JP2008290933A - 炭入り陶器の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 還元雰囲気における酸素の悪影響を抑え、陶土に混練された炭が焼成後の陶器に残る炭入り陶器の製造方法を提供すること。
【解決手段】 陶土に炭を混練した混練物25を焼成して形成する炭入り陶器の製造方法において、炭化される被炭化物(竹52及び/又は籾殻54)とともに混練物25を還元用容器体22に入れた後にこの還元用容器体22を密封し、この密封状態の還元用容器体22を焼成炉に入れて還元雰囲気にて焼成する。還元用容器体22は、上面が開放された容器本体46と容器本体46の上面開口を密封する蓋体48から構成され、還元用容器体22が耐熱ハウジングに収容されて密封され、混練物25は還元用容器体22、及び耐熱ハウジングの二重に密封状態で焼成炉内に入れられる。
【選択図】 図4

Description

本発明は、竹炭、籾殻くん炭などの炭が入った陶器の製造方法に関する。
活性炭入り陶器として、陶土、活性炭、水、酸化チタンを混練して成形し、乾燥した後焼成して形成することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この製造方法では、混練した成形物が還元雰囲気中で焼成温度を900〜1200℃の間で上昇及び下降を繰り返し行いながら焼成され、このように焼成することによって、活性炭が灰にならずに陶器の中に残り、活性炭入り陶器を提供することができる。
特公平4−45479号公報
しかしながら、上述した製造方法では、混練した成形物を還元雰囲気中で焼成するが、この焼成中に還元雰囲気中に残る酸素が成型物に作用すると、酸素が作用した部位に存在する活性炭が灰になり、焼成した陶器の一部に活性炭が存在しないという問題がある。
本発明の目的は、還元雰囲気における酸素の悪影響を抑え、陶土に混練された炭が焼成後の陶器に残る炭入り陶器の製造方法を提供することである。
本発明の請求項1に記載の炭入り陶器の製造方法は、陶土に炭を混練した混練物を焼成して形成する炭入り陶器の製造方法において、
上面が開放された容器本体と前記容器本体の上面開口を密封する蓋体とから構成された還元用容器体を用い、前記容器本体内に前記混練物及び前記被炭化物を収容した後に前記蓋体を装着して前記還元用容器体を密封状態とし、密封状態の前記還元用容器体を焼成炉に入れて還元雰囲気にて焼成することを特徴とする。
また、本発明の請求項2に記載の炭入り陶器の製造方法では、前記還元用容器体は耐熱ハウジングに収容され、前記耐熱ハウジングが密封されることを特徴とする。
また、本発明の請求項3に記載の炭入り陶器の製造方法では、前記被炭化物は籾殻であり、前記還元用容器体の前記容器本体に収容された前記混練物の周囲を覆うように籾殻が収容されることを特徴とする。
また、本発明の請求項4に記載の炭入り陶器の製造方法では、前記被炭化物は籾殻及び竹であり、前記還元用容器体の前記容器本体内の周縁部に複数の竹が収容され、前記容器本体内の中央部に前記混練物が収容され、前記混練物の周囲を覆うように籾殻が収容されることを特徴とする。
また、本発明の請求項5に記載の炭入り陶器の製造方法では、陶土に混練される炭として、前記混練物を焼成する際に前記還元用容器体に収容される竹及び/又は籾殻の炭化物が用いられることを特徴とする。
また、本発明の請求項6に記載の炭入り陶器の製造方法では、前記耐熱ハウジングは所定の移動経路に沿って移動される台車に設けられ、前記台車は前記焼成炉内に設けられる前乾燥域、乾燥域、焼成域及び冷却域を通して移動され、前記前乾燥域においては50〜120℃に加熱され、前記乾燥域においては750〜900℃に加熱され、前記焼成域においては1100〜1250℃に加熱され、前記冷却域においては350〜500℃に加熱されることを特徴とする。
更に、本発明の請求項7に記載の炭入り陶器の製造方法では、陶土に混練される炭として竹炭及び/又は籾殻くん炭が用いられ、混練物は、陶土が50〜70重量%で、混練用水が15〜25重量%で、竹炭及び/又は籾殻くん炭が1〜15重量%で、長石が10〜20重量%であることを特徴とする。
