JP2008290439A - 突起付ベルトの製造方法及び突起付ベルト - Google Patents

突起付ベルトの製造方法及び突起付ベルト Download PDF

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信吾 飯塚
Gakushiyu Okazawa
学秀 岡沢
Kiichiro Yamashita
喜一郎 山下
Manabu Mitsutomi
学 光冨
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Abstract

【課題】低摩擦係数の樹脂を突起として使用することで突起の耐摩耗性を上げ、突起のベルトからの剥離と早期損傷を防ぐ突起付ベルトの製造方法とその方法を使用した突起付ベルトを提供する。
【解決手段】突起体をベルトの背面に起立させて一体的に設ける突起付ベルトの製造方法において、熱硬化性樹脂成形物からなる歯付ベルト本体1背面にシアノアクリレート系接着剤、クロロプレンゴム系接着剤又はエポキシ樹脂系接着剤のうちから選ばれた一つを塗布し、上記接着剤の塗布が行われた該熱硬化性合成樹脂成形物上に耐摩耗性を有する熱可塑性樹脂を射出成形することにより熱硬化性合成樹脂成形物と熱可塑性合成樹脂成形物とを固着一体成形し、熱可塑性合成樹脂成形物の突起5,7を形成する突起付ベルトの製造方法及びその方法を使用した突起付ベルト。
【選択図】図1

Description

本発明は、ベルト背面に突起が設けられた突起付搬送ベルトに関する。この突起は、ベルト背面で物品を搬送する場合の物品間の仕切りとなったり、ベルトの走行位置を検知するセンサーを作動させたり、物品を押して移動させたり等する機能を果たすものである。
突起をベルトの背面に形成するに当り、本出願人は、熱硬化性合成樹脂製のベルト背面に一体に立設された支持部に貫通孔を設け、その支持部を外嵌又は挟持する一対の脚部を有し且つその支持部に固設された突起部材に、支持部の貫通孔を充塞して通じ且つ両脚部を連結する脚部連結部を一体に設けるようにしたものを先に提案している。(特許文献1)
(図7参照)。本例は、支持部材41に形成された貫通孔43内を突起部材45の成形と同時に樹脂を充填して脚部連結部材47を一体的に形成するものであるから、突起部材は支持部に強固に接続され脱落することが無い。
特開2005−114175号
この種の突起付搬送ベルトの突起部材は、脚部連結部材が支持部材の貫通孔に貫入して外れないように固着されるか、或いは、支持部材から突出したピンの部分を抱接するように突起部材を成形することにより抜止が防止されるように固着されている。この先行特許出願において提案されている発明では、突起部材とベルト表面或いは支持部材の表面とは接しているものの、接着などの接合はされておらず剥離状態となっている。
或いは、充填する部分の形状が複雑であることから、樹脂の流動の制御が難しく、ヒケやショートが発生し、ベルトと樹脂部に隙間ができていた。これによってワークが薄い紙の場合、その間に入り込んだりする不具合が見られた。
この先行発明では、支持部材を設けて、支持部材に設けた貫通孔を介在して突起部材を設けることが必要となっていた。このため、支持部材を設けたベルト本体を突起付ベルト専用に製造する必要がある。或いは、支持部材に貫通孔の形成の工程が必要である。さらには、ベルトサイズに合わせて金型を準備する必要があった。
さらに、特許文献2においては、ベルトの背面を脱脂処理し、そこに熱可塑性ポリウレタンを射出成形し、ウレタン同士の親和性を利用して、突起を固着していた。
特開2006−321119号
この場合には、熱可塑性ポリウレタンを熱硬化性ポリウレタン製のベルト上に射出成形しているが、熱可塑性ポリウレタンで突起を形成する場合に、熱可塑性ポリウレタンの摩擦係数が高いために、例えば図2のように、紙13のような薄いワークを運ぶ際、搬送経路外に飛び出さないようにガイドフレーム11に沿ってベルトが走行する場合、突起部分がガイドフレーム11との接触により抵抗を受け、搬送性能に支障をきたす場合が見られた。
