JP2008289322A - 制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】低コストで電動機のトルクリプルや振動・騒音を低減させる制御装置を提供する。
【解決手段】回転駆動力を発生させる巻線を有する電動機10aと、電動機10aの巻線に供給される回転駆動電流を制御するための第1制御信号と高調波電流を制御するための第2制御信号とを生成する電動機制御手段19aと、電動機制御手段19aにより生成された第1制御信号に基づき電動機10aを回転駆動させる回転駆動電流を供給する電流駆動手段16aと、電動機制御手段19aにより生成された第2制御信号に基づき電動機10aの巻線に供給される高調波電流を供給する高調波電流駆動手段20aとを備える。
【選択図】図1
【解決手段】回転駆動力を発生させる巻線を有する電動機10aと、電動機10aの巻線に供給される回転駆動電流を制御するための第1制御信号と高調波電流を制御するための第2制御信号とを生成する電動機制御手段19aと、電動機制御手段19aにより生成された第1制御信号に基づき電動機10aを回転駆動させる回転駆動電流を供給する電流駆動手段16aと、電動機制御手段19aにより生成された第2制御信号に基づき電動機10aの巻線に供給される高調波電流を供給する高調波電流駆動手段20aとを備える。
【選択図】図1
Description
本発明は、電動機を制御する制御装置に係り、特に電動機のトルクリプルや振動・騒音を低減させる制御装置に関する。
図6は、従来の電動機10を制御する制御装置の構成を示す図である。電動機10は、一般的には固定子に3相巻線(U相,V相,W相)が巻かれていて、巻線へ供給された電流により、回転駆動力を発生する。
回転角検出手段12は、電動機10の回転角を検出する。回転角検出手段により検出された回転角は、電動機制御手段19で回転速度の計算やベクトル制御での変換位相等に用いられる。
目標設定手段14は、目標回転速度や目標トルク等の電動機制御の目標を設定する。設定された電動機制御の目標値は、電動機制御手段19に入力され、電動機制御手段19における制御目標となる。
電動機制御手段19は、電動機10の回転角や電動機10の電流に基づいて、回転速度の計算やベクトル制御、トルク計算等を行うとともに、目標設定手段14により設定された制御目標値に基づき、電動機10への供給電流を制御するための制御信号を生成する。
電流駆動手段16は、例えばインバータであり、電動機制御手段19により生成された制御信号に基づき電流を駆動する。駆動された電流は、電動機10の巻線へ供給される。
電流検出手段18は、電流駆動手段16により駆動された電流を検出する。検出された電流値は、電動機制御手段19でトルク計算等に用いられる。
一般に、永久磁石同期電動機は、誘導電動機に比べ同じ出力に対して小型に製作が可能である。そのため、永久磁石同期電動機は、近年様々なシステムの駆動部に使われつつある。
しかしながら、永久磁石同期電動機において、磁極を回転させる電機子磁束の変化は、本来ならば正弦波状であるべきところ、スロットの影響により歪んでしまう。この磁束変化の歪みは、電動機の発生トルクを脈動させ、回転むらや振動・騒音等の要因となる。
理想的には、電機子巻線電流により生成される磁束の空間分布は、正弦波状が望ましい。ところが、実際には電機子巻線の本数が有限であるため、電機子巻線電流により生成される磁束の空間分布は、階段状となる。実磁束分布は、磁極がスロットを通過する度に階段状の形状を変化させるため、スロットリプルとして発生トルクを歪ませる要因となる。
電動機巻線のスキュー等の対策により、トルクリプルを問題のないレベルに抑えることもできるが、コスト上昇を招く。
また、トルクリプルの低減方法として、例えば、トルクリプルが電動機の回転角と相関性を持つことからこの相関関係を記憶装置に記憶させ、電動機の回転角に基づいてこれと対応するトルクリプルデータを読み出し、トルク指令値からリプル分を差し引いたものを新たなトルク指令値とする方法がある(例えば、特許文献1参照)。
