JP2008292722A - 走査型光学装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】試料の深さにかかわらず鮮明な蛍光画像を取得するためには、画像処理を施すことなく同等の明るさの蛍光画像を取得する。
【解決手段】多光子励起用光源2と、該多光子励起用光源2から出射された超短パルスレーザ光を試料A上において走査させる走査部4と、超短パルスレーザ光の試料A内における集光位置の深さを調節する集光深さ調節部16と、試料A内における超短パルスレーザ光の集光位置から発せられる蛍光を検出する蛍光検出部12と、検出された蛍光の輝度情報と、走査部4による超短パルスレーザ光の走査位置とに基づいて取得される多光子蛍光画像の輝度条件が、超短パルスレーザ光の試料A内における集光位置の深さ毎にほぼ同一となるように、多光子励起用光源2、走査部4または蛍光検出部12の少なくとも1つの設定値を調節するハードウェア設定調節部13とを備える走査型光学装置1を提供する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、走査型光学装置に関し、特に、多光子励起現象を利用した多光子励起型の走査型光学装置に関するものである。
従来、多光子励起現象を利用して試料の深さ方向に高い分解能を有する明るい蛍光画像を取得する走査型光学装置が知られているが、試料から発生する蛍光は試料によって散乱されるため、試料の深い位置で発生した蛍光に基づく蛍光画像は、試料の浅い位置で発生した蛍光に基づく蛍光画像よりも暗くなるという問題がある。
この問題を解決するために、例えば、特許文献1に開示された発明は、取得された画像データに対し画像処理を施すことにより、画面上における見かけの明るさの変動を補正することとしている。
特開2000−275541号公報
しかしながら、取得された画像データに画像処理を施して補正する場合には、画像データ自体に含まれている輝度情報量が少なく、補正して得られた蛍光画像が不鮮明になるという不都合がある。例えば、試料の浅い位置から発生した蛍光に基づく蛍光画像が鮮明なものとなるように光源、光走査部あるいは光検出器を調節して、試料の深い位置から発生した蛍光を検出することにより取得された蛍光画像は、全体的に暗く輝度情報が少ないので、画像処理により明るさを補正しても鮮明な画像を構築することはできない。
逆に、試料の深い位置から発生した蛍光に基づく蛍光画像が鮮明なものとなるように光源、光走査部あるいは光検出器を調節して、試料の浅い位置から発生した蛍光を検出することにより取得された蛍光画像は、輝度が飽和してしまい、同様に画像処理により明るさを補正しても鮮明な画像を構築することはできない。
すなわち、試料の深さにかかわらず鮮明な蛍光画像を取得するためには、画像処理を施すことなく同等の明るさの蛍光画像を取得することが必要である。
本発明は上述した事情に鑑みてなされたものであって、試料の深さにかかわらず鮮明な蛍光画像を取得するためには、画像処理を施すことなく同等の明るさの蛍光画像を取得することができる走査型光学装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
本発明は、超短パルスレーザ光を出射する多光子励起用光源と、該多光子励起用光源から出射された超短パルスレーザ光を試料上において走査させる走査部と、該走査部により走査される超短パルスレーザ光の試料内における集光位置の深さを調節する集光深さ調節部と、前記試料内における超短パルスレーザ光の集光位置から発せられる蛍光を検出する蛍光検出部と、該蛍光検出部により検出された蛍光の輝度情報と、前記走査部による超短パルスレーザ光の走査位置とに基づいて取得される多光子蛍光画像の輝度条件が、超短パルスレーザ光の試料内における集光位置の深さ毎にほぼ同一となるように、前記多光子励起用光源、前記走査部または前記蛍光検出部の少なくとも1つの設定値を調節するハードウェア設定調節部とを備える走査型光学装置を提供する。