本発明はこのような問題点を解決するものであり、低摩擦係数の樹脂を突起として使用することで突起の耐摩耗性を上げ、なおかつ突起のベルトからの剥離と早期損傷を防ぐ突起付ベルトの製造方法とその方法を使用した突起付ベルトを提供することを目的とする。
本発明は、突起体をベルトの背面に起立させて一体的に設ける突起付ベルトの製造方法において、熱硬化性合成樹脂成形物からなるベルト本体背面にシアノアクリレート系接着剤、クロロプレンゴム系接着剤又はエポキシ系接着剤のうちから選ばれた一つを塗布し、上記接着剤の塗布が行われた該熱硬化性合成樹脂成形物上に耐摩耗性を有する熱可塑性樹脂を射出成形することにより熱硬化性合成樹脂成形物と熱可塑性合成樹脂成形物とを固着一体成形し、熱可塑性合成樹脂成形物の突起を形成する突起付ベルトの製造方法にある。
請求項2に記載の発明は、前記耐摩耗性を有する熱可塑性樹脂がポリアセタール、ポリアミド、又は高分子量ポリエチレンのいずれかから選ばれたものである請求項1に記載の突起付ベルトの製造方法にある。
請求項3に記載の発明は、ベルト本体背面の平坦面の表面に請求項1又は2に記載の方法によって、直接射出成形によって、摺動性を有する熱可塑性合成樹脂製の突起部材が形成された突起付ベルトにある。
請求項4に記載の発明は、前記摺動性を有する熱可塑性樹脂がポリアセタール、ポリアミド、又は高分子量ポリエチレンのいずれかから選ばれたものである請求項3に記載の突起付ベルトにある。
本発明によると、突起体をベルトの背面に起立させて一体的に設ける突起付ベルトの製造方法において、熱硬化性合成樹脂成形物からなるベルト本体背面にシアノアクリレート系接着剤、クロロプレンゴム系接着剤又はエポキシ系接着剤のうちから選ばれた一つを塗布し、上記接着剤の塗布が行われた該熱硬化性合成樹脂成形物上に摺動性を有する熱可塑性樹脂を射出成形することにより熱硬化性合成樹脂成形物と熱可塑性合成樹脂成形物とを固着一体成形し、熱可塑性合成樹脂成形物の突起を形成する突起付ベルトの製造方法にあることから、前記突起がベルトから剥離することが無く、又摺動性を有する熱可塑性合成物の突起を形成することで、突起部分がガイドレールと接触しても摩耗することなく、従って、搬送性能にも支障を来たさないという効果がある。
請求項2に記載の発明によると、前記摺動性を有する熱可塑性樹脂がポリアセタール、ポリアミド、又は高分子量ポリエチレンのいずれかから選ばれたものである請求項1に記載の突起付ベルトの製造方法であることから、いずれの樹脂も摩擦係数が低く、摺動性にも優れることから、突起部分がガイドレールと接触しても摩耗することなく、従って、搬送性能にも支障を来たさないという効果がさらに確実となる。
請求項3に記載の発明によると、ベルト本体背面の平坦面の表面に請求項1又は2に記載の方法によって、直接射出成形によって、摺動性を有する熱可塑性合成樹脂製の突起部材が形成された突起付ベルトであることから、前記突起がベルトから剥離することが無く、又摺動性を有する熱可塑性合成物の突起を形成することで、突起部分がガイドレールと接触しても摩耗することなく、従って、搬送性能にも支障を来たさないという効果がある。
請求項4に記載の発明は、前記摺動性を有する熱可塑性樹脂がポリアセタール、ポリアミド、又は高分子量ポリエチレンのいずれかから選ばれたものである請求項3に記載の突起付ベルトにあることから、いずれの樹脂も摩擦係数が低く、摺動性にも優れることから、突起部分がガイドレールと接触しても摩耗することなく、従って、搬送性能にも支障を来たさないという効果がさらに確実となる。
以下、本発明を実施する為の最良の形態を説明する。
図1は、本発明形態に係る歯付ベルトの突起部の概略図である。図1において、歯付ベルト1は、長手方向に沿って所定間隔で配置した複数の歯部3と、歯部3と連続する背部2と、突起5、7とを有する構造である。背部2と歯部3は、熱硬化性樹脂層9で形成されたベルト本体を構成する。又、背部2には心線を埋設する場合もある。
