JP2008286131A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】重質度合もしくはアルコール濃度が違う燃料を使用した場合にも、ドラビリの向上や排気ガスの低減を実現することができる内燃機関の制御装置を得る。
【解決手段】第1操作状態で内燃機関の排気ガスの空燃比の変化に対し理論空燃比を境に出力が急変する特性を有し、第2操作状態で内燃機関の排気ガスの空燃比の変化に対し出力がリニアに変化する特性を有する空燃比センサ18と、空燃比センサの状態を判定する操作状態判定手段19aと、内燃機関に供給する燃料量を制御する燃料噴射量制御手段19bと、操作状態判定手段19aにより第1操作状態と判定されている間において、空燃比センサがリーンを示した場合には、燃料噴射量制御手段19bにおける燃料噴射量を所定量増量し、空燃比センサがリッチを示した場合には、燃料噴射量制御手段19bにおける燃料噴射量を所定量減量する燃料補正手段19cを備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、内燃機関に供給する燃料に応じた燃料噴射量を制御するための内燃機関の制御装置に関する。
内燃機関(以下「エンジン」と称す)の始動直後においては、リニア空燃比センサ、または酸素センサの素子が活性しておらず、例えば、数十秒ものセンサ活性時間が必要となる。この結果、空燃比に対して適切な燃料噴射量制御を即座には行うことができない。そこで、エンジン始動、特に、冷機始動時におけるドラビリの向上や排気ガスの低減が求められている。
リニア空燃比センサは、λO2素子と酸素ポンプ素子とで構成されており、これら両方の素子が活性してから、空燃比をリニアに検出することが可能となる。また、λO2素子が活性する素子温度は、酸素ポンプ素子が活性する素子温度と比較して低い。そこで、この酸素ポンプ素子が活性するまでの間、λO2素子の特性、すなわち、排気ガスの空燃比の変化に対し理論空燃比を境に出力が急変する特性を用いて、空燃比をフィードバック制御する方法が知られている。
例えば、リニア空燃比センサのセンサ素子温度が300度以上になると、第1操作状態としてセンサ素子に電圧を印加せずに、理論空燃比を境に出力が急変する特性を検出している(例えば、特許文献1参照)。さらに、センサ素子温度が600度以上になると、第2操作状態としてセンサ素子に電圧を印加して、センサ本来の出力特性であるリニア空燃比を検出している。これにより、本来の検出タイミング(活性時間)よりも早期の段階で空燃比情報を検出し、その空燃比情報を用いて空燃比フィードバックを行うことで、ドラビリの向上や排気ガスの低減を行っている。
また、特許文献1と同様、センサ素子に対する印加電圧の有無で、基準空燃比を境に出力が急変する特性、またはリニア空燃比特性を検出し、さらに基準空燃比を境に出力が急変する特性の検出時には、その基準空燃比を所定値に変更して空燃比フィードバックを行うことで、さらなる排気ガスの低減を行っている(例えば、特許文献2参照)。
一方、近年では、リニア空燃比センサの活性性能の向上により、始動後数秒でλO2素子が活性し、さらにその数秒後で酸素ポンプ素子が活性するようになっている。
また、近年では、市場における多種多様な燃料、例えば、燃料の揮発性が低い重質ガソリン燃料やアルコールとガソリンが混合されたアルコール混合燃料を使用した場合にも、ドラビリの向上および排気ガスの低減が強く求められている。
このような要望の背景には、次のような問題がある。すなわち、上記のような燃料をエンジンに供給した場合、過渡運転状態での空燃比のばらつきが大きくなり、ドラビリの悪化および排気ガス悪化を起こしてしまい、特に、冷機始動時においては、エンストになる可能性が高くなってしまうためである。
これに関しても、始動後の空燃比を早期に検出して空燃比制御を行うことで、空燃比ばらつきの抑制、すなわち、ドラビリの向上および排気ガスの低減をすることが可能とされている。
特開昭63−223347号公報 特開平10−019827号公報
しかしながら、従来技術には次のような課題がある。
燃料の揮発性が低い重質ガソリン燃料や、アルコールとガソリンが混合されたアルコール混合燃料を使用した場合におけるドラビリの向上および排気ガスの低減は、冷機始動直後の数秒間で必要とされている。また、燃料の揮発性またはアルコール濃度の差が顕著に出るのは、始動直後数秒間の過渡状態である。
しかし、特許文献1および特許文献2に記載の制御装置では、始動直後の数秒間における燃料の揮発性またはアルコール濃度の差を検出して空燃比制御を行うようにはなっていない。これらは、むしろ、始動後しばらく経過した後、λO2素子のみを用いる第1操作状態が十分長い場合の空燃比フィードバック制御を想定している。
本発明は上述のような課題を解決するためになされたもので、重質度合もしくはアルコール濃度が違う燃料を使用した場合にも、ドラビリの向上や排気ガスの低減を実現することができる内燃機関の制御装置を得ることを目的とする。
本発明に係る内燃機関の制御装置は、内燃機関の排気通路に設けられ、第1操作状態で内燃機関の排気ガスの空燃比の変化に対し理論空燃比を境に出力が急変する特性を有し、第2操作状態で内燃機関の排気ガスの空燃比の変化に対し出力がリニアに変化する特性を有する空燃比センサと、空燃比センサが第1操作状態にあるか、第2操作状態にあるか、または第1操作状態および第2操作状態のいずれかでもないかを判定する操作状態判定手段と、内燃機関に供給する燃料量を制御する燃料噴射量制御手段と、操作状態判定手段により第1操作状態と判定されている間において、空燃比センサがリーンを示した場合には、燃料噴射量制御手段における燃料噴射量を所定量増量し、空燃比センサがリッチを示した場合には、燃料噴射量制御手段における燃料噴射量を所定量減量する燃料補正手段とを備えるものである。
本発明によれば、リニア空燃比センサが完全に活性する前の理論空燃比を境に出力が急変する特性を用いて、始動直後数秒間で燃料の揮発性を表す重質度合またはアルコール濃度の差を検出して、燃料噴射量を所定量分増量もしくは減量することで、重質度合もしくはアルコール濃度が違う燃料を使用した場合にも、ドラビリの向上や排気ガスの低減を実現することができる内燃機関の制御装置を得ることができる。
以下、本発明の内燃機関の制御装置の好適な実施の形態につき図面を用いて説明する。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1における内燃機関の制御装置を含むシステムの全体構成図である。
なお、一般的に、エンジンには、複数のシリンダが設けられているが、以下の説明においては、説明を簡略化するために、そのうちの1つのシリンダについて説明する。
図1において、エンジン1には、燃料と空気とが混合した混合気が筒状のシリンダ2とピストン3とによって吸入されて燃焼する燃焼室4が形成されている。ここで、ピストン3は、シリンダ2の軸線方向に往復自在に設けられている。
また、クランク軸には、エンジン1の回転に同期して信号を発生するクランク角センサ5が設けられている。また、シリンダ2には、エンジン1を冷却するための冷却水(図示せず)の温度に応じた電圧を出カする水温センサ6が設けられている。
