JP2008290480A - タイヤ内圧低下検出方法及び装置、並びにタイヤ内圧低下検出プログラム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】走行中の車両のタイヤ動荷重半径を算出し正常内圧時における動荷重半径基準値からの変化量に基づくタイヤ内圧低下検出方法。前記基準値の初期化方法は正常内圧での走行時に前記車両の各タイヤの車輪回転情報を検出する工程と、車輪回転情報から車輪速度を算出する工程と、車両速度を求める工程と、前記車輪速度・車両速度から各タイヤの動荷重半径を求める工程と、前記車両速度と車両速度における各タイヤの動荷重半径との関係を累積する工程と、蓄積された車両速度及び動荷重半径データを用いて車両速度と動荷重半径の相関を表す近似式を求め、全速度領域における基準値を設定する工程を含む。走行中の車両速度の関数として求めた基準値と、実際の走行中のタイヤ動荷重半径の測定値との差を計算し、当該差に基きタイヤの内圧低下を判定する。
【選択図】図1
Description
そして、これらの初期化方法によって求めた動荷重半径の基準値に対して、走行中のタイヤの動荷重半径が判定基準を超えて小さくなったと判定したときに、当該タイヤの内圧が低下していると判断するのが、動荷重半径に着目したタイヤ内圧低下検出方法である。
この動荷重半径が小さいと判定する方法として、例えば特許文献1には、前述したように、有効値であると判断された動荷重半径測定値の平均を求め、この平均値と基準値とを比較する方法が記載されている。
前記基準値を初期化する方法は、
正常内圧で走行しているときに前記車両の各タイヤの車輪回転情報を検出する工程と、
検出した車輪回転情報から車輪速度を算出する工程と、
車両速度を求める工程と、
前記車輪速度及び車両速度から各タイヤの動荷重半径を求める工程と、
前記車両速度と、当該車両速度における各タイヤの動荷重半径との関係を逐次累積する工程と、
蓄積された車両速度データ及び動荷重半径データを用いて当該車両速度と動荷重半径との相関関係を表す近似式を求めることにより、全速度領域における基準値の設定を行なう工程と
を含んでおり、且つ、前記検出方法は、
走行中の車両速度の関数として求められた基準値と、実際の走行中のタイヤ動荷重半径の測定値との差を逐次計算し、当該差に基づいてタイヤの内圧低下を判定することを特徴としている。
正常内圧で走行しているときに前記車両の各タイヤの車輪回転情報を検出する車輪回転情報検出手段と、
検出した車輪回転情報から車輪速度を算出する車輪速度算出手段と、
車両速度を求める車両速度算出手段と、
前記車輪速度及び車両速度から各タイヤの動荷重半径を求める動荷重半径算出手段と、
前記車両速度と、当該車両速度における各タイヤの動荷重半径との関係を逐次累積するデータ蓄積手段と、
蓄積された車両速度データ及び動荷重半径データを用いて当該車両速度と動荷重半径との相関関係を表す近似式を求めることにより、全速度領域における基準値の設定を行なう基準値設定手段と
走行中の車両速度の関数として求められた基準値と、実際の走行中のタイヤ動荷重半径の測定値との差を逐次計算し、当該差に基づいてタイヤの内圧低下を判定する判定手段と
を備えたことを特徴としている。
図1に示されるように、本発明の一実施の形態に係る検出装置は、4輪車両に備えられた4つのタイヤFL、FR、RL及びRRの車輪回転情報を検出するため、各タイヤに関連して設けられた通常の車輪速度検出手段(車輪回転情報検出手段)1を備えている。
(1)まず、車輪速度検出手段1の出力信号(パルス信号)に基づいて、次の式(1)により、正常内圧時の各タイヤの回転角速度(ω)を算出する。
回転角速度(ω)=2π×Freq(Hz)/N(個)・・・・・(1)
ここに、Nは車輪速度検出手段1の車軸1回転あたりの歯数であり、Freq(Hz)は、その車輪速度検出手段1の歯が1秒あたりにカウントされた数値である。
(4)そして、車両速度(V)データの数、換言すれば当該車両速度(V)における動荷重半径(R)データの数が予め定められた数、例えば120個蓄積された時点で、すべてのデータを用いて車両速度(V)と動荷重半径(R)との相関関係を示す近似式を最少二乗法などにより求める。この近似式により、全速度領域における動荷重半径(R)の基準値を設定することができる。
(5)前記(1)〜(4)に示される手順によりタイヤ動荷重半径の基準値が初期化された後、走行中の車両の各タイヤについて、前記手順(1)と同様にしてタイヤの回転角速度(ω)が算出され、また前記手順(2)と同様にして車両速度(V)が求められる。