背ゴムの熱硬化性ウレタンとしては、2液タイプのポリウレタンエラストマーを用い、プレポリマーを作製し、硬化剤を投入し、硬化させて熱硬化性ポリウレタンとしたものである。本発明のベルト本体に使用するエラストマーは、1分子中にイソシアネート基を2個以上有するトリレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、4,4´‐ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルジイソシアネート等のイソシアネート化合物に、通常のヒドロキシル基末端ポリオールであるポリエステル系ポリオール、ポリエーテル系ポリオール、ポリカーボネート系ポリオールから選ばれた少なくとも1種のポリオールからなるプレポリマーに硬化剤、可塑剤等を配合したものである。硬化剤も特に限定されないが、例えばエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール等のポリオール化合物、1級アミン、2級アミン、3級アミンのアミン化合物等が使用される。
前記突起は、摺動性を有する熱可塑性樹脂からなり、好ましくはポリアセタール、ポリアミド、又は高分子量ポリエチレン、より好ましくはポリアセタール樹脂からなる。前記熱硬化性ポリウレタンの背面で、前記耐摩耗性を有する熱可塑性樹脂をアウトサート成形によって、射出成形するが、前記突起を接合する箇所にシアノアクリレート系の接着剤、クロロプレンゴム系接着剤、又はエポキシ系接着剤のうちから選ばれた一つを塗布する。前記接着剤を塗布した後前記摺動性を有する熱可塑性樹脂をアウトサート成形によって射出成形を行う。
前記シアノアクリレート系接着剤の主成分は、下記一般式で表されるα−シアノアクリレートである。
Figure 2008290439
α−シアノアクリレート系接着剤は、このモノマーに必要に応じて各種添加剤を配合して改質した一液性無溶剤の接着剤である。Rの具体例としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、へキシル、オクチル、エチルへキシル、ドデシル、アリル、プロパギル、シクロへキシル、メトキシエチル、エトキシエチル、テトラヒドロフルフリル、ベンジル、フェニル、2−クロロエチル、トリフルオロエチル等が挙げられる。これらの中でも、Rがメチル、エチル、プロピル、ブチルなどの低級アルキル基であるものが、セットタイムが速く、接着強度も高いため好ましい。これらのα−シアノアクリレートは、1種又は2種以上組み合わせて使用することができる。
クロロプレンゴム系接着剤は、原料ゴムであるクロロプレンゴムに老化防止剤、金属酸化物、粘着付与樹脂、溶剤などを加えて製造され、その際に難接着素材に対してはクロロプレンゴムにメタクリル酸メチル単量体をグラフト重合したものを使用する。
エポキシ系接着剤は、エポキシ樹脂と硬化剤、好ましくはアミン系化合物とを主成分とするものである。エポキシ樹脂としては、1分子中に2個以上のエポキシ基を持つものであれば特に制限はなく、例えばビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂、グリシジルエステル系エポキシ樹脂、含プロムエポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、プロピレングリコールグリシジルエーテルやペンタエリスリトールポリグリシジルエーテルなどの脂肪族エポキシ樹脂、ウレタン変性エポキシ樹脂等が挙げられ、これらエポキシ樹脂は2種以上混合して用いてもよい。
又、必要に応じて、粘度低下のためにブチルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、クレシルグリシジルエーテル、脂肪族アルコールのグリシジルエーテルなどのようなモノエポキシ化合物を配合しても良い。
