JP2008286762A - リーク検出方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ピストンのシール部からの流体(非圧縮性の流体)の漏れ量を知る
【解決手段】シリンダ1内に液体などの非圧縮性の流体を充満させる。そして、シリンダ1内の所望の位置(試験位置)までピストン2を移動させ、シリンダ1の下流側のバルブ12を閉じる。このバルブ12を閉じた状態で、ピストン2に流出口1fの方向への圧力(試験圧力)を加える。この場合、ピストン2のシール部(U形リング2−1,2−2)に漏れがあると、ピストン2は流出口1fの方向へ移動する。このピストン2の移動量に基づいてシール部からの非圧縮性の流体の漏れ量を検出する。
【選択図】 図4

Description

この発明は、シリンダの内周面とこのシリンダ内を移動するピストンの外周面との間に設けられたシール部からの流体の漏れを検出するリーク検出方法に関するものである。
従来より、シリンダ内をピストンが所定距離移動する間にシリンダから排出される基準体積の流体を被校正流量計へ送り、この被校正流量計へ送った基準体積の流体の流量(基準流量)と被校正流量計で計測された計測流量とを比較し、その比較結果に基づいて被校正流量計の計測流量を校正するピストンプルーバが知られている。
例えば、特許文献1には、シリンダ内壁とピストン外壁間のシール部からの流体の漏れを検出するリーク検出機能を備えたピストンプルーバが示されている。このピストンプルーバでは、ピストンの外周面の前後にU形リングと呼ばれる断面U字状のリングを装着することにより、これらリングをシール部としてピストンのシリンダ内での液密を保持するようにしている。
図16にその要部の構成を示す。同図において、101はシリンダ、102はピストン、103,104はU形リングである。U形リング103は、シリンダ101内を流れる流体の流入側(上流側)に、そのU字状の溝の開放端を流入側の方向に向けて、ピストン102の外周面に形成された凹溝105内に嵌め込まれている。U形リング104は、シリンダ101内を流れる流体の流出側(下流側)に、そのU字状の溝の開放端を流入側の方向に向けて、ピストン102の外周面に形成された凹溝106内に嵌め込まれている。ピストン102の凹溝105と106との間には切欠107が設けられており、この切欠107内の圧力を導管108を介して外部へ導き、その圧力の変化を検出する構成とされている。また、シリンダ101の内壁面には、流出側穴109に向かって径が大きくなるように傾斜させたテーパ部110が設けられている。
このピストンプルーバでは、ピストン102を下流側に移動させてシリンダ101内から基準体積の流体を排出させた後、ピストン102を上流側に引き戻すリターン工程において、ピストン102のシール部の漏れの検知を行う。図17にU形リング103,104のうち流出側のU形リング104の動きを拡大して示す。リターン工程では、図示右方向から左方向、すなわちテーパ部110から直線部111に向かって、ピストン102が動く。この場合、U形リング104がテーパ部110から直線部111に移動する時に、テーパ部110によってU形リング104の外側リップが内側に収縮されるので、切欠107に閉じ込み圧が発生する。この閉じ込み圧は導管108を介して外部へ導かれる。ピストン102のシール部に漏れがあれば、発生する閉じ込み圧が低くなるので、この閉じ込み圧の変化からシール部の漏れを検出することができる。
特開平11−64075号公報
しかしながら、特許文献1に示されたリーク検出方法によると、ピストン102のシール性が低下したことは診断することができるが、シール部から流体がどれだけ漏れているのか、その漏れ量までをも知ることはできない。
本発明は、このような課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、シール部からの流体の漏れ量を知ることができるリーク検出方法を提供することにある。
このような目的を達成するために本発明は、流体の流入口と流出口を有するシリンダと、このシリンダ内を移動するピストンと、シリンダの内周面とピストンの外周面との間の隙間を流れようとする流体の流通を阻止するシール部とを備えた機構に適用され、シール部からの流体の漏れを検出するリーク検出方法において、シリンダ内に非圧縮性の流体を充満させる第1ステップと、シリンダ内に非圧縮性の流体が充満されている状態でシリンダ内の所望の位置までピストンを移動させる第2ステップと、ピストンを所望の位置まで移動させた状態でシリンダの流出口からの流体の流出路を閉じる第3ステップと、流出路が閉じられた状態でピストンに流出口の方向への圧力を加える第4ステップと、ピストンに流出口の方向への圧力を加えた時のピストンの移動量に基づいてシール部からの非圧縮性の流体の漏れ量を検出する第5ステップとを設けたものである。
この発明では、先ず、シリンダ内に液体などの非圧縮性の流体を充満させる。そして、シリンダ内の所望の位置までピストンを移動させ、シリンダの流出口からの流体の流出路を閉じる。そして、この流出路を閉じた状態で、ピストンに流出口の方向への圧力を加える。この場合、シール部に漏れがあると、ピストンは流出口の方向へ移動する。本発明では、このピストンの移動量に基づいて、シール部からの非圧縮性の流体の漏れ量を検出する。
本発明において、流出路を閉じた状態で、ピストンに流出口の方向への圧力を加えた場合、シール部の変形や伝達機構のたわみなどにより、シール部から非圧縮性の流体が漏れていないにも拘わらず、ピストンが流出口の方向へ移動することがある。このような虞れがある場合、例えば、ピストンに流出口の方向への圧力を加えてから所定の待ち時間が経過した後のピストンの移動位置をリーク検出の開始位置とし、このリーク検出の開始位置からの移動量に基づいてシール部からの非圧縮性の流体の漏れ量を検出するようにするとよい。また、検出した漏れ量と予め定められている閾値とを比較することによって、シール部の合否を判定するようにしてもよい。
また、本発明において、ピストンを移動させる所望の位置は複数箇所としてもよい。この場合、複数箇所の所望の位置について、上述と同様にして、シール部からの非圧縮性の流体の漏れ量を検出する。このようにすると、シリンダの内壁面に傷があるような場合、その傷の場所を特定するというようなことも可能となる。
