JP5426916B2 - 界磁巻線型同期機および界磁巻線型同期機の制御方法 - Google Patents

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本発明は、ステータ,ロータ,同期電流通電手段および整流素子を備えた界磁巻線型同期機および界磁巻線型同期機の制御方法に関する。

従来の界磁巻線型同期機としては、振幅変調された多相交流電流を固定子巻線に流す際、界磁巻線に流れる電流に生じるトルクリプルを小さくする技術の一例が開示されている(例えば特許文献1を参照)。この技術では、電機子巻線に通電する同期電流の1周期よりも短い所定期間の間だけ、同期電流と異なる波形のロータ励磁用電流を電機子巻線に通電することにより、界磁巻線に界磁電流を通電する。望ましくは、ロータ励磁用電流が形成する合成磁界ベクトルの位相と磁気突極部の位相とが一致するように通電する。

特開2007−185082号公報

しかし、ロータ励磁用電流を電機子巻線に通電するのは、電機子巻線に通電する同期電流の1周期よりも短い所定期間の間に限られる。例えば図9(A)に示すように、時刻taから時刻tbまでの所定期間にのみパルス状のd軸電流を指令値として通電し、1周期の残りである時刻tbから時刻tcまでの期間内には通電を行わない。このときのロータ巻線電流(界磁電流)は、図9(B)に示すように時間経過とともに大きく減衰し、当該ロータ巻線電流の減衰に伴ってトルクリプルを生じる。このようにロータ巻線電流の変動幅Waが大きいため、従来の界磁巻線型同期機では振動や騒音が発生するという問題があった。また、図9(C)に示すようにトルクの変動も大きくなる。

本発明はこのような点に鑑みてなしたものであり、ロータ励磁用電流を電機子巻線に通電した後も電流の重畳を行うことによって、従来よりもさらにトルクリプルを小さくできる界磁巻線型同期機および界磁巻線型同期機の制御方法を提供することを目的とする。

上記課題を解決するためになされた請求項1に記載の発明は、電機子巻線が巻かれたステータと、界磁巻線が巻かれたロータコアを備え、前記ステータに対面して回転するロータと、前記ロータの回転数と一致する電気角回転数に従って回転する回転磁界を形成する同期電流に相当する電機子電流の基本波成分を前記電機子巻線に流す同期電流通電手段と、前記界磁巻線と直列接続され、前記電機子巻線に流れる電機子電流によって前記界磁巻線に誘導される誘導交流電流を一方向に規制する整流素子と、を有する界磁巻線型同期機において、前記ロータの磁極方向に界磁磁束を発生させるロータ励磁用電流を、前記ロータの磁極方向から電気角で所定角度進んだ方向に前記同期電流と異なる波形で通電する励磁用電流通電手段を有し、前記励磁用電流通電手段は、前記ロータ励磁用電流を三相二相変換して得られるd軸およびq軸の電流値について、1周期においてd軸電流をパルス状に変化させてから一定値に通電する制御を行い、かつ、少なくとも前記d軸電流を一定値に通電する期間を含めてq軸電流を次第に増加させて通電する制御を行うことを特徴とする。

この構成によれば、ロータ励磁用電流はロータの磁極方向から電気角で所定角度(例えば90度や180度等)進んだ方向に同期電流と異なる波形で通電する。すなわち、同期電流と異なる波形のロータ励磁用電流を重畳することによってトルク制御を行う。この通電によって、界磁電流が時間経過とともに減衰するのを抑制して、トルク低下を抑制するとともに、トルクリプルが生じるのを防止する。したがって、従来の界磁巻線型同期機に生じていた振動や騒音を低減することができる。

なお、ロータ励磁用電流は、界磁巻線に誘導交流電流を発生させるための電機子電流の成分(例えばパルス状の高周波成分)であり、同期電流と異なる複数の周波数からなる電流を含めてもよい。ロータには、磁石トルクを発生させる永久磁石や、リラクタンストルクを発生させる磁気突極構造等を備えてもよい。界磁巻線型同期機は、磁石式同期機や、ロータコアに磁気抵抗変化を与えたリラクタンスモータ等を含めてもよい。

請求項2に記載の発明は、電機子巻線が巻かれたステータと、界磁巻線が巻かれたロータコアを備え、前記ステータに対面して回転するロータと、前記ロータの回転数と一致する電気角回転数に従って回転する回転磁界を形成する同期電流に相当する電機子電流の基本波成分を前記電機子巻線に流す同期電流通電手段と、前記界磁巻線と直列接続され、前記電機子巻線に流れる電機子電流によって前記界磁巻線に誘導される誘導交流電流を一方向に規制する整流素子と、を有する界磁巻線型同期機において、前記ロータの磁極方向に界磁磁束を発生させるロータ励磁用電流を、前記ロータの磁極方向から電気角で所定角度進んだ方向に前記同期電流と異なる波形で通電する励磁用電流通電手段を有し、前記励磁用電流通電手段は、前記ロータ励磁用電流を三相二相変換して得られるd軸およびq軸の電流値について、1周期においてd軸電流をパルス状に変化させるとともに前記パルス状のピークを経過した後から次第に減少させて通電する制御を行い、かつ、前記q軸電流を一定値に通電する制御を行うことを特徴とする。

この構成によれば、ロータ励磁用電流はロータの磁極方向に同期電流と異なる波形で通電する。すなわち請求項1に記載の発明と同様に、同期電流と異なる波形のロータ励磁用電流を重畳することによってトルク制御を行う。この通電によって、界磁電流が時間経過とともに減衰するのを抑制して、トルク低下を抑制するとともに、トルクリプルが生じるのを防止する。したがって、従来の界磁巻線型同期機に生じていた振動や騒音を低減することができる。