本発明で、エポキシ樹脂に使用される好ましい硬化剤であるアミン化合物としては、例えば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ジエチルアミノプロピルアミンのような脂肪族アミン;メンセンジアミン、イソフォロンジアミン、ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタン、N−アミノエチルピペラジンのような脂環式ポリアミン;メタキシレンジアミンのような芳香環を含む脂肪族ポリアミン;第1、第2、第3級アミン窒素を1分子中に有するポリエチレンイミン;メタフェニレンジアミン、メチレンジアニリン、ジアミノジフェニルスルフォンのような芳香族ポリアミン;上記脂肪族ポリアミンや、芳香環を含む脂肪族ポリアミン、芳香族ポリアミンなどのポリアミン化合物を公知の変性方法、例えば、エポキシ化合物との付加反応、アクリロニトリル、アクリル酸エステルなどとのマイケル負荷反応、メチロール化合物とのマンニッヒ反応等により生成する変性ポリアミン;2−メチルイミダゾール、2−エチル−4メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2メチルイミダゾールのようなイミダゾール系化合物;トリスジメチルアミノフェノールのような3級アミン;トリスジメチルアミノメチルフェノールのトリ−2−エチルへキシル酸塩等が挙げられる。
又、主としてダイマー酸とポリアミンの縮合反応により生成する市販のバーサイド(ヘンケン白水製)やトーマイド(富士化業工業製)、サンマイド(三和化学工業製)、ラッカマイド(大日本インキ化学工業製)等の商品名で知られるポリアミドポリアミンが挙げられる。さらに、70〜80°Cで硬化可能なもの、例えば(a)多官能性エポキシ化合物と、(b)分子中にOH基、SH基、COOH基及びCONHNH基のうち少なくとも1個の官能基と三級アミノ基を兼備する化合物とを反応させて得られる付加化合物からなるエポキシ樹脂用潜在性硬化剤を用いることもできる。エポキシ樹脂に対しては、以上の主成分の他に、必要に応じて、無機系充填材、例えば、シリカ、石英ガラス、マイカ、炭酸カルシウム、アルミナ、タルク、クレー、黒鉛、カーボンブラックなどの粉末も添加できる。さらに、硬化性を向上させるために、フェノール、ノニルフェノール、サリチル酸、トリフェニルフォスファイトなどの公知の硬化促進剤を用いることもできる。
上記心線としては、低伸度高強力のロープが用いられ、アラミド繊維、ポリアミド繊維、ポリエチレンテレフチレート繊維、エチレン−2,6−ナフタレートを主たる構成単位とするポリエステル繊維などの有機繊維や、ガラス繊維などの無機繊維や金属繊維からなる撚成したロープが挙げられる。
次に、本発明を実施例によって具体的に説明する。
(実施例)
内金型を予め所定量の液状ポリウレタン原料(プレポリマー100質量部、3,3´−ジシクロ4,4´アミノジフェニルメタンである硬化剤で20質量部、可塑剤20質量部)を注型した外金型内に挿入して、金型内を密閉して減圧し液状ポリウレタンを上昇させ、液状ポリウレタンが上昇し終わると、金型内を加圧し、金型温度110°Cで液状ポリウレタンを硬化させた。熱硬化性ポリウレタンの硬度は88度(JIS−A)であった。硬化後にベルトスリーブを内金型から抜き取り、輪状に切断して歯付ベルトを得た。ベルトの歯形:S3M、歯数:100、ベルト幅:4.0mm、歯ピッチ:3.0mmであった。
そして、上記ベルトの突起を設置する箇所の背面にシアノアクリレート系接着剤である前記一般式で表され、Rがエチル基であるα−シアノアクリレート系接着剤を用い、塗布を行った。使用したα‐シアノアクリレート系接着剤は商品名EXTRA2000(東亜合成株式会社製)であった。
そして、前記接着剤を塗布したベルトを突起部材の形状をしたキャビティ内に位置するようにセットし、これを型締めした後、熱可塑性ポリアセタール樹脂の射出成形を行うことによって、前記接着剤上に突起体を作製する。固化後脱型して突起付部材を成形固着したベルトを取り出し、実施例1とした。そして、隙間ゲージにて前記突起部前側底面とベルト背面との隙間tを測定した。その結果を図4に示す。又、前記ベルト背面と突起体の接着力を測定した。測定方法としては、図3に示すように、突起部材を把持して吊り下げ、ベルト1をフック21に掛けて50mm/minのスピードで引張試験をして、固着部が剥離する強度を測定した。その結果を図5に示す。