また、本発明において、シリンダの流入口から流出口への方向を往方向、シリンダの流出口から流入口への方向を復方向とし、往方向の所望の位置についてシール部からの非圧縮性の流体の漏れ量を検出した後、シリンダの流入口を流出口、流出口を流入口として、復方向の所望の位置についてシール部からの非圧縮性の流体の漏れ量を検出するようにしてもよい。これにより、ピストンのシール部に対して、往方向と復方向の両方について、そのシール部からの非圧縮性の流体の漏れ量を検出することができるようになる。
なお、本発明においてシール部の形状は問わないが、以下U型リングを例にとって説明する。シール部は、例えばU形リングをピストンの外周面の中央部に1つだけ装着した構成としてもよいし、ピストンの外周面の中央部に前後して2つ装着した構成とするなどしてもよい。例えば、本発明を適用する機構をピストンプルーバとし、シリンダの往方向のみで基準体積の流体の排出を行うような場合、U字状の溝の開放端を往方向に向けて、U形リングをピストンに1つだけ装着する構成とすることが考えられる。また、本発明を適用する機構をピストンプルーバとし、シリンダの往方向および復方向で基準体積の流体の排出を行うような場合、ピストンの外周面の往方向側にU字状の溝の開放端を往方向に向けて第1のU形リングを装着し、ピストンの外周面の復方向側にU字状の溝の開放端を復方向に向けて第2のU形リングを装着する構成とすることが考えられる。
本発明によれば、シリンダ内に非圧縮性の流体を充満させた状態でシリンダ内の所望の位置までピストンを移動させ、シリンダの流出口からの流体の流出路を閉じ、この状態でピストンに流出口の方向への圧力を加え、この時のピストンの移動量に基づいてシール部からの非圧縮性の流体の漏れ量を検出するようにしたので、ピストンのシール性が低下したことを診断することができるだけではなく、シール部から非圧縮性の流体がどれだけ漏れているのか、その漏れ量までをも知ることができるようになる。
以下、本発明を図面に基づいて詳細に説明する。図1は本発明の実施に用いるピストンプルーバの要部を示す側断面図である。
図1において、1はシリンダであり、シリンダ1は計量区間A−Bを含む基準体積管1−1と、基準体積管1−1の一端側開口部1aに面して取り付けられた第1の退避室1−2と、基準体積管1−2の他端側開口部1bに面して取り付けられた第2の退避室1−3とから構成されている。
第1の退避室1−2は、基準体積管1−1の一端側開口部1aよりも間口の広い、すなわち基準体積管1−1の内径L0よりもその内径L1(L1>L0)が大きい内部空間1cを有しており、第1の退避室1−2には内部空間1cに連通する流体の流入口1dが設けられている。
第2の退避室1−3は、基準体積管1−1の他端側開口部1bよりも間口の広い、すなわち基準体積管1−1の内径L0よりもその内径L2(L2>L0、L2=L1)が大きい内部空間1eを有しており、第2の退避室1−3には内部空間1eに連通する流体の流出口1fが設けられている。
本実施の形態では、第1の退避室1−2と第2の退避室1−3とを同一材料かつ同一構造で構成することにより、すなわち第1の退避室1−2と第2の退避室1−3とを共通部材とすることにより、部品の種類を削減し、管理コストや製作コストの低減を図っている。
2はシリンダ1内を移動するピストンである。ピストン2はシリンダ1内を貫通して設けられたシャフト3に固定されている。シャフト3は図示左右方向に摺動可能に軸支されている。このシャフト3と一体となってピストン2がシリンダ1内を移動する。
ピストン2の外周面2aには、その外周面2aとシリンダ1の内周面(基準体積管1−1の内周面)1gとの間の隙間を流れようとする流体の流通を阻止するためのシール部として、断面U字状の溝を有するリング(U形リング)2−1,2−2が装着されている。リング2−1,2−2は、ピストン2の外周面2aの中央部に前後して装着されており、前方(図示右方向)に設けられたリング2−1はそのU字状の溝の開放端を流体の流出方向(後述する往路での校正にける流体の流出方向(往方向))に向けて装着され、後方(図示左方向)に設けられたリング2−2はそのU字状の溝の開放端を流体の流入方向(後述する復路での校正における流体の流出方向(復方向))に向けて装着されている。図15にピストン2へのリング2−1,2−2の装着状況の側断面図を示す。
シャフト3の軸端には、このピストン2を補助的に駆動する装置(補助駆動装置)として、ボールネジ,台形ネジ,ラック&ピニオンなどの機構を介してサーボモータ4が連結されている。この補助駆動装置の機構中には、シリンダ1内におけるピストン2の移動位置を検出するためのエンコーダ5が設けられている。
図1の状態は、シリンダ1内の計量区間A−Bの開始位置Aよりも流入口1d側に定められた始端位置STにピストン2が位置している場合を示している。始端位置STでは、ピストン2の基準体積管1−1の一端側開口部1aから露出する部分が第1の退避室1−2の内部空間1cに位置し、ピストン2とシリンダ1との間に流入口1dと流出口1fとを連通させる連通路H1が形成される。本実施の形態では、ピストン2の外周面2aの前方に切欠(開口)2bが形成されており、この切欠2bが連通路H1となる(図3(a))。
図2にピストン2がシリンダ1内の計量区間A−Bの終了位置Bよりも流出口1f側に定められた終端位置ENDに位置している場合を示す。終端位置ENDでは、ピストン2の基準体積管1−1の他端側開口部1bから露出する部分が第2の退避室1−3の内部空間1eに位置し、ピストン2とシリンダ1との間に流入口1dと流出口1fとを連通させる連通路H2が形成される。本実施の形態では、ピストン2の外周面2aの後方に切欠(開口)2cが形成されており、この切欠2cが連通路H2となる(図3(c)参照)。
図4にこのピストンプルーバを用いた流量校正システムのシステム構成図を示す。同図において、図1と同一符号は図1で参照して説明した構成要素と同一或いは同等構成要素を示し、その説明は省略する。
図4において、6はタンク、7はタンク6に蓄えられた流体を吸い上げるポンプ、8はポンプ7から配管へ流す流体の流量を調整する制御弁、9は配管を流れている流体の流量を計測するモニタ流量計、10は被校正流量計、11はポンプ7とシリンダ1の流入口1dとを結ぶ配管P1の途中に設けられた第1のバルブ、12はシリンダ1の流出口1fと被校正流量計10とを結ぶ配管P2の途中に設けられた第2のバルブ、13はポンプ7とシリンダ1の流出口1fとを結ぶ配管P3の途中に設けられた第3のバルブ、14はシリンダ1の流入口1dと被校正流量計10への流体の流入口とを結ぶ配管P4の途中に設けられた第4のバルブであり、被校正流量計10の流体の流出口とタンク6との間は配管P5により結ばれている。
