JP2008290022A - プラズマ生成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】より広いガス条件でプラズマ放電できるプラズマ生成装置を提供すると共に、PFCなどの有害成分の除去効率を向上させるプラズマ生成装置を提供する。
【解決手段】ガス導入口1aとガス導出口1bを有する円筒状反応容器1に螺旋コイル2を巻回し、この螺旋コイルの2箇所に形成した電極5、6に高周波電源3からの高周波電力を印加して筒状反応容器内でプラズマを発生させ、ガス導入口から導入したガス中の有害成分を分解するプラズマ生成装置であって、螺旋コイルの全巻数が、螺旋コイルの2箇所の電極間の巻数よりも多くされる。ガス導入口側の電極の外側に存在するコイルの巻数をLとし、2つの電極間のコイルの巻数をMとしたとき、L/Mが0.3以上である。ガス導出口側の電極の外側に存在するコイルの巻数をNとし、2つの電極間のコイルの巻数をMとしたとき、N/Mが0.5以上である。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体製造技術、例えば、化学気相成長(CVD)プロセスやエッチングプロセスなどを行う半導体製造装置やフラットディスプレイ製造装置から排出される排ガス中に含まれるPFC(パーフルオロフロロカーボン類)などの温暖化係数の高いガスや毒性のあるガスを分解処理するために用いられるプラズマ生成装置に関するものである。
半導体製造装置から排出される排ガスには、Ar、Kr、Xe、He、Nなどの不活性ガスの他に、CF、C、C、C、C、C、C、COF、HF、SiF、NF、SFなど、多種多様なフッ化物ガスが含まれている。
これらのフッ化物ガスは、原料として半導体製造装置に供給されて、消費されずに系外に排出される成分や、半導体製造装置内での反応によって副生成される成分があり、1台の装置から数L/minの割合で排出される場合もある。
これらのフッ化物ガスが未処理のまま大気中に放出されると、大気汚染などの公害、毒性などの人体被害を引き起こしたり、オゾン層破壊や地球温暖化の原因となったりするため、排出規制が強化されており、高効率な分解処理が望まれている。
このような排ガス中からフッ化物ガス成分を除去する目的で広く使用されている処理方法として、燃焼処理方法、熱分解処理方法、乾式吸着除去方法、超臨界水分解処理方法およびプラズマ分解処理方法が挙げられる。
燃焼処理方法はNOxやSOxが排ガス中に含まれることが課題であり、熱分解処理方法は1000℃以上の高温にしなければCFを分解できないことが課題であり、乾式吸着方法は吸着飽和後の剤の処理方法が課題である。
また、前記3つの方法はいずれも除去効率を95%以上にできないことから、今後の高効率処理に適用することが困難である。また、超臨界水処理方法は装置が大掛かりになることが課題である。
これらの欠点に対して、特に95%以上の高効率除去が可能と言う観点からプラズマ分解除去方法が盛んに研究されている。プラズマ分解除去方法は、大きく分けて大気圧プラズマ方法と減圧プラズマ方法に分類される。
大気圧プラズマ方法は、粒子間衝突が激しくなるため、ガス温度が高くプラズマ中における分子の分解が生じやすいが、同時に分解後の不安定なフッ素成分やカーボン成分がプラズマ生成装置出口で再結合する確率が高く再結合PFC、主にCFを形成しやすくなる。従って、大気圧プラズマ方法は、除去効率を99%以上にすることが困難である。
一方、減圧プラズマでは、プラズマ生成装置で生成したラジカルが失活しにくいため、再結合PFCを生成する前に反応剤などで反応除去することが可能である。
例えば、本出願人は特許文献1において、減圧雰囲気でPFCをプラズマ分解し、減圧雰囲気のまま酸化カルシウム剤と反応させるPFC除去装置を開発し、CFを除去効率99.99%で除去できることを示した。
