JP2008286030A - ピストン及び内燃機関 - Google Patents

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Abstract

【課題】スカート周端部近傍のピストン径方向外側への変形を抑制可能なピストン及び内燃機関を提供する。
【解決手段】ピストン20において、スカート40よりピストン中心軸C側には、ピストンピン軸心方向Pに対向する接続壁50同士を結合する内壁44が設けられている。シリンダ壁15からの側圧によりスカート中央部41がピストン中心軸C側に弾性変形しようとしても、結合部54同士をピストンピン軸心方向Pに引き寄せる方向の張力が作用して、スカート周端部42の近傍がピストン径方向R外側に変形することを抑制することができる。
【選択図】図1−2

Description

本発明は、内燃機関に用いられるピストンに関し、詳細には、対向するピストンピンボスと、スカートと、ピストンピンボスとスカートとを接続する接続壁が、頂部から延設されているピストンの構造に関する。
内燃機関に用いられるピストンには、通常、シリンダボア内におけるピストンの首振り挙動を抑制するために、ピストンスカート(以下、単に「スカート」)と記す)が設けられている。スカートがシリンダボアの内壁面(以下、シリンダ壁と記す)に摺接し、撓み変形することで、ピストンの首振り挙動を抑制しつつ、ピストンとシリンダ壁との摩擦が増大することを抑制している。加えて、ピストンには、ピストンピンを介して連接棒(以下、コンロッドと記す)と接続するために、ピストンピンを嵌め込むピストンピンボス(以下、単に「ピンボス」と記す)が設けられている。
スカートは、ピストンとシリンダ壁との摩擦を低減するため、適度に撓み変形することが求められており、通常、薄い壁体で構成されている。スカートの特にピストン周方向の端部(以下、スカート周端部と記す)を補強するために、ピストンには、一般的に、スカートの周端とピンボスとを接続する壁体(以下、接続壁と記す)が設けられている。これら、接続壁、スカート及びピンボスは、ピストン頂部からピストンの中心軸方向に突出して設けられており、筒状をなしている。
また、下記の特許文献1に記載のピストンでは、スカートを補強するため、スカートとピンボスを接続する補強用リブを設けている。補強用リブを設けることで、スカートの剛性を局所的に向上させている。
実開平2−149852号公報
ところで、ピストンの膨張行程や圧縮行程において、スカートとシリンダ壁との間には、スカートからシリンダ壁には、シリンダボア径方向の力(以下、スラスト力と記す)が作用し、スカートはその反力(以下、スラスト反力と記す)を受けて撓み変形する。特に、図7に示すように、ピストン200は、スカート40のうちピストン周方向Gの中央部41(以下、スカート中央部と記す)がピストン中心軸C側に変形する。
このようにスカート中央部41がピストン中心軸C側に弾性変形すると、その応力がスカート周端部42側に伝達されて、図7に二点鎖線で示すように、スカート周端部42の近傍がピストン径方向R外側に突出して変形することがある。スカート周端部42の近傍がピストン径方向R外側に変形すると、この部分の外面42aが局部的にシリンダ壁に当接してしまう虞がある。
これを対策するために、スカート周端部42の近傍を、スカート中央部41に比べて肉厚なものにして剛性を向上させると、スカート40全体としてピストン中心軸C側に弾性変形する能力が低下してしまい、ピストン200とシリンダ壁との摩擦が増大してしまうという問題が生じる。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、スカート周端部の近傍をスカートの他の部位に比べて肉厚なものとすることなく、スカート周端部近傍のピストン径方向外側への変形を抑制可能な、ピストン及び内燃機関を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、内燃機関に用いられ、対向するピストンピンボスと、スカートと、ピストンピンボスとスカートとを接続する接続壁が、頂部から延設されているピストンであって、スカートよりピストン中心軸側には、ピストンピン軸心方向に対向する接続壁同士を結合する内壁が設けられていることを特徴とする。
本発明に係るピストンにおいて、内壁は、ピストンピン軸心方向に沿って延びているものとすることができる。
本発明に係るピストンにおいて、内壁と接続壁の結合部は、ピストン軸方向に沿って設けられているものとすることができる。
本発明に係るピストンにおいて、内壁のスカート裾側の端は、スカートの裾と、ピストン径方向に対向して設けられているものとすることができる。
本発明に係るピストンにおいて、スカートのピストン周方向の中央部と内壁とを結合する梁壁が設けられているものとすることができる。
本発明に係るピストンにおいて、梁壁は、スカートのピストン周方向の中央部から、ピストン中心軸に向けて延びているものとすることができる。
本発明に係るピストンにおいて、梁壁は、ピストンピン軸心方向に直交する方向に沿って延びているものとすることができ、ピストンピン軸心方向に所定の間隔をあけて複数設けられているものとすることができる。
本発明に係るピストンにおいて、内壁とスカートにより囲まれて、スカート裾側から流入するオイルを頂部の天井面に導くことが可能なガイド通路が形成されているものとすることができる。
本発明に係るピストンにおいて、ガイド通路の頂部側の開口は、内壁の頂部側の端と、スカートの内周面から頂部の内周面に接続する接続面により、形状が規定されているものとすることができる。
本発明に係るピストンにおいて、ガイド通路は、梁壁により仕切られて、頂部側とスカート裾側に開口を有する複数のガイド通路が形成されているものとすることができる。