請求項3に記載の発明は、電機子巻線が巻かれたステータと、界磁巻線が巻かれたロータコアを備え、前記ステータに対面して回転するロータと、前記ロータの回転数と一致する電気角回転数に従って回転する回転磁界を形成する同期電流に相当する電機子電流の基本波成分を前記電機子巻線に流す同期電流通電手段と、前記界磁巻線と直列接続され、前記電機子巻線に流れる電機子電流によって前記界磁巻線に誘導される誘導交流電流を一方向に規制する整流素子と、を有する界磁巻線型同期機において、前記ロータの磁極方向に界磁磁束を発生させるロータ励磁用電流を、前記ロータの磁極方向から電気角で所定角度進んだ方向に前記同期電流と異なる波形で通電する励磁用電流通電手段を有し、前記励磁用電流通電手段は、前記ロータ励磁用電流を三相二相変換して得られるd軸およびq軸の電流値について、1周期においてd軸電流をパルス状に変化させるとともに前記パルス状のピークを経過した後から次第に減少させて通電する制御を行い、かつ、少なくとも前記d軸電流をパルス状に変化させない期間を含めてq軸電流を次第に増加させて通電する制御を行うことを特徴とする。

この構成によれば、d軸電流とq軸電流の双方について変化させる制御(逆に言えば一定値にしない制御)を行うので、1周期を通じてトルク低下を抑制するとともに、トルクリプルが生じるのを防止する。したがって、従来の界磁巻線型同期機に生じていた振動や騒音を低減することができる。

請求項4に記載の発明は、前記励磁用電流通電手段は、前記ロータ励磁用電流を三相二相変換して得られるd軸およびq軸の電流値と指令電流値との偏差を求め、当該偏差に基づいてd軸およびq軸の電圧値を算出し、当該d軸およびq軸の電圧値を二相三相変換して得られる三相電圧値を制御値として通電する制御を行うことを特徴とする。

この構成によれば、ロータ励磁用電流を通電するにあたって、励磁用電流通電手段はd軸およびq軸の電圧値を二相三相変換して得られる三相電圧値を制御値として通電する。すなわち三相電圧値を適切に制御することによって、ロータの磁極方向と、ロータの磁極方向から電気角で所定角度進んだ方向とのうちで一方または双方の方向について同期電流と異なる波形でロータ励磁用電流を通電することができる。したがって、トルクリプルが生じるのを防止し、振動や騒音の発生を低減することができる。

請求項5に記載の発明は、前記励磁用電流通電手段は、所定期間についてオープンループ制御によりロータ励磁用電流の通電を行うことを特徴とする。

この構成によれば、ロータ励磁用電流の通電を行うにあたって、所定期間(例えばパルス状の高周波電流を通電する期間)についてはオープンループ制御で行う。オープンループ制御は不帰還ループ制御に比べて簡単に制御できるので、全体の制御量を低減しながらも、トルクリプルが生じるのを防止し、振動や騒音の発生を低減することができる。

請求項6に記載の発明は、電機子巻線が巻かれたステータと、界磁巻線が巻かれたロータコアを備え、前記ステータに対面して回転するロータと、前記界磁巻線と直列接続され、前記電機子巻線に流れる電機子電流によって前記界磁巻線に誘導される誘導交流電流を一方向に規制する整流素子と、を有する界磁巻線型同期機を制御する方法であって、
前記ロータの回転数と一致する電気角回転数に従って回転する回転磁界を形成する同期電流に相当する電機子電流の基本波成分を前記電機子巻線に流す工程(同期電流通電工程)と、前記ロータの磁極方向に界磁磁束を発生させるロータ励磁用電流を、前記ロータの磁極方向から電気角で所定角度進んだ方向に前記同期電流と異なる波形で通電する制御で、前記ロータ励磁用電流を三相二相変換して得られるd軸およびq軸の電流値について、1周期においてd軸電流をパルス状に変化させてから一定値に通電し、かつ、少なくとも前記d軸電流を一定値に通電する期間を含めてq軸電流を次第に増加させて通電する工程(ロータ励磁用電流通電工程)と、を有することを特徴とする。

この構成によれば、請求項1に記載の発明と同様に、ロータ励磁用電流はロータの磁極方向から電気角で所定角度進んだ方向に同期電流と異なる波形で通電する。この通電によって、界磁電流が時間経過とともに減衰するのを抑制して、トルク低下を抑制するとともに、トルクリプルが生じるのを防止する。したがって、従来の界磁巻線型同期機に生じていた振動や騒音を低減することができる。

請求項7に記載の発明は、電機子巻線が巻かれたステータと、界磁巻線が巻かれたロータコアを備え、前記ステータに対面して回転するロータと、前記界磁巻線と直列接続され、前記電機子巻線に流れる電機子電流によって前記界磁巻線に誘導される誘導交流電流を一方向に規制する整流素子と、を有する界磁巻線型同期機を制御する方法であって、
前記ロータの回転数と一致する電気角回転数に従って回転する回転磁界を形成する同期電流に相当する電機子電流の基本波成分を前記電機子巻線に流す工程(同期電流通電工程)と、前記ロータの磁極方向に界磁磁束を発生させるロータ励磁用電流を、前記ロータの磁極方向から電気角で所定角度進んだ方向に前記同期電流と異なる波形で通電する制御で、前記ロータ励磁用電流を三相二相変換して得られるd軸およびq軸の電流値について、1周期においてd軸電流をパルス状に変化させるとともに前記パルス状のピークを経過した後から次第に減少させて通電し、かつ、前記q軸電流を一定値に通電する工程(ロータ励磁用電流通電工程)と、を有することを特徴とする。
この構成によれば、請求項2に記載の発明と同様に、ロータ励磁用電流はロータの磁極方向に同期電流と異なる波形で通電する。この通電によって、界磁電流が時間経過とともに減衰するのを抑制して、トルク低下を抑制するとともに、トルクリプルが生じるのを防止する。したがって、従来の界磁巻線型同期機に生じていた振動や騒音を低減することができる。