本発明の請求項1に記載の炭入り陶器の製造方法によれば、炭化される被炭化物とともに混練物(花器、置物などに成形された混練物)を還元用容器体の容器本体に収容した後に蓋体を装着して密封状態にし、かかる密封状態の還元用容器体を焼成炉に入れて還元雰囲気にて混練物を焼成するので、焼成時に混練物の周囲においては還元雰囲気状態が保たれ、混練物に混入された炭が灰になることなくそのまま陶器に残り、炭の入った黒色の陶器を製造することができる。特に、混練物が収容された還元用容器体が密封されるとともに、この還元用容器体に被炭化物を入れて焼成するので、還元用容器体内の空気中の酸素は被炭化物の炭化に消費され、焼成時に還元用容器体内が充分な還元状態に維持され、混練物中の炭が灰になるのを確実に防止することができる。また、還元用容器体の容器本体内に混練物及び被炭化物を収容した後に蓋体を装着して密封状態とするので、焼成時に還元用容器内が充分な還元状態に維持される。このようにして製造した陶器では、炭入りの混練物を被炭化物の存在の下に焼成されるので、焼成した陶器自体が黒くなり、また陶器中に炭が入っているので、炭による脱臭効果が得られる。
また、本発明の請求項2に記載の炭入り陶器の製造方法によれば、還元用容器体が密封された耐熱ハウジング内に収容されるので、焼成すべき混練物は3重の還元雰囲気、即ち焼成炉内の還元雰囲気、耐熱ハウジング内の還元雰囲気及び還元用容器体内の還元雰囲気に内に保たれ、一層充分な還元雰囲気にいて混練物を焼成することができる。尚、耐熱ハウジング内にも竹などの被炭化物を収容することによって、この耐火ハウジング内も充分な還元状態に維持することができる。
また、本発明の請求項3に記載の炭入り陶器の製造方法によれば、被炭化物として籾殻を用い、この籾殻を混練物の周囲を覆うように還元用容器体内に収容するので、還元用容器体内に存在する空気中の酸素は、焼成時の還元作用によって籾殻の炭化に消費され、混練物の周囲が充分な還元状態に保たれ、この混練物に空気中の酸素が作用することをより確実に防止でき、また籾殻が炭化させて籾殻くん炭が生成される。
また、本発明の請求項4に記載の炭入り陶器の製造方法によれば、還元用容器体の容器本体内の周縁部に複数の竹が収容され、容器本体内の中央部に混練物が収容され、この混練物の周囲を覆うように籾殻が収容されるので、還元用容器体内の空気中の酸素は、焼成時の還元作用によって竹及び籾殻の炭化に消費され、この場合にも混練物の周囲が充分な還元状態に保たれて空気中の酸素が混練物に作用することをより確実に防止でき、また竹が炭化して竹炭が生成されるとともに、籾殻が炭化して籾殻くん炭が生成される。
また、本発明の請求項5に記載の炭入り陶器の製造方法によれば、陶土に混練される炭として、混練物を焼成する際に還元用容器体に収容される竹及び/又は籾殻の炭化物、即ち竹炭及び/又は籾殻くん炭が用いられるので、混練物を充分な還元状態に保つための炭化物を有効に利用して炭入り陶器を製造することができる。
また、本発明の請求項6に記載の炭入り陶器の製造方法によれば、耐熱ハウジングが設けられた台車が、焼成炉内に設けられる乾燥域、乾燥域、焼成域及び冷却域を通して移動され、前乾燥域においては50〜120℃に加熱され、乾燥域においては750〜900℃に加熱され、焼成域においては1100〜1250℃に加熱され、冷却域においては350〜500℃に加熱されるので、所望の炭入り陶器を製造することができる。特に、焼成域においては、1100〜1250℃にて焼成されるので、混練物を充分に焼き固めることができ、硬くて強度の高い炭入り陶器を製造することができる。