本発明によれば、多光子励起用光源から出射された超短パルスレーザ光は、集光深さ調節部により調節された試料の深さ位置に集光されることにより、その集光位置において多光子励起現象により多光子蛍光を発生させる。そして、走査部により試料における超短パルスレーザ光の集光位置を走査させられることにより、各走査位置において多光子蛍光を発生させ、蛍光検出部により検出される。したがって、この蛍光検出部により検出された蛍光の輝度情報と、走査部による超短パルスレーザ光の走査位置とに基づいて多光子蛍光画像を取得することができる。
この場合において、本発明によれば、ハードウェア設定調節部の作動により、超短パルスレーザ光の試料内における集光位置の深さ毎に多光子蛍光画像の輝度条件がほぼ同一となるように、多光子励起用光源、前記走査部または前記蛍光検出部の少なくとも1つの設定値が調節される。その結果、画像処理を施すことなく、超短パルスレーザ光の集光位置の深さにかかわらず、ほぼ同一の輝度条件を有する多光子蛍光画像を取得することができる。
上記発明においては、前記多光子蛍光画像の輝度条件がほぼ同一となる前記多光子励起用光源、前記走査部または前記蛍光検出部の少なくとも1つの設定値を、試料内における超短パルスレーザ光の集光位置の異なる複数の深さに対応づけて記憶する設定値記憶部を備え、前記ハードウェア設定調節部が、前記設定値記憶部に記憶された複数の設定値を補間演算して、前記設定値を調節することとしてもよい。
このようにすることで、超短パルスレーザ光の集光位置の異なる複数の深さに対応づけて設定値記憶部に記憶された設定値を用いて補間演算されることにより、設定値記憶部に記憶されている集光位置の深さ以外の深さ位置においても、ほぼ同一の輝度条件を有する多光子蛍光画像を取得可能な多光子励起用光源、前記走査部または前記蛍光検出部の少なくとも1つの設定値を得ることができる。
また、上記発明においては、前記多光子蛍光画像の輝度条件を取得された画像に基づいて設定する輝度条件設定部を備えることとしてもよい。
取得したい多光子蛍光画像の輝度条件は、観察者毎に相違するので、輝度条件設定部の作動により所望の画像に基づいて多光子蛍光画像の輝度条件を設定することによって、観察者に合わせた輝度条件の多光子蛍光画像を取得することが可能となる。
また、上記発明においては、前記多光子蛍光画像の輝度条件が、所定のしきい値以上の輝度を有する画素の平均輝度値であることとしてもよい。
このようにすることで、輝度値の低い画素の影響を除去することができ、全体的に明るい多光子蛍光画像が暗くなったり、暗い部分の多い多光子蛍光画像の高輝度部分が過度に明るくなったりする不都合の発生を防止して、鮮明な画像を取得することができる。
また、上記発明においては、前記多光子蛍光画像の輝度条件が、第1のしきい値以上の輝度を有する画素の画素数と、前記第1のしきい値よりも大きな第2のしきい値以上の輝度を有する画素の画素数との比率であることとしてもよい。
このようにすることで、超短パルスレーザ光の集光位置の深さが異なっても、所定の明るさ以上の輝度を有する画素の分布の割合が同等の多光子蛍光画像を取得することができる。その結果、深さが異なることによる多光子蛍光画像の明るさムラの発生を防止することができる。
また、上記発明においては、前記第2のしきい値が、前記多光子蛍光画像において表現可能な最高輝度であることとしてもよい。
このようにすることで、輝度値が飽和する画素の発生をコントロールし、かつ、明るい多光子蛍光画像を取得することができる。
本発明によれば、試料の深さにかかわらず鮮明な蛍光画像を取得するためには、画像処理を施すことなく同等の明るさの蛍光画像を取得することができるという効果を奏する。
本発明の一実施形態に係る走査型光学装置1について、図1〜図7を参照して以下に説明する。
本実施形態に係る走査型光学装置1は、図1に示されるように、超短パルスレーザ光を出射する多光子励起用光源2と、該多光子励起用光源2から出射された超短パルスレーザ光の強度を調節するレーザ強度調節部3と、超短パルスレーザ光を2次元的に走査させるスキャナ(走査部)4と、走査された超短パルスレーザ光を集光する瞳投影レンズ5および結像レンズ6と、該結像レンズ6により略平行光にされた超短パルスレーザ光を標本Aに集光させる一方、標本Aにおいて発生した蛍光を集光する対物レンズ7と、該対物レンズ7により集光され、結像レンズ6を介して戻る蛍光を超短パルスレーザ光から分岐するダイクロイックミラー8と、分岐された蛍光を集光する集光レンズ9,10と、蛍光に含まれる超短パルスレーザ光を遮断するバリアフィルタ11と、集光レンズ9,10により集光された蛍光を検出する光検出器(蛍光検出部)12とを備えている。