請求項8に記載の発明は、電機子巻線が巻かれたステータと、界磁巻線が巻かれたロータコアを備え、前記ステータに対面して回転するロータと、前記界磁巻線と直列接続され、前記電機子巻線に流れる電機子電流によって前記界磁巻線に誘導される誘導交流電流を一方向に規制する整流素子と、を有する界磁巻線型同期機を制御する方法であって、
前記ロータの回転数と一致する電気角回転数に従って回転する回転磁界を形成する同期電流に相当する電機子電流の基本波成分を前記電機子巻線に流す工程(同期電流通電工程)と、前記ロータの磁極方向に界磁磁束を発生させるロータ励磁用電流を、前記ロータの磁極方向から電気角で所定角度進んだ方向に前記同期電流と異なる波形で通電する制御で、前記ロータ励磁用電流を三相二相変換して得られるd軸およびq軸の電流値について、1周期においてd軸電流をパルス状に変化させるとともに前記パルス状のピークを経過した後から次第に減少させて通電し、かつ、少なくとも前記d軸電流をパルス状に変化させない期間を含めてq軸電流を次第に増加させて通電する制御を行う工程(ロータ励磁用電流通電工程)と、を有することを特徴とする。
この構成によれば、請求項3に記載の発明と同様に、d軸電流とq軸電流の双方について変化させる制御(逆に言えば一定値にしない制御)を行うので、1周期を通じてトルク低下を抑制するとともに、トルクリプルが生じるのを防止する。したがって、従来の界磁巻線型同期機に生じていた振動や騒音を低減することができる。

実施の形態1における界磁巻線型同期機の構成例を示す模式図である。 ステータ及びロータの径方向断面を示す模式図である。 電気的な接続例を示す模式図である。 電機子巻線の通電制御例を説明する図である。 電流位相角度の変化を説明する図である。 実施の形態2における電機子巻線の通電制御例を説明する図である。 電流位相角度の変化を説明する図である。 実施の形態3における電機子巻線の通電制御例を説明する図である。 従来技術における電機子巻線の通電制御例を示す図である。

以下、本発明を実施するための形態について、図面に基づいて説明する。なお「接続する」という場合には、特に明示しない限り、電気的な接続を意味する。また、以下では簡単のために界磁巻線型同期機を「同期機」と呼ぶ。

〔実施の形態1〕
実施の形態1は電機子巻線に通電するq軸電流を変化させる例であって、図1〜図4を参照しながら説明する。図1には、同期機の構成例を模式図で示す。図2には、ステータ及びロータの径方向断面を模式図で示す。図3には、電気的な接続例を模式図で示す。図4には、電機子巻線の通電制御例をシミュレーション波形で示す。

図1に示す同期機Mは電動機として適用し、ステータ10(固定子),ロータ20(回転子),フレーム30(ハウジング),直流電源50,駆動部60,制御部70などを有する。この同期機Mは、制御部70から伝達される制御信号に従って駆動部60から出力される電機子電流(図示の例では相電流Iu,Iv,Iw)によって回転駆動が制御される。なお、直流電源50、駆動部60および制御部70の構成例や機能等は後述する。

ステータ10は、ステータコイル11(電機子巻線),ステータコア12などで構成される。ステータコイル11は、ステータコア12に巻かれた多相(例えば三相)の相巻線である。ステータコア12は電磁石(あるいは永久磁石等)が用いられ、例えば相巻線が分布巻きされている。相巻線を巻く順番は任意である。U相,V相,W相の三相を例にすると、U相導体,−V相導体,W相導体,−U相導体,V相導体,−W相導体の順序で周方向に順番に巻く形態が該当する。

ロータ20はステータ10に対面して回転し、ロータシャフト21,ロータコイル22(界磁巻線),ロータコア23などで構成される。ロータシャフト21は、同期機Mの主軸(あるいは回転軸)として用いられ、外周面の一部に被検出部24を備える。本形態では、被検出部24としてロータシャフト21の外周面に磁気突極を一定間隔で設ける。ロータコア23は電磁石(あるいは永久磁石等)が用いられ、図2に示すように一対の界磁極(磁気突極)をなすコアティース部23aを有する。ロータコイル22は、効率よく界磁束を形成し易くするためにコアティース部23aの回りに巻かれている。

フレーム30は、ステータ10を固定し、ロータ20をベアリング等を介して回転可能に支持し、被検出部24を検出する位置センサ40や、各相の電流値を検出する電流センサ80(図3を参照)などを備える。

位置センサ40は、ロータ20の位置が検出できれば任意である。本形態では、上述したように被検出部24が磁気突極で構成されているので、コイルを用いて構成する。すなわち、コイルの近傍を磁気突極が通過するのに伴って起電力を発生させ、当該起電力に基づく信号(アナログ信号またはデジタル信号)を制御部70に伝達する。

電流センサ80は、電機子電流(すなわち相電流Iu,Iv,Iw)が検出できれば任意である。例えば、被検出電流としての電機子電流によって発生した磁界をホール素子により検出する磁気比例型センサを用いる。

図3には同期機Mを駆動制御するための接続例(回路図)を示す。直流電源50は、平滑用のコンデンサC2を介して、駆動部60に電力を供給する。駆動部60はインバータとして機能し、トランジスタQとダイオードD2とを一組とし、三相に対応するために全部で六組を有する。この駆動部60は、制御部70から伝達される制御信号に従ってスイッチングを行い、所要の電力および周波数で同期機Mに出力する。トランジスタQには、例えばIGBTを用いる。ダイオードD2は、フリーホイールダイオードとしての役割を果たすため、トランジスタQに流れる電流とは逆方向に電流が流れるようにトランジスタQのコレクタ端子とエミッタ端子との間に接続する。

制御部70は、位置センサ40および電流センサ80から出力される信号を受けて、駆動部60(具体的には各トランジスタQのゲート端子)に対して制御信号を出力する。この制御部70は、同期機Mを駆動制御する通常の機能のほか、本発明を実現するための同期電流通電手段71や励磁用電流通電手段72等を有する。制御部70の構成は任意であり、CPU,ROM,RAM等を備えてプログラム実行によって作動する構成としてもよく、回路素子で形成されたハードウェアロジックによって作動する構成としてもよい。

同期電流通電手段71は、電機子電流の基本波成分をステータコイル11に通電するための制御信号を駆動部60に出力する機能を有する(同期電流通電工程に相当する)。当該電機子電流は、ロータ20の回転数と一致する電気角回転数に従って回転する回転磁界を形成する同期電流(すなわち相電流Iu,Iv,Iwの基本波成分)に相当する。

励磁用電流通電手段72は、ロータ20の磁極方向に界磁磁束を発生させるロータ励磁用電流を通電するための制御信号を出力する機能を有する(ロータ励磁用電流通電工程に相当する)。ロータ励磁用電流は同期電流と異なる波形となるように形成し、かつ、ロータ20の磁極方向から電気角で90度進んだ方向となるように設定する。

