JP2008288143A - 転写方法および転写装置ならびに有機発光素子の製造方法 - Google Patents

転写方法および転写装置ならびに有機発光素子の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2008288143A
JP2008288143A JP2007134211A JP2007134211A JP2008288143A JP 2008288143 A JP2008288143 A JP 2008288143A JP 2007134211 A JP2007134211 A JP 2007134211A JP 2007134211 A JP2007134211 A JP 2007134211A JP 2008288143 A JP2008288143 A JP 2008288143A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
transfer
light emitting
radiation
substrate
organic light
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2007134211A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4420065B2 (ja
Inventor
Koji Hanawa
幸治 花輪
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
Priority to JP2007134211A priority Critical patent/JP4420065B2/ja
Priority to TW097115597A priority patent/TW200906213A/zh
Priority to KR1020080046523A priority patent/KR20080102982A/ko
Priority to US12/123,803 priority patent/US20080292994A1/en
Priority to CN2008101079265A priority patent/CN101340746B/zh
Publication of JP2008288143A publication Critical patent/JP2008288143A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4420065B2 publication Critical patent/JP4420065B2/ja
Priority to US13/280,595 priority patent/US20120040292A1/en
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05BELECTRIC HEATING; ELECTRIC LIGHT SOURCES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; CIRCUIT ARRANGEMENTS FOR ELECTRIC LIGHT SOURCES, IN GENERAL
    • H05B33/00Electroluminescent light sources
    • H05B33/10Apparatus or processes specially adapted to the manufacture of electroluminescent light sources
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03BAPPARATUS OR ARRANGEMENTS FOR TAKING PHOTOGRAPHS OR FOR PROJECTING OR VIEWING THEM; APPARATUS OR ARRANGEMENTS EMPLOYING ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ACCESSORIES THEREFOR
    • G03B27/00Photographic printing apparatus
    • G03B27/32Projection printing apparatus, e.g. enlarger, copying camera
    • G03B27/42Projection printing apparatus, e.g. enlarger, copying camera for automatic sequential copying of the same original
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
    • H10K71/00Manufacture or treatment specially adapted for the organic devices covered by this subclass
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
    • H10K71/00Manufacture or treatment specially adapted for the organic devices covered by this subclass
    • H10K71/10Deposition of organic active material
    • H10K71/18Deposition of organic active material using non-liquid printing techniques, e.g. thermal transfer printing from a donor sheet

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Electroluminescent Light Sources (AREA)