また、電動機回転角θと、調整ゲインAと初期位相αとから、トルクリプル補正信号Tcomp=A・sin(n×θ+α)を演算し、電動機の回転周期に同期させてフィードフォワード的に目標トルク指令に加算してトルクリプルを打ち消す方法がある(例えば、特許文献2参照)。
特開平11−299277号公報
特開平7−129251号公報
しかしながら、上述したような方法を用いても、トルクリプルや振動・騒音の低減を行うためには、電流駆動手段に容量の大きい高速なパワーデバイスを用いる必要があり、多大なコストを要するという問題がある。
本発明は上述した従来技術の問題点を解決するもので、低コストで電動機のトルクリプルや振動・騒音を低減させる制御装置を提供することを課題とする。
本発明に係る制御装置は、上記課題を解決するために、第1の発明は、回転駆動力を発生させる巻線を有する電動機と、前記電動機の巻線に供給される回転駆動電流を制御するための第1制御信号と高調波電流を制御するための第2制御信号とを生成する電動機制御手段と、前記電動機制御手段により生成された第1制御信号に基づき前記電動機を回転駆動させる回転駆動電流を供給する第1電流駆動手段と、前記電動機制御手段により生成された第2制御信号に基づき前記電動機の巻線に供給される高調波電流を供給する第2電流駆動手段とを備えることを特徴とする。
第2の発明は、回転駆動力を発生させる巻線を有する電動機と、前記電動機の巻線に供給される第1電流を制御し且つデッドタイムを調整するための第1制御信号と、前記電動機の巻線に供給される第2電流を制御し且つデッドタイムを調整するための第2制御信号とを生成する電動機制御手段と、前記電動機制御手段により生成された第1制御信号に基づき第1電流を供給するとともにデッドタイムを調整する第1電流駆動手段と、前記電動機制御手段により生成された第2制御信号に基づき第2電流を供給するとともにデッドタイムを調整する第2電流駆動手段とを備えることを特徴とする。
本発明の第1の発明によれば、回転駆動電流を供給する第1電流駆動手段の他に、高調波電流を供給するための容量が小さく応答が速い第2電流駆動手段を備えることで、低コストでトルクリプルや振動・騒音の低減を行うことができる。
本発明の第2の発明によれば、デッドタイムを調整する電動機制御手段を備えることで、低コストでトルクリプルや振動・騒音の低減を行うことができる。
以下、本発明の制御装置の実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。
以下、本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の実施例1の制御装置の構成を示すブロック図である。なお、図6における構成要素と同一ないし均等のものは、前記と同一符号を以て示し、重複した説明を省略する。
まず、本実施の形態の構成を説明する。図1に示すように、本実施の形態の制御装置は、電動機10a、回転角検出手段12、目標設定手段14a、電流駆動手段16a、電流検出手段18、電動機制御手段19a、高調波電流駆動手段20a、電流検出手段22、及び電流合成手段24aで構成されている。
電動機10aは、回転駆動力を発生させる巻線を有し、巻線へ供給された電流により、回転駆動力を発生する。回転角検出手段12は、電動機10aの回転角を検出する。目標設定手段14aは、目標回転速度や目標トルク等の電動機制御の目標を設定する。
電動機制御手段19aは、電動機10aの回転角や電動機10aの電流に基づいて、回転速度の計算やベクトル制御、トルク計算等を行うとともに、目標設定手段14aにより設定された制御目標値に基づき、電動機10aの巻線に供給される回転駆動電流を制御するための第1制御信号と高調波電流を制御するための第2制御信号とを生成する。具体的には、電動機制御手段19aは、トルクリプルを低減するために、例えば回転駆動電流の周波数の6倍の周波数を有するトルクリプルを発生させるのに相当する電流を計算し、その計算された電流の逆位相の電流が高調波電流として供給されるように第2制御信号を生成する。
なお、電動機10aが3相巻線を有する場合、トルクリプルは、一般的に回転駆動電流の周波数の6倍の周波数を有するが、12倍、18倍の周波数を有する可能性も考えられる。そのような場合であっても、電動機制御手段19aは、トルクリプルを低減するために適切な高調波電流を計算し、第2制御信号を生成する。
