図3参照)を通過した空気を、空気排出口38に向かって通過させる。第2空気用貫通孔64は、第2薄肉部67に形成されている。より具体的には、第2薄肉部67を積層方向に投影した投影面の下端縁と、空気流路形成領域A2(図3参照)を積層方向に投影した投影面の上端縁との境界に形成されており、空気流路18と空気排出口38とを連通している。
また、図3に示すように、カソード側セパレータ20には、ガスケット40が設けられている。
ガスケット40は、柔軟性を有する樹脂などから形成されており、カソード側セパレータ20において空気流路18をシールしている。言い換えれば、ガスケット40は、空気流路18が形成される空気流路形成領域A2の周囲を囲んでいる。
具体的には、ガスケット40は、カソード側セパレータ20の積層方向の一方面に密着固定されており、空気流路18(空気流路形成領域A2)と、空気供給口37と、空気排出口38と、供給燃料通過口60と、排出燃料通過口61とのそれぞれを隔てるように設けられている。
4.発電セル
このような発電セル10では、図4Aおよび図4Bに示すように、膜電極接合体12と、アノード側セパレータ19と、カソード側セパレータ20とが組み合わされた状態において、アノード側セパレータ19のガスケット39とカソード側セパレータ20のガスケット40とが積層方向に密着しており、膜電極接合体12の周囲を囲んでいる。
そして、アノード側セパレータ19の燃料流路17における複数の直線流路56が、アノード電極15と積層方向に対向するとともに、カソード側セパレータ20の空気流路18における複数の葛折状流路66が、カソード電極16と積層方向に対向する。
また、アノード側セパレータ19の燃料供給口35と、カソード側セパレータ20の供給燃料通過口60とが、ガスケット39およびガスケット40を介して、積層方向に連通するとともに、アノード側セパレータ19の燃料排出口36と、カソード側セパレータ20の排出燃料通過口61とが、ガスケット39およびガスケット40を介して、積層方向に連通する。
また、カソード側セパレータ20の空気供給口37と、アノード側セパレータ19の供給空気通過口50とが、ガスケット39およびガスケット40を介して、積層方向に連通するとともに、カソード側セパレータ20の空気排出口38と、アノード側セパレータ19の排出空気通過口51とが、ガスケット39およびガスケット40を介して、積層方向に連通する。
5.発電動作
次に、電動車両1における発電について説明する。
電動車両1が起動されると、図1に示すように、ECU44の制御により、バルブ30が開放され、第1燃料供給ライン24のポンプ29、第2燃料供給ライン26のポンプ33、および、空気供給ライン41のポンプ43が駆動される。すると、調整タンク23内の液体燃料は、第2燃料供給ライン26を介して、燃料電池3に供給される。
なお、燃料タンク21内の液体燃料は、第1燃料供給ライン24を介して、逐次、バルブ30の開閉動作、および、ポンプ29の駆動および停止により、調整タンク23に供給される。また、電解液タンク22内の電解液は、電解液供給ライン25を介して、逐次、バルブ32の開閉動作、および、ポンプ31の駆動および停止により、調整タンク23に供給される。
より詳しくは、図4Aに示すように、液体燃料は、燃料電池3の燃料供給口35に供給され、第1燃料用貫通孔53を介して、燃料流路17に流入する。そして、液体燃料は、アノード電極15に供給され、複数の直線流路56を下側から上側へ向かって流れた後、第2燃料用貫通孔54を介して、燃料排出口36に排出される。その後、図1に示すように、燃料排出口36に排出された液体燃料は、排出液として、燃料電池3から排出ライン9へ排出される。
また、電動車両1の外部から空気は、空気供給ライン41を介して、燃料電池3に供給される。より詳しくは、図4Bに示すように、空気は、燃料電池3の空気供給口37に供給され、第1空気用貫通孔63を介して、空気流路18に流入する。そして、空気は、カソード電極16に供給され、複数の葛折状流路66を下側から上側へ向かって流れた後、第2空気用貫通孔64を介して、空気排出口38に排出される。その後、図1に示すように、空気排出口38に排出された空気は、燃料電池3から空気排出ライン42へ排出される。
このとき、燃料電池3では、ヒドラジン類がヒドラジンであり、アノード触媒が、PtNi合金およびPt単体を含む場合、アノード電極15において、下記(A)および(B)に示す電気化学反応が生じ、カソード電極16において、下記(C)に示す電気化学反応が生じる。そして、燃料電池3全体として下記式(D)に示す反応が連続的に生じて発電される。
(A)N→N+2H(アノード電極15での反応)
(B)2H+4OH→4HO+4e(アノード電極15での反応)
(C)O+2HO+4e→4OH(カソード電極16での反応)
(D)N+O→N+2HO(燃料電池3全体での反応)
つまり、アノード電極15では、ヒドラジンが窒素と水素とに分解されて、窒素および水素が生成した後(A)、その水素が酸化される(B)。また、カソード電極16では、酸素が還元される(C)。