半導体製造装置からの排ガスを処理する減圧プラズマ方法として、排ガスを導入する絶縁材料からなる円筒状反応容器の外周に螺旋コイルを巻き付け、このコイルに高周波電力を印加することで円筒状反応容器内に高周波誘導結合プラズマを発生する方法が開発されている。
高周波誘導結合プラズマは、高速に反転を繰り返す電磁界によって、イオンあるいは電子が往復移動し、移動中の粒子間衝突によってプラズマが維持されるため、コイルを放電領域外に設置することが可能である。
また、コイルが放電領域外に設置されるため、プラズマによって励起状態になった高活性なラジカルおよびイオンによるコイルの腐食や消耗を受けないという利点もある。
更に、内部に冷却水を流通させられる中空パイプで螺旋コイルを形成したり、主たるコイルの隙間に細いコイルを巻き付けたりすることで、電力損失およびプラズマ着火電力の低減や、コイルおよびチャンバの耐久性向上を図ることが可能であると提言されている(例えば、特許文献2、3参照)。
ところで、高周波誘導結合プラズマでは、種類や濃度、流量、圧力などのガス変動およびプラズマ着火前後によってプラズマを生成するプラズマ生成装置の負荷インピーダンスが大幅に変動するという課題があり、半導体製造装置からの排ガスを処理する場合は負荷インピーダンスの大幅な変動に対応しなければいけない。
通常、高周波電力を印加する電源の出力インピーダンスを負荷インピーダンスに整合させるために、電源と電極との間に整合回路が設けられ、整合回路の構成要素である可変キャパシタンスまたは可変インダクタンスをサーボモーターなどの調整機構を介して調整する。また、整合回路として、周波数制御回路を用いる整合方法も提案されている(例えば、特許文献4参照)。
特開2006−326553号公報 特開平11−76740号公報 特開2002−210330号公報 特開2004−8893号公報
以上のように、半導体製造装置から排出される排ガス中に含まれるPFCなどの有害ガス成分を99%以上の高効率で除去する手段として、絶縁材料からなる円筒状容器の外周に螺旋コイルを巻き付け、減圧雰囲気にした円筒状反応容器内に高周波誘導結合プラズマを生成してPFCを分解除去する手法は有効である。
しかしながら、多種多様に変化する排ガスを処理するためには、高周波電源とコイルとの間に整合回路が設け、電源の出力インピーダンスを負荷インピーダンスに整合させる必要があるため、放電処理可能なガス条件が整合回路に依存するという課題がある。
さらに詳しく説明すると、整合可能なインピーダンス範囲は可変キャパシタンスまたは可変インダクタンスの容量に依存し、整合分解能はサーボモーターのステップ分解能に依存し、整合応答時間はモーターの動作速度に依存する。
つまり、広範囲で整合するためには調整範囲の大きな可変キャパシタンスまたは可変インダクタンスを設ける必要があるが、サーボモーターの性能が同じ場合には整合分解能が低下し、プラズマ放電の安定性が低下する。
一方、整合分解能を改善するにはサーボモーターのステップ分解能を上げる必要があるが、結果的に整合応答時間が長くなってしまい、排ガスの処理効率が低下するという課題が発生する。周波数制御回路を用いた整合方法が提案されているが、整合速度を早くすることを目的とするものであり、整合範囲を広げることによる整合分解能低下を防止するものではない。
また前述の通り、減圧雰囲気でPFCをプラズマ分解して減圧雰囲気のまま酸化カルシウム剤と反応させるPFC除去装置で、CFを除去効率99.99%で除去できることを示したが、プラズマチャンバ出口で再結合PFCが生成する前に反応剤と反応させることが重要となる。このため、プラズマ内で生成する活性種の寿命を長くする、または、プラズマ生成装置と酸化カルシウム剤の距離を近くすることが要求される。一方、前述のPFC除去装置を実用化するにあたっては、装置の設置場所などに起因して、プラズマ生成装置と酸化カルシウム剤を近距離に配置することが困難となる場合がある。