15は制御装置、16はシーケンサ、17はサーボアンプ、18は基準クロックを発生するクロックジェネレータ、19はシリンダ1の第1の退避室1−2内の流体圧と第2の退避室1−3内の流体圧との差圧ΔPを計測する差圧計である。
本実施の形態では、制御装置15として、パーソナルコンピュータを用いている。制御装置15とサーボアンプ17とはシーケンサ16を介して接続されており、制御装置15からのシーケンサ16を介する指令に従ってサーボモータ4が駆動される。また、制御装置15は、シーケンサ16を介して、エンコーダ5、制御弁8、モニタ流量計9、被校正流量計10、バルブ11〜14、クロックジェネレータ18、差圧計19とも接続されている。なお、クロックジェネレータ18に代えて、周波数発振器を用いてもよい。
制御装置15は、プロセッサや記憶装置からなるハードウェアと、これらのハードウェアと協働して各種機能を実現させるプログラムとによって実現される。具体的には、ハードディスクにプログラムがインストールされ、このインストールされたプログラムに従うCPUの処理動作として実現される。ハードディスクには、本実施の形態特有のプログラムとして、被校正流量計10の計測流量の校正やピストンのシール部からの漏れを検出するための計測流量校正点検プログラムが格納されている。計測流量校正点検プログラムには校正モードと点検モードが設けられており、校正モードの時に計測流量の校正が行われ、点検モードの時にリークテストが行われる。
〔校正モード〕
以下、図6〜図8に分割して示すフローチャートを参照して、上述した計測流量校正点検プログラムに従って制御装置15のCPUが実行する校正モード時の処理動作について説明する。
なお、本実施の形態では、ピストンプルーバの要部構成を図1に示したが、このピストンプルーバの構成には制御装置15,シーケンサ16,サーボアンプ17,クロックジェネレータ18,差圧計19なども含まれるものとする。また、実際には制御装置15のCPUがシーケンサ16を介して以下の処理動作を実行するが、制御装置15が実行するものとして説明を進める。また、被校正流量計10の上流配管は、被校正流量計10の種類や規格によって流れの安定性を配慮した配管長さや直管長の配慮がなされているものとする。また、本実施の形態において、使用される流体は、液体などの非圧縮性の流体とする。
〔校正前〕
今、校正前の状態として、ポンプ7が運転状態とされ、制御弁8は所定の開度で開かれているものとする。また、制御装置15が、バルブ11と12を開き、バルブ13と14を閉じているものとする。また、シリンダ1内のピストン2は、その基準体積管1−1から露出する部分が第1の退避室1−2内に位置しているものとする。図4はこの状態を示している。
この場合、ポンプ7によってタンク6から吸い上げられた流体は、制御弁8でその流量が絞られ、バルブ11(配管P1)を通って、シリンダ1の流入口1dへ送られる。シリンダ1の流入口1dから流入した流体は、ピストン2の外周面2aの前方の切欠2bを通過し(図3(a)参照)、基準体積管1−1内を通り、下流の流出口1fへと流れて行く。流出口1fから出た流体は、バルブ12(配管P2)を通って、被校正流量計10へ送られ、被校正流量計10を通過してタンク6へ戻される。これにより、校正前の状態として、被校正流量計10への通常の流体の流れが作られている。
〔往路での校正〕
制御装置15は、校正モード時(図6:ステップ100のYES)、オペレータから校正開始の指示を受けると(ステップ101のYES)、設定流量をQSとし(ステップ102)、管路を流れている現在の流体の流量QRをモニタ流量計9で計測し、この流量QRが設定流量QSとなるように制御弁8の開度を制御する(ステップ103〜105)。なお、この実施の形態では、モニタ流量計9をシリンダ1の上流側に設けているが、下流側に設けるようにしても構わない。
流量QRが設定流量QSとなれば(ステップ105のYES)、設定流量QSをピストン2の有効断面積Sで除して基準体積管1−1内の流体の速度Vpを求め(ステップ106)、ピストン2の移動速度がVpとなるようにサーボモータ4の回転数Nを設定する(ステップ107)。すなわち、基準体積管1−1内を流れている流体の現在の速度Vpを求め、この速度Vpをピストン2の初速として設定する。
そして、サーボモータ4へ運転開始指令を送り(ステップ108)、初速Vpでピストン2を前進させる。このピストン2の前進により、ピストン2がシリンダ1の基準体積管1−1内に入り込み、ピストン2の外周面2aの前方の切欠2bが基準体積管1−1の内周面によって塞がれる。これにより、シリンダ1内に流体が充満した状態で、シリンダ1の流入口1dと流出口1fとが非連通状態とされる。
ピストン2の外周面2aの切欠2bが閉塞されると、流入口1dからの流体はピストン2の下流側には流れず、ピストン2の上流側を押圧して、ピストン2を下流側に移動させ、シリンダ1内の流体を流出口1fより排出させる。この時、ピストン2は、その移動速度がそれまで基準体積管1−1内を流れていた流体の速度Vpと同じであるので、流入口1dからの流体の圧力を受けて、流体に急激な流量変化を生じさせることなく、スムーズに基準体積管1−1内に入り込む。また、切欠2bの形状によって、ピストン2の移動に伴う流体の通過面積変化に特性がもたらされ、ピストン2が動き出して基準体積管1−1を塞ぐようになる時に発生する急激な流量変化が緩和される。
ピストン2の移動中、ピストン2の外周面2aと基準体積管1−1の内周面1gとの間の隙間を流体が流れようとする。この流体の流れは、ピストン2の外周面2aに装着されたリング2−1,2−2によって阻止される。すなわち、ピストン2の外周面2aの中央部に前後して装着されたリング2−1,2−2のうち、前方に装着されたリング2−1によって基準体積管1−1内の流出口1f側から流入口1d側へ抜けようとする流体の流れが阻止され、後方に装着されたリング2−2によって基準体積管1−1内の流入口1dから流出口1f側へ抜けようとする流体の流れが阻止される。
制御装置15は、ピストン2の移動位置がシール位置S1に達すると(ステップ109のYES)、すなわちリング2−1,2−2の両方がシール部として作用し始めると、差圧計19からのシリンダ1の第1の退避室1−2内の流体圧と第2の退避室1−3内の流体圧との差圧ΔPをチェックし(図7:ステップ110)、この差圧ΔPが0となるようにサーボモータ4の回転数Nを調整する(ステップ111)。これにより、ピストン2が流体に対して無抵抗(無負荷)の状態で移動するものとなり、シリンダ1内をピストン2がスムーズに移動し、リークの発生が起こり難くなる。