電流駆動手段16aは、本発明の第1電流駆動手段に対応し、電動機制御手段19aにより生成された第1制御信号に基づき電動機10aを回転駆動させる回転駆動電流を供給する。したがって、電流駆動手段16aは、電動機10aの回転駆動力を発生させる容量を必要とするため、容量の大きく低コストな汎用インバータが用いられる。
電流検出手段18は、本発明の第1電流検出手段に対応し、電流駆動手段16aにより供給された回転駆動電流を検出する。検出された回転駆動電流は、電動機制御手段19aにおいてトルク計算等に用いられる。
高調波電流駆動手段20aは、本発明の第2電流駆動手段に対応し、電動機制御手段19aにより生成された第2制御信号に基づき電動機10aの巻線に供給されるための高調波電流を供給する。本実施例においては、高調波電流駆動手段20aにより供給された高調波電流は、直接電動機10aの巻線に供給されるわけではなく、電流合成手段24aを介して電動機10aの巻線に供給される。高調波電流駆動手段20aは、回転駆動力に比べて小さいトルクリプルや振動・騒音を低減させる容量のものでよいため、例えばパワーアンプのような小さい容量で高速なパワーデバイスが用いられる。
電流検出手段22は、本発明の第2電流検出手段に対応し、高調波電流駆動手段20aにより供給された高調波電流を検出する。検出された高調波電流は、電動機制御手段19aにおいてトルクリプルや振動の計算等に用いられる。
したがって、電動機制御手段19aは、回転角検出手段12により検出された回転角と、電流検出手段18により検出された回転駆動電流と、電流検出手段22により検出された高調波電流とに基づき第1制御信号及び第2制御信号を生成する。
電流合成手段24aは、電流駆動手段16aにより供給された回転駆動電流と第2電流駆動手段により供給された高調波電流とを合成する。この電流合成手段24aは、例えば合成トランスであり、一次側に2つの巻線を有し、それらの巻線の電流が合成された電流が2次側の巻線へ合成するものである。合成された電流は、電動機10aの巻線へ供給される。
次に、上述のように構成された本実施の形態の作用を説明する。まず、目標設定手段14aは、目標回転速度や目標トルク等の電動機制御の目標を設定し、設定した制御目標値を電動機制御手段19aに出力する。
電動機制御手段19aは、回転角検出手段12により検出された電動機10aの回転角、電流検出手段18により検出された回転駆動電流、及び電流検出手段22により検出された高調波電流とに基づいて、回転速度の計算やベクトル制御、トルク計算等を行うとともに、目標設定手段14aにより設定された制御目標値に基づき、電動機10aの巻線に供給される回転駆動電流を制御するための第1制御信号と高調波電流を制御するための第2制御信号とを生成する。さらに電動機制御手段19aは、第1制御信号を電流駆動手段16aに出力し、第2制御信号を高調波電流駆動手段20aに出力する。
電流駆動手段16aは、電動機制御手段19aにより生成された第1制御信号に基づき電動機10aを回転駆動させる回転駆動電流を供給し、電流検出手段18を介して電流合成手段24aに出力する。
電流検出手段18は、電流駆動手段16aにより供給された回転駆動電流を検出し、検出した電流値を電動機制御手段19aに出力する。
高調波電流駆動手段20aは、電動機制御手段19aにより生成された第2制御信号に基づき電動機10aの巻線に供給されるための高調波電流を供給し、電流検出手段22を介して電流合成手段24aに出力する。
電流検出手段22は、高調波電流駆動手段20aにより供給された高調波電流を検出し、検出した電流値を電動機制御手段19aに出力する。
電流合成手段24aは、電流駆動手段16aにより供給された回転駆動電流と高調波電流駆動手段20aにより供給された高調波電流とを合成し、合成した電流を電動機10aの巻線に出力する。
電動機10aは、電流合成手段24aにより入力された合成電流の回転駆動電流成分によって回転駆動を行うとともに、合成電流の高調波電流成分によってトルクリプルを除去し、振動・騒音を低減する。