本発明は、上記背景技術の問題点に鑑みてなされたもので、より広いガス条件でプラズマ放電できるプラズマ生成装置を提供すると共に、PFCなどの有害成分の除去効率を向上させるプラズマ生成装置を提供することを目的とする。
かかる課題を解決するため、
請求項1にかかる発明は、ガス導入口とガス導出口を有する筒状反応容器に螺旋コイルを巻回し、この螺旋コイルの2箇所に形成した電極に高周波電源からの高周波電力を印加して筒状反応容器内でプラズマを発生させ、ガス導入口から導入したガス中の有害成分を分解するプラズマ生成装置であって、
螺旋コイルの全巻数が、螺旋コイルの2箇所の電極間の巻数よりも多くされたことを特徴とするプラズマ生成装置である。
請求項2にかかる発明は、螺旋コイルの一部が、前記電極のいずれか一方もしくは両方よりも外側に位置していることを特徴とする請求項1記載のプラズマ生成装置である。
請求項3にかかる発明は、ガス導入口側の電極の外側に存在するコイルの巻数をLとし、2つの電極間のコイルの巻数をMとしたとき、L/Mが0.3以上であることを特徴とする請求項2記載のプラズマ生成装置である。
請求項4にかかる発明は、ガス導出口側の電極の外側に存在するコイルの巻数をNとし、2つの電極間のコイルの巻数をMとしたとき、N/Mが0.5以上であることを特徴とする請求項2記載のプラズマ生成装置である。
本発明にあっては、螺旋コイルに形成した給電用の2箇所の電極よりも外側に螺旋コイルの一部が存在することになる。そして、ガス導入口側の電極の外側にコイルの一部が存在するものでは整合回路の負担を小さくすることが可能であり、この結果、同一の整合回路を用いる場合の整合可能なガス条件を広げることが可能である。
また、ガス導出口側の電極の外側にコイルの一部が存在するものでは、PFC分解効率を向上させることが可能である。
図1は、この発明のプラズマ生成装置の一例を示すものである。
この例のプラズマ生成装置は、アルミナや石英などの絶縁材料からなる円筒状反応容器1と、この円筒状反応容器1の外周面に巻回された導電性物質からなる螺旋コイル2と、前記螺旋コイル2に高周波電力を供給する高周波電源3と、この高周波電源3の出力インピーダンスを前記螺旋コイル2の負荷インピーダンスに整合させるための整合器4とから主に構成されている。なお、反応容器の形状は円筒状以外に角筒状でも良い。
前記円筒状反応容器1の両端部は、半導体製造装置などからの排ガスを導入するガス導入口1aと、この円筒状反応容器1内を減圧雰囲気にするとともにプラズマ処理後のガスを排出する排気ポンプに接続されるガス導出口1bとなっている。
また、螺旋コイル2には、その2箇所にそれぞれ電極が形成されており、前記ガス導入口1a側の電極は、前記整合器4を経て高周波電力を印加するための給電電極5とされ、前記ガス導出口側の電極は、印加した高周波電力を流出させるためのグランド電極6とされている。
このプラズマ生成装置にあっては、放電領域(反応容器内部空間)外に設置される螺旋コイル2に高周波電力を供給することで高速に電磁界を反転させてプラズマを生成するものである。したって、電磁界の反転速度すなわち周波数によって、電子およびイオンの移動距離や電離のしやすさが決まるため、高周波電源3の高周波電力の周波数は重要である。
例えば0.1〜2450MHzの周波数領域で高周波電源が市販されているが、0.1MHzオーダーでは電離効果が低く、1000MHzオーダーでは表皮効果の理由から導体での電力供給が困難なため、1〜100MHzの周波数を選定するのが良い。特に現状では、市販品の多い周波数が2MHz、13.56MHz、60MHzの高周波電源を選定するのが価格面でも物流面でも有利であるが、プラズマ生成面からはこれらに限定されることはない。