そして、ピストン2の移動位置がシリンダ1内の計量区間A−Bの開始位置Aに達すると(ステップ112のYES、図3(b)参照)、制御装置15は、クロックジェネレータ18からの基準クロックのカウントを開始する(ステップ113)。これにより、ピストン2がシリンダ1内の計量区間A−Bの開始位置Aに達してからの経過時間TCの計測が開始される。また、制御装置15は、この経過時間TCの計測の開始と同時に、被校正流量計10からの通過する流体の流量に応じたパルス(流量信号)のカウントを開始する(ステップ114)。被校正流量計のパルスをトリガーにクロックジェネレータ18からの基準クロックのカウントを開始する。
ピストン2の移動位置がシリンダ1内の計量区間A−Bの終了位置Bに達すると(ステップ115のYES)、制御装置15は、計量区間A−Bの開始位置Aから終了位置Bまでピストン2が移動する間に流出口1fより排出された流体の流量を基準体積の流体とし、この基準体積の流体の流量を基準流量QCとして算出する(ステップ116)。また、被校正流量計10から発信されたこの間の流量信号のカウント値から、被校正流量計10における基準流量QCに対する計測流量QVを算出する(ステップ117)。
そして、基準流量QCをその間の経過時間TCで除して平均基準流量Qc(Qc=QC/TC)を求め(ステップ118)、計測流量QVをその間の経過時間TCで除して平均計測流量Qv(Qv=QV/TC)を求め(ステップ119)、平均基準流量Qcと平均計測流量Qvとを比較する(図8:ステップ120)。
ここで、Qc=Qvであれば(ステップ120のYES)、制御装置15は、計測流量QVに誤差が生じていないものと判断し、ディスプレイ上にその旨の表示を行ったうえ(ステップ121)、ステップ124へ進む。
これに対し、Qc≠Qvであれば(ステップ120のNO)、Qc−Qv=ΔQcとして誤差量を求め(ステップ122)、この誤差量ΔQcを計測流量に対する補正情報として被校正流量計10にセットし(ステップ123)、ステップ124へ進む。
ステップ124において、制御装置15は、サーボモータ4の回転数Nをアップし、回転数Nmaxとする。そして、ピストン2がシリンダ1内の終端位置ENDに達すると(ステップ125のYES)、サーボモータ4へ運転停止指令を送り、ピストン2の移動を停止する(ステップ126)。これにより、ピストン2は、計量区間A−Bの通過後、シリンダ1内の終端位置ENDまで高速で移動し、校正に要する時間の短縮が図られる。
ピストン2は、シリンダ1内の終端位置ENDにおいて、その基準体積管1−1から露出する部分が第2の退避室1−3内に位置する(図3(c)参照)。この場合、シリンダ1の流入口1dから流入し、基準体積管1−1内を流れてくる流体は、ピストン2の外周面2aの後方の切欠2cを通過し、下流の流出口1fへと流れて行く。流出口1fから出た流体は、バルブ12(配管P2)を通って、被校正流量計10へ送られ、被校正流量計10を通過してタンク6へ戻される。
なお、上述において、シリンダ1内の計量区間A−Bは、被校正流量計10の発生パルス(流量パルス)が計測時の測定流量(流速)でその区間内に10000パルス以上になる区間を選定して使用するのが良い。この時間計測はいわゆるパルス内挿法によるのがよい。
〔復路での校正〕
制御装置15は、オペレータから次の校正開始指示を受けると(ステップ127のYES)、バルブ11と12を閉じ、バルブ13と14を開き、シリンダ1と被校正流量計10との間の流路を切り替える(ステップ128)。これにより、図5に示されるように、シリンダ1の流出口1fが流入口となり、流入口1dが流出口となる。以下、流出口1fを流入口、流入口1dを流出口、終端位置ENDを始端位置、始端位置STを終端位置、計量区間A−Bの終了位置Bを開始位置、計量区間A−Bの開始位置Aを終了位置と呼び替える。
この場合、ポンプ7によってタンク6から吸い上げられた流体は、制御弁8によってその流量が絞られ、バルブ13(配管P3)を通って、シリンダ1の流入口1fへ送られる。この時、シリンダ1内のピストン2は、その基準体積管1−1から露出する部分が第2の退避室1−3内に位置している。
これにより、シリンダ1の流入口1fから流入した流体は、ピストン2の外周面2aの前方の切欠2cを通過し、基準体積管1−1内を通り、下流の流出口1dへと流れて行く。流出口1dから出た流体は、バルブ14(配管P4)を通って、被校正流量計10へ送られ、被校正流量計10を通過してタンク6へ戻される。
この後、制御装置15は、設定流量をQSとし(図6:ステップ102)、管路を流れている現在の流体の流量QRをモニタ流量計9で計測し、この流量QRが設定流量QSとなるように制御弁8の開度を制御する(ステップ103〜105)。
流量QRが設定流量QSとなれば(ステップ105のYES)、設定流量QSをピストン2の有効断面積Sで除して基準体積管1−1内の流体の速度Vpを求め(ステップ106)、ピストン2の移動速度がVpとなるようにサーボモータ4の回転数Nを設定する(ステップ107)。そして、サーボモータ4へ運転開始指令を送り(ステップ108)、速度Vpでピストン2を後退させる。
以下、往路での校正の場合と同様にして、ピストン2が終端位置ENDまで移動し(ステップ108〜128)、すなわち最初の始端位置STまで移動し、その間に計量区間A−Bにおける平均基準流量Qcと平均計測流量Qvとが求められ(ステップ118,119)、Qc≠Qvである場合(ステップ120のYES)、Qc−Qv=ΔQcが計測流量に対する補正情報として被校正流量計10にセットされる(ステップ123)。
なお、この例では、ステップ127において、オペレータから次の校正開始指示を受けるものとして説明したが、往路だけの校正とするか、往路と復路とを合わせた校正とするかの設定を可能とし、往路と復路とを合わせた校正の場合に、自動的にステップ128以降の処理が実行されるものとしてもよい。
〔点検モード〕
次に、図9〜図12に分割して示すフローチャートを参照して、上述した計測流量校正点検プログラムに従って制御装置15が実行する点検モード時の処理動作について説明する。
〔点検前〕