これら反応により、ヒドラジン類(N)が消費されるとともに、水(HO)および窒素(N)が生成され、起電力(e)が発生する。発生した起電力は、DC/DCコンバータ48によって変圧され、インバータ46により三相交流電力に変換された後、モータ45に供給されて、電動車両1の車輪を駆動させる機械エネルギーに変換される。なお、機械エネルギーに変換されなかった余剰の電力は、バッテリ47に蓄電される。
そして、燃料電池3から排出ライン9に排出された排出液は、気液分離器34に流入し、ガス成分(例えば、水素ガス、窒素ガスなど)と、液体成分(例えば、ヒドラジン類が溶解する水溶液など)とに分離される。ガス成分は、排気ライン28を介して電動車両1の外部に排出される。液体成分は、還流ライン27を介して、調整タンク23に供給される。
6.作用効果
図4Aおよび図4Bに示すように、燃料電池3では、アノード側セパレータ19が、燃料流路17の下端部と連通する燃料供給口35と、燃料流路17の上端部と連通する燃料排出口36とを備え、カソード側セパレータ20が、空気流路18の下端部と連通する空気供給口37と、空気流路18の上端部と連通する空気排出口38とを備えている。
そのため、燃料電池3では、液体燃料は、燃料供給口35を介して燃料流路17の下端部に流入し、燃料流路17を下側から上側に向かって通過し、酸素は、空気供給口37を介して空気流路18の下端部に流入し、空気流路18を下側から上側に向かって通過する。
その結果、燃料流路17の下端部からリークする液体燃料(以下、リーク液とする。)は、空気流路18の下端部にリークして、空気流路18に流入直後の空気にさらされる。このとき、そのリーク液の量が比較的多いために、電解質に由来する析出物(例えば、水酸化カリウム、炭酸カリウムなど)を生じさせることなく、空気流路18に流入直後の空気を加湿する。
その後、加湿された酸素は、空気排出口38に向かうように空気流路18を通過し、燃料流路17の上端部からの比較的量の少ないリーク液と接触する。
また、アノード電極15では、上記した電気化学反応において、窒素や水素などの気体が生成する。これら気体は、燃料流路17が葛折り状など屈曲する場合、燃料流路17から円滑に排出されず、燃料流路17に滞留する場合がある。
一方、燃料電池3の燃料流路17は、鉛直方向に沿って直線状に延びる複数の直線流路56を有している。そのため、電気化学反応において生成した気体は、直線流路56に沿って上昇し、アノード側セパレータ19の上端部に配置される燃料排出口36から円滑に排出される。その結果、燃料流路17における気体の滞留は抑制されており、燃料流路17の上端部からのリーク液量の増加が図られている。
その結果、燃料流路17の上端部からのリーク液が空気と接触しても、その空気が加湿されており、かつ、リーク液量が増加しているので、リーク液が乾燥することを抑制でき、電解質に由来する析出物が生じることを抑制できる。
また、燃料流路17における気体の滞留が抑制され、リーク液量の増加が図られているので、別途加湿器を設けることなく、カソード電極16に供給される空気を十分に加湿することができる。そのため、燃料電池システム2の小型化を図ることができながら、カソード電極16に酸素および水を円滑に供給することができる。
7.変形例
上記した実施形態では、カソード側セパレータ20の空気流路18が複数の葛折状流路66を有するが、空気流路18の構成はこれに限定されない。空気流路18は、燃料流路17と同様に、複数の葛折状流路66に代えて複数の直線流路56を有していてもよい。
このような変形例によっても、上記した実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
3 燃料電池
12 膜電極接合体
14 電解質膜
17 燃料流路
18 空気流路
19 アノード側セパレータ
20 カソード側セパレータ
35 燃料供給口
36 燃料排出口
37 空気供給口
38 空気排出口
56 直線流路

Claims (1)

  1. 電解質膜、前記電解質膜の一方面に配置されるアノード電極、前記電解質膜の他方面に配置されるカソード電極を有する膜電極接合体と、
    前記アノード電極と対向するように前記膜電極接合体の一方側に配置され、アノード電極に、電解質を含む液体燃料を供給するための燃料流路を有するアノード側流路形成部と、
    前記カソード電極と対向するように前記膜電極接合体に対して前記アノード側流路形成部の反対側に配置され、前記カソード電極に酸素を供給するための酸素流路を有するカソード側流路形成部と、を備え、
    前記燃料流路は、鉛直方向に沿って直線状に延び、互いに間隔を隔てて並列配置される複数の直線流路を含み、
    前記アノード側流路形成部は、
    前記燃料流路の下端部と連通し、前記燃料流路に前記液体燃料を供給する燃料供給口と、
    前記燃料流路の上端部と連通し、前記燃料流路を通過した前記液体燃料を排出する燃料排出口と、を備え、
    前記カソード側流路形成部は、
    前記酸素流路の下端部と連通し、前記酸素流路に酸素を供給する酸素供給口と、
    前記酸素流路の上端部と連通し、前記酸素流路を通過した酸素を排出する酸素排出口と、を備えることを特徴とする、燃料電池。
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