シリンダ2には、シリンダ2内に空気を吸入する吸気マニホールド7と、燃焼室4内で混合気が燃焼して生成された排気ガスを排出する排気マニホールド8とが接続されている。また、シリンダ2には、燃焼室4と吸気マニホールド7との間を開閉する吸気弁9と、燃焼室4と排気マニホールド8との間を開閉する排気弁10とが取り付けられている。さらに、シリンダ2の頂部には、燃焼室4に供給された混合気に点火する点火プラグ11が取り付けられている。
吸気マニホールド7の下流側で吸気弁9の近傍には、燃料を噴射する燃料噴射弁12が取り付けられている。これにより、最適なタイミングでシリンダ2内に撚料を供給することができる。
また、吸気マニホールド7の上流側には、燃焼室4に吸入される空気を一時的にためるサージタンク13が接続されており、サージタンク13の上流側には、スロットル弁14が接続されている。また、スロットル弁14の下流側には、ブースト圧に応じた電圧を出力するブースト圧センサ15が設けられている。
一方、排気マニホールド8の下流側には、排気ガス中の有害物質を取り除く触媒装置16が接続されており、さらに、触媒装置16の下流側には、排気ガスを外部に排気するテールパイプ17が接続されている。
また、排気マニホールド8には、第1操作状態では排気ガスの空燃比の変化に対し理論空燃比を境に出力が急変する特性を電圧出力し、第2操作状態では排気ガスの空燃比の変化に対し出力がリニアに変化する特性を電圧出力する空燃比センサ18が設けられている。この第1操作状態および第2操作状態については、後で、詳細に説明する。
エンジン制御用電子コントロールユニット19(以下、ECU19と称す)は、演算処理をするCPU、プログラムデータや固定値データを記憶するROM、格納されているデータを更新して順次書き換えられるRAM、およびECU19の電源が切られても格納されているデータを保持するバックアップRAMを有するマイクロコンピュータ(図示せず)と、アクチュエータ駆動のための駆動回路(図示せず)と、各種信号の入出力を行うI/Oインターフェース(図示せず)とで構成されている。
このECU19が、本願発明における内燃機関の制御装置に相当する。そこで、次に、ECU19の制御機能について、詳細に説明する。図2は、本発明の実施の形態1の内燃機関の制御装置の内部構成、および制御に用いられるセンサ情報を示した図である。図2に示すように、ECU19は、操作状態判定手段19a、燃料噴射量制御手段19b、燃料補正手段19c、燃料補正許可手段19dのそれぞれの手段を有しており、これらの手段による機能を実現するためのソフトウェアがメモリ上に記憶されている。なお、以下の説明においては、燃料補正許可手段19dを備えた場合について説明するが、この燃料補正許可手段19dは、必ずしも本発明の必須要件ではない。
また、ECU19には、クランク角センサ5、水温センサ6、ブースト圧センサ15、空燃比センサ18のそれぞれがセンサ情報源として接続されており、ECU19は、これらのセンサ情報をA/D変換して取り込んでいる。
より具体的には、ECU19には、クランク角センサ5の信号が割り込み入力されて、ECU19に内蔵されたタイマーとクランク角センサ5の信号とからエンジン回転数Neが演算され、燃料噴射量制御手段19bでの演算に用いられる。
また、ECU19には、水温センサ6およびブースト圧センサ15からの電圧出力値がA/D変換されて入カされる。そして、これらA/D変換された各出カ値、すなわち、冷却水温Twおよびブースト圧Pbは、ECU19内の各手段での演算に用いられる。
さらに、ECU19には、空燃比センサ18から出力される3種類の電圧出力値がA/D変換されて入カされる。そして、A/D変換された各出カ値、すなわち、空燃比出力値λO2、リニア空燃比出力値AFs、およびセンサ素子抵抗電圧値Rdは、ECU19内の各手段での演算に用いられる。
ECU19内の操作状態判定手段19aは、センサ素子抵抗電圧値Rdがあらかじめ設定された第1活性判定値Ract1および第2活性判定値Ract2(ただし、Ract1>Ract2)の範囲内にあると判定したときには、第1操作状態として排気ガスの空燃比の空燃比出力値が空燃比出力値λO2として得ることができる。
また、操作状態判定手段19aは、センサ素子抵抗電圧値Rdがあらかじめ設定された第2活性判定値Ract2以下と判定したときには、第2操作状態として空燃比の全域に渡ったリニア出力がリニア空燃比出力値AFsとして得ることができる。
燃料噴射量制御手段19bは、ブースト圧Pbとエンジン回転数Neとに基づいて基本燃料噴射時間Tbを演算し、この基本燃料噴射時間Tbに対して、後述する燃料補正手段19c、およびその他補正(例えば、水温補正や空燃比フィードバック制御補正など)による補正を施す。
また、燃料噴射量制御手段19bは、エンジン始動時のクランキング中においては、冷却水温Twに基づいて演算される基本非同期噴射時間Tstbに対して、後述する燃料補正手段19cによる補正を施す。さらに、燃料噴射量制御手段19bは、燃料噴射弁12のむだ時間Tdを加えた時間に比例する燃料量を、燃料噴射弁12より噴射する。
燃料補正手段19cは、操作状態判定手段19aで第1操作状態が判定されている間は、所定時間Tcの間において空燃比出力積算値ΣλO2を更新する。そして、燃料補正手段19cは、所定時間Tc後に空燃比出力積算値ΣλO2により演算される空燃比出力平均値λO2aveと閾値λO2lvとを比較して、その比較結果の大小関係に応じて、重質度合値Thlvを所定量Tdiv分増量または減量する。
さらに、燃料補正手段19cは、増量または減量した重質度合値Thlvに応じて、重質補正量Th、加減速用重質補正量Tha、始動用重質補正量Thsを演算する。そして、燃料噴射量制御手段19bは、これらの補正量に基づいて、燃料噴射量の制御を実行する。
また、燃料補正手段19cは、エンジン停止時においても、重質度合値Thlvを記憶し続ける。そして、燃料噴射量制御手段19bは、次回エンジン始動時には、燃料補正手段19cにより記憶し続けた重質度合値Thlvを基に、上記と同様、燃料噴射量の制御を実行する。さらに、燃料補正手段19cは、次回の補正量算出においては、記憶し続けた重質度合値Thlvを基に、所定量Tdiv分の増量または減量を行う。
燃料補正許可手段19dは、始動後時間Tstが、あらかじめ設定された時間Tsmn〜Tsmxの範囲内であるか否かを判定し、範囲内である場合には、燃料補正手段19cにおける重質度合値Thlvの所定量Tdiv分の増量または減量を許可する。
次に、このような構成を有する本実施の形態1の内燃機関の制御装置において、燃料噴射量を増量もしくは減量する動作について、フローチャートを用いて詳細に説明する。まず始めに、操作状態判定手段19aが操作状態を判定する動作について説明する。なお、この動作は、ECU19において、メインルーチンが所定時間周期で実行される中で、サブルーチンとして実行される。
図3は、本発明の実施の形態1における操作状態判定手段19aが操作状態を判定する一連の処理を示したフローチャートである。まず、ステップS101において、空燃比センサ18のセンサ素子抵抗電圧値Rdがあらかじめ設定された第1判定値Ract1以下であるか否かを判定する。
そして、ステップS101において、第1判定値Ract1以下ではない(すなわちNo)と判定された場合には、空燃比センサ18が活性していない状態であるとし、第1操作状態フラグFact1および第2操作状態フラグFact2にそれぞれ「0」をセットして(ステップS102、ステップS103)、サブルーチンを終了してメインルーチンに戻る。