今、点検前の状態として、ポンプ7が運転状態とされ、制御弁8は所定の開度で開かれているものとする。また、制御装置15が、バルブ11と12を開き、バルブ13と14を閉じているものとする。また、シリンダ1内のピストン2は、その基準体積管1−1から露出する部分が第1の退避室1−2内に位置しているものとする。図4はこの状態を示している。
この場合、ポンプ7によってタンク6から吸い上げられた流体は、制御弁8でその流量が絞られ、バルブ11(配管P1)を通って、シリンダ1の流入口1dへ送られる。シリンダ1の流入口1dから流入した流体は、ピストン2の外周面2aの前方の切欠2bを通過し(図3(a)参照)、基準体積管1−1内を通り、下流の流出口1fへと流れて行く。流出口1fから出た流体は、バルブ12(配管P2)を通って、被校正流量計10へ送られ、被校正流量計10を通過してタンク6へ戻される。これにより、点検前の状態として、被校正流量計10への通常の流体の流れが作られている。
〔点検(リークテスト)〕
制御装置15は、点検モードへの切り替え指示を受けると(図9:ステップ200のYES)、オペレータに対して試験圧力および試験位置の入力を促す(ステップ201)。試験圧力および試験位置の入力があれば(ステップ202のYES)、その試験圧力および試験位置を設定し(ステップ203)、試験圧力および試験位置の入力がなければ(ステップ202のNO)、あらかじめ定められている試験圧力および試験位置の初期設定値を設定する(ステップ204)。なお、この場合の試験位置は、ピストン2に装着されたリング2−1,2−2がシリンダ1の計量区間A−Bに完全に入ることを条件とし、初期設定位置も含めて所望の位置として定められるものである。
そして、制御装置15は、オペレータに対して往復でリークテストを行うか否かの選択を促し(ステップ205)、往復(往方向/復方向)でリークテストを行うのであれば(ステップ205のYES)、直ちにステップ207へ進む。往路(往方向)のみでリークテストを行うのであれば(ステップ205のNO)、フラグFAを「1」としたうえ(ステップ206)、ステップ207へ進む。
〔往方向のリークテスト〕
ステップ207では、ステップ203あるいはステップ204で設定された試験位置まで、ピストン2を前進させる。これにより、ピストン2は、そのリング2−1,2−2がシリンダ1内の計量区間A−Bに完全に入った状態で停止する。そして、この後、シリンダ1の下流側のバルブ12を閉じる(ステップ208)。
次に、制御装置15は、バルブ12を閉じた状態で、ピストン2に流出口1fの方向への試験圧力を加える(ステップ209)。この場合、制御装置15は、ステップ203あるいは204で設定された試験圧力(P)をピストン2の有効断面積(S)に乗じて押す力を求め、この力をサーボモータ4のトルクに換算し、このトルクを試験トルク(定トルク)としてボールネジ,台形ネジ,ラック&ピニオンなどの伝達機構を介してシャフト3に加えることによって、ピストン2に流出口1fの方向への試験圧力を加える。なお、この場合、伝達方法や減速機の有無などによってトルクが異なるので、その機構に応じてトルク換算を行うようにする。また、必要に応じて、その機構の伝達効率を掛ける。
そして、制御装置15は、所定の待ち時間TWの経過を待って(ステップ210のYES)、その時のピストン2の移動位置をリーク検出の開始位置E1として読み取る(図10:ステップ211)。また、このリーク検出の開始位置E1の読み取り後、所定時間TXの経過を待って(ステップ212のYES)、その時のピストン2の移動位置をリーク検出の終了位置E2として読み取る(ステップ213)。この間、制御装置15は、ピストン2に試験圧力を加え続ける。
なお、この例では、所定の待ち時間TWの経過を待って、その時のピストン2の移動位置をリーク検出の開始位置E1として読み取るようにしたが、この待ち時間TWは必ずしも設けなくてもよい。ピストン2に試験圧力を加えた場合、シール部の変形や伝達機構のたわみなどにより、シール部から非圧縮性の流体が漏れていないにも拘わらず、ピストン2が流出口1fの方向へ移動することがある。本実施の形態では、このような虞れを想定して、ピストン2に試験圧力を加えてから所定の待ち時間TWが経過した後のピストン2の移動位置をリーク検出の開始位置E1として読み取るようにしている。
待ち時間TWは、予め実験により、試験トルクでピストン2の初期移動量を観察し、移動が止まる状態あるいは移動速度が飽和する状態の時間と変位の変化量を求めておき、この関係から決定するようにするとよい。また、この実験モードを制御装置15のプログラムに設けることで、メンテナンスでバルブやシールを交換したときにリーク条件の変更を容易にできるようにすることもできる。
待ち時間TWの経過後、ピストン2に試験圧力を加え続けた場合、ピストン2のシール部に漏れがあると、ピストン2により押されているシリンダ1内の非圧縮性の流体がピストン2の後側に抜けるため、ピストン2が流出口1fの方向へさらに移動する。これを確認するために、本実施の形態では、待ち時間TWの経過後、所定時間TXの経過を待って、その時のピストン2の移動位置をリーク検出の終了位置E2として読み取るようにしている。
制御装置15は、リーク検出の終了位置E2を読み取った後、ピストン2の駆動を停止する(ステップ214)。そして、リーク検出の終了位置E2とリーク検出の開始位置E1との差としてピストン2の移動量ΔEを求め、この移動量ΔEを所定時間TXで除して単位時間当たりのピストン2の移動量α(α=ΔE/TX)を求める(ステップ215)。そして、この単位時間当たりの移動量αにピストン2の有効断面積Sを乗じて単位時間当たりの非圧縮性の流体の漏れ量β(β=α・S)を求め(ステップ216)、この漏れ量βを予め定められている試験圧力での単位時間当たりの許容漏れ量βthと比較する(ステップ217)。
ここで、漏れ量βが許容漏れ量βth以下であれば(ステップ217のYES)、ピストン2の往方向での漏れは合格であるとし(ステップ218)、漏れ量βが許容漏れ量βthを超えていれば(ステップ217のNO)、ピストン2の往方向での漏れは不合格であるとする(ステップ219)。この場合、ステップ218,219では、漏れ量βの値と合否の結果をディスプレイ上に表示する。また、そのデータを履歴へ登録する。
