JP2008286122A - 空燃比を検出する装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】空燃比センサの応答遅れを補償する。
【解決手段】排ガスの空燃比を検出する第1および第2の空燃比センサは、排ガス雰囲気の相違の無い互いに近接する2つの位置に設けられる。該空燃比センサの出力(Ip1,Ip2)が、所定区間においてサンプリングされる。第1の演算式は、第1の空燃比センサの応答遅れを示す第1の係数(τ1)を用いて第1の空燃比(LAF1)を表し、第2の演算式は、第2の空燃比センサの応答遅れを示す第2の係数(τ2)を用いて第2の空燃比(LAF2)を表す。これらの演算式に、サンプリングされた出力を適用し、該第1および第2の空燃比の間の偏差が最小になるよう該第1および第2の係数を算出する。第1および第2の演算式は、該算出された係数で補正される。この補正済み演算式によって、空燃比が検出される。
【選択図】図5
【解決手段】排ガスの空燃比を検出する第1および第2の空燃比センサは、排ガス雰囲気の相違の無い互いに近接する2つの位置に設けられる。該空燃比センサの出力(Ip1,Ip2)が、所定区間においてサンプリングされる。第1の演算式は、第1の空燃比センサの応答遅れを示す第1の係数(τ1)を用いて第1の空燃比(LAF1)を表し、第2の演算式は、第2の空燃比センサの応答遅れを示す第2の係数(τ2)を用いて第2の空燃比(LAF2)を表す。これらの演算式に、サンプリングされた出力を適用し、該第1および第2の空燃比の間の偏差が最小になるよう該第1および第2の係数を算出する。第1および第2の演算式は、該算出された係数で補正される。この補正済み演算式によって、空燃比が検出される。
【選択図】図5
Description
この発明は、内燃機関の空燃比を検出する装置に関する。
内燃機関には、一般に空燃比センサが搭載され、そのセンサ検出値が、空燃比等の制御に用いられている。このような空燃比センサは、センサの個体バラツキにより、また内燃機関の運転状態に応じて、その応答特性が変化することがある。応答特性が変化すると、最適な空燃比制御が困難になるおそれがある。
下記の特許文献1には、空燃比センサの応答特性(無駄時間およびn次遅れ)を考慮して空燃比制御を行う装置が開示されている。この手法によると、空燃比センサの出力から、該空燃比センサの応答特性(無駄時間とn次の遅れ)を検出する。検出した応答特性が、ECUに実装された応答特性(実装応答特性)からずれている場合、該実装応答特性を補正し、補正後の実装応答特性で、空燃比センサの出力が最適挙動となる制御定数を算出する。
特開2006−266094号公報
空燃比センサの応答特性は、排気管を流れるガスの速度に比して遅い。空燃比センサの応答は、排ガスの空燃比が実際に変化してから、たとえば約100〜300ミリ秒かかり、それに対し、ガスの速度は、エンジン回転数が約6000rpmであるとき約10ミリ秒である。このように、空燃比センサの応答がガス速度に比して相対的に遅いため、空燃比センサの応答に基づく制御を実行すると、10サイクル程度の遅れが該制御に生じるおそれがある。こうした遅れが生じると、排気管を流れるガスの実際の空燃比を適切に該制御に反映させることができない。たとえば、このような遅れが空燃比制御に生じると、所望の空燃比を達成することが困難になるおそれがある。
また、上記のような従来の技術は、空燃比センサの応答特性を検出した後に、空燃比制御の制御定数を変更しており、空燃比制御を、実際の空燃比センサの応答特性に合わせる手法である。しかしながら、この手法では、実際の空燃比センサの応答特性を用いている以上、ガス速度に対する遅れが空燃比制御に生じ、よって上記のような課題は残りうる。
したがって、空燃比センサの応答のガス速度に対する遅れを補償して、ガス速度に追従するよう空燃比を検出することのできる手法が望まれている。
