JP2008290547A - 車両及びその制御方法、駆動装置 - Google Patents

車両及びその制御方法、駆動装置 Download PDF

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Abstract

【課題】駆動軸に動力を出力する電動機の回転検出手段が異常状態であると疑われる際に、より確実に動力を出力することができる。
【解決手段】ハイブリッド自動車20は、システム起動時に、モータMG2の回転状態を検出する回転位置検出センサ44の状態が正常状態であると検出されていないときには、エンジン22を始動するようモータMG1とエンジン22とを駆動制御し、その後、回転位置検出センサ44の状態が異常状態であると検出されたときにはモータMG1を介してエンジン22から出力されるトルクだけがこのリングギヤ軸32aに出力されるようエンジン22とモータMG1とを駆動制御する。このように、回転位置検出センサ44が異常状態であると疑われるときには、その後、エンジン22の始動ができなくなることがあり得るため、エンジン22を始動しておくことによって、より確実に動力を出力する。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両及びその制御方法、駆動装置に関する。
従来、車両としては、遊星歯車機構のサンギヤ,キャリア,リングギヤに第1モータの回転軸,エンジンの出力軸,駆動軸が接続されると共に駆動軸に第2モータの回転軸が接続されたものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この装置では、第1モータの回転状態を検出する回転角度センサが異常状態であるときには、第2モータでモータリングしてエンジンを始動し、第1モータ自体が異常状態であるときには、第1モータを固定した状態で第2モータでモータリングしてエンジンを始動する。
特開2005−344648号公報
しかしながら、上述した特許文献1の装置では、第2モータの回転角度センサが異常状態である場合については考慮されていなかった。上述した車両では、車両の起動時に第2モータの回転角度センサなどが異常状態と疑われる場合には、第2モータなどの保護のためにシステムを起動状態にしないなど、第2モータの回転角度センサが異常状態である場合には、内燃機関の始動ができない場合などがあり、装置から駆動力を出力することができない場合があった。
本発明は、このような課題に鑑みなされたものであり、駆動軸に動力を出力する電動機の回転検出手段が異常状態であると疑われる際に、より確実に動力を出力することができる車両、それを搭載した車両及び車両の制御方法、駆動装置を提供することを目的とする。
本発明は、上述の目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明の車両は、
内燃機関と、
前記駆動軸に接続されると共に該駆動軸とは独立に回転可能に前記内燃機関の出力軸に接続され前記内燃機関をモータリング可能であり電力と動力の入出力を伴って前記駆動軸と前記出力軸とに動力を入出力する電力動力入出力手段と、
前記駆動軸に動力を入出力可能な電動機と、
前記電動機の回転状態を検出する回転検出手段の状態を検出する状態検出手段と、
車両の起動時に前記状態検出手段によって前記回転検出手段の状態が正常状態であると検出されていないときには前記内燃機関を始動するよう前記電力動力入出力手段と前記内燃機関とを駆動制御し、その後、前記状態検出手段によって前記回転検出手段の状態が異常状態であると検出されたときには前記電力動力入出力手段を介して前記内燃機関から前記駆動軸に出力される動力だけが該駆動軸に出力されるよう該内燃機関と該電力動力入出力手段とを駆動制御する直達時駆動制御手段と、
を備えるものである。
この車両では、車両の起動時に、駆動軸に動力を出力可能な電動機の回転状態を検出する回転検出手段の状態が正常状態であると検出されていないときには、内燃機関を始動するよう電力動力入出力手段と内燃機関とを駆動制御し、その後、回転検出手段の状態が異常状態であると検出されたときには電力動力入出力手段を介して内燃機関から駆動軸に出力される動力だけがこの駆動軸に出力されるよう内燃機関と電力動力入出力手段とを駆動制御する。このように、電動機の回転検出手段が異常状態であると疑われる際には、その後、内燃機関の始動ができなくなることがあり得るため、内燃機関を始動しておくのである。したがって、電動機の回転検出手段が異常状態であると疑われる際に、より確実に動力を出力することができる。
本発明の車両において、前記直達時駆動制御手段は、前記回転検出手段の状態が正常状態であると検出されていないときに前記内燃機関を始動したあと、装置から動力を出力可能である起動状態に設定し、その後、前記状態検出手段によって前記回転検出手段の状態が異常状態であると検出されたときには前記電力動力入出力手段を介して前記内燃機関から前記駆動軸に出力される動力だけが該駆動軸に出力されるよう制御する手段であるものとしてもよい。こうすれば、内燃機関を始動したあとに装置から駆動力を出力可能な起動状態とするため、電動機の回転検出手段が異常状態であると疑われる際に、一層確実に動力を出力することができる。
本発明の車両は、前記状態検出手段によって検出された前回の起動停止前の前記回転検出手段の状態を記憶する記憶手段、を備え、前記直達時駆動制御手段は、車両の起動時に前記記憶手段に記憶された前回の前記回転検出手段の状態が正常状態であると検出されていないときに前記内燃機関を始動するよう前記電力動力入出力手段と前記内燃機関とを駆動制御する手段であるものとしてもよい。こうすれば、前回の状態をより容易に反映させて、より確実に動力を出力することができる。
本発明の車両は、前記駆動軸の回転と共に回転する第1のギヤに該第1のギヤと異なる第2のギヤを噛合させることにより前記駆動軸を回転不能に固定可能な固定手段、を備え、前記直達時駆動制御手段は、前記固定手段が前記駆動軸を回転不能に固定しているときに前記内燃機関を始動するよう前記電力動力入出力手段と前記内燃機関とを駆動制御する手段であるものとしてもよい。こうすれば、電力動力入出力手段によって内燃機関をモータリングした際に生じる反力を固定手段で容易に打ち消すことができるため、内燃機関をより容易に始動することができ、ひいてはより確実に動力を出力することができる。