本実施の形態において、往方向での漏れの合否の結果は、閉じている出口側のバルブと、リング2−1によってシールされる部分の正常・異常を示している。すなわち、ピストン2の往方向では、リング2−1のU字状の溝の開放端が往方向に向けられており、ピストン2に試験圧力を加えると、このリング2−1のU字状の溝が拡がって非圧縮性の流体の漏れを防ごうとする。これに対して、リング2−2は、そのU字状の溝の開放端が復方向に向けられているので、非圧縮性の流体の漏れを防ごうとはしない。したがって、ピストン2の往方向でのシール部からの非圧縮性の流体の漏れは、リング2−1からの漏れであると判断することができる。特許文献1に示された構成では、上流側,下流側共にU形リングのU字状の溝の開放端が復方向に向けられているので、上流側のU形リングで漏れが生じているのか、下流側のU形リングで漏れが生じているのか判断することはできない。また、ピストンの復方向でしか漏れの検出を行うことができず、基準体積の流体の排出精度を左右する最も重要なピストンの往方向での漏れの検出を行うことができない。シールに方向性の無いOリングを用いたときは両方のリングがどの方向にもシールとして働くので、両方のリングに漏れが発生した場合のみ漏れが検出される。
なお、この実施の形態では、所定時間TX経過後のピストン2の移動位置をリーク検出の終了位置E2として読み取るようにしたが、所定の周期でピストン2の移動位置を読み取り、この所定の周期で読み取ったピストン2の移動位置からピストン2の動きを細かく観察し、この観察結果から単位時間当たりの非圧縮性の流体の漏れ量βを求めるようにしてもよい。なお、この場合の周期や回数は、使用者の目的によって決めるようにするとよい。
〔流れ方向の切り替え〕
制御装置15は、ピストン2の往方向でのシール部の合否の判定後、シリンダ1の下流側のバルブ12を開く(ステップ220)。そして、ピストン2をシリンダ1内の終端位置ENDまで前進させ(ステップ221)、バルブ11と12を閉じ、バルブ13と14を開き、シリンダ1と被校正流量計10との間の流路を切り替える(ステップ222)。これにより、図5に示されるように、シリンダ1の流出口1fが流入口となり、流入口1dが流出口となり、シリンダ1内の流体の流れ方向が切り替えられる。
〔フラグFAのチェック〕
そして、制御装置15は、フラグFAが「1」であるか否かをチェックする(ステップ223)。ここで、フラグFAが「1」であれば(ステップ223のYES)、復方向のリークテストは行わないものと判断し、ピストン2を復路における終端位置END、すなわち最初の始端位置STに戻し(ステップ224)、リークテストを終了する。これに対し、フラグFAが「1」でなければ(ステップ223のNO)、復方向のリークテストを続けて行うものと判断する。
〔復方向のリークテスト〕
制御装置15は、復方向のリークテストを続けて行う場合(ステップ223のNO)、ステップ203あるいはステップ204で設定された試験位置まで、ピストン2を後退させる(ステップ225)。これにより、ピストン2は、そのリング2−1,2−2がシリンダ1内の計量区間A−Bに完全に入った状態で停止する。そして、この後、シリンダ1の下流側のバルブ14を閉じる(ステップ226)。
次に、制御装置15は、バルブ14を閉じた状態で、ピストン2に流出口1dの方向への試験圧力を加える(ステップ227)。この試験圧力は往方向のリークテストの場合と同じである。そして、所定の待ち時間TWの経過を待って(ステップ228のYES)、その時のピストン2の移動位置をリーク検出の開始位置E1として読み取る(ステップ229)。また、このリーク検出の開始位置E1の読み取り後、所定時間TXの経過を待って(ステップ230のYES)、その時のピストン2の移動位置をリーク検出の終了位置E2として読み取る(ステップ231)。この間、制御装置15は、ピストン2に試験圧力を加え続ける。
制御装置15は、リーク検出の終了位置E2を読み取った後、ピストン2の駆動を停止する(ステップ232)。そして、リーク検出の終了位置E2とリーク検出の開始位置E1との差としてピストン2の移動量ΔEを求め、この移動量ΔEを所定時間TXで除して単位時間当たりのピストン2の移動量αを求める(図12:ステップ233)。そして、この単位時間当たりの移動量αにピストン2の有効断面積Sを乗じて単位時間当たりの非圧縮性の流体の漏れ量βを求め(ステップ234)、この漏れ量βを許容漏れ量βthと比較する(ステップ235)。
ここで、漏れ量βが許容漏れ量βth以下であれば(ステップ235のYES)、ピストン2の復方向での漏れは合格であるとし(ステップ236)、漏れ量βが許容漏れ量βthを超えていれば(ステップ235のNO)、ピストン2の復方向での漏れは不合格であるとする(ステップ237)。この場合、ステップ236,237では、漏れ量βの値と合否の結果をディスプレイ上に表示する。また、そのデータを履歴へ登録する。
本実施の形態において、復方向での漏れの合否の結果は、リング2−2によってシールされる部分の正常・異常を示している。すなわち、ピストン2の復方向では、リング2−2のU字状の溝の開放端が復方向に向けられており、ピストン2に試験圧力を加えると、このリング2−2のU字状の溝が拡がって非圧縮性の流体の漏れを防ごうとする。これに対して、リング2−1は、そのU字状の溝の開放端が往方向に向けられているので、非圧縮性の流体の漏れを防ごうとはしない。したがって、ピストン2の復方向でのシール部からの非圧縮性の流体の漏れは、リング2−2からの漏れであると判断することができる。特許文献1に示された構成では、ピストンの復方向で漏れの検出を行うことはできるが、上流側,下流側共にU形リングのU字状の溝の開放端が復方向に向けられているので、上流側のU形リングで漏れが生じているのか、下流側のU形リングで漏れが生じているのか判断することはできない。シールに方向性の無いOリングを用いたときは両方のリングがどの方向にもシールとして働くので、両方のリングに漏れが発生した場合のみ漏れが検出される。
制御装置15は、ピストン2の復方向でのシール部の合否の判定後、シリンダ1の下流側のバルブ14を開く(ステップ238)。そして、ピストン2をシリンダ1内の復方向の終端位置、すなわち最初の始端位置STまで後退させ(ステップ239)、バルブ13と14を閉じ、バルブ11と12を開き、シリンダ1と被校正流量計10との間の流路を切り替える(ステップ240)。これにより、図4に示されるように、シリンダ1の流出口1dが流入口となり、流入口1fが流出口となり、シリンダ1内の流体の流れ方向が切り替えられ、元の状態に戻される。
なお、本実施の形態では、リークテストに際し、ピストン2を移動させる所望の位置を1箇所としたが、複数箇所としてもよい。この場合、複数箇所の所望の位置について、上述と同様にして、シール部からの非圧縮性の流体の漏れ量を検出する。このようにすると、シリンダ1(基準体積管1−1)の内壁面に傷があるような場合、その傷の場所を特定することが可能となる。