本発明に係るピストンにおいて、ピンボスは、ピストンピンを介してコンロッドが装着されるものとすることができ、内壁のうちスカート裾側の部位には、コンロッドの桿部に対応して切り欠きが形成されているものとすることができる。
本発明に係るピストンにおいて、内壁は、ピストン中心軸側に凸となって湾曲する弓状をなしているものとすることができる。
本発明に係る内燃機関は、前記ピストンを有する内燃機関であって、ガイド通路のスカート裾側の開口に向けてオイルを噴射するオイルジェットが設けられているものとすることができる。
本発明に係る内燃機関において、ピストンは、梁壁により仕切られて、頂部側とスカート裾側に開口を有する複数のガイド通路が形成されているものとすることができ、オイルジェットには、ガイド通路のスカート裾側の開口に対応して複数の噴孔が設けられているものとすることができる。
本発明によれば、スカートよりピストン中心軸側には、ピストンピン軸心方向に対向する接続壁同士を結合する内壁が設けられているものとしたので、シリンダ壁からの側圧によりスカート中央部がピストン中心軸側に弾性変形しようとしても、内壁に張力が作用することで、スカート周端部の近傍がピストン径方向外側に変形することを抑制することができる。これにより、スカート周端の近傍が局部的にシリンダ壁に接触することを抑制することができる。
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施の形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
まず、本実施例に係るピストン及び内燃機関の概略構成について、図1を用いて説明する。図1は、内燃機関のピストン周辺の構成を示す断面図である。なお、図1には、本発明に関連する要部のみを模式的に示している。
内燃機関10は、機関本体を構成する部品として、シリンダブロック12、ピストン20、コネクティングロッド16(以下、単に「コンロッド」と記し、図に二点鎖線で示す)、及び図示しないクランク軸、シリンダヘッド等を有している。シリンダブロック12には、シリンダボア14が形成されており、ピストン20は、後述するピストンリングをシリンダボア14の内壁面15(以下、シリンダ壁と記す)に摺接させながら、シリンダボア14内を往復運動する。ピストン20は、ピストンピン18によりコンロッド16に対して首振り可能に接続されている。内燃機関10は、ピストン20が受けた燃焼荷重をクランク軸の回転運動に変換して出力することができる。
シリンダブロック12には、ピストン20の頂面22に対向してシリンダボア14を塞ぐようにシリンダヘッド(図示せず)が結合されている。シリンダブロック12には、ピストン20の頂面22の裏側の面26(以下、天井面と記す)に対向して、クランク軸を収容するクランクケース(図示せず)が形成されている。
ピストン20は、その中心軸(図に一点鎖線Cで示す)が、シリンダボア14の軸心に一致するようにシリンダボア14内に挿入されている。以下の説明において、シリンダボア14の軸心、すなわちピストン20の中心軸Cに沿う方向を、「ピストン軸方向」と記す。また、シリンダボア14の径方向すなわちピストン20の径方向を、単に「ピストン径方向」と記して、図に矢印Rで示す。また、シリンダボア14の周方向すなわちピストン20の中心軸Cを中心とする周方向を「ピストン周方向」と記し、図に矢印Gで示す。
また、ピストン軸方向のうちピストン20がシリンダヘッド側に向かう向きを「ヘッド側」と記し、図に矢印Uで示す。また、ピストン軸方向のうちピストン20がクランクケースに向かう向きを「クランク側」と記し、図に矢印Dで示す。
ピストン20の頂部30の外周面30aには、シリンダ壁15と摺接するためにコンプレッションリング72,74,及びオイルリング76が装着されている。なお、ピストン20の「頂部」とは、頂面22を含むピストン軸方向のヘッド側の部分である。
次に、本実施例に係るピストンのスカート周辺の構造について、図1−2及び図1−3を用いて説明する。図1−2は、ピストンをスカートの裾側から見た底面図である。図1−3は、図1−2のA1−A1線による断面図である。なお、図1−3において、理解を容易にするため、外形線を一部省略している。
ピストン20には、ピストンピン18を回転可能に保持するピストンピンボス(以下、単に「ピンボス」と記す)が設けられている。ピンボス60には、ピストンピン18が挿し込まれるピストンピン穴62(以下、単に「ピン穴」と記す)が形成されている。ピンボス60は、ピストン20の頂部30の天井面26からクランク側に突出して設けられている。ピンボス60には、ピン穴62と頂部30との間に、ピンボスリブ65が設けられており、ピンボス60を補強している。
ピンボス60は、ピストン周方向Gには、後述する接続壁と接続されている。ピストン20が頂面22から受けた力は、ピンボス60のピン穴62からピストンピン18を介してコンロッド16に伝達される。なお、ピンボス60に形成されたピン穴62の軸心方向を、以下の説明において、「ピストンピン軸心方向」と記して、図に矢印Pで示す。
また、ピストン20の頂部30よりクランク側には、シリンダボア14内におけるピストン20の首振り挙動を抑制するため、スカート40が設けられている。スカート40は、ピストン20の頂部30からピストン軸方向をクランク側に突出して設けられている。
スカート40は、頂部30に比べて薄い壁体で構成されており、その外周面40aがシリンダ壁15に対向している。スカート40の内周面40cは、コンロッド16の小端部(図示せず)に対向している。なお、以下の説明において、スカート40のうち最もクランク側の部位を、スカート40の「裾」と記して符号40eで示す。スカート40は、その外周面40aでシリンダ壁15に摺接して側圧(スラスト反力)を受けて、ピストン20の首振り挙動を抑制している。