この発明は、一形態(請求項1)では、内燃機関の空燃比を検出する装置は、内燃機関の排気系において、排ガス雰囲気の相違の無い互いに近接する2つの位置に設けられ、排ガスの空燃比を検出する第1および第2の空燃比センサと、所定区間において、第1および第2の空燃比センサの出力(Ip1,Ip2)をサンプリングするサンプリング手段と、第1の空燃比センサの応答遅れを示す第1の係数(τ1)を用いて第1の空燃比(LAF1)を表す第1の演算式に、上記サンプリングされた第1の空燃比センサの出力を適用すると共に、第2の空燃比センサの応答遅れを示す第2の係数(τ2)を用いて第2の空燃比(LAF2)を表す第2の演算式に、上記サンプリングされた第2の空燃比センサの出力を適用し、該第1および第2の空燃比の間の偏差が最小になるよう該第1および第2の係数を算出する係数算出手段と、該算出した第1および第2の係数で、該第1および第2の演算式を補正する補正手段と、上記補正した第1および第2の演算式の少なくとも一方によって、上記内燃機関の空燃比を検出する検出手段と、を備える。
実際の空燃比が変化すると、空燃比センサの出力は、その応答特性に従い、遅れをともなって該実際の空燃比を示す値に到達する。この発明によれば、空燃比センサの応答遅れを示す係数を用いて空燃比を、演算式で表す。すなわち、該演算式は、空燃比センサの応答特性を表すこととなる。したがって、その時の空燃比センサの出力を該演算式に適用することにより、その時の実際の空燃比、すなわち応答遅れが補償された空燃比を推定することができる。この空燃比に基づくことにより、たとえば空燃比制御中に遅れが生じるおそれを回避することができる。
応答遅れは、センサ間のバラツキや内燃機関の運転状態によって変化するおそれがある。この発明によれば、応答遅れを示す係数を、2つのセンサを用いることで求める。2つのセンサを用いることにより、センサ間のバラツキを抑制した応答遅れを算出することができる。たとえば、センサ間の個体バラツキやセンサの劣化に起因する応答遅れの算出誤差を軽減することができる。さらに、所定の区間ごとに該係数を算出しなおすので、内燃機関の運転状態に適した応答遅れを算出することができる。
また、従来は、2値型の排ガス(O2)センサを例えば触媒装置の下流に装着することにより、空燃比センサの応答の遅れを補償する手法も提案されているが、この発明によれば、このような排ガスセンサを用いることなく、空燃比センサの応答遅れを補償することができる。
この発明の一実施形態(請求項2)では、第1および第2の空燃比の間の偏差を所定区間にわたって積算し、該積算した偏差が最小となるように、最小二乗法を用いて第1および第2の係数を算出する。
この発明によれば、最小二乗法により応答遅れを算出するので、2つのセンサ間のバラツキを抑制するよう、より良好な精度で応答遅れを算出することができる。
次に図面を参照して、この発明の実施例を説明する。
図1は、この発明の一実施形態に従う、内燃機関(以下、エンジンと呼ぶ)およびその制御装置の全体的な構成図である。電子制御ユニット(以下、「ECU」)という)1は、入出力インターフェース、中央演算処理装置(CPU)、およびメモリを備えるコンピュータである。メモリには、車両の様々な制御を実現するためのコンピュータ・プログラムおよび該プログラムの実施に必要なデータを格納することができる。ECU1は、車両の各部から送られてくるデータを入出力インターフェースを介して受け取って演算を行い、制御信号を生成し、これを、該入出力インターフェースを介してエンジンの各部を制御するために送る。
エンジン2は、たとえば4気筒(図示せず)を備えており、各気筒には、吸気管3および排気管4が接続されている。吸気管3には、スロットル弁6を介して吸気管3を通過する新気の量を検出するエアフローメータ(AFM)7が設けられている。このセンサの検出値は、ECU1に送られる。
スロットル弁6の開度は、ECU1からの制御信号に従って制御される。スロットル弁6の開度を制御することにより、エンジン2に吸入される空気の量を制御することができる。スロットル弁6に代えて、各気筒の吸気バルブの開度を調整することにより吸気量を調整するようにしてもよい。