また、本実施の形態では、ピストンプルーバを例にとって説明したが、ピストンプルーバに限られるものではなく、シリンダとピストンとを備えた機構に同様にして適用することが可能である。この場合、被校正流量計10の代わりにダミー管を挿入してもよく、被校正流量計10そのものをなくした構成としても構わない。
また、本実施の形態によれば、ピストン2の外周面2aに形成された切欠2bや2cがポペット弁の役割を果たし、ピストン内部にポペット弁を設ける方法に対し、構造を簡単とし、コストを低減することができる。また、シール箇所を少なくして、リークの発生を起こり難くし、信頼性を高めることができる。
また、本実施の形態では、ピストン2がシャフト3に固定されているので、いつでもシリンダ1内の同じ位置で基準体積の計量を行うことができるように、ピストン2の移動位置を制御することができる。これに対し、ポペット弁を用いたものでは、ピストンが位置検出のための棒に拘束されておらず、遊動状態にある。この場合、ポペット弁が閉じたときの隔壁との位置が変化すれば、計量管の異なる位置を動くことになり、計量管の形状誤差が繰り返し性の不確かさ生じさせることなる。本実施の形態では、シリンダ1内の同じ位置で常に基準体積の計量を行うことができるので、このような不確かさは生じない。
なお、本実施の形態では、切欠(開口)2bや2cを矩形に近い形状としているが、図13(a)に示すように半円状としたり、図13(b)に示すように三角形状としたり、図13(c)に示すように階段状としたり、図13(d)に示すように半円形状を連ねた形状としたり、図13(e)に示すように貫通孔とするなどしてもよい。このような形状の変化により、ピストン2の移動に伴う流体の通過面積変化に特性を持たせ、ピストン2が動き出して基準体積管1−1を塞ぐようになる時に発生する急激な流量変化を緩和する流量制御の特性を自由に作ることができる。
また、本実施の形態では、シリンダ1を基準体積管1−1の両端の開口部に第1の退避室1−2と第2の退避室1−3を取り付けた構造としたが、これらを一体化した管構造としてもよい。一体化構造とする場合、例えば、全加工でシリンダ1の3室(基準体積管、第1の退避室、第2の退避室)を製作し、端面を鏡板で塞ぐような構造とする。本実施の形態のように、基準体積管1−1の両端の開口部に第1の退避室1−2と第2の退避室1−3を取り付けた構造とすることにより、基準体積管1−1の外径を小さくし、すなわち基準体積管1−1の肉厚を薄くし、軽量化を図ることが可能となる。
また、本実施の形態では、シリンダ1内の始端位置STや終端位置ENDにピストン2を電気的に停止させるようにしているが、係止部材などを設けるなどして始端位置STや終端位置ENDにピストン2を機械的に停止させるようにしてもよい。すなわち、シリンダ1内の始端位置STや終端位置ENDにおいてピストン2の移動を規制する手段は、電気的にその位置に停止させる手段であってもよいし、機械的にその位置に停止させる手段であってもよい。
また、本実施の形態では、被校正流量計10を流体が流れる配管中の最も下流側に設けるようにしたが、配管の上流側に設けるようにしてもよい。例えば、モニタ流量計9の直後でバルブ11,13の手前の配管に設けるようにする。被校正流量計10を配管の上流側に設ける場合、被校正流量計10を通過した流体がシリンダ1に送られるものとなるが、シリンダ1から排出された基準体積の流体が被校正流量計10に送られてくることに変わりはない。
また、本実施の形態では、被校正流量計を1つとして説明したが、被校正流量計が直列に複数接続された構成であってもよい。この場合、直列に接続された被校正流量計の流量の計測範囲(レンジ)が同じであるとすれば、被校正流量計から個々に流量信号を取り込んで、ピストン2の始端位置STから終端位置ENDまでの移動により、上述と同様の処理によって、全ての被校正流量計についての流量校正を一度に行うことができる。
なお、被校正流量計がレンジの異なる組合せのときは、シリンダ1の異なる区間で計量を行うようにすればよい。このときの計量対象のデータは、制御装置15から該当する被校正流量計と通信して求めたり、シーケンサ16に設けたマルチチャンネルのカウンタの値を当該チャンネルから読み出すことによって求めたりすればよい。
また、1つの被校正流量計でレンジ設定を複数有するような場合、通信でその設定を変えてから適切な計量区間で計量を行うようにすればよい。この場合、シリンダ1が1つなので、短時間で全ての計量を行うようにするために、計量の順序を予め決めておくようにするとよい。
また、本実施の形態では、ピストン2の初速を決定するためにモニタ流量計9を設けているが、このモニタ流量計9の精度はそれほど高くなくてよい。すなわち、必要に応じてピストンプルーバでモニタ流量計9の補正(校正)を行うことが可能であるので、モニタ流量計9の精度は低くても構わない。
また、本実施の形態では、シリンダ1の第1の退避室1−2内の流体圧と第2の退避室1−3内の流体圧との差圧ΔPを差圧計19によって計測するようにしたが、第1の退避室1−2内の流体圧を計測する第1の圧力計と、第2の退避室1−3内の流体圧を計測する第2の圧力計を設け、この第1および第2の圧力計の計測値を制御装置15へ送り、制御装置15において差圧ΔPを求めるようにしてもよい。
また、必ずしも第1の退避室1−2内の流体圧と第2の退避室1−3内の流体圧の圧力差を差圧ΔPとして計測しなくてもよく、シリンダ1の上流側の配管中の流体圧と下流側の配管中の流体圧との圧力差を差圧ΔPとして計測するようにしてもよい。
また、本実施の形態では、ピストン2の外周面2aの前後に切欠2bおよび2cを形成するようにしたが、切欠2bのみを形成するようにしてもよい。例えば、ピストン2がシリンダ1内の計量区間A−Bを通過した後、途中で流体の流れ方向を切り替えて、ピストン2を始端位置STに戻すというような制御方法とした場合、ピストン2の外周面2aの切欠2cを省略し、切欠2bのみとすることが可能である。
また、本実施の形態では、配管に設けたバルブ11〜14の開閉によってシリンダ1と被構成流量計10との間の流路を切り替えるようにしたが、例えばタンク6と被校正流量計10との間に第2のポンプを設け、この第2のポンプによって逆方向に流体を流すようにしてもよい。また、タンク6側に流出路と流入路とを切り替えるバルブを設け、これによって逆方向に流体を流すようにしてもよい。