また、本実施形態に係る走査型光学装置1は、前記レーザ強度調節部3、前記スキャナ4および前記光検出器12を制御するコントロールユニット13と、該コントロールユニット13に対し観察者が種々の入力を行う入力部14と、コントロールユニット13により構築された多光子蛍光画像を表示するモニタ15とを備えている。また、前記対物レンズ7には、該対物レンズ7を光軸方向に沿って移動させる集光位置調節機構16が備えられ、コントロールユニット13により制御されるようになっている。
前記超短パルスレーザ光源2は、所定の強度の超短パルスレーザ光を出射するようになっている。レーザ強度調節部3は、例えば、音響光学素子により構成され、コントロールユニット13からの指令により、スキャナ4に入射させる超短パルスレーザ光の強度を調節するようになっている。
前記コントロールユニット13は、図2に示されるように、前記レーザ強度調節部3、前記スキャナ4または前記光検出器12の少なくとも1つの設定値(以下、ハードウェア設定値という。)を決定するための指標となる輝度条件を設定し(ステップS1)、設定された輝度条件が、超短パルスレーザ光の標本Aにおける集光位置の深さ毎にほぼ同一となるように前記ハードウェア設定値を算出して記憶し(ステップS2)、記憶されたハードウェア設定値を用いて、所望の深さ範囲にわたる試料Aの多光子蛍光画像を取得する(ステップS3)ようになっている。
さらに具体的には、コントロールユニット13による輝度条件の設定(ステップS1)は、図3に示されるように、まず、観察者が、試料Aの観察したい深さ範囲を指定し(ステップS11)、所定の深さ位置(例えば、指定された深さ範囲における最も浅い深さ位置)の多光子蛍光画像を取得(プリスキャン)してモニタ15に表示し(ステップS12)、観察者がモニタ15を見ながら入力部14からの入力を調節することにより、好みの明るさの多光子蛍光画像に調節し、これを基準画像とする(ステップS13)ようになっている。コントロールユニット13は、この基準画像における前記ハードウェア設定値を記憶する(ステップS14)ようになっている。また、コントロールユニット13は、取得された基準画像の画素のうち、所定のしきい値以上の輝度を有する画素の平均輝度値を算出し、これを輝度条件Iとして設定する(ステップS15)ようになっている。
次に、コントロールユニット13による前記ハードウェア設定値、ここでは、レーザ強度調節部3および光検出器12の設定値の算出および記憶(ステップS2)について説明する。
コントロールユニット13は、図4に示されるように、まず、集光位置調節機構16を作動させて、指定された深さ範囲内において基準画像の深さ位置より深い任意の位置に超短パルスレーザ光の集光位置を移動させる(ステップS21)ようになっている。ここで、超短パルスレーザ光の強度がさらに上昇できるか否かが判断され(ステップS22)、上昇できる場合には、レーザ強度調節部3の設定値を調節して超短パルスレーザ光の強度を上昇させ(ステップS23)、輝度条件を算出し(ステップS24)、算出された輝度条件が基準画像における輝度条件Iと同一か否かを判定する(ステップS25)ようになっている。
判定の結果、算出された輝度条件が基準画像における輝度条件Iと同一でない場合には、ステップS22〜S25が繰り返されるようになっている。同一となった場合には、レーザ強度調節部3および光検出器12の設定値が記憶され(ステップS26)、現在の深さ位置が最深部であるか否かが判定される(ステップS27)ようになっている。最深部である場合には、補間処理が行われた後に(ステップS28)、処理が終了され、最深部ではない場合には、ステップS21〜S27が繰り返されるようになっている。