Abstract

【課題】被転写層の形状や質を均一に形成することが可能な転写方法および転写装置、ならびに有機発光素子の製造方法を提供する。
【解決手段】転写装置1は、光学機構10と、位置検出部11と、高さ検出部12と、制御部13とを備えている。光学機構10は、光源100と、照明レンズ部101と、レーザ光分割部102と、結像レンズ部103とを有している。結像レンズ部103では、その焦点からのずれが中央部Cにおいて端部Eよりも大きくなるように構成されている。位置検出部11で検出された位置情報に基づいて光学機構10が走査され、高さ検出部12で検出された高さHに基づいて、結像レンズ部103の焦点の高さが転写基板200に対して一定の高さに維持されるようになっている。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば有機発光材料を含む転写層をレーザ照射によって転写する転写方法および転写装置、ならびにこれを用いた有機発光素子の製造方法に関する。
従来、有機発光素子の製造過程では、所定の領域に開口部を有するマスクを用いて、発光層などの有機層をパターニングする方法が一般的に用いられている。ところが、近年では、大型の有機発光素子が製造されるようになり、この場合パターニングに用いるマスクも大型となる。このため、マスクにたわみが生じアライメントの精度が悪くなるため、開口率が低下してしまう虞がある。そこで、有機層を蒸着させた転写基板にレーザ光を照射することにより、基板上に有機層を転写させる手法が提案されている(例えば特許文献1〜3参照)。
特開平9−167684号公報 特開2002−216957号公報 特表2000−515083号公報 特開2006−93127号公報 特開2006−93077号公報 特開2003−257641号公報
また、熱転写に用いるレーザ光を帯形状に成形し、複数の画素に対して一括してレーザ光を照射することにより、タクトタイムを短縮する手法が提案されている(例えば、特許文献4,5参照)。また、特許文献6には、レーザ光の強度分布において、その中心部の強度を端部の強度よりも大きく設定することにより、所望の領域以外の領域に有機層が転写されることを防ぐ手法が提案されている。
しかしながら、上記特許文献の手法では、複数の画素に対して照射するレーザ光の強度分布が不均一であり、これに起因して被照射面(転写基板)での温度分布が不均一となる。このため、転写によって形成される有機層の幅、形状、膜質などにばらつきが生じ、その結果、有機発光素子の発光輝度にむらが発生するという問題があった。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、被転写層の形状や質を均一に形成することが可能な転写方法および転写装置、ならびに有機発光素子の製造方法を提供することにある。
本発明による第1の転写方法は、転写層が設けられた転写基板と複数の領域が配列してなる被転写体とを対向配置し、転写基板の側から輻射線を照射することにより転写層を複数の領域に転写する工程を含み、輻射線を、帯形状となるように成形し、その長軸方向における中央部の短軸幅を端部の短軸幅よりも大きくするものである。
本発明による第2の転写方法は、転写層が設けられた転写基板と複数の領域が配列してなる被転写体とを対向配置し、転写基板の側から輻射線を照射することにより転写層を複数の領域に転写する工程を含み、輻射線を、帯形状となるように成形し、その長軸方向における中央部の強度ピーク値を端部の強度ピーク値よりも低くするものである。
本発明による第1の転写方法では、転写層が設けられた転写基板に対し帯形状の輻射線を照射することにより、被転写体の複数の領域に一括して転写層が転写される。このように複数の領域に対して輻射線を照射すると、その中央部では端部よりも熱が溜まり温度が上昇し易くなる。このとき、帯形状の輻射線が長軸方向における中央部の短軸幅が端部の短軸幅よりも大きくなっていることにより、中央部と端部との間で温度差が生じにくくなり、被照射面全体として温度分布が均一となる。
本発明による第2の転写方法では、転写層が設けられた転写基板に対し帯形状の輻射線を照射することにより、被転写体の複数の領域に一括して転写層が転写される。このように複数の領域に対して輻射線を照射すると、その中央部では端部よりも熱が溜まり温度が上昇し易くなる。このとき、帯形状の輻射線が長軸方向における中央部の強度ピーク値が端部の強度ピーク値よりも低くなっていることにより、中央部と端部との間で温度差が生じにくくなり、被照射面全体として温度分布が均一となる。
本発明による転写装置は、転写層が形成された転写基板への輻射線の照射により転写層の被転写体への転写を行うものであって、転写基板に輻射線を照射する光学機構を備えている。光学機構は、輻射線を射出する光源と、輻射線を帯形状に成形する照明レンズ部と、照明レンズ部によって帯形状に成形された輻射線を、その長軸方向に複数の領域に分割する輻射線分割部と、輻射線分割部によって分割された輻射線を転写基板上に結像させる結像レンズ部とを有している。結像レンズ部は、焦点からのずれが中央部において端部よりも大きくなるように構成されているものである。
本発明による転写装置では、光源から射出され、照明レンズ部によって帯形状に成形された輻射線は、結像レンズ部によって転写基板上に結像される。このとき、結像レンズ部が長軸方向における中央部の焦点からのずれが端部よりも大きくなるように構成されていることにより、結像される輻射線の中央部の短軸幅が端部の短軸幅よりも大きくなると共に、中央部の強度ピーク値が端部の強度ピーク値よりも低くなる。よって、中央部と端部との間で温度差が生じにくくなり、被照射面全体の温度分布が均一となる。
また、転写基板上の位置を検出する位置検出部と、結像レンズ部の転写基板に対する高さを検出する高さ検出部とを備えるようにし、位置検出部によって検出された位置に基づいて光学機構を走査させると共に、高さ検出部で検出された高さに基づいて、結像レンズ部の焦点高さが転写基板に対して一定となるように構成されていることにより、順次走査される転写基板の各領域に対して、照射される輻射線の強度が一定に保たれる。
本発明による第1の有機発光素子の製造方法は、第1の転写方法を用いて有機発光材料を含む転写層を素子基板上に転写するものである。
本発明による第2の有機発光素子の製造方法は、第2の転写方法を用いて有機発光材料を含む転写層を素子基板上に転写するものである。
本発明による第1の転写方法によれば、転写層が設けられた転写基板に対し、長軸方向において中央部の短軸幅が端部の短軸幅よりも大きい帯形状となるように成形された輻射線を照射するようにしたので、被照射面全体の温度分布が均一となる。よって、被転写層の形状や質などを均一に形成することが可能となる。また、転写層として有機発光材料を含むようにすれば、輝度むらの発生が抑制された有機発光素子を製造することが可能となる。
本発明による第2の転写方法によれば、転写層が設けられた転写基板に対し、長軸方向における中央部の強度ピーク値が端部の強度ピーク値よりも低い帯形状となるように成形された輻射線を照射するようにしたので、被照射面全体の温度分布が均一となる。よって、被転写層の形状や質などを均一に形成することが可能となる。また、転写層として有機発光材料を含むようにすれば、輝度むらの発生が抑制された有機発光素子を製造することが可能となる。
本発明による転写装置によれば、輻射線を射出する光源と、輻射線を帯形状となるように成形する照明レンズ部と、照明レンズ部によって帯形状に成形された輻射線を長軸方向に複数の領域に分割する輻射線分割部と、輻射線分割部によって分割された輻射線を転写基板上に結像させる結像レンズ部とを有し、結像レンズ部は、帯形状の輻射線の長軸方向の中央部よりも端部において焦点が合うように構成されているので、輻射線の中央部の短軸幅が端部の短軸幅よりも大きくなると共に、輻射線の中央部の強度ピーク値が端部の強度ピーク値よりも低くなり、照射面全体の温度分布が均一となる。従って、被転写層の形状や質などを均一に形成することが可能となる。