更に、本発明の請求項7に記載の炭入り陶器の製造方法によれば、陶土に混練される炭として竹炭及び/又は籾殻くん炭が用いられ、混練物は、陶土が50〜70重量%で、混練用水が15〜25重量%で、竹炭及び/又は籾殻くん炭が1〜15重量%で、長石が10〜20重量%であるので、陶土が所望の成形性を有し、所望形状を有した炭入り陶器を製造することができる。竹炭及び/又は籾殻くん炭の混入量が1重量%より少ないと、炭による脱臭効果が充分に発揮されず、またその混入量が15重量%を超えると、混練物がパサパサして所望形状に成形するのが難しくなる。尚、この竹炭及び/又は籾殻くん炭の混入量は5〜10重量%であるのが好ましい。
以下、添付図面を参照して、本発明に従う陶器の製造方法について説明する。図1は、本発明に従う陶器の製造方法を実施するための製造装置の一例の全体を示す簡略図であり、図2は、図1に示す製造装置で用いる台車を示す側面図であり、図3は、図2におけるIII−III−線による断面図であり、図4は、図1の製造装置に用いる還元用容器体を示す簡略断面図であり、図5は、図4におけるV−V線による断面図である。
図1において、図示の陶器の製造装置は、図1において左右方向に細長い焼成炉2を備え、この焼成炉2内に長手方向に沿って前乾燥域4、乾燥域6、焼成域8及び冷却域10がこの順に配置されている。この焼成炉2の一端には入口12が設けられ、その他端には出口14が設けられ、この入口12から出口14まで案内レール16の往路部18が設けられ、また出口14から入口12まで案内レール16の復路部20が設けられ、往路部18は焼成炉2内を前乾燥域4、乾燥域6、焼成域8及び冷却域10を通して延び、復路部20は焼成炉2の外部に配置されている。
この実施形態においては、還元用容器体22(図4、図5参照)を載置した台車24が上記案内レール16上を循環して移動されるように構成され、その往路部18を通して移動される間に、還元用容器体22内に後述する如くして収容された混練物25が焼成されるように構成され、案内レール16は台車24が移動する移動経路の一部を構成する。
前乾燥域4には前乾燥用燃焼バーナ26が配設され、前乾燥用燃焼バーナ26からの火炎によって50〜120℃に(例えば、入口12から乾燥域6に向けて、約50℃から約120℃の温度勾配を有して温度が上昇するように)維持される。また、乾燥域6には乾燥用燃焼バーナ28が配設され、乾燥用燃焼バーナ28の火炎によって750〜900℃に(例えば、乾燥域6の上流端から焼成域8に向けて、約750℃から約900℃の温度勾配を有して温度が上昇するように)維持され、更に焼成域8には焼成用燃焼バーナ30が配設され、焼成用燃焼バーナ30によって1100〜1250℃に(例えば、焼成域8の全域を通して約1100℃に保たれるように)維持され、更には冷却域10には冷却用燃焼バーナ32が配設され、冷却用燃焼バーナ32によって350〜500℃に(例えば、冷却域10の上流端から出口14に向けて、約500℃から約35℃に温度が降下するように)維持される。
この製造装置2においては、炉全体の内部、即ち前乾燥域4、乾燥域6、焼成域8及び冷却域10が還元雰囲気に保たれるように構成されている。尚、前乾燥域4、乾燥域6、焼成域8及び冷却域10の温度は混練物25の成分などによって最適な温度に適宜設定される。
上述した製造装置2は、炭入り陶器を製造するために好都合に適用することができ、このような陶器を製造するために、次のような配合割合のものが用いられる。陶土が50〜70重量%で、この陶土を混練するための混練用水が15〜25重量%で、水分を含む陶土の割合が65〜90重量%であり、陶土における木節粘土と蛙目粘土との重量割合は、1:(1〜2)で、蛙目粘土は木節粘土と同重量割合かこれよりも幾分多い重量割合用いられる。陶土の割合が50重量%未満であると、陶土の混合量が少なくて混練物がパサパサとなって所定形状に成形するのが難しくなり、また陶土の割合が90重量%を超えると、長石の混合量が少なくて焼成後の陶器の焼き締めが不充分になるおそれがある。
また、このような陶土に、更に、炭が1〜15重量%、好ましくは5〜10重量%の割合で、また陶器として焼き締めるための長石が10〜20重量%混入される。また、長石についても、その混入割合が10重量%未満であると、焼成時に充分に焼き締めることが難しくなり、また混入割合が20重量%を超えると、陶土の混入割合が相対的に少なくなり、陶土がパサパサして所定形状に成形することが難しくなる。