一方、ステップS22において、超短パルスレーザ光の強度がこれ以上上昇できない場合には、光検出器12の印加電圧HVが上昇させられ(ステップS29)、輝度条件が算出され(ステップS30)、算出された輝度条件が基準画像における輝度条件Iと同一か否かが判定される(ステップS31)ようになっている。
判定の結果、算出された輝度条件が基準画像における輝度条件Iと同一でない場合には、ステップS29〜S31が繰り返されるようになっている。
一方、ステップS31において、算出された輝度条件が基準画像における輝度条件Iと同一となった場合には、ステップS26が実行されるようになっている。
コントロールユニット13のこのような処理により、例えば、図5〜図7に示されるようなハードウェア設定値(レーザ強度調節部3の設定値(ND)および光検出器12の設定値(HV)が得られるようになっている。
すなわち、まず、図6に示されるように、間隔をあけた複数の深さ位置においてのみ、ハードウェア設定値が算出されることにより得られ(プロット位置1〜4)、得られたこれらの離散的なハードウェア設定値を、例えば、最小二乗法等により補間する(ステップS28)ことにより、図7に示されるように、全ての深さ位置におけるハードウェア設定値が得られるようになっている。
そして、このようにして全ての深さ位置に対応するハードウェア設定値が得られた後に、全ての深さ位置についての多光子蛍光画像の取得を行うことにより、全ての深さ位置において輝度条件がほぼ等しい多光子蛍光画像を取得することができる。
また、本実施形態に係る走査型光学装置1によれば、観察者が設定した多光子蛍光画像の輝度条件に一致するように全ての深さ位置において自動的にハードウェア設定値が取得されるので、高い再現性で、深さ毎に明るさムラのない多光子蛍光画像を、短時間で効率的に取得することができるという利点がある。
なお、本実施形態においては、輝度条件を設定するために所定の閾値以上の輝度を有する画素の平均輝度を求めることとし、閾値を予め設定しておくこととしたが、これに代えて、プリスキャンして得られた画像の輝度分布を示すダイアグラム等から観察者が適宜選択した輝度値を閾値に設定することにしてもよい。また、観察者が得られた画像の一点または範囲を指定し、その指定画素の輝度または指定範囲の平均輝度を閾値として採用してもよい。
また、輝度条件として所定の閾値以上の輝度を有する画素の平均輝度を採用したが、これに代えて、2つの閾値を設定し、各閾値以上の輝度を有する画素数の比率を下式のように輝度条件として設定してもよい。
輝度条件=閾値2以上の輝度を有する画素数/閾値1以上の輝度を有する画素数
例えば、多光子蛍光画像の輝度を12bitで表して、最高輝度を4095、第1の閾値を3800,第2の閾値を4000のように設定すればよい。また、この場合の輝度条件は、輝度条件=1%のように設定すればよい。
このようにすることで、深さ毎の多光子蛍光画像における輝度の分布がほぼ等しくなるようにハードウェア設定値を設定して、深さが変わっても明るさムラのない多光子蛍光画像を取得することができる。
この場合に、第1の閾値は、予め設定されていてもよいし、観察者がダイアグラム等を参照して指定してもよい。また、得られた画像の範囲または一点を観察者が選択して、その最低輝度を第1の閾値としてもよい。また、得られた画像の範囲を観察者が選択して、その最低輝度を閾値として設定してもよい。さらに、得られた多光子蛍光画像の範囲を観察者が選択して、その範囲の画素の平均輝度を第2の閾値としてもよい。また、基準画像の最高輝度を第2の閾値としてもよい。
また、本実施形態においては、レーザ光の強度を調節する音響光学素子のようなレーザ強度調節部3の設定値をハードウェア設定値の1つとしたが、これに代えて、超短パルスレーザ光源2から発生する超短パルスレーザ光のパルス数をハードウェア設定値としてもよい。
また、本実施形態においては、算出して記憶するハードウェア設定値の一例として、レーザ強度調節部3の設定値および光検出器12の印加電圧HVを例示したが、これに加えて、スキャナ4の走査速度SSを算出してもよい。