また、本実施の形態では、第1の退避室1−2や第2の退避室1−3の軸方向の端面に流入口1dや流出口1fを設けるようにしたが、第1の退避室1−2や第2の退避室1−3の上面や下面に流入口1dや流出口1fを設けるようにしてもよい。また、基準体積管1−1の端部に適当なテーパーを設けることで、ピストン2に装着したリング2−1や2−2を損傷しないような構造に容易にすることが可能である。
また、本実施の形態では、ピストン2に切欠2aや2bを設けるようにしたが、必ずしもこのような切欠をピストン2に設けなくてもよい。例えば、図14(a)や(b)に示すように、切欠2a,2bを有さないピストン2’を基準体積管1−1から完全に脱した位置に停止させ、この場合に生じるピストン2’と基準体積管1−1との隙間を連通路H1やH2として、流入口1dと流出口1fとの連通を図るようにしてもよい。また、本実施の形態では、被校正流量計10の流量校正を行うものとしたが、被校正流量計10の計測精度を検査するようにしてもよい。
また、本実施の形態では、正、逆、両方向で計測を行うことができる構造としているので、ピストン2にリング(シールリング)2−1,2−2を設け、2箇所の位置(シール位置)でシールを行っている。この場合、厳密に言えば、正方向と逆方向では異なる区間の容積を移動させていることになる。これを修正するためには、計測スタート、ENDの位置をシール位置の差分、制御装置15上で補正して、時間計測の開始、終了を行うようにすることで、同じ計測区間を使うようにすることができる。シールリングを1本にすればこのような問題は生じない。
本発明の実施に用いるピストンプルーバの要部(ピストンが始端位置に位置している場合)を示す側断面図である。 本発明の実施に用いるピストンプルーバの要部(ピストンが終端位置に位置している場合)を示す側断面図である。 ピストンがシリンダ内の始端位置から終端位置まで移動する場合の流体の流れを示す図である。 このピストンプルーバを用いた流量校正システムのシステム構成図(ピストンが始端位置に位置している場合)である。 このピストンプルーバを用いた流量校正システムのシステム構成図(ピストンが終端位置に位置している場合)である。 このピストンプルーバの制御装置が実行する計測流量校正点検プログラムに従う校正モード時の処理動作を示すフローチャートである。 図6に続くフローチャートである。 図7に続くフローチャートである。 このピストンプルーバの制御装置が実行する計測流量校正点検プログラムに従う点検モード時の処理動作を示すフローチャートである。 図9に続くフローチャートである。 図10に続くフローチャートである。 図11に続くフローチャートである。 ピストンの外周面に形成する切欠(開口)の他の例を示す図である。 ピストンを基準体積管から完全に脱した位置に停止させるようにした例を示す図である。 ピストンへのリングの装着状況を示す側断面図である。 特許文献1に示されたピストンプルーバの要部の構成を示す図である。 このピストンプルーバにおけるU形リングのうち流出側のU形リングの動きを拡大して示す図である。
符号の説明
1…シリンダ、1−1…基準体積管、1−2…第1の退避室、1−3…第2の退避室、1a…一端側開口、1b…他端側開口、1c…内部空間、1d…流入口、1e…内部空間、1f…流出口、1g…内周面、2,2’…ピストン、2a…外周面、2b,2c…切欠、2−1,2−2…リング(U形リング)、3…シャフト、4…サーボモータ、5…エンコーダ、6…タンク、7…ポンプ、8…制御弁、9…モニタ流量計、10…被校正流量計、11…第1のバルブ、12…第2のバルブ、13…第3のバルブ、14…第4のバルブ、15…制御装置、16…シーケンサ、17…サーボアンプ、18…クロックジェネレータ、19…差圧計、P1〜P5…配管、ST…始端位置、S1…シール位置、A−B…計量区間、END…終端位置、H1,H2…連通路。

Claims (5)

  1. 流体の流入口と流出口を有するシリンダと、このシリンダ内を移動するピストンと、前記シリンダの内周面と前記ピストンの外周面との間の隙間を流れようとする流体の流通を阻止するシール部とを備えた機構に適用され、前記シール部からの前記流体の漏れを検出するリーク検出方法において、
    前記シリンダ内に非圧縮性の流体を充満させる第1ステップと、
    前記シリンダ内に前記非圧縮性の流体が充満されている状態で前記シリンダ内の所望の位置まで前記ピストンを移動させる第2ステップと、
    前記ピストンを前記所望の位置まで移動させた状態で前記シリンダの流出口からの流体の流出路を閉じる第3ステップと、
    前記流出路が閉じられた状態で前記ピストンに前記流出口の方向への圧力を加える第4ステップと、
    前記ピストンに前記流出口の方向への圧力を加えた時の前記ピストンの移動量に基づいて前記シール部からの前記非圧縮性の流体の漏れ量を検出する第5ステップと
    を備えることを特徴とするリーク検出方法。
  2. 請求項1に記載されたリーク検出方法において、
    前記第5ステップは、
    前記ピストンに前記流出口の方向への圧力が加えてから所定の待ち時間が経過した後の前記ピストンの移動位置をリーク検出の開始位置とし、このリーク検出の開始位置からの移動量に基づいて前記シール部からの前記非圧縮性の流体の漏れ量を検出する
    ことを特徴とするリーク検出方法。
  3. 請求項1に記載されたリーク検出方法において、
    前記第5ステップは、
    前記検出した漏れ量と予め定められている閾値とを比較することによって前記シール部の合否を判定する
    ことを特徴とするリーク検出方法。
  4. 請求項1に記載されたリーク検出方法において、
    前記ピストンを移動させる所望の位置を複数箇所とし、この複数箇所の所望の位置について、前記シール部からの前記非圧縮性の流体の漏れ量を検出する
    ことを特徴とするリーク検出方法。
  5. 請求項1に記載されたリーク検出方法において、
    前記シリンダの流入口から流出口への方向を往方向、前記シリンダの流出口から流入口への方向を復方向とし、往方向の所望の位置について前記シール部からの前記非圧縮性の流体の漏れ量を検出した後、前記シリンダの流入口を流出口、流出口を流入口として、復方向の所望の位置について前記シール部からの前記非圧縮性の流体の漏れ量を検出する
    ことを特徴とするリーク検出方法。
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