EGR通路10が、吸気管3と排気管4の間に接続されており、EGR通路10を介して、各気筒から排気管4に流出した排ガスを吸気管3に還流し、各気筒に供給することができる。還流する排ガスの量は、EGR通路10に設けられたEGRバルブ11により調整することができる。EGRバルブ11の開度は、ECU1からの制御信号に従って変更される。
排気管4には、たとえば種々の触媒によって実現されることのできる排ガス浄化装置13が設けられており、各気筒から排気管4に流出される排ガスを浄化して、大気に放出する。
排ガス浄化装置13の上流には、第1および第2の空燃比(LAF)センサ21および22が、互いに近接した位置に設けられている。この図では、第1および第2の空燃比センサ21および22が、排気管4に沿って隣接して設けられている。しかしながら、第1および第2の空燃比センサは、排ガス雰囲気の相違の無い箇所に設けられればよい。したがって、排気管4を所定位置(排ガス浄化装置13の上流の排気管の任意の位置でよい)でA−A’で切断した断面図(b)に示すように、排気管4の断面の円上の任意の位置に2つの空燃比センサを設けてもよい。図には、そのような位置の例として、左上位置、右上位置、左下位置、右下位置の4箇所が示されており、このうちの任意の2箇所に、2つの空燃比センサを配置することができる。図では、例として、左上位置および右上位置に、第1および第2の空燃比センサ21,22が配置されている。
第1および第2の空燃比センサ21および22は、リーンからリッチにわたる領域の空燃比をリニアに検出するセンサであり、これらセンサの検出値はECU1に送られる。
ここで、本願発明の原理を説明する。図2の(a)を参照すると、実際の空燃比が変化したときの空燃比センサの応答特性の一例が示されている。一般に、空燃比センサは、空燃比の変化に対して応答遅れを有しており、一次遅れ要素と考えることができる。実際の空燃比が変化したことに応じて、空燃比センサは応答を開始するが、該空燃比センサの出力(後述の、ポンピング電流Ip)が、該変化後の実際の空燃比を表す値LAF_out_fを示すまでに、時間t1かかる。このように、空燃比センサの応答には遅れがある。この遅れの大きさは、空燃比センサの個体ごとにばらつくおそれがあり、また、空燃比センサの劣化の度合いや、内燃機関の運転状態にも依存するおそれがある。
他方、空燃比センサは、図2の(b)に示されるように、ジルコニア(Zr)固体電解質から構成されるセンサ素子31の両端に、多孔層電極32aおよび32bを備える形態を一般に有しており。該電極の一方32aは、排気管4内の排ガスにさらされ、他方32bは、該排気管4外の大気にさらされる。両者の電極間に生じる酸素分圧比によって発生する内部起電力を一定に保つように、印加電圧Vを調整しながら、排ガス中の酸素分子をイオン化してポンピングさせる。このポンピングにより、ポンピング電流Ipが流れる。
ここで、ポンピング電流Ipは、たとえば式(1)のように近似されることができる。式中、Do2は、多孔層の拡散係数を示し、Tは、センサ素子31の温度を示し、これは、該センサ素子のインピーダンスで決まると共に、図示しないヒータによって一定に保たれるよう制御される。l(エル)は、電極32a、32bの厚さを示し、Sは該電極の面積を示す。Pは、排気側の酸素分圧と大気側の酸素分圧とを加算した全圧を示し、Po2は、排気側の酸素分圧を示す。式に示されるように、ポンピング電流Ipは、排気側および大気側の酸素分圧比に応じて変化し、よってポンピング電流Ipを計測することにより、排ガスの酸素濃度すなわち空燃比を、リーンからリッチにわたってリニアに検出することができる。
まず、本願発明では、図2の(a)に示すような空燃比センサの応答特性を、式(2)のような一次遅れの式で表す。ここで、LAF_out_fは、図2の(a)に示されるように、空燃比変化に対して空燃比センサの出力が最終的に到達する値(定常値と呼ぶ)であり、これは、応答遅れが補償された後の空燃比を示す。Ip(t)は、時刻tにおけるポンピング電流を示し、空燃比センサの実際の出力である。τは、時定数を示す。時定数τは、ポンピング電流Ipが定常値に対して(1−1/e)=63.2%に達するまでの時間(秒)を表し、応答遅れを表す係数である。