前記整合器4は、高周波電源3と負荷となる螺旋コイル1とのインピーダンスを整合させるための整合回路を有するもので、組成や濃度、流量、圧力などのガス変動およびプラズマ着火前後によって大幅に変動する負荷インピーダンスに対応できるようになっている。
前記整合回路は、コンデンサとインダクタンスの組合せで構成され、構成要素である可変キャパシタンスまたは可変インダクタンスを、サーボモータなどの調整機構を介して調整する。構成要素の並べ方に応じて、π型整合回路やL型整合回路と呼ばれるが、いずれかに限定するものではなく、合成することも可能である。また、サーボモーターを省くために電子部品のみで構成し、周波数を調整する回路を使用することもできる。
図2は、前記整合器4の一例を示すものである。この例の整合器4は、2個の可変コンデンサ4a、4bから構成される整合回路を有するもので、高周波電源3と給電電極5との間に第1の可変コンデンサ4aが接続され、この第1の可変コンデンサ4aの一端とアースとの間に第2の可変コンデンサ4bが接続されたもので、それぞれの可変コンデンサ4a、4bは、図示しないサーボモータなどのアクチュエータによりその容量が可変できるようになっている。
螺旋コイル1および両電極5、6の素材としては、導電性の高いものが良く、銅やアルミニウムなどを使用できるが、これに限ることはない。
高周波電源3の出力高周波の周波数が高くなるほど表皮効果が大きくなるため、電流が螺旋コイル1の表層のみを伝達するようになり、実質上の抵抗が大きくなるとともに電力損失が大きくなり、また、螺旋コイル1自体が発熱によって劣化しやすくなる場合がある。
この対策として、この例では、螺旋コイル2を中空パイプにより構成して、その内部に冷却水を通過させるようになっている。また、螺旋コイル2および両電極5、6の表面に銀メッキを施すこともその劣化を防止する点で有効である。螺旋コイル2を構成する中空パイプとしては、円柱状のものも、角柱状のものも使用することができる。
また、円筒状反応容器1と螺旋コイル2との隙間に充填物を充填することもできる。充填物を充填することにより、中空パイプからなる螺旋コイル2の内部に通過する冷却水の冷却効果が円筒状反応容器1に効率よく反映されて冷却され、プラズマ放電による円筒状反応容器1の温度上昇および熱ひずみを低減でき、円筒状反応容器1の耐久性向上に有効である。
充填物としては、シリコーン樹脂などが挙げられるが、絶縁性が高く耐熱性がある物質であればこれ以外の材料でも良い。
螺旋コイル1のうち、両電極5、6間に位置するコイル(以下、主要部と言う。)の巻数は、コイル半径および両電極5、6間の長さとともに、主要部のインダクタンスを決定する因子であり、使用する高周波電力の周波数と、主要部のインピーダンス設計から算出決定する。
従来技術では、この計算によって決定した巻数を有する螺旋コイルを巻回し、この螺旋コイルの両端部にそれぞれ電極を設けて高周波電力を印加するようにしているが、主要部の外側に別のコイルを配することが好ましいことを知見した。
図3は、螺旋コイル2の一例を拡大して示すものである。この例の螺旋コイル2は、円筒状反応容器1の軸方向に沿って3つの部分から構成されており、給電電極5とグランド電極6との間の部分は、前述の通り、主要部Mとされ、給電電極5よりもガス導入口1a側にある部分を導入口側部Lとされ、グランド電極6よりもガス導出口1b側の部分は、導出口側部Nとされている。
そして、主要部Mの巻回数Mは、前記計算方法によって決定される巻回数となっている。また、導入口側部Lおよび導出口側部Nのそれぞれの巻回数L、Nは、L≧0かつN≧0(但し、LまたはNのいずれか一方が0である場合には、他方は0ではない)とされ、これら2つの部分L、Nは、いずれか一方が存在することが必要となる。