なお、「スカート」とは、ピストン20のうち頂部30の外周面30aと同じ曲率で湾曲している部分であり、スカート40の周方向の端部(以下、スカート周端部と記す)を、図に符号42で示す。ピストン周方向Gにおいて、スカート40の周端部42は、後述する接続壁50と接続されている。
また、「外周面」とは、ピストン20の頂部30及びスカート40のうちシリンダ壁15に対向する面を意味している。これに対して、「内周面」とは、外周面の裏側にある面であり、ピストン20の中心軸C側に向いている面を意味している。本実施例において、「内周面」には、頂部30の内周面30cと、スカート40の内周面40cが含まれている。また、「ピストン内側」とは、頂部30の内周面30c及びスカート40の内周面40cより、ピストン中心軸C側にある空間を意味している。
ピストン20には、スカート40とピンボス60を接続する接続壁50が設けられている。接続壁50は、スカート40のピストン周方向Gの両側にある2つの周端部42からそれぞれ隣り合うピンボス60に向けて延設されている。2つの接続壁50の内面50cは、互いに対向している。接続壁50の外面50aとスカート40の外周面40aは、滑らかに連続している。接続壁50は、スカート40及びピンボス60と同様に、頂部30からピストン軸方向をクランク側すなわちスカート裾40e側に突出して設けられている。
このように、ピストン20において、スカート40、ピンボス60、及び接続壁50は、頂部30からピストン軸方向に延設されており、ピストン周方向Gに結合されて、有底の略円筒状をなしている。ピストン20において、スカート40及び接続壁50の肉厚は、略均一となるように構成されている。
ピストンには、図1−2に示すように、スカート40よりピストン中心軸C側に、ピストンピン軸心方向Pに対向している接続壁50同士を結合する内壁44が設けられている。内壁44は、ピストンピン軸心方向Pに沿って延びており、その両端が接続壁50に結合されている。以下の説明において、内壁44と接続壁50が結合されている部位を、「結合部」と記し、符号54で示す。
内壁44は、図1−3に示すように、ピストン20の頂部30からピストン軸方向をクランク側すなわちスカート裾40e側に突出して設けられている。内壁44は、そのスカート裾40e側の端44eがスカート40の裾40eとピストン径方向Rに対向するよう、延設されている。すなわち、内壁44のスカート裾40e側の端44eと頂面22との距離が、スカート40の裾40eと頂面22との距離と同じになるよう、内壁44は延設されている。
内壁44は、ピストン軸方向とピストンピン軸心方向Pで規定される平面に沿う板状部材として形成されており、ピストンピン軸心方向Pの両端が接続壁50と結合されている。すなわち内壁44と接続壁50の結合部54は、ピストン軸方向に沿って延設されている。
内壁44の外面44aは、スカート40の内周面40cに対向しており、内壁44の内面44cは、ピンボス60に対向している。スカート40のピストン径方向R内側には、内壁44の外面44aとスカート40の内面40cと、これらを接続する頂部30の接続面39により囲まれて、有底の空洞78が形成される。
このように構成されたピストンは、図1−2に示すように、スカート40がシリンダ壁15からの側圧を受けてスカート40のピストン周方向Gの中央部41(スカート中央部)がピストン中心軸C側に弾性変形すると、スカート40のピストン周方向Gの端部42(スカート周端部)の近傍がピストン径方向R外側に向けて弾性変形しようとする。すなわちスカート周端部に連続しており、互いに対向している結合部54同士のピストンピン軸心方向Pの間隔が拡大しようとする。
このとき、内壁44には、ピストンピン軸心方向Pに結合部54を引き寄せる方向の張力が作用して、結合部54同士の間隔が拡大することが抑制される。この内壁44に作用する張力により、結合部54に連続するスカート周端部42の近傍がピストン径方向R外側に弾性変形することを抑制することができる。
この結果、内燃機関10は、ピストンのスカート周端部42の近傍、及び接続壁50をスカート40の他の部位に比べて肉厚なものとすることなく、スカート周端部42の近傍がシリンダ壁15と局部的に接触することを抑制することができる。
以上に説明したように本実施例では、スカート40よりピストン中心軸C側には、ピストンピン軸心方向Pに対向する接続壁50同士を結合する内壁44が設けられているものとした。シリンダ壁15からの側圧によりスカート中央部41がピストン中心軸C側に弾性変形しようとしても、内壁44に張力が作用して、スカート周端部42の近傍がピストン径方向R外側に変形することを抑制することができる。
また、本実施例において、内壁44は、ピストンピン軸心方向Pに沿って延びているものとしたので、スカート周端部42がピストン径方向R外側に変形しようとすると、これに抗する強い張力を内壁44に作用させることができる。
また、本実施例において、内壁44と接続壁50との結合部54は、ピストン軸方向に沿って延びているものとした。つまり、結合部54は、スカート周端部42が設定されている方向であるピストン軸方向に平行に延びているもとしたので、スカート周端部42のピストン軸方向の各部位における弾性変形を均一なものとすることができる。
また、本実施例において、内壁44のスカート裾40e側の端44eは、スカート40の裾40eとピストン径方向Rに対向するよう設定されている。すなわち、内壁44のスカート裾40e側の端44eと頂面22との距離が、スカート40の裾40eと頂面22との距離と同じになるよう、内壁44は延設されている。これにより、スカート周端部42における弾性変形を、頂部30側から裾40eまで均一なものとすることができる。