本発明の車両において、前記状態検出手段は、前記回転検出手段からの信号が所定の許容範囲内にある状態が所定の第1期間のあいだ継続すると前記回転検出手段が正常状態であるものと検出し、前記回転検出手段からの信号が所定の許容範囲を超えた回数が所定の第2期間のあいだに所定の許容回数を超えると前記回転検出手段が異常状態であると検出する手段であるものとしてもよい。ここで、「所定の許容範囲」及び「所定の第1期間」は、回転検出手段が正常であるものと判定可能な範囲に経験的に定めるものとしてもよい。また、「所定の許容回数」及び「所定の第2期間」は、回転検出手段が異常であるものと判定可能な範囲に経験的に定めるものとしてもよい。
本発明の車両において、前記電力動力入出力手段は、動力を入出力可能な発電機と、前記駆動軸と前記出力軸と前記発電機の回転軸との3軸に接続され該3軸のうちいずれか2軸に入出力した動力に基づいて残余の軸に動力を入出力する3軸式動力入出力手段と、を備える手段であるものとしてもよい。
本発明の駆動装置は、
内燃機関および充放電可能な蓄電手段と共に車両に搭載される駆動装置であって、
駆動軸に接続されると共に該駆動軸とは独立に回転可能に前記内燃機関の出力軸に接続され前記内燃機関をモータリング可能であり電力と動力の入出力を伴って前記駆動軸と前記出力軸とに動力を入出力する電力動力入出力手段と、
前記駆動軸に動力を入出力可能な電動機と、
前記電動機の回転状態を検出する回転検出手段の状態を検出する状態検出手段と、
車両の起動時に前記状態検出手段によって前記回転検出手段の状態が正常状態であると検出されていないときには前記内燃機関を始動するよう前記電力動力入出力手段と前記内燃機関とを駆動制御し、その後、前記状態検出手段によって前記回転検出手段の状態が異常状態であると検出されたときには前記電力動力入出力手段を介して前記内燃機関から前記駆動軸に出力される動力だけが該駆動軸に出力されるよう該内燃機関と該電力動力入出力手段とを駆動制御する直達時駆動制御手段と、
を備えるものである。
この駆動装置では、車両の起動時に、駆動軸に動力を出力可能な電動機の回転状態を検出する回転検出手段の状態が正常状態であると検出されていないときには、内燃機関を始動するよう電力動力入出力手段と内燃機関とを駆動制御し、その後、回転検出手段の状態が異常状態であると検出されたときには電力動力入出力手段を介して内燃機関から駆動軸に出力される動力だけがこの駆動軸に出力されるよう内燃機関と電力動力入出力手段とを駆動制御する。このように、電動機の回転検出手段が異常状態であると疑われる際には、その後、内燃機関の始動ができなくなることがあり得るため、内燃機関を始動しておくのである。したがって、電動機の回転検出手段が異常状態であると疑われる際に、より確実に動力を出力することができる。なお、この駆動装置において、上述した車両の種々の態様を採用してもよい。
本発明の車両の制御方法は、
内燃機関と、駆動軸に接続されると共に該駆動軸とは独立に回転可能に前記内燃機関の出力軸に接続され前記内燃機関をモータリング可能であり電力と動力の入出力を伴って前記駆動軸と前記出力軸とに動力を入出力する電力動力入出力手段と、前記駆動軸に動力を入出力可能な電動機と、前記電動機の回転状態を検出する回転検出手段の状態を検出する状態検出手段と、を備えた車両の制御方法であって、
車両の起動時に前記状態検出手段によって前記回転検出手段の状態が正常状態であると検出されていないときには前記内燃機関を始動するよう前記電力動力入出力手段と前記内燃機関とを駆動制御し、その後、前記状態検出手段によって前記回転検出手段の状態が異常状態であると検出されたときには前記電力動力入出力手段を介して前記内燃機関から前記駆動軸に出力される動力だけが該駆動軸に出力されるよう該内燃機関と該電力動力入出力手段とを駆動制御する、ことを含むものである。
この車両の制御方法では、車両の起動時に、駆動軸に動力を出力可能な電動機の回転状態を検出する回転検出手段の状態が正常状態であると検出されていないときには、内燃機関を始動するよう電力動力入出力手段と内燃機関とを駆動制御し、その後、回転検出手段の状態が異常状態であると検出されたときには電力動力入出力手段を介して内燃機関から駆動軸に出力される動力だけがこの駆動軸に出力されるよう内燃機関と電力動力入出力手段とを駆動制御する。このように、電動機の回転検出手段が異常状態であると疑われる際には、その後、内燃機関の始動ができなくなることがあり得るため、内燃機関を始動しておくのである。したがって、電動機の回転検出手段が異常状態であると疑われる際に、より確実に動力を出力することができる。なお、この車両の制御方法において、上述した車両の種々の態様を採用してもよいし、また、上述した車両の機能を実現するようなステップを追加してもよい。
次に、本発明を実施するための最良の形態を実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施形態としてのハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。実施例のハイブリッド自動車20は、図示するように、エンジン22と、エンジン22の出力軸としてのクランクシャフト26にダンパ28を介して接続された3軸式の動力分配統合機構30と、動力分配統合機構30に接続された発電可能なモータMG1と、変速機60を介して動力分配統合機構30に接続されたモータMG2と、車両全体をコントロールするハイブリッド用電子制御ユニット70とを備える。
エンジン22は、ガソリンまたは軽油などの炭化水素系の燃料により動力を出力する内燃機関であり、エンジン22の運転状態を検出する各種センサから信号を入力するエンジン用電子制御ユニット(以下、エンジンECUという)24により燃料噴射制御や点火制御,吸入空気量調節制御などの運転制御を受けている。エンジンECU24は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号によりエンジン22を運転制御すると共に必要に応じてエンジン22の運転状態に関するデータをハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。
動力分配統合機構30は、外歯歯車のサンギヤ31と、このサンギヤ31と同心円上に配置された内歯歯車のリングギヤ32と、サンギヤ31に噛合すると共にリングギヤ32に噛合する複数のピニオンギヤ33と、複数のピニオンギヤ33を自転かつ公転自在に保持するキャリア34とを備え、サンギヤ31とリングギヤ32とキャリア34とを回転要素として差動作用を行なう遊星歯車機構として構成されている。動力分配統合機構30は、キャリア34にはエンジン22のクランクシャフト26が、サンギヤ31にはモータMG1が、リングギヤ32にはリングギヤ軸32aを介して変速機60がそれぞれ連結されており、モータMG1が発電機として機能するときにはキャリア34から入力されるエンジン22からの動力をサンギヤ31側とリングギヤ32側にそのギヤ比に応じて分配し、モータMG1が電動機として機能するときにはキャリア34から入力されるエンジン22からの動力とサンギヤ31から入力されるモータMG1からの動力を統合してリングギヤ32側に出力する。リングギヤ32に出力された動力は、リングギヤ軸32aからギヤ機構37,デファレンシャルギヤ38を介して駆動輪39a,39bに出力される。