ここで、ロータ励磁用電流は、ロータコイル22に誘導交流電流を発生させるための電機子電流の成分である。より具体的には、同期電流としての相電流Iu,Iv,Iwに重畳するパルス状の高周波成分の電流である。このロータ励磁用電流によってロータ20の磁極方向に界磁磁束を発生させるには、当該ロータ励磁用電流のベクトル方向を、dq回転座標系上における磁気突極部の方向(位相角)と一致させる必要がある。

励磁用電流通電手段72は、ロータ励磁用電流のベクトル方向がdq回転座標系上における磁気突極部の方向から電気角で90度進んだ方向となるように制御信号を出力する。dq回転座標系は、例えば図2に示すようにロータ20が所定方向に回転(図2では左回転)するとき、q軸はd軸を基準として電気角で90度進んだ方向となる。このとき、電流ベクトルIはq軸を基準として電気角で角度βだけ進んだ方向となる。この角度βは後述する電流位相角度に相当するものであり(図5,図7を参照)、マグネットトルクとリラクタンストルクとの位相の関係で最大トルク時の基本波電流の位相は所定範囲(例えば−45〜0度)内の数値になる。

なお、ロータ励磁用電流は、ロータ20の作動(すなわち回転や静止等)の如何にかかわらず、ロータコイル22に対して相対的に磁束変化を生じさせるように設定する必要がある。具体的な設定例としては、ロータ20に対して相対的に回転する回転磁界をロータ励磁用電流により形成したり、ステータコイル11にロータ同期周波数と異なる周波数の交流電流を通電する等が該当する。

上述した機能を実現するために、励磁用電流通電手段72はd軸電流およびq軸電流を指令値とするベクトル制御を行う。具体的には、電流センサ80で検出する各相の電流値と、位置センサ40で検出するロータ20の回転位置(すなわち磁極位置)とを入力し、三相二相変換を行う。次に、d軸電流およびq軸電流の各電流値と指令電流値との偏差を求め、その偏差を制御部70内に備えたデジタル補償器(図示せず)を用いてd軸指令電圧およびq軸指令電圧を算出する。こうして算出されたd軸指令電圧およびq軸指令電圧に基づいて二相三相変換を行い、得られた三相の電圧指令値を制御信号として駆動部60に出力する。

同期機M側では、ロータコイル22とダイオードD1とが直列接続されている。ダイオードD1は整流素子に相当し、ロータコイル22に誘導された交流電圧を半波整流する。このダイオードD1を接続することで、一対のコアティース部23aのうち、一方側をN極に励磁し、他方側をS極に励磁することができる。また、ロータコイル22に整流されたロータ巻線電流If(界磁電流に相当する)を通電すると、短絡磁路の飽和磁束方向と逆向きに界磁束が流れる。この界磁束はステータ10側にも流れるため、ステータコイル11と鎖交する界磁束量が増加する。

なお、二点鎖線で図示するように、ダイオードD1に並列接続するコンデンサC1を備えてもよい。コンデンサC1の平滑化作用によって、ロータコイル22に流れる励磁電流と発生電圧との安定化を図ることができる。

上述のように構成された同期機Mにおいて、制御部70から駆動部60に伝達する制御信号に従って、同期機Mに所要の電流を通電する例について図4および図5を参照しながら説明する。図4では、電機子巻線電流(d軸電流およびq軸電流)の波形を図4(A)に示し、ロータ巻線電流Ifの波形を図4(B)に示し、トルクτの波形を図4(C)に示し、電機子巻線電流(相電流Iu,Iv,Iw)の波形を図4(D)に示す。なお、図4に示す各波形はシミュレーション波形であるが、実際に計測される波形もほぼ同じになる。図5には電流位相角度の変化を示す。

各波形は周期的に繰り返すので、説明を簡単にするために図4および図5における時刻t1から時刻t3までの1周期について説明する。この1周期は、時刻t1から時刻t2までの第1期間と、時刻t2から時刻t3までの第2期間とに分けられる。第1期間はd軸電流およびq軸電流の双方を変化させて通電し、第2期間はq軸電流のみを変化させて通電する。言い換えれば、q軸電流は1周期の全体で変化させる。

この形態では、図4(A)に示すような波形のd軸電流idおよびq軸電流iqを指令値とする。d軸電流idは、時刻t1から時刻t2までの期間内をパルス状に変化させ、時刻t2から時刻t3までの期間内は一定値に維持する。q軸電流iqは、時刻t2を最小値として増加させ、時刻t1から時刻t2までの期間内に最大値を形成した後に減少させる。なお、q軸電流iqを指令値とする制御は、時刻t1から時刻t2までの期間内をオープンループ制御で行ってもよい。

図4(A)のようなd軸電流idおよびq軸電流iqを指令値とすると、同期機Mのロータコイル22に流れるロータ巻線電流Ifは図4(B)に示すように変化する。まず、時刻t1から時刻t2までの期間内では、d軸電流idの増減とは反対方向にロータ巻線電流Ifが増減する。また、時刻t2から時刻t3までの期間内では、d軸電流idが一定値になるために、ロータ巻線電流Ifはロータコイル22の発熱によって次第に減少する。ただし、d軸電流idが一定値の間はq軸電流iqが増加しているので、ロータ巻線電流Ifの変動は変動幅W1に留まる。

ここで同期機Mにかかるトルクτの時間式は、次式のように表すことができる。ただし式中には、極対数をPn、d軸インダクタンスをLd、q軸インダクタンスをLq、ステータコイル11およびロータコイル22の相互インダクタンスをMfd、d軸電流をid、q軸電流をiq、ロータ巻線電流をIfで示す。

上記時間式の第1項は、ロータ巻線電流Ifの起磁力と電機子巻線電流(相電流Iu,Iv,Iw)により生じるマグネットトルクである。同じく第2項は、ロータ20の回転位置による磁路変化と電機子巻線電流により生じるリラクタンストルクである。