上述のとおり、本発明の実施例1の形態に係る制御装置によれば、トルクリプルや振動・騒音の低減を行うために容量が大きく高速なパワーデバイスを用いて電流駆動を行う場合に比べ、回転駆動電流を供給する容量の大きな第1電流駆動手段と、高調波電流を供給するための容量が小さく応答が速い第2電流駆動手段とを備えることで、低コストでトルクリプルや振動・騒音の低減を行うことができる。この第2電流駆動手段は、低容量な分、高速性が期待でき、よりトルクリプルの低減に貢献しうる。
また、電流検出手段18と電流検出手段22とにより、回転駆動電流と高調波電流の電流値を個別に検出して電動機制御手段19aにフィードバックするので、それぞれの電流を安定して供給できるとともに、トルクリプルを除去するのに最適な高調波電流を求めることができる。
図2は、本発明の実施例2の制御装置の構成を示すブロック図である。まず、本実施の形態の構成を説明する。実施例1の構成と異なる点は、電流合成手段24aが無く、代わりに電動機10bが電流駆動手段16bにより供給された回転駆動電流を流す第1巻線と高調波電流駆動手段20bにより供給された高調波電流を流す第2巻線とを備えている点である。
電動機10bは、固定子のスロット部分にエナメル線等を巻くことにより構成した巻線を備えている。本実施例において、電動機10bは、固定子に巻かれた回転駆動力を発生させる第1巻線と高調波力を発生させる第2巻線とを備えている。
第1巻線と第2巻線は、いずれかの巻線を固定子に巻いた後に残りの巻線を巻いて構成することができる。また、第1巻線と第2巻線は、線自体に図5に示すような同軸線30や多芯線を適用することもできる。
一般的に電動機の2つの巻線を製作する場合、巻数を2つに分けるか、又は巻位置(スロット)を分ける必要があるので、従来よりも製作コストがかかる。しかしながら、固定子に巻く巻線に同軸線30を用いることにより、製作コストを抑えることができる。
同軸線30を用いる場合、電動機10bは、電流駆動手段16bにより供給された回転駆動電流と高調波電流駆動手段20bにより供給された高調波電流とをそれぞれ内側の線と外側の線に個別に流した同軸線30を巻線として備える。
同軸線30は、内側の線と外側の線との間、及び外側の線のさらに外側に絶縁物を備えており、線間で短絡が起きるのを防ぐ。また、巻線の端部において、内側の線は、外側の線よりも長くし、短絡が起きないように分けられている。
なお、実施例1の電流合成手段24aとして合成トランスを用いる場合、その一次巻線に同軸線30を用いることで、低コストに2つの巻線を構成することもできる。
その他の構成は、実施例1と同様であり、重複した説明を省略する。
次に、上述のように構成された本実施の形態の作用を説明する。電動機制御手段19bが電動機10bの巻線に供給される回転駆動電流を制御するための第1制御信号と高調波電流を制御するための第2制御信号とを生成し、それぞれ電流駆動手段16bと高調波電流駆動手段20bとに出力するまでの動作は、実施例1と同様である。
電流駆動手段16bは、電動機制御手段19bにより生成された第1制御信号に基づき電動機10bを回転駆動させる回転駆動電流を供給し、電流検出手段18を介して電動機10bの固定子に巻かれた回転駆動力を発生させる第1巻線に出力する。
高調波電流駆動手段20bは、電動機制御手段19bにより生成された第2制御信号に基づき高調波電流を供給し、電流検出手段22を介して電動機10bの固定子に巻かれた高調波力を発生させる第2巻線に出力する。
電動機10bは、第1巻線に流れる回転駆動電流によって回転駆動を行うとともに、第2巻線に流れる高調波電流により発生した高調波力によってトルクリプルを除去し、振動・騒音を低減する。
上述のとおり、本発明の実施例2の形態に係る制御装置によれば、実施例1の効果に加え、電流合成手段を必要としないので、低コストでトルクリプルや振動・騒音の低減を行うことができる。
さらに、同軸線30を巻線として用いる場合には、同軸線30の内側の線と外側の線とに個別に回転駆動電流と高調波電流とを流すことができるので、1本の同軸線30で第1巻線と第2巻線との役割を果たすことができ、低コストである。