さらに、導入口側部Lの巻回数Lは、主要部Mの巻回数Mの0.5倍以上とされ、導出口側部Nの巻回数Nは、主要部Mの巻回数Mの0.3倍以上とされることが好ましい。巻回数M、Nの上限値は、プラズマ生成装置の主要部である円筒状反応容器1の長さによって決められるが、通常いずれもMの15倍以下とされる。
前記導入口側部Lが存在すると、給電電圧よりも大きな電圧をガス導入口1a側のコイル端に印加する効果が得られる。このため、主要部Mに到達する前のガスを予備励起する効果が得られる。導入口側部Lの巻数Lと主要部Mの巻数Mとの比がL/M>0で効果が得られることが確認されているが、より大きいほど効果が大きい。しかし、プラズマ生成装置の大きさからその上限が定められる。
一方、前記導出側部Nが存在すると、主要部Mで生成されたプラズマが通過する時に、プラズマとグランドの間で容量結合の要素が誘起され、弱励起状態を形成する効果が得られる。導出口側部Nの巻回数Nと主要部Mの巻回数Mとの比N/M>0で効果が得られることが確認されているが、より大きいほど効果が大きい。しかし、プラズマ生成装置の大きさからその上限が定められる。
本発明のプラズマ生成装置では、高周波誘導結合プラズマが生成されるが、高周波誘導結合プラズマを生成するうえで、反応容器内のガス圧力は粒子間の衝突頻度を決める重要因子である。
圧力1Pa以下の低い希薄ガス雰囲気では、電離電子と粒子の衝突確率が低すぎるため、安定なプラズマの生成が困難である。一方、圧力が高すぎると、電子の助走距離すなわち衝突エネルギーや電離のしやすさが低下する。
放電開始電圧も、直流放電のパッシェンの法則に類似して、圧力と電極間距離に依存しており、圧力と電極間距離の積が大きくなると放電開始電圧が高くなる、すなわち高出力電源が必要となる。
以上の理由から、円筒状反応容器1の内部圧力は、0.1〜50Torr、より好ましくは1〜10Torrに設定する。また、排気ポンプに求められる排気能力は、排気ガス流量および容器内設定圧力から算出するが、数十%過剰な排気能力のポンプとコンダクタンス調整バルブを設けて、流量変動時の圧力変動を緩和することが有効である。
以下、具体例を示す。
(例1・・・ガス導入口側部Lを設けた例)
円筒状反応容器として内径42mmのアルミナ製円筒状容器を用い、前記円筒状容器の側面外周に巻き付ける螺旋コイルとして1/4インチ銅製中空パイプを使用した。銅製中空パイプの内部には15℃の水を1.5L/minで流した。
螺旋コイルには給電電極とグランド電極を設け、グランド電極は接地し、給電電極は図2に示すL型整合回路を介して2MHz高周波電源に接続して、0.5kWの高周波電力を供給した。螺旋コイルの巻数は、主要部Mの巻回数を10巻共通とし、ガス導入口側部Lの巻数を実施例Aでは10巻、実施例Bでは3巻、比較例Cでは0巻とした。ガス導出口側部Nは存在しない。
円筒状反応容器1の両端をSUS製のフランジに接続し、ガス導入口側から1000cc/minのArを導入するとともに、ガス導出口側から真空排気ポンプで排気した。なお、ガス導出口のSUS製フランジと真空排気ポンプの間に設けたコンダクタンス調整バルブを動作させて、円筒状反応容器内の圧力を1Torr一定に調整した。
放電においては、図2に示すL型整合回路の2つの可変コンデンサの容量を、それぞれ独立で制御することで、電源インピーダンスと負荷インピーダンスを整合した。前記2つの可変コンデンサの容量の組合せは、負荷からの反射電力、すなわち負荷への供給電力を決定するものであり、高周波電源からの供給電力の利用効率を決定するものである。
つまり、供給電力利用効率を高くするために、2つの可変コンデンサ容量が調整されることを意味するが、安定した放電状態を得るためには、供給電力利用効率を高くできるコンデンサ容量の組合せが多い方がより好ましい。