ギヤ機構37には、ファイナルギヤ37aに取り付けられたパーキングギヤ36aと、パーキングギヤ36aと噛み合ってその回転駆動を停止した状態でロックするパーキングロックポール36bとからなるパーキングロック機構36が取り付けられている。パーキングロックポール36bは、シフトレバー81のパーキングポジション(Pポジション)への変更信号が図示しないシフトケーブルを介して伝達されることにより上下に作動し、パーキングギヤ36aとの噛合およびその解除によりパーキングロックおよびその解除を行なう。ファイナルギヤ37aは、機械的に駆動軸としてのリングギヤ軸32aに接続されているから、パーキングロック機構36は間接的に駆動軸としてのリングギヤ軸32aをロックすることになる。
モータMG1およびモータMG2は、共に発電機として駆動することができると共に電動機として駆動できる周知の同期発電電動機として構成されており、インバータ41,42を介してバッテリ50と電力のやりとりを行なう。インバータ41,42とバッテリ50とを接続する電力ライン54は、各インバータ41,42が共用する正極母線および負極母線として構成されており、モータMG1,MG2の一方で発電される電力を他のモータで消費することができるようになっている。したがって、バッテリ50は、モータMG1,MG2から生じた電力や不足する電力により充放電されることになる。なお、モータMG1とモータMG2とにより電力収支のバランスをとるものとすれば、バッテリ50は充放電されない。モータMG1,MG2は、共にモータ用電子制御ユニット(以下、モータECUという)40により駆動制御されている。モータECU40には、モータMG1,MG2を駆動制御するために必要な信号、例えばモータMG1,MG2の回転子の回転位置を検出する回転位置検出センサ43,44からの信号や図示しない電流センサにより検出されるモータMG1,MG2に印加される相電流などが入力されており、モータECU40からは、インバータ41,42へのスイッチング制御信号が出力されている。モータECU40は、回転位置検出センサ43,44から入力した信号に基づいて図示しない回転数算出ルーチンによりモータMG1,MG2の回転子の回転数Nm1,Nm2やリングギヤ軸32aの回転数Nrを計算している。モータECU40は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号によってモータMG1,MG2を駆動制御すると共に必要に応じてモータMG1,MG2の運転状態に関するデータをハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。
変速機60は、モータMG2の回転軸48とリングギヤ軸32aとの接続および接続の解除を行なうと共に両軸の接続をモータMG2の回転軸48の回転数を2段に減速してリングギヤ軸32aに伝達できるよう構成されている。この変速機60は、モータMG2の回転軸48の回転を比較的大きな減速比で減速してリングギヤ軸32aに伝達するLoギヤの状態と、モータMG2の回転軸48の回転を比較的小さな減速比で減速してリングギヤ軸32aに伝達するHiギヤの状態とに変速可能に構成されている。この変速機60には油圧ライン58を介して油圧回路55が接続されており、この油圧回路55により供給された油圧により接続状態の切り替えを行う制御が実行される。
バッテリ50は、バッテリ用電子制御ユニット(以下、バッテリECUという)52によって管理されている。バッテリECU52には、バッテリ50を管理するのに必要な信号、例えば、バッテリ50の端子間に設置された図示しない電圧センサからの端子間電圧,バッテリ50の出力端子に接続された電力ライン54に取り付けられた図示しない電流センサからの充放電電流,バッテリ50に取り付けられた温度センサ51からの電池温度などが入力されており、必要に応じてバッテリ50の状態に関するデータを通信によりハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。なお、バッテリECU52では、バッテリ50を管理するために電流センサにより検出された充放電電流の積算値に基づいて残容量(SOC)も演算している。
ハイブリッド用電子制御ユニット70は、CPU72を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPU72の他に処理プログラムを記憶し情報を書込可能なフラッシュROM74と、データを一時的に記憶するRAM76と、図示しない入出力ポートおよび通信ポートとを備える。ハイブリッド用電子制御ユニット70には、イグニッションスイッチ80からのイグニッション信号,シフトレバー81の操作位置を検出するシフトポジションセンサ82からのシフトポジションSP,アクセルペダル83の踏み込み量に対応したアクセル開度Accを検出するアクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Acc,ブレーキペダル85の踏み込み量を検出するブレーキペダルポジションセンサ86からのブレーキペダルポジションBP,車速センサ88からの車速V,油圧回路55からの油圧信号などが入力ポートを介して入力されている。また、ハイブリッド用電子制御ユニット70からは、変速機60を制御する油圧回路55への駆動信号や、パーキングロック機構36への制御信号などが出力されている。なお、ハイブリッド用電子制御ユニット70は、前述したように、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と通信ポートを介して接続されており、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と各種制御信号やデータのやりとりを行なっている。
こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20は、運転者によるアクセルペダル83の踏み込み量に対応するアクセル開度Accと車速Vとに基づいて駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力すべき要求トルクを計算し、この要求トルクに対応する要求動力がリングギヤ軸32aに出力されるようにエンジン22とモータMG1とモータMG2とが運転制御される。ハイブリッド自動車20の走行モードとしては、要求動力に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にエンジン22から出力される動力のすべてが動力分配統合機構30とモータMG1とモータMG2とによってトルク変換されてリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御して走行するトルク変換走行モードや要求動力とバッテリ50の充放電に必要な電力との和に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にバッテリ50の充放電を伴ってエンジン22から出力される動力の全部またはその一部が動力分配統合機構30とモータMG1とモータMG2とによるトルク変換を伴って要求動力がリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御して走行する充放電走行モード、エンジン22の運転を停止してモータMG2からの要求動力に見合う動力をリングギヤ軸32aに出力するよう運転制御して走行するモータ走行モード、モータMG2の運転を停止してモータMG1でエンジントルクの反力を受け持ちながらエンジン22から動力分配統合機構30を介してリングギヤ軸32aに直接伝達されるトルク(以下、これを直達トルクという)だけで走行する直行走行モードなどがある。
次に、こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20の動作、まず、回転位置検出センサ44の状態を検出する動作について説明する。図2は、実施例のハイブリッド自動車20のハイブリッド用電子制御ユニット70により実行される回転位置検出センサ異常検出ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、フラッシュROM74に記憶され、所定のタイミング毎に繰り返し実行されると共に、所定の検査実行条件が成立したときに実行される。このルーチンは、ハイブリッド自動車20の運転時に実行される駆動制御ルーチンと並行して所定のタイミングで実行されるものとした。なお、ここでは回転位置検出センサ44の状態を検出する場合について説明するが、センサの状態の検出方法については、回転位置検出センサ43についても同様に行なうことができる。
この回転位置検出センサ異常検出ルーチンが実行されると、ハイブリッド用電子制御ユニット70のCPU72は、まず、モータECU40を介して回転位置検出センサ44から入力した信号値(電圧)が所定の許容範囲内にあるか否かを判定する(ステップS100)。この許容範囲は、回転位置検出センサ44から出力される信号値が正常であると判定可能な範囲に経験的に求められている。回転位置検出センサ44から入力した信号値が所定の許容範囲内にないときには、ハイブリッド用電子制御ユニット70に設けられた異常カウンタの値Nを1インクリメントする(ステップS110)。本実施例では、異常カウンタの値が所定の検出時間のあいだに所定の許容カウンタ値Nref以上となると回転位置検出センサ44が異常であると判定されるような値に所定の検出時間と許容カウンタ値Nrefとが経験的に定められている。
ステップS110のあと、または、ステップS100で回転位置検出センサ44から入力した信号値が所定の許容範囲内にあるときには、所定の検出時間が経過したか否かを判定し(ステップS120)、所定の検出時間が経過していないときには、ステップS100以降の処理を実行し、所定の検出時間が経過したときには、異常カウンタ値Nが所定の許容カウンタ値Nref以上であるか否かを判定する(ステップS130)。異常カウンタ値Nが所定の許容カウンタ値Nref以上であるときには、回転位置検出センサ44が異常であるものとみなし、センサ異常フラグFuに値「1」をセットする(ステップS140)。このセンサ異常フラグFuは、フラッシュROM74に記憶され、回転位置検出センサ44が異常であるときに値「1」にセットされるフラグであり、初期値は値「0」である。
一方、異常カウンタ値Nが所定の許容カウンタ値Nref以上でないときには、回転位置検出センサ44が異常ではないものとみなし、回転位置検出センサ44から入力した信号値が所定の許容範囲内である期間が、所定の正常期間のあいだ継続したか否かを判定する(ステップS150)。本実施例では、回転位置検出センサ44から入力した信号値が所定の許容範囲内である期間が、異常カウンタがカウントアップされずに所定の正常期間のあいだ継続すると回転位置検出センサ44が正常であると判定されるような範囲に所定の許容範囲と所定の正常期間とが経験的に定められている。回転位置検出センサ44から入力した信号値が所定の許容範囲内である期間が、所定の正常期間のあいだ継続したときには、回転位置検出センサ44が正常であるものとみなし、センサ正常フラグFnに値「1」をセットする(ステップS160)。このセンサ正常フラグFnは、フラッシュROM74に記憶され、回転位置検出センサ44が正常であるときに値「1」にセットされるフラグであり、初期値は値「0」である。
ステップS160,S150のあと、または、ステップS150で回転位置検出センサ44から入力した信号値が所定の許容範囲内である期間が、所定の正常期間のあいだ継続していないときには、異常カウンタの値Nに値「0」をセットし、このルーチンを終了する。このように、回転位置検出センサ44が正常であるときには、センサ正常フラグFnに値「1」がセットされ、回転位置検出センサ44が異常であるときには、センサ異常フラグに値「1」がセットされ、どちらでもない状態であるときには、両フラグに値「0」がセットされる。そして、ハイブリッドシステムが停止してもフラッシュROM74にこれらフラグ値が保持されるのである。