この時間式によれば、時刻t2から時刻t3までの期間(第2期間)では、ロータ巻線電流Ifが減少するためにマグネットトルクも減少するものの、q軸電流iqの増加に伴って同期電流(すなわち相電流Iu,Iv,Iwの基本波成分)も増加するのでリラクタンストルクが増加するので、全体としてトルクτはあまり変化しない。また、時刻t1から時刻t2までの期間(第1期間)では、ロータ巻線電流Ifが大きく変化するのでマグネットトルクも変化するが、この変化を打ち消すようにq軸電流iqが変化するためにリラクタンストルクが変化するので、全体としてトルクτはあまり変化しない。よって、時刻t1から時刻t3までの1周期を通じてトルクτの変化が少ない。このことは、同期機Mは、従来の同期機に生じていた振動や騒音を低減できることを意味する。

なお、図4(A)に示すような波形のd軸電流idおよびq軸電流iqを指令値として駆動部60に制御信号を出力すると、当該駆動部60から同期機Mに出力する電機子巻線電流(相電流Iu,Iv,Iw)は図4(D)に示すような波形となる。さらに、電機子巻線電流(基本波)とq軸電流iq(制御波)との合成電流は、q軸電流iqを基準とすると、電流位相角度(角度β)は図5のように変化する。当該図5では、基本波を含めた合成電流を実線で示し、基本波を除いた合成電流を二点鎖線で示す。図5に示す変化例の合成電流は、基本波を含むか否かで約30度の位相差を示している。この位相差は、マグネットトルクとリラクタンストルクとの関係で0〜45度の範囲内で変わり得る。

逆に言えば、図4(D)に示すような波形の相電流Iu,Iv,Iwを同期機Mに出力する制御を行えば、上述したような作用効果が生じる。したがって、図4(D)に示すような波形の相電流を出力する制御を行う場合でも、1周期を通じてトルクτの変化を少なくし、同期機Mは、従来の同期機に生じていた振動や騒音を低減することができる。

上述した実施の形態1によれば、以下に示す各効果を得ることができる。

同期機Mは、ステータ10、ロータ20およびダイオードD1とともに(図1および図3を参照)、ロータ20の回転数と一致する電気角回転数に従って回転する回転磁界を形成する同期電流に相当する相電流Iu,Iv,Iw(電機子電流)の基本波成分をステータコイル11に流す同期電流通電手段71と、q軸電流iq(ロータ励磁用電流を三相二相変換したもの)をロータ20の磁極方向から電気角で90度(所定角度)進んだ方向に同期電流と異なる波形で通電する励磁用電流通電手段72とを有する構成とした(図3および図4(A)を参照)。この構成によれば、ロータ巻線電流If(界磁電流)が時間経過とともに減衰するのを抑制して(図4(B)を参照)、トルクリプルが生じるのを防止する。従来ではd軸電流id(d軸方向)のみを重畳するために励磁電流が減少し、トルクが低下していた。本発明の構成では、さらにq軸電流iq(q軸方向)も重畳して流すので、マグネットトルクとリラクタンストルクが増加してトルクの低下を抑制できる。したがって、従来の同期機に生じていた振動や騒音を低減することができる。

励磁用電流通電手段72は、ロータ励磁用電流を三相二相変換して得られるd軸電流およびq軸電流の各電流値と指令電流値との偏差を求め、当該偏差に基づいてd軸およびq軸の電圧値を算出し、当該d軸およびq軸の電圧値を二相三相変換して得られる三相電圧値を制御値として通電する制御を行う構成とした。この構成によれば、三相電圧値を適切に制御することによって、ロータ20の磁極方向から電気角で90度進んだ方向について同期電流と異なる波形でロータ励磁用電流(すなわち図4(D)に示す相電流Iu,Iv,Iwに相当する)を通電することができる。したがって、トルクリプルが生じるのを防止し、振動や騒音の発生を低減することができる。

なお、本形態では所定角度として90度を適用したが(具体的には、図2に示すd軸とq軸とのなす角度)、例えば180度,270度等のように90×n(nは自然数)度を適用することも可能である。どのような角度に設定するのかは、同期機Mの種類や状態等に合わせて適切な角度を選択する。このような角度を設定した場合でも、本形態と同様の作用効果を得ることができる。

励磁用電流通電手段72は、時刻t1から時刻t2までの第1期間(所定期間)についてオープンループ制御によりロータ励磁用電流(すなわちq軸電流iqを指令値とする相電流Iu,Iv,Iw)の通電を行う構成とした。この構成によれば、不帰還ループ制御に比べて簡単に制御できるので、全体の制御量を低減しながらも、トルクリプルが生じるのを防止し、振動や騒音の発生を低減することができる。

〔実施の形態2〕
実施の形態2は電機子巻線に通電するd軸電流idを従来よりも変化させる例であって、図6および図7を参照しながら説明する。図6には、電機子巻線の通電制御例をシミュレーション波形で示す。図7には電流位相角度の変化を示す。なお、同期機Mの構成等は実施の形態1と同様であるので、実施の形態2では実施の形態1と異なる点について説明する。よって、実施の形態1で用いた要素と同一の要素には同一の符号を付して説明を省略する。

この形態では、励磁用電流通電手段72の機能が実施の形態1と異なる。すなわち励磁用電流通電手段72が出力する制御信号は、ロータ励磁用電流が同期電流と異なる波形となるように形成し、かつ、ロータ20の磁極方向となるように設定する。この点について図6を参照しながら説明する。

図6には、図4と同様にして、電機子巻線電流(d軸電流およびq軸電流)の波形を図6(A)に示し、ロータ巻線電流Ifの波形を図6(B)に示し、トルクτの波形を図6(C)に示し、電機子巻線電流(相電流Iu,Iv,Iw)の波形を図6(D)に示す。なお、実際に計測される波形も図6とほぼ同じになる。

この形態では、図6(A)に示すような波形のd軸電流idおよびq軸電流iqを指令値とする。すなわち、d軸電流idは、時刻t1から時刻t2までの期間内をパルス状に変化させ、時刻t2から時刻t3までの期間内は次第に減少させてゆき、時刻t3には時刻t1と同値となるように制御する。q軸電流iqは、時刻t1から時刻t3までの1周期を通して一定値に維持する。なお、d軸電流idを指令値とする制御は、時刻t1から時刻t2までの期間内をオープンループ制御で行ってもよい。