図4は、供給電力0.5kWに対する利用効率90%以上にできる可変コンデンサ容量の組合せ領域を示すものであり、図3に示した3つのコイルに関して図示している。なお、コイル巻数以外の全ての条件を共通として、比較した。
主要部の巻数を10巻、ガス導入口側部の巻数を10巻とした実施例Aの螺旋コイルを用いると、供給電力0.5kWに対する利用効率を90%以上にできる領域が、第1の可変コンデンサの容量が45から100%である範囲であり、かつ第2の可変コンデンサの容量が0から80%である範囲に存在している。
これは、本整合回路の調整可能領域の1/3程度で、良好な結果が得られることを意味する。
また、主要部Mの巻数Mを10巻、ガス導入口側部Lの巻数Lを3巻とした実施例Bの螺旋コイルを用いると、供給電力0.5kWに対する利用効率を90%以上にできる領域が、第1の可変コンデンサの容量が50から90%である範囲であり、かつ第2の可変コンデンサの容量が0から60%である範囲に存在している。
これは、本整合回路の調整可能領域の1/7程度で、良好な結果が得られることを意味する。
一方、主要部Mの巻回数Mを10巻とし、ガス導入口側部Lの巻数Lを0巻とした比較例Cの螺旋コイルを用いると、供給電力0.5kWに対する利用効率を90%以上にできる領域が、第1の可変コンデンサの容量が45から55%であり、かつ第2の可変コンデンサの容量が0から20%である範囲にのみ存在している。
これは、本整合回路の調整可能領域の1/50以下しか、良好な結果を得られないことを意味する。この結果は、ガス条件の変動による負荷インピーダンスの変動に対して、可変コンデンサの容量の調整を瞬時に細かく行わなければ、プラズマが失活することを意味しており、整合回路の負担が大きいことを意味する。
つまり、前述の通り、ガス導入口側部Lが存在するコイルを用いることで、整合回路の負担を軽減できると言える。同時に、整合回路の負担軽減効果を十分に得るには、主要部Mの巻数に対する、ガス導入口側部Lの巻数の比率が、0.3以上必要であると言える。
また、前記ガス導入部Lの巻数を増やす場合、プラズマ生成装置の大型化というデメリットが発生する。装置全長が2mを超えると、半導体製造工場の設備エリアへの搬入が困難になることから、前後の配管を考慮したプラズマ部分の長さは、1.5m以内が必須である。
実施例1の場合、主要部Mの長さが100mmに相当することから、前記ガス導入口側部Lの巻数の比率L/Mは15以上にはできない。整合回路の調整可能領域は、実施例A、Bおよび比較例Cの結果を元に前記巻数の比率L/Mに比例して拡大すると仮定しても比率3.2で飽和することになる。導入口側部Lによる効果は、徐々に低下することが予想されることから、前記巻数の比率L/Mは3.2以下で十分な効果が得られると判断できる。
(例2・・・ガス導出口側部Nを設けた例)
円筒状反応容器として内径42mmのアルミナ製円筒状容器を用い、前記円筒状反応容器の側面外周に巻き付ける螺旋コイルとして1/4インチ銅製中空パイプを使用した。銅製中空パイプの内部には15℃の水を1.5L/minで流した。
螺旋コイルには給電電極とグランド電極を設け、グランド電極は接地し、給電電極にはL型整合回路を介して2MHz高周波電源に接続して、1.0kWの高周波電力を供給した。
螺旋コイルの巻数は、両電極間(主要部)の巻数を10巻共通とし、ガス導出口側部の巻数を実施例Dでは11巻、実施例Eでは7巻、比較例Fでは4巻、比較例Gでは0巻とした。
円筒状反応容器の両端をSUS製のフランジに接続し、ガス導入口側から460cc/minのAr、30cc/minのO、10cc/minのCFを導入するとともに、ガス導出口側から真空排気ポンプで排気した。なお、ガス導出口のSUS製フランジと真空排気ポンプの間に設けたコンダクタンス調整バルブを動作させて、アルミナ製円筒状容器内の圧力を3Torr一定に調整した。なお、プラズマ生成装置のCFガス分解効率の評価は、真空排気ポンプの下流側に設置したフーリエ変換赤外分光計(FT−IR)でCF濃度を連続計測することで行った。