本実施例に係るピストン及び内燃機関の構成について、図2−1及び図2−2を用いて説明する。図2−1は、ピストンをスカートの裾側から見た底面図である。図2−2は、図2−1のA2−A2線による断面図である。なお、図2−2において、理解を容易にするため、外形線を一部省略している。
本実施例に係るピストンは、内壁とスカートにより囲まれて、スカート裾側から流入するオイルを頂部の天井面に導くことが可能なガイド通路が形成されており、内燃機関は、ガイド通路のスカート裾側の開口に向けてオイルを噴射するオイルジェットが設けられている点で、実施例1と異なり、以下に詳細を説明する。なお、実施例1と略共通の構成については、同一の符号を付し、説明を省略する。
ピストン20Bには、図2−1に示すように、スカート40よりピストン中心軸C側に、接続壁50同士を結合する内壁44Bが設けられている。内壁44Bは、スカート40の内周面40cに対向して延設されており、図2−2に示すように、内壁44Bと、スカート40の内周面40cから頂部30の内周面30cに連続する接続面39との間には、開口80a(以下、頂部側開口と記す)が形成されている。ピストン20Bには、スカート40の内周面40cと内壁44Bの外面44aと接続壁50の一部により囲まれて、ピストン軸方向に延びる通路80(以下、ガイド通路と記す)が形成されている。ガイド通路80は、ピストン軸方向に延びている。
ガイド通路80の頂部側開口80aは、内壁44Bの頂部30側の端44fと接続面39により形状が規定されている。これに対し、ガイド通路80のスカート裾40e側の開口80c(以下、スカート裾側開口と記す)は、スカート40の裾40eと、これに対向する内壁44Bの端44eにより形状が規定されている。このように開口80a,80cが形成されたガイド通路80は、後述するオイルジェットにより噴射されて、スカート裾側開口80cから流入したオイルを、頂部側開口80aから流出させて、頂部30の天井面26に向けて導くことが可能となっている。
このように構成されたピストン20Bを備える内燃機関10には、図2−1及び図2−2に示すように、ピストン内側に向けてオイルを噴射するオイルジェット100が設けられている。オイルジェット100は、シリンダブロック12のうち、シリンダボア14のクランク側の開口縁部12e(図1−1参照)に設けられている。
オイルジェット100は、オイルをピストン内側に導くノズル102が備えられており、内燃機関10において、ピストン20Bがシリンダボア14内において最もクランク側に位置しているとき、ノズル102の噴孔102aが、ピストン径方向Rにおけるスカート40の内面40cと内壁44Bの外面44aとの間に位置するよう構成されている。つまり、ノズル102の噴孔102aは、ガイド通路80のスカート裾側開口80cに対応して配設されている。
以上のように構成された内燃機関10において、オイルジェット100は、オイル通路(図示せず)からオイルの供給を受けており、ノズル102の噴孔102aからガイド通路80内にオイルを噴射する。ガイド通路80内に噴射されたオイルは、図に矢印F1で示すように、ガイド通路80内で拡散しながらピストン20の頂部30側に流動する。
ガイド通路80内を流れ、頂部30の接続面39によりピストン中心軸C側に流動方向を偏向したオイルは、頂部30の接続面39と内壁44Bの外面44aとの間で流れが絞られて、図に矢印F2で示すように、ガイド通路80の頂部側開口80aから天井面26に向けて流出する。頂部側開口80aから流出したオイルは、頂部30の内周面30cに沿って流れて天井面26に到達する。
ガイド通路80から流出して天井面26に到達したオイルは、図に矢印F3で示すように、天井面26に沿ってピストン中心軸C側を流れる。このようにして、本実施例に係る内燃機関10においては、オイルジェット100から供給されたオイルを、ガイド通路80により天井面26に沿って流すことができる。これにより、ピストン20Bの頂部30及び頂面22を天井面26から効率よく冷却することができる。
以上に説明したように本実施例では、内壁44Bとスカート40により囲まれて、スカート裾40e側から流入したオイルを天井面26に導くことが可能なガイド通路80を設けるものとしたので、内壁44Bに作用する張力でスカート周端部42の近傍がピストン径方向R外側に変形することを抑制しつつ、内壁44Bとスカート40の間に形成されたガイド通路80により、スカート裾40e側から流入したオイルを天井面26に導いてピストン20Bの頂部30を冷却することができる。
本実施例に係るピストンの構成について、図3−1及び図3−2を用いて説明する。図3−1は、ピストンをスカートの裾側から見た底面図である。図3−2は、図3−1のA3−A3線による断面図である。なお、図3−2において、理解を容易にするため、外形線を一部省略している。本実施例に係るピストンは、スカート中央部と内壁とを結合する梁壁を有している点で、実施例1と異なり、以下に詳細を説明する。なお、実施例1,2と略共通の構成については、同一の符号を付し、説明を省略する。
ピストン20Cには、図3−1に示すように、スカート40の周方向の中央部であるスカート中央部41と内壁44Cとを接続する梁壁46が設けられている。梁壁46は、スカート中央部41から、ピストンピン軸心方向Pに直交する方向、すなわちピストン中心軸Cに向けて延びており、スカート中央部41と内壁44Cの中央部44gを結合している。つまり、梁壁46は、スカート中央部41から、当該中央部にシリンダ壁15からのスラスト反力が作用する方向に延びている。