一方、ステップS101において、第1判定値Ract1以下である(すなわちYes)と判定された場合には、ステップS104において、センサ素子抵抗電圧値Rdがあらかじめ設定された第2判定値Ract2以下であるか否かを判定する。ステップS104において、第2判定値Ract2以下でない(すなわちNo)と判定された場合には、空燃比センサ18が第1操作状態であるとし、第1操作状態フラグFact1を「1」にセットし(ステップS105)、第2操作状態フラグFact2を「0」にセットして(ステップS106)、サブルーチンを終了してメインルーチンに戻る。
一方、ステップS104において、第2判定値Ract2以下である(すなわちYes)と判定された場合には、空燃比センサ18が第2操作状態であるとし、第1操作状態フラグFact1を「0」にセットし(ステップS107)、第2操作状態フラグFact2を「1」にセットして(ステップS108)、サブルーチンを終了してメインルーチンに戻る。
なお、第1判定値Ract1は、空燃比センサ18で排気ガスの空燃比の変化に対し理論空燃比を境に出力が急変する特性を電圧出力するに十分な状態を判定する値であるとし、第2判定値Ract2は、空燃比センサ18で排気ガスの空燃比の変化に対し出力がリニアに変化する特性を電圧出力するに十分な状態を判定する値であるとする。なお、両判定値は、Ract1>Ract2の関係にある。
次に、燃料補正許可手段19dが後述する燃料補正手段19cの動作を許可する動作について説明する。なお、この動作は、ECU19において、メインルーチンが所定時間周期で実行される中で、サブルーチンとして実行される。
図4は、本発明の実施の形態1における燃料補正許可手段19dが燃料補正手段19cの動作を許可する一連の処理を示したフローチャートである。まず、ステップS201において、始動後時間Tstがあらかじめ設定された時間Tsmnを経過したか否かを判定する。そして、始動後時間Tstが時間Tsmnを経過している(すなわち、Yes)と判定した場合には、さらに、ステップS202において、始動後時間Tstがあらかじめ設定された時間Tsmxを経過したか否かを判定する。
ステップS202において、始動後時間Tstが時間Tsmxを経過していない(すなわち、No)と判定した場合には、エンジン1が始動直後の過渡状態の範囲内であるとして、始動直後判定フラグFstを「1」にセットし(ステップS203)し、サブルーチンを終了してメインルーチンに戻る。
一方、先のステップS201において、始動後時間Tstが時間Tsmnを経過していない(すなわち、No)と判定した場合、または、先のステップS202において、始動後時間Tstが時間Tsmxを経過している(すなわち、Yes)と判定した場合には、過渡状態ではないと判断し、始動直後判定フラグFstを「0」にセットし(ステップS204)、サブルーチンを終了してメインルーチンに戻る。
なお、始動後時間Tstは、例えば、クランキング終了時からの時間が演算されるものとし、ECU19の電源投入時においては0に初期化される。
ここで、時間Tsmnおよび時間Tsmxは、エンジンが始動後、吹き上がってから定常状態になるまでの時間として規定でき、例えば、時間Tsmnを3秒、時間Tsmxを6秒と設定することができる。この時間Tsmnと時間Tsmxの間は、エンジン回転数および負荷が大きく変化し、燃料噴射量が急激に変化する過渡状態であり、燃料の重質度合の差、すなわち、燃料の揮発性の差により空燃比に差が生じる。
通常の燃料の場合には、理論空燃比付近になるよう、あらかじめ燃料噴射量が設定されているが、揮発性の悪い重質燃料が混合されると空燃比がリーンになる。また、冷却水温Twにより揮発性により生じる差が異なるため、冷却水温Twの条件を加えてもよい。
例えば、冷却水温Twが高温時には、燃料の揮発性により生じる差が少ないため、差の大きい低温時に、燃料補正手段19cの動作を許可することが考えられる。このように、排気ガスの空燃比の変化に対し理論空燃比を境に出力が急変する特性を用いて始動直後の燃料の揮発性の差が生じる時のみ、燃料補正を許可することで、燃料の揮発性の差の検出精度が向上する。
次に、燃料補正手段19cの動作について説明する。なお、この動作は、ECU19において、メインルーチンが所定時間周期で実行される中で、サブルーチンとして、操作状態判定手段19aおよび燃料補正許可手段19dの処理の後に実行される。
図5は、本発明の実施の形態1における燃料補正手段19cの一連の処理を示したフローチャートである。まず、ステップS301において、燃料補正許可手段19dにより始動直後判定フラグFstが「1」にセットされているか否かを判定する。そして、始動直後判定フラグFstが「1」にセットされている(すなわち、Yes)と判定した場合には、次のステップS302へ進む。一方、始動直後判定フラグFstが「1」にセットされていない(すなわち、No)と判定した場合には、後述するステップS313へ進む。
ステップS302では、操作状態判定手段19aにより第1操作状態フラグFact1が「1」にセットされているか否か、すなわち、空燃比センサ18が第1操作状態にあるか否かを判定する。このステップS302において、第1操作状態フラグFact1が「1」にセットされている(すなわち、Yes)と判定した場合には、ステップS303へ進む。一方、第1操作状態フラグFact1が「1」にセットされていない(すなわち、No)と判定した場合には、後述するステップS313へ進む。
ステップS303では、第1操作状態時間Tact1に演算周期を加算して更新することで、第1操作状態の経過時間を演算し、ステップS304へ進む。なお、第1操作状態時間Tact1は、ECU19の電源投入時においては0に初期化される。
次に、ステップS304では、燃料補正量更新完了フラグFftが「0」にセットされているか否か、すなわち、後述する重質度合値Thlvの更新が完了していないかどうかを判定する。ステップS304において、燃料補正量更新完了フラグFftが「0」にセットされている(すなわち、Yes)と判定した場合には、ステップS305へ進む。一方、燃料補正量更新完了フラグFftが「0」にセットされていない(すなわち、No)と判定した場合には、後述するステップS313へ進む。
ステップS305において、第1操作状態時間Tact1とあらかじめ設定された積算時間Tcとを比較して、後述する重質度合値Thlvの更新タイミングであるか否かを判定する。ここで、積算時間Tcは、空燃比がストイキ周辺以外の場合において、空燃比出力値λO2の安定が確認できる時間(例えば、1秒)とする。
ステップS305において、第1操作状態時間Tact1が積算時間Tc以下であり、まだ積算時間Tcが経過していない(すなわち、No)と判定した場合には、空燃比出力積算値ΣλO2を演算するために、ステップS306へ進む。
そして、ステップS306において、空燃比出力値λO2を用いて、次式(1)のようにして、空燃比出力積算値ΣλO2を更新する。
ΣλO2[n]=ΣλO2[n−1]+λO2×Δt (1)
さらに、ステップS307において、積算サンプル数Csに1を加えて更新し、後述するステップS313へ進む。ここで、上式(1)におけるΣλO2の[n]を今回値とし、[n−1]を前回値とし、Δtを演算周期とする。ちなみに、空燃比出力積算値ΣλO2およびサンプル数Csは、ECU19の電源投入時において0に初期化される。