式(2)に示されるように、時定数τが決定されていれば、その時に検出されたポンピング電流Ipに基づいて、定常値LAF_out_fに実際に達する前に、該定常値LAF_out_fを推定することができる。本願発明は、この知見に基づいており、時定数τを、2つの空燃比センサを用いて所定の時間間隔で決定し、該決定した時定数τを用いて、定常値LAF_out_f、すなわち応答遅れが補償された空燃比を推定するものである。
たとえば、図2の(a)の場合、空燃比センサの出力(ポンピング電流)が定常値LAF_out_fに達する前に、上記式(2)を用いて該定常値LAF_out_fを推定し、該推定値を、検出された空燃比として空燃比制御等に用いることができる。該推定値は、応答遅れが補償された空燃比であるので、実際の空燃比を空燃比制御等に反映させることができ、よって制御精度を高めることができる。
次に、時定数τを求める具体的な手法を説明する。
ここで、図3の(a)を参照すると、排気管4を流れる排ガスの空燃比が実際に変化したことに対する、第1の空燃比センサ21の応答特性51および第2の空燃比センサ22の応答特性52の一例が示されている。式(3)および(4)のIp1およびIp2は、第1および第2の空燃比センサ21および22のポンピング電流を示す。τ1およびτ2は、第1および第2の空燃比センサ21および22の時定数を示す。時定数には、センサ間にバラツキがあり、この例では、第2の空燃比センサの時定数の方が、第1の空燃比センサの時定数より大きくなっている。また、時定数の大きさは、エンジンの運転状態にも影響されるおそれがあり、図に示される時定数の相対的な大きさは一例である。LAF1およびLAF2は、空燃比が変化した時の空燃比センサの最終的な出力値(定常値)を示し、応答遅れが補償された後の空燃比を示す。
図に示されるように、排ガスの空燃比が実際に変化した時の、第1および第2の空燃比センサ21,22の応答遅れは相違する。しかしながら、該2つの空燃比センサの定常値LAF1およびLAF2は、該2つの空燃比センサが同じ排ガス雰囲気となる近接位置に設けられているので、図のように、最終的には同じ値に到達すべきである。
しかしながら、実際には、空燃比センサの個体バラツキ等の種々の要因により、両者の定常値の間には偏差が生じるおそれがある。そこで、この実施例では、該偏差を最小にするように、時定数τ1およびτ2を算出する。
この実施例では、周知の最小二乗法を用いる。まず、式(5)のように偏差eを求める。偏差eは、両センサの定常値の差の二乗を所定区間にわたって積算した値を平均したものである。Nは、該所定区間において計測したデータ数を示し、iは、演算時刻を示す。
こうして、所定区間の間に計測されたポンピング電流Ip1およびIp2を用いて、時定数τ1およびτ2を算出することができる。算出された時定数τ1およびτ2を、式(3)および(4)に代入することにより、該式(3)および(4)を補正する。その後、該補正された式に従い、第1および第2の空燃比センサについて、応答遅れが補償された後の空燃比LAF1およびLAF2を算出する。該算出された空燃比が、実際の空燃比を示す値として出力され、たとえば空燃比制御に用いられる。ここで、上記のように偏差eが最小になるよう時定数を求めたので、補正された式(3)および(4)により算出される空燃比LAF1およびLAF2は、ほぼ同じ値を呈することとなる。したがって、これらの式の一方のみを用いて空燃比を算出してもよい。
次に、図3の(b)を参照して、演算タイミングを説明する。時間t0でイグニッションがオンされた時、第1の演算サイクルが開始する。時定数τ1およびτ2の初期値を式(3)および(4)に適用して、空燃比LAF1および(または)LAF2を算出する。時定数τ1およびτ2の初期値は、任意の手法で決定されることができる。たとえば、シミュレーション等を介して決めておくことができる。他方、第1の演算サイクルで計測されたポンピング電流を式(6)および(7)に適用して、時定数τ1およびτ2が更新される。