図3は、本発明の実施例3の制御装置の構成を示すブロック図である。まず、本実施の形態の構成を説明する。図3に示すように、本実施の形態の制御装置は、電動機10c、回転角検出手段12、目標設定手段14c、電流駆動手段16c、電流検出手段18、電動機制御手段19c、電流駆動手段20c、電流検出手段22、及び電流合成手段24cで構成されている。
電動機10cは、回転駆動力を発生させる巻線を有し、巻線へ供給された電流により、回転駆動力を発生する。回転角検出手段12は、電動機10cの回転角を検出する。目標設定手段14cは、目標回転速度や目標トルク等の電動機制御の目標を設定する。
電動機制御手段19cは、電動機10cの回転角や電動機10cの電流に基づいて、回転速度の計算やベクトル制御、トルク計算等を行うとともに、目標設定手段14cにより設定された制御目標値に基づき、電動機10cの巻線に供給される第1電流を制御し且つデッドタイムを調整するための第1制御信号と、第1電流と共に電動機10cの巻線に供給されて電動機10cのトルクリプルを低減するための第2電流を制御し且つデッドタイムを調整するための第2制御信号とを生成する。
具体的には、電動機制御手段19cは、トルクリプルを低減するために、例えば回転駆動電流の周波数の6倍の周波数を有するトルクリプルを発生させるのに相当する電流を計算し、その計算された電流の逆位相の高調波電流を求める。
求められた高調波電流を制御するために、電動機制御手段19cは、電流駆動手段16cと電流駆動手段20cとに対するデッドタイムを調整する。
一般的に、これらの電流駆動手段として用いられるインバータは、パワーデバイスのデッドタイムを有する。例えば、三相電圧形インバータは、固定子電圧の基本波成分に対応する正弦波の指令電圧信号を用いてこれと整合したパルス列を生成し、これに従ったインバータ出力電圧を発生させて、各レグを互いに60度ずつずらしながら上下のアームを交互に180度導通させて切り替わるが、同一レグの上下アームが同時にオンすることによる短絡を防ぐため数μsのデッドタイムを設ける必要がある。
通常デッドタイムは、高調波電流が出ないような値に調整されているが、本実施例において、電動機制御手段19cは、このデッドタイムを積極的に調整することにより、(もっとも一般的な回転駆動電流周波数の6倍の周波数を有する)高調波電流を制御する。
第1電流と第2電流とは、電流合成手段24cで合成され、電動機10cに入力されることで、回転駆動力及び高調波力を電動機10cに与え、回転駆動を行うとともに、トルクリプルを低減して振動や騒音を抑制する。
ここで、トルクリプルや振動を低減するために、電動機制御手段19cは、高調波電流の振幅(ゲイン)と位相の両方を合わせる必要がある。インバータのデッドタイム補償を調整することによって高調波電流は制御されるが、1つのインバータで高調波電流の振幅と位相の両方を任意の値にすることはできず、トルクリプルや振動の低減に限界がある。
そこで、本実施例においては、電流駆動手段16cと電流駆動手段20cとを設け、それぞれのデッドタイム補償を調整することにより、本発明の制御装置は、高調波電流の振幅と位相の両方をトルクリプルの低減に最適な値に制御することができる。
詳述すると、電流合成手段24cから電動機10cに出力される第1電流と第2電流の合成電流は、2つの周波数の組み合わせであり、回転駆動を行うとともにトルクリプルを低減するのに最適なそれぞれの周波数に対する振幅と位相を有している必要がある。そこで、電動機制御手段19cは、それぞれの周波数の振幅と位相に対する第1電流と第2電流及び各電流駆動手段のデッドタイムの関係式を求め、その関係式を用いて、電動機10cの巻線に供給される第1電流を制御し且つデッドタイムを調整するための第1制御信号と、第1電流と共に電動機10cの巻線に供給されて電動機10cのトルクリプルを低減するための第2電流を制御し且つデッドタイムを調整するための第2制御信号とを生成する。
電流駆動手段16cは、電動機制御手段19cにより生成された第1制御信号に基づき第1電流を供給するとともにデッドタイムを調整する。