炭としては、竹炭及び/又は籾殻くん炭を用いるのが好ましい。竹炭及び籾殻くん炭は、後述するように、混練物25を焼成する際に生成されるものを用いるのが望ましく、このような竹炭及び籾殻くん炭を用いることによって焼成時に生じる炭を無駄なく用いることができる。尚、炭として竹炭のみを陶土に混入し、籾殻くん炭を植物の栽培における土壌改良材などとして利用するようにしてもよく、或いは炭として籾殻くん炭のみを陶土に混入し、竹炭を単独でもって他の用途、例えば空気清浄用(マイナスイオンによる空気清浄効果)、水道水の改質用(カルキ臭の除去)、調湿用(湿気の吸湿、放湿による調湿効果)、防臭用(臭気の吸着機能)、吸着用(ホルムアルデヒドなどの吸着機能)などの用途に用いることができる。
混練用水を用いて陶土、炭及び長石を混練し、陶土中に炭及び長石が均一に混合された混練土を形成する。そして、この混練土を用いて所定形状に、例えば花器や、犬、猫などの置物の混練物25を形成する。
この混練物25は、図4及び図5に示すようにして還元用容器体22に収容され、かかる還元用容器体22は、図2及び図3に示すように、耐熱ハウジング34に収容された状態で台車24に載置される。図2及び図3において、各台車24は実質上同一の構成であり、矩形プレート状の台車本体35を備え、かかる台車本体35の前部及び後部の底面に幅方向に間隔をおいて一対の前輪36及び後輪38(図2において、いずれも一方の前輪36及び後輪38のみを示す)が設けられ、これら前輪36及び後輪38が案内レール16に案内されながらこれに沿って移動される。この形態では、案内レール16は台車24の一対の前輪36及び後輪38に対応して幅方向に間隔をおいて配設され、前輪36及び後輪38は対応する案内レール16に案内されながら移動する。
各台車24の台車本体35には耐熱ハウジング34が設けられ、この耐熱ハウジング34は耐熱レンガ40を矩形状に積み上げることによって形成され、その内側に矩形状の収容空間42を規定する。この耐熱ハウジング40の上面は開放されており、この上面開口を覆うように耐熱プレート44が載置され、このように構成することによって、耐熱ハウジング40内の収容空間42が耐熱空間となる。耐熱ハウジング40及び耐熱プレート44によって規定される収容空間42は、還元用容器体22を収容した後密封するのが好ましく、このように密封することによって、混練物25は三重の還元雰囲気、即ち還元用容器体22内の還元雰囲気、耐熱ハウジング40内の還元雰囲気及び焼成炉2内の還元雰囲気に収容されるようになる。
尚、この形態では、台車本体35の上面に耐熱ハウジング40を設けているが、この台車本体35の上面全域に耐熱レンガを敷き、この耐火レンガの上面に耐火ハウジング40を設けるようにしてもよい。
この台車24に載置される還元用容器体22は、上面が開放された容器本体46と、この容器本体46の上面開口を覆う蓋体48とから構成され、蓋体48を容器本体46に装着することによって密閉空間50を規定し、この密閉空間50に混練物25とともに、被炭化物、この実施形態では竹52及び籾殻54が収容される。尚、蓋体48の上面には、着脱するときに把持する取っ手56が設けられている。
容器本体46には、次のようにして竹52及び籾殻54を収容するのが好ましい。容器本体46は横断面形状が円形状であり、円形状の底壁57と、この底壁57の外周縁から上方に延びる周側壁58を有している。被炭化物としての竹52は、容器本体46内の周縁部に周方向に間隔をおいて配設され、複数本の竹が容器本体46の周側壁58に立て掛けるように収容される。また、籾殻54は容器本体46内の中央部に収容される。この中央部(周囲に配置された竹52の内側)には焼成すべき混練物25が収容され、かかる混練物25の周囲を完全に覆うように籾殻54が収容される。容器本体46の底壁57に籾殻54を敷き、敷いた籾殻54上に焼成すべき混練物25を載置し、その後かかる混練物25の全体が隠れるように籾殻54で覆うのが好ましく、このようにすることによって、混練物25の全周囲が籾殻54で覆われるようになる。尚、この還元用容器体22は、内部を密閉することができるものであれば適宜の形態のものでよく、例えば横断面形状が矩形状などのものを用いることもできる。