また、転写基板上の位置を検出する位置検出部と、結像レンズ部の転写基板に対する高さを検出する高さ検出部とを備えるようにし、位置検出部によって検出された位置に基づいて光学機構を走査させると共に、高さ検出部で検出された高さに基づいて、結像レンズ部の焦点高さが転写基板に対して一定となるように構成すれば、順次走査される複数の領域に対して均一な強度で輻射線が照射される。従って、より複数の領域で被転写層の形状や質などを均一に形成することが可能となる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施の形態に係る転写装置1の全体構成を表すものである。図2は、転写装置1の光学機構10の概略構成を表す断面図である。図3は、転写装置1の位置検出部11と高さ検出部12の配置構成を表す斜視図である。この転写装置1は、例えば、有機発光素子の製造において、発光層などの有機層をレーザ照射によりパターン転写するために用いられるものである。なお、本発明の転写方法は、本実施の形態に係る転写装置により具現化されるので、以下併せて説明する。また、以下の説明において、単に「中央部」といった場合には、長軸方向における中央部を示し、単に「端部」といった場合には、長軸方向における端部を示すものとする。
この転写装置1は、光学機構10と、位置検出部11と、高さ検出部12と、制御部13と、駆動機構部130とを備えている。転写装置1では、駆動機構部130の駆動に基づいて制御部13が制御され、光学機構10を、位置検出部11の動作に基づいて走査しながら、転写基板200に対してレーザ光(Lout)を照射することにより、転写基板200に形成される転写層が素子基板3に転写されるようになっている。転写基板200の転写層は、例えば有機発光材料を含んで構成され、素子基板3は、例えば複数の有機発光素子形成領域(画素)を有している。
光学機構10は、光源100と、照明レンズ部101と、レーザ光分割部102と、結像レンズ部103とを有している。光源100は、例えばレーザ光などの輻射線を射出するものであり、例えば赤外光(例えば波長808nm)を発振するレーザダイオードなどが用いられる。このレーザ光の発振波長は、転写対象となる転写基板200の転写層の材料や厚みなどによって決定されるものである。照明レンズ部101は、光源100より射出されたレーザ光を帯形状に成形するものである。
レーザ光分割部102は、例えば複数の開口部102Aを有しており、照明レンズ部101によって帯形状に成形されたレーザ光が、例えば素子基板3上の各画素の被転写領域に対応して分割されるようになっている。よって、このレーザ光分割部102の開口部102Aの数(分割数)が、一度にレーザ照射できる画素の数に対応する。例えば、5つの開口部102Aを設けることにより、一度に5つの画素に対応する領域にレーザ光が照射されることとなる。
結像レンズ部103は、レーザ光分割部102によって分割されたレーザ光を転写基板200上に結像させるものである。この結像レンズ部103では、中央部における焦点からのずれが端部よりも大きくなるように構成されている。また、高さH方向(光軸に沿った方向)に可動となっており、後述の高さ検出部12によって検出された高さHに関する情報に基づいて、その焦点(結像位置)を転写基板200に対して一定の高さに維持できるようになっている。
位置検出部11は、転写基板200に形成された位置マーク(図示せず)に基づいて転写基板200上の位置を検出するものであり、例えばCCD(Charge Coupled Device:電荷結合素子)カメラが用いられる。位置検出部11は、図3に示したように、光学機構10の走査方向(進行方向)において、光学機構10よりも前方に配置される。この位置検出部11によって検出された位置に関する情報は、制御部13に入力される。
高さ検出部12は、光学機構10の転写基板200に対する高さHを随時検出するようになっており、例えばレーザ方式の変位計が用いられる。この高さ検出部12についても、上記位置検出部11と同様に、光学機構10よりも走査方向の前方に配置される。この高さ検出部12によって検出された高さHに関する情報は、制御部13に入力される。
制御部13は、位置検出部11で検出した位置に関する情報に基づいて、光学機構10を転写基板200に対して走査させると共に、高さ検出部12によって検出された高さHに関する情報に基づいて、結像レンズ部103を高さH方向にシフトさせるものである。
ここで、図4および図5に、複数の画素の配列に対する光学機構10の走査方法の一例を示す。図4に示したように、素子基板3において複数の画素が方向D1に沿って配列している場合、光学機構10を、方向D1に沿って転写基板200の一端から他端まで走査するようにする。このようにして一つ方向D1における走査が終了すると、光学機構10を、方向D1と直交する方向D2に沿って移動させ、前回と異なる画素列に対して方向D1に沿って走査を行う。このとき、レーザ光分割部102の分割数に対応する数、例えば5つの画素列S1,S2,S3,S4,S5に対して、一度(一方向)の走査で一括してレーザ照射が行われる。
あるいは、図5に示したように、転写基板200の異なる領域G1,G2,G3…ごとに、それぞれ光学機構10を配置し、各領域G1,G2,G3ごとに図4に示したような走査を同時に行うようにしてもよい。この場合、複数の光学機構10が制御部13によって制御され、それぞれのレーザ照射領域が重複しないように走査が行われる。なお、隣り合う領域同士で互いに反対方向に走査されるように光学機構10を配置するようにしてもよい。
次に、このような構成を有する転写装置1の作用について説明する。
転写装置1では、位置検出部11において、転写基板200上に設けられた位置マークに基づいて位置が検出されると、この位置に関する情報は制御部13に入力される。制御部13では、位置に関する情報に基づいて光学機構10を駆動して、転写基板200上で走査が行われる。一方、光学機構10では、制御部13の制御により光源100が駆動されるとレーザ光が発振され、照明レンズ部101において帯形状に成形される。この帯形状に成形されたレーザ光は、レーザ光分割部102に入射すると、その開口部102Aによって画素単位に分割される。このようにして分割された帯形状のレーザ光が、結像レンズ部103において屈折されて転写基板200側に結像される。これにより、転写基板200に設けられた転写層が被転写体としての素子基板3に転写される。
ここで、図6および図7を参照して、光学機構10の結像レンズ部103と高さ検出部12との具体的な動作について説明する。図6は、結像レンズ部103の転写基板200に対する高さHと、転写基板200上に結像されるレーザ光の短軸方向における幅(以下、単に短軸幅という)Dとの関係を表したものである。図7は、転写基板200上に結像されるレーザ光の帯形状とその強度分布を表すものである。
図6に示したように、結像レンズ部103にレーザ光が入射すると、高さHの大きさによって焦点(結像位置)からのずれが生じるため、この焦点からのずれに対応して短軸幅Dの大きさが変化する。また、結像レンズ部103では、レンズの収差によって中央部Cと端部Eとでその焦点FC,FEの高さが異なるものとなる。従って、中央部Cにおける焦点FCからのずれが端部Eにおける焦点FEからのずれよりも大きくなるように設定する。よって、例えば、中央部Cと端部Eとの焦点からのずれが等しくなるとき(中央部Cと端部Eとで短軸幅が等しい場合)の高さをH=0(ゼロ)として、高さHが0よりも小さくなるように結像レンズ部103をシフトすることにより、図7に示したような強度分布を有する帯形状のレーザ光が転写基板200上に結像される。なお、図6における−方向は高さHが小さくなる方向を示し、+方向は高さHが大きくなる方向を示している。
このように、結像レンズ部103において、中央部Cにおける焦点FCからのずれが端部Eにおける焦点FEからのずれよりも大きくなるように構成されていることにより、分割されたレーザ光の帯形状は、中央部Cでの短軸幅DCが端部Eでの短軸幅DEよりも大きくなる。また、短軸方向の強度分布は、中央部Cと端部Eとによって異なり、中央部Cでの強度分布PSCのピーク値PCは、端部Eでの強度分布PSEのピーク値PEよりも小さくなる。また、長軸方向の強度分布PLでは、中央部Cよりも端部Eでの強度が高くなっている。
一方、高さ検出部12では、光学機構10の順次走査に伴って高さHが検出される。そして、この高さHに関する情報が制御部13に入力されると、制御部13では、図7に示したような強度分布を有する帯形状を結像させるような高さHを基準高さH0として予め保持しておき、この基準高さH0と高さ検出部12によって検出された高さHとが比較されることにより、結像レンズ部103の転写基板200に対する高さHが常に基準高さH0となるように、結像レンズ部103がシフトされる。