梁壁46は、図3−2に示すように、頂部30の接続面39からピストン軸方向をスカート裾40e側に延びている。梁壁46のスカート裾40e側の端46eとピストン頂面22との距離は、スカート40の裾40eとピストン頂面22との距離、及び内壁44Cのスカート裾40e側の端44eとピストン頂面22との距離と、同一となるよう設定されている。
スカート40と内壁44Cとの間にある空間は、図3−1に示すように、梁壁46により仕切られて、ピストン20Cには、2つの空洞78a,78cが形成されている。各空洞は、スカート40の内周面40cと、内壁44Cの外面44aと、梁壁46の側面46fにより囲まれており、且つピストン軸方向に延びている。
このように構成されたピストン20Cは、シリンダ壁15からの側圧(スラスト反力)を受けて、スカート中央部41がピストン中心軸C側に弾性変形すると、梁壁46がスカート中央部41からの応力を内壁44Cの中央部44gに伝達する。内壁44Cは、梁壁46からの応力を受けてピストン中心軸C側に撓み変形(弾性変形)する。撓み変形する内壁44Cには、接続壁50との結合部54をピストン中心軸C側に引き寄せるよう張力が作用し、スカート周端部42の近傍がピストン径方向R外側に弾性変形することを抑制する。これと共に、スカート中央部41は、梁壁46から内壁44Cの撓み変形の反力を受けて、ピストン中心軸C側に変形することが抑制されている。
このようにして、ピストン20Cは、スカート周端部42の近傍がピストン径方向R外側に変形することを抑制すると共に、スカート中央部41がピストン中心軸C側に変形することを抑制することとなる。これにより、内燃機関10は、ピストン20Cのスカート周端部42、及び接続壁50の厚さをスカート40に比べて肉厚なものとすることなく、スカート40のピストン中心軸C側の弾性変形を均一なものとすることができる。
以上に説明したように本実施例では、スカート中央部41と内壁44Cを接続する梁壁46が設けられているものとしたので、スカート周端部42の近傍がピストン径方向R外側に変形することを抑制しつつ、スカート中央部41がピストン中心軸C側に変形することを抑制することができる。
また、本実施例において、梁壁46は、スカート中央部41からピストン中心軸C側に延びているものとしたので、スカート中央部41から受けた応力を梁壁46が内壁44Cの中央部44gに伝達して、内壁44Cをピストン中心軸C側に撓み変形させて、内壁44Cと接続壁50の結合部54をピストン中心軸C側に引き寄せるよう張力を作用させることができる。これにより、スカート中央部41がピストン中心軸C側に変形することを抑制しつつ、スカート周端部42の近傍がピストン径方向R外側に変形することを抑制することができ、スカート40のピストン中心軸C側への弾性変形を均一なものとすることができる。
本実施例に係るピストン及び内燃機関の構成について、図4−1及び図4−2を用いて説明する。図4−1は、ピストンをスカートの裾側から見た底面図である。図4−2は、図4−1のA4−A4線による断面図である。なお、図4−2において、理解を容易にするため、外形線を一部省略している。本実施例に係るピストンは、梁壁により仕切られて、頂部側とスカート裾側に開口を有する複数のガイド通路が形成されており、内燃機関に設けられたオイルジェットは、ガイド通路のスカート裾側の開口に対応して複数の噴孔が設けられている点で、実施例2と異なり、以下に詳細を説明する。なお、実施例2と略共通の構成については、同一の符号を付し、説明を省略する。
ピストン20Dには、図4−1に示すように、スカート40と内壁44Dを接続する梁壁46が3つ設けられている。梁壁46は、スカート40の内周面40cから内壁44Dの外面44aまでピストンピン軸心方向Pと直交する方向に延びており、スカート40と内壁44Dを結合している。つまり梁壁46は、内壁44Dから、当該内壁44Dが延びる方向に直交する方向に延びている。梁壁46は、ピストンピン軸心方向Pに所定の間隔をあけて設けられている。
内壁44Dは、図4−2に示すように、スカート40の内周面40cに対向してピストン軸方向に延びており、梁壁46は、内壁44Dに対応してピストン軸方向に同じ長さ延設されている。梁壁46のスカート裾40e側の端44eとピストン頂面22との距離は、スカート40の裾40eとピストン頂面22との距離、及び内壁44Dのスカート裾40e側の端44eとピストン頂面22との距離と同一となるよう設定されている。
スカート40と内壁44Dとの間にある空間は、図4−1に示すように、3つの梁壁46により仕切られて、4つのガイド通路(86,88)が形成されている。詳細には、スカート40中央側にある2つの内側ガイド通路86と、スカート周端部42側にある2つの外側ガイド通路88である。
内側ガイド通路86は、スカート40の内周面40cと内壁44Dの外面44aと梁壁46の側面46fにより囲まれており、外側ガイド通路88は、スカート40の内周面40cと内壁44Dの外面44aと、接続壁50の一部により囲まれている。各ガイド通路86,88は、ピストン軸方向に延びている。
図4−2に示すように、内壁44Dの頂部30側の端44fと、スカート40の内周面40cから頂部30の内周面30cに連続する接続面39と、内壁44Dとの間には、ガイド通路86の頂部側開口86aが形成されている。つまり、ガイド通路86の頂部側開口86aは、内壁44Dの頂部30側の端44fと接続面39により形状が規定されている。これに対してガイド通路86のスカート裾側開口86cは、スカート40の裾40eと、これに対向する内壁44Dのスカート裾40e側の端44eにより形状が規定されている。このように開口86a,86cが形成されたガイド通路86は、後述するオイルジェット100Bから噴射されてスカート裾40e側開口86cから流入したオイルを、頂部側開口86aから流出させて、頂部30の天井面26に向けて導くことが可能となっている。