炭入り陶器は、図1に示す焼成炉2を用いて次のようにして形成される。まず、陶土(木節粘土及び蛙目粘土)、混練用水、炭及び長石を所定割合で入れて混練して混練土を形成し、この混練土を用いて所望形状の混練物25、例えば花器を成形する。
そして、混練物25を図4及び図5に示すように還元用容器体22に収容する。即ち、還元用容器体22の容器本体46内の周縁部に竹52を収容し、また容器本体46内の中央部に混練物25を収容するとともに、これらの周囲を覆うように籾殻54を収容し、その後、容器本体46に蓋体48を装着して容器本体46内を密閉する(このようにして密閉空間50が規定される)。
次いで、混練物25、竹52及び籾殻54が入った還元用容器体22を耐熱ハウジング34内に収容する。この収容は、耐熱ハウジング34内に入れて台車本体35に載置し、耐熱ハウジング34の上面開口を耐熱プレート44で塞いで密閉すればよく、このように密閉すると、還元用容器体22の外側が耐熱材料で覆われ、還元用容器体22を高温から守ることができるとともに、耐熱ハウジング34内を還元雰囲気に保つことができる。この耐熱ハウジング34には、還元用容器体22と略同様に、被炭化物、例えば竹を入れることによって、耐熱ハウジング34内を充分な還元状態に保つことができる。尚、耐熱ハウジング34への収容は、例えば焼成炉2の上流側に存在する準備域(図示せず)において行うようになる。
このように還元用容器体22(混練物25、竹52及び籾殻54が収容されている)を台車24に載置した後、台車24を案内レール16に沿って移動させて入口12から出口14に向けて前乾燥域4、乾燥域6、焼成域8及び冷却域10を通して所定速度でゆっくり移動させればよい。前乾燥域4においては、還元用容器22に収容された混練物25の前乾燥が行われ(前乾燥工程)、この前乾燥工程においては50〜120℃の温度状態において例えば4〜8時間程度行われる。次の乾燥域6においては、混練物25の乾燥が行われ(乾燥工程)、この乾燥工程においては750〜900℃の温度状態において例えば2〜5時間程度行われる。その次の焼成域8においては、混練物25の焼成が行われ、混練物25が焼き固められて陶器が形成され(焼成工程)、この焼成工程においては1100〜1250℃の温度状態において例えば3〜6時間程度行われる。更に続く冷却域10においては、焼成した混練物25(焼成により陶器となる)の冷却が行われ(冷却工程)、この冷却工程においては350〜500℃の温度状態で例えば4〜12時間程度行われ、このように冷却された後に出口14から焼成炉2外に移動し、このようにして炭の入った陶器を製作することができる。
この陶器の焼成においては、焼成炉2内(即ち、前乾燥域4、乾燥域6、焼成域8及び冷却域10)が還元雰囲気に保たれているので、混練物25に含まれた炭が灰になることはなく、特に還元用容器体22内に竹52及び籾殻54が収容されているので、この容器体22内に存在する空気中の酸素は竹及び籾殻54の炭化に消費されて還元雰囲気状態に保たれ、これによって混練物25中の炭が灰になることが確実に防止され、かくして、炭がきれいな状態で残った陶器を製作することができる。また、混練物25の周囲が籾殻54によって覆われているので、還元用容器体22内の空気中の酸素が混練物25の表面に作用することがほとんどなく、炭が一層きれいな状態で残り、加えて籾殻及び竹から出る黒いガスが混練物の表面に吸着し、混練物の表面全体が黒くなり、全体が炭でできたような黒い陶器を製作することができる。