よって、転写基板200上を走査する結像レンズ部103の転写基板200に対する高さHが高さ検出部12によって検出され、高さHに関する情報が制御部13に入力されると、結像レンズ部103は、その焦点の高さが転写基板200に対して常に一定となるように高さH方向に沿ってシフトされる。
以上説明したように、転写装置1では、光学機構10の結像レンズ部103が中央部Cにおける焦点FCからのずれが端部Eにおける焦点FEからのずれよりも大きくなるように構成することで、複数に分割されたレーザ光の帯形状は、中央部Cの短軸幅が端部Eの短軸幅よりも大きくなる。また、短軸方向の強度分布において、中央部Cでの強度ピーク値PCが端部Eでの強度ピーク値PEよりも小さくなる。一般に、複数の画素に対応する領域にレーザ光を照射すると、結像レンズ部103のレンズ構成や画素の配置等に起因して、中央部Cでは端部Eに比べて熱が溜まり温度が上昇し易くなる。本実施の形態では、レーザ光の帯形状において、中央部Cの短軸幅が端部Eの短軸幅よりも大きくなっていると共に、中央部Cでの短軸方向の強度ピーク値PCが端部Eでの短軸方向の強度ピーク値PEよりも小さくなっていることにより、中央部Cでのレーザ光のエネルギー密度が低くなり、中央部Cでの温度上昇が緩和される。従って、中央部Cと端部Eとの間で温度差が生じにくくなり、被照射面A全体として温度分布が均一化される。これにより、被転写層の形状や質を均一とすることが可能となる。
また、位置検出部11によって転写基板200の位置を検出しつつ、制御部13によって光学機構10の走査を行うことにより、光学機構10の転写基板200に対する位置ずれが防止され、所望の領域に対して精度良くレーザ光を照射することができる。
さらに、高さ検出部12によって結像レンズ部103の転写基板200に対する高さHを検出し、この高さHに基づいて結像レンズ部103の焦点高さが常に一定となるように構成されていることにより、光学機構10によって順次走査される転写基板200の各領域に対して、照射される輻射線の強度が常に一定に保たれる。これにより、順次走査される複数の画素の走査方向に対して均一な強度でレーザ光を照射することができる。
また、光学機構10において、レーザ光分割部102によって、帯形状のレーザ光を画素単位に分割することにより、一回のレーザ照射で複数の画素に一括して転写を行うことができる。このとき、レーザ光分割部102の開口部102Aの数をより多く設けることにより、より多くの画素に対してレーザ光を一括照射することができる。一般に、一度に照射する画素の数を増加させたり、画素の配置密度を高くすると、中央部Cでは端部Eに比べて熱が溜まり易くなり温度分布が不均一となる。本実施の形態では、レーザ光の強度分布が最適化されているので、一度に照射される画素の数を増加させたり、画素の配置密度を高くした場合であっても、光学機構を複雑化することなく、均一な形状や質で被転写層を形成することができる。
次に、このような転写装置1の適用例について説明する。転写装置1は、例えば有機発光素子を備えた表示装置2の製造に用いることができる。
まず、図8を参照して表示装置2の構成について説明する。図8は、表示装置2の概略構成を表す断面図である。表示装置2は、薄型の有機発光カラーディスプレイ装置などとして用いられるものであり、例えば、駆動用基板20上に、赤色の光を発生する赤色有機発光素子20Rと、緑色の光を発生する緑色有機発光素子20Gと、青色の光を発生する青色有機発光素子20Bとが、順に繰り返し配置され、全体としてマトリクス状に形成されている。これらの赤色有機発光素子20R、緑色有機発光素子20Gおよび青色有機発光素子20Bは、保護膜28により被覆されており、接着層29を介して封止用基板30により封止されている。この表示装置2は、赤色有機発光素子20R、緑色有機発光素子20Gおよび青色有機発光素子20Bのそれぞれが、封止用基板30の上面より3色の光LR,LG,LBを射出する上面発光型の表示装置である。
駆動用基板20は、例えば、TFT(Thin Film Transistor;薄膜トランジスタ)素子などのスイッチング素子と、このスイッチング素子に接続されるゲート線、ソース線などの配線と、これらを平坦化させる平坦化絶縁層(いずれも図示せず)などが積層されて構成されている。なお、平坦化絶縁層にはコンタクトホールが設けられており、TFT素子と駆動基板10上の赤色有機発光素子20R、緑色有機発光素子20Gおよび青色有機発光素子20Bと電気的に接続されている。
赤色有機発光素子20Rは、駆動用基板20の側から、例えば、第1電極21と、絶縁膜22と、正孔注入層23と、正孔輸送層24と、赤色発光層25Rと、青色発光層25Bと、電子輸送層26と、第2電極27とが順に積層されたものである。緑色有機発光素子20Gは、駆動用基板20の側から、第1電極21と、絶縁膜22と、正孔注入層23と、正孔輸送層24と、緑色発光層25Gと、青色発光層25Bと、電子輸送層26と、第2電極27とが順に積層されたものである。青色有機発光素子20Bは、駆動用基板20の側から、第1電極21と、絶縁膜22と、正孔注入層23と、正孔輸送層24と、青色発光層25Bと、電子輸送層26と、第2電極27とが順に積層されたものである。
第1電極21は、例えば、アノード電極として機能し、例えば、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)および銀(Ag)などの金属、あるいはこれらの金属の合金により構成され、単層構造であっても積層構造であってもよい。なお、下面発光型の場合には、例えば、ITOやIZO(インジウム亜鉛酸化物)などの透明電極により構成するようにしてもよい。この第1電極21は、例えば50nm〜1000nmの厚みで形成されている。
絶縁膜22は、赤色有機発光素子20R、緑色有機発光素子20Gおよび青色有機発光素子20Bのそれぞれの素子間で電気的な絶縁を確保するものであり、例えばポリベンゾオキサゾール、ポリイミド、アクリルなど感光性樹脂により構成され、厚みは例えば2.0μmである。この絶縁膜22には、各発光領域に対応して開口部が設けられている。
正孔注入層23、正孔輸送層24および電子輸送層26は、赤色有機発光素子20R、緑色有機発光素子20Gおよび青色有機発光素子20Bの共通の層となっている。なお、これらの層は必要に応じて設けられ、発光色によりそれぞれ構成が異なっていてもよい。
正孔注入層23は、正孔注入効率を高めるためのものであると共に、リークを防止するためのバッファ層である。この正孔注入層23は、例えば、厚みが5nm以上300nm以下、例えば25nmであり、4,4’,4”−トリス(3−メチルフェニルフェニルアミノ)トリフェニルアミン(m−MTDATA)あるいは4,4’,4”−トリス(2−ナフチルフェニルアミノ)トリフェニルアミン(2−TNATA)により構成されている。
正孔輸送層24は、赤色発光層25R、緑色発光層25Gおよび青色発光層25Bへの正孔輸送効率を高めるためのものである。この正孔輸送層24A2は、例えば、厚みが5nm以上300nm以下、例えば30nmであり、4,4’−ビス(N−1−ナフチル−N−フェニルアミノ)ビフェニル(α−NPD)により構成されている。
赤色発光層25R、緑色発光層25Gおよび青色発光層25Bは、電界をかけることにより電子と正孔との再結合が起こり、光を発生する発光層として機能するものである。
赤色発光層25Rは、赤色発光材料と、正孔輸送性材料、電子輸送性材料および両電荷輸送性材料のうち少なくとも1種とを含んでおり、厚みは、例えば10〜100nmである。赤色発光材料は、蛍光性のものでも燐光性のものでもよく、例えば、ADN(ジ(2−ナフチル)アントラセン)に、2,6−ビス[(4’−メトキシジフェニルアミノ)スチリル]−1,5−ジシアノナフタレン(BSN)を30重量%混合したものにより構成されている。
緑色発光層25Gは、緑色発光材料と、正孔輸送性材料,電子輸送性材料および両電荷輸送性材料のうち少なくとも1種とを含んでおり、厚みは、例えば10〜100nmである。緑色発光材料は、緑色発光材料としては、蛍光性のものでも燐光性のものでもよく、例えば、ADNに、クマリン6(Coumarin6)を5重量%混合したものにより構成されている。