次に、ハイブリッド自動車20の起動時の動作について説明する。図3は、実施例のハイブリッド自動車20のハイブリッド用電子制御ユニット70により実行されるシステム起動処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、フラッシュROM74に記憶され、イグニッションスイッチ80からのイグニッションオン信号を入力したあと実行される。なお、このルーチンは、ハイブリッド自動車20が停車した状態で実行されるから、パーキングロック機構36によりリングギヤ軸32aがロックされた状態で実行される。このシステム起動処理ルーチンが実行されると、ハイブリッド用電子制御ユニット70のCPU72は、まず、センサ正常フラグFnが値「1」であるか否か、即ち回転位置検出センサ44が正常であるか否かを判定する(ステップS200)。センサ正常フラグFnが値「1」であるとき、即ち回転位置検出センサ44が正常であるときには、システムの起動処理を実行してエンジン22やモータMG1,MG2などから駆動軸としてのリングギヤ軸32aに動力を出力可能な状態であるReady On状態とし(ステップS210)、通常駆動処理を実行するよう設定し(ステップS220)、このルーチンを終了する。
ここで、通常駆動処理について説明する。本実施例では、通常駆動処理として図示しない駆動制御ルーチンを実行する。この駆動制御ルーチンは、シフトポジションが駆動用のポジションに変更され、パーキングロック機構36のロックを解除した状態で実行される。具体的には、アクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Accや車速センサ88からの車速Vなどを入力し、これら入力した値に基づいて駆動輪39a,39bに連結された駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力すべき要求トルクTr*と要求パワーPr*とを設定する。次に、要求パワーPr*とバッテリ50の充放電要求パワーPb*とロスLossとの和により車両に要求される車両要求パワーPv*を設定する。続いて、車両要求パワーPv*を出力可能な運転ポイント(回転数およびトルク)のうちエンジン22が効率よく運転できる運転ポイントを設定してこの運転ポイントにおける回転数でエンジン22が運転されるようモータMG1のトルク指令Tm1*を設定すると共にエンジン22の直達トルクと合わせて要求トルクTr*がリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG2のトルク指令Tm2*を設定し、運転ポイントをエンジンECU24に送信しトルク指令Tm1*,Tm2*をモータECU40に送信する。エンジンECU24は受信した運転ポイントでエンジン22運転されるよう燃料噴射制御や点火制御などを行ない、モータECU40は受信したトルク指令Tm1*,Tm2*に見合うトルクがモータMG1,MG2からそれぞれ出力されるようインバータ41,42のスイッチング素子のスイッチング制御を行なう。このとき、ハイブリッド自動車20の走行状態に合わせて、変速機60をHiギヤまたはLoギヤになるよう油圧回路55などを制御する。ここで、通常駆動処理時の動力分配統合機構30の回転要素における回転数とトルクとの力学的な関係を示す共線図を図4に示す。図中、左のS軸はモータMG1の回転数Nm1であるサンギヤ31の回転数を示し、C軸はエンジン22の回転数Neであるキャリア34の回転数を示し、R軸はリングギヤ32の回転数Nr(駆動軸回転数Nr)を示す。なお、図4において、「ρ」は、動力分配統合機構30のギヤ比であり、「Gr」は、変速機60の変速比であり、R軸上の2つの太線矢印は、モータMG1から出力されたトルクTm1がリングギヤ軸32aに作用するトルクと、モータMG2から出力されるトルクTm2が変速機60を介してリングギヤ軸32aに作用するトルクとである。
一方、ステップS200でセンサ正常フラグFnが値「1」でないとき、即ち回転位置検出センサ44が異常状態であるか、または正常状態であると判定されていないときには、エンジン22の起動指令をエンジンECU24及びモータECU40に送信出力する(ステップS230)。これを受けたモータECU40は、エンジン22をモータリングするトルクがモータMG1から出力されるようインバータ41のスイッチング素子のスイッチング制御を行なう。また、これを受けたエンジンECU24は、エンジン回転数Neに合わせて燃料噴射制御や点火制御などを行なう。モータMG1がエンジン22をモータリングすると、その反力が駆動軸としてのリングギヤ軸32aへ作用するが、この反力をパーキングロック機構36が受け止めるのである。次に、エンジン22が起動完了したか否かを、エンジン22が完爆したか否かに基づいて判定し(ステップS240)、エンジン22が起動完了していないときにはそのまま待機する。一方、エンジン22が起動完了したときには、システムの起動処理を実行してReady On状態とする(ステップS250)。ここで、回転位置検出センサ44が異常状態であるときには、エンジン22をモータMG1でモータリングする際に生じる反力トルクを駆動軸であるリングギヤ軸32a側で受け止めることができない場合が生じたり、システムをReady On状態とすることができなかったりする。ここでは、その後、エンジン22を起動できなくなる可能性があることから、回転位置検出センサ44が異常状態であると疑われるときには、これに備えて予めエンジン22を起動しておくのである。
システムをReady On状態としたあと、図2に示した回転位置検出センサ異常検出処理を実行する(ステップS260)。この処理では、上述したのと同様に、回転位置検出センサ44が異常状態であるときには、センサ異常フラグFuに値「1」がセットされ、回転位置検出センサ44が正常状態であるときには、センサ正常フラグFnに値「1」がセットされ、どちらでもない状態であるときには、両フラグに値「0」がセットされる。なお、この回転位置検出センサ異常検出処理の実行時には、回転軸48とリングギヤ軸32aとの接続を解除するよう油圧回路55により変速機60を制御する。次に、センサ異常フラグFuに値「1」がセットされているか否かを判定し(ステップS270)、センサ異常フラグFuに値「1」がセットされていないとき、即ち回転位置検出センサ44が異常状態であると判定されていないときには、上述の通常駆動処理を実行するよう設定し(ステップS220)、このルーチンを終了する。