第2の演算サイクルにおいて、第1の演算サイクルにおいて決定された時定数τ1およびτ2を式(3)および(4)に代入して、空燃比LAF1および(または)LAF2を算出する。他方、第2の演算サイクルで計測されたポンピング電流を式(6)および(7)に適用して、時定数τ1およびτ2を更新する。
こうして、所定の時間間隔で時定数が更新されると共に、該更新された時定数は、次の演算サイクルにおいて空燃比を算出するのに用いられる。内燃機関の運転状態やセンサの劣化度合い等によって、応答遅れにバラツキが生じるおそれがあるが、所定の時間間隔で時定数を更新することにより、その時の応答遅れを適切に反映するよう時定数を決定することができる。
この実施例では、第1の演算サイクルのみを、他の演算サイクルに比べて時間的に長くなるよう設定しているが(たとえば、前者は約10秒であり、後者は約5秒)、これは、空燃比センサが活性化されるための時間を考慮したものである。しかしながら、第1の演算サイクルも含め、すべての演算サイクルを同じ時間長さにしてもよい。演算サイクルの時間間隔は、空燃比センサの応答特性や算出される時定数を考慮して、シミュレーション等を介して決めることができる。
図4は、シミュレーション結果の一例を示す。符号61は、本願発明が適用される前の第1の空燃比センサの出力(ポンピング電流)により示される空燃比の挙動を示し、符号62は、本願発明が適用される前の第2の空燃比センサの出力により示される空燃比の挙動を示す。
符号63は、本願発明に従って算出した空燃比LAF1により示される空燃比の挙動を示し、符号64は、本願発明に従って算出した空燃比LAF2により示される空燃比の挙動を示し、両者は、ほぼ同じ値を呈するので、グラフが重なって示されている。
符号61と63の比較および符号62と64の比較から明らかなように、本願発明に従って算出した空燃比について、応答遅れが改善されていることがわかる。これは、式(3)および(4)のような、空燃比センサの応答特性を表す演算式に従って、空燃比LAF1およびLAF2を算出しているからである。そして、符号63と64のグラフに示されるように、第1および第2の空燃比センサに基づく推定値LAF1およびLAF2はほぼ同じ値を示している。これは、両センサに基づく空燃比の偏差が最小になるよう、演算式(3)および(4)の係数(時定数)を決定しているからである。こうして、2つのセンサを用いることにより、センサ間のバラツキを抑制するよう、より適切な係数を用いた演算式(3)および(4)を決定することができる。
図5は、本願発明の一実施形態に従う、空燃比検出装置のブロック図である。これらの機能ブロックは、ECU1において実現される。
サンプリング部71は、各演算サイクル中、第1および第2の空燃比センサ21および22のポンピング電流Ip1およびIp2について、N個のデータを所定の時間間隔でサンプリングし、これをメモリに記憶する。時定数演算部72は、該サンプリングしたデータを用いて、式(6)および(7)に従い、時定数τ1およびτ2を演算する。
補正部73は、該演算した時定数τ1およびτ2を式(3)および(4)に代入することにより、式(3)および(4)を補正する。空燃比算出部74は、検出されたポンピング電流Ip1およびIp2を、該補正した式(3)および(4)に代入し、空燃比LAF1およびLAF2を算出する。前述したように、空燃比算出部74は、式(3)および(4)のいずれか一方のみを用いて空燃比を求めるようにしてもよい。その場合、どちらの式を用いるかに対応して、時定数τ1およびτ2のいずれかによる補正を行えばよく、また、ポンピング電流Ip1およびIp2のいずれかを検出すればよい。
図6の(a)は、本願発明の一実施例に従う、時定数算出プロセスのフローを示す。該プロセスは、所定の時間間隔で実行され、図5のサンプリング部71および時定数算出部72により、より具体的にはECU1のCPUにより実行されることができる。