この場合、図8に示されるように、光検出器12の印加電圧HVを上昇させるステップS29の前に、光検出器12の印加電圧HVが上限であるか否かを判定し(ステップS32)、これ以上印加電圧HVを上昇できない場合には、スキャナ4の走査速度SSを低下させ(ステップS33)、輝度条件を算出し(ステップS34)、輝度条件が基準画像の輝度条件Iに一致するか否かが判定される(ステップS35)。
判定の結果、算出された輝度条件が基準画像における輝度条件Iと同一でない場合には、ステップS33〜S35が繰り返される。一方、ステップS35において、算出された輝度条件が基準画像における輝度条件Iと同一となった場合には、ステップS26が実行される。
コントロールユニット13のこのような処理により、例えば、図9に示されるようなハードウェハ設定値(レーザ強度調節部3の設定値(ND)および光検出器12の設定値(HV)、スキャナ4の走査速度(SS))が得られる。
また、本実施形態においては、試料A内における超短パルスレーザ光の集光位置が深くなるに従って、最初にレーザ強度を上限に達するまで上昇させ、次いで、光検出器12への印加電圧HVを上限に達するまで上昇させることとした。また、上記変形例においては、さらに、光検出器12への印加電圧HVが上限に達した後に、スキャナ4の走査速度SSを低下させていくこととした。このようにすることで、ノイズの発生を低減して鮮明な多光子蛍光画像を得ることができる。
しかしながら、これらのハードウェア設定値の調節順序は、この順序に限定されるものではなく、レーザ強度を上昇させることなく光検出器12の印加電圧HVを上昇させることにしてもよい。このようにすることで、超短パルスレーザ光が試料Aに与えるダメージを低減することができる。
また、本実施形態においては、ハードウェア設定値を1つずつ調節する場合について説明したが、これに代えて、図10に示されるように、2以上のハードウェア設定値(図に示す例では、レーザ強度NDと光検出器12への印加電圧HV)を同時に調節していくことにしてもよい。
また、本実施形態においては、各深さ位置で撮影した多光子蛍光画像の輝度条件を算出する際に、1枚の画像における輝度値に基づいて算出することとしたが、これに代えて、各深さ位置で微小時間間隔をあけて撮影された2以上の多光子蛍光画像に基づいて輝度条件を算出することにしてもよい。
例えば、2以上の多光子蛍光画像の所定の閾値以上の輝度を有する画素の平均輝度を算出したり、画素毎に相関の強い部分だけを用いて平均輝度を算出したりしてもよい。このようにすることで、一方の多光子蛍光画像のみに含まれる画像ノイズを除去して、精度よく輝度条件を算出することができる。
また、これに代えて、各深さ位置で撮影した多光子蛍光画像の空間周波数を画素毎に算出し、所定の閾値以上の空間周波数を有する画素を輝度条件の算出の基礎から除外することとしてもよい。通常、画像ノイズは高い空間周波数を有するので、これを効果的に除外して精度よく輝度条件を算出することができる。
また、本実施形態においては、各深さ位置毎にハードウェア設定値を算出して記憶することとしたが、この場合に、観察対象となる試料Aの種類、使用する試薬の種類に対応づけて、記憶することにしてもよい。このようにすることで、試料Aの種類あるいは試薬の種類が決定されれば、その試料あるいは試薬の種類に適した多光子蛍光画像を取得可能なハードウェア設定値を迅速に呼び出すことができる。また、観察者の識別情報に対応づけてハードウェア設定値を記憶することにしてもよい。観察者毎に好みの輝度条件が異なるため、このようにすることで、観察者の好みに合致した多光子蛍光画像を取得可能なハードウェア設定値を迅速に呼び出すことができる。
また、本実施形態においては、励起用の超短パルスレーザ光のみを試料Aに照射可能な走査型光学装置1を例示したが、これに加えて、光刺激用の超短パルスレーザ光を試料Aに照射可能な走査型光学装置に適用してもよい。この場合に、励起用の超短パルスレーザ光の集光位置の深さ毎に設定された超短パルスレーザ光の強度に基づいて、光刺激用の超短パルスレーザ光の強度を算出することにしてもよい。このようにすることで、光刺激の深さにかかわらず、一様な光刺激を行うことが可能となる。