一方、センサ異常フラグFuに値「1」がセットされているとき、即ち回転位置検出センサ44が異常状態であるときには、退避駆動処理を実行するよう設定し(ステップS280)、このルーチンを終了する。ここで、退避駆動処理について説明する。本実施例では、退避駆動処理として図示しない直行駆動制御ルーチンを実行する。この直行駆動制御ルーチンは、シフトポジションが駆動用のポジションに変更され、パーキングロック機構36のロックを解除した状態で実行される。具体的には、インバータ42をゲート遮断することによりモータMG2からトルクを出力するのを制限すると共に、エンジン22の直達トルク(=Te/(1+ρ))が要求トルクTr*に一致するようエンジン22の運転ポイントを設定すると共にエンジントルク反力を受けとめるモータMG1のトルク指令Tm1*を設定し、運転ポイントをエンジンECU24に送信しトルク指令Tm1*をモータECU40に送信する。エンジンECU24は受信した運転ポイントでエンジン22運転されるよう燃料噴射制御や点火制御などを行ない、モータECU40は受信したトルク指令Tm1*に見合うトルクがモータMG1から出力されるようインバータ41のスイッチング素子のスイッチング制御を行なう。ここで、退避駆動処理時の動力分配統合機構30の回転要素における回転数とトルクとの力学的な関係を示す共線図を図5に示す。このように、回転位置検出センサ44が異常状態であると疑われるときには、予めエンジン22を起動しておき、再度検出した結果、回転位置検出センサ44が異常状態であるときには、エンジン22からの直達トルクだけで走行する直行走行モードを実行するのである。
以上詳述した本実施例のハイブリッド自動車20によれば、システム起動時に、モータMG2の回転状態を検出する回転位置検出センサ44の状態が正常状態であると検出されていないときには、エンジン22を始動するようモータMG1とエンジン22とを駆動制御し、続いてシステムから動力を出力可能なReady On状態とし、その後、回転位置検出センサ44の状態が異常状態であると検出されたときにはモータMG1を介してエンジン22から出力されるトルクだけがこのリングギヤ軸32aに出力されるようエンジン22とモータMG1とを駆動制御する。このように、回転位置検出センサ44が異常状態であると疑われるときには、その後、エンジン22の始動ができなくなることがあり得るため、エンジン22を始動しておくことによって、より確実に動力を出力することができる。このとき、エンジン22を起動したあとReady On状態とするため、エンジン22の起動前に運転者により走行を開始されてしまうのを防止し、パーキングロック機構36によりエンジン22の起動時に生じる反力トルクを確実に受け止めることが可能であり、一層確実に動力を出力することができる。また、システム起動時にフラッシュROM74に記憶された前回の回転位置検出センサ44の状態が正常状態であると検出されていないときにエンジン22を始動するようモータMG1とエンジン22とを駆動制御するため、前回の状態をより容易に反映させて、より確実に動力を出力することができる。更に、パーキングロック機構36がリングギヤ軸32aを回転不能に固定しているときにエンジン22を始動するようモータMG1とエンジン22とを駆動制御するため、モータMG1によってエンジン22をモータリングした際に生じる反力をパーキングロック機構36で容易に打ち消すことができ、エンジン22をより容易に始動することができ、ひいてはより確実に動力を出力することができる。
例えば、上述した実施例では、システム起動処理ルーチンのステップS200で回転位置検出センサ44が正常であると判定されていないときにエンジン22を起動しステップS260で再度、回転位置検出センサ44の異常判定を行なうものとした、即ち回転位置検出センサ44が異常であると判定されていたときにもステップS260で再度回転位置検出センサ44の異常判定を行なうものとしたが、はじめから回転位置検出センサ44が異常であるときにはそのまま異常判定を行なわずにステップS280で退避駆動処理を設定するものとしてもよい。
上述した実施例では、システム起動処理ルーチンのステップS270で回転位置検出センサ44が異常でないと判定されたときにはステップS220で通常駆動処理を設定するものとしたが、ステップS270のあと回転位置検出センサ44が正常であると判定されるまでステップS260の回転位置検出センサ44の異常判定を繰り返し実行し、回転位置検出センサ44が正常であると判定されたあとステップS220で通常駆動処理を設定するものとしてもよい。こうすれば、回転位置検出センサ44が正常状態か異常状態かを確実に判定してその後の駆動処理を実行することができる。なお、システム起動処理ルーチン以外で実行する回転位置検出センサ異常検出ルーチンにおいて回転位置検出センサ44が正常状態か異常状態かのどちらかになるまで繰り返し行なうものとしてもよい。
上述した実施例では、回転位置検出センサ44から入力した信号値(電圧)が所定の許容範囲を外れたときに異常カウンタをカウントアップし、異常カウンタの値が所定の検出時間のあいだに所定の許容カウンタ値Nref以上となると回転位置検出センサ44が異常であると判定されるものとしたが、これに限られず、例えば回転位置検出センサ44から入力した信号値が所定期間所定の許容範囲を外れたときに異常であると判定するなど、回転位置検出センサ44の異常を検出することができればどのような方法を用いてもよい。
上述した実施例では、回転位置検出センサ44から入力した信号値が所定の許容範囲内である期間が、異常カウンタがカウントアップされずに所定の正常期間のあいだ継続すると回転位置検出センサ44が正常であると判定されるものとしたが、これに限られず、例えば所定の正常期間のあいだに異常カウンタのカウント値が所定数以下であるときに回転位置検出センサ44が正常であると判定するなど、回転位置検出センサ44が正常であると検出することができればどのような方法を用いてもよい。
上述した実施例では、ギヤ機構37に設けられたパーキングロック機構36によりリングギヤ軸32aを固定した状態でエンジン22をモータリングして起動するものとしたが、特にこれに限定されず、例えば駆動輪39a,39bを制動する油圧ブレーキを用いるなど、リングギヤ軸32aを間接的又は直接的に固定するものであればどのようなものを用いてもよい。
上述した実施例では、変速機60により回転軸48とリングギヤ軸32aとの接続を解除した状態で回転位置検出センサ44の異常検出を実行するものとしたが、例えばクラッチなど、回転軸48とリングギヤ軸32aとの接続が解除可能な構成であれば如何なるものとしてもよい。