ステップS1において、計測したデータ数がN個に達したかどうかを判断する。この判断がNoならば、ステップS2に進み、第1および第2の空燃比センサ21および22のポンピング電流Ip1およびIp2を検出してメモリに記憶する。ステップS3において、ポンピング電流Ip1およびIp2の微分値を算出する。たとえば、今回値Ip1(i)と前回値Ip1(i−1)との差を算出することにより、微分値を求めることができる。こうして、データ数Nが収集されたならば、ステップS4において、式(6)および(7)に従い、時定数τ1およびτ2を算出する。算出された時定数τ1およびτ2は、メモリに記憶される。
図6の(b)は、本願発明の一実施例に従う、空燃比検出プロセスのフローを示す。該プロセスは、所定の時間間隔で実行され、図5の補正部73および空燃比算出部74により、より具体的にはECU1のCPUにより実行されることができる。
ステップS11において、第1の空燃比センサ21のポンピング電流Ip1を検出する。ステップS12において、図6の(a)のステップS4で演算された時定数τ1をメモリから読み込み、式(3)を補正する。ステップS13において、補正した式(3)に従って空燃比LAF1を算出する。代替的に、または追加として、第2の空燃比センサ22のポンピング電流Ip2を検出し、ステップS4で演算された時定数τ2をメモリから読み込み、該時定数τ2で式(4)を補正し、該補正した式(4)に従って空燃比LAF2を算出してもよい。こうして、LAF1および(または)LAF2が、空燃比検出値として出力され、様々な制御に用いられることができる。代替的に、LAF1およびLAF2の平均値を求め、これを、空燃比検出値として出力してもよい。
以上にこの発明を具体的な実施例について説明したが、この発明はこのような実施例に限定されるものでなく、また、ガソリンエンジン、ディーゼルエンジンのいずれに対しても使用することができる。
1 電子制御ユニット(ECU)
2 エンジン
21 第1の空燃比センサ
22 第2の空燃比センサ
2 エンジン
21 第1の空燃比センサ
22 第2の空燃比センサ
Claims (2)
- 内燃機関の空燃比を検出するための装置であって、
前記内燃機関の排気系において、排ガス雰囲気の相違の無い互いに近接する2つの位置に設けられ、排ガスの空燃比を検出する第1および第2の空燃比センサと、
所定区間にわたり、第1および第2の空燃比センサの出力をサンプリングするサンプリング手段と、
前記第1の空燃比センサの応答遅れを示す第1の係数を用いて第1の空燃比を表す第1の演算式に、前記サンプリングされた第1の空燃比センサの出力を適用すると共に、前記第2の空燃比センサの応答遅れを示す第2の係数を用いて第2の空燃比を表す第2の演算式に、前記サンプリングされた第2の空燃比センサの出力を適用し、該第1の空燃比および第2の空燃比の間の偏差が最小になるよう該第1および第2の係数を算出する係数算出手段と、
前記算出した第1および第2の係数で、前記第1および第2の演算式を補正する補正手段と、
前記補正した第1および第2の演算式の少なくとも一方によって、前記内燃機関の空燃比を検出する空燃比検出手段と、を備える、
空燃比検出装置。 - 前記係数算出手段は、さらに、前記第1空燃比および第2の空燃比の間の偏差を前記所定区間にわたって積算し、該積算した偏差が最小となるように、最小二乗法を用いて前記第1および第2の係数を算出する、
請求項1に記載の空燃比検出装置。
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CN105275644A (zh) * | 2014-07-17 | 2016-01-27 | 福特环球技术公司 | 用于识别和缓解空气-燃料不平衡故障的双hego方法 |
CN105275644B (zh) * | 2014-07-17 | 2020-12-15 | 福特环球技术公司 | 用于识别和缓解空气-燃料不平衡故障的双hego方法 |
CN106499530A (zh) * | 2015-09-04 | 2017-03-15 | 福特环球技术公司 | 用于空燃比不平衡的识别和减轻的方法和系统 |
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