一方、先のステップS305において、第1操作状態時間Tact1が積算時間Tcを経過している(すなわち、Yes)と判定した場合には、重質度合値Thlvの値を更新するために、次式(2)のようにして、空燃比出力平均値λO2aveを演算し(ステップS308)、ステップS309へ進む。
λO2ave=ΣλO2/Cs (2)
ΣλO2:空燃比出力積算値
Cs :積算サンプル数
そして、ステップS309において、空燃比出力平均値λO2aveが閾値λO2lv以下でリーンの出力か否かを判定する。ここで、閾値λO2lvは、空燃比出力値λO2の出力範囲(0V〜1V)内の任意の値であり、本実施の形態1においては、λO2lv=0.5と設定する。
ステップS309において、空燃比出力平均値λO2aveが閾値λO2lv以下(すなわち、Yes)の場合には、現在供給されている燃料の重質度合がより高い燃料であるとして、次式(3)のようにして、現在の重質度合値Thlvをあらかじめ設定された所定量Tdiv分増量して更新する(ステップS310)。
Thlv[n]=Thlv[n−1]+Tdiv (3)
一方、先のステップS309において、空燃比出力平均値λO2aveが閾値λO2lv以下でない(すなわち、No)場合には、現在供給されている燃料の重質度合がより低い燃料であると判定して、次式(4)のようにして、現在の重質度合値Thlvを所定量Tdiv分減量して更新する(ステップS311)。
Thlv[n]=Thlv[n−1]−Tdiv (4)
ここで、Thlvは、[n]を今回値とし、[n−1]を前回値とし、所定量Tdivは、その増減によりエンジン回転数Neが急激に変化しない程度の値とする。
そして、先のステップS310もしくはステップS311が終了した後に、ステップS312において、燃料補正量更新が終了したことを示すために、燃料補正量更新完了フラグFftが「1」にセットされ、その後、ステップS313へ進む。なお、この燃料補正量更新完了フラグFftは、ECU19の電源投入時において「0」にセットされて初期化される。
ステップS313においては、基本燃料噴射時間Tbに対して、重質度合値Thlvを基に演算される重質補正量Th、加減速補正量Tad、およびその他補正量Tetcで補正をして、燃料噴射時間Tiを演算する。
Ti=Tb×Th×Tad×Tetc (5)
Tb :基本燃料噴射時間
Th :重質補正量
Tad :加減速補正量
Tetc:その他補正量
ここで、基本燃料噴射時間Tbは、ブースト圧Pbとエンジン回転数Neとに基づいて基本となる噴射量の時間として演算される。重質補正量Thは、例えば、重質度合値Thlvおよび冷却水温Twに基づいて演算される。重質補正量Thは、重質度合値Thlvが高く、冷却水温Twが低いときには、揮発性が悪化し、噴射した燃料のうち、吸気弁9周辺に一旦付着する付着燃料が増加してシリンダ2に吸入される燃料が減少するため、重質補正量Thは、大きい値になるように設定されている。
一方、重質度合値Thlvが低く、冷却水温Twが高いときには、揮発性が良くなるため、重質補正量Thは、上記とは逆に、小さい値になるよう設定されている。その他補正量Tetcは、例えば、水温に基づいた補正や、空燃比センサ18の第2操作状態時における空燃比フィードバック制御による補正などに相当する。
加減速補正量Tadは、加減速判定が成り立つ場合(例えば、スロットル開度時間変化量が所定値以上など)において、次式(6)のような式で演算される。
Tad=Tadb×Tha×Tetca (6)
Tadb :基本加減速補正量
Tha :加減速用重質補正量
Tetca:その他加減速補正量
また、加減速判定が成り立たない場合には、加減速補正量Tadは、1.0の固定値となる。
基本加減速補正量Tadbは、例えば、ブースト圧Pbの変化量に応じた補正量である。加減速用重質補正量Thaは、例えば、重質度合値Thlvおよび冷却水温Twに基づいて演算される。加減速用重質補正量Thaは、重質度合値Thlvが高く、冷却水温Twが低いときには、揮発性が悪化するため、加減速時に増減した燃料噴射量のうち付着燃料が増加してシリンダ2に吸入される燃料が減少するため大きい値に設定されている。
また、重質度合値Thlvが低く、冷却水温Twが高いときには、揮発性が良くなるため、加減速用重質補正量Thaは、小さい値になるよう設定されている。その他加減速補正量は、例えば、エンジン回転数に基づいた補正量に相当する。
また、エンジン始動時のクランキング時においては、上式(5)の代わりに、次式(7)の演算による燃料が噴射される。
Ti=Tstb×Ths (7)
Tstb:基本非同期噴射時間
Ths :始動用重質補正量
基本非同期噴射時間Tstbは、例えば、冷却水温Twに基づいて演算される。また、始動用重質補正量Thsは、例えば、重質度合値Thlvおよび冷却水温Twに基づいて演算される。始動用重質補正量Thsは、重質度合値Thlvが高く、冷却水温Twが低いときには、揮発性が悪化するため、始動時に増減した燃料噴射量のうち付着燃料が増加してシリンダ2に吸入される燃料が減少するため大きい値に設定されている。
また、重質度合値Thlvが低く、冷却水温Twが高いときには、揮発性が良くなるため、始動用重質補正量Thsは、小さい値になるよう設定されている。
上記の演算による燃料噴射時間Tiに燃料噴射弁12のむだ時間Tdを加えた値に比例する燃料量が、所定のタイミングで燃料噴射弁12より噴射される。
次に、ステップS314において、キーOFFされた直後であるか否かを判定する。そして、キーOFFされた直後である(すなわち、Yes)と判定した場合には、重質度合値ThlvをバックアップRAMに記憶し(ステップS315)、メインルーチンに戻る。
なお、ECU19の電源投入時において、このバックアップRAMに記憶された重質度合値Thlvが読み出される。これにより、次回のエンジン始動時においても、燃料噴射量制御手段19bおよび燃料補正手段19cは、前回の重質度合値Thlvを用いて、実行することができるようになる。
一方、ステップS314において、キーOFFされた直後でない(すなわち、No)と判定した場合には、何もせず、メインルーチンに戻る。
上述のような一連の動作により、燃料噴射量を増量もしくは減量する本実施の形態1の実行例を、タイミングチャートを用いて、次に説明する。図6は、本発明の実施の形態1の内燃機関の制御装置における燃料噴射量制御に関するタイミングチャートである。
まず始めに、重質燃料供給時を例に説明する(図6における点線で示したタイムチャートに相当)。エンジン始動時には、供給燃料が揮発性の悪い重質燃料であり、エンジン1が冷えているため、実空燃比AFのボトム値がリーン方向に寄り、エンジン回転数Neの立ち上がりも低い。次に、センサ素子抵抗電圧値Rdが第1判定値Ract1以下であり、かつ第2判定値Ract2よりも大きいときには、第1操作状態フラグFact1が「1」にセットされる。
第1操作状態フラグFact1が「1」になった時点から積算時間Tcの間の実空燃比AFがリーンであるため、空燃比出力値λO2が0Vになり、積算時間Tc後に演算される空燃比出力積算値ΣλO2、および空燃比出力平均値λO2aveも0Vとなる。この空燃比出力平均値λO2aveと閾値λO2lvとを比較すると、λO2ave<λO2lvであるため、重質度合値Thlvは、所定量Tdiv分増量されて更新される。