又、実施例1の突起を形成するポリアセタールの動摩擦係数を測定した。測定条件は、相手材をS45Cとし、測定荷重を1.5Nとし、引張速度100mm/minで行った。その結果を図6に示す。
次に、実施例2として、ベルト本体は実施例1と同じで、前記ベルトの突起を設置する箇所の背面にクロロプレンゴム系接着剤を塗布した。使用したクロロプレンゴム系接着剤は商品名はスリーボンド1521(株式会社スリーボンド製)であった。
そして、実施例1と同様に、前記接着剤を塗布したベルトを射出成形用の成形金型内にセットし、射出成形を行うことによって、前記接着剤上に突起体を作製する。そして、隙間ゲージにて前記突起部前側底面とベルト背面との隙間tを測定した。その結果を図4に示す。又、実施例1と同じ条件にて接着力を測定した。その結果を図5に示す。
次に、実施例3として、ベルト本体は実施例1と同じで、前記ベルトの突起を設置する箇所の背面に2液硬化型エポキシ系接着剤を塗布した。エポキシ樹脂としてはビスフェノールA型エポキシ樹脂で、硬化剤としてはポリチオールを使用した。商品名はアラルダイト(ハンツマン・アドバンスド・マテリアルズ株式会社製)であった。
次に、実施例4として、ベルト本体は実施例1と同じで、前記ベルトの突起を設置する箇所の背面に1液硬化型エポキシ系接着剤を塗布した。このエポキシ系接着剤はビスフェノールA型エポキシ樹脂を主成分としたものであった。商品名はスコッチウェルド(住友スリーエム社製)であった。
そして、実施例3及び4の接着剤を塗布したベルトを実施例1と同様にして射出成形用の成形金型内にセットし、射出成形を行うことによって、前記接着剤上に突起体を作製する。そして、隙間ゲージにて前記突起部前側底面とベルト背面との隙間tを測定した。その結果を図4に示す。又、実施例1と同じ条件にて接着力を測定した。その結果を図5に示す。
次に、実施例5として、ベルト本体は実施例1と同じで、前記ベルトの突起を設置する箇所の背面にシアノアクリレート系接着剤である前記一般式で表され、Rがエチル基であるα−シアノアクリレート系接着剤を用い、塗布を行った。使用したα‐シアノアクリレート系接着剤は商品名EXTRA2000(東亜合成株式会社製)であった。
そして、前記接着剤を塗布したベルトを突起部材の形状をしたキャビティ内に位置するようにセットし、これを型締めした後、高分子量ポリエチレン樹脂の射出成形を行うことによって、前記接着剤上に突起体を作製する。固化後脱型して突起付部材を成形固着したベルトを取り出し、実施例5とした。そして、隙間ゲージにて前記突起部前側底面とベルト背面との隙間tを測定した。その結果を図4に示す。又、前記ベルト背面と突起体の接着力を測定した。測定方法としては、図3に示すように、突起部材を把持して吊り下げ、ベルト1をフック21に掛けて50mm/minのスピードで引張試験をして、固着部が剥離する強度を測定した。その結果を図5に示す。
又、実施例5の突起を形成する高分子量ポリエチレンの動摩擦係数を測定した。測定条件は実施例1と同じであった。その結果を図6に示す。
次に、実施例6として、ベルト本体は実施例1と同じで、前記ベルトの突起を設置する箇所の背面に2液硬化型エポキシ系接着剤を塗布した。エポキシ樹脂としてはビスフェノールA型エポキシ樹脂で、硬化剤としてはポリチオールを使用した。商品名はアラルダイト(ハンツマン・アドバンスド・マテリアルズ株式会社製)であった。
そして、実施例6の接着剤を塗布したベルトを実施例1と同様にして射出成形用の成形金型内にセットし、射出成形を行うことによって、前記接着剤上に突起体を作製する。そして、隙間ゲージにて前記突起部前側底面とベルト背面との隙間tを測定した。その結果を図4に示す。又、実施例1と同じ条件にて接着力を測定した。その結果を図5に示す。
(従来例1)
特許文献1に示すようにベルト背面に一体成形した支持突部41に貫通孔43を設け、アウトサート射出成形を行い、突起体45をベルト背面に設置した(図7)。そして、隙間ゲージにて前記突起部前側底面とベルト背面との隙間tを測定した。その結果を図4に示す。又、実施例1と同じ条件にて接着力を測定した。その結果を図5に示す。