電流駆動手段20cは、電動機制御手段19cにより生成された第2制御信号に基づき第2電流を供給するとともにデッドタイムを調整する。
電流検出手段18は、電流駆動手段16cにより供給された第1電流を検出し、検出した電流値を電動機制御手段19cに出力する。
電流検出手段22は、高調波電流駆動手段20cにより供給された第2電流を検出し、検出した電流値を電動機制御手段19cに出力する。
したがって、電動機制御手段19cは、回転角検出手段12により検出された回転角と、電流検出手段18により検出された第1電流と、電流検出手段22により検出された第2電流とに基づき第1制御信号及び第2制御信号を生成する。
電流合成手段24cは、電流駆動手段16cにより供給された第1電流と第2電流駆動手段により供給された第2電流とを合成する。
次に、上述のように構成された本実施の形態の作用を説明する。まず、目標設定手段14cは、目標回転速度や目標トルク等の電動機制御の目標を設定し、設定した制御目標値を電動機制御手段19cに出力する。
電動機制御手段19cは、回転角検出手段12により検出された電動機10cの回転角、電流検出手段18により検出された第1電流、及び電流検出手段22により検出された第2電流とに基づいて、回転速度の計算やベクトル制御、トルク計算等を行うとともに、目標設定手段14cにより設定された制御目標値に基づき、電動機10cの巻線に供給される第1電流を制御し且つデッドタイムを調整するための第1制御信号と、第1電流と共に電動機10cの巻線に供給されて電動機10cのトルクリプルを低減するための第2電流を制御し且つデッドタイムを調整するための第2制御信号とを生成する。さらに電動機制御手段19cは、第1制御信号を電流駆動手段16cに出力し、第2制御信号を電流駆動手段20cに出力する。
電流駆動手段16cは、電動機制御手段19cにより生成された第1制御信号に基づき第1電流を供給するとともにデッドタイムを調整し、電流検出手段18を介して電流合成手段24cに出力する。
電流検出手段18は、電流駆動手段16cにより供給された第1電流を検出し、検出した電流値を電動機制御手段19cに出力する。
電流駆動手段20cは、電動機制御手段19cにより生成された第2制御信号に基づき第2電流を供給するとともにデッドタイムを調整し、電流検出手段22を介して電流合成手段24cに出力する。
電流検出手段22は、電流駆動手段20cにより供給された第2電流を検出し、検出した電流値を電動機制御手段19cに出力する。
電流合成手段24cは、電流駆動手段16cにより供給された第1電流と電流駆動手段20cにより供給された第2電流とを合成し、合成した電流を電動機10cの巻線に出力する。
電動機10cは、電流合成手段24cにより入力された合成電流の回転駆動電流成分によって回転駆動を行うとともに、合成電流の高調波電流成分によってトルクリプルを除去し、振動・騒音を低減する。
上述のとおり、本発明の実施例3の形態に係る制御装置によれば、実施例1の効果に加え、電流駆動手段16cと電流駆動手段20cのデッドタイムを調整することにより、トルクリプルや振動・騒音の低減を行うための高調波電流を制御することができる。
図4は、本発明の実施例4の制御装置の構成を示すブロック図である。まず、本実施の形態の構成を説明する。実施例3の構成と異なる点は、電流合成手段24cが無く、代わりに電動機10dが電流駆動手段16dにより供給された第1電流を流す第1巻線と電流駆動手段20dにより供給された第2電流を流す第2巻線とを備えている点である。
電動機10dは、固定子のスロット部分にエナメル線等を巻くことにより構成した巻線を備えている。本実施例において、電動機10dは、固定子に巻かれた第1電流を流す第1巻線と第2電流を流す第2巻線とを備えている。
第1巻線と第2巻線は、いずれかの巻線を固定子に巻いた後に残りの巻線を巻いて構成することができる。また、第1巻線と第2巻線は、線自体に図5に示すような同軸線30や多芯線を適用することもできる。
同軸線30を用いる場合、電動機10dは、電流駆動手段16dにより供給された第1電流と電流駆動手段20dにより供給された第2電流とをそれぞれ内側の線と外側の線に個別に流した同軸線30を巻線として備える。