図6(A)のようなd軸電流idおよびq軸電流iqを指令値とすると、同期機Mのロータコイル22に流れるロータ巻線電流Ifは図6(B)に示すように変化する。すなわち、時刻t1から時刻t2までの期間内では、d軸電流idの増減とは反対方向にロータ巻線電流Ifが増減する。時刻t2から時刻t3までの期間内では、d軸電流idが次第に減少するように制御されるので、ロータ巻線電流Ifの変動は変動幅W2に留まる。

同期機Mにかかるトルクτの時間式は、実施の形態1に示した通りである。この時間式によれば、時刻t2から時刻t3までの期間(第2期間)では、ロータ巻線電流Ifの減少が抑えられるので、マグネットトルクの減少も少ない。q軸電流iqは変化しないので、全体としてトルクτはあまり変化しない。また、時刻t1から時刻t2までの期間(第1期間)では、ロータ巻線電流Ifが大きく変化するのでマグネットトルクも変化するが、第2期間よりも短いので影響が少なく、全体としてトルクτはあまり変化しない。よって、時刻t1から時刻t3までの1周期を通じてトルクτの変化が少ない。このことは、同期機Mは、従来の同期機に生じていた振動や騒音を低減できることを意味する。

なお、図6(A)に示すような波形のd軸電流idおよびq軸電流iqを指令値として駆動部60に制御信号を出力すると、当該駆動部60から同期機Mに出力する電機子巻線電流(相電流Iu,Iv,Iw)は図6(D)に示すような波形となる。さらに図5と同様にして、電機子巻線電流(基本波)とq軸電流iq(制御波)との合成電流は図7のように変化する。図7に示す変化例の合成電流は、図5と同様に、基本波を含むか否かで約30度の位相差がある。なお、図5の場合と同様に、位相差はマグネットトルクとリラクタンストルクとの関係で0〜45度の範囲内で変わり得る。したがって、実施の形態1と同様に、図6(D)に示すような波形の相電流を出力する制御を行う場合でも、1周期を通じてトルクτの変化を少なくし、同期機Mは、従来の同期機に生じていた振動や騒音を低減することができる。

上述した実施の形態2によれば、同期機Mは、ステータ10、ロータ20およびダイオードD1とともに(図1および図3を参照)、ロータ20の回転数と一致する電気角回転数に従って回転する回転磁界を形成する同期電流に相当する相電流Iu,Iv,Iw(電機子電流)の基本波成分をステータコイル11に流す同期電流通電手段71と、d軸電流id(ロータ励磁用電流を三相二相変換したもの)をロータ20の磁極方向に同期電流と異なる波形で通電する励磁用電流通電手段72とを有する構成とした(図3および図6(A)を参照)。一時的にd軸電流を流すのみでは励磁電流が減少してしまうが、この構成によれば継続的にd軸電流を流して励磁電流そのものの減衰を抑制するので(図6(B)を参照)、トルク低下を抑制するとともに、トルクリプルが生じるのを防止する。したがって、従来の同期機に生じていた振動や騒音を低減することができる。

〔実施の形態3〕
実施の形態3は電機子巻線に通電するq軸電流iqおよびd軸電流idの双方を変化させる例であって、図8を参照しながら説明する。図9には、電機子巻線の通電制御例をシミュレーション波形で示す。なお、同期機Mの構成等は実施の形態1と同様であるので、実施の形態3では実施の形態1と異なる点について説明する。よって、実施の形態1で用いた要素と同一の要素には同一の符号を付して説明を省略する。

この形態では、励磁用電流通電手段72の機能が実施の形態1と異なる。すなわち励磁用電流通電手段72が出力する制御信号は、ロータ励磁用電流が同期電流と異なる波形となるように形成し、かつ、ロータ20の磁極方向となるように設定する。この点について図8を参照しながら説明する。当該図8には、図4と同様にして、電機子巻線電流(d軸電流およびq軸電流)の波形を示す。

この形態では、図8に示すような波形のd軸電流idおよびq軸電流iqを指令値とする。すなわち、d軸電流idは、時刻t1から時刻t2までの期間内をパルス状に変化させ、時刻t2から時刻t3までの期間内は次第に減少させてゆき、時刻t3には時刻t1と同値となるように制御する。q軸電流iqは、時刻t2を最小値として増加させ、時刻t1から時刻t2までの期間内に最大値を形成した後に減少させる。なお、q軸電流iqおよびd軸電流idを指令値とする制御は、時刻t1から時刻t2までの期間内をオープンループ制御で行ってもよい。

図8のようなd軸電流idおよびq軸電流iqを指令値とする場合でも、実施の形態1の図4(B)や実施の形態2の図6(B)に示すロータ巻線電流Ifと同様に、時刻t2から時刻t3までの期間内におけるロータ巻線電流Ifの変動幅が少なく抑えられる。また、実施の形態1に示した同期機Mにかかるトルクτの時間式についても、時刻t1から時刻t3までの1周期を通じて変化が少ない。したがって、同期機Mは、従来の同期機に生じていた振動や騒音を低減できることを意味する。

なお、図8に示すような波形のd軸電流idおよびq軸電流iqを指令値とした変化に応じた電機子巻線電流(相電流Iu,Iv,Iw)を駆動部60から同期機Mに出力すると、1周期を通じてトルクτの変化を少なくし、同期機Mは、従来の同期機に生じていた振動や騒音を低減することができる。

上述した実施の形態3によれば、励磁用電流通電手段72は、q軸電流をロータ20の磁極方向から電気角で所定角度進んだ方向に同期電流と異なる波形で通電するとともに、
d軸電流をロータ20の磁極方向に同期電流と異なる波形で通電する構成とした(図8を参照)。この構成によれば、q軸電流iqおよびd軸電流idを重畳することによってトルク制御を行う。この通電によって、ロータ巻線電流Ifが時間経過とともに減衰するのを抑制して、トルクリプルが生じるのを防止する。したがって、従来の同期機に生じていた振動や騒音を低減することができる。

〔他の実施の形態〕
以上では本発明を実施するための形態について実施の形態1〜3に従って説明したが、本発明は当該形態に何ら限定されるものではない。言い換えれば、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施することもできる。例えば、以下に示す各形態を実現してもよい。