図5は、前記条件にてCFガスを分解させた時の分解効率に対するガス導出口側部Nのコイル巻数の影響を示したものである。なお、コイル巻数以外の全ての条件を共通とした。
主要部Mの巻数を10巻、ガス導出口側部Nの巻数を11巻とした実施例Dのコイルを用いると、供給電力1.0kWで10cc/minのCFを99.9%の高効率で分解することができる。また、主要部Mの巻数を10巻、ガス導出口側部Nの巻数を7巻とした実施例Eのコイルを用いると、供給電力1.0kWで10cc/minのCFを99.8%の高効率で分解することができる。
一方、主要部Mの巻数を10巻、ガス導出口側部Nの巻数を4巻とした比較例Fの螺旋コイル、または主要部Mの巻数を10巻、ガス導出口側部Nの巻数を0巻とした比較例Gの螺旋コイルを用いると、供給電力1.0kWで10cc/minのCFを分解した時の分解効率が99.0%未満となる。
また、図5より、ガス導出口側部Nを設けることで分解効率が改善されることがわかる。更に、主要部Mの巻数に対するガス導出口側部Nの巻数の比率N/Mが、0.5以上であると、分解効率を99.0%以上になることがわかる。現在市場で使用されている大気圧プラズマ除害装置が98から99%程度であることから、分解効率を99.0%以上とする前記巻数比N/Mが0.5以上が必要と言える。
一方、前記ガス導出口側部Nの比率を増やす場合、プラズマ生成装置の大型化というデメリットが発生する。装置全長が2mを超えると、半導体製造工場の設備エリアへの搬入が困難になることから、前後の配管を考慮したプラズマ部分の長さは、1.5m以内が必須である。
主要部の長さが100mmに相当することから、前記巻数の比率N/Mは15以上にはできない。なお、図5の結果より、前記巻数の比率N/Mの拡大効果は、徐々に低下しており、前記巻数の比率N/Mが1.1以下で十分な効果が得られると判断できる。
本発明のプラズマ生成装置の一例を示す概略構成図である。 本発明のプラズマ生成装置に用いられる整合器の構成を示す図面である。 本発明のプラズマ生成装置の要部の例を示す概略構成図である。 実施例1の結果を示すグラフである。 実施例2の結果を示すグラフである。
符号の説明
1・・円筒状反応容器、1a・・ガス導入口、1b・・ガス導出口、2・・螺旋コイル、3・・高周波電源、4・・整合器、5・・給電電極、6・・グランド電極、M・・主要部、L・・ガス導入口側部、N・・ガス導出口側部

Claims (4)

  1. ガス導入口とガス導出口を有する筒状反応容器に螺旋コイルを巻回し、この螺旋コイルの2箇所に形成した電極に高周波電源からの高周波電力を印加して筒状反応容器内でプラズマを発生させ、ガス導入口から導入したガス中の有害成分を分解するプラズマ生成装置であって、
    螺旋コイルの全巻数が、螺旋コイルの2箇所の電極間の巻数よりも多くされたことを特徴とするプラズマ生成装置。
  2. 螺旋コイルの一部が、前記電極のいずれか一方もしくは両方よりも外側に位置していることを特徴とする請求項1記載のプラズマ生成装置。
  3. ガス導入口側の電極の外側に存在するコイルの巻数をLとし、2つの電極間のコイルの巻数をMとしたとき、L/Mが0.3以上であることを特徴とする請求項2記載のプラズマ生成装置。
  4. ガス導出口側の電極の外側に存在するコイルの巻数をNとし、2つの電極間のコイルの巻数をMとしたとき、N/Mが0.5以上であることを特徴とする請求項2記載のプラズマ生成装置。
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