上述した実施例では、回転位置検出センサ異常検出ルーチンをハイブリッド用電子制御ユニット70が行うものとしたが、モータECU40で行うものとしてもよい。このとき、モータECU40が備えるフラッシュROMにセンサ正常フラグFn及びセンサ異常フラグFuの各値を記憶するものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、モータMG2の動力を変速機60により変速してリングギヤ軸32aに出力するものとしたが、図6の変形例のハイブリッド自動車120に例示するように、モータMG2の動力をリングギヤ軸32aが接続された車軸(駆動輪39a,39bが接続された車軸)とは異なる車軸(図6における車輪39c,39dに接続された車軸)に接続するものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、エンジン22の動力を動力分配統合機構30を介して駆動輪39a,39bに接続された駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力するものとしたが、図7の変形例のハイブリッド自動車220に例示するように、エンジン22のクランクシャフト26に接続されたインナーロータ232と駆動輪63a,63bに動力を出力する駆動軸に接続されたアウターロータ234とを有し、エンジン22の動力の一部を駆動軸に伝達すると共に残余の動力を電力に変換する対ロータ電動機230を備えるものとしてもよい。
また、こうしたハイブリッド自動車に適用するものに限定されるものではなく、自動車以外の車両や船舶,航空機などの移動体に搭載される車両の形態や建設設備などの移動しない設備に組み込まれた車両の形態としても構わない。さらに、こうした車両の制御方法の形態としてもよいし、駆動装置の形態としてもよい。
ここで、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施例では、エンジン22が「内燃機関」に相当し、動力分配統合機構30とモータMG1とが「電力動力入出力手段」に相当し、モータMG2が「電動機」に相当し、リングギヤ軸32aが「駆動軸」に相当し、モータMG2の回転位置を検出する回転位置検出センサ44の状態を検出するハイブリッド用電子制御ユニット70が「状態検出手段」に相当し、システム起動時に回転位置検出センサ44の状態が正常状態であると検出されていないときにはエンジン22を始動するようモータMG1とエンジン22とを駆動制御し、その後、回転位置検出センサ44の状態が異常状態であると検出されたときにはモータMG1及び動力分配統合機構30を介してエンジン22から出力される動力だけがリングギヤ軸32aに出力されるようエンジン22とモータMG1とを駆動制御するエンジンECU24、モータECU40及びハイブリッド用電子制御ユニット70が「直達時駆動制御手段」に相当し、前回の起動停止前の回転位置検出センサ44の状態としてのセンサ異常フラグFu及びセンサ正常フラグFnの各値を記憶するフラッシュROM74が「記憶手段」に相当し、リングギヤ軸32a回転と共に回転するパーキングギヤ36aにこれと異なるギヤとしてのパーキングロックポール36bを噛合させることによりリングギヤ軸32aを回転不能に固定可能なパーキングロック機構36が「固定手段」に相当する。また、動力分配統合機構30が「3軸式動力入出力手段」に相当し、モータMG1が「発電機」に相当する。さらに、対ロータ電動機130も「電力動力入出力手段」に相当する。ここで、「内燃機関」としては、ガソリンまたは軽油などの炭化水素系の燃料により動力を出力する内燃機関に限定されるものではなく、水素エンジンなど如何なるタイプの内燃機関であっても構わない。「回転検出手段」としては、回転位置検出センサ44に限定されるものではなく、直接的又は間接的に回転軸48の回転位置を検出可能なものであれば如何なるものとしても構わない。「状態検出手段」としては、回転検出手段の状態を検出可能なものであれば如何なるものとしても構わない。「記憶手段」としては、フラッシュROMに限定されるものではなく、HDDやバッテリバックアップされたRAMなど情報を保存可能なものであればいかなるものとしても構わない。「電力動力入出力手段」としては、動力分配統合機構30とモータMG1との組み合わせによるものや対ロータ電動機130に限定されるものではなく、入力軸に接続されると共に入力軸とは独立に回転可能に内燃機関の出力軸に接続され電力と動力の入出力を伴って入力軸と出力軸とに動力を入出力するものであれば如何なるものとしても構わない。「電動機」としては、同期発電電動機として構成されたモータMG2に限定されるものではなく、誘導電動機など、入力軸に動力を入出力可能なものであれば如何なるタイプの電動機であっても構わない。「直達時駆動制御手段」としては、ハイブリッド用電子制御ユニット70とエンジンECU24とモータECU40とからなる組み合わせに限定されるものではなく単一の電子制御ユニットにより構成されるなどとしてもよい。また、「直達時駆動制御手段」としては、システム起動時に回転位置検出センサ44の状態が正常状態であると検出されていないときにはエンジン22を始動するようモータMG1とエンジン22とを駆動制御し、その後、回転位置検出センサ44の状態が異常状態であると検出されたときにはモータMG1及び動力分配統合機構30を介してエンジン22から出力される動力だけがリングギヤ軸32aに出力されるようエンジン22とモータMG1とを駆動制御するものであれば如何なるものとしても構わない。なお、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための最良の形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施例は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
なお、本発明は上述した実施例に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
本発明は、車両や車両の製造産業などに利用可能である。
本発明の一実施例である駆動装置を搭載するハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。 実施例のハイブリッド用電子制御ユニット70により実行される回転位置検出センサ異常検出ルーチンの一例を示すフローチャートである。 実施例のハイブリッド用電子制御ユニット70により実行されるシステム起動処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。 通常駆動処理時の動力分配統合機構30の回転要素における回転数とトルクとの力学的な関係を示す共線図の一例を示す説明図である。 退避駆動処理時の要求トルクTr*が加速用の駆動トルクであるときの動力分配統合機構30の回転要素における回転数とトルクとの力学的な関係を示す共線図の一例を示す説明図である。 変形例のハイブリッド自動車120の構成の概略を示す構成図である。 変形例のハイブリッド自動車220の構成の概略を示す構成図である。