上述した実施の形態1〜3では、図4(A)および図8に示す波形のq軸電流iqを指令値とするか、図6(A)および図8に示す波形のd軸電流idを指令値とする構成とした。q軸電流iqおよびd軸電流idのいずれにせよ、図4(A),図6(A)および図8に示した波形以外の他の波形を指令値とする構成としてもよい。他の波形としては、ロータ励磁用電流についてロータ20の磁極方向から電気角で他の所定角度進んだ方向となるように設定されたときの波形などが該当する。他の所定角度は、例えば180度,270度等のように90×n(nは自然数)度が該当する。どのような角度に設定するのかは、同期機Mの種類や状態等に合わせて適切な角度を選択する。こうした角度であってもロータ巻線電流Ifが時間経過とともに減衰するのを抑制されるので、実施の形態1〜3と同様の作用効果を得ることができる。

上述した実施の形態1〜3では、ロータ励磁用電流の波形としてパルス状の波形を適用した(図4〜図8を参照)。この形態に代えて、高周波交流電流波形を適用してもよい。この波形を適用すれば、電機子電流の最大ピーク値を低減できるため、電機子巻線やインバータの抵抗損失を低減することができる。

上述した実施の形態1〜3では、スイッチング素子のトランジスタQとしてIGBTを用いた(図1を参照)。この形態に代えて、スイッチング素子としての機能を奏する他のトランジスタを用いてもよい。他のトランジスタとしては、例えばFET(MOSFET,JFET,MESFET等)、GTO、パワートランジスタ等が該当する。他のトランジスタを用いた場合でも直流入力電力を交流電力に変換して出力するので、d軸電流idおよびq軸電流iqを指令値とした電機子巻線電流(相電流Iu,Iv,Iw)を駆動部60から同期機Mに出力することができる。いずれのスイッチング素子(トランジスタ)にせよ、実施の形態1〜3と同様の作用効果を得ることができる。

上述した実施の形態1〜3では、被検出部24をロータシャフト21の外周面に一定間隔で設けた磁気突極で構成した(図1を参照)。この形態に代えて、位置センサ40で検出可能な他の被検出部24で構成してもよい。他の被検出部24としては、例えば一定間隔にスリットを設けた円板などが該当する。スリットを設けた円板を適用する場合は、位置センサ40には発光体および受光体を有する光電検出器を用いる。すなわち、発光体が発した光を受光体で受光するか否かに基づいて信号(アナログ信号またはデジタル信号)を制御部70に伝達する。いずれの被検出部24および位置センサ40の組み合わせにせよ、ロータシャフト21の回転位置を検出して制御部70から制御信号を出力できるので、実施の形態1〜3と同様の作用効果を得ることができる。

上述した実施の形態1〜3では、電流センサ80として磁気比例型センサを用いた(図1を参照)。この形態に代えて、各相の相電流が検出可能な他の電流センサを用いてもよい。他の電流センサとしては、例えば,電磁誘導型センサ,ファラデー効果型センサなどが該当する。電磁誘導型センサは、電流母線の周囲に環状のコアやコイルを配置し、相電流の通電で生じる誘導起電力により検出する。ファラデー効果型センサは、磁界方向に沿って配置された光ファイバに対して直線偏光が入射したとき、偏波の方位が磁界の強度に比例して回転する回転角を計測することで磁界強度(すなわち電流)を検出する。いずれの電流センサにせよ、電機子電流(すなわち相電流Iu,Iv,Iw)を正確に検出して制御部70に伝達するので、実施の形態1〜3と同様の作用効果を得ることができる。

上述した実施の形態では、同期機Mを電動機として適用した(図1を参照)。この形態に代えて、他の機器に適用してもよい。他の機器としては、例えば車両用交流発電機や、エンジン始動と発電との双方が行える車両用発電電動機等が該当する。いずれの機器にせよ、実施の形態1〜3と同様の作用効果を得ることができる。なお、発電機として使用する場合には、駆動部60は単なる整流回路として作動するに過ぎないものの、発電電力を利用してロータ励磁用電流を形成することができる。

10 ステータ(固定子)
11 ステータコイル(電機子巻線)
12 ステータコア
20 ロータ(回転子)
21 ロータシャフト
22 ロータコイル(界磁巻線)
23 ロータコア
30 フレーム(ハウジング)
40 位置センサ
50 直流電源
60 駆動部
70 制御部
71 同期電流通電手段
72 励磁用電流通電手段
80 電流センサ
C1,C2 コンデンサ
D1 ダイオード(整流素子)
D2 ダイオード
If ロータ巻線電流(界磁電流)
Iu,Iv,Iw 相電流(電機子電流)
M 同期機(界磁巻線型同期機)
Q トランジスタ(スイッチング素子)

Claims (8)

  1. 電機子巻線が巻かれたステータと、
    界磁巻線が巻かれたロータコアを備え、前記ステータに対面して回転するロータと、
    前記ロータの回転数と一致する電気角回転数に従って回転する回転磁界を形成する同期電流に相当する電機子電流の基本波成分を前記電機子巻線に流す同期電流通電手段と、
    前記界磁巻線と直列接続され、前記電機子巻線に流れる電機子電流によって前記界磁巻線に誘導される誘導交流電流を一方向に規制する整流素子と、
    を有する界磁巻線型同期機において、
    前記ロータの磁極方向に界磁磁束を発生させるロータ励磁用電流を、前記ロータの磁極方向から電気角で所定角度進んだ方向に前記同期電流と異なる波形で通電する励磁用電流通電手段を有し、
    前記励磁用電流通電手段は、前記ロータ励磁用電流を三相二相変換して得られるd軸およびq軸の電流値について、1周期においてd軸電流をパルス状に変化させてから一定値に通電する制御を行い、かつ、少なくとも前記d軸電流を一定値に通電する期間を含めてq軸電流を次第に増加させて通電する制御を行うことを特徴とする界磁巻線型同期機。
  2. 電機子巻線が巻かれたステータと、
    界磁巻線が巻かれたロータコアを備え、前記ステータに対面して回転するロータと、
    前記ロータの回転数と一致する電気角回転数に従って回転する回転磁界を形成する同期電流に相当する電機子電流の基本波成分を前記電機子巻線に流す同期電流通電手段と、
    前記界磁巻線と直列接続され、前記電機子巻線に流れる電機子電流によって前記界磁巻線に誘導される誘導交流電流を一方向に規制する整流素子と、
    を有する界磁巻線型同期機において、
    前記ロータの磁極方向に界磁磁束を発生させるロータ励磁用電流を、前記ロータの磁極方向から電気角で所定角度進んだ方向に前記同期電流と異なる波形で通電する励磁用電流通電手段を有し、
    前記励磁用電流通電手段は、前記ロータ励磁用電流を三相二相変換して得られるd軸およびq軸の電流値について、1周期においてd軸電流をパルス状に変化させるとともに前記パルス状のピークを経過した後から次第に減少させて通電する制御を行い、かつ、前記q軸電流を一定値に通電する制御を行うことを特徴とする界磁巻線型同期機。
  3. 電機子巻線が巻かれたステータと、
    界磁巻線が巻かれたロータコアを備え、前記ステータに対面して回転するロータと、
    前記ロータの回転数と一致する電気角回転数に従って回転する回転磁界を形成する同期電流に相当する電機子電流の基本波成分を前記電機子巻線に流す同期電流通電手段と、
    前記界磁巻線と直列接続され、前記電機子巻線に流れる電機子電流によって前記界磁巻線に誘導される誘導交流電流を一方向に規制する整流素子と、
    を有する界磁巻線型同期機において、
    前記ロータの磁極方向に界磁磁束を発生させるロータ励磁用電流を、前記ロータの磁極方向から電気角で所定角度進んだ方向に前記同期電流と異なる波形で通電する励磁用電流通電手段を有し、
    前記励磁用電流通電手段は、前記ロータ励磁用電流を三相二相変換して得られるd軸およびq軸の電流値について、1周期においてd軸電流をパルス状に変化させるとともに前記パルス状のピークを経過した後から次第に減少させて通電する制御を行い、かつ、少なくとも前記d軸電流をパルス状に変化させない期間を含めてq軸電流を次第に増加させて通電する制御を行うことを特徴とする界磁巻線型同期機。
  4. 前記励磁用電流通電手段は、前記ロータ励磁用電流を三相二相変換して得られるd軸およびq軸の電流値と指令電流値との偏差を求め、当該偏差に基づいてd軸およびq軸の電圧値を算出し、当該d軸およびq軸の電圧値を二相三相変換して得られる三相電圧値を制御値として通電する制御を行うことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の界磁巻線型同期機。
  5. 前記励磁用電流通電手段は、所定期間についてオープンループ制御によりロータ励磁用電流の通電を行うことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の界磁巻線型同期機。
  6. 電機子巻線が巻かれたステータと、
    界磁巻線が巻かれたロータコアを備え、前記ステータに対面して回転するロータと、
    前記界磁巻線と直列接続され、前記電機子巻線に流れる電機子電流によって前記界磁巻線に誘導される誘導交流電流を一方向に規制する整流素子と、
    を有する界磁巻線型同期機を制御する方法であって、
    前記ロータの回転数と一致する電気角回転数に従って回転する回転磁界を形成する同期電流に相当する電機子電流の基本波成分を前記電機子巻線に流す工程と、
    前記ロータの磁極方向に界磁磁束を発生させるロータ励磁用電流を、前記ロータの磁極方向から電気角で所定角度進んだ方向に前記同期電流と異なる波形で通電する制御で、前記ロータ励磁用電流を三相二相変換して得られるd軸およびq軸の電流値について、1周期においてd軸電流をパルス状に変化させてから一定値に通電し、かつ、少なくとも前記d軸電流を一定値に通電する期間を含めてq軸電流を次第に増加させて通電する工程と、
    を有することを特徴とする界磁巻線型同期機の制御方法。
  7. 電機子巻線が巻かれたステータと、
    界磁巻線が巻かれたロータコアを備え、前記ステータに対面して回転するロータと、
    前記界磁巻線と直列接続され、前記電機子巻線に流れる電機子電流によって前記界磁巻線に誘導される誘導交流電流を一方向に規制する整流素子と、
    を有する界磁巻線型同期機を制御する方法であって、
    前記ロータの回転数と一致する電気角回転数に従って回転する回転磁界を形成する同期電流に相当する電機子電流の基本波成分を前記電機子巻線に流す工程と、
    前記ロータの磁極方向に界磁磁束を発生させるロータ励磁用電流を、前記ロータの磁極方向から電気角で所定角度進んだ方向に前記同期電流と異なる波形で通電する制御で、前記ロータ励磁用電流を三相二相変換して得られるd軸およびq軸の電流値について、1周期においてd軸電流をパルス状に変化させるとともに前記パルス状のピークを経過した後から次第に減少させて通電し、かつ、前記q軸電流を一定値に通電する工程と、
    を有することを特徴とする界磁巻線型同期機の制御方法。
  8. 電機子巻線が巻かれたステータと、
    界磁巻線が巻かれたロータコアを備え、前記ステータに対面して回転するロータと、
    前記界磁巻線と直列接続され、前記電機子巻線に流れる電機子電流によって前記界磁巻線に誘導される誘導交流電流を一方向に規制する整流素子と、
    を有する界磁巻線型同期機を制御する方法であって、
    前記ロータの回転数と一致する電気角回転数に従って回転する回転磁界を形成する同期電流に相当する電機子電流の基本波成分を前記電機子巻線に流す工程と、
    前記ロータの磁極方向に界磁磁束を発生させるロータ励磁用電流を、前記ロータの磁極方向から電気角で所定角度進んだ方向に前記同期電流と異なる波形で通電する制御で、前記ロータ励磁用電流を三相二相変換して得られるd軸およびq軸の電流値について、1周期においてd軸電流をパルス状に変化させるとともに前記パルス状のピークを経過した後から次第に減少させて通電し、かつ、少なくとも前記d軸電流をパルス状に変化させない期間を含めてq軸電流を次第に増加させて通電する制御を行う工程と、
    を有することを特徴とする界磁巻線型同期機の制御方法。
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