なお、実施例3の電流合成手段24cとして合成トランスを用いる場合、その一次巻線に同軸線30を用いることで、低コストに2つの巻線を構成することもできる。
その他の構成は、実施例3と同様であり、重複した説明を省略する。
次に、上述のように構成された本実施の形態の作用を説明する。電動機制御手段19dが第1制御信号と第2制御信号とを生成し、それぞれ電流駆動手段16dと電流駆動手段20dとに出力するまでの動作は、実施例3と同様である。
電流駆動手段16dは、電動機制御手段19dにより生成された第1制御信号に基づき第1電流を供給するとともにデッドタイムを調整し、電流検出手段18を介して電動機10dの固定子に巻かれた第1巻線に出力する。
電流駆動手段20dは、電動機制御手段19dにより生成された第2制御信号に基づき第2電流を供給するとともにデッドタイムを調整し、電流検出手段22を介して電動機10dの固定子に巻かれた第2巻線に出力する。
電動機10dは、第1巻線に流れる第1電流と第2巻線に流れる第2電流によって生じる回転駆動力及び高調波力により、回転駆動を行うとともに、トルクリプルを除去し、振動・騒音を低減する。
上述のとおり、本発明の実施例4の形態に係る制御装置によれば、実施例3の効果に加え、電流合成手段を必要としないので、低コストでトルクリプルや振動・騒音の低減を行うことができる。
さらに、同軸線30を巻線として用いる場合には、同軸線30の内側の線と外側の線とに個別に第1電流と第2電流とを流すことができるので、1本の同軸線30で第1巻線と第2巻線との役割を果たすことができ、低コストである。
本発明に係る制御装置は、様々なシステムの駆動部に用いられる電動機を制御する制御装置に利用可能である。
10、10a、10b、10c、10d 電動機
12 回転角検出手段
14、14a、14b、14c、14d 目標設定手段
16、16a、16b、16c、16d 電流駆動手段
18 電流検出手段
20a、20b 高調波電流駆動手段
20c、20d 電流駆動手段
22 電流検出手段
24a、24c 電流合成手段
12 回転角検出手段
14、14a、14b、14c、14d 目標設定手段
16、16a、16b、16c、16d 電流駆動手段
18 電流検出手段
20a、20b 高調波電流駆動手段
20c、20d 電流駆動手段
22 電流検出手段
24a、24c 電流合成手段
Claims (10)
- 回転駆動力を発生させる巻線を有する電動機と、
前記電動機の巻線に供給される回転駆動電流を制御するための第1制御信号と高調波電流を制御するための第2制御信号とを生成する電動機制御手段と、
前記電動機制御手段により生成された第1制御信号に基づき前記電動機を回転駆動させる回転駆動電流を供給する第1電流駆動手段と、
前記電動機制御手段により生成された第2制御信号に基づき前記電動機の巻線に供給される高調波電流を供給する第2電流駆動手段と、
を備えることを特徴とする制御装置。 - 前記電動機の回転角を検出する回転角検出手段と、
前記第1電流駆動手段により供給された回転駆動電流を検出する第1電流検出手段と、
前記第2電流駆動手段により供給された高調波電流を検出する第2電流検出手段とを備え、
前記電動機制御手段は、前記回転角検出手段により検出された回転角と、前記第1電流検出手段により検出された回転駆動電流と、前記第2電流検出手段により検出された高調波電流とに基づき第1制御信号及び第2制御信号を生成することを特徴とする請求項1記載の制御装置。 - 前記第1電流駆動手段により供給された回転駆動電流と前記第2電流駆動手段により供給された高調波電流とを合成する電流合成手段を備えることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の制御装置。
- 前記電動機は、前記第1電流駆動手段により供給された回転駆動電流を流す第1巻線と前記第2電流駆動手段により供給された高調波電流を流す第2巻線とを備えることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の制御装置。