青色発光層25Bは、青色発光材料と、正孔輸送性材料,電子輸送性材料および両電荷輸送性材料のうち少なくとも1種とを含んでおり、厚みは、例えば10〜100nmである。青色発光材料は、蛍光性のものでも燐光性のものでもよく、ADNに、4,4’−ビス[2−{4−(N,N−ジフェニルアミノ)フェニル}ビニル]ビフェニル(DPAVBi)を2.5重量%混合したものにより構成されている。
電子輸送層26は、電子輸送効率を高めるためのものであり、例えば8−ヒドロキシキノリンアルミニウム(Alq3)により構成され、厚みは例えば20nmである。なお、この電子輸送層26と第2電極27との間に、電子注入効率を高めるために、例えば、LiF、Li2Oなどにより構成される電子注入層を設けるようにしてもよい。
第2電極27は、例えば、カソード電極として機能し、例えば、透明電極または半透過性電極により構成され、厚みは、例えば、5nm〜50nmである。なお、上面発光型の場合、この第2電極は、有機層に対して電子を効率的に注入できるように、仕事関数の小さい材料によって構成されていることが好ましく、例えば、マグネシウム(Mg)、銀(Ag)などの金属元素の単体または合金により構成されている。また、このような第2電極27は、蒸着法のような成膜粒子のエネルギーが小さい方法によって形成されることが好ましい。
保護膜28は、赤色有機発光素子20R、緑色有機発光素子20Gおよび青色有機発光素子20Bに水分や酸素などが侵入することを防止するためのものであり、透過水性および吸水性の低い材料により十分な膜厚で構成されている。また、保護膜28は、赤色発光層25R、緑色発光層25Gおよび青色発光層25Bで発生した光に対する透過性が高く、例えば80%以上の透過率を有する材料により構成されている。このような保護膜28は、例えば、厚みが2μm〜3μm程度であり、無機アモルファス性の絶縁性材料により構成されている。具体的には、アモルファスシリコン(α−Si),アモルファス炭化シリコン(α−SiC),アモルファス窒化シリコン(α−Si1-x x )およびアモルファスカーボン(α−C)が好ましい。これらの無機アモルファス性の絶縁性材料は、グレインを構成しないので透水性が低く、良好な保護膜となる。また、保護膜28は、ITOやIXOのような透明導電材料により構成されていてもよい。
接着層20は、例えば熱硬化型樹脂や紫外線硬化型樹脂などにより構成されている。
封止用基板30は、赤色発光層25R、緑色発光層25Gおよび青色発光層25Bで発生した光に対して透明なガラスなどの材料により構成されている。
次に、図9〜図17を参照して、表示装置2の製造方法について説明する。なお、図9および図10は素子基板3の形成工程を工程順に表す図であり、図11は転写基板200の断面構成を表す図であり、図12〜図15はレーザ転写工程を工程順に示す図であり、図16および図17は、図15に続く工程を示す図である。
まず、素子基板3を次のようにして形成する。図9(A)に示したように、駆動用基板20上に、例えばスパッタリング法により、第1電極21を形成したのち、例えばフォトリソグラフィによるパターニング後、エッチングにより所定の形状に成形する。なお、駆動用基板20には、図示しないTFT素子やゲート線、ソース線などの配線が配置されているため、これらを平坦化させる平坦化絶縁膜を形成し、この平坦化絶縁膜にコンタクトホールを形成し、駆動用基板20と第1電極21とが電気的に接続されるようにする。
続いて、図9(B)に示したように、駆動用基板20の全面に対して、例えばスピンコート法により感光性樹脂を塗布し、例えばフォトリソグラフィ法により第1電極21に対応する部分に開口部を設けた形状に成形したのち、焼成して、絶縁膜22を形成する。
続いて、図10に示したように、形成した第1電極21および絶縁膜22を覆うように、例えば蒸着法により、正孔注入層23および正孔輸送層24を順次成膜することにより、赤色素子形成領域20R−1と、緑色素子形成領域20G−1と、青色素子形成領域20B−1とを有する素子基板3を形成する。
一方で、転写基板200を次のようにして形成する。図11に示したように、まず、ガラスなどの透明基板により構成されている基板201上に、例えばスパッタリング法により光吸収層202を十分な厚みで形成する。続いて、この光吸収層上に、例えばCVD(Chemical Vapor Deposition:化学気相成長)法により、保護層203を形成することにより、転写基板200を形成する。なお、光吸収層202は、光エネルギーを吸収して熱エネルギーに変換する材料、例えば、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、チタン(Ti)あるいはこれらを含む合金など吸収率の高い金属材料により構成されている。保護層203は、例えば、SiNxなどの非晶質シリコンにより構成され、光熱変換層34の酸化を防止するようになっている。この転写基板200の保護層203の側に、素子基板3上に転写させる転写層204が形成される。転写層204としては、赤色発光材料を含む赤色転写層204R、緑色発光材料を含む緑色転写層204Gおよび青色発光材料を含む青色転写層204Bが、例えば真空蒸着により形成される。
次いで、図12に示したように、形成した素子基板3上に転写基板200に形成された転写層204を転写させる。転写層204としては、まず、緑色発光材料を含む緑色転写層204Gを形成し、転写層204Gを素子基板3に対向させて配置し、素子基板3上の緑色素子形成領域20G−1に対して、転写基板200の側からレーザ光Lを照射する。このとき、本実施の形態の転写装置1を用いて、素子基板3上の複数の緑色素子形成領域20G−1に対してレーザ光を照射するようにする。これにより、図13に示したように、緑色素子形成領域20G−1に、被転写層としての緑色発光層25Gが形成される。続いて、図14および図15に示したように、赤色転写層204Rおよび青色転写層204Bを、上記と同様にして順に転写させることにより、図16に示したように、赤色素子形成領域20R−1、緑色素子形成領域20G−1および青色素子形成領域20B−1のそれぞれの領域に、赤色発光層25R、緑色発光層25Gおよび青色発光層25Bが形成される。
続いて、図17に示したように、例えば真空蒸着法により、電子輸送層26と第2電極27とを順次形成する。このようにして、駆動用基板20上に、赤色有機発光素子20R、緑色有機発光素子20Gおよび青色有機発光素子20Bを形成する。
このようにして、赤色有機発光素子20R、緑色有機発光素子20Gおよび青色有機発光素子20Bを形成したのち、これらの上に保護膜28を形成する。このとき、下地に対して影響を及ぼすことのない程度に、成膜粒子のエネルギーが小さい成膜方法、例えば蒸着法またはCVD法が好ましい。また、第2電極27を大気に暴露することなく、第2電極27の形成と連続的に行うことが好ましい。大気中の水分や酸素により、赤色有機発光素子20R、緑色有機発光素子20Gおよび青色有機発光素子20Bが劣化してしまうのを抑制することができるからである。更に、赤色有機発光素子20R、緑色有機発光素子20Gおよび青色有機発光素子20Bの輝度の低下を防止するため、保護膜28の成膜温度は常温に設定することが好ましく、保護膜28の剥がれを防止するために膜のストレスが最小になる条件で成膜することが望ましい。
最後に、保護膜28の上に、接着層20を形成し、この接着層20を間にして封止用基板30を貼り合わせる。以上により、図8に示した表示装置2を完成する。
以上のようにして製造される表示装置2では、駆動用基板20上に形成される赤色有機発光素子20R、緑色有機発光素子20Gおよび青色有機発光素子20Bにおいて、赤色発光層25R、緑色発光層25Gおよび青色発光層25Bが、本実施の形態の転写装置1により転写されて形成されることにより、その形状や質が均一となる。従って、表示装置2全体として輝度むらが抑制され、均一な面発光を実現できる。
(変形例)
次に、本実施の形態の転写装置1の変形例について説明する。