(従来例2)
特許文献2に示すように脱脂処理液として酢酸エチルを用いる。この脱脂処理液を予備処理脱脂液槽と本脱脂処理液槽に入れ、ベルト本体を予備脱脂処理液槽に浸して振とう、或いは攪拌して約20秒処理して引き上げて約15秒間宙吊り状態として脱脂液を振り落とし、その後本脱脂処理液槽に浸して予備脱脂と同様にして処理を行い、その後5時間以上乾燥して、ベルト本体表面を清浄する。脱脂処理後のベルト本体の支持部材が突起部材の形状をしたキャビティ内に位置するようにセットする。これを型締めした後、熱可塑性ポリウレタン樹脂を注入して、固化後脱型して突起部材を成形固着したベルトを取り出し、従来例2とした。そして、隙間ゲージにて前記突起部前側底面とベルト背面との隙間tを測定した。その結果を図4に示す。又、実施例1と同じ条件にて接着力を測定した。その結果を図5に示す。
又、従来例2の突起を形成する熱可塑性ポリウレタン樹脂の摩擦係数を測定した。測定条件は実施例1と同じであった。その結果を図6に示す。
(比較例)
ベルト背面に支持突部も設けず、背面に接着剤塗布や脱脂処理等何ら処理せずにベルト背面にポリアセタール樹脂をアウトサート成形した。そして、隙間ゲージにて前記突起部前側底面とベルト背面との隙間tを測定した。その結果を図4に示す。又、実施例1と同じ条件にて接着力を測定した。その結果を図5に示す。
これらの結果から、ベルト背面に支持突部を設けた従来例1は、突起部前側底面とベルト背面との隙間が大きく、カードや紙類等がこの隙間に入り込み不具合を起こす可能性がある。又、ベルト背面を脱脂処理あるいは接着剤塗布をしなかった比較例はベルト背面と突起との接着力が極端に小さく、すぐに突起がベルトより剥離することがわかる。突起体に熱可塑性ポリウレタンを用いた従来例2は、熱可塑性ポリウレタンの摩擦係数が大きく、突起部分がガイドレールとの接触により大きな抵抗を受ける可能性がある。それに対して、実施例は、突起部前側底面とベルト背面との隙間が小さく、ベルト背面と突起との接着力もある程度の接着力を保持し、動摩擦係数も低いことがわかる。
本発明形態に係る突起付ベルトの突起部の概略図である。 本発明の突起付ベルトの使用状態を示す概略図である。 固着強度試験の模式図である。 突起部前側底面とベルト背面との隙間を測定した結果を示すグラフである。 突起とベルト本体との接着力を測定したグラフである。 突起を形成する材料の動摩擦係数を測定したグラフである。 従来の突起付ベルトの突起部の概略図である。
符号の説明
1 歯付ベルト本体
2 背部
3 歯部
5 突起
7 突起
9 熱硬化性樹脂層
11 ガイドフレーム
13 紙

Claims (4)

  1. 突起体をベルトの背面に起立させて一体的に設ける突起付ベルトの製造方法において、熱硬化性合成樹脂成形物からなるベルト本体背面にシアノアクリレート系接着剤、クロロプレンゴム系接着剤又はエポキシ系接着剤のうちから選ばれた一つを塗布し、上記接着剤の塗布が行われた該熱硬化性合成樹脂成形物上に摺動性を有する熱可塑性樹脂を射出成形することにより熱硬化性合成樹脂成形物と熱可塑性合成樹脂成形物とを固着一体成形し、熱可塑性合成樹脂成形物の突起を形成することを特徴とする突起付ベルトの製造方法。
  2. 前記摺動性を有する熱可塑性樹脂がポリアセタール、ポリアミド、又は高分子量ポリエチレンのいずれかから選ばれたものである請求項1に記載の突起付ベルトの製造方法。
  3. ベルト本体背面の平坦面の表面に請求項1又は2に記載の方法によって、直接射出成形によって、摺動性を有する熱可塑性合成樹脂製の突起部材が形成されたことを特徴とする突起付ベルト。
  4. 前記摺動性を有する熱可塑性樹脂がポリアセタール、ポリアミド、又は高分子量ポリエチレンのいずれかから選ばれたものである請求項3に記載の突起付ベルト。
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