なお、外側ガイド通路88にも、内側ガイド通路86と同様に、図示しない頂部側開口とスカート裾側開口が形成されており、スカート裾側開口から流入したオイルを、頂部側開口から流出させて、頂部30の天井面26に向けて導くことが可能となっている。
このように構成されたピストン20Dは、シリンダ壁15からの側圧を受けて、スカート40がピストン中心軸C側に弾性変形すると、3つの梁壁46がスカート40からの応力を分散して内壁44Dに伝達して、内壁44D全体をピストン中心軸C側に弾性変形させる。内壁44Dには、接続壁50との結合部54をピストン中心軸C側に引き寄せるよう張力が作用して、スカート周端部42の近傍がピストン径方向R外側に変形することを抑制する。これと共に、スカート40全体は、梁壁46からの反力を受けており、ピストン中心軸C側に変形するが抑制されている。このようにして、ピストン20Dは、シリンダ壁15からの応力を受けたとき、スカート40全体をピストン中心軸C側に変形させることができ、スカート40に局部的な変形が生じることを抑制することができる。
さらに、このピストン20Dを備える内燃機関10には、図4−1及び図4−2に示すように、スカート40と内壁44Dと梁壁46との間に形成された各ガイド通路86,88にオイルを噴射するオイルジェット100Bが設けられている。オイルジェット100Bは、オイルを各ガイド通路86,88に導くノズル102Bを備えており、ノズル102Bは、4つ股に分岐されて4つの噴孔102Baを有している。4つの噴孔102Baは、ピストン20Dに形成されたガイド通路86,88のスカート裾側開口86cに対応して設けられている。詳細には、内燃機関10において、ピストン20Dがシリンダボア14内において最もクランク側に位置しているとき、ノズル102Bの4つの噴孔102Baは、それぞれ対応するガイド通路86,88に向けて配置されている。
以上のように構成された内燃機関10において、オイルジェット100Bは、ノズル102Bに形成された4つの噴孔102Baから、それぞれ対応する各ガイド通路86,88内にオイルを噴射する。各ガイド通路86,88内に噴射されたオイルは、図に矢印F4で示すように、ガイド通路86,88内をピストン頂部30側に流動する。オイルは、略筒状のガイド通路86,88内をピストン軸方向に直線状に流れる。つまり、オイルは、各ガイド通路86,88内で整流されている。ガイド通路86,88内を流れて頂部30の接続面39によりピストン中心軸C側に流動方向を偏向したオイルは、接続面39と内壁44Dの外面44aとの間で流れが絞られて、図に矢印F5,F8で示すように、頂部側開口86aから流出し、頂部30の内周面30cに沿って流れて天井面26に到達する。
内側ガイド通路86から流出したオイルは、矢印F6で示すように、天井面26のうちピストン中心軸C側をピストンピン軸心方向Pに直交して流れ、一方、外側ガイド通路88から流出したオイルは、矢印F9で示すように、天井面26のうちピンボス60の内面60c側をピストンピン軸心方向Pに直交して流れる。このようにして内燃機関10は、オイルジェット100Bから供給され、ガイド通路86,88のスカート裾40e側の開口86cから受けたオイルを天井面26に導いて、対向するピンボス60の内面60cの間に均一に流すことができる。これにより、ピストン20Dの頂部30の冷却を均一なものとすることができる。
以上に説明したように本実施例では、梁壁46は、ピストンピン軸心方向Pに直交して延びており、ピストンピン軸心方向Pに所定の間隔をあけて複数設けられているものとしたので、シリンダ壁15からスカート40が受けた応力を分散して内壁44Dに伝達することができ、スカート40全体を均一にピストン中心軸C側に変形させて、スカート40に局部的な変形が生じることを抑制することができる。また、スカート40の剛性を向上させることもできる。
また、本実施例において、ガイド通路86,88は、梁壁46により仕切られて、頂部30側とスカート裾40e側に開口86a,86cを有する複数のガイド通路86,88が形成されており、ガイド通路86,88のスカート裾40e側の開口86cに対応して噴孔102Baが配設されているオイルジェット100Bを備えるものとした。ピストン20Dの移動速度が速く、ピストン内側において気流が乱れていても、ガイド通路86,88は、オイルジェット100Bから噴射されたオイルを、整流して天井面26に導き、ピンボス60の間を天井面26に沿って均一に流すことができる。この結果、ピストン20Dの頂部30を均一に冷却することが可能となる。
本実施例に係るピストン及び内燃機関の構成について、図5−1及び図5−2を用いて説明する。図5−1は、ピストンをスカートの裾側から見た底面図である。図5−2は、図5−1のA5−A5線による断面図である。なお、図5−2において、理解を容易にするため、外形線を一部省略している。本実施例に係るピストンは、内壁のうちスカート裾側の部位には、コンロッドの桿部に対応して切り欠きが形成されている点で、実施例1と異なり、以下に詳細を説明する。なお、実施例1と略共通の構成については、同一の符号を付し、説明を省略する。
図5−1に示すように、ピストン20Eのピンボス60には、図示しないピストンピンを介してコンロッド(図に二点鎖線で示す)が装着される。内燃機関10において、ピストン20Eがシリンダボア14内をクランク側又はヘッド側に移動している時、コンロッド16は、図5−2に示すように、ピストン中心軸Cに対して傾斜しており、コンロッド16の桿部16aがスカート40に近接する。このとき、コンロッド16の桿部16aと、内壁44Eのスカート裾40e側の端44eが干渉する虞がある。なお、コンロッド16の「桿部」とは、コンロッド16のうち小端部と大端部とを接続する棒状の部分である。