上述したように混練物25を焼成すると、還元用容器体22内の竹52及び籾殻54が高温状態の還元雰囲気によって炭化され、竹52が竹炭になるとともに、籾殻54が籾殻くん炭となり、固くきれいな竹炭が生成されるとともに、さらさらしたきれいな籾殻くん炭が生成される。そして、かく生成される竹炭及び/又は籾殻くん炭を炭として陶土に混練することによって、生成される竹炭及び/又は籾殻くん炭入りの陶器を製作することができる。特に、炭としてこの竹炭を用いた場合、竹炭入り陶器を製作することができ、この竹炭入り陶器は、存在する竹炭により種々の効果、例えば空気清浄効果、水の改質効果、調湿効果、防臭効果、ホルムアルデヒドなどの吸着効果などが得られ、室内の置物などの用途に用いることができる。
焼成炉2における還元雰囲気は、高温により混練物25中の炭が灰になるのを防止するために保つものであり、それ故に、乾燥域6、焼成域8及び冷却域10を還元雰囲気に保つことが重要であり、例えば、前乾燥域4を規定する乾燥炉と、乾燥域6、焼成域8及び冷却域10を規定する焼成炉とを別個に構成した場合、焼成炉を還元雰囲気に保つことによって、炭が灰になるのを防止することができる。
上述した実施形態では、焼成炉2として前乾燥域4、乾燥域6、焼成域8及び冷却域10を有するものを用いているが、このようなものに限定されず、焼成空間を規定するものを用い、この焼成空間の加熱温度を所要の通りに調整して前乾燥工程、乾燥工程、焼成工程及び冷却工程を行うようにしてもよい。
また、上述した実施形態では、還元用容器体22内に被炭化物として竹52及び籾殻54を入れているが、竹52及び籾殻54のいずれか一方のみを入れるようにしてもよく、或いは竹52及び籾殻54以外の被炭化物、例えば木くずなどを入れるようにしてもよい。
実施例
炭入り陶器の脱臭効果を確認するために、実施例並びに比較例1及び2の混練物を制作して図1に示す焼成炉を用いて焼成した。実施例1として、陶土(木節粘土及び蛙目粘土)60重量%、混練用水20重量%、籾殻くん炭10重量%、長石10重量%を入れて混練して混練土を形成し、この混練土を用いて外形8cmの湯飲みを制作した。また、比較例1として、陶土(木節粘土及び蛙目粘土)65重量%、混練用水20重量%、長石15重量%を入れて混練して混練土(籾殻くん炭を含まないもの)を形成し、実施例1と同様の形状の湯飲みを制作した。更に、比較例2として、陶土(木節粘土及び蛙目粘土)50重量%、混練用水20重量%、籾殻くん炭20重量%、長石10重量%を入れて混練して混練土を形成し、実施例1と同様の形状の湯飲みを制作した。
そして、実施例並びに比較例1及び2の混練物を図4及び図5に示すように還元用容器体に収容し、これらの周囲を覆うように籾殻を収容し、その後、容器本体に蓋体を装着して還元用容器体を密閉した。更に、この還元用容器体を耐熱ハウジング内に収容して台車に載置し、耐熱ハウジングの上面開口を耐熱プレートで塞いで密閉した。
このように還元用容器体を台車に載置した後、台車を案内レールに沿って移動させて入口から出口に向けて前乾燥域、乾燥域、焼成域及び冷却域を通して移動させて焼成した。前乾燥工程においては、50〜120℃の温度状態において6時間行い、乾燥工程においては750〜900℃の温度状態において3時間程度行い、焼成工程においては1100℃の温度状態において4時間程度行い、更に冷却工程においては350〜500℃の温度状態で8時間程度行った。
このように焼成した実施例並びに比較例1及び2の湯飲みにおいては、表面が黒くなり、全体に炭が付いた状態になっていた。それらの外観については、実施例及び比較例1については、きれいな湯飲み形状が維持されて焼成されていたが、比較例2については湯飲みの表面が粗く、きれいな湯飲み形状が維持されず、商品的価値に難があった。
このように焼成した実施例並びに比較例1及び2の湯飲みを用いて脱臭試験を行った。脱臭試験においては、ビニール袋を用意し、このビニール袋に試料(実施例並びに比較例1及び2の湯飲み)を入れ、アセトアルデヒド120ppmを含む空気を2リットルを注入して密封した後密封し、1時間経過後の空気中に残存するアセトアルデヒドの濃度を計測した。試料としては、実施例については焼成したそのもの(実施例a)と、焼成した後にその表面に削り加工を施したもの(実施例b)について行い、比較例1については焼成したそのもの(比較例1)について行い、また比較例2については焼成したそのもの(比較例2a)と、焼成した後にその表面に削り加工を施したもの(比較例2b)とについて行った。