符号の説明
20,120,220 ハイブリッド自動車、22 エンジン、24 エンジン用電子制御ユニット(エンジンECU)、26 クランクシャフト、28 ダンパ、30 動力分配統合機構、31 サンギヤ、32 リングギヤ、32a リングギヤ軸、33 ピニオンギヤ、34 キャリア、36 パーキングロック機構、36a パーキングギヤ、36b パーキングロックポール、37 ギヤ機構、37a ファイナルギヤ、38 デファレンシャルギヤ、39a,39b,39c,39d 駆動輪、40 モータ用電子制御ユニット(モータECU)、41,42 インバータ、43,44 回転位置検出センサ、48 回転軸、50 バッテリ、51 温度センサ、52 バッテリ用電子制御ユニット(バッテリECU)、54 電力ライン、55 油圧回路、58 油圧ライン、60 変速機、70 ハイブリッド用電子制御ユニット、72 CPU、74 フラッシュROM、76 RAM、80 イグニッションスイッチ、81 シフトレバー、82 シフトポジションセンサ、83 アクセルペダル、84 アクセルペダルポジションセンサ、85 ブレーキペダル、86 ブレーキペダルポジションセンサ、88 車速センサ、230 対ロータ電動機、232 インナーロータ、234 アウターロータ、MG1,MG2 モータ。

Claims (8)

  1. 内燃機関と、
    駆動軸に接続されると共に該駆動軸とは独立に回転可能に前記内燃機関の出力軸に接続され前記内燃機関をモータリング可能であり電力と動力の入出力を伴って前記駆動軸と前記出力軸とに動力を入出力する電力動力入出力手段と、
    前記駆動軸に動力を入出力可能な電動機と、
    前記電動機の回転状態を検出する回転検出手段の状態を検出する状態検出手段と、
    車両の起動時に前記状態検出手段によって前記回転検出手段の状態が正常状態であると検出されていないときには前記内燃機関を始動するよう前記電力動力入出力手段と前記内燃機関とを駆動制御し、その後、前記状態検出手段によって前記回転検出手段の状態が異常状態であると検出されたときには前記電力動力入出力手段を介して前記内燃機関から前記駆動軸に出力される動力だけが該駆動軸に出力されるよう該内燃機関と該電力動力入出力手段とを駆動制御する直達時駆動制御手段と、
    を備える車両。
  2. 前記直達時駆動制御手段は、前記回転検出手段の状態が正常状態であると検出されていないときに前記内燃機関を始動したあと、装置から動力を出力可能である起動状態に設定し、その後、前記状態検出手段によって前記回転検出手段の状態が異常状態であると検出されたときには前記電力動力入出力手段を介して前記内燃機関から前記駆動軸に出力される動力だけが該駆動軸に出力されるよう制御する手段である、請求項1に記載の車両。
  3. 請求項1又は2に記載の車両であって、
    前記状態検出手段によって検出された前回の起動停止前の前記回転検出手段の状態を記憶する記憶手段、を備え、
    前記直達時駆動制御手段は、車両の起動時に前記記憶手段に記憶された前回の前記回転検出手段の状態が正常状態であると検出されていないときに前記内燃機関を始動するよう前記電力動力入出力手段と前記内燃機関とを駆動制御する手段である、車両。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の車両であって、
    前記駆動軸の回転と共に回転する第1のギヤに該第1のギヤと異なる第2のギヤを噛合させることにより前記駆動軸を回転不能に固定可能な固定手段、を備え、
    前記直達時駆動制御手段は、前記固定手段が前記駆動軸を回転不能に固定しているときに前記内燃機関を始動するよう前記電力動力入出力手段と前記内燃機関とを駆動制御する手段である、車両。
  5. 前記状態検出手段は、前記回転検出手段からの信号が所定の許容範囲内にある状態が所定の第1期間のあいだ継続すると前記回転検出手段が正常状態であるものと検出し、前記回転検出手段からの信号が所定の許容範囲を超えた回数が所定の第2期間のあいだに所定の許容回数を超えると前記回転検出手段が異常状態であると検出する手段である、請求項1〜4のいずれかに記載の車両。
  6. 前記電力動力入出力手段は、動力を入出力可能な発電機と、前記駆動軸と前記出力軸と前記発電機の回転軸との3軸に接続され該3軸のうちいずれか2軸に入出力した動力に基づいて残余の軸に動力を入出力する3軸式動力入出力手段と、を備える手段である請求項1〜5のいずれかに記載の車両。
  7. 内燃機関および充放電可能な蓄電手段と共に車両に搭載される駆動装置であって、
    駆動軸に接続されると共に該駆動軸とは独立に回転可能に前記内燃機関の出力軸に接続され前記内燃機関をモータリング可能であり電力と動力の入出力を伴って前記駆動軸と前記出力軸とに動力を入出力する電力動力入出力手段と、
    前記駆動軸に動力を入出力可能な電動機と、
    前記電動機の回転状態を検出する回転検出手段の状態を検出する状態検出手段と、
    車両の起動時に前記状態検出手段によって前記回転検出手段の状態が正常状態であると検出されていないときには前記内燃機関を始動するよう前記電力動力入出力手段と前記内燃機関とを駆動制御し、その後、前記状態検出手段によって前記回転検出手段の状態が異常状態であると検出されたときには前記電力動力入出力手段を介して前記内燃機関から前記駆動軸に出力される動力だけが該駆動軸に出力されるよう該内燃機関と該電力動力入出力手段とを駆動制御する直達時駆動制御手段と、
    を備える駆動装置。
  8. 内燃機関と、駆動軸に接続されると共に該駆動軸とは独立に回転可能に前記内燃機関の出力軸に接続され前記内燃機関をモータリング可能であり電力と動力の入出力を伴って前記駆動軸と前記出力軸とに動力を入出力する電力動力入出力手段と、前記駆動軸に動力を入出力可能な電動機と、前記電動機の回転状態を検出する回転検出手段の状態を検出する状態検出手段と、を備えた車両の制御方法であって、
    車両の起動時に前記状態検出手段によって前記回転検出手段の状態が正常状態であると検出されていないときには前記内燃機関を始動するよう前記電力動力入出力手段と前記内燃機関とを駆動制御し、その後、前記状態検出手段によって前記回転検出手段の状態が異常状態であると検出されたときには前記電力動力入出力手段を介して前記内燃機関から前記駆動軸に出力される動力だけが該駆動軸に出力されるよう該内燃機関と該電力動力入出力手段とを駆動制御する、車両の制御方法。
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