そこで、本実施例に係るピストン20Eでは、内壁44Eのうちスカート裾40e側には、コンロッド16の桿部16aに対応して切り欠き90が形成されている。切り欠き90は、図5−1に示すように、内壁44Eのスカート裾40e側の端44eのうち、ピストンピン軸心方向Pの中央に形成されている。切り欠き90の2つの側面を符号90aで示す。互いに対向する側面90a同士の距離は、コンロッド16の桿部16aのピストンピン軸心方向Pの寸法Lに比べて大きく設定されている。
また、切り欠き90は、図5−2に示すように、内壁44Eのスカート裾40e側の端44eからピストン軸方向を頂部30側に向けて形成されている。切り欠き90の底面を符号90eで示す。切り欠き90の底面90eは、内燃機関10のシリンダボア14内においてコンロッド16がピストン20Eの中心軸Cに対して最も傾斜している時に、コンロッド16の桿部16aと干渉しない位置に設定されている。
このような切り欠き90が形成されたピストン20Eの内壁44Eは、スカート裾40e側に開端を有する略U字状をなしている。なお、図示しないが、切り欠き90の底面90eと切り欠き90の側面90aが滑らかに接続されて、切り欠き90が半月状をなすものとしても良い。
このように構成されたピストン20Eは、スカート40がシリンダ壁15から側圧を受けてピストン中心軸C側に弾性変形しようとすると、内壁44Eには、接続壁50との結合部54を引き寄せるよう張力が作用して、スカート周端部42の近傍がピストン径方向R外側に変形することを抑制することができる。これにより、スカート周端部42の近傍が局部的にシリンダ壁15に接触することを抑制することができる。
以上に説明したように本実施例に係る内燃機関10では、内壁44Eのうちスカート裾40e側の部位には、コンロッド16の桿部16aに対応して切り欠き90が形成されているものとしたので、コンロッド16とピストン20Eとの干渉を防止しつつ、スカート周端部42近傍のピストン径方向R外側への変形を抑制することができる。
本実施例に係るピストンの構成について、図6を用いて説明する。図6は、ピストンをスカートの裾側から見た底面図である。本実施例に係るピストンは、接続壁同士を結合する内壁が、ピストン中心軸側に凸となって湾曲する弓状をなしている点で、実施例1と異なり、以下に詳細を説明する。なお、実施例1と略共通の構成については、同一の符号を付し、説明を省略する。
図6に示すように、内壁44Fは、弓状をなしており、内壁44Fの主要な部分であってピストンピン軸心方向Pに延びている弓幹部43と、ピストンピン軸心方向Pに対してピストン中心軸C側に傾斜して延びている端部45から構成されている。内壁44Fの弓幹部43と端部45は連続しており、内壁44Fの端部45が接続壁50と結合部54で結合されている。弓幹部43は、結合部54に対してピンボス60側にオフセットして設けられている。なお、内壁44Fの弓幹部43と端部45は、滑らかに湾曲して連続しているものとしても良い。
このようにして弓幹部43と端部45から構成された内壁44Fは、ピストン中心軸C側に凸となって湾曲する弓状をなしている。このため、ピストン20Fのうちスカート40よりピストン径方向R内側には、スカート40の内周面40cと内壁44Fの外面(43a,45a)と、これらを接続する頂部30の接続面(図示せず)に囲まれて、有底の空洞79が形成されている。
このように構成されたピストン20Fは、スカート40の内周面40cと内壁44Fの主要な部分である弓幹部43の外面43aとの距離Tが、直線状に延びて結合部54同士を接続する内壁44を設けた場合に比べて、大きなものとなっている。すなわち、空洞79は、直線状に延びる内壁44(図1−2参照)を設けた場合に比べて、ピストン径方向Rにより厚みのある空間となっている。
スカート40がシリンダ壁15からの側圧を受けて、スカート中央部41がピストン中心軸C側に変形しようとすると、内壁44Fには、ピストンピン軸心方向Pに張力が作用して、スカート周端部42とこれに連続する接続壁50がピストン径方向R外側に弾性変形することを抑制することができる。
以上に説明したように本実施例に係るピストン20Fは、接続壁50同士を結合する内壁44Fが、ピストン中心軸C側に凸となって湾曲する弓状をなしているため、ピストン20Fに形成される空洞79がピストン径方向Rに厚みのある空間となっている。このため、ピストン20Fを砂型鋳造により製作する場合、この空洞に対応した砂型の製造や、空洞からの鋳物砂の排出を容易なものとすることができる。スカート周端部近傍のピストン径方向R外側への変形を抑制可能なピストンを、良好な生産性を以って実現することができる。また、ピストン20Fを金型鋳造により製作する場合、この空洞79に対応した金型の肉厚を充分に厚くすることができ、金型の寿命を犠牲にすることなく生産することができる。
なお、上述した各実施例において、内壁のスカート裾側の端は、スカートの裾とピストン径方向Rに対向して設けられている、すなわちスカート裾側の端とピストン頂面との距離が、スカートの裾とピストン頂面との距離と同じになるように延設されているものとしたが、内壁の幾何学的形状は、これに限定されるものではない。内壁が接続壁同士をピストン軸方向に沿って結合するような形状であれば良く、例えば、内壁におけるスカート裾側の端とピストン頂面との距離を、スカートの裾とピストン頂面との距離に比べて、小さく設定することも好適である。このように内壁を構成することで、内壁に切り欠きを形成することなく、コンロッドの桿部との干渉を防止可能なピストンを実現することができる。