更新された重質度合値Thlvと冷却水温Twとを基に、重質補正量Thが演算され、さらに、基本燃料噴射時間Tbを補正して燃料噴射時間Tiが演算される。この重質補正量Thが補正された時点から、実空燃比AFがリッチ方向に向かっており、第2操作状態となる前に実空燃比AFをストイキ周辺にしており、エンジン回転数も高くなり回復する。
次に、軽質燃料供給時を例に説明する(図6における実線で示したタイムチャートに相当)。ここで、軽質燃料とは、重質燃料とは逆に、重質度合が低く、揮発性が良い燃料である。供給燃料が揮発性の良い軽質燃料であるため、エンジン始動時の実空燃比AFおよびエンジン回転数Neは、スムーズな挙動となる。しかし、実空燃比AFが全体的にリッチな状態となる。よって、第1操作状態フラグFact1が「1」になった時点から積算時間Tcの間の空燃比出力値λO2が1Vになり、積算時間Tc後に演算される空燃比出力平均値λO2aveも1Vとなる。
この空燃比出力平均値λO2aveと閾値λO2lvとを比較すると、λO2ave>λO2lvであるため、重質度合値Thlvは、所定量Tdiv分減量されて更新され、重質度合値Thlvと冷却水温Twとを基に演算される重質補正量Thで基本燃料噴射時間Tbを補正して、燃料噴射時間Tiが演算される。
この重質補正量Thが補正された時点から、実空燃比AFがリーン方向に向かっており、第2操作状態となる前に実空燃比AFをストイキ周辺にしている。なお、第2操作状態では、空燃比変化に対して出力がリニアに変化する空燃比センサ18の特性を用いて、空燃比フィードバックを行っている。
次に、数回のエンジン始動(停止)における実行例について説明する。図7は、本発明の実施の形態1の内燃機関の制御装置における数回のエンジン始動時の燃料噴射量制御に関するタイミングチャートである。なお、本タイミングチャートは、重質燃料供給時の動作の一例である。
図7において、1回目のエンジン始動(停止)に関しては時刻[1]〜[3]が対応し、2回目のエンジン始動(停止)に関しては時刻[1]’〜[3]’が対応し、3回目のエンジン始動(停止)に関しては時刻[1]’’、[2]’’が対応している。
時刻[1]でエンジンが始動し、実空燃比AFがリーン側に寄っているため、エンジン回転数Neの立ち上がりも不安定となる。そこで、燃料補正手段19cにより、時刻[2]で重質度合値Thlv、重質補正量Th、および燃料噴射時間Tiが増量され、実空燃比AFがリッチ方向に向かう。
時刻[2]後に、空燃比センサ18が第2操作状態となり、空燃比フィードバック制御が始まる。時刻[3]で、一旦エンジンが停止(キーOFF)され、重質度合値Thlvがバックアップされる。よって、次のエンジン始動時(時刻[1]’)および始動直後(時刻[1]’〜[2]’)の燃料噴射時間Tiは、時刻[2]で更新された重質度合値Thlvを基に補正され、前回始動時(時刻[1]〜[2])よりも実空燃比AFがリッチ寄りになり、エンジン回転数Neも高くなる。
しかし、時刻[2]’直前の実空燃比AFは、まだリーンとなっているため、燃料補正手段19cにより時刻[2]’で重質度合値Thlvがさらに増量される。その結果、その次の始動時(時刻[1]’’)では、実空燃比AFがさらにリッチ側に寄り、より安定したエンジン回転数が得られる。さらに、同様にして、時刻[2]’’で重質度合値Thlvが増量された直後には、実空燃比AFがストイキ周辺となる。
このように、エンジン停止、再始動時においても、燃料の重質度合値Thlvを保持し、徐々にその重質度合値Thlvを更新するようにすれば、1回の判定で十分保証できないような、非常に揮発性の悪い重質燃料に対しても、適切な燃料噴射量制御を行うことが可能となる。
以上のように、実施の形態1によれば、空燃比センサの第1操作状態を判定し、第1操作状態である場合において、理論空燃比を境に出力が急変する空燃比センサの特性を用いて所定量Tdiv分増量もしくは減量される重質度合値Thlvを基に、燃料噴射時間Tiを補正している。
この結果、空燃比センサがリニア空燃比特性を出力する前に、理論空燃比を境に出力が急変する特性を用いて燃料噴射量を制御することができ、燃料の揮発性の違うガソリン燃料を供給しても、ドラビリの向上および排気ガスの低減を、早期に、かつ確実に実現することができる。
さらに、重質度合値Thlvは、エンジンの停止後も保持され、次回始動時の燃料噴射時間Tiの補正、次回の所定量Tdiv分増量もしくは減量される重質度合値Thlvの基底として使用される。従って、エンジンの始動時においても最新の重質度合値Thlvで燃料を補正することで、始動時のドラビリの向上および排気ガスの低減を実現することができ、始動の度に、重質度合値Thlvが前回値を基に更新されることで、その効果をさらに向上させることができる。
さらに、始動後時間Tstが時間Tsmnおよび時間Tsmxの間の期間であると判定した場合にのみ、空燃比センサがリーンもしくはリッチを示した場合の重質度合値Thlvの所定量Tdiv分増量もしくは減量をする。
これにより、始動直後などエンジン回転数が変化している過渡状態において、ドラビリや排気ガスやエンジンの運転状態に対して、燃料の重質度合による違いが明確に出てくるため、始動直後の過渡状態時のみに重質度合値Thlvを増量もしくは減量することで、重質度合の違いを確実に、よりよい精度で検出し、ドラビリをより向上し、排気ガスをより低減することができる。
なお、上述した実施の形態1では、操作状態判定手段19aは、センサ素子抵抗電圧値Rdをパラメータとして、空燃比センサ18の操作状態を判定しているが、これに限ったものではない。例えば、エンジン始動後時間、キーON後時間などの時間、あるいはセンサ素子の温度などをパラメータとして、第1操作状態および第2操作状態を判定した場合にも、上記と同様の効果が得られる。
また、実施の形態1においては、燃料噴射量の増減量として所定量Tdivを用いているが、これに限ったものではない。例えば、燃料噴射量の増減量として冷却水温Twに応じた値を用いることでも、上記と同様の効果が得られる。
また、実施の形態1においては、図5〜図7に示したように、重質補正量Th、加減速用重質補正量Tha、始動用重質補正量Thsを求めるために、冷却水温Twと重質度合値Thlvを用いているが、これに限ったものではない。例えば、エンジン回転数Neの変化量、始動後時間などのいずれか1つもしくは複数の組み合わせと、重質度合値Thlvを用いて、重質補正量Th、加減速用重質補正量Tha、始動用重質補正量Thsを求めることも可能であり、上記と同様の効果が得られる。
また、実施の形態1においては、重質度合値Thlvの増減にあたって、空燃比出力平均値λO2aveを用いているが、これに限ったものではない。例えば、重質度合値Thlvの増減にあたって、移動平均値、1次フィルタ値など、空燃比出力値λO2に関連した値をいずれか1つもしくは複数の組み合わせを用いた場合にも、上記と同様の効果が得られる。
また、実施の形態1においては、始動後時間Tstを使用してエンジン1の始動直後を判定しているが、これに限ったものではない。例えば、キーON後時間など他の時間、冷却水温Twなどの温度、ブースト圧変化などのエンジン1の運転状態の変化量などのいずれか1つもしくは複数の組み合わせを用いても、上記と同様の効果が得られる。
実施の形態2.