Figure 2008290933
この脱臭試験の結果は、上記表1に示す通りであった。実施例1(a,b)については、1時間経過後のアセトアルデヒドの濃度が120ppmから2.0〜2.5ppmに大幅に減少し、また比較例2(2a、2b)についても1時間経過後の濃度が120ppmから1.5ppmに大幅に減少しており(比較例2については、外面上において問題があった)、比較例1と比較した場合、実施例及び比較例2における脱臭効果が確認できた。
本発明に従う陶器の製造方法を実施するための製造装置の一例の全体を示す簡略図。 図1に示す製造装置で用いる台車を示す側面図。 図2におけるIII−III−線による断面図。 図1の製造装置に用いる還元用容器体を示す簡略断面図。 図4におけるV−V線による断面図。
符号の説明
2 焼成炉
4 前乾燥域
6 乾燥域
8 焼成域
10 冷却域
22 還元用容器体
25 混練物
26,28,30,32 燃焼バーナ
40 耐熱ハウジング
46 容器本体
48 蓋体
52 竹
54 籾殻

Claims (7)

  1. 陶土に炭を混練した混練物を焼成して形成する炭入り陶器の製造方法において、
    上面が開放された容器本体と前記容器本体の上面開口を密封する蓋体とから構成された還元用容器体を用い、前記容器本体内に前記混練物及び前記被炭化物を収容した後に前記蓋体を装着して前記還元用容器体を密封状態とし、密封状態の前記還元用容器体を焼成炉に入れて還元雰囲気にて焼成することを特徴とする炭入り陶器の製造方法。
  2. 前記還元用容器体は耐熱ハウジングに収容され、前記耐熱ハウジングが密封されることを特徴とする請求項1に記載の炭入り陶器の製造方法。
  3. 前記被炭化物は籾殻であり、前記還元用容器体の前記容器本体に収容された前記混練物の周囲を覆うように籾殻が収容されることを特徴とする請求項1又は2に記載の炭入り陶器の製造方法。
  4. 前記被炭化物は籾殻及び竹であり、前記還元用容器体の前記容器本体内の周縁部に複数の竹が収容され、前記容器本体内の中央部に前記混練物が収容され、前記混練物の周囲を覆うように籾殻が収容されることを特徴とする請求項1又は2に記載の炭入り陶器の製造方法。
  5. 陶土に混練される炭として、前記混練物を焼成する際に前記還元用容器体に収容される竹及び/又は籾殻の炭化物が用いられることを特徴とする請求項3又は4に記載の炭入り陶器の製造方法。
  6. 前記耐熱ハウジングは所定の移動経路に沿って移動される台車に設けられ、前記台車は前記焼成炉内に設けられる前乾燥域、乾燥域、焼成域及び冷却域を通して移動され、前記前乾燥域においては50〜120℃に加熱され、前記乾燥域においては750〜900℃に加熱され、前記焼成域においては1100〜1250℃に加熱され、前記冷却域においては350〜500℃に加熱されることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の炭入り陶器の製造方法。
  7. 陶土に混練される炭として竹炭及び/又は籾殻くん炭が用いられ、混練物は、陶土が50〜70重量%で、混練用水が15〜25重量%で、竹炭及び/又は籾殻くん炭が1〜15重量%で、長石が10〜20重量%であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の炭入り陶器の製造方法。
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JP2009298612A (ja) * 2008-06-11 2009-12-24 Maruni Toryo Kk セラミック体とその製造方法

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