また、本実施形態においては、代表的な複数の深さ位置において取得した多光子蛍光画像に基づいて、他の深さ位置のハードウェア設定値を補間することとしたが、これに代えて、観察する全ての深さ位置における多光子蛍光画像を取得して、その各々についてハードウェア設定値を算出・記憶することにしてもよい。このようにすることで、深さ毎の明るさムラのより少ない多光子蛍光画像を取得することが可能となる。
また、本実施形態においては、深さ毎の輝度条件が基準画像の輝度条件Iに一致するようにハードウェア設定値を算出し記憶することとしたが、この場合の一致とは、厳密な一致に限られるものではなく、数%程度の誤差を許容することにしてもよい。
本発明の一実施形態に係る走査型光学装置を示す全体構成図である。 図1の走査型光学装置のコントロールユニットによる処理を説明するフローチャートである。 図2の処理における輝度条件設定の処理を説明するフローチャートである。 図2の処理におけるハードウェア設定値の設定処理を説明するフローチャートである。 図4のフローチャートにおいて記憶されるハードウェア設定値の深さとの関係の一例を示すグラフである。 図4のフローチャートにおいて複数の深さ位置に対して記憶されるハードウェア設定値の一例を示すグラフである。 図6のフローチャートにおける補間処理後のハードウェア設定値を示すグラフである。 図1の走査型光学装置のコントロールユニットによる処理の変形例を示すフローチャートである。 図8のフローチャートにおいて記憶されるハードウェア設定値の深さとの関係の一例を示すグラフである。 図4のハードウェア設定値の設定処理の変形例により取得されるハードウェア設定値の深さとの関係の一例を示すグラフである。
符号の説明
A 試料
1 走査型光学装置
2 多光子励起用光源
4 スキャナ(走査部)
12 光検出器(蛍光検出部)
13 コントロールユニット(ハードウェア設定調節部、設定値記憶部、輝度条件設定部)
16 集光深さ調節部

Claims (6)

  1. 超短パルスレーザ光を出射する多光子励起用光源と、
    該多光子励起用光源から出射された超短パルスレーザ光を試料上において走査させる走査部と、
    該走査部により走査される超短パルスレーザ光の試料内における集光位置の深さを調節する集光深さ調節部と、
    前記試料内における超短パルスレーザ光の集光位置から発せられる蛍光を検出する蛍光検出部と、
    該蛍光検出部により検出された蛍光の輝度情報と、前記走査部による超短パルスレーザ光の走査位置とに基づいて取得される多光子蛍光画像の輝度条件が、超短パルスレーザ光の試料内における集光位置の深さ毎にほぼ同一となるように、前記多光子励起用光源、前記走査部または前記蛍光検出部の少なくとも1つの設定値を調節するハードウェア設定調節部とを備える走査型光学装置。
  2. 前記多光子蛍光画像の輝度条件がほぼ同一となる前記多光子励起用光源、前記走査部または前記蛍光検出部の少なくとも1つの設定値を、試料内における超短パルスレーザ光の集光位置の異なる複数の深さに対応づけて記憶する設定値記憶部を備え、
    前記ハードウェア設定調節部が、前記設定値記憶部に記憶された複数の設定値を補間演算して、前記設定値を調節する請求項1に記載の走査型光学装置。
  3. 前記多光子蛍光画像の輝度条件を取得された画像に基づいて設定する輝度条件設定部を備える請求項1または請求項2に記載の走査型光学装置。
  4. 前記多光子蛍光画像の輝度条件が、所定のしきい値以上の輝度を有する画素の平均輝度値である請求項3に記載の走査型光学装置。
  5. 前記多光子蛍光画像の輝度条件が、第1のしきい値以上の輝度を有する画素の画素数と、前記第1のしきい値よりも大きな第2のしきい値以上の輝度を有する画素の画素数との比率である請求項3に記載の走査型光学装置。
  6. 前記第2のしきい値が、前記多光子蛍光画像において表現可能な最高輝度である請求項5に記載の走査型光学装置。
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