先の実施の形態1では、燃料の重質度が違う燃料が使用された場合について説明した。これに対して、本実施の形態2では、アルコール濃度が違う燃料が使用される場合について説明する。
本実施の形態2における内燃機関の制御装置を含むシステム全体を示す構成は、先の図1の構成に加え、燃料タンク(図示せず)と燃料噴射弁12との間に、アルコール濃度センサ(図示せず)がさらに加わっている点が異なる。
ここで、ECU19のメモリには、先の実施の形態1と同様の手段による機能を実現するためのソフトウェアが記憶されている。また、ECU19には、先の実施の形態1と同様に、各センサの電圧出力値がA/D変換されて入力され、空燃比出力値λO2、リニア空燃比出力値AFs、およびセンサ素子抵抗電圧値Rd、冷却水温Twおよびブースト圧Pb、エンジン回転数Neのそれぞれの値が演算に用いられる。
本実施の形態2では、さらに、上記のアルコール濃度センサの電圧出力値がA/D変換されてECU19に入カされ、アルコール濃度検出値Talbとして各手段で用いられる。
本実施の形態2において、操作状態判定手段19aおよび燃料噴射量制御手段19bにおける処理は、先の実施の形態1と同様である。一方、燃料補正手段19cにおける処理は、アルコール濃度検出値Talbを加味する点で、先の実施の形態1とは異なっている。
操作状態判定手段19aで第1操作状態が判定されている。そこで、燃料補正手段19cは、操作状態判定手段19aで第1操作状態が判定されている間は、所定時間Tcの間において空燃比出力積算値ΣλO2を更新する。そして、燃料補正手段19cは、所定時間Tc後に空燃比出力積算値ΣλO2により演算される空燃比出力平均値λO2aveと閾値λO2lvとを比較して、その比較結果の大小関係に応じて、アルコール濃度値Tallvを所定量Tdiva分増量または減量する。
さらに、燃料補正手段19cは、増量または減量したアルコール濃度値Tallvに応じて、アルコール濃度補正量Tal、加減速用アルコール濃度補正量Tala、始動用アルコール濃度補正量Talsを演算する。そして、燃料噴射量制御手段19bは、これらの補正量に基づいて、燃料噴射量の制御を実行する。
また、燃料補正手段19cは、エンジン停止時においても、アルコール濃度値Tallvを記憶し続ける。そして、燃料噴射量制御手段19bは、次回エンジン始動時には、燃料補正手段19cにより記憶し続けたアルコール濃度値Tallvを基に、上記と同様、燃料噴射量の制御を実行する。さらに、燃料補正手段19cは、次回の補正量算出においては、記憶し続けたアルコール濃度値Tallvを基に、所定量Tdiva分の増量または減量を行う。
燃料補正許可手段19dは、始動後時間Tstが、あらかじめ設定された時間Tsmn〜Tsmxの範囲内であるか否かを判定し、範囲内である場合に燃料補正手段19cにおけるアルコール濃度値Tallvの所定量Tdiva分増量または減量を許可する。
以下、先の図3、図4、および新たな図8のフローチャートを参照しながら、本実施の形態2における内燃機関の制御装置の動作について、詳細に説明する。なお、先の実施の形態1と同様の動作である図3、図4のフローチャートについては、説明を省略する。
図8は、本発明の実施の形態2における燃料補正手段19cの一連の処理を示したフローチャートである。なお、図8におけるステップS301〜S309、S312およびS314は、先の図5における同一のステップ番号と同様の処理であり、詳細な説明を省略する。
図8のステップS309において、空燃比出力平均値λO2aveが閾値λO2lv以下でリーンの出力か否かを判定する。空燃比出力平均値λO2aveが閾値λO2lv以下(すなわち、Yes)の場合には、現在供給されている燃料のアルコール濃度は、より高い燃料であるとして、次式(7)のようにして、現在のアルコール濃度値Tallvをあらかじめ設定された所定量Tdiva分増量して更新する(ステップS410)。
Tallv[n]=Tallv[n−1]+Tdiva (7)
一方、先のステップS309において、空燃比出力平均値λO2aveが閾値λO2lv以下でない(すなわち、No)場合には、現在供給されている燃料のアルコール濃度は、より低い燃料であると判定して、次式(8)のようにして、現在のアルコール濃度値Tallvを所定量Tdiva分減量して更新する(ステップS411)。
Tallv[n]=Tallv[n−1]−Tdiva (8)
ここで、Tallvは、[n]を今回値とし、[n−1]を前回値とし、所定量Tdivaは、その増減によりエンジン回転数Neが急激に変化しない程度の値とする。
そして、先のステップS410もしくはステップS411が終了した後に、ステップS312を実行し、ステップS413に進む。
ステップS413においては、アルコール濃度検出値Talbに対して、下式(9)により、アルコール濃度値Tallvで補正をしてアルコール濃度補正量Talを演算する。
Tal=Talb+Tallv (9)
Tal :アルコール濃度補正量
Talb :アルコール濃度検出値
Tallv:アルコール濃度値
上記式(9)の演算により求められるアルコール濃度補正量Talを用いて、以下の式(10)を用いて、さらに、基本燃料噴射時間Tbに対して、補正されたアルコール濃度補正量Tal、加減速補正量Tad、およびその他補正量Tetcで補正をして、燃料噴射時間Tiを演算する。
Ti=Tb×Tal×Tad×Tetc (10)
Tb :基本燃料噴射時間
Tad :加減速補正量
Tetc:その他補正
このようにすることで、アルコール濃度検出値Talbの誤差をアルコール濃度値Tallvで補正することができる。さらには、アルコール燃料を用いた場合の不具合は、始動時の空燃比に生じるため、アルコール濃度値Tallvにより解消できる。
また、下式(11)のような式で、加減速補正量Tadが演算される。
Tad=Tadb×Tala×Tetca (11)
Tadb :基本加減速補正量
Tala :加減速用アルコール濃度補正量
Tetca:その他加減速補正量
加減速用アルコール濃度補正量Talaは、例えば、アルコール濃度補正量Talおよび冷却水温Twに基づいて演算される。加減速用アルコール濃度補正量Talaは、アルコール濃度補正量Talが高く、冷却水温Twが低いときには、揮発性が悪化するため、加減速時に増減した燃料噴射量のうち付着燃料が増加してシリンダ2に吸入される燃料が減少するため大きい値になるように設定されている。
また、アルコール濃度補正量Talが低く、冷却水温Twが高いときには、揮発性がよくなるため、加減速用アルコール濃度補正量Talaは、小さい値になるよう設定されている。
また、エンジン始動時のクランキング時においては、上式(10)の代わりに、次式(12)の演算による燃料が噴射される。
Ti=Tstb×Tal×Tfts (12)
Tstb:基本非同期噴射時間
Tals:始動用アルコール濃度補正量
始動用アルコール濃度補正量Talsは、例えば、アルコール濃度補正量Talおよび冷却水温Twに基づいて演算される。始動用アルコール濃度補正量Talsは、アルコール濃度補正量Talが高く、冷却水温Twが低いときには、揮発性が悪化するため、始動時に増減した燃料噴射量のうち付着燃料が増加してシリンダ2に吸入される燃料が減少するため大きい値に設定されている。
また、アルコール濃度補正量Talが低く、冷却水温Twが高いときには、揮発性がよくなるため、始動用アルコール濃度補正量Talsは、小さい値になるよう設定されている。