図18は、本変形例に係る転写装置を用いて転写基板200上に結像させたレーザ光の帯形状と強度分布について表すものである。本変形例では、レーザ光分割部以外は、上記転写装置1と同様の構成となっている。具体的には、レーザ光分割部の中央部において端部よりも光透過性が低くなるように構成されている(図示せず)。このような構成としては、例えば、中央部に配置される開口部に、光を反射させるような膜や光を吸収するような膜を設けるようにすればよい。このように、レーザ光分割部において、中央部で端部よりも光透過性が低くなるように構成することにより、中央部における強度ピーク値が端部における強度ピーク値よりも低くなる。よって、図18に示したように、レーザ光の帯形状の短軸幅D0は中央部Cおよび端部Eで一定となっている一方、短軸方向の強度分布においては中央部の強度分布PSCの強度ピーク値PCが端部の強度分布PSEの強度ピーク値PEよりも小さくなる。また、長軸方向の強度分布PLは、中央部で低く端部で高くなっている。従って、レーザ光の帯形状の中央部と端部との間に温度差が生じにくくなり、被転写層の形状や質を均一にすることができる。
(実施例)
次に、本実施の形態に係る表示装置2の実施例について説明する。
実施例1として、図7に示したような強度分布を有する帯形状のレーザ光を用いて作製した表示装置の輝度むらについて評価を行った。この際、結像レンズ部103の転写基板200に対する高さHを−50μmとすると、中央部Cの短軸幅DCと端部Eの短軸幅DEとの比(DC/DE)を1.4、中央部Cの短軸方向の強度ピーク値PCと端部Eの短軸方向の強度ピーク値PEとの比(PC/PE)を0.7となった。また、レーザ光の波長を808nm、スキャン速度を250mm/secとした。但し、中央部Cと端部Eとで短軸幅が等しい場合を0とし、そこから高さHが小さくなる方向を−(マイナス)の符号、高さHが大きくなる方向を+(プラス)の符号で表すものとする。
実施例2として、高さHを−25μmとすると、短軸幅比DC/DEを1.3、強度ピーク比PC/PEを0.8となったこと以外は、上記実施例1と同様にして輝度むらについて評価を行った。実施例1および実施例2の結果を表1に示す。
実施例1,2の比較例1として、図19に示した従来の帯形状のレーザ光を用いて作製した表示装置の輝度むらについて評価を行った。比較例1では、高さHを0、すなわち中央部Cと端部Eとの間で短軸幅D0を一定(短軸幅比DC/DEは1.0)とした。この場合、上述したように、結像レンズ部の構成や結像レンズ部に用いるレンズの透過率分布により、強度ピーク値は端部よりも中央部において高くなるため、強度ピーク比PC/PEは、1.2となる。なお、その他の条件は上記実施例1と同様とした。
実施例1,2の比較例2,3として、図20に示した帯形状のレーザ光を用いて作製した表示装置の輝度むらについて評価を行った。比較例2では、高さHを+25μmとして、短軸幅比DC/DEを0.8、強度ピーク比PC/PEを1.4とした。比較例3では、高さHを+50μmとすると、短軸幅比DC/DEを0.7、強度ピーク比PC/PEを1.4となった。なお、その他の条件は上記実施例1と同様とした。比較例1〜3の結果を、実施例1,2の結果と共に表1に示す。
Figure 2008288143
表1に示したように、実施例1および実施例2では、輝度むらが十分に抑制された良好な表示結果となった。これに対し、比較例1では劣悪、比較例2,3では極めて劣悪な表示結果となった。この結果は、高さHを0より大きくすることで、中央部Cの短軸幅DCが端部Eの短軸幅DEよりも大きく、短軸方向における強度ピーク値が中央部Cで端部Eよりも小さくなる帯形状のレーザ光を用いることにより、被転写層としての発光層の形状や質が均一に形成され、これにより表示装置全体としての輝度むらの発生が抑制されることを示している。
以上、実施の形態および実施例を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態等に限定されるものではなく、種々変形が可能である。例えば、上記実施の形態では、レーザ光を照射することにより転写する場合について説明したが、例えばランプなど他の輻射線を照射するようにしてもよい。
また、上記実施の形態等では、転写装置1において、光学機構10が転写基板200上を移動することにより転写基板200が走査される場合について説明したが、これに限定されず、例えば転写基板200が載置されるステージ(図示せず)等を動かすことにより、光学機構10に対して転写基板200が走査されるように構成してもよい。
また、上記実施の形態等では、表示装置2が上面発光型である場合について説明したが、これに限定されず、透過型あるいは下面発光型であってもよい。また、第2電極27を、カソード電極として用いる場合について説明したが、アノード電極として用いるようにしてもよい。例えば、透過型の場合、第2電極をアノード電極として用いるときには、反射率の高い導電性材料により構成され、第2電極をカソード電極として用いるときには、仕事関数が小さく、かつ反射率の高い導電性材料により構成されるようにする。
また、上記実施の形態等では、レーザ光分割部102の開口部102Aの数を5つとした場合について説明したが、これに限定されず、少なくとも2つ以上であれば本発明の効果は達成される。但し、開口部102Aの数は、表示領域全体の画素数やサイズによって決定されることが好ましい。例えば、一般のディスプレイやテレビの規格では、1024×768や、1920×1080などのように8の倍数や10の倍数になっていることが多いため、このような画素数を有する表示装置を作製する場合には、この画素数を割り切ることのできる数、例えば8の倍数や10の倍数の個数分、開口部102Aが設けられていることが好ましい。
また、上記実施の形態等では、スキャン速度250mm/secとしたが、これに限定されず、要求されるエネルギー密度と画素配列に対する転写膜の位置精度によって、例えば50〜1000mm/sec程度でのスキャンが可能である。
また、上記実施の形態等では、中央部Cと端部Eとで短軸幅が等しい場合を高さ0(ゼロ)とし、そこから高さHが小さくなる方向を−(マイナス)の符号、高さHが大きくなる方向を+(プラス)の符号で表したとき、−の方向に結像レンズ部をシフトさせて高さHを設定することにより中央部Cよりも端部Eにおいて焦点からのずれが小さくなるようにしたが、これに限定される訳ではない。例えば、結像レンズ部の構成によっては、+の方向に結像レンズ部をシフトさせて高さHを設定することにより、中央部Cよりも端部Eにおいて焦点からのずれが小さくなるようにすることも可能である。
また、上記実施の形態等において説明した各層の材料および厚み、または成膜方法,成膜条件およびレーザ光Lの照射条件などは限定されるものではなく、他の材料および厚みとしてもよく、または他の成膜方法,成膜条件および照射条件としてもよい。
また、上記実施の形態等では、赤色有機発光素子20R,緑色有機発光素子20Gおよび青色有機発光素子20Bの構成を具体的に挙げて説明したが、全ての層を備える必要はなく、また、他の層を更に備えていてもよい。例えば、第1電極21と正孔注入層23との間に、酸化クロム(III)(Cr2 3 ),ITOなどからなる正孔注入用薄膜層を備えていてもよい。
本発明の一実施の形態に係る転写装置の全体構成を表すブロック図である。 図1に示した転写装置の光学機構の概略構成を表す断面図である。 図1に示した転写装置の位置検出部と高さ検出部の配置を表す斜視図である。 走査方法の一例を説明するための平面図である。 走査方法の一例を説明するための平面図である。 高さHに対するレーザ光の短軸幅の関係を表す特性図である。 図1に示した転写装置によって照射されるレーザ光の帯形状とその強度分布を表す図である。 図1に示した転写装置を用いて製造した表示装置の概略構成を表す断面図である。 素子基板の形成方法を工程順に表す断面図である。 素子基板の概略構成を表す断面図である。 転写基板の概略構成を表す断面図である。 レーザ転写工程を表す断面図である。 図12に続く工程を表す断面図である。 図13に続く工程を表す断面図である。 図14に続く工程を表す断面図である。 図15に続く工程を表す断面図である。 図16に続く工程を表す断面図である。 変形例に係る転写装置のレーザ光の帯形状とその強度分布を表す図である。 比較例1に係るレーザ光の帯形状とその強度分布を表す図である。 比較例2および比較例3に係るレーザ光の帯形状とその強度分布を表す図である。
符号の説明
1…転写装置、2…表示装置、3…素子基板、20R…赤色有機発光素子、20G…緑色有機発光素子、20B…青色有機発光素子、20…駆動用基板、21…第1電極、22…絶縁膜、23…正孔注入層、24…正孔輸送層、25R…赤色発光層、25G…緑色発光層、25B…青色発光層、26…電子輸送層、27…第2電極、28…保護膜、29…接着層、30…封止用基板、200…転写基板。