この場合、本発明では、車両速度と動荷重半径との相関関係を表す近似式を求めることにより、全速度領域における基準値の設定を行なっていることから、どの速度で走行していても当該速度における基準値を算出することができ、したがって当該基準値と動荷重半径測定値との差を算出することができる。
[実施例1]
[基準値の初期化]
車両に装着された各タイヤの回転角速度を得るために、ABS制御に利用する回転速度情報を用いて、回転角速度に換算した。また、車両の絶対速度を得るためにVBOX(商品名。英国Race Logic社製GPS速度計)を車両に取り付けた。車両の速度は、シリアルデータとして直接PC(パーソナルコンピュータ)に出力され、この車両速度情報と前記回転速度情報を50msec毎にデジタルデータとして同期してPCに取り込めるようにした。そして、これら2つの情報からタイヤ動荷重半径を50msec毎に計算し、1秒毎の平均値として算出した。テスト条件はつぎの通りであった。
車両:4輪駆動車
タイヤ:215/45R17 SP9000
路面:一般道及び住友ゴム工業株式会社の岡山テストコース
初期化走行条件:基準内圧(230kPa)で1名乗車
また、走行条件としては、平坦路を一定速度で直進走行していると判断される場合を選択し、この走行条件を満たす場合について、動荷重半径を算出し、得られたデータを蓄積した。具体的には、GPS情報から、前後方向|G|<0.05G、方位変化1度以下及び路面勾配5%以下、並びにブレーキを踏んでいないことを条件とし、すべての条件をクリヤーするとともに、GPSの受信状態が良好で速度情報を正常に出力している場合に得られるデータのみを有効データとして採用した。
基準値を車両速度(V)の関数f(V)として求めていることから、どの速度で走行していてもそのときの基準値を算出することができる。したがって、走行中の動荷重半径の基準値からの差(w)は、
w=f(V)−現在の動荷重半径測定値
により求めることができる。この差(w)が判定基準を超えて大きい場合に内圧低下と判定すれば、瞬時に内圧低下の判定を行なうことができる。
実施例1と同様にしてタイヤ動荷重半径の基準値の初期化を行なうとともに、動荷重半径測定値を算出した(図4参照)。
測定のバラツキによる影響(誤検出など)を排除するために、動荷重半径測定値を120個蓄積して平均値を求め、その値が動荷重半径基準値の常用速度域(減圧時の動荷重半径減少量が、速度に対して大きく依存性をもたない範囲のことであり、例えば60〜90km/hの範囲とすることができる)付近での平均値の0.2%を超えていればタイヤ内圧が低下していると判定し、警報を発した。データ(動荷重半径測定値)が1秒毎に採取できる場合は120秒で内圧低下の判定が可能となるが、実際には、走行条件が限定されることから判定までに5分程度かかった。
実施例1と同様にしてタイヤ動荷重半径の基準値の初期化を行なうとともに、動荷重半径測定値を算出した(図5参照)。
車両速度が短時間の間に非常に大きく変わる場合、実施例2の方法では、いろいろな車両速度での情報が混在する場合がある。動荷重半径の変化量(基準値と減圧時の動荷重半径測定値との差)にも速度依存性があることを考慮すると、それらのデータの単純な統計処理(実施例2では平均化)よりも、速度毎に層別するほうが、判定精度を高める点からは好ましい。
実施例1と同様にしてタイヤ動荷重半径の基準値の初期化を行なうとともに、動荷重半径測定値を算出した(図6参照)。
動荷重半径は速度依存性を有していることから、20〜100km/hの車両速度領域を予め13の領域に分け(20〜50km/hまでは10km/hきざみの3領域、50〜100km/hまでは5km/hきざみの10領域)、各速度領域に60個のデータが蓄積されると動荷重半径の平均値を求めることとした。いずれかの速度領域に60個のデータがたまれば平均値(動荷重半径測定値)を算出して、この平均値と基準値との比較により内圧低下の判定が可能となるが、速度領域のきざみが細かく、1つの速度領域に60個のデータがたまるまでに約1時間を要した。したがって、内圧低下の判定ができるまでに約1時間を要した。
なお、前述した実施の形態では、GPS装置により得られる車両の絶対速度を用いているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば対地速度などの異なる方法で得られる車両の絶対速度を用いることができる。
2 制御ユニット
2a インターフェース
2b CPU
2c ROM
2d RAM
3 表示器
4 初期化ボタン
5 警報器
6 GPS装置
6a GPSアンテナ
Claims (6)
- 走行中の車両のタイヤ動荷重半径を算出し、得られた動荷重半径の、正常内圧時における動荷重半径の基準値からの変化の大きさに基づいてタイヤの内圧低下を検出する方法であって、
前記基準値を初期化する方法は、
正常内圧で走行しているときに前記車両の各タイヤの車輪回転情報を検出する工程と、
検出した車輪回転情報から車輪速度を算出する工程と、
車両速度を求める工程と、
前記車輪速度及び車両速度から各タイヤの動荷重半径を求める工程と、
前記車両速度と、当該車両速度における各タイヤの動荷重半径との関係を逐次累積する工程と、
蓄積された車両速度データ及び動荷重半径データを用いて当該車両速度と動荷重半径との相関関係を表す近似式を求めることにより、全速度領域における基準値の設定を行なう工程と
を含んでおり、且つ、前記検出方法は、
走行中の車両速度の関数として求められた基準値と、実際の走行中のタイヤ動荷重半径の測定値との差を逐次計算し、当該差に基づいてタイヤの内圧低下を判定することを特徴とするタイヤ内圧低下検出方法。 - 前記動荷重半径の基準値からの差を所定個数蓄積し、その平均値によってタイヤ内圧低下の判定を行なう請求項1に記載のタイヤ内圧低下検出方法。
- 前記動荷重半径の基準値からの差を、複数の速度領域に分けて蓄積し、速度領域毎に設定された判定基準に従いタイヤ内圧低下の判定を行なう請求項1〜2のいずれかに記載のタイヤ内圧低下検出方法。
- 前記基準値の設定を行なう工程が、蓄積された車両速度データの数が所定数を超えた場合に、車両速度と動荷重半径との相関関係を表す近似式を求めることにより、全速度領域における基準値の設定を行なう工程である請求項1〜3のいずれかに記載のタイヤ内圧低下検出方法。
- 走行中の車両のタイヤ動荷重半径を算出し、得られた動荷重半径の、正常内圧時における動荷重半径の基準値からの変化の大きさに基づいてタイヤの内圧低下を検出する装置であって、
正常内圧で走行しているときに前記車両の各タイヤの車輪回転情報を検出する車輪回転情報検出手段と、
検出した車輪回転情報から車輪速度を算出する車輪速度算出手段と、
車両速度を求める車両速度算出手段と、
前記車輪速度及び車両速度から各タイヤの動荷重半径を求める動荷重半径算出手段と、
前記車両速度と、当該車両速度における各タイヤの動荷重半径との関係を逐次累積するデータ蓄積手段と、
蓄積された車両速度データ及び動荷重半径データを用いて当該車両速度と動荷重半径との相関関係を表す近似式を求めることにより、全速度領域における基準値の設定を行なう基準値設定手段と
走行中の車両速度の関数として求められた基準値と、実際の走行中のタイヤ動荷重半径の測定値との差を逐次計算し、当該差に基づいてタイヤの内圧低下を判定する判定手段と
を備えたことを特徴とするタイヤ内圧低下検出装置。 - 走行中の車両のタイヤ動荷重半径を算出し、得られた動荷重半径の、正常内圧時における動荷重半径の基準値からの変化の大きさに基づいてタイヤの内圧低下を検出するためにコンピュータを、正常内圧で走行しているときに検出された車両の各タイヤの車輪回転情報から車輪速度を算出する車輪速度算出手段、前記車輪速度及び車両速度から各タイヤの動荷重半径を求める動荷重半径算出手段、前記車両速度と、当該車両速度における各タイヤの動荷重半径との関係を逐次累積するデータ累積手段、蓄積された車両速度データ及び動荷重半径データを用いて当該車両速度と動荷重半径との相関関係を表す近似式を求めることにより、全速度領域における基準値の設定を行なう基準値設定手段、及び、走行中の車両速度の関数として求められた基準値と、実際の走行中のタイヤ動荷重半径の測定値との差を逐次計算し、当該差に基づいてタイヤの内圧低下を判定する判定手段として機能させることを特徴とするタイヤ内圧低下検出プログラム。
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JP2007045295A (ja) * | 2005-08-09 | 2007-02-22 | Sumitomo Rubber Ind Ltd | Gps速度情報を用いたタイヤ内圧低下検知方法 |
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- 2007-05-22 JP JP2007135296A patent/JP5122182B2/ja active Active
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