次に、ステップS314において、キーOFFされた直後であるか否かを判定する。そして、キーOFFされた直後である(すなわち、Yes)と判定した場合には、アルコール濃度値TallvをバックアップRAMに記憶し(ステップS415)、メインルーチンに戻る。
なお、ECU19の電源投入時において、このバックアップRAMに記憶されたアルコール濃度値Tallvが読み出される。これにより、次回のエンジン始動時においても、燃料噴射量制御手段19bおよび燃料補正手段19cは、前回のアルコール濃度値Tallvを用いて、実行することができるようになる。
上述のような一連の動作により、燃料噴射量を増量もしくは減量する本実施の形態2の実行例を、タイミングチャートを用いて、次に説明する。図9は、本発明の実施の形態2の内燃機関の制御装置における燃料噴射量制御に関するタイミングチャートである。
まず始めに、高アルコール濃度燃料供給時を例に説明する(図9における点線で示したタイムチャートに相当)。エンジン始動時には、供給燃料がアルコール濃度の高い燃料であるが、アルコール濃度検出値Talbに誤差があり、濃度を低く検出している。また、エンジン1が冷えているため、実空燃比AFのボトム値がリーン方向に寄り、エンジン回転数Neの立ち上がりも低い。次に、センサ素子抵抗電圧値Rdが第1判定値Ract1以下であり、かつ第2判定値Ract2より大きいときには、第1操作状態フラグFact1が「1」にセットされる。
第1操作状態フラグFact1が「1」になった時点から積算時間Tcの間の実空燃比AFがリーンであるため、空燃比出力値λO2が0Vになり、積算時間Tc後に演算される空燃比出力積算値ΣλO2、および空燃比出力平均値λO2aveも0Vとなる。この空燃比出力平均値λO2aveと閾値λO2lvとを比較すると、λO2ave<λO2lvであるため、アルコール濃度値Tallvは、所定量Tdiva分増量されて更新される。
更新されたアルコール濃度値Tallvとアルコール濃度センサによるアルコール濃度検出値Talbとを基に、アルコール濃度補正量Talが演算され、さらに、基本燃料噴射時間Tbを補正して燃料噴射時間Tiが演算される。このアルコール濃度補正量Talが補正された時点から、実空燃比AFがリッチ方向に向かっており、第2操作状態となる前に実空燃比AFをストイキ周辺にしており、エンジン回転数も高くなり回復する。
次に、低アルコール濃度燃料供給時を例に説明する(図9における実線で示したタイムチャートに相当)。エンジン始動時は、供給燃料がアルコール濃度の低い燃料であるため、始動時の実空燃比AFおよびエンジン回転数Neは、スムーズな挙動となる。しかし、アルコール濃度検出値Talbに誤差があり、濃度を高く検出しており、実空燃比AFが全体的にリッチな状態となる。よって、第1操作状態フラグFact1が「1」になった時点から積算時間Tcの間の空燃比出力値λO2が1Vになり、積算時間Tc後に演算される空燃比出力平均値λO2aveも1Vとなる。
この空燃比出力平均値λO2aveと閾値λO2lvとを比較すると、λO2ave>λO2lvであるため、アルコール濃度値Tallvは、所定量Tdiva分減量されて更新され、アルコール濃度値Tallvとアルコール濃度センサによるアルコール濃度検出値Talbとを基に演算されるアルコール濃度補正量Talで基本燃料噴射時間Tbを補正して、燃料噴射時間Tiが演算される。
このアルコール濃度補正量Talが補正された時点から、実空燃比AFがリーン方向に向かっており、第2操作状態となる前に実空燃比AFをストイキ周辺にしている。
次に、数回のエンジン始動(停止)における実行例について説明する。図10は、本発明の実施の形態2の内燃機関の制御装置における数回のエンジン始動時の燃料噴射量制御に関するタイミングチャートである。なお、本タイミングチャートは、高アルコール濃度燃料供給時の動作の一例である。
図10において、1回目のエンジン始動(停止)に関しては時刻[1]〜[3]が対応し、2回目のエンジン始動(停止)に関しては時刻[1]’〜[3]’が対応し、3回目のエンジン始動(停止)に関しては時刻[1]’’、[2]’’が対応している。
時刻[1]でエンジンが始動し、実空燃比AFがリーン側に寄っているため、エンジン回転数Neの立ち上がりも不安定となる。そこで、燃料補正手段19cにより、時刻[2]でアルコール濃度値Tallv、アルコール濃度補正量Tal、および燃料噴射時間Tiが増量され、実空燃比AFがリッチ方向に向かう。
時刻[2]後に、空燃比センサ18が第2操作状態となり、空燃比フィードバック制御が始まる。時刻[3]で、一旦エンジンが停止(キーOFF)され、アルコール濃度値Tallvがバックアップされる。よって、次のエンジン始動時(時刻[1]’)および始動直後(時刻[1]’〜[2]’)の燃料噴射時間Tiは、時刻[2]で更新されたアルコール濃度値Tallvを基に補正され、前回始動時(時刻[1]〜[2])よりも実空燃比AFがリッチ寄りになり、エンジン回転数Neも高くなる。
しかし、時刻[2]’直前の実空燃比AFは、まだリーンとなっているため、燃料補正手段19cにより時刻[2]’でアルコール濃度値Tallvがさらに増量される。その結果、その次の始動時(時刻[1]’’)では、実空燃比AFがさらにリッチ側に寄り、より安定したエンジン回転数が得られる。さらに、同様にして、時刻[2]’’でアルコール濃度値Tallvが増量された直後には、実空燃比AFがストイキ周辺となる。
このように、エンジン停止、再始動時においても、燃料のアルコール濃度値Tallvを保持し、徐々にそのアルコール濃度値Tallvを更新するようにすれば、アルコール濃度検出値に大幅な誤差や故障があった場合にも、適切な燃料噴射量制御を行うことが可能となる。
以上のように、実施の形態2によれば、空燃比センサの第1操作状態を判定し、第1操作状態である場合において理論空燃比を境に出力が急変する、空燃比センサの特性を用いて所定量Tdiv分増量もしくは減量されるアルコール濃度値Tallvを基に、燃料噴射時間Tiを補正している。
この結果、空燃比センサがリニア空燃比特性を出力する前に、理論空燃比を境に出力が急変する特性を用いて燃料噴射量を制御することができ、燃料のアルコール濃度の違う燃料を供給しても、ドラビリの向上および排気ガスの低減を、早期に、かつ確実に実現することができる。
さらに、アルコール濃度値Tallvは、エンジンの停止後も保持され、次回始動時の燃料噴射時間Tiの補正、次回の所定量Tdiva分増量もしくは減量されるアルコール濃度値Tallvの基底として使用される。従って、エンジンの始動時においても最新のアルコール濃度値Tallvで燃料を補正することで、始動時のドラビリの向上および排気ガスの低減を実現することができ、始動の度に、アルコール濃度値Tallvが前回値を基に更新されることで、その効果をさらに向上させることができる。
さらに、始動後時間Tstが時間Tsmnおよび時間Tsmxの間の期間であると判定した場合にのみ、空燃比センサがリーンもしくはリッチを示した場合のアルコール濃度値Tallvの所定量Tdiva分増量もしくは減量をする。
これにより、始動直後などエンジン回転数が変化している過渡状態において、ドラビリや排気ガスやエンジンの運転状態対して、燃料のアルコール濃度による違いが明確に出てくるため、始動直後時のみにアルコール濃度値Tallvを増量もしくは減量をすることで、アルコール濃度の違いを確実に検出し、ドラビリを向上し、排気ガス低減の精度を向上することができる。