以上のように、本発明は、内燃機関に有用であり、特に、自動車に原動機として搭載される内燃機関に適している。
実施例1に係る内燃機関のピストン周辺の構成を示す断面図である。 実施例1に係るピストンをスカートの裾側から見た底面図である。 図1−2のA1−A1線による断面図である。 実施例2に係るピストンをスカートの裾側から見た底面図である。 図2−1のA2−A2線による断面図である。 実施例3に係るピストンをスカートの裾側から見た底面図である。 図3−1のA3−A3線による断面図である。 実施例4に係るピストンをスカートの裾側から見た底面図である。 図4−1のA4−A4線による断面図である。 実施例5に係るピストンをスカートの裾側から見た底面図である。 図5−1のA5−A5線による断面図である。 実施例6に係るピストンをスカートの裾側から見た底面図である。 ピストンをスカートの裾側から見た底面図である。
符号の説明
10 内燃機関
12 シリンダブロック
15 シリンダ壁
16 コンロッド
14 シリンダボア
18 ピストンピン
20,20B,20C,20D,20E,20F.200 ピストン
22 頂面(ピストン頂面)
26 天井面
30 頂部(ピストン頂部)
32,34 コンプレッションリング溝
36 オイルリング溝
39 接続面
40 スカート
41 スカートのピストン周方向の中央部(スカート中央部)
42 スカートのピストン周方向の端部(スカート周端部)
43 弓幹部
44,44B,44C,44D,44E,44F 内壁
45 内壁の端部
46 梁壁
50 接続壁
54 結合部
60 ピストンピンボス
60c ピストンピンボスの内面
62 ピストンピン穴
65 ピンボスリブ
72,74 コンプレッションリング
76 オイルリング
78,78a,78c,79 空洞
80 ガイド通路
80a 頂部側開口
80c スカート裾側開口
86 ガイド通路
86a 頂部側開口
86c スカート裾側開口
88 ガイド通路
90 切り欠き
100,100B オイルジェット
102,102B ノズル
102a,102Ba 噴孔

Claims (14)

  1. 内燃機関に用いられ、対向するピストンピンボスと、スカートと、ピストンピンボスとスカートとを接続する接続壁が、頂部から延設されているピストンであって、
    スカートよりピストン中心軸側には、ピストンピン軸心方向に対向する接続壁同士を結合する内壁が設けられていることを特徴とするピストン。
  2. 請求項1に記載のピストンにおいて、
    内壁は、ピストンピン軸心方向に沿って延びていることを特徴とするピストン。
  3. 請求項1又は2に記載のピストンにおいて、
    内壁と接続壁の結合部は、ピストン軸方向に沿って延びていることを特徴とするピストン。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のピストンにおいて、
    内壁のスカート裾側の端は、スカートの裾と、ピストン径方向に対向して設けられていることを特徴とするピストン。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のピストンにおいて、
    スカートのピストン周方向の中央部と内壁とを結合する梁壁が、設けられていることを特徴とするピストン。
  6. 請求項5に記載のピストンにおいて、
    梁壁は、スカートのピストン周方向の中央部から、ピストン中心軸に向けて延びていることを特徴とするピストン。
  7. 請求項6に記載のピストンにおいて、
    梁壁は、ピストンピン軸心方向に直交する方向に沿って延びており、ピストンピン軸心方向に所定の間隔をあけて複数設けられていることを特徴とするピストン。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載のピストンにおいて、
    内壁とスカートにより囲まれて、スカート裾側から流入するオイルを頂部の天井面に導くことが可能なガイド通路が形成されていることを特徴とするピストン。
  9. 請求項8に記載のピストンにおいて、
    ガイド通路の頂部側の開口は、内壁の頂部側の端と、スカートの内周面から頂部の内周面に接続する接続面により、形状が規定されていることを特徴とするピストン。
  10. 請求項8又は9に記載のピストンにおいて、
    ガイド通路は、梁壁により仕切られて、頂部側とスカート裾側に開口を有する複数のガイド通路が形成されていることを特徴とするピストン。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載のピストンにおいて、
    ピンボスは、ピストンピンを介してコンロッドが装着されるものであり、
    内壁のうちスカート裾側の部位には、コンロッドの桿部に対応して切り欠きが形成されていることを特徴とするピストン。
  12. 請求項1〜11のいずれか1項に記載のピストンにおいて、
    内壁は、ピストン中心軸側に凸となって湾曲する弓状をなしていることを特徴とするピストン。
  13. 請求項8〜12のいずれか1項に記載のピストンを有する内燃機関であって、
    ガイド通路のスカート裾側の開口に向けてオイルを噴射するオイルジェットが設けられていることを特徴とする内燃機関。
  14. 請求項13に記載の内燃機関であって、
    ピストンは、梁壁により仕切られて、頂部側とスカート裾側に開口を有する複数のガイド通路が形成されており、
    オイルジェットには、ガイド通路のスカート裾側の開口に対応して複数の噴孔が設けられていることを特徴とする内燃機関。
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