- 前記電動機は、前記第1電流駆動手段により供給された回転駆動電流と前記第2電流駆動手段により供給された高調波電流とをそれぞれ内側の線と外側の線に個別に流した同軸線を巻線として備えることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の制御装置。
- 回転駆動力を発生させる巻線を有する電動機と、
前記電動機の巻線に供給される第1電流を制御し且つデッドタイムを調整するための第1制御信号と、前記第1電流と共に前記電動機の巻線に供給されて前記電動機のトルクリプルを低減するための第2電流を制御し且つデッドタイムを調整するための第2制御信号とを生成する電動機制御手段と、
前記電動機制御手段により生成された第1制御信号に基づき第1電流を供給するとともにデッドタイムを調整する第1電流駆動手段と、
前記電動機制御手段により生成された第2制御信号に基づき第2電流を供給するとともにデッドタイムを調整する第2電流駆動手段と、
を備えることを特徴とする制御装置。 - 前記電動機の回転角を検出する回転角検出手段と、
前記第1電流駆動手段により供給された第1電流を検出する第1電流検出手段と、
前記第2電流駆動手段により供給された第2電流を検出する第2電流検出手段とを備え、
前記電動機制御手段は、前記回転角検出手段により検出された回転角と、前記第1電流検出手段により検出された第1電流と、前記第2電流検出手段により検出された第2電流とに基づき第1制御信号及び第2制御信号を生成することを特徴とする請求項6記載の制御装置。 - 前記第1電流駆動手段により供給された第1電流と前記第2電流駆動手段により供給された第2電流とを合成する電流合成手段を備えることを特徴とする請求項6又は請求項7記載の制御装置。
- 前記電動機は、前記第1電流駆動手段により供給された第1電流を流す第1巻線と前記第2電流駆動手段により供給された第2電流を流す第2巻線とを備えることを特徴とする請求項6又は請求項7記載の制御装置。
- 前記電動機は、前記第1電流駆動手段により供給された第1電流と前記第2電流駆動手段により供給された第2電流とをそれぞれ内側の線と外側の線に個別に流した同軸線を巻線として備えることを特徴とする請求項6又は請求項7記載の制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007134163A JP2008289322A (ja) | 2007-05-21 | 2007-05-21 | 制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2007134163A JP2008289322A (ja) | 2007-05-21 | 2007-05-21 | 制御装置 |
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JP2008289322A true JP2008289322A (ja) | 2008-11-27 |
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Family Applications (1)
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JP2007134163A Pending JP2008289322A (ja) | 2007-05-21 | 2007-05-21 | 制御装置 |
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JP (1) | JP2008289322A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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2007
- 2007-05-21 JP JP2007134163A patent/JP2008289322A/ja active Pending
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