なお、上述した実施の形態2においては、アルコール濃度値の増減量として所定量Tdivaを用いているが、これに限ったものではない。例えば、アルコール濃度値の増減量として冷却水温Twに応じたちを用いることでも、上記と同様の効果が得られる。
また、実施の形態2においてはアルコール濃度センサによるアルコール濃度検出を行っているが、アルコール濃度センサの代わりに空燃比センサ18による空燃比フィードバック補正量からアルコール濃度検出値Talbを検出してもよい。また、アルコール濃度検出手段がない、もしくは故障した場合でも、本実施の形態2により、直接アルコール濃度の演算を行うようにしてもよい。
また、実施の形態2においては、図8〜図10に示すように、加減速用アルコール濃度補正量Tala、始動用アルコール濃度補正量Talsを求めるために、冷却水温Twとアルコール濃度補正量Talを用いているが、これに限ったものではない。例えば、エンジン回転数Neの変化量、始動後時間などのいずれか1つもしくは複数の組み合わせと、アルコール濃度補正量Talを用いて、加減速用アルコール濃度補正量Tala、始動用アルコール濃度補正量Talsを求めることも可能であり、上記と同様の効果が得られる。
本発明の実施の形態1における内燃機関の制御装置を含むシステムの全体構成図である。 本発明の実施の形態1の内燃機関の制御装置の内部構成、および制御に用いられるセンサ情報を示した図である。 本発明の実施の形態1における操作状態判定手段が操作状態を判定する一連の処理を示したフローチャートである。 本発明の実施の形態1における燃料補正許可手段が燃料補正手段の動作を許可する一連の処理を示したフローチャートである。 本発明の実施の形態1における燃料補正手段の一連の処理を示したフローチャートである。 本発明の実施の形態1の内燃機関の制御装置における燃料噴射量制御に関するタイミングチャートである。 本発明の実施の形態1の内燃機関の制御装置における数回のエンジン始動時の燃料噴射量制御に関するタイミングチャートである。 本発明の実施の形態2における燃料補正手段の一連の処理を示したフローチャートである。 本発明の実施の形態2の内燃機関の制御装置における燃料噴射量制御に関するタイミングチャートである。 本発明の実施の形態2の内燃機関の制御装置における数回のエンジン始動時の燃料噴射量制御に関するタイミングチャートである。
符号の説明
1 エンジン、2 シリンダ、3 ピストン、4 燃焼室、5 クランク角センサ、6 水温センサ、7 吸気マニホールド、8 排気マニホールド、9 吸気弁、10 排気弁、11 点火プラグ、12 燃料噴射弁、13 サージタンク、14 スロットル弁、15 ブースト圧センサ、16 触媒装置、17 テールパイプ、18 空燃比センサ、19 エンジン制御用電子コントロールユニット(ECU)、19a 操作状態判定手段、19b 燃料噴射量制御手段、19c 燃料補正手段、19d 燃料補正許可手段。

Claims (7)

  1. 内燃機関の排気通路に設けられ、第1操作状態で前記内燃機関の排気ガスの空燃比の変化に対し理論空燃比を境に出力が急変する特性を有し、第2操作状態で前記内燃機関の排気ガスの空燃比の変化に対し出力がリニアに変化する特性を有する空燃比センサと、
    前記空燃比センサが前記第1操作状態にあるか、前記第2操作状態にあるか、または前記第1操作状態および前記第2操作状態のいずれかでもないかを判定する操作状態判定手段と、
    前記内燃機関に供給する燃料量を制御する燃料噴射量制御手段と、
    前記操作状態判定手段により前記第1操作状態と判定されている間において、前記空燃比センサがリーンを示した場合には、前記燃料噴射量制御手段における燃料噴射量を所定量増量し、前記空燃比センサがリッチを示した場合には、前記燃料噴射量制御手段における前記燃料噴射量を所定量減量する燃料補正手段と
    を備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 請求項1に記載の内燃機関の制御装置において、
    前記燃料補正手段は、前記第1操作状態と判定されている間において増量もしくは減量された燃料補正量を前回補正量として記憶する記憶部を有し、エンジン再始動時に前記操作状態判定手段により前記第1操作状態であると判定されている間において、前記空燃比センサがリーンもしくはリッチを示した場合には、前記記憶部に記憶された前記前回補正量を基準に、前記燃料噴射量制御手段における燃料噴射量を増量もしくは減量することを特徴とする内燃機関の制御装置。
  3. 請求項1に記載の内燃機関の制御装置において、
    前記燃料補正手段は、前記操作状態判定手段により前記第1操作状態であると判定されている間において、前記空燃比センサがリーンを示した場合には、前記内燃機関に供給されている燃料の重質度合を示す値を所定量増量し、前記重質度合に応じて前記燃料噴射量制御手段における燃料噴射量を増量し、前記空燃比センサがリッチを示した場合には、前記内燃機関に供給されている燃料の重質度合を示す値を所定量減量し、前記重質度合に応じて前記燃料噴射量制御手段における燃料噴射量を減量することを特徴とする内燃機関の制御装置。
  4. 請求項3に記載の内燃機関の制御装置において、
    前記燃料補正手段は、前記第1操作状態と判定されている間において増量もしくは減量された燃料の重質度合を示す値を前回値として記憶する記憶部を有し、エンジン再始動時に前記操作状態判定手段により前記第1操作状態であると判定されている間において、前記空燃比センサがリーンもしくはリッチを示した場合には、前記記憶部に記憶された前記前回値を基準に、燃料の重質度合を示す値を所定量増量もしくは減量し、前記重質度合に応じて前記燃料噴射量制御手段における燃料噴射量を増量もしくは減量することを特徴とする内燃機関の制御装置。
  5. 請求項1に記載の内燃機関の制御装置において、
    前記燃料補正手段は、前記操作状態判定手段により前記第1操作状態であると判定されている間において、前記空燃比センサがリーンを示した場合には、前記内燃機関に供給されている燃料のアルコール濃度を示す値を所定量増量し、前記アルコール濃度に応じて前記燃料噴射量制御手段における燃料噴射量を増量し、前記空燃比センサがリッチを示した場合には、前記内燃機関に供給されている燃料のアルコール濃度を示す値を所定量減量し、前記アルコール濃度に応じて前記燃料噴射量制御手段における燃料噴射量を減量することを特徴とする内燃機関の制御装置。
  6. 請求項5に記載の内燃機関の制御装置において、
    前記燃料補正手段は、前記第1操作状態と判定されている間において増量もしくは減量された燃料のアルコール濃度を示す値を前回値として記憶する記憶部を有し、エンジン再始動時に前記操作状態判定手段により前記第1操作状態であると判定されている間において、前記空燃比センサがリーンもしくはリッチを示した場合には、前記記憶部に記憶された前記前回値を基準に、燃料のアルコール濃度を示す値を所定量増量もしくは減量し、前記アルコール濃度に応じて前記燃料噴射量制御手段における燃料噴射量を増量もしくは減量することを特徴とする内燃機関の制御装置。
  7. 請求項1ないし6のいずれか1項に記載の内燃機関の制御装置において、
    エンジン始動直後の過渡状態期間を判定し、前記過渡状態期間は、前記燃料補正手段による燃料補正量の増量または減量を許可する燃料補正許可手段をさらに備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。
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