Claims (11)

  1. 転写層が設けられた転写基板と複数の領域が配列してなる被転写体とを対向配置し、前記転写基板の側から輻射線を照射することにより前記転写層を前記複数の領域に転写する工程を含み、
    前記輻射線を、帯形状となるように成形し、その長軸方向における中央部の短軸幅を端部の短軸幅よりも大きくする
    ことを特徴とする転写方法。
  2. 転写層が設けられた転写基板と複数の領域が配列してなる被転写体とを対向配置し、前記転写基板の側から輻射線を照射することにより前記転写層を前記複数の領域に転写する工程を含み、
    前記輻射線を、帯形状となるように成形し、その長軸方向における中央部の強度ピーク値を端部の強度ピーク値よりも低くする
    ことを特徴とする転写方法。
  3. 前記輻射線を、前記複数の領域に対応して設けられた開口部を有するマスクを介して照射する
    ことを特徴とする請求項2記載の転写方法。
  4. 転写層が形成された転写基板への輻射線の照射により前記転写層の被転写体への転写を行う転写装置であって、
    前記転写基板に輻射線を照射する光学機構を備え、
    前記光学機構は、
    輻射線を射出する光源と、
    前記輻射線を帯形状に成形する照明レンズ部と、
    前記照明レンズ部によって帯形状に成形された輻射線を、その長軸方向に複数の領域に分割する輻射線分割部と、
    前記輻射線分割部によって分割された輻射線を前記転写基板上に結像させる結像レンズ部とを有し、
    前記結像レンズ部は、焦点からのずれが中央部において端部よりも大きくなるように構成されている
    ことを特徴とする転写装置。
  5. 前記転写基板上の位置を検出する位置検出部を備え、
    前記位置検出部によって検出された位置に基づいて、前記光学機構が前記転写基板の各領域を走査するようになっている
    ことを特徴とする請求項4記載の転写装置。
  6. 前記結像レンズ部の前記転写基板に対する高さを検出する高さ検出部を備え、
    前記結像レンズ部は、前記高さ方向に沿って可動となっており、前記高さ検出部によって検出された高さに基づいて、前記焦点の前記転写基板に対する高さが一定となるように構成されている
    ことを特徴とする請求項5記載の転写装置。
  7. 前記被転写体が複数の画素を配列してなるものであり、
    前記光学機構が、前記画素の配列方向に沿って走査するようになっている
    ことを特徴とする請求項5記載の転写装置。
  8. 前記光学機構が、前記被転写体の画素配列のうち互いに異なる画素配列ごとに複数設けられている
    ことを特徴とする請求項5記載の転写装置。
  9. 前記輻射線分割部の中央部に配置された開口部が、端部に配置された開口部よりも、光透過性が低くなるように構成されている
    ことを特徴とする請求項4記載の転写装置。
  10. 基板上に赤色有機発光素子と緑色有機発光素子と青色有機発光素子とを備えた表示装置の製造方法であって、
    発光材料を含む転写層が設けられた転写基板と複数の素子形成領域が配列してなる素子基板とを対向させて配置し、前記転写基板の側から輻射線を照射することにより前記転写層を前記複数の素子形成領域に転写する工程を含み、
    前記輻射線を、帯形状となるように成形し、長軸方向における中央部の短軸幅を端部の短軸幅よりも大きくする
    ことを特徴とする有機発光素子の製造方法。
  11. 基板上に赤色有機発光素子と緑色有機発光素子と青色有機発光素子とを備えた表示装置の製造方法であって、
    発光材料を含む転写層が設けられた転写基板と複数の素子形成領域が配列してなる素子基板とを対向させて配置し、前記転写基板の側から輻射線を照射することにより前記転写層を前記複数の素子形成領域に転写する工程を含み、
    前記輻射線を、帯形状となるように成形し、長軸方向における中央部の強度ピーク値を端部の強度ピーク値よりも低くする
    ことを特徴とする有機発光素子の製造方法。
JP2007134211A 2007-05-21 2007-05-21 転写方法および転写装置ならびに有機発光素子の製造方法 Expired - Fee Related JP4420065B2 (ja)

Priority Applications (6)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007134211A JP4420065B2 (ja) 2007-05-21 2007-05-21 転写方法および転写装置ならびに有機発光素子の製造方法
TW097115597A TW200906213A (en) 2007-05-21 2008-04-28 Transfer method, transfer apparatus, and method of manufacturing organic light emitting element
KR1020080046523A KR20080102982A (ko) 2007-05-21 2008-05-20 전사 방법 및 전사 장치 및 유기 발광 소자의 제조 방법
US12/123,803 US20080292994A1 (en) 2007-05-21 2008-05-20 Transfer method, transfer apparatus, and method of manufacturing organic light emitting element
CN2008101079265A CN101340746B (zh) 2007-05-21 2008-05-21 转移方法、转移设备以及制造有机发光元件的方法
US13/280,595 US20120040292A1 (en) 2007-05-21 2011-10-25 Transfer method, transfer apparatus, and method of manufacturing organic light emitting element

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007134211A JP4420065B2 (ja) 2007-05-21 2007-05-21 転写方法および転写装置ならびに有機発光素子の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008288143A true JP2008288143A (ja) 2008-11-27
JP4420065B2 JP4420065B2 (ja) 2010-02-24

Family

ID=40072732

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007134211A Expired - Fee Related JP4420065B2 (ja) 2007-05-21 2007-05-21 転写方法および転写装置ならびに有機発光素子の製造方法

Country Status (5)

Country Link
US (2) US20080292994A1 (ja)
JP (1) JP4420065B2 (ja)
KR (1) KR20080102982A (ja)
CN (1) CN101340746B (ja)
TW (1) TW200906213A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014137956A (ja) * 2013-01-18 2014-07-28 Ulvac Japan Ltd レーザ転写装置
JP2014137592A (ja) * 2013-06-25 2014-07-28 Ulvac Japan Ltd 分割素子及びレーザ転写装置

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014110143A (ja) * 2012-11-30 2014-06-12 Samsung Display Co Ltd 有機el素子
KR102409763B1 (ko) * 2019-10-02 2022-06-20 에이피시스템 주식회사 전사장치 및 전사방법

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100342653B1 (ko) * 2000-08-24 2002-07-03 김순택 유기 전계발광소자의 제조 방법
US6610455B1 (en) * 2002-01-30 2003-08-26 Eastman Kodak Company Making electroluminscent display devices
US20030162108A1 (en) * 2002-01-30 2003-08-28 Eastman Kodak Company Using spacer elements to make electroluminscent display devices
US7291365B2 (en) * 2004-05-27 2007-11-06 Eastman Kodak Company Linear laser light beam for making OLEDS

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014137956A (ja) * 2013-01-18 2014-07-28 Ulvac Japan Ltd レーザ転写装置
JP2014137592A (ja) * 2013-06-25 2014-07-28 Ulvac Japan Ltd 分割素子及びレーザ転写装置

Also Published As

Publication number Publication date
CN101340746B (zh) 2010-12-08
CN101340746A (zh) 2009-01-07
TW200906213A (en) 2009-02-01
US20120040292A1 (en) 2012-02-16
US20080292994A1 (en) 2008-11-27
JP4420065B2 (ja) 2010-02-24
KR20080102982A (ko) 2008-11-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4449890B2 (ja) 転写用基板および転写方法ならびに表示装置の製造方法
JP4600569B2 (ja) ドナー基板および表示装置の製造方法
JP5003826B2 (ja) ドナー基板、パターニング方法およびデバイスの製造方法
JP5013048B2 (ja) 赤色有機発光素子およびこれを備えた表示装置
US6284307B1 (en) Color organic EL display and fabrication method thereof
JP4957929B2 (ja) ドナー基板および表示装置の製造方法
JP2007173145A (ja) 転写用基板、転写方法、および有機電界発光素子の製造方法
JP2005235741A (ja) 有機電界発光表示装置及びその製造方法
JP2006309994A (ja) 転写用基板および転写方法ならびに表示装置の製造方法
JP4396864B2 (ja) 表示装置およびその製造方法
US20150001495A1 (en) Donor substrate for transfer and manufacturing method of organic light emitting diode display
JP6329711B1 (ja) 有機el表示装置および有機el表示装置の製造方法
US7993806B2 (en) Transfer substrate, and fabrication process of organic electroluminescent devices
JP2008034280A (ja) 表示装置の製造方法
JP4420065B2 (ja) 転写方法および転写装置ならびに有機発光素子の製造方法
JP2008311103A (ja) 表示装置の製造方法および表示装置
US20080188156A1 (en) Method for Structuring a Light Emitting Device
JP2008140621A (ja) 有機elディスプレイおよびその製造方法
JP2006309955A (ja) 有機電界発光素子の製造方法および有機電界発光素子
JP2008270271A (ja) ドナー基板およびドナー基板の作製方法
JP2008108431A (ja) El発光素子
JP2012079555A (ja) 有機el装置および印刷装置
JP5258669B2 (ja) 成膜方法及び転写用基板
JP5093392B2 (ja) ドナー基板およびこれを用いた転写方法、表示装置の製造方法、並びに表示装置の製造システム

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090413

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090416

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090528

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20091110

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20